JP2024051573A - 固体冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】固体冷凍装置の大型化や複雑化を回避しつつ低温側熱交換器の除霜を行えるようにする。【解決手段】固体冷凍装置(1)は、加熱運転と、デフロスト運転とを行う。デフロスト運転では、加熱運転で第2熱交換器(17)に付着した霜を取り除く。固体冷媒物質(12)は、熱量効果が最大となる温度が異なる複数の物質(12a~12e)を含み、前記複数の物質(12a~12e)は、内部流路(13)に沿って前記温度の高低順に配置される。デフロスト運転において、力場変動の位相に対する内部流路(13)における熱媒体の搬送方向を、加熱運転とは反対向きに切り替える。【選択図】図5

Description

本開示は、固体冷凍装置に関するものである。
特許文献1に開示された磁気冷凍装置は、複数のベッド、高温側熱交換器、及び低温側熱交換器を有する。ベッド、高温側熱交換器、及び低温側熱交換器は熱媒体回路に接続される。ベッドでは、磁気作業物質の磁場変動に伴い、磁気作業物質が発熱又は吸熱する。熱媒体回路の熱媒体は、発熱する磁気作業物質により加熱され、或いは、吸熱する磁気作業物質により冷却される。このような動作により、高温側熱交換器の熱媒体と低温側熱交換器の熱媒体との間に温度差が生じる。
低温側熱交換器では熱媒体の温度が低くなるので、低温側熱交換器の表面に霜が付くことがある。特許文献1では、高温側熱交換器に貯まった熱媒体を低温側熱交換器に搬送することで、低温側熱交換器に対し除霜(デフロスト)を行っている。
特開2016-11799号公報
しかしながら、特許文献1のデフロスト方法によると、高温側熱交換器に貯まった熱媒体を低温側熱交換器の除霜に利用しているため、霜を溶かすために十分な温熱を確保するためには、高温側熱交換器のサイズを低温側熱交換器に対して大きくする必要がある。また、流路切り替えにより高温側と低温側とを入れ替えて、磁気作業物質の生成する温熱で除霜する方法が提案されているが、この方法では、熱媒体回路にバルブを追加する必要がある。また、高温側の温熱を蓄熱すると共に除霜時に流路を切り替えて、蓄熱した温熱で除霜する方法が提案されているが、この方法では、熱媒体回路にバルブとタンクを追加する必要がある。
本開示の目的は、磁気冷凍装置等の固体冷凍装置の大型化や複雑化を回避しつつ低温側熱交換器の除霜を行えるようにすることにある。
本開示の第1の態様は、収容部(11)と、力場変調部(15)と、第1熱交換器(16)と、第2熱交換器(17)と、熱媒体回路(C)と、熱媒体搬送部(21,50,100)とを備える固体冷凍装置(1)である。前記収容部(11)は、固体冷媒物質(12)と、熱媒体が前記固体冷媒物質(12)と熱交換して流れる内部流路(13)とを有する。前記力場変調部(15)は、前記収容部(11)内の前記固体冷媒物質(12)に力場変動を付与して熱量効果を誘発させる。前記熱媒体回路(C)には、前記第1熱交換器(16)と前記第2熱交換器(17)と前記内部流路(13)とが接続される。前記熱媒体搬送部(21,50,100)は、前記熱媒体回路(C)において前記力場変動に応じて前記熱媒体を前記収容部(11)内の前記固体冷媒物質(12)に対して往復的に搬送する。前記固体冷凍装置(1)は、加熱運転と、デフロスト運転とを行う。前記加熱運転では、前記固体冷媒物質(12)により加熱した前記熱媒体を前記第1熱交換器(16)で放熱させ且つ前記固体冷媒物質(12)により冷却した前記熱媒体を前記第2熱交換器(17)で吸熱させる。前記デフロスト運転では、前記加熱運転で前記第2熱交換器(17)に付着した霜を取り除く。前記固体冷媒物質(12)は、熱量効果が最大となる温度が異なる複数の物質(12a~12e)を含み、前記複数の物質(12a~12e)は、前記内部流路(13)に沿って前記温度の高低順に配置される。前記デフロスト運転において、前記力場変動の位相に対する前記内部流路(13)における前記熱媒体の搬送方向を、前記加熱運転とは反対向きに切り替える。
第1の態様では、デフロスト運転において、力場変動の位相に対する内部流路(13)における熱媒体の搬送方向を、加熱運転とは反対向きに切り替える。これにより、高温側熱交換器の大型化、又はバルブ若しくはタンク等の追加による装置構造の複雑化を回避しつつ低温側熱交換器の除霜を行うことができる。
本開示の第2の態様は、前記第1の態様において、前記収容部(11)は、前記熱媒体回路(C)において互いに直列接続された複数の部分収容部(11a~11e)を含み、前記複数の部分収容部(11a~11e)のそれぞれは、前記複数の物質(12a~12e)のうち少なくとも1つの物質を有する。
第2の態様では、固体冷媒物質(12)のカスケード配置構成の自由度が高くなる。
本開示の第3の態様は、前記第1又は第2の態様において、前記力場変調部(15)と前記熱媒体搬送部(21,50,100)とを電気的に制御して、前記力場変動の位相に対する前記内部流路(13)における前記熱媒体の搬送方向を切り替える。
第3の態様では、装置の大型化や複雑化を回避しつつ、電気的制御によりデフロストを行うことができる。
本開示の第4の態様は、前記第1又第2の態様において、前記力場変調部(15)と前記熱媒体搬送部(100)とを機械的に制御して、前記力場変動の位相に対する前記内部流路(13)における前記熱媒体の搬送方向を切り替える。
第4の態様では、装置の大型化や複雑化を回避しつつ、機械的制御により低温側熱交換器の除霜を行うことができる。
本開示の第5の態様は、前記第1~第4の態様のいずれか1つにおいて、前記第2熱交換器(17)に送風するファン(17f)をさらに備え、前記第2熱交換器(17)の温度が当該第2熱交換器(17)の周囲温度よりも高い場合、前記デフロスト運転では前記ファン(17f)を停止する。
第5の態様では、第2熱交換器(17)が低温側熱交換器(例えば室外熱交換器)であって当該室外熱交換器の温度が外気温度よりも高いときにファン(17f)を停止することによって、当該室外熱交換器から外気への放熱を防ぎ、デフロストを効率良く行うことができる。
本開示の第6の態様は、前記第1~第5の態様のいずれか1つにおいて、前記第1熱交換器(16)は、室内熱交換器であり、前記室内熱交換器に送風する室内ファン(16f)をさらに備え、前記デフロスト運転では前記室内ファン(16f)を停止する。
第6の態様では、デフロスト時に室内ファン(16f)を停止することにより、室内熱交換器が設けられた室内機から冷風が送出されて室内空間の温度が低下することを抑制できる。
本開示の第7の態様は、前記第1~第6の態様のいずれか1つにおいて、前記デフロスト運転では前記力場変動の周波数を高くする。
第7の態様では、熱媒体の流量が増大して圧力損失が増大する結果、熱媒体に移動する熱量も増大する。また、収容部(11)の構成材料や、当該材料に近接する力場変調部(15)の構成材料(ヨークなど)において、渦電流損失が増大する結果、熱媒体に移動する熱量がさらに増大する。従って、デフロストを高速化することができる。
本開示の第8の態様は、前記第1~第7の態様のいずれか1つにおいて、前記デフロスト運転では、前記熱媒体回路(C)における前記熱媒体の流量を増大させる。
第8の態様では、熱媒体の流量が増加して圧力損失が増大する結果、熱媒体に移動する熱量も増大するので、デフロストを高速化することができる。
本開示の第9の態様は、前記第1~第8の態様のいずれか1つにおいて、前記固体冷媒物質(12)は、磁気作業物質(12)であり、前記力場変調部(15)は、前記磁気作業物質(12)に磁場変動を付与する磁場変調部(15)である。
第9の態様では、磁気冷凍装置の起動を迅速に行うことができる。
図1は、実施形態に係る磁気冷凍装置の配管系統図である。 図2は、実施形態に係る磁気冷凍装置において単一の収容部にカスケード状に配置された複数の固体冷媒物質の温度と磁気冷凍効果との関係を模式的に表した図である。 図3は、実施形態に係る磁気冷凍装置において複数の部分収容部にカスケード状に配置された複数の固体冷媒物質の温度と磁気冷凍効果との関係を模式的に表した図である。 図4は、実施形態に係る磁気冷凍装置が行う加熱運転を説明するための配管系統図である。 図5は、実施形態に係る磁気冷凍装置が行うデフロスト運転を説明するための配管系統図である。 図6は、実施形態に係る磁気冷凍装置が行う加熱運転での磁場変動と熱媒体搬送方向との関係を示す図である。 図7は、実施形態に係る磁気冷凍装置が行うデフロスト運転での磁場変動と熱媒体搬送方向との関係を示す図である。 図8は、変形例1に係る磁気冷凍装置の配管系統図である。 図9は、変形例1に係る磁気冷凍ユニットの概略構成図である。 図10は、変形例1に係る磁気冷凍ユニットの動作を説明するための概略構成図である。 図11は、変形例1に係る磁気冷凍ユニットの動作を説明するための概略構成図である。 図12は、変形例1に係る磁気冷凍装置において、冷房運転を説明するための配管系統図である。 図13は、変形例1に係る磁気冷凍装置において、暖房運転を説明するための配管系統図である。 図14は、変形例1に係る磁気冷凍装置において、デフロスト運転を説明するための配管系統図である。 図15は、変形例2に係る磁気冷凍装置の配管系統図である。 図16は、変形例2に係る磁気冷凍ユニットの概略構成図である。 図17は、変形例2に係る磁気冷凍ユニットの動作を説明するための概略構成図である。 図18は、変形例2に係る磁気冷凍装置において、冷房運転を説明するための配管系統図である。 図19は、変形例2に係る磁気冷凍装置において、暖房運転を説明するための配管系統図である。 図20は、変形例2に係る磁気冷凍装置において、デフロスト運転を説明するための配管系統図である。 図21は、変形例3に係る磁気冷凍装置の配管系統図である。 図22は、図21に示す磁気冷凍装置の磁気冷凍モジュールを環状収納部の軸方向から見た平面図である。 図23は、図21に示す磁気冷凍装置の磁気冷凍モジュールを環状収納部の径方向から見た断面図である。 図24は、変形例4に係る磁気冷凍装置において磁場変調部と熱媒体搬送部との機械的制御を説明するための概略要部構成図である。 図25は、図24に示す回転バルブ型多方切換弁の高圧側弁板を弁箱外部から見た平面図である。 図26は、図24に示す回転バルブ型多方切換弁の低圧側弁板を弁箱外部から見た平面図である。 図27は、変形例5に係る磁気冷凍装置において磁場変調部(15)の機械的制御を行う位相調整器機構の一例の概略構成図である。 図28は、変形例5に係る磁気冷凍装置において磁場変調部(15)の機械的制御を行う位相調整器機構の他例の概略構成図である。 図29は、変形例6に係る磁気冷凍装置の配管系統図である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
(実施形態)
実施形態について説明する。本実施形態の磁気冷凍装置(1)は、磁気熱量効果を利用して熱媒体の温度を調節する固体冷凍装置であって、例えば空気調和装置に適用される。この場合、磁気冷凍装置(1)は、空調対象の空間の空気の温度を調節する。空調対象の空間は、例えば室内空間である。磁気冷凍装置(1)は、暖房運転とデフロスト運転とを切り換えて行う。
<磁気冷凍装置の構成>
図1に示すように、磁気冷凍装置(1)は、熱媒体が充填される熱媒体回路(C)を備える。熱媒体回路(C)では、充填された熱媒体が搬送される。熱媒体は、例えば冷媒、水、ブラインなどを含む。
磁気冷凍装置(1)は、主として、収容部(11)と、力場変調部である磁場変調部(15)と、第1熱交換器(16)と、第2熱交換器(17)と、熱媒体搬送部である往復式ポンプ(21)と、制御部(30)とを備える。収容部(11)、第1熱交換器(16)、第2熱交換器(17)、及び往復式ポンプ(21)は、熱媒体配管を介して互いに接続されて熱媒体回路(C)を構成する。
収容部(11)は、固体冷媒物質である磁気作業物質(12)と、熱媒体が固体冷媒物質(12)と熱交換して流れる内部流路(13)とを有する。収容部(11)は、中空状のケースないしカラムである。収容部(11)の内部には、磁気作業物質(12)が充填される。
磁気作業物質(12)は、磁場が印加される、あるいは印加された磁場が強くなることにより、発熱する。磁気作業物質(12)は、磁場が除去される、あるいは印加された磁場が弱くなると吸熱する。磁気作業物質(12)の材料としては、例えば、Gd5(Ge0.5Si0.54、La(Fe1-xSix13、La(Fe1-xCoxSiy13、La(Fe1-xSix13y、Mn(As0.9Sb0.1)等を用いることができる。
磁気作業物質(12)は、例えば図2に示すように、熱量効果(磁気冷凍効果)が最大となるキュリー温度が異なる複数の物質(12a~12e)から構成される。複数の物質(12a~12e)は、内部流路(13)に沿ってキュリー温度の高低順(つまりカスケード状)に配置される。具体的には、収容部(11)において、5種類の磁気作業物質(12)である第1物質(12a)、第2物質(12b)、第3物質(12c)、第4物質(12d)、及び第5物質(12e)が、高温側から低温側に向かって順に配置される。各種の磁気作業物質(12)はキュリー温度、つまり温度と磁気冷凍効果との関係が互いに異なる。本例では、第1物質(12a)のキュリー温度をTa、第2物質(12b)のキュリー温度をTb、第3物質(12c)のキュリー温度をTc、第4物質(12d)のキュリー温度をTd、第5物質(12e)をTeとすると、Ta>Tb>Tc>Td>Teの関係を満たしている。
図2に示すカスケード配置では、5種類の磁気作業物質(12)を単一の収容部(11)に配置したが、磁気作業物質(12)の材料の種類やカスケード配置構成等は特に限定されない。例えば、カスケード配置した複数種類の磁気作業物質(12)をそれぞれ有する複数の収容部(11)が並列に配置されていてもよい。或いは、例えば図3に示すように、収容部(11)を、熱媒体回路(C)において互いに直列接続された複数の部分収容部(11a~11e)から構成し、複数の部分収容部(11a~11e)のそれぞれが、複数の物質(12a~12e)のうちの対応する物質を収容するようにしてもよい。この場合、部分収容部(11a~11e)の全てに、単一の物質が配置されてもよいし、2つ以上の物質がカスケード配置されてもよい。或いは、1つ又は2つ以上の部分収容部(11a~11e)に単一の物質が配置され、1つ又は2つ以上の他の部分収容部(11a~11e)に2つ以上の物質がカスケード配置されてもよい。いずれの収容部構成であっても、直列接続された部分収容部(11a~11e)の内部流路(13)に沿って、複数の物質(12a~12e)が温度の高低順に配置される。
磁場変調部(15)は、収容部(11)内の磁気作業物質(12)に磁場変動を付与して熱量効果を誘発させる。磁場変調部(15)は、例えば磁場を変調可能な電磁石で構成される。磁場変調部(15)は、第1変調動作と第2変調動作とを行う。第1変調動作では、磁気作業物質(12)に所定の磁場を印加する。第2変調動作では、所定の磁場よりも小さい磁場を印加し又は所定の磁場を除去する。
第1熱交換器(16)は、磁気作業物質(12)により加熱された熱媒体と室内空気とを熱交換させる室内熱交換器であってもよい。或いは、第1熱交換器(16)は、磁気作業物質(12)により加熱された熱媒体と、図示を省略する利用ユニット(例えば、エアハンドリングユニット)を流れる二次冷媒とを熱交換させてもよい。第2熱交換器(17)は、磁気作業物質(12)により冷却された熱媒体と室外空気とを熱交換させる室外熱交換器であってもよい。或いは、第2熱交換器(17)は、磁気作業物質(12)により冷却された熱媒体と、図示を省略する熱源ユニット(例えばクーリングタワー)を流れる二次冷媒とを熱交換させてもよい。熱媒体回路(C)において、第1熱交換器(16)と第2熱交換器(17)とは、収容部(11)の内部流路(13)を介して接続される。
往復式ポンプ(21)は、磁場変動に応じて熱媒体を収容部(11)内の磁気作業物質(12)に対して往復的に搬送する。往復式ポンプ(21)は、例えばピストンポンプで構成される。往復式ポンプ(21)は、ポンプケース(22)と、ピストン(23)と、駆動機構(図示省略)とを有する。ピストン(23)は、ポンプケース(22)の内部に配置される。ピストン(23)は、ポンプケース(22)の内部を2つの室に区画する。熱媒体回路(C)において、ポンプケース(22)の一方の室(以下、第1室という)が第1熱交換器(16)と接続し、ポンプケース(22)の他方の室(以下、第2室という)が第2熱交換器(17)と接続する。前記の駆動機構は、ピストン(23)に連結するロッドと、該ロッドに連結するクランクと、該クランクを駆動する電動機とを有する。電動機がクランクを回転駆動すると、ロッドが進退する。これにより、ポンプケース(22)内でピストン(23)の往復運動が行われる。
具体的には、往復式ポンプ(21)では、第1搬送動作と第2搬送動作とが交互に繰り返し行われる。第1搬送動作では、ピストン(23)が第1室を拡大させ且つ第2室を縮小させる方向に移動する。これにより、第2室から熱媒体が吐出され、熱媒体回路(C)において熱媒体が順次、第2熱交換器(17)、収容部(11)(内部流路(13))、第1熱交換器(16)の方へ移動し、第1室に吸入される。第2搬送動作では、ピストン(23)が第1室を縮小させ且つ第2室を拡大させる方向に移動する。これにより、第1室から熱媒体が吐出され、熱媒体回路(C)において熱媒体が順次、第1熱交換器(16)、収容部(11)(内部流路(13))、第2熱交換器(17)の向へ移動し、第2室に吸入される。
制御部(30)は、例えば磁場変調部(15)及び往復式ポンプ(21)のそれぞれの動作を制御する。制御部(30)は、例えば、マイクロコンピュータと、マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウエアを格納するメモリデバイス(具体的には半導体メモリ)とを用いて構成される。制御部(30)は、磁場変調部(15)及び往復式ポンプ(21)のそれぞれと通信回線を介して接続される。
<磁気冷凍装置の運転動作>
磁気冷凍装置(1)は、放熱動作(ホットブロー)と、吸熱動作(コールドブロー)とを行う。放熱動作では、磁気作業物質(12)に所定の磁場を印加すると共に熱媒体を内部流路(13)の第1方向に移動させることにより、磁気作業物質(12)で発生した温熱を熱媒体によって収容部(11)の外部、例えば第1熱交換器(16)へ運び放熱させる。吸熱動作では、磁気作業物質(12)に所定の磁場よりも小さい磁場を印加し又は所定の磁場を除去すると共に熱媒体を内部流路(13)における第1方向とは反対方向の第2方向に移動させることにより、磁気作業物質(12)で発生した冷熱を熱媒体によって収容部(11)の外部、例えば第2熱交換器(17)へ運び吸熱させる。
具体的には、図4(a)、(b)に示すように、放熱動作では、磁場変調部(15)の第1変調動作(励磁)と、往復式ポンプ(21)の第1搬送動作とが行われる。放熱動作では、収容部(11)の内部流路(13)で熱媒体が加熱される。加熱された熱媒体は、第1熱交換器(16)で放熱する。
また、図4(c)、(d)に示すように、吸熱動作では、磁場変調部(15)の第2変調動作(消磁)と、往復式ポンプ(21)の第2搬送動作とが行われる。吸熱動作では、収容部(11)の内部流路(13)で熱媒体が冷却される。冷却された熱媒体は、第2熱交換器(17)で吸熱する。
磁気冷凍装置(1)において、以上に説明した放熱動作と吸熱動作とを繰り返すサイクル(AMR(Active Magnetic Refrigerator)サイクル)を行うと、収容部(11)内の磁気作業物質(12)が磁場変動により温熱、冷熱を発生しつつ再生するので、収容部(11)内に温度勾配が生成される結果、収容部(11)の高温端と低温端との間に大きな温度差が生成される。
第1熱交換器(16)が室内熱交換器であり、第2熱交換器(17)が室外熱交換器である場合、図4に示すように、磁気作業物質(12)により加熱された熱媒体は、高温側熱交換器である第1熱交換器(16)で室内空気に放熱し、室内空気が加熱される一方、磁気作業物質(12)により冷却された熱媒体は、低温側熱交換器である第2熱交換器(17)で室外空気から吸熱する。これにより、暖房運転(加熱運転)が可能となる。
暖房運転では、第2熱交換器(17)で熱媒体の温度が低くなるので、第2熱交換器(17)の表面に霜が付着することがある。この付着した霜を除去する除霜(デフロスト)運転を行う場合に、本実施形態では、図5に示すように、磁場変動の位相に対する内部流路(13)における熱媒体の搬送方向を、図4に示す暖房運転とは反対向きに切り替える。
具体的には、図5(a)、(b)に示す動作では、磁場変調部(15)の第2変調動作(消磁)と、往復式ポンプ(21)の第1搬送動作とが行われ、収容部(11)の内部流路(13)で冷却された熱媒体が第1熱交換器(16)で吸熱する。一方、図5(c)、(d)に示す動作では、磁場変調部(15)の第1変調動作(励磁)と、往復式ポンプ(21)の第2搬送動作とが行われ、収容部(11)の内部流路(13)で加熱された熱媒体が、第2熱交換器(17)で放熱し、デフロストが行われる。
このように、本実施形態のデフロスト運転では、図6に示す暖房運転の場合と比較して、図7に示すように、磁場変動と熱媒体流動のタイミング、つまりAMR(Active Magnetic Refrigerator)サイクルが逆転(180°位相反転)する。図6、図7において、(A)は磁場変動を示し、(B)は熱媒体の搬送方向を示す。これによって、高温側から低温側に熱を移動させて低温側熱交換器である室外熱交換器(第2熱交換器(17))を加熱してデフロストを行う。
尚、本実施形態では、収容部(11)の長手方向に沿って内部流路(13)が配置される場合、言い換えると、収容部(11)の長手方向の両端にそれぞれ内部流路(13)の高温側出入ポート及び低温側出入ポートが配置される場合を例として説明したが、内部流路(13)の配置構成は、これに限定されるものではない。例えば、収容部(11)の同じ面に、内部流路(13)の高温側出入ポート及び低温側出入ポートが配置されてもよい。この場合も、内部流路(13)において低温側出入ポートから高温側出入ポートへ熱媒体が流れる向きが「第1方向」であり、高温側出入ポートから低温側出入ポートへ熱媒体が流れる向きが「第2方向」である。
<実施形態の特徴>
以上に説明したように、本実施形態の磁気冷凍装置(1)は、収容部(11)と、磁場変調部(15)と、第1熱交換器(16)と、第2熱交換器(17)と、熱媒体回路(C)と、往復式ポンプ(21)とを備える。収容部(11)は、磁気作業物質(12)と、熱媒体が磁気作業物質(12)と熱交換して流れる内部流路(13)とを有する。磁場変調部(15)は、収容部(11)内の磁気作業物質(12)に磁場変動を付与して熱量効果を誘発させる。熱媒体回路(C)には、第1熱交換器(16)と第2熱交換器(17)と内部流路(13)とが接続される。往復式ポンプ(21)は、熱媒体回路(C)において磁場変動に応じて熱媒体を収容部(11)内の磁気作業物質(12)に対して往復的に搬送する。磁気冷凍装置(1)は、加熱運転と、デフロスト運転とを行う。加熱運転では、磁気作業物質(12)により加熱した熱媒体を第1熱交換器(16)で放熱させ且つ磁気作業物質(12)により冷却した熱媒体を第2熱交換器(17)で吸熱させる。デフロスト運転では、加熱運転で第2熱交換器(17)に付着した霜を取り除く。磁気作業物質(12)は、熱量効果が最大となる温度が異なる複数の物質(12a~12e)を含み、複数の物質(12a~12e)は、内部流路(13)に沿って前記温度の高低順に配置される。
本実施形態の磁気冷凍装置(1)では、デフロスト運転において、磁場変動の位相に対する内部流路(13)における熱媒体の搬送方向を、加熱運転とは反対向きに切り替える。これにより、高温側熱交換器の大型化、又はバルブ若しくはタンク等の追加による装置構造の複雑化を回避しつつ、低コストで低温側熱交換器の除霜を行うことができる。
詳しくは、本実施形態の磁気冷凍装置(1)では、熱源としての高温側(本例では室内側)の第1熱交換器(16)の温熱に加えて、AMRサイクルの逆転に起因する損失(磁気冷凍サイクル仕事、熱媒体圧力損失、渦電流損失など)も熱源として利用できるため、高温熱交換器の大型化や蓄熱タンクの設置は不要である。さらに、デフロスト運転で第1熱交換器(16)(室内熱交換器)を第2熱交換器(17)(室外熱交換器)よりも低温にすることが可能となり、その分を熱源として利用できるため、室内熱交換器の大型化を回避することができる。
また、本実施形態の磁気冷凍装置(1)によると、制御部(30)により磁場変調部(15)及び往復式ポンプ(21)を電気的に制御するだけで、デフロスト運転において、磁場変動の位相に対する内部流路(13)における熱媒体の搬送方向を、加熱運転とは反対向きに切り替える。このため、デフロスト運転でバルブによる流路切り替えによって高温側と低温側とを入れ替えて、磁気作業物質の生成する温熱で除霜する従来方式と比べて、以下のような利点が生じる。すなわち、本実施形態の磁気冷凍装置(1)がデフロスト運転へ移行した時点で、カスケード配置された磁気作業物質(12)の各材料のキュリー温度が熱媒体の温度と近くなるため、熱移動量が増大して迅速なデフロストが可能となる。それに対して、バルブによる流路切り替えを用いた従来方式によると、デフロスト運転へ移行した時点では、カスケード配置された磁気作業物質(12)の各材料のキュリー温度が熱媒体の温度と大きく異なっているので、熱移動量が小さくなってデフロストが遅くなるか、又はデフロストができなくなる可能性がある。
本実施形態の磁気冷凍装置(1)において、収容部(11)は、熱媒体回路(C)において互いに直列接続された複数の部分収容部(11a~11e)を含み、複数の部分収容部(11a~11e)のそれぞれは、複数の物質(12a~12e)のうち少なくとも1つの物質を有してもよい。このようにすると、固体冷媒物質(12)のカスケード配置構成の自由度が高くなる。
本実施形態の磁気冷凍装置(1)において、磁場変調部(15)と往復式ポンプ(21)を電気的に制御して、磁場変動の位相に対する内部流路(13)における熱媒体の搬送方向を切り替えてもよい。このようにすると、装置の大型化や複雑化を回避しつつ、電気的制御によりデフロストを行うことができる。
本実施形態の磁気冷凍装置(1)において、デフロスト運転では磁場変動の周波数を高くしてもよい。
このようにすると、磁場変動の周波数と共に熱媒体の往復的搬送の頻度が多くなるので、熱媒体の流量が増大して圧力損失が増大する結果、熱媒体に移動する熱量も増大する。また、収容部(11)の構成材料や、当該材料に近接する力場変調部(15)の構成材料(ヨークなど)において、渦電流損失が増大する結果、熱媒体に移動する熱量がさらに増大する。従って、デフロストを高速化することができる。
本実施形態の磁気冷凍装置(1)において、デフロスト運転では、熱媒体回路(C)における熱媒体の流量を増大させてもよい。
このようにすると、熱媒体の流量が増加して圧力損失が増大する結果、熱媒体に移動する熱量も増大するので、デフロストを高速化することができる。
(実施例)
本実施形態の磁気冷凍装置(1)に15種類の磁気作業物質(12)をカスケード配置した構成(15段カスケードAMR)についてデフロスト運転のシミュレーションを行った。シミュレーション条件は、RA(room aircon)4kW、暖房低温(外気温度:2℃、室内温度:20℃)、室内熱交換器及び配管の内部の水量2L(20℃)、室外熱交換器の着氷量1.4kg(必要な溶解熱468kJ)、室内熱交換器での室内空気との熱交換無し(ファン停止)とした。シミュレーションの結果、氷は約70秒で溶け、デフロスト開始から3分経過後に磁気作業物質(12)の各材料の温度がデフロスト運転前(つまり暖房運転時)のキュリー温度近傍に復帰し、暖房運転を再開することができた。尚、デフロスト運転に切り替えると、磁気作業物質(12)の各材料の温度は低下を始めるが、運転切り替え当初は、各材料の温度がキュリー温度近傍にあるため、内部流路(13)内において熱媒体への熱移動量が大きかった。
(変形例1)
変形例1について説明する。本変形例の磁気冷凍装置(1)は、磁気熱量効果を利用して熱媒体の温度を調節する固体冷凍装置であって、例えば空気調和装置に適用される。この場合、磁気冷凍装置(1)は、空調対象の空間の空気の温度を調節する。空調対象の空間は、例えば室内空間である。磁気冷凍装置(1)は、冷房運転と暖房運転とデフロスト運転を切り換えて行う。
<磁気冷凍装置の構成>
図8及び図9はそれぞれ、本変形例の磁気冷凍装置(1)の配管系統図及び磁気冷凍ユニット(U)の概略構成図である。図8及び図9において、図1に示す前記実施形態の磁気冷凍装置(1)と同じ構成要素には同じ符号を付している。
図8に示すように、磁気冷凍装置(1)は、主として、磁気冷凍ユニット(U)と、第1熱交換器(16)と、第2熱交換器(17)とを備える。磁気冷凍ユニット(U)、第1熱交換器(16)、及び第2熱交換器(17)は、熱媒体配管を介して互いに接続されて熱媒体回路(C)を構成する。尚、図示は省略しているが、本変形例の磁気冷凍装置(1)は、前記実施形態の制御部(30)と同様の制御部を有する。
図9に示すように、磁気冷凍ユニット(U)は、主として、収容部(11)と、力場変調部である磁場変調部(15)と、熱媒体搬送部である往復式ポンプ(21)と、第1流出管(41)と、第1流入管(42)と、第2流出管(43)と、第2流入管(44)と、第1ポンプ側配管(45)と、第2ポンプ側配管(46)とを有する。
収容部(11)は、前記実施形態と同様に、固体冷媒物質である磁気作業物質(12)と、熱媒体が固体冷媒物質(12)と熱交換して流れる内部流路(13)とを有する。磁気作業物質(12)は、熱量効果が最大となるキュリー温度が異なる複数の物質(12a~12e)から構成され、複数の物質(12a~12e)は、内部流路(13)に沿ってキュリー温度の高低順(つまりカスケード状)に配置される。
本変形例では、収容部(11)の内部に、内部流路(13)として、第1内部流路(13A)と第2内部流路(13B)とが形成される。第1内部流路(13A)の一端には、第1流出管(41)が接続される。第1内部流路(13A)の他端には、第2流入管(44)が接続される。第2内部流路(13B)の一端には、第1流入管(42)が接続される。第2内部流路(13B)の他端には、第2流出管(43)が接続される。
第1流出管(41)には、第1逆止弁(CV1)が設けられる。第1流入管(42)には、第2逆止弁(CV2)が設けられる。第2流出管(43)には、第3逆止弁(CV3)が設けられる。第2流入管(44)には、第4逆止弁(CV4)が設けられる。
第1逆止弁(CV1)は、収容部(11)の第1内部流路(13A)から第1熱交換器(16)へ向かう方向の熱媒体の流れを許容し、その逆方向の熱媒体の流れを禁止する。第2逆止弁(CV2)は、第1熱交換器(16)から収容部(11)の第2内部流路(13B)へ向かう方向の熱媒体の流れを許容し、その逆方向の熱媒体の流れを禁止する。第3逆止弁(CV3)は、収容部(11)の第2内部流路(13B)から第2熱交換器(17)へ向かう方向の熱媒体の流れを許容し、その逆方向の熱媒体の流れを禁止する。第4逆止弁(CV4)は、第2熱交換器(17)から収容部(11)の第1内部流路(13A)へ向かう方向の熱媒体の流れを許容し、その逆方向の熱媒体の流れを禁止する。
磁場変調部(15)は、前記実施形態と同様に、収容部(11)内の磁気作業物質(12)に磁場変動を付与して熱量効果を誘発させる。磁場変調部(15)は、例えば磁場を変調可能な電磁石で構成される。磁場変調部(15)は、第1変調動作と第2変調動作とを行う。第1変調動作では、磁気作業物質(22)に所定の磁場を印加する。第2変調動作では、所定の磁場よりも小さい磁場を印加し又は所定の磁場を除去する。
往復式ポンプ(21)は、前記実施形態と同様に、熱媒体回路(C)の熱媒体を往復的に搬送する。往復式ポンプ(21)は、ピストンポンプで構成される。往復式ポンプ(21)は、ポンプケース(22)と、ピストン(23)と、駆動機構(図示省略)とを有する。ピストン(23)は、ポンプケース(22)の内部に配置される。ピストン(23)は、ポンプケース(22)の内部を2つの室に区画する。往復式ポンプ(21)には、第1ポート(24)と第2ポート(25)とが設けられる。ポンプケース(22)の一方の室が第1ポート(24)と連通し、他方の室が第2ポート(25)と連通する。
第1ポンプ側配管(45)の一端は、第1ポート(24)に接続する。第1ポンプ側配管(45)の他端は、第1流入管(42)のうち第2逆止弁(CV2)の上流側に接続される。第2ポンプ側配管(46)の一端は、第2ポート(25)に接続する。第2ポンプ側配管(46)の他端は、第2流入管(44)のうち第4逆止弁(CV4)の上流側に接続される。
駆動機構は、ピストン(23)に連結するロッドと、該ロッドに連結するクランクと、該クランクを駆動する電動機とを有する。電動機がクランクを回転駆動すると、ロッドが進退する。これにより、ポンプケース(22)内でピストン(23)の往復運動が行われる。
具体的には、往復式ポンプ(30)では、第1搬送動作と第2搬送動作とが交互に繰り返し行われる。第1搬送動作(図10、図11の(A)参照)では、ピストン(23)が第1ポート(24)側に移動する。これにより、第1ポート(24)から熱媒体が吐出される。吐出された熱媒体は、第1流入管(42)、第2内部流路(13B)、第2流出管(43)を順に流れる。第2搬送動作(図10、図11の(B)参照)では、ピストン(23)が第2ポート(25)側に移動する。これにより、第2ポート(25)から熱媒体が吐出される。吐出された熱媒体は、第2流入管(44)、第1内部流路(13A)、及び第1流出管(41)を順に流れる。
<磁気冷凍装置の運転動作>
本変形例の磁気冷凍装置(1)は、冷房運転と、暖房運転と、デフロスト運転とを行う。本変形例では、第1熱交換器(16)は、磁気作業物質(12)により加熱された熱媒体と室内空気とを熱交換させる室内熱交換器であり、第2熱交換器(17)は、磁気作業物質(12)により冷却された熱媒体と室外空気とを熱交換させる室外熱交換器である。すなわち、冷房運転では、室内空間の空気が冷却される。冷房運転は冷却運転に対応する。暖房運転では、室内空間の空気が加熱される。暖房運転は加熱運転に対応する。デフロスト運転では、室外熱交換器の霜が融かされる。
冷房運転では、図10の(A)に示す動作と、図10の(B)に示す動作とが交互に繰り返し行われる。
図10の(A)に示す動作では、磁場変調部(15)の第1変調動作と、往復式ポンプ(21)の第1搬送動作とが同時に行われる。これにより、収容部(11)の第2内部流路(13B)で熱媒体が加熱され、加熱された熱媒体は、第2流出管(43)を流出する。同時に熱媒体回路(C)の熱媒体は、ポンプケース(22)の第2ポート(25)に流入する。
図10の(B)に示す動作では、磁場変調部(15)の第2変調動作と、往復式ポンプ(21)の第2搬送動作とが同時に行われる。これにより、収容部(11)の第1内部流路(13A)で熱媒体が冷却され、冷却された熱媒体は、第1流出管(41)を流出する。同時に熱媒体回路(C)の熱媒体は、ポンプケース(22)の第1ポート(24)に流入する。
図10の(A)に示す動作で磁気冷凍ユニット(U)により加熱された熱媒体は、図12に示すように、第2熱交換器(17)を流れる。第2熱交換器(17)つまり室外熱交換器では、熱媒体が室外空気へ放熱する。第2熱交換器(17)で放熱した熱媒体は、磁気冷凍ユニット(U)に戻る。
図10の(B)に示す動作で磁気冷凍ユニット(U)により冷却された熱媒体は、図12に示すように、第1熱交換器(16)を流れる。第1熱交換器(16)つまり室内熱交換器では、熱媒体が室内空気から吸熱する。この結果、室内空気が冷却される。第1熱交換器(16)で吸熱した熱媒体は、磁気冷凍ユニット(U)に戻る。
尚、便宜上、図12では、各動作の熱媒体の流れを同じ図に表している。また、図12では、第1熱交換器(16)及び第2熱交換器(17)のうち熱媒体が放熱する熱交換器にハッチングを付し、熱媒体が吸熱する熱交換器にドットを付している。後述する図13、図14でも同様である。
暖房運転では、図11の(A)に示す動作と、図11の(B)に示す動作とが交互に繰り返し行われる。
図11の(A)に示す動作では、磁場変調部(15)の第2変調動作と、往復式ポンプ(21)の第1搬送動作とが同時に行われる。これにより、収容部(11)の第2内部流路(13B)で熱媒体が冷却され、冷却された熱媒体は、第2流出管(43)を流出する。同時に熱媒体回路(C)の熱媒体は、ポンプケース(22)の第2ポート(25)に流入する。
図11の(B)に示す動作では、磁場変調部(15)の第1変調動作と、往復式ポンプ(21)の第2搬送動作とが同時に行われる。これにより、収容部(11)の第1内部流路(13A)で熱媒体が加熱され、加熱された熱媒体は、第1流出管(41)を流出する。同時に熱媒体回路(C)の熱媒体は、ポンプケース(22)の第1ポート(24)に流入する。
図11の(A)に示す動作で磁気冷凍ユニット(U)により冷却された熱媒体は、図13に示すように、第2熱交換器(17)を流れる。第2熱交換器(17)つまり室外熱交換器では、熱媒体が室外空気から吸熱する。第2熱交換器(17)で吸熱した熱媒体は、磁気冷凍ユニット(U)に戻る。
図11の(B)に示す動作で磁気冷凍ユニット(U)により加熱された熱媒体は、図13に示すように、第1熱交換器(16)を流れる。第1熱交換器(16)つまり室内熱交換器では、熱媒体が室内空気に放熱する。この結果、室内空気が加熱される。第1熱交換器(16)で放熱した熱媒体は、磁気冷凍ユニット(U)に戻る。
デフロスト運転では、基本的に冷房運転と同じ動作、つまり、図10の(A)に示す動作と、図10の(B)に示す動作とが交互に繰り返し行われる。
図10の(A)に示す動作で磁気冷凍ユニット(U)により加熱された熱媒体は、図14に示すように、第2熱交換器(17)を流れる。第2熱交換器(17)つまり室外熱交換器では、その内部を流れる熱媒体により、室外熱交換器の表面の霜が融かされる。室外熱交換器の除霜に利用された熱媒体は、磁気冷凍ユニット(U)に戻る。
図10の(B)に示す動作で磁気冷凍ユニット(U)により冷却された熱媒体は、図14に示すように、第1熱交換器(16)を流れる。第1熱交換器(16)つまり室内熱交換器では、熱媒体が室内空気から吸熱する。第1熱交換器(16)で吸熱した熱媒体は、磁気冷凍ユニット(U)に戻る。
<変形例1の特徴>
以上に説明したように、本変形例の磁気冷凍装置(1)では、前記実施形態と同様に、デフロスト運転において、磁場変動の位相に対する内部流路(13)における熱媒体の搬送方向を、加熱運転とは反対向きに切り替える。これにより、高温側熱交換器の大型化、又はバルブ若しくはタンク等の追加による装置構造の複雑化を回避しつつ、低コストで低温側熱交換器の除霜を行うことができる。
(変形例2)
変形例2について説明する。本変形例の磁気冷凍装置(1)は、磁気熱量効果を利用して熱媒体の温度を調節する固体冷凍装置であって、例えば空気調和装置に適用される。この場合、磁気冷凍装置(1)は、空調対象の空間の空気の温度を調節する。空調対象の空間は、例えば室内空間である。磁気冷凍装置(1)は、冷房運転と暖房運転とデフロスト運転を切り換えて行う。
<磁気冷凍装置の構成>
図15及び図16はそれぞれ、本変形例の磁気冷凍装置(1)の配管系統図及び磁気冷凍ユニット(U)の概略構成図である。図15及び図16において、図1に示す前記実施形態の磁気冷凍装置(1)と同じ構成要素には同じ符号を付している。
図15に示すように、磁気冷凍装置(1)は、主として、磁気冷凍ユニット(U)と、第1熱交換器(16)と、第2熱交換器(17)と、第1四方切換弁(F1)と、第2四方切換弁(F2)とを備える。磁気冷凍ユニット(U)、第1熱交換器(16)、及び第2熱交換器(17)は、熱媒体配管を介して互いに接続されて熱媒体回路(C)を構成する。尚、図示は省略しているが、本変形例の磁気冷凍装置(1)は、前記実施形態の制御部(30)と同様の制御機構を有する。
図16に示すように、磁気冷凍ユニット(U)は、固体冷凍モジュールとしての2つの磁気冷凍モジュール(10)と、低温流出管(51)と、低温流入管(52)と、高温流出管(53)と、高温流入管(54)と、ユニット側ポンプ(55)とを有する。磁気冷凍ユニット(U)は、低温第1三方弁(56)と、低温第2三方弁(57)と、高温第1三方弁(58)と、高温第2三方弁(59)とを有する。2つの磁気冷凍モジュール(10)は、第1磁気冷凍モジュール(10A)と第2磁気冷凍モジュール(10B)とで構成される。本変形例では、ユニット側ポンプ(55)及び複数の三方弁(56,57,58,59)により、熱媒体搬送部(50)が構成される。
第1磁気冷凍モジュール(10A)及び第2磁気冷凍モジュール(10B)はそれぞれ、収容部(11)と、力場変調部である磁場変調部(15)とを有する。
収容部(11)は、前記実施形態と同様に、固体冷媒物質である磁気作業物質(12)と、熱媒体が固体冷媒物質(12)と熱交換して流れる内部流路(13)とを有する。磁気作業物質(12)は、熱量効果が最大となるキュリー温度が異なる複数の物質(12a~12e)から構成され、複数の物質(12a~12e)は、内部流路(13)に沿ってキュリー温度の高低順(つまりカスケード状)に配置される。
磁場変調部(15)は、前記実施形態と同様に、収容部(11)内の磁気作業物質(12)に磁場変動を付与して熱量効果を誘発させる。磁場変調部(15)は、例えば磁場を変調可能な電磁石で構成される。磁場変調部(15)は、第1変調動作と第2変調動作とを行う。第1変調動作では、磁気作業物質(22)に所定の磁場を印加する。第2変調動作では、所定の磁場よりも小さい磁場を印加し又は所定の磁場を除去する。
各磁気冷凍モジュール(10)の収容部(11)の内部のそれぞれには、第1内部流路(13A)と第2内部流路(13B)とが形成される。第1磁気冷凍モジュール(10A)の第1内部流路(13A)の低温端は、低温第1三方弁(56)を介して低温流出管(51)に接続する。第1磁気冷凍モジュール(10A)の第2内部流路(13B)の低温端は、低温第2三方弁(57)を介して低温流入管(52)に接続する。第2磁気冷凍モジュール(10B)の第1内部流路(13A)の高温端は、高温第2三方弁(59)を介して高温流入管(54)に接続する。第2磁気冷凍モジュール(10B)の第2内部流路(13B)の高温端は、高温第1三方弁(58)を介して高温流出管(53)に接続する。
ユニット側ポンプ(55)は、高温流出管(53)に設けられる。ユニット側ポンプ(55)は、一方向式のポンプである。ユニット側ポンプ(55)は、高温流出管(53)の下流側に向かって熱媒体を搬送する。
低温第1三方弁(56)の第1ポートは、低温流出管(51)に連通する。低温第1三方弁(56)の第2ポートは、第2磁気冷凍モジュール(10B)の第1内部流路(13A)の低温端に連通する。低温第1三方弁(56)の第3ポートは、第1磁気冷凍モジュール(10A)の第1内部流路(13A)の低温端に連通する。
低温第2三方弁(57)の第1ポートは、低温流入管(52)に連通する。低温第2三方弁(57)の第2ポートは、第2磁気冷凍モジュール(10B)の第2内部流路(13B)の低温端に連通する。低温第2三方弁(57)の第3ポートは、第1磁気冷凍モジュール(10A)の第2内部流路(13B)の低温端に連通する。
高温第1三方弁(58)の第1ポートは、高温流出管(53)に連通する。高温第1三方弁(58)の第2ポートは、第2磁気冷凍モジュール(10B)の第2内部流路(13B)の高温端に連通する。高温第1三方弁(58)の第3ポートは、第1磁気冷凍モジュール(10A)の第2内部流路(13B)の高温端に連通する。
高温第2三方弁(59)の第1ポートは、高温流入管(54)に連通する。高温第2三方弁(59)の第2ポートは、第2磁気冷凍モジュール(10B)の第1内部流路(13A)の高温端に連通する。高温第2三方弁(59)の第3ポートは、第1磁気冷凍モジュール(10A)の第1内部流路(13A)の高温端に連通する。
各三方弁(56,57,58,59)は、第1ポート、第2ポート及び第3ポートをそれぞれ有する。尚、図面において、三方弁の第1ポートは1を丸で囲んだ記号とし、三方弁の第2ポートは2を丸で囲んだ記号とし、三方弁の第3ポートは3を丸で囲んだ記号としている。
各三方弁(56,57,58,59)は、第1状態(図16の実線で示す状態)と第2状態(図16の破線で示す状態)とに切り換わる。第1状態の各三方弁(56,57,58,59)は、第1ポートと第2ポートとを連通させる。第2状態の各三方弁(56,57,58,59)は、第1ポートと第3ポートとを連通させる。
本変形例では、図15に示す第1熱交換器(16)は、熱媒体と室内空気とを熱交換させる室内熱交換器である。第1熱交換器(16)の一端は、配管を介して第1四方切換弁(F1)の第2ポートと接続する。第1熱交換器(16)の他端は、配管を介して第2四方切換弁(F2)の第2ポートと接続する。また、図15に示す第2熱交換器(17)は、熱源となる室外熱交換器である。第2熱交換器(17)は、熱媒体と室外空気とを熱交換させる。第2熱交換器(17)の一端は、配管を介して第1四方切換弁(F1)の第3ポートと接続する。第2熱交換器(17)の他端は、配管を介して第2四方切換弁(F2)の第3ポートと接続する。
第1四方切換弁(F1)及び第2四方切換弁(F2)は、熱媒体回路(C)の熱媒体の流路を切り換える切換機構である。本変形例の第1四方切換弁(F1)及び第2四方切換弁(F2)は、冷房運転、暖房運転及びデフロスト運転において、熱媒体の流路を切り換える。各四方切換弁(F1,F2)は、第1ポート、第2ポート、第3ポート、及び第4ポートをそれぞれ有する。尚、図面において、四方切換弁の第1ポートは1を丸で囲んだ記号とし、四方切換弁の第2ポートは2を丸で囲んだ記号とし、四方切換弁の第3ポートは3を丸で囲んだ記号とし、四方切換弁の第4ポートは4を丸で囲んだ記号としている。
各四方切換弁(F1,F2)は、第1状態(図15の実線で示す状態)と第2状態(図15の破線で示す状態)とに切り換わる。第1状態の各四方切換弁(F1,F2)は、第1ポートと第2ポートとを連通させると同時に第3ポートと第4ポートとを連通させる。第2状態の各四方切換弁(F1,F2)は、第1ポートと第3ポートとを連通させると同時に第2ポートと第4ポートとを連通させる。
第1四方切換弁(F1)の第1ポートは高温流入管(54)に連通する。第1四方切換弁(F1)の第2ポートは第1熱交換器(16)に連通する。第1四方切換弁(F1)の第3ポートは第2熱交換器(17)に連通する。第1四方切換弁(F1)の第4ポートは低温流入管(52)に連通する。
第2四方切換弁(F2)の第1ポートは高温流出管(53)に連通する。第2四方切換弁(F2)の第2ポートは第1熱交換器(16)に連通する。第2四方切換弁(F2)の第3ポートは第2熱交換器(17)に連通する。第2四方切換弁(F2)の第4ポートは低温流出管(51)に連通する。
尚、本変形例の制御部(30)は、磁気冷凍ユニット(U)及び各四方切換弁(F1,F2)と通信回線を介して接続されている。すなわち、制御部(30)は、磁場変調部(15)、熱媒体搬送部(50)、及び各四方切換弁(F1,F2)をそれぞれ制御する。
<磁気冷凍装置の運転動作>
本変形例の磁気冷凍装置(1)は、冷房運転と、暖房運転と、デフロスト運転とを行う。本変形例では、第1熱交換器(16)は、磁気作業物質(12)により加熱された熱媒体と室内空気とを熱交換させる室内熱交換器であり、第2熱交換器(17)は、磁気作業物質(12)により冷却された熱媒体と室外空気とを熱交換させる室外熱交換器である。すなわち、冷房運転では、室内空間の空気が冷却される。冷房運転は冷却運転に対応する。暖房運転では、室内空間の空気が加熱される。暖房運転は加熱運転に対応する。デフロスト運転では、室外熱交換器の霜が融かされる。
冷房運転では、図17の(A)に示す動作と、図17の(B)に示す動作とが交互に繰り返し行われる。各動作の切換の周期は1秒程度である。
図17の(A)に示す動作では、第1磁気冷凍モジュール(10A)が第1変調動作を行い、第2磁気冷凍モジュール(10B)が第2変調動作を行う。低温第1三方弁(56)が第1状態に、低温第2三方弁(57)が第2状態に、高温第1三方弁(58)が第2状態に、高温第2三方弁(59)が第1状態にそれぞれ設定される。ユニット側ポンプ(55)が運転する。
図17の(B)に示す動作では、第1磁気冷凍モジュール(10A)が第2変調動作を行い、第2磁気冷凍モジュール(10B)が第1変調動作を行う。低温第1三方弁(56)が第2状態に、低温第2三方弁(57)が第1状態に、高温第1三方弁(58)が第1状態に、高温第2三方弁(59)が第2状態にそれぞれ設定される。ユニット側ポンプ(55)が運転する。
冷房運転では、図18に示すように、第1四方切換弁(F1)が第2状態に、第2四方切換弁(F2)が第2状態に設定される。これにより、「各磁気冷凍モジュール(10)により冷却した熱媒体が低温流出管(51)、第1熱交換器(16)、及び低温流入管(52)を流れ、且つ各磁気冷凍モジュール(10)により加熱した熱媒体が高温流出管(53)、第2熱交換器(17)、及び高温流入管(54)を流れる流路」が形成される。尚、便宜上、図18では、各動作の熱媒体の流れを同じ図に表している。また、図18では、第1熱交換器(16)及び第2熱交換器(17)のうち熱媒体が放熱する熱交換器にハッチングを付し、熱媒体が吸熱する熱交換器にドットを付している。後述する図19、図20でも同様である。
具体的には、磁気冷凍ユニット(U)により加熱された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、第2熱交換器(17)を流れる。第2熱交換器(17)つまり室外熱交換器では、熱媒体が室外空気へ放熱する。第2熱交換器(17)で放熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、磁気冷凍ユニット(U)に戻る。
また、磁気冷凍ユニット(U)により冷却された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、第1熱交換器(16)を流れる。第1熱交換器(16)つまり室内熱交換器では、熱媒体が室内空気から吸熱する。この結果、室内空気が冷却される。第1熱交換器(16)で吸熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、磁気冷凍ユニット(U)に戻る。
暖房運転でも、図17の(A)に示す動作と、図17の(B)に示す動作とが交互に繰り返し行われる。暖房運転では、図19に示すように、第1四方切換弁(F1)が第1状態に、第2四方切換弁(F2)が第1状態に設定される。これにより、「各磁気冷凍モジュール(10)により加熱した熱媒体が高温流出管(53)、第1熱交換器(16)、及び高温流入管(54)を流れ、且つ各磁気冷凍モジュール(10)により冷却した熱媒体が低温流出管(51)、第2熱交換器(17)、及び低温流入管(52)を流れる流路」が形成される。
具体的には、磁気冷凍ユニット(U)により冷却された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、第2熱交換器(17)を流れる。第2熱交換器(17)つまり室外熱交換器では、熱媒体が室外空気から吸熱する。第2熱交換器(17)で吸熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、磁気冷凍ユニット(U)に戻る。
また、磁気冷凍ユニット(U)により加熱された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、第1室内熱交換器(16)を流れる。第1室内熱交換器(16)つまり室内熱交換器では、熱媒体が室内空気へ放熱する。この結果、室内空気が加熱される。第1室内熱交換器(16)で放熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、磁気冷凍ユニット(U)に戻る。
デフロスト運転では、実質的には冷房運転と同様の動作が行われる。すなわち、デフロスト運転では、冷房運転では、図17の(A)に示す動作と、図17の(B)に示す動作とが交互に繰り返し行われる。各動作の切換の周期は1秒程度である。デフロスト運転は、例えば冬季の暖房運転中において、第2熱交換器(17)つまり室外熱交換器の表面に霜が付く条件が成立すると実行される。
デフロスト運転では、図20に示すように、第1四方切換弁(F1)が第2状態に、第2四方切換弁(F2)が第2状態に設定される。これにより、「各磁気冷凍モジュール(10)により冷却した熱媒体が低温流出管(51)、第1熱交換器(16)、及び低温流入管(52)を流れ、且つ各磁気冷凍モジュール(10)により加熱した熱媒体が高温流出管(53)、第2熱交換器(17)、及び高温流入管(54)を流れる流路」が形成される。
具体的には、磁気冷凍ユニット(U)により加熱された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、第2熱交換器(17)を流れる。第2熱交換器(17)つまり室外熱交換器では、その内部を流れる熱媒体により、室外熱交換器の表面の霜が融かされる。室外熱交換器の除霜に利用された熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、磁気冷凍ユニット(U)に戻る。
また、磁気冷凍ユニット(U)により冷却された熱媒体は、第2四方切換弁(F2)を通過し、第1熱交換器(16)を流れる。第1熱交換器(16)つまり室内熱交換器では、熱媒体が室内空気から吸熱する。第1熱交換器(16)で吸熱した熱媒体は、第1四方切換弁(F1)を通過し、磁気冷凍ユニット(U)に戻る。
<変形例2の特徴>
冷房運転(冷却運転)が不要な場合、図19に示す配管系統で四方切換弁(F1,F2)の無い構成とし、デフロスト運転では、磁場変調部(15)と熱媒体搬送部(50)の電気的制御により、図17の(A)、(B)に示す動作で磁場変動の位相に対する内部流路(13)における熱媒体の搬送方向を、暖房運転(加熱運転)とは反対向きに切り替えてもよい。これにより、高温側熱交換器の大型化、又はバルブ若しくはタンク等の追加による装置構造の複雑化を回避しつつ、低コストで低温側熱交換器の除霜を行うことができる。
(変形例3)
変形例3について説明する。本変形例の磁気冷凍装置(1)は、磁気熱量効果を利用して熱媒体の温度を調節する固体冷凍装置であって、例えば空気調和装置に適用される。この場合、磁気冷凍装置(1)は、空調対象の空間の空気の温度を調節する。空調対象の空間は、例えば室内空間である。
<磁気冷凍装置の構成>
前記実施形態及び変形例1、2の磁気冷凍装置(1)では、中空状のケースないしカラムで構成された収容部(11)の内部に磁気作業物質(12)を充填し、磁場を変調可能な電磁石で構成された磁場変調部(15)を用いて、収容部(11)内の磁気作業物質(12)に磁場変動を付与した。
それに対して、本変形例の磁気冷凍装置(1)は、磁気回路が回転する方式の磁気ヒートポンプ装置である。具体的には、本変形例の磁気冷凍装置(1)は、図21に示すように、磁気冷凍装置(1)は、主として、磁気冷凍モジュール(10)と、第1熱交換器(16)と、第2熱交換器(17)と、熱媒体ポンプ(21A)とが設けられた熱媒体回路(C)を備える。熱媒体回路(C)の各構成要素は、熱媒体配管を介して互いに接続されている。磁気冷凍装置(1)は、熱量効果を利用して熱媒体の温度を調節する固体冷凍装置であり、磁気冷凍モジュール(10)は、熱量効果を利用して熱媒体の温度を調節する固体冷凍モジュールである。
磁気冷凍モジュール(10)は、例えば、二次冷媒や空気などと熱交換する空気調和装置に設けられる。磁気冷凍モジュール(10)の用途は、これに限られるものではなく、例えば、冷専チラーとして構成された磁気冷凍システム(1)に設けられてもよい。
磁気冷凍モジュール(10)は、固体冷媒物質としての磁気作業物質(12)を収容し且つ熱媒体が流れる内部流路(13)を形成する複数の部分収容部(11a~11l)を有する環状の収容部(11)を備える。磁気冷凍モジュール(10)は、磁気作業物質(12)に力場である磁場を印加したり除去したりすることで磁気熱量効果を生じさせ、それにより流路(13)を流れる熱媒体を加熱又は冷却する。
本変形例でも、磁気作業物質(12)は、熱量効果が最大となるキュリー温度が異なる複数の物質(12a~12e)から構成され、複数の物質(12a~12e)は、各部分収容部(11a~11l)の内部流路(13)に沿ってキュリー温度の高低順(つまりカスケード状)に配置される。
図21及び図22に示すように、磁気冷凍モジュール(10)は、例えば12個の複数の単位モジュール(10a~10l)から構成される。複数の単位モジュール(10a~10l)の各構成要素は、複数の部分収容部(11a~11l)にそれぞれ収納される。本実施形態では、各部分収容部(11a~11l)は、例えば環状扇形状であるが、これに限定されず、扇形状又は台形状などであってもよい。複数の部分収容部(11a~11l)が環状に組み合わされることによって、磁気冷凍モジュール(10)の環状の収容部(11)が構成される。各部分収容部(11a~11l)の厚さは、磁束漏れが生じ難く、且つ、必要となる収納部の体積を確保できる厚さに設定される。尚、以下の説明で、部分収容部(11a)と記載するときは、複数の部分収容部(11a~11l)のうちの任意の収納部片を表すものとし、単位モジュール(10a)と記載するときは、複数の単位モジュール(10a~10l)のうちの任意の単位モジュールを表すものとする。
本変形例では、図22及び図23に示すように、環状の収容部(11)の軸方向において磁気冷凍モジュール(10)を挟むように、力場変調部である磁場変調部(15)が配置される。磁場変調部(15)は、磁気冷凍モジュール(10)に近接して配置される力場発生部である環状の磁石(15a)と、環状の磁石(15a)を支持し且つ磁路を形成するためのヨーク(15b)と、回転機構(15c)とを有する。磁気冷凍モジュール(10)の中央部開口を通って環状の収容部(11)の軸方向に延びるように回転機構(15c)が配置される。磁石(15a)は、回転機構(15c)によって環状の収容部(11)の周方向に回転する。磁石(15a)(環状の収容部(11)の軸方向において磁気冷凍モジュール(10)を挟む一対の磁石)の配置数は磁気回路の極数に等しい。本例では、部分収容部(11a)3個分の面積とオーバーラップする磁石(15a)が2つ配置される。本例では、磁石(15a)及び単位モジュール(20a)は、同軸の周方向にそれぞれ均等配置される。環状の収容部(11)つまり磁気冷凍モジュール(10)は固定されてもよい。
本変形例の磁気冷凍モジュール(10)では、回転機構(15c)の回転に伴い、磁石(15a)により励磁される単位モジュール(10a)は時々刻々変化するので、磁石回転型の磁気冷凍モジュール(10)が構成される。尚、図21及び図22では、単位モジュール(10a,10b,10c,10g,10h,10i)が励磁されており、単位モジュール(10d,10e,10f,10j,10k,10l)が消磁されている様子を示している。
図21に示すように、磁気冷凍モジュール(10)を構成する各単位モジュール(10a~10l)は、低温側流入路(61)と、低温側流出路(62)と、高温側流入路(63)と、高温側流出路(64)とを有する。各流入路(61,63)及び各流出路(62,64)は、各単位モジュール(10a~10l)の部分収容部(11a~11l)の内部流路(13)に連通している。低温側流入路(61)から流入した熱媒体は、部分収容部(11a)の内部流路(13)を流れて高温側流出路(64)から排出される。高温側流入路(63)から流入した熱媒体は、部分収容部(11a)の内部流路(13)を流れて低温側流出路(62)から排出される。
本変形例において、第1熱交換器(16)は、磁気冷凍モジュール(10)で加熱された熱媒体と、室内の空気とを熱交換させる室内熱交換器である。第1熱交換器(16)は、磁気冷凍モジュール(10)の高温側流入路(63)に接続された第1流出部(16a)と、磁気冷凍モジュール(10)の高温側流出路(64)に接続された第1流入部(16b)とを有する。第1流出部(16a)と各単位モジュール(10a~10l)の高温側流入路(63)との間の熱媒体配管には、高圧側多方切換弁(110)が設けられている。第1流入部(16b)と各単位モジュール(10a~10l)の高温側流出路(64)との間の熱媒体配管には、低圧側多方切換弁(120)が設けられている。本変形例では、高圧側多方切換弁(110)と低圧側多方切換弁(120)とが一体として、回転バルブ型多方切換弁(100)を構成する。
本変形例において、第2熱交換器(17)は、磁気冷凍モジュール(10)で冷却された熱媒体と、室外の空気とを熱交換させる室外熱交換器である。第2熱交換器(17)は、磁気冷凍モジュール(10)の低温側流入路(61)に接続された第2流出部(17a)と、磁気冷凍モジュール(10)の低温側流出路(62)に接続された第2流入部(17b)とを有する。第2流出部(17a)と各単位モジュール(10a~10l)の低温側流入路(61)との間の熱媒体配管には、第1逆止弁(91)が設けられている。第2流入部(17b)と各単位モジュール(10a~10l)の低温側流出路(62)との間の熱媒体配管には、第2逆止弁(92)が設けられている。
熱媒体ポンプ(21A)は、磁気冷凍モジュール(10)と各熱交換器(60,70)との間で熱媒体を流すためのものである。熱媒体ポンプ(21A)は、例えば、回転バルブ型多方切換弁(100)のうちの低圧側多方切換弁(120)と第2熱交換器(17)との間の熱媒体配管に設けられる。
本変形例では、熱媒体ポンプ(21A)及び回転バルブ型多方切換弁(100)により、熱媒体搬送部が構成される。
<磁気冷凍装置の運転動作>
図21に示す磁気冷凍システム(1)においては、各逆止弁(91,92)及び回転バルブ型多方切換弁(100)を制御すると共に、当該制御動作に対応させて磁気冷凍モジュール(10)(単位モジュール(10a~10l))の収容部(11)に磁場を印加したり除去したりすることによって、冷熱を供給する。
以下、図21及び図22に示すように、単位モジュール(20a,20b,20c,20g,20h,20i)が励磁されており、且つ、単位モジュール(20d,20e,20f,20j,20k,20l)が消磁されている場合を例として、具体的に説明する。尚、図21では、熱媒体の流れを矢印で示している。
まず、第2熱交換器(17)の第2流出部(17a)から流れ出た熱媒体は、第1逆止弁(91)の制御により、励磁されている単位モジュール(10a,10b,10c,10g,10h,10i)の低温側流入路(61)に選択的に流入する。この熱媒体は、単位モジュール(10a,10b,10c,10g,10h,10i)において、発熱状態の磁気作業物質(12)と熱交換して加熱された後、高温側流出路(64)から流れ出る。
単位モジュール(10a,10b,10c,10g,10h,10i)の高温側流出路(64)から流れ出た熱媒体は、低圧側多方切換弁(120)の制御により、熱媒体ポンプ(21A)を経て、第1熱交換器(16)の第1流入部(16b)に流入する。この熱媒体は、例えばクーリングタワー等の熱源ユニット(図示省略)を流れる二次冷媒と熱交換し、第1熱交換器(16)の第1流出部(16a)から流出する。
第1熱交換器(16)の第1流出部(16a)から流れ出た熱媒体は、高圧側多方切換弁(110)の制御により、消磁されている単位モジュール(10d,10e,10f,10j,10k,10l)の高温側流入路(63)に選択的に流入する。この熱媒体は、単位モジュール(10d,10e,10f,10j,10k,10l)において、吸熱状態の磁気作業物質(12)と熱交換して冷却された後、低温側流出路(62)から流出する。
単位モジュール(10d,10e,10f,10j,10k,10l)の低温側流出路(62)から流れ出た熱媒体は、第2逆止弁(92)の制御により、第2熱交換器(17)の第2流入部(17b)に流入する。この熱媒体は、例えばエアハンドリングユニット等の利用ユニット(図示省略)を流れる二次冷媒と熱交換し、第2熱交換器(17)の第2流出部(17a)から流出する。
<変形例3の特徴>
本変形例の加熱運転では、磁場変調部(15)により励磁したり消磁したりする単位モジュール(10a)を選択的に変えながら、以上に説明した熱媒体の流れ制御を繰り返し行う。また、加熱運転中において、低温側熱交換器(第2熱交換器(17))の表面に霜が付く条件が成立すると、デフロスト運転が実行される。デフロスト運転では、例えば磁場変調部(15)と回転バルブ型多方切換弁(100)の電気的制御により、磁場変動の位相に対する内部流路(13)における熱媒体の搬送方向を、加熱運転とは反対向きに切り替える。これにより、高温側熱交換器の大型化、又はバルブ若しくはタンク等の追加による装置構造の複雑化を回避しつつ、低コストで低温側熱交換器の除霜を行うことができる。
(変形例4)
前記実施形態及び変形例1~3の磁気冷凍装置(1)では、磁場変調部(15)と、熱媒体搬送部である往復式ポンプ(21)や各種バルブとがそれぞれ独立して駆動され、電気的に両者の同期を取る構成において、磁場変動の位相に対する内部流路(13)における熱媒体搬送方向を電気的に切り替える場合について説明した。
それに対して、本変形例では、例えば軸、ベルト、ギアなどの位相調整機構を用いて、磁場変調部(15)と、熱媒体搬送部である往復式ポンプ(21)や各種バルブとが連動して駆動される構成において、磁場変調部(15)と熱媒体搬送部とを機械的に制御して、磁場変動の位相に対する内部流路(13)における熱媒体搬送方向を切り替える。
<磁気冷凍装置の構成>
図24は、本変形例の磁気冷凍装置(1)の概略要部構成図である。尚、図24において、図21~図23に示す前記変形例3の磁気冷凍装置(1)と同じ構成要素には同じ符号を付す。
図24に示すように、本変形例の磁気冷凍装置では、前記変形例3の磁気冷凍装置(1)における回転型の磁気回路(磁場変調部(15))と回転バルブ型多方切換弁(100)とが、接続軸(71)を介して接続されており、これにより、磁場変動と熱媒体流動の間でタイミング(同期)が取られている。
図24~図26に示す回転バルブ型多方切換弁(100)では、高圧側多方切換弁(110)と低圧側多方切換弁(120)とが同一の弁箱(101)に一体的に設けられる。尚、図24では、熱媒体の流れを矢印で示している。
回転バルブ型多方切換弁(100)は、主に、弁箱(101)と、回転軸(102)と、高圧側入口ポート(115)と、低圧側出口ポート(125)と、高圧側弁板(111)と、高圧側弁体(112)と、低圧側弁板(121)と、低圧側弁体(122)とを備える。弁箱(101)は、例えばアクリル樹脂製である。回転軸(102)は、例えばステンレス製である。高圧側弁板(111)及び低圧側弁板(121)は、例えばアルミニウム製である。高圧側弁体(112)及び低圧側弁体(122)は、例えばPTFE等のフッ素樹脂製である。
尚、本変形例おいて、「軸方向」とは、回転軸(102)(軸心(J))の延びる方向のことであり、「径方向」とは、回転軸(102)と直交する方向のことであり、「周方向」とは、回転軸(102)を中心とする円の円周方向のことである。後述する変形例5でも同様である。
弁箱(101)の軸方向の一端(図24では上端)に高圧側弁板(111)が配置される。弁箱(101)の軸方向の他端(図24では下端)に低圧側弁板(121)が配置される。弁箱(101)における高圧側弁板(111)の内側に高圧側弁体(112)が配置される。弁箱(101)における低圧側弁板(121)の内側に低圧側弁体(122)が配置される。
回転軸(102)は、高圧側弁板(111)の中心部を貫通するように、弁箱(101)の外部から内部まで延びる。回転軸(102)は、図外の駆動回転機構によって回転する。回転軸(102)と高圧側弁板(111)との間には、例えばメカニカルシール等のシール部材(103)が設けられる。弁箱(101)の内部において、回転軸(102)には高圧側弁体(112)及び低圧側弁体(122)が取り付けられる。高圧側弁体(112)及び低圧側弁体(122)は、回転軸(102)と共に回転可能である。
高圧側弁体(112)及び低圧側弁体(122)は、同一の回転軸(102)で回転駆動される。このため、高圧側弁体(112)及び低圧側弁体(122)は、同じ回転数で同じ方向に回転する。また、高圧側弁体(112)と低圧側弁体(122)との相対位置関係は、回転によって変化しない。
高圧側入口ポート(115)は、弁箱(101)の径方向側部に設置される。これにより、弁箱(101)の内部は、高圧側入口ポート(115)と連通することによって高圧に保持される。また、低圧側出口ポート(125)は、低圧側弁板(121)の中心部に設置される。
高圧側弁板(111)には、複数の高圧側出口ポート(113)が回転軸(102)を囲むように形成される。高圧側弁体(112)には、高圧側流路(114)が形成される。高圧側流路(114)は、弁箱(101)の内部に対しオープン構造を持つ。高圧側流路(114)は、高圧側弁体(112)の回転位置に応じて、複数の高圧側出口ポート(113)のうちの少なくとも1つのポート(113a)と接続し、当該ポート(113a)と高圧側入口ポート(115)とを選択的に連通させる。高圧側弁体(112)は、回転位置に応じて、複数の高圧側出口ポート(113)のうち、弁箱(101)の内部の圧力よりも低圧となる少なくとも1つのポート(113b)を塞ぐ。当該ポート(113b)と弁箱(101)の内部との間の圧力差によって、高圧側弁体(112)は高圧側弁板(111)の方に吸引されて密着するので、流体の漏れを防ぐことができる。
高圧側弁体(112)は、回転軸(102)の周方向には固定されるが、回転軸(102)の軸方向には固定されない。例えば、軸方向に対して垂直な回転軸(102)の断面形状をD形状とし、同じD形状の貫通穴を高圧側弁体(112)に設けて、当該貫通穴に回転軸(102)を通すことによって、高圧側弁体(112)を回転軸(102)の周方向に固定し、且つ回転軸(102)の軸方向に移動可能としてもよい。これにより、高圧側弁体(112)が高圧側弁板(111)の方に吸引されるときに回転軸(102)が一緒に吸引されることを回避できる。
低圧側弁板(121)には、複数の低圧側入口ポート(123)が低圧側出口ポート(125)を囲むように形成される。低圧側弁体(122)には、低圧側流路(124)が形成される。低圧側弁体(122)は、回転位置に応じて、複数の低圧側入口ポート(123)のうち高圧となる少なくとも1つのポート(123a)を塞ぐ。低圧側流路(124)は、低圧側弁体(122)の回転位置に応じて、弁箱(101)の内部の圧力よりも低圧となる少なくとも1つのポート(123b)と接続し、当該ポート(123b)と低圧側出口ポート(125)とを選択的に連通させる。低圧側流路(124)は、弁箱(101)の内部に対しクローズド構造を持つ。言い換えると、弁箱(101)の内部の高圧と、低圧側流路(124)(低圧側弁体(122)の内部)の低圧とが分離される。これにより、低圧側弁体(122)の内部と弁箱(101)の内部との間の圧力差によって、低圧側弁体(122)は低圧側弁板(121)の方に吸引されて密着するので、流体の漏れを防ぐことができる。
低圧側弁体(122)は、回転軸(102)の周方向には固定されるが、回転軸(102)の軸方向には固定されない。例えば、軸方向に対して垂直な回転軸(102)の断面形状をD形状とし、同じD形状の貫通穴を低圧側弁体(122)に設けて、当該貫通穴に回転軸(102)を通すことによって、低圧側弁体(122)を回転軸(102)の周方向に固定し、且つ回転軸(102)の軸方向に移動可能としてもよい。これにより、低圧側弁体(122)が低圧側弁板(121)の方に吸引されるときに回転軸(102)が一緒に吸引されることを回避できる。
以上に説明したように、高圧側弁体(112)と低圧側弁体(122)とは別部材として構成され、軸方向にはそれぞれ独立して動ける(回転軸(102)に対してスライド可能である)ため、高圧側弁体(112)及び低圧側弁体(122)のそれぞれに作用する吸引力が相殺されることはない。また、各弁体(112,122)が軸方向に動くことが可能であるため、バネ(104)を各弁体(112,122)の間に設置した場合に、バネ(104)の弾性力によって、各弁体(112,122)を各弁板(111,121)に密着させることが可能となる。
低圧側弁体(122)は、弁箱(101)の内部と低圧側流路(124)とを熱断熱する機構を備えてもよい。一例として、低圧側弁体(122)の少なくとも一部を断熱材で構成してもよい。断熱材としては、低摩擦で摺動性に優れた、例えばPTFEやPOM等の樹脂を用いてもよい。
尚、図21に示す熱媒体回路(C)において、高圧側多方切換弁(110)の高圧側出口ポート(113)は、磁気冷凍モジュール(10)(単位モジュール(10a~10l))の高温側流入路(63)に接続される。また、低圧側多方切換弁(120)の低圧側入口ポート(123)は、磁気冷凍モジュール(10)の高温側流出路(64)に接続される。ここで、同じ単位モジュール(10a~10l)に接続された高圧側出口ポート(113)及び低圧側入口ポート(123)が同時に「開」になることはない。具体的には、同じ単位モジュール(10a~10l)に接続された高圧側出口ポート(113)及び低圧側入口ポート(123)については、一方のポートが「開」の場合は、他方のポートは「閉」となり、一方のポートが「閉」の場合は、他方のポートは「開」又は「閉」となる。
ところで、磁気冷凍装置(1)の作動開始直後で弁箱(101)の内部圧力が小さい場合や、重力方向とは逆方向に弁体(112,122)を弁板(111,121)に圧接して密着させる場合などには、密着力が不足して流体が漏れる可能性がある。
そこで、弁箱(101)の内部にバネ(104)を補助的に配置して、弁体(112,122)と弁板(111,121)との密着力を増大させている。尚、磁気冷凍装置(1)の通常動作時には、弁箱(101)内部の高圧を利用して密着力を発生させるので、バネ(104)の弾性力は、弁体(112,122)を弁板(111,121)に弱く密着させる程度でよい。これにより、バネ(104)の弾性力に起因する弁体(112,122)の摩耗を抑制できる。
具体的には、バネ(104)は、高圧側弁体(112)と低圧側弁体(122)との間に設置される。バネ(104)は、回転軸(102)の外周を囲みながら軸方向に延びる。バネ(104)の一端は、高圧側弁体(112)に取り付けられ、バネ(104)の他端は、低圧側弁体(122)に取り付けられる。この構成では、バネ押さえ等の他の部材を設けることなく、バネ(104)の設置によって、高圧側弁体(112)を高圧側弁板(111)に押しつけると共に低圧側弁体(122)を低圧側弁板(121)に押しつけることが可能となる。また、バネ(104)は、高圧側弁体(112)及び低圧側弁体(122)と一体となって回転するため、バネ(104)と弁体(112,122)との間や、バネ(104)と弁箱(101)との間などに、滑り部分を設ける必要もないので、摩擦トルクや摩耗の発生を回避することができる。
<変形例4の特徴>
本変形例の磁気冷凍装置(1)では、磁場変調部(15)の軸(回転機構(15c))と、回転バルブ型多方切換弁(100)の回転軸(102)とが接続軸(71)を介して接続されており、これにより、磁場変調部(15)と、回転バルブ弁体(高圧側弁体(112)、低圧側弁体(122))とは、同一の軸(以下、共通軸という)により回転する。一方、磁気冷凍モジュール(10)は固定される。
通常、回転バルブ型多方切換弁(100)の本体(弁箱(101)、弁板(高圧側弁板(111)、低圧側弁板(121)))は固定されるところ、本変形例では、回転バルブ型多方切換弁(100)の本体を共通軸を中心として回転させる。これにより、弁板(高圧側弁板(111)、低圧側弁板(121))のポート位置が回転方向に移動するので、熱媒体流動のタイミングを変化させること(つまり位相をずらす)が可能となる。
尚、回転バルブ型多方切換弁(100)は、磁気冷凍モジュール(10)や熱媒体ポンプ(21A)などと配管により接続されているが、柔軟性のある配管(樹脂チューブなど)を用いることで、回転バルブ型多方切換弁(100)本体を容易に回転させることができる。位相調整のための回転角は、2極の磁石(15a)を用いる場合で通常±90°以内であるので、デフロスト運転での回転バルブ型多方切換弁(100)本体の最大回転角も約90°である。
また、回転バルブ型多方切換弁(100)本体の回転に、例えばステッピングモータやサーボモータなどを用いることで、任意の角度制御が可能となる。
以上に説明したような構成により、磁場変調部(15)及び回転バルブ型多方切換弁(100)の回転中においても位相調整(磁場変動の位相に対する内部流路(13)における熱媒体搬送方向を切り替え)が可能となる。
(変形例5)
本変形例の磁気冷凍装置(1)が、前記変形例4と異なる点は、回転型の磁気回路(磁場変調部(15))と回転バルブ型多方切換弁(100)との間に、例えば図27又は図28に示すような位相調整機構(200,300)を設置することである。
図27に示す位相調整機構(200)は、ケーシング(201)内に、4つのかさ歯車(206a,206b,206c,206d)(合わせてかさ歯車群(206)という)と、2つの平歯車(208a,208b)(合わせて平歯車群(208)という)とを有する。かさ歯車群(206)は、上部ケーシング(202)に収容され、平歯車群(208)は、下部ケーシング(203)に収容される。かさ歯車群(206)(かさ歯車(206a))に一端が支持される入力軸(204)が、上部ケーシング(202)の天井部を貫通して設けられる。平歯車群(208)(平歯車(208b))に一端が支持される出力軸(205)が、下部ケーシング(203)の底部を貫通して設けられる。かさ歯車群(206)(かさ歯車(206b))に一端を支持され且つ平歯車群(208)(平歯車(208a))に他端が支持される接続軸(207)が、上部ケーシング(202)の底部(下部ケーシング(203)の天井部)を貫通して設けられる。
尚、図27の上側図は、位相調整機構(200)を軸方向から見た断面構成を示し、図27の下側図は、位相調整機構(200)を径方向から見た断面構成を示す。
かさ歯車群(206)は、位相調整(磁場変動の位相に対する内部流路(13)における熱媒体搬送方向を切り替え)を行う。平歯車群(208)は、回転バルブ型多方切換弁(100)の回転軸(102)と同軸の出力軸(205)の回転方向を、磁場変調部(15)の軸(回転機構(15c))と同軸の入力軸(204)と同方向に変える。かさ歯車群(206)のうち、2つのかさ歯車(206c,206d)については、入力軸(204)に対し回転可能なように設置される。2つのかさ歯車(206c,206d)を回転させることで、入力軸(204)と出力軸(205)との間の位相差(以下、位相回転角という)を変化させることができる。かさ歯車(206c,206d)の軸(211,213)はそれぞれ、上部ケーシング(202)内の支持部材(210)に設けられた軸受(212,214)に支持される。かさ歯車(206c,206d)の回転角(以下、位相調整角という)を変えると、かさ歯車(306c,306d)の回転方向の逆方向に、位相調整角の2倍の大きさの位相回転角が出力軸(205)に現れる。位相調整角の制御に、例えばステッピングモータやサーボモータなどを用いることで、任意の角度制御が可能となる。以上に説明したような構成により、磁場変調部(15)及び回転バルブ型多方切換弁(100)の回転中においても位相調整(磁場変動の位相に対する内部流路(13)における熱媒体搬送方向を切り替え)が可能となる。また、回転バルブ型多方切換弁(100)本体は固定したままで良いので、配管などに対する制約も無くなる。
尚、図27に示す位相調整機構(200)の平歯車群(208)をかさ歯車に置換することにより、図28に示す位相調整機構(300)を構成してもよい。尚、図28は、位相調整機構(300)を径方向から見た断面構成を示す。
位相調整機構(300)は、ケーシング(301)内に、4つのかさ歯車(306a,306b,306c,306d)からなる第1かさ歯車群(306)と、4つのかさ歯車(307a,307b,307c,307d)からなる第2かさ歯車群(306)とを有する。第1かさ歯車群(306)は、ケーシング(301)の上部空間(302)に収容され、第2かさ歯車群(306)は、ケーシング(301)の下部空間(303)に収容される。第1かさ歯車群(306)(かさ歯車(306a))に一端が支持される入力軸(304)が、ケーシング(301)の天井部を貫通して設けられる。第2かさ歯車群(306)(かさ歯車(307b))に一端が支持される出力軸(305)が、ケーシング(301)の底部を貫通して設けられる。尚、第1かさ歯車群(306)においてかさ歯車(306a)と対向するかさ歯車群(306b)と、第2かさ歯車群(307)においてかさ歯車(307b)と対向するかさ歯車(307a)とは一体に構成される。
第1かさ歯車群(306)は、位相調整(磁場変動の位相に対する内部流路(13)における熱媒体搬送方向を切り替え)を行う。第2かさ歯車群(306)は、回転バルブ型多方切換弁(100)の回転軸(102)と同軸の出力軸(305)の回転方向を、磁場変調部(15)の軸(回転機構(15c))と同軸の入力軸(304)と同方向に変える。
第1かさ歯車群(306)のうち、2つのかさ歯車(306c,306d)については、入力軸(304)に対し回転可能なように設置され、2つのかさ歯車(306c,306d)を回転させることで、入力軸(304)と出力軸(305)との間の位相差(以下、位相回転角という)を変化させることができる。かさ歯車(306c,306d)の軸(311,313)はそれぞれ、上部空間(302)内の支持部材に設けられた軸受(312,314)に支持される。かさ歯車(306c,306d)の回転角(以下、位相調整角という)を変えると、かさ歯車(306c,306d)の回転方向の逆方向に、位相調整角の2倍の大きさの位相回転角が出力軸(305)に現れる。位相調整角の制御に、例えばステッピングモータやサーボモータなどを用いることで、任意の角度制御が可能となる。
第2かさ歯車群(307)のうち、2つのかさ歯車(307c,307d)については、出力軸(305)に対し回転可能なように設置される。かさ歯車(307c,307d)の軸(321,323)はそれぞれ、ケーシング(301)の側壁部に設けられた軸受(322,324)に支持される。
以上に説明したような構成により、磁場変調部(15)及び回転バルブ型多方切換弁(100)の回転中においても位相調整(磁場変動の位相に対する内部流路(13)における熱媒体搬送方向を切り替え)が可能となる。また、回転バルブ型多方切換弁(100)本体は固定したままで良いので、配管などに対する制約も無くなる。さらに、入力軸(304)と出力軸(305)とを同一軸上に配置できるため、回転型の磁気回路(磁場変調部(15))と回転バルブ型多方切換弁(100)との間に位相調整機構(300)を容易に設置できる。
(変形例6)
図29は、変形例6に係る磁気冷凍装置(1)の配管系統図である。図29において、図1に示す前記実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付している。
本変形例6の磁気冷凍装置(1)においては、図29に示すように、第1熱交換器(16)の近傍に第1ファン(16f)が配置される。第1ファン(16f)は、第1モータ(16m)により駆動される。また、第2熱交換器(17)の近傍に第2ファン(17f)が配置される。第2ファン(17f)は、第2モータ(17m)により駆動される。第1モータ(16m)及び第2モータ(17m)は、制御部(30)によって駆動制御される。
本変形例の特徴は、前記実施形態のデフロスト運転において、以下に説明するように、ファン(16f,17f)の運転制御を行うことである。
第1ファン制御では、第2熱交換器(17)の温度が当該第2熱交換器(17)の周囲温度よりも高い場合、デフロスト運転では第2ファン(17f)を停止する。このようにすると、第2熱交換器(17)が低温側熱交換器(例えば室外熱交換器)であって当該室外熱交換器の温度が外気温度よりも高いときに第2ファン(17f)を停止することによって、当該室外熱交換器から外気への放熱を防ぎ、デフロストを効率良く行うことができる。
或いは、第1ファン制御に代えて、或いは、第1ファン制御に加えて、以下に説明する第2ファン制御を行ってもよい。
第2ファン制御では、第1熱交換器(16)は室内熱交換器であり、デフロスト運転では第1ファン(室内ファン)(16f)を停止する。これにより、室内熱交換器が設けられた室内機から冷風が送出されて室内空間の温度が低下することを抑制できる。
(その他の実施形態)
以上の実施形態及び変形例では、固体冷凍装置である磁気冷凍装置について例示してきたが、固体冷凍装置は、磁気作業物質(12)に磁気熱量効果を誘発する磁気冷凍以外の他の方式を用いたものであってもよい。尚、本開示において、固体冷媒物質には、柔軟結晶などの液体と固体の中間の性質を有するものも含む。
他の方式の固体冷凍装置としては、例えば、1)固体冷媒物質に電気熱量効果を誘発する方式、2)固体冷媒物質に圧力熱量効果を誘発する方式、3)固体冷媒物質に弾性熱量効果を誘発する方式のものが挙げられる。
1)の方式の固体冷凍装置では、力場印加部(以下、誘発部ともいう)が固体冷媒物質に電場変動を付与する。これにより、固体冷媒物質が強誘電体から常誘電体へ相転移するなどして、固体冷媒物質が発熱又は吸熱する。
2)の方式の固体冷凍装置では、誘発部が固体冷媒物質に圧力変動を付与することによって、固体冷媒物質が相転移して発熱又は吸熱する。
3)の方式の固体冷凍装置では、誘発部が固体冷媒物質に応力変動を付与することによって、固体冷媒物質が相転移して発熱又は吸熱する。
以上、実施形態及び変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態及び変形例は、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。また、以上に述べた「第1」、「第2」、・・・という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
以上に説明したように、本開示は、固体冷凍装置、特に磁気冷凍装置について有用である。
1 磁気冷凍装置(固体冷凍装置)
11 収容部
11a~11e 部分収容部
12 磁気作業物質(固体冷媒物質)
12a~12e 熱量効果が最大となる温度が異なる複数の物質
13 内部流路
15 磁場変調部(力場変調部)
16 第1熱交換器
16f 第1ファン(室内ファン)
17 第2熱交換器
17f 第2ファン(ファン)
21 往復式ポンプ(熱媒体搬送部)
50 熱媒体搬送部
100 回転バルブ型多方切換弁(熱媒体搬送部)
C 熱媒体回路

Claims (9)

  1. 固体冷媒物質(12)、及び熱媒体が前記固体冷媒物質(12)と熱交換して流れる内部流路(13)を有する収容部(11)と、
    前記収容部(11)内の前記固体冷媒物質(12)に力場変動を付与して熱量効果を誘発させる力場変調部(15)と、
    第1熱交換器(16)と、
    第2熱交換器(17)と、
    前記第1熱交換器(16)と前記第2熱交換器(17)と前記内部流路(13)とが接続される熱媒体回路(C)と、
    前記熱媒体回路(C)において前記力場変動に応じて前記熱媒体を前記収容部(11)内の前記固体冷媒物質(12)に対して往復的に搬送する熱媒体搬送部(21,50,100)とを備え、
    前記固体冷媒物質(12)により加熱した前記熱媒体を前記第1熱交換器(16)で放熱させ且つ前記固体冷媒物質(12)により冷却した前記熱媒体を前記第2熱交換器(17)で吸熱させる加熱運転と、前記加熱運転で前記第2熱交換器(17)に付着した霜を取り除くデフロスト運転とを行う固体冷凍装置(1)であって、
    前記固体冷媒物質(12)は、熱量効果が最大となる温度が異なる複数の物質(12a~12e)を含み、
    前記複数の物質(12a~12e)は、前記内部流路(13)に沿って前記温度の高低順に配置され、
    前記デフロスト運転において、前記力場変動の位相に対する前記内部流路(13)における前記熱媒体の搬送方向を、前記加熱運転とは反対向きに切り替える、
    固体冷凍装置。
  2. 請求項1の固体冷凍装置において、
    前記収容部(11)は、前記熱媒体回路(C)において互いに直列接続された複数の部分収容部(11a~11e)を含み、
    前記複数の部分収容部(11a~11e)のそれぞれは、前記複数の物質(12a~12e)のうち少なくとも1つの物質を有する、
    固体冷凍装置。
  3. 請求項1の固体冷凍装置において、
    前記力場変調部(15)と前記熱媒体搬送部(21,50,100)とを電気的に制御して、前記力場変動の位相に対する前記内部流路(13)における前記熱媒体の搬送方向を切り替える、
    固体冷凍装置。
  4. 請求項1の固体冷凍装置において、
    前記力場変調部(15)と前記熱媒体搬送部(100)とを機械的に制御して、前記力場変動の位相に対する前記内部流路(13)における前記熱媒体の搬送方向を切り替える、
    固体冷凍装置。
  5. 請求項1の固体冷凍装置において、
    前記第2熱交換器(17)に送風するファン(17f)をさらに備え、
    前記第2熱交換器(17)の温度が当該第2熱交換器(17)の周囲温度よりも高い場合、前記デフロスト運転では前記ファン(17f)を停止する、
    固体冷凍装置。
  6. 請求項1の固体冷凍装置において、
    前記第1熱交換器(16)は、室内熱交換器であり、
    前記室内熱交換器に送風する室内ファン(16f)をさらに備え、
    前記デフロスト運転では前記室内ファン(16f)を停止する、
    固体冷凍装置。
  7. 請求項1の固体冷凍装置において、
    前記デフロスト運転では前記力場変動の周波数を高くする、
    固体冷凍装置。
  8. 請求項1の固体冷凍装置において、
    前記デフロスト運転では、前記熱媒体回路(C)における前記熱媒体の流量を増大させる、
    固体冷凍装置。
  9. 請求項1~8のいずれか1項の固体冷凍装置において、
    前記固体冷媒物質(12)は、磁気作業物質(12)であり、
    前記力場変調部(15)は、前記磁気作業物質(12)に磁場変動を付与する磁場変調部(15)である、
    固体冷凍装置。
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