JP2023040698A - 熱収縮性フィルム - Google Patents

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信弘 渡邉
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Abstract

【課題】透明性及び耐脂性がより向上した熱収縮性フィルムを提供する。【解決手段】熱収縮性フィルムは、環状オレフィン系樹脂、エチレン系樹脂、及び石油樹脂から構成される表層を備える。表層は、環状オレフィン系樹脂、エチレン系樹脂、及び石油樹脂の合計100質量%に対し、エチレン系樹脂を35質量%以下、石油樹脂を5質量%以上含有する。【選択図】図1

Description

本開示は、熱収縮性フィルムに関する。
特許文献1は、表裏層と中間層とを有する熱収縮性多層フィルムを開示する。この表裏層は、環状オレフィン系樹脂を60~80重量%、エチレン系樹脂を20~40重量%含有する。この中間層は、樹脂を含有し、中間層を構成する樹脂成分の合計を100モル%としたとき、プロピレン成分を35~70モル%、エチレン成分を1~10モル%及びブテン成分を1~10モル%含有する。特許文献1によれば、この構成により密度が低く、優れた収縮性及び高い剛性を有するとともに、層間剥離が生じにくく、透明性にも優れた熱収縮性フィルムが提供される。
特開2017-071064号公報
特許文献1では、熱収縮フィルムのヘイズ値が7.0%未満であれば許容範囲としている。ヘイズ値は、熱収縮フィルムの曇り具合を表す指標であり、低いほど透明度が高いことを示す。しかし、場合によってはより高い透明度の基準を満足し、かつその他の外観品質を向上させることが要求される。外観品質を評価するその他の基準としては、例えば耐脂性が挙げられる。熱収縮フィルムは、熱収縮前に人の手が触れたり等により脂分が付着すると、その箇所が熱収縮後に白化を起こすことがある。耐脂性は、脂分による白化の抑制度合いを表し、高いほど好ましい。
本開示は、透明性及び耐脂性がより向上した熱収縮性フィルムを提供することを目的とする。
本開示の一側面に係る熱収縮性フィルムは、環状オレフィン系樹脂、エチレン系樹脂、及び石油樹脂から構成される表層を備える。表層は、環状オレフィン系樹脂、エチレン系樹脂、及び石油樹脂の合計100質量%に対し、エチレン系樹脂を35質量%以下、石油樹脂を5質量%以上含有する。
上記熱収縮性フィルムは、表層に隣接して積層されるコア層をさらに備えてもよい。コア層は、プロピレン系樹脂及び石油樹脂を含有してもよい。
上記熱収縮性フィルムにおいて、コア層は、プロピレン系樹脂及び石油樹脂の合計100質量%に対し、石油樹脂を10質量%以上含有してもよい。
上記熱収縮性フィルムにおいて、コア層は、環状オレフィン系樹脂及びエチレン系樹脂をさらに含有してもよい。
上記熱収縮性フィルムにおいて、コア層は、プロピレン系樹脂として、長鎖分岐ポリプロピレンを含有してもよい。
上記熱収縮性フィルムにおいて、表層は、コア層の両面に隣接して積層されていてもよい。
上記熱収縮性フィルムにおいて、環状オレフィン系樹脂は、ガラス転移温度がTg1(℃)である第1の環状オレフィン系樹脂と、ガラス転移温度がTg2(℃)である第2の環状オレフィン系樹脂とを含んでもよく、ガラス転移温度Tg1とTg2との差は、10℃以上であってもよい。
上記熱収縮性フィルムにおいて、ガラス転移温度Tg1及びTg2は、Tg1<70℃、70℃<Tg2を満たしてもよい。
上記熱収縮性フィルムにおいて、石油樹脂は、脂環式石油樹脂を含んでもよい。
本開示の一側面に係る熱収縮性ラベルは、上記熱収縮性フィルムのいずれかの熱収縮性フィルムを含む。
上記側面によれば、透明性及び耐脂性がより向上した熱収縮性フィルムが提供される。
一実施形態に係る熱収縮性フィルムの構成を示す断面図。
<1.概要>
以下、本開示に係る熱収縮性フィルムの一実施形態について説明する。熱収縮性フィルムは、主として熱可塑性樹脂、特にオレフィン系樹脂から構成されるフィルムであり、例えばプラスチック容器に装着される包装資材として好適に使用される。特に、ペットボトル等の容器に装着される熱収縮性ラベルのベースフィルムに適する。従って、本開示に係る熱収縮性フィルムを含む熱収縮性ラベルも、本開示の範囲に含まれる。
図1は、本実施形態に係る熱収縮性フィルム1の断面を表す。図1に示すように、熱収縮性フィルム1は、表層2及びコア層3を備える。表層2は、コア層3に隣接して、コア層3の少なくとも一方の面に積層される層であり、図1に示す例では、コア層3の両面に隣接して表層2が積層している。なお、図1に示される各層の厚みは、必ずしも実際の寸法を反映したものではない。後述するように、表層2及びコア層3は、主としてオレフィン系樹脂から構成される。オレフィン系樹脂は、炭素間の二重結合を有する炭化水素であり、例えばエチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、石油樹脂、及びオレフィン系エラストマー等が挙げられる。
熱収縮性フィルム1は、全体としての比重が1未満になるよう構成されることで、リサイクルの現場において、比重が1より大きなエステル系樹脂やスチレン系樹脂から比重分離されることが可能になる。これにより、熱収縮性フィルム1は、オレフィン系樹脂のリサイクル原料として利用することができる。特に、熱収縮性フィルム1を原料として、実質的に同様の構成を有する熱収縮性フィルム1を再生産する場合、熱収縮性フィルムから熱収縮性フィルムへの資源循環が形成される。具体的には、熱収縮性フィルム1上に印刷インキ層が設けられ、熱収縮性ラベルとして構成されたものも、印刷インキ層を除去する脱墨処理を施されることにより、熱収縮性フィルム1の原料として再利用可能であり、透明性に優れた熱収縮性フィルムを再生産できる。脱墨処理には公知の様々な方法が採用でき、限定されない。例えば、熱収縮性フィルム1にアクリル樹脂などの下塗り層を予め設け、その上に印刷インキ層を設ける場合、下塗り層が溶解可能な溶液(例えばアルカリ性溶液など)に浸漬させることにより印刷インキ層を除去できる。また、下塗り層を設けない場合でも、印刷インキのバインダー樹脂が溶解可能な溶液(例えばアルカリ性溶液など)に浸漬させることにより印刷インキ層を除去できる。従って、熱収縮性フィルム1には、再利用されていないバージン原料から構成されたものの他、再利用されたオレフィン系樹脂から構成されたものが含まれる。以下、熱収縮性フィルム1の各層について説明する。
<2.表層>
本実施形態に係る表層2は、エチレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂及び石油樹脂を含有する。以下、各樹脂について説明する。
[エチレン系樹脂]
エチレン系樹脂は、熱収縮性フィルム1の耐脂性を向上させる。後述する環状オレフィン系樹脂は、熱収縮性フィルム1の熱収縮前に人の手が触れる等し、脂分が付着すると、収縮後にその部分が白化(以下、皮脂白化とも称する)を起こしやすくなる。表層2がエチレン系樹脂を適量含有することにより、熱収縮性フィルム1が皮脂白化を起こしにくくなり、耐脂性が向上する。
エチレン系樹脂としては、直鎖状低密度ポリエチレン、分岐状低密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、またはこれらの混合物が挙げられる。さらに、エチレンとα-オレフィンとの共重合体もエチレン系樹脂として挙げられる。α-オレフィンとしては特に限定されないが、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン等が挙げられる。上記共重合体は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。表層2は、エチレン系樹脂として、直鎖状低密度ポリエチレンを含有することが好ましい。
上記エチレン系樹脂の密度は、880kg/m3以上であることが好ましく、940kg/m3以下であることが好ましい。また、190℃におけるメルトフローレート(MFR)が0.1g/10分以上であることが好ましく、30g/10分以下であることが好ましい。これにより、後述する環状オレフィン系樹脂との相溶性が向上する。
上記エチレン系樹脂のビカット軟化温度は、90℃以上であることが好ましく、110℃以下であることが好ましい。なお、ビカット軟化温度は、JISK-7206(1999)に準拠した方法で測定することができる。また、上記エチレン系樹脂の融点は、95℃以上であることが好ましく、120℃以下であることが好ましい。
上記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の市販品としては、エボリュー(プライムポリマー社製)、ユメリット(宇部丸善ポリエチレン社製)、ノバテック(日本ポリエチレン社製)等が挙げられる。また、低密度ポリエチレン樹脂の市販品としては、スミカセン(住友化学社製)、及びノバテック(日本ポリエチレン社製)等が挙げられる。
表層2は、表層2を構成するエチレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂及び石油樹脂の合計を100質量%としたとき、上記エチレン系樹脂を10質量%以上含有することが好ましく、15質量%以上含有することが好ましく、35質量%以下含有することが好ましく、30質量%以下含有することがより好ましい。エチレン系樹脂の含有量が上記下限以上であると、環状オレフィン系樹脂の皮脂白化のし易さがカバーされ、熱収縮性フィルム1の耐脂性が向上する。また、エチレン系樹脂の含有量が上記上限以下であると、エチレン系樹脂により熱収縮性フィルム1の透明性が悪化することが抑制される。
[環状オレフィン系樹脂]
環状オレフィン系樹脂とは、例えば(a)エチレンまたはプロピレンと環状オレフィンとのランダム共重合体、(b)該環状オレフィンの開環重合体またはα―オレフィンとの共重合体、(c)上記(b)の重合体の水素添加物、(d)不飽和カルボン酸及びその誘導体等による(a)~(c)のグラフト変性物等である。中でも、熱収縮性フィルム1の結晶性を低下させ、製造時の延伸性、熱収縮率及び透明性を向上させる観点からは、環状オレフィンとエチレン、プロピレン、またはα-オレフィンとのランダム共重合体が好ましい。
環状オレフィンとしては特に限定されず、例えば、ノルボルネン、6-メチルノルボルネン、6-エチルノルボルネン、5-プロピルノルボルネン、6-nーブチルノルボルネン、1-メチルノルボルネン、7-メチルノルボルネン、5,6-ジメチルノルボルネン、5-フェニルノルボルネン、5-ベンジルノルボルネン等、ノルボルネン及びその誘導体が挙げられる。さらに、テトラシクロドデセン、8-メチルテトラシクロ-3-ドデセン、8-エチルテトラシクロ-3-ドデセン、5,10-ジメチルテトラシクロ-3-ドデセン等、テトラシクロドデセン及びその誘導体が挙げられる。
上記環状オレフィン系樹脂のGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法により測定される数平均分子量は1000以上であることが好ましく、100万以下であることが好ましい。数平均分子量を上記範囲内とすることで、製膜が容易になる。
環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度は20℃以上が好ましく、50℃以上であることがより好ましく、130℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがより好ましい。上記ガラス転移温度が20℃以上であると、表層2の耐熱性が向上する。また、熱収縮性フィルム1を含む熱収縮性ラベルを容器に装着するための装着ラインにおいて、これら容器同士のブロッキングの発生を抑制することができる。さらに、上記ガラス転移温度が50℃以上であると、自然収縮率を良好な範囲とすることができる。上記ガラス転移温度が130℃以下であると、主収縮方向の熱収縮率を充分に大きくすることができる。さらに、上記ガラス転移温度が100℃以下であると、低温域においても主収縮方向の熱収縮率を充分に大きくすることができる。
上記ガラス転移温度は、ISO 3146に準拠した方法で測定することができる。なお、上記環状オレフィン系樹脂が、ガラス転移温度が異なる複数の環状オレフィン系樹脂を含有する混合樹脂である場合、上記混合樹脂のガラス転移温度は、混合樹脂中の各環状オレフィン系樹脂の質量比とガラス転移温度とに基づいて算出した見かけのガラス転移温度とする。
表層2は、ガラス転移温度が異なる2種類の環状オレフィン系樹脂を含むことが好ましい。これらの環状オレフィン系樹脂のうち、ガラス転移温度がTg1(℃)であるものを第1の環状オレフィン系樹脂(A1)、ガラス転移温度がTg2(℃)であるものを第2の環状オレフィン系樹脂(A2)とすると、Tg1とTg2との差が10℃以上であることが好ましい。さらに、Tg1>70℃であることが好ましく、Tg2≦70℃であることが好ましい。
環状オレフィン系樹脂を、第1の環状オレフィン系樹脂(A1)及び第2の環状オレフィン系樹脂(A2)を含有する混合樹脂とすると、この混合樹脂の熱特性を、上記見かけのガラス転移温度を挟んで緩やかに発現させることができる。これにより、熱収縮性フィルム1の延伸時の加工性が向上する。また、熱収縮性フィルム1の熱収縮時の収縮が急激でなくなるため、熱収縮によるシワの発生を抑制することができる。さらに、Tg1とTg2との差を10℃以上とすることで、熱収縮性フィルム1の自然収縮率を抑制する一方で、熱収縮率を高くすることができる。これらの特性の調整は、第1の環状オレフィン系樹脂(A1)及び第2の環状オレフィン系樹脂(A2)の配合割合によって行うことができる。
上記環状オレフィン系樹脂の密度は1000kg/m3以上であることが好ましく、1010kg/m3以上であることがより好ましく、1050kg/m3以下であることが好ましく、1040kg/m3以下であることがより好ましい。また、230℃におけるMFRが1g/10分以上であることが好ましく、10g/10分以下であることが好ましい。これにより、上述したエチレン系樹脂との相溶性が向上する。
上記環状オレフィン系樹脂の市販品としては、アペル(三井化学社製)、TOPAS(ポリプラスチックス社製)、ZEONOR(日本ゼオン社製)等が挙げられる。
表層2は、表層2を構成するエチレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂及び石油樹脂の合計を100質量%としたとき、上記環状オレフィン系樹脂を50質量%以上含有することが好ましく、55質量%以上含有することがより好ましく、75質量%以下含有することが好ましく、70質量%以下含有することがより好ましい。環状オレフィン系樹脂の含有量が上記下限以上であると、熱収縮性フィルム1の延伸性、熱収縮性及び透明性が向上する。一方、環状オレフィン系樹脂は脂肪酸エステル等の脂分に弱く、熱収縮性フィルム1において、脂分が付着した箇所が収縮後に皮脂白化を起こす要因ともなる。環状オレフィン系樹脂の含有量が上記上限以下であると、エチレン系樹脂及び後述する石油樹脂が効果的に皮脂白化を抑制し、熱収縮性フィルム1の耐脂性が向上する。
[石油樹脂]
石油樹脂とは、ナフサを熱分解してエチレン、プロピレン、ブタジエン等の化合物を取り去った残りのC4~C5留分(主としてC5留分)やC5~C9留分(主としてC9留分)を原料とする樹脂及びこれらの水添化合物である。このような樹脂としては、例えば、芳香族系石油樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族炭化水素樹脂系石油樹脂、脂環族飽和炭化水素樹脂系石油樹脂、及び上記した石油樹脂の共重合体、並びにこれら石油樹脂の水素添加物が挙げられる。中でも、熱収縮性フィルム1の100℃以下における軟化を抑制したり、透明性を向上させる観点からは、脂環式石油樹脂が好ましい。脂環式石油樹脂としては、具体的には、脂環族飽和炭化水素樹脂系石油樹脂や芳香族系石油樹脂の水素添加物が挙げられる。
石油樹脂は、環状オレフィン系樹脂の皮脂白化を効果的に抑制する一方、含有量が多くなると層の表面にべたつきを生じ易くなる。発明者は、石油樹脂として特に脂環式石油樹脂を選択すると、表面のべたつきを十分に抑えつつ、皮脂白化を効果的に抑制できることを見出した。これは、脂環式石油樹脂と構造的に類似する環状オレフィン系樹脂との相溶性が高いためであると考えられる。その他、異なる層に脂環式石油樹脂と環状オレフィン系樹脂とがそれぞれ含有されていると、層間の結びつきが強くなり、層間剥離が起こりにくくなることも確認された。
上記石油樹脂のGPC法により測定される数平均分子量は500以上であることが好ましく、600以上であることがより好ましく、1000以下であることが好ましく、900以下であることがより好ましい。数平均分子量を上記範囲内とすることで、熱収縮性フィルム1の剛性が向上する。
上記石油樹脂の軟化点は、80℃以上であることが好ましく、110℃以上であることがより好ましく、170℃以下であることが好ましく、155℃以下であることがより好ましい。上記軟化点が80℃未満の場合、熱収縮性フィルム1の耐熱性が低下し、高温雰囲気下で石油樹脂成分が表面にブリードアウトしやすくなるおそれがある。上記軟化点が170℃を超える場合、押出製膜性や延伸加工性などの成形加工性が悪くなるおそれがある。一方、上記軟化点が110℃以上であれば、熱収縮性フィルム1の自然収縮を抑制でき、155℃以下であれば延伸工程で均一に延伸できるため好ましい。また、特に軟化点が120℃以上140℃以下であると、良好な熱収縮性を発現することができる。石油樹脂の軟化点は、JIS K2207:2006に準拠した方法によって測定することが可能である。
上記石油樹脂の密度は950kg/m3以上であることが好ましく、980kg/m3以上であることがより好ましく、1050kg/m3以下であることが好ましく、1020kg/m3以下であることがより好ましい。石油樹脂の密度が上記範囲内であると、熱収縮性フィルム1の剛性が向上する。
上記石油樹脂の20℃における屈折率は1.0以上であることが好ましく、1.2以上であることがより好ましく、2.0以下であることが好ましく、1.8以下であることがより好ましい。石油樹脂の屈折率が上記範囲内であると、熱収縮性フィルム1の透明性が向上する。
表層2は、表層2を構成するエチレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂及び石油樹脂の合計を100質量%としたとき、上記石油樹脂を5質量%以上含有することが好ましく、25質量%以下含有することが好ましい。石油樹脂の含有量が上記下限以上であると、環状オレフィン系樹脂の皮脂白化のし易さがカバーされ、熱収縮性フィルム1の耐脂性が向上する。また、石油樹脂の含有量が上記上限以下であると、熱収縮性フィルム1のべたつきが抑制される。
[微粒子]
表層2は、微粒子をさらに含有してもよい。微粒子は、例えば熱収縮性フィルム1のアンチブロッキング性能を向上させるために添加することができる。このような微粒子としては、有機系微粒子または無機系微粒子のいずれも用いることができる。有機系微粒子としては、アクリル系樹脂微粒子、スチレン系樹脂微粒子、スチレン―アクリル系樹脂微粒子、ウレタン系樹脂微粒子、シリコーン系樹脂微粒子等の有機系微粒子を用いることができる。特に、環状オレフィン系樹脂との相溶性の観点からはアクリル系樹脂微粒子が好ましく、ポリメタクリル酸メチル系架橋微粒子がさらに好ましい。
上述したような有機系微粒子の市販品としては、例えば、テクポリマー(積水化成品工業社製)、ファインスフェア(日本ペイント社製)、ガンツパール(アイカ工業社製)、アートパール(根上工業社製)等が挙げられる。
無機系微粒子としては、例えば、シリカ、ゼオライト、アルミナ等を用いることができる。
表層2は、表層2を構成する熱可塑性樹脂の合計を100質量部として、上述した微粒子を0.01質量部以上含有することが好ましく、0.03質量部以上含有することがより好ましく、0.10質量部以下含有することが好ましく、0.08質量部以下含有することがより好ましい。
<3.コア層>
本実施形態に係るコア層3は、オレフィン系樹脂として、プロピレン系樹脂及び石油樹脂を含有する。また、コア層3は、エチレン系樹脂及び環状オレフィン系樹脂をさらに含有してもよい。特に、熱収縮性フィルム1をオレフィン系樹脂の原料としてリサイクルする場合、このリサイクル原料はコア層3の原料として使用されることが好ましい。すなわち、コア層3は、表層2と同様のオレフィン系樹脂を全て含有して構成されることが好ましい。以下、各樹脂について説明する。
[プロピレン系樹脂]
プロピレン系樹脂は、熱収縮性フィルム1の剛性及び熱収縮性をともに向上させる。このようなプロピレン系樹脂としては、プロピレンの共重合体、長鎖分岐ポリプロピレン、及びプロピレン系エラストマー等が挙げられる。コア層3は、これらのうち1種類を含有してもよいし、2種類以上を含有してもよい。プロピレンの共重合体としては、熱収縮性を発現させる観点から、プロピレンを主成分として、α-オレフィンを共重合成分とする二元、または、三元ランダム共重合体が好ましい。共重合成分であるα-オレフィンの比率は1~10モル%であるのが好ましい。また、このプロピレン系樹脂は、異なるプロピレン-α-オレフィンランダム共重合体の混合物であってもよい。α-オレフィンについては、上述したとおりである。
上述したようなプロピレンの共重合体の市販品としては、例えばAdsyl(LyondellBasell社製)、ノバテック(日本ポリプロ社製)、等が挙げられる。
長鎖分岐ポリプロピレンは、櫛型構造とも称される長鎖分岐構造を有するポリプロピレンであり、例えばメタロセン系ポリプロピレンが挙げられる。長鎖分岐構造ポリプロピレンは、その構造より分子同士の絡み合いが生じやすく、形状保持性に優れる。このため、石油樹脂の熱収縮後の戻りを抑制し、コア層3の形状保持性を維持するのに役立つ。また、長鎖分岐ポリプロピレンは、高い溶融張力と歪硬化性を有するため、コア層3の厚みが精度よく制御される。
上記長鎖分岐ポリプロピレンの市販品としては、例えばウェイマックス(日本ポリプロ社製)等が挙げられる。
上記プロピレン系樹脂の荷重たわみ温度(0.45MPa)は、120℃以下であることが好ましく、90℃以下であることが好ましい。上記プロピレン系樹脂が、荷重たわみ温度の異なる2種以上のプロピレン系樹脂を含有する混合樹脂である場合、上記プロピレン系樹脂の荷重たわみ温度は、各プロピレン系樹脂の荷重たわみ温度と配合割合(質量比)との積を合計して算出した見掛けの荷重たわみ温度を意味する。
上記プロピレン系樹脂の230℃におけるMFRは、0.1g/10分以上であることが好ましく、30g/10分以下であることが好ましい。
プロピレン系エラストマーは、これに限定されないが、プロピレンとエチレン、または他のα-オレフィンとの共重合体にゴム弾性を付与した樹脂であり、熱収縮性フィルム1に熱収縮性と耐衝撃性とを付与する。その他、コア層3の透明性を維持し、エラストマーとして構成されていないプロピレン系樹脂との相溶性に優れる。
上記プロピレン系エラストマーの市販品としては、例えばタフマー(三井化学株式会社製)、サーモラン(三菱化学株式会社製)等が挙げられる。
コア層3は、コア層3を構成する熱可塑性樹脂の合計を100質量%としたとき、上記プロピレンの共重合体を50質量%以上含有することが好ましく、65%以上含有することがより好ましく、90質量%以下含有することが好ましく、80質量%以下含有することがより好ましい。また、コア層3は、コア層3を構成する熱可塑性樹脂の合計を100質量%としたとき、上記長鎖分岐ポリプロピレンを15質量%以下含有することが好ましく、10質量%以下含有することがより好ましい。さらに、コア層3は、コア層3を構成する熱可塑性樹脂の合計を100質量%としたとき、上記プロピレン系エラストマーを10質量%以下含有することが好ましい。
[石油樹脂]
石油樹脂については既に述べた通りである。コア層3は、表層2と同様の石油樹脂を含有することが好ましい。コア層3は、コア層3を構成する上記プロピレン系樹脂と石油樹脂との合計を100質量%としたとき、上記石油樹脂を10質量%以上含有することが好ましく、15質量%以上含有することがより好ましく、45質量%以下含有することが好ましい。石油樹脂の含有量を上記範囲とすることで、熱収縮性フィルム1の光沢性及び熱収縮性が向上する。
[その他の樹脂]
コア層3は、エチレン系樹脂及び環状オレフィン系樹脂をさらに含有することができる。これらの樹脂については、表層2の説明で既に述べたとおりであり、コア層3は、表層2が含有する熱可塑性樹脂と同種の熱可塑性樹脂を全て含有することができる。同種の熱可塑性樹脂は、性質に同様の傾向を有するものであれば、表層2とコア層3とで異なっていてもよい。コア層3がエチレン系樹脂及び環状オレフィン系樹脂を含有する場合は、熱収縮性フィルム1の熱収縮性がより向上する。
<4.その他の成分>
表層2及びコア層3は、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、抗菌剤、蛍光増白剤、着色剤等の添加剤をそれぞれ含有してもよい。
<5.厚み>
熱収縮性フィルム1全体の厚みは、20μm以上であることが好ましく、25μm以上であることがより好ましく、60μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。また、表層2の厚みを1としたときのコア層3の厚みは、4以上であることが好ましい。
<6.熱収縮性フィルムの熱収縮率>
熱収縮性フィルム1を70℃の温水中に10秒間浸漬した後、20℃の水に10秒間浸漬し、取り出したときの主収縮方向の熱収縮率は、10%以上であることが好ましい。また、熱収縮性フィルム1を80℃の温水中に10秒間浸漬した後、20℃の水に10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率は、41%以上であることが好ましい。さらに、熱収縮性フィルム1を90℃の温水中に10秒間浸漬した後、20℃の水に10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率は、52%以上であることが好ましい。熱収縮率が上述した範囲内であると、収縮不良等の問題を起こすことがなく、特に容器に装着するための熱収縮性フィルムとして好適に使用することができる。
<7.熱収縮性フィルムの自然収縮率>
熱収縮性フィルム1を40℃雰囲気下で7日間静置したときの主収縮方向の自然収縮率は、4.0%未満であることが好ましく、3.0%未満であることがより好ましい。上記自然収縮率が4.0%未満であると、熱収縮性フィルム1を保管する際の収縮が小さく、熱収縮させる工程における収縮不良が生じにくくなる。
<8.熱収縮性フィルムの製造方法>
熱収縮性フィルム1を製造する方法は特に限定されないが、共押出法により各層を同時に成形する方法が好ましい。共押出法がTダイによる共押出である場合、積層の方法は、フィードブロック方式、マルチマニホールド方式、又は、これらを併用した方法のいずれであってもよい。
熱収縮性フィルム1を製造する方法としては、具体的には、例えば、上述した表層2及びコア層3を構成する原料をそれぞれ押出機に投入し、ダイスによりシート状に押出し、引き取りロールにて冷却固化した後、1軸又は2軸に延伸する方法が挙げられる。延伸の方法としては、例えば、ロール延伸法、テンター延伸法又はこれらの組み合わせを用いることができる。延伸温度は、熱収縮性フィルム1を構成する樹脂の軟化温度、熱収縮性フィルム1に要求される収縮特性等に応じて変更されるが、65℃以上であることが好ましく、70℃以上であることがより好ましく、125℃以下であることが好ましく、115℃以下であることがより好ましい。
主収縮方向の延伸倍率は、熱収縮性フィルム1を構成する樹脂、延伸手段、延伸温度等に応じて変更されるが、3倍以上が好ましく、4倍以上がより好ましく、7倍以下が好ましく、6倍以下がより好ましい。
<9.特徴>
上記実施形態に係る熱収縮性フィルム1は、表層2が環状オレフィン系樹脂、エチレン系樹脂及び石油樹脂をそれぞれ適度な範囲で含有することにより、熱収縮性フィルムとして十分な熱収縮性を実現しつつ、より高い耐脂性及び透明性も有する。また、表層2がガラス転移温度に差のある2種類の環状オレフィン系樹脂を含有すると、自然収縮率が好ましい範囲に抑制される一方、熱収縮率は十分に高くすることができる。また、コア層3が表層2に含有される熱可塑性樹脂と同様の熱可塑性樹脂を含有することにより、熱収縮性フィルム1及びこれを含む熱収縮性ラベルから熱収縮性フィルムへのリサイクルが容易となる。さらに、熱収縮性フィルム1の熱収縮性に最も寄与する割合が高いコア層3が長鎖分岐ポリプロピレンを含有することにより、熱収縮性フィルム1の熱収縮性をより向上させるとともに、熱収縮後の戻りを抑制し、形状保持性が高まる。
以下、本開示の実施例について詳細に説明する。但し、本開示は、これらの実施例に限定されない。
<1.実施例及び比較例の準備>
[原料]
コア層、及びコア層の両面に隣接して積層される表層を構成する原料として、表1に示す原料を表1に示す割合(単位は、質量%)で配合し、実施例1~6及び比較例1,2に係る表層及びコア層を構成する樹脂組成物をそれぞれ作製した。表1中の原料には、以下のようなものを用いた。
COC1:エチレン-ノルボルネン系共重合樹脂(密度1010Kg/m3、MVR6.0cm3/10min、ガラス転移温度は78℃)
COC2:エチレン-ノルボルネン系共重合樹脂(密度1010Kg/m3、MVR6.0cm3/10min、ガラス転移温度は65℃)
LLDPE1:直鎖状低密度ポリエチレン(密度915Kg/m3、MFR1.0g/10min、ビカット軟化点98℃)
LLDPE2:直鎖状低密度ポリエチレン(密度913Kg/m3、MFR2.0g/10min、ビカット軟化点96℃)
石油樹脂(軟化点125℃)
ポリプロピレンランダム共重合体(ランダムPP)(MFR5.5g/10min、ビカット軟化点111℃)
長鎖分岐ポリプロピレン(長鎖分岐PP)(密度900Kg/m3、MFR2.8g/10min、荷重たわみ温度(0.45MPa)120℃)
Figure 2023040698000002
[押出成形]
得られた樹脂組成物を押出機にそれぞれ投入し、表層はバレル温度210℃、コア層はバレル温度180℃で溶融させ、Tダイから押出し、30℃に冷却したロールで冷却固化し、コア層の両面に表層が積層された3層構造の未延伸シートを作製した。各未延伸シートを温度90℃のテンター式延伸機でTD方向に5倍延伸し、総厚みが40μm、各層の厚み比が1:5:1の熱収縮性フィルムを作製した。
<2.評価>
実施例1~6及び比較例1、2に係る熱収縮性フィルムについて、以下の評価を行った。
<2-1.ヤング率>
実施例1~6及び比較例1、2に係る熱収縮性フィルムの任意の箇所から、縦250mm×横5mm(フィルムのMD方向を縦方向、TD向を横方向とする)の大きさの測定用サンプル及び縦250mm×横5mm(フィルムのTD方向を縦方向、MD向を横方向とする)の大きさの測定用サンプルを切り出した。測定用サンプル及びストログラフ(VE-1D 東洋精機製作所社製)を用いて、ASTM D882に準拠し、MD方向及びTD方向のヤング率(GPa)をそれぞれ測定した。
<2-2.熱収縮率>
実施例1~6及び比較例1、2に係る熱収縮性フィルムの任意の箇所から、縦100mm×横100mmの大きさの測定用のサンプルを切り出した。各サンプルを所定温度の温水に10秒間浸漬した後、20℃の水に10秒間浸漬した。20℃の水から取り出された後の各サンプルの主収縮方向の長さLを測定し、熱収縮率を以下の式に従って算出した。
熱収縮率(%)={(100-L)/100}×100
温水は、70℃、80℃、90℃の温水を用い、それぞれの温度につき算出された同じ熱収縮性フィルムのサンプル3枚の平均値を、その熱収縮性フィルムの熱収縮率とした。
<2-3.自然収縮率>
実施例1~6及び比較例1、2に係る各熱収縮性フィルムの任意の箇所から、縦100mm×横100mmの大きさの測定用のサンプルを3枚ずつ切り出した。各サンプルを40℃に調整した低温恒温器(IL-82 ヤマト科学社製)に7日間静置し、熱収縮率と同様の式に従って収縮率を算出した。同じ熱収縮性フィルムのサンプル3枚の平均値を、その熱収縮性フィルムの自然収縮率とした。
<2-4.収縮前ヘイズ>
実施例1~6及び比較例1、2に係る熱収縮性フィルムから、同じ大きさのサンプルを切り出し、ヘイズメータ(日本電色工業社製、NDH5000)を用いて、JIS K7136に基づいてヘイズ(%)を測定した。
<2-5.皮脂白化量>
実施例1~6及び比較例1、2に係る熱収縮性フィルムから、縦150mm×横250mmの大きさのサンプル(フィルムのMD方向を縦方向、TD向を横方向とする)を切り出し、横方向に150mmの間隔を開けた縦方向の標線を2本記した。鼻の周りの皮脂を付着させた指で各サンプルの標線の間に数回触れ、各サンプルに皮脂を付着させた。続いて、皮脂付きの各サンプルを治具に取り付けて80℃の温水に7秒間浸漬し、標線の間隔が105mmになるように収縮させた。収縮後の各サンプルの様子を目視で確認し、皮脂白化の程度が少ない順にレベル1,レベル2,レベル3と評価した。つまり、レベル1は比較的高い耐脂性を有することを示し、レベル2は許容範囲の耐脂性を有することを示し、レベル3は耐脂性が基準に満たないことを示す。
<2-6.緩み量>
実施例1~6及び比較例1、2に係る熱収縮性フィルムから、同じ大きさの矩形のサンプルを切り出した。各サンプルのMD方向の両端をシールして、同一の長さ及び内径を有する筒状体を作製した。作製した各筒状体を共通の構成及び寸法(外周280mm)を有する、円筒状のプラスチック製の容器に被せたものを用意し、これを100℃の熱風収縮トンネルに通し、筒状体を熱収縮させて容器に装着した。熱収縮直後、全ての筒状体が容器に密着していることを確認した。この筒状体付きの容器を気温20℃で24時間静置した後、筒状体を容器から取り外し、筒状体の周方向の長さ(つまり、TD方向の長さ)を測定した。筒状体の周方向の長さと容器の外周との差を緩み量(mm)とし、緩み量が1.0mm未満であれば評価A、1.0mm以上、1.5mm未満であれば評価Bとした。つまり、評価Aは熱収縮後の戻りが十分に抑制されていることを示し、評価Bは熱収縮後の戻りが許容範囲内であることを示す。
<3.結果>
結果を表2に示す。
Figure 2023040698000003
表2に示すように、ヤング率(剛性)、熱収縮率、自然収縮率及び緩み量の点では、実施例と比較例との間で大きな差は見られなかった。しかしながら、表層に石油樹脂を含有していない比較例1及び2では、実施例1~6よりも外観品質が劣る結果となった。比較例1は表層が石油樹脂を含有しない一方、比較的多くの環状オレフィン系樹脂を含有していたため、皮脂白化を十分に抑制できなかったと考えられる。また、比較例2は表層が石油樹脂を含有しない一方、比較的多くのエチレン系樹脂を含有していたため、透明性(ヘイズ)が悪化したと考えられる。実施例1~6では、表層が石油樹脂を含有することにより、皮脂白化及び透明性の悪化が効果的に抑制されることが示された。また、表層が2種類の環状オレフィン系樹脂を含有する実施例1及び2では、他と遜色ない熱収縮率を示す一方で、より好ましい自然収縮率を示した。表層及びコア層に石油樹脂を含有し、さらにコア層に長鎖分岐ポリプロピレンを含有する実施例1は、熱収縮後の緩み量も他と比較して少なく、特に好ましい性能を発揮することが確認された。
1 熱収縮性フィルム
2 表層
3 コア層
上記熱収縮性フィルムにおいて、ガラス転移温度Tg1及びTg2は、Tg1>70℃、Tg2≦70℃を満たしてもよい。

Claims (10)

  1. 環状オレフィン系樹脂、エチレン系樹脂、及び石油樹脂から構成される表層を備え、
    前記表層は、前記環状オレフィン系樹脂、前記エチレン系樹脂、及び前記石油樹脂の合計100質量%に対し、前記エチレン系樹脂を35質量%以下、前記石油樹脂を5質量%以上含有する、
    熱収縮性フィルム。
  2. 前記表層に隣接して積層されるコア層をさらに備え、
    前記コア層は、プロピレン系樹脂及び石油樹脂を含有する、
    請求項1に記載の熱収縮性フィルム。
  3. 前記コア層は、前記プロピレン系樹脂及び前記石油樹脂の合計100質量%に対し、前記石油樹脂を10質量%以上含有する、
    請求項2に記載の熱収縮性フィルム。
  4. 前記コア層は、環状オレフィン系樹脂及びエチレン系樹脂をさらに含有する、
    請求項2または請求項3に記載の熱収縮性フィルム。
  5. 前記コア層は、前記プロピレン系樹脂として、長鎖分岐ポリプロピレンを含有する、
    請求項2から請求項4のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
  6. 前記表層は、前記コア層の両面に隣接して積層される、
    請求項2から請求項5のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
  7. 前記環状オレフィン系樹脂は、ガラス転移温度がTg1(℃)である第1の環状オレフィン系樹脂と、ガラス転移温度がTg2(℃)である第2の環状オレフィン系樹脂とを含み、
    前記ガラス転移温度Tg1とTg2との差は、10℃以上である、
    請求項1から請求項6のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
  8. 前記ガラス転移温度Tg1及びTg2は、Tg1>70℃、70℃≦Tg2を満たす、
    請求項7に記載の熱収縮性フィルム。
  9. 前記石油樹脂は、脂環式石油樹脂を含む、
    請求項1から請求項8のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の熱収縮性フィルムを含む熱収縮性ラベル。
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