JP2024051981A - 電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材 - Google Patents

電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材 Download PDF

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アンガナ ボラ
駿行 長谷川
和弘 多久島
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Abstract

【目的】本発明の課題は、発生臭気が少なく、耐電子レンジ加熱性に優れ、外部からの酸素ガスの透過を抑制し、内容物収容空間内の酸素を吸収することによって内容物の酸素による劣化や臭味変化を抑制し、保香性、耐内容物性、層間接着性、ヒートシール性、酸素吸収性、耐電子レンジ性、液体内容物の耐臭味変化性のバランスに優れた電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材と電子レンジ対応酸素吸収性包装容器とを提供することである。【解決手段】少なくとも、基材層と、金属酸化物蒸着層と、印刷インキ層と、特定の酸素吸収性接着剤からなる酸素吸収性接着剤層と、特定の酸化防止剤遮蔽樹脂層と、特定のシーラント層とを、この順で含む、電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材。【選択図】図1

Description

本発明は、発生臭気が少なく、外部からの酸素ガスの透過を抑制し、内容物収容空間内の酸素を吸収することによって内容物の酸素による劣化を抑制し、保香性、耐内容物性、層間接着性、ヒートシール性、酸素吸収性能と、耐電子レンジ性、発生臭気量、液体内容物の耐臭味変化性のバランスに優れ、充填包装に適した、電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材、および該電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材から作製された、電子レンジ対応酸素吸収性包装容器に関する。
従来から、食品、医療、化成品、化粧品等の内容物の酸素による品質低下を抑制する包装方法として、酸素バリア性の高い包装材料を用いたり、内容物収容部を窒素ガス等の不活性ガスによってガス置換したり、還元鉄粉などが包装された脱酸素剤を同梱したりされているが、性能が不十分であったり、包装コストが上昇したり、廃棄物としてのゴミが増えたり、水分がある環境下でしか性能が発揮しなかったり、誤飲したりする問題点が挙げられている。
従来の酸素吸収性積層体または酸素吸収性包装材料には酸素吸収剤が含有され、酸素吸収剤は、有機系化合物または鉄粉等の金属系酸素吸収剤を含むものであり、酸素吸収剤自身が酸化することで内容物収容空間内の酸素を吸収していた。
また、該酸素吸収剤を含有する酸素吸収層は、多くの場合に、酸素吸収効率を高める為に、内容物収容空間内により近い層、例えば、シーラント層に隣接する層に配置されることが多かった。
しかしながら、シーラント層は内容物と接する最内面層であることから、様々な機能性を付与するために、酸化防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤などの各種添加剤を含有していることが一般的であり、そして、該添加剤は隣接する酸素吸収層に移行し易いものであった。
その結果、酸素吸収剤が有機系化合物である場合には、酸素吸収層に移行した該添加剤、特に酸化防止剤が、酸素吸収剤の酸化反応を阻害してしまい、酸素吸収効率が低下してしまいがちであった。
また、酸素吸収剤が金属系酸素吸収剤の場合には上記の阻害は生じ難いが、酸素吸収剤による酸素吸収層の着色が激しくなることから、包装材料の着色が濃い為に内容物を視認できず、金属探知機等を用いた内容物検査が行えず、電子レンジでの加温が不可能であり、水分による錆発生の懸念が有った。
さらに、特許文献1では、酸素吸収性を有し、ボイル・レトルト処理可能な、医療用途の包装材料が提案されているが、シーラント層が入手困難な特殊高耐熱性化ポリエチレン系樹脂からなるものであり、汎用性に問題が有った。
また、特許文献2では、酸素吸収性を有し、発生臭気の少ない樹脂を用いた包装材料も開発されているが、この樹脂は、極性溶媒に不溶かつ、活性水素基を有さないポリシクロドデセンであり、積層体からなる包装材料への接着剤原料等としては適用が困難である。
特許文献3では、酸素吸収性を有する原料としてメチルテトラヒドロフタル酸を用いた樹脂からなるラミネート用接着剤が提案されているが、酸素吸収性が低く不安定という欠点を持つ。
特許文献4では、炭素-炭素二重結合を含む置換基を有する飽和五員環と、該飽和五員
環間を連結する-CH=CH-基からなる繰り返し単位を有する熱可塑性樹脂の酸素吸収性樹脂が記載されているが、溶剤への溶解性が劣るために使いづらい、発生臭気が強い等の欠点を持つ。
特許第6403999号公報 特許第5873770号公報 特許第5671816号公報 特許第6505699号公報
本発明の課題は、発生臭気が少なく、耐電子レンジ加熱性に優れ、外部からの酸素ガスの透過を抑制し、内容物収容空間内の酸素を吸収することによって内容物の酸素による劣化や臭味変化を抑制し、保香性、耐内容物性、層間接着性、ヒートシール性、酸素吸収性、耐電子レンジ性、液体内容物の耐臭味変化性のバランスに優れた電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材と電子レンジ対応酸素吸収性包装容器とを提供することである。
そこで、本発明者らは、上記課題を解決すべく、少なくとも、基材層と、金属酸化物蒸着層と、印刷インキ層と、特定の酸素吸収性接着剤からなる酸素吸収性接着剤層と、特定の酸化防止剤遮蔽樹脂層と、特定のシーラント層とを、この順で含む、電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材が、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の点を特徴とする。
1.少なくとも、基材層と、金属酸化物蒸着層と、印刷インキ層と、酸素吸収性接着剤層と、酸化防止剤遮蔽樹脂層と、シーラント層とを、この順に有する、電子レンジ対応酸素吸収性包装材であって、
酸素吸収性接着剤層は、少なくとも、酸素吸収性化合物と、酸化促進触媒とを含有する酸素吸収性接着剤組成物からなる層であり、
酸化防止剤遮蔽樹脂層は、ポリアミド系樹脂を含有し、
シーラント層は、ポリオレフィン系樹脂と酸化防止剤とを含有し、
酸素吸収性化合物は、1個または2個以上の不飽和五員環を有し、
不飽和五員環を構成する5つの炭素原子間の何れかの結合は、炭素-炭素二重結合であり、
不飽和五員環には、1価および/または2価以上の電子供与性の有機基1が結合し、
不飽和五員環が1個の場合には、該五員環または該有機基1は、活性水素を有する官能基、または活性水素を有する官能基の活性水素が1価の有機基2に置換された基を有し、
不飽和五員環が2個以上の場合には、該不飽和五員環同士は、各々の該五員環または該有機基1上の活性水素基の活性水素を置換する2価以上の有機基2を介して結合している2.前記酸素吸収性接着剤組成物が、変性剤をさらに含有し、
変性剤は、イソシアネート系化合物および/または水酸基含有化合物を含有することを特徴とする、上記1に記載の電子レンジ対応酸素吸収性包装材。
3.前記ポリオレフィン系樹脂が、ポリプロピレン系樹脂であることを特徴とする、上記1または2に記載の電子レンジ対応酸素吸収性包装材。
4.ゾルゲルコート層を、金属酸化物蒸着層のシーラント層側の面に、さらに含み、
ゾルゲルコート層は、金属アルコキシド、水溶性高分子、ゾルゲル法触媒、水及び有機溶剤等
を含有する樹脂組成物から形成される層であることを特徴とする、上記1~3の何れかに記載の電子レンジ対応酸素吸収性包装材。
5.前記酸素吸収性化合物が、下記式(1)~(5)で示される化合物からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする、上記1~4の何れかに記載の電子レンジ対応酸素吸収性包装材。
Figure 2024051981000002
Figure 2024051981000003
Figure 2024051981000004
Figure 2024051981000005
Figure 2024051981000006
(式中、a~eの各々は1以上の数、fは0以上の数であり、R1、R2、R3、R4、R5の各々は炭素数1以上の有機基である。また、R1、R2、R3、R4、R5の各々は、少なくともアルキレンおよび/またはフェニレン構造を含むことができ、多価アルコール類、ポリオレフィンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリ(メタ)アクリル酸エステルポリオール、フェノキシ樹脂、およびこれらのウレタン鎖伸長ポリオールからなる群から選ばれる1種または2種以上に由来する構造を含むことができる。)
6.上記1~5の何れかに記載の電子レンジ対応酸素吸収性包装材からなることを特徴とする、電子レンジ対応酸素吸収性包装容器。
7.上記1~5の何れかに記載の電子レンジ対応酸素吸収性包装材からなることを特徴とする、電子レンジ対応酸素吸収性包装袋。
本発明によれば、発生臭気が少なく、耐電子レンジ加熱性に優れ、外部からの酸素ガスの透過を抑制し、内容物収容空間内の酸素を吸収することによって内容物の酸素による劣化や臭味変化を抑制し、保香性、耐内容物性、層間接着性、ヒートシール性、酸素吸収性、耐電子レンジ性、液体内容物の耐臭味変化性のバランスに優れた、電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材と電子レンジ対応酸素吸収性包装容器を得ることができる。
そして、本発明の電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材は、包装工程の短縮やコストの削減、包装容器の軽量化を達成することができる。
本発明の電子レンジ対応酸素吸収性包装容器は、従来同梱されていた脱酸素剤の同梱を必要としないことから、脱酸素剤の誤飲事故を無くし、脱酸素剤からなるゴミの低減を達成することができ、さらに、容器からの発生臭気が少ないことにより、内容物の臭味変化を小さくすることができる。
本発明の電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材の層構成の一例を示す断面図である。 本発明の電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材の層構成の別態様の一例を示す断面図である。 本発明の電子レンジ対応酸素吸収性包装容器の一態様である、電子レンジ対応酸素吸収性パウチを示す外観図である。 本発明の電子レンジ対応酸素吸収性包装容器の一態様である、電子レンジ対応蓋部品及び電子レンジ対応底部品からなる電子レンジ対応酸素吸収性包装容器の断面図である。 本発明の電子レンジ対応酸素吸収性包装容器の一態様である、電子レンジ対応酸素吸収性レトルトパウチを示す外観図である。
上記の本発明について以下に更に詳しく説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例であり、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に限定されない。
なお、本発明においては、フィルムとシートは同義であるとする。
また、本発明におけるボイル・レトルト処理条件は、1~3気圧において、90~135℃で加熱する処理条件を指す。
以降、電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材、電子レンジ対応酸素吸収性包装容器、電子レンジ対応酸素吸収性蓋部品、電子レンジ対応酸素吸収性底部品、電子レンジ対応酸素吸収性パウチを、省略して、包装材、酸素吸収性包装材、容器、酸素吸収性包装容器、酸素吸収性蓋部品、酸素吸収性底部品、酸素吸収性パウチとも表記する。
<<電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材>>
本発明の電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材は、少なくとも、基材層と、金属酸化物蒸着層と、印刷インキ層と、特定の酸素吸収性接着剤からなる酸素吸収性接着剤層と、特定の酸化防止剤遮蔽樹脂層と、特定のシーラント層とを、この順で含む層構成を有している。
金属酸化物蒸着層は、基材層のシーラント層側の面に蒸着されていてもよく、基材層とは別の樹脂フィルムからなる層に蒸着されていてもよい。
酸素吸収性接着剤層と酸化防止剤遮蔽樹脂層とは隣接することができる。
電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材を用いて作製した電子レンジ対応酸素吸収性包装容器においては、金属酸化物蒸着層は、酸素吸収性接着剤層よりも外側に位置されており、シーラント層がヒートシールされて密封状態の容器が形成される。
金属酸化物蒸着層が酸素吸収性接着剤層よりも外側に位置することによって、酸素吸収性包装容器の外部から内部へと、酸素が包装材を透過することを抑制できる。
また、金属酸化物蒸着層がアルミナ等の特定の金属酸化物からなる透明な蒸着膜である場合には、酸素吸収性包装容器内の内容物の視認、金属探知機等を用いた内容物検査、電子レンジでの加温が可能である。
酸素吸収性接着剤層は、酸素吸収性包装容器外部から内容物収容部空間に入ろうとする酸素と及び内容物収容部空間に存在する酸素を吸収して、内容物収容部空間の酸素濃度を低減することができる。
そして、酸素吸収性接着剤層がシーラント層に隣接せず、酸化防止剤遮蔽樹脂層が酸素吸収性接着剤層とシーラント層との間に存在していることによって、シーラント層に含有される各種添加剤が酸素吸収性接着剤層へと移行することが抑制され、酸素吸収性接着剤層の酸素吸収効率の低下が抑制される。
酸素吸収性接着剤層は、有機化合物である酸素吸収性化合物と酸化促進触媒とを含有する酸素吸収性接着剤組成物から形成された層であり、鉄粉等の金属系酸素吸収剤を含有する層ではないことから、金属系酸素吸収剤による濃い着色が無く、水分による錆発生の懸念が無い。
シーラント層は、ヒートシール性樹脂を含有するが、電子レンジによる加熱・殺菌処理に耐える為に、耐熱性および耐酸化劣化性の高いヒートシール性樹脂を含有することが好ましく、また、酸化防止剤等を含有することが好ましい。
具体的には、シーラント層は、ポリプロピレン系樹脂を含有し、軟化点が120℃以上、170℃以下であることが好ましい。
本発明の電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材は、透明であることが好ましく、全光線透過率が80以上、ヘイズ値が40以下であることがより好ましい。
電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材は、必要に応じて、種々の機能を有する各種の機能層を更に含むことができる。機能層としては、例えば、補助バリア層、保香層、遮光層、補強層、ゾルゲルコート層等が挙げられる。
またさらに、各層間または各層内において、層間接着性を向上する為の接着剤層を含むことができる。この接着剤層は、酸素吸収性を有さない汎用の接着剤を用いた接着剤層であってもよい。
また、アンカーコート層を、酸素吸収性接着剤層や接着剤層と隣接して含んでもよい。
[内容物]
本発明の電子レンジ対応酸素吸収性包装容器に収容される内容物としては、例えば、コーヒー豆、茶葉、チーズ、スナック類、米菓、生・半生菓子、果物、ナッツ、野菜、果物、魚・肉製品、練り製品、干物、薫製、佃煮、生米、米飯類、餅、幼児食品、ジャム、マヨネーズ、ケチャップ、食用油、ドレッシング、ソース類、スパイス類、乳製品等、ペットフード等の食品やビール、ワイン、フルーツジュース、緑茶、コーヒー等の飲料、は医薬品、化粧品、シャンプーやリンス、洗剤、金属部品、電子部品等が挙げられるが、これらの例に限定されない。
≪基材層≫
基材層は樹脂層を有し、基材層の樹脂層の素材には、機械的、物理的、化学的、その他
等において優れた性質を有し、特に、強度を有して強靱であり、かつ耐熱性を有する一般的な公知公用の樹脂フィルムを使用することができる。さらには、各種の紙基材を使用することができ、樹脂フィルムと紙基材との併用もできる。
基材層は、1層または2層以上で構成されていてもよい。2層以上で構成されている場合には、組成や厚さが同じ或いは異なる2層以上や、任意の積層手段によって積層された2層以上で構成されていてもよい。
また、基材層は、金属酸化物蒸着層を含むことができる。この場合には、基材層は、金属酸化物蒸着層を樹脂層のシーラント層側の面に含むことが好ましい。
基材層の厚さは、当業者が適宜に設定することができるが、包装材に適切な強度や腰の強さを付与する目的から、5μm~100μmが好ましく、10μm~50μmがより好ましく、12~25μmが更に好ましい。
具体的な基材層用の樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、フッ素系樹脂、その他等の強靱な熱可塑性樹脂を用いて作製された樹脂フィルムが挙げられる。
そして、上記の樹脂フィルムは、未延伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。
上記の中でも、二軸延伸PETフィルム、二軸延伸ポリアミド系樹脂フィルムが、好ましく用いられる。
基材層に用いる樹脂フィルムには、必要に応じて、加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度等を改良、改質する目的で、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料等のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、他の性能に悪影響を与えない範囲で目的に応じて、任意に添加することができる。
基材層は接着剤層を介して他層と積層することができる。さらに、必要に応じて、基材層と接着剤層との接着強度を強固にするために、基材層の接着剤と接する側の表面に、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理、グロー放電処理、サンドブラスト処理等のなどの物理的な表面処理や、化学薬品を用いた酸化処理などの化学的な表面処理を予め施しておくこともできる。
紙基材は、賦型性、耐屈曲性、剛性等を付与できるものであり、例えば、強サイズ性の晒または未晒の、紙層用の紙基材、あるいは純白ロール紙、クラフト紙、板紙、コート紙、加工紙、ミルク原紙等の紙基材、その他等を使用することができる。
紙基材としては、坪量約30g/m2~600g/m2位のものが好ましく、坪量約50g/m2~450g/m2位のものがより好ましい。
≪金属酸化物蒸着層≫
金属酸化物蒸着層は、電子レンジ対応酸素吸収性包装容器において、酸素吸収性接着剤層よりも外側に位置していることによって、容器外部から容器内部の内容物収容部への酸素の透過を抑制し、酸素吸収性接着剤層による内容物収容空間の酸素濃度低減効果を高めることができる。
金属酸化物蒸着層には、1種または2種以上の金属酸化物を用いることができる。
また、金属酸化物蒸着層は、酸素に対してのみでなく水蒸気等に対するバリア性、太陽
光等に対する遮光性、内容物の保香性等を高めることもでき、各々の効果に適した金属酸化物蒸着層を併用してもよい。
金属酸化物蒸着層は、種々の無機蒸着層の中でも、酸素ガス、水蒸気、遮光性あるいは透明性、保香性等のバリア性に優れ、容器の廃棄面において環境にやさしく、金属探知機等を用いた内容物検査が可能であり、電子レンジでの加温が可能であり、水分による錆発生の懸念が無いという利点を有するため、好ましい。
金属酸化物蒸着層は、樹脂フィルム上に蒸着形成されていることが好ましく、蒸着処理環境に耐え得るような、機械的、物理的、化学的、その他等において優れた性質を有し、特に高強度、高強靭、高耐熱性を有する樹脂フィルム上に蒸着形成されていることがより好ましい。
金属酸化物蒸着層が蒸着形成されている樹脂フィルムは、基材層の樹脂フィルムであってもよく、基材層とは異なる樹脂フィルムであってもよい。
また、金属酸化物蒸着層を含む樹脂フィルムは、温度23℃および湿度90%RHの環境下でJIS K7126法に準拠して測定した酸度透過度が、好ましくは3.0cc/m2・atm・day以下であり、より好ましくは2.0cc/m2・atm・day以下であり、さらに好ましくは1.0cc/m2・atm・day以下である。酸素透過度が上記数値範囲を満たせば、包装体外部から包装体内部の内容物収容部への酸素の侵入を十分に抑えることができる。
また、金属酸化物蒸着層を含む樹脂フィルムは、温度40℃および湿度100%RHの環境下でJIS K7129法に準拠して測定した水蒸気透過度が、好ましくは3.0g/m2・day以下であり、より好ましくは2.0g/m2・day以下であり、さらに好ましくは1.5g/m2・day以下である。水蒸気透過度が上記数値範囲を満たせば、包装体外部から包装体内部の内容物収容部への水蒸気の侵入を十分に抑えることができる。
金属酸化物蒸着層が蒸着されている樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂フィルム、各種ナイロン等のポリアミド系樹脂フィルム、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリブデン樹脂フィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニリデンフィルム、アセタール系樹脂フィルム、フッ素系樹脂等の樹脂からなる樹脂フィルムが挙げられるが、これらの例に限定されない。
上記の樹脂フィルムの中でも、特に、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂からなる樹脂フィルムが好ましい。
また、金属酸化物蒸着層が蒸着されている樹脂フィルムには、酸素バリア性樹脂、水蒸気バリア性樹脂、高保香性樹脂等からなる樹脂フィルムを用いることもできる。
酸素バリア性樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(PVDC)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂(特にナイロンMXD6等の芳香族ポリアミド)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニルがおよそ79wt%~92wt%)を完全ケン化したエチレン含有率25モル%~50モル%のエチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル等が挙げられる。
金属酸化物蒸着層が蒸着されている樹脂フィルムの厚さは、任意であるが、0.5μm~100μmが好ましく、1μm~100μmがより好ましく、5μm~100μmが更に好ましく、10μm~50μmが特に好ましく、12~25μmが最も好ましい。
金属酸化物蒸着層を有する樹脂フィルムの金属酸化物蒸着層面は、酸素吸収性接着剤組成物または汎用の接着剤層を介して、他の層と接着して積層されていることが好ましい。
金属酸化物の具体例としては、例えば、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、亜鉛(Zn)、バナジウム(V)、バリウム(Ba)、クロム(Cr)等の金属元素を含む金属酸化物が挙げられる。
金属酸化物の平均組成は、例えば、AlOx、SiOx等のようにMOx(ただし、式中、Mは金属元素を表し、xの値は、金属元素によってそれぞれ範囲がことなる。)で表される。
上記のMOxにおいて、xの範囲の上限は、完全に酸化した場合の値である。
x=0の場合は金属であり、透明ではない。したがって、本発明では、MOxは金属酸化物である為、xの値の範囲の下限は、0よりも大きい値である。
xの値の上限は、Mがアルミニウムの場合は1.5であり、ケイ素の場合は2であり、マグネシウムの場合は1であり、カルシウムの場合は1であり、カリウムの場合は0.5であり、スズの場合は2であり、ナトリウムの場合は0.5であり、ホウ素の場合は1、5であり、チタンの場合は2であり、鉛の場合は1であり、ジルコニウムの場合は2であり、イットリウムの場合は1.5である。
平均組成MOxで表される金属酸化物は、xがこれらの下限と上限の間の数値をとることができる。
本発明においては、金属酸化物蒸着層は、上記の中でも、アルミナ(酸化アルミニウム)、シリカ(酸化ケイ素)を含有することが好ましく、アルミナは、透明な金属酸化物蒸着層を形成可能であり、酸素吸収性包装容器を透明化して、包装体内の内容物の視認が可能になることから、より好ましい。
また、xが0.5~1.5の範囲の値の酸化アルミニウム、xが1.0~2.0の酸化ケイ素が、更に好ましい。
金属酸化物蒸着層は、1種または2種以上の金属酸化物から構成されていてもよく、2種以上の金属酸化物が混合されていてもよく、さらに、1層で構成されていてもよく、同一または異なる組成の多層によって構成されていてもよく、多層の場合には隣接して積層されていなくてもよい。
[金属酸化物蒸着層の形成方法]
金属酸化物蒸着層は、上記のような金属や金属酸化物を原料として、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法クラスターイオンビーム法等の物理気相成長法(PhysicalVaporDeposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(ChemicalVaporDeposition法、CVD法)等を利用して、樹脂フィルムの上に形成することができる。
更に、具体的に説明すると、上記のPVD法では、例えば、巻き取り式蒸着機を使用し、真空チャンバーの中で、巻き出しロールから出た樹脂フィルムを蒸着チャンバーの中に入れ、ここで、るつぼで熱せられた蒸着源を蒸発させ、更に、必要ならば、酸素吹き出し口より酸素等を噴出させながら、冷却したコーティングドラム上の樹脂フィルムの上に、マスクを介して金属酸化物蒸着層を形成し、次いで金属酸化物蒸着層が形成された樹脂フ
ィルムを巻き取りロールに巻き取ることによって、金属酸化物蒸着層を有する樹脂フィルムを製造することができる。
一方、上記のCVD法では、蒸着チャンバー内に配置された巻き出しロールから繰り出した樹脂フィルム面に、蒸着チャンバー内の冷却、電極ドラム周面上において、蒸着原料揮発供給装置から、例えば有機珪素化合物からなるモノマーガス、酸素ガス、不活性ガス等を含有する混合ガスを導入し、プラズマによって酸化珪素の蒸着層が形成された樹脂フィルムを製造することができる。
上記において、金属酸化物蒸着層の厚さは、十分な酸素バリア性を得るためには、30Å~3000Åが好ましく、40Å~2500Åがより好ましく、50Å~2000Åがさらに好ましい。
更に詳しくは、上記のPVD法においては、酸化アルミニウムからなる金属酸化物蒸着層の厚さは、30Å~1000Åが好ましく、50Å~500Å位がより好ましい。
また、上記のCVD法においては、酸化珪素からなる金属酸化物蒸着層の厚さは、30Å~3000Åが好ましく、100Å~300Åがより好ましい。
なお、金属酸化物蒸着層の厚さが上記範囲よりも厚いと、金属酸化物蒸着層にクラック等が入りやすくなって酸素バリア性が低下するという危険性があると共に、材料コストが高くなるという問題点である為、好ましくない。また、厚さが上記範囲未満であると、十分な酸素バリア性を奏することが困難になり易いことから好ましくない。
上記の金属酸化物蒸着層の形成時には、SiOxプラズマ等を用いた前処理により、蒸着対象の樹脂フィルムの表面を清浄化して、その表面に極性基やフリーラジカル等を発生させることによって、金属酸化物蒸着層と樹脂フィルムとの密接着性を高めることができる。
金属酸化物蒸着層を連続的に2層以上積層させる場合には、少なくとも2室以上の製膜室からなるプラズマ化学気相成長装置を使用することが好ましい。
このようなプラズマ化学気相成長装置を使用すれば、それぞれの金属酸化物蒸着層を、高いガスバリア性を有するように蒸着することができ、単層の場合よりも更に高いガスバリア性を得ることができる。
更に、大気に開放せず連続的に蒸着できることにより、クラックの発生原因となる異物、塵埃等が金属酸化物蒸着層間に混入することを防止することができ、かつ、そのガスバリア性が向上する。
更にまた、組成の異なる金属酸化物蒸着層を連続的に2層以上積層することができる為、酸素ガス、水蒸気等の透過をより効率的に抑制することができる。
≪印刷インキ層≫
印刷インキ層はベタ層のみで構成されていてもよく、印刷インキ模様層と印刷インキベタ層とから構成されていてもよく、被印刷面の全面に設けられていてもよく、あるいは一部に設けられていてもよい。
また、印刷インキ層は、装飾、内容物の表示、賞味期間の表示、製造者、販売者等の表示、その他等の表示や美感の付与のための、例えば、文字、数字、図形、記号、絵柄、模様等の意匠パターンを視覚的に示すものであってもよい。
そして、印刷インキ層は、金属酸化物蒸着層の表面に、グラビア印刷方式やフレキソ印刷方式等の印刷方法で形成することが好ましい。
印刷インキ層の厚さは、当業者が適宜に設定することができるが、印刷インキ層に適切な耐久性を付与する為に、0.5g/mm2~5g/mm2が好ましく、1g/mm2~4g/mm2がより好ましく、2g/mm2~3g/mm2が更に好ましい。
≪酸素吸収性接着剤層≫
酸素吸収性接着剤層は、酸素吸収性接着剤組成物を用いて形成される層であり、酸素を吸収する層である。
《酸素吸収性接着剤組成物》
本発明の酸素吸収性接着剤組成物は、少なくとも、酸素吸収性化合物と酸化促進触媒とを含有する。
含有される該酸素吸収性化合物は1種または2種以上であってよく、含有される酸化促進触媒は1種または2種以上であってよい。
酸素吸収性接着剤組成物は、必要に応じて、さらに、変性剤、希釈溶剤、各種添加物等を含有することができる。
酸素吸収性接着剤組成物は、既存の接着剤組成物に酸素吸収性化合物を添加してもよく、酸素吸収性化合物を樹脂成分として酸素吸収性接着剤組成物を調製してもよい。
ここで、既存の酸素吸収性接着剤組成物は、1液性の酸素吸収性接着剤組成物であってもよく、2液性の酸素吸収性接着剤組成物であってもよい。
酸素吸収性接着剤組成物および/または上記の既存の接着剤組成物は、硬化性であってもよく、非硬化性であってもよい。硬化性の場合は、熱硬化性、光硬化性、電子線硬化性等の何れであってもよい。
酸素吸収性化合物は、既存の接着剤組成物に含有される成分と反応するものであってもよく、反応しないものであってもよい。また、酸素吸収性化合物同士で反応するものであってもよい。
上記の反応の有無や反応の種類に応じて、酸素吸収性化合物として、官能基を有さないもの、(共)重合可能な官能基を有するもの、主剤または硬化剤として反応可能な官能基を有するものの、1種または2種以上を選択して用いることができる。
具体的には、例えば、イソシアネート系化合物と水酸基含有化合物とを含有する2液性のウレタン系接着剤組成物に、官能基を有さない酸素吸収性化合物および/または官能基を有する酸素吸収性化合物を添加することができる。この場合には、官能基としては、イソシアネート基および/または水酸基が好ましい。
また例えば、酸素吸収性接着剤組成物の主剤と硬化剤との組み合わせを、イソシアネート系化合物と水酸基を有する酸素吸収性化合物との組み合わせにしたり、水酸基含有化合物とイソシアネート基を有する酸素吸収性化合物との組み合わせにしたり、水酸基を有する酸素吸収性化合物とイソシアネート基を有する酸素吸収性化合物との組み合わせにしたりして、酸素吸収性接着剤組成物を調製することができる。
酸素吸収性接着剤組成物は、ウレタン系酸素吸収性接着剤組成物であることが好ましい。
酸素吸収性接着剤組成物中の固形分の含有量は、特に制限は無いが、20質量%以上、100質量%以下が好ましい。
酸素吸収性接着剤組成物中の酸化促進触媒を除く固形分中の、酸素吸収性化合物の含有量は、40質量%以上、100質量%以下が好ましい。上記範囲よりも少ないと、酸素吸収性が不十分になる虞がある。100質量%の場合とは、酸素吸収性化合物が接着剤組成物の樹脂成分として使用可能な場合であり、単独で十分な接着性を有していたり、単独で硬化可能な官能基を有していたり、主剤となる官能基を有する酸素吸収性化合物と硬化剤となる官能基を有する酸素吸収性化合物とを混合して用いる場合である。
酸素吸収性接着剤組成物中の酸化促進触媒の含有量は、酸素吸収性化合物に対して10
ppm以上、6000ppm以下が好ましい。
含有量が上記範囲よりも少ないと、酸素吸収性が不十分になる場合があり、含有量が上記範囲よりも多いと、酸素吸収性が不安定になり易く、電子レンジ対応酸素吸収性包装容器を作製する前に酸素吸収性が消費されてしまい、電子レンジ対応酸素吸収性包装容器作製後の酸素による劣化抑制効果が損なわれる虞がある。
[酸素吸収性化合物]
本発明における酸素吸収性化合物は、酸素吸収性を有し、発生臭気が少なく、単体で用いることができ、樹脂や樹脂組成物に混合して用いることもできる。
本発明の酸素吸収性化合物は、1個または2個以上の不飽和五員環を有する、不飽和五員環含有化合物であって、該不飽和五員環を構成する5つの炭素原子間の何れかの結合は、炭素-炭素二重結合であり、該不飽和五員環には、1価および/または2価以上の電子供与性の有機基1が結合している。
該不飽和五員環が1個の場合には、該五員環または該有機基1は、活性水素を有する官能基、または活性水素を有する官能基の活性水素が1価の有機基2に置換された基を有し、該不飽和五員環が2個以上の場合には、該不飽和五員環同士は、各々の該有機基1上の活性水素基の活性水素を置換する2価以上の有機基2を介して結合している。
1分子中の該不飽和五員環が2個以上の場合には、該不飽和五員環同士は、各々の該五員環または有機基1上の活性水素を有する官能基の活性水素が、2価以上の有機基2に置換された構造を介して結合している。
1分子中に存在する不飽和五員環、有機基1、有機基2の各々は、1種または2種以上であってもよく、個数は1個または2個以上であってよい。また、1個の該不飽和五員環に結合している有機基1は、1個であっても2個以上であってもよい。さらにまた、酸素吸収性化合物は、上記のような、1分子中に存在する不飽和五員環、有機基1、有機基2の各々の種類や個数が異なる2種以上の構造の分子の混合物であってもよい。
有機基1が該不飽和五員環に電子を供与することによって、該不飽和五員環が有する炭素-炭素二重結合部分の電子密度が高まり、酸素との反応性が高まり、酸素吸収性が高まる。
該不飽和五員環には、電子吸引性基が結合していないことが好ましい。電子吸引性基が結合していることによって、該不飽和五員環が有する炭素-炭素二重結合部分の電子密度が低くなり、酸素との反応性が低下し、酸素吸収性が低下する。
酸素吸収性化合物の具体的な分子構造としては、例えば、1個の該不飽和五員環と1価または2価の有機基1とが結合したもの、1個の該不飽和五員環と1価または2価の有機基1と1価の有機基2とがこの順で結合したもの、2個の該不飽和五員環が2価の有機基1および2価の有機基2を介して結合したもの、3個の該不飽和五員環が2価の有機基1および3価の有機基2を介して結合したもの等が挙げられる。
また、酸素吸収性化合物は、架橋性官能基を有していなくてもよいが、有することもできる。
架橋性官能基は、有機基2の由来となった化合物が有していた官能基であってもよく、化学的修飾によって加えられた官能基であってもよい。
酸素吸収性化合物が架橋性官能基を有していることによって、酸素吸収性化合物を樹脂や樹脂組成物に混合した場合に、酸素吸収性化合物は該樹脂や該樹脂組成物との相溶性が高まったり、該樹脂や該樹脂組成物の架橋構造の一部になったりして、該樹脂や該樹脂組成物または該樹脂組成物硬化物からブリードし難くなることによって、該樹脂や該樹脂組成物中の酸素吸収性化合物の含有量を高めることができる。
架橋性官能基の具体例としては、脂肪族水酸基、芳香族水酸基、イソシアネート基、アミノ基、エポキシ基、(メタ)アクリル基等が挙げられる。これらの中でも、イソシアネート基、脂肪族水酸基が好ましい。
架橋性官能基を有する場合の、酸素吸収性化合物が有する架橋性官能基の個数は、1分子中に、1個または2個以上が好ましい。また、1分子中に含まれる架橋性官能基は1種でもよく、2種以上であってもよい。
架橋性官能基の官能基当量は、特に制限は無いが、500~20000が好ましく、1000~15000がより好ましく、1500~10000がさらに好ましい。
酸素吸収性化合物の数平均分子量は、100~10000が好ましく、200~5000がより好ましく、300~2500がさらに好ましい。数平均分子量が上記範囲よりも小さいと、樹脂や樹脂組成物に混合した場合に、析出し易い。数平均分子量が上記範囲よりも大きいと、樹脂や樹脂組成物に混合した場合に、混合物の粘度が高くなるために希釈溶剤を多量に含有する必要が生じ易く、厚いフィルムや層を得難く、塗工適性が悪化し易い。
また、本発明の酸素吸収性化合物の酸素吸収作用は、加熱や触媒の添加によって促進することができる。
(不飽和五員環)
酸素吸収性化合物が有する不飽和五員環は、炭素-炭素二重結合を不飽和五員環内に有する。ここで、該炭素-炭素二重結合は、不飽和五員環を構成する5つの炭素原子間の何れかの結合であり、1つの不飽和五員環内で1個であってもよく、2個であってもよい。
炭素-炭素二重結合部が、空気中の酸素分子と反応して酸素分子を取り込むことによって、酸素吸収性化合物は酸素吸収性を発揮する。
上記のような不飽和五員環または電子供与性の有機基1が結合している不飽和五員環の由来となる化合物としては、例えば、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、ノルボルネン、およびこれらの誘導体が挙げられる。酸素吸収性化合物は、これらからなる群から選ばれる1種または2種以上に由来する不飽和五員環を有することができる。
酸素吸収性化合物中の不飽和五員環濃度は、特に制限は無いが、1質量%以上、70質量%以下が好ましく、5質量%以上、60質量%以下がより好ましい。上記範囲よりも低いと酸素吸収性が不十分になりやすく、上記範囲よりも高い酸素吸収性化合物を得ることは困難であり、諸物性とのバランスが悪くなり易い。
(電子供与性の有機基1)
有機基1の具体例としては、例えば、アルキル基、アルキレン基、環状アルキレン基等が挙げられる。これらの中でも、環状アルキレン基が好ましく、該不飽和五員環とともに脂肪族二環式アルキレン基を構成するものがより好ましい。
環状アルキレン基の具体例としては、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基等が挙げられる。これらの中でも、シクロペンチレン基がより好ましい。
(電子吸引性の有機基)
電子吸引性基の具体例としては、例えば、フェニル基、フェニレン基、カルボニル基、ハロゲン等が挙げられる。
これらの電子吸引性基のみが不飽和五員環に結合したインデン、クマロンは、該不飽和五員環が有する炭素-炭素二重結合部分の電子密度が低くなり、酸素との反応性が低下し、酸素吸収性が低い。
(活性水素を有する官能基)
活性水素を有する官能基は化学反応的に活性である。
具体的な活性水素を有する官能基としては、1級アミノ基、2級アミノ基、脂肪族水酸基、芳香族水酸基、イミノ基、カルボキシル基、ウレタン基、尿素基等が挙げられ、中でも、1級アミノ基、2級アミノ基、脂肪族水酸基、芳香族水酸基が好ましく、脂肪族水酸基がより好ましい。
(有機基2)
有機基2は、上記五員環または有機基1上の活性水素を有する官能基の活性水素を置換し、上記五員環または有機基1に結合している、1価および/または2価以上の基である。
1分子中の該不飽和五員環が2個以上の場合には、該不飽和五員環同士は、活性水素を有する官能基の活性水素が2価以上の有機基2に置換された構造を介して結合している。
具体例としては、例えば、有機基1上の活性水素を有する官能基と、有機基2の由来となる構造部を有するイソシアネート系化合物のイソシアネート基とが反応して、活性水素が有機基2に置換されてウレタン基によって結合することができる。
有機基2が結合していることによって酸素吸収性化合物は1分子中に2個以上の該不飽和五員環を有することができ、さらには、樹脂や樹脂組成物に混合されて混合物を調製した際の相溶性、分散性、反応性が高まったりすることができる。またさらには、該混合物や該混合物の硬化物を柔らかく調整することができる。
有機基2は、脂肪族基であってもよく、芳香族基であってもよく、脂肪族基と芳香族基の両方を有していてもよい。
酸素吸収性化合物の1分子中に存在する有機基2は、1種であっても2種以上であってもよい。
有機基2は、イソシアネート系化合物および/または水酸基含有化合物に由来する構造部を含む基であることが好ましい。ここで、イソシアネート系化合物および/または水酸基含有化合物に由来する構造部とは、イソシアネート系化合物と水酸基含有化合物との反応生成物に由来する構造部の場合も含まれる。
(イソシアネート系化合物)
上記の有機基2の由来となるイソシアネート系化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、およびこれらのトリメチロールプロパンアダクトや、ビューレット体、アロファネート体、イソシアヌレート体(三量体)、さらにはこれらの各種誘導体等が挙げられる。これらの中でも、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのビューレット体が好ましい。
本発明においては、これらのイソシアネート系化合物からなる群から選ばれる1種または2種以上を、上記の1価および/または2価以上の炭化水素基の構造部の由来として用いることができる。2種以上を用いる場合、酸素吸収性化合物の同一分子内に2種が用いられていてもよく、異なる1種を有する酸素吸収性化合物の分子が混合されたものであってもよい。
イソシアネート系化合物の数平均分子量は、100~10000が好ましく、160~
5000がより好ましい。数平均分子量が上記範囲よりも小さいと、樹脂や樹脂組成物に混合した場合に、析出し易い。数平均分子量が上記範囲よりも大きいと、樹脂や樹脂組成物に混合した場合に、混合物の粘度が高くなるために希釈溶剤を多量に含有する必要が生じ易く、厚いフィルムや層を得難く、塗工適性が悪化し易い。
(水酸基含有化合物)
水酸基含有化合物は、上記の有機基2の由来となる化合物であり、水酸基を2個以上有する。
水酸基含有化合物としては、例えば、多価アルコール類、ポリオレフィンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリ(メタ)アクリル酸エステルポリオール、フェノキシ樹脂、およびこれらのウレタン鎖伸長ポリオール等が挙げられる。これらの中でも、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオールが好ましい。
水酸基含有化合物は、臭気発生を防ぐために、主骨格の脂肪族鎖に二重結合を有していないものや、水酸基が2個のものが好ましい。末端に水酸基を有するものが入手しやすいものが多いという点では好ましいが、末端に有する必要は無い。
本発明においては、これらからなる群から選ばれる1種または2種以上を、上記の有機基2の由来となる水酸基含有化合物として用いることができる。2種以上を用いる場合は、酸素吸収性化合物の同一分子内に2種が用いられていてもよく、異なる1種を有する酸素吸収性化合物の分子が混合されたものであってもよい。
水酸基含有化合物の数平均分子量は、500~10000が好ましく、750~5000がより好ましく、1000~3000がさらに好ましい。数平均分子量が上記範囲よりも小さいと、樹脂や樹脂組成物に混合した場合に、析出し易い。数平均分子量が上記範囲よりも大きいと、樹脂や樹脂組成物に混合した場合に、混合物の粘度が高くなるために希釈溶剤を多量に含有する必要が生じ易く、厚いフィルムや層を得難く、塗工適性が悪化し易い。
・多価アルコール類
多価アルコール類は水酸基を2個以上有するモノマーである。
多価アルコール類の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、1,12-オクタデカンジオール、2,2’-オキシジエタノール等のジオール類や、グリセリン、マンニトール、ソルビトール等が挙げられる。
上記の中でも、酸素吸収性の面からエチレングリコールが好ましい。
・ポリオレフィンポリオール
ポリオレフィンポリオールは、2個以上の水酸基を有するポリオレフィン系樹脂である。
ポリオレフィンポリオールの具体例としては、主骨格が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリブタジエン、水添ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリイソプレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィンであり、且つ水酸基を有するものが挙げられる。
これらの中でも、エチレン-酢酸ビニル共重合体、水添ポリイソプレンを主骨格とした
ものが、特に好ましい。
・ポリエーテルポリオール
ポリエーテルポリオールは、2個以上の水酸基を有するポリエーテル系樹脂である。
ポリエーテルポリオールは、例えば、上記の多価アルコール類やポリオレフィンポリオールを脱水縮合させて得られ、主骨格にポリエーテル構造を有し、且つ水酸基を有する。
ポリエーテルポリオールの具体例としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレンエーテルジオール、ポリプロピレンエーテルジオール、ポリブチレンエーテルジオール、グリセリン変性ポリエーテルポリオール類等が挙げられる。これらの中でも、ポリプロピレンエーテルジオールが特に好ましい。
・ポリエステルポリオール
ポリエステルポリオールは、2個以上の水酸基を有するポリエステル系樹脂である。
ポリエステルポリオールは、例えば、各種多価カルボン酸またはその誘導体と、上記の多価アルコール類、ポリオレフィンポリオール、ポリエーテルポリオール等とのエステル化反応によって得られ、主骨格にポリエステル構造を有し、且つ水酸基を有する。
多価カルボン酸の具体例としては、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸、グルタル酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、トリメリット酸等が挙げられ、これらの多価カルボン酸の誘導体としては、エステル化物、酸無水物、アシル化物等が挙げられる。
上記の中でも、結晶性を下げるため、2種類以上の多価アルコール類と、2種類以上の多価カルボン酸類を併用したポリエステルポリオールが好ましい。
・ポリカーボネートポリオール
ポリカーボネートポリオールは、2個以上の水酸基を有するポリカーボネート系樹脂である。
ポリカーボネートは主骨格中にポリオール由来部を有するが、このポリオール由来部は、上記の多価アルコール類、ポリオレフィンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等に由来するものであってもよい。
これらの中でも、結晶性を下げるため、2種類以上の多価アルコールを併用したポリカーボネートポリオールが好ましい。
・ポリ(メタ)アクリル酸エステルポリオール
ポリ(メタ)アクリル酸エステルポリオールは、2個以上の水酸基を有する、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体である。
ポリ(メタ)アクリル酸エステルポリオールは、例えば、2-ヒドロキシエチルメタクリレートや、1個の(メタ)アクリル酸またはその誘導体と1個のジオールとから合成された水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル等の水酸基含有モノマーを用いて、該水酸基含有モノマー同士で重合、または水酸基を有さない(メタ)アクリル酸エステルと共重合させることによって得ることができる。
水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルを合成する際のジオールには、上記のジオール類、ポリオレフィンポリオール、ポリエーテルポリオール等を用いることができる。
これらの中でも、2-ヒドロキシエチルメタクリレートを用いたポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体が好ましい。
・フェノキシ樹脂
フェノキシ樹脂は、多価フェノール化合物と多価エポキシ化合物とを反応させて得られる樹脂であり、芳香族水酸基とエポキシ基とが反応した結合部に、脂肪族水酸基が生成し
た構造を有している。
フェノキシ樹脂としては、ビスフェノール類とジグリシジルエーテル化ビスフェノール類とを反応させて得たものが入手しやすく一般的である。
多価フェノール化合物としては、例えば、ビスフェノールAやビスフェノールF等が挙げられ、多価エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテルやビスフェノールFジグリシジルエーテル等が挙げられる。
これらの中でも、ビスフェノールAを用いたフェノキシ樹脂が好ましい。
フェノキシ樹脂の末端は、芳香族水酸基であっても、エポキシ基であってもよい。
・ウレタン鎖伸長ポリオール
ウレタン鎖伸長ポリオールは、上記の水酸基含有化合物を、ウレタン鎖によって伸長して得られた、2個以上の水酸基を有するポリオールである。
ウレタン鎖伸長ポリオールは、例えば、上記各種水酸基含有化合物を、上記のイソシアネート系化合物と重合反応させて、ウレタン鎖伸長して得ることができる。また、必要に応じて、ジアミン類やアミノアルコール類を併用して重合してもよい。
上記の中でも、両末端に水酸基を有する上記各種水酸基含有化合物とジイソシアネート系化合物とを反応させて得られるウレタン鎖伸長ポリオールが好ましい。
(酸素吸収性化合物の具体例)
以下に、具体的な酸素吸収性化合物を例示する。
式(1)で示される3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデンオールと、式(1-b)で示される3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデンアミンと、式(1-c)で示される3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデン-1-オールは、1個の不飽和五員環と1個の有機基1と、1個の有機基1が活性水素を有する官能基として水酸基またはアミノ基を有する酸素吸収性化合物の1例である。
Figure 2024051981000007
Figure 2024051981000008
Figure 2024051981000009
式(2)で示される酸素吸収性化合物は、例えば、式(1)で示される酸素吸収性化合物の有機基1上の活性水素を有する官能基である水酸基と、有機基2の由来となるイソシアネート系化合物であるR1(NCO)aのイソシアネート基とが反応して、該水酸基の活性水素が置換されて、a個の不飽和五員環及び有機基1がR1を介して結合して得ることができる酸素吸収性化合物である。
Figure 2024051981000010
(式中、aは1以上の数であり、R1は、炭素数1以上の有機基であり、少なくともアルキレンおよび/またはフェニレン構造を含み、さらに、多価アルコール類、ポリオレフィンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリ(メタ)アクリル酸エステルポリオール、フェノキシ樹脂、およびこれらのウレタン鎖伸長ポリオールからなる群から選ばれる1種または2種以上に由来する構造を含むことができる。)
式(5)で示される酸素吸収性化合物は、式(2)において、a=2であり、且つ、R1が、例えば、イソシアネート系化合物OCN-R4-NCO、水酸基含有化合物HO-R5-OHに由来し、両者が反応して生成した構造部を含む基である場合の、酸素吸収性化合物である。
Figure 2024051981000011
(式中、fは0以上の数であり、R4とR5の各々は、炭素数1以上の有機基であり、少なくともアルキレンおよび/またはフェニレン構造を含む有機基であり、さらに、多価アルコール類、ポリオレフィンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリ(メタ)アクリル酸エステルポリオール、フェノキシ樹脂、およびこれらのウレタン鎖伸長ポリオールからなる群から選ばれる1種または2種以上に由来する構造を含むことができる。)
式(3)で示される酸素吸収性化合物は、式(2)において、例えば、R1がイソシアネート系化合物と水酸基含有化合物とに由来し、両者が反応して生成した構造部を含み、且つ、過剰分の水酸基が残留または化学的修飾によって水酸基を含む場合の、酸素吸収性化合物である。
Figure 2024051981000012
(式中、bとcの各々は1以上の数であり、R2は、炭素数1以上の有機基であり、少なくともアルキレンおよび/またはフェニレン構造を含み、さらに、多価アルコール類、ポリオレフィンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリ(メタ)アクリル酸エステルポリオール、フェノキシ樹脂、およびこれらのウレタン鎖伸長ポリオールからなる群から選ばれる1種または2種以上に由来する構造を含むことができる。)
式(4)で示される酸素吸収性化合物は、式(2)において、例えば、R1がイソシアネート系化合物と水酸基含有化合物とに由来し、両者が反応して生成した構造部を含み、且つ、過剰分のイソシアネート基が残留または化学的修飾によってイソシアネート基を含む場合の、酸素吸収性化合物である。
Figure 2024051981000013
(式中、dとeの各々は1以上の数であり、R3は、炭素数1以上の有機基であり、少なくともアルキレンおよび/またはフェニレン構造を含み、さらに、多価アルコール類、ポリオレフィンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリ(メタ)アクリル酸エステルポリオール、フェノキシ樹脂、およびこれらのウレタン鎖伸長ポリオールからなる群から選ばれる1種または2種以上に由来する構造を含むことができる。)
[酸化促進触媒]
酸化促進触媒は、酸素吸収性化合物が酸素分子を吸収して酸化される作用を促進する化合物である。
酸化促進触媒としては、過酸化物や、遷移金属からなるカチオンを含む化合物が挙げられる。
該過酸化物の具体例としては、過酸化水素等が挙げられる。
遷移金属からなるカチオンを含む化合物は、遷移金属原子のカチオンまたは錯体を放出可能な遷移金属含有化合物と、脂肪酸からなるアニオンまたは配位子とからなる金属石鹸が好ましい。
遷移金属としては、コバルト、マンガン、鉄、ニッケル、銅、等が好ましく、アニオンまたは配位子としては、ステアリン酸、ナフテン酸、オクチル酸、アセチルアセトナト等からなるアニオンまたは配位子が好ましい。
酸化促進触媒としては、上記の遷移金属からなる群から選ばれた1種又は2種以上の遷移金属からなるカチオンと、上記の長鎖脂肪酸からなる群から選ばれた1種又は2種以上の脂肪酸からなるアニオンとを組み合わせて形成された金属石鹸を用いることができる。具体的な化合物としては、オクチル酸コバルト、アセチルアセトンコバルト(II)、アセチルアセトンコバルト(III)、アセチルアセトンマンガン(III)、アセチルアセトン鉄(III)等が挙げられる。
[変性剤]
変性剤は、酸素吸収性化合物が官能基を有する場合に、酸素吸収性化合物と反応する官能基を有する化合物であり、各種の反応性のモノマーや樹脂を用いることができる。
変性剤を酸素吸収性接着剤組成物に含有することによって、酸素吸収性化合物を酸素吸収性接着剤組成物中の他の成分に結合させたり、酸素吸収性接着剤組成物中の酸素吸収性化合物の含有率を調節したり、酸素吸収性接着剤組成物の硬化物の硬さを調節したりすることができる。
例えば、酸素吸収性化合物が水酸基またはイソシアネート基を有する場合には、イソシアネート系化合物および/または水酸基含有化合物からなる変性剤を用いることができる。
酸素吸収性接着剤組成物がウレタン系である場合には、酸素吸収性接着剤組成物の当量比NCO/OHは、0.5以上、8以下が好ましい。上記範囲よりも小さいと、酸素吸収性接着剤組成物の硬化が不十分になって、十分なラミネート強度(接着強度)が得られない虞があり、上記範囲よりも大きいと、酸素吸収性接着剤組成物のポットライフが短くなり過ぎる虞がある。
(変性剤用のイソシアネート系化合物)
変性剤用のイソシアネート系化合物は、酸素吸収性化合物の合成時に用いられたイソシアネート系化合物を用いることができ、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、およびこれらのウレタン鎖伸長イソシアネートの何れも用いることができる。また、酸素吸収性接着剤組成物が硬化する為に、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものが好ましい。但し、酸素吸収性接着剤組成物の十分な効果を阻害しない範囲内で1分子中に1個のイソシアネート基を有するイソシアネート系化合物を併用することもできる。
1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート系化合物としては、特に、ヘキサメチレンジイソシアネートのビューレット体が特に好ましい。
具体的なイソシアネート系化合物としては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、およびこれらのトリメチロールプロパンアダクトや、ビューレット体、アロファネート体、イソシアヌレート体(三量体)、さらにはこれらの各種誘導体等が挙げられる。これらの中でも、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのビューレット体が好ましい。
(変性剤用の水酸基含有化合物)
変性剤用の水酸基含有化合物は、酸素吸収性化合物の合成時に用いられた水酸基含有化合物を用いることができ、芳香族水酸基含有化合物、脂肪族水酸基含有化合物、およびこれらのウレタン鎖伸長ポリオールの何れも用いることができる。また、酸素吸収性接着剤組成物が硬化する為に、1分子中に2個以上の水酸基を有するものが好ましい。但し、酸素吸収性接着剤組成物の十分な効果を阻害しない範囲内で1分子中に1個の水酸基を有す
る水酸基含有化合物を併用することもできる。
1分子中に2個以上の水酸基を有する水酸基含有化合物としては、芳香族水酸基含有化合物、脂肪族水酸基含有化合物系の何れも使用でき、アルコール系であっても、フェノール系であってもよい。
1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート系化合物としては、特に、ポリアルキレンエーテルジオール、ポリアルキレンエーテルジオールのウレタン鎖伸長ポリオールが特に好ましい。
[希釈溶剤]
希釈溶剤は、酸素吸収性化合物と酸化促進触媒を均一に溶解または分散し、酸素吸収性接着剤組成物が均一になり、ドライラミネーション工程に適合するものであれば特に制限無く、例えばエステル系希釈溶剤、ケトン系希釈溶剤、炭化水素系希釈溶剤等を用いることができる。
エステル系希釈溶剤の具体例としては、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられ、ケトン系希釈溶剤の具体例としてはメチルエチルケトン等が挙げられ、炭化水素系希釈溶剤の具体例としてはトルエン等が挙げられる。これらの中でも、酢酸エチルが使い易く、好ましい。
[各種添加剤]
酸素吸収性接着剤組成物は、必要に応じて各種添加剤を含有することができる。
例えば、硬化促進剤、ポットライフを長くする為の硬化調整剤、酸素吸収性接着剤組成物の保管時や使用時および包装体に内容物を収容する以前での酸素吸収性低下を抑制する為の酸化防止剤、接着助剤、粘着性付与剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、消泡剤も添加できる。
(硬化促進剤)
硬化促進剤としては、酸素吸収性接着剤組成物の硬化反応を促進するものであれば特に制限無く用いることができる。
具体的な硬化促進剤としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジマレート、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネートなど金属含有化合物や、1,8-ジアザ-ビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7、1,5-ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン-5、トリエタノールアミンのような3級アミンなどが挙げられ、これらからなる群から選ばれる1種または2種以上を使用することができる。
(硬化調整剤)
酸素吸収性接着剤組成物は、含有する酸化促進触媒によって、ポットライフが短縮してしまう場合に、硬化調整剤を併用してポットライフを長くすることができる。
具体的な硬化調整剤としては、リン酸類が好ましく、例えば、正リン酸、メタリン酸、ポリリン酸やそれらのエステル誘導体が挙げられ、これらからなる群から選ばれる1種または2種以上を使用することができる。
反応調整剤の添加量は、酸素吸収性接着剤組成物の樹脂成分に対して、200ppm以上、400ppm以下が好ましい。上記範囲よりも少ないとポットライフを長くする効果が得られ難く、上記範囲よりも多いと、酸素吸収性接着剤組成物の硬化を阻害してしまう虞がある。
(酸化防止剤)
酸素吸収性接着剤組成物の保存時や使用時、さらには酸素吸収性接着剤組成物を用いて作製された包装体が内容物を収容する以前の工程において、酸素吸収性の劣化を抑制して、内容物収容後の酸素吸収性を高く保持するために、酸素吸収性接着剤組成物は、酸化防
止剤を含むことができる。
具体的な酸化防止剤としては、フェノール系、ラクトン系、チオエーテル系、没食子酸系、アスコルビン酸、エリソルビン酸、カテキン、ジブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、クエン酸、ブチルヒドロキシアニソール、亜リン酸エステル、ヒンダードアミン、芳香族アミン系などが挙げられ、これらからなる群から選ばれる1種または2種以上を使用することができる。
また、熱や光を酸素吸収性発現のトリガーとして用いることを想定した場合は、アスコルビン酸、トコフェロールなどの耐熱性、耐光性の低い酸化防止剤を用いることが好ましく、フェノール系などの高耐熱性、高耐光性の酸化防止剤を用いることは好ましくない。
酸化防止剤の添加量は、酸素吸収性化合物に対して10ppm以上、10000ppm以下が好ましい。上記範囲よりも少ないと、酸化防止効果が不十分になり易く、上記範囲よりも多いと、酸素吸収性が低下してしまう虞がある。
(接着助剤)
接着力を補助する為の接着助剤としては、シランカップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤としては、γ-グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジアルコキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、γ-アミノプロピルトリアルコキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジアルコキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリアルコキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジアルコキシシラン、N-ブチル-3-アミノ-2-メチルプロピルトリアルコキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、γ-メルカプトプロピルメチルジアルコキシシランが挙げられ、アルコキシ基としてはメトキシ基またはエトキシ基が好ましく、これらからなる群から選ばれる1種または2種以上を使用することができる。
(粘着付与剤)
粘着付与剤としては、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ロジン、ロジングリセリンエステル、テルペン、アルキルフェノールなどが挙げられ、これらからなる群から選ばれる1種または2種以上を使用することができる。
(レベリング剤)
レベリング剤としては、アクリルポリマー系、変性シリコーン系、アセチレンジオール系などが挙げられ、これらからなる群から選ばれる1種または2種以上を使用することができる。
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ヒドロキシフェニルトリアジン系、ヒンダードアミン系などが挙げられ、これらからなる群から選ばれる1種または2種以上を使用することができる。
(消泡剤)
消泡剤としては、界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーンオイルなどが挙げられ、これらからなる群から選ばれる1種または2種以上を使用することができる。
《酸素吸収性接着剤組成物の調製方法》
酸素吸収性接着剤組成物は、酸素吸収性化合物、酸化促進触媒、必要に応じて、さらに、変性剤、希釈溶剤、各種添加物等の全構成成分を混合することにより製造することができる。あるいは、酸素吸収性化合物、酸化促進触媒、そして、必要に応じて、さらに、変
性剤、希釈溶剤、各種添加物等を、既存の接着剤組成物に混合することにより製造することができる。
上記の混合を行う方法や、各成分を混合する際の順序は、特に限定されず、一般的な接着剤組成物を調製する際の方法や混合順序を適用することができる。
具体的な混合方法としては、溶剤に溶解させて混合する方法や、溶融混錬する方法が挙げられる。この時、溶解性や分散性を上げるために加熱温度を調整することが好ましい。
《酸素吸収性接着剤組成物の使用方法》
酸素吸収性接着剤組成物の使用方法には特に限定は無く、一般的な接着剤としての使用方法を適用できる。
例えば適切な粘度となるよう加温して用いるノンソルベント型ラミネーション方式や、希釈溶剤や他の配合接着剤を加えて適切な塗工粘度に調整して用いるドライラミネーション方式等が挙げられる。
酸素吸収性接着剤組成物を用いて酸素吸収性接着剤層を形成する際、その塗工量は、2~5g/m2が好ましく、3~5g/m2がより好ましい。上記範囲よりも少ないと十分な酸素吸収性が得られない虞が有り、上記範囲よりも多くても酸素吸収性はさほど変化せず、コストデメリットにつながる為、好ましくない。
酸素吸収性接着剤組成物を用いて酸素吸収性接着剤層を形成して接着して得られたレトルト包装容器用酸素吸収性包装材は、通常、20℃以上、50℃以下で、2日間以上、5日間以下のエージングを施すことが好ましい。
尚、エージングする際は、電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材の酸素吸収性を低下させない為に、できるだけ低温、または不活性ガス雰囲気下でエージングすることが好ましい。
作製された電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材を保管する際も、電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材の酸素吸収性を低下させない為に、10℃以下、または不活性ガス雰囲気下で保管することが好ましい。
《接着可能な対象物について》
酸素吸収性接着剤組成物が接着可能な対象物については、特に限定はなく、例えば、樹脂成形品、樹脂フィルム、紙、無機蒸着膜面、無機酸化物蒸着膜面への接着が可能である。
酸素吸収性接着剤組成物が接着可能な樹脂フィルムの樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、各種ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリブテン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、アセタール系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
酸素吸収性接着剤組成物が接着可能な紙の具体例としては、例えば、強サイズ性の晒または未晒の、紙層用の紙基材、あるいは純白ロール紙、クラフト紙、板紙、コート紙、加工紙、ミルク原紙等の紙基材、その他等が挙げられる。
酸素吸収性接着剤組成物が接着可能な無機蒸着層の無機酸化物の具体例としては、シリカ、アルミナ、酸化インジウム錫、酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化バナジウム、酸化バリウム、酸化クロム等、窒化珪素、炭化珪素等が挙げられる。こ
れらの中でも、シリカ、アルミナが好ましい。
≪酸化防止剤遮蔽樹脂層≫
酸化防止剤遮蔽樹脂層は、シーラント層から酸素吸収性接着剤層への各種添加剤、特に酸化防止剤の移行を抑制する為の樹脂層である。
シーラント層に含有される各種添加剤、特に酸化防止剤の酸素吸収性接着剤層への移行が、間に存在している酸化防止剤遮蔽樹脂層によって抑制されて、酸素吸収性接着剤層の酸素吸収効率の低下が抑制される。
酸化防止剤遮蔽樹脂層は、1層または2層以上で構成されていてもよい。2層以上の場合には、組成や厚さが同じ或いは異なり、任意の積層手段によって積層された2層以上で構成されていてもよい。
酸化防止剤遮蔽樹脂層の厚さは、酸化防止剤遮蔽効果と、包装材に適切な強度や腰の強さを付与する目的から、5μm~100μmが好ましく、10μm~50μmがより好ましく、12~25μmが更に好ましい。
上記範囲よりも薄いと、酸化防止剤遮蔽効果、強度、腰の強さが不十分になる虞があり、上記範囲よりも厚くても、酸化防止剤遮蔽効果はさほど変化が無いが、剛性が強くなり過ぎて、扱いづらくなる虞がある。
酸化防止剤遮蔽樹脂層に含有される樹脂には、各種添加剤、特に酸化防止剤の移行を抑制することができるものであれば、特に制限は無く、一般的な公知公用の樹脂を使用することができる。
酸化防止剤遮蔽樹脂層に含有される樹脂は、各種添加剤、特に酸化防止剤の移行を抑制することができるものであれば、特に制限は無い。
具体的な酸化防止剤遮蔽樹脂層用の樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。
上記の中でも、ポリエステル系樹脂およびポリアミド系樹脂が、柔軟性、耐突き刺し強度、耐ピンホール性などに優れていることから好ましく、ポリアミド系樹脂がより好ましい。
そして、上記の樹脂からなるフィルムは、未延伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。
上記の中でも、二軸延伸PETフィルム、二軸延伸ポリアミドフィルムが好ましく用いられ、二軸延伸ポリアミドフィルムがより好ましく用いられる。
酸化防止剤遮蔽樹脂層に用いる樹脂フィルムには、必要に応じて、加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度等を改良、改質する目的で、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料等のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、他の性能に悪影響を与えない範囲で、目的に応じて、任意に添加することができる。
酸化防止剤遮蔽樹脂層は、予め作製された酸化防止剤遮蔽樹脂層用の樹脂フィルムが接着剤等を介した接着によって積層されていてもよく、溶融した樹脂組成物が他層の上に溶融押出されて形成及び積層されていてもよい。
酸化防止剤遮蔽樹脂層用の樹脂フィルムの作製法としては、1種または2種以上の樹脂組成物を溶融押出して、インフレーション法によってフィルム化してもよく、T-ダイ成形等を用いたエクストルージョン法によってロール上に溶融押出しおよび狭窄して樹脂フィルム化してもよい。ここで、作製した樹脂フィルムの片面または両面をコロナ処理しておいて、接着して積層することが好ましい。
溶融押出によって酸化防止剤遮蔽樹脂層を形成する場合には、樹脂組成物を溶融し、(共)押出しして、積層対象層上に流して、フィードブロック法あるいはマルチマニホールド法を用いたT-ダイ成形等を用いたエクストルージョン法によって、酸化防止剤遮蔽樹脂層を形成することができる。
何れの方法においても、1層、または同一あるいは異なる組成の樹脂組成物を用いた多層の酸化防止剤遮蔽樹脂層を作製することができる。
酸化防止剤遮蔽樹脂層は接着剤層や酸素吸収性接着剤層を介して他層と積層することができる。さらに、必要に応じて、酸化防止剤遮蔽樹脂層と接着剤層や酸素吸収性接着剤層との接着強度を強固にするために、酸化防止剤遮蔽樹脂層の接着剤層や酸素吸収性接着剤層と接する側の表面に、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理、グロー放電処理、サンドブラスト処理等のなどの物理的な表面処理や、化学薬品を用いた酸化処理などの化学的な表面処理を予め施しておくこともできる。
≪シーラント層≫
本発明におけるヒートシール層は、電子レンジ処理時の高温に耐え、且つ優れたヒートシール性を示す為に、軟化点、耐熱性、耐酸化劣化性等の優れたバランスを有することが好ましい。
その為に、シーラント層は、高耐熱ヒートシール性樹脂と、酸化防止剤とを含有することが好ましい。
高耐熱ヒートシール性樹脂には、ヒートシール性と耐熱性及び耐酸化劣化性のバランスから、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、ポリプロピレン系樹脂がより好ましい。
シーラント層の軟化点は、120℃以上、170℃以下が好ましく、125℃以上、165℃以下がより好ましく、130℃以上、160℃以下が更に好ましい。
ここで、シーラント層の軟化点は、高耐熱ヒートシール性樹脂の軟化点とは必ずしも一致せず、同時に含有される、樹脂、酸化防止剤、他の添加剤等の種類や含有量によって変化する。
シーラント層の軟化点が上記範囲であれば、ヒートシール性、耐熱性、耐酸化劣化性のバランスに優れることが容易である。
酸化防止剤は、経時変化や、シーラント層または該シーラント層用の樹脂フィルムを形成する為の加熱時に発生するラジカルを消去することで、シーラント層中の樹脂の酸化劣化を抑制することができる。
ポリプロピレン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂よりは高い耐酸化劣化性を有するが、そのまま用いた場合には、シーラント層の耐酸化劣化性が不十分になり易い。しかし、酸化防止剤を同時に含有することによって、シーラント層の耐酸化劣化性が向上し、優れた軟化点、耐熱性、耐酸化劣化性等の優れたバランスを有することができる。
シーラント層中の酸化防止剤の含有量は、100ppm以上、10000ppm以下が好ましく、500ppm以上、7000ppm以下がより好ましく、1000ppm以上、5000ppm以下が更に好ましい。上記範囲よりも少ないと酸化防止効果が不十分になり易い。また、上記範囲よりも多くても、酸化防止効果の向上は頭打ちであり、酸素吸収性接着剤層に酸化防止剤が到達し易くなって、酸素吸収性を阻害する虞がある。
シーラント層は、優れた軟化点、耐熱性、耐酸化劣化性等の優れたバランスを失わない範囲において、他のヒートシール性樹脂を含有することもできる。
シーラント層は、1層で構成されていてもよく、組成や厚みが同一または異なる2層以上の多層構成であってもよい。
シーラント層の厚さは、10μm~200μmが好ましく、30μm~100μmがより好ましい。
また、シーラント層は、本発明の効果を著しく阻害しない範囲で、酸化防止剤以外の任意の添加剤を含んでもよい。添加剤としては、樹脂フィルムの成形加工性や生産性、各種の物性を調製するために一般に使用される種々の樹脂用添加剤、例えばアンチブロッキング剤、スリップ剤、顔料、流動制御材、難燃剤、充填剤、紫外線吸収剤、界面活性剤等が挙げられる。
さらに、電子レンジ対応ポリプロピレン系樹脂及び酸化防止剤を含有する樹脂組成物を用いて作製したCPPフィルム(二軸延伸ポリプロピレンフィルム)からシーラント層を形成することが特に好ましい。
[ヒートシール性樹脂]
一般的に、ヒートシール性樹脂には、ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、その他等の樹脂を使用することができる。これらの樹脂は、単独または複数を組み合せて使用できる。
(ポリオレフィン系樹脂)
ポリオレフィン系樹脂の例としては、オレフィン系モノマーが重合したポリオレフィンや、オレフィン系モノマーと各種の重合性モノマーとを併用して、グラフト重合、ブロック重合、ランダム重合等のまたは共重合によって得られた変性ポリオレフィン系樹脂が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂は、ポリオレフィンの合成に用いられたモノマーの骨格によって、例えば、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂に分類され、共重合体であってもよい。本発明においては、各種の総称として「系樹脂」を付記して、例えば、各種のポリエチレンの総称としてポリエチレン系樹脂とも表記する。
そして、エチレン、プロペン、1-ブテン、1,3-ブタジエン、1-ヘキセン等のα-オレフィンを原料に用いて重合して製造されるポリオレフィンは、それぞれ、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブチレン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリヘキセン系樹脂等と呼ばれる。
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸またはその無水物を用いた変性樹脂は、酸変性ポリオレフィン系樹脂とも呼ばれる。
ポリオレフィン系樹脂の具体例としては、例えば、ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン-α・オレフィン共重合体、ポリプロピレン系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、メチルペンテン(共)重合体、ブテン(共)重合体、ポリイソプレン、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、ポリノルボネン等の環状オレフィン(共)重合体等が挙げられる。共重合体は、グラフト重合体、ブロック重合体、ランダム重合体等の何れの共重合体であってもよい。
重合方法としては、例えば、低密度ポリエチレン用には高圧法が、直鎖状低密度ポリエチレン用には低圧重合法(チーグラー・ナッタ触媒を用いた気相重合法またはメタロセン触媒を用いた液相重合法)、スラリー法、溶液法、気相重合法等の重合方法が一般的である。
[酸化防止剤]
シーラント層に含有される酸化防止剤としては、例えば、フェノール系、ヒンダードフ
ェノール系、ラクトン系、チオエーテル系、没食子酸系、アスコルビン酸、エリソルビン酸、カテキン、ジブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、クエン酸、ブチルヒドロキシアニソール、亜リン酸エステル、ヒンダードアミン、芳香族アミン系等の酸化防止剤が挙げられ、これらからなる群から選ばれる1種または2種以上を使用することができる。
《シーラント層の形成方法》
シーラント層の形成方法は、特に限定されず、従来から公知の、シーラント層の積層方法を適用することができる。
例えば、シーラント層用の1層または2層以上からなるシーラントフィルムを予め作製しておき、該シーラントフィルムを、接着剤等を介して包装材を構成する他層と接着して積層してもよい。シーラントフィルムの作製法としては、1種または2種以上の樹脂組成物を溶融押出して、インフレーション法によってフィルム化してもよく、T-ダイ成形等を用いたエクストルージョン法によってロール上に溶融押出しおよび狭窄してフィルム化してもよい。
ここで、作製したシーラントフィルムの片面をコロナ処理しておいて、該コロナ処理面を積層対象側に対向させて接着して積層することが好ましい。
または、シーラント層を形成するための樹脂組成物を溶融し、溶融(共)押出しして、積層対象層上に流して、フィードブロック法あるいはマルチマニホールド法を用いたT-ダイ成形等を用いたエクストルージョン法によって包装材を構成する他層の上に1層または多層からなるシーラント層を積層してシーラント層を形成してもよい。
何れの方法においても、同一または異なる組成の樹脂組成物を用いて、共溶融押出しによって、多層のシーラント層を作製することができる。
≪接着剤層≫
接着剤層は、例えば、接着性の樹脂組成物を溶融押出する(共)押し出しラミネーション法やTダイ(共)押し出し法等によって形成された層(押出樹脂層)、液状の接着性の樹脂組成物を塗布して形成された層(塗布層)、ドライラミネート接着剤を用いたドライラミネーションによって形成された層(ドライラミネート層)の何れであってもよい。
上記の接着性の樹脂組成物に含有される樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂や、ポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸またはその無水物を使用して、グラフト重合または共重合によって酸変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、その他等の樹脂を使用することができる。これらの樹脂は、1種または2種以上を組み合せて使用することができる。
ポリオレフィン系樹脂の例としては、オレフィン系モノマーが重合したポリオレフィンや、オレフィン系モノマーと各種の重合性モノマーとを併用して、グラフト重合、ブロック重合、ランダム重合等のまたは共重合によって得られた変性ポリオレフィン系樹脂が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂は、ポリオレフィンの合成に用いられたモノマーの骨格によって、例えば、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂に分類され、共重合体であってもよい。本発明においては、各種の総称として「系樹脂」を付記して、例えば、各種のポリエチレンの総称としてポリエチレン系樹脂とも表記する。
そして、エチレン、プロペン、1-ブテン、1,3-ブタジエン、1-ヘキセン等のα-オレフィンを原料に用いて重合して製造されるポリオレフィンは、それぞれ、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブチレン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリヘキセン系樹脂等と呼ばれる。
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸またはその無水物を用いた変性樹脂は、酸変性ポリオレフィン系樹脂とも呼ばれる。
接着剤層に用いるポリオレフィン系樹脂の具体例としては、例えば、ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン-α・オレフィン共重合体、ポリプロピレン系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、メチルペンテン(共)重合体、ブテン(共)重合体、ポリイソプレン、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、ポリノルボネン等の環状オレフィン(共)重合体等が挙げられる。共重合体は、グラフト重合体、ブロック重合体、ランダム重合体等の何れの共重合体であってもよい。
接着剤層は、本発明の特性を損なわない範囲において、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、難燃化剤、架橋剤、着色剤等の添加剤を含むことができる。
接着剤層の厚みは、特に制限されるものではないが、1g/m2以上、20g/m2以下、或いは1μm以上、20μm以下であることが好ましい。押出樹脂層の厚みを上記数値範囲とすることで、安定した接着強度を有することができる。
また、ドライラミネートによって形成される接着剤層を構成するドライラミネート用接着剤としては、具体的には、2液硬化型ウレタン系接着剤、ポリエステルウレタン系接着剤、ポリエーテルウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリ酢酸ビニル系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤、その他等を使用することができる。
≪アンカーコート層≫
アンカーコート層は、アンカーコート剤を塗布して乾燥させることにより形成される層であり、隣接する層間の密着性を向上することができる。
アンカーコート剤としては、耐熱温度が135℃以上である任意の樹脂、例えばビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンイミン等からなるアンカーコート剤が挙げられる。
上記の中でも、特に、主剤として1分子中に2個以上のヒドロキシル基を有するポリアクリル系又はポリメタクリル系樹脂(ポリオール)を含有し、硬化剤としてイソシアネート化合物を含有する、硬化性のアンカーコート剤が好ましい。
また、シランカップリング剤を併用してもよく、耐熱性を高めるために硝化綿を併用してもよい。アンカーコート層の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、0.05μm以上、1μm以下が好ましい。
≪機能層≫
機能層としては、例えば、補助バリア層、保香層、遮光層、補強層等が挙げられる。
[補助バリア層]
補助バリア層は、酸素ガスや水蒸気等に対するバリア性を有する樹脂からなる層である。
上記の樹脂としては、具体的には、例えば、ポリアクリル系樹脂、ポリメタクリル系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリメタクリロニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂若しくはそのエチレン成分および/またはテレフタレート成分の一部を他のジまたはそれ以上の多価アルコール成
分またはジカルボン酸成分で共重合ないし変性した樹脂あるいはポリエチレンナフタレート系樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体のケン化物、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、その他等の樹脂を使用することができる。
上記の樹脂の中でも、保香性を有すると共に酸素ガスあるいは水蒸気等に対するバリア性を有する樹脂を使用することが好ましく、具体的には、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合体のケン化物、ポリアミド系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、または、ポリエステル系樹脂等からなる保香性、バリア性等に優れた樹脂を使用することが好ましい。
[保香層]
保香層は、充填包装する内容物中に含まれる香料成分等の吸着が少なく保香性等に優れ、更に、変味、異臭等を生じない性質を有する層である。
[遮光層]
遮光層は、遮光性素材からなり、内容物へ紫外線および/または可視光が到達して、内容物が光によって変質することを抑制する層である。
遮光層は、酸化チタン等を主成分とするホワイトインキ、カーボンブラック等を主成分とするブラックインキ、アルミペーストを主成分とするグレーインキ、顔料や染料等を加えて遮光化した着色剤着色樹脂フィルムを用いて形成することができる。
これらの遮光性素材は、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
遮光層の厚さは、ホワイトインキやブラックインキやグレーインキを用いた場合には、4μm以上、12μm以下であることが好ましく、5μm以上、9μm以下であることがより好ましい。
[補強層]
補強層は、包装材に、機械的強度、耐変形性、耐ピンホール性、耐熱性、密封性、品質保全性、作業性、衛生性、その他等を付与する層である。
補強層は、押し出し成膜またはインフレーション成膜された樹脂フィルムや、樹脂コーティング膜、合成紙等のいずれから形成されていてもよい。
補強層に含有される樹脂には、具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル-塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル-ブタジェン-スチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース、ニトロセルロース、その他等の公知の樹脂を用いることができる。
また、上記の樹脂フィルムは、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれでも使用することができる。
補強層の厚さは、特に制限は無いが、数μm~300μm位の範囲から選択して使用することができる。
[ゾルゲルコート層]
ゾルゲルコート層は金属酸化物蒸着層上に隣接して設けられる層であり、酸素ガスおよ
び水蒸気等へのガスバリア性を高めることができる。
ゾルゲルコート層は、金属アルコキシド、水溶性高分子、ゾルゲル法触媒、水及び有機溶剤等
を含有する樹脂組成物から形成される層である。
該樹脂組成物は金属アルコキシドのゾルゲル法による加水分解物及び/または加水分解縮合物等を含有し、ゾルゲルコート層は、ゾルゲル法による重縮合が更に進行した生成物を含有する。
ゾルゲルコート層は、1層または2層以上を重層した複合ポリマー層であってよい。また、乾燥後のゾルゲルコート層の厚さは0.01~100μmの範囲が好ましく、0.1~50μmがより好ましい。乾燥後の厚さが0.01μmより小さいとガスバリア性の向上効果が不足するおそれがあり、100μmより大きいとゾルゲルコート層にクラックが発生し易くなる。
(金属アルコキシド)
金属アルコキシドとしては、下記一般式で表される、1種または2種以上の化合物を好ましく用いることができる。
1 nM(OR2m
(ただし、式中、R1、R2は、炭素数1~8の有機基を表し、Mは金属原子を表し、nは0以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mはMの原子価を表す。)
ここで、金属原子Mとしては、珪素、ジルコニウム、チタン、アルミニウムその他を使用することができる。
1、R2は、同一であっても異なっていてもよい。また、同一分子中において、複数のR2は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
1、R2の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基から選ばれる1種等のアルキル基を挙げることができる。
このような金属アルコキシドとしては、例えば、テトラメトキシシランSi(OCH34、テトラエトキシシランSi(OC254、テトラプロポキシシランSi(OC374、テトラブトキシシランSi(OC494等、及び、有機物と結合する官能基を有するシランカップリング剤が挙げられ、1種または2種以上を混合して用いることができる。
シランカップリング剤としては、既知の有機反応性基含有オルガノアルコキシシランを用いることができ、1種または2種以上を混合して用いることができる。
特に、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランが好適であり、例えば、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、あるいは、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を用いることができる。
本発明において、上記のようなシランカップリング剤は、金属アルコキシドの合計量100質量部に対して1~20質量部程度の範囲内で含有することができる。
(水溶性高分子)
水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体等が好ましい。
市販のエチレン・ビニルアルコール共重合体としては、例えば、株式会社クラレ製、エバールEP-F101(エチレン含量;32モル%)、日本合成化学工業株式会社製、ソアノールD2908(エチレン含量;29モル%)等が挙げられる。
また、市販のポリビニルアルコール系樹脂としては、株式会社クラレ製のRSポリマーであるRS-110(ケン化度=99%、重合度=1,000)、同社製のクラレポバールLM-20SO(ケン化度=40%、重合度=2,000)、日本合成化学工業株式会社製のゴーセノールNM-14(ケン化度=99%、重合度=1,400)等が挙げられる。
水溶性高分子の含有量は、金属アルコキシド100質量部に対して5~500質量部が好ましい。5質量部よりも少ないと、ゾルゲルコート層の製膜性が劣って脆性が大きくなる傾向が有り、耐侯性等も低下する傾向があり、500質量部を越えると、ガスバリア性向上効果が低くなる傾向になる。
(ゾルゲル法触媒)
ゾルゲル法触媒としては、アミン系化合物または酸が好適である。
アミン系化合物としては、水に実質的に不溶で且つ有機溶媒に可溶な第3級アミンが好適である。具体的には、例えば、N,N-ジメチルベンジルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン等を使用することができる。特に、N,N-ジメチルべンジルアミンが好適である。
アミン系化合物の含有量は、金属アルコキシド100質量部当り、例えば0.01~1.0質量部、特に0.03~0.3質量部を含有することが好ましい。0.01質量部よりも少ないと触媒効果が小さすぎ、1.0質量部よりも多いと触媒効果が強すぎて反応速度が速くなり過ぎ、不均一になり易い傾向になる。
酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸、ならびに、酢酸、酒石酸な等の有機酸等を用いることができる。
酸の含有量は、金属アルコキシドのアルコキシ基の総モル量に対して、0.001~0.05モル%が好ましく、0.01~0.03モル%がより好ましい。0.001モル%よりも少ないと触媒効果が小さすぎ、0.05モル%よりも多いと触媒効果が強すぎて反応速度が速くなり過ぎ、不均一になり易い傾向になる。
(有機溶媒)
有機溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール等を用いることができる。
ゾルゲルコート層は、前記樹脂組成物からなる塗工液を、通常用いられる、グラビアロールコーターなどのロールコート、スプレーコート、スピンコート、ディッピング、刷毛、バーコード、アプリケータ等の従来公知の手段により、1回あるいは複数回塗布、乾燥して形成することができる。
そして、塗工液が塗布・乾燥された包装材を20~250℃、好ましくは50~220℃で、1秒~10分間加熱する。
<電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材の作製方法について>
上記のような材料を使用して、本発明の電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材を製造する方法について説明する。下記に示した作製方法は1例であって、本発明を限定するものではない。
本発明の電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材を構成する各層の積層は、通常の包装材を製造するときに使用するラミネートする方法、例えば、ウェットラミネーション法、ドライラミネーション法、無溶剤型ドライラミネーション法、押し出しラミネーション法、Tダイ共押し出し成形法、共押し出しラミネーション法、インフレーション法、その他等の任意の方法で行うことができる。
本発明の電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材には、化学的機能、電気的機能、磁気的機能、力学的機能、摩擦/磨耗/潤滑機能、光学的機能、熱的機能、生体適合性等の表面機能等の付与を目的として、二次加工を施すことも可能である。
二次加工の例としては、エンボス加工、塗装、接着、印刷、メタライジング(めっき等
)、機械加工、表面処理(帯電防止処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、フォトクロミズム処理、物理蒸着、化学蒸着、コーティング、等)等が挙げられる。
また、本発明の電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材に、ラミネート加工(ドライラミネートや押し出しラミネート)、製袋加工、およびその他の後処理加工を施すこともできる。
そして、上記の積層を行う際に、必要に応じて、例えば、コロナ処理、オゾン処理等の前処理を各層の表面に施すことができる。また、例えば、イソシアネート系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジェン系、有機チタン系等のアンカーコーティング剤、あるいはポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系、その他等のラミネート用接着剤等のアンカーコート剤等を任意に使用することができる。
本発明では、基材層、金属酸化物蒸着層、印刷インキ層、酸素吸収性接着剤層、酸化防止剤遮蔽樹脂層、シーラント層がこの順で積層されてさえいれば、各層の形成や積層の順序は任意でよい。
例えば、基材層/金属酸化物蒸着層/印刷インキ層/酸素吸収性接着剤層/酸化防止剤遮蔽樹脂層/シーラント層という層構成を有する電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材を作製する場合について、一例を説明する。
1)金属酸化物蒸着層が蒸着された基材層用の樹脂フィルムの金属酸化物蒸着層面に、印刷用インキをグラビア印刷法等により印刷し、印刷インキ層を形成する。
2)上記で形成された印刷インキ層面に、酸素吸収性接着剤組成物を塗布し、乾燥して、酸素吸収性接着剤層を形成し、酸化防止剤遮蔽樹脂層用の樹脂フィルムを貼り付けて、酸化防止剤遮蔽樹脂層を形成する。
3)形成された酸化防止剤遮蔽樹脂層面に接着剤を塗布し、乾燥して、接着剤層を形成し、シーラント層用のシーラントフィルムを貼り付けて、シーラント層を形成する。
4)必要に応じてエージング処理を行う。
このようにして、電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材を得ることができる。
<<電子レンジ対応酸素吸収性包装容器>>
本発明の電子レンジ対応酸素吸収性包装容器は、本発明の電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材から作製された、包装容器である。
電子レンジ対応酸素吸収性包装容器の具体例としては、パウチ、蓋部品及び底部品からなる容器、成形容器、ハム用等の絞り容器等が挙げられる。また、これらには、様々な形状デザインや印刷装飾によって付加価値を付与することができる。
従来の鉄粉系の酸素吸収フィルムを用いて作製した酸素吸収性の包装容器は、鉄粉系の酸素吸収剤による着色が濃くて内容物を視認できず、金属探知機等を用いた内容物検査が行えず、電子レンジでの加温が不可能であり、水分による錆発生の懸念がある。
これに対して、本発明の電子レンジ対応酸素吸収性包装容器は、鉄粉系の酸素吸収剤を含有していないことから、パウチの無色化及び/または透明化、内容物の視認、金属探知機等を用いた内容物検査、電子レンジでの加温が可能であり、水分による錆発生の懸念が無い。
《電子レンジ対応酸素吸収性パウチ》
本発明の電子レンジ対応酸素吸収性パウチは、本発明の電子レンジ対応酸素吸収性包装容器の一態様であって、袋状の形状を有しており、種々の形態の包装袋であってよい。また、様々な形状デザインや印刷装飾によって付加価値を付与することができる。
パウチは、ボトルと比較して少ない材料で作製可能であり、省資源化に有効である。
電子レンジ対応酸素吸収性パウチの形状の具体例としては、基本的な形状の平面的な平
パウチや、袋の底が例えば四角く広がって自立できるガセット型パウチ、詰め替え用パウチ、液体小袋用パウチ、バッグインボックス用パウチ、輸液バッグ用パウチ、スティック包装用パウチ、スパウトが袋の上部の中央または上部の角に付いたスパウト付きパウチ等が挙げられ、チャックやスパウトをつけて内容物の出し入れや保管の利便性をたかめることができるが、図5に示すように、蒸気機構(46)を有することが好ましい。
平パウチは、例えば図3のような、壁面フィルム(11a、11b)の周辺部がシール部(12)である、平らな形状のパウチである。1つまたは2つのノッチ(13a、13b)を有していてもよい。
[電子レンジ対応酸素吸収性パウチの作製方法]
電子レンジ対応酸素吸収性パウチは、例えば、電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材を二つ折りにしたり、内容物を包むように重ねたり、2枚の電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材のシーラント層の面を対向させて重ね合わせたりして、次いで周辺端部を様々な形態でヒートシールして、種々の形状に作成することができる。
ヒートシールの形態としては、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型等が挙げられる。
ヒートシールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール、火炎シール等が挙げられる。
電子レンジ対応酸素吸収性パウチはヒートシールによって封止されることで、電子レンジを用いた加熱処理に適した気密性を有することができる。
《電子レンジ対応蓋部品及び電子レンジ対応底部品からなる電子レンジ対応酸素吸収性包装容器》
本発明の電子レンジ対応酸素吸収性包装容器は、例えば、図4に示すように、電子レンジ対応酸素吸収性蓋部品と、凹部を有する電子レンジ対応酸素吸収性底部品等とを組み合わせて用いて作製した包装容器であってもよい。
蓋部品と底部品等とからなる容器において、蓋部品及び底部品の各シーラント層は、互いに対向するようにフリンジ部で接してヒートシールされている。
容器内の凹部には内容物を収容することができる。
内容物を収容したのちに、底部品のフランジ部とフィルム状の蓋部品とを、ヒートシールや接着剤による接着によって気密性封止して、内容物を保護することができる。
そして、蓋部品を剥離することで、収容された内容物を容易に取り出すことができる。
[電子レンジ対応酸素吸収性蓋部品]
本発明の電子レンジ対応酸素吸収性蓋部品は、本発明の電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材から作製された、電子レンジ対応包装容器用の蓋部品である。また、様々な形状デザインや印刷装飾によって付加価値を付与することができる。
該蓋部品は、フィルム状であり、本発明の蓋部品用酸素吸収性包装材を、組み合わされる底部品のヒートシール部分の外周と略同一に合致させた形状、該外周よりも一回り大きい形状、または部分的に該外周から突出した形状を有していてもよい。
[電子レンジ対応酸素吸収性底部品]
本発明の電子レンジ対応酸素吸収性底部品は、本発明の電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材から作製された、電子レンジ対応包装容器用の底部品である。また、様々な形状デザインや印刷装飾によって付加価値を付与することができる。
該底部品は、例えば、内容物を収容する為の凹部と、蓋部品にヒートシールされるためのフランジ部とを有したトレー状の形状を呈していてもよい。
《蓋部品及び底部品からなる電子レンジ対応酸素吸収性包装容器の作製方法》
本発明の電子レンジ対応酸素吸収性蓋部品及び電子レンジ対応酸素吸収性底部品からなる電子レンジ対応酸素吸収性包装容器は、例えば、以下の作製方法によって作製することができる。
下記に挙げた例は、電子レンジ対応酸素吸収性包装容器の作製方法の一例を示したに過ぎないものであり、これによって本発明が限定されるものではない。
図4に示された容器を作製するには、先ず、トレー状の底部品を用意する。
そして、蓋部品を、シーラント層が底部品に対向するように乗せ、底部品のフランジ部と重なっているエリアをヒートシールする。
ここで、蓋部品を底部品に乗せる際は、1個の底部品に1枚の蓋部品を乗せてヒートシールしてもよく、2個以上の底部品にわたって1枚の蓋部品を乗せてヒートシールしてもよい。また、該2個以上の底部品は個別に切断されていてもよく、繋がっていてもよい。
上記において、ヒートシールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール、火炎シール等の公知の方法で行うことができる。
1個の底部品に1枚の蓋部品を乗せる場合には、蓋部品は底部品のフランジ部の外周に合致した形状、該外周よりも一回り大きい形状、または部分的に該外周から突出した形状であってもよい。
また、2個以上の底部品にわたって1枚の蓋部品を乗せる場合には、蓋部品は底部品のフランジ部の外周に合致した形状、該外周よりも一回り大きい形状、または部分的に該外周から突出した形状に切断してもよい。
そして、個別化されている容器に対して、底部品のフランジ部と蓋部品の外周が合致した形状に、蓋部品を切断する。
尚、内容物を収容する場合には、上記のヒートシールする前に、内容物を底部品の凹部に収容し、しかる後に、上記のシートシールを行うことが好ましい。
以下に、実施例、比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
以下の実施例および比較例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
<原料>
実施例で用いた主な原料は下記の通りである。
[酸素吸収性化合物用原料]
・ポリプロピレンエーテルジオール1:三洋化成株式会社製、SANNIX PP-1000。数平均分子量1000。
・ポリプロピレンエーテルジオール2:三洋化成株式会社製、SANNIX PK-400。数平均分子量400。
・水酸基末端ポリイソプレン1:出光興産株式会社製、Poly ip。数平均分子量2500。
・水酸基末端ポリブタジエン1:出光興産株式会社社製、Poly bd R15HT。数平均分子量1200。1,3-ブタジエンの水酸基末端1,2付加重合体。
・トルエンジイソシアネート1:東ソー株式会社製、コロネートT-65。
・酸素吸収性化合物1:3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデン-6-オール。
・酸化促進触媒溶液1:ホープ製薬株式会社製、オクトープAE。酸化促進触媒であるオクチル酸コバルトの4%酢酸エチル溶液。
・酸化促進触媒溶液2:ホープ製薬株式会社製、アセトープMn(III)。酸化促進触媒であるアセチルアセトンマンガン(III)の10%酢酸エチル溶液。
[接着剤]
・DL接着剤1:ロックペイント株式会社製、ドライラミネーション用2液硬化型ポリエステルポリウレタン系接着剤、Ru-004/H-1。
[基材層用フィルム]
・透明蒸着PETフィルム1:大日本印刷株式会社製IB-PET。透明片面アルミナ蒸着PETフィルム。12μm厚。
[印刷インキ]
・印刷用インキ1:東洋インキ株式会社製リオアルファR631白。
[酸化防止剤遮蔽樹脂層用フィルム]
ポリアミド(ナイロン)を用いて、下記のポリアミドフィルム1、2を押出成形及び2軸延伸によって作製した。
・ポリアミドフィルム1:2軸延伸ポリアミドフィルム。15μm厚。
・ポリアミドフィルム2:2軸延伸ポリアミドフィルム。25μm厚。
[酸化防止剤]
・酸化防止剤1:BASFジャパン株式会社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤Iragnox1010
[シーラント層用フィルム]
軟化点の異なるポリプロピレンに酸化防止剤1をドライブレンドによって添加し、下記のCPPフィルム1、2、3を押出成形によって作製した。
・CPPフィルム1:無延伸CPPフィルム。酸化防止剤1添加量1000ppm、70μm厚、軟化点125℃。
・CPPフィルム2:無延伸CPPフィルム。酸化防止剤1添加量1500ppm、70μm厚、軟化点145℃。
・CPPフィルム3:無延伸CPPフィルム。酸化防止剤1添加量2000ppm、70μm厚、軟化点165℃。
<<酸素吸収性接着剤組成物の調製と評価>>
<原料の溶液調製>
(ポリオール1の合成とポリオール溶液1の調製)
窒素導入管、撹拌機、精留塔、コンデンサーを備えたフラスコに、下記原料を加え、撹拌しながら内温180~200℃で脱水縮合させた。
エチレングリコール 53.8質量部
ネオペンチルグリコール 180.3質量部
1,6-ヘキサンジオール 204.6質量部
イソフタル酸 287.8質量部
アジピン酸 273.5質量部
反応液固形分の酸価が15mgKOH/gになったところで、窒素を吹き込みながら、200~240℃でさらに脱水反応を進行させた。
反応液固形分の酸価が10mgKOH/g以下になったこところで、内圧を30Torrに減圧して引き続き反応を進行させた。
反応液固形分の酸価3mgKOH/g以下になったところで、反応を終了させて、室温まで冷却して、ポリオール1を得た。
得られたポリエステルポリオールであるポリオール1の数平均分子量は2000であった。
次いで、ポリオール1を酢酸エチルに溶解して、固形分60質量%に調製して、ポリオール溶液1を得た。
(ポリオール2の合成とポリオール溶液2の調製)
窒素導入管、撹拌機、コンデンサーを備えたフラスコに、下記原料を仕込み、撹拌しながら加熱し、6時間還流反応を行った。
ポリプロピレンエーテルジオール1 300.0質量部
ポリプロピレンエーテルジオール2 250.0質量部
トルエンジイソシアネート1 104.0質量部
酢酸エチル 163.5質量部
赤外吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収が完全に消失していることを確認し合成を終了させ、冷却して、ポリオール2を得た。
得られたウレタン鎖伸長ポリオールであるポリオール2の数平均分子量は2000であった。
次いで、ポリオール2を酢酸エチルに溶解して、固形分60質量%に調製して、ポリオール溶液2を得た。
(ポリイソシアネート溶液1の調製)
窒素導入管、撹拌機、コンデンサーを備えたフラスコに、下記原料を加えて撹拌し、固形分60質量%のポリイソシアネート溶液1を得た。
ヘキサメチレンジイソシアネートのビューレット体 100.0質量部
酢酸エチル 66.7質量部
Figure 2024051981000014
<酸素吸収性化合物の合成と酸素吸収性化合物溶液の調製>
[酸素吸収性化合物2]
先ず、窒素導入管、撹拌機、コンデンサーを備えたフラスコに、下記原料を加え、撹拌しながら内温80~90℃で8時間反応を行った。
酸素吸収性化合物1 100.0質量部
イソホロンジイソシアネート 74.0質量部
赤外吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収が完全に消失していることを確認して合成を終了させ、冷却して、酸素吸収性化合物2を得た。
そして、酸素吸収性化合物2を酢酸エチルに溶解して固形分80質量%の、酸素吸収性化合物溶液2を調製した。
[酸素吸収性化合物3]
先ず、窒素導入管、撹拌機、コンデンサーを備えたフラスコに、下記原料を加え、撹拌しながら内温80~90℃で8時間反応を行った。
酸素吸収性化合物1 100.0質量部
ポリイソシアネート溶液1 212.5質量部
アミン当量法による反応液固形分中のNCO基の含有量がほぼ0.64質量%になったことを確認して合成を終了させ、冷却して、溶媒を除去して、酸素吸収性化合物3を得た。
そして、酸素吸収性化合物3を酢酸エチルに溶解して固形分60質量%の、酸素吸収性化合物溶液3を調製した。
[酸素吸収性化合物4]
先ず、窒素導入管、撹拌機、コンデンサーを備えたフラスコに、下記原料を加え、撹拌しながら内温80~90℃で8時間反応を行った。
酸素吸収性化合物1 100.0質量部
ポリオール溶液1 682.3質量部
ポリイソシアネート溶液1 265.6質量部
赤外吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収が完全に消失していることを確認して合成を終了させ、冷却して、溶媒を除去して、酸素吸収性化合物4を得た。
そして、酸素吸収性化合物4を酢酸エチルに溶解して固形分60質量%の、酸素吸収性化合物溶液4を調製した。
[酸素吸収性化合物5]
ポリオール溶液1の替わりに、ポリオール溶液2を用いた以外は、上記の酸素吸収性化合物4と同様に操作して、酸素吸収性化合物5を得た。
そして、酸素吸収性化合物5を酢酸エチルに溶解して固形分60質量%の、酸素吸収性化合物溶液5を調製した。
[酸素吸収性化合物6]
窒素導入管、撹拌機、コンデンサーを備えたフラスコに、下記原料を仕込み、撹拌しながら内温80~90℃で6時間反応を行った。
水酸基末端ポリイソプレン1 100.0質量部
イソホロンジイソシアネート 4.7質量部
赤外吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収が完全に消失していることを確認し合成を終了させ、冷却して、ウレタンポリオールである酸素吸収性化合物6を得た。
得られた酸素吸収性化合物6の数平均分子量は7000であった。
そして、酸素吸収性化合物6を酢酸エチルに溶解して固形分60質量%の、酸素吸収性化合物溶液6を調製した。
酸素吸収性化合物2~6を合成した際の反応液の仕込み組成を表2にまとめた。
また、酸素吸収性化合物溶液2~6の仕込み組成を表3にまとめた。
Figure 2024051981000015
Figure 2024051981000016
<酸素吸収性接着剤組成物の調製>
(酸素吸収性接着剤組成物A1の調製)
下記原料を室温で混合して均一化して、酸素吸収性接着剤組成物A1を得て、各種評価を実施した。
酸素吸収性化合物溶液2 100質量部
ポリオール溶液1 100質量部
ポリイソシアネート溶液1 10質量部
酸化促進触媒溶液1 1質量部
酢酸エチル 140質量部
(酸素吸収性接着剤組成物A2~A9、B1~B2の調製)
表4の配合に従って、酸素吸収性接着剤組成物A1と同様に操作して、酸素吸収性接着剤組成物A2~A9、B1~B2を得た。
<酸素吸収性接着剤組成物の評価>
上記で得られた各酸素吸収性接着剤組成物を用いて試験用ラミネートフィルムを作製し、酸素吸収性接着剤組成物についての簡易評価を実施した。
[試験用ラミネートフィルムの作製]
酸素吸収性接着剤組成物を、バーコーターにて乾燥塗布量が5.0g/m2になるように、PETフィルム1に塗布および乾燥した後に、LLDPEフィルム1を貼り合せ、60℃のホットプレート上にてニップを行い、25℃にて2日間エージングし、試験片用ラミネートフィルムを得た。
[酸素吸収量]
試験用ラミネートフィルムを2つ折りして、内寸130mm×70mmとなるように三方をヒートシールして、包装袋を作製し、酸素センサーチップ(Precision Sensing社 非破壊酸素センサーチップ)を該包装袋に入れて、包装袋を封止した。
そして、注射器にて26ccの空気を包装袋に注入し、粘着テープで注入部を補修し、注入時と、25℃の恒温槽にて保管14日後の酸素濃度を測定し、酸素吸収量を算出した。
[ラミネート強度]
上記で得た試験用ラミネートフィルムから幅15mmの短冊状試験片を作製し、PETフィルム1とLLDPEフィルム1間のラミネート強度を、引っ張り試験機を用いて、引っ張り速度50mm/分にて、ラミネート強度を測定した。
[臭気性]
上記の酸素吸収性の測定後に、包装袋を開封して、下記の評価基準に従って臭気を官能評価した。
評価基準:
0:無臭
1:かすかな臭気
2:弱い臭い
3:中程度の臭い
4:強い臭い
Figure 2024051981000017
<<酸素吸収性包装材の作製と評価>>
<酸素吸収性包装材の評価方法>
[ヒートシール性]
得られた包装材から、100mm×100mmの包装材を2枚切り出して、シーラント層面を対向させて重ね合せ、ヒートシールテスター(テスター産業社製:TP-701-A)を用いて、10mm×100mmの領域を下記条件でヒートシールして、端部はヒートシールされずに接着しておらず、二股に分かれている状態の引き剥がし強度の試験片を作製した。
この試験片を、15mm幅で短冊状に切り、二股に分かれている各端部を引張試験機に装着して下記条件で引き剥がし強度(N/15mm)を測定して、下記合否判定基準で合否判定した。
ヒートシール条件
温度:200℃
圧力:1kgf/cm2
時間:1秒
試験条件
試験速度:300mm/分
荷重レンジ:50N
合否判定基準
○:15N/15mm以上であり、合格。
×:15N/15mm未満であり、不合格。
[層間接着性]
得られた包装材から、15mm×100mmの短冊状試験片を切り出し、酸素吸収性接着剤層を挟んだ層間の接着強度を、引っ張り試験機を用いて、引っ張り速度50mm/分にて、層間接着強度を測定した。
合否判定基準
○:3N/15mm以上であり、合格。
×:3N/15mm未満であり、不合格。
[溶存酸素量]
得られた包装材から内寸110mm×150mmのパウチを作製し、パウチ内部に、180mLの飲料水と、酸素センサーチップ(Precision Sensing社製非破壊酸素センサーチップ)とを封入し、ボイル・レトルト処理(121℃、30分)直後のパウチ内の溶存酸素量を、非破壊酸素濃度測定計(Presence社製非破壊酸素濃度測定計:FIBOX4 OXYGEN METER)を用いて測定し、合否を判定した。
合否判定基準
○:3ppm以下であり、合格。
×:3ppmを超えており、不合格。
[耐電子レンジ性]
得られた包装材から内寸110mm×150mmのパウチを作製し、パウチ内に水を充填し、電子レンジにて600w、2分の条件にて加熱し、パウチの穴あきの有無を目視によって検出した。表中の記載の意味は下記の通り。
○:穴あき無、合格。
×:穴あき有、不合格。
[液体内容物臭味変化]
上記の溶存酸素量測定後に、パウチ内部の飲料水について、下記の評価基準に従って臭味を官能評価した。
評価基準:
0:無味無臭
1:かすかな臭味
2:弱い臭味
3:中程度の臭味
4:強い臭味
[実施例1]
透明蒸着PETフィルム1の金属酸化物蒸着層面に、印刷用インキ1をグラビア印刷法により乾燥塗布量が2g/m2になるように印刷し、印刷インキ層を形成した。
次いで、印刷インキ層面に、酸素吸収性接着剤組成物A1を乾燥塗布量が4g/m2になるように塗布・乾燥したのちに、ポリアミドフィルム1をドライラミネート法によって貼り合せて、貼り合わせフィルム1を得た。
次いで、得られた貼り合わせフィルム1のポリアミドフィルム1面に、DL接着剤1を乾燥塗布量が4g/m2になるように塗布・乾燥したのちに、CPPフィルム1をドライラミネート法によって貼り合わせて、40℃で3日間エージングし、下記層構成の電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材を得て、各種評価を実施した。
層構成:透明蒸着PETフィルム1(12μm厚)[PETフィルム層/透明アルミナ蒸着層]/印刷インキ層(2g/m2)/酸素吸収性接着剤組成物A1(4g/m2)/ポリアミドフィルム1(15μm厚)/DL接着剤1(4g/m2)/CPPフィルム1(70μm厚)
[実施例2]
実施例2のポリアミドフィルム1をポリアミドフィルム2に変えた以外は、実施例1と同様に操作して電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材を得て、同様に各種評価を実施した。
層構成:透明蒸着PETフィルム1(12μm厚)[PETフィルム層/透明アルミナ蒸着層]/印刷インキ層(2g/m2)/酸素吸収性接着剤組成物A1(4g/m2)/ポリアミドフィルム2(25μm厚)/DL接着剤1(4g/m2)/CPPフィルム1(70μm厚)
[実施例3]
実施例2のCPPフィルム1をCPPフィルム2に変えた以外は、実施例1と同様に操作して電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材を得て、同様に各種評価を実施した。層構成:透明蒸着PETフィルム1(12μm厚)[PETフィルム層/透明アルミナ蒸着層]/印刷インキ層(2g/m2)/酸素吸収性接着剤組成物A1(4g/m2)/ポリアミドフィルム1(15μm厚)/DL接着剤1(4g/m2)/CPPフィルム2(70μm厚)
[実施例4]
実施例1のCPPフィルム1をCPPフィルム3に変えた以外は、実施例1と同様に操作して電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材を得て、同様に各種評価を実施した。層構成:透明蒸着PETフィルム1(12μm厚)[PETフィルム層/透明アルミナ蒸着層]/印刷インキ層(2g/m2)/酸素吸収性接着剤組成物A1(4g/m2)/ポリアミドフィルム1(15μm厚)/DL接着剤1(4g/m2)/CPPフィルム3(70μm厚)
[比較例1]
透明蒸着PETフィルム1の金属酸化物蒸着層面に、印刷用インキ1をグラビア印刷法により乾燥塗布量が2g/m2になるように印刷し、印刷インキ層を形成した。
次いで、透明蒸着PETフィルムの印刷インキ層面にDL接着剤を乾燥塗布量が4g/
2になるように塗布・乾燥したのちに、ポリアミドフィルム1をドライラミネート法によって貼り合せて、貼り合わせフィルムを得た。
次いで、得られた貼り合わせフィルムのポリアミドフィルム1面にDL接着剤を乾燥塗布量が4g/m2になるように塗布・乾燥したのちに、CPPフィルムをドライラミネート法によって貼り合わせて、40℃で3日間エージングし、下記層構成の包装材を得て、各種評価を実施した。
層構成:透明蒸着PETフィルム1(12μm厚)[PETフィルム層/透明アルミナ蒸着層]/印刷インキ層(2g/m2)/DL接着剤1(4g/m2)/ポリアミドフィルム1(15μm厚)/DL接着剤1(4g/m2)/CPPフィルム1(70μm厚)
[比較例2]
透明蒸着PETフィルム1の金属酸化物蒸着層面に、印刷用インキ1をグラビア印刷法により乾燥塗布量が2g/m2になるように印刷し、印刷インキ層を形成した。
次いで、透明蒸着PETフィルムの印刷インキ層面にDL接着剤を乾燥塗布量が4g/m2になるように塗布・乾燥したのちに、ポリアミドフィルム1をドライラミネート法によって貼り合せて、貼り合わせフィルムを得た。
次いで、得られた貼り合わせフィルムのポリアミドフィルム1面に酸素吸収性接着剤組成物を乾燥塗布量が4g/m2になるように塗布・乾燥したのちに、CPPフィルム1をドライラミネート法によって貼り合わせて、40℃で3日間エージングし、下記層構成の包装材を得て、各種評価を実施した。
層構成:透明蒸着PETフィルム(12μm厚)[PETフィルム層/透明アルミナ蒸着層]/印刷インキ層(2g/m2)/DL接着剤(4g/m2)/ポリアミドフィルム1(15μm厚)/酸素吸収性接着剤組成物A1(4g/m2)/CPPフィルム1(70μm厚)
[比較例3]
透明蒸着PETフィルム1の金属酸化物蒸着層面に、印刷用インキ1をグラビア印刷法により乾燥塗布量が2g/m2になるように印刷し、印刷インキ層を形成した。
次いで、透明蒸着PETフィルム1の印刷インキ層面に、酸素吸収性接着剤組成物A1を乾燥塗布量が4g/m2になるように塗布・乾燥したのちに、CPPフィルム1をドライラミネート法によって貼り合わせて、40℃で3日間エージングし、下記層構成の包装材を得て、各種評価を実施した。
層構成:透明蒸着PETフィルム1(12μm厚)[PETフィルム層/透明アルミナ蒸着層]/印刷インキ層(2g/m2)/酸素吸収性接着剤組成物A1(4g/m2)/CPPフィルム1(70μm厚)
Figure 2024051981000018
<結果まとめ>
本発明の全実施例の電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材は、優れたヒートシール性、層間密着性、酸素吸収性、耐電子レンジ性、液体内容物の耐臭味変化性のバランスを示した。
一方、酸素吸収性接着剤層を含まない比較例1の包装材と、酸素吸収性接着剤層とシーラント層との間に酸化防止剤遮蔽樹脂層を含まない比較例2と比較例3の包装材は、劣った酸素吸収性を示した。
1 電子レンジ対応包装容器用酸素吸収性包装材
2 基材層
3 金属酸化物蒸着層
4 印刷インキ層
5 酸素吸収性接着剤層
6 酸化防止剤遮蔽樹脂層
7 シーラント層
8 接着剤層
10 電子レンジ対応酸素吸収性平パウチ
11a、11b 壁面フィルム
12 シール部
13a、13b ノッチ
20 電子レンジ対応酸素吸収性包装容器
21 電子レンジ対応酸素吸収性底部品
22 内容物収容凹部
23 フランジ部
24 電子レンジ対応酸素吸収性蓋部品
40 電子レンジ対応型酸素吸収性レトルトパウチ
41a,41b 壁面フィルム
42 ヒートシール部
43 底部ガゼット部
44 開口
45 開封用ノッチ
46 蒸気機構
46a 未ヒートシール部
46b 隔離ヒートシール部

Claims (7)

  1. 少なくとも、基材層と、金属酸化物蒸着層と、印刷インキ層と、酸素吸収性接着剤層と、酸化防止剤遮蔽樹脂層と、シーラント層とを、この順に有する、電子レンジ対応酸素吸収性包装材であって、
    酸素吸収性接着剤層は、少なくとも、酸素吸収性化合物と、酸化促進触媒とを含有する酸素吸収性接着剤組成物からなる層であり、
    酸化防止剤遮蔽樹脂層は、ポリアミド系樹脂を含有し、
    シーラント層は、ポリオレフィン系樹脂と酸化防止剤とを含有し、
    酸素吸収性化合物は、1個または2個以上の不飽和五員環を有し、
    不飽和五員環を構成する5つの炭素原子間の何れかの結合は、炭素-炭素二重結合であり、
    不飽和五員環には、1価および/または2価以上の電子供与性の有機基1が結合し、
    不飽和五員環が1個の場合には、該五員環または該有機基1は、活性水素を有する官能基、または活性水素を有する官能基の活性水素が1価の有機基2に置換された基を有し、
    不飽和五員環が2個以上の場合には、該不飽和五員環同士は、各々の該五員環または該有機基1上の活性水素基の活性水素を置換する2価以上の有機基2を介して結合していることを特徴とする、電子レンジ対応酸素吸収性包装材。
  2. 前記酸素吸収性接着剤組成物が、変性剤をさらに含有し、
    変性剤は、イソシアネート系化合物および/または水酸基含有化合物を含有することを特徴とする、請求項1に記載の電子レンジ対応酸素吸収性包装材。
  3. 前記ポリオレフィン系樹脂が、ポリプロピレン系樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載の電子レンジ対応酸素吸収性包装材。
  4. ゾルゲルコート層を、金属酸化物蒸着層のシーラント層側の面に、さらに含み、
    ゾルゲルコート層は、金属アルコキシド、水溶性高分子、ゾルゲル法触媒、水及び有機溶剤等を含有する樹脂組成物から形成される層であることを特徴とする、請求項1に記載の電子レンジ対応酸素吸収性包装材。
  5. 前記酸素吸収性化合物が、下記式(1)~(5)で示される化合物からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項1に記載の電子レンジ対応酸素吸収性包装材。
    Figure 2024051981000019
    Figure 2024051981000020
    Figure 2024051981000021
    Figure 2024051981000022
    Figure 2024051981000023
    (式中、a~eの各々は1以上の数、fは0以上の数であり、R1、R2、R3、R4、R5の各々は炭素数1以上の有機基である。また、R1、R2、R3、R4、R5の各々は、少なくともアルキレンおよび/またはフェニレン構造を含むことができ、多価アルコール類、ポリオレフィンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリ(メタ)アクリル酸エステルポリオール、フェノキシ樹脂、およびこれらのウレタン鎖伸長ポリオールからなる群から選ばれる1種または2種以上に由来する構造を含むことができる。)
  6. 請求項1~5の何れか1項に記載の電子レンジ対応酸素吸収性包装材からなることを特徴とする、電子レンジ対応酸素吸収性包装容器。
  7. 請求項1~5の何れか1項に記載の電子レンジ対応酸素吸収性包装材からなることを特徴とする、電子レンジ対応酸素吸収性包装袋。
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