JP2024048830A - (メタ)アクリル酸メチルの再生システムおよび(メタ)アクリル酸メチルの再生方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸メチルの再生システムおよび(メタ)アクリル酸メチルの再生方法 Download PDF

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Abstract

【課題】流通経路の閉塞、さらには発火爆発を防止する。【解決手段】スクラップを熱分解して(メタ)アクリル酸メチルを含むガスおよび未分解成分を含む残渣を生成する熱分解装置10と、該熱分解装置から導出された未分解成分を含む残渣を貯蔵する残渣貯蔵装置30とを備え、熱分解装置は、投入部12と、(メタ)アクリル樹脂組成物が熱分解されて生成したガスを抜き出すガス抜き出し部14と、未分解成分を含む残渣を残渣貯蔵装置に排出するための残渣排出部16とを有しており、残渣貯蔵装置が、貯蔵タンク32と、未分解成分を含む残渣を冷却するための冷却部32Aと、貯蔵タンク内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部34と、気体排出部36とを有しているか、または、冷却水供給部38を有している、再生システム。【選択図】図1

Description

本発明は、(メタ)アクリル酸メチルの再生システムおよび(メタ)アクリル酸メチルの再生方法に関する。
(メタ)アクリル酸メチル(MMA)を重合した重合体であるポリ(メタ)アクリル酸メチル(PMMA)は、透明性に優れており、さらには耐候性にも優れている。よって、ポリ(メタ)アクリル酸メチルは、自動車用部品、看板標識、表示装置等を構成する部材の材料として、広く用いられている。
そして、近年の資源価格の高騰、さらには環境問題に対する意識の高まりに伴って、上記のとおりの種々の用途に用いられたポリ(メタ)アクリル酸メチルを含む製品(成形体)は回収されてリサイクル(再資源化)が図られている。
ポリ(メタ)アクリル酸メチルのリサイクルの方法としては、例えば、回収された成形体に対し、再度、成形工程を実施して新たな成形体を製造するマテリアルリサイクル、回収された成形体を熱処理して、ポリ(メタ)アクリル酸メチルを熱分解(解重合)することにより(メタ)アクリル酸メチルを回収し、回収された(メタ)アクリル酸メチル(再生MMAという場合がある。)を用いて新たな成形体を製造するケミカルリサイクル、および回収された成形体を燃料として燃焼させ、燃焼エネルギーを直接的に熱源として、さらには燃焼エネルギーを用いて発電して利用するサーマルリサイクルが挙げられる。
ポリ(メタ)アクリル酸メチルは、300℃程度の比較的低い温度で加熱することによって、(メタ)アクリル酸メチルを高収率で回収することができ、不純物の低減が可能であるため、ケミカルリサイクルによりリサイクルされることが好ましい。
ケミカルリサイクルにおいて、例えば、密閉されたシリンダを有する2軸押出機にアクリル樹脂のスクラップを供給し、400~600℃に加熱して熱分解し、2軸押出機の先端部から吐出される分解ガスを残渣タンクを介してクーラーの負圧効果と真空ポンプによって吸引し、クーラーで分解ガスを凝縮して液状モノマーとする態様が知られており(特許文献1参照。)、さらには合成高分子材料をシリンダに供給して、シリンダ内で連続的に加熱することにより得られた低分子量の気体状熱分解物をシリンダ外に導出して濃縮する態様が知られている(特許文献2参照。)。
特開平11-106427号公報 米国特許第3959357号明細書
しかしながら、上記特許文献1および2にかかる技術によっては、加熱処理後にシリンダ外に導出された未分解成分を含む残渣がシリンダ外の流通経路または機器において固化してしまい流通経路が閉塞してしまう場合があり、さらには分解ガスおよび気体状熱分解物は、通常、可燃性であるため、場合によっては流通経路、さらには連結されているより下流の機器において発火爆発してしまうおそれもある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を進めたところ、熱分解装置外の機器、特に未分解成分を含む残渣を貯蔵する残渣貯蔵装置において所定の構成を設けることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記〔1〕~〔17〕を提供する。
〔1〕(メタ)アクリル系重合体を含む(メタ)アクリル系重合体組成物を成形した成形体のスクラップから(メタ)アクリル酸メチルを再生する再生システムであって、
前記スクラップを熱分解して(メタ)アクリル酸メチルを含むガスおよび未分解成分を含む残渣を生成する熱分解装置と、
前記熱分解装置に接続されており、該熱分解装置から導出された未分解成分を含む残渣を貯蔵する残渣貯蔵装置とを備え、
前記熱分解装置は、前記スクラップを投入するための投入部と、(メタ)アクリル樹脂組成物が熱分解されて生成したガスを抜き出すガス抜き出し部と、未分解成分を含む残渣を残渣貯蔵装置に排出するための残渣排出部とを有しており、
前記残渣貯蔵装置が、前記残渣排出部と連結管により接続されている貯蔵タンクと、該貯蔵タンクの外表面に接触するように設けられており、貯蔵されている未分解成分を含む残渣を冷却するための冷却部と、前記貯蔵タンクに接続されており、前記貯蔵タンク内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、前記貯蔵タンクに接続されており、前記貯蔵タンク外に気体を排出するための気体排出部とを有しているか、または、前記貯蔵タンクに接続されており、前記貯蔵タンク内に冷却水を供給するための冷却水供給部を有している、再生システム。
〔2〕前記残渣貯蔵装置が、前記冷却部と前記不活性ガス供給部と前記気体排出部とを有している、〔1〕に記載の再生システム。
〔3〕前記熱分解装置が、押出機、ニーダーまたは流動床加熱機である、〔1〕または〔2〕に記載の再生システム。
〔4〕前記熱分解装置が押出機である、〔1〕~〔3〕のいずれか1つに記載の再生システム。
〔5〕前記冷却部が、内部に冷媒体を流通させることができるジャケットを含む、〔1〕~〔4〕のいずれか1つに記載の再生システム。
〔6〕前記冷媒体が水である、〔5〕に記載の再生システム。
〔7〕前記不活性ガス供給部が、前記貯蔵タンクの頂部から不活性ガスを供給することができる機能部であり、
前記気体排出部が、前記貯蔵タンクの頂部から気体を排出させることができる機能部である、〔1〕~〔6〕のいずれか1つに記載の再生システム。
〔8〕前記不活性ガスが窒素ガスである、〔1〕~〔7〕のいずれか1つに記載の再生システム。
〔9〕前記連結管が、未分解成分を含む残渣を流通させる管部と前記熱分解装置から導出された未分解成分を含む残渣を冷却するための温度調節部とを含む、〔1〕~〔8〕のいずれか1つに記載の再生システム。
〔10〕前記温度調節部が、未分解成分を含む残渣の軟化点以上かつ発火点未満の温度に前記連結管の温度を調節することができる機能部である、〔9〕に記載の再生システム。
〔11〕前記温度調節部が、内部に媒体を流通させることができるジャケット、電気ヒーターおよび保温材からなる群から選ばれる少なくとも1つである、〔9〕または〔10〕に記載の再生システム。
〔12〕前記ジャケットが、水蒸気を熱媒体として用いるジャケットである、〔11〕に記載の再生システム。
〔13〕前記ジャケットが、水を冷媒体として用いるジャケットである、〔11〕に記載の再生システム。
〔14〕前記保温材が、ロックウール、グラスウール、珪酸カルシウムおよび撥水性パーライトからなる群から選ばれる少なくとも1つである、〔11〕~〔13〕のいずれか1つに記載の再生システム。
〔15〕〔1〕~〔14〕のいずれか1つに記載の再生システムを用いる、(メタ)アクリル酸メチルの再生方法において、
前記熱分解装置により前記スクラップを熱分解して(メタ)アクリル酸メチルを含むガスおよび未分解成分を含む残渣を生成する熱分解工程と、
前記熱分解装置の前記ガス抜き出し部から前記ガスを抜き出して回収する回収工程と、
前記熱分解装置の前記残渣排出部から前記熱分解工程により生成した未分解成分を含む残渣を排出して前記残渣貯蔵装置に導入して、残渣貯蔵装置に導入された未分解成分を含む残渣を前記冷却部により冷却しつつ貯蔵する貯蔵工程と
を含む、(メタ)アクリル酸メチルの再生方法。
〔16〕前記貯蔵工程が、前記貯蔵タンクに不活性ガス供給部により不活性ガスを供給し、前記貯蔵タンク外に前記気体排出部により気体を排出しつつ行われるか、または、前記残渣貯蔵タンク内に前記冷却水供給部により冷却水を供給して行う工程である、〔15〕に記載の再生方法。
〔17〕前記連結管が、未分解成分を含む残渣を流通させる管部と前記熱分解装置から導出された未分解成分を含む残渣を冷却するための温度調節部とを含み、
前記貯蔵工程が、前記温度調節部により前記連結管を流通する未分解成分を含む残渣の温度を、未分解成分を含む残渣の軟化点以上かつ発火点未満の温度に調節しつつ行われる工程である、〔15〕または〔16〕に記載の再生方法。
本発明によれば、熱分解により生成した未分解成分を含む残渣に起因する発火爆発、さらには未分解成分を含む残渣を導出する場合における流通経路の閉塞を効果的に防止することができる。
図1は、再生システムの構成例を示す概略的な図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について具体的に説明する。なお、各図面は、発明が理解できる程度に、構成要素の形状、大きさ及び配置が概略的に示されているに過ぎない。本発明は以下の記述によって限定されるものではなく、それぞれの構成要素は本発明の要旨から逸脱しない範囲で改変可能である。図面において、同一の構成要素に用いられる符号については重複する説明を省略する場合がある。
1.再生システム
図1を参照して、本実施形態の再生システムについて説明する。図1は、再生システムの構成例を示す概略的な図である。
図1に示されるように、本実施形態の再生システムは、(メタ)アクリル系重合体を含む(メタ)アクリル系重合体組成物を成形した成形体のスクラップから(メタ)アクリル酸メチルを再生する再生システム1であって、スクラップを熱分解して(メタ)アクリル酸メチルを含むガスおよび未分解成分を含む残渣を生成する熱分解装置10と、熱分解装置10に接続されており、熱分解装置10から導出された未分解成分を含む残渣を貯蔵する残渣貯蔵装置30とを備え、熱分解装置10は、スクラップを投入するための投入部12と、(メタ)アクリル樹脂組成物が熱分解されて生成したガスを抜き出すガス抜き出し部14と、未分解成分を含む残渣を残渣貯蔵装置30に排出するための残渣排出部16とを有しており、残渣貯蔵装置30が、前記残渣排出部16と連結管により接続されている貯蔵タンク32と、貯蔵タンク32の外表面に接触するように設けられており、貯蔵されている未分解成分を含む残渣を冷却するための冷却部32Aと、貯蔵タンク32に接続されており、貯蔵タンク32内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部34と、貯蔵タンク32に接続されており、貯蔵タンク32外に気体を排出するための気体排出部36とを有しているか、または、貯蔵タンク32に接続されており、貯蔵タンク32内に冷却水を供給するための冷却水供給部38を有している。
(1)用語の説明
「(メタ)アクリル」には、アクリル、メタクリルおよびこれらの組み合わせが含まれる。
「(メタ)アクリル系重合体組成物」は、(メタ)アクリル系重合体を主成分として含み、さらにその他の成分を含みうる組成物である。
「(メタ)アクリル系重合体」は、(メタ)アクリル基を有するモノマーに由来する単量体単位を有する重合体である。
ここで、(メタ)アクリル系重合体としては、例えば、炭素原子数1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルに由来する単量体単位のみを含む(メタ)アクリル単独重合体;炭素原子数1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルに由来する単量体単位を、85質量%以上100質量%未満と、炭素原子数1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルに由来する単量体単位と共重合可能な他のビニル単量体に由来する単量体単位を0質量%を超えて15質量%以下とを有する(メタ)アクリル共重合体が挙げられる。
炭素原子数1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル」とは、例えばCH=C(CH)COOR(Rは炭素原子数1~4のアルキル基である。)で表される化合物である。
炭素原子数1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルと共重合可能なビニル単量体とは、炭素原子数1~4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルと共重合可能であり、かつビニル基を有する単量体である。
炭素原子数1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸tert-ブチル、メタクリル酸sec-ブチル、およびメタクリル酸イソブチルが挙げられる。炭素原子数1~4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルは、好ましくはメタクリル酸メチルである。
炭素原子数1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルと共重合可能なビニル単量体としては、例えば、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸モノグリセロールなどのメタクリル酸エステル(ただし、炭素原子数1~4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルを除く。);アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、アクリル酸モノグリセロール等のアクリル酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸又はこれらの酸無水物;アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ジアセトンアクリルアミド、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等の窒素含有モノマー;アリルグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有単量体;スチレン、α-メチルスチレンなどのスチレン系単量体が挙げられる。
(メタ)アクリル系重合体の製造方法としては、例えば、炭素原子数1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルと、必要に応じて、炭素原子数1~4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルと共重合可能なビニル単量体とを、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の方法で重合されていてよい。
(メタ)アクリル系重合体組成物が含みうる「その他の成分」には、例えば、所定の特性を有する成形体を製造するために添加されうる従来公知の任意好適な、離型剤、重合調節剤、重合開始剤、紫外線吸収剤および着色剤が含まれる。
「スクラップ」とは、通常、(メタ)アクリル酸メチル系重合体組成物を従来公知の任意好適な射出成形工程などにより種々の形状に成形して製造され、所定の用途に使用された後に廃材として回収された使用済みの成形体であって、本発明にかかる再生システムにおいて原料として用いることができる形状、サイズに調整された成形体である。また「スクラップ」は、成形時の不良品を回収し、本発明にかかる再生システムにおいて原料として用いることができる形状、サイズに調整された成形体であってもよいし、成形時や研磨加工など後工程で発生する端材を回収し、本発明にかかる再生システムにおいて原料として用いることができる形状、サイズに調整された成形体であってもよい。
「未分解成分を含む残渣」には、(メタ)アクリル酸メチルなどの熱分解により生成した成分が含まれうる。
以下、本実施形態の再生システム1を構成しうる構成要素について具体的に説明する。
(2)熱分解装置
本実施形態の再生システム1は、熱分解装置10を含む。熱分解装置10は、(メタ)アクリル系重合体を含む(メタ)アクリル樹脂組成物を成形した成形体のスクラップを熱分解して、(メタ)アクリル酸メチルを含むガスおよび未分解成分を含む残渣を生成することができることを条件として、従来公知の任意好適な構成を有する装置を適用することができる。
本実施形態において、熱分解装置10の例としては、押出機、ニーダー、および流動床加熱器が挙げられる。
本実施形態において、熱分解装置10は、押出機であることが好ましい。熱分解装置10である押出機の好適な例としては、二軸同方向回転押出機および二軸異方向回転押出機などの二軸押出機が挙げられる。
本実施形態において、熱分解装置10として好適に適用できるニーダーとしては、例えば、米国特許第10301235号明細書に記載の装置が挙げられる。
本実施形態において、熱分解装置10として好適に適用できる流動床加熱器としては、例えば、特開2009-112902号公報に記載の装置が挙げられる。
以下、熱分解装置10の構成例について、二軸押出機の構成を例にとって説明する。
二軸押出機である場合の熱分解装置10は、原料であるスクラップを加熱処理するための熱分解部11を備えている。熱分解部11は、例えば、二軸押出機における原料を延在方向に移動させつつ内部において加熱処理を行うためのシリンダと、シリンダの内部に配置されたスクリューとに相当する。
熱分解部11には、原料であるスクラップを熱分解部11に供給するための投入部12が設けられている。投入部12は二軸押出機におけるホッパー(フィーダー)に相当する構成である。投入部12であるホッパーは、通常、熱分解部11であるシリンダの上流側の端部近傍において、熱分解部11であるシリンダ内に原料を供給できるように設けられている。
熱分解部11には、熱分解されて生成したガスを抜き出すための1以上のガス抜き出し部(ベント)14が設けられている。1以上のガス抜き出し部14の配置(位置)は特に限定されず、設計に対応した任意好適な配置とすることができる。ガス抜き出し部14は、例えば、生成したガスの抜き出し効率を向上させる観点から、既に説明した投入部12とは反対側の熱分解部11の下流側の端部近傍であって、熱分解部11の上端側に設けられていることが好ましい。ガス抜き出し部14が2以上設けられる場合には、熱分解部11の上端側に所定の間隔(例えば等間隔)で整列するように配置することが好ましい。
熱分解装置10は、熱分解部11に設けられている残渣排出部16を有している。残渣排出部16は、熱分解部11において生成した未分解成分を含む残渣を排出するための機能部である。残渣排出部16は、既熱分解部11の下流側の端部近傍に設けることが好ましい。
(3)連結管
本実施形態の再生システム1は、既に説明した熱分解装置10と、詳細については後述する残渣貯蔵装置30とを機能的に連結するための連結管20を備えている。
連結管20は、未分解成分を含む残渣を熱分解装置10から導出して残渣貯蔵装置30へと導入する(流通させる)管部22を含んでいる。
本実施形態において、管部22は、熱分解装置10において生成した未分解成分を含む残渣を熱分解装置10から導出して、残渣貯蔵装置30に導入できることを条件として、その形状、サイズ、構成材料等は特に限定されない。管部22としては、従来公知の任意好適なステンレス鋼製の配管等を適用することができる。
本実施形態において、連結管20は、管部22の外表面に接触するように、または管部22の内部を貫通するように設けられている温度調節部24をさらに備えている。温度調節部24は、熱分解装置10から導出された未分解成分を含む残渣の温度を調節するための機能部である。
本実施形態において、温度調節部24は、未分解成分を含む残渣の軟化点以上かつ発火点未満の温度に連結管20、すなわち管部22の温度を調節することができる機能部である。温度調節部24は、より具体的には管部22内を流通する未分解成分を含む残渣を冷却するための機能部である。
温度調節部24としては、従来公知の任意好適な構成を適用することができる。温度調節部24としては、具体的には、内部に媒体(熱媒体、冷媒体)を流通させることができる、ジャケット、二重管熱交換器、電気ヒーターおよび保温材からなる群から選ばれる少なくとも1つを適用することができる。
なお、例えば二重管熱交換器および保温材の組み合わせといった2種以上の部材により温度調節部24が構成される場合には、少なくとも1種の部材が管部22の外表面に接触していればよく、換言すると、2種以上の部材は、管部22の外表面に積層するように設けられていてもよい。
温度調節部24の設置態様は、管部22内を流通する未分解成分の残渣の温度を効果的に調節できることを条件として特に限定されない。温度調節部24は、例えば管部22の外周を一周して途切れなく覆うように設けることができる。
本実施形態において、温度調節部24としては、二重管熱交換器を用いることが好ましい。当該二重管熱交換器としては、水蒸気を熱媒体として用いる二重管熱交換器であるか、または水を冷媒体として用いる二重管熱交換器であることが好ましい。
また、温度調節部24が保温材を含む場合には、当該保温材が、ロックウール、グラスウール、珪酸カルシウムおよび撥水性パーライトからなる群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
本実施形態の再生システム1によれば、連結管20が温度調節部24を備えるので、管部22内を流通する未分解成分を含む残渣の固着による連結管20の閉塞、さらには発火爆発を効果的に防止することができる。
(4)残渣貯蔵装置
残渣貯蔵装置30は、既に説明した連結管20により、熱分解装置10に連結されている。具体的には、熱分解装置10の残渣排出部16と残渣貯蔵装置30の貯蔵タンク32とが、連結管20(管部22)により連結されている。
すなわち、残渣貯蔵装置30は、残渣排出部16と連結管20により接続されている貯蔵タンク32と、該貯蔵タンク32の外表面に接触するように設けられており、貯蔵されている未分解成分を含む残渣を冷却するための冷却部32Aと、貯蔵タンク32に接続されており、貯蔵タンク32内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部34と、貯蔵タンク32に接続されており、貯蔵タンク32外に気体を排出するための気体排出部36とを有しているか、または、貯蔵タンク32に接続されており、貯蔵タンク32内に冷却水を供給するための冷却水供給部38を有している。
残渣貯蔵装置30が備える貯蔵タンク32の構成、材料、サイズ等は、未分解成分を含む残渣を収容して貯蔵できることを条件として特に限定されない。貯蔵タンク32としては、例えば、市場にて入手可能である従来公知の任意好適なドラム缶等の密閉可能である容器状部材によって構成することができる。
本実施形態において、残渣貯蔵装置30は、冷却部32Aと不活性ガス供給部34と気体排出部36とを有しているか、または冷却水供給部38を有していることが好ましく、冷却部32Aと不活性ガス供給部34と気体排出部36とに加えて、さらに冷却水供給部38を有していてもよい。
本実施形態において、残渣貯蔵装置30は、冷却部32Aと不活性ガス供給部34と気体排出部36とを有していることが好ましい。
冷却部32は、貯蔵タンク32の外表面に接触するように設けられており、貯蔵されている未分解成分を含む残渣を冷却するための機能部である。
冷却部32としては、具体的には、内部に媒体(冷媒体)を流通させることができる、従来公知の任意好適なジャケットを用いることが好ましい。
不活性ガス供給部34は、未分解成分を含む残渣が収容されて貯蔵されている貯蔵タンク32内に不活性ガスを供給することができる機能部である。
不活性ガス供給部34は、貯蔵タンク32に不活性ガスを供給できる機能を有することを条件として、ボンベ、ポンプおよび配管などを含む従来公知の任意好適な構成を採用することができる。
不活性ガス供給部34が設けられる態様は特に限定されない。不活性ガス供給部34は、貯蔵タンク32の頂部、底部、側部等のいずれの領域から不活性ガスを供給することができる態様であってもよい。不活性ガス供給部34は、貯蔵タンク32の頂部から不活性ガスを供給することができる態様とすることが好ましい。
不活性ガス供給部34によって貯蔵タンク32内に供給される不活性ガスの種類、量等は特に限定されない。本実施形態においては、入手性等の観点から、不活性ガスとして窒素ガスを用いることが好ましい。
気体排出部36は、未分解成分を含む残渣が収容されて貯蔵されている貯蔵タンク32から貯蔵タンク32外に気体を排出するための機能部である。
ここで「気体」には、引火性、発火性、爆発性を有するガスが含まれ、具体的には、貯蔵タンク32内に貯蔵された未分解成分を含む残渣に起因するガス、熱分解により生成した(メタ)アクリル酸メチルなどのガスであって、ガス抜き出し部14から取り出せなかったガス、不活性ガス供給部34により貯蔵タンク32内に供給された不活性ガスが含まれうる。
気体排出部36は、貯蔵タンク32から気体を排出できる機能を有することを条件として、ポンプおよび配管などを含む従来公知の任意好適な構成を採用することができる。
気体排出部36は、貯蔵タンク32の頂部、底部、側部等のいずれの領域から貯蔵タンク32の内部の気体を排出することができる態様であってもよい。本実施形態において、気体排出部36は、貯蔵タンク32の頂部から気体を排出することができる機能部であることが好ましい。
本実施形態において、残渣貯蔵装置30は、冷却水供給部38を備えていてもよい。冷却水供給部38は、貯蔵タンク32内に貯蔵された未分解成分を含む残渣に冷却水(水)を直接的に接触させて冷却するために、貯蔵タンク32内に冷却水を供給することができる機能部である。
冷却水供給部38は、貯蔵タンク32に冷却水を供給できることを条件として、ポンプおよび配管などを含む従来公知の任意好適な構成を採用することができる。
本実施形態の再生システム1によれば、上記の構成を有する冷却部32Aと不活性ガス供給部34と気体排出部36とを有しているか、または冷却水供給部38を有しているため、残渣貯蔵装置30において、未分解成分を含む残渣をより安全に貯蔵することができ、さらには残渣貯蔵装置30における意図しない発火爆発をより効果的に防止することができる。
(5)ガス処理装置
本実施形態において、再生システム1は、熱分解装置10のガス抜き出し部14に連結管(配管)により連結されているガス処理装置40を備えている。ガス処理装置40は、熱分解装置10に投入されたスクラップが熱分解されて生成した(メタ)アクリル酸メチルを含むガスであって、ガス抜き出し部14から抜き出されたガスを処理するための機能部である。
本実施形態において、ガス処理装置40としては、熱分解装置10による熱分解工程により生成しうるガスの組成、温度等を勘案して決定される必要な処理に対応して選択された従来公知の任意好適な装置を適用することができる。
ガス処理装置40としては、例えば、熱分解装置10から抜き出されたガスを精製するための精製器、熱分解装置10から抜き出されたガスを冷却するための冷却器、不純物を吸着除去するための吸着器などが挙げられる。本実施形態において、ガス処理装置40としては、精製器および冷却器からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むガス処理装置を適用することが好ましい。
2.再生方法
本実施形態の(メタ)アクリル酸メチルの再生方法は、既に説明した再生システム1を用いる(メタ)アクリル酸メチルの再生方法であって、熱分解装置10によりスクラップを熱分解して(メタ)アクリル酸メチルを含むガスおよび未分解成分を含む残渣を生成する熱分解工程と、熱分解装置10のガス抜き出し部14からガスを抜き出して回収する回収工程と、熱分解装置10の残渣排出部16から熱分解工程により生成した未分解成分を含む残渣を排出して残渣貯蔵装置30に導入して、残渣貯蔵装置30に導入された未分解成分を含む残渣を冷却部32Aにより冷却しつつ貯蔵する貯蔵工程とを含む、(メタ)アクリル酸メチルの再生方法である。
なお、本実施形態の再生方法により再生され回収される(メタ)アクリル酸メチル(再生(メタ)アクリル酸メチルまたは回収(メタ)アクリル酸メチルという場合がある。)には、イソ酪酸メチル、プロピオン酸メチル、アクリル酸メチルといった不純物が不可避的に含まれうる。このような不純物を含みうる(精製工程等の実施前の)再生(メタ)アクリル酸メチルを(メタ)アクリル酸メチル生成物という場合がある。
以下、本実施形態の(メタ)アクリル酸メチルの再生方法に含まれる工程について具体的に説明する。
(1)熱分解工程
熱分解工程は、熱分解装置10によりスクラップを熱分解(解重合)して(メタ)アクリル酸メチルを含むガスおよび未分解成分を含む残渣を生成する工程である。
なお、ここでは熱分解装置10として押出機を採用した例を想定して説明する。
本実施形態において、熱分解工程の実施条件(例えば、シリンダ温度(℃)、スクリュー回転数(rpm)、スクラップ供給量(原料供給速度)(kg/時間))は特に限定されない。熱分解工程の実施条件は、例えば、処理対象のスクラップの性状、組成等を考慮して、任意好適な実施条件とすることができる。
本実施形態の熱分解工程における圧力は、空気の系内への漏れ込み防止および分解ガスの系外への漏洩防止の観点から、好ましくは0.005MPa~1.5MPaであり、より好ましくは0.01MPa~0.3MPaである。
本実施形態の熱分解工程におけるシリンダ温度は、通常400℃~500℃とすればよく、例えばスクラップが純粋なポリ(メタ)アクリル酸メチルである場合には、好ましくは450℃~470℃である。
本実施形態の熱分解工程におけるスクリュー回転数は、通常500rpm~1500rpmとすればよく、例えばスクラップが純粋なポリ(メタ)アクリル酸メチルである場合には、好ましくは500rpm~1000rpmである。
本実施形態の熱分解工程におけるスクラップ供給量は、シリンダー径によって異なり、通常10kg/時間~5000kg/時間とすればよく、例えばシリンダー径が47mmである場合には、好ましくは40kg/時間~90kg/時間である。
(2)回収工程
回収工程は、熱分解装置10のガス抜き出し部14からガスを抜き出して回収する回収工程である。
本実施形態において、回収工程は、既に説明したガス処理装置40(例えば、精製器、冷却器)による任意好適な処理工程(例えば、精製工程、濃縮工程)を含んでいてもよい。
本実施形態において、回収工程(ガス処理装置40による処理工程を含む。)の実施条件は特に限定されない。回収工程の実施条件は、例えば、熱分解装置10のガス抜き出し部14から抜き出されるガスの性状、組成、温度等を考慮して、任意好適な実施条件とすることができる。
(3)貯蔵工程
貯蔵工程は、熱分解装置10の残渣排出部16から熱分解工程により生成した未分解成分を含む残渣を排出して残渣貯蔵装置30に導入して、残渣貯蔵装置30に導入された未分解成分を含む残渣を冷却部32Aにより冷却しつつ貯蔵する工程である。
本実施形態の貯蔵工程は、冷却部32Aによる未分解成分を含む残渣((メタ)アクリル酸メチルなどの熱分解により生成した成分を含みうる。)の冷却を、未分解成分を含む残渣の発火点の温度を下回る温度まで冷却できる条件として行われる。具体的には、例えば、本実施形において想定される「未分解成分を含む残渣の発火点の温度」は430℃程度であるので、この温度を下回るように冷却部32Aによる冷却条件(媒体の温度、流速等)を調整すればよい。
本実施形態において、貯蔵工程は、貯蔵タンク32に不活性ガス供給部34により不活性ガスを供給し、貯蔵タンク32外に気体排出部36により気体を排出しつつ行われるか、または、残渣貯蔵タンク32内に冷却水供給部38により冷却水を供給して行う工程であることが好ましい。
不活性ガス供給部34による不活性ガスの供給条件、または冷却水供給部38による冷却水の供給条件は、貯蔵タンク32に導入される「未分解成分を含む残渣」の性状、組成、温度、量、さらには貯蔵タンク32の形状、サイズ等を勘案して決定すればよく、未分解成分を含む残渣の発火点の温度まで冷却できることを条件として、特に限定されない。
既に説明した連結管20が、未分解成分を含む残渣を流通させる管部22と熱分解装置10から導出された未分解成分を含む残渣を冷却するための温度調節部24とを含む場合には、貯蔵工程は、温度調節部24により前記連結管を流通する未分解成分を含む残渣の温度を、未分解成分を含む残渣の軟化点以上かつ発火点未満の温度に調節しつつ行われる工程である。
具体的には、例えば、本実施形態において想定される「未分解成分を含む残渣の軟化点の温度」は200℃程度であるのでこの温度以上の温度となるように、かつ「未分解成分を含む残渣の発火点の温度」は上述のとおり430℃程度であるので、この温度を下回るように冷却部32Aによる冷却条件(媒体の温度、流速等)を調整しつつ未分解成分を含む残渣の熱分解装置10からの導出を行えばよい。
本実施形態の(メタ)アクリル酸メチルの再生方法によれば、貯蔵装置30において、未分解成分を含む残渣を貯蔵するにあたり、貯蔵タンク32内に不活性ガスを流通させ、さらには未分解成分を含む残渣を発火点の温度を下回る温度となるように冷却するので、熱分解装置により熱分解されて生成した未分解成分を含む残渣に起因する発火爆発、さらには熱分解装置から導出する場合における流通経路の閉塞を効果的に防止して、より安全にかつ効率的に(メタ)アクリル酸メチルの再生を行うことができる。
1 再生システム
10 熱分解装置
11 熱分解部
12 投入部
14 ガス抜き出し部
16 残渣排出部
20 連結管
22 管部
24 温度調節部
30 残渣貯蔵装置
32 貯蔵タンク
32A 冷却部
34 不活性ガス供給部
36 気体排出部
38 冷却水供給部
40 ガス処理装置

Claims (17)

  1. (メタ)アクリル系重合体を含む(メタ)アクリル系重合体組成物を成形した成形体のスクラップから(メタ)アクリル酸メチルを再生する再生システムであって、
    前記スクラップを熱分解して(メタ)アクリル酸メチルを含むガスおよび未分解成分を含む残渣を生成する熱分解装置と、
    前記熱分解装置に接続されており、該熱分解装置から導出された未分解成分を含む残渣を貯蔵する残渣貯蔵装置とを備え、
    前記熱分解装置は、前記スクラップを投入するための投入部と、(メタ)アクリル樹脂組成物が熱分解されて生成したガスを抜き出すガス抜き出し部と、未分解成分を含む残渣を残渣貯蔵装置に排出するための残渣排出部とを有しており、
    前記残渣貯蔵装置が、前記残渣排出部と連結管により接続されている貯蔵タンクと、該貯蔵タンクの外表面に接触するように設けられており、貯蔵されている未分解成分を含む残渣を冷却するための冷却部と、前記貯蔵タンクに接続されており、前記貯蔵タンク内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、前記貯蔵タンクに接続されており、前記貯蔵タンク外に気体を排出するための気体排出部とを有しているか、または、前記貯蔵タンクに接続されており、前記貯蔵タンク内に冷却水を供給するための冷却水供給部を有している、再生システム。
  2. 前記残渣貯蔵装置が、前記冷却部と前記不活性ガス供給部と前記気体排出部とを有している、請求項1に記載の再生システム。
  3. 前記熱分解装置が、押出機、ニーダーまたは流動床加熱機である、請求項1または2に記載の再生システム。
  4. 前記熱分解装置が押出機である、請求項3に記載の再生システム。
  5. 前記冷却部が、内部に冷媒体を流通させることができるジャケットを含む、請求項1または2に記載の再生システム。
  6. 前記冷媒体が水である、請求項5に記載の再生システム。
  7. 前記不活性ガス供給部が、前記貯蔵タンクの頂部から不活性ガスを供給することができる機能部であり、
    前記気体排出部が、前記貯蔵タンクの頂部から気体を排出させることができる機能部である、請求項1または2に記載の再生システム。
  8. 前記不活性ガスが窒素ガスである、請求項1または2に記載の再生システム。
  9. 前記連結管が、未分解成分を含む残渣を流通させる管部と前記熱分解装置から導出された未分解成分を含む残渣を冷却するための温度調節部とを含む、請求項1または2に記載の再生システム。
  10. 前記温度調節部が、未分解成分を含む残渣の軟化点以上かつ発火点未満の温度に前記連結管の温度を調節することができる機能部である、請求項9に記載の再生システム。
  11. 前記温度調節部が、内部に媒体を流通させることができるジャケット、電気ヒーターおよび保温材からなる群から選ばれる少なくとも1つである、請求項9に記載の再生システム。
  12. 前記ジャケットが、水蒸気を熱媒体として用いるジャケットである、請求項11に記載の再生システム。
  13. 前記ジャケットが、水を冷媒体として用いるジャケットである、請求項11に記載の再生システム。
  14. 前記保温材が、ロックウール、グラスウール、珪酸カルシウムおよび撥水性パーライトからなる群から選ばれる少なくとも1つである、請求項11に記載の再生システム。
  15. 請求項1または2に記載の再生システムを用いる、(メタ)アクリル酸メチルの再生方法において、
    前記熱分解装置により前記スクラップを熱分解して(メタ)アクリル酸メチルを含むガスおよび未分解成分を含む残渣を生成する熱分解工程と、
    前記熱分解装置の前記ガス抜き出し部から前記ガスを抜き出して回収する回収工程と、
    前記熱分解装置の前記残渣排出部から前記熱分解工程により生成した未分解成分を含む残渣を排出して前記残渣貯蔵装置に導入して、残渣貯蔵装置に導入された未分解成分を含む残渣を前記冷却部により冷却しつつ貯蔵する貯蔵工程と
    を含む、(メタ)アクリル酸メチルの再生方法。
  16. 前記貯蔵工程が、前記貯蔵タンクに不活性ガス供給部により不活性ガスを供給し、前記貯蔵タンク外に前記気体排出部により気体を排出しつつ行われるか、または、前記残渣貯蔵タンク内に前記冷却水供給部により冷却水を供給して行う工程である、請求項15に記載の再生方法。
  17. 前記連結管が、未分解成分を含む残渣を流通させる管部と前記熱分解装置から導出された未分解成分を含む残渣を冷却するための温度調節部とを含み、
    前記貯蔵工程が、前記温度調節部により前記連結管を流通する未分解成分を含む残渣の温度を、未分解成分を含む残渣の軟化点以上かつ発火点未満の温度に調節しつつ行われる工程である、請求項15に記載の再生方法。
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