JP2024052168A - ねじ止め装置、ねじ止め方法及び電子制御装置の製造方法 - Google Patents

ねじ止め装置、ねじ止め方法及び電子制御装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】作業者の技能差に影響されることなく、精度良く安定して仮締め角度を演算できるねじ止め装置を提供する。【解決手段】ねじ51を回転させ、ねじ穴53aに締め付けるモータ12と、モータ12のトルクが第1閾値に達した時から前記第1閾値より大きい第2閾値に達する時までの間にねじ51が回転した角度を仮締め角度として演算する制御装置30とを備え、モータ12は、ねじ止め作業が開始されモータ12のトルクが前記第1閾値に達するまでの間、第1回転速度で回転され、モータ12のトルクが前記第1閾値に達した以後から前記第2閾値に達するまでの間、第2回転速度で回転され、前記第1回転速度は、前記第2回転速度よりも小さい値に設定されている。【選択図】図7

Description

本発明は、ねじ止め装置、ねじ止め方法及び電子制御装置の製造方法に関する。
電子制御装置、例えば、車載ECU(Electronic Control Unit)の組み立て工程では、回路基板を筐体に複数のねじによって、ねじ止めすることが一般的である。このねじ止めでは、複数のねじの各々の締結力がねじによってバラツキ易く、それが原因でねじと筐体の締結不良、例えば、或るねじだけが締まり他のねじがほとんど締まっていない片締めが起こることがある。そのため、各ねじが筐体に対して所定の締結力で締付けられているか否かを正確に測定しつつねじ止めすることが必要である。
例えば、特許文献1に開示されたねじ締結トルクの測定方法では、増し締め開始点から所望の回転角度に達する間で、増し締めトルクが安定して上昇するトルク勾配を検出する。そして、このトルク勾配特性を基にして増し締め開始時における締付トルクを算出ている。そのため、この測定方法を用いてねじ止めをすることにより、各ねじを筐体に所定の締結力で正確に締付けることができる。
特開2000-778号公報
ねじ止め作業は、ねじ止め装置の先端に取り付けたねじをねじ穴まで移動させる「初期回転」、ねじ頭が回路基板に所定距離まで接近する(例えば、ねじに取り付けられた座金が回路基板に接する)までねじを締める「仮締め」、仮締め後に目標の締結力に達するまで低速でねじを締める「本締め」の順番で行われる。このうち仮締め時に発生し得る不具合として「ねじ浮き」がある。ねじ浮きは、例えば車載ECUの回路基板からねじの頭が浮いた状態で筐体にねじが締結される不具合である。ねじ浮きが発生したかどうかは仮締め中のねじの回転角度(仮締め角度)を管理することで検出できる。
モータを内蔵する電動ドライバ等のねじ止め装置を用いて作業者が車載ECUのねじの締め付けを行う場合の仮締め角度の演算方法としては、仮締めの開始と終了をモータトルクから検出し、仮締めの開始から終了までの間にモータが回転した角度を仮締め角度として演算するものがある。しかし、この方法では、不慣れな作業者が仮締めを開始する前にねじの先端を回路基板や筐体などに接触させてしまうと、その時に発生するモータトルクを仮締めの開始と誤検出してしまい、仮締め角度が実際の角度より大きく演算される虞がある。つまり、作業者の技能差によって仮締め角度を正確に演算できない場合がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、作業者の技能差に影響されることなく、精度良く安定して仮締め角度を演算できるねじ止め装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、ねじを回転させねじ穴に締め付けるモータと、前記モータのトルクが第1閾値に達した時から前記第1閾値より大きい第2閾値に達する時までの間に前記ねじが回転した角度を仮締め角度として演算する制御装置とを備え、前記モータは、ねじ止め作業が開始され前記モータのトルクが前記第1閾値に達するまでの間、第1回転速度で回転され、前記モータのトルクが前記第1閾値に達した以後から前記第2閾値に達するまでの間、第2回転速度で回転され、前記第1回転速度は、前記第2回転速度よりも小さい値に設定されている。
本発明によれば、作業者の技能差に影響されることなく、精度良く安定して仮締め角度を演算できる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施形態に係るねじ止め装置の概略構成図である。 本発明の実施形態に係るねじ止め装置によって組み立てられる電子制御装置の展開斜視図である。 本発明の実施形態に係るねじ止め装置によるねじ止め作業の初期回転工程開始時のねじの状態を示す概略図である。 本発明の実施形態に係るねじ止め装置によるねじ止め作業の初期回転工程から仮締め工程に移行する時のねじの状態を示す概略図である。 本発明の実施形態に係るねじ止め装置によるねじ止め作業の仮締め工程から本締め工程に移行する時のねじの状態を示す概略図である。 本発明の実施形態に係るねじ止め装置によるねじ止め作業の本締め工程の終了時におけるねじの状態を示す概略図である。 本発明の実施形態に係るねじ止め装置の制御装置によって実行されるねじ止め処理のフローチャートの一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るねじ止め装置によるねじ止め作業において、初期回転工程時にねじがねじ穴に正常に入った場合のモータの回転角度とトルクとの関係を示すグラフである。 ねじ止め作業によって発生する虞のある不具合とその不具合の発生を検出するための数値を示す表である。 ねじ止め作業において、初期回転工程時にねじがねじ穴に正常に入らなかった場合の模式図である。 初期回転工程と仮締め工程のモータ回転速度が同じであるねじ止め装置(比較例に係るねじ止め装置)によるねじ止め作業において、初期回転工程時にねじがねじ穴に正常に入らなかった場合のモータの回転角度とトルクとの関係を示すグラフである。 本発明の実施形態に係るねじ止め装置によるねじ止め作業において、初期回転工程時にねじがねじ穴に正常に入らなかった場合のモータの回転角度とトルクとの関係を示すグラフである。 初期回転工程のモータ回転速度(初期回転速度R)を0rpmから徐々に上げていき、各初期回転速度Rでの「空回転時のトルク」と「正常時のトルク」のトルク差分を調査した結果をグラフ化した図である。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係るねじ止め装置の構成及び動作について説明する。
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係るねじ止め装置100の概略構成図である。図1に示すように、ねじ止め装置100は、ねじ止め本体10と制御装置30と表示器(ディスプレイ)40とを備える。ねじ止め本体10は、モータ12とドライバビット(先端工具)20とスイッチ14とトルクセンサ16と角度センサ18とトルクリミッタ19とを備える。
モータ12はドライバビット20を回転させる装置で、電源(外部電源または内部電源)にスイッチ14を介して電気的に接続されている。モータ12には、モータ12の駆動制御および停止制御を行うモータ制御回路22が設けられている。モータ12にはブラシレスモータを用いることが好ましい。
ドライバビット20は、先端に取り付けられたねじを回すための工具で、その先端には、ねじのねじ頭の溝と係合可能な突起が設けられている。また、ドライバビット20の先端はねじを着脱可能に取り付けるために着磁されている。
スイッチ14は、ねじ止め装置100の起動(ON)と停止(OFF)を行うための装置で、作業者の操作によりON位置とOFF位置のいずれかに切り替えられ得る。スイッチ14は、モータ12と制御装置30と電源とに電気的に接続されている。
トルクセンサ16は、モータ12のトルクを検出するセンサである。角度センサ18は、モータ12の回転角度を検出するセンサである。
トルクリミッタ19は、モータ12にかかる過負荷に対する安全装置で、何らかの原因によって設計値以上の過大なトルクが作用したとき、このトルクの伝達を遮断する。
制御装置30はモータ12及び表示器40を制御する装置で、処理装置として例えばCPU(Central Processing Unit)32を備える。制御装置30には、スイッチ14とモータ制御回路22とトルクセンサ16と角度センサ18とが電気的に接続されている。制御装置30は、スイッチ14とトルクセンサ16と角度センサ18から入力された信号を処理し、モータ制御回路22にモータ制御信号S32を出力する。
スイッチ14のON/OFF状態は、駆動スイッチ操作検出信号S14としてCPU32に入力される。
また、トルクセンサ16で検出されたモータ12のトルクは、トルク検出信号S16として制御装置30に入力される。
角度センサ18で検出されたモータ12の回転角度は、回転角度検出信号S18として制御装置30に入力される。
表示器40は、演算された回転角度等を表示するディスプレイであり、CPU32で生成されたねじ止め状態表示信号S40に基づき、CPU32によって演算される仮締め角度(後述)を含むねじ止め作業に関する情報及びねじ止め装置100の状態に関する情報等を表示する。
図2は、ねじ止め装置100によって組み立てられる電子制御装置5の展開斜視図である。電子制御装置5は、例えば、図2に示す車載ECU(Electronic Control Unit)で、複数のねじ51と、複数の貫通孔52aを有する回路基板52と、複数の貫通孔52aの各々と重畳する位置にねじ穴を有する筐体53とを備える。
ねじ止め装置100によって複数のねじ51を筐体53のねじ穴53aに締め付けて回路基板52を筐体53にねじ止めする作業には、初期回転工程と、仮締め工程と、本締め工程の3つの工程が含まれる。次に各工程について、図3から図6を用いながら説明する。
図3は、本実施形態に係るねじ止め装置100によるねじ止め作業の初期回転工程開始時のねじ51の状態を示す概略図である。図4は、本実施形態に係るねじ止め装置100によるねじ止め作業の初期回転工程から仮締め工程に移行する時のねじ51の状態を示す概略図である。図5は、本実施形態に係るねじ止め装置100によるねじ止め作業の仮締め工程から本締め工程に移行する時のねじ51の状態を示す概略図である。図6は、本実施形態に係るねじ止め装置100によるねじ止め作業の本締め工程の終了時における、ねじ51の状態を示す概略図である。
各図に示されるように、ねじ51は、ねじ頭51aと、ねじ頭51aの下方に取り付けられた平座金51cと、ねじ頭51aと平座金51cとの間に位置するばね座金51bとを備えている。なお、ここではばね座金51b及び平座金51cが取り付けられているねじ51を説明に用いるが、ばね座金51b及び平座金51cがねじ軸に沿って移動可能なねじを使っても良いし、ばね座金51b及び平座金51cのいずれか一方のみを利用する場合や、ばね座金51b及び平座金51cの双方を利用しない場合でも本発明は適用可能である。
(初期回転工程)
初期回転工程は、図3示すようにドライバビット20の先端に取り付けられ回転するねじ51の先端を、筐体53のねじ穴53aまで移動させる工程である。
初期回転工程の終了(仮締め工程の開始とも換言できる)は、図4に示すように、ねじ51の先端がねじ穴53aと接触してモータ12のトルクが第1閾値(以下、角度監視開始トルクと称することがある)に達した時点と定義する。角度監視開始トルクは、ねじ51がねじ穴53aに正常に入り、ねじ51とねじ穴53aが接触した後に速やかにモータ12に発生するトルク値を基準に設定できる。
初期回転工程におけるモータ12の回転数は制御装置30によって一定に制御される。ここでは当該回転数を第1回転数と称することがある。
(仮締め工程)
仮締め工程は、初期回転工程に続いて行われ、ねじ頭51aが回路基板52に所定距離まで接近する(以下、この状態を「着座する」と称する)までねじ51を締める工程である。ここでは、図5に示すようにねじ51に取り付けられた平座金51cが回路基板52に接する(着座する)までねじ51を締める工程を仮締め工程とする。
制御装置30が仮締め工程の終了(本締め工程の開始とも換言できる)を検出する方法としては、まず、平座金51cが回路基板52に着座する直前のトルク値に基づいてトルクの閾値(以下、第2閾値や仮締めトルクと称する)を設定し、トルクセンサ16で検出されるモータ12の実際のトルク値が仮締めトルク(第2閾値)に達した時点を仮締め工程の終了時であると検出する方法を利用する。ただし、仮締めトルク(第2閾値)は、角度監視開始トルク(第1閾値)より大きい値である。
仮締め工程におけるモータ12の回転数は制御装置30によって一定に制御される。ここでは当該回転数を第2回転数と称することがある。第2回転数は、第1回転数より大きい値に設定されている。換言すると、第1回転数は、第2回転数より小さい値に設定されている。
仮締め角度は、仮締め工程中にねじ51がモータ12によって回転された角度である。仮締め角度は、モータ12の角度センサ18の検出値から制御装置30が演算することが可能である。すなわち、トルクセンサ16の検出トルクが角度監視開始トルク(第1閾値)に達した時から仮締めトルク(第2閾値)に達した時までの間にねじ51が回転した角度を角度センサ18により検出し、当該回転角度を仮締め角度として演算することができる。また、仮締め角度は、仮締め工程中にねじ穴53aにねじ込まれるねじ51の長さとねじ51のピッチからも演算できる。この仮締め角度を仮定仮締め角度と称することがある。
(本締め工程)
本締め工程は、仮締め工程に続いて行われ、図5に示すように、ねじ51のねじ頭51aがばね座金51bに接し(着座)した後、ねじ51の締結力が目標値(目標締結力)に達するまで仮締め工程よりも低速でねじ51を締める工程である。
制御装置30が本締め工程の終了を検出する方法としては、まず、ねじ51の締結力が目標値に達したときのトルク値に基づいてトルクの閾値(以下、第3閾値や本締めトルクと称する)を設定し、トルクセンサ16で検出されるモータ12の実際のトルク値が本締めトルク(第3閾値)に達した時点を本締め工程の終了時であると検出する方法を利用する。ただし、本締めトルク(第3閾値)は、仮締めトルク(第2閾値)より大きい値である。
本締め工程におけるモータ12の回転数は制御装置30によって一定に制御される。ここでは当該回転数を第3回転数と称することがある。第3回転数は、ねじ51を高トルクで締め付けられるように第2回転数よりも小さい値に設定することが好ましい。
図7は、制御装置30によって実行されるねじ止め処理のフローチャートの一例を示す図である。制御装置30は、記憶装置に記憶されたプログラムと、トルクセンサ16を介して取得されたモータ12のトルクと、角度センサ18を介して取得されたモータ12の回転角度とに基づいて図7に示した処理を実行する。
まず、スイッチ14がON(ON位置)に切り替えられたことを駆動スイッチ操作検出信号S14(図1参照)によって検出すると、CPU32はモータ制御信号S32をモータ制御回路22に出力してモータ12を起動し、図7のフローが開始される。CPU32はステップ1にてモータ制御信号S32を出力してモータ12の回転数を第1回転数に制御する。
第1回転数は、初期回転工程におけるモータ12の目標回転数であり、仮締め工程におけるモータ12の目標回転数(第2回転数)より小さい値に設定されている。なお、モータの回転数制御には公知の方法を用いることができ、例えば、モータ12の回転数を検出する回転数センサをねじ止め本体10に設け、その回転数センサから出力される回転数(実回転数)と目標回転数の偏差がゼロに近づくようにモータ回転数を制御するフィードバック制御を利用することができる。以下の処理のモータ回転数制御も同様とする。
なお、以下では、CPU32を備える制御装置30を、各処理を行う主語とすることがあるが、実際の処理を行っているのはCPU32である。
次に、制御装置30は、ステップ2にて、トルクセンサ16により検出されるトルク(検出トルク)をトルク検出信号S16に基づいて取得し、角度監視開始トルク(第1閾値)と大小比較する。検出トルクが角度監視開始トルクより大きければステップ3に進み、初期回転工程を終了して仮締め工程を開始する。一方、検出トルクが角度監視開始トルク以下であれば、再度ステップ2を実行して初期回転工程を継続する。
ステップ3からは仮締め工程が行われる。ステップ3にて、制御装置30は、その時に角度センサ18から入力される回転角度信号S18に基づいて、その時のモータ12の回転角度(仮締め開始角度θ1と称する)を演算及び記憶し、仮締め角度の計測を開始する。
ステップ4にて、制御装置30は、モータ制御信号S32を出力してモータ12の回転数を第2回転数に制御する。
ステップ5にて、制御装置30は、トルクセンサ16により検出される検出トルクをトルク検出信号S16に基づいて取得し、仮締めトルク(第2閾値)と大小比較する。検出トルクが仮締めトルクより大きければステップ6に進む。一方、検出トルクが仮締めトルク以下であれば、再度ステップ5を実行して仮締め工程を継続する。
ステップ6にて、制御装置30は、その時に角度センサ18から入力される回転角度信号S18に基づいて、その時のモータ12の回転角度(仮締め終了角度θ2と称する)を演算及び記憶し、仮締め角度の計測を終了する。続いて制御装置30は、ステップ3で演算した仮締め開始角度θ1と、先ほどの仮締め終了角度θ2とに基づいて仮締め角度Δθを演算する。仮締め角度Δθは、例えば、仮締め終了角度θ2から仮締め開始角度θ1を減ずることで演算できるが、演算方法はこれに限られない。次に制御装置30は、演算した仮締め角度Δθを表示器40に表示させるための信号(ねじ締め状態表示信号S40)を生成し、これを表示器40に出力する。ねじ締め状態表示信号S40を入力した表示器40は、制御装置30が演算した仮締め角度Δθの数値を表示する。
ステップ7からは本締め工程が行われる。ステップ7にて、制御装置30は、モータ制御信号を出力してモータ12の回転数を第3回転数に制御する。
ステップ8にて、制御装置30は、トルクセンサ16により検出される検出トルクをトルク検出信号S16に基づいて取得し、本締めトルク(第3閾値)と大小比較する。検出トルクが本締めトルクより大きければステップ9に進む。検出トルクが本締めトルク以下であれば、再度ステップ8を実行して本締め工程を継続する。
ステップ9では本締め工程が終了される。ステップ9にて、制御装置30は、モータ制御信号S32を出力してモータ12を停止させ、ねじ止め処理を終了させる。
図8は、本実施形態に係るねじ止め装置によるねじ止め作業において、初期回転工程時にねじ51がねじ穴53aに正常に差し込まれた場合のモータ12の回転角度とトルクとの関係を示すグラフである。
初期回転工程のトルクは、初期回転工程開始時にねじ51がねじ穴53aの上方で空転しているため0[Nm]となる。しかし、ねじ51が降下し、ねじ51がねじ穴53aに正常に入りねじ穴53aに押し付けられることによって、モータ12のトルクは回転角度の増加とともに上昇し、角度監視開始トルクまで増加する。
そして、モータ12のトルクが角度監視開始トルクに達すると(ステップ2)、仮締め工程が開始される。CPU32は、トルクセンサ16からトルク検出信号S16によって、角度監視開始トルクに達したことを検出すると、仮締め工程が開始したと判断し、回転角度の測定を開始する(ステップ3)。
その後、CPU32は、トルクセンサ16からトルク検出信号S16によって、仮締めトルクに達したことを検出すると(ステップ5)、仮締め工程が終了したと判断し、回転角度の測定を停止する。そして、CPU32は仮締め角度Δθを演算する(ステップ6)。
ところで、図8に示すように、平座金51cが回路基板52に着座したときに、トルクの急増(「着座トルク」と称する)が見られる。そのため、着座トルク発生前のトルクを仮締めトルクとすることが好ましい。
また、モータ12のトルクが仮締めトルクに達すると、本締め工程が開始される(ステップ7)。本締め工程におけるねじ51の回転数(第3回転数)は、仮締め工程の回転数(第2回転数)より低減されるため、着座トルクが消失した後のトルクの上昇率は仮締め工程におけるトルクの上昇率より増加する。
本締め工程では、ねじ51をねじ穴53aに目標の締結力で締め付けるため、モータ12のトルクが本締めトルクに達するまで、ねじ51が回転される。
CPU32は、トルクセンサ16からトルク検出信号S16によって、モータ12が本締めトルクに達したことを検出すると(ステップ8)、モータ12を停止させる(ステップ9)。これによって、本締め工程は終了する。
図9は、ねじ止め作業によって発生する虞のある不具合とその不具合の発生を検出するために演算される角度を示す表である。ねじ止め装置100では、ねじ止め作業によりねじ頭つぶれとねじ浮きが発生していないかを検出するため、本締め角度と仮締め角度とを演算する。
ねじ頭つぶれは、ねじ頭51aに設けられた溝がドライバビット20の先端により削られ、ねじ51がドライバビット20とともに回転しなくなり、ドライバビット20が空転してしまうことである。そのため、ねじ頭つぶれの発生は、本締め工程において、ドライバビット20が空転によるモータ12の回転角度(本締め角度)の増加によって検出される。
一方、ねじ浮きは、前記のとおり、回路基板52からねじ頭51aが浮いた状態で筐体53のねじ穴53aにねじ51が締結されている不具合である。
ねじ浮きの発生は、モータ12のトルクが、ねじ51がねじ穴53aに正常に入った時のトルク(角度監視開始トルク)から、平座金51cが回路基板52に着座するまでのトルク(仮締めトルク)に至るまでの回転角度(仮締め角度)を演算することによって検出できる。なぜなら、仮締め角度はねじ51のピッチと長さにより仮定することができ、仮定された仮締め角度(仮定仮締め角度)よりねじ止め装置100により検出された仮締め角度Δθが小さい場合、平座金51cが回路基板52に着座しておらず、ねじ浮きが発生したと推測できるためである。
なお、ねじ51の長さが本来使用するものより短い場合にも、ねじ止め装置100により検出された仮締め角度は仮定された仮締め角度より小さくなる。したがって、ねじ止め装置100により検出された仮締め角度は、ねじ浮きだけでなく、ねじ51の異品検出にも用いることができる。
図10は、ねじ止め作業において、初期回転工程時にねじ51がねじ穴53aに正常に入らなかった場合の模式図である。図11は、初期回転工程と仮締め工程のモータ回転速度が同じであるねじ止め装置(以下、比較例に係るねじ止め装置)によるねじ止め作業において、初期回転工程時にねじ51がねじ穴53aに正常に入らなかった場合のモータ12の回転角度とトルクとの関係を示すグラフである。なお、比較例における仮締め工程のモータ回転速度は、仮締めに必要なトルクを発生可能な回転速度に設定されている。
ねじ止め作業を人によって行う場合、作業初期回転工程のねじ51をねじ穴53aに入れる作業におけるねじ51の差し込み位置は、作業者の熟練度によってばらついてしまう。そのため、図10に示すようにねじ51の先端が回路基板52にあたったり、ねじ51の先端が筐体53にあたったりする(この現象を「空回転」と称する)。
このように、ねじ51の先端が回路基板52や筐体53にあたった場合、ねじ51がねじ穴53aに正常に入っていないにも関わらず、ねじ51の先端にかかる摩擦力によってモータ12にはトルクがかかる。
比較例に係るねじ止め装置では、初期回転工程と仮締め工程とでねじ51が同じ回転速度で回転しているため、ねじ51がねじ穴53aに正常に入っていない状態で発生するトルクが、ねじ51がねじ穴53aに正常に入った際に発生するトルク(例えば角度監視開始トルク)と図11に示すように同程度となる。そのため、ねじ51がねじ穴53aに正常に入っていないにも関わらずモータ12のトルクが角度監視開始トルクに達してしまい、仮締め工程が開始したと誤検出され、図11に示す空回転分の角度が検出仮締め角度に含まれ、検出仮締め角度が大きくなってしまう。この場合、目標の締結力でねじ51が正常に締め付けられているにもかかわらず、検出仮締め角度が大きいため、ねじ止め作業に不具合が発生したと誤検出されてしまう。
図12は、本実施形態に係るねじ止め装置100によるねじ止め作業において、初期回転工程時にねじ51がねじ穴53aに正常に入らなかった場合のモータ12の回転角度とトルクとの関係を示すグラフである。
ねじ止め装置100は、初期回転工程のモータ回転速度(第1回転速度)を仮締め工程のモータ回転速度(第2回転速度)より小さくしているので、ねじ51がねじ穴53aに正常に入らず回路基板52または筐体53に接触した際に発生するトルク(空回転時トルク)を、角度監視開始トルクより小さくすることができる。そのため、空回転分の角度が検出仮締め角度Δθに含まれないようにすることができる。
[効果]
本実施形態のねじ止め装置100は、ねじ51を回転させ、ねじ穴53aに締め付けるモータ12と、モータ12のトルクが第1閾値(角度監視開始トルク)に達した時から前記第1閾値より大きい第2閾値(仮締めトルク)に達する時までの間にねじ51が回転した角度を仮締め角度として演算する制御装置30とを備え、モータ12は、ねじ止め作業が開始されモータ12のトルクが前記第1閾値(角度監視開始トルク)に達するまでの間、第1回転速度で回転され、モータ12のトルクが前記第1閾値(角度監視開始トルク)に達した以後から前記第2閾値(仮締めトルク)に達するまでの間、第2回転速度で回転され、前記第1回転速度は、前記第2回転速度よりも小さい値に設定されている。
上記のようにねじ止め作業開始時のモータ12の回転速度を第2回転速度よりも小さい値の第1回転速度に設定すると、モータ12のトルクが第1閾値(角度監視開始トルク)に達するまでの間に作業者のミスでねじ51がねじ穴53aに正常に入らず、例えば回路基板52や筐体53に接触してしまった場合(空回転時)にも、その際のモータ12のトルクの上昇を第1閾値未満に抑えることができる。これにより、空回転中の回転角度が仮締め角度に含まれず、ねじ51が筐体53に設けられたねじ穴53aに正常に入ったときにはじめてモータ12のトルクが第1閾値(角度監視開始トルク)に達することになるので、制御装置30による仮締め角度の演算を正確に行うことができる。すなわち本実施形態によれば、作業者の技能差に影響されることなく、精度良く安定して仮締め角度を演算により測定できる。
<変形例>
ここで、より好ましい第1回転速度(初期回転工程におけるモータ12の回転速度)の値について説明する。
図13は、初期回転工程のモータ回転速度(図13中の初期回転速度R)を0rpmから徐々に上げていき、各初期回転速度での「空回転時のトルク」と「正常時のトルク」のトルク差分を調査した結果をグラフ化したものである。「空回転時」とは、ねじ51がねじ穴53aに正常に入らず回路基板52または筐体53に接触した際に発生するトルクであり、“第2トルク”と称することがある。「正常時のトルク」とは、ねじ51がねじ穴53aに正常に入った際に発生するトルクであり、“第1トルク”と称することがある。正常時のトルク(第1トルク)は空回転時のトルク(第2トルク)以上の値となる。「トルク差分」は第1トルクから第2トルクを減じた値とする。本調査では、初期回転速度Rを10rpmずつ上げていき、各回転速度時の発生最大トルクをねじ締結工具で測定し空回転時と正常時のトルク差分を決定した。
図13に示すように、空回転時と正常時のトルク差分には、初期回転速度Rの増加とともに概ね増加し、初期回転速度R1で最大値(0.006N・m)をとり、その後、減少していく傾向がある。
ただし、初期回転速度Nが遅すぎても仮締め開始時にトルクがかかりにくくなってしまうため、空回転時と正常時の切り分けが出来ず、制御装置30による仮締め角度の演算値のばらつきが大きくなってしまう。つまり、空回転時と正常時のトルクの差分が所定値以上確保される初期回転数速度Nを第1回転速度として設定することが好ましい。図13の例では、当該所定値は、0.004N・m、より好ましくは0.005N・m、さらに好ましくは0.006N・m(トルク差分の最大値)である。空回転時と正常時のトルクの差分ができるだけ大きくなるように第1回転速度を設定すれば、空回転時のトルクが角度監視開始トルク(第1閾値)に達し難くなるため、空回転分の角度を計測しなくなり仮締め角度Δθを正確に取得できるようになる。
また、発明者らは図13に係る調査を通じて、空回転時と正常時のトルク差分が最大となる初期回転速度R1は、第2回転速度の1/5であることを発見した。すなわち、第1回転速度は、第2回転速度の1/5に設定することが好ましい。
[効果]
第1回転速度は、第1回転速度で回転中のねじ51が筐体53に設けられたねじ穴53aに正常に入った際に発生する第1トルクと、第1回転速度で回転中のねじ51がねじ穴53aに正常に入らず回路基板52または筐体53に接触した際に発生する第2トルクとの差分が所定値以上になるように設定されていることが好ましい。
このように第1回転速度を規定すると、初期回転工程時にねじ51がねじ穴53aに正常にはいったときと、正常に入らなかったとき(空回転したとき)とで所定値分のトルク差が確保される。そのため、初期回転工程時に空回転が発生しても、そのときに発生するトルクが角度監視開始トルクを超え難くなり、その結果、空回転の発生を初期回転工程の終了(仮締め工程の開始)と制御装置30が誤認識する可能性を低減できる。すなわち、このように第1回転数を規定すると、制御装置30による仮締め角度の演算をより正確に行うことができる。
また、第1回転速度が前記第1トルクと前記第2トルクとの差分が最大になるように設定されていることが好ましい。このように第1回転速度が第1トルクと第2トルクとの差分が最大になるように設定されると、ねじ51が空回転した際のモータ12のトルクの上昇値(第2トルク)は、ねじ51がねじ穴53aに正常に入った際の上昇値(第1トルク)に対して最小となる。そのため、空回転してもその際のモータ12のトルクの上昇を第1トルク未満にさらに抑えることができる。これにより、空回転中の回転角度が仮締め角度に含まれず、ねじ51が筐体53に設けられたねじ穴53aに正常に入ったときにはじめてモータ12のトルクが第1トルクに達することになるので、制御装置30による仮締め角度の演算を正確に行うことができる。すなわち、本実施形態によれば、作業者の技能差に影響されることなく、精度良く安定して仮締め角度を演算により測定できる。
さらに、本実施形態のねじ止め装置100では、第1回転速度が前記第2回転速度の1/5であることが好ましい。このように第1回転速度が前記第2回転速度の1/5であると、図13に示すように、第1トルクと第2トルクとの差分を最大にすることができ、ねじ51が空回転した際のモータ12のトルクの上昇値(第2トルク)が、ねじ51がねじ穴53aに正常に入った際の上昇値(第1トルク)に対して最小となる。そのため、空回転してもその際のモータ12のトルクの上昇を第1トルク未満にさらに抑えることができる。これにより、空回転中の回転角度が仮締め角度に含まれず、ねじ51が筐体53に設けられたねじ穴53aに正常に入ったときにはじめてモータ12のトルクが第1トルクに達することになるので、制御装置30による仮締め角度の演算を正確に行うことができる。すなわち本実施形態によれば、作業者の技能差に影響されることなく、精度良く安定して仮締め角度を演算により測定できる。
<その他>
なお、ねじ止め装置100では、第1閾値は、回転中のねじ51が筐体53に設けられたねじ穴53aに正常に入った際に発生するトルクであり、第2閾値はねじ51が着座したときに発生するトルクであることが好ましい。
また、本発明についてねじ止め装置100により説明したが、ねじ止め方法や電子制御装置の製造方法にも利用可能である。
本実施形態に係るねじ止め方法は、ねじ止め装置100のモータ12のトルクがねじ止め作業の開始から第1閾値(角度監視開始トルク)に達するまでの間、モータ12を第1回転速度で回転させる初期回転工程と、モータ12のトルクが第1閾値に達した以後から第1閾値より大きい第2閾値(仮締めトルク)に達するまでの間、モータ12を第2回転速度で回転させる工程(仮締め工程)と、モータ12のトルクが第1閾値に達した時から第2閾値に達する時までの間にねじ51が回転した角度をねじ51の仮締め角度として演算する工程とを備え、前記第1回転速度は、前記第2回転速度よりも小さい値に設定されている。
また、本実施形態に係るねじ止め方法では、第1回転速度が、前記第1回転速度で回転中のねじ51が筐体53に設けられたねじ穴53aに正常に入った際に発生する第1トルクが、前記第1回転速度で回転中のねじ51がねじ穴53aに正常に入らず回路基板52または筐体53に接触した際に発生する第2トルクより大きく、前記第1トルクと前記第2トルクとの差分が所定値以上、例えば、0.004[N・m]以上(図13参照)になるように設定されていることが好ましい。
また、本実施形態に係るねじ止め方法では、前記第1回転角度が前記第1トルクと前記第2トルクとの差分が最大、例えば、0.006[N・m](図13参照)になるように設定されていることが好ましい。また、本実施形態に係るねじ止め方法は、前記第1回転角度が前記第2回転速度の1/5(図13参照)であることが好ましい。
また、本実施形態に係る電子制御装置5(図2参照)の製造方法は、ねじ止め装置100のモータ12のトルクが電子制御装置5のねじ止め作業の開始から第1閾値(角度監視開始トルク)に達するまでの間、モータ12を第1回転速度で回転させる初期回転工程と、モータ12のトルクが第1閾値に達した以後から第1閾値より大きい第2閾値(仮締めトルク)に達するまでの間、モータ12を第2回転速度で回転させる工程(仮締め工程)と、モータ12のトルクが第1閾値に達した時から第2閾値に達する時までの間にねじ51が回転した角度をねじ51の仮締め角度として演算する工程とを備え、前記第1回転速度は、前記第2回転速度よりも小さい値に設定されている。
[効果]
本実施形態のねじ止め装置100では、前記第1閾値は回転中のねじ51が筐体53に設けられたねじ穴53aに正常に入った際に発生するトルクであり、前記第2閾値はねじ51が着座したときに発生するトルクであることが好ましい。このように前記第1閾値が、回転中のねじ51が筐体53に設けられたねじ穴53aに正常に入った際に発生するトルクで、前記第2閾値が、ねじ51が着座したときに発生するトルクであると、精度良く安定して仮締め角度を演算により測定できる。
また、本実施形態に係るねじ止め方法は、ねじ止め装置100のモータ12のトルクがねじ止め作業の開始から第1閾値に達するまでの間、モータ12を第1回転速度で回転させる工程と、モータ12のトルクが前記第1閾値に達した以後から前記第1閾値より大きい第2閾値に達するまでの間、モータ12を第2回転速度で回転させる工程と、モータ12のトルクが前記第1閾値に達した時から前記第2閾値に達する時までの間にねじ51が回転した角度をねじ51の仮締め角度として演算する工程とを備え、前記第1回転速度は、前記第2回転速度よりも小さい値に設定されている。
上記のようにねじ止め作業開始から第1閾値に達するまでの間、モータ12の回転速度を第2回転速度よりも小さい値の第1回転速度に設定すると、モータ12のトルクが第1閾値に達するまでの間に作業者のミスでねじ51がねじ穴53aに正常に入らず、空回転してしまった場合にも、その際のモータ12のトルクの上昇を第1閾値未満に抑えることができる。これにより、空回転中の回転角度が仮締め角度に含まれず、ねじ51が筐体53に設けられたねじ穴53aに正常に入ったときにはじめてモータ12のトルクが第1閾値に達することになるので、仮締め角度の演算を正確に行うことができる。すなわち本実施形態のねじ止め方法によれば、作業者の技能差に影響されることなく、精度良く安定して仮締め角度を演算により測定できる。
本実施形態に係るねじ止め方法では、前記第1回転速度で回転中のねじ51が筐体53に設けられたねじ穴53aに正常に入った際に発生する第1トルクが、前記第1回転速度で回転中のねじ51がねじ穴53aに正常に入らず回路基板52または筐体53に接触した際に発生する第2トルクより大きく、前記第1回転速度は、前記第1トルクと前記第2トルクとの差分が所定値以上になるように設定されていることが好ましい。
上記のように第1回転速度が設定されたねじ止め方法では、ねじ51が空回転した際のモータ12のトルクの上昇値(第2トルク)が、ねじ51がねじ穴53aに正常に入った際の上昇値(第1トルク)よりも所定値以上小さくなる。そのため、ねじ51が空回転した場合にも、その際のモータ12のトルクの上昇を第1トルク未満に抑えることができる。これにより、空回転中の回転角度が仮締め角度に含まれず、ねじ51が筐体53に設けられたねじ穴53aに正常に入ったときにはじめてモータ12のトルクが第1トルクに達することになるので、仮締め角度の演算を正確に行うことができる。すなわち本実施形態によれば、作業者の技能差に影響されることなく、精度良く安定して仮締め角度を演算により測定できる。
また、本実施形態に係るねじ止め方法では、第1回転速度が前記第1トルクと前記第2トルクとの差分が最大になるように設定されていることが好ましい。このように第1回転速度が第1トルクと第2トルクとの差分が最大になるように設定されると、ねじ51が空回転した際のモータ12のトルクの上昇値(第2トルク)が、ねじ51がねじ穴53aに正常に入った際の上昇値(第1トルク)に対して最小となる。そのため、空回転してもその際のモータ12のトルクの上昇を第1トルク未満にさらに抑えることができる。これにより、空回転中の回転角度が仮締め角度に含まれず、ねじ51が筐体53に設けられたねじ穴53aに正常に入ったときにはじめてモータ12のトルクが第1トルクに達することになるので、仮締め角度の演算を正確に行うことができる。すなわち本実施形態によれば、作業者の技能差に影響されることなく、精度良く安定して仮締め角度を演算により測定できる。
また、本実施形態に係るねじ止め方法では、第1回転速度が前記第2回転速度の1/5であることが好ましい。このように第1回転速度が前記第2回転速度の1/5であると、図13に示すように、第1トルクと第2トルクとの差分を最大にすることができ、ねじ51が空回転した際のモータ12のトルクの上昇値(第2トルク)が、ねじ51がねじ穴53aに正常に入った際の上昇値(第1トルク)に対して最小となる。そのため、空回転してもその際のモータ12のトルクの上昇を第1トルク未満にさらに抑えることができる。これにより、空回転中の回転角度が仮締め角度に含まれず、ねじ51が筐体53に設けられたねじ穴53aに正常に入ったときにはじめてモータ12のトルクが第1トルクに達することになるので、仮締め角度の演算を正確に行うことができる。すなわち本実施形態によれば、作業者の技能差に影響されることなく、精度良く安定して仮締め角度を演算により測定できる。
さらに、本実施形態に係る電子制御装置5(図2参照)の製造方法は、ねじ止め装置100のモータ12のトルクが電子制御装置5のねじ止め作業の開始から第1閾値に達するまでの間、モータ12を第1回転速度で回転させる工程と、モータ12のトルクが前記第1閾値に達した以後から前記第1閾値より大きい第2閾値に達するまでの間、モータ12を第2回転速度で回転させる工程と、モータ12のトルクが前記第1閾値に達した時から前記第2閾値に達する時までの間にねじ51が回転した角度をねじ51の仮締め角度として演算する工程とを備え、前記第1回転速度は、前記第2回転速度よりも小さい値に設定されている。
上記のようにねじ止め作業開始から第1閾値に達するまでの間、モータ12の回転速度を第2回転速度よりも小さい値の第1回転速度に設定すると、モータ12のトルクが第1閾値に達するまでの間に作業者のミスでねじ51がねじ穴53aに正常に入らず、空回転してしまった場合にも、その際のモータ12のトルクの上昇を第1閾値未満に抑えることができる。これにより、空回転中の回転角度が仮締め角度に含まれず、ねじ51が筐体53に設けられたねじ穴53aに正常に入ったときにはじめてモータ12のトルクが第1閾値に達することになるので、仮締め角度の演算を正確に行うことができる。すなわち、本実施形態の電子制御装置の製造方法によれば、作業者の技能差に影響されることなく、精度良く安定して仮締め角度を演算により測定できるので、精度良く安定してねじ止めされた電子制御装置5を製造できる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
なお、本発明の実施形態は、以下の態様であってもよい。例えば、ねじ止め装置100では、ねじ51が目標の締結力に達すると、制御装置30がモータ制御信号S32を出力してモータ12を停止させ、ねじ止め処理を終了させる。しかし、これに限定されず、ねじ51が目標の締結力に達すると、作業者によってモータ12を停止させ、ねじ止め処理を終了させてもよい。
5…電子制御装置、10…ねじ止め本体、12…モータ、14…スイッチ、16…トルクセンサ、18…角度センサ、19…トルクリミッタ、20…ドライバビット、22…モータ制御回路、30…制御装置、40…表示器、51…ねじ、51a…ねじ頭、51b…ばね座金、51c…平座金、52…回路基板、52a…貫通孔、53…筐体、53a…ねじ穴、100…ねじ止め装置

Claims (10)

  1. ねじを回転させ、ねじ穴に締め付けるモータと、
    前記モータのトルクが第1閾値に達した時から前記第1閾値より大きい第2閾値に達する時までの間に前記ねじが回転した角度を仮締め角度として演算する制御装置とを備え、
    前記モータは、ねじ止め作業が開始され前記モータのトルクが前記第1閾値に達するまでの間、第1回転速度で回転され、前記モータのトルクが前記第1閾値に達した以後から前記第2閾値に達するまでの間、第2回転速度で回転され、
    前記第1回転速度は、前記第2回転速度よりも小さい値に設定されているねじ止め装置。
  2. 請求項1に記載のねじ止め装置であって、
    前記第1回転速度は、前記第1回転速度で回転中の前記ねじが筐体に設けられたねじ穴に正常に入った際に発生する第1トルクと、前記第1回転速度で回転中の前記ねじが前記ねじ穴に正常に入らず回路基板または前記筐体に接触した際に発生する第2トルクとの差分が所定値以上になるように設定されているねじ止め装置。
  3. 請求項2に記載のねじ止め装置であって、
    前記第1回転速度は、前記第1トルクと前記第2トルクとの差分が最大になるように設定されているねじ止め装置。
  4. 請求項2に記載のねじ止め装置であって、
    前記第1回転速度は、前記第2回転速度の1/5であるねじ止め装置。
  5. 請求項1に記載のねじ止め装置であって、
    前記第1閾値は、回転中の前記ねじが筐体に設けられたねじ穴に正常に入った際に発生するトルクであり、
    前記第2閾値は、前記ねじが着座したときに発生するトルクであるねじ止め装置。
  6. ねじ止め装置のモータのトルクがねじ止め作業の開始から第1閾値に達するまでの間、前記モータを第1回転速度で回転させる工程と、
    前記モータのトルクが前記第1閾値に達した以後から前記第1閾値より大きい第2閾値に達するまでの間、前記モータを第2回転速度で回転させる工程と、
    前記モータのトルクが前記第1閾値に達した時から前記第2閾値に達する時までの間に前記ねじが回転した角度を前記ねじの仮締め角度として演算する工程とを備え、
    前記第1回転速度は、前記第2回転速度よりも小さい値に設定されているねじ止め方法。
  7. 請求項6に記載のねじ止め方法であって、
    前記第1回転速度で回転中の前記ねじが筐体に設けられたねじ穴に正常に入った際に発生する第1トルクが、前記第1回転速度で回転中の前記ねじが前記ねじ穴に正常に入らず回路基板または前記筐体に接触した際に発生する第2トルクより大きく、
    前記第1回転速度は、前記第1トルクと前記第2トルクとの差分が所定値以上になるように設定されているねじ止め方法。
  8. 請求項7に記載のねじ止め方法であって、
    前記第1回転速度は、前記第1トルクと前記第2トルクとの差分が最大になるように設定されているねじ止め方法。
  9. 請求項7に記載のねじ止め方法であって、
    前記第1回転速度は、前記第2回転速度の1/5であるねじ止め方法。
  10. ねじ止め装置のモータのトルクが電子制御装置のねじ止め作業の開始から第1閾値に達するまでの間、前記モータを第1回転速度で回転させる工程と、
    前記モータのトルクが前記第1閾値に達した以後から前記第1閾値より大きい第2閾値に達するまでの間、前記モータを第2回転速度で回転させる工程と、
    前記モータのトルクが前記第1閾値に達した時から前記第2閾値に達する時までの間に前記ねじが回転した角度を前記ねじの仮締め角度として演算する工程とを備え、
    前記第1回転速度は、前記第2回転速度よりも小さい値に設定されている電子制御装置の製造方法。
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