JP2023141836A - 固体冷媒による冷凍装置 - Google Patents

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昭雄 吉本
Akio Yoshimoto
三博 田中
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Abstract

【課題】回転を用いて固体冷媒物質に力場変動を付与する冷凍装置の効率を向上させる。【解決手段】冷凍装置は、環状に配列された複数の熱交換ブロック又はブロック群(22、100)、力場印加部(15a)、及び力場変調部(16)を備える。力場印加部(15a)は、熱交換ブロック又はブロック群(22,100)内の固体冷媒物質に力場を印加する。力場変調部(16)は、回転運動により熱交換ブロック又はブロック群(22,100)内の固体冷媒物質に力場変動を付与する。力場の印加方向から見て、各熱交換ブロック又はブロック群(22,100)の第1面(S1)の全面若しくは略全面が力場印加部(15a)の第2面(S2)に重なるか又は第2面(S2)に重ならない第1状態の期間における熱交換ブロック又はブロック群(22,100)に対する力場印加部(15a)の平均相対速度は、第1面(S1)の一部が第2面(S2)と重なる第2状態の期間における平均相対速度よりも遅い。【選択図】図3

Description

本開示は、固体冷媒による冷凍装置に関するものである。
従来より、磁気熱量効果を利用して冷熱及び温熱を作り出す冷凍装置が知られている。特許文献1には、磁石回転型の磁気冷凍モジュールを用いた冷凍装置が提案されている。特許文献1の冷凍装置では、磁気作業物質を収容する収容部に対して磁石を回転させることにより磁場の印加及び除去が行われると共に、当該収容部に熱媒体を流入及び流出させることで冷熱及び温熱が生成される。
特開2021-148421号公報
しかし、特許文献1の冷凍装置では、磁気作業物質に対する磁場の印加及び除去の切り替えの際に、(1)磁場が徐々に変化する状態や、(2)収容部内の場所によって磁気作業物質に印加される磁場の強度が不均一になる状態が生じる。このような(1)又は(2)の状態で、熱媒体を流して磁気作業物質と熱交換させると、磁気熱量効果による温熱や冷熱が十分発生していない状態で熱交換を行うことになる。その結果、十分な熱量を搬送できないにも関わらず熱媒体を流す動力を使うために、効率が低下してしまう。
本開示の目的は、回転運動を用いて固体冷媒物質に力場変動を付与する冷凍装置の効率を向上させることにある。
本開示の第1の態様は、環状に配列された複数の熱交換ブロック(22)と、少なくとも1つの力場印加部(15a)と、力場変調部(16)とを備える、固体冷媒による冷凍装置である。前記複数の熱交換ブロック(22)はそれぞれ、固体冷媒物質(24)と、熱媒体が当該固体冷媒物質(24)と熱交換して流れる内部流路(23)とを有する。前記力場印加部(15a)は、前記複数の熱交換ブロック(22)内の前記固体冷媒物質(24)に力場を印加する。前記力場変調部(16)は、第1回転、第2回転又は第3回転のいずれかの回転運動により、前記複数の熱交換ブロック(22)内の前記固体冷媒物質(24)に力場変動を付与する。前記第1回転では、前記力場印加部(15a)を固定すると共に、前記複数の熱交換ブロック(22)によって形成された環(21)の中心を軸にして、環状に配列された前記複数の熱交換ブロック(22)を回転させる。前記第2回転では、前記複数の熱交換ブロック(22)を固定すると共に、前記環(21)の中心を軸にして、前記力場印加部(15a)を回転させる。前記第3回転では、前記環(21)の中心を軸にして、前記力場印加部(15a)、及び環状に配列された前記複数の熱交換ブロック(22)の双方を互いに異なる向きに回転させる。前記複数の熱交換ブロック(22)のそれぞれにおける前記力場印加部(15a)によって前記力場が印加される面を第1面(S1)とし、前記力場印加部(15a)における前記複数の熱交換ブロック(22)に前記力場を印加する面を第2面(S2)とする。前記回転運動を前記力場の印加方向から見て、前記複数の熱交換ブロック(22)のそれぞれの前記第1面(S1)の全面若しくは略全面が前記第2面(S2)に重なるか又は前記第2面(S2)に重ならない第1状態の期間における前記複数の熱交換ブロック(22)に対する前記力場印加部(15a)の第1相対速度の平均速度は、前記複数の熱交換ブロック(22)のうちの少なくとも1つの熱交換ブロック(22)の前記第1面(S1)の一部が前記第2面(S2)と重なる第2状態の期間における前記複数の熱交換ブロック(22)に対する前記力場印加部(15a)の第2相対速度の平均速度よりも遅い。
第1の態様では、熱交換ブロック(22)と熱媒体とが熱交換を行う第1状態の期間における回転を遅くして当該期間を長くできるため、熱媒体の流速を遅くできるので、圧損が低下して効率が向上する。また、熱交換を行う第1状態の期間を長くできることによって、熱交換量が増加するので、能力が増大して効率が向上する。
本開示の第2の態様は、前記第1の態様において、前記第1状態では前記回転運動が所定の時間停止する。
第2の態様では、熱交換ブロック(22)と熱媒体とが熱交換を行う第1状態の期間における回転を一旦停止するため、当該期間をさらに長くできる。このため、熱媒体の流速をさらに遅くできるので、圧損がさらに低下して効率がさらに向上する。また、熱交換量がさらに増加するので、能力がさらに増大して効率がより一層向上する。
本開示の第3の態様は、前記第1又は第2の態様において、前記第1相対速度と前記第2相対速度とは、ステップ状に変化する。
第3の態様では、熱交換ブロック(22)と熱媒体とが熱交換を行う第1状態の期間をさらに長くできる。このため、熱媒体の流速をさらに遅くできるので、圧損がさらに低下して効率がさらに向上する。また、熱交換量がさらに増加するので、能力がさらに増大して効率がより一層向上する。
本開示の第4の態様は、前記第1~第3の態様のいずれか1つにおいて、前記回転運動の回転方向である周方向において、前記力場印加部(15a)の幅と前記複数の熱交換ブロック(22)のそれぞれの幅とが略同じであり、前記複数の熱交換ブロック(22)の配置数は、前記力場印加部(15a)の配置数である極数の2倍である。
第4の態様では、熱交換ブロック(22)の配置数に応じて極数を増やすことにより、モータ回転数を低く抑えることができるので、モータ損失の低減によって効率が向上する。
本開示の第5の態様は、前記第1~第4の態様のいずれか1つにおいて、前記力場印加部(15a)の配置数である極数は、偶数である。
第5の態様では、極数を偶数にすることによって、閉回路となる磁路を効率的に形成できるので、装置を小型化することができる。
本開示の第6の態様は、環状に配列された複数の熱交換ブロック群(100)と、少なくとも1つの力場印加部(15a)と、力場変調部(16)とを備える、固体冷媒による冷凍装置である。前記複数の熱交換ブロック群(100)は、互いに隣り合う2以上の熱交換ブロック(22)を1単位の熱交換ブロック群(100)とする。前記熱交換ブロック(22)はそれぞれ、固体冷媒物質(24)と、熱媒体が当該固体冷凍物質(24)と熱交換して流れる内部流路(23)とを有する。前記力場印加部(15a)は、前記複数の熱交換ブロック群(100)内の前記固体冷媒物質(24)に力場を印加する。前記力場変調部(16)は、第1回転、第2回転又は第3回転のいずれかの回転運動により、前記複数の熱交換ブロック群(100)を構成する前記熱交換ブロック内の前記固体冷媒物質に力場変動を付与する。前記第1回転では、前記力場印加部(15a)を固定すると共に、前記複数の熱交換ブロック群(100)によって形成された環(21)の中心を軸にして、環状に配列された前記複数の熱交換ブロック群(100)を回転させる。前記第2回転では、前記複数の熱交換ブロック群(100)を固定すると共に、前記環(21)の中心を軸にして、前記力場印加部(15a)を回転させる。前記第3回転では、前記環(21)の中心を軸にして、前記力場印加部(15a)、及び環状に配列された前記複数の熱交換ブロック群(100)の双方を互いに異なる向きに回転させる。前記複数の熱交換ブロック群(100)のそれぞれにおける前記力場印加部(15a)によって前記力場が印加される面を第1面(S1)とし、前記力場印加部(15a)における前記複数の熱交換ブロック群(100)に前記力場を印加する面を第2面(S2)とする。前記回転運動を前記力場の印加方向から見て、前記複数の熱交換ブロック群(100)のそれぞれの前記第1面(S1)の全面若しくは略全面が前記第2面(S2)に重なるか又は前記第2面(S2)に重ならない第1状態 の期間における前記複数の熱交換ブロック群(100)に対する前記力場印加部(15a)の第1相対速度の平均速度は、前記複数の熱交換ブロック群(100)のうちの少なくとも1つの熱交換ブロック群(100)の前記第1面(S1)の一部が前記第2面(S2)と重なる第2状態の期間における前記複数の熱交換ブロック群(100)に対する前記力場印加部(15a)の第2相対速度の平均速度よりも遅い。
第6の態様では、熱交換ブロック群(100)と熱媒体とが熱交換を行う第1状態の期間における回転を遅くして当該期間を長くできるため、熱媒体の流速を遅くできるので、圧損が低下して効率が向上する。また、熱交換を行う第1状態の期間を長くできることによって、熱交換量が増加するので、能力が増大して効率が向上する。
本開示の第7の態様は、前記第6の態様において、前記第1状態では前記回転運動が所定の時間停止する。
第7の態様では、熱交換ブロック群(100)と熱媒体とが熱交換を行う第1状態の期間における回転を一旦停止するため、当該期間をさらに長くできる。このため、熱媒体の流速をさらに遅くできるので、圧損がさらに低下して効率がさらに向上する。また、熱交換量がさらに増加するので、能力がさらに増大して効率がより一層向上する。
本開示の第8の態様は、前記第6又は前記第7の態様において、前記第1相対速度と前記第2相対速度とは、ステップ状に変化する。
第8の態様では、熱交換ブロック群(100)と熱媒体とが熱交換を行う第1状態の期間をさらに長くできる。このため、熱媒体の流速をさらに遅くできるので、圧損がさらに低下して効率がさらに向上する。また、熱交換量がさらに増加するので、能力がさらに増大して効率がより一層向上する。
本開示の第9の態様は、前記第6~第8の態様のいずれか1つにおいて、前記回転運動の回転方向である周方向において、前記力場印加部(15a)の幅と前記複数の熱交換ブロック群(100)のそれぞれの幅とが略同じであり、前記複数の熱交換ブロック群(100)の配置数は、前記力場印加部(15a)の配置数である極数の2倍である。
第9の態様では、熱交換ブロック群(100)の配置数に応じて極数を増やすことによって、モータ回転数を低く抑えることができるので、モータ損失の低減により効率が向上する。
本開示の第10の態様は、前記第6~第9の態様のいずれか1つにおいて、前記力場印加部(15a)の配置数である極数は、偶数である。
第10の態様では、極数を偶数にすることによって、閉回路となる磁路を効率的に形成できるので、装置を小型化することができる。
本開示の第11の態様は、前記第1~第10の態様のいずれか1つにおいて、前記固体冷媒物質(24)は、磁気作業物質(24)であり、前記力場は、磁場であり、前記力場印加部(15a)は、磁場印加部(15a)であり、前記力場変調部(16)は、磁場変調部(16)である。
第11の態様では、磁気冷凍装置の効率を向上させることができる。
図1は、実施形態1の磁気冷凍装置の構成を概略的に示す回路図である。 図2は、実施形態1の磁気冷凍モジュールを環状収納部の軸方向から見た平面図である。 図3は、実施形態1の磁気冷凍モジュールを環状収納部の径方向から見た断面図である。 図4は、実施形態1の磁気冷凍モジュールの収納部片を環状収納部の軸方向から見た断面図である。 図5は、比較例の磁場印加部の回転動作の一例を説明する図である。 図6は、磁場印加部の配置数である極数のバリエーションを説明する図である。 図7は、磁場印加部の配置数である極数と、熱媒体の流速との関係を説明する図である。 図8は、比較例の磁場印加部の回転動作の他例を説明する図である。 図9は、実施形態1の磁場印加部の回転動作の一例を説明する図である。 図10は、実施形態1の磁場印加部の回転動作の他例を説明する図である。 図11は、実施形態1における磁場印加部と熱交換ブロックとの寸法関係を説明する図である。 図12は、実施形態1の磁場印加部により磁路が形成される様子を示す模式図である。 図13は、実施形態1の熱交換ブロックに対する磁場印加部の動きを説明する模式図である。 図14は、実施形態2の熱交換ブロック群に対する磁場印加部の動きを説明する模式図である。 図15は、その他の実施形態の磁気冷凍モジュールを環状収納部の軸方向から見た平面図である。
(実施形態1)
実施形態1について説明する。本実施形態の磁気冷凍装置(10)は、熱量効果を利用して熱媒体の温度を調節する固体冷媒による冷凍装置であって、例えば冷専チラーとして構成される。
<磁気冷凍装置の構成>
図1に示すように、磁気冷凍装置(10)は、磁気冷凍モジュール(20)と、低温側熱交換器(60)と、高温側熱交換器(70)と、熱媒体ポンプ(80)とが設けられた熱媒体回路(11)を備える。熱媒体回路(11)の各構成要素は、熱媒体配管を介して互いに接続されている。磁気冷凍モジュール(20)は、熱量効果を利用して熱媒体の温度を調節する固体冷媒による冷却モジュールであって、本例では、磁気熱量効果を利用して熱媒体の温度を調節する
磁気冷凍モジュール(20)は、環状に配列された複数の熱交換ブロック(22)が収納される環状収納部(21)を備える。熱交換ブロック(22)はそれぞれ、固体冷媒物質としての磁気作業物質(24)と、熱媒体が磁気作業物質(24)と熱交換して流れる内部流路(23)とを有する。熱交換ブロック(22)内の磁気作業物質(24)に力場である磁場を印加したり除去したりすることで磁気熱量効果が生じ、それにより内部流路(23)を流れる熱媒体が加熱又は冷却される。
図2及び図3に示すように、磁気冷凍モジュール(20)の環状収納部(21)は、例えば12個の複数の収納部片(21a~21l)から構成され、各収納部片(21a~21l)に熱交換ブロック(22a~22l)が収納される。すなわち、磁気冷凍モジュール(20)は、12個の熱交換ブロック(22a~22l)から構成される。本実施形態では、各収納部片(21a~21l)は、例えば環状扇形状であるが、これに限定されず、扇形状又は台形状などであってもよい。各収納部片(21a~21l)の厚さは、磁束漏れが生じ難く、且つ、必要となる収納体積を確保できる厚さに設定される。尚、以下の説明で、熱交換ブロック(22)と記載するときは、複数の熱交換ブロック(22a~22l)のうちの任意の単位モジュールを表すものとする。また、収納部片(21a)と記載するときは、複数の収納部片(21a~21l)のうちの任意の収納部片を表すものとする。
環状収納部(21)の軸方向において磁気冷凍モジュール(20)を構成する熱交換ブロック(22)を挟むように力場印加機構である磁場印加機構(15)が配置される。磁場印加機構(15)は、磁気冷凍モジュール(20)に近接して配置される少なくとも1つの力場印加部である磁場印加部(15a)と、磁場印加部(15a)を支持し且つ磁路を形成するためのヨーク(15b)とを有する。磁場印加部(15a)は、環状収納部(21)の軸方向に熱交換ブロック(22)を挟む一対の磁石で構成される。磁場印加部(15a)の配置数は、磁気回路の極数に等しい。磁気冷凍モジュール(20)の中央部開口を通って環状収納部(21)の軸方向に延びるように、力場変調部(磁場変調部)である回転機構(16)が配置される。磁場印加機構(15)は、回転機構(16)によって環状収納部(21)の周方向に回転する。一方、磁気冷凍モジュール(20)つまり熱交換ブロック(22)は固定される。本例では、磁場印加機構(15)は、収納部片(21a)3個分の面積とそれぞれオーバーラップする2つの磁場印加部(15a)を有する。磁場印加部(15a)と熱交換ブロック(22)とは、同軸の周方向に均等配置される。これにより、磁場印加機構(15)の回転に伴い、励磁される熱交換ブロック(22)は時々刻々変化するので、言い換えると、熱交換ブロック(22)内の磁気作業物質(24)に磁場変動が付与されるので、磁石回転型の磁気冷凍モジュール(20)が構成される。尚、図1及び図2では、熱交換ブロック(22a,22b,22c,22g,22h,22i)が励磁されており、熱交換ブロック(22d,22e,22f,22j,22k,22l)が消磁されている様子を示している。また、以下の説明では、図3に示すように、熱交換ブロック(22)のそれぞれにおける磁場印加部(15a)によって磁場が印加される面(S1)を第1面(S1)、磁場印加部(15a)における熱交換ブロック(22)に磁場を印加する面(S2)を第2面(S2)と呼ぶ。
図1に示すように、磁気冷凍モジュール(20)の環状収納部(21)を構成する各収納部片(21a~21l)は、低温側流入路(25)と、低温側流出路(26)と、高温側流入路(27)と、高温側流出路(28)とを有する。各流入路(25,27)及び各流出路(26,28)は、各熱交換ブロック(22)の内部空間(内部流路(23))に連通している。励磁されている熱交換ブロック(22)では、低温側流入路(25)から熱交換ブロック(22)内の内部流路(23)を経て高温側流出路(28)に向かう熱媒体の流れが形成される。消磁されている熱交換ブロック(22)では、高温側流入路(27)から熱交換ブロック(22)内の内部流路(23)を経て低温側流出路(26)に向かう熱媒体の流れが形成される。
低温側熱交換器(60)は、磁気冷凍モジュール(20)で冷却された熱媒体と、図示を省略する利用ユニット(例えば、エアハンドリングユニット)を流れる二次冷媒とを熱交換させるものである。低温側熱交換器(60)は、磁気冷凍モジュール(20)の低温側流出路(26)に接続された第1流入部(61)と、磁気冷凍モジュール(20)の低温側流入路(25)に接続された第1流出部(62)とを有する。
ここで、各収納部片(21a~21l)の低温側流出路(26)と、第1流入部(61)との間の熱媒体配管には、多方切換弁から構成される第1流路切換弁(91)が設けられている。また、各収納部片(21a~21l)の低温側流入路(25)と、第1流出部(62)との間の熱媒体配管には、多方切換弁から構成される第2流路切換弁(92)が設けられている。
高温側熱交換器(70)は、磁気冷凍モジュール(20)で加熱された熱媒体と、図示を省略する熱源ユニット(例えばクーリングタワー)を流れる二次冷媒とを熱交換させるものである。高温側熱交換器(70)は、磁気冷凍モジュール(20)の高温側流出路(28)に接続された第2流入部(71)と、磁気冷凍モジュール(20)の高温側流入路(27)に接続された第2流出部(72)とを有する。
ここで、各収納部片(21a~21l)の高温側流出路(28)と、第2流入部(71)との間の熱媒体配管には、多方切換弁から構成される第3流路切換弁(93)が設けられている。また、各収納部片(21a~21l)の高温側流入路(27)と、第2流出部(72)との間の熱媒体配管には、多方切換弁から構成される第4流路切換弁(94)が設けられている。
熱媒体ポンプ(80)は、磁気冷凍モジュール(20)と各熱交換器(60,70)との間で熱媒体を流すためのものである。熱媒体ポンプ(80)は、例えば、第3流路切換弁(93)と高温側熱交換器(70)との間の熱媒体配管に設けられる。
図4に示すように、磁気冷凍モジュール(20)の環状収納部(21)を構成する各収納部片(21a)には、熱交換ブロック(22)が収容される。熱交換ブロック(22)は、収納部片(21a)と同様に、環状扇形状に形成されている。熱交換ブロック(22)は、磁気作業物質(24)を収容している。熱交換ブロック(22)は、熱媒体が磁気作業物質(24)と熱交換して流れる内部流路(23)を有する。熱交換ブロック(22)の構造例として、球形状や粉砕形状の磁気作業物質(24)を充填してもよいし、板状の磁気作業物質(24)を隙間をあけて積層してもよいし、又は、線状の磁気作業物質(24)を並べて配置してもよい。或いは、ブロック状の磁気作業物質(24)の間に複数の内部流路(チャネル)(23)を形成したマイクロチャネル構造としてもよいし、又は、磁気作業物質(24)と内部流路(23)とを有するその他の構造としてもよい。また、熱交換ブロック(22)は、磁気作業物質(24)以外の物質、例えば樹脂などを含んでもよい。樹脂は、粉砕状や球状の磁気作業物質(24)の固着や、防錆等を目的とする磁気作業物質(24)の表面コーティングなどに用いる。
<磁気冷凍装置における熱媒体の流れ>
図1に示す磁気冷凍装置(10)においては、流路切換弁(91,92,93,94)を制御すると共に、当該制御動作に対応させて磁気冷凍モジュール(20)の熱交換ブロック(22)に磁場を印加したり除去したりすることによって、冷熱を供給する。
以下、図1及び図2に示すように、熱交換ブロック(22a,22b,22c,22g,22h,22i)が励磁されており、且つ、熱交換ブロック(22d,22e,22f,22j,22k,22l)が消磁されている場合を例として、具体的に説明する。尚、図1では、熱媒体の流れを矢印で示している。
まず、低温側熱交換器(60)の第1流出部(62)から流れ出た熱媒体は、第2流路切換弁(92)の制御により、励磁されている熱交換ブロック(22a,22b,22c,22g,22h,22i)に連通する低温側流入路(25)に選択的に流入する。熱交換ブロック(22a,22b,22c,22g,22h,22i)の内部流路(23)において発熱状態の磁気作業物質(24)と熱交換することで熱媒体が加熱される。加熱された熱媒体は、熱交換ブロック(22a,22b,22c,22g,22h,22i)に連通する高温側流出路(28)から流出する。
高温側流出路(28)から流れ出た熱媒体は、第3流路切換弁(93)の制御により、熱媒体ポンプ(80)を経て、高温側熱交換器(70)の第2流入部(71)に流入する。この熱媒体は、例えばクーリングタワー等の熱源ユニット(図示省略)を流れる二次冷媒と熱交換し、高温側熱交換器(70)の第2流出部(72)から流出する。
第2流出部(72)から流れ出た熱媒体は、第4流路切換弁(94)の制御により、消磁されている熱交換ブロック(22d,22e,22f,22j,22k,22l)に連通する高温側流入路(27)に選択的に流入する。熱交換ブロック(22d,22e,22f,22j,22k,22l)の内部流路(23)において吸熱状態の磁気作業物質(24)と熱交換することで熱媒体が冷却される。冷却された熱媒体は、熱交換ブロック(22d,22e,22f,22j,22k,22l)に連通する低温側流出路(26)から流出する。
低温側流出路(26)から流れ出た熱媒体は、第1流路切換弁(91)の制御により、低温側熱交換器(60)の第1流入部(61)に流入する。この熱媒体は、例えばエアハンドリングユニット等の利用ユニット(図示省略)を流れる二次冷媒と熱交換し、低温側熱交換器(60)の第1流出部(62)から流出する。
本実施形態では、磁場印加部(15a)の回転により励磁したり消磁したりする熱交換ブロック(22)を選択的に変えながら、以上に説明した熱媒体の流れ制御を繰り返し行う。
<磁場印加部の回転動作>
[比較例]
図5は、比較例の磁場印加部(15a)の回転動作の一例を示す。図5に示す例では、12個の熱交換ブロック(22)が環状に配列されると共に、回転運動の軸方向(つまり磁場の印加方向)から見て、熱交換ブロック(22)3個に相当する面積を持つ磁場印加部(15a)が2個配置される。比較例では、磁場印加部(15a)を一定の速度で回転させる。この場合、磁場印加部(15a)の回転位置(角度変位)は単調に増加する。
磁場印加部(15a)を一定の速度で回転させると、熱交換ブロック(22)内の磁気作業物質(24)に対する磁場の印加及び除去の切り替えの際に、(1)磁場が徐々に変化する状態や、(2)収容部内の場所によって磁気作業物質に印加される磁場の強度が不均一になる状態が生じる。このような(1)又は(2)の状態で、熱媒体を流して磁気作業物質(24)と熱交換させると、磁気熱量効果による温熱や冷熱が十分発生していない状態で熱交換を行うことになる。その結果、十分な熱量を搬送できないにも関わらず熱媒体を流す動力を使うために、効率が低下してしまう。
そこで、この効率低下を防ぐために、比較例では、熱交換ブロック(22)内の磁気作業物質(24)が完全に磁場印加部(15a)に覆われているか、又は完全に磁場印加部(15a)が外れている状態で熱媒体を流す。
具体的には、図5に示すように、1つの熱交換ブロック(22)(図中でハッチングを付した熱交換ブロック(22))に着目し、当該熱交換ブロック(22)の上側を磁場印加部(15a)の端部が通過している期間を磁場変化期間T1、各熱交換ブロック(22)が磁場印加部(15a)に完全に覆われているか又は完全に磁場印加部(15a)から外れている期間を磁場一定期間T2として、磁場変化期間T1では熱媒体を流さず、磁場一定期間T2では熱媒体を流す。尚、図5において、「高温側→低温側」は、高温側熱交換器(70)から低温側熱交換器(60)に向けて熱媒体を搬送する場合を示し、「低温側→高温側」は、低温側熱交換器(60)から高温側熱交換器(70)に向けて熱媒体を搬送する場合を示す。
しかし、比較例では、熱媒体を流す時間帯が、元の「T1+T2」から「T2」に短縮されるため、元と同じ熱量を取り出す(つまり同じ流量を流す)ためには、熱媒体の流速を速くする必要がある。その結果、流速の二乗の関数で表される圧損が増加して効率が低下してしまう。
ところで、磁気冷凍サイクル周波数は、
磁気冷凍サイクル周波数(Hz)=磁気回路の極数×磁気回路の回転数(rps)
で表される。従って、同じ磁気冷凍サイクル周波数であれば、極数が多いほど磁気回路の回転数(本例では磁場印加部(15a)の回転数)を小さくして、磁気回路を回転させるモータ入力を抑えて効率を向上させることができる。図6に、12個の熱交換ブロック(22)が環状に配列される場合における極数(磁場印加部(15a)の配置数)のバリエーションを示す。図6に示すバリエーションの中では6極構成の場合が、モータ入力を最小にできる。この場合、回転運動の回転方向である周方向において力場印加部(15a)の幅と熱交換ブロック(22)の幅とが略同じであり、力場印加部(15a)の配置数である極数が、熱交換ブロック(22)の配置数の半分となる。
しかし、磁気回路の極数が多くなるに従って、図7に示すように、磁気冷凍サイクル周期における磁場変化期間T1の比率が大きくなり、磁場一定期間T2の比率が小さくなる。このため、極数が多くなるほど、同じ熱量を取り出す(同じ流量を流す)ために熱媒体の流速を速くする必要があり、その結果、圧損が増加して効率が低下してしまう。特に、図8に示すように、前述の6極構成では、熱媒体を流せる磁場一定期間T2がピンポイントとなってしまい、大きな圧損の発生が避けられない。このように、磁場印加部(15a)を一定の速度で回転させる比較例では、磁気回路の極数に関し、モータ入力と圧損とがトレードオフの関係を持つ。
[磁場印加部の回転制御]
前述の比較例に対して、本実施形態では、例えば図9又は図10に示すように、磁場一定期間T2の比率が大きくなるように、磁場印加部(15a)の回転制御を行った上で、磁場変化期間T1では熱媒体を流さず、磁場一定期間T2で熱媒体を流す。尚、図9及び図10は、12個の熱交換ブロック(22)を環状に配列して極数を6極とした場合を例示する。
具体的には、本実施形態では、磁場変化期間T1における磁場印加部(15a)の平均回転速度と比べて、磁場一定期間T2における磁場印加部(15a)の平均回転速度を遅くする。ここで、磁場変化期間T1では、回転運動を磁場の印加方向から見て、複数の熱交換ブロック(22)のうちの少なくとも1つの熱交換ブロック(22)の第1面(S1)の一部が磁場印加部(15a)の第2面(S2)と重なる状態となる。また、磁場一定期間T2では、回転運動を磁場の印加方向から見て、複数の熱交換ブロック(22)のそれぞれの第1面(S1)の全面若しくは略全面が磁場印加部(15a)の第2面(S2)に重なるか又は当該第2面(S2)に重ならない状態となる。
本実施形態では、磁場の印加方向から見て、磁場印加部(15a)の大きさは、熱交換ブロック(22)の大きさと同等以上に設定される。この場合、磁場一定期間T2では、熱交換ブロック(22)の第1面(S1)の全面が、磁場印加部(15a)の第2面(S2)に重なる。例えば、図11の(a)に示すように、磁場の印加方向から見て、磁場印加部(15a)の大きさは、熱交換ブロック(22)を収納する収納部片(21a)と同じ大きさに設定される。この場合、回転運動の回転方向(周方向)において、収納部片(21a)、磁場印加部(15a)、熱交換ブロック(22)のそれぞれの幅をWcase、Wmag、Wmatとすると、Wcase=Wmag>Wmatである。或いは、図11の(b)に示すように、磁場の印加方向から見て、磁場印加部(15a)の大きさは、熱交換ブロック(22)(つまり磁気作業物質(24))と同じ大きさに設定される。この場合、Wcase>Wmag=Wmatである。図11の(c)は、図11の(a)に示すように磁場印加部(15a)の大きさが設定された場合の磁気冷凍モジュール(20)(環状収納部(21))の全体構成を示す。本実施形態では、Wcase≧Wmag≧Wmatの関係を満たす場合、周方向において、力場印加部(15a)の幅と熱交換ブロック(22)の幅とが略同じであるとする。
尚、効率の無視できない低下を生じない範囲で、磁場の印加方向から見て、磁場印加部(15a)よりも熱交換ブロック(22)を若干大きくすることも可能である。この場合、磁場一定期間T2では、熱交換ブロック(22)の第1面(S1)の略全面が、磁場印加部(15a)の第2面(S2)に重なるようにすればよい。
図9及び図10に示すように、磁場変化期間T1を相対的に短くし、磁場一定期間T2を相対的に長くすると、熱交換可能な磁場一定期間T2が長くなるので、熱交換量が増加して能力が向上する。また、熱交換可能な磁場一定期間T2が長くなることによって、熱量を取り出す際の熱媒体の流速を遅くすることができるので、圧損が低下して効率が向上する。さらに、前述の比較例では、磁気回路の極数に関し、モータ入力と圧損とがトレードオフの関係にあったが、本実施形態では磁場一定期間T2を長くできるため、極数を増やすことが可能となり、モータ入力を低減して効率をさらに向上させることができる。
具体的には、図9及び図10に示すように、12個の熱交換ブロック(22)が環状に配列された構成で、力場印加部(15a)の周方向幅と熱交換ブロック(22)の周方向幅とを同じにし、力場印加部(15a)の配置数である極数を、熱交換ブロック(22)の配置数の半分となる6極まで増大させても、圧損に起因する効率の低下を回避しつつ、モータ回転数を低く抑えてモータ損失の低減により効率の向上を図れる。
また、図9及び図10に示すように、磁場一定期間T2において、磁場印加部(15a)の回転運動を所定の時間停止させてもよい。これにより、磁場一定期間T2をさらに長くできる。このため、熱媒体の流速をさらに遅くできるので、圧損がさらに低下して効率がさらに向上する。また、熱交換量がさらに増加するので、能力がさらに増大して効率がより一層向上する。尚、磁場印加部(15a)の回転運動を停止させる時間は一瞬であってもよい。
また、図10に示すように、磁場変化期間T1の回転速度と、磁場一定期間T2の回転速度とは、ステップ状に変化してもよい。これにより、磁場一定期間T2をさらに長くできる。このため、熱媒体の流速をさらに遅くできるので、圧損がさらに低下して効率がさらに向上する。また、熱交換量がさらに増加するので、能力がさらに増大して効率がより一層向上する。さらに、磁場一定期間T2の全期間に亘って磁場印加部(15a)の回転運動を停止させることも可能となり、熱媒体の流速のさらなる低速化によって圧損をより一層抑えることができる。尚、磁場一定期間T2において磁場印加部(15a)の回転運動を停止させずに遅い速度で磁場印加部(15a)を回転させてもよい。
<実施形態1の特徴>
以上に説明したように、本実施形態の磁気冷凍装置(10)は、環状に配列された複数の熱交換ブロック(22)と、少なくとも1つの磁場印加部(15a)と、磁場変調部である回転機構(16)とを備える。複数の熱交換ブロック(22)はそれぞれ、磁気作業物質(24)と、熱媒体が磁気作業物質(24)と熱交換して流れる内部流路(23)とを有する。磁場印加部(15a)は、複数の熱交換ブロック(22)内の磁気作業物質(24)に磁場を印加する。回転機構(16)は、環状収納部(21)の中心を軸にして、複数の熱交換ブロック(22)を固定しつつ磁場印加部(15a)を回転させる回転運動により、複数の熱交換ブロック(22)内の磁気作業物質(24)に磁場変動を付与する。複数の熱交換ブロック(22)のそれぞれにおける磁場印加部(15a)によって磁場が印加される面を第1面(S1)とし、磁場印加部(15a)における複数の熱交換ブロック(22)に磁場を印加する面を第2面(S2)とする。前記回転運動を磁場の印加方向から見て、複数の熱交換ブロック(22)のそれぞれの第1面(S1)の全面若しくは略全面が第2面(S2)に重なるか又は第2面(S2)に重ならない状態の期間(磁場一定期間T2)における磁場印加部(15a)の回転速度の平均速度は、複数の熱交換ブロック(22)のうちの少なくとも1つの熱交換ブロック(22)の第1面(S1)の一部が第2面(S2)と重なる状態の期間(磁場変化期間T2)における磁場印加部(15a)の回転速度の平均速度よりも遅い。
本実施形態の磁気冷凍装置(10)によると、熱交換ブロック(22)と熱媒体とが熱交換を行う磁場一定期間T2の期間における回転を遅くして磁場一定期間T2を長くできる。このため、熱媒体の流速を遅くできるので、圧損が低下して効率が向上する。また、熱交換を行う磁場一定期間T2を長くできることによって、熱交換量が増加するので、能力が増大して効率が向上する。
以上のように、本実施形態の磁気冷凍装置(10)では、効率の良いところで回転速度を下げる一方、効率の悪いところでは回転速度を上げて速やかに通過するので、全体として効率が向上する。また、本実施形態の磁気冷凍装置(10)は、磁石回転型であるから、回転速度の調整を容易に行うことができる。
また、本実施形態の磁気冷凍装置(10)によると、磁場一定期間T2を長くできるため、極数を増やすことが可能となり、モータ入力を低減することができる。これにより、熱交換効率の向上だけではなく、冷凍装置としての効率も向上させることができる。
本実施形態の磁気冷凍装置(10)において、磁場一定期間T2で回転運動を所定の時間停止させてもよい。これにより、磁場一定期間T2をさらに長くできるため、熱媒体の流速をさらに遅くできるので、圧損がさらに低下して効率がさらに向上する。また、熱交換量がさらに増加するので、能力がさらに増大して効率がより一層向上する。さらに、磁場一定期間T2を長くできるため、極数を増やすことが可能となり、モータ入力を低減できるので、冷凍装置としての効率も向上させることができる。
本実施形態の磁気冷凍装置(10)において、磁場変化期間T1の回転速度と、磁場一定期間T2の回転速度とは、ステップ状に変化してもよい。これにより、磁場一定期間T2をさらに長くできるため、熱媒体の流速をさらに遅くできるので、圧損がさらに低下して効率がさらに向上する。また、熱交換量がさらに増加するので、能力がさらに増大して効率がより一層向上する。さらに、磁場一定期間T2を長くできるため、極数を増やすことが可能となり、モータ入力を低減できるので、冷凍装置としての効率も向上させることができる。
本実施形態の磁気冷凍装置(10)において、回転運動の回転方向(周方向)において、磁場印加部(15a)の幅と熱交換ブロック(22)の幅とが略同じであり、熱交換ブロック(22)の配置数(例えば12個)は、磁場印加部(15a)の配置数(例えば6個)である極数の2倍であってもよい。このようにすると、熱交換ブロック(22)の配置数に応じて極数を増やすことにより、モータ回転数を低く抑えることができるので、モータ損失の低減によって効率が向上する。
本実施形態の磁気冷凍装置(10)において、磁場印加部(15a)の配置数である極数が偶数であると、閉回路となる磁路を効率的に形成できるので、装置を小型化することができる。例えば、図12の(a)に示す2極(偶数)構成では、熱交換ブロック(22)を収容する環状収納部(21)(つまり磁気冷凍モジュール(20))を軸方向に挟む磁場印加部(15a)の配置領域内に、閉回路となる磁路を形成できる。しかし、図12の(b)に示す1極(奇数)構成では、磁場印加部(15a)の配置領域の外側にも磁路が形成されてしまう。尚、図12において、磁路を矢印で示している。
(実施形態2)
本実施形態の磁気冷凍装置(10)が、前記実施形態1と異なる点は、互いに隣り合う2以上の熱交換ブロック(22)を1単位の熱交換ブロック群(100)として、複数の熱交換ブロック群(100)が環状に配列されることである。磁場印加部(15a)、及び磁場変調部である回転機構(16)は、熱交換ブロック群(100)を単位として、磁気作業物質(24)に対する磁場の印加及び除去を行う。
本実施形態では、複数の熱交換ブロック群(100)のそれぞれにおける磁場印加部(15a)によって磁場が印加される面を第1面(S1)とし、磁場印加部(15a)における複数の熱交換ブロック群(100)に磁場を印加する面を第2面(S2)とする。この場合、磁場の印加方向から見て、複数の熱交換ブロック群(100)のそれぞれの第1面(S1)の全面若しくは略全面が第2面(S2)に重なるか又は第2面(S2)に重ならない状態の期間(磁場一定期間T2)における磁場印加部(15a)の平均回転速度は、複数の熱交換ブロック群(100)のうちの少なくとも1つの熱交換ブロック群(100)の第1面(S1)の一部が第2面(S2)と重なる状態の期間(磁場変化期間T2)における磁場印加部(15a)の平均回転速度よりも遅い。
本実施形態では、磁場の印加方向から見て、磁場印加部(15a)の大きさは、熱交換ブロック群(100)の大きさと同等以上に設定される。この場合、磁場一定期間T2では、熱交換ブロック群(100)の第1面(S1)の全面が、磁場印加部(15a)の第2面(S2)に重なるか又は第2面(S2)に重ならない。例えば、磁場の印加方向から見て、磁場印加部(15a)の大きさは、熱交換ブロック群(100)を収納する収納部片と同じ大きさに設定される。この場合、回転運動の回転方向(周方向)において、収納部片、磁場印加部(15a)、熱交換ブロック群(100)のそれぞれの幅をWcase、Wmag、Wmatとすると、Wcase=Wmag>Wmatである。或いは、磁場の印加方向から見て、磁場印加部(15a)の大きさは、熱交換ブロック群(100)と同じ大きさに設定される。この場合、Wcase>Wmag=Wmatである。本実施形態では、Wcase≧Wmag≧Wmatの関係を満たす場合、周方向において、力場印加部(15a)の幅と熱交換ブロック群(100)の幅とが略同じであるとする。
尚、効率の無視できない低下を生じない範囲で、磁場の印加方向から見て、磁場印加部(15a)よりも熱交換ブロック群(100)を若干大きくすることも可能である。この場合、磁場一定期間T2では、熱交換ブロック群(100)の第1面(S1)の略全面が、磁場印加部(15a)の第2面(S2)に重なるようにすればよい。
前記実施形態1では、図13に示すように、(a)、(c)のような磁場変化期間T1を相対的に短くし、(b)、(d)のような磁場一定期間T2を相対的に長くするために、磁場変化期間T1における磁場印加部(15a)の平均回転速度と比べて、磁場一定期間T2における磁場印加部(15a)の平均回転速度を遅くした。ここで、磁場変化期間T1では、磁場の印加方向から見て、複数の熱交換ブロック(22)のうちの少なくとも1つの熱交換ブロック(22)の第1面(S1)の一部が磁場印加部(15a)の第2面(S2)と重なる状態となる。また、磁場一定期間T2では、磁場の印加方向から見て、複数の熱交換ブロック(22)のそれぞれの第1面(S1)の全面若しくは略全面が磁場印加部(15a)の第2面(S2)に重なるか又は当該第2面(S2)に重ならない状態となる。
尚、図13では、説明を分かりやすくするために、12個の熱交換ブロック(22)を環状に配列して極数を6極とした構成例を一次元に展開して示している。また、図13では、熱媒体の搬送状態や、熱交換ブロック(22)の発熱又は吸熱の状態も合わせて示している。図13において、「低温側へ」は、高温側熱交換器(70)から低温側熱交換器(60)に向けて熱媒体が搬送される場合を示し、「高温側へ」は、低温側熱交換器(60)から高温側熱交換器(70)に向けて熱媒体が搬送される場合を示す。また、「熱」は、熱交換ブロック(22)の発熱状態を示し、「冷」は、熱交換ブロック(22)の吸熱状態を示す。
同様に、本実施形態では、図14に示すように、(a)、(c)のような磁場変化期間T1を相対的に短くし、(b)、(d)のような磁場一定期間T2を相対的に長くするために、磁場変化期間T1における磁場印加部(15a)の平均回転速度と比べて、磁場一定期間T2における磁場印加部(15a)の平均回転速度を遅くする。ここで、磁場変化期間T1では、磁場の印加方向から見て、複数の熱交換ブロック群(100)のうちの少なくとも1つの熱交換ブロック群(100)の第1面(S1)の一部が磁場印加部(15a)の第2面(S2)と重なる状態となる。また、磁場一定期間T2では、磁場の印加方向から見て、複数の熱交換ブロック群(100)のそれぞれの第1面(S1)の全面若しくは略全面が磁場印加部(15a)の第2面(S2)に重なるか又は当該第2面(S2)に重ならない状態となる。
尚、図14では、説明を分かりやすくするために、隣り合う2個の熱交換ブロック(22)を直列接続して1個の熱交換ブロック群(100)とし、6個の熱交換ブロック群(100)を環状に配列して極数を3極とした構成を一次元に展開して示している。また、図14では、熱媒体の搬送状態や、熱交換ブロック群(100)を構成する熱交換ブロック(22)の発熱又は吸熱の状態も合わせて示している。図14において、「低温側へ」は、高温側熱交換器(70)から低温側熱交換器(60)に向けて熱媒体が搬送される場合を示し、「高温側へ」は、低温側熱交換器(60)から高温側熱交換器(70)に向けて熱媒体が搬送される場合を示す。また、「熱」は、熱交換ブロック(22)の発熱状態を示し、「冷」は、熱交換ブロック(22)の吸熱状態を示す。
<実施形態2の特徴>
本実施形態の磁気冷凍装置(10)は、環状に配列された複数の熱交換ブロック群(100)と、少なくとも1つの磁場印加部(15a)と、磁場変調部である回転機構(16)とを備える。熱交換ブロック群(100)は、互いに隣り合う2以上の熱交換ブロック(22)から構成され、熱交換ブロック(22)は、磁気作業物質(24)と、熱媒体が磁気作業物質(24)と熱交換して流れる内部流路(23)とを有する。磁場印加部(15a)は、複数の熱交換ブロック群(100)内の磁気作業物質(24)に磁場を印加する。回転機構(16)は、複数の熱交換ブロック群(100)を収納する環状収納部(21)の中心を軸にして、複数の熱交換ブロック群(100)を固定しつつ磁場印加部(15a)を回転させる回転運動により、複数の熱交換ブロック群(100)内の磁気作業物質(24)に磁場変動を付与する。複数の熱交換ブロック群(100)のそれぞれにおける磁場印加部(15a)によって磁場が印加される面を第1面(S1)とし、磁場印加部(15a)における複数の熱交換ブロック群(100)に磁場を印加する面を第2面(S2)とする。前記回転運動を磁場の印加方向から見て、複数の熱交換ブロック群(100)のそれぞれの第1面(S1)の全面若しくは略全面が第2面(S2)に重なるか又は第2面(S2)に重ならない状態の期間(磁場一定期間T2)における磁場印加部(15a)の回転速度の平均速度は、複数の熱交換ブロック群(100)のうちの少なくとも1つの熱交換ブロック群(100)の第1面(S1)の一部が第2面(S2)と重なる状態の期間(磁場変化期間T2)における磁場印加部(15a)の回転速度の平均速度よりも遅い。
本実施形態の磁気冷凍装置(10)によると、熱交換ブロック群(100)と熱媒体とが熱交換を行う磁場一定期間T2の期間における回転を遅くして磁場一定期間T2を長くできる。このため、熱媒体の流速を遅くできるので、圧損が低下して効率が向上する。また、熱交換を行う磁場一定期間T2を長くできることによって、熱交換量が増加するので、能力が増大して効率が向上する。
以上のように、本実施形態の磁気冷凍装置(10)では、効率の良いところで回転速度を下げる一方、効率の悪いところでは回転速度を上げて速やかに通過するので、全体として効率が向上する。また、本実施形態の磁気冷凍装置(10)は、磁石回転型であるから、回転速度の調整を容易に行うことができる。
また、本実施形態の磁気冷凍装置(10)によると、磁場一定期間T2を長くできるため、極数を増やすことが可能となり、モータ入力を低減することができる。これにより、熱交換効率の向上だけではなく、冷凍装置としての効率も向上させることができる。
本実施形態の磁気冷凍装置(10)において、磁場一定期間T2で回転運動を所定の時間停止させてもよい。これにより、磁場一定期間T2をさらに長くできるため、熱媒体の流速をさらに遅くできるので、圧損がさらに低下して効率がさらに向上する。また、熱交換量がさらに増加するので、能力がさらに増大して効率がより一層向上する。さらに、磁場一定期間T2を長くできるため、極数を増やすことが可能となり、モータ入力を低減できるので、冷凍装置としての効率も向上させることができる。
本実施形態の磁気冷凍装置(10)において、磁場変化期間T1の回転速度と、磁場一定期間T2の回転速度とは、ステップ状に変化してもよい。これにより、磁場一定期間T2をさらに長くできるため、熱媒体の流速をさらに遅くできるので、圧損がさらに低下して効率がさらに向上する。また、熱交換量がさらに増加するので、能力がさらに増大して効率がより一層向上する。さらに、磁場一定期間T2を長くできるため、極数を増やすことが可能となり、モータ入力を低減できるので、冷凍装置としての効率も向上させることができる。
本実施形態の磁気冷凍装置(10)において、回転運動の回転方向(周方向)において、磁場印加部(15a)の幅と熱交換ブロック群(100)の幅とが略同じであり、熱交換ブロック群(100)の配置数は、磁場印加部(15a)の配置数である極数の2倍であってもよい。このようにすると、熱交換ブロック群(100)の配置数に応じて極数を増やすことにより、モータ回転数を低く抑えることができるので、モータ損失の低減によって効率が向上する。
本実施形態の磁気冷凍装置(10)において、磁場印加部(15a)の配置数である極数が偶数であると、閉回路となる磁路を効率的に形成できるので、装置を小型化することができる。
(その他の実施形態)
前記各実施形態では、熱交換ブロック又はブロック群(22,100)内の磁気作業物質(24)に磁場変動を付与するために、磁場印加部(15a)を回転させた。しかし、これに代えて、熱交換ブロック又はブロック群(22,100)を回転させてもよいし、或いは、磁場印加部(15a)、及び熱交換ブロック又はブロック群(22,100)の両方を回転させてもよい。具体的には、(1)磁場印加部(15a)を固定すると共に、複数の熱交換ブロック又はブロック群(22,100)を収納する環状収納部(21)の中心を軸にして、環状に配列された複数の熱交換ブロック又はブロック群(22,100)を回転させる第1回転、(2)複数の熱交換ブロック又はブロック群(22,100)を固定すると共に、環状収納部(21)の中心を軸にして、磁場印加部(15a)を回転させる第2回転、又は、(3)環状収納部(21)の中心を軸にして、磁場印加部(15a)、及び環状に配列された複数の熱交換ブロック又はブロック群(22,100)の双方を互いに異なる向きに回転させる第3回転のいずれかの回転運動により、複数の熱交換ブロック又はブロック群(22,100)内の磁気作業物質(24)に磁場変動を付与すればよい。また、磁場印加部(15a)と熱交換ブロック又はブロック群(22,100)との間の相対的な回転運動は、一方向への回転に限定されず、熱交換ブロック又はブロック群(22,100)の少なくとも1個分に相当する正逆方向の反転回転であってもよい。
また、前記各実施形態では、熱交換ブロック又はブロック群(22,100)に対して、回転運動の軸方向から磁場を印加したが、これに代えて、他の方向、例えば図15に示すように、回転運動の径方向から磁場を印加してもよい。具体的には、複数の熱交換ブロック又はブロック群(22,100)の環状配列の内周側に、回転機構(16)が設けられた所定数の磁場印加部(15a)を配置し、当該環状配列の外周側にヨーク部(15b)を配置してもよい。
また、前記各実施形態では、12個の熱交換ブロック(22)又は6個の熱交換ブロック群(100)を環状に配列する場合について例示してきたが、熱交換ブロック又はブロック群(22,100)の配置数は特に限定されない。また、力場印加部(15a)の配置数(極数)も熱交換ブロック又はブロック群(22,100)の配置数に応じて適宜設定すればよい。
また、前記各実施形態では、磁気冷凍装置について例示してきたが、固体冷媒による冷凍装置は、磁気作業物質(24)に磁気熱量効果を誘発する磁気冷凍以外の他の方式を用いたものであってもよい。尚、本開示において、固体冷媒物質には、柔軟結晶などの液体と固体の中間の性質を有するものも含む。
他の方式の固体冷媒による冷凍装置としては、例えば、1)固体冷媒物質に電気熱量効果を誘発する方式、2)固体冷媒物質に圧力熱量効果を誘発する方式、3)固体冷媒物質に弾性熱量効果を誘発する方式のものが挙げられる。
1)の方式の固体冷媒による冷凍装置では、力場印加部(以下、誘発部ともいう)が固体冷媒物質に電場変動を付与する。これにより、固体冷媒物質が強誘電体から常誘電体へ相転移するなどして、固体冷媒物質が発熱又は吸熱する。
2)の方式の固体冷媒による冷凍装置では、誘発部が固体冷媒物質に圧力変動を付与することによって、固体冷媒物質が相転移して発熱又は吸熱する。
3)の方式の固体冷媒による冷凍装置では、誘発部が固体冷媒物質に応力変動を付与することによって、固体冷媒物質が相転移して発熱又は吸熱する。
以上、実施形態及び変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態及び変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。また、以上に述べた「第1」、「第2」、・・・という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
以上に説明したように、本開示は、固体冷媒による冷凍装置、特に磁気冷凍装置について有用である。
10 磁気冷凍装置(固体冷媒による冷凍装置)
15a 磁場印加部(力場印加部)
16 磁場変調部(力場変調部)
21 環状収納部(環)
22 熱交換ブロック
23 内部流路
24 磁気作業物質(固体冷媒物質)
100 熱交換ブロック群

Claims (11)

  1. 固体冷媒物質(24)と、熱媒体が当該固体冷媒物質(24)と熱交換して流れる内部流路(23)とをそれぞれ有し、環状に配列された複数の熱交換ブロック(22)と、
    前記複数の熱交換ブロック(22)内の前記固体冷媒物質(24)に力場を印加する少なくとも1つの力場印加部(15a)と、
    前記力場印加部(15a)を固定すると共に、前記複数の熱交換ブロック(22)によって形成された環(21)の中心を軸にして、環状に配列された前記複数の熱交換ブロック(22)を回転させる第1回転、若しくは、前記複数の熱交換ブロック(22)を固定すると共に、前記環(21)の中心を軸にして、前記力場印加部(15a)を回転させる第2回転、又は、前記環(21)の中心を軸にして、前記力場印加部(15a)、及び環状に配列された前記複数の熱交換ブロック(22)の双方を互いに異なる向きに回転させる第3回転のいずれかの回転運動により、前記複数の熱交換ブロック(22)内の前記固体冷媒物質(24)に力場変動を付与する力場変調部(16)とを備え、
    前記複数の熱交換ブロック(22)のそれぞれにおける前記力場印加部(15a)によって前記力場が印加される面を第1面(S1)とし、前記力場印加部(15a)における前記複数の熱交換ブロック(22)に前記力場を印加する面を第2面(S2)とすると、
    前記回転運動を前記力場の印加方向から見て、前記複数の熱交換ブロック(22)のそれぞれの前記第1面(S1)の全面若しくは略全面が前記第2面(S2)に重なるか、又は前記第2面(S2)に重ならない第1状態の期間における前記複数の熱交換ブロック(22)に対する前記力場印加部(15a)の第1相対速度の平均速度は、前記複数の熱交換ブロック(22)のうちの少なくとも1つの熱交換ブロック(22)の前記第1面(S1)の一部が前記第2面(S2)と重なる第2状態の期間における前記複数の熱交換ブロック(22)に対する前記力場印加部(15a)の第2相対速度の平均速度よりも遅い、
    固体冷媒による冷凍装置。
  2. 請求項1の固体冷媒による冷凍装置において、
    前記第1状態では前記回転運動が所定の時間停止する、
    固体冷媒による冷凍装置。
  3. 請求項1又は2の固体冷媒による冷凍装置において、
    前記第1相対速度と前記第2相対速度とは、ステップ状に変化する、
    固体冷媒による冷凍装置。
  4. 請求項1~3のいずれか1項の固体冷媒による冷凍装置において、
    前記回転運動の回転方向である周方向において、前記力場印加部(15a)の幅と前記複数の熱交換ブロック(22)のそれぞれの幅とが略同じであり、
    前記複数の熱交換ブロック(22)の配置数は、前記力場印加部(15a)の配置数である極数の2倍である、
    固体冷媒による冷凍装置。
  5. 請求項1~4のいずれか1項の固体冷媒による冷凍装置において、
    前記力場印加部(15a)の配置数である極数は、偶数である、
    固体冷媒による冷凍装置。
  6. 固体冷媒物質(24)と、熱媒体が当該固体冷凍物質(24)と熱交換して流れる内部流路(23)とをそれぞれ有し、互いに隣り合う2以上の熱交換ブロック(22)を1単位の熱交換ブロック群(100)として、環状に配列された複数の熱交換ブロック群(100)と、
    前記複数の熱交換ブロック群(100)内の前記固体冷媒物質(24)に力場を印加する少なくとも1つの力場印加部(15a)と、
    前記力場印加部(15a)を固定すると共に、前記複数の熱交換ブロック群(100)によって形成された環(21)の中心を軸にして、環状に配列された前記複数の熱交換ブロック群(100)を回転させる第1回転、若しくは、前記複数の熱交換ブロック群(100)を固定すると共に、前記環(21)の中心を軸にして、前記力場印加部(15a)を回転させる第2回転、又は、前記環(21)の中心を軸にして、前記力場印加部(15a)、及び環状に配列された前記複数の熱交換ブロック群(100)の双方を互いに異なる向きに回転させる第3回転のいずれかの回転運動により、前記複数の熱交換ブロック群(100)を構成する前記熱交換ブロック内の前記固体冷媒物質に力場変動を付与する力場変調部(16)とを備え、
    前記複数の熱交換ブロック群(100)のそれぞれにおける前記力場印加部(15a)によって前記力場が印加される面を第1面(S1)とし、前記力場印加部(15a)における前記複数の熱交換ブロック群(100)に前記力場を印加する面を第2面(S2)とすると、
    前記回転運動を前記力場の印加方向から見て、前記複数の熱交換ブロック群(100)のそれぞれの前記第1面(S1)の全面若しくは略全面が前記第2面(S2)に重なるか、又は前記第2面(S2)に重ならない第1状態の期間における前記複数の熱交換ブロック群(100)に対する前記力場印加部(15a)の第1相対速度の平均速度は、前記複数の熱交換ブロック群(100)のうちの少なくとも1つの熱交換ブロック群(100)の前記第1面(S1)の一部が前記第2面(S2)と重なる第2状態の期間における前記複数の熱交換ブロック群(100)に対する前記力場印加部(15a)の第2相対速度の平均速度よりも遅い、
    固体冷媒による冷凍装置。
  7. 請求項6の固体冷媒による冷凍装置において、
    前記第1状態では前記回転運動が所定の時間停止する、
    固体冷媒による冷凍装置。
  8. 請求項6又は7の固体冷媒による冷凍装置において、
    前記第1相対速度と前記第2相対速度とは、ステップ状に変化する、
    固体冷媒による冷凍装置。
  9. 請求項6~8のいずれか1項の固体冷媒による冷凍装置において、
    前記回転運動の回転方向である周方向において、前記力場印加部(15a)の幅と前記複数の熱交換ブロック群(100)のそれぞれの幅とが略同じであり、
    前記複数の熱交換ブロック群(100)の配置数は、前記力場印加部(15a)の配置数である極数の2倍である、
    固体冷媒による冷凍装置。
  10. 請求項6~9のいずれか1項の固体冷媒による冷凍装置において、
    前記力場印加部(15a)の配置数である極数は、偶数である、
    固体冷媒による冷凍装置。
  11. 請求項1~10のいずれか1項の固体冷媒による冷凍装置において、
    前記固体冷媒物質(24)は、磁気作業物質(24)であり、
    前記力場は、磁場であり、
    前記力場印加部(15a)は、磁場印加部(15a)であり、
    前記力場変調部(16)は、磁場変調部(16)である、
    固体冷媒による冷凍装置。
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