JP2024052824A - 熱収縮性筒状ラベル及びラベル付き容器 - Google Patents

熱収縮性筒状ラベル及びラベル付き容器 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、紫外線吸収性能を有し、透明性に優れる熱収縮性筒状ラベルを提供することを目的とする。【解決手段】熱収縮性フィルムを基材とするラベル。【選択図】なし

Description

本発明は、熱収縮性及び紫外線性を有する筒状ラベルに関する。
特許文献1は、紫外線遮断性を有し、紫外線吸収剤を含有する熱可塑性樹脂(ポリエステル樹脂等)組成物からなる層を有する容器を開示している。近年、環境問題への取り組みとして、プラスチックのリサイクルが行われており、特に、PET(ポリエチレンテレフタレート)容器のリサイクル率は高い。PET容器からリサイクルされたPET樹脂を使用したPET容器も製造される。リサイクルされた材料を使用する際に、不純物の混入が問題となる。前記技術では、容器を形成するPET樹脂等に、直接、紫外線吸収剤を練り込む為、その後、PET樹脂をリサイクルする際に、紫外線吸収剤は不純物と成る。
特許文献2は、遮光層を有するシュリンクラベル付きのボトルを開示している。この技術では、遮光層を有するシュリンクラベルは、可視光線も遮断する為、そのシュリンクラベルで覆われたボトルは不透明となる。この技術では、商品コンセプトやデザイン等の観点から、商品の内容物を良好に見せることができない。
特許文献3は、紫外線吸収層と透明黄着色層を有し、紫外線を吸収し可視光線を透過するシュリンクラベルが開示されている。この技術では、シュリンクラベルは、透明黄着色層が設けられる為、黄味を帯びた色調に成る。
特開平07-040954公報 特開2004-250040公報 特開2009-023100公報
本発明は、紫外線吸収性能を有し、透明性に優れる熱収縮性筒状ラベルを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った。本発明は、透明性を低下させることなく、良好な紫外線吸収性能(遮断性能)を有する熱収縮性筒状ラベルを提供する。
本発明は、下記のラベルを提供する。
項1.
熱収縮性フィルムを基材とするラベルであって、
図柄印刷領域及び非図柄印刷領域を有し、
更に、紫外線吸収層を備え、
波長領域280nm~400nmにおける光線のカット率は93%以上であり、
前記非図柄印刷領域のヘイズは15%以下である、
熱収縮性筒状ラベル。
項2.
前記熱収縮性フィルムは、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、又は、ポリオレフィン系樹脂を含む層を少なくとも1層有する、前記項1に記載の熱収縮性筒状ラベル。
項3.
前記紫外線吸収層は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤、及び、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の紫外線吸収剤を含む、前記項1又は2に記載のラベル。
項4.
前記項1~3のいずれかに記載の熱収縮性筒状ラベルが装着された容器。
本発明のラベルは、熱収縮性を有するシュリンクラベルであり、良好に紫外線吸収性能を有し、非図柄印刷領域の透明性は良好である。
本発明のラベルの一つの態様(非図柄印刷領域)を表す図である。 本発明のラベルの一つの態様(図柄印刷領域)を表す図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
[1]熱収縮性筒状ラベル
本発明の熱収縮性フィルムを基材とするラベルは、図柄印刷領域及び非図柄印刷領域を有する。
本発明の熱収縮性筒状ラベルは、好ましくは、食品、化粧品等の包装分野で使用され、容器に装着される熱収縮性筒状ラベルとして使用される。本発明の熱収縮性筒状ラベルは、紫外線吸収層を有し、良好に紫外線を遮断することができる。本発明の熱収縮性筒状ラベルが有する紫外線吸収層は、好ましくは、紫外線吸収剤を含み、前記紫外線吸収剤を多く含まなくても、紫外線を93%以上遮断(カット)でき、良好な透明性を有する。
(1-1)熱収縮性フィルム
本発明の熱収縮性筒状ラベルは、熱収縮性フィルムを有する。
前記熱収縮性フィルムは、好ましくは、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、又は、ポリオレフィン系樹脂を含む層を少なくとも1層有する。
前記熱収縮性フィルムは、好ましくは、前記樹脂を含む層を少なくとも1層有する、単層若しくは多層構成のフィルムであり、より好ましくは、ポリエステル系樹脂を含む単層フィルム、ポリスチレン系樹脂を含む単層フィルム、ポリスチレン系樹脂を含む層を2層以上有する多層フィルム、ポリスチレン系樹脂を含む層及びポリエステル系樹脂を含む層を有する多層フィルム、又は、ポリオレフィン系樹脂を含む層及びポリエステル系樹脂を含む層を有する多層フィルムである。
<ポリスチレン系樹脂>
前記ポリスチレン系樹脂として、好ましくは、芳香族ビニル炭化水素-共役ジエン共重合体、芳香族ビニル炭化水素-共役ジエン共重合体と芳香族ビニル炭化水素-脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体との混合樹脂等を用いる。
「ポリスチレン系樹脂」は、芳香族ビニル炭化水素成分の含有量が50重量%を超える樹脂を意味する。
a.芳香族ビニル炭化水素-共役ジエン共重合体
「芳香族ビニル炭化水素-共役ジエン共重合体」は、芳香族ビニル炭化水素に由来する成分と、共役ジエンに由来する成分とを含有する共重合体を意味する。
前記芳香族ビニル炭化水素は、特に限定されず、好ましくは、スチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン等を用いる。これらは単独で用いて良く、2種以上を併用しても良い。
前記共役ジエンは、特に限定されず、好ましくは、1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン等を用いる。これらは単独で用いて良く、2種以上を併用しても良い。
前記芳香族ビニル炭化水素-共役ジエン共重合体は、特に熱収縮性に優れる点から、好ましくは、スチレン-ブタジエン共重合体(SBS樹脂)を含有する。前記芳香族ビニル炭化水素-共役ジエン共重合体は、よりフィッシュアイの少ない熱収縮性多層フィルムを作製できる点から、前記共役ジエンとして、好ましくは、2-メチル-1,3-ブタジエン(イソプレン)を用いたスチレン-イソプレン共重合体(SIS樹脂)、スチレン-イソプレン-ブタジエン共重合体(SIBS)等を含有する。
前記芳香族ビニル炭化水素-共役ジエン共重合体は、SBS樹脂、SIS樹脂及びSIBS樹脂のうちのいずれか1つを単独で含有しても良く、複数を組み合わせて含有しても良い。SBS樹脂、SIS樹脂及びSIBS樹脂から、複数組み合わせて用いる場合には、各樹脂をドライブレンドしても良く、各樹脂を特定の組成にて押出機を用いて練り上げペレタイズしたコンパウンド樹脂を用いても良い。
前記芳香族ビニル炭化水素-共役ジエン共重合体として、SBS樹脂、SIS樹脂及びSIBS樹脂を、単独又は複数で含有する場合は、特に熱収縮性に優れた熱収縮性多層フィルムが得られる点で、前記芳香族ビニル炭化水素-共役ジエン共重合体100重量%に占める芳香族ビニル炭化水素成分の含有量が、好ましくは、70重量%~90重量%であり、共役ジエン成分の含有量が、好ましくは、10重量%~30重量%である。前記芳香族ビニル炭化水素成分の含有量が上記範囲であることにより、得られる熱収縮性多層フィルムにテンションをかけたときに切れ易くなったり、印刷等の加工時に思いもよらず破断したりすることを防止することができる。
b.芳香族ビニル炭化水素-共役ジエン共重合体と芳香族ビニル炭化水素-脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体との混合樹脂
「芳香族ビニル炭化水素-脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体」は、芳香族ビニル炭化水素に由来する成分と、脂肪族不飽和カルボン酸エステルに由来する成分とを含有する共重合体を意味する。
前記芳香族ビニル炭化水素は、特に限定されず、好ましくは、前記芳香族ビニル炭化水素-共役ジエン共重合体において例示した芳香族ビニル炭化水素と同様の芳香族ビニル炭化水素を用いる。
前記脂肪族不飽和カルボン酸エステルは、特に限定されず、好ましくは、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等を用いる。「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートとの両方を表す。
前記芳香族ビニル炭化水素-脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体として、スチレン-ブチルアクリレート共重合体を用いる場合は、前記スチレン-ブチルアクリレート共重合体100重量%に占めるスチレン成分の含有量が、好ましくは、60重量%~90重量%であり、ブチルアクリレート成分の含有量が、好ましくは、10重量%~40重量%である。前記組成の芳香族ビニル炭化水素-脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体を用いることにより、熱収縮性に優れた熱収縮性多層フィルムを得ることができる。
前記芳香族ビニル炭化水素-共役ジエン共重合体と上記芳香族ビニル炭化水素-脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体との混合樹脂は、特に限定されないが、好ましくは、前記芳香族ビニル炭化水素-共役ジエン共重合体20重量%~80重量%と、前記芳香族ビニル炭化水素-脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体20重量%~80重量%との混合樹脂である。
c.ポリスチレン系樹脂のビカット軟化温度
前記ポリスチレン系樹脂のビカット軟化温度は、好ましくは、50℃以上であり、85℃以下である。前記ビカット軟化温度は、50℃未満であると、低温で収縮を開始したり、自然収縮率が大きくなったりする傾向がある。前記ビカット軟化温度は、85℃を超えると、収縮開始温度が高くなる傾向がある。
前記ビカット軟化温度は、ISO 306(1994)に準拠した方法で測定することができる。
d.多層フィルム
前記熱収縮性フィルムを多層フィルムとし、その中間層に、スチレン-ブタジエン共重合体を用いる場合、前記中間層を構成する樹脂成分中のスチレン成分の含有量は、好ましくは、70重量%以上であり、より好ましくは、75重量%以上である。前記スチレン成分の含有量は、好ましくは、90重量%以下であり、より好ましくは、85重量%以下である。
前記熱収縮性フィルムを多層フィルムとし、その中間層に、スチレン-ブタジエン共重合体を用いる場合、前記中間層を構成する樹脂成分中のブタジエン成分の含有量は、好ましくは、10重量%以上であり、より好ましくは、15重量%以上である。前記ブタジエン成分の含有量は、好ましくは、30重量%以下であり、より好ましくは、25重量%以下である。
<ポリエステル系樹脂>
前記ポリエステル系樹脂としては、好ましくは、ジカルボン酸とジオールとを縮重合させることにより得られるものを用いる。
a.ジカルボン酸
前記ジカルボン酸として、特に限定されず、好ましくは、o-フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オクチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、デカメチレンカルボン酸、これらの無水物及び低級アルキルエステル等を用いる。
b.ジオール
前記ジオールとして、特に限定されず、好ましくは、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール)、1,2-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、3-メチル-1,3-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール類を用いる。
前記ジオールとして、特に限定されず、好ましくは、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール類等を用いる。
c.好ましいポリエステル系樹脂
前記ポリエステル系樹脂として、中でも、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸に由来する成分を含有し、且つ、ジオール成分としてエチレングリコールに由来する成分を含有するものが好ましい。このようなポリエステル系樹脂を用いることにより、高い層間剥離強度と耐熱性を付与することができる。
前記ポリエステル系樹脂は、熱収縮性及び剛性をより高めることができる点で、ジカルボン酸成分の含有量を100モル%とした時、テレフタル酸に由来する成分の含有量は好ましくは、60モル%以上であり、より好ましくは、65モル%以上である。前記テレフタル酸に由来する成分の含有量は、好ましくは、100モル%以下であり、より好ましくは、95モル%以下である。
前記ポリエステル系樹脂は、熱収縮性及び剛性をより高めることができる点で、ジカルボン酸成分の含有量を100モル%とした時、イソフタル酸に由来する成分の含有量は、好ましくは、0モル%以上であり、より好ましくは、5モル%以上である。前記イソフタル酸に由来する成分の含有量は、好ましくは、40モル%以下であり、より好ましくは、35モル%以下である。
前記ポリエステル系樹脂は、熱収縮性をより高めることができる点で、ジオール成分の含有量を100モル%とした時、エチレングリコールに由来する成分の含有量は、好ましくは、50モル%以上であり、より好ましくは、60モル%以上である。前記エチレングリコールに由来する成分の含有量は、好ましくは、100モル%以下であり、より好ましくは、80モル%以下である。
前記ポリエステル系樹脂は、熱収縮性をより高めることができる点で、ジオール成分の含有量を100モル%とした時、1,4-シクロヘキサンジメタノールに由来する成分の含有量は、好ましくは、0モル%以上であり、より好ましくは、10モル%以上である。前記1,4-シクロヘキサンジメタノールに由来する成分の含有量は、好ましくは、40モル%以下であり、より好ましくは、35モル%以下である。
前記ポリエステル系樹脂は、熱収縮性をより高めることができる点で、ジオール成分の含有量を100モル%とした時、ジエチレングリコールに由来する成分含有量は、好ましくは、0モル%以上であり、より好ましくは、5モル%以上である。前記ジエチレングリコールに由来する成分含有量は、好ましくは、30モル%以下であり、より好ましくは、25モル%以下である。
前記ジカルボン酸成分として、テレフタル酸に由来する成分を含有するポリエステル系樹脂は、前記ジオール成分として、好ましくは、1,4-ブタンジオールに由来する成分を含有するものを用いる。このようなポリエステル系樹脂は、一般に、ポリブチレンテレフタレート系樹脂と呼ばれる。
前記ポリブチレンテレフタレート系樹脂は、前記ジカルボン酸成分として、テレフタル酸に由来する成分を含有し、且つ、ジオール成分として、エチレングリコール及び1,4-シクロヘキサンジメタノールに由来する成分を含有する芳香族ポリエステル系ランダム共重合樹脂と、併用されることが好ましい。このような混合樹脂を用いることでより優れた仕上り性を付与することができる。
d.ポリエステル系樹脂のガラス転移温度
前記ポリエステル系樹脂のガラス転移温度は、好ましくは、60℃以上であり、好ましくは85℃以下である。前記ガラス転移温度が60℃未満であると、自然収縮率が大きくなる傾向がある。前記ガラス転移温度が85℃を超えると、経時で低温収縮性が低下する傾向がある。
前記ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC:Differential Scanning Calorimetry)で測定することができる。
<ポリオレフィン系樹脂>
前記ポリオレフィン系樹脂としては、好ましくは、プロピレン系樹脂、エチレン系樹脂、又は環状オレフィン系樹脂を用いる。
a.プロピレン系樹脂
前記プロピレン系樹脂としては、熱収縮性を発現するという観点から、プロピレンを主成分とし、α-オレフィンを共重合成分とする二元、又は三元共重合体が好ましい。前記共重合体は、ブロック共重合体であってもよく、ランダム共重合体であってもよい。
前記α-オレフィンとしては、具体的には、エチレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン等からなるものが好ましく、2種類以上のα-オレフィンを含んでいても良い。前記共重合成分であるα-オレフィンの比率は1モル%~10モル%であるのが好ましい。
前記プロピレン系樹脂としては、異なるプロピレン-α-オレフィン共重合体の混合物であってもよい。
前記プロピレン系樹脂として、中でも、プロピレン-エチレン-ブテン三元共重合体、プロピレン-エチレン二元共重合体、プロピレン-ブテン二元共重合体が好ましく用いられる。
記プロピレン系樹脂のうち、市販品として、例えば、Adsyl 5C30F(Basell社製)、ノバテックFX4G(日本ポリプロ社製)、ポリプロピレンPC540R(サンアロマー社製)等が挙げられる。
前記プロピレン系樹脂の密度は、880kg/m3~950kg/m3であることが好ましい。
前記プロピレン系樹脂の190℃でのメルトフローレート(MFR)は、0.1g/10分~10g/10分であることが好ましい。
MFRは、JIS K7210に準拠した方法で測定することができる。
前記プロピレン系樹脂の融点は、120℃~140℃であることが好ましい。
前記プロピレン系樹脂のビカット軟化点温度は110℃~130℃であることが好ましい。
ビカット軟化温度は、ISO 306(1994)に準拠した方法で測定することができる。
b.エチレン系樹脂
前記エチレン系樹脂としては、分岐状低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、又はこれらの混合物が挙げられる。前記エチレン系樹脂としては、中でも、分岐状低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。
前記直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレンとα-オレフィンとの共重合体であり、α-オレフィンの例としては、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン等が挙げられる。
前記直鎖状低密度ポリエチレンとしては、密度880kg/m3~940kg/m3であり、190℃でのMFRは0.1g/10分~30g/10分のものを用いることが好ましい。
MFRの測定方法は、前述の通りである。
前記直鎖状低密度ポリエチレンのうち、市販品として、例えば、エボリューSP1520(プライムポリマー社製)、ユメリット1520F(宇部丸善ポリエチレン社製)、スミカセンEFV402(住友化学社製)等が挙げられる。
前記エチレン系樹脂としては、密度880kg/m3~940kg/m3であり、190℃でのMFRが0.1g/10分~30g/10分のものを用いることが好ましい。
前記エチレン系樹脂のビカット軟化温度は、90℃~110℃であることが好ましい。
前記エチレン系樹脂の融点は、100℃~120℃であることが好ましい。
MFR及びビカット軟化温度の測定方法は、前述の通りである。
c.環状オレフィン系樹脂
前記環状オレフィン系樹脂としては、(a)エチレン又はプロピレンと環状オレフィン(例えば、ノルボルネン及びその誘導体やテトラシクロドデセン及びその誘導体等)との共重合体、(b)該環状オレフィンの開環重合体又はα-オレフィンとの共重合体、(c)上記(b)の重合体の水素添加物、(d)不飽和カルボン酸及びその誘導体等による上記(a)~(c)のグラフト変性物等が挙げられる。
前記環状オレフィン系樹脂の市販品としては、例えば、ゼオノア(日本ゼオン社製)、アペル(三井化学社製)、トパス(ポリプラスチックス社製)等が挙げられる。
前記環状オレフィンとしては、例えば、ノルボルネン、6-メチルノルボルネン、6-エチルノルボルネン、5-プロピルノルボルネン、6-n-ブチルノルボルネン、1-メチルノルボルネン、7-メチルノルボルネン、5,6-ジメチルノルボルネン、5-フェニルノルボルネン、5-ベンジルノルボルネン等が挙げられる。
前記テトラシクロドデセン及びその誘導体としては、例えば、8-メチルテトラシクロ-3-ドデセン、8-エチルテトラシクロ-3-ドデセン、5,10-ジメチルテトラシクロ-3-ドデセン等が挙げられる。
前記表裏層における上記環状オレフィン系樹脂の含有量は、好ましくは、下限が60重量%、上限が80重量%である。前記環状オレフィン系樹脂の含有量は、より好ましくは、下限が65重量%、上限が75重量%である。前記下限以上上限以下の含有量の範囲であると、熱収縮性多層フィルムの取扱い性や透明性を良好なものとすることができる。
前記環状オレフィン系樹脂のGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法により測定される数平均分子量は、1,000~100万であることが好ましい。前記数平均分子量が、前記範囲内とすることで、フィルムの製膜が容易になる。
前記環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度は、20℃~130℃が好ましく、より好ましくは50℃~100℃である。前記ガラス転移温度が20℃以上であると、フィルム表面の耐熱性を良好なものとして、装着ライン上で容器同士のブロッキングの発生を抑制することができ、又、自然収縮率を良好な範囲とすることができる。前記ガラス転移温度が130℃以下であると、横方向の熱収縮率を充分に大きくすることができる。
前記環状オレフィン系樹脂の密度は1,000kg/m3~1,050kg/m3であることが好ましく、1,010kg/m3~1,040kg/m3であることがより好ましい。
前記環状オレフィン系樹脂は、230℃でのMVR(メルトボリュームレート)が1cm3/10分~20cm3/10分であることが好ましい。
MVRの測定方法は、ISO 1133に準拠した方法で測定することができる。
d.オレフィン系エラストマー
前記オレフィン系樹脂は、更にオレフィン系エラストマー樹脂も含む。
前記オレフィン系エラストマー樹脂としては、エチレン/α-オレフィン共重合体エラストマー、プロピレン/α-オレフィン共重合体エラストマーを用いることが好ましい。上記共重合体は、ブロック共重合体であってもよく、ランダム共重合体であってもよい。上記エチレン/α-オレフィン共重合体エラストマー、上記プロピレン/α-オレフィン共重合体エラストマーとは、炭素数4以上のα-オレフィンの共重合成分が15モル%以上のエラストマーである。ここでα-オレフィンとしては、ブテン-1、ペンテン-1、ヘキセン-1、オクテン-1、4-メチルペンテン-1等が挙げられる。
中でも、エチレン/ブテン共重合体エラストマー、プロピレン/ブテン共重合体エラストマーが好ましい。
前記オレフィン系エラストマー樹脂のうち、市販品として、例えば、タフマーA4085S(三井化学社製)、タフマーXM7070(三井化学社製)等が挙げられる。
前記エチレン/ブテン共重合体エラストマーは、エチレン成分を70モル%~90モル%、ブテン成分を10モル%~30モル%含有することが望ましい。
また、前記プロピレン/ブテン共重合体エラストマーは、プロピレン成分を65モル%~85モル%、ブテン成分を15モル%~35モル%含有することが望ましい。
前記構成を有することにより、熱収縮性多層フィルムに高収縮性を付与することができ、さらに低温での伸度保持性に優れたフィルムを得ることができる。
前記オレフィン系エラストマー樹脂の密度は、850kg/m3~950kg/m3であることが好ましい。
前記オレフィン系エラストマー樹脂の190℃でのMFRは、2g/10分~8g/10分であることが好ましい。
前記オレフィン系エラストマー樹脂の230℃でのMFRは、3g/10分~10g/10分であることが好ましい。
前記オレフィン系エラストマー樹脂の融点は、60℃~80℃であることが好ましい。
前記オレフィン系エラストマー樹脂のビカット軟化点温度は、50℃~75℃であることが好ましい。
MFR及びビカット軟化温度の測定方法は、前述の通りである。
<熱収縮性単層フィルム>
本発明の熱収縮性筒状ラベルでは、前記ポリスチレン系樹脂を含有する層を有する熱収縮性単層フィルムは、ポリスチレン系樹脂として、好ましくは、前記上記芳香族ビニル炭化水素-共役ジエン共重合体であり、より好ましくは、スチレンーブタジエン共重合体である。
<熱収縮性多層フィルム>
a.ポリスチレン系樹脂を含む層を複数有する熱収縮性多層フィルム
本発明の熱収縮性筒状ラベルでは、前記ポリスチレン系樹脂として、好ましくは、前記芳香族ビニル炭化水素-共役ジエン共重合体であり、より好ましくは、スチレン-ブタジエン共重合体である。
本発明の熱収縮性筒状ラベルでは、前記熱収縮性多層フィルムは、好ましくは、表層/中間層/裏層の3層構成である。
前記表層、中間層、及び、裏層に用いるスチレン-ブタジエン共重合体は、表層と裏層とでは、好ましくは、同じ種類のスチレン-ブタジエン共重合体を用いる。前記表層、中間層、及び、裏層に用いるスチレン-ブタジエン共重合体は、表層と中間層とでは、好ましくは、異なる種類のスチレン-ブタジエン共重合体を用いる。
前記スチレン-ブタジエン共重合体において、スチレンとブタジエンとの比率は、熱収縮率等の特性を考慮して、適宜調整することができる。
b.ポリスチレン系樹脂を含む層とポリエステル系樹脂を含む層を少なくとも有する熱収縮性多層フィルム
本発明の熱収縮性筒状ラベルでは、前記熱収縮性多層フィルムは、好ましくは、表層/中間層/裏層の3層構成である。
前記熱収縮性多層フィルムは、前記表層及び裏層として、好ましくは、ポリエステル系樹脂を含む層を用い、前記中間層として、好ましくは、ポリスチレン系樹脂を含む層を用い、好ましくは、少なくとも3層構成である。
前記熱収縮性多層フィルムは、必要に応じて、表層と中間層との間、裏層と中間層との間に接着層を設けることができる。
c.ポリオレフィン系樹脂を含む層とポリエステル系樹脂を含む層を少なくとも有する熱収縮性多層フィルム
本発明の熱収縮性筒状ラベルでは、前記熱収縮性多層フィルムは、好ましくは、表層/中間層/裏層の3層構成である。
前記熱収縮性多層フィルムは、前記表層及び裏層として、好ましくは、ポリエステル系樹脂を含む層を用い、前記中間層として、好ましくは、ポリオレフィン系樹脂を含む層を用い、好ましくは、少なくとも3層構成である。
前記熱収縮性多層フィルムは、必要に応じて、表層と中間層との間、裏層と中間層との間に接着層を設けることができる。
d.接着層に用いる樹脂(組成物)
前記接着層を構成する接着性樹脂として、一般的に市販されているものであれば特に限定されなく、好ましくは、ポリエステル系エラストマー、又は、これらの変性物、或いは、ポリエステル系樹脂とポリスチレン系樹脂との混合物、ポリスチレン系樹脂とポリエステル系エラストマーとの混合物を用いる。
前記ポリエステル系エラストマーは、好ましくは、飽和ポリエステル系エラストマーであり、より好ましくは、ポリアルキレンエーテルグリコールセグメントを含有する飽和ポリエステル系エラストマーである。
前記ポリアルキレンエーテルグリコールセグメントを含有する飽和ポリエステル系エラストマーとして、好ましくは、ハードセグメントとして、芳香族ポリエステルを用い、ソフトセグメントとして、ポリアルキレンエーテルグリコール又は脂肪族ポリエステルとからなるブロック共重合体を用いる。前記ソフトセグメントとして、より好ましくは、ポリアルキレンエーテルグリコールを有するポリエステルポリエーテルブロック共重合体を用いる。
(1-2)熱収縮性
前記熱収縮性フィルムの主収縮方向における熱収縮率は、好ましくは、70℃10秒間で15%~50%である、80℃10秒間で40%~70%である、又は、沸騰水中10秒間で65~85%である。
前記主収縮方向における熱収縮率は、好ましくは、70℃10秒間で15%~50%であり、より好ましくは、20%~47%である。
前記主収縮方向における熱収縮率は、好ましくは、80℃10秒間で40%~70%であり、より好ましくは、50%~65%である。
前記主収縮方向における熱収縮率は、好ましくは、沸騰水中10秒間で65~85%であり、より好ましくは70%~83%である。
熱収縮性フィルムの厚み
前記熱収縮性フィルムの厚さは、全体の厚さとして、20μm~60μmである。前記熱収縮性フィルムの厚さは、より好ましくは、下限は30μmであり、上限は50μmである。
(1-3)紫外線吸収層
本発明の熱収縮性筒状ラベルは、紫外線吸収層を有する。
前記紫外線吸収層は、好ましくは、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤、及び、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の紫外線吸収剤を含む。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、好ましくは、2-(5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α’-ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3,-テトラメチルブチル)フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチルフェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジ-t-ブチルフェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジ-t-アミルフェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-t-ブチルフェノール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5-ジ-t-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、6-(2-ベンゾトリアゾリル)-4-t-オクチル-6’-t-ブチル-4’-メチル-2,3-メチレンビスフェノール等を使用することができる。
トリアジン系紫外線吸収剤
トリアジン系紫外線吸収剤としては、好ましくは、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-(ヘキシル)オキシフェノール等を使用することができる。
ベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤
ベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤としては、好ましくは、2,2’-p-フェニレンビス(3,1-オキサジン-4-オン)、2-p-ニトロフェニル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-(2-ナフチル)-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2,2’-p-フェニレンビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、2,2’-(2,6-ナフチレン)ビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)等を使用することができる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、好ましくは、2,4-ジヒドロキシ・ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ・ベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシ・ベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシ・ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシ・ベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシ・ベンゾフェノン、4-ドデシロキシ-2-ヒドロキシ・ベンゾフェノン、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゾイル酸,n-ヘクサデシルエステル、ビス(5-ベンゾイル-4-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル)メタン、1,4-ビス(4-ベンゾイル-3-ヒドロキシフェノキシ)ブタン、1,6-ビス(4-ベンゾイル-3-ヒドロキシフェノキシ)ヘキサン等を使用することができる。
紫外線吸収層の調製
前記紫外線吸収層を調製する際に、樹脂成分として、好ましくは、塩酢ビ樹脂(塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合物)、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、及び、ポリウレタン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を用いる。樹脂成分として、より好ましくは、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂等を用いる。
前記紫外線吸収層を調製する際に、溶剤として、好ましくは、炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、アルコール、及び、ケトン系溶剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤を用いる。前記炭化水素系溶剤としては、好ましくは、トルエン、キシレン等を用いる。前記エステル系溶剤としては、好ましくは、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等を用いる。アルコールとしては、好ましくは、イソプロピルアルコール、ブタノール等を用いる。ケトン系溶剤としては、好ましくは、メチルエチルケトン等を用いる。
前記紫外線吸収層を調製する際に、好ましくは、助剤を用いる。前記助剤は、物理的及び化学的に、安定性、印刷適性等を向上させる為の添加剤である。助剤として、好ましくは、安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤等を用いる。
前記紫外線吸収層を調製する際に、コーティング剤を調製し、前記樹脂成分を、好ましくは、15重量%~25重量%含む。前記コーティング剤は、前記溶剤を、好ましくは、40重量%~70重量%含む。前記コーティング剤は、前記紫外線吸収剤を、好ましくは、2重量%~10重量%%含む。前記コーティング剤は、前記助剤を、好ましくは、1重量%~5重量%%含む。
前記紫外線吸収層は、好ましくは、上記熱収縮性フィルムに、前記紫外線吸収剤をコーティングして作製する(図1)。前記紫外線吸収層は、熱収縮性フィルに図柄印刷層、下地層等が形成されている場合、好ましくは、それら層に、前記紫外線吸収剤をコーティングして作製する(図2)。前記紫外線吸収層は、前記コーティング剤を、好ましくは、グラビア印刷により、形成(コーティング)する。
(1-4)紫外線吸収性
本発明の熱収縮性筒状ラベルは、波長領域280nm~400nmにおける光線(紫外線)のカット率(遮断率)は93%以上であり、紫外線吸収性を有する。
前記紫外線吸収性は、例えば、日本分光社製 V-700シリーズを使用して、波長領域280nm~400nmにおける光線(紫外線)のカット率(遮断率)を測定することができる。
(1-5)透明性
本発明の熱収縮性フィルムを基材とするラベルは、図柄印刷領域及び非図柄印刷領域を有する。本発明の熱収縮性筒状ラベルでは、前記非図柄印刷領域のヘイズは、15%以下であり、透明性を有する。
前記透明性は、例えば、日本電色工業社製 NDH-2000を使用して、ヘイズ(%)を測定することができる。
本発明の熱収縮性筒状ラベルのヘイズを測定する場合、基材となる熱収縮性フィルムと紫外線吸収層のみからなる領域(非図柄印刷領域)を測定する。
[2]熱収縮性筒状ラベルの製造方法
本発明の熱収縮性筒状ラベルは、基材となる熱収縮性フィルムに、図柄印刷(下地層を含む)と紫外線吸収層とを、グラビア印刷法を用いて熱収縮性フィルムの片面に施す。図柄印刷は、熱収縮性フィルムの横方向に対し、多丁取りで印刷される。
図柄印刷と紫外線吸収層を施された熱収縮性フィルムは、丁ごとに所定の幅にスリットされ、巻き取られる。
所定幅にスリットされた熱収縮性フィルムの、長手方向に沿った一方の端面と他方の端面を、5mm~10mm程度重なるように折り曲げ、重なり部分を溶剤によりシールし筒状とする。筒状の熱収縮性ラベルは、巻き取られ、長尺の熱収縮性筒状ラベルとなる。
以下に、本発明を、実施例及び比較例を用いてより詳細に説明する。
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(1)熱収縮性フィルムの製造
表層及び裏層には、ポリエステル系樹脂(ガラス転移温度69℃)を85重量%含み、ポリブチレンテレフタレート樹脂を15重量%含む樹脂組成物を用いた。前記ポリエステル系樹脂は、(i)ジカルボン酸成分として、テレフタル酸に由来する成分を100モル%含み、(ii)ジオール成分として、エチレングリコールに由来する成分を65モル%含み、ジエチレングリコールに由来する成分を20モル%含み、1,4-シクロヘキサンジメタノールに由来する成分を15モル%含み、(iii)ガラス転移温度は69℃である。
中間層には、(i)スチレン含有量が81.3重量%であり、ブタジエン含有量が18.7重量%であるスチレン-ブタジエン共重合体(ビカット軟化温度81℃)を50重量%含み、(ii)スチレン含有量が79重量%であり、ブタジエン含有量が21重量%であるスチレン-ブタジエン共重合体(ビカット軟化温度59℃)を50重量%含む樹脂組成物を用いた。
接着層には、ポリエステル系エラストマーを70重量%含み、スチレン-ブタジエン共重合体を30重量%含む樹脂組成物を用いた。前記、スチレン-ブタジエン共重合体は、スチレン含有量が82重量%であり、ブタジエン含有量が18重量%であり、ビカット軟化温度は76℃である。
これら各層の樹脂組成物をバレル温度が160℃~250℃の押出機に投入し、250℃の多層ダイスから5層構造のシート状に押出し、30℃の引き取りロールにて冷却固化した。次いで、予熱ゾーン105℃、延伸ゾーン90℃、熱固定ゾーン85℃のテンター延伸機内で延伸倍率6倍にて延伸した後、巻き取り機で巻き取った。巻き取ったフィルムは、主収縮方向がTDであり、主収縮方向と直交する方向がMDとなる熱収縮性多層フィルムとした。
得られた熱収縮性多層フィルムは、総厚みが50μmであり、表層(7μm)/接着層(1μm)/中間層(34μm)/接着層(1μm)/裏層(7μm)の5層構造とした。
(2)紫外線吸収層のコーティング
紫外線吸収層を形成するためのグラビア印刷版
線数:150線~200線(レーザー製版)
セルの深さ:20μm~35μm
コーティング剤の粘度
ザーンカップ法:ザーンカップ#3を用いて、カップからコーティング剤が排出される時間で粘度を測定した。好ましい粘度は、15秒~25秒である。
紫外線吸収剤
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤:BASF社製チヌビン(4%)
樹脂成分:アクリル系樹脂
(3)ラベルの評価
*1:いずれもレーザー製版による版を使用した。
*2:日本分光社製 V-700シリーズを使用した。
*3:日本電色工業社製 NDH-2000を使用した。
本発明のラベルは、波長領域280nm~400nmにおける光線(紫外線)のカット率は93%以上であるから、良好な紫外線遮断性能を有すると評価できた。
本発明のラベルは、ヘイズは15%以下であるから、良好な透明性を有すると評価できた。本発明のラベルは、良好な紫外線遮断性能に加えて、良好な透明性を有すると評価できた。
本発明のラベルは、熱収縮性を有するラベル(シュリンクラベル)として良好に使用できると評価できた。

Claims (4)

  1. 熱収縮性フィルムを基材とするラベルであって、
    図柄印刷領域及び非図柄印刷領域を有し、
    更に、紫外線吸収層を備え、
    波長領域280nm~400nmにおける光線のカット率は93%以上であり、
    前記非図柄印刷領域のヘイズは15%以下である、
    熱収縮性筒状ラベル。
  2. 前記熱収縮性フィルムは、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、又は、ポリオレフィン系樹脂を含む層を少なくとも1層有する、請求項1に記載の熱収縮性筒状ラベル。
  3. 前記紫外線吸収層は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤、及び、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の紫外線吸収剤を含む、請求項1又は2に記載の熱収縮性筒状ラベル。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載の熱収縮性筒状ラベルが装着されたラベル付き容器。

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