JP2024048326A - はく離ライナー付き粘着シート、および、はく離ライナー付き粘着シートの製造方法 - Google Patents

はく離ライナー付き粘着シート、および、はく離ライナー付き粘着シートの製造方法 Download PDF

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【課題】重はく離ライナーの剥離を抑制しつつ軽はく離ライナーを剥離するのに適したはく離ライナー付き粘着シート、および、はく離ライナー付き粘着シートの製造方法を提供する。【解決手段】はく離ライナー付き粘着シートSは、粘着シート10とはく離ライナー20,30を備える。はく離ライナー20は、粘着シート10の第1面11に接する重はく離ライナーである。はく離ライナー30は、粘着シート10の第2面12に接する軽はく離ライナーである。粘着シート10に対するはく離ライナー20の、所定せん断引張試験での最大応力Xは、24N以上である。本発明の製造方法では、積層フィルム(はく離ライナー20/紫外線吸収剤含有の光重合性粘着剤組成物の層/はく離ライナー30)に対するはく離ライナー20側からの紫外線照射により組成物層を光硬化させて粘着シート10を形成する。はく離ライナー20は、組成物層側の表面にビニル基を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、はく離ライナー付き粘着シート、および、はく離ライナー付き粘着シートの製造方法に関する。
ディスプレイパネルは、例えば、画素パネル、偏光フィルム、タッチパネルおよびカバーフィルムなどの要素を含む積層構造を有する。そのようなディスプレイパネルの製造過程では、積層構造に含まれる要素どうしの接合のために、例えば、光学的に透明な粘着シートが用いられる。
粘着シートは、例えば、同シートの両面がはく離ライナーで被覆されたはく離ライナー付き粘着シートの形態で製造される。はく離ライナー付き粘着シートでは、粘着シートの一方の面が軽はく離ライナーで被覆され、粘着シートの他方の面が重はく離ライナーで被覆されている。軽はく離ライナーは、重はく離ライナーよりも、粘着シートから剥離するのに要する力が小さい。粘着シートの使用時には、軽はく離ライナーが重はく離ライナーよりも先に、粘着シートから剥離される。
一方、例えばスマートフォン用およびタブレット端末用に、繰り返し折り曲げ可能(フォルダブル)なディスプレイパネルの開発が進んでいる。フォルダブルディスプレイパネルは、具体的には、屈曲形状とフラットな非屈曲形状との間で、繰り返し変形可能である。このようなフォルダブルディスプレイパネルでは、積層構造中の各要素が、繰り返し折り曲げ可能に作製されている。そのような要素間の接合に、薄い粘着シートが用いられている。フォルダブルディスプレイパネルなどフレキシブルデバイス用の粘着シートについては、例えば下記の特許文献1に記載されている。
特開2018-111754号公報
フレキシブルデバイス用の粘着シートには、デバイス変形時の被着体への充分な追従性と、優れた応力緩和性とを有するように、高度に軟質であることが求められる。しかしながら、はく離ライナー付き粘着シートにおいて粘着シートが柔らかいほど、粘着シートから軽はく離ライナーを剥離する時に、重はく離ライナーの意図しない剥離が生じやすい。
一方、本発明者は、はく離ライナー付き粘着シートに関し、次のような知見を得た。はく離ライナー付き粘着シートは、製造後の例えば保管期間中に、水分を吸収して面方向に僅かに膨張する。はく離ライナー(重はく離ライナー,軽はく離ライナー)は、粘着シートよりも膨張する。粘着シートと重はく離ライナーとでは、寸法変化量が異なる(寸法変化量の相違)。そのため、粘着シートと重はく離ライナーとの間には、当該膨張によって複数の微小な空隙(マイクロボイド)が生じる。すなわち、粘着シートと重はく離ライナーとの間の有効接触面積が低下する。これにより、粘着シートに対する重はく離ライナーの実効的な粘着力が低下する。そのため、粘着シートから軽はく離ライナーを剥離する時の、重はく離ライナーの意図しない剥離が、より生じやすくなる。
本発明は、重はく離ライナーの剥離を抑制しつつ軽はく離ライナーを剥離するのに適した、はく離ライナー付き粘着シート、および、はく離ライナー付き粘着シートの製造方法を、提供する。
本発明[1]は、第1面および当該第1面とは反対側の第2面を有する粘着シートと、前記第1面に剥離可能に接する重はく離ライナーと、前記第2面に剥離可能に接する軽はく離ライナーとを備え、前記粘着シートに対する前記重はく離ライナーの、25℃および引張速度10mm/分の条件でのせん断引張試験における最大応力Xが、24N以上である、はく離ライナー付き粘着シートを含む。
本発明[2]は、前記せん断引張試験における応力5Nから応力10Nまでの平均変化率Y(N/mm)がY≧-1.43X+70を充足する、上記[1]に記載のはく離ライナー付き粘着シートを含む。
本発明[3]は、前記重はく離ライナーの最大長さが20mm以上である、上記[1]または[2]に記載のはく離ライナー付き粘着シートを含む。
本発明[4]は、前記粘着シートから前記重はく離ライナーを剥離するための剥離力F1と、前記粘着シートから前記軽はく離ライナーを剥離するための剥離力F2との差F1-F2が、10gf/25mm以上である、上記[1]から[3]のいずれか一つに記載のはく離ライナー付き粘着シートを含む。
本発明[5]は、前記粘着シートから前記重はく離ライナーを剥離するための剥離力F1と、前記粘着シートから前記軽はく離ライナーを剥離するための剥離力F2との差F1-F2が、500gf/25mm以下である、上記[1]から[4]に記載のはく離ライナー付き粘着シートを含む。
本発明[6]は、前記粘着シートが基材レス粘着シートである、上記[1]から[5]に記載のはく離ライナー付き粘着シートを含む。
本発明[7]は、前記粘着シートが、紫外線吸収剤を含有する光重合性粘着剤組成物の光硬化物である、上記[1]から[6]のいずれか一つに記載のはく離ライナー付き粘着シートを含む。
本発明[8]は、重はく離ライナーと、紫外線吸収剤を含有する光重合性粘着剤組成物の組成物層と、軽はく離ライナーとを厚さ方向にこの順で備える積層フィルムであって、前記重はく離ライナーが前記組成物層側の表面にビニル基を有する積層フィルムを用意する、用意工程と、前記積層フィルムに対して前記重はく離ライナー側から紫外線を照射することにより、前記組成物層を光硬化させて粘着シートを形成する、粘着シート形成工程とを含む、はく離ライナー付き粘着シートの製造方法を含む。
本発明のはく離ライナー付き粘着シートにおいては、上記のように、粘着シートに対する重はく離ライナーの、せん断引張試験(25℃,引張速度10mm/分)における最大応力Xが、24N以上である。このようなはく離ライナー付き粘着シートは、重はく離ライナーの剥離を抑制しつつ軽はく離ライナーを剥離するのに適する。
本発明の製造方法の用意工程では、上記のように、重はく離ライナーと、組成物層と、軽はく離ライナーとを厚さ方向にこの順で備える積層フィルムが用意される。積層フィルムにおいて、組成物層は、紫外線吸収剤を含有する光重合性粘着剤組成物の層であり、重はく離ライナーは、組成物層側の表面にビニル基を有する。粘着シート形成工程では、積層フィルムに対して重はく離ライナー側から紫外線が照射されて組成物層が光硬化される。組成物層を形成する光重合性粘着剤組成物が紫外線吸収剤を含有するため、重はく離ライナー側から組成物層に入射した紫外線は、組成物層において、紫外線吸収剤による吸収に起因して減衰しつつ、軽はく離ライナー側に至る。そのため、当該工程では、組成物層における重はく離ライナーとの界面およびその近傍(界面近傍領域)での重合反応は、界面近傍領域以外での重合反応と比較して、進行しやすい。そして、重はく離ライナーにおける組成物層側の表面のビニル基の少なくとも一部は、界面近傍領域での重合反応に関与し、本工程で形成される粘着シートの表面との化学的な結合を形成する。したがって、本製造方法は、本発明の上述のはく離ライナー付き粘着シート(重はく離ライナーの所定せん断引張試験での最大応力Xが24N以上)を製造するのに適する。
本発明のはく離ライナー付き粘着シートの一実施形態の断面模式図である。 図1に示すはく離ライナー付き粘着シートの端部の部分拡大断面図である。 本発明のはく離ライナーの製造方法の一実施形態の工程図である。 せん断引張試験用の試料の作製方法を表す。 せん断引張試験の結果の一例を表すグラフである。このグラフにおいて、横軸は、重はく離ライナーの面方向(せん断方向)の延び量(mm)を表し、縦軸は、重はく離ライナーの応力を表す。 実施例および比較例のはく離ライナー付き粘着シートについて、せん断引張試験で得られた最大応力X(横軸)および平均変化率Y(縦軸)の測定結果をプロットしたグラフである。
本発明の一実施形態としてのはく離ライナー付き粘着シートSは、図1に示すように、粘着シート10と、はく離ライナー20と、はく離ライナー30とを備える。粘着シート10は、第1面11と、当該第1面11とは反対側の第2面12とを有する。はく離ライナー20は、剥離面21を有する。はく離ライナー20は、剥離面21側で、粘着シート10の第1面11に剥離可能に接している。はく離ライナー30は、剥離面31を有する。はく離ライナー30は、剥離面31側で、粘着シート10の第2面12に剥離可能に接している。すなわち、はく離ライナー付き粘着シートSは、はく離ライナー20と、粘着シート10と、はく離ライナー30とを、厚さ方向Hに順に備える。はく離ライナー付き粘着シートSは、厚さ方向Hと直交する方向(面方向D)に広がる。
粘着シート10は、本実施形態では、光学的に透明な粘着シート(光学粘着シート)である。粘着シート10は、本実施形態では、基材レス粘着シートである。また、粘着シート10は、例えば、フレキシブルデバイスにおける光通過箇所に配置される粘着シートである。フレキシブルデバイスとしては、例えば、フレキシブルディスプレイパネルが挙げられる。フレキシブルディスプレイパネルは、例えば、画素パネル、偏光フィルム、タッチパネルおよびカバーフィルムなどの要素を含む積層構造を有する。粘着シート10は、例えば、フレキシブルディスプレイパネルの製造過程において、積層構造に含まれる要素どうしの接合に、用いられる。
はく離ライナー20は、粘着シート10から剥離するのに要する力が相対的に大きな重はく離ライナーであり、はく離ライナー30は、粘着シート10から剥離するのに要する力が相対的に小さな軽はく離ライナーである。具体的には、25℃、剥離角度180°および引張速度300mm/分の条件で粘着シート10から剥離される剥離試験において、はく離ライナー20は、はく離ライナー30よりも、剥離力が大きい。当該剥離力の測定方法は、より具体的には、実施例に関して後述するとおりである。はく離ライナー30(軽はく離ライナー)およびはく離ライナー20(重はく離ライナー)は、この順で、粘着シート10を使用する際に粘着シート10から剥離される。
粘着シート10に対するはく離ライナー20の、25℃および引張速度10mm/分の条件でのせん断引張試験における最大応力Xは、24N以上である。せん断引張試験では、はく離ライナー20は、粘着シート10に対して面方向Dに引っ張られる。また、せん断引張試験では、粘着シート10における20mm×20mmのサイズの粘着シート片について、応力が測定される。せん断引張試験の方法は、具体的には、実施例に関して後述するとおりである。はく離ライナー20の最大応力Xの調整方法としては、例えば、粘着シート10におけるベースポリマーの種類の選択、分子量の調整、および配合量の調整が挙げられる。ベースポリマーの種類の選択には、ベースポリマーを形成するモノマーの組成の調整が含まれる。最大応力Xの調整方法としては、粘着シート10におけるベースポリマー以外の成分の種類の選択、および、当該成分の配合量の調整も挙げられる。当該成分としては、架橋剤、紫外線吸収剤、およびシランカップリング剤が挙げられる。
はく離ライナー付き粘着シートSにおいて、はく離ライナー20の上記最大応力Xが24N以上であることは、例えば保管期間中に、はく離ライナー20が水分を吸収して面方向Dに膨張する場合に、その膨張に粘着シート10を追従させて、粘着シート10とはく離ライナー20との間のマイクロボイドの発生を抑制するのに適する。マイクロボイドの抑制により、粘着シート10とはく離ライナー20との間の、有効接触面積の低下が抑制され、粘着力の低下が抑制される。したがって、上記最大応力Xが24N以上であることは、図2において仮想線で示すようにはく離ライナー30を粘着シート10から剥離する時に、粘着シート10からのはく離ライナー20の剥離を抑制するのに適する。すなわち、上記最大応力Xが24N以上であることは、粘着シート10からのはく離ライナー20の剥離を抑制しつつ、粘着シート10からはく離ライナー30を剥離するのに適する。具体的には、後記の実施例および比較例をもって示すとおりである。はく離ライナー30の剥離時におけるはく離ライナー20の剥離抑制の観点から、最大応力Xは、好ましくは28N以上、より好ましくは32N以上、更に好ましくは36N以上、特に好ましくは40N以上である。最大応力Xは、例えば、60N以下、55N以下または50N以下である。
はく離ライナー20の、上記せん断引張試験における応力5Nから応力10Nまでの平均変化率Y(N/mm)は、好ましくは、Y≧-1.43X+70を充足する。平均変化率Yは、粘着シート10に対するはく離ライナー20のせん断方向(面方向D)の寸法変化に抗する力(粘着シート10とはく離ライナー20との間の界面密着力)の指標となる。平均変化率Yが、Y≧-1.43X+70を充足する程度に大きいことは、上述のマイクロボイドの発生が抑制されていることを意味すると考えられる。このような構成は、粘着シート10からのはく離ライナー20の剥離を抑制しつつ、粘着シート10からはく離ライナー30を剥離するのに好ましい。具体的には、後記の実施例および比較例をもって示すとおりである。
平均変化率Yは、上述のマイクロボイドの発生を抑制してはく離ライナー30剥離時のはく離ライナー20の剥離を抑制する観点から、好ましくは10N/mm以上、より好ましくは20N/mm以上、更に好ましくは24N/mm以上である。また、平均変化率Y(N/mm)は、はく離ライナー20の易剥離性を確保する観点から、好ましくは、Y≦-1.43X+150を充足し、好ましくは100N/mm以下、より好ましくは90N/mm以下、更に好ましくは80N/mm以下である。
はく離ライナー20の最大長さ(平面視における最大長さ)は、ディスプレイパネルなどの被着体の大型化に対応する観点から、好ましくは20mm以上、より好ましくは50mm以上、更に好ましくは100mm以上、特に好ましくは200mm以上である。はく離ライナー20の最大長さは、例えば、200cm以下、150cm以下、または100cm以下である。
粘着シート10からはく離ライナー20(重はく離ライナー)を剥離するための剥離力F1は、粘着シート10からのはく離ライナー20の意図しない剥離を抑制する観点から、好ましくは0.1gf/25mm以上、より好ましくは1gf/25mm以上、更に好ましくは5gf/25mm以上である。剥離力F1は、粘着シート10からのはく離ライナー20の剥離しやすさを確保する観点から、好ましくは300gf/25mm以下、より好ましくは200gf/25mm以下、更に好ましくは100gf/25mm以下である。剥離力F1は、はく離ライナー20を粘着シート10から剥離する剥離試験を、測定温度25℃、剥離角度180°および引張速度300mm/分の条件で実施して測定される値である。剥離力F1の測定方法は、具体的には、実施例に関して後述するとおりである。剥離力F1の調整方法としては、例えば、粘着シート10におけるベースポリマーの種類の選択、分子量の調整、および配合量の調整が挙げられる。剥離力F1の調整方法としては、粘着シート10におけるベースポリマー以外の成分の種類の選択、および、当該成分の配合量の調整も挙げられる。当該成分としては、架橋剤、紫外線吸収剤、およびシランカップリング剤が挙げられる。これらの調整方法は、後記の剥離力F2についても同様である。また、剥離力F1の調整方法としては、はく離ライナー20の剥離面21を形成する材料の種類の選択も挙げられる。
粘着シート10からはく離ライナー30(軽はく離ライナー)を剥離するための剥離力F2は、粘着シート10からのはく離ライナー30の意図しない剥離を抑制する観点から、好ましくは0.001gf/25mm以上、より好ましくは0.01gf/25mm以上、更に好ましくは0.1gf/25mm以上である。剥離力F2は、はく離ライナー30の軽はく離ライナーとしての軽剥離性を確保する観点から、好ましくは10gf/25mm以下、より好ましくは7gf/25mm以下、更に好ましくは5gf/25mm以下である。剥離力F2は、はく離ライナー30を粘着シート10から剥離する剥離試験を、測定温度25℃、剥離角度180°および引張速度300mm/分の条件で実施して測定される値である。剥離力F2の測定方法は、具体的には、実施例に関して後述するとおりである。剥離力F2の調整方法としては、はく離ライナー30の剥離面31を形成する材料の種類の選択が挙げられる。
剥離力F1と剥離力F2との差F1-F2は、はく離ライナー30剥離時のはく離ライナー20の剥離を抑制する観点から、好ましくは10gf/25mm以上、より好ましくは20gf/25mm以上、更に好ましくは30gf/25mm以上である。差F1-F2は、粘着シート10からのはく離ライナー20,30の剥離性をバランスよく確保する観点から、好ましくは500gf/25mm以下、より好ましくは300gf/25mm以下、更に好ましくは200gf/25mm以下である。
剥離力F2に対する剥離力F1の比率(F1/F2)は、はく離ライナー30剥離時のはく離ライナー20の剥離を抑制する観点から、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.2以上、更に好ましくは1.3以上である。
粘着シート10の25℃でのせん断貯蔵弾性率は、粘着シート10の軟質性を確保する観点から、好ましくは1MPa以下、より好ましくは500kPa以下、更に好ましくは300kPa以下、一層好ましくは200kPa以下、より一層好ましくは180kPa以下、特に好ましくは150kPa以下である。粘着シート10の25℃でのせん断貯蔵弾性率は、粘着シート10の凝集力を確保する観点から、好ましくは5kPa以上、より好ましくは10kPa以上、更に好ましくは15kPa以上、特に好ましくは20kPa以上である。粘着シートのせん断貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定装置によって測定できる。動的粘弾性測定装置としては、例えば、Rheometric Scientific社製の「Advanced Rheometric Expansion System」、および、TA Instruments社製の「ARES-G2」を使用できる。測定においては、測定モードをせん断モードとし、測定温度範囲を-50℃~150℃とし、昇温速度を5℃/分とし、周波数を1Hzとする。せん断貯蔵弾性率の測定方法は、具体的には、実施例に関して後述するとおりである。
はく離ライナー20は、例えば、可撓性を有する透明な樹脂フィルムである。はく離ライナー20の材料としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリアリレート樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、およびポリスチレン樹脂が挙げられる。ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、およびポリエチレンナフタレートが挙げられる。ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびシクロオレフィンポリマー(COP)が挙げられる。はく離ライナー20の材料としては、透明性および強度の観点から、好ましくは、ポリエステル樹脂が用いられ、より好ましくはPETが用いられる。
はく離ライナー20の剥離面21は、剥離処理剤によって剥離処理されていてもよい。剥離処理としては、例えば、シリコーン剥離処理、長鎖アルキルアクリレート剥離処理、およびフッ素剥離処理が挙げられる。剥離処理としては、粘着シート10からの剥離力の調整容易性の観点から、シリコーン剥離処理が好ましい。
はく離ライナー20の厚さは、粘着シート10に対する保護機能の確保の観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、更に好ましくは20μm以上である。はく離ライナー20の厚さは、取り扱い性の観点から、好ましくは200μm以下、より好ましくは150μm以下、更に好ましくは100μm以下である。はく離ライナー20の厚さは、好ましくは、はく離ライナー30の厚さよりも大きい。
はく離ライナー20の剥離面21が、ビニル基を有する後述のシリコーン樹脂の硬化物層(シリコーン剥離層)によって形成されている場合、当該硬化物層の厚さは、同層材料が粘着シート10に転写することを抑制する観点から、好ましくは0.20μm以下、より好ましくは0.15μm以下、更に好ましくは0.10μm以下である。前記硬化物層の厚さは、はく離ライナー20の軽剥離性の観点から、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.07μm以上、更に好ましくは0.09μm以上である。
はく離ライナー20は、本実施形態では、延出端部20aを有する。延出端部20aは、面方向Dにおいて、粘着シート10の端縁13から外方に延出している。面方向D(平面視において端縁13に対して直交する方向)における延出端部20aの端縁13からの延出長さd1は、粘着シート10からはく離ライナー20を剥離するときの剥離しやすさを確保する観点から、好ましくは50μm以上、より好ましくは70μm以上、更に好ましくは100μm以上である。延出長さd1は、使用材料のロスの低減の観点からは、好ましくは100mm以下、より好ましくは70mm以下、更に好ましくは50mm以下である。
はく離ライナー30は、可撓性を有する透明な樹脂フィルムである。はく離ライナー30の材料としては、例えば、はく離ライナー20の材料として上記した材料が挙げられる。はく離ライナー30の材料としては、透明性および強度の観点から、好ましくは、ポリエステル樹脂が用いられ、より好ましくはPETが用いられる。
はく離ライナー30の剥離面31は、本実施形態では、剥離処理剤によって剥離処理されている。剥離処理としては、例えば、シリコーン剥離処理、長鎖アルキルアクリレート剥離処理、およびフッ素剥離処理が挙げられる。剥離処理としては、粘着シート10からの剥離力の調整容易性の観点から、シリコーン剥離処理が好ましい。はく離ライナー30に対する剥離処理は、はく離ライナー30の剥離力F2がはく離ライナー20の剥離力F1より小さくなるように、実施される。
はく離ライナー30の厚さは、粘着シート10に対する保護機能の確保の観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、更に好ましくは20μm以上である。はく離ライナー30の厚さは、取り扱い性の観点から、好ましくは200μm以下、より好ましくは150μm以下、更に好ましくは100μm以下である。
はく離ライナー30は、本実施形態では、延出端部30aを有する。延出端部30aは、面方向Dにおいて、粘着シート10の端縁13から外方に延出している。面方向D(平面視において端縁13に対して直交する方向)における延出端部30aの端縁13からの延出長さd2は、粘着シート10からはく離ライナー30を剥離するときの剥離しやすさを確保する観点から、好ましくは50μm以上、より好ましくは70μm以上、更に好ましくは100μm以上である。延出長さd2は、使用材料のロスの低減の観点から、好ましくは100mm以下、より好ましくは70mm以下、更に好ましくは50mm以下である。延出長さd2は、粘着シート10からのはく離ライナー30の剥離時にはく離ライナー20の剥離を抑制する観点から、好ましくは、上述の延出長さd1よりも長い。粘着シート10からのはく離ライナー30の剥離時にはく離ライナー20の剥離を抑制する観点から、延出長さd2と延出長さd1との差d2-d1は、好ましくは100μm以上、より好ましくは500μm以上、更に好ましくは1000μm以上である。差d2-d1は、例えば50mm以下である。
粘着シート10は、粘着剤組成物から形成されたシート状の感圧接着剤である。粘着シート10(粘着剤組成物)は、少なくともベースポリマーを含む。
ベースポリマーは、粘着シート10において粘着性を発現させる粘着成分である。ベースポリマーとしては、例えば、アクリルポリマー、シリコーンポリマー、ポリエステルポリマー、ポリウレタンポリマー、ポリアミドポリマー、ポリビニルエーテルポリマー、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー、変性ポリオレフィンポリマー、エポキシポリマー、フッ素ポリマー、およびゴムポリマーが挙げられる。ベースポリマーは、単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。粘着シート10における良好な透明性および粘着性を確保する観点から、ベースポリマーとしては、好ましくはアクリルポリマーが用いられる。
アクリルポリマーは、(メタ)アクリル酸エステルを50質量%以上の割合で含むモノマー成分の共重合体である。「(メタ)アクリル」は、アクリルおよび/またはメタクリルを意味する。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、好ましくは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが用いられ、より好ましくは、アルキル基の炭素数が1~20である(メタ)アクリル酸アルキルエステルが用いられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、直鎖状または分岐状のアルキル基を有してもよく、脂環式アルキル基など環状のアルキル基を有してもよい。
直鎖状または分岐状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸イソトリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸イソテトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、および(メタ)アクリル酸ノナデシルが挙げられる。
脂環式アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、二環式の脂肪族炭化水素環を有する(メタ)アクリル酸エステル、および、三環以上の脂肪族炭化水素環を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘプチル、および(メタ)アクリル酸シクロオクチルが挙げられる。二環式の脂肪族炭化水素環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸イソボルニルが挙げられる。三環以上の脂肪族炭化水素環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロペンタニル(メタ)アクリレート、1-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-メチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、および、2-エチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、好ましくは、炭素数3~15のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルが用いられ、より好ましくは、アクリル酸n-ブチル(BA)、アクリル酸2-エチルヘキシル(2EHA)、アクリル酸イソステアリル(ISTA)、およびアクリル酸シクロヘキシル(CHA)からなる群より選択される少なくとも一つが用いられる。
モノマー成分における(メタ)アクリル酸アルキルエステルの割合は、粘着シート10において粘着性等の基本特性を適切に発現させる観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、特に好ましくは85質量%以上である。同割合は、例えば99質量%以下である。
モノマー成分は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な共重合性モノマーを含んでもよい。共重合性モノマーとしては、例えば、極性基を有するモノマーが挙げられる。極性基含有モノマーとしては、例えば、ヒドロキシ基含有モノマー、カルボキシ基含有モノマー、および窒素原子含有環を有するモノマーが挙げられる。極性基含有モノマーは、アクリルポリマーへの架橋点の導入、アクリルポリマーの凝集力の確保など、アクリルポリマーの改質に役立つ。
ヒドロキシ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6-ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8-ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10-ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12-ヒドロキシラウリル、および(4-ヒドロキシメチルシクロへキシル)メチル(メタ)アクリレートが挙げられる。ヒドロキシ基含有モノマーとしては、好ましくは、アクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEA)およびアクリル酸4-ヒドロキシブチル(4HBA)からなる群より選択される少なくとも一つが用いられる。
モノマー成分におけるヒドロキシ基含有モノマーの割合は、アクリルポリマーへの架橋構造の導入、および、粘着シートにおける凝集力の確保の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上である。同割合は、アクリルポリマーの極性(粘着シートにおける各種添加剤成分とアクリルポリマーとの相溶性に関わる)の調整の観点から、好ましくは35質量%以下、より好ましくは32質量%以下である。
カルボキシ基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、およびイソクロトン酸が挙げられる。
モノマー成分におけるカルボキシ基含有モノマーの割合は、アクリルポリマーへの架橋構造の導入、粘着シートにおける凝集力の確保、および、粘着シートにおける対被着体密着力の確保の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは0.8質量%以上である。同割合は、アクリルポリマーのガラス転移温度の調整、および、酸による被着体の腐食リスクの回避の観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。
窒素原子含有環を有するモノマーとしては、例えば、N-ビニル-2-ピロリドン、N-メチルビニルピロリドン、N-ビニルピリジン、N-ビニルピペリドン、N-ビニルピリミジン、N-ビニルピペラジン、N-ビニルピラジン、N-ビニルピロール、N-ビニルイミダゾール、N-ビニルオキサゾール、N-(メタ)アクリロイル-2-ピロリドン、N-(メタ)アクリロイルピペリジン、N-(メタ)アクリロイルピロリジン、N-ビニルモルホリン、N-ビニル-3-モルホリノン、N-ビニル-2-カプロラクタム、N-ビニル-1,3-オキサジン-2-オン、N-ビニル-3,5-モルホリンジオン、N-ビニルピラゾール、N-ビニルイソオキサゾール、N-ビニルチアゾール、およびN-ビニルイソチアゾールが挙げられる。窒素原子含有環を有するモノマーとしては、好ましくはN-ビニル-2-ピロリドン(NVP)が用いられる。
モノマー成分における、窒素原子含有環を有するモノマーの割合は、粘着シートにおける凝集力の確保、および、粘着シートにおける対被着体密着力の確保の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上である。同割合は、アクリルポリマーのガラス転移温度の調整、および、アクリルポリマーの極性(粘着シートにおける各種添加剤成分とアクリルポリマーとの相溶性に関わる)の調整の観点から、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。
モノマー成分は、他の共重合性モノマーを含んでいてもよい。他の共重合性モノマーとしては、例えば、酸無水物モノマー、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、アルコキシ基含有モノマー、および芳香族ビニル化合物が挙げられる。これら他の共重合性モノマーは、単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。
ベースポリマーは、例えば、上述のモノマー成分を光重合させることによって形成できる。光重合としては、例えば、紫外線照射による光重合が挙げられる。重合の開始剤としては、光重合開始剤が用いられる。
光重合開始剤としては、例えば、ラジカル光重合開始剤、カチオン光重合開始剤、およびアニオン光重合開始剤が挙げられる。
ラジカル光重合開始剤としては、例えば、アシルホスフィンオキサイド光重合開始剤、ベンゾインエーテル光重合開始剤、アセトフェノン光重合開始剤、α-ケトール光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド光重合開始剤、光活性オキシム光重合開始剤、およびベンゾイン光重合開始剤が挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド光重合開始剤としては、例えば、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-2,4-ジ-n-ブトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、および、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキサイドが含まれる。ベンゾインエーテル光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、および2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オンが挙げられる。アセトフェノン光重合開始剤としては、例えば、2,2-ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、および4-(t-ブチル)ジクロロアセトフェノンが挙げられる。α-ケトール光重合開始剤としては、例えば、2-メチル-2-ヒドロキシプロピオフェノン、および1-[4-(2-ヒドロキシエチル)フェニル]-2-メチルプロパン-1-オンが挙げられる。芳香族スルホニルクロリド光重合開始剤としては、例えば2-ナフタレンスルホニルクロリドが挙げられる。光活性オキシム光重合開始剤としては、例えば1-フェニル-1,1-プロパンジオン-2-(o-エトキシカルボニル)-オキシムが挙げられる。ベンゾイン光重合開始剤としては、例えばベンゾインが挙げられる。光重合開始剤は、単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。
光重合開始剤の使用量(複数の光重合開始剤を使用する場合は複数の光重合開始剤の総量)は、モノマー成分100質量部に対して、例えば0.05質量部以上、好ましくは0.10質量部以上、より好ましくは0.15質量部以上、更に好ましくは0.20質量部以上であり、また、例えば1質量部以下、好ましくは0.80質量部以下、より好ましくは0.70質量部以下、更に好ましくは0.60質量部以下である。
アクリルポリマーは、他の重合方法によって重合させてもよい。他の重合方法としては、例えば、溶液重合、塊状重合、および乳化重合が挙げられる。溶液重合の溶媒としては、例えば、酢酸エチルおよびトルエンが用いられる。また、重合の開始剤としては、熱重合開始剤および上記の光重合開始剤を用いてもよい。重合開始剤の使用量は、モノマー成分100質量部に対して、例えば0.05質量部以上であり、また、例えば1質量部以下である。
熱重合開始剤としては、例えば、アゾ重合開始剤および過酸化物重合開始剤が挙げられる。アゾ重合開始剤としては、例えば、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス-2-メチルブチロニトリル、2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4'-アゾビス-4-シアノバレリアン酸、アゾビスイソバレロニトリル、2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2'-アゾビス[2-(5-メチル-2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、および、2,2'-アゾビス(N,N'-ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロライドが挙げられる。過酸化物重合開始剤としては、例えば、ジベンゾイルペルオキシド、t-ブチルペルマレエ-ト、および過酸化ラウロイルが挙げられる。
ベースポリマーは、好ましくは、架橋構造を有する。ベースポリマーへの架橋構造の導入方法としては、例えば、次の第1の方法および第2の方法が挙げられる。第1の方法では、架橋剤と反応可能な官能基を有するベースポリマーと架橋剤とを粘着剤組成物に配合し、ベースポリマーと架橋剤とを粘着シート中で反応させる。第2の方法では、ベースポリマーを形成するモノマー成分に多官能モノマー等の多官能化合物を含め、当該モノマー成分の重合により、ポリマー鎖に分枝構造(架橋構造)が導入されたベースポリマーを形成する。これら方法は、併用されてもよい。
上記第1の方法で用いられる架橋剤としては、例えば、ベースポリマーに含まれる官能基(ヒドロキシ基およびカルボキシ基など)と反応する化合物が挙げられる。そのような架橋剤としては、例えば、イソシアネート架橋剤、過酸化物架橋剤、エポキシ架橋剤、オキサゾリン架橋剤、アジリジン架橋剤、カルボジイミド架橋剤、および金属キレート架橋剤が挙げられる。架橋剤は、単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。架橋剤としては、ベースポリマーにおけるヒドロキシ基およびカルボキシ基との反応性が高くて架橋構造の導入が容易であることから、好ましくは、イソシアネート架橋剤、過酸化物架橋剤、およびエポキシ架橋剤が用いられる。
イソシアネート架橋剤としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、およびポリメチレンポリフェニルイソシアネートが挙げられる。また、イソシアネート架橋剤としては、これらイソシアネートの誘導体も挙げられる。当該イソシアネート誘導体としては、例えば、イソシアヌレート変性体およびポリオール変性体が挙げられる。イソシアネート架橋剤の市販品としては、例えば、コロネートL(トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体,東ソー製)、コロネートHL(へキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体,東ソー製)、コロネートHX(ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体,東ソー製)、タケネートD110N(キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体,三井化学製)、および、タケネート600(1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン,三井化学製)が挙げられる。
過酸化物架橋剤としては、ジベンゾイルパーオキシド、ジ(2-エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ-sec-ブチルパーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ヘキシルパーオキシピバレート、およびt-ブチルパーオキシピバレートが挙げられる。
エポキシ架橋剤としては、ビスフェノールA、エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジアミングリシジルアミン、N,N,N',N'-テトラグリシジル-m-キシリレンジアミン、および1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンが挙げられる。
イソシアネート架橋剤(特に、二官能のイソシアネート架橋剤)および過酸化物架橋剤は、粘着シート10の柔軟性の確保の観点から好ましい。イソシアネート架橋剤(特に、三官能のイソシアネート架橋剤)は、粘着シート10の耐久性確保の観点から好ましい。ベースポリマーにおいて、二官能イソシアネート架橋剤および過酸化物架橋剤は、より柔軟な二次元架橋を形成するのに対し、三官能イソシアネート架橋剤は、より強固な三次元架橋を形成する。粘着シート10の耐久性と柔軟性との両立の観点からは、三官能イソシアネート架橋剤と、過酸化物架橋剤および/または二官能イソシアネート架橋剤との併用が、好ましい。
第1の方法における架橋剤の配合量は、粘着シート10の凝集力を確保する観点から、ベースポリマー100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上であり、より好ましくは0.02質量部以上、更に好ましくは0.05質量部以上である。第1の方法における架橋剤の配合量は、粘着シート10において良好なタック性を確保する観点から、ベースポリマー100質量部に対して、好ましくは3質量部以下であり、より好ましくは1質量部以下、更に好ましくは0.5質量部以下である。
上記第2の方法では、単官能モノマーと、架橋構造を導入するための多官能モノマー等の多官能化合物とは、一度で重合させてもよいし、多段階で重合させてもよい。多段階重合の方法では、まず、単官能モノマーを重合させ(予備重合)、これによって部分重合物(低重合度の重合物と未反応のモノマーとの混合物)を含有するプレポリマー組成物を調製する。次に、プレポリマー組成物に、架橋剤としての多官能化合物(多官能モノマーであってもよい)を添加した後、部分重合物と多官能化合物とを重合させる(本重合)。
多官能化合物としては、例えば、エチレン性不飽和二重結合を1分子中に2個以上含有する、多官能モノマーおよび多官能オリゴマーが、挙げられる。多官能モノマーとしては、多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートとしては、二官能(メタ)アクリレート、三官能(メタ)アクリレート、および、四官能以上の多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
二官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(BPAEODE)、およびネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
三官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、およびトリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートが挙げられる。
四官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、およびジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
多官能オリゴマーとしては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリオール(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、および、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
第2の方法における架橋剤としての多官能化合物は、単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。多官能化合物としては、好ましくは、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、および、ウレタンアクリレートオリゴマー(UAO)からなる群から選択される少なくとも一つが用いられる。
多官能化合物として多官能モノマーを用いる場合、モノマー成分における多官能モノマーの配合量は、粘着シート10の凝集力を確保する観点から、単官能モノマー100質量部あたり、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.02質量部以上、更に好ましくは0.05質量部以上である。多官能モノマーの配合量は、粘着シート10において良好なタック性を確保する観点から、単官能モノマー100質量部あたり、好ましくは3質量部以下、より好ましくは2質量部以下、更に好ましくは1質量部以下である。
多官能化合物として多官能オリゴマーを用いる場合、モノマー成分における多官能オリゴマーの配合量は、粘着シート10の凝集力を確保する観点から、単官能モノマー100質量部あたり、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは0.7質量部以上である。多官能オリゴマーの配合量は、粘着シート10において良好なタック性を確保する観点から、単官能モノマー100質量部あたり、好ましくは8質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは3質量部以下である。
重合においては、分子量調整等を目的として、連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤としては、α-チオグリセロール、ラウリルメルカプタン、グリシジルメルカプタン、メルカプト酢酸、2-メルカプトエタノール、チオグリコール酸、チオグルコール酸2-エチルヘキシル、2,3-ジメルカプト-1-プロパノール、およびα-メチルスチレン二量体が挙げられる。
ベースポリマーの重量平均分子量は、粘着シート10における凝集力の確保の観点から、好ましくは10万以上、より好ましくは30万以上、更に好ましくは50万以上である。ベースポリマーの重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ(GPC)によって測定してポリスチレン換算により算出される。
ベースポリマーのガラス転移温度(Tg)は、好ましくは0℃以下、より好ましくは-10℃以下、更に好ましくは-20℃以下である。同ガラス転移温度は、例えば-80℃以上である。
ベースポリマーのガラス転移温度(Tg)については、下記のFoxの式に基づき求められるガラス転移温度(理論値)を用いることができる。Foxの式は、ポリマーのガラス転移温度Tgと、当該ポリマーを構成するモノマーのホモポリマーのガラス転移温度Tgiとの関係式である。下記のFoxの式において、Tgはポリマーのガラス転移温度(℃)を表し、Wiは当該ポリマーを構成するモノマーiの重量分率を表し、Tgiは、モノマーiから形成されるホモポリマーのガラス転移温度(℃)を示す。ホモポリマーのガラス転移温度については文献値を用いることができる。例えば、「Polymer Handbook」(第4版,John Wiley & Sons, Inc., 1999年)には、各種のホモポリマーのガラス転移温度が挙げられている。一方、モノマーのホモポリマーのガラス転移温度については、特開2007-51271号公報に具体的に記載されている方法によって求めることも可能である。
Foxの式 1/(273+Tg)=Σ[Wi/(273+Tgi)]
粘着剤組成物は、紫外線吸収剤を含有してもよい。紫外線吸収剤としては、トリアジン紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール紫外線吸収剤、ベンゾフェノン紫外線吸収剤、サリチレート紫外線吸収剤、および、シアノアクリレート紫外線吸収剤が挙げられる。紫外線吸収剤は、単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。
トリアジン紫外線吸収剤の市販品としては、例えば、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(品名「Tinosorb S」,BASF製)、2-(4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-ヒドロキシフェニルと[(アルキルオキシ)メチル]オキシランとの反応生成物(品名「TINUVIN 400」,BASF製)、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス-(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンと(2-エチルヘキシル)-グリシド酸エステルとの反応生成物(品名「TINUVIN 405」,BASF製)、(2,4-ビス[2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル]-6-(2,4-ジブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(品名「TINUVIN 460」,BASF製)、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[(ヘキシル)オキシ]-フェノール(品名「TINUVIN 577」,BASF製)、2-(2-ヒドロキシ-4-[1-オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)-4,6-ビス(4-フェニルフェニル)-1,3,5-トリアジン(品名「TINUVIN 479」,BASF製)、および、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[2-(2-エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]-フェノール(「ADK STAB LA-46」,ADEKA製)が挙げられる。
ベンゾトリアゾール紫外線吸収剤の市販品としては、例えば、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール(品名「TINUVIN 928」,BASF製)、2-(2-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール(品名「TINUVIN PS」,BASF製)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール(品名「TINUVIN 900」,BASF製)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール(品名「TINUVIN 928」,BASF製)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-ドデシル-4-メチルフェノール(品名「TINUVIN571」,BASF製)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-p-クレゾール(品名「TINUVIN P」,BASF製)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール(品名「TINUVIN 234」,BASF製)、2-〔5-クロロ(2H)-ベンゾトリアゾール-2-イル〕-4-メチル-6-(tert-ブチル)フェノール(品名「TINUVIN 326」,BASF製)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジ-tert-ペンチルフェノール(品名「TINUVIN 328」,BASF製)、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール(品名「TINUVIN 329」,BASF製)、および、2-[2-ヒドロキシ-3-(3,4,5,6-テトラヒドロフタルイミドーメチル)-5-メチルフェニル]ベンゾトリアゾール(品名「Sumisorb250」,住友化学製)が挙げられる。
紫外線吸収剤は、好ましくはトリアジン紫外線吸収剤であり、より好ましくは、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンである。
粘着剤組成物は、シランカップリング剤を含有してもよい。粘着剤組成物におけるシランカップリング剤の含有量は、ベースポリマー100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上である。同含有量は、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。
粘着剤組成物は、必要に応じて他の成分を含有してもよい。他の成分としては、例えば、粘着付与剤、可塑剤、軟化剤、酸化防止剤、界面活性剤、および帯電防止剤が挙げられる。
粘着剤組成物は、紫外線吸収剤を含有する光重合性粘着剤組成物であってもよい。すなわち、粘着シート10は、紫外線吸収剤を含有する光重合性粘着剤組成物の光硬化物であってもよい。
粘着シート10の厚さは、被着体に対する充分な粘着性を確保する観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上、更に好ましくは30μm以上である。粘着シート10の厚さは、粘着シート10が用いられるデバイスの薄型化の観点から、好ましくは500μm以下、より好ましくは300μm以下、更に好ましくは250μm以下、一層好ましくは200μm以下、より一層好ましくは150μm以下、特に好ましくは100μm以下である。
粘着シート10のヘイズは、好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下、更に好ましくは1%以下である。粘着シート10のヘイズは、JIS K7136(2000年)に準拠して、ヘイズメーターを使用して測定できる。ヘイズメーターとしては、例えば、日本電色工業社製の「NDH2000」、および、村上色彩技術研究所社製の「HM-150N」が挙げられる。ヘイズの測定方法は、具体的には、実施例に関して後述するとおりである。
はく離ライナー付き粘着シートSは、例えば、以下のようにして製造できる。
まず、はく離ライナー20(重はく離ライナー)と、はく離ライナー30(軽はく離ライナー)とを用意する。
次に、上述の粘着剤組成物をはく離ライナー20上に塗布して塗膜を形成した後、当該塗膜を乾燥させる。粘着剤組成物の塗布方法としては、例えば、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、およびダイコートが挙げられる。塗膜の乾燥温度は、例えば50℃~200℃である。乾燥時間は、例えば5秒~20分である。
次に、はく離ライナー20上の当該塗膜の上にはく離ライナー30を貼り合わせる。その後、必要に応じて塗膜をエージングする。エージング温度は、例えば20℃~160℃である。エージング時間は、例えば1分から21日である。また、必要に応じて塗膜に対して光照射する。光照射の光源としては、例えば、紫外線LEDライト、高圧水銀ランプ、およびメタルハライドランプが挙げられる。
以上のようにして、はく離ライナー付き粘着シートSを製造してもよい。
図3は、本発明のはく離ライナーの製造方法の一実施形態の工程図である。本製造方法は、粘着シート10形成用の上述の粘着剤組成物が、紫外線吸収剤を含有する光重合性粘着剤組成物である場合の一製造方法である。本製造方法は、用意工程(図3A)と、粘着シート形成工程(図3B)とを含む。
用意工程では、図3Aに示すように、積層フィルムS’を用意する。積層フィルムS’は、はく離ライナー20(重はく離ライナー)と、組成物層10’と、はく離ライナー30(軽はく離ライナー)とを厚さ方向Hにこの順で備える。組成物層10’は、紫外線吸収剤を含有する上述の光重合性粘着剤組成物から形成されている。積層フィルムS’は、例えば、はく離ライナー20上に光重合性粘着剤組成物を塗布して塗膜を形成した後、はく離ライナー20上の塗膜の上にはく離ライナー30を貼り合わせることによって、作製できる。積層フィルムS’は、はく離ライナー30上に光重合性粘着剤組成物を塗布して塗膜を形成した後、はく離ライナー30上の塗膜の上にはく離ライナー20を貼り合わせることによっても作製できる。光重合性粘着剤組成物の塗布方法としては、例えば、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、およびダイコートが挙げられる。
はく離ライナー20は、組成物層10’側の表面(剥離面21)にビニル基を有する。このようなはく離ライナー20は、例えば、上述の樹脂フィルムの表面に、ビニル基を有するシリコーン樹脂の硬化物層(シリコーン剥離層)を形成することによって作製できる。ビニル基を有するシリコーン樹脂としては、例えば、ビニル基を有するオルガノポリシロキサンが挙げられる。ビニル基を有するシリコーン樹脂の市販品としては、例えば、東レ・ダウコーニング製の「LTC761」「SRX290」および「SRX244」、並びに、信越化学工業製の「KS-847H」、「KM-3951」、「X-52-151」、「X-52-6068」および「X-52-6069」が挙げられる。
次に、粘着シート形成工程では、図3Bに示すように、積層フィルムS’に対してはく離ライナー20側から紫外線(図中、上向き矢印で模式的に示す)を照射することにより、組成物層10’(光重合性粘着剤組成物)を光硬化させて粘着シート10を形成する。紫外線の光源としては、例えば、紫外線LEDライト、高圧水銀ランプ、ブラックライト、およびメタルハライドランプが挙げられる。紫外線照射により、組成物層10’では、光重合性粘着剤組成物中の上述のモノマー成分の重合反応が進行する。厚さが例えば100μm程度の粘着シートを作製する場合、紫外線の照度は、重合反応を十分に進行させる観点から、好ましくは0.1mW/cm以上、より好ましくは1.0mW/cm以上である。紫外線の照射積算光量は、重合反応を十分に進行させる観点から、好ましくは500mJ/cm以上、より好ましくは1000mJ/cm以上である。照射積算光量については、硬化させる組成物の量に応じて、即ち、粘着シートの硬化後の厚さに応じて、調整(増減)されてもよい。
以上のようにして、はく離ライナー付き粘着シートSを製造してもよい。
本製造方法の粘着シート形成工程(図3B)では、上述のように、積層フィルムS’に対してはく離ライナー20(重はく離ライナー)側から紫外線が照射されて組成物層10’が光硬化される。組成物層10’を形成する光重合性粘着剤組成物が紫外線吸収剤を含有するため、はく離ライナー20側から組成物層10’に入射した紫外線は、組成物層10’において、紫外線吸収剤による吸収に起因して減衰しつつ、はく離ライナー30(軽はく離ライナー)側に至る。そのため、当該工程では、組成物層10’におけるはく離ライナー20との界面およびその近傍(界面近傍領域)での重合反応は、界面近傍領域以外での重合反応と比較して、進行しやすい。そして、はく離ライナー20における組成物層10’側の表面(剥離面21)のビニル基の少なくとも一部は、界面近傍領域での重合反応に関与し、本工程で形成される粘着シート10の表面との化学的な結合を形成する。したがって、本製造方法は、上述のはく離ライナー付き粘着シートS(はく離ライナー20の上記せん断引張試験での最大応力Xが24N以上)を製造するのに適する。
本発明について、以下に実施例を示して具体的に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。また、以下に記載されている配合量(含有量)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上述の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合量(含有量)、物性値、パラメータなどの上限(「以下」または「未満」として定義されている数値)または下限(「以上」または「超える」として定義されている数値)に代替できる。
〈第1重はく離ライナーの作製〉
シリコーン系剥離処理剤(品名「KS-847H」,信越化学工業社製)100質量部と、シリコーン硬化用白金触媒(品名「CAT-PL-50T」,信越化学工業社製)1.0質量部と、溶媒とを混合して、シリコーン固形分濃度1.25質量%の第1剥離処理剤溶液を調製した。溶媒は、トルエンとヘキサンとの体積比1:1の混合溶媒である。
次に、基材フィルムとしての二軸延伸ポリエステルフィルム(品名「ルミラー XD500P」,厚さ75μm,東レアドバンストマテリアルズコリア製)を剥離処理した。具体的には、まず、当該基材フィルムの片面に、上述の第1剥離処理剤溶液を塗布して塗膜を形成した。塗布には、ワイヤーバー#9を使用した。次に、熱風乾燥機により、基材フィルム上の塗膜を、130℃で1分間、加熱して乾燥させた。これにより、基材フィルム上に、厚さ0.10μmのシリコーン剥離層を形成した。
以上のようにして、第1重はく離ライナーを作製した。第1重はく離ライナーは、基材フィルムと剥離層(厚さ0.10μm)との積層構造を有する。
〈第2重はく離ライナーの作製〉
シリコーン系剥離処理剤(品名「KE-3703」,分子中にヘキセニル基を有するポリオルガノシロキサンと、分子中にヒドロシリル基を有するポリオルガノシロキサン架橋剤とを含有する、付加型シリコーン系剥離処理剤の28.5質量%トルエン溶液,信越化学工業社製)80質量部と、シリコーン系剥離コントロール剤(品名「KS-3800」,信越化学工業社製)20質量部と、シリコーン硬化用白金触媒(品名「CAT-PL-50T」,信越化学工業社製)3.0質量部と、溶媒とを混合して、シリコーン固形分濃度1.25質量%の第2剥離処理剤溶液を調製した。溶媒は、トルエンとヘキサンとの体積比1:1の混合溶媒である。
次に、基材フィルムとしての二軸延伸ポリエステルフィルム(品名「ルミラー XD500P」,厚さ75μm,東レアドバンストマテリアルズコリア製)を剥離処理した。具体的には、まず、当該基材フィルムの片面に、上述の第2剥離処理剤溶液を塗布して塗膜を形成した。塗布には、ワイヤーバー#9を使用した。次に、熱風乾燥機により、基材フィルム上の塗膜を、130℃で1分間、加熱して乾燥させた。これにより、基材フィルム上に、厚さ0.13μmのシリコーン剥離層を形成した。
〈第3重はく離ライナーの作製〉
シリコーン系剥離処理剤(品名「KE-3703」,信越化学工業社製)100質量部と、シリコーン系剥離コントロール剤(品名「X-92-183」,信越化学工業社製)9.0質量部と、シリコーン硬化用白金触媒(品名「CAT-PL-50T」,信越化学工業社製)6.0質量部と、溶媒とを混合して、シリコーン固形分濃度1.0質量%の第3剥離処理剤溶液を調製した。溶媒は、トルエンとヘキサンとの体積比1:1の混合溶媒である。そして、第3剥離処理剤溶液を第1剥離処理剤溶液の代わりに用いたこと以外は、第1重はく離ライナーの作製方法に関して上述したのと同様に、基材フィルム(ルミラー XD500P,厚さ75μm)を剥離処理して、第3重はく離ライナーを作製した。
〈第4重はく離ライナーの作製〉
シリコーン系剥離処理剤(品名「LTC761」,分子中に5-ヘキセニル基を有するポリオルガノシロキサンと、分子中にヒドロシリル基を有するポリオルガノシロキサン架橋剤とを含有する、付加型シリコーン系剥離処理剤の30質量%トルエン溶液,東レ・ダウコーニング社製)30質量部と、シリコーンディスパージョン(品名「BY 240-850」,東レ・ダウコーニング社製)0.9質量部と、シリコーン硬化用白金触媒(品名「SRX 212」,東レ・ダウコーニング製)2質量部と、溶媒とを混合して、シリコーン固形分濃度0.7質量%の剥離処理剤溶液を調製した。溶媒は、トルエンとヘキサンとの体積比1:1の混合溶媒である。
次に、基材フィルムとしての二軸延伸ポリエステルフィルム(品名「ルミラー XD500P」,厚さ75μm,東レアドバンストマテリアルズコリア製)を剥離処理した。具体的には、まず、当該基材フィルムの片面に、上述の剥離処理剤溶液を塗布して塗膜を形成した。塗布には、ワイヤーバー#9を使用した。次に、熱風乾燥機により、基材フィルム上の塗膜を、130℃で1分間、加熱して乾燥させた。これにより、基材フィルム上に、厚さ0.10μmのシリコーン剥離層を形成した。
以上のようにして、第4重はく離ライナーを作製した。第4重はく離ライナーは、基材フィルムと剥離層(厚さ0.10μm)との積層構造を有する。
〈第1軽はく離ライナーの作製〉
シリコーン系剥離処理剤(品名「LTC761」,分子中にヘキセニル基を有するポリオルガノシロキサンと、分子中にヒドロシリル基を有するポリオルガノシロキサン架橋剤とを含有する、付加型シリコーン系剥離処理剤の30質量%トルエン溶液,東レ・ダウコーニング社製)30質量部と、シリコーンディスパージョン(品名「BY 240-850」,東レ・ダウコーニング社製)0.9質量部と、シリコーン硬化用白金触媒(品名「SRX 212」,)2質量部と、溶媒とを混合して、シリコーン固形分濃度0.7質量%の剥離処理剤溶液を調製した。溶媒は、トルエンとヘキサンとの体積比1:1の混合溶媒である。
次に、基材フィルムとしての二軸延伸ポリエステルフィルム(品名「ルミラー XD500P」,厚さ50μm,東レアドバンストマテリアルズコリア製)を剥離処理した。具体的には、まず、当該基材フィルムの片面に、上述の剥離処理剤溶液を塗布して塗膜を形成した。塗布には、ワイヤーバー#9を使用した。次に、熱風乾燥機により、基材フィルム上の塗膜を、130℃で1分間、加熱して乾燥させた。これにより、基材フィルム上に、厚さ0.10μmのシリコーン剥離層を形成した。
以上のようにして、第1軽はく離ライナーを作製した。第1軽はく離ライナーは、基材フィルムと剥離層(厚さ0.10μm)との積層構造を有する。
〈第2軽はく離ライナー〉
厚さ50μmのPETフィルムの片面にシリコーン剥離処理によって剥離処理層が形成されたフィルム(品名「RK01ASD」,SKC社製)を、第2軽はく離ライナーとして用意した。
〔実施例1〕
〈粘着剤組成物の調製〉
まず、アクリル酸n-ブチル(BA)80質量部と、アクリル酸4-ヒドロキシブチル(4HBA)5質量部と、N-ビニル-2-ピロリドン(NVP)15質量部と、第1光重合開始剤(品名「Irgacure 184」,BASF社製)0.05質量部と、第2光重合開始剤(品名「Irgacure 651」,BASF社製)0.05質量部とを含む混合物に対して紫外線を照射し(重合反応)、プレポリマー組成物(重合率は約10%)を得た(プレポリマー組成物は、重合反応を経ていないモノマー成分を含有する)。次に、プレポリマー組成物100質量部と、第1架橋剤としてのウレタンアクリレートオリゴマー(UAO)(品名「アートレジンUN-350」,根上工業社製)1.2質量部と、シランカップリング剤(品名「KBM-403」,3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,信越化学工業社製)0.3質量部とを混合し、第1粘着剤組成物を得た。第1粘着剤組成物の組成を表1に示す。表1において、粘着剤組成物の組成を表す各数値の単位は、相対的な“質量部”である(表2~4においても同様である)。
〈粘着剤層の形成〉
まず、第1重はく離ライナー上に、第1粘着剤組成物を塗布して塗膜を形成した。塗膜は、第1重はく離ライナーのシリコーン剥離層上に形成した。次に、第1重はく離ライナー上の塗膜に、第1軽はく離ライナーのシリコーン剥離層側を貼り合わせた(貼合せ工程)。次に、塗膜に対して第1軽はく離ライナー越しに紫外線を照射して塗膜を紫外線硬化させ、厚さ100μmの透明な第1粘着剤層を形成した。紫外線照射では、照射光源としてブラックライトを用い、照射強度を5mW/cmとした(後記の紫外線照射においても同様である)。次に、第1重はく離ライナー上の第1粘着剤層から第1軽はく離ライナーを剥離した後、第1粘着剤層の露出面に第2軽はく離ライナーを貼り合わせた。
以上のようにして、実施例1のはく離ライナー付き粘着シート(第1重はく離ライナー/粘着シート(第1粘着剤層)/第2軽はく離ライナー)を作製した。
〔実施例2〕
粘着剤層形成工程で形成される第1粘着剤層の厚さを130μmとしたこと以外は、実施例1のはく離ライナー付き粘着シートと同様にして、実施例2のはく離ライナー付き粘着シートを作製した。
〔実施例3〕
次のこと以外は実施例1のはく離ライナー付き粘着シートと同様にして、実施例3のはく離ライナー付き粘着シートを作製した。粘着剤層形成工程において、第1重はく離ライナーの代わりに第2重はく離ライナーを用い、第1粘着剤組成物の代わりに第2粘着剤組成物を用い、厚さ250μmの第2粘着剤層を形成した。第2粘着剤組成物は、次のようにして調製した。
まず、アクリル酸n-ブチル(BA)60質量部と、アクリル酸シクロヘキシル(CHA)12質量部と、アクリル酸4-ヒドロキシブチル(4HBA)20質量部と、アクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEA)8質量部と、第1光重合開始剤(Irgacure 184)0.075質量部と、第2光重合開始剤(Irgacure 651)0.075質量部とを含む混合物に対して紫外線を照射し(重合反応)、プレポリマー組成物(重合率は約10%)を得た。次に、プレポリマー組成物100質量部と、第2架橋剤としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)0.14量部と、シランカップリング剤(KBM-403)0.3質量部とを混合し、第2粘着剤組成物を得た。
〔実施例4〕
粘着剤層形成工程で形成される第2粘着剤層の厚さを500μmとしたこと以外は、実施例3のはく離ライナー付き粘着シートと同様にして、実施例4のはく離ライナー付き粘着シートを作製した。
〔実施例5〕
次のこと以外は実施例1のはく離ライナー付き粘着シートと同様にして、実施例5のはく離ライナー付き粘着シートを作製した。粘着剤層形成工程において、第1重はく離ライナーの代わりに第3重はく離ライナーを用い、第1粘着剤組成物の代わりに第3粘着剤組成物を用いて厚さ50μmの第3粘着剤層を形成した。第3粘着剤組成物は、次のようにして調製した。
まず、アクリル酸2-エチルヘキシル(2EHA)85質量部と、アクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEA)5質量部と、N-ビニル-2-ピロリドン(NVP)15質量部と、第1光重合開始剤(Irgacure 184)0.05質量部と、第2光重合開始剤(Irgacure 651)0.05質量部とを含む混合物に対して紫外線を照射し(重合反応)、プレポリマー組成物(重合率は約10%)を得た。次に、プレポリマー組成物100質量部と、第3架橋剤としての1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)(品名「A-HD-N」,新中村化学工業社製)0.088質量部と、シランカップリング剤(KBM-403)0.3質量部とを混合し、第3粘着剤組成物を得た。
〔実施例6〕
次のこと以外は実施例1のはく離ライナー付き粘着シートと同様にして、実施例6のはく離ライナー付き粘着シートを作製した。粘着剤層形成工程において、第1粘着剤組成物の代わりに第4粘着剤組成物を用いて厚さ100μmの第4粘着剤層を形成した。第4粘着剤組成物は、次のようにして調製した。
まず、アクリル酸2-エチルヘキシル(2EHA)40.5質量部と、アクリル酸イソステアリル(ISTA)40.5質量部と、アクリル酸4-ヒドロキシブチル(4HBA)1質量部と、N-ビニル-2-ピロリドン(NVP)28質量部と、第1光重合開始剤(Irgacure 184)0.05質量部と、第2光重合開始剤(Irgacure 651)0.05質量部とを含む混合物に対して紫外線を照射し(重合反応)、プレポリマー組成物(重合率は約10%)を得た。次に、プレポリマー組成物100質量部と、第4架橋剤としてのトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)(品名「TMP3A」,大阪有機化学工業社製)0.02質量部と、シランカップリング剤(KBM-403)0.3質量部とを混合し、第4粘着剤組成物を得た。
〔実施例7〕
次のこと以外は実施例1のはく離ライナー付き粘着シートと同様にして、実施例7のはく離ライナー付き粘着シートを作製した。粘着剤層形成工程において、第1粘着剤組成物の代わりに第5粘着剤組成物を用いて、厚さ250μmの第5粘着剤層を形成した。第5粘着剤組成物は、次のようにして調製した。
まず、アクリル酸2-エチルヘキシル(2EHA)40.5質量部と、アクリル酸イソステアリル(ISTA)40.5質量部と、アクリル酸4-ヒドロキシブチル(4HBA)1質量部と、N-ビニル-2-ピロリドン(NVP)28質量部と、第1光重合開始剤(Irgacure 184)0.05質量部と、第2光重合開始剤(Irgacure 651)0.05質量部とを含む混合物に対して紫外線を照射し(重合反応)、プレポリマー組成物(重合率は約10%)を得た。次に、プレポリマー組成物100質量部と、第4架橋剤としてのTMPTA(品名「TMP3A」)0.15質量部と、シランカップリング剤(KBM-403)0.3質量部と、連鎖移動剤としての1-チオグリセロール 0.15質量部とを混合し、第5粘着剤組成物を得た。第5粘着剤組成物は、第4架橋剤の配合量が第4粘着剤組成物と異なる。
〔比較例1〕
粘着剤層形成工程において第1重はく離ライナーの代わりに第3重はく離ライナーを用いたこと以外は実施例1のはく離ライナー付き粘着シートと同様にして、比較例1のはく離ライナー付き粘着シートを作製した。
〔比較例2〕
次のこと以外は実施例1のはく離ライナー付き粘着シートと同様にして、比較例2のはく離ライナー付き粘着シートを作製した。粘着剤層形成工程において、第1重はく離ライナーの代わりに第3重はく離ライナーを用い、第1粘着剤組成物から形成される第1粘着剤層の厚さを130μmとした。
〔実施例8〕
〈粘着剤組成物の調製〉
まず、アクリル酸2-エチルヘキシル(2EHA)85質量部と、アクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEA)5質量部と、N-ビニル-2-ピロリドン(NVP)15質量部と、第1光重合開始剤(品名「Irgacure 184」,1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニル-ケトン,BASF社製)0.05質量部と、第2光重合開始剤(品名「Irgacure 651」,2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン,BASF社製)0.05質量部と、第3光重合開始剤(品名「Omnirad 819」,ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド,IGM Resins社製)0.15質量部とを含む混合物に対して紫外線を照射し(重合反応)、プレポリマー組成物(重合率は約10%)を得た(プレポリマー組成物は、重合反応を経ていないモノマー成分を含有する)。次に、プレポリマー組成物100質量部と、第3架橋剤としての1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(品名「A-HD-N」,HDDA,新中村化学工業社製)0.088質量部と、シランカップリング剤(品名「KBM-403」,3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,信越化学工業社製)0.3質量部と、紫外線吸収剤(品名「Tinosorb S」,BASF社製)0.9質量部とを混合し、第6粘着剤組成物を得た。
〈粘着剤層の形成〉
まず、第2軽はく離ライナー上に、第6粘着剤組成物を塗布して塗膜を形成した。塗膜は、第2軽はく離ライナーのシリコーン剥離層上に形成した。次に、第2軽はく離ライナー上の塗膜に、第4重はく離ライナーのシリコーン剥離層側を貼り合わせた(貼合せ工程)。次に、塗膜に対して第4重はく離ライナー越しに紫外線を照射して塗膜を紫外線硬化させ、厚さ100μmの透明な第6粘着剤層を形成した。紫外線照射では、照射光源としてブラックライトを用い、照射強度を5mW/cmとした。
以上のようにして、実施例8のはく離ライナー付き粘着シート(第4重はく離ライナー/粘着シート(第6粘着剤層)/第2軽はく離ライナー)を作製した。
〔実施例9〕
〈粘着剤組成物の調製〉
まず、アクリル酸n-ブチル(BA)80質量部と、アクリル酸4-ヒドロキシブチル(4HBA)5質量部と、N-ビニル-2-ピロリドン(NVP)15質量部と、第1光重合開始剤(Irgacure 184)0.05質量部と、第2光重合開始剤(Irgacure 651)0.05質量部と、第3光重合開始剤(Omnirad 819)0.4質量部とを含む混合物に対して紫外線を照射し(重合反応)、プレポリマー組成物(重合率は約10%)を得た。次に、プレポリマー組成物100質量部と、第1架橋剤としてのウレタンアクリレートオリゴマー(UAO)(品名「アートレジンUN-350」,根上工業社製)2.2質量部と、シランカップリング剤(KBM-403)0.3質量部と、紫外線吸収剤(Tinosorb S)0.9質量部とを混合し、第7粘着剤組成物を得た。
〈粘着剤層の形成〉
第6粘着剤組成物の代わりに第7粘着剤組成物を用いたこと以外は、実施例8に関して上述したのと同様に、はく離ライナー間に厚さ100μmの粘着剤層(第7粘着剤層)を形成した。
以上のようにして、実施例9のはく離ライナー付き粘着シート(第4重はく離ライナー/粘着シート(第7粘着剤層)/第2軽はく離ライナー)を作製した。
〔比較例3〕
粘着剤組成物の調製において紫外線吸収剤を配合しなかったこと以外は実施例8のはく離ライナー付き粘着シートと同様にして、比較例1のはく離ライナー付き粘着シートを作製した。
〔比較例4〕
粘着剤組成物の調製において紫外線吸収剤を配合しなかったこと以外は実施例9のはく離ライナー付き粘着シートと同様にして、比較例2のはく離ライナー付き粘着シートを作製した。
〈ヘイズ〉
実施例1~9および比較例1~4の各粘着シートについて、次のようにしてヘイズを測定した。
まず、ヘイズ測定用のサンプルを作製した。具体的には、粘着シートから一方のはく離ライナーを剥がした後、粘着シートの露出面を無アルカリガラス(松浪硝子社製)に貼り合わせ、ガラス上の粘着シートからはく離ライナーを剥がした。これにより、ヘイズ測定用のサンプルを得た。次に、当該サンプルについて、村上色彩技術研究所社製のヘイズメーター「HM-150N」を使用して、JIS K7136(2000年)に準拠してヘイズを測定した。また、本測定では、無アルカリガラスのみについて同一条件で測定して得られた測定結果をベースラインとして用いた。各粘着シートのヘイズ(%)を表1~4に示す。
〈せん断貯蔵弾性率〉
実施例1~9および比較例1~4の各粘着シートについて、動的粘弾性を測定した。具体的には、次のとおりである。
まず、粘着シートごとに、必要数の測定用のサンプルを作製した。具体的には、まず、粘着シートから切り出した20枚の粘着シート片を貼り合わせて、約2mmの厚さのサンプルシートを作製した。次に、このシートを打抜いて、測定用サンプルである円柱状のペレット(直径7.9mm)を得た。
そして、測定用サンプルについて、動的粘弾性測定装置(品名「Advanced Rheometric Expansion System (ARES)」,Rheometric Scientific社製)を使用して、直径7.9mmのパラレルプレートの治具に固定した後に動的粘弾性測定を行った。本測定において、測定モードをせん断モードとし、測定温度範囲を-50℃~150℃とし、昇温速度を5℃/分とし、周波数を1Hzとした。測定結果から、25℃でのせん断貯蔵弾性率(kPa)を読み取った。その値を表1~4に示す。
〈ビニル基の確認〉
上述の第4重はく離ライナーおよび第2軽はく離ライナーの各剥離面(剥離層が形成されている側の面)について、ビニル基の有無を調べた。具体的には、次のとおりである。
まず、はく離ライナー(第4重はく離ライナー,第2軽はく離ライナー)から切り出した試料片(約10mm×約10mm)の剥離面を、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)によって成分分析した(第1分析)。分析には、飛行時間型二次イオン質量分析装置(品名「TRIFT-V,アルバック・ファイ社製)を使用した。また、本分析では、照射1次イオンとしてビスマスクラスターのダブルチャージイオン(Bi ++)を用い、1次イオン加速電圧を25kVとし、試料における測定範囲を300μm×300μmとし、分析中の試料の帯電を補正する中和銃を使用し、分析質量範囲(m/z)を0~1500とした。第4重はく離ライナーの第1分析、および、第2軽はく離ライナーの第1分析では、いずれも、塩素イオンの質量スペクトルは観測されなかった(第1分析の結果)。
一方、はく離ライナー(第4重はく離ライナー,第2軽はく離ライナー)から切り出したライナー片(約10cm×約10cm)の剥離面を、密閉容器内で、塩素ガスに24時間晒した。密閉容器内の塩素ガスは、次亜塩素酸カルシウム(Ca(ClO))の粉末と、塩化水素(HCl)とを反応させることによって、発生させた。次に、ライナー片から切り出した試料片(約10mm×約10mm)の剥離面を、TOF-SIMSによって成分分析した(第2分析)。第2分析の方法(使用装置および分析条件)は、上述の第1分析の方法と同じである。第4重はく離ライナーの第2分析では、塩素イオンの質量スペクトルが観測された(第2分析の結果)。上述の第1分析の結果と第2分析の結果とから、第4重はく離ライナーはその剥離面にビニル基を有することが分かった。
〈剥離力〉
実施例1~9および比較例1~4の各はく離ライナー付き粘着シートについて、粘着シートから重はく離ライナーを剥離するための剥離力を測定した(第1測定)。
第1測定用の試験片の作製においては、まず、はく離ライナー付き粘着シートからサンプルシート(長さ100mm×幅25mm)を切り出した。次に、サンプルシートから軽はく離ライナーを剥離し、これによって露出した粘着シート露出面をガラス板に貼り合わせて、試験片を得た。
次に、試験片を25℃で60分間静置した後、試験片における重はく離ライナーを粘着シートから剥離する剥離試験を実施し、剥離に要する力を剥離力として測定した。本測定では、引張り試験機(品名「オートグラフAG-50NX plus)」,島津製作所製)を使用し、測定温度を25℃とし、剥離角度を180°とし、引張速度を300mm/分とした(後記の第2測定でも同様である)。測定された剥離力F1(gf/25mm)を表1~4に示す。
一方、実施例1~9および比較例1~4の各はく離ライナー付き粘着シートについて、粘着シートから軽はく離ライナーを剥離するための剥離力を測定した(第2測定)。
第2測定用の試験片の作製においては、まず、はく離ライナー付き粘着シートからサンプルシート(長さ100mm×幅25mm)を切り出した。次に、サンプルシートの重はく離ライナー側を、両面強粘着テープによってガラス板に接合して、試験片を得た。
次に、試験片を25℃で60分間静置した後、試験片における軽はく離ライナーを粘着シートから剥離する剥離試験を実施し、剥離に要する力を剥離力として測定した。測定された剥離力F2(gf/25mm)を表1~4に示す。剥離力F1と剥離力F2との差F1-F2(gf/25mm)、および、剥離力F2に対する剥離力F1の比率(F1/F2)も、表1~4に示す。
〈せん断引張試験〉
実施例1~9および比較例1~4の各はく離ライナー付き粘着シートについて、せん断引張試験を実施した。具体的には、次のとおりである。
試験片の作製においては、まず、はく離ライナー付き粘着シートから、サンプルシート(長さ200mm×幅20mm)を切り出した。図4Aは、そのサンプルシートSaの長さ方向の断面模式図である。次に、サンプルシートSaの長さ方向における一端(図中の右端)から90mmの箇所を、厚さ方向Hにおいてはく離ライナー30(軽はく離ライナー)側からはく離ライナー20(重はく離ライナー)に至るまで、カッターナイフによって切断した(切断箇所を破線で示す)。次に、図4Bに示すように、はく離ライナー30および粘着シート10における、切断箇所から上記一端側を除去した。次に、図4Cに示すように、サンプルシートSaの長さ方向における他端(図中の左端)から90mmの箇所を、厚さ方向Hにおいてはく離ライナー20側からはく離ライナー30に至るまで、カッターナイフによって切断した(切断箇所を破線で示す)。次に、図4Dに示すように、はく離ライナー20および粘着シート10における、切断箇所から上記他端側を除去した。次に、はく離ライナー30を粘着シート10から剥離した後、図4Eに示すように、当該剥離によって露出した粘着シート10表面を、メタクリル基材40(品名「アクリライトL」,三菱ケミカル社製)に圧着させた。これにより、試験片Zを得た。
そして、引張り試験機(品名「オートグラフAG-50NX plus」,島津製作所製)により、試験片Zにおけるはく離ライナー20をメタクリル基材40に対して面方向Dに引っ張るせん断引張試験を実施した(図4Eにて、引張り方向をはく離ライナー20からの矢印で示す)。本試験では、測定温度を25℃とし、初期チャック間距離を100mmとし、引張速度を10mm/分とした。このようなせん断引張試験によって得られるグラフ(応力曲線)の一例を、図5に示す(図5のグラフは、実施例2のはく離ライナー付き粘着シートについての測定結果である)。図5のグラフにおいて、横軸は、面方向に引っ張られる重はく離ライナーの面方向の延び量(mm)をストローク(mm)として示し、縦軸は、重はく離ライナーの応力(N)を表す。重はく離ライナーの延び量は、重はく離ライナーをせん断方向に引っ張る治具(チャック)の移動距離(ストローク長)に相当する。このせん断引張試験では、粘着シート10における20mm×20mmのサイズの粘着シート片について、応力が測定される。また、図5には、点Pおよび破線Bも示す。点Pは、応力曲線において最大応力Xを示す点である。破線Bの傾きは、せん断引張試験における応力5Nから応力10Nまでの平均変化率Y(N/mm)に相当する。破線Bの傾きは、せん断引張試験における応力5Nでの延び量rと、応力10Nでの延び量rとから、(10-5)/(r-r)によって算出される。せん断引張試験における最大応力X(N)および平均変化率Y(N/mm)を、表1~4に示す。
また、実施例1~9および比較例1~4の各はく離ライナー付き粘着シートについて、上述のせん断引張試験における最大応力Xと平均変化率Yとの測定結果を図6のグラフに示す。図6のグラフでは、横軸は、最大応力X(N)を表し、縦軸は、平均変化率Y(N/mm)を表す。図6において、プロットE1~E9は、実施例1~9における測定結果を表す。プロットC1~C4は、比較例1~4における測定結果を表す。点線L1は、最大応力X=24(N)のラインを示す。点線L2は、平均変化率Y(N/mm)=-1.43×最大応力X(N)+70のラインを示す。実施例1~9のはく離ライナー付き粘着シートは、25℃において、最大応力X(N)が24N以上である。実施例1~9のはく離ライナー付き粘着シートは、25℃において、最大応力X(N)および平均変化率Y(N/mm)が、Y≧-1.43X+70の関係を充足する。このような実施例1~9のはく離ライナー付き粘着シートは、後記の第1の評価試験および第2の評価試験において良好な結果を示した。
〈軽はく離ライナー剥離時の重はく離ライナーの剥離抑制〉
実施例1~9および比較例1~4における各はく離ライナー付き粘着シートについて、軽はく離ライナー剥離時の重はく離ライナーの剥離のしにくさを調べた(第1の評価試験)。具体的には、まず、はく離ライナー付き粘着シートごとに10枚の評価サンプルを作製した。次に、各評価サンプルの軽はく離ライナーを剥離した。剥離には、引張り試験機(品名「オートグラフAG-50NX plus)」,島津製作所製)を使用した。剥離においては、測定温度を25℃とし、剥離角度を180°とし、引張速度を300mm/分とした。そして、重はく離ライナーの剥離を生じずに軽はく離ライナーだけを適切に剥離できた評価サンプルの数が10である場合を“優”と評価し、7~9である場合を“良”と評価し、0~6である場合を“不良”と評価した。評価結果を表1~4に示す。
一方、実施例1~9および比較例1~4における各はく離ライナー付き粘着シートについて、次のこと以外は第1の評価試験と同様にして、軽はく離ライナー剥離時の重はく離ライナーの剥離のしにくさを調べた(第2の評価試験)。評価サンプルの作製前に、はく離ライナー付き粘着シートを、65℃および相対湿度90%の条件で、14日間保管した。このような第2の評価試験による評価結果を、表1~4に示す。
Figure 2024048326000002
Figure 2024048326000003
Figure 2024048326000004
Figure 2024048326000005
S はく離ライナー付き粘着シート
S’ 積層フィルム
H 厚さ方向
10 粘着シート
11 第1面
12 第2面
20 はく離ライナー(重はく離ライナー)
20a 延出端部
21 剥離面
30 はく離ライナー(軽はく離ライナー)
30a 延出端部
31 剥離面

Claims (8)

  1. 第1面および当該第1面とは反対側の第2面を有する粘着シートと、
    前記第1面に剥離可能に接する重はく離ライナーと、
    前記第2面に剥離可能に接する軽はく離ライナーとを備え、
    前記粘着シートに対する前記重はく離ライナーの、25℃および引張速度10mm/分の条件でのせん断引張試験における最大応力Xが、24N以上である、はく離ライナー付き粘着シート。
  2. 前記せん断引張試験における応力5Nから応力10Nまでの平均変化率Y(N/mm)がY≧-1.43X+70を充足する、請求項1に記載のはく離ライナー付き粘着シート。
  3. 前記重はく離ライナーの最大長さが20mm以上である、請求項1に記載のはく離ライナー付き粘着シート。
  4. 前記粘着シートから前記重はく離ライナーを剥離するための剥離力F1と、前記粘着シートから前記軽はく離ライナーを剥離するための剥離力F2との差F1-F2が、10gf/25mm以上である、請求項1に記載のはく離ライナー付き粘着シート。
  5. 前記粘着シートから前記重はく離ライナーを剥離するための剥離力F1と、前記粘着シートから前記軽はく離ライナーを剥離するための剥離力F2との差F1-F2が、500gf/25mm以下である、請求項1に記載のはく離ライナー付き粘着シート。
  6. 前記粘着シートが基材レス粘着シートである、請求項1に記載のはく離ライナー付き粘着シート。
  7. 前記粘着シートが、紫外線吸収剤を含有する光重合性粘着剤組成物の光硬化物である、請求項1から6のいずれか一つに記載のはく離ライナー付き粘着シート。
  8. 重はく離ライナーと、紫外線吸収剤を含有する光重合性粘着剤組成物の組成物層と、軽はく離ライナーとを厚さ方向にこの順で備える積層フィルムであって、前記重はく離ライナーが前記組成物層側の表面にビニル基を有する積層フィルムを用意する、用意工程と、
    前記積層フィルムに対して前記重はく離ライナー側から紫外線を照射することにより、前記組成物層を光硬化させて粘着シートを形成する、粘着シート形成工程とを含む、はく離ライナー付き粘着シートの製造方法。
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