JP2024051377A - タイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】トレッド部が4つの陸部を備えたタイヤにおいて、耐偏摩耗性能を維持しつつ、優れた氷雪上性能を発揮させる。【解決手段】本発明は、トレッド部2を有するタイヤについての発明である。トレッド部2の第1ショルダー陸部11は、複数のショルダーブロック20を含む。複数のショルダーブロック20のそれぞれには、複数のショルダーサイプ25が設けられている。第1クラウン陸部13は、複数のクラウンブロック30を含む。複数のクラウンブロック30のそれぞれには、複数のクラウンサイプ35が設けられている。複数のクラウンサイプ35のそれぞれは、少なくとも一端がクラウンブロック30の踏面で閉じている。1つのクラウンブロック30に形成された全てのクラウンサイプ35のクラウン周方向エッジ成分の総和ΣCvは、1つのショルダーブロック20に形成された全てのショルダーサイプ25のショルダー周方向エッジ成分の総和ΣSvよりも大きい。【選択図】図1
Description
本発明は、タイヤに関する。
下記特許文献1には、トレッド部に4つの陸部を備えた冬用の空気入りタイヤが提案されている。前記空気入りタイヤのショルダー陸部は、タイヤ周方向に連続して延びる縦サイプによって、ショルダー主溝側の内側陸部と、トレッド端側の外側陸部とに区分されている。前記内側陸部には、ショルダー主溝と縦サイプとの間を連通する複数の内側ショルダー横溝が設けられている。外側陸部には、トレッド端と縦サイプとの間を連通する複数の外側ショルダー横溝が設けられている。各外側ショルダー横溝のタイヤ軸方向の内端部は、内側ショルダー横溝のタイヤ軸方向の外端部をタイヤ軸方向に沿って仮想延長した領域と交わらない位置に設けられている。
近年では、車両の高性能化に伴い、タイヤについても氷雪上性能のさらなる向上が期待されている。一方、タイヤには、耐偏摩耗性能を維持することも要求される。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出なされたもので、トレッド部が4つの陸部を備えたタイヤにおいて、耐偏摩耗性能を維持しつつ、優れた氷雪上性能を発揮させることを主たる目的としている。
本発明は、トレッド部を有するタイヤであって、前記トレッド部は、第1トレッド端及び第2トレッド端と、前記第1トレッド端と前記第2トレッド端との間でタイヤ周方向に連続して延びる3本の周方向溝と、前記3本の周方向溝に区分された4つの陸部とを備え、前記3本の周方向溝は、前記第1トレッド端とタイヤ赤道との間に設けられた第1ショルダー周方向溝と、前記第1ショルダー周方向溝のタイヤ赤道側に隣接するクラウン周方向溝とを含み、前記4つの陸部は、前記第1トレッド端を含む第1ショルダー陸部と、前記第1ショルダー周方向溝と前記クラウン周方向溝との間に区分された第1クラウン陸部とを含み、前記第1ショルダー陸部は、前記第1ショルダー周方向溝から少なくとも前記第1トレッド端まで延びる複数のショルダー横溝によって区分された複数のショルダーブロックを含み、前記複数のショルダーブロックのそれぞれには、タイヤ軸方向に延びる複数のショルダーサイプが設けられており、前記第1クラウン陸部は、前記第1ショルダー周方向溝から前記クラウン周方向溝まで延びる複数のクラウン横溝によって区分された複数のクラウンブロックを含み、前記複数のクラウンブロックのそれぞれには、タイヤ軸方向に延びる複数のクラウンサイプが設けられており、前記複数のクラウンサイプのそれぞれは、少なくとも一端が前記クラウン周方向溝及び前記第1ショルダー周方向溝のいずれにも連通することなく前記クラウンブロックの接地面で閉じており、前記複数のショルダーサイプのそれぞれは、タイヤ周方向の長さであるショルダー周方向エッジ成分を含み、前記複数のクラウンブロックのそれぞれは、タイヤ周方向の長さであるクラウン周方向エッジ成分を含み、1つの前記クラウンブロックに形成された全ての前記クラウンサイプの前記クラウン周方向エッジ成分の総和ΣCvは、1つの前記ショルダーブロックに形成された全ての前記ショルダー周方向エッジ成分の総和ΣSvよりも大きい、タイヤである。
本発明のタイヤは、上述の構成を採用したことにより、耐偏摩耗性能を維持しつつ、優れた氷雪上性能を発揮することができる。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。図1は、本発明の一実施形態を示すタイヤ1のトレッド部2の展開図である。本実施形態のタイヤ1は、例えば、冬用の乗用車用の空気入りタイヤとして好適に用いられる。但し、本発明は、このような態様に限定されるものではない。
図1に示されるように、トレッド部2は、第1トレッド端T1及び第2トレッド端T2と、これらの間でタイヤ周方向に連続して延びる3本の周方向溝3と、これらの周方向溝3に区分された4つの陸部4とを備えている。すなわち、本発明のタイヤ1は、トレッド部2が4つの陸部4のみで構成されたタイヤである。このようなタイヤ1は、4本の周方向溝によって区分された5つの陸部を備えたタイヤと比較して、周方向溝の本数が少なく、氷雪上走行時においてタイヤ軸方向の摩擦力が不足する傾向がある。
第1トレッド端T1及び第2トレッド端T2は、それぞれ、正規状態のタイヤ1に正規荷重の70%が負荷され、トレッド部2をキャンバー角0°で平面に接地させたときの接地面の端に相当する。
「正規状態」とは、各種の規格が定められた空気入りタイヤの場合、タイヤが正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填され、しかも、無負荷の状態である。各種の規格が定められていないタイヤや、非空気式タイヤの場合、前記正規状態は、タイヤの使用目的に応じた標準的な使用状態であって無負荷の状態を意味する。本明細書において、特に断りがない場合、タイヤ各部の寸法等は、前記正規状態で測定された値である。
「正規リム」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めているリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば"Measuring Rim" である。
「正規内圧」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。
「正規荷重」は、各種の規格が定められた空気入りタイヤの場合、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば "最大負荷能力" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" である。また、各種の規格が定められていないタイヤの場合、「正規荷重」は、上述の規格に準じ、タイヤを使用する上で適用可能な最大の荷重を指す。
3本の周方向溝3は、第1ショルダー周方向溝6、第2ショルダー周方向溝7及びクラウン周方向溝5を含む。第1ショルダー周方向溝6は、第1トレッド端T1とタイヤ赤道Cとの間に設けられている。第2ショルダー周方向溝7は、第2トレッド端T2とタイヤ赤道Cとの間に設けられている。クラウン周方向溝5は、第1ショルダー周方向溝6のタイヤ赤道C側に隣接している。これにより、クラウン周方向溝5は、第1ショルダー周方向溝6と第2ショルダー周方向溝7との間に設けられている。望ましい態様として、本実施形態のクラウン周方向溝5は、タイヤ赤道C上に設けられている。
第1ショルダー周方向溝6の溝中心線又は第2ショルダー周方向溝7の溝中心線からタイヤ赤道Cまでのタイヤ軸方向の距離L1は、例えば、トレッド幅TWの20%~30%である。但し、本発明は、このような態様に限定されるものではない。なお、トレッド幅TWは、前記正規状態における第1トレッド端T1から第2トレッド端T2までのタイヤ軸方向の距離である。
各周方向溝3は、例えば、タイヤ周方向に平行に直線状にのびている。後述されるように、各周方向溝3は、タイヤ周方向にジグザグ状又は波状に延びるものでも良い。
周方向溝3の溝幅W1は、少なくとも3.0mm以上であるのが望ましい。また、周方向溝3の溝幅W1は、例えば、トレッド幅TWの3.0%~6.0%である。周方向溝3の深さ(図示省略)は、例えば、5.0~15.0mmである。但し、周方向溝3は、このような態様に限定されるものではない。
4つの陸部4は、少なくとも、第1ショルダー陸部11及び第1クラウン陸部13を含む。これらに加え、本実施形態の4つの陸部4は、第2ショルダー陸部12及び第2クラウン陸部14を含む。第1ショルダー陸部11は、第1ショルダー周方向溝6のタイヤ軸方向外側に区分されている。これにより、第1ショルダー陸部11は、第1トレッド端T1を含んでいる。第1クラウン陸部13は、第1ショルダー周方向溝6とクラウン周方向溝5との間に区分されている。
同様に、第2ショルダー陸部12は、第2ショルダー周方向溝7のタイヤ軸方向外側に区分されている。これにより、第2ショルダー陸部12は、第2トレッド端T2を含んでいる。第2クラウン陸部14は、第2ショルダー周方向溝7とクラウン周方向溝5との間に区分されている。本実施形態では、第2ショルダー陸部12は、第1ショルダー陸部11と実質的に同じ構成を備えている。第2クラウン陸部14は、第1クラウン陸部13と実質的に同じ構成を備えている。本明細書において、第2ショルダー陸部12及び第2クラウン陸部14の詳細な説明は省略されるが、これらには、第1ショルダー陸部11及び第1クラウン陸部13の構成を適用することができる。
図2には、第1ショルダー陸部11及び第1クラウン陸部13の拡大図が示されている。図2に示されるように、第1ショルダー陸部11には、複数のショルダー横溝16が設けられている。これらのショルダー横溝16は、第1ショルダー周方向溝6から少なくとも第1トレッド端T1まで延びている。これにより、第1ショルダー陸部11は、複数のショルダー横溝16によって区分された複数のショルダーブロック20を含む。
図3には、ショルダーブロック20の拡大図が示されている。図2及び図3に示されるように、複数のショルダーブロック20のそれぞれには、タイヤ軸方向に延びる複数のショルダーサイプ25が設けられている。
本明細書において、「サイプ」とは、微小な幅を有する切れ込みであって、互いに向き合う2つの内壁間の幅が1.5mm以下のものを指す。サイプの前記幅は、望ましくは0.3~1.2mmであり、より望ましくは0.5~1.0mmである。本実施形態のサイプは、その全深さに亘って、一定幅で構成されており、かつ、その幅が上述の範囲とされている。但し、このような態様に限定されるものではなく、サイプの開口部には、面取り部が設けられても良い。また、サイプは、幅が部分的に拡大した所謂フラスコ底を備えるものでも良い。
図2に示されるように、第1クラウン陸部13には、複数のクラウン横溝17が設けられている。これらのクラウン横溝17は、第1ショルダー周方向溝6からクラウン周方向溝5まで延びている。これにより、第1クラウン陸部13は、複数のクラウン横溝17によって区分された複数のクラウンブロック30を含む。
図4には、クラウンブロック30の拡大図が示されている。図2及び図4に示されるように、複数のクラウンブロック30のそれぞれには、タイヤ軸方向に延びる複数のクラウンサイプ35が設けられている。また、本発明の複数のクラウンサイプ35のそれぞれは、少なくとも一端がクラウン周方向溝5及び第1ショルダー周方向溝6のいずれにも連通することなくクラウンブロック30の接地面で閉じている。
図2に示されるように、タイヤ軸方向に延びるショルダーサイプ25、及び、タイヤ軸方向に延びるクラウンサイプ35は、それぞれ、サイプの両端を結んだ仮想直線のタイヤ軸方向に対する角度が45°以下のものを意味する。望ましい態様では、前記角度が20°以下とされる。本実施形態の第1ショルダー陸部11及び第1クラウン陸部13のそれぞれには、タイヤ周方向に延びるサイプが設けられていない。なお、タイヤ周方向に延びるサイプとは、サイプの両端を結んだ仮想直線のタイヤ軸方向に対する角度が、45°よりも大きいものを意味する。他の実施形態において、各陸部にタイヤ周方向に延びるサイプが設けられても構わないが、この場合であっても、タイヤ周方向に延びるサイプの本数は、タイヤ軸方向に延びるサイプの本数の50%以下が望ましく、より望ましくは20%以下である。
図5には、ショルダーサイプ25の拡大図が示されている。なお、発明を理解し易いように、図5のショルダーサイプ25の開口部には、ドットが施されている。図3及び図5に示されるように、複数のショルダーサイプ25のそれぞれは、ショルダー周方向エッジ成分Svを含む。ショルダー周方向エッジ成分Svは、ショルダーサイプ25のタイヤ周方向の長さに相当する。換言すれば、ショルダー周方向エッジ成分Svは、ショルダーサイプ25をタイヤ軸方向に平行に投影した仮想領域の、タイヤ周方向の長さに相当する。
同様に、複数のショルダーサイプ25のそれぞれは、ショルダー軸方向エッジ成分Shを含む。ショルダー軸方向エッジ成分Shは、ショルダーサイプ25のタイヤ軸方向の長さに相当する。換言すれば、ショルダー軸方向エッジ成分Shは、ショルダーサイプ25をタイヤ周方向に平行に投影した仮想領域の、タイヤ軸方向の長さに相当する。
図6には、クラウンサイプ35の拡大図が示されている。なお、発明を理解し易いように、図6のクラウンサイプ35の開口部には、ドットが施されている。図4及び図6に示されるように、複数のクラウンサイプ35のそれぞれは、クラウン周方向エッジ成分Cvを含む。クラウン周方向エッジ成分Cvは、クラウンサイプ35のタイヤ周方向の長さに相当する。換言すれば、クラウン周方向エッジ成分Cvは、クラウンサイプ35をタイヤ軸方向に平行に投影した仮想領域の、タイヤ周方向の長さに相当する。
同様に、複数のクラウンサイプ35のそれぞれは、クラウン軸方向エッジ成分Chを含む。クラウン軸方向エッジ成分Chは、クラウンサイプ35のタイヤ軸方向の長さに相当する。換言すれば、クラウン軸方向エッジ成分Chは、クラウンサイプ35をタイヤ周方向に平行に投影した仮想領域の、タイヤ軸方向の長さに相当する。
図2に示されるように、本発明では、1つのクラウンブロック30に形成された全てのクラウンサイプ35の前記クラウン周方向エッジ成分Cvの総和ΣCvは、1つのショルダーブロック20に形成された全てのショルダー周方向エッジ成分Svの総和ΣSvよりも大きい。本発明のタイヤ1は、上記の構成を採用したことによって、耐偏摩耗性能を維持しつつ、優れた氷雪上性能を発揮することができる。その理由は、以下の通りである。
上述の複数のショルダーサイプ25及び複数のクラウンサイプ35は、氷雪上走行時にタイヤ周方向に大きな摩擦力を提供し、優れた氷雪上性能が発揮される。また、本発明において、複数のクラウンサイプ35のそれぞれが、少なくとも一端がクラウンブロック30の接地面で閉じている。これにより、クラウンブロック30の剛性低下を抑制でき、耐偏摩耗性能を維持することができる。
一方、トレッド部に4つの陸部を備えたタイヤは、上述の通り、氷雪上走行時においてタイヤ軸方向の摩擦力が不足する傾向がある。これに対し、本発明では、前記クラウン周方向エッジ成分Cvの総和ΣCvが、前記ショルダー周方向エッジ成分Svの総和ΣSvよりも大きい。したがって、氷雪路走行時、クラウンサイプ35がタイヤ軸方向に大きな摩擦力を提供でき、優れた氷雪上性能を発揮することができる。このような理由により、本発明のタイヤ1は、耐偏摩耗性能を維持しつつ、優れた氷雪上性能を発揮することができる。
以下、本実施形態のさらに詳細な構成が説明される。なお、以下で説明される各構成は、本実施形態の具体的態様を示すものである。したがって、本発明は、以下で説明される構成を具えないものであっても、上述の効果を発揮し得るのは言うまでもない。また、上述の特徴を具えた本発明のタイヤに、以下で説明される各構成のいずれか1つが単独で適用されても、各構成に応じた性能の向上は期待できる。さらに、以下で説明される各構成のいくつかが複合して適用された場合、各構成に応じた複合的な性能の向上が期待できる。
図2に示されるように、クラウン周方向溝5及び第1ショルダー周方向溝6は、一定の溝幅でタイヤ周方向に延びている。クラウン周方向溝5の溝幅W2は、望ましくはトレッド幅TW(図1に示す)の4.0%以下であり、より望ましくは3.0%~4.0%である。第1ショルダー周方向溝6の溝幅W3は、例えば、トレッド幅TWの4.0%~5.0%である。本実施形態では、第1ショルダー周方向溝6の溝幅W3が、クラウン周方向溝5の溝幅W2よりも大きい。これにより、クラウン周方向溝5周辺の偏摩耗が抑制されつつ、第1ショルダー周方向溝6が優れた氷雪上性能を発揮し得る。
図7には、図2のA-A線断面図が示されている。図2及び図7に示されるように、クラウン周方向溝5は、底面から局所的に隆起した複数の突起9を含む。本発明では、前記総和ΣCvが前記総和ΣSvよりも大きいため、クラウンブロック30がタイヤ軸方向に変形し易く、クラウン周方向溝5が石噛みを招くおそれがある。本実施形態では、クラウン周方向溝5が上述の複数の突起9を含むことにより、上述の不具合を抑制し、優れた耐石噛み性能を発揮することができる。
耐氷雪上性能と耐石噛み性能とをバランス良く向上させる観点から、図7に示されるように、突起9のタイヤ半径方向の最大の高さh1は、1.0~2.0mmであるのが望ましい。また、図2に示されるように、タイヤ周方向で隣接する2つの突起9の間隔L2は、3.0mm以下であり、望ましくは1.5~3.0mmである。このような突起9は、クラウン周方向溝5の容積を確保するのに役立つ。また、これらの突起9は、雪上走行時において、溝内で押し固めた雪をせん断することによって大きな反力を提供し、雪上でのトラクション性能を高めるのに役立つ。なお、前記間隔L2は、例えば、各突起9の高さ方向の中心位置で測定される。
図7に示されるように、第1ショルダー周方向溝6には、上述の突起9が設けられていないのが望ましい。これにより、優れたウェット性能及び氷雪上性能が発揮される。一方、突起に依拠せずに耐石噛み性能を向上させる観点から、第1ショルダー周方向溝6の溝壁6wのタイヤ法線に対する角度θ1は、4.0°以上とされ、望ましくは5~15°とされる。これにより、第1ショルダー周方向溝6に入り込んだ石等の異物は、容易に排出され得る。なお、前記角度θ1は、タイヤ内圧を実質的に0とした状態で測定される。
図2に示されるように、ショルダー横溝16は、内側溝部18と外側溝部19とを含んでいる。内側溝部18は、第1ショルダー周方向溝6に連通しており、一定の溝幅W4で延びている。外側溝部19は、内側溝部18のタイヤ軸方向外側に連通しており、少なくとも第1トレッド端T1まで延びている。外側溝部19は、一定の溝幅W5でタイヤ軸方向に延びている。外側溝部19の溝幅W5は、内側溝部18の溝幅W4よりも大きい。具体的には、前記溝幅W5は、前記溝幅W4の130%~150%である。このような内側溝部18及び外側溝部19を含むショルダー横溝16は、第1ショルダー周方向溝6と連通する部分の周辺における、第1ショルダー陸部11の偏摩耗を抑制できる。
図8には、図2のB-B線断面図が示されている。図8に示されるように、内側溝部18の最大の深さd1(後述する溝底サイプ22を除いた最大の深さである。)は、外側溝部19の最大の深さ(図示省略)よりも小さいのが望ましい。具体的には、内側溝部18の最大の深さd1は、外側溝部19の最大の深さの40%~60%である。これにより、耐偏摩耗性能と氷雪上性能とがバランス良く向上する。
氷雪上性能及びウェット性能を維持する観点から、内側溝部18には、底面で開口する溝底サイプ22が設けられているのが望ましい。第1ショルダー陸部11の接地面から溝底サイプ22の底までの深さd2は、例えば、外側溝部19の最大の深さの70%~90%である。
図3に示されるように、ショルダーブロック20の接地面のタイヤ軸方向の幅W6は、例えば、トレッド幅TW(図1に示す)の20%~25%である。また、ショルダーブロック20の接地面のタイヤ周方向の長さL3は、ショルダーブロック20の前記幅W6よりも小さいのが望ましい。具体的には、ショルダーブロック20の前記長さL3は、前記幅W6の75%~90%である。このようなショルダーブロック20は、ヒールアンドトゥ摩耗を抑制しつつ、優れた操縦安定性を発揮することができる。
ショルダーブロック20には、複数のショルダーサイプ25がタイヤ周方向及びタイヤ軸方向に並んで配置されている。具体的には、ショルダーブロック20には、タイヤ軸方向に並んだ2つのショルダーサイプ25からなるサイプ対23がタイヤ周方向に複数設けられている。
1つのサイプ対23に含まれる2つのショルダーサイプ25のショルダー軸方向エッジ成分Shの合計は、ショルダーブロック20の接地面のタイヤ軸方向の幅W6の80%以上であるのが望ましく、具体的には、80%~90%である。これにより、ショルダーブロック20の偏摩耗を抑制しつつ、氷雪上性能を向上させることができる。
上述の複数のサイプ対23により、ショルダーブロック20には、第1ショルダー周方向溝6側でタイヤ周方向にショルダーサイプ25が複数並んだ第1サイプ群24Aと、第1トレッド端T1側でタイヤ周方向にショルダーサイプ25が複数並んだ第2サイプ群24Bとが設けられている。
本実施形態の第1サイプ群24A及び第2サイプ群24Bのそれぞれは、例えば、4~8本のショルダーサイプ25で構成されている。これにより、1つのショルダーブロック20には、8~14本のショルダーサイプ25が設けられている。但し、本発明は、このような態様に限定されるものではない。
ショルダーサイプ25は、第1サイプ群24Aに含まれる複数の第1ショルダーサイプ26と、第2サイプ群24Bに含まれる複数の第2ショルダーサイプ27及び複数の第3ショルダーサイプ28とを含む。
第1ショルダーサイプ26は、第1ショルダー周方向溝6に連通していないのが望ましい。より望ましい態様では、第1ショルダーサイプ26の両端が、ショルダーブロック20の接地面で閉じている。また、1本の第1ショルダーサイプ26のショルダー軸方向エッジ成分Shは、例えば、ショルダーブロック20の接地面の前記幅W6の35%~50%である。これにより、ショルダーブロック20の剛性が維持され、耐偏摩耗性能が向上する。
望ましい態様では、各第1ショルダーサイプ26の第1トレッド端T1側の端26aについて、タイヤ軸方向の位置が揃っている。具体的には、1つの第1ショルダーサイプ26と前記端26aと、これに隣接する第1ショルダーサイプ26の前記端26aとのタイヤ軸方向の距離が、望ましくは2.0mm以下、より望ましくは1.0mm以下となっている。これにより、各第1ショルダーサイプ26が開き易くなり、氷雪上走行時に大きな摩擦力を提供することができる。
本実施形態の第2サイプ群24Bは、3本の第2ショルダーサイプ27と2本の第3ショルダーサイプ28とで構成されており、これらがタイヤ周方向に交互に配置されている。また、第2ショルダーサイプ27及び第3ショルダーサイプ28は、タイヤ赤道C側の端がショルダーブロック20の接地面で閉じている。また、第2ショルダーサイプ27の第1トレッド端T1側の端は、第1トレッド端T1に達しておらず、ショルダーブロック20の接地面で閉じている。一方、第3ショルダーサイプ28は、少なくとも第1トレッド端T1まで延びており、本実施形態では第1トレッド端T1を超えた位置まで延びている(図示省略)。このような第2ショルダーサイプ27及び第3ショルダーサイプ28は、第1トレッド端T1周辺での偏摩耗を抑制しつつ、ワンダリング性能を向上させることができる。
望ましい態様では、各第2ショルダーサイプ27及び各第3ショルダーサイプ28のタイヤ赤道C側の端について、タイヤ軸方向の位置が揃っている。具体的には、1つの第2ショルダーサイプ27と前記端27aと、これに隣接する第3ショルダーサイプ28の前記端28aとのタイヤ軸方向の距離が、望ましくは2.0mm以下、より望ましくは1.0mm以下となっている。これにより、第2ショルダーサイプ27及び第3ショルダーサイプ28が適度に開き易くなり、氷雪上走行時に大きな摩擦力を提供することができる。
1つの第2ショルダーサイプ27のショルダー軸方向エッジ成分Sh、及び、1つの第3ショルダーサイプ28のショルダー軸方向エッジ成分Shは、それぞれ、ショルダーブロック20の接地面の前記幅W6の30%~50%である。より望ましい態様では、第2ショルダーサイプ27のショルダー軸方向エッジ成分Shは、第1ショルダーサイプ26のショルダー軸方向エッジ成分Shよりも小さいのが望ましい。これにより、耐偏摩耗性能と氷雪上性能とがバランス良く向上する。
本実施形態の第1ショルダーサイプ26、第2ショルダーサイプ27及び第3ショルダーサイプ28は、それぞれ、ショルダーブロック20の接地面のタイヤ軸方向の中心位置20cを横断していない。より望ましい態様では、第1ショルダーサイプ26と、第2ショルダーサイプ27又は第3ショルダーサイプ28とのタイヤ軸方向の間隔L4は、2.0~5.0mmである。これにより、ショルダーブロック20のタイヤ軸方向の中央部における偏摩耗を抑制することができる。
各ショルダーサイプ25は、ジグザグ状に延びているのが望ましい。また。各ショルダーサイプ25は、両端を結んだ仮想直線(図示省略)のタイヤ軸方向の角度が20°以下であるのが望ましい。また、ジグザグ状に延びるショルダーサイプ25の折れ曲がり角度θ5(図5に示す)は、例えば、100~120°である。これにより、1つのショルダーサイプ25のショルダー周方向エッジ成分Sv(図5に示す)は、ショルダーブロック20のタイヤ周方向の長さL3の5%~10%である。このようなショルダーサイプ25は、氷雪上走行時に、タイヤ軸方向にも摩擦力を提供できる。
図2に示されるように、クラウン横溝17は、例えば、一定の溝幅W7でタイヤ軸方向に直線状に延びている。クラウン横溝17の溝幅W7は、例えば、ショルダー横溝16の内側溝部18の溝幅W4よりも小さい。具体的には、クラウン横溝17の溝幅W7は、内側溝部18の溝幅W4の60%~80%である。このようなクラウン横溝17は、第1クラウン陸部13の偏摩耗を抑制し、かつ、ドライ路面での操縦安定性を向上させることができる。
クラウン横溝17は、例えば、タイヤ軸方向に対して僅かに傾斜している。クラウン横溝17のタイヤ軸方向に対する最大の角度θ2は、30°以下であり、望ましくは5~15°である。
クラウン横溝17は、ショルダー横溝16とはタイヤ周方向の異なる位置で第1ショルダー周方向溝6に連通しているのが望ましい。具体的には、トレッド平面視において、ショルダー横溝16の第1ショルダー周方向溝6側の端部をタイヤ軸方向に平行に延長した仮想領域21(図2ではドットが施されている)が、ショルダー横溝16の第1ショルダー周方向溝6側の端部と重複していない。これにより、第1ショルダー周方向溝6の周辺での偏摩耗が抑制される。
図7に示されるように、クラウン横溝17は、クラウン周方向溝5側の第1溝部17aと、第1ショルダー周方向溝6側の第2溝部17bとを含む。第1溝部17aは、クラウン横溝17の長さ方向に一定の深さd3を有している。第2溝部17bは、クラウン横溝17の長さ方向に一定の深さd4を有している。第2溝部17bの前記深さd4は、第1溝部17aの前記深さd3よりも小さい。具体的には、第2溝部17bの前記深さd4は、第1溝部17aの前記深さd3の75%~95%である。また、第1溝部17aと第2溝部17bとの境界部17cは、クラウン横溝17をタイヤ軸方向に3等分したときの中央の領域に配置されている。このような第1溝部17a及び第2溝部17bを含むクラウン横溝17は、氷雪上性能とドライ路面での操縦安定性とをバランス良く高めるのに役立つ。
図2に示されるように、第1クラウン陸部13の接地面のタイヤ軸方向の最大の幅は、第1ショルダー陸部11の接地面のタイヤ軸方向の最大の幅の95%以下とされる。具体的には、図4に示されるように、クラウンブロック30の接地面のタイヤ軸方向の幅W8が、ショルダーブロック20の接地面のタイヤ軸方向の幅W6(図3に示す)の80%~90%である。また、クラウンブロック30の接地面のタイヤ周方向の長さL5は、クラウンブロック30の前記幅W8よりも大きいのが望ましい。具体的には、クラウンブロック30の前記長さL5は、前記幅W8の105%~115%である。このようなクラウンブロック30は、氷雪上での旋回性能を高めるのに役立つ。
本実施形態のクラウンブロック30は、複数のクラウンサイプ35がタイヤ軸方向に並んだクラウンサイプ群33をタイヤ周方向に複数含んでいる。1つのクラウンブロック30には、例えば、2~5個のクラウンサイプ群33が設けられている。但し、本発明は、このような態様に限定されるものではない。
1つのクラウンサイプ群33は、例えば、3~6本のクラウンサイプ35で構成されている。本実施形態のクラウンサイプ群33は、1本の第1クラウンサイプ36と、2本の第2クラウンサイプ37と、1本の第3クラウンサイプ38とで構成されている。第1クラウンサイプ36は、クラウン周方向溝5に連通している。第2クラウンサイプ37は、両端がクラウンブロック30の接地面で閉じている。第3クラウンサイプ38は、第1ショルダー周方向溝6に連通している。
1つのクラウンサイプ群33に含まれる複数のクラウンサイプ35は、タイヤ軸方向で互いに重複しているのが望ましい。換言すれば、1つのクラウンサイプ35をタイヤ周方向に平行に延長した仮想領域が、タイヤ軸方向で隣接するクラウンサイプ35と重複している。このようなクラウンサイプ35の配置は、氷雪上性能を高めるのに役立つ。
図4及び図6に示されるように、本実施形態の各クラウンサイプ35は、第1サイプ片41、第2サイプ片42及び第3サイプ片43を含んでいる。第1サイプ片41及び第2サイプ片42はそれぞれ、タイヤ軸方向に延びており、また、第2サイプ片42は、第1サイプ片41よりもタイヤ赤道C側に設けられており、かつ、第1サイプ片41に対してタイヤ周方向に位置ずれしている。第3サイプ片43は、第1サイプ片41と第2サイプ片42との間に連なり、かつ、タイヤ軸方向に対する角度が第1サイプ片41及び第2サイプ片42よりも大きい。第3サイプ片43のタイヤ軸方向に対する角度θ3(図6に示す)は、例えば、60~80°である。このような各クラウンサイプ35は、多方向に摩擦力を提供でき、氷雪上走行時のトラクション性能及び旋回性能を高めることができる。
クラウンサイプ35の端部には、タイヤ軸方向に対して第1サイプ片41又は第2サイプ片42よりも大きい角度で延びる傾斜片44が構成されている。傾斜片44のタイヤ軸方向に対する角度θ4(図6に示す)は、例えば、60~80°であり、本実施形態では第3サイプ片43の前記角度θ3と実質的に同じである。このような傾斜片44は、クラウンサイプ35が過度に開くのを抑制でき、クラウンサイプ35周辺での偏摩耗を抑制することができる。
図4に示されるように、本実施形態では、第1クラウンサイプ36において、第1トレッド端T1側の端部に傾斜片44が構成されており、その反対側の端部には傾斜片44が構成されていない。第2クラウンサイプ37において、タイヤ軸方向の両側の端部に傾斜片44が構成されている。第3クラウンサイプ38において、タイヤ赤道C側の端部に傾斜片44が構成されており、その反対側の端部には傾斜片44が構成されていない。このような傾斜片44の配置は、耐偏摩耗性能と氷雪上性能とをバランス良く高めるのに役立つ。
1つのクラウンサイプ35のクラウン周方向エッジ成分Cv(図6に示す)は、例えば、クラウンブロック30のタイヤ周方向の長さL5(図4に示す)の5%~15%である。但し、本発明は、このような態様に限定されるものではない。
図2に示されるように、クラウン周方向エッジ成分Cvの総和ΣCvは、ショルダー周方向エッジ成分Svの総和ΣSvの望ましくは105%以上、より望ましくは130%以上であり、望ましくは220%以下、より望ましくは180%以下である。これにより、氷雪上性能とドライ路面での操縦安定性とがバランス良く向上する。
1つのクラウンサイプ35のクラウン軸方向エッジ成分Ch(図6に示す)は、クラウンブロック30のタイヤ軸方区の幅W8(図4に示す)の30%~40%である。また、1つのクラウンブロック30に形成された全てのクラウンサイプ35のクラウン軸方向エッジ成分Chの総和ΣChは、1つのショルダーブロック20に形成された全てのショルダー軸方向エッジ成分Shの総和ΣShよりも小さいのが望ましい。具体的には、前記総和ΣChは、前記総和ΣShの望ましくは95%以下、より望ましくは85%以下であり、望ましくは50%以上、より望ましくは70%以上である。これにより、耐偏摩耗性能が維持されつつ、氷雪上走行時のトラクション性能が向上し得る。
図1に示されるように、トレッド部2を構成するトレッドゴムの0℃における複素弾性率E*は、5.0~9.0MPaである。これにより、氷雪上性能と耐偏摩耗性能とがバランス良く向上する。なお、前記複素弾性率E*は、JIS-K6394の規定に準じて、次に示される条件で、粘弾性スペクトロメータを用いて測定された値である。
初期歪み:10%
振幅:±2%
周波数:10Hz
変形モード:引張り
測定温度:0℃
初期歪み:10%
振幅:±2%
周波数:10Hz
変形モード:引張り
測定温度:0℃
図9には、本発明の他の実施形態のタイヤ1のトレッド部2の展開図が示されている。図9において、既に説明された構成には、共通の符号が付され、ここでの説明は省略される。図9に示されるように、この実施形態の第1ショルダー周方向溝6は、ジグザグ状に延びている。具体的には、この実施形態の第1ショルダー周方向溝6は、複数の縦溝部46と複数の横溝部47とを、タイヤ周方向に交互に含むことにより、ジグザグ状に延びている。縦溝部46は、例えば、タイヤ周方向に対して5~15°で傾斜した2つのエッジ46eで構成された部分である。横溝部47は、タイヤ軸方向に対して10°以下の角度で配された2つのエッジ47eで構成された部分である。このような第1ショルダー周方向溝6は、その内部で雪を強く押し固めることができる。
以上、本発明の一実施形態のタイヤが詳細に説明されたが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されることなく、種々の態様に変更して実施され得る。
[付記]
本発明は以下の態様を含む。
本発明は以下の態様を含む。
[本発明1]
トレッド部を有するタイヤであって、
前記トレッド部は、第1トレッド端及び第2トレッド端と、前記第1トレッド端と前記第2トレッド端との間でタイヤ周方向に連続して延びる3本の周方向溝と、前記3本の周方向溝に区分された4つの陸部とを備え、
前記3本の周方向溝は、前記第1トレッド端とタイヤ赤道との間に設けられた第1ショルダー周方向溝と、前記第1ショルダー周方向溝のタイヤ赤道側に隣接するクラウン周方向溝とを含み、
前記4つの陸部は、前記第1トレッド端を含む第1ショルダー陸部と、前記第1ショルダー周方向溝と前記クラウン周方向溝との間に区分された第1クラウン陸部とを含み、
前記第1ショルダー陸部は、前記第1ショルダー周方向溝から少なくとも前記第1トレッド端まで延びる複数のショルダー横溝によって区分された複数のショルダーブロックを含み、
前記複数のショルダーブロックのそれぞれには、タイヤ軸方向に延びる複数のショルダーサイプが設けられており、
前記第1クラウン陸部は、前記第1ショルダー周方向溝から前記クラウン周方向溝まで延びる複数のクラウン横溝によって区分された複数のクラウンブロックを含み、
前記複数のクラウンブロックのそれぞれには、タイヤ軸方向に延びる複数のクラウンサイプが設けられており、
前記複数のクラウンサイプのそれぞれは、少なくとも一端が前記クラウン周方向溝及び前記第1ショルダー周方向溝のいずれにも連通することなく前記クラウンブロックの接地面で閉じており、
前記複数のショルダーサイプのそれぞれは、タイヤ周方向の長さであるショルダー周方向エッジ成分を含み、
前記複数のクラウンブロックのそれぞれは、タイヤ周方向の長さであるクラウン周方向エッジ成分を含み、
1つの前記クラウンブロックに形成された全ての前記クラウンサイプの前記クラウン周方向エッジ成分の総和ΣCvは、1つの前記ショルダーブロックに形成された全ての前記ショルダー周方向エッジ成分の総和ΣSvよりも大きい、
タイヤ。
[本発明2]
前記クラウン周方向エッジ成分の総和ΣCvは、前記ショルダー周方向エッジ成分の総和ΣSvの105%~200%である、本発明1に記載のタイヤ。
[本発明3]
前記複数のショルダーサイプのそれぞれは、タイヤ軸方向の長さであるショルダー軸方向エッジ成分を含み、
前記複数のクラウンブロックのそれぞれは、タイヤ軸方向の長さであるクラウン軸方向エッジ成分を含み、
1つの前記クラウンブロックに形成された全ての前記クラウンサイプの前記クラウン軸方向エッジ成分の総和ΣChは、1つの前記ショルダーブロックに形成された全ての前記ショルダー軸方向エッジ成分の総和ΣShよりも小さい本発明1又は2に記載のタイヤ。
[本発明4]
前記クラウン軸方向エッジ成分の総和ΣChは、前記ショルダー軸方向エッジ成分の総和ΣShの50%~95%である、本発明3に記載のタイヤ。
[本発明5]
前記ショルダーブロックには、タイヤ軸方向に並んだ2つの前記ショルダーサイプからなるサイプ対がタイヤ周方向に複数設けられており、
1つの前記サイプ対に含まれる前記2つのショルダーサイプの前記ショルダー軸方向エッジ成分の合計は、前記ショルダーブロックの接地面のタイヤ軸方向の幅の80%以上である、本発明3に記載のタイヤ。
[本発明6]
前記クラウンサイプは、タイヤ軸方向に延びる第1サイプ片と、前記第1サイプ片よりもタイヤ赤道側でタイヤ軸方向に延びる第2サイプ片と、前記第1サイプ片と前記第2サイプ片との間に連なり、かつ、タイヤ軸方向に対する角度が前記第1サイプ片及び前記第2サイプ片よりも大きい第3サイプ片とを含む、本発明1又は2に記載のタイヤ。
[本発明7]
前記第1クラウン陸部の接地面のタイヤ軸方向の最大の幅は、前記ショルダー陸部の接地面のタイヤ軸方向の最大の幅の95%以下である、本発明1又は2に記載のタイヤ。
[本発明8]
前記クラウン周方向溝は、底面から局所的に隆起した複数の突起を含む、本発明1又は2に記載のタイヤ。
[本発明9]
前記突起のタイヤ半径方向の最大の高さは、1.0~2.0mmである、本発明8に記載のタイヤ。
トレッド部を有するタイヤであって、
前記トレッド部は、第1トレッド端及び第2トレッド端と、前記第1トレッド端と前記第2トレッド端との間でタイヤ周方向に連続して延びる3本の周方向溝と、前記3本の周方向溝に区分された4つの陸部とを備え、
前記3本の周方向溝は、前記第1トレッド端とタイヤ赤道との間に設けられた第1ショルダー周方向溝と、前記第1ショルダー周方向溝のタイヤ赤道側に隣接するクラウン周方向溝とを含み、
前記4つの陸部は、前記第1トレッド端を含む第1ショルダー陸部と、前記第1ショルダー周方向溝と前記クラウン周方向溝との間に区分された第1クラウン陸部とを含み、
前記第1ショルダー陸部は、前記第1ショルダー周方向溝から少なくとも前記第1トレッド端まで延びる複数のショルダー横溝によって区分された複数のショルダーブロックを含み、
前記複数のショルダーブロックのそれぞれには、タイヤ軸方向に延びる複数のショルダーサイプが設けられており、
前記第1クラウン陸部は、前記第1ショルダー周方向溝から前記クラウン周方向溝まで延びる複数のクラウン横溝によって区分された複数のクラウンブロックを含み、
前記複数のクラウンブロックのそれぞれには、タイヤ軸方向に延びる複数のクラウンサイプが設けられており、
前記複数のクラウンサイプのそれぞれは、少なくとも一端が前記クラウン周方向溝及び前記第1ショルダー周方向溝のいずれにも連通することなく前記クラウンブロックの接地面で閉じており、
前記複数のショルダーサイプのそれぞれは、タイヤ周方向の長さであるショルダー周方向エッジ成分を含み、
前記複数のクラウンブロックのそれぞれは、タイヤ周方向の長さであるクラウン周方向エッジ成分を含み、
1つの前記クラウンブロックに形成された全ての前記クラウンサイプの前記クラウン周方向エッジ成分の総和ΣCvは、1つの前記ショルダーブロックに形成された全ての前記ショルダー周方向エッジ成分の総和ΣSvよりも大きい、
タイヤ。
[本発明2]
前記クラウン周方向エッジ成分の総和ΣCvは、前記ショルダー周方向エッジ成分の総和ΣSvの105%~200%である、本発明1に記載のタイヤ。
[本発明3]
前記複数のショルダーサイプのそれぞれは、タイヤ軸方向の長さであるショルダー軸方向エッジ成分を含み、
前記複数のクラウンブロックのそれぞれは、タイヤ軸方向の長さであるクラウン軸方向エッジ成分を含み、
1つの前記クラウンブロックに形成された全ての前記クラウンサイプの前記クラウン軸方向エッジ成分の総和ΣChは、1つの前記ショルダーブロックに形成された全ての前記ショルダー軸方向エッジ成分の総和ΣShよりも小さい本発明1又は2に記載のタイヤ。
[本発明4]
前記クラウン軸方向エッジ成分の総和ΣChは、前記ショルダー軸方向エッジ成分の総和ΣShの50%~95%である、本発明3に記載のタイヤ。
[本発明5]
前記ショルダーブロックには、タイヤ軸方向に並んだ2つの前記ショルダーサイプからなるサイプ対がタイヤ周方向に複数設けられており、
1つの前記サイプ対に含まれる前記2つのショルダーサイプの前記ショルダー軸方向エッジ成分の合計は、前記ショルダーブロックの接地面のタイヤ軸方向の幅の80%以上である、本発明3に記載のタイヤ。
[本発明6]
前記クラウンサイプは、タイヤ軸方向に延びる第1サイプ片と、前記第1サイプ片よりもタイヤ赤道側でタイヤ軸方向に延びる第2サイプ片と、前記第1サイプ片と前記第2サイプ片との間に連なり、かつ、タイヤ軸方向に対する角度が前記第1サイプ片及び前記第2サイプ片よりも大きい第3サイプ片とを含む、本発明1又は2に記載のタイヤ。
[本発明7]
前記第1クラウン陸部の接地面のタイヤ軸方向の最大の幅は、前記ショルダー陸部の接地面のタイヤ軸方向の最大の幅の95%以下である、本発明1又は2に記載のタイヤ。
[本発明8]
前記クラウン周方向溝は、底面から局所的に隆起した複数の突起を含む、本発明1又は2に記載のタイヤ。
[本発明9]
前記突起のタイヤ半径方向の最大の高さは、1.0~2.0mmである、本発明8に記載のタイヤ。
2 トレッド部
3 周方向溝
4 陸部
5 クラウン周方向溝
6 第1ショルダー周方向溝
11 第1ショルダー陸部
13 第1クラウン陸部
16 ショルダー横溝
17 クラウン横溝
20 ショルダーブロック
25 ショルダーサイプ
30 クラウンブロック
35 クラウンサイプ
Sv ショルダー周方向エッジ成分
Cv クラウン周方向エッジ成分
ΣSv 1つのショルダーブロックに形成された全てのショルダー周方向エッジ成分の総和
ΣCv 1つのクラウンブロックに形成された全てのクラウンサイプのクラウン周方向エッジ成分の総和
T1 第1トレッド端
T2 第2トレッド端
3 周方向溝
4 陸部
5 クラウン周方向溝
6 第1ショルダー周方向溝
11 第1ショルダー陸部
13 第1クラウン陸部
16 ショルダー横溝
17 クラウン横溝
20 ショルダーブロック
25 ショルダーサイプ
30 クラウンブロック
35 クラウンサイプ
Sv ショルダー周方向エッジ成分
Cv クラウン周方向エッジ成分
ΣSv 1つのショルダーブロックに形成された全てのショルダー周方向エッジ成分の総和
ΣCv 1つのクラウンブロックに形成された全てのクラウンサイプのクラウン周方向エッジ成分の総和
T1 第1トレッド端
T2 第2トレッド端
本発明は、トレッド部を有するタイヤであって、前記トレッド部は、第1トレッド端及び第2トレッド端と、前記第1トレッド端と前記第2トレッド端との間でタイヤ周方向に連続して延びる3本の周方向溝と、前記3本の周方向溝に区分された4つの陸部とを備え、前記3本の周方向溝は、前記第1トレッド端とタイヤ赤道との間に設けられた第1ショルダー周方向溝と、前記第1ショルダー周方向溝のタイヤ赤道側に隣接するクラウン周方向溝とを含み、前記4つの陸部は、前記第1トレッド端を含む第1ショルダー陸部と、前記第1ショルダー周方向溝と前記クラウン周方向溝との間に区分された第1クラウン陸部とを含み、前記第1ショルダー陸部は、前記第1ショルダー周方向溝から少なくとも前記第1トレッド端まで延びる複数のショルダー横溝によって区分された複数のショルダーブロックを含み、前記複数のショルダーブロックのそれぞれには、タイヤ軸方向に延びる複数のショルダーサイプが設けられており、前記第1クラウン陸部は、前記第1ショルダー周方向溝から前記クラウン周方向溝まで延びる複数のクラウン横溝によって区分された複数のクラウンブロックを含み、前記複数のクラウンブロックのそれぞれには、タイヤ軸方向に延びる複数のクラウンサイプが設けられており、前記複数のクラウンサイプのそれぞれは、少なくとも一端が前記クラウン周方向溝及び前記第1ショルダー周方向溝のいずれにも連通することなく前記クラウンブロックの接地面で閉じており、前記複数のショルダーサイプのそれぞれは、タイヤ周方向の長さであるショルダー周方向エッジ成分を含み、前記複数のクラウンサイプのそれぞれは、タイヤ周方向の長さであるクラウン周方向エッジ成分を含み、1つの前記クラウンブロックに形成された全ての前記クラウンサイプの前記クラウン周方向エッジ成分の総和ΣCvは、1つの前記ショルダーブロックに形成された全ての前記ショルダーサイプの前記ショルダー周方向エッジ成分の総和ΣSvよりも大きい、タイヤである。
図2に示されるように、本発明では、1つのクラウンブロック30に形成された全てのクラウンサイプ35の前記クラウン周方向エッジ成分Cvの総和ΣCvは、1つのショルダーブロック20に形成された全てのショルダーサイプ25のショルダー周方向エッジ成分Svの総和ΣSvよりも大きい。本発明のタイヤ1は、上記の構成を採用したことによって、耐偏摩耗性能を維持しつつ、優れた氷雪上性能を発揮することができる。その理由は、以下の通りである。
以下、本実施形態のさらに詳細な構成が説明される。なお、以下で説明される各構成は、本実施形態の具体的態様を示すものである。したがって、本発明は、以下で説明される構成を具えないものであっても、上述の効果を発揮し得るのは言うまでもない。また、上述の特徴を具えた本発明のタイヤ1に、以下で説明される各構成のいずれか1つが単独で適用されても、各構成に応じた性能の向上は期待できる。さらに、以下で説明される各構成のいくつかが複合して適用された場合、各構成に応じた複合的な性能の向上が期待できる。
氷雪上性能と耐石噛み性能とをバランス良く向上させる観点から、図7に示されるように、突起9のタイヤ半径方向の最大の高さh1は、1.0~2.0mmであるのが望ましい。また、図2に示されるように、タイヤ周方向で隣接する2つの突起9の間隔L2は、3.0mm以下であり、望ましくは1.5~3.0mmである。このような突起9は、クラウン周方向溝5の容積を確保するのに役立つ。また、これらの突起9は、雪上走行時において、溝内で押し固めた雪をせん断することによって大きな反力を提供し、雪上でのトラクション性能を高めるのに役立つ。なお、前記間隔L2は、例えば、各突起9の高さ方向の中心位置で測定される。
クラウン横溝17は、ショルダー横溝16とはタイヤ周方向の異なる位置で第1ショルダー周方向溝6に連通しているのが望ましい。具体的には、トレッド平面視において、ショルダー横溝16の第1ショルダー周方向溝6側の端部をタイヤ軸方向に平行に延長した仮想領域21(図2ではドットが施されている)が、クラウン横溝17の第1ショルダー周方向溝6側の端部と重複していない。これにより、第1ショルダー周方向溝6の周辺での偏摩耗が抑制される。
1つのクラウンサイプ35のクラウン軸方向エッジ成分Ch(図6に示す)は、クラウンブロック30のタイヤ軸方向の幅W8(図4に示す)の30%~40%である。また、1つのクラウンブロック30に形成された全てのクラウンサイプ35のクラウン軸方向エッジ成分Chの総和ΣChは、1つのショルダーブロック20に形成された全てのショルダーサイプ25のショルダー軸方向エッジ成分Shの総和ΣShよりも小さいのが望ましい。具体的には、前記総和ΣChは、前記総和ΣShの望ましくは95%以下、より望ましくは85%以下であり、望ましくは50%以上、より望ましくは70%以上である。これにより、耐偏摩耗性能が維持されつつ、氷雪上走行時のトラクション性能が向上し得る。
[本発明1]
トレッド部を有するタイヤであって、
前記トレッド部は、第1トレッド端及び第2トレッド端と、前記第1トレッド端と前記第2トレッド端との間でタイヤ周方向に連続して延びる3本の周方向溝と、前記3本の周方向溝に区分された4つの陸部とを備え、
前記3本の周方向溝は、前記第1トレッド端とタイヤ赤道との間に設けられた第1ショルダー周方向溝と、前記第1ショルダー周方向溝のタイヤ赤道側に隣接するクラウン周方向溝とを含み、
前記4つの陸部は、前記第1トレッド端を含む第1ショルダー陸部と、前記第1ショルダー周方向溝と前記クラウン周方向溝との間に区分された第1クラウン陸部とを含み、
前記第1ショルダー陸部は、前記第1ショルダー周方向溝から少なくとも前記第1トレッド端まで延びる複数のショルダー横溝によって区分された複数のショルダーブロックを含み、
前記複数のショルダーブロックのそれぞれには、タイヤ軸方向に延びる複数のショルダーサイプが設けられており、
前記第1クラウン陸部は、前記第1ショルダー周方向溝から前記クラウン周方向溝まで延びる複数のクラウン横溝によって区分された複数のクラウンブロックを含み、
前記複数のクラウンブロックのそれぞれには、タイヤ軸方向に延びる複数のクラウンサイプが設けられており、
前記複数のクラウンサイプのそれぞれは、少なくとも一端が前記クラウン周方向溝及び前記第1ショルダー周方向溝のいずれにも連通することなく前記クラウンブロックの接地面で閉じており、
前記複数のショルダーサイプのそれぞれは、タイヤ周方向の長さであるショルダー周方向エッジ成分を含み、
前記複数のクラウンサイプのそれぞれは、タイヤ周方向の長さであるクラウン周方向エッジ成分を含み、
1つの前記クラウンブロックに形成された全ての前記クラウンサイプの前記クラウン周方向エッジ成分の総和ΣCvは、1つの前記ショルダーブロックに形成された全ての前記ショルダーサイプの前記ショルダー周方向エッジ成分の総和ΣSvよりも大きい、
タイヤ。
[本発明2]
前記クラウン周方向エッジ成分の総和ΣCvは、前記ショルダー周方向エッジ成分の総和ΣSvの105%~200%である、本発明1に記載のタイヤ。
[本発明3]
前記複数のショルダーサイプのそれぞれは、タイヤ軸方向の長さであるショルダー軸方向エッジ成分を含み、
前記複数のクラウンサイプのそれぞれは、タイヤ軸方向の長さであるクラウン軸方向エッジ成分を含み、
1つの前記クラウンブロックに形成された全ての前記クラウンサイプの前記クラウン軸方向エッジ成分の総和ΣChは、1つの前記ショルダーブロックに形成された全ての前記ショルダーサイプの前記ショルダー軸方向エッジ成分の総和ΣShよりも小さい本発明1又は2に記載のタイヤ。
[本発明4]
前記クラウン軸方向エッジ成分の総和ΣChは、前記ショルダー軸方向エッジ成分の総和ΣShの50%~95%である、本発明3に記載のタイヤ。
[本発明5]
前記ショルダーブロックには、タイヤ軸方向に並んだ2つの前記ショルダーサイプからなるサイプ対がタイヤ周方向に複数設けられており、
1つの前記サイプ対に含まれる前記2つのショルダーサイプの前記ショルダー軸方向エッジ成分の合計は、前記ショルダーブロックの接地面のタイヤ軸方向の幅の80%以上である、本発明3に記載のタイヤ。
[本発明6]
前記クラウンサイプは、タイヤ軸方向に延びる第1サイプ片と、前記第1サイプ片よりもタイヤ赤道側でタイヤ軸方向に延びる第2サイプ片と、前記第1サイプ片と前記第2サイプ片との間に連なり、かつ、タイヤ軸方向に対する角度が前記第1サイプ片及び前記第2サイプ片よりも大きい第3サイプ片とを含む、本発明1又は2に記載のタイヤ。
[本発明7]
前記第1クラウン陸部の接地面のタイヤ軸方向の最大の幅は、前記第1ショルダー陸部の接地面のタイヤ軸方向の最大の幅の95%以下である、本発明1又は2に記載のタイヤ。
[本発明8]
前記クラウン周方向溝は、底面から局所的に隆起した複数の突起を含む、本発明1又は2に記載のタイヤ。
[本発明9]
前記突起のタイヤ半径方向の最大の高さは、1.0~2.0mmである、本発明8に記載のタイヤ。
トレッド部を有するタイヤであって、
前記トレッド部は、第1トレッド端及び第2トレッド端と、前記第1トレッド端と前記第2トレッド端との間でタイヤ周方向に連続して延びる3本の周方向溝と、前記3本の周方向溝に区分された4つの陸部とを備え、
前記3本の周方向溝は、前記第1トレッド端とタイヤ赤道との間に設けられた第1ショルダー周方向溝と、前記第1ショルダー周方向溝のタイヤ赤道側に隣接するクラウン周方向溝とを含み、
前記4つの陸部は、前記第1トレッド端を含む第1ショルダー陸部と、前記第1ショルダー周方向溝と前記クラウン周方向溝との間に区分された第1クラウン陸部とを含み、
前記第1ショルダー陸部は、前記第1ショルダー周方向溝から少なくとも前記第1トレッド端まで延びる複数のショルダー横溝によって区分された複数のショルダーブロックを含み、
前記複数のショルダーブロックのそれぞれには、タイヤ軸方向に延びる複数のショルダーサイプが設けられており、
前記第1クラウン陸部は、前記第1ショルダー周方向溝から前記クラウン周方向溝まで延びる複数のクラウン横溝によって区分された複数のクラウンブロックを含み、
前記複数のクラウンブロックのそれぞれには、タイヤ軸方向に延びる複数のクラウンサイプが設けられており、
前記複数のクラウンサイプのそれぞれは、少なくとも一端が前記クラウン周方向溝及び前記第1ショルダー周方向溝のいずれにも連通することなく前記クラウンブロックの接地面で閉じており、
前記複数のショルダーサイプのそれぞれは、タイヤ周方向の長さであるショルダー周方向エッジ成分を含み、
前記複数のクラウンサイプのそれぞれは、タイヤ周方向の長さであるクラウン周方向エッジ成分を含み、
1つの前記クラウンブロックに形成された全ての前記クラウンサイプの前記クラウン周方向エッジ成分の総和ΣCvは、1つの前記ショルダーブロックに形成された全ての前記ショルダーサイプの前記ショルダー周方向エッジ成分の総和ΣSvよりも大きい、
タイヤ。
[本発明2]
前記クラウン周方向エッジ成分の総和ΣCvは、前記ショルダー周方向エッジ成分の総和ΣSvの105%~200%である、本発明1に記載のタイヤ。
[本発明3]
前記複数のショルダーサイプのそれぞれは、タイヤ軸方向の長さであるショルダー軸方向エッジ成分を含み、
前記複数のクラウンサイプのそれぞれは、タイヤ軸方向の長さであるクラウン軸方向エッジ成分を含み、
1つの前記クラウンブロックに形成された全ての前記クラウンサイプの前記クラウン軸方向エッジ成分の総和ΣChは、1つの前記ショルダーブロックに形成された全ての前記ショルダーサイプの前記ショルダー軸方向エッジ成分の総和ΣShよりも小さい本発明1又は2に記載のタイヤ。
[本発明4]
前記クラウン軸方向エッジ成分の総和ΣChは、前記ショルダー軸方向エッジ成分の総和ΣShの50%~95%である、本発明3に記載のタイヤ。
[本発明5]
前記ショルダーブロックには、タイヤ軸方向に並んだ2つの前記ショルダーサイプからなるサイプ対がタイヤ周方向に複数設けられており、
1つの前記サイプ対に含まれる前記2つのショルダーサイプの前記ショルダー軸方向エッジ成分の合計は、前記ショルダーブロックの接地面のタイヤ軸方向の幅の80%以上である、本発明3に記載のタイヤ。
[本発明6]
前記クラウンサイプは、タイヤ軸方向に延びる第1サイプ片と、前記第1サイプ片よりもタイヤ赤道側でタイヤ軸方向に延びる第2サイプ片と、前記第1サイプ片と前記第2サイプ片との間に連なり、かつ、タイヤ軸方向に対する角度が前記第1サイプ片及び前記第2サイプ片よりも大きい第3サイプ片とを含む、本発明1又は2に記載のタイヤ。
[本発明7]
前記第1クラウン陸部の接地面のタイヤ軸方向の最大の幅は、前記第1ショルダー陸部の接地面のタイヤ軸方向の最大の幅の95%以下である、本発明1又は2に記載のタイヤ。
[本発明8]
前記クラウン周方向溝は、底面から局所的に隆起した複数の突起を含む、本発明1又は2に記載のタイヤ。
[本発明9]
前記突起のタイヤ半径方向の最大の高さは、1.0~2.0mmである、本発明8に記載のタイヤ。
Claims (9)
- トレッド部を有するタイヤであって、
前記トレッド部は、第1トレッド端及び第2トレッド端と、前記第1トレッド端と前記第2トレッド端との間でタイヤ周方向に連続して延びる3本の周方向溝と、前記3本の周方向溝に区分された4つの陸部とを備え、
前記3本の周方向溝は、前記第1トレッド端とタイヤ赤道との間に設けられた第1ショルダー周方向溝と、前記第1ショルダー周方向溝のタイヤ赤道側に隣接するクラウン周方向溝とを含み、
前記4つの陸部は、前記第1トレッド端を含む第1ショルダー陸部と、前記第1ショルダー周方向溝と前記クラウン周方向溝との間に区分された第1クラウン陸部とを含み、
前記第1ショルダー陸部は、前記第1ショルダー周方向溝から少なくとも前記第1トレッド端まで延びる複数のショルダー横溝によって区分された複数のショルダーブロックを含み、
前記複数のショルダーブロックのそれぞれには、タイヤ軸方向に延びる複数のショルダーサイプが設けられており、
前記第1クラウン陸部は、前記第1ショルダー周方向溝から前記クラウン周方向溝まで延びる複数のクラウン横溝によって区分された複数のクラウンブロックを含み、
前記複数のクラウンブロックのそれぞれには、タイヤ軸方向に延びる複数のクラウンサイプが設けられており、
前記複数のクラウンサイプのそれぞれは、少なくとも一端が前記クラウン周方向溝及び前記第1ショルダー周方向溝のいずれにも連通することなく前記クラウンブロックの接地面で閉じており、
前記複数のショルダーサイプのそれぞれは、タイヤ周方向の長さであるショルダー周方向エッジ成分を含み、
前記複数のクラウンブロックのそれぞれは、タイヤ周方向の長さであるクラウン周方向エッジ成分を含み、
1つの前記クラウンブロックに形成された全ての前記クラウンサイプの前記クラウン周方向エッジ成分の総和ΣCvは、1つの前記ショルダーブロックに形成された全ての前記ショルダー周方向エッジ成分の総和ΣSvよりも大きい、
タイヤ。 - 前記クラウン周方向エッジ成分の総和ΣCvは、前記ショルダー周方向エッジ成分の総和ΣSvの105%~200%である、請求項1に記載のタイヤ。
- 前記複数のショルダーサイプのそれぞれは、タイヤ軸方向の長さであるショルダー軸方向エッジ成分を含み、
前記複数のクラウンブロックのそれぞれは、タイヤ軸方向の長さであるクラウン軸方向エッジ成分を含み、
1つの前記クラウンブロックに形成された全ての前記クラウンサイプの前記クラウン軸方向エッジ成分の総和ΣChは、1つの前記ショルダーブロックに形成された全ての前記ショルダー軸方向エッジ成分の総和ΣShよりも小さい請求項1又は2に記載のタイヤ。 - 前記クラウン軸方向エッジ成分の総和ΣChは、前記ショルダー軸方向エッジ成分の総和ΣShの50%~95%である、請求項3に記載のタイヤ。
- 前記ショルダーブロックには、タイヤ軸方向に並んだ2つの前記ショルダーサイプからなるサイプ対がタイヤ周方向に複数設けられており、
1つの前記サイプ対に含まれる前記2つのショルダーサイプの前記ショルダー軸方向エッジ成分の合計は、前記ショルダーブロックの接地面のタイヤ軸方向の幅の80%以上である、請求項3に記載のタイヤ。 - 前記クラウンサイプは、タイヤ軸方向に延びる第1サイプ片と、前記第1サイプ片よりもタイヤ赤道側でタイヤ軸方向に延びる第2サイプ片と、前記第1サイプ片と前記第2サイプ片との間に連なり、かつ、タイヤ軸方向に対する角度が前記第1サイプ片及び前記第2サイプ片よりも大きい第3サイプ片とを含む、請求項1又は2に記載のタイヤ。
- 前記第1クラウン陸部の接地面のタイヤ軸方向の最大の幅は、前記ショルダー陸部の接地面のタイヤ軸方向の最大の幅の95%以下である、請求項1又は2に記載のタイヤ。
- 前記クラウン周方向溝は、底面から局所的に隆起した複数の突起を含む、請求項1又は2に記載のタイヤ。
- 前記突起のタイヤ半径方向の最大の高さは、1.0~2.0mmである、請求項8に記載のタイヤ。
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