JP2024049875A - 燃料電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池スタックを横置きとしつつ締結作業の作業性を確保する。【解決手段】燃料電池モジュールは、平板型の単セルが複数積層されて横置きされた燃料電池スタックと、改質部と燃焼部とを有する改質ユニットと、アノードガスの改質ユニット側の導出口と燃料電池スタック側の導入口とをフランジ接続する第1接続部と、カソードガスの改質ユニット側の導出口と燃料電池スタック側の導入口とをフランジ接続する第2接続部と、アノードオフガスの燃料電池スタック側の導出口と燃焼部側の導入口とをフランジ接続する第3接続部と、カソードオフガスの燃料電池スタック側の導出口と燃焼部側の導入口とをフランジ接続する第4接続部と、を備える。改質ユニットは、燃料電池スタックの上方に配置され、第1から第4接続部を上方に露出させる。【選択図】図4
Description
本開示は、燃料電池モジュールに関する。
従来、アノードガスとカソードガスとの電気化学反応により発電する平板型の単セルを複数積層して構成された燃料電池スタックと、水蒸気を用いて原燃料ガスをアノードガスに改質する改質部と、燃料電池スタックから排出されるアノードオフガスとカソードオフガスを燃焼させて改質器を加熱する燃焼部とを備える燃料電池モジュールが提案されている。例えば、特許文献1には、単セルの積層方向が鉛直方向となるように燃料電池スタックを横置きとし、その上方に改質部や燃焼部を配置するものが記載されている。
上述したように、燃料電池スタックを横置きとして上方に改質部などを配置することで燃料電池モジュールコンパクトに構成することができるものの、各ガスの配管が改質部などで覆われるため、作業者は、配管接続部の締結作業を側方から行う必要がある。しかし、側方からでは作業性が低下して締結不良が生じやすくなる。締結不良によるシール性の低下を防止するために、接続部に流体継手などを用いることも考えられるが、コストが増加してしまう。一方で、燃料電池セルの積層方向が水平方向となるように燃料電池スタックを縦置きすることも考えられるが、高さ方向のコンパクト化が困難となり、重心が高くなるなどの別の問題が生じる。
本開示は、燃料電池スタックを横置きとして燃料電池モジュールをコンパクト化しつつ締結作業の作業性を確保することを主目的とする。
本開示は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本開示の燃料電池モジュールは、
アノードガスとカソードガスとにより発電する平板型の単セルが複数積層されて横置きされた燃料電池スタックと、
水蒸気を用いて原燃料ガスを前記アノードガスに改質する改質部と、前記燃料電池スタックから排出されるアノードオフガスとカソードオフガスとにより燃焼する燃焼部とを有し、前記アノードガスおよび前記カソードガスを前記燃焼部から排出される燃焼排ガスと熱交換してから前記燃料電池スタックに供給する改質ユニットと、
前記アノードガスの前記改質ユニット側の導出口と前記燃料電池スタック側の導入口とをフランジ接続する第1接続部と、
前記カソードガスの前記改質ユニット側の導出口と前記燃料電池スタック側の導入口とをフランジ接続する第2接続部と、
前記アノードオフガスの前記燃料電池スタック側の導出口と前記燃焼部側の導入口とをフランジ接続する第3接続部と、
前記カソードオフガスの前記燃料電池スタック側の導出口と前記燃焼部側の導入口とをフランジ接続する第4接続部と、
を備え、
前記改質ユニットは、前記燃料電池スタックの上方に配置され、前記第1から第4接続部を上方に露出させる、
ことを要旨とする。
アノードガスとカソードガスとにより発電する平板型の単セルが複数積層されて横置きされた燃料電池スタックと、
水蒸気を用いて原燃料ガスを前記アノードガスに改質する改質部と、前記燃料電池スタックから排出されるアノードオフガスとカソードオフガスとにより燃焼する燃焼部とを有し、前記アノードガスおよび前記カソードガスを前記燃焼部から排出される燃焼排ガスと熱交換してから前記燃料電池スタックに供給する改質ユニットと、
前記アノードガスの前記改質ユニット側の導出口と前記燃料電池スタック側の導入口とをフランジ接続する第1接続部と、
前記カソードガスの前記改質ユニット側の導出口と前記燃料電池スタック側の導入口とをフランジ接続する第2接続部と、
前記アノードオフガスの前記燃料電池スタック側の導出口と前記燃焼部側の導入口とをフランジ接続する第3接続部と、
前記カソードオフガスの前記燃料電池スタック側の導出口と前記燃焼部側の導入口とをフランジ接続する第4接続部と、
を備え、
前記改質ユニットは、前記燃料電池スタックの上方に配置され、前記第1から第4接続部を上方に露出させる、
ことを要旨とする。
本開示の燃料電池モジュールでは、改質ユニットが、燃料電池スタックの上方に配置され、第1から第4接続部を上方に露出させる。これにより、第1から第4接続部の各フランジの締結作業を上方から行うことができるため、作業性を向上させて締結トルクを確保することができる。このため、流体継手などを用いる必要がなくコストの低減を図ることができる。また、燃料電池スタックを横置きして、その上方に改質ユニットを配置することで、燃料電池モジュールをコンパクトにすることができる。
本開示の燃料電池モジュールにおいて、前記改質ユニットは、前記燃料電池スタックの投影面積内に収まるサイズに形成されているものとしてもよい。燃料電池スタックを横置きしつつ、改質ユニットを燃料電池スタックの投影面積内に収めることで、燃料電池モジュールをよりコンパクトにすることができる。
本開示の燃料電池モジュールにおいて、前記燃料電池スタックは、上面視で長方形状に形成されており、前記改質ユニットは、上面視で前記燃料電池スタックの短辺に収まる外径の円筒形状に形成されており、前記第1から第4接続部は、前記燃料電池スタックの長辺方向において前記改質ユニットを挟んだ両側に2つずつ配置されているものとしてもよい。こうすれば、改質ユニットを挟んだ両側に各接続部を効率よく配置することができるから、燃料電池モジュールをよりコンパクトにすることができる。
本開示の燃料電池モジュールにおいて、前記改質ユニットから排出される前記燃焼排ガスと改質水との熱交換により前記水蒸気を生成し、前記原燃料ガスと前記水蒸気との混合ガスを前記改質部に供給する蒸発部と、前記混合ガスの前記蒸発部側の導出口と前記改質部側の導入口とをフランジ接続する第5接続部と、前記燃焼排ガスの前記改質ユニット側の導出口と前記蒸発部側の導入口とをフランジ接続する第6接続部と、を備え、前記蒸発部は、前記改質ユニットの上方に配置され、前記第5および第6接続部を上方に露出させるように、前記燃料電池スタックの投影面積内に収まるサイズに形成されているものとしてもよい。こうすれば、第5および第6接続部の各フランジの締結作業を上方から行うことができるため、作業性を向上させて締結トルクを確保することができる。また、蒸発部も投影面積内に収めて、燃料電池モジュールをさらにコンパクトにすることができる。
本開示の燃料電池モジュールにおいて、上方から前記改質ユニットの内部に挿入された状態で締結され、前記燃焼部内に点火する点火装置を備え、前記点火装置の締結箇所が上方に露出するように構成されているものとしてもよい。こうすれば、点火装置も含めて、上方から締結作業を行うことができるから、作業性をより向上させることができる。
次に、本開示の実施形態を図面を用いて説明する。図1,図2は、燃料電池モジュール10の外観斜視図である。図3は、燃料電池モジュール10の概略構成図である。なお、本実施形態において、左右方向、前後方向及び上下方向は、図1,2に示す通りとする。図示するように、燃料電池モジュール10は、燃料電池スタック11と、蒸発部13と、改質ユニット20と、凝縮器50と、を備える。燃料電池スタック11は、アノードガス中の水素とカソードガス中の酸素との電気化学反応により発電する。蒸発部13は、改質水を蒸発させて水蒸気を生成する。改質ユニット20は、水蒸気改質により原燃料ガス(例えば天然ガスやLPガス)を改質してアノードガスを生成する。燃料電池スタック11と蒸発部13と改質ユニット20は、断熱性を有する箱形のモジュールケース15に収容されている。凝縮器50は、モジュールケース15外に設置されている。
燃料電池モジュール10は、図示しない原燃料ガス供給装置や改質水供給装置、エア供給装置、貯湯タンクと共に燃料電池システムを構成する。原燃料ガス供給装置は、原燃料ガス供給管30aにより蒸発部13に原燃料ガスを供給する。改質水供給装置は、改質水供給管30bにより蒸発部13に原燃料ガスからアノードガスへの改質(水蒸気改質)に必要な改質水を供給する。エア供給装置は、エア供給管35により燃料電池スタック11にカソードガスとしてのエアを供給する。また、貯湯タンクは、燃料電池モジュール10で発生した熱を回収して貯湯する。
燃料電池スタック11は、酸化ジルコニウム等の電解質と当該電解質を挟持するアノードおよびカソードとをそれぞれ有する固体酸化物形の単セル11aが複数積層されている。燃料電池スタック11は、単セル11aの積層方向が鉛直方向となるように横置きされ、上下両端にエンドプレート12が設けられている。また、各単セル11aのアノードには、アノードガス流路が接続されており、各単セル11aのカソードには、カソードガス流路が接続されている。
蒸発部13は、原燃料ガス供給管30aと改質水供給管30bとに接続された供給管30が接続されている。蒸発部13には、原燃料ガス供給装置から原燃料ガス供給管30aに供給された原燃料ガスと、改質水供給装置から改質水供給管30bに供給された改質水とが、供給管30から導入される。蒸発部13は、上側の混合ガス生成部13aと、下側の燃焼排ガス流通部13b(図7参照)とに区画されている。混合ガス生成部13aには、供給管30から原燃料ガスと改質水とが導入される。燃焼排ガス流通部13bには、後述するように燃焼排ガスが導入され、流通した燃焼排ガスを燃焼排ガス排出配管47に排出する。混合ガス生成部13aの内部には、熱伝導率の高い球状の蓄熱部材が複数充填されており、当該蓄熱部材が加熱された状態で改質水が流入されることにより、改質水を蒸発させて水蒸気を生成する。なお、蓄熱部材は、アルミナやステンレス(例えばフェライト系ステンレス)などの材料が用いられる。また、混合ガス生成部13aは、導入された原燃料ガスを予熱する。混合ガス生成部13aで生成された水蒸気と予熱された原燃料ガスとの混合ガスは、改質ユニット20(改質部22)に供給される。
改質ユニット20は、図1,図2に示すように、略円筒状に形成されており、図3に示すように、改質部22と燃焼部23とエア熱交換部24とを一体に収容する。燃焼部23、改質部22、エア熱交換部24(燃焼排ガス流通部24a、エア流通部24b)は、有底円筒状に形成されて、同心円状に配置されている。なお、蒸発部13は、改質ユニット20とは別体に形成されて、改質ユニット20の上方に配置されている。
また、改質ユニット20の上壁の中央には、燃焼部23内まで延在し、燃焼部23内に点火するための点火装置25が設けられている。点火装置25は、電極や保護管などが取り付けられた上側フランジ部251aを、改質ユニット20に設けられた下側フランジ部252a(図6参照)に固定することにより取り付けられている。作業者は、上側フランジ部251aの締結孔251bおよび下側フランジ部252aの図示しない締結孔に挿通されるボルトなどの締結部材を用いて締結作業を行うことで、点火装置25を固定する。
燃焼部23は、燃料としてのアノードオフガスと酸素を含むカソードオフガスとが下部から供給される。燃焼部23は、図示は省略するが、アノードオフガスを噴射する燃料ノズルと、燃料ノズルの周囲を囲むように筒状に形成されカソードオフガスを供給する供給筒とを有する。
改質部22は、有底円筒状に形成されており、燃焼部23の外壁を内壁とする内部空間に、例えばRu系またはNi系の改質触媒(図示略)が配設されている。また、改質部22は、蒸発部13(混合ガス生成部13a)からの混合ガス(原燃料ガスおよび水蒸気)が内部空間に供給される。改質部22は、燃焼部23からの熱の存在下で、改質触媒による混合ガスの反応(水蒸気改質反応)によって水素ガスと一酸化炭素とを生成する。さらに、改質部22は、水蒸気改質反応にて生成された一酸化炭素と水蒸気との反応(一酸化炭素シフト反応)によって水素ガスと二酸化炭素とを生成する。これにより、改質部22によって、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気、未改質の原燃料ガス等を含むアノードガスが生成されることになる。生成されたアノードガスは、燃料電池スタック11の各単セル11aのアノードガス流路へ流入し、アノードに供給される。
エア熱交換部24は、有底円筒状に形成され、燃焼部23で生成された燃焼排ガスが流通する燃焼排ガス流通部24aと、有底円筒状に形成され、エア供給管35から供給されたエアが流通するエア流通部24bとを有する。燃焼排ガス流通部24aは、改質部22の外壁を内壁とする内部空間を形成する。燃焼排ガス流通部24aを流通した燃焼排ガスは、蒸発部13の燃焼排ガス流通部13bに供給され、燃焼排ガス流通部13bを流通して混合ガス生成部13aの改質水や原燃料ガスと熱交換されてから、燃焼排ガス排出配管47を通って凝縮器50に供給される。
エア流通部24bは、エア供給装置のエア供給管35が上部に接続され、カソードガスを燃料電池スタック11に供給するためのカソードガス供給流路36aが側壁部に接続されており、燃焼排ガス流通部24aの外壁を内壁とする内部空間を形成する。エア流通部24bを流通するエアは、燃焼排ガス流通部24aを流通する燃焼排ガスとの熱交換により昇温させられる。そして、エア熱交換部24を流通したエアは、カソードガスとしてカソードガス供給流路36aから燃料電池スタック11の各単セル11aのカソードガス流路へ流入し、カソードに供給される。
各単セル11aのカソードでは、酸化物イオン(O2-)が生成され、当該酸化物イオンが電解質を透過してアノードで水素や一酸化炭素と反応することにより電気エネルギが得られる。燃料電池スタック11の出力端子には、パワーコンディショナの入力端子が接続されており、燃料電池スタック11の発電電力は、パワーコンディショナにより交流電力に変換されて電気負荷に供給される。
各単セル11aにおいて電気化学反応(発電)に使用されなかったアノードガス(以下、「アノードオフガス」という)は、燃焼部23に供給される。また、各単セル11aにおいて電気化学反応(発電)に使用されなかったカソードガス(以下、「カソードオフガス」という)は、燃焼部23に供給される。アノードオフガスは、水素や一酸化炭素等の燃料成分を含む可燃性ガスであり、燃焼部23において、酸素を含むカソードオフガスと混合される。そして、点火装置25により、アノードオフガスとカソードオフガスとの混合ガスに点火して当該混合ガスを燃焼させる。混合ガスが燃焼することにより、燃料電池スタック11の作動や、蒸発部13での原燃料ガスの予熱や水蒸気の生成、改質部22での水蒸気改質反応等に必要な熱が発生することになる。
燃焼部23において混合ガスの燃焼により生成された燃焼排ガスは、改質ユニット20のエア熱交換部24(燃焼排ガス流通部24a)を通過してから、蒸発部13(燃焼排ガス流通部13b)を通過する。燃焼排ガスは、それぞれ、水蒸気改質に必要な熱、カソードガス(エア)の昇温に必要な熱、水蒸気の生成に必要な熱を供給した後、燃焼排ガス排出配管47を通って凝縮器50に供給される。そして、凝縮器50へ供給された燃焼排ガスは、貯湯タンクからの湯水との熱交換により冷却させられて燃焼排ガス中に含まれる水蒸気の少なくとも一部が除去された後、大気中に排出される。また、燃焼排ガスに含まれる水蒸気が凝縮されることで得られた水は、改質水タンクに貯留されて改質水として用いられる。
以下、各ガス流路において、導出口と導入口とをガスケットを挟んでフランジ接続する接続部について説明する。図4は、蒸発部13を除いた燃料電池モジュール10の上面図である。図5は、燃料電池モジュール10の上面図である。図6,図7は、燃料電池モジュール10の分解斜視図である。燃料電池モジュール10は、接続部として、混合ガス用接続部31と、アノードガス用接続部33と、カソードガス用接続部36と、アノードオフガス用接続部40と、カソードオフガス用接続部43と、燃焼排ガス用接続部45とを備える。なお、各ガス流路に温度センサなどの各種センサの保護管などが取り付けられた箇所もあるが、本開示の要旨をなさないため、それらの説明は省略する。
混合ガス用接続部31は、蒸発部13の混合ガス生成部13aに連通する混合ガス供給流路31aを流通した混合ガスを導出する導出口311b(図7参照)と、改質部22の内部空間に混合ガスを導入する導入口312b(図6参照)とをフランジ接続するものである。混合ガス生成部13aや混合ガス供給流路31aは、金属板のプレス加工により形成されている。また、混合ガス用接続部31は、導出口311bの周囲の上側フランジ部311aと、導入口312bの周囲の下側フランジ部312aとを備える。上側フランジ部311aと下側フランジ部312aは、上側フランジ部311aに形成された締結孔311cと、下側フランジ部312aに形成された締結孔312cとに挿通されるボルトなどの締結部材を用いて互いに締結されている。
アノードガス用接続部33は、改質部22に連通するアノードガス供給流路33aを流通したアノードガスを導出する導出口331b(図7参照)と、燃料電池スタック11の各単セル11aのアノードガス流路にアノードガスを導入する導入口332b(図6参照)とをフランジ接続するものである。アノードガス供給流路33aは、二枚の金属板に凹状に窪んだ流路溝をプレス加工により形成し、各流路溝の一部が互いに重なるように金属板を重ね合わせて形成されている。また、アノードガス用接続部33は、導出口331bの周囲の上側フランジ部331aと、導入口332bの周囲の下側フランジ部332aとを備える。上側フランジ部331aと下側フランジ部332aは、上側フランジ部331aに形成された締結孔331cと、下側フランジ部332aに形成された締結孔332cとに挿通されるボルトなどの締結部材を用いて互いに締結されている。
カソードガス用接続部36は、エア熱交換部24に連通するカソードガス供給流路36aを流通したカソードガスを導出する導出口361b(図7参照)と、燃料電池スタック11の各単セル11aのカソードガス流路にカソードガスを導入する導入口362b(図6参照)とをフランジ接続するものである。また、カソードガス用接続部36は、導出口361bの周囲の上側フランジ部361aと、導入口362bの周囲の下側フランジ部362aとを備える。上側フランジ部361aと下側フランジ部362aは、上側フランジ部361aに形成された締結孔361cと、下側フランジ部362aに形成された締結孔362cとに挿通されるボルトなどの締結部材を用いて互いに締結されている。
アノードオフガス用接続部40は、燃料電池スタック11からアノードオフガスを導出する導出口402b(図6参照)と、燃焼部23に連通するアノードオフガス供給流路40aにアノードオフガスを導入する導入口401b(図7参照)とをフランジ接続するものである。アノードオフガス供給流路40aは、二枚の金属板に凹状に窪んだ流路溝をプレス加工により形成し、各流路溝の一部が互いに重なるように金属板を重ね合わせて形成されている。また、アノードオフガス用接続部40は、導出口402bの周囲の下側フランジ部402aと、導入口401bの周囲の上側フランジ部401aとを備える。上側フランジ部401aと下側フランジ部402aは、上側フランジ部401aに形成された締結孔401cと、下側フランジ部402aに形成された締結孔402cとに挿通されるボルトなどの締結部材を用いて互いに締結されている。本実施形態では、アノードオフガス供給流路40aから分岐して、アノードオフガスの一部を原燃料ガス供給管30aに還流するための環流配管41(図4参照)が設けられている。
カソードオフガス用接続部43は、燃料電池スタック11からカソードオフガスを導出する導出口432b(図6参照)と、燃焼部23に連通するカソードオフガス供給流路43aにカソードオフガスを導入する導入口431b(図7参照)とをフランジ接続するものである。カソードオフガス供給流路43aは、二枚の金属板に凹状に窪んだ流路溝をプレス加工により形成し、各流路溝の一部が互いに重なるように金属板を重ね合わせて形成されている。また、カソードオフガス用接続部43は、導出口432bの周囲の下側フランジ部432aと、導入口431bの周囲の上側フランジ部431aとを備える。上側フランジ部431aと下側フランジ部432aは、上側フランジ部431aに形成された締結孔431cと、下側フランジ部432aに形成された締結孔432cとに挿通されるボルトなどの締結部材を用いて互いに締結されている。なお、上側フランジ部331aと上側フランジ部401aと上側フランジ部431aとが一体的に形成されているが(図7参照)、別々に形成されていてもよい。
燃焼排ガス用接続部45は、燃焼排ガス流通部24aから燃焼排ガスを導出する導出口452b(図6参照)と、蒸発部13の燃焼排ガス流通部13bに連通する燃焼排ガス供給流路45aに燃焼排ガスを導入する導入口451b(図7参照)とをフランジ接続するものである。燃焼排ガス流通部13bや燃焼排ガス供給流路45aは、金属板のプレス加工により形成されている。また、燃焼排ガス用接続部45は、導出口452bの周囲の下側フランジ部452aと、導入口451bの周囲の上側フランジ部451aとを備える。上側フランジ部451aと下側フランジ部452aは、上側フランジ部451aに形成された締結孔451cと、下側フランジ部452aに形成された締結孔452cとに挿通されるボルトなどの締結部材を用いて互いに締結されている。なお、上側フランジ部311aと上側フランジ部451aとが一体的に形成されているが(図7参照)、別々に形成されていてもよい。
ここで、図4に示すように、燃料電池スタック11は、上面視で長方形状に形成されており、図4の前後方向を長辺方向、図4の左右方向を短辺方向とする。改質ユニット20は、上面視で燃料電池スタック11の短辺に収まる外径の円筒形状に形成されており、燃料電池スタック11の投影面積(上面の面積)内に収まるサイズに形成されている。また、改質ユニット20は、燃料電池スタック11の長辺方向の略中央の上方に配置されている。このため、燃料電池スタック11の上方には、改質ユニット20を挟んで両側に空きスペースが生じる。本実施形態では、その空きスペースのうち一方(図4の後方)に、アノードガス用接続部33とカソードガス用接続部36とが配置されている。また、空きスペースのうち他方(図4の前方)に、アノードオフガス用接続部40とカソードオフガス用接続部43とが配置されている。このように、燃料電池スタック11の投影面積内に略収まるように、アノードガス用接続部33とカソードガス用接続部36とアノードオフガス用接続部40とカソードオフガス用接続部43(4つの接続部ともいう)が燃料電池スタック11の四隅に配置されている。
また、このような配置とすることで、4つの接続部(33,36,40,43)が改質ユニット20に覆われることなく上方に露出させることができる。このため、図6,図7に示すように、必要なフランジ部などが取り付けられた改質ユニット20を燃料電池スタック11に組み付ける際には、作業者は、4つの接続部(33,36,40,43)の締結作業を上方から行うことができる。これにより、例えば改質ユニットなどによって上方が覆われるために、作業者が横から手を入れて締結作業を行うものに比して、作業性を向上させて締結トルクを確保することができる。
また、4つの接続部(33,36,40,43)の下側フランジ部(332a,362a,402a,432a)が設けられた配管は、いずれも燃料電池スタック11のエンドプレート12に支持されている。また、改質ユニット20は、4つの接続部(33,36,40,43)によって支持されているため、専用の支持部を別に設けることなく、改質ユニット20の荷重を鉛直方向に受けることができる。即ち、下側フランジ部(332a,362a,402a,432a)が設けられる配管の圧縮方向で、改質ユニット20の荷重を適切に受けることができる。
また、図5に示すように、蒸発部13は、混合ガス用接続部31と燃焼排ガス用接続部45(2つの接続部ともいう)とを上方に露出させるように、改質ユニット20の上方に配置されている。このため、燃料電池スタック11に組み付けられた改質ユニット20に蒸発部13を組み付ける際にも、作業者は、2つの接続部(31,45)の締結作業を上方から行うことができるから、作業性を向上させて締結トルクを確保することができる。また、2つの接続部(31,45)は、改質ユニット20の投影面積(上面の面積)内に収まるように配置されている。これらのことから、改質ユニット20や2つの接続部(31,45)を燃料電池スタック11の投影面積内に収めつつ、4つの接続部(33,36,40,43)を燃料電池スタック11の投影面積から大きくはみ出ないようにすることができる。また、燃料電池モジュール10は、燃料電池スタック11を横置きとすることで、高さが抑えられている。したがって、燃料電池モジュール10をコンパクトな構成とすることができる。
以上説明した本実施形態の燃料電池モジュール10では、改質ユニット20は、4つの接続部(33,36,40,43)を上方に露出させるように形成されている。これにより、4つの接続部(33,36,40,43)の締結作業を上方から行うことができるため、作業性を向上させて締結トルクを確保することができる。このため、流体継手などを用いる必要がなく、フランジとガスケットとによる安価な接続を可能としてコストの低減を図ることができる。また、燃料電池スタック11を横置きして、その上方に改質ユニット20を配置することで、燃料電池モジュール10をコンパクトにすることができる。また、改質ユニット20を燃料電池スタック11の投影面積内に収めることで、燃料電池モジュール10をよりコンパクトにすることができる。
また、改質ユニット20は、上面視で燃料電池スタック11の短辺に収まる外径の円筒形状に形成され、4つの接続部(33,36,40,43)は、燃料電池スタック11の長辺方向において改質ユニット20を挟んだ両側に2つずつ配置されている。このため、4つの接続部(33,36,40,43)を空きスペースに効率よく配置することができるから、燃料電池モジュール10をよりコンパクトにすることができる。
また、蒸発部13は、改質ユニット20の上方に配置され、2つの接続部(31,45)を上方に露出させるように、燃料電池スタック11の投影面積内に収まるサイズに形成されている。このため、2つの接続部(31,45)の締結作業を上方から行うことができるため、作業性を向上させて締結トルクを確保することができる。また、蒸発部13も投影面積内に収めて燃料電池モジュール10をさらにコンパクトにすることができる。また、作業者は、点火装置25も含む全ての締結作業を上方から行うことができるから、作業性をより向上させることができる。
実施形態では、点火装置25の締結箇所を上方に露出させたが、これに限られず、点火装置25の締結箇所を上方に露出させなくてもよく、例えば点火装置25を締結した後に、他の部材に締結箇所が覆われてもよい。また、蒸発部13が燃料電池スタック11の投影面積内に収まるものに限られず、蒸発部13が燃料電池スタック11の投影面積からはみ出るように形成されてもよい。また、蒸発部13が2つの接続部(31,45)を上方に露出させたが、これに限られず、2つの接続部(31,45)を上方に露出させなくてもよい。ただし、作業性を向上させるため露出させるものが好ましい。
実施形態では、燃料電池スタック11が上面視で長方形状に形成され、改質ユニット20が上面視で燃料電池スタック11の短辺に収まる外径の円筒形状に形成されたが、これらの形状に限られない。改質ユニット20が燃料電池スタック11の投影面積内に収まるように形成されるものであれば、燃料電池スタック11と改質ユニット20は如何なる形状に形成されてもよい。あるいは、改質ユニット20が燃料電池スタック11の投影面積内に収まるものに限られず、改質ユニット20が燃料電池スタック11の投影面積からはみ出るように形成されてもよい。また、4つの接続部(33,36,40,43)は、燃料電池スタック11の長辺方向において改質ユニット20を挟んだ両側(四隅)に2つずつ配置されたが、これに限られず、改質ユニット20を燃料電池スタック11の上方に配置して空いたスペースに4つの接続部(33,36,40,43)を配置すればよい。
実施形態では、ガスの流路として、二枚の金属板に凹状に窪んだ流路溝をプレス加工により形成し、各流路溝の一部が互いに重なるように金属板を重ね合わせて形成された流路なども例示したが、これに限られず、通常の配管を用いて流路を形成してもよい。
実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した本開示の主要な要素との対応関係について説明する。実施形態の燃料電池スタック11が本開示の「燃料電池スタック」に相当し、改質部22が「改質部」に相当し、燃焼部23が「燃焼部」に相当し、改質ユニット20が「改質ユニット」に相当し、アノードガス用接続部33が「第1接続部」に相当し、カソードガス用接続部36が「第2接続部」に相当し、アノードオフガス用接続部40が「第3接続部」に相当し、カソードオフガス用接続部43が「第4接続部」に相当する。蒸発部13が「蒸発部」に相当し、混合ガス用接続部31が「第5接続部」に相当し、燃焼排ガス用接続部45が「第6接続部」に相当する。点火装置25が「点火装置」に相当する。
本明細書では、出願当初の請求項4において「請求項1または2に記載の燃料電池モジュール」を「請求項1ないし3のいずれか1項に記載の燃料電池モジュール」に変更した技術思想や、出願当初の請求項5において「請求項1または2に記載の燃料電池モジュール」を「請求項1ないし4のいずれか1項に記載の燃料電池モジュール」に変更した技術思想も開示されている。
なお、実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した本開示の主要な要素との対応関係は、実施形態が課題を解決するための手段の欄に記載した本開示を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した本開示の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した本開示についての解釈はその欄の記載に基づいて行われるべきものであり、実施形態は課題を解決するための手段の欄に記載した本開示の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本開示を実施するための形態について説明したが、本開示はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本開示は、燃料電池モジュールの製造産業などに利用可能である。
10 燃料電池モジュール、11 燃料電池スタック、11a セル、12 エンドプレート、13 蒸発部、13a 混合ガス生成部、13b 燃焼排ガス流通部、15 モジュールケース、20 改質ユニット、22 改質部、23 燃焼部、24 エア熱交換部、24a 燃焼排ガス流通部、24b エア流通部、25 点火装置、251a 上側フランジ部、251b 締結孔、252a 下側フランジ部、30 供給管、30a 原燃料ガス供給管、30b 改質水供給管、31 混合ガス用接続部、31a 混合ガス供給流路、311a,331a,361a,401a,431a,451a 上側フランジ部、311b,331b,361b,402b,432b,452b 導出口、311c,312c,331c,332c,361c,362c,401c,402c,431c,432c,451c,452c 締結孔、312a,332a,362a,402a,432a,452a 下側フランジ部、312b,332b,362b,401b,431b,451b 導入口、33 アノードガス用接続部、33a アノードガス供給流路、35 エア供給管、36 カソードガス用接続部、36a カソードガス供給流路、40 アノードオフガス用接続部、40a アノードオフガス供給流路、41 環流配管、43 カソードオフガス用接続部、43a カソードオフガス排出流路、45 燃焼排ガス用接続部、45a 燃焼排ガス供給流路、47 燃焼排ガス排出配管、50 凝縮器。
Claims (5)
- アノードガスとカソードガスとにより発電する平板型の単セルが複数積層されて横置きされた燃料電池スタックと、
水蒸気を用いて原燃料ガスを前記アノードガスに改質する改質部と、前記燃料電池スタックから排出されるアノードオフガスとカソードオフガスとにより燃焼する燃焼部とを有し、前記アノードガスおよび前記カソードガスを前記燃焼部から排出される燃焼排ガスと熱交換してから前記燃料電池スタックに供給する改質ユニットと、
前記アノードガスの前記改質ユニット側の導出口と前記燃料電池スタック側の導入口とをフランジ接続する第1接続部と、
前記カソードガスの前記改質ユニット側の導出口と前記燃料電池スタック側の導入口とをフランジ接続する第2接続部と、
前記アノードオフガスの前記燃料電池スタック側の導出口と前記燃焼部側の導入口とをフランジ接続する第3接続部と、
前記カソードオフガスの前記燃料電池スタック側の導出口と前記燃焼部側の導入口とをフランジ接続する第4接続部と、
を備え、
前記改質ユニットは、前記燃料電池スタックの上方に配置され、前記第1から第4接続部を上方に露出させる、
燃料電池モジュール。 - 前記改質ユニットは、前記燃料電池スタックの投影面積内に収まるサイズに形成されている、
請求項1に記載の燃料電池モジュール。 - 前記燃料電池スタックは、上面視で長方形状に形成されており、
前記改質ユニットは、上面視で前記燃料電池スタックの短辺に収まる外径の円筒形状に形成されており、
前記第1から第4接続部は、前記燃料電池スタックの長辺方向において前記改質ユニットを挟んだ両側に2つずつ配置されている、
請求項1または2に記載の燃料電池モジュール。 - 前記改質ユニットから排出される前記燃焼排ガスと改質水との熱交換により前記水蒸気を生成し、前記原燃料ガスと前記水蒸気との混合ガスを前記改質部に供給する蒸発部と、
前記混合ガスの前記蒸発部側の導出口と前記改質部側の導入口とをフランジ接続する第5接続部と、
前記燃焼排ガスの前記改質ユニット側の導出口と前記蒸発部側の導入口とをフランジ接続する第6接続部と、
を備え、
前記蒸発部は、前記改質ユニットの上方に配置され、前記第5および第6接続部を上方に露出させるように、前記燃料電池スタックの投影面積内に収まるサイズに形成されている、
請求項1または2に記載の燃料電池モジュール。 - 上方から前記改質ユニットの内部に挿入された状態で締結され、前記燃焼部内に点火する点火装置を備え、
前記点火装置の締結箇所が上方に露出するように構成されている、
請求項1または2に記載の燃料電池モジュール。
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JP2022156366A Pending JP2024049875A (ja) | 2022-09-29 | 2022-09-29 | 燃料電池モジュール |
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-
2022
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