JP2024052297A - 機能性複合シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シートの搬送工程において、噴霧する機能性液体を歩留まりが向上するようシートに定着させるとともに、該機能性液体の定着位置を制御し得る機能性複合シートの製造方法の提供。【解決手段】接着された2層のシート110、120の間に機能性液体31を保持した機能性複合シート1を製造する。第1シート110の一方の面に接着剤21を塗布する接着剤塗布工程と、第1シート110に機能性液体31を噴霧する液体噴霧工程と、第1シート110と第2シート120とを接合させる接着工程とを有する。液体噴霧工程では、エアー33を第1シート110の他方の面側から吸引しながら、第1シート110の一方の面側に機能性液体31を噴霧する。【選択図】図1

Description

本発明は機能性複合シートの製造方法に関する。
従来、シート加工における機能性液体塗工方法として、直接塗工方式やロール転写方式、スプレー噴霧方式等が知られている。このような各種塗工方法は、使用者の使用感の向上を目的として、用いる香料の種類を製品ごとに変更して製造される温熱具等の製造に用いられることがある。
前記の種々の方式のうち、スプレー噴霧方式は、塗工装置がシートに直接触れないため、装置の汚染が他の方法と比較して抑えられるという利点がある。また、シートの広範囲の領域に機能性液体の塗工が可能であり、しかもシート厚み方向に機能性液体を浸透させることができる。そこで、機能性液体を噴霧装置によりシートに噴霧させる方法が提案されている(例えば、特許文献1ないし3参照)。
特開2018-78951号公報 特開2016-120072号公報 特開2021-100658号公報
機能性液体をシートに噴霧させる際、機能性液体は微粒子化して噴霧されるため、該機能性液体が100%シートに定着せず噴霧位置周辺に飛散する場合がある。そのため、歩留まりや、間欠塗工や塗り幅といった、細かい塗工範囲がある場合の塗工の制御の観点では改善の余地がある。
本発明は、シートの搬送工程において、噴霧する機能性液体を歩留まりが向上するようシートに定着させるとともに、該機能性液体の定着位置を制御し得る機能性複合シートの製造方法に関する。
本発明は、機能性複合シートの製造方法に関する。
本製造方法は、長尺状の第1シートを搬送させながら、第1シートの一方の面に前記接着剤を塗布する接着剤塗布工程を有することが好ましい。
本製造方法は、前記接着剤塗布工程において前記接着剤を塗布した前記一方の面に向かって、前記機能性液体を噴霧し、第1シートに該機能性液体を保持させる液体噴霧工程を有することが好ましい。
本製造方法は、前記機能性液体を保持させた第1シートと、第2シートとを、第1シートに塗布された前記接着剤により接合させる接着工程とを有することが好ましい。
前記接着剤塗布工程では、前記接着剤が塗布された塗布領域と前記接着剤が塗布されていない非塗布領域が生じるように、前記接着剤を塗布することが好ましい。
前記液体噴霧工程では、エアーを第1シートの他方の面側から吸引しながら、前記一方の面側に向かって前記機能性液体を噴霧することが好ましい。
本発明によれば、シートの搬送工程において、歩留まりが向上するように機能性液体をシートに定着させ得るとともに、該機能性液体の定着位置を容易に制御することが可能である。
図1は、本発明の機能性複合シートの製造方法の一実施形態を模式的に示す図である。 図2は、エアーを吸引しながら第1シートに機能性液体を噴霧し、第2シートと張り合わせる状態を示す断面図である。 図3(a)及び(b)は、繊維接触角の程度が種々異なる第1シートの構造を模式的に示す断面図である。 図4(a)ないし(c)は、積層体シートからトリムを切除する種々の態様を模式的に示す平面図である。 実施例及び比較例で得られた機能性複合シートにおける香料の定着率を示すグラフである。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
図1及び図2には、本発明の製造方法に好適に用いられる製造装置の一例が示されている。これらの図に示す実施形態の製造装置10では、機能性複合シート1の構成部材である長尺状の第1シート110を連続的に搬送しながら加工し、該第1シート110を、機能性複合シート1の別の構成部材である第2シート120と接合させ、連続した積層体シート100を作製する。作製された積層体シート100は、シート切断することで枚葉のシートとなる。この枚葉のシートが、目的とする機能性複合シート1である。
製造装置10は、接着剤塗布部20、液体噴霧部30、吸引部40、シート貼り合わせ部50、トリム切除部60、及びトリム回収部70を、第1シート110の搬送方向Rに沿って有している。ただし、液体噴霧部30及び吸引部40は、第1シート110の搬送方向Rに沿って同位置に位置している。以下、製造装置10におけるそれぞれの部位について説明する。
接着剤塗布部20は、第1シート110に接着剤21を塗布する接着剤塗布装置22を有する。
液体噴霧部30は、第1シート110に機能性液体31を噴霧する液体噴霧装置32を有する。液体噴霧装置32としては、例えば2流体エアスプレー装置を用いる。2流体エアスプレー装置は一般に液体と気体を混合させて噴霧するノズルを有する噴霧装置のことであり、ノズル内部で液体と気体を混合させる構造を有している。なお、液体噴霧装置32として、2流体エアスプレー装置に代えて、他の液体噴霧装置を使用することは妨げられない。例えば液体噴霧装置として超音波スプレーを用いてもよい。如何なる液体噴霧装置を用いる場合であっても、該液体噴霧装置は、第1シート110から距離を隔てて設置されている。すなわち、液体噴霧装置と第1シート110とは非接触状態になっている。液体噴霧装置を用いて機能性液体31を第1シート110に施すことは、該液体噴霧装置が汚染されにくいという点で技術的な意義を有する。また、機能性液体31を広範囲に施すことができる点及び第1シート110の厚さ方向に機能性液体31を容易に浸透させ得る点においても技術的な意義を有する。
吸引部40は、エアー33を吸引する吸引装置41を有する。吸引装置41としては、例えばバキュームコンベアを用いることができる。バキュームコンベアは一般に通気性を有する無端ベルト41aと、周回する該無端ベルト41aの周回軌道内に設置されたサクションボックス41bとから構成されている。
無端ベルト41aとしては、例えば金属ワイヤや合成樹脂ワイヤの織物からなるワイヤメッシュベルトを用いることができる。サクションボックス41bは、液体噴霧装置32との対向面からエアー33を吸引可能な構造を有している。先に述べたとおり、吸引部40は、第1シート110を挟んで液体噴霧部30と対向する位置に配されている。吸引装置41としては種々の吸引装置を用いることが出来る。特に吸引装置としてバキュームコンベアを用いてシートの搬送とエアーの吸引を同時に行うことで、シート搬送の乱れやシワ寄りを抑制しつつ効率的にエアーの吸引を行うことが出来る。
シート貼り合わせ部50では、いずれも同方向Rに搬送される第1シート110と第2シート120とが重ね合わされて、接着剤21によって貼り合わされる。この目的のために、シート貼り合わせ部50に、重ね合わされた第1シート110と第2シート120とを挟圧するための一対のニップロール(図示せず)を配置してもよい。
トリム切断部60では、第1シート110と第2シート120とが貼り合わされてなる積層体シート100の一部を切除する。この目的のために、トリム切断部60は切断装置61を有する。切断装置61としては、例えばカッターロール62とアンビルロール63との組み合わせが用いられる。この場合、カッターロール62及びアンビルロール63は、積層体シート100を挟んで互いに対向する位置に配置される。
図1においては切断装置61によって積層体シート100が枚葉化されているが、これに代えてトリム切除工程とシート切断工程とを順次行っても良い。
トリム回収部70は、上述したトリム切断部60において発生したトリム72を回収するためのトリム回収装置71を有する。
次に、本発明の製造方法の好ましい一実施形態について、上述した製造装置10を用いて機能性複合シート1を製造する方法を例に説明する。本実施形態の機能性複合シート1の製造方法は、接着剤塗布工程と、液体噴霧工程と、接着工程とをこの順で備えている。
接着剤塗布工程では、図1に示すとおり、長尺状の第1シート110を一方向の搬送方向Rに搬送させながら、該第1シート110の面のうち、後述する機能性液体31が噴霧されるべき一方の面(以下、この面を「第1面」ともいう。)F1に、接着剤塗布部20に設置された接着剤塗布装置22によって接着剤21を塗布する。具体的には、第1シート110の搬送方向Rに沿いながら、第1シート110の第1面F1に、接着剤21が塗布された接着剤塗布領域111と接着剤21が塗布されていない接着剤非塗布領域112が生じるように、連続的又は間欠的に、所定の塗布パターンで接着剤21を塗布する。
液体噴霧工程では図2に示すとおり、接着剤塗布工程において接着剤21を塗布した面である第1面F1に向けて機能性液体31を噴霧し、第1シート110に該機能性液体31を保持させる。具体的には、2流体エアスプレー装置などの液体噴霧装置32によって、搬送中の第1シート110の第1面F1に機能性液体31を噴霧する。この操作と同時に、又は、この操作に先立ち、吸引装置41であるサクションボックス41bを作動させ、第1シート110の他方の面(以下、この面を「第2面」ともいう。)F2側からエアー33を吸引する。
第1シート110の第1面F1に機能性液体31を噴霧させるときに、第1シート110の第2面F2側からエアー33を吸引することによって、接着剤塗布領域111及び接着剤非塗布領域112の間で吸引力の異なる気流を発生させることが出来る。具体的には、接着剤塗布層が通気を阻害する領域である接着剤塗布領域111に対して、接着剤が塗布されていない接着剤非塗布領域112はより吸引力の高い気流を発生する。この結果、液体噴霧装置32から噴霧された機能性液体31の微粒子は、より吸引力の高い領域である接着剤非塗布領域112に選択的に付着する。このことにより、液体噴霧装置32から連続的に噴霧される機能性液体31の塗工範囲を制御し、接着剤非塗布領域112に機能性液体31を集中的に付着させることができる。接着剤塗布領域111に機能性液体が意図せず付着すると、接着剤の接着性能が減殺されるおそれがあることから、接着剤非塗布領域112に機能性液体31を集中的に付着させることは、技術的な意義が大きい。
また、第1シート110の第1面F1に機能性液体31を噴霧させるときに、第1シート110の第2面F2側からエアー33を吸引することによって、上述したトリム切断部60で切除されるトリム72に対応する部位に、機能性液体31が付着しないように制御することもできる。このことは、機能性液体31のロスを低減させる観点から技術的な意義が大きい。
更に本実施形態によれば、第1シート110の背面である第2面F2側からエアー33を吸引することによって、一般的に液体の流速が高くシートの暴れや噴霧液体の飛散が発生しやすい2流体スプレーを液体噴霧装置32として用いた場合であっても、シート110の暴れや機能性液体31の飛散を抑制できるという利点もある。この効果は特にバキュームコンベアを用いた場合に顕著である。
本実施形態によって奏される上述した各種の利点は、接着剤塗布工程を行った後に液体噴霧工程を行うことによって初めて発現するものである。換言すれば、液体噴霧工程を行った後に接着剤塗布工程を行っても、本実施形態によって奏される上述した各種の利点は発現しないか又はその程度は極めて低い。ただし本発明において、液体噴霧工程の後に新たに接着剤を塗布する工程を設けることは妨げられない。
吸引装置41による第1シート110の背面からのエアー33の吸引は、連続的でもよく、あるいは間欠的でもよい。例えば上述した接着剤塗布領域111及び接着剤非塗布域112が第1シート110に形成されている場合、接着剤塗布領域111が吸引装置41上を通過するときには吸引を停止し、且つ、接着剤非塗布域112が吸引装置41上を通過するときには吸引を行う、といった吸引のオンオフ制御を行うことができる。尤も、接着剤塗布領域111は一般に通気性が低いか又は通気性を有さない部位であることから、接着剤塗布領域111が吸引装置41上を通過するときに吸引装置41を動作させても、接着剤塗布領域111を通じてのエアー33の吸引は起こりづらいことから、接着剤塗布領域111及び接着剤非塗布域112を問わず連続吸引することに差し支えはない。つまり本発明は、間欠吸引に比して簡単な制御である連続吸引を行った場合であっても、機能性液体を選択的に施すことができるという点において技術的な意義を有する。
機能性液体31の種類に特に制限はなく、目的とする機能性複合シートの具体的な用途に応じて適切なものが選択される。機能性液体31の一例として、香料を含む液体の他、親水性を制御する油剤及び抗菌成分を含む液体等が挙げられる。
機能性液体31に香料が含まれている場合、一般に、該香料に起因して製造装置10に香料の匂いが移りやすいという不都合がある。しかし本製造方法においては、吸引装置41によってエアー33の吸引を行っていることから、噴霧された香料の周囲への飛散が抑制されるとともに、吸引装置41によって吸引除去されるので、そのような不都合が生じにくいという利点がある。
第1シート110は、それを構成する繊維の繊維接触角が制御されていることが好ましい。具体的には、第1シート110の繊維接触角は、機能性液体31が噴霧される第1面F1側の方が、機能性液体31が噴霧されない第2面F2側と比較して小さいことが好ましい。液体噴霧工程において、繊維接触角が小さい第1面F1側に機能性液体31を噴霧することで、第1シート110に付着した機能性液体31が第2面F2側に浸透しにくくなり機能性液体31の裏抜けが抑制されるとともに、第1シート110の第1面F1側において機能性液体31を容易に濡れ拡がらせることが可能になる。
本明細書において繊維接触角とは、第1シート110を構成する繊維を対象として測定された水に対する接触角のことである。その測定方法については後述する。
図3(a)及び(b)には、構成繊維の接触角が制御された種々の第1シート110の厚み方向に沿う断面図が示されている。
図3(a)に示す実施形態では、繊維接触角の大きさが互いに異なる繊維A及び繊維Bをそれぞれ含む2層が重なることで、第1シート110が構成されている。2層のシート110のうち、上部の1層目115Aに含まれている繊維Aの方が、下部の2層目115Bに含まれている繊維Bよりも繊維接触角が小さい。同図においては、1層目115Aの表面が第1面F1であり、2層目115Bの表面が第2面F2である。
図3(b)に示す実施形態では、第1シート110は単層構造であり、その厚み方向に沿って繊維接触角がステップ状に変化している。具体的には、第1シート110の厚み方向に沿う略中央部を境として、上部の第1面F1側の方が、下部の第2面F2側よりも繊維接触角がステップ状に小さくなっている。
繊維接触角の測定方法は以下のとおりである。
測定装置として、協和界面科学株式会社製の自動接触角計MCA-J(商品名)を用いる。繊維接触角の測定には脱イオン水を用いる。
インクジェット方式水滴吐出部(クラスターテクノロジー株式会社製、吐出部孔径が25μmのパルスインジェクターCTC-25)から吐出される液量を10ピコリットルに設定して、水滴を、繊維の真上に滴下する。滴下の様子を、水平に設置されたカメラに接続された高速度録画装置に録画する。録画装置は後に画像解析をする観点から、高速度キャプチャー装置が組み込まれたパーソナルコンピュータが好ましい。本測定では、17msec毎に画像が録画される。録画された映像において、不織布から取り出した繊維に水滴が着滴した最初の画像を、付属ソフトFAMAS(ソフトのバージョンは2.6.2、解析手法は液滴法、解析方法はθ/2法、画像処理アルゴリズムは無反射、画像処理イメージモードはフレーム、スレッシホールドレベルは200、曲率補正はしない、とする)にて画像解析を行い、水滴の空気に触れる面と繊維のなす角を算出し、繊維接触角とする。
第1シート110から取り出した繊維は、長さが2mm以上の場合は繊維長2mmに裁断し、該繊維を接触角計のサンプル台に載せて、水平に維持する。該繊維1本につき異なる3箇所の接触角を測定し、その平均した値(小数点以下第2桁で四捨五入)を繊維接触角と定義する。
第1シート110の構成繊維の繊維接触角を調整するためには、該繊維の表面に適切な親水化剤を付着させたり、あるいは該繊維を構成する樹脂に適切な親水化剤を練り込んだりすればよい。
接着工程では、接着剤21が塗布され且つ機能性液体31が噴霧された第1シート110を、第2シート120と直に接合させ、機能性液体31を保持させた積層体シート100の長尺物を得る。具体的には、図1に示すとおり、シート貼り合わせ部50において、機能性液体31を保持させた第1シート110の第1面F1と第2シート120の一面とを、他の部材等を介さず直接接触するように接合させる。上述のとおり、接着剤非塗布領域に機能性液体を選択的に付着させているので、本工程においては、第1シートと第2シートを接合させる際に接着剤の接着性能が担保されるという本発明の効果が顕著になる。
接着工程によって積層体シート100の長尺物が得られたら、次に該積層体シート100のトリム切除工程を行う。トリム切除とは、積層体シート100のうちの一部、具体的には、目的とする機能性複合シート1において不要な部分(すなわちトリム)72を切除して分離することである。
トリム切除工程では、図1に示すとおり、搬送中の積層体シート100のうち所定の部分(トリム72)を、トリム切除部60において間欠的に切断し、目的とする機能性複合シート1を得る。切除したトリム72は回収装置71によって回収される。
トリム切除工程では、積層体シート100を切除する切除領域に、第1シート110における接着剤塗布領域111の少なくとも一部が含まれるようになっていることが好ましい。特に、接着剤塗布領域111を、トリム切除工程における切除領域とそれ以外の領域とに跨がるように形成することが好ましい。このことによって、単一の接合工程で、切除領域への機能性液体31の付着防止と、第1シート110と第2シート120の接合とを両立させることができる。また、第1シートのトリムと第2シートのトリムとが分離せず、一体として回収できるという利点もある。
第1シート110と第2シート120とを接着するための接着剤塗布領域111の形成パターンと、トリム切除領域のパターンとの組み合わせとしては種々のものが挙げられる。それらの幾つかの例を図4(a)ないし(c)に示す。なお、これらの図において符号Rはシートの搬送方向を示している。
図4(a)に示す実施形態では、第1シート110の長辺及び短辺に沿う周縁域に接着剤を略矩形状となるよう塗布して接着剤塗布領域111を形成する。
次に、接着剤非塗布領域112に機能性液体31を噴霧し、液体噴霧領域113を形成する。
次に、第1シート110上に第2シート120を重ね合わせて積層体シート100を形成した後、液体噴霧領域113及び接着剤塗布領域111の一部を含む領域を略矩形状に打ち抜いて(図4(a)~(c)において破線で示す。)、接着剤塗布領域111の残部である切除領域116を切除する。
図4(b)に示す実施形態では、まず、第1シート110の長辺に沿う周縁域に接着剤を塗工して一対の帯状の接着剤塗布領域111を形成する。
次に、一対の接着剤塗布領域111に挟まれた領域である接着剤非塗布領域112に機能性液体31を噴霧して液体噴霧領域113を形成する。
次に、第1シート110上に第2シート120を重ね合わせて積層体シート100を形成した後、各接着剤塗布領域111のうち、幅方向の外方側であって且つ長手方向に延びる領域である切除領域116を切除する。
図4(c)に示す実施形態では、まず、第1シート110の四辺の周縁域に接着剤を略矩形状となるよう塗布するとともに、搬送方向Rと直交する方向の中央域に、搬送方向Rに沿って接着剤を塗布して接着剤塗布領域111を形成する。これによって、矩形をした接着剤非塗工領域112が2箇所形成される。
次に、接着剤非塗工領域112に機能性液体31を噴霧し、2箇所の液体噴霧領域113を形成する。
次に、第1シート110上に第2シート120を重ね合わせて積層体シート100を形成した後、接着剤塗布領域111のうち、矩形部分の一部である切除領域116を切除する。
次に、本発明の機能性複合シート1の製造方法で用いられる各種の材料等について説明する。
第1シート110は、例えば、通気性を有する樹脂フィルム及び繊維シート並びにそれらの積層物から構成することができる。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン、セロファン、ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等の高分子材料からなる通気性フィルム等が挙げられる。繊維シートとしては、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、スパンレース不織布、ヒートロール不織布、メルトブローン不織布、又はこれらの積層不織布等が挙げられる。
第1シート110の好適な構成材料は上述のとおりであるところ、第2シート120としては、上述した接着工程において、機能性液体31を第2シート120側に良好に吸収及び保持させやすくし、第1シート110からの機能性液体31の裏抜けを防止する観点から、第2シート120は外面にパルプ繊維を含むシートであることが好ましい。特に第2シート120はその少なくとも第1シート110と当接する該外面がパルプ繊維を含んで構成されることが好ましい。
パルプ繊維はセルロースによって構成されているところ、セルロース分子には親油性の高いメチリジン基を多く含む。メチリジン基は、香料の芳香成分と親和性が高いので、第2シート120の外面にパルプ繊維が存在することによって、塗布された機能性液体31が香料である場合に、これを良好に保持させることができる。
第2シート120の外面にパルプ繊維を含む構成として、紙を単独で用いることができる。
第2シート120として非通気性の樹脂フィルムと紙とのラミネートシートを用いることも好ましい。特に、後述する発熱具を製造するための材料として機能性複合シート1を用いる場合には、このような形態の第2シート120を用いることで、該第2シート120を非通気性として、発熱具に含まれる発熱部の発熱制御を適切に行うことが容易となる。
第1シート110と第2シート120とを接着するために用いられる接着剤22としては、例えば水性接着剤及び有機系接着剤が挙げられる。いずれの接着剤を用いるかは、第1シート110及び第2シート120の構成材料に応じて適切に決定される。
機能性液体31に含まれ得る香料としては、大気圧下で大気中に揮発する芳香成分を含むものを用いることができる。この芳香成分は、常温常圧の環境下でその香気を知覚し得るものを用いることができる。
香料を構成する芳香成分としては、例えば「合成香料化学と商品知識」(合成香料編集委員会 編集、化学工業日報社、2016年12月20日増補新版)に記載の成分が挙げられる。
具体的には、芳香成分として、テルペン系炭化水素、アルデヒド類、フェノール類、ラクトン類等が挙げられる。
テルペン系炭化水素としては、ミルセン、ファルネセン、ピネン、リモネン、カンフェン、フェランドレン、ターピネン、ターピノレン、p-サイメン、セドレン、カリオフィレン等が挙げられる。
アルデヒド類としては、ヘキシルシンナミックアルデヒド、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)-プロパナール、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒド、バニリン等が挙げられる。
フェノール類としては、芳香族アルコール類アネトール、オイゲノール等が挙げられる。
芳香族アルコール類アネトール、あるいはオイゲノールとしては、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、パンプルフルール(2-メチル-4-フェニルペンタノール)、ジメチルベンジルカルビノール、フェニルヘキサノール(3-メチル-5-フェニルペンタノール)等が挙げられる。
ラクトン類としては、γ-ノナラクトン、γ-ウンデカラクトン等が挙げられる。
また香料には、「複数の香料によって構成される香料素材が組み合わされたもの(香料組成物)で、溶剤によって希釈・調整されたもの」が含まれる。例えば、香料として、バラ、ラベンダー、ジャスミン、イランイラン様の香気を有する香料組成物を用いることができる。
以上の方法で製造された機能性複合シート1は、これをそれ単独で使用してもよく、あるいは更に加工を施して他の物品を製造してもよい。例えば、以上の方法で製造された機能性複合シート1を用いて発熱具を製造してもよい。そのような発熱具の一例として、いわゆるフェイスマスクタイプやアイマスクタイプのものが挙げられる。この種の発熱具は、ヒトの鼻及び口、あるいは両眼やその近傍の部位といった加熱対象体に覆うように当接させて、所定温度に加熱された水蒸気を当該部位の肌に付与するために用いることができる。
発熱具は典型的には、発熱具の使用時において、使用者の肌等の加熱対象体と対向する表面シートと、該加熱対象体から遠い側に位置する裏面シートとを備えている。これらのシートを備えた発熱具を、機能性複合シート1を用いて製造する場合には、上述した第1シート110及び第2シート120を、表面シート及び裏面シートとして用いることができる。
発熱具は、典型的には、発熱に伴い蒸気の発生が可能な発熱部を有している。発熱部は、空気中の酸素との酸化反応に起因する発熱に伴って、所定温度に加熱された水蒸気が発生するように構成されている。詳細には、発熱部は、空気中の酸素との酸化反応に起因する発熱を生じさせる被酸化性金属と、活性炭と、必要に応じて、電解質及び水とを含む。
機能性複合シート1を用いて発熱具を製造する場合、当該製造方法は、液体噴霧工程を行った後に、発熱体を供給する工程を備えることが好ましい。詳細には、上述の手順に従い第1シート110に機能性液体31を噴霧した後、第1シート110と第2シート120とを接着するのに先立ち、搬送方向Rに沿って搬送される第1シート110と第2シート120との間に、発熱シート又は発熱組成物の形態とした発熱部を搬送方向Rに沿って所定の間隔を空けて間欠的に配することが好ましい。例えば、図4(c)において、符号112で示す接着剤非塗布領域に発熱部を配置することが好ましい。このような発熱具の製造方法は、例えば上述した特許文献3の図10に記載されている。
機能性複合シート1を用いて発熱具を製造する場合、製造装置10は、耳掛け形成部を更に備えていることが好ましい。耳掛け形成部は、耳掛け部を形成するための長尺帯状の耳掛けシート原反を、表面シートのうち、発熱体が配されていない側の面に供給して、シート材からなる耳掛け部を形成するためのものである。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。
例えば、機能性液体31は、搬送方向Rに沿って間欠的に施すことができるが、これに限られず、ストライプ状(帯状)、散点状、市松模様等の態様で施してもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
〔実施例1ないし9〕
実施例1ないし9では、図1及び図2に示す装置を用いて機能性複合シート1を製造した。ただし、都合上トリムの切除は行わなかった。したがって、厳密には本実施例は「モデル実施例」というべきものである。
第1シート110として、坪量30g/mのPET/PE混合不織布を用いた。第2シート120として、坪量60g/mのPET/PE混合不織布を用いた。接着剤21としてHM―ディスポメルトME716E(ヘンケル株式会社製)を用いた。機能性液体31として、香料(25℃における粘度20mPa・sの油溶性香料)をそのまま用いた。
第1シート110に液体噴霧領域113が形成されるように第1シート110を30m/minの搬送速度で搬送させながら、第1のシート110の第1面F1に接着剤21の塗布を、図4(a)に示すパターンで行った。次いで2流体エアスプレー装置を用いて、機能性液体31を、接着剤塗布領域と接着剤非塗布領域とを跨ぐように連続して噴霧した。噴霧エアー圧力は、以下の表1に示すとおりとした。接着剤塗布領域111の搬送方向Rに沿う長さは100mmに設定した。機能性液体31の噴霧とともに、第1シート110の第2面F2側からバキュームコンベアを用いてエアーを吸引した。吸引圧力は、以下の表1に示すとおりとした。
第1シート110の第1面F1に第2シート120を重ね合わせ積層体シート100を得た。この積層体シート100を所定の形状に切断して目的とする機能性複合シート1を得た。
得られた機能性複合シート1の湿潤重量W2を測定した後、70℃で3日間乾燥させた。その後、機能性複合シート1の乾燥質量W1を測定し、乾燥前の機能性複合シート1の湿潤質量W2からW1を減じ、機能性複合シート1に定着した香料の質量W3を算出した。
機能性複合シート1に定着した香料の質量W3と、予め検量した1分間当たりの香料噴霧量を1分間当たりの機能性複合シートの加工枚数で除した値とから香料の定着率を算出した。その結果を図5に示す。5サンプルの平均値を算出はその値を定着率とした。
Figure 2024052297000002
〔比較例1〕
第1シート110の第2面F2側からのエアーの吸引を行わなかった以外は実施例1と同様にして機能性複合シート1を得た。この機能性複合シート1における香料の定着率を実施例1と同様に測定した。その結果を図5に示す。
図5に示す結果から明らかなとおり、各実施例によれば、極めて高い割合で香料をシートに定着させられることが分かる。比較例1では、機能性液体31が飛散し、大幅なロスが見られた。
1 機能性複合シート
21 接着剤
31 機能性液体
33 エアー
40 吸引部
50 シート貼り合わせ部
110 第1シート
F1 第1面
F2 第2面
111 接着剤塗布領域
112 接着剤非塗布領域
120 第2シート

Claims (8)

  1. 長尺状の第1シートを搬送させながら、第1シートの一方の面に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
    前記接着剤塗布工程において前記接着剤を塗布した前記一方の面に向かって、機能性液体を噴霧し、第1シートに該機能性液体を保持させる液体噴霧工程と、
    前記機能性液体を保持させた第1シートと、第2シートとを、第1シートに塗布された前記接着剤により接合させる接着工程と、を有する機能性複合シートの製造方法であって、
    前記接着剤塗布工程では、前記接着剤が塗布された塗布領域と前記接着剤が塗布されていない非塗布領域が生じるように、前記接着剤を塗布し、
    前記液体噴霧工程では、エアーを第1シートの他方の面側から吸引しながら、前記一方の面側に向かって前記機能性液体を噴霧する、機能性複合シートの製造方法。
  2. 前記接着工程において第1シートと第2シートとを接着してなる積層体シートを得、該積層シートの一部を切除して回収するトリム切除工程を有し、
    前記トリム切除工程では、前記積層体シートにおける切除領域に、第1シートにおける前記接着剤の塗布領域の少なくとも一部が含まれるようにする、請求項1又は2に記載の機能性複合シートの製造方法。
  3. 前記接着剤塗布工程では、前記接着剤の塗布領域を、前記トリム切除工程における前記切除領域とそれ以外の領域とに跨がるように形成する、請求項3に記載の機能性複合シートの製造方法。
  4. 前記液体噴霧工程では、前記機能性液体の噴霧装置として、2流体エアスプレー装置を用いる、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の機能性複合シートの製造方法。
  5. 前記液体噴霧工程では、前記エアーを第1シートの前記他方の面側から吸引する吸引装置として、バキュームコンベアを用いる、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の機能性複合シートの製造方法。
  6. 第2シートとして、外面にパルプ繊維を含むシートを用い、
    前記接着工程においては、第1シートにおける前記一方の面に、第2シートの前記外面が直接接触するように接着させる、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の機能性複合シートの製造方法。
  7. 前記機能性液体の噴霧前の状態において、第1シートの繊維接触角は、前記一方の面側の方が、前記他方の面側と比較して小さい、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の機能性複合シートの製造方法。
  8. 機能性複合シートと発熱体を含む発熱具の製造方法であって、
    前記機能性複合シートを、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の機能性複合シートの製造方法によって得る工程を含む、発熱具の製造方法。
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