JP2024052623A - 基板ホルダー - Google Patents

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Abstract

【課題】基板と基板ホルダーとの電気的な接続を安定させることが可能な基板ホルダーを提供する。【解決手段】基板の表面に電着による被膜を形成する際に用いられる基板ホルダーであって、基板を保持する収容カセット31と、基板と接触する電極端子を有する電極プレート33と、基板を電極端子に押し付ける押圧子を有する押圧ユニット34と、を備えた基板ホルダー3である。【選択図】図1

Description

本発明は、基板の表面に電着による被膜を形成する際に用いられる基板ホルダーに関する。
図13は、従来技術における基板ホルダーを示す斜視図である。図13に示すように、従来技術における基板ホルダーとしてのラック2は、下枠21と、可動枠22及び23と、把手部24と、を備えている。下枠21、可動枠22及び23、把手部24は、それぞれ、金属等の通電可能な材料で構成されている。下枠21の上部には、基板1の下部(角部)が嵌挿される複数の切込み部が形成されている。可動枠22及び23の下部には、基板1の上部(角部)が嵌挿される複数の切込み部が形成されている。下枠21の上部に形成されている切込み部に基板1の下部を嵌挿することにより、基板1が下枠21によって支持されると共に、基板1の表面に形成されている配線パターンと下枠21とが接触して電気的に接続される。また、可動枠22及び23を下方へ移動させ、可動枠22及び23の下部に形成されている切込み部に基板1の上部を嵌挿することにより、基板1が可動枠22及び23によって押圧されると共に、基板1の表面に形成されている配線パターンと可動枠22及び23とが接触して電気的に接続される。そして、把手部24をラック2の本体上部に取り付けたうえで把手部24を外部の電極に接続することにより、基板1がラック2を介して外部の電極と電気的に接続される。この状態で基板1をラック2と共に電着溶液の中に浸漬し、基板1の表面に形成されている配線パターンにラック2を介して通電することにより、その配線パターンの表面に電着による被膜が形成される。(例えば、特許文献1参照)
特開平1-152791号公報
図13に示す従来技術における基板ホルダー(ラック2)では、基板ホルダーに形成されている切込み部に基板を嵌挿することにより、基板の表面に形成されている配線パターンと基板ホルダーとが接触して電気的に接続されるが、切込み部の幅や基板の厚さのばらつきにより、基板と基板ホルダーとの電気的な接続(接触)が不安定になる虞がある。
本発明は、以上の問題点に鑑みて成されたものであり、基板と基板ホルダーとの電気的な接続を安定させることが可能な基板ホルダーを提供することを目的とする。
基板の表面に電着による被膜を形成する際に用いられる基板ホルダーであって、前記基板を保持する保持部と、前記基板と接触する電極端子を有する電極部と、前記基板を前記電極端子に押し付ける押圧子を有する押圧部と、を備えた、基板ホルダーである。
前記押圧子は、前記基板を前記電極端子に押し付ける斜面を有する、基板ホルダーであっても良い。
前記斜面は、円錐状の斜面である、基板ホルダーであっても良い。
前記押圧部は、互いに隣接する二つの前記基板の間に前記押圧子を挿入することにより、当該二つの前記基板のそれぞれを隣接する前記電極端子に押し付ける、基板ホルダーであっても良い。
前記保持部は、前記基板を収容する収容部材と、当該収容部材を支持する台座と、を有し、前記収容部材は、前記基板の一端を外部へ露呈させる開口部を有し、且つ、前記台座に対して着脱可能であり、前記台座は、前記開口部を通して前記収容部材の内部へ進入可能な突出部を有し、前記突出部は、前記収容部材が前記台座に取り付けられた際に、前記開口部を通して前記収容部材の内部へ進入し、前記基板の前記一端と当接することにより、前記基板の他端を前記収容部材の内部から外部へ相対的に突出させ、前記押圧子は、前記基板の前記他端を前記電極端子に押し付ける、基板ホルダーであっても良い。基板ホルダーであっても良い。
前記押圧子は、弾性部材である、基板ホルダーであっても良い。
前記弾性部材は、コイルバネである、基板ホルダーであっても良い。
前記コイルバネは、その伸縮方向と直交する方向の外面により、前記基板を前記電極端子に押し付ける、基板ホルダーであっても良い。
前記コイルバネは、その伸縮方向の一端部にフック部を有し、当該フック部により、前記基板を前記電極端子に押し付ける、基板ホルダーであっても良い。
前記フック部のフック先端は、水平面内において、前記基板の主面に対して平行となる方向を向いている、基板ホルダーであっても良い。
前記押圧部は、前記弾性部材を保持したまま所定の方向へ移動可能なフレームを備え、前記フレームが前記所定の方向へ移動することにより、前記フレームに保持された前記弾性部材が前記基板を前記電極端子に押し付ける、基板ホルダーであっても良い。
前記押圧部は、前記弾性部材の一つを保持したまま第一方向へ移動可能な第一フレームと、前記弾性部材のうち他の一つを保持したまま前記第一方向とは反対の第二方向へ移動可能な第二フレームと、を備え、前記第一フレームが前記第一方向へ移動することにより、前記第一フレームに保持された前記弾性部材が、前記基板の一つを、前記電極端子の一つに押し付け、前記第二フレームが前記第二方向へ移動することにより、前記第二フレームに保持された前記弾性部材が、前記基板の他の一つを、前記電極端子の他の一つに押し付ける、基板ホルダーであっても良い。
前記コイルバネは、その伸縮方向における一端に、バネ線材が中空円錐状に巻かれた中空円錐部を有し、前記押圧部は、互いに隣接する二つの前記基板の間に前記中空円錐部を挿入することにより、当該二つの前記基板のそれぞれを隣接する前記電極端子に押し付ける、基板ホルダーであっても良い。
前記コイルバネは、その伸縮方向における前記中空円錐部よりも他端側の位置に、バネ線材が円筒状に巻かれた円筒部を有する、基板ホルダーであっても良い。
本発明によれば、基板と基板ホルダーとの電気的な接続を安定させることが可能な基板ホルダーを提供することができる。
本発明の実施例における基板ホルダーを示す斜視図である。 本発明の実施例における基板ホルダーを示す分解斜視図である。 本発明の実施例における収容カセットに複数の基板が収容された状態を示す(a)上面図、(b)正面図、(c)右側面図、(d)斜視図である。 本発明の実施例における台座を示す(a)上面図、(b)正面図、(c)右側面図、(d)斜視図である。 本発明の実施例における台座に収容カセットが取り付けられた状態を示す(a)上面図、(b)正面図、(c)右側面図、(d)斜視図である。 本発明の実施例における電極プレートを示す(a)上面図、(b)正面図、(c)右側面図、(d)斜視図である。 本発明の実施例における押圧ユニットを示す(a)上面図、(b)正面図、(c)右側面図、(d)斜視図である。 本発明の実施例における収容カセット、台座、電極プレート、押圧ユニットが互いに取り付けられた状態を示す(a)上面図、(b)正面図、(b’)正面の縦断面図、(c)右側面図、(c’)右側面の縦断面図である。 本発明の実施例におけるアームを示す(a)上面図、(b)正面図、(c)右側面図、(d)斜視図である。 本発明の実施例における基板ホルダーを組み立てる工程(工程1)を示す斜視図である。 本発明の実施例における基板ホルダーを組み立てる工程(工程2)を示す斜視図である。 本発明の実施例における基板ホルダーを組み立てる工程(工程3)を示す斜視図である。 本発明の実施例における基板ホルダーを組み立てる工程(工程4)を示す斜視図である。 本発明の実施例における基板ホルダーを組み立てる工程(工程5)を示す斜視図である。 本発明の実施例における基板ホルダーを組み立てる工程(工程6)を示す斜視図である。 本発明の実施例における基板ホルダーを組み立てる工程(工程7)を示す斜視図である。 本発明の実施例における基板ホルダーを組み立てる工程(工程8)を示す斜視図である。 本発明の実施例における基板ホルダーを組み立てる工程(工程9)を示す斜視図である。 本発明の実施例における基板ホルダーを組み立てる工程(工程10)を示す斜視図である。 本発明の実施例における基板ホルダーを組み立てる工程(工程11)を示す斜視図である。 本発明の実施例における基板ホルダーを組み立てる工程(工程12)を示す斜視図である。 本発明の実施例における基板ホルダーを組み立てる工程(工程13)を示す斜視図である。 本発明の実施例における基板ホルダーを組み立てる工程(工程14)を示す斜視図である。 本発明の実施例の変形例1における収容カセット、台座、電極プレート、押圧ユニットが互いに取り付けられた状態を示す(a)上面図、(b)正面図、(b’)正面の縦断面図、(c)右側面図、(c’)右側面の縦断面図である。 図11(b’)のA部拡大図である。 従来技術における基板ホルダーを示す斜視図である。
図1は、本発明の実施例における基板ホルダーを示す斜視図である。図2は、本発明の実施例における基板ホルダーを示す分解斜視図である。この実施例では、図1の紙面左下側に位置する面を「正面」と称し、「正面」の反対側に位置する面を「背面」と称し、「正面」に向かって左側に位置する面を「左側面」と称し、「正面」に向かって右側に位置する面を「右側面」と称する場合がある。また、「正面」、「背面」、「左側面」、「右側面」をそれぞれ「前」、「後」、「左」、「右」と称する場合がある。以下、図面を参照しながら、本発明の実施例における基板ホルダー3について説明する。
<基板ホルダー>
図1及び図2に示すように、基板ホルダー3は、収容カセット31と、台座32と、電極プレート33と、押圧ユニット34と、アーム35と、二つの第一ネジ41と、二つの第二ネジ42と、二つの第三ネジ43と、を備えている。また、基板ホルダー3は、付属的な部品として、位置決めプレート36(後述の図10-1参照)を備えている。
<収容カセット>
図3は、本発明の実施例における収容カセットに複数の基板が収容された状態を示す(a)上面図、(b)正面図、(c)右側面図、(d)斜視図である。
図3に示すように、収容カセット31は、底部の上面が複数の壁部で囲まれた概ね四角い箱型の外形を有している。収容カセット31は、主として、例えば、白色半透明の絶縁性の樹脂で構成されている。収容カセット31の上部は、上方へ解放されており、その解放されている部分を通して、複数の基板5が収容カセット31の内部へ搬入される。
収容カセット31に収容される基板5は、例えば、概ね四角形の水晶ウエハである。この水晶ウエハの幅広の表面(主面)には、金属膜等で構成された所定の配線パターンが形成されており、その配線パターンの表面に電着による被膜が形成される。なお、収容カセットに収容される基板は、水晶ウエハには限定されず、例えば、半導体ウエハや金属プレート等のその他の基板であっても良い。
収容カセット31の底部の中央部には、上から見て概ね四角い開口部311が形成されている。そして、その開口部311を通して、収容カセット31に収容されている複数の基板5の下端部が下方へ露呈されている。
収容カセット31の内壁面のうち前後方向において互いに対向する二つの内壁面のそれぞれには、上から見て概ねV状の縦溝312が左右方向にわたって所定の間隔で複数形成されている。そして、それらの縦溝312には、複数の基板5の側端部が一つずつ挿入されている。これにより、複数の基板5は、主面同士が互いに対向するように左右方向へ一列に整列された状態で、収容カセット31の内部に保持されている。なお、縦溝312の幅は、そこに挿入される基板5の側端部の厚さよりも僅かに大きい。
収容カセット31の内壁面に形成されている縦溝312の直下には、収容カセット31の底部の一部が配置されており、その底部の一部により、縦溝312に挿入されている基板5の側端部が下から支持されている。
収容カセット31の壁部のうち左右方向において互いに対向する二つの壁部のそれぞれには、左右方向から見て概ね四角い開口部313が形成されている。この開口部313は、収容カセット31の内部と外部との間で電着溶液を循環させる役割等を果たす。また、この開口部313の外周に接する壁部の端部には、収容カセット31の外部から内部の中心付近へ向かって傾斜する斜面314が形成されている。この斜面314は、収容カセット31の外部から内部へ電着溶液を流入し易くする役割等を果たす。
<台座>
図4は、本発明の実施例における台座を示す(a)上面図、(b)正面図、(c)右側面図、(d)斜視図である。
図4に示すように、台座32は、上から見て概ね四角形の外形を有している。台座32は、中央突出部321と、二つの壁部322と、二つの支柱323と、を備えている。台座32は、主として、例えば、絶縁性の樹脂で構成されている。
中央突出部321は、上から見て概ね四角形の外形を有している。中央突出部321の外周部のうち前後方向において互いに対向する二辺の上端部には、前後方向から見てV状の切欠き324が左右方向にわたって所定の間隔で複数形成されている。これらの切欠き324には、収容カセット31に収容されている複数の基板5の下端部が一つずつ挿入される。なお、複数の切欠き324の間隔は、収容カセット31の内壁面に形成されている複数の縦溝312の間隔と同様である。
二つの壁部322は、それぞれ、上から見て概ねコ状の外形を有している。二つの壁部322は、中央突出部321を挟んで左右方向において互いに対向するように配置されている。一方の壁部322と他方の壁部322との間には、収容カセット31が嵌合される。
二つの支柱323は、それぞれ、円柱の外形を有している。二つの支柱323は、中央突出部321及び二つの壁部322を挟んで左右方向において互いに対向するように配置されている。二つの支柱323の上端部には、第一ネジ41と螺合されるネジ穴325が形成されている。二つの支柱323の上端部には、電極プレート33が取り付けられる。
台座32の底部には、中央突出部321の前側及び後側に位置する領域のそれぞれに、左右方向へ延在する細長い帯状の開口部326が形成されている。これらの開口部326は、台座32の上側と下側との間で電着溶液を循環させる役割等を果たす。
<収容カセット、台座>
図5は、本発明の実施例における台座に収容カセットが取り付けられた状態を示す(a)上面図、(b)正面図、(c)右側面図、(d)斜視図である。なお、図5では、収容カセットに収容される基板は、省略されている。
図5に示すように、収容カセット31が台座32に取り付けられた状態において、収容カセット31は、台座32の二つの壁部322の間に嵌合されている。そして、この状態において、台座32の中央突出部321は、収容カセット31の底部に形成されている開口部311を通して上方へ突出し、収容カセット31の内部に所定の距離だけ進入している。これにより、台座32の中央突出部321の上端部に形成されている複数の切欠き324は、収容カセット31の内壁面に形成されている複数の縦溝312の下端部よりも上方に位置している。
<電極プレート>
図6は、本発明の実施例における電極プレートを示す(a)上面図、(b)正面図、(c)右側面図、(d)斜視図である。
図6に示すように、電極プレート33は、上から見て概ね四角形の外形を有している。電極プレート33は、複数の電極突起331と、複数のガイド突起332と、二つの第一支柱333と、二つの第二支柱334と、二つの位置決めピン335と、を備えている。電極プレート33は、主として、例えば、金属で構成されている。電極プレート33の表面のうち電気的な接点を除く部分には、電着による被膜が形成されないようにするために、絶縁処理(絶縁被膜等)が施されている。但し、この絶縁処理は、必須ではない。
電極プレート33の中央部には、上から見て概ね四角形の開口部336が形成されている。複数の電極突起331と複数のガイド突起332は、電極プレート33の開口部336を挟んで前後方向において互いに対向する電極プレート33の二辺のそれぞれに設けられている。電極突起331とガイド突起332は、左右方向において互いに一つずつ交互に所定の間隔で配置されている。電極突起331とガイド突起332は、電極プレート33の下面から、電極プレート33の開口部336の内側下方へ向かって、斜めに延在している。電極突起331の延在方向における長さは、ガイド突起332の延在方向における長さよりも大きい。これらにより、複数の電極突起331と複数のガイド突起332は、上から見て全体として鋸歯のような態様を示す。
電極プレート33の開口部336は、収容カセット31に収容されている複数の基板5の上端部を電極プレート33の上方へ露呈させる役割や電極プレート33の上側と下側との間で電着溶液を循環させる役割等を果たす。
互いに隣接する電極突起331とガイド突起332との間には、収容カセット31に収容されている複数の基板5の側端部が一つずつ挿入される。なお、互いに隣接する電極突起331とガイド突起332との間の幅は、そこに挿入される基板5の側端部の厚さよりも僅かに大きい。
電極突起331は、基板5と接触する電極端子であり、基板5の表面に形成されている配線パターンと接触する。これにより、複数の基板5は、電極プレート33を介して外部の電源と電気的に接続される。
ガイド突起332は、基板5の移動を規制する規制部材であり、左右方向における基板5の可動範囲を所定の範囲内に制限する。これにより、複数の基板5は、左右方向へ不要に移動し難くなる。
二つの第一支柱333は、それぞれ、円柱の外形を有している。二つの第一支柱333は、電極プレート33の開口部336を挟んで左右方向において互いに対向するように配置されている。二つの第一支柱333の上端部の外周面には、第二ネジ42と螺合されるネジ溝(不図示)が形成されている。二つの第一支柱333の周囲には、押圧ユニット34が取り付けられる。
二つの第二支柱334は、それぞれ、六角柱の外形を有している。二つの第二支柱334は、電極プレート33の開口部336を挟んで左右方向において互いに対向するように配置されている。二つの第二支柱334の上端部には、第三ネジ43と螺合されるネジ穴337が形成されている。二つの第二支柱334の上端部には、アーム35が取り付けられる。
二つの位置決めピン335は、それぞれ、円柱の外形を有している。二つの位置決めピン335は、電極プレート33の開口部336を挟んで左右方向において互いに対向するように配置されている。二つの位置決めピン335は、押圧ユニット34の一部に挿入される。なお、位置決めピン335の長さは、第一支柱333の長さよりも小さい。
電極プレート33には、上から見て円形の貫通孔338が二つ形成されている。なお、二つの貫通孔338のうち何れか一方は、上から見て左右方向へ延在する長孔状の貫通孔であっても良い。二つの貫通孔338は、電極プレート33の開口部336を挟んで左右方向において互いに対向するように配置されている。二つの貫通孔338には、台座32の支柱323の上端部が嵌合される。これにより、電極プレート33は、台座32に対して位置決めされる。
また、台座32の支柱323の上端部に形成されているネジ穴325に第一ネジ41が螺合されることにより、電極プレート33は、上下方向から締め付けられ、台座32の支柱323の上端部に固定される。
<押圧ユニット>
図7は、本発明の実施例における押圧ユニットを示す(a)上面図、(b)正面図、(c)右側面図、(d)斜視図である。
図7に示すように、押圧ユニット34は、上から見て概ね八角形の外形を有している。押圧ユニット34は、上板341と、下板342と、二つの壁部343と、複数の押圧子344と、複数のコイルバネ345と、を備えている。上板341と下板342と二つの壁部343は、主として、例えば、絶縁性の樹脂で構成され、押圧子344は、主として、例えば、金属又は絶縁性の樹脂で構成され、コイルバネ345は、主として、例えば、金属で構成されている。
上板341と下板342は、二つの壁部343を挟んで上下方向において互いに対向するように配置されている。二つの壁部343は、左右方向の両端側に一つずつ配置されている。上板341と下板342と二つの壁部343は、ネジ等により、互いに固定されている。
上板341の中央部及び下板342の中央部には、上から見て概ね四角い開口部346が形成されている。この開口部346は、押圧ユニット34の上側と下側との間で電着溶液を循環させる役割等を果たす。
上板341と下板342と壁部343には、それらをまとめて上下方向に貫通する円形の第一貫通孔347が形成されている。第一貫通孔347は、開口部346を挟んで左右方向において互いに対向するように二つ形成されている。第一貫通孔347には、電極プレート33の第一支柱333が下から挿通され、その上端部が上方へ突出する。そして、上方へ突出した第一支柱333の上端部の外周面に形成されているネジ溝に第二ネジ42が螺合されることにより、押圧ユニット34は、上下方向から締め付けられ、電極プレート33の上面に固定される。
下板342には、上下方向に貫通する円形の第二貫通孔348が形成されている。第二貫通孔348は、開口部346を挟んで左右方向において互いに対向するように二つ形成されている。なお、二つの第二貫通孔348のうち何れか一方は、上から見て左右方向へ延在する長孔状の貫通孔であっても良い。第二貫通孔348には、電極プレート33の位置決めピン335が下から挿通される。これにより、押圧ユニット34は、電極プレート33に対して位置決めされる。
複数の押圧子344は、左右方向へ所定の間隔で二列に並ぶように配置されている。押圧子344は、円柱状の基部の一端に円錐状の幅広の先端部が形成されたような外形を有している。押圧子344の上端部は、下板342に形成されている貫通孔(不図示)に摺動可能な状態で挿通され、下板342の上面よりも上方へ突出し、コイルバネ345の内側に挿入されている。押圧子344の下端部は、下板342の下面よりも下方へ突出し、外部へ露呈されている。押圧子344は、コイルバネ345の弾性力により、下方へ付勢されている。
複数のコイルバネ345は、それぞれ、伸縮方向が上下方向となるように上板341と下板342との間に配置されている。コイルバネ345の上端部は、上板341の下面に係止されている。コイルバネ345の下端部は、押圧子344の上端部の外周面に設けられたワッシャー等の突起に係止されている。これらにより、コイルバネ345は、上下方向へ圧縮された状態で上板341と下板342との間に保持されている。なお、コイルバネ345は、必須ではなく、押圧子344の自重だけでも押圧子344の機能が十分に発揮されるのであれば、省略されていても良い。但し、押圧子344の動作をより安定させる観点からすれば、コイルバネ345は、設けられているのが好ましい。
<収容カセット、台座、電極プレート、押圧ユニット>
図8は、本発明の実施例における収容カセット、台座、電極プレート、押圧ユニットが互いに取り付けられた状態を示す(a)上面図、(b)正面図、(b’)正面の縦断面図、(c)右側面図、(c’)右側面の縦断面図である。なお、図8では、複数の基板が収容カセットに収容されている。
図8に示すように、収容カセット31、台座32、電極プレート33、押圧ユニット34が互いに取り付けられた状態において、収容カセット31は、台座32の二つの壁部322の間に嵌合され、電極プレート33は、台座32の支柱323の上端部に第一ネジ41により固定され、押圧ユニット34は、電極プレート33の上面に第二ネジ42により固定されている。
この状態において、収容カセット31に収容されている複数の基板5のうち互いに隣接する二つの基板5の上端部の間には、図8(b’)に示すように、押圧ユニット34の押圧子344の下端部が挿入されている。これにより、互いに隣接する二つの基板5の上端部は、押圧子344の下端部の外周面(円錐状の斜面)と接触し、左右方向において互いに離反する方向へ適度に付勢されている。そして、互いに離反する方向へ付勢されている二つの基板5のうち、左側に位置する一方の基板5は、電極プレート33の突起電極331のうち左側において隣接する突起電極331に押し付けられ、それに対し、右側に位置する他方の基板5は、電極プレート33の突起電極331のうち右側において隣接する突起電極331に押し付けられている。これにより、基板5と電極プレート33の突起電極331との電気的な接続を安定させることができる。
また、押圧子344の下端部の外周面は、円錐状の斜面であるため、互いに隣接する二つの基板5の間に押圧子344の下端部を容易に挿入することができる。また、一つの押圧子344により、二つの基板5を互いに離反する方向へ同時に付勢することができる。このことは、結果的に、押圧ユニット34の小型化等に寄与する。これらのことから、押圧子344の下端部の外周面は、円錐状の斜面であることが有利である。但し、押圧子344の下端部の外周面は、円錐状の斜面には限定されず、例えば、角錐状の斜面や球状の斜面であっても良い。
<アーム>
図9は、本発明の実施例におけるアームを示す(a)上面図、(b)正面図、(c)右側面図、(d)斜視図である。
図9に示すように、アーム35は、正面から見て概ね四角い枠の中央に左右方向へ延在する長尺の部材を取り付けたような外形を有している。アーム35は、左右方向へ延在する、上側延在部351と、中央延在部352と、下側延在部353と、を有している。アーム35は、主として、例えば、金属で構成されている。アーム35の表面のうち電気的な接点を除く部分には、電着による被膜が形成されないようにするために、絶縁処理(絶縁被膜等)が施されている。但し、この絶縁処理は、必須ではない。
上側延在部351や中央延在部352は、作業者が基板ホルダー3を運搬する際の把持部として利用される。また、上側延在部351の一部や中央延在部352の一部は、アーム35を外部の電源と電気的に接続するための電極端子として利用される。
アーム35の下側延在部353には、上下方向へ貫通する貫通孔354が形成されている。貫通孔354は、下側延在部353の左右方向における両端部に一つずつ形成されている。貫通孔354には、第三ネジ43が挿通される。貫通孔354に挿通された第三ネジ43が、電極プレート33の第二支柱334の上端部に形成されているネジ穴337に螺合されることにより、アーム35は、上下方向から締め付けられ、電極プレート33の第二支柱334の上端部に固定されると共に、電極プレート33と電気的に接続される。
<基板ホルダーの組み立て工程>
図10-1~図10-14は、本発明の実施例における基板ホルダーを組み立てる工程(工程1~工程14)を示す斜視図である。本発明の実施例における基板ホルダー3は、例えば、以下の工程1~工程14により組み立てられる。
<工程1>
図10-1に示すように、複数の基板5が収容されている収容カセット31を、台座32の上方に配置する。また、台座32を挟んで前後方向において互いに対向するように、二つの位置決めプレート36を配置する。
<位置決めプレート>
二つの位置決めプレート36の互いに対向する先端部のそれぞれには、上から見てV状の切欠き361が左右方向へわたって所定の間隔で複数形成されている。複数の切欠き361の間隔は、台座32の中央突出部321の上端部に形成されている複数の切欠き324の間隔と同様である。位置決めプレート36は、基板ホルダー3に一体的に取り付けられる部品ではなく、基板ホルダー3の付属的な部品であるが、基板ホルダー3に一体的に取り付けられる部品として構成されていても良い。
<工程2>
図10-2に示すように、収容カセット31を下方へ移動させ、収容カセット31を台座32の二つの壁部322の間に嵌合させる。これにより、収容カセット31が台座32に固定される。また、収容カセット31が下方へ移動するにつれて、収容カセット31の底部に形成されている開口部311を通して、台座32の中央突出部321が収容カセット31の内部へ進入し(図5参照)、それに伴って、台座32の中央突出部321の上端部に形成されている複数の切欠き324に、収容カセット31に収容されている複数の基板5の下端部が一つずつ挿入されると共に、複数の基板5の下端部が切欠き324の端面により下から支持される。そして、そのまま収容カセット31が更に下方へ移動することにより、複数の基板5の上端部が収容カセット31の内部から外部へ相対的に突出する(図10-2の点線矢印参照)。即ち、収容カセット31を台座32に取り付けるだけで、複数の基板5の上端部を収容カセット31の外部へ突出させることができる。このことは、結果的に、基板ホルダー3の小型化等に寄与する。
<工程3>
図10-3に示すように、二つの位置決めプレート36を複数の基板5に向かって移動させ、位置決めプレート36の先端部に形成されている複数の切欠き361に、複数の基板5の側端部を一つずつ挿入させる。これにより、複数の基板5が左右方向において位置決めされる。
<工程4>
図10-4に示すように、電極プレート33と二つの第一ネジ41を、台座32の上方に配置する。
<工程5>
図10-5に示すように、電極プレート33を下方へ移動させ、電極プレート33の貫通孔338に台座32の支柱323の上端部を嵌合させる。これにより、電極プレート33が台座32に対して位置決めされる。また、電極プレート33の電極突起331とガイド突起332との間に、基板5の上端部が一つずつ挿入される。この時、基板5は、位置決めプレート36により位置決めされており、また、電極突起331とガイド突起332は、下方へ傾斜しているため、基板5の上端部は、電極突起331とガイド突起332との間に挿入され易い。
<工程6>
図10-6に示すように、二つの第一ネジ41を下方へ移動させ、二つの第一ネジ41を、台座32の支柱323の上端部に形成されているネジ穴325に螺合させる。これにより、電極プレート33が台座32の支柱323の上端部に固定される。
<工程7>
図10-7に示すように、二つの位置決めプレート36を互いに離反する方向へ移動させる。これにより、基板5に対する位置決めプレート36による位置決めが解除される。
<工程8>
図10-8に示すように、押圧ユニット34と二つの第二ネジ42を、電極プレート33の上方に配置する。
<工程9>
図10-9に示すように、押圧ユニット34を下方へ移動させ、押圧ユニット34の第一貫通孔347に電極プレート33の第一支柱333を挿通させると共に、押圧ユニット34の第二貫通孔348に電極プレート33の位置決めピン335を挿通させたうえで、押圧ユニット34を電極プレート33の上面に配置する。これにより、押圧ユニット34が電極プレート33に対して位置決めされる。また、押圧ユニット34の押圧子344が互いに隣接する二つの基板5の間に挿入され、基板5が電極プレート33の電極突起331に押し付けられる。
<工程10>
図10-10に示すように、二つの第二ネジ42を下方へ移動させ、二つの第一ネジ42を、電極プレート33の第一支柱333の上端部の外周面に形成されているネジ溝に螺合させる。これにより、押圧ユニット34が電極プレート33の上面に固定される。
<工程11>
図10-11に示すように、アーム35と二つの第三ネジ43を、押圧ユニット34の上方に配置する。
<工程12>
図10-12に示すように、アーム35を下方へ移動させ、アーム35の下側延在部353を、電極プレート33の第二支柱334の上面に配置する。
<工程13>
図10-13に示すように、二つの第三ネジ43を下方へ移動させ、二つの第三ネジ43を、アーム35の下側延在部353に形成されている貫通孔354を通して、電極プレート33の第二支柱334の上端部に形成されているネジ穴337に螺合させる。これにより、アーム35が電極プレート33の第二支柱334の上端部に固定される。
<工程14>
図10-14に示すように、二つの位置決めプレート36を所定の位置へ退避させる。これにより、電着を行うことが可能な状態の基板ホルダー3が得られる。
上述の工程14が終了した後、基板ホルダー3を電着溶液の中に浸漬し、外部の電源からアーム35に通電することにより、複数の基板5の表面に電着による被膜(金属膜等)が形成される。そのプロセスが終了した後は、基板ホルダー3を分解して収容カセット31を取り出し、電着による被膜が形成されていない複数の基板5が収容されている新たな収容カセット31を台座32に取り付け、基板ホルダー3を再度組み立てるというプロセスを繰り返す。
<実施例の変形例1>
図11は、本発明の実施例の変形例1における収容カセット、台座、電極プレート、押圧ユニットが互いに取り付けられた状態を示す(a)上面図、(b)正面図、(b’)正面の縦断面図、(c)右側面図、(c’)右側面の縦断面図である。図12は、図11(b’)のA部拡大図である。図11及び図12に示す変形例1では、押圧ユニットの構成が図1に示す実施例とは異なり、それ以外の構成は、図1~図9に示す実施例と実質的に同様である。具体的には、以下の通りである。
図11及び図12に示すように、変形例1では、図1~図9に示す実施例における押圧ユニット38が、それとは異なる構成の押圧ユニット6に置き換えられている。この押圧ユニット6は、フレーム61と、コイルバネ62と、シャフト63と、シャフト押さえ64とを、を備えている。フレーム61は、例えば、樹脂で構成されている。コイルバネ62、シャフト63、シャフト押さえ64は、例えば、金属で構成されている。
フレーム61は、図1~図9(特に図7)に示す実施例における押圧ユニット34の下板342に相当する部材であり、電極プレート33の上面に第二ネジ42により固定されている。具体的には、図12に示すように、フレーム61の左右方向の両端には、上下方向へ貫通する第一貫通孔611が一つずつ設けられており、この第一貫通孔611に下から上へ電極プレート33の第一支柱333が挿通されると共に、第一支柱333の上端に第二ネジ42が螺合されている。これにより、フレーム61が第二ネジ42により電極プレート33の上面に対して締め付けられて固定されている。なお、電極プレート33の第一支柱333の長さは、フレーム61の固定に適した長さに予め調整されている。
フレーム61の両端に設けられた第一貫通孔611は、上から見て左右方向へ僅かに延在する長孔として形成されている。そして、この第一貫通孔611に電極プレート33の第一支柱333が挿通された状態、且つ、第二ネジ42によるフレーム61の締め付けが解除された状態において、フレーム61は、所定の範囲内で左右方向へ自由にスライド可能である。なお、フレーム61を左右方向へスライド可能にする構成は、この構成に限定されず、その他の構成であっても良い。
フレーム61の左右方向の中央部には、上下方向へ貫通する複数の第二貫通孔612が、互いに一定の間隔で左右方向へ一列に並べて設けられている。特に、ここでは、複数の第二貫通孔612の列が、フレーム61の前側の部分と後側の部分のそれぞれに一つずつ設けられている。即ち、フレーム61には、複数の第二貫通孔612の列が、互いに平行となるように二列設けられている。なお、第二貫通孔612は、上から見て円形の貫通孔であるが、上から見て四角形等のその他の形状であっても良い。
複数の第二貫通孔612の内部には、コイルバネ62が、その伸縮方向が上下方向となるように一つずつ配置されている。コイルバネ62の外面と第二貫通孔612の内面は、互いに接触あるいは僅かな隙間を介して互いに離間している。コイルバネ62の上端と下端は、第二貫通孔612の内部から外部へそれぞれ所定の長さだけ突出している。ここでは、コイルバネ62の下端が第二貫通孔612の内部から外部へ突出する長さは、コイルバネ62の上端が第二貫通孔612の内部から外部へ突出する長さよりも大きいが、これらの長さの大小関係は、これに限定されない。
第二貫通孔612の内部から外部へ突出したコイルバネ62の上端と下端には、それぞれ、上側フック部621と下側フック部622が形成されている。上側フック部621と下側フック部622は、例えば、バネ線材を円弧状に湾曲させることにより形成されている。上側フック部621は、シャフト63の外周に引っ掛けるようにして固定されている。下側フック部622は、収容カセット31に収容されている基板5の上端に左右方向から接触可能な位置に配置されている。
上側フック部621のフック先端と下側フック部622のフック先端は、それぞれ、水平面内において、前側又は後側を向いている。この状態は、各々のフック先端が、水平面内において、基板5の主面に対して実質的に平行となる方向を向いている状態であるとも言える。この場合、下側フック部622は、左右方向において基板5の主面と平面的に接触(面接触)するため、基板5を電極突起331に安定して押し付けることができる。また、この場合、下側フック部622の左右方向の幅は、バネ線材の太さと同等になるため、下側フック部622を、互いに隣接する二つの基板5の間に容易に挿入することができる。
なお、下側フック部622のフック先端は、水平面内において、左側又は右側(基板5の主面に対して実質的に垂直となる方向)を向いていても良いが、この場合、下側フック部622は、左右方向において基板5の主面と局所的に接触(点接触)するだけであるため、基板5を電極突起331に安定して押し付けることができない虞がある。また、この場合、下側フック部622の左右方向の幅は、フック先端とフック後端との間の距離と同等になるため、下側フック部622を互いに隣接する二つの基板5の間に挿入することが難しくなる。これを避けるために、互いに隣接する二つの基板5の間隔を広げると、その分だけ基板ホルダーが大型化することになる。但し、必要に応じて、この構成を採用しても良い。
シャフト63は、細長い円柱状の部材であり、ここでは二つ設けられている。二つのシャフト63は、それぞれ、フレーム61の上面に形成された溝の内側に配置されると共に、二つのシャフト押さえ64により上から押し付けられて固定されている。シャフト押さえ64は、ネジ等によりフレーム61の上面に固定されている。二つのシャフト63は、それぞれ、フレーム61に設けられた複数の第二貫通孔612の上を左右方向へ横切るように配置されている。なお、シャフト63の形状は、円柱状に限らず、角柱状等のその他の形状であっても良い。
また、変形例1では、付随的な構成として、図12に示すように、電極プレート33の全てのガイド突起332が、電極突起331と同じ長さに形成され、実質的に電極突起331として形成されている。以下の説明においては、このガイド突起332も電極突起331と称する。なお、ガイド突起332は、短尺のままでも電極として機能するため、必要に応じて、長さを変えることなく、短尺のまま電極として使用しても良い。
図11及び図12では、収容カセット31に収容されている全ての基板5がコイルバネ62の下側フック部622により左側から右側へ向かって一様に電極プレート33の電極突起331に押し付けられている状態が示されているが、この状態とするためには、例えば、まず、フレーム61を電極プレート33の上面における所定の位置に配置したうえで第二ネジ42を取り付けない状態あるいは緩く取り付けた状態とし、次に、フレーム61を左側から右側へ所定の距離だけスライドさせることにより、フレーム61に保持されているコイルバネ62の下側フック部622をその右側に位置する基板5の主面に押し当て、基板5をその右側に位置する電極突起331に押し付ける。これにより、図11及び図12に示す状態となる。なお、この状態において、コイルバネ62の下端は、全体として右側から左側に向かって僅かに湾曲しており(不図示)、これによって生じるコイルバネ62の復元力により、基板5がその右側に位置する電極突起331に弾性的に押し付けられている。即ち、変形例1では、コイルバネ62が、基板5を電極突起331に押し付ける押圧子としての役割を果たす。
図1~図9(特に図8)に示す実施例では、基板5が剛性の高い押圧子344により電極突起331に押し付けられるため、押圧子344の位置ずれや寸法誤差、基板5の位置ずれ等が生じた場合には、それらの影響により、基板5を電極突起331に安定して押し付けることができない虞、即ち、基板5と電極突起331との電気的な接続を安定させることができない虞がある。これに対し、変形例1では、基板5がコイルバネ62により電極突起331に弾性的に押し付けられるため、上述の位置ずれ等の影響が低減され、基板5を電極突起331に安定して押し付けること、即ち、基板5と電極突起331との電気的な接続を安定させることができる。
<実施例の変形例2>
押圧子としてコイルバネを用いたその他の変形例2として、例えば、以下の構成が考えられる。具体的には、図11示す変形例1におけるフレーム61を、前後方向の中間位置を境界として、それよりも前側に位置する前側フレームと、それよりも後側に位置する後側フレームとに分割し、前側フレームと後側フレームを、前後方向において互いに離間あるいは互いに摺動可能に接触するように配置したうえで、左右方向へ互いに独立してスライド可能にすることが考えられる。この場合、前側フレームと後側フレームのそれぞれには、第二ネジ42を用いたフレームの固定構造(長孔等を含む)とシャフト押さえ63が個別に設けられる。そして、例えば、前側フレームを右方向へスライドさせることにより、前側フレームに保持されているコイルバネ62で、収容カセット31に収容されている複数の基板5のうち左側から奇数番目の基板5を、その右側に位置する電極突起331に押し付け、また、後側フレームを左方向へスライドさせることにより、後側フレームに保持されているコイルバネ62で、収容カセット31に収容されている複数の基板5のうち左側から偶数番目の基板5を、その左側に位置する電極突起331に押し付ける。この構成では、フレーム61が互いに独立した二つのフレームに分割されているため、基板5を電極突起331に押し付ける力の強さ等を調整し易くなる。このことは、結果的に、基板5と電極突起331との電気的な接続の安定性の向上に寄与する。
<実施例の変形例3>
押圧子としてコイルバネを用いたその他の変形例3として、例えば、以下の構成が考えられる。具体的には、図1~図9(特に図7)に示す実施例における押圧ユニット34の押圧子344を、その押圧子344の外形に倣った外形を有するコイルバネ、即ち、下端においてはバネ線材が中空円錐状に巻かれ、下端よりも上側の部分においてはバネ線材が円筒状に巻かれたコイルバネ(以下、中空円錐状のコイルバネと称する)に置き換えることが考えられる。この場合、押圧ユニット34の上板341、壁部343、コイルバネ345は、省略され、その代替として、例えば、下板342の上面に、図11及び図12に示す変形例1におけるシャフト63及びシャフト押さえ64に相当する部材が配置され、そのシャフト63に相当する部材に、中空円錐状のコイルバネの上端が固定される。そして、中空円錐状のコイルバネの下端(中空円錐状の部分)を、図1~図9(特に図8)に示す実施例と同様に、互いに隣接する二つの基板5の間に挿入する。この構成では、押圧子344を用いた場合と同様に、1つの中空円錐状のコイルバネで、その両側に位置する二つの基板5を電極突起331に同時に押し付けることができると共に、変形例1と同様に、コイルバネの弾性による効果(位置ずれ等の影響の低減)が得られる。なお、この変形例3において、コイルバネは、下端のみが中空円錐状に形成されたものではなく、全体が中空円錐状に形成されたもの(円筒状の部分が無いもの)であっても良い。但し、コイルバネの弾性による効果をより効果的に得る意味では、コイルバネは、下端のみが中空円錐状に形成されたもの(下端よりも上側の部分が円筒状のもの)であるのが好ましい。
以上の変形例において、コイルバネ62の上側フック部621と下側フック部622は、適宜省略することが可能である。下側フック部622が省略されている場合には、コイルバネ62の円筒状の部分により、基板5が電極突起331に押し付けられる。
また、コイルバネ62は、それと同様の機能を有するその他の弾性部材(板バネ等)に適宜置き換えることが可能である。変形例3において、中空円錐状のコイルバネを板バネに置き換える場合には、例えば、板バネの一部を、前後方向から見た縦断面がV状となるように屈曲させたうえで、互いに隣接する二つの基板5の間に挿入することが考えられる。
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を取り得る。例えば、上述の基板ホルダー3において、収容カセット31は、台座32と一体化(一体成型等)されていても良い。但し、収容カセット31は、台座32に対して着脱可能な独立した部材として構成されている方が、収容カセット31を一単位として複数の基板5をまとめて取り扱うことができるため、作業性向上等の観点からは、好ましい。
1 基板
2 ラック
21 下枠
22 可動枠
23 可動枠
24 把手部
3 基板ホルダー
31 収容カセット
311 開口部
312 縦溝
313 開口部
314 斜面
32 台座
321 中央突出部
322 壁部
323 支柱
324 切欠き
325 ネジ穴
326 開口部
33 電極プレート
331 電極突起
332 ガイド突起
333 第一支柱
334 第二支柱
335 位置決めピン
336 開口部
337 ネジ穴
338 貫通孔
34 押圧ユニット
341 上板
342 下板
343 壁部
344 押圧子
345 コイルバネ
346 開口部
347 第一貫通孔
348 第二貫通孔
35 アーム
351 上側延在部
352 中央延在部
353 下側延在部
354 貫通孔
36 位置決めプレート
361 切欠き
41 第一ネジ
42 第二ネジ
43 第三ネジ
5 基板
6 押圧ユニット
61 フレーム
611 第一貫通孔
612 第二貫通孔
62 コイルバネ
621 上側フック部
622 下側フック部
63 シャフト
64 シャフト押さえ

Claims (14)

  1. 基板の表面に電着による被膜を形成する際に用いられる基板ホルダーであって、
    前記基板を保持する保持部と、
    前記基板と接触する電極端子を有する電極部と、
    前記基板を前記電極端子に押し付ける押圧子を有する押圧部と、
    を備えた、ことを特徴とする基板ホルダー。
  2. 前記押圧子は、前記基板を前記電極端子に押し付ける斜面を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の基板ホルダー。
  3. 前記斜面は、円錐状の斜面である、ことを特徴とする請求項2に記載の基板ホルダー。
  4. 前記押圧部は、互いに隣接する二つの前記基板の間に前記押圧子を挿入することにより、当該二つの前記基板のそれぞれを隣接する前記電極端子に押し付ける、
    ことを特徴とする請求項1に記載の基板ホルダー。
  5. 前記保持部は、前記基板を収容する収容部材と、当該収容部材を支持する台座と、を有し、
    前記収容部材は、前記基板の一端を外部へ露呈させる開口部を有し、且つ、前記台座に対して着脱可能であり、
    前記台座は、前記開口部を通して前記収容部材の内部へ進入可能な突出部を有し、
    前記突出部は、前記収容部材が前記台座に取り付けられた際に、前記開口部を通して前記収容部材の内部へ進入し、前記基板の前記一端と当接することにより、前記基板の他端を前記収容部材の内部から外部へ相対的に突出させ、
    前記押圧子は、前記基板の前記他端を前記電極端子に押し付ける、
    ことを特徴とする請求項1に記載の基板ホルダー。
  6. 前記押圧子は、弾性部材である、ことを特徴とする請求項1に記載の基板ホルダー。
  7. 前記弾性部材は、コイルバネである、ことを特徴とする請求項6に記載の基板ホルダー。
  8. 前記コイルバネは、その伸縮方向と直交する方向の外面により、前記基板を前記電極端子に押し付ける、ことを特徴とする請求項7に記載の基板ホルダー。
  9. 前記コイルバネは、その伸縮方向の一端部にフック部を有し、当該フック部により、前記基板を前記電極端子に押し付ける、ことを特徴とする請求項8に記載の基板ホルダー。
  10. 前記フック部のフック先端は、水平面内において、前記基板の主面に対して平行となる方向を向いている、ことを特徴とする請求項9に記載の基板ホルダー。
  11. 前記押圧部は、前記弾性部材を保持したまま所定の方向へ移動可能なフレームを備え、
    前記フレームが前記所定の方向へ移動することにより、前記フレームに保持された前記弾性部材が前記基板を前記電極端子に押し付ける、
    ことを特徴とする請求項6に記載の基板ホルダー。
  12. 前記押圧部は、前記弾性部材の一つを保持したまま第一方向へ移動可能な第一フレームと、前記弾性部材のうち他の一つを保持したまま前記第一方向とは反対の第二方向へ移動可能な第二フレームと、を備え、
    前記第一フレームが前記第一方向へ移動することにより、前記第一フレームに保持された前記弾性部材が、前記基板の一つを、前記電極端子の一つに押し付け、
    前記第二フレームが前記第二方向へ移動することにより、前記第二フレームに保持された前記弾性部材が、前記基板の他の一つを、前記電極端子の他の一つに押し付ける、
    ことを特徴とする請求項6に記載の基板ホルダー。
  13. 前記コイルバネは、その伸縮方向における一端に、バネ線材が中空円錐状に巻かれた中空円錐部を有し、
    前記押圧部は、互いに隣接する二つの前記基板の間に前記中空円錐部を挿入することにより、当該二つの前記基板のそれぞれを隣接する前記電極端子に押し付ける、
    ことを特徴とする請求項7に記載の基板ホルダー。
  14. 前記コイルバネは、その伸縮方向における前記中空円錐部よりも他端側の位置に、バネ線材が円筒状に巻かれた円筒部を有する、ことを特徴とする請求項13に記載の基板ホルダー。
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