JP2024049255A - 車両用リッド装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】リッド開閉動作時に車体面に沿ってスライド移動するリッドをプロペラ式のロック動作で閉位置にロックすること。【解決手段】車両用リッド装置は、補給口を収容する基体と、基体の開口を開閉するリッドと、リッドを車体面に沿ってスライドさせる開閉機構と、を備える。リッドを閉位置でロックするロック機構において、基体側の第一係合部は、回転軸部から径方向外方に突出し、回転軸部の回転により係合可能位置と非係合位置との間で移行するロック部を有する。リッド側の第二係合部は、第一係合部の短手方向長さ以上かつ長手方向長さ未満である開口幅と第一係合部の長手方向長さを超える開口長さとを有する非係合位置のロック部が進退可能な開口孔部と、係合可能位置のロック部が引っ掛かる係合壁部と、を有する。開口孔部の長手方向は、リッドスライド方向に一致する。開口長さは、リッドスライド時に第一係合部が開口孔部の周縁部に干渉しない大きさである。【選択図】図6
Description
本発明は、車両用リッド装置に関する。
従来、車両の車体側開口に露出して配置される給油口や充電口などの補給口を開閉する車両用リッド装置が知られている(例えば、特許文献1)。この車両用リッド装置は、補給口を収容するように車体に取り付けられる基体と、その基体の表側開口を閉じて補給口を塞ぐ閉位置と、その表側開口を開放して補給口を露出させる開位置と、の間で移動可能なリッドと、を備えている。
また、車両用リッド装置は、リッドを閉位置と開位置との間で開閉動作させる開閉機構と、リッドを閉位置でロックするロック機構と、を備えている。特許文献1記載の車両用リッド装置では、開閉機構として、リッドを軸回りに回転させて閉位置と開位置との間で移動させるヒンジ式のものが採用されている。また、ロック機構として、基材側に設けられた突起状の係合突起部と、リッド側に設けられた孔状の係合孔部と、が設けられ、係合突起部を係合孔部に挿入して両係合部同士を係合させることによりリッドを閉位置でロックするプロペラ式のものが採用されている。
上記の如くヒンジ式の開閉機構とプロペラ式のロック機構とが採用された車両用リッド装置では、リッドが開位置から閉位置へ閉動作する際はリッド閉位置近傍で係合突起部が係合孔部に垂直方向に挿入され、リッドが閉位置から開位置へ開動作する際はリッド閉位置近傍で係合突起部が係合孔部から垂直方向に抜かれることとなる。かかる挿抜を実現するうえでは、係合突起部の外形形状と係合孔部の孔形状とは、互いに合致する形状であれば十分である。例えば、係合突起部の外形形状が楕円形状であれば、係合孔部の孔形状はその係合突起部の外形形状よりも僅かに大きな楕円形状であれば良い。
ところで、リッド開閉機構のデザイン性を確保する等のため、開閉機構としてリッドを車体面に沿ってスライドさせるスライド式のニーズが高まっている。このスライド式の開閉機構を上記プロペラ式のロック機構に組み合わせると、リッドの閉動作時においてリッドが基体に対して車体面に沿った方向に移動しながらリッド閉位置直前で車体手前側から車体奥側へ移動するので、リッド閉位置直前でロック機構の係合突起部が係合孔部を斜めに通過して挿抜する。このため、係合孔部に対する係合突起部の通過開始時とその通過完了時とで両係合部の位置関係が横方向にズレることとなるので、上記プロペラ式のロック機構の如く係合突起部の外形形状と係合孔部の孔形状とが互いにほぼ合致していると、係合突起部が係合孔部の周縁部に干渉して上記の挿抜自体を実現することができなくなる。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、リッド開閉動作時に車体面に沿ってスライド移動するリッドをプロペラ式のロック動作で閉位置にロックすることが可能な車両用リッド装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、車両へのエネルギ補給のための補給口を収容するように車体に取り付けられる基体と、前記基体の表側開口を閉じて前記補給口を塞ぐ閉位置と、前記表側開口を開放して前記補給口を露出させる開位置と、の間で移動可能なリッドと、前記リッドを前記閉位置と前記開位置との間で車体面に沿ってスライド移動させる開閉機構と、前記リッドを前記閉位置でロックするロック機構と、を備え、前記ロック機構は、前記基体及び前記リッドの何れか一方側に設けられた第一係合部と、前記基体及び前記リッドの何れか他方側に設けられ、前記第一係合部との係合により前記リッドを前記閉位置でロックすることが可能な第二係合部と、を有し、前記第一係合部は、軸回りに回転可能な回転軸部と、前記回転軸部に一体化され、前記回転軸部の全周のうちの一部から径方向外方に突出し、前記回転軸部の回転により、前記第二係合部に係合可能な係合可能位置と前記第二係合部に係合しない非係合位置との間で移行するロック部と、を有し、前記第二係合部は、前記第一係合部の短手方向長さ以上かつ長手方向長さ未満である開口幅と、前記第一係合部の前記長手方向長さを超える開口長さと、を有するように長孔状に形成され、前記リッドの前記閉位置で前記第一係合部側に向けて開口し、前記非係合位置にある前記ロック部が進退可能な開口孔部と、前記ロック部が前記開口孔部の開口奥側に進入した前記リッドの前記閉位置で前記ロック部が前記係合可能位置にあるときに前記ロック部が引っ掛かる係合壁部と、を有し、前記開口孔部は、前記開口孔部の長手方向が前記開閉機構による前記リッドのスライド方向に一致するように配置されており、前記開口長さは、前記開閉機構による前記リッドのスライド移動時に前記第一係合部が前記開口孔部の周縁部に干渉しない大きさに設定されている、車両用リッド装置である。
この構成によれば、リッド開閉動作時に車体面に沿ってスライド移動するリッドをプロペラ式のロック動作で閉位置にロックすることができる。
以下、図1~図8を参照して、本発明に係る車両用リッド装置の具体的な実施形態について説明する。
本実施形態の車両用リッド装置1は、車両に搭載される補給口をリッドを用いて開閉する装置である。車両用リッド装置1が搭載される車両は、例えばガソリン車やディーゼル車,電気自動車,ハイブリッド自動車,燃料電池車などである。また、車両用リッド装置1が開閉する対象となる補給口は、車体2(図1及び図2参照)の側面や前面などに設けられており、車体2を内外方向(すなわち、表裏方向)に貫く車体開口2a(図1及び図2参照)に配置されている。尚、車体開口2aは、図1及び図2に示す如く、車両側方に向いて開けられていてもよいし或いは車両上方や車両斜め上方に向いて開けられていてもよい。
上記の補給口は、車両への給油やバッテリ充電などのエネルギ補給のために設けられた給油口や充電口である。補給口は、管部や電線の一端に設けられている。この管部や電線の他端は、車体奥側(すなわち、車体内側)に配置された給油タンクやバッテリなどに接続されている。尚、補給口は、操作者により開閉可能なキャップにより覆われてよい。この補給口には、キャップ開状態でエネルギ補給のための給油ガンや充電ガンが接続可能である。
車両用リッド装置1は、図2、図3、図4、及び図5に示す如く、基体10と、リッド20と、開閉機構30と、ロック機構40と、を備えている。
基体10は、補給口を収容する箱状のボックス体である。基体10は、車体2に設けられた車体開口2aに嵌るように車体2に取り付けられている。基体10は、車体2の車体開口2aに合わせて車体内側に配置されている。基体10は、底壁部11と、側壁部12と、ボックス開口13と、を有している。
底壁部11と側壁部12とは、補給口を収容する収容空間14を形成している。底壁部11は、例えば四角板状の部位である。底壁部11は、補給口を車体2側から収容空間14に収容するための貫通孔11aを有している。貫通孔11aは、基体10の底壁部11の略中央部に設けられている。側壁部12は、底壁部11の周縁を取り囲むように底壁部11の縁部から立設した壁部位である。
ボックス開口13は、基体10に収容空間14を挟んで底壁部11と対向する側に設けられた開口である。ボックス開口13は、リッド20が閉位置にあるときに閉じられ、リッド20が閉位置にないときに開放される。ボックス開口13の開放時は、収容空間14内の補給口がボックス開口13を通じて車両外方に露出される。基体10は、ボックス開口13が例えば水平方向に或いは車体内側から車体外側にかけて水平方向よりも上方に傾いて向くように車体2に取り付けられている。
基体10は、枠部15を有している。枠部15は、ボックス開口13の周縁部に沿って環状に形成されている。枠部15は、ボックス開口13の周縁部から枠外方向に向けて延出するようにフランジ状に形成されている。基体10は、枠部15の裏面が車体2の車体開口2a周縁の表面などに当接することにより車体2に位置決めされる。
リッド20は、ボックス開口13を開閉する蓋部材である。リッド20は、ボックス開口13を閉じて補給口を塞ぐ閉位置と、ボックス開口13を開放して補給口を露出させる開位置(具体的には、全開位置と称す。)との間で移動可能である。リッド20は、操作者による押圧操作に基づく開閉機構30の動作により基体10に対して移動することが可能である。
リッド20は、後述の付勢部材35による付勢力がゼロになることにより或いはリッド20が全開ストッパに当接して移動規制されることにより全開位置に達して保持される。リッド20は、リッドロア部21と、リッドアッパ部22と、を有している。リッドロア部21とリッドアッパ部22とは、互いに組み付けられて一体化されている。
リッドロア部21は、基体10のボックス開口13を塞ぐ板状に形成された部材である。リッドロア部21は、ボックス開口13に合わせた形状(例えば略長方形状)及び大きさに形成されている。リッドアッパ部22は、リッドロア部21に対応したパネル状の部材である。リッドアッパ部22は、リッドロア部21の表面側に配置されてリッドロア部21に組み付けられる。リッドアッパ部22は、リッド20の閉位置でボックス開口13の周縁における枠部15や車体面2bに面一になってボックス開口13を閉じるように位置する。尚、リッドアッパ部22の表面は、車体面2bに合わせて湾曲していてもよい。
開閉機構30は、リッド20を閉位置と開位置との間で移動(すなわち、開閉動作)させる機構、具体的には、リッド20を閉位置と開位置との間で車体2の表面である車体面2bに沿ってスライド方向Xへスライド移動させる機構である。開閉機構30は、シャフト31と、シャフトカバー32と、主アーム33と、補助アーム34と、付勢部材35と、ダンパ36と、を有している。
シャフト31は、リッド20の開閉と同期して回転する回転シャフトである。シャフト31は、回転可能にシャフトカバー32に支持されている。シャフトカバー32は、シャフト31を支持可能な形状に形成されている。シャフトカバー32は、シャフト31を回転可能に支持する円筒状の支持部32aを有している。シャフトカバー32は、支持部32aにてシャフト31を支持した状態で基体10の裏側に取り付け固定されている。
シャフト31は、リッド20のスライド方向Xに直交する方向Yに延在して形成されている。シャフト31は、略円柱状に形成されており、シャフトカバー32の支持部32aに回転可能に挿入されている。また、シャフト31は、断面多角形状をなす部分を有しており、該部分にて主アーム33の一端部に固定されて一体化されている。
主アーム33は、基体10とリッド20とを繋ぐアーム状の部材である。主アーム33の一端部は、基体10側(具体的には、シャフトカバー32)に連結されている。主アーム33の他端部は、リッドロア部21に連結されている。主アーム33は、基体10の底壁部11を表裏方向に貫通するアーム孔11bに挿入されている。
主アーム33の一端部は、底壁部11よりも裏側においてシャフトカバー32ひいては基体10にシャフト31の軸線を中心にして回動可能に支持されている。主アーム33の他端部は、底壁部11よりも表側においてリッドロア部21に回動可能に支持されている。主アーム33の二つの回動軸は共に、水平方向に延びており、例えばボックス開口13が車体2の側面に設けられている場合は車両前後方向に延びている。アーム孔11bは、基体10の底壁部11の左部及び右部に一箇所ずつ設けられている。
主アーム33は、回動軸の延びる方向に離れて一対設けられている。一方の主アーム33の一端部には、シャフト31が挿入される嵌合孔33aが設けられている。一対の主アーム33同士は、連結ロッド33bを介して連結されている。連結ロッド33bは、一対の主アーム33の他端部同士を繋ぐように配置されている。一対の主アーム33は、互いに同期して回動する。
補助アーム34は、主アーム33と同様に、基体10とリッド20とを繋ぐアーム状の部材である。補助アーム34は、主アーム33と協働してリッド20の開閉動作を行う。リッド20は、主アーム33及び補助アーム34の協働した動作により閉位置と開位置との間で車体面2bに沿ってスライド移動する。
補助アーム34の一端部は、基体10側(具体的には、基体10自体又はシャフトカバー32)に連結されている。補助アーム34の他端部は、リッドロア部21に連結されている。補助アーム34は、基体10の底壁部11を表裏方向に貫通するアーム孔11bに挿入されている。尚、主アーム33が挿入されるアーム孔11bと、補助アーム34が挿入されるアーム孔11bとは、図5に示す如く互いに一つに繋がっていてもよいが、互いに離れていてもよい。
補助アーム34の一端部は、底壁部11よりも裏側において基体10に回動可能に支持されている。補助アーム34の他端部は、底壁部11よりも表側においてリッドロア部21に回動可能に支持されている。補助アーム34の二つの回動軸は共に、水平方向に延びており、例えばボックス開口13が車体2の側面に設けられている場合は車両前後方向に延びている。補助アーム34は、回動軸の延びる方向に離れて一対設けられている。一対の補助アーム34は、互いに同期して回動する。尚、一対の補助アーム同士は、一対の主アーム33同士とは異なり、互いに繋がれていなくてよい。
基体10における主アーム33の一端部が支持される回動軸と補助アーム34の一端部が支持される回動軸とは、互いに一致しておらず、互いにズレて配置されている。また、リッドロア部21における主アーム33の他端部が支持される回動軸と補助アーム34の他端部が支持される回動軸とは、互いに一致しておらず、互いにズレて配置されている。
主アーム33の回動と補助アーム34の回動とは、互いに連動して行われる。両アーム33,34の連動した回動が行われると、リッド20が基体10に対してボックス開口13に平行な状態を維持しながら開閉動作する。すなわち、リッド20は、シャフト31の回転による主アーム33と補助アーム34との連動した回動により基体10に対してボックス開口13に平行な状態を維持しながら開閉動作する。
付勢部材35は、リッド20を閉位置から開位置に向けて付勢する付勢力を発生する部材である。付勢部材35は、例えば捩じりコイルバネである。付勢部材35は、シャフト31に外装されている。付勢部材35の一端部は、基体10側(具体的には、基体10自体又はシャフトカバー32)に係合している。付勢部材35の他端部は、リッド20側(具体的には、シャフト31又はリッド20自体)に係合している。付勢部材35は、リッド20の閉位置において最大付勢力でリッド20を開位置に向けて付勢する。
ダンパ36は、リッド20が付勢部材35の付勢力により付勢されるときの速度を減速させるための減速機である。リッド20は、付勢部材35の付勢力により開位置に向けて付勢される際にダンパ36の作用により一定の速度で開動作する。
ロック機構40は、リッド20を閉位置でロックする機構である。ロック機構40は、リッド20が閉位置にある状態で、基体10側とリッド20側とにそれぞれ設けられた係合部同士を係合させることにより、リッド20の閉位置ロックを行う。具体的には、ロック機構40は、リッド20の閉動作によりロックシャフトの軸方向先端部が開口孔に挿入されその後のロックシャフト回転によりロックシャフトの係合部が開口孔奥側で係合することにより、リッド20の閉位置ロックを行う。ロック機構40は、第一係合部41と、第二係合部42と、を有している。
第一係合部41は、上記のロックシャフトをなす部位である。第一係合部41は、基体10側に設けられている。第一係合部41は、箱状のケース50に組み付けられている。ケース50は、第一係合部41が組み付けられた状態で基体10の裏側に取り付け固定されている。第一係合部41は、回転軸部41aと、ロック部41bと、を有している。
回転軸部41aは、軸回りに回転可能なロックシャフトである。回転軸部41aは、ケース50に回転可能に支持されている。回転軸部41aは、略円柱形状又は円筒形状に形成されている。回転軸部41aは、後述のプッシュリフタ60の動作に応じて回転する。尚、回転軸部41aは、リッド20への押圧操作ごとに所定角度(例えば90°)だけ往復回転するものであってもよいし、或いは、リッド20への押圧操作ごとに所定角度(例えば90°)ずつ一方向に回転するものであってもよい。回転軸部41aは、所定角度だけ往復回転するものであるときは、軸回りの正方向及び逆方向の双方に回転可能である。また、回転軸部41aは、所定角度ずつ一方向に回転するものであるときは、軸回りの一方向のみに回転可能である。
回転軸部41aは、基体10の底壁部11を表裏方向に貫通する貫通孔11cに挿入されている。貫通孔11cは、基体10の底壁部11の例えば下部に設けられている。回転軸部41aは、一端部がケース50側に支持されかつ他端部が収容空間14に露出するように配置されている。
ロック部41bは、回転軸部41aの回転により、後に詳述する第二係合部42に係合可能な係合可能位置と第二係合部42に係合しない非係合位置との間で移行するプロペラ部位である。ロック部41bは、回転軸部41aの他端部である軸方向先端部に設けられており、回転軸部41aに一体化されている。尚、ロック部41bは、回転軸部41aと一体形成されたものであってもよいが、回転軸部41aとは別体で成形されて回転軸部41aに嵌合固定などにより取り付け固定されるものであってもよい。
ロック部41bは、回転軸部41aの全周のうちの一部から径方向外方に突出している。ロック部41bは、回転軸部41aの全周において一箇所以上設けられている。例えば、回転軸部41aがリッド押圧操作ごとに所定角度だけ往復回転するものであるときは、ロック部41bは一箇所だけ設けられていればよい。また、回転軸部41aがリッド押圧操作ごとに90°ずつ一方向に回転するものであるときは、ロック部41bは、回転軸部41aの回転中心Cを挟んで対向する二箇所の周方向位置に設けられていればよい。尚、図5には、回転軸部41aの回転中心Cを挟んで対向する二箇所の周方向位置それぞれからロック部41bが突出するロック機構40が示されている。
第一係合部41は、回転軸部41aにおけるロック部41bが設けられた軸方向位置において、回転中心Cから外面までの長さ(以下、径方向長さと称す。)が周方向位置に応じて変化する外形形状を有している。すなわち、第一係合部41は、ロック部41bが設けられた軸方向位置において、径方向長さが短い短径部と径方向長さが長い長径部とからなり、例えば断面長方形状や断面楕円形状に形成されている。
第二係合部42は、ロック部41bが進退する開口孔をなす部位であって、第一係合部41と係合する部位である。第二係合部42は、リッド20側(具体的には、リッドロア部21)に設けられている。第二係合部42は、開口孔部42aと、係合壁部42bと、を有している。
開口孔部42aは、リッドロア部21を表裏方向に開口する開口孔である。開口孔部42aは、リッド20が閉位置にあるときに基体10側すなわち第一係合部41側に向けて開口する。開口孔部42aには、非係合位置にあるロック部41bが進退可能である。ロック部41bは、リッド20の開位置から閉位置への閉動作時に、リッドロア部21の裏側である開口孔部42aの開口手前側から、リッドロア部21の表側である開口孔部42aの開口奥側に進入する。また、ロック部41bは、リッド20の閉位置から開位置への開動作時に、開口孔部42aの開口奥側から開口孔部42aの開口手前側に後退する。
開口孔部42aは、第一係合部41の軸方向先端部(具体的には、ロック部41b)の断面を包含する大きさに形成されている。開口孔部42aは、開口幅Wと開口長さLとを有するように長孔状に形成されている。開口孔部42aは、開口幅W及び開口長さLがそれぞれ一定であるように長方形状に形成されている。開口幅Wは、開口孔部42aの短手方向長さである。また、開口長さLは、開口孔部42aの長手方向長さである。すなわち、開口幅Wは、開口長さLに比して小さい。
開口幅Wは、第一係合部41の短手方向長さ(具体的には、回転軸部41aの外径)Rmin以上でありかつ第一係合部41の長手方向長さ(具体的には、ロック部41bの外径)Rmax未満に設定されている。また、開口長さLは、第一係合部41の長手方向長さRmaxを超えて設定されている。
開口孔部42aは、開口孔部42aの長手方向が開閉機構30による車体面2bに沿ったリッド20のスライド方向Xに一致するように配置されている。開口孔部42aの開口長さLは、リッド20の開閉動作時すなわちスライド移動時に第一係合部41(具体的には、ロック部41b)が開口孔部42aの周縁部(具体的には、リッドロア部21)に干渉しない大きさに設定されている。この開口長さLは、ロック部41bがリッドロア部21の開口孔部42aを通過する際におけるロック部41bの移動軌跡が開口孔部42aに入らないように設定されている。例えば、開口長さLは、上記の移動軌跡が開口孔部42aに対して鈍角であるときは比較的短く設定され、上記の移動軌跡が開口孔部42aに対して鋭角であるときは比較的長く設定される。
係合壁部42bは、リッド20の閉位置でロック部41bが引っ掛かることが可能な壁面部位である。係合壁部42bは、リッドロア部21における開口孔部42aの周縁部に設けられている。リッドロア部21の開口孔部42aの開口奥側には、ロック部41bが収容されることが可能な空間が形成されている。係合壁部42bは、その開口孔部42aの周縁部の開口奥側で車外方向(すなわち、表側)に向いた係合面を有している。
係合壁部42bは、リッド20が閉位置で開動作しようとしてもロック部41bが係合可能位置にあるときは、リッドロア部21の表側の係合面にそのロック部41bの裏面が当接することによりそのロック部41bを引っ掛ける。尚、回転軸部41aの回転中心Cを挟んで対向する二箇所の周方向位置それぞれからロック部41bが突出している構造では、係合壁部42bは、開口孔部42aを挟んだ両側に設けられる。
ロック部41bは、リッド20が開位置にある際(具体的には、ロック部41bが開口孔部42aよりも裏側すなわち開口手前側に位置する際)は非係合位置にあり、リッド20が閉位置にある際(具体的には、ロック部41bが開口孔部42aよりも表側すなわち開口奥側に位置する際)に非係合位置と係合可能位置との間で移行することが可能である。ロック部41bは、ロック部41bが開口孔部42aの開口奥側に進入したリッド20の閉位置で係合可能位置にあるときに係合壁部42bに引っ掛かって係合する。これにより、付勢部材35の付勢力が発生しても、ロック機構40はリッド20を閉位置でロックする。
ロック機構40は、また、プッシュリフタ60を有している。プッシュリフタ60は、リッド20の車外側(表側)から車内側(裏側)への押圧操作により後述のプッシュロッド61を軸方向に移動させながら第一係合部41の回転軸部41aを回転させる装置である。プッシュリフタ60は、基体10側(具体的には、ケース50)に設けられている。プッシュリフタ60は、プッシュロッド61を有している。プッシュリフタ60は、リッド20が表側から裏側へ所定以上の力で押圧操作されるごとにプッシュロッド61を軸方向退避位置に退避させた状態とプッシュロッド61を軸方向突出位置に突出させた状態とを交互に繰り返す。
プッシュロッド61は、車体2の車体面2bの表裏方向に延びる円筒状の部材である。プッシュロッド61は、ケース50に軸方向へ移動可能に支持されている。プッシュロッド61は、ケース50から表側に突出して延びている。プッシュロッド61は、プッシュリフタ60の有する付勢部(図示せず)により車体面2bの表側に向けて付勢されている。プッシュロッド61は、かかる付勢力に抗して所定の軸方向突出位置で位置規制される。
プッシュロッド61は、回転軸部41aと同軸上に配置されている。また、プッシュロッド61は、回転軸部41aと同心円状に配置されている。第一係合部41(すなわち、回転軸部41a及びロック部41b)は、プッシュロッド61の軸方向先端から表側に突出するように配置されている。回転軸部41aは、プッシュロッド61の内側に挿入されており、プッシュロッド61に対して回転可能に支持されている。回転軸部41aの外周面とプッシュロッド61の内周面との間はシールされている。尚、回転軸部41aは、プッシュロッド61に対して軸方向への移動が規制されるものであってもよいし或いは軸方向への移動が許容されるものであってもよい。
リッド20は、プッシュロッド61を軸方向に押圧して収縮させる押圧部23を有している。押圧部23は、リッド20の開位置から閉位置への閉動作中(具体的には、閉動作の終盤)に回転軸部41aの軸方向先端に当接してプッシュロッド61に軸方向に収縮させる力を付与する。押圧部23は、リッドロア部21に設けられている。押圧部23は、リッドロア部21の裏側に向いた面を有している。押圧部23は、開口孔部42aよりも開口奥側(すなわち、表側)に配置されている。押圧部23の上記した面は、開口孔部42aを介してリッドロア部21の外方に露出しており、開口孔部42aの長方形状に対応した大きさに形成されている。
押圧部23は、リッド20の閉動作時においてロック部41bが開口孔部42aの開口手前側から開口孔部42aを通過して開口孔部42aの開口奥側に進入した際に回転軸部41aの軸方向先端に当接することが可能である。図6に示す如く、押圧部23の面内において回転軸部41aの軸方向先端に当接する位置は、押圧部23が回転軸部41aの軸方向先端に当接開始した後、リッド20の基体10側への移動進行すなわちプッシュロッド61の押圧進行に伴ってリッド20のスライド方向に変化する。
押圧部23及び第一係合部41は、回転軸部41aの軸方向先端に当接する押圧部23の面内位置がプッシュロッド61の押圧進行に伴ってリッド20のスライド方向に変化する際に回転軸部41aが回転するように、構成されている。
押圧部23は、回転軸部41aの軸方向先端への当接開始後、リッド20の基体10側への移動進行によりプッシュロッド61が軸方向に収縮するようにその回転軸部41aを軸方向に押圧する。回転軸部41aが軸方向に押圧されると、プッシュロッド61が回転軸部41aと一体となって軸方向に押圧されて収縮する。プッシュロッド61の収縮は、押圧部23と回転軸部41aとの当接開始後におけるリッド20の基体10側への移動進行により進行する。
プッシュリフタ60は、リッド20が軸方向に所定以上の力で押圧操作されるごとにプッシュロッド61を軸方向退避位置と軸方向突出位置とで交互に位置決めする。プッシュリフタ60は、例えば公知のノック式カム機構などにより構成されてよい。プッシュリフタ60は、プッシュロッド61を車体面2bの表側に向けて付勢する付勢部や、軸方向に移動しつつ回転する回転子などを含む。プッシュロッド61は、リッド20が表側から裏側へ所定以上の力で押圧操作されるごとに軸方向退避位置に退避する状態と軸方向突出位置に突出する状態とを交互に繰り返す。
プッシュロッド61の軸方向退避位置とは、プッシュロッド61の大部分がケース50側に引っ込む位置に設定されている。また、プッシュロッド61の軸方向突出位置とは、上記の軸方向退避位置よりもプッシュロッド61がケース50から最も突出する位置に設定されている。プッシュリフタ60は、プッシュロッド61を付勢部の発生する付勢力に抗して軸方向退避位置に保持することが可能であると共に、プッシュロッド61を例えばストッパに当接させた位置規制により軸方向突出位置に保持することが可能である。尚、プッシュロッド61は、軸方向退避位置よりも更にケース50側の軸方向端位置まで収縮することが可能である。
リッド20の押圧操作による開位置から閉位置への閉動作時において押圧部23が回転軸部41aに当接してプッシュロッド61が軸方向突出位置から軸方向に押圧されて軸方向退避位置へ後退(退避)する過程では、回転軸部41aは、ロック部41bが非係合位置から係合可能位置へ移行するように回転する。
上記の回転軸部41aの非係合位置から係合可能位置への回転は、プッシュロッド61が軸方向突出位置から後退し始めて軸方向退避位置を通り過ぎて軸方向端位置に達するまでに開始され、その開始後、プッシュロッド61が軸方向退避位置を通り過ぎて軸方向端位置に達するまでに完了する。尚、この回転は、プッシュロッド61が軸方向端位置から戻り移動し始めて軸方向退避位置に達するまでに開始されてもよい。また、この回転は、開始後、プッシュロッド61が軸方向端位置から戻り移動し始めて軸方向退避位置に達するまでに完了してもよい。
上記したプッシュロッド61の後退過程において、プッシュロッド61は、押圧部23と回転軸部41aとが互いに当接した後に、軸方向突出位置(図7(A)及び図8(A))から一旦軸方向退避位置を通り過ぎて軸方向端位置に達し(図7(B)及び図8(B))、リッド押圧操作の解除後に軸方向退避位置まで戻り移動する(図7(C)及び図8(C))。このプッシュロッド61の後退過程で、ロック部41bは、非係合位置から係合可能位置に移行する。これにより、リッド20は、閉位置にロックされる。尚、このリッドロック時、押圧部23と回転軸部41aとは、互いに当接していてもよいが当接していなくてもよい。
また、リッド20の押圧操作による閉位置から開位置への開動作時において押圧部23が回転軸部41aに当接してプッシュロッド61が軸方向退避位置から軸方向に押圧されて軸方向退避位置へ前進(突出)する過程では、回転軸部41aは、ロック部41bが係合可能位置から非係合位置へ移行するように回転する。
上記の回転軸部41aの係合可能位置から非係合位置への回転は、プッシュロッド61が軸方向退避位置から後退し始めて軸方向端位置に達するまでに開始され、その開始後、プッシュロッド61が軸方向端位置に達するまでに完了する。尚、この回転は、プッシュロッド61が軸方向端位置から戻り移動し始めて軸方向退避位置に達するまでに開始されてもよい。また、この回転は、開始後、プッシュロッド61が軸方向端位置から戻り移動し始めて軸方向退避位置に達するまでに完了してもよい。
上記したプッシュロッド61の前進過程において、プッシュロッド61は、押圧部23と回転軸部41aとが互いに当接した後に、軸方向退避位置(図7(C)及び図8(C))から一旦軸方向端位置に達し(図7(B)及び図8(B))、リッド押圧操作の解除後に、軸方向退避位置まで戻り移動すると共に更に軸方向突出位置まで突出する(図7(A)及び図8(A))。このプッシュロッド61の前進過程で、ロック部41bは、係合可能位置から非係合位置に移行する。
このように、ロック部41bは、プッシュロッド61が軸方向突出位置から軸方向に押圧されて軸方向退避位置へ後退する過程で、非係合位置から係合可能位置へ移行する。また、ロック部41bは、プッシュロッド61が軸方向退避位置から軸方向に押圧されて軸方向突出位置へ前進する過程で、係合可能位置から非係合位置へ移行する。
以下、図7及び図8を参照して、車両用リッド装置1の動作について説明する。
リッド20が閉位置にロックされているときは、基体10のボックス開口13が閉じられ、基体10の収容空間14内の補給口が車両外方に露出しないので、補給口へのガン3の接続は不可能である。また、リッド20が付勢部材35の付勢力に抗して閉位置にロックされているときは、プッシュロッド61が軸方向退避位置にあり、ロック部41bが係合可能位置にある。
リッド20が閉位置にロックされているときは、基体10のボックス開口13が閉じられ、基体10の収容空間14内の補給口が車両外方に露出しないので、補給口へのガン3の接続は不可能である。また、リッド20が付勢部材35の付勢力に抗して閉位置にロックされているときは、プッシュロッド61が軸方向退避位置にあり、ロック部41bが係合可能位置にある。
操作者は、リッド20が閉位置にある状態から車両の給油やバッテリ充電などの補給を希望する場合、リッド20を所定以上の力で表側から裏側に向けて押圧操作する。かかる押圧操作が行われると、リッド20は、付勢部材35の付勢力に抗して表側から裏側へ移動し、押圧部23が回転軸部41aの軸方向先端に当接した後は、更にプッシュリフタ60の付勢部の付勢力に抗してプッシュロッド61が軸方向退避位置から軸方向端位置に達するまで移動する。
そして、リッド20の押圧操作が解除されると、リッド20は、付勢部材35の付勢力により開位置に向けて付勢されると共に、プッシュロッド61が軸方向端位置から戻り移動して軸方向突出位置まで前進する。回転軸部41aは、プッシュロッド61が軸方向退避位置から軸方向端位置に達するまでに、ロック部41bが係合可能位置から非係合位置へ移行するように回転する。このため、上記の如くリッド20が開位置に向けて付勢されると、ロック部41bが非係合位置にある状態で開口孔部42aを開口奥側から開口手前側に通過するので、リッド20は、開位置まで移動規制されることなく開動作する。
また、操作者は、リッド20が開位置にある状態から車両への補給完了などによりリッド20を閉じることを希望する場合、リッド20を所定以上の力で表側から裏側に向けて押圧操作する。かかる押圧操作が行われると、リッド20は、付勢部材35の付勢力に抗して表側から裏側へ移動し、ロック部41bが非係合位置にある状態で開口孔部42aを開口手前側から開口奥側に通過し更に押圧部23が回転軸部41aの軸方向先端に当接した後は、更にプッシュリフタ60の付勢部の付勢力に抗してプッシュロッド61が軸方向突出位置から軸方向端位置に達するまで移動する。回転軸部41aは、プッシュロッド61が軸方向突出位置から軸方向端位置に達するまでに、ロック部41bが非係合位置から係合可能位置へ移行するように回転する。
そして、リッド20の押圧操作が解除されると、リッド20は、付勢部材35の付勢力により閉位置に向けて付勢されると共に、プッシュロッド61が軸方向端位置から戻り移動して軸方向退避位置まで前進する。このため、上記の如くリッド20が閉位置に向けて付勢されると、ロック部41bが係合可能位置にあるので、リッド20は、閉位置でロック部41bに移動規制されることにより閉位置にロックされる。
このように、車両用リッド装置1においては、リッド20の閉位置及び開位置での押圧操作により第一係合部41の回転軸部41aが回転してロック部41bが係合可能位置と非係合位置との間で移行することで、リッド20の閉位置でのロックと非ロックとが切り替わる。
車両用リッド装置1において、リッド20は、開閉機構30により、閉位置と開位置との間で車体面2bに沿ってスライド移動する。そして、リッド20は、リッド閉位置直前で基体10に対して車体面2bに沿った方向に移動しながら、開動作時は基体10の車体手前側から車体奥側へ一方で閉動作時は基体10の車体奥側から車体手前側へそれぞれ移動するので、リッド閉位置直前でロック機構40のロック部41bが開口孔部42aを斜めに通過する。
第二係合部42の開口孔部42aは、第一係合部41の短手方向長さ(具体的には、回転軸部41aの外径)Rmin以上かつ長手方向長さ(具体的には、ロック部41bの外径)Rmax未満である開口幅Wと、第一係合部41の長手方向長さRmaxを超える開口長さLと、を有するように長孔状に形成されている。開口孔部42aは、リッド20の閉位置で第一係合部41側に向けて開口し、非係合位置にあるロック部41bが進退可能である。開口孔部4aは、開口孔部42aの長手方向が開閉機構30による車体面2bに沿ったリッド20のスライド方向Xに一致するように配置されている。そして、開口孔部42aの開口長さLは、リッド20の開閉動作時すなわちスライド移動時に第一係合部41が開口孔部42aの周縁部に干渉しない大きさに設定されている。
かかる構成によれば、リッド20の開閉動作時におけるリッド閉位置直前でロック機構40のロック部41bが開口孔部42aを斜めに通過する際に、第一係合部41が開口孔部42aの周縁部に干渉するのが防止される。従って、車両用リッド装置1によれば、リッド開閉動作時に車体面2bに沿ってスライド移動するリッド20を、ロック機構40によるプロペラ式のロック動作で閉位置にロックすることができる。
また、車両用リッド装置1においては、ロック機構40は、リッド20の押圧操作ごとにプッシュロッド61を軸方向退避位置に退避させた状態とプッシュロッド61を軸方向突出位置に突出させた状態とを交互に繰り返すプッシュリフタ60を有する。回転軸部41aは、プッシュロッド61の軸方向退避位置と軸方向突出位置との間の移動に伴って回転する。具体的には、回転軸部41aは、プッシュロッド61が軸方向突出位置から軸方向に押圧されて軸方向退避位置へ後退する過程で、ロック部41bが非係合位置から係合可能位置へ移行するように回転する。また、回転軸部41aは、プッシュロッド61が軸方向退避位置から軸方向に押圧されて軸方向突出位置へ前進する過程で、ロック部41bが係合可能位置から非係合位置へ移行するように回転する。
すなわち、ロック機構40は、リッド20の開閉動作時、プッシュロッド61を軸方向退避位置と軸方向突出位置との間で移動させることにより、回転軸部41aを、ロック部41bが非係合位置にある状態で開口孔部42aを開口手前側と開口奥側との間で通過するように回転させる。そして、ロック機構40は、プッシュロッド61が軸方向退避位置にある状態でロック部41bを係合可能位置に位置させてリッド20を閉位置でロックする。
かかる構成によれば、回転軸部41aの回転すなわちロック部41bの係合可能位置と非係合位置との間の移行を実現するのに、操作者によるリッド20の押圧操作によって作動する上記のプッシュリフタ60を用いればよいので、モータなどの駆動力発生装置を用いることは不要である。
ところで、上記の実施形態においては、回転軸部41aとロック部41bとを有する第一係合部41が基体10側(具体的には、基体10に組み付けられるケース50)に設けられ、開口孔部42aと係合壁部42bとを有する第二係合部42がリッド20側(具体的には、リッドロア部21)に設けられる。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、第一係合部41がリッド20側に設けられ、第二係合部42が基体10側に設けられるものであってもよい。
また、上記の実施形態においては、ロック機構40の回転軸部41aの回転すなわちロック部41bの係合可能位置と非係合位置との移行がリッド20の押圧操作時の押圧力により行われる。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、その回転や移行がモータなどのアクチュエータが発生する駆動力により行われるものであってもよい。
また、上記の実施形態においては、プッシュリフタ60のプッシュロッド61が第一係合部41の回転軸部41aと同軸上に配置される。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、プッシュリフタ60のプッシュロッド61が第一係合部41の回転軸部41aとは軸をずらして配置されるものであってもよい。
尚、本発明は、上述した実施形態や変形形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。また、本明細書は、出願当初に各請求項に記載された引用関係で示される技術思想を開示するだけでなく、各請求項に記載された事項を適宜組み合わせた技術思想を開示するものである。
1:車両用リッド装置、2:車体、2b:車体面、10:基体、13:ボックス開口、14:収容空間、20:リッド、21:リッドロア部、23:押圧部、30:開閉機構、31:シャフト、33:主アーム、34:補助アーム、35:付勢部材、40:ロック機構、41:第一係合部、41a:回転軸部、41b:ロック部、42:第二係合部、:42a:開口孔部、42b:係合壁部、50:ケース、60:プッシュリフタ、61:プッシュロッド。
Claims (6)
- 車両へのエネルギ補給のための補給口を収容するように車体に取り付けられる基体と、
前記基体の表側開口を閉じて前記補給口を塞ぐ閉位置と、前記表側開口を開放して前記補給口を露出させる開位置と、の間で移動可能なリッドと、
前記リッドを前記閉位置と前記開位置との間で車体面に沿ってスライド移動させる開閉機構と、
前記リッドを前記閉位置でロックするロック機構と、
を備え、
前記ロック機構は、
前記基体及び前記リッドの何れか一方側に設けられた第一係合部と、
前記基体及び前記リッドの何れか他方側に設けられ、前記第一係合部との係合により前記リッドを前記閉位置でロックすることが可能な第二係合部と、
を有し、
前記第一係合部は、
軸回りに回転可能な回転軸部と、
前記回転軸部に一体化され、前記回転軸部の全周のうちの一部から径方向外方に突出し、前記回転軸部の回転により、前記第二係合部に係合可能な係合可能位置と前記第二係合部に係合しない非係合位置との間で移行するロック部と、
を有し、
前記第二係合部は、
前記第一係合部の短手方向長さ以上かつ長手方向長さ未満である開口幅と、前記第一係合部の前記長手方向長さを超える開口長さと、を有するように長孔状に形成され、前記リッドの前記閉位置で前記第一係合部側に向けて開口し、前記非係合位置にある前記ロック部が進退可能な開口孔部と、
前記ロック部が前記開口孔部の開口奥側に進入した前記リッドの前記閉位置で前記ロック部が前記係合可能位置にあるときに前記ロック部が引っ掛かる係合壁部と、
を有し、
前記開口孔部は、前記開口孔部の長手方向が前記開閉機構による前記リッドのスライド方向に一致するように配置されており、
前記開口長さは、前記開閉機構による前記リッドのスライド移動時に前記第一係合部が前記開口孔部の周縁部に干渉しない大きさに設定されている、車両用リッド装置。 - 前記第一係合部と前記第二係合部とは、前記ロック部が前記非係合位置で前記開口孔部の開口手前側から開口奥側へ進入した以後に前記非係合位置から前記係合可能位置へ移行することにより、互いに係合する、請求項1に記載された車両用リッド装置。
- 前記ロック機構は、前記基体側に設けられ、前記リッドが表側から裏側へ所定以上の力で押圧操作されるごとにプッシュロッドを軸方向退避位置に退避させた状態と前記プッシュロッドを軸方向突出位置に突出させた状態とを交互に繰り返すプッシュリフタを有し、前記プッシュロッドが前記軸方向退避位置にある状態で前記ロック部を前記係合可能位置に位置させて前記リッドを前記閉位置でロックさせ、
前記回転軸部は、前記プッシュロッドの前記軸方向退避位置と前記軸方向突出位置との間の移動に伴って回転する、請求項1に記載された車両用リッド装置。 - 前記第一係合部は、前記基体側に設けられ、
前記第二係合部は、前記リッド側に設けられ、
前記回転軸部と前記プッシュロッドとは、同軸上に配置されている、請求項3に記載された車両用リッド装置。 - 前記回転軸部は、前記プッシュロッドが前記軸方向突出位置から軸方向に押圧されて前記軸方向退避位置へ後退する過程で、前記ロック部が前記非係合位置から前記係合可能位置へ移行するように回転する、請求項3又は4に記載された車両用リッド装置。
- 前記回転軸部は、前記プッシュロッドが前記軸方向退避位置から軸方向に押圧されて前記軸方向突出位置へ前進する過程で、前記ロック部が前記係合可能位置から前記非係合位置へ移行するように回転する、請求項3又は4に記載された車両用リッド装置。
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2022
- 2022-09-28 JP JP2022155616A patent/JP2024049255A/ja active Pending
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