JP2024047607A - 機能薄膜半導体の製造方法 - Google Patents

機能薄膜半導体の製造方法 Download PDF

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JP2024047607A JP2022153192A JP2022153192A JP2024047607A JP 2024047607 A JP2024047607 A JP 2024047607A JP 2022153192 A JP2022153192 A JP 2022153192A JP 2022153192 A JP2022153192 A JP 2022153192A JP 2024047607 A JP2024047607 A JP 2024047607A
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竜弥 岡田
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Abstract

【課題】ガラス基板上またはフレキシブル基板上に、InSb結晶化薄膜を安定に実現させる機能薄膜半導体の製造方法を提供する。【解決手段】機能薄膜半導体の製造方法は、高周波スパッタリング装置内を高真空状態にしたうえで、装置内に、アルゴン(Ar)ガスを流入し、装置内でRFプラズマを放電させることで、装置内にセットした被製膜用基板上にInSb膜を成膜する工程と、装置内に、窒素(N2)ガスを流入し、Siからなるターゲットに、前記装置内でRFプラズマを放電させることで、InSb膜上に、SiNによるキャップ膜を成膜する工程と、InSb膜及びキャップ膜を成膜した被製膜用基板上のInSb膜を結晶化させる工程と、からなる。これにより、良好なInSbの結晶化膜を形成し、高いキャリア(電子)移動度の素子を製造することを実現する。【選択図】図1

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 1.ウェブサイトでの講演概要の公開 学会名:第69回応用物理学会春季学術講演会(2022年) 公開日:2022年2月25日 2.学会及びウェブサイトでの発表による公開 学会名:第69回応用物理学会春季学術講演会(2022年) 公開日:2022年3月24日
本発明は、ガラス基板上または耐熱性が低い樹脂もしくは金属薄片などからなるシート状のフレキシブル基板上でも、III-V族半導体であるIndium Antimonide(InSb)に対して、より高性能で、高い機能性を有する半導体素子としてのInSb結晶化薄膜の製造方法に関する。
InSbは、非常に高い移動度をもつ半導体材料であり、磁気センサや赤外センサなどの機能性半導体素子に使用されている。
そのため、ホールセンサーとしても広く用いられており、小型のHall素子や自動車での電子制御に応用する革新技術における材料素子としても期待されている。
一般に、高いキャリア移動度を有するInSb素子は、MBEなどの高価な製法によって、単結晶基板上にエピタキシャル法で製造される。
また、薄膜による素子製法の技術としては、マイカ(雲母)を基板として、その上に加熱蒸着法で結晶化薄膜が作られ、その後、その結晶化InSb薄膜がフェライト基板上に転写搭載されて、製造される方法が知られている。
しかし、マイカ(雲母)は、天然資源であり、近年は少しずつ枯渇しつつあることから、価格上昇が憂慮されている。
さらに、マイカ薄片の厚さや面形状などにばらつきがあり、これが原因で、結晶化後の状態にばらつきが生じ、電子移動度などの機能特性に影響するほか、歩留まりにおいても問題となることが懸念されている。
そこで、安価なガラス基板上、さらには耐熱性が低い樹脂もしくは金属薄片などからなるシート状のフレキシブル基板上に、均一な結晶化膜を、再現性よく、かつ、品質よく作ることが求められている。
しかしながら、これまでの検討結果では、スパッタ法により室温で成膜されたものは、そのままでは通常アモルファス相であり、加熱蒸着法により作られたものに比べて電子移動度が低いため、結晶化させる熱処理(もしくは低温加熱しながらの成膜)が必要であるが、一般にポリマー材料でつくられるフレキシブルな基板は熱に弱いため、高温加熱による結晶化処理ができず、マイカ上に加熱蒸着により得られるような高性能な結晶化薄膜素子を作ることは困難であった。
このような問題点があるなかで、近年、ガラス基板上や比較的耐熱性に優れるポリマーであるポリイミド(PI)などのフレキシブル基板上に、レーザアニール結晶化法により高性能結晶化SiTFT(薄膜トランジスタ)が搭載できるようになってきた。
現在、ガラス上にみでなくPI上も含めて、液晶(LCD)や有機EL(OLED)などのFPD情報端末パネルが使用されたスマートフォンやPCなどが世界中で普及している。
さらに、パネルのシステム機能化が求められ、高性能化の研究開発が進んでいる。
優れた磁気特性を有する薄膜を、任意の基板上に自由に形成し、搭載することができれば、上記した問題を解決しつつ、より高機能化、多機能化が期待できる。
結晶化のための予備成膜技術において、スパッタ法は、真空蒸着に比べて、大面積でも均一に成膜でき、量産性、生産性に優れる。
このスパッタ法を用いて、InSb薄膜をガラス上に成膜した後、525℃前後の低温加熱で結晶化させた研究報告がある(非特許文献1)。
また一方、スパッタ法によるSiの成膜では、通常のアルゴン(Ar)ガスによらず、ヘリウム(He)ガス、ネオン(Ne)ガスによるスパッタ法によって得られる膜に対してのレーザー結晶化が有効で、より低温で成膜できることが知られている(非特許文献2及び3)。
ガラスよりも低温プロセスが必要な、低コストのポリエーテルサルフォン(PES)などのフレキシブル基板上であっても、レーザアニール(ELA:Excimer Laser Annealや半導体素子によるBLDA:Blue Laser Diode Annealing)によれば、良好な結晶化Si膜が得られ、高性能、高移動度のポリSiTFTの作製が可能なことも報告されている(非特許文献3)。
C.J. Koswaththage et al. AIP Advance 6,115303(2016). D.P. Gosain et al., Proc.AM-LCD, TFT1-2,57,(1997). T. Noguchi, Y. Chen, T. Miyahira, J. de Dieu Mugiraneza, Y. Ogino, Y. Iida, E. Sahota, and M. Terao, Jap. J. Appl. Phys. 49, 03CA10(2010).
従来、InSbのようなIII-V族化合物の半導体薄膜において、アモルファス相からの均一な結晶化は、不可能(または困難)であった。
特に、アニール工程における熱処理中に、InSb膜中からアンチモン(Sb)が析出してIn、Sbの組成が変わり、高い移動度が出せないという問題があった。
この問題に対し、本発明者らは、鋭意研究の結果、流入ガスにアルゴン(Ar)ガスを用いて高周波スパッタリング装置によって成膜したInSb膜のホール(Hall)移動度が、RTA(Rapid Thermal Annealing)による結晶化によって(IV属のSiやGe薄膜の場合のように)増大化することを発見した。
そして、InSb膜上のキャップ膜が、アンチモン(Sb)の放出を防ぎIn、Sbの組成を維持でき、Hall効果により測定導出される伝導キャリア(電子)移動度、すなわちホール(Hall)移動度の上昇に重要な役割を果たしていることを明らかにした。
そこで、本発明は、ガラス基板上または耐熱性が低い樹脂もしくは金属薄片などからなるシート状のフレキシブル基板上でも、IV族のシリコン(Si)等以外のIII-V族化合物のIndium Antimonide(InSb)に対して、より高性能で、高い機能性を有する半導体素子としてのInSb結晶化薄膜の製造方法を提供することを課題とする。
本発明にかかる機能薄膜半導体の製造方法は、
高周波スパッタリング装置内を高真空状態にしたうえで、
前記装置内に、アルゴン(Ar)ガスを流入し、前記装置内でRFプラズマを放電させることで、前記装置内にセットした被製膜用フレキシブル基板上にInSb膜を成膜する工程と、
前記装置内に、アルゴン(Ar)ガスを流入し、SiO2からなるターゲットに、前記装置内でRFプラズマを放電させることで、前記フレキシブル基板のInSb膜上に、SiO2によるキャップ膜を成膜する工程と、
InSb膜及びキャップ膜を成膜した前記被製膜用基板上のInSbを結晶化させる工程と、
からなることを特徴とする。
本発明にかかる機能薄膜半導体の製造方法は、
InSb膜を成膜する工程において、
流入するアルゴン(Ar)ガスを、ネオン(Ne)ガス、ヘリウム(He)ガスに代えることもでき、
キャップ膜を成膜する工程において、
SiO2だけでなく、SiNも成膜することができ、この両方を成膜することもできる。
本願発明は、ガラス基板上または耐熱性が低い樹脂もしくは金属薄片などからなるシート状のフレキシブル基板上に、InSb結晶化薄膜を製造する方法である。
本願発明において、耐熱性が低い樹脂もしくは金属薄片などからなるシート状のフレキシブル基板とは、500℃程度しか耐熱性を有しないようなポリイミド(PI)や、ポリイミド(PI)よりも更に耐熱性が低いポリカーボネート(PC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びシクロオレフィンポリマー(COP)などのフレキシブルな樹脂、さらにAlなどの金属薄片からなるシート状の基板を意味し、以下、これらを「フレキシブル基板」と表現する。
また、本願発明においては、ガラス基板及びフレキシブル基板を、まとめて「被製膜用基板」と表現する。
被製膜用基板に、InSb膜を成膜する。
InSb膜の成膜は、高周波スパッタ法(RF)だけでなく、DCスパッタ法(DC)で行うこともできる。
成膜用のターゲットは、インジウム(In)とアンチモン(Sb)からなる結晶化合物であるアンチモン化インジウム(Indium Antimonide:InSb)であって、純度99.99%以上(InSb組成において酸素、炭素など他の不純物元素の含有率が0.01%未満)であることが望ましく、InAs(Indium Arsenide、インジウム砒素、GaAs、ガリウム砒素、GaP、インジウム燐)などのIII-V族化合物も使用できる。
スパッタガスは、アルゴン(Ar)ガス、ネオン(Ne)ガス、ヘリウム(He)ガスのほか、これらの混合ガスを使用することができる。
特に、ヘリウム(He)ガスによってスパッタ成膜したInSb膜では、ネオン(Ne)ガスによってスパッタ成膜したInSb膜に比べて、例えばレーザアニール(LA)によるInSb結晶化時の基板温度が、300℃以下を維持でき、この条件であれば基板を変形させずにInSbを結晶化させることが期待でき、実質的な低温化対応プロセスが可能となる結果、基板の材料選択の自由度が大きくなる。
InSb膜の成膜は、基板を加熱させなからスパッタ成膜させることもできる。
この方法によれば、真空加熱蒸着のように、成膜とともに成膜後すぐにInSbの結晶化が促進される利点がある。
この場合の加熱法は、通常の抵抗線加熱法などによる基板加熱のほか、ハロゲンランプやキセノンランプなどによるRTA法を用いることができる。
InSbまたはそれ以外の薄膜試料を直接またはグラファイトのようなサセプタ基板上において(もしくは石英などで支持し)、直接、抵抗線など(一般にはハロゲンランプもしくはキセノンランプあるいはLED)で加熱しながらInSbを結晶化させることができる。
なお、加熱方法としては、RTA(以下「フラッシュランプアニール」も含む意味でいう。)のほか、パルスやCWスキャンによる光アニール(レーザーなど)も有効に利用できる。
成膜したInSb膜の厚さは、200~1000nmが望ましい。
InSb膜の成膜温度は、ガラス及びポリイミド(PI)による基板は460℃以下、これら以外の材料によるフレキシブル基板は300℃以下を目安にする。
なお、被製膜用基板にInSb膜を成膜する前に、被製膜用基板上に、酸化ケイ素(SiOX)(「SiOX」の「」は1~2が望ましい。)や窒化ケイ素(Si3N4)、その他マイカ(雲母)と同様の成分による絶縁膜を成膜することもできる。
被製膜用基板上に絶縁膜を成膜することで、その後に成膜するInSbを結晶化させるRTA装置によるアニーリングの工程において、昇温を原因とするInSb膜からのアンチモン(Sb)の放出を防止できる。
絶縁膜は、ターゲットにSi、SiN、SiO2を用いることができ、窒素(N2)ガスやアルゴン(Ar)ガスを、装置内に流量13sccm、成膜圧力1.4mTorrの条件で流入させ、RFプラズマを450Wで放電させてスパッタ法で成膜する。
これにより、被製膜用基板上に、SiN及び/またはSiO2による絶縁膜を成膜できる。
絶縁膜の成膜温度は、ガラス及びポリイミド(PI)による基板は460℃以下、これら以外の材料によるフレキシブル基板は300℃以下を目安にする。
被製膜用基板にInSb膜を成膜した後、InSb膜上(被製膜用基板上に絶縁膜を成膜する場合もInSb膜上)に、キャップ膜を成膜する。
InSb膜上にキャップ膜を成膜することで、InSbの結晶化の加熱工程の際に、アンチモン(Sb)の放出を防ぎ、In、Sbの組成を維持することで、InSb結晶化薄膜のホール(Hall)移動度を上昇させることができる。
キャップ膜の成膜条件は、次のとおりである。
キャップ膜に使用する絶縁性材料は、SiOxNy、SiN、SiO2のうちのいずれか1つ、または、複数、もしくは、これらの混合成分(InSb、SiOx、SiNの各構造を含む。)を主体とする。
キャップ膜の厚さは、1.5μm以下が望ましい。
キャップ膜の成膜には、ターゲットにSi、SiN、SiO2を用いることができ、窒素(N2)ガスやアルゴン(Ar)ガスを、装置内に流量13sccm、成膜圧力1.4mTorrの条件で流入させ、RFプラズマを450Wで放電させてスパッタ法で成膜する。
これにより、InSb膜上に、SiNまたはSiO2によるキャップ膜をアモルファス相の状態で成膜できる。
キャップ膜の成膜温度は、ガラス及びポリイミド(PI)による基板は460℃以下、これら以外の材料によるフレキシブル基板は300℃以下を目安にする。
InSb膜上に、キャップ膜を成膜する前、または、キャップ膜を成膜した後、つまりInSbを結晶化させる前に、InSbを、結晶化が始まらない温度で予備アニーリングすることもできる。
InSbを結晶化させる前に、InSbの結晶化が始まらない温度で予備アニーリングをすることで、成膜したアモルファスの状態のInSb膜を、その後の加熱工程で結晶化しやすいIII-V族材料のアモルファスネットワーク膜構造にするとともに、InSb膜中に残留するNeやHeの一部または大部分がInSb膜の外に放出されることで、その後の結晶化により、InSb膜表面が滑らかで、より大きな結晶粒が形成される結果、高い電子キャリア(Hall)移動度を得られることが期待できる。
すなわち、InSbの結晶粒内の高移動度化のための微細ネットワーク形成が、よりスムースに促進されることが期待され、欠陥が少なく均一で優れた結晶化を実現できる。
予備アニーリングの条件は、次のとおりである。
装置は、電気炉アニール装置(以下「FA装置」という。)、高温急冷アニール装置(以下「RTA装置」という。)、フラッシュランプアニール装置(以下「FLA装置」という。)、レーザアニール装置(以下「LA装置」という。)のいずれも使用できる。
予備アニーリング工程における、InSbの結晶化が始まらない温度とは、ガラス及びポリイミド(PI)による基板は460℃以下、これら以外の材料によるフレキシブル基板は300℃以下を目安にする。
レーザーは、Green、Blueなどの半導体レーザーや固体レーザー(例えば、高調波)、エキシマレーザーなどの570nmより短い波長で行う。
エキシマレーザー(ELA)ではなく、半導体レーザーダイオードによるブルーレーザー(BLDA)もしくは半導体のUVレーザーを利用すると、装置システムコストやメンテナンスコストを抑えることができ、小型化、安定化、さらにCWスキャンにより平坦性もよくなるというメリットがある。
モードは、連続発振(CW)もしくはパルス発振による。
被製膜用基板に、InSb膜及びキャップ膜を成膜した後、InSbを結晶化させるためのアニーリング工程を行う。
アニーリングの条件は、次のとおりである。
装置は、FA装置、RTA装置、FLA装置、LA装置のいずれも使用できる。
結晶化アニーリング工程におけるInSb膜の昇温到達最高温度は、600℃以下を目安にする。
レーザーは、Green、Blueなどの半導体レーザーや固体レーザー(YAGレーザーなど、通常は第2または第3の高調波)、エキシマレーザーなどの570nmより短い波長で行う。
エキシマレーザー(ELA)ではなく、小型である半導体レーザーダイオードによるブルーレーザー(BLDA)もしくは半導体のより波長が短いUVレーザーでパルスを利用すると、装置システムコストを抑えることができ、小型化、安定化、さらにCWスキャンにより平坦性もよくなるというメリットがある。
レーザー以外では、フラッシュランプなどのm(ミリ)秒RTA(例えば、ハロゲンランプやキセノンランプ光源などによる。)を利用できる。
レーザスキャンモードは、連続発振(CW)もしくはパルス発振による。
結晶化アニーリングの工程は、キャップ膜を成膜した後に予備アニーリングの工程を行う場合、RTA、レーザーなどの加熱により、連続して行うこともできる。
特に、フレキシブル基板に、ポリマーシートやメタルシートを用いる場合、InSb膜及びキャップ膜の成膜から結晶化アニールまで、真空を破らずに連続一貫した工程(Roll-to-Roll)で行うことができる。
本発明は、ガラス基板上またはフレキシブル基板上でも、シリコン(Si)以外のIndium Antimonide(InSb)に対して、より高性能で、高い機能性を有する半導体素子としてのInSb結晶化薄膜をより低いコストで製造できる。
また、InSb以外のIII-V族結晶化薄膜にも適用でき、例えばGaAs薄膜やInP薄膜などに適用することで、現在まだ実現されていないパネル上超高移動度TFTなどの実現も可能になる。
RTA時間ごとのHall移動度の違いを示したグラフ(左図:アルゴン(Ar)ガス使用時、右図:ネオン(Ne)ガス使用時) アルゴン(Ar)ガスによるInSb結晶化薄膜のRTA時間ごとの結晶ピークの違いを示したグラフ(左図:キャップ膜にSiN使用時、右図:キャップ膜にSiO2使用時) ネオン(Ne)ガスによるInSb結晶化薄膜のRTA時間ごとの結晶ピークの違いを示したグラフ(左図:キャップ膜にSiN使用時、右図:キャップ膜にSiO2使用時)
被製膜用基板となるガラス(以下「ガラス基板」という。)をエタノールおよび超純水で洗浄した後、次の手順で、高周波スパッタリング装置(ULVAC社製 SH-350E)内で、ガラス基板上にInSb膜を成膜した。
クライオポンプ(ULVAC CRYOGENICS社製 R10)で真空チャンバーを吸引して高周波スパッタリング装置内を高真空状態(5×10-6Torr以下)にする。
その後、高周波スパッタリング装置内に、アルゴン(Ar)ガスを流量13sccm、成膜圧力7mTorrの条件で流入させる。
高周波スパッタリング装置内でRFプラズマを450Wで放電させ、ガラス基板上にInSb(99.99%)を約450nm厚にスパッタ成膜する。
なお、高周波スパッタリング装置内に流入するガスに、ネオン(Ne)ガスを使用した実施例(図1及び3)では、流量13sccm、成膜圧力7mTorrの条件で流入させた。
また、高周波スパッタリング装置内に流入するガスに、ヘリウム(He)ガスを使用する場合は、スパッタレートが低いので、ネオン(Ne)ガスよりも長い時間を要する。
RTA装置による結晶化のためのアニーリング中にInSb膜からアンチモン(Sb)が放出されることを防ぐため、InSb膜の成膜に続けて、キャップ膜(約50nm厚)としてSiNとSiO2を成膜した。
InSb膜上にキャップ膜を成膜することで、RTA加熱時のアンチモン(Sb)の放出を防ぎ、In、Sbの組成を維持することで、RTAによる結晶化によってInSb結晶化薄膜のホール(Hall)移動度を上昇させることができる。
キャップ膜としてSiNを成膜した実施例では、ターゲットにSiを用いて、窒素(N2)ガスを流量13sccm、成膜圧力1.4mTorrの条件で流入させ、RFプラズマを450Wで放電させて反応性スパッタ法で成膜した。
キャップ膜としてSiO2を成膜した実施例では、ターゲットにSiO2を用いて、アルゴン(Ar)ガスを流量13sccm、成膜圧力1.4mTorrの条件で流入させ、RFプラズマを450Wで放電させてスパッタ法で成膜した。
また、キャップ膜としてSiNを成膜する場合、ターゲットにSiNを用いて、アルゴン(Ar)ガスを流量13sccm、成膜圧力1.4mTorrの条件で流入させ、RFプラズマを450Wで放電させてスパッタ法で成膜することもできる。
なお、アルゴン(Ar)ガスに代えて、ネオン(Ne)ガスを流入させることもできるが、この場合のキャップ膜の成膜条件は、プラズマ放電時間(成膜時間)以外はアルゴン(Ar)ガスの実施例と同じである。
プラズマ放電時間(成膜時間)は、450nm厚InSbの成膜では、アルゴン(Ar)ガスの場合が375秒(6分15秒)、ネオン(Ne)ガスの場合が623秒(10分23秒)であった。
キャップ膜を成膜した後、InSb膜及びキャップ膜を成膜したガラス基板をチャンバーから取り出し、RTA装置(サーモ理工社製 IR-1000GVB)により、ガラス基板が500℃に達するまで加熱し、結晶化させることで、InSb結晶化薄膜を得た。
但し、ガラス基板が500℃に熱せられた状態を維持する時間は0~90秒とする。
以下、RTA装置の加熱時間を条件として示したときは、ガラス基板が500℃に達するまで加熱された状態を維持する時間を意味する。
本実施例では、絶縁膜を成膜せずにInSb結晶化薄膜を得たが、ガラス基板上にInSb膜を成膜する前に、ガラス基板上に、SiNまたはSiO2による絶縁膜を、次のとおり成膜することもできる。
絶縁膜としてSiNを成膜する場合、ターゲットにSiを用いて、窒素(N2)ガスを流量13sccm、成膜圧力1.4mTorrの条件で流入させ、RFプラズマを450Wで放電させて反応性スパッタ法で成膜できる。
絶縁膜としてSiNを成膜する場合、ターゲットにSiNを用いて、アルゴン(Ar)ガスを流量13sccm、成膜圧力1.4mTorrの条件で流入させ、RFプラズマを450Wで放電させてスパッタ法で成膜できる。
絶縁膜としてSiO2を成膜する場合、ターゲットにSiO2を用いて、アルゴン(Ar)ガスを流量13sccm、成膜圧力1.4mTorrの条件で流入させ、RFプラズマを450Wで放電させてスパッタ法で成膜できる。
また、ガラス基板上に、SiN、SiO2、または、窒化アルミニウム(AlNx)からなる絶縁膜を複数層、成膜することもでき、その場合、ターゲットにSiN、SiO2、または、窒化アルミニウム(AlNx)を用いて、アルゴン(Ar)ガス、ネオン(Ne)ガス、ヘリウム(He)ガス、または、これらの混合ガスを流量13sccm、成膜圧力1.4mTorrの条件で流入させ、RFプラズマを450Wで放電させてスパッタ法で成膜できる。
RTA装置による急速熱処理の後、結晶性の評価をするためのX線回折によるXRD測定と、電子移動度の評価をするためのvan der Pauw法によるHall移動度測定を行った。
図1は、RTA装置による急速熱処理後のHall移動度の測定結果を示すグラフである。
図1のHall移動度の測定結果から、アルゴン(Ar)ガスにより成膜したInSb結晶化薄膜は、キャップ膜として、SiO2を成膜した実施例に比べて、SiNを成膜した実施例のほうが、より移動度が向上した(図2)。
また、RTA装置による500℃(0~60秒)の結晶化のためのアニーリング条件下での急速熱処理の結晶性の評価(van der Pauw法によるHall移動度の測定結果)は、1180cm2/Vsであった。
これに対し、ネオン(Ne)ガスにより成膜したInSb結晶化薄膜は、キャップ膜として製膜したSiNとSiO2の間に顕著な差は見られず(図3)、いずれもRTA装置による500℃(0~30秒)の結晶化のためのアニーリング条件下での急速熱処理の結晶性の評価(van der Pauw法によるHall移動度の測定結果)は、より高い約2000cm2/Vsであった(特に、RTA時間が30秒のとき、Hall移動度が増加した。)。
したがって、ネオン(Ne)ガスにより成膜したInSb結晶化薄膜のほうが、アルゴン(Ar)ガスにより成膜したInSb結晶化薄膜よりも高い移動度を示し、さらに結晶性もよく、強い(111)結晶面優先配向を示した。
特に、ネオン(Ne)ガスによりスパッタ成膜した実施例(図3)では、アルゴン(Ar)ガスでスパッタ成膜した実施例(図2)に比べて、XRDのピークが鋭くなっている。
このことから、ネオン(Ne)ガスにより成膜したInSb結晶化薄膜のほうが、より大きな粒径が得られていると推測され、より高いHall移動度を実現できた要因であると考えられる。
本実施例は、RTA装置による急速熱処理を使用したが、これ以外に、FA装置、FLA装置を使用することもできるし、結晶化前に予備アニーリングをすることも有効である。
予備アニーリングにより、スパッタ成膜後に含有されるNeやHeをInSb薄膜から追い出しておくことで、LA、RTAなどにより得られるInSb結晶化薄膜の滑らかな結晶化を実現できる。


Claims (11)

  1. 高周波スパッタリング装置内を高真空状態にしたうえで、
    前記装置内に、アルゴン(Ar)ガスを流入し、前記装置内でRFプラズマを放電させることで、前記装置内にセットした被製膜用基板上にInSb膜を成膜する工程と、
    前記装置内に、窒素(N2)ガスを流入し、Siからなるターゲットに、前記装置内でRFプラズマを放電させることで、前記フレキシブル基板のInSb膜上に、SiNによるキャップ膜を成膜する工程と、
    InSb膜及びキャップ膜を成膜した前記被製膜用基板上のInSbを結晶化させる工程と、
    からなることを特徴とする機能薄膜半導体の製造方法。
  2. 高周波スパッタリング装置内を高真空状態にしたうえで、
    前記装置内に、アルゴン(Ar)ガスを流入し、前記装置内でRFプラズマを放電させることで、前記装置内にセットした被製膜用フレキシブル基板上にInSb膜を成膜する工程と、
    前記装置内に、アルゴン(Ar)ガスを流入し、SiNからなるターゲットに、前記装置内でRFプラズマを放電させることで、前記フレキシブル基板のInSb膜上に、SiNによるキャップ膜を成膜する工程と、
    InSb膜及びキャップ膜を成膜した前記被製膜用基板上のInSbを結晶化させる工程と、
    からなることを特徴とする機能薄膜半導体の製造方法。
  3. 高周波スパッタリング装置内を高真空状態にしたうえで、
    前記装置内に、アルゴン(Ar)ガスを流入し、前記装置内でRFプラズマを放電させることで、前記装置内にセットした被製膜用フレキシブル基板上にInSb膜を成膜する工程と、
    前記装置内に、アルゴン(Ar)ガスを流入し、SiO2からなるターゲットに、前記装置内でRFプラズマを放電させることで、前記フレキシブル基板のInSb膜上に、SiO2によるキャップ膜を成膜する工程と、
    InSb膜及びキャップ膜を成膜した前記被製膜用基板上のInSbを結晶化させる工程と、
    からなることを特徴とする機能薄膜半導体の製造方法。
  4. 高周波スパッタリング装置内を高真空状態にしたうえで、
    前記装置内に、ネオン(Ne)ガスを流入し、前記装置内でRFプラズマを放電させることで、前記装置内にセットした被製膜用フレキシブル基板上にInSb膜を成膜する工程と、
    前記装置内に、窒素(N2)ガスを流入し、Siからなるターゲットに、前記装置内でRFプラズマを放電させることで、前記フレキシブル基板のInSb膜上に、SiNによるキャップ膜を成膜する工程と、
    InSb膜及びキャップ膜を成膜した前記被製膜用基板上のInSbを結晶化させる工程と、
    からなることを特徴とする機能薄膜半導体の製造方法。
  5. 高周波スパッタリング装置内を高真空状態にしたうえで、
    前記装置内に、ネオン(Ne)ガスを流入し、前記装置内でRFプラズマを放電させることで、前記装置内にセットした被製膜用フレキシブル基板上にInSb膜を成膜する工程と、
    前記装置内に、アルゴン(Ar)ガスを流入し、SiNからなるターゲットに、前記装置内でRFプラズマを放電させることで、前記フレキシブル基板のInSb膜上に、SiNによるキャップ膜を成膜する工程と、
    InSb膜及びキャップ膜を成膜した前記被製膜用基板上のInSbを結晶化させる工程と、
    からなることを特徴とする機能薄膜半導体の製造方法。
  6. 高周波スパッタリング装置内を高真空状態にしたうえで、
    前記装置内に、ネオン(Ne)ガスを流入し、前記装置内でRFプラズマを放電させることで、前記装置内にセットした被製膜用フレキシブル基板上にInSb膜を成膜する工程と、
    前記装置内に、アルゴン(Ar)ガスを流入し、SiO2からなるターゲットに、前記装置内でRFプラズマを放電させることで、前記フレキシブル基板のInSb膜上に、SiO2によるキャップ膜を成膜する工程と、
    InSb膜及びキャップ膜を成膜した前記被製膜用基板上のInSbを結晶化させる工程と、
    からなることを特徴とする機能薄膜半導体の製造方法。
  7. 高周波スパッタリング装置内を高真空状態にしたうえで、
    前記装置内に、ヘリウム(He)ガスを流入し、前記装置内でRFプラズマを放電させることで、前記装置内にセットした被製膜用フレキシブル基板上にInSb膜を成膜する工程と、
    前記装置内に、窒素(N2)ガスを流入し、Siからなるターゲットに、前記装置内でRFプラズマを放電させることで、前記フレキシブル基板のInSb膜上に、SiNによるキャップ膜を成膜する工程と、
    InSb膜及びキャップ膜を成膜した前記被製膜用基板上のInSbを結晶化させる工程と、
    からなることを特徴とする機能薄膜半導体の製造方法。
  8. 高周波スパッタリング装置内を高真空状態にしたうえで、
    前記装置内に、ヘリウム(He)ガスを流入し、前記装置内でRFプラズマを放電させることで、前記装置内にセットした被製膜用フレキシブル基板上にInSb膜を成膜する工程と、
    前記装置内に、アルゴン(Ar)ガスを流入し、SiNからなるターゲットに、前記装置内でRFプラズマを放電させることで、前記フレキシブル基板のInSb膜上に、SiNによるキャップ膜を成膜する工程と、
    InSb膜及びキャップ膜を成膜した前記被製膜用基板上のInSbを結晶化させる工程と、
    からなることを特徴とする機能薄膜半導体の製造方法。
  9. 高周波スパッタリング装置内を高真空状態にしたうえで、
    前記装置内に、ヘリウム(He)ガスを流入し、前記装置内でRFプラズマを放電させることで、前記装置内にセットした被製膜用フレキシブル基板上にInSb膜を成膜する工程と、
    前記装置内に、アルゴン(Ar)ガスを流入し、SiO2からなるターゲットに、前記装置内でRFプラズマを放電させることで、前記フレキシブル基板のInSb膜上に、SiO2によるキャップ膜を成膜する工程と、
    InSb膜及びキャップ膜を成膜した前記被製膜用基板上のInSbを結晶化させる工程と、
    からなることを特徴とする機能薄膜半導体の製造方法。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項の
    キャップ膜を成膜する工程の前または後に、
    InSbの結晶化が始まらない温度でアニーリングをする工程
    を含むことを特徴とする機能薄膜半導体の製造方法。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項の
    InSb膜を成膜する工程の前に、
    高周波スパッタリング装置内に、窒素(N2)ガスまたはアルゴン(Ar)ガスを流入し、前記装置内でRFプラズマを放電させることで、前記装置内にセットした被製膜用基板上にSiNまたはSiO2による絶縁膜を成膜する工程
    を含むことを特徴とする機能薄膜半導体の製造方法。



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