JP2024050014A - 積層体の製造方法および積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】異物の数が少ない積層体を提供すること、および、異物の数が少ない積層体を容易に製造することができる製造方法を提供すること。【解決手段】セル容積が45~90cm3/m2のドライラミネート用グラビアロールを用い、固形分が30質量%以上であり、かつ、25℃におけるザーンカップ#3での粘度が15~30秒である接着剤を基材フィルム上に、グラビア方式で塗装する工程1と、前記工程1で得られた接着剤を塗装した基材フィルムを乾燥後、別のフィルムと貼り合わせて積層体を得る工程2とを含む、積層体の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、積層体の製造方法および積層体に関する。
医薬品や食品などの包装用樹脂シートには、包装した医薬品や食品などの流通の多様化が予測される中、医薬品や食品などの品質を安全に維持する等の点から、高防湿性、高透明性、耐黄変性等の性質を有することが求められており、また、安全性や信頼性の点から、従来より採用されてきたフィルムを使用することが求められることが多い。
しかしながら、このようなフィルム単層では、所望の用途に求められる性質が十分に発揮できない場合もあるため、前記従来より採用されてきたフィルムと、別のフィルムとを積層した積層シートが用いられることもある(例:特許文献1)。
特開平2-116546号公報
近年、前記包装用樹脂シートには、該シートの外観に求められる要求が厳しくなってきている。
しかしながら、前記従来より採用されてきたフィルムには、通常、該フィルムの製造時に形成される不純物(気泡を含まない)が含まれており、該フィルムを用いて積層シートを形成した際には、図1に示すような、該不純物を中心とした気泡(以下、不純物を中心とした気泡全体を「異物」という。)が新たに形成され、該異物により、積層シートの外観が損なわれていることが分かった。
本発明は以上のことに鑑みてなされたものであり、異物の数が少ない積層体を提供すること、および、異物の数が少ない積層体を容易に製造することができる製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは前記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、下記構成例によれば、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の構成例は以下のとおりである。
[1] セル容積が45~90cm3/m2のドライラミネート用グラビアロールを用い、固形分が30質量%以上であり、かつ、25℃におけるザーンカップ#3での粘度が15~30秒である接着剤を基材フィルム上に、グラビア方式で塗装する工程1と、
前記工程1で得られた接着剤を塗装した基材フィルムを乾燥後、別のフィルムと貼り合わせて積層体を得る工程2と
を含む、積層体の製造方法。
[2] 前記グラビアロールがハニカム形状を有するグラビアロールである、[1]に記載の積層体の製造方法。
[3] 前記グラビアロールが腐食方式で形成されたグラビアロールである、[1]または[2]に記載の積層体の製造方法。
[4] 前記基材フィルムが、直径0.1~0.4mmの大きさの不純物の数が1m2当たり10個以上であるフィルムである、[1]~[3]のいずれかに記載の積層体の製造方法。
[5] 前記基材フィルムが、ポリクロロトリフルオロエチレンフィルムである、[1]~[4]のいずれかに記載の積層体の製造方法。
[6] 直径0.1~0.4mmの大きさの不純物の数が1m2当たり10個以上である基材フィルムと、接着剤層と、前記基材フィルムとは異なる別のフィルムとがこの順で積層された積層体であって、
前記接着剤層の厚みが4.5~10μmであり、
直径0.3~0.5mmの大きさの異物の数が、前記積層体1m2当たり2個未満である、
積層体。
本発明によれば、異物の数が少ない積層体を提供することができる。
前記従来より採用されてきたフィルムには、通常、該フィルム1m2当たり、直径0.1~0.4mmの大きさの不純物が10個以上存在する。このようなフィルムを用いて積層体を製造する際には、該不純物に基づいて、直径0.3~0.5mmの大きさの異物が新たに生じることがあり、包装用樹脂シート、特に医薬品包装用樹脂シートには、この大きさの異物が少ないことが求められることが多い。本発明によれば、直径0.1~0.4mmの大きさの不純物が1m2当たり10個以上存在する基材フィルムを用いても、直径0.3~0.5mmの大きさの異物の数が2個未満である積層体を容易に得ることができる。
また、本発明の一実施形態によれば、高防湿性、高透明性、耐黄変性、高UV遮光性、低ガス透過性、高機械適正性の積層体を得ることもできる。
図1は、従来の積層体に含まれる異物(不純物(気泡を含まない)を中心とした気泡)の写真である。 図2は、ラミネート機の一例を示す概略模式図である。
≪積層体の製造方法≫
本発明に係る積層体(以下「積層体A」ともいう。)の製造方法(以下「本方法」ともいう。)は、セル容積が45~90cm3/m2のドライラミネート用グラビアロールを用い、固形分が30質量%以上であり、かつ、25℃におけるザーンカップ#3での粘度が15~30秒である接着剤を基材フィルム上に、グラビア方式で塗装する工程1と、
前記工程1で得られた接着剤を塗装した基材フィルムを乾燥後、別のフィルムと貼り合わせて積層体を得る工程2とを含む。
本発明者が鋭意検討したところ、固形分および粘度が前記範囲にある接着剤を、特定のセル容積のドライラミネート用グラビアロールを用いて塗装することで、不純物の多い基材フィルムを用いた場合であっても、異物の少ない積層体を得ることができることが分かった。つまり、異物の少ない積層体を得るには、接着剤の固形分および粘度の関係と、グラビアロールのセル容積との関係とが重要であり、接着剤の種類や他の製造条件等には大きな影響を受けないことが分かった。
<工程1>
前記工程1は、セル容積が45~90cm3/m2のドライラミネート用グラビアロールを用い、固形分が30質量%以上であり、かつ、25℃におけるザーンカップ#3での粘度が15~30秒である接着剤を基材フィルム上に、グラビア方式で塗装する工程である。
直径0.3~0.5mmの大きさの異物の数が少なく、また、接着性に優れる積層体を容易に製造することができる等の点から、工程1では、得られる積層体における接着剤層の塗工厚みが、好ましくは5.5~11g/m2、より好ましくは6.6~11g/m2、さらに好ましくは7.7~11g/m2となるように接着剤を塗装することが望ましい。
また、同様の理由から、工程1では、得られる積層体における接着剤層の厚みが、好ましくは4.5~10μm、より好ましくは5~10μm、さらに好ましくは6~10μm、特に好ましくは7~10μmとなるように接着剤を塗装することが望ましい。
[グラビアロール]
本方法では、基材フィルム上に接着剤を塗装する際に、セル容積が45~90cm3/m2のドライラミネート用グラビアロール(グラビアシリンダー)を用いることを1つの特徴とする。
該グラビアロールのセル容積は、好ましくは50~90cm3/m2、より好ましくは60~90cm3/m2である。
グラビアロールのセル容積は、大きくなるほど、塗布される接着剤量が多くなる(形成される接着剤層の厚みが厚くなる)。従って、前記セル容積のグラビアロールを用いるということは、厚膜の接着剤層を形成することを意図している。
セル容積が前記範囲にあるグラビアロールを用いることで、直径0.3~0.5mmの大きさの異物の数が少なく、また、接着性に優れる積層体を容易に製造することができる。
前記グラビアロールの形状は特に制限されず、例えば、四角形に近い形状(例:格子状)、六角形に近い形状(例:ハニカム状)が挙げられるが、直径0.3~0.5mmの大きさの異物の数がより少ない積層体を容易に製造することができる等の点から、ハニカム状であることが好ましい。
従来のドライラミネートにおけるグラビアロールのセル形状は、電子彫刻などにより形成された、四隅が約90°の四角形に近い形状(例:コンプレストセル、ノーマルセル、エロンゲートセル)や、機械彫刻などにより形成された四角形に近い形状(例:格子セル)などが一般的であるが、角が約120°の六角形に近い形状であるハニカム状であることが好ましい。
グラビアロールの形成方法としては、腐食方式、電子彫刻などが挙げられるが、前記グラビアロールは、腐食方式でセルが形成されたグラビアロール(腐食版)であることが好ましい。
腐食方式で形成されたグラビアロールは、セル(凹部)の開口部を広く形成することが可能で、セル間の所謂「土手」部分を狭い形状にしやすく、基材フィルム上に塗装された接着剤の濡れ広がりが良好となる傾向にある。また、腐食方式により形成されたセルは、形状に丸みを帯びる傾向があり、鋭角より鈍角の方がセル形状再現性に優れている。このため土手の交点部分の面積は、四角形に近い形状のセルより、ハニカム形状セルの方が小さくなる。このことにより、腐食方式で形成されたハニカム形状のセルを有するグラビアロールを用いることで、基材フィルム上に塗装された接着剤の濡れ広がりが良好となる傾向にある。
グラビアロールのグラビア線数は、直径0.3~0.5mmの大きさの異物の数がより少ない積層体を容易に製造することができる等の点から、好ましくは45~95線/インチ、より好ましくは60~95線/インチである。
グラビアロールのセル深度は、接着剤の塗装が容易となる等の点から、好ましくは10~200μmである。
[接着剤]
前記接着剤としては、固形分が30質量%以上であり、かつ、25℃におけるザーンカップ#3での粘度が15~30秒であれば特に制限されない。
接着剤の固形分は、直径0.3~0.5mmの大きさの異物の数がより少ない積層体を容易に製造することができる等の点から、好ましくは30~40質量%、より好ましくは30~35質量%である。
該固形分は、接着剤を十分に反応硬化(加熱)した後の塗膜(加熱残分)の質量百分率、または、該塗膜(加熱残分)自体を意味し、接着剤中の溶媒以外の成分の総量と同等の値である。該固形分は、具体的には、下記実施例に記載の方法で測定される。
接着剤の25℃におけるザーンカップ#3での粘度は、直径0.3~0.5mmの大きさの異物の数がより少ない積層体を容易に製造することができる等の点から、好ましくは17~27秒、より好ましくは18~25秒である。
接着剤としては、固形分および25℃におけるザーンカップ#3での粘度が前記範囲にあれば特に制限されず、基材フィルムおよび別のフィルムを接着することができる接着剤として公知の接着剤を用いることができる。
接着剤としては、有機溶剤型接着剤でもよく、水性接着剤でもよい。
有機溶剤型接着剤としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエステルエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、ポリエーテルウレタン系樹脂、ポリエステルエーテル系樹脂、ポリエステルエーテルウレタン系樹脂などの接着機能を有する樹脂を含む接着剤が挙げられる。これらの接着剤は、前記樹脂単独で使用される場合もあるが、通常、ポリイソシアネート化合物を含む硬化剤と組み合わせ、2液硬化型接着剤として使用する。
水性接着剤としては、例えば、水性ポリウレタン接着剤、水性アクリル接着剤、水性ポリエステル接着剤、水性ポリエーテル接着剤が挙げられる。
[基材フィルム]
前記基材フィルムとしては特に制限されないが、得られる積層体を医薬品包装用に用いる場合には、高防湿性、高透明性、耐黄変性等の性質を有し、安全性や信頼性の点から、従来よりポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)フィルムが採用されてきたため、本発明でも、PCTFEフィルムを用いることが好ましい。
なお、本発明では、フィルムとシートとは特に区別しているわけではない。
PCTFEとしては特に制限されず、PCTFEのホモポリマーであってもよく、PCTFEと、他の単量体(例:エチレン型不飽和単量体)との共重合体であってもよい。
基材フィルムとしては、直径0.1~0.4mmの大きさの不純物の数が、該基材フィルム1m2当たり、例えば10個以上、好ましくは15~100個であるフィルムが挙げられる。
本発明によれば、このような不純物の数の多い基材フィルムを用いた場合であっても、直径0.3~0.5mmの大きさの異物の数が少ない積層体を容易に得ることができる。
なお、従来より医薬品包装用等の分野で用いられてきたPCTFEフィルムには、通常、該フィルム1m2当たりに、直径0.1~0.4mmの大きさの不純物が10個以上存在する。
前記不純物の数は、具体的には、下記実施例における積層体中の異物の数の測定と同様の方法で測定される。
基材フィルムの厚みは特に制限されず、得られる積層体の用途に応じて適宜選択すればよいが、高防湿性などの基材フィルム自体の有する性質が十分に発揮され、包装用に好適に用いることができる積層体を容易に得ることができる等の点から、好ましくは10~200μm、より好ましくは15~160μmである。
基材フィルムは、必要に応じて、樹脂以外の他の成分を、本発明の効果を損なわない範囲で含んでいてもよい。
該他の成分としては、例えば、分散剤、熱安定剤や耐光安定剤などの安定剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、可塑剤、滑剤、加工助剤、強化剤、顔料、紫外線散乱剤、帯電防止剤、酸化防止剤が挙げられる。
これらの他の成分は、それぞれ、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
<工程2>
前記工程2は、前記工程1で得られた接着剤を塗装した基材フィルムを乾燥後、別のフィルムと貼り合わせて積層体を得る工程である。
前記乾燥は、常温下で行ってもよいが、生産性等の点から、加熱下で行うことが好ましい。
加熱下で乾燥する場合の加熱温度は特に制限されず、接着剤中の溶媒を揮発させることができる温度であることが好ましいが、好ましくは30~75℃、より好ましくは45~75℃である。
加熱下で乾燥する場合の加熱時間は、加熱温度により左右されるが、好ましくは6~30秒、より好ましくは7.5~15秒である。
該乾燥は、必要により、減圧下等の条件下で行ってもよい。
乾燥後の接着剤層付き基材フィルムを別のフィルムと貼り合わせる際には、加圧下で貼り合わせることが好ましい。
[別のフィルム]
前記別のフィルムとしては、前記基材フィルムとは異なるフィルムであれば特に制限されず、得られる積層体の所望の用途に応じて求められる性質(例:高防湿性、高透明性、耐黄変性、高UV遮光性、低ガス透過性、高機械適正性)を有する、従来公知の、包装用などに使用されてきたフィルムを用いることができる。
別のフィルムは、単層のフィルムであってもよく、多層のフィルムであってもよいが、単層のフィルムであることが好ましい。
高防湿性、高透明性、耐黄変性、高UV遮光性、低ガス透過性、高機械適正性の積層体を容易に得ることができる等の点から、前記基材フィルムとしてPCTFEフィルムを用いる場合、別のフィルムとしては、塩化ビニル系樹脂(PVC)フィルム、プロピレン系樹脂(PP)フィルムが好ましく、塩化ビニル系樹脂フィルムがより好ましい。
前記塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニルを原料として得られる樹脂であれば特に制限されず、塩化ビニルの単独重合体または塩化ビニルと他のモノマーと共重合体が挙げられる。
前記他のモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、エチレン、プロピレン、イソブテン等のオレフィン類またはその塩素化物、イソプレン、ブタジエン等のジエン類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル等のビニル化合物、マレイン酸またはそのエステルもしくはその酸無水物、アクリル酸またはそのエステル、メタクリル酸またはそのエステル、塩化ビニリデンが挙げられる。
また、前記塩化ビニル系樹脂としては、前記単独重合体または共重合体が部分的に架橋された樹脂であってもよい。また、塩化ビニル系樹脂のポリマーブレンド物、例えば、塩化ビニル樹脂とポリ塩化ビニリデンからなるポリマーブレンド物を用いてもよい。
これらのうち、塩化ビニルの単独重合体が好ましい。
前記塩化ビニル系樹脂のJIS K 6720-2に基づいて測定した平均重合度は、熱安定性および成形性に優れる本シートが得られる等の点から、好ましくは500~5000であり、より好ましくは500~2000である。
別のフィルムは、必要に応じて、樹脂以外の他の成分を、本発明の効果を損なわない範囲で含んでいてもよい。
該他の成分としては、例えば、分散剤、熱安定剤や耐光安定剤などの安定剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、可塑剤、滑剤、加工助剤、強化剤、顔料、紫外線散乱剤、帯電防止剤、酸化防止剤が挙げられる。
これらの他の成分は、それぞれ、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
別のフィルムの厚みは特に制限されず、得られる積層体の用途に応じて適宜選択すればよいが、該フィルム自体の有する性質が十分に発揮され、包装用に好適に用いることができる積層体を容易に得ることができる等の点から、好ましくは100~250μm、より好ましくは180~250μmである。
≪積層体≫
本方法によれば、基材フィルムと、接着剤層と、該基材フィルムとは異なる別のフィルムとがこの順で積層された積層体Aを製造することができ、異物、特に直径0.3~0.5mmの大きさの異物の数が少ない積層体Aを製造することができる。
本発明の一実施形態に係る積層体(以下「積層体B」ともいう。)は、直径0.1~0.4mmの大きさの不純物の数が1m2当たり10個以上である基材フィルムと、接着剤層と、前記基材フィルムとは異なる別のフィルムとがこの順で積層された積層体であって、
前記接着剤層の厚みが5~10μmであり、
直径0.3~0.5mmの大きさの異物の数が、前記積層体1m2当たり2個未満の積層体である。
本方法において、基材フィルムとして、直径0.1~0.4mmの大きさの不純物の数が1m2当たり10個以上である基材フィルムを用いれば、この積層体Bを製造することができる。
積層体Bにおける基材フィルム、接着剤(層)、別のフィルムとしては、前記積層体の製造方法の欄に記載のフィルムや接着剤(層)等が挙げられる。
積層体B1m2当たりの、直径0.3~0.5mmの大きさの異物の数は、好ましくは1個以下である。
積層体A1m2当たりの、直径0.3~0.5mmの大きさの異物の数は、好ましくは2個未満、より好ましくは1個以下である。
該異物の数は、具体的には、下記実施例に記載の方法で測定される。
以下、積層体Aおよび積層体Bを総称して「本積層体」ともいう。
本積層体は、基材フィルムと、接着剤層と、別のフィルムとを含めば特に制限されず、他の層を含んでいてもよい。例えば、本方法により得られた積層体を基材フィルムとして、本方法により、該積層体にさらに別のフィルムを積層することもできる。
本積層体は、医薬品や食品などの包装用樹脂シートとして好適に用いられ、特に、医薬品包装用樹脂シートとして好適に用いられる。
また、本積層体は、プレススルーパック包装シート(以下「PTP包装シート」という。)として好適に用いられる。
該PTP包装シートは、例えば、本積層体であるPTP包装シートに、公知の成形方法で所定の深さのポケット(深絞り部)を形成し、そのポケットに錠剤、カプセル剤などの形状の医薬品や食品等を収容し、開口部をアルミニウム箔などのシール材(蓋材)にて密封包装することで、PTP包装体として使用される。
本積層体を含むPTP包装体は、医薬品や食品等の内容物の品質を安全に維持することができ、また、該内容物の取り出し性に優れる。
以下、本発明について実施例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されない。
下記試験で用いた接着剤の物性は以下のように測定した。
<固形分>
下記試験で用いた接着剤の固形分は、接着剤(主剤と硬化剤とを混合した直後の組成物)1±0.1gを平底皿に量り採り(量り採った接着剤の質量をxgとする)、質量既知(yg)の針金を使って均一に広げ、23℃で24時間乾燥させた後、加熱温度105℃で1時間(常圧下)加熱した時の、加熱残分および該針金の合計質量(zg)を測定し、下記式から算出した。
接着剤の固形分(質量%)=(z-y)×100/x
<25℃におけるザーンカップ#3での粘度>
下記試験で用いた接着剤を25℃の恒温槽に静置し、静置後の接着剤の粘度を、ザーンカップ#3((株)離合社製)を用いて測定した。
[実施例1]
図2に記載のラミネート機(図2の10)を用いて積層体を製造した。
具体的には、基材フィルム(図2の1)として、Aclarフィルム(Honeywell社製、厚み:51μm、1m2当たりの直径0.1~0.4mmの大きさの不純物の数:37個)を用い、ロールで該Aclarフィルムを流しながら、該Aclarフィルムの一方の面に、接着剤1(東洋モートン(株)製、ポリエステル系主剤(不揮発分:50質量%、粘度(25℃):600mPa・s)とポリイソシアネート硬化剤(不揮発分:52.5質量%、粘度(25℃):20mPa・s)とを混合し、固形分が32質量%となるように酢酸エチルを用いて調整した接着剤、25℃におけるザーンカップ#3での粘度:22秒)を、ドライラミネート用グラビアロールとして、ハニカム形状の腐食版1(セル容積:75cm3/m2、セル深度:125μm、グラビア線数:75線/インチ)を用いて、塗工厚みが7.7g/m2となるように塗工した(図2の2において)。
次いで、接着剤を45~75℃に設定したオーブン(図2の5)で乾燥し、乾燥した接着剤と、別のフィルム(図2の3)としてのPVCフィルム(大成化工(株))製、厚み:200μm)とが接するようにドライラミネートして、積層体(図2の4)を製造した。
なお、前記塗工厚みは、以下のように測定した。
得られた積層体を10cm×10cmの大きさに切り取ることで試験片を得、得られた試験片の質量(Ag)を精密天秤で測定した。その後、試験片から、接着剤層の両面のフィルムを剥離して、剥離したフィルム面に付着している接着剤を酢酸エチルで完全にふき取った。接着剤をふき取った後の2枚のフィルムを80℃で5分間乾燥した後、これらのフィルムの質量(Bg)を精密天秤で測定し、下記式から塗工厚みを算出した。
塗工厚み(g/m2)=(A-B)/0.01
得られた積層体における接着剤層の厚みは7.0μmであった。
<積層体中の異物の数>
得られた積層体中の異物の数を以下のようにして測定した。
得られた積層体を1m×1mの大きさに切り取ることで試験片を得、得られた試験片の後ろから照明の光を当てながら、該試験片の前方より目視にて、直径0.3~0.5mmの大きさの異物の数を確認した。なお、異物の大きさは、マイクロスコープを用いて測定した。得られた積層体につき、10枚の試験片を作製し、各試験片について、直径0.3~0.5mmの大きさの異物の数を確認し、10枚の試験片中の異物の数の平均値を算出した。結果を表1に示す。
なお、基材フィルムとして用いた、Aclarフィルム中の直径0.1~0.4mmの大きさの不純物の数も同様にして測定した。
[実施例2]
塗工厚みが8.3g/m2となるように塗工した以外は実施例1と同様にして、積層体を製造し、得られた積層体中の異物の数を測定した。
得られた積層体における接着剤層の厚みは7.5μmであった。
[実施例3]
塗工厚みが8.7g/m2となるように塗工した以外は実施例1と同様にして、積層体を製造し、得られた積層体中の異物の数を測定した。
得られた積層体における接着剤層の厚みは7.9μmであった。
[実施例4]
実施例1において、接着剤1の代わりに、接着剤2(三井化学(株)製、脂肪族エステル系主剤(不揮発分:50質量%)とイソシアネート系硬化剤(不揮発分:75質量%)とを混合し、固形分が35質量%となるように酢酸エチルを用いて調整した接着剤、25℃におけるザーンカップ#3での粘度:21.5秒)を用い、塗工厚みが9.4g/m2となるように塗工した以外は実施例1と同様にして、積層体を製造し、得られた積層体中の異物の数を測定した。
得られた積層体における接着剤層の厚みは8.5μmであった。
[実施例5]
実施例1において、ハニカム形状の腐食版1の代わりに、格子状腐食版1(セル容積:57cm3/m2、セル深度:130μm、グラビア線数:95線/インチ)を用いて、塗工厚みが5.3g/m2となるように塗工した以外は実施例1と同様にして、積層体を製造し、得られた積層体中の異物の数を測定した。
得られた積層体における接着剤層の厚みは4.8μmであった。
[比較例1]
実施例5において、接着剤1の代わりに、接着剤3(東洋モートン(株)製、ポリエステル系主剤(不揮発分:51質量%、粘度(25℃):2000mPa・s)とポリイソシアネート硬化剤(不揮発分:52.5質量%、粘度(25℃):20mPa・s)とを混合し、固形分が22質量%となるように酢酸エチルを用いて調整した接着剤、25℃におけるザーンカップ#3での粘度:18.5秒)を用い、塗工厚みが3.8g/m2となるように塗工した以外は実施例5と同様にして、積層体を製造し、得られた積層体中の異物の数を測定した。
得られた積層体における接着剤層の厚みは3.5μmであった。
[比較例2]
比較例1において、格子状腐食版1の代わりに、格子状腐食版2(セル容積:27cm3/m2、セル深度:90μm、グラビア線数:120線/インチ)を用いて、塗工厚みが2.8g/m2となるように塗工した以外は比較例1と同様にして、積層体を製造し、得られた積層体中の異物の数を測定した。
得られた積層体における接着剤層の厚みは2.5μmであった。
[比較例3]
比較例2において、接着剤3の代わりに、接着剤1を用い、塗工厚みが4g/m2となるように塗工した以外は比較例2と同様にして、積層体を製造し、得られた積層体中の異物の数を測定した。
得られた積層体における接着剤層の厚みは3.6μmであった。
[比較例4]
実施例1において、接着剤1の代わりに、接着剤4(東洋モートン(株)製、ポリエステル系主剤(不揮発分:51質量%、粘度(25℃):2000mPa・s)とポリイソシアネート硬化剤(不揮発分:52.5質量%、粘度(25℃):20mPa・s)とを混合し、固形分が18質量%となるように酢酸エチルを用いて調整した接着剤、25℃におけるザーンカップ#3での粘度:13秒)を用い、ハニカム形状の腐食版1の代わりに、ハニカム形状の腐食版2(セル容積:100cm3/m2、セル深度:150μm、グラビア線数:45線/インチ)を用い、塗工厚みが6.7g/m2となるように塗工した以外は実施例1と同様にして、積層体を製造し、得られた積層体中の異物の数を測定した。
得られた積層体における接着剤層の厚みは6.1μmであった。
なお、得られた積層体は、外観不良(照明の光が透過できないほどヘイズ値が高い)であり、異物の数を確認することができなかった。
[比較例5]
比較例4において、接着剤4の代わりに、接着剤5(東洋モートン(株)製、ポリエステル系主剤(不揮発分:51質量%、粘度(25℃):2000mPa・s)とポリイソシアネート硬化剤(不揮発分:52.5質量%、粘度(25℃):20mPa・s)とを混合し、固形分が25質量%となるように酢酸エチルを用いて調整した接着剤、25℃におけるザーンカップ#3での粘度:15秒)を用い、塗工厚みが9.3g/m2となるように塗工した以外は比較例4と同様にして、積層体を製造し、得られた積層体中の異物の数を測定した。
得られた積層体における接着剤層の厚みは8.5μmであった。
なお、得られた積層体は、外観不良(気泡が大量に発生)であり、異物の数を確認することができなかった。
[比較例6]
比較例4において、接着剤4の代わりに、接着剤6(東洋モートン(株)製、ポリエステル系主剤(不揮発分:51質量%、粘度(25℃):2000mPa・s)とポリイソシアネート硬化剤(不揮発分:52.5質量%、粘度(25℃):20mPa・s)とを混合し、固形分が30質量%となるように酢酸エチルを用いて調整した接着剤、25℃におけるザーンカップ#3での粘度:45秒)を用い、塗工厚みが11.1g/m2となるように塗工した以外は比較例4と同様にして、積層体を製造し、得られた積層体中の異物の数を測定した。
得られた積層体における接着剤層の厚みは10.0μmであった。
なお、得られた積層体は、外観不良(気泡が大量に発生)であり、異物の数を確認することができなかった。
[比較例7]
比較例4において、接着剤4の代わりに、接着剤1を用い、塗工厚みが12.4g/m2となるように塗工した以外は比較例4と同様にして、積層体を製造し、得られた積層体中の異物の数を測定した。
得られた積層体における接着剤層の厚みは11.2μmであった。
なお、得られた積層体は、外観不良(気泡が大量に発生)であり、異物の数を確認することができなかった。
[比較例8]
比較例4において、接着剤4の代わりに、接着剤7(東洋モートン(株)製、ポリエステル系主剤(不揮発分:50質量%、粘度(25℃):600mPa・s)とポリイソシアネート硬化剤(不揮発分:52.5質量%、粘度(25℃):20mPa・s)とを混合し、固形分が37質量%となるように酢酸エチルを用いて調整した接着剤、25℃におけるザーンカップ#3での粘度:45秒)を用い、塗工厚みが13.7g/m2となるように塗工した以外は比較例4と同様にして、積層体を製造し、得られた積層体中の異物の数を測定した。
得られた積層体における接着剤層の厚みは12.5μmであった。
なお、得られた積層体は、外観不良(気泡が大量に発生)であり、異物の数を確認することができなかった。
Figure 2024050014000001
1:基材フィルム
2:接着剤
3:別のフィルム
4:積層体
5:オーブン
10:ラミネート機

Claims (6)

  1. セル容積が45~90cm3/m2のドライラミネート用グラビアロールを用い、固形分が30質量%以上であり、かつ、25℃におけるザーンカップ#3での粘度が15~30秒である接着剤を基材フィルム上に、グラビア方式で塗装する工程1と、
    前記工程1で得られた接着剤を塗装した基材フィルムを乾燥後、別のフィルムと貼り合わせて積層体を得る工程2と
    を含む、積層体の製造方法。
  2. 前記グラビアロールがハニカム形状を有するグラビアロールである、請求項1に記載の積層体の製造方法。
  3. 前記グラビアロールが腐食方式で形成されたグラビアロールである、請求項1または2に記載の積層体の製造方法。
  4. 前記基材フィルムが、直径0.1~0.4mmの大きさの不純物の数が1m2当たり10個以上であるフィルムである、請求項1または2に記載の積層体の製造方法。
  5. 前記基材フィルムが、ポリクロロトリフルオロエチレンフィルムである、請求項1または2に記載の積層体の製造方法。
  6. 直径0.1~0.4mmの大きさの不純物の数が1m2当たり10個以上である基材フィルムと、接着剤層と、前記基材フィルムとは異なる別のフィルムとがこの順で積層された積層体であって、
    前記接着剤層の厚みが4.5~10μmであり、
    直径0.3~0.5mmの大きさの異物の数が、前記積層体1m2当たり2個未満である、
    積層体。
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