JP2024047218A - 管理システム、制御装置及び管理方法 - Google Patents

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浩和 島▲崎▼
Hirokazu Shimazaki
康宏 近藤
Yasuhiro Kondo
慶記 小澤
Yoshinori Ozawa
淳 木全
Atsushi Kimata
弘明 渡邊
Hiroaki Watanabe
ひとみ 松本
Hitomi Matsumoto
由起子 木原
Yukiko Kihara
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Abstract

【課題】複数の衛生設備機器の排水が排水管に流れる構成において、排水管の搬送能力を向上させる技術を提供する。【解決手段】 管理システムは、複数の衛生設備機器を備える管理領域の排水系統を管理してもよい。排水系統は、複数の衛生設備機器の並び方向に延びており、複数の衛生設備機器のそれぞれが有する機器側排水管に連通する枝排水管と、枝排水管の下流端に連通する主排水管と、を備えていてもよい。管理システムは、少なくとも1個の第1衛生設備機器から延びる第1機器側排水管に配置される第1検出装置であって、第1機器側排水管の中間位置に配置されるトラップの気圧を検出する第1検出装置と、検出済みのトラップの気圧が枝排水管の排水の流動性の低下を示す場合、第1衛生設備機器よりも上流に配置される特定の衛生設備機器及び前記第1衛生設備機器の少なくとも一方の機器側排水管から枝排水管に水を流す制御装置と、を備えていてもよい。【選択図】図2

Description

本明細書に開示する技術は、管理システム、制御装置及び管理方法に関する。
特許文献1に、ボウルに供給された洗浄水が建物の排水管に排出される大便器が開示されている。排水配管に汚物が停滞すると、排水管が満水となり、サイホン現象が発生する。大便器では、サイホン現象を検出することによって、排水管に停滞汚物が存在することを推定する。サイホン現象が検出されると、大便器は、洗浄水量を増加させることによって、排水管の搬送能力を向上させる。
特開2018-162649号公報
上記の技術では、1個の大便器の排水が流れる排水管の搬送能力向上のために、1個の大便器で使用される水量が調整される。本明細書では、複数の衛生設備機器の排水が排水管に流れる構成において、排水管の搬送能力を向上させる技術を提供する。
本明細書に開示の技術の第1の態様では、管理システムが、複数の衛生設備機器を備える管理領域の排水系統を管理してもよい。前記排水系統は、前記複数の衛生設備機器の並び方向に延びており、前記複数の衛生設備機器のそれぞれが有する機器側排水管に連通する枝排水管と、前記枝排水管の下流端に連通する主排水管と、を備えていてもよい。前記管理システムは、前記複数の衛生設備機器のうちの少なくとも1個の第1衛生設備機器から延びる第1機器側排水管に配置される第1検出装置であって、前記第1機器側排水管の中間位置に配置されるトラップの気圧を検出する前記第1検出装置と、検出済みの前記トラップの前記気圧が前記枝排水管の排水の流動性の低下を示す場合、前記第1衛生設備機器よりも上流に配置される特定の衛生設備機器及び前記第1衛生設備機器の少なくとも一方の機器側排水管から前記枝排水管に水を流す制御装置と、を備えていてもよい。
第2の態様では、上記第1の態様において、前記第1衛生設備機器は、便鉢を有する水洗式便器であり、前記管理システムは、さらに、前記第1衛生設備機器に配置され、前記第1衛生設備機器の便鉢内の洗浄水の状態を表す第2指標を検出する前記第2検出装置を備え、前記制御装置は、検出済みの前記第2指標が前記流動性の低下を示す場合に、前記特定の衛生設備機器及び前記第1衛生設備機器の少なくとも一方の機器側排水管から前記枝排水管に水を流してもよい。
第3の態様では、上記第1から第2の態様のいずれか一つにおいて、前記複数の衛生設備機器のそれぞれは、便鉢を有する水洗式便器であってもよい。
第4の態様では、上記第3の態様において、前記制御装置は、前記複数の衛生設備機器のそれぞれの便鉢に、第1水量と、前記第1水量よりも少ない第2水量と、の洗浄水を供給可能であり、前記制御装置は、前記流動性の低下を示す場合に前記特定の衛生設備機器及び前記第1衛生設備機器の少なくとも一方の機器側排水管から前記枝排水管に水を流した後、前記複数の衛生設備機器のうちの少なくとも1個の衛生設備機器を洗浄する場合、前記第2水量の洗浄水を供給してもよい。
第5の態様では、上記第3から第4の態様のいずれか一つにおいて、前記制御装置は、前記複数の衛生設備機器のそれぞれの便鉢に、第1水量と、前記第1水量よりも少ない第2水量と、の洗浄水を供給可能であり、前記制御装置は、前記複数の衛生設備機器において所定の回数に亘って前記第1水量の洗浄水が供給された後、検出済みの前記第1指標が前記流動性の低下を示さない場合に、前記複数の衛生設備機器のうちの少なくとも1個の衛生設備機器を洗浄する場合、前記第2水量の洗浄水を供給してもよい。
第6の態様では、上記第4から第5の態様のいずれか一つにおいて、前記制御装置は、前記複数の衛生設備機器の便鉢に供給される複数回の洗浄水の所定期間における平均水量が所定水量以下となるように洗浄水を供給してもよい。
第7の態様では、上記第1から第6の態様のいずれか一つにおいて、前記第1指標は、前記枝排水管の液面の位置を含んでいてもよい。
第8の態様では、上記第2から第7の態様のいずれか一つにおいて、前記第2指標は、前記便鉢の液面に位置を含んでいてもよい。
本明細書に開示の技術の第9の態様では、複数の衛生設備機器を備える施設に配置される排水設備を管理する管理システムのための制御装置であって、前記排水設備は、前記複数の衛生設備機器の並び方向に延びており、前記複数の衛生設備機器のそれぞれが有する機器側排水管に連通する枝排水管と、前記枝排水管の下流端に連通する主排水管と、を備え、前記制御装置は、前記複数の衛生設備機器のうちの少なくとも1個の第1衛生設備機器から延びる第1機器側排水管に配置される検出部から、前記第1機器側排水管の中間位置に配置されるトラップの気圧を取得し、取得済みの前記トラップの前記気圧が前記枝排水管の排水の流動性の低下を示す場合、前記第1衛生設備機器よりも上流に配置される特定の衛生設備機器及び前記第1衛生設備機器の少なくとも一方の機器側排水管から前記枝排水管に水を流してもよい。
本明細書に開示の技術の第10の態様では、複数の衛生設備機器を備える施設に配置される排水設備を管理する管理方法であって、前記排水設備は、前記複数の衛生設備機器の並び方向に延びており、前記複数の衛生設備機器のそれぞれが有する機器側排水管に連通する枝排水管と、前記枝排水管の下流端に連通する主排水管と、を備え、前記管理方法は、前記複数の衛生設備機器のうちの少なくとも1個の第1衛生設備機器から延びる第1機器側排水管に配置される検出部から前記第1機器側排水管と前記枝排水管との接続部分における前記枝排水管の排水の流動性に関する第1指標を取得し、取得済みの前記第1指標が前記流動性の低下を示す場合に、前記第1衛生設備機器よりも上流に配置される特定の衛生設備機器及び前記第1衛生設備機器の少なくとも一方の機器側排水管から前記枝排水管に水を流す、管理方法であってもよい。
管理領域内の水洗式便器の配管構造の概要図を示す。 水洗式便器の概略縦断面図を示す。 第1実施形態の制御システムの構成ブロック図を示す。 第1実施形態の洗浄処理のフローチャートを示す。 第1実施形態の洗浄水制御処理のフローチャートを示す。 第1実施形態の洗浄水量決定処理のフローチャートを示す。 第3実施形態の洗浄処理のフローチャートを示す。 第3実施形態の洗浄水制御処理のフローチャートを示す。 第3実施形態の制御システムの構成ブロック図を示す。
(第1実施形態)
(給排水システムの構成)
図1には、管理領域1内に設置される複数の水洗式便器100を備える給排水システム2が示されている。図1では、3個の水洗式便器100a、100b、100cが表されている。以下、「水洗式便器」を単に「便器」と呼ぶ。管理領域1に配置される複数の便器100の個数には制限は無い。なお、管理領域1は、1個のビル、家屋、商業施設等の建物、1個の野外管理領域、1個の街区、及び、1個の町の少なくとも1個の領域のように、特に制限は無い。1個の街区及び町には、1個以上の建物及び1個以上の野外管理領域の少なくともいずれかが含まれている。管理領域1では、管理領域1内の複数の便器100の排水が管理領域1内の排水系統5によって、処理される。排水系統5は、1本以上の枝排水管6と、主排水管8と、を備える。枝排水管6は、複数の便器100が並ぶ方向に延びている。複数の便器100の排水は、1本の枝排水管6に合流して、管理領域1内の主排水管8に連通している。複数の便器100が直線状に並んでいない場合、枝排水管6は中間位置において曲がっていてもよい。
管理領域1では、例えば1か月等の特定期間において使用する目標の水量が予め設定されている。管理領域1では、使用する水量が一括管理されている。管理領域1では、複数の便器100と、1本の枝排水管6と、の組み合わせが、2組以上設置されていてもよい。
複数の便器100のそれぞれには、管理領域1の外側に設置されている上水管3に連通する給水管4から水が供給される。複数の便器100のそれぞれは、給水管4から分岐する分岐管4a、4b、4cに接続されている。複数の便器100のそれぞれは、分岐管6a、6b、6cに接続されている。複数の便器100のそれぞれで使用された水は、分岐管6a、6b、6cのそれぞれを介して枝排水管6に流れる。枝排水管6には、さらに、複数の便器100のそれぞれによって受け止められた排泄物が、分岐管6a、6b、6cのそれぞれを介して流れ込む。枝排水管6の水及び排泄物は、枝排水管6を流れて主排水管8に到達する。主排水管8に到達した水及び排泄物は、主排水管8を通過して、下水管に流れる。
(便器の構成)
図2に示すように、便器100aは、便座102と、便鉢104と、排水管106と、図示省略された便蓋及びタンクと、を備える。便器100aでは、タンクに貯留される洗浄水が、排泄物を受け入れる便鉢104に供給されることによって、便鉢104が洗浄される。タンクは、給水管4から供給される水を貯留する。便鉢104に供給された洗浄水は、排水管106から分岐管6aを通って、枝排水管6に流れる。洗浄水は、枝排水管6を、図2の矢印の方向に、上流から下流に向かって流れる。変形例では、便器100aは、便蓋及びタンクの少なくとも一方を備えていなくてもよい。タンクが配置されていない便器100aでは、給水管4から分岐管4aを介して、便鉢104に洗浄水が供給されてもよい。
排水管106は、便鉢104から上方に向かって延びて、下方に湾曲するトラップ106aを有している。排水管106は、分岐管6aまで延びている。トラップ106aは、排水管106に水を溜めて排水管106を封水する。便器100aが設置される地面Xから上方には、便器100aが備える排水管106が配置され、地面Xよりも下方には、管理領域1側の分岐管6aが配置される。トラップ106aから下方に向くと、分岐管6aに通じて枝排水管6内の一部が露出している。便器100b、100cを含む複数の便器100のそれぞれは、便器100aと同様の構成を有する。
(管理システムの構成)
給排水システム2は、複数の便器100と排水系統5の他に、図3に示す管理システム10を備える。管理システム10は、複数の便器100を制御する。管理システム10は、制御ユニット11と、複数のセンサ110、120と、を備える。制御ユニット11は、主制御装置12と、複数の個別制御装置20a、20b、20cと、を備える。主制御装置12は、複数の便器100を管理する。主制御装置12は、CPU14と、メモリ16と、通信モジュール18と、を備える。
CPU14とメモリ16と通信モジュール18とは、図示省略したバスバーによって通信可能に接続されている。主制御装置12は、メモリ16に格納されるコンピュータプログラムに従った処理をCPU14が実行することによって、複数の便器100を制御する。
メモリ16は、例えばハードディスク、ROM及びRAMの少なくとも1種類のメモリを有する。メモリ16は、主制御装置12のためのコンピュータプログラム及び主制御装置12の処理に必要なデータを格納する。メモリ16には、複数の便器100のそれぞれに固有に付与される識別情報と、識別情報によって識別される便器の位置情報と、の組み合わせが予め格納されている。位置情報は、複数の便器100のうち、枝排水管6の上流から何番目に位置するかを示す情報を含む。メモリ16には、さらに、識別情報と、識別情報によって識別される便器の現在の洗浄水量と、の組み合わせが格納される。
通信モジュール18は、主制御装置12と他の装置とを通信可能に接続するためのインターフェイスを備える。例えば、通信モジュール18は、LAN(Local Area Networkの略)と通信するためのインターフェイス及び無線通信を実行するためのインターフェイスの少なくとも一方を備えていてもよい。主制御装置12は、通信モジュール18を介して、複数の個別制御装置20a、20b、20cのそれぞれと通信可能に接続されている。
複数の個別制御装置20a、20b、20cのそれぞれは、複数の便器100のそれぞれに配置されている。個別制御装置20aは、便器100aに配置されている。個別制御装置20aは、制御部22aと、通信モジュール28と、操作部29と、を備える。制御部22aは、CPU24と、メモリ26と、を備える。
CPU24とメモリ26と通信モジュール28と操作部29とは、図示省略したバスバーによって通信可能に接続されている。制御部22aは、メモリ26に格納されるコンピュータプログラムに従った処理をCPU24が実行することによって、複数の便器100を制御する。
メモリ26は、例えばハードディスク、ROM及びRAMの少なくとも1種類のメモリを有する。メモリ26は、制御部22aのためのコンピュータプログラム及び制御部22aの処理に必要なデータを格納する。メモリ26には、便器100aの識別情報が予め格納されている。制御部22aは、タンクに配置される弁を制御することによって、タンクから便鉢104に洗浄水を供給する。制御部22aは、弁を制御することによって、タンクから便鉢104に供給される洗浄水量を調整することができる。
通信モジュール28は、制御部22aと他の装置とを通信可能に接続するためのインターフェイスを備える。例えば、通信モジュール28は、通信モジュール18と同様の構成を有する。制御部22aは、通信モジュール28を介して、主制御装置12と、複数のセンサ110、120と、のそれぞれと通信可能に接続されている。操作部29は、便器100aの使用者が、便器100aの便鉢104に洗浄水を供給させるための洗浄ボタンを備える。
個別制御装置20b、20cのそれぞれは、便器100b、100cのそれぞれに配置されている。個別制御装置20b、20cは、個別制御装置20aと同様の構成を有する。
複数のセンサ110、120は、便器100aに配置されている。図2に示すように、センサ110は、便座102の下面に配置される。センサ110は、センサ110から下方に延びる破線で示すように、超音波及び電波の少なくとも一方を、便鉢104に向けて下方に発信して、便鉢104内の洗浄水の液面WF1での反射波を受信することによって、便鉢104内の洗浄水の液面WF1の位置を検出する。センサ120は、排水管106のトラップ106aに配置されている。センサ120は、センサ120周辺の圧力を検出する。複数の便器100のそれぞれには、複数のセンサ110、120と同様のセンサが配置されている。
(便器に洗浄水を供給するための供給処理)
主制御装置12及び複数の個別制御装置20a、20b、20cは、複数の便器100a、100b、100cに供給する洗浄水量を供給するための供給処理を実行する。具体的には、複数の個別制御装置20a、20b、20cでは、洗浄処理が実行される。主制御装置12では、洗浄水制御処理が実行される。以下では、個別制御装置20aの制御部22aが実行する処理を説明するが、個別制御装置20b、20cの制御部22b、22cでも同様である。
(洗浄処理)
制御部22aは、洗浄処理を継続的に実行している。図4に示すように、洗浄処理では、S12において、制御部22aは、洗浄指示を取得することを監視している。洗浄指示は、便器100aの使用者が操作部29の洗浄ボタンを操作すると、操作部29から制御部22aに送信される。変形例では、制御部22aは、便器100aに配置される着座センサにおいて使用者が着座ことを表す信号を取得した後に脱座したことを表す信号を取得することによって、洗浄指示を取得したと判断してもよい。変形例では、便器100aに配置される便蓋の開閉を検知するセンサにおいて便蓋が閉じられたことを表す信号、及び便器100aに配置される人感センサにおいて使用者が便器100aから離れたことを表す信号の少なくとも一方を取得することによって、洗浄指示を取得したと判断してもよい。洗浄指示が取得されると(S12でYES)、S14に進む。制御部22aは、洗浄指示によらず、定期的及び不定期の少なくとも一方で洗浄水を供給させてもよい。この場合、洗浄水を供給すべきタイミングで、S12でYESと判断されてもよい。洗浄指示が取得されない場合(S12でNO)、S32に進む。
S14では、制御部22aは、センサ120からトラップ106aの気圧の検出結果を取得する。S16では、制御部22aは、センサ110から便鉢104の液面の位置の検出結果を取得する。S18では、S14及びS16で取得済みの検出結果を、洗浄指示が取得されたことを示す洗浄指示情報及び便器100aの識別情報と組み合わせて、主制御装置12に送信する。
S20では、制御部22aは、主制御装置12から便鉢104に供給すべき洗浄水量を受信する。S22では、制御部22aは、便鉢104への洗浄水の供給を開始させる。S23では、制御部22aは、便鉢104に洗浄水の供給が開始されてから、トラップ106aの気圧を繰り返し検出する。S24では、制御部22aは、洗浄水の供給を開始してから所定期間が経過することを監視している。所定期間は、予め制御部22aに格納されている。所定期間は、排水管106に洗浄水が流れている期間(例えば洗浄水の供給を開始してから10秒以内)である。
S28は、S16と同様である。S30では、制御部22aは、S23及びS28で取得済みの検出結果を便器100aの識別情報と組み合わせて、主制御装置12に送信する。S23の検出結果は、便鉢104に洗浄水の供給が開始されてからS24の所定期間が経過するまでの複数の検出結果を含む。S32では、制御部22aは、主制御装置12から追加洗浄水供給指示が受信されることを監視している。S30において検出結果を送信する場合、検出結果の送信後、予め制御部22aに設定された期間(例えば1秒)が経過するまで、追加洗浄水供給指示が受信されるか否かを判断する。追加洗浄水供給指示が受信されない場合(S32でNO)、S36に進む。追加洗浄水供給指示が受信される場合(S32でYES)、制御部22aは、追加洗浄水供給指示に含まれる洗浄水量の洗浄水を、便鉢104に供給させて、S36に進む。
S36では、制御部22aは、便器100aに洗浄水が供給されてから、所定期間が経過したか否かを判断する。所定期間は、便器100aに洗浄水が供給されから、洗浄水が排水管106を通過して枝排水管6に流れなくなるまでの期間以上である。例えば、所定期間は、10秒である。S38では、制御部22aは、S14と同様に、トラップ106aの気圧の検出結果を、センサ120から取得する。S38で取得されるトラップ106aの気圧は、排水管106に洗浄水が流れていない期間の排水管106に連通する枝排水管6の気圧と一致する。制御部22aでは、便鉢104に洗浄水が供給されていない間も、継続的にトラップ106aの気圧が検出されている。S40では、制御部22aは、S38で取得済みの気圧を、主制御装置12に送信して、S12に戻る。
(洗浄水制御処理)
主制御装置12は、洗浄水制御処理を継続的に実行している。洗浄水制御処理では、図5に示すように、S52において、主制御装置12は、複数の制御部22a、22b、22cのいずれかの制御部から検出結果が受信されることを監視している。検出結果が受信されると(S52でYES)、S53において、主制御装置12は、洗浄指示情報が受信されたか否かを判断する。検出結果とともに洗浄指示情報が受信される場合とは、S18で送信された検出結果が受信される場合である。検出結果が受信される一方で洗浄指示情報が受信されない場合とは、S38で送信された検出結果が受信される場合である。
洗浄指示情報が受信されない場合(S53でNO)、S55に進む。S55では、主制御装置12は、枝排水管6の流動性が低下していること、及び、流動性の低下の可能性があること、の少なくとも一方であるか否かを判断する。具体的には、主制御装置12は、トラップ106aの気圧の変化量、即ち、便鉢104に洗浄水が供給されていない間のトラップ106aの気圧が変化する場合の変化量が、所定変化量よりも大きい場合に流動性が低下していること、及び、流動性の低下の可能性があること、の少なくとも一方であると判断する。所定変化量よりも大きい場合に流動性が低下していること、及び、流動性の低下の可能性があること、の少なくとも一方である場合、検出済みの気圧が流動性の低下を示す場合ということができる。所定変化量は、例えば、0.3kPaである。洗浄水が供給されていない状況において、トラップ106aの気圧が変化する場合とは以下の場合である。即ち、上流側の便器において洗浄水とともに異物が枝排水管6に流れ、センサが配置されている排水管の下方を異物が通過する状況において、異物が大きい場合には、一時的に枝排水管6の気圧が降下する。所定変化量は、一時的に枝排水管6の気圧が降下する現象を検出可能に設定されている。流動性の低下を示すと判断される場合(S55でYES)、S60に進む。流動性の低下を示すと判断されない場合(S55でNO)、S52に戻る。洗浄指示情報が受信される場合(S53でYES)、S54に進む。S54では、主制御装置12は、洗浄水量決定処理を実行する。
(洗浄水量決定処理)
複数の便器100のそれぞれに供給される洗浄水量は、予め初期水量(例えば2.5L)が設定されている。変形例では、初期水量は、枝排水管6の上流側の便器100で比較的に多く、枝排水管6の下流側の便器100で比較的に少なく設定されていてもよい。図6に示すように、洗浄水決定処理では、S72において、主制御装置12は、S52で取得される検出結果を用いて、枝排水管6の流動性が低下しているか否かを判断する。具体的には、主制御装置12は、便鉢104の液面の位置が、第1基準値よりも高い場合に流動性が低下していると判断する。第1基準値は、便鉢104に洗浄水が供給されていない状態において便鉢104に溜められる溜水の液面の位置+H1(例えば10mm)である。第1基準値は、予め決定され、メモリ16に格納されている。主制御装置12は、便鉢104の液面の位置が第1基準値以下の場合に、流動性が低下していないと判断する。主制御装置12は、S72の判断結果を、便器100aの識別情報と組み合わせて累積的に格納する。
流動性が低下していると判断される場合(S72でYES)、S74において、主制御装置12は、現在、便器100aに設定されている洗浄水量が、上限の洗浄水量であるか否かを判断する。上限の洗浄水量は、例えば6.0Lであり、予め決定され、メモリ16に格納されている。便器100aに設定されている洗浄水量が、上限の洗浄水量である場合(S74でYES)、主制御装置12は、洗浄水決定処理を終了する。この場合、洗浄水決定処理において決定される洗浄水量は、メモリ16に便器100の識別情報に組み合わせて格納されている現在洗浄水量である。
便器100aに設定されている洗浄水量が、上限の洗浄水量でない場合(S74でNO)、S76において、主制御装置12は、新しい洗浄水量として、現在の洗浄水量に所定の水量VP2(例えば0.5L)を加算することによって、洗浄水量を決定する。その後、主制御装置12は、洗浄水量決定処理を終了する。
S72において、流動性が低下していると判断されない場合(S72でNO)、S78において、主制御装置12は、直前の所定の洗浄回数(例えば5回)に亘って、流動性が低下していると判断されていないか否かを判断する。主制御装置12は、メモリ16に便器100aの識別情報と組み合わせて格納されている流動性の低下の判断結果を用いて、直前の所定の洗浄回数に亘って、流動性が低下していると判断されていないか否かを判断する。直前の所定の洗浄回数に亘って、流動性が低下していると判断されている場合(S78のNO)、主制御装置12は、洗浄水決定処理を終了する。この場合、洗浄水決定処理において決定される洗浄水量は、メモリ16に便器100aの識別情報に組み合わせて格納されている現在洗浄水量である。
直前の所定の洗浄回数に亘って、流動性が低下していると判断されていない場合(S78のYES)、S80において、主制御装置12は、S80において、主制御装置12は、現在、便器100aに設定されている洗浄水量が、下限の洗浄水量であるか否かを判断する。下限の洗浄水量は、例えば2.0Lであり、予め決定され、メモリ16に格納されている。主制御装置12は、便器100aに設定されている洗浄水量が、下限の洗浄水量である場合(S80でYES)、主制御装置12は、洗浄水決定処理を終了する。この場合、洗浄水決定処理において決定される洗浄水量は、メモリ16に便器100の識別情報に組み合わせて格納されている現在洗浄水量である。
下限の洗浄水量でない場合(S80でNO)、S82において、主制御装置12は、新しい洗浄水量として、現在の洗浄水量に所定の水量VP1(例えば0.5L)を減算することによって、洗浄水量を決定して、洗浄水量決定処理を終了する。
枝排水管6の流動性が低下している場合(S72でYES)に、洗浄水量を増加させることによって、枝排水管6の流動性の低下の原因となる異物D1(図2参照)を主排水管8まで流すことができる。枝排水管6の異物D1を主排水管8まで流すことによって、枝排水管6の流動性を向上することができる。但し、現在の洗浄水量が上限の洗浄水量である場合には洗浄水量を増加しないことによって、洗浄水量が多くなり過ぎることによって水の使用量が増加することを防止することができる。洗浄水量決定処理では、便鉢104を洗浄した洗浄水、即ち、排水を便鉢104から排水管106を介して枝排水管6に搬送するために必要な水量が決定される。
枝排水管6の流動性が継続して低下していない場合(S78でYES)に、洗浄水量を減少させることによって、洗浄水量を抑制することができる。現在の洗浄水量が下限の洗浄水量である場合には洗浄水量を減少しない。洗浄水量が少なくなり過ぎることによって、枝排水管6に異物が残留し、枝排水管6の流動性が低下することを抑制することができる。
図5に戻って、洗浄水決定処理が終了すると、S56において、主制御装置12は、S54で決定済みの洗浄水量を、個別制御装置20aに送信する。S58では、主制御装置12は、個別制御装置20aから、S23及びS28の検出結果を取得する。検出結果が取得されると、S59に進む。S59では、主制御装置12は、枝排水管6の流動性が低下していること、及び、流動性の低下の可能性があること、の少なくとも一方であるか否かを判断する。
具体的には、主制御装置12は、トラップ106aの気圧の変化が、第2基準値よりも大きい場合に流動性が低下する可能性があると判断する。具体的には、主制御装置12は、S23で取得済みの複数の気圧のうち、S14で取得済みの気圧との差が第2基準値よりも大きい気圧が存在するか否かを判断する。洗浄水とともに大きな排泄物等の異物が排水管106に流れると、トラップ106aの気圧が一時的に下がる。第2基準値は、異物によって気圧が一時的に下がる現象を検出することができるように設定されている。第2基準値は、例えば、0.5kPaである。
検出結果に便鉢104の液面の位置が含まれている場合、主制御装置12は、便鉢104の液面の位置が、第3基準値よりも高い場合に流動性が低下していると判断する。枝排水管6の流動性が低下していない場合、洗浄水の供給を開始してから所定期間が経過すると、便鉢104の溜水の水面は、S16で検出済みの水位と略一致する。第3基準値は、便鉢104の溜水の水面が安定しないことを判断することが可能な値に設定される。第3基準値は、例えば、S16で検出済みの液面の位置+H3(例えば10mm)である。
主制御装置12は、トラップ106aの気圧が第2基準値以下の場合であり、かつ、便鉢104の液面の位置が第3基準値以下の場合に、流動性が低下していないと判断する。流動性が低下していると判断される場合(S59でYES)、S60に進む。
S60では、主制御装置12は、追加洗浄水量を決定する。枝排水管6の流動性が低下していると判断される場合、枝排水管6の流動性低下の原因である枝排水管6内の排泄物及びトイレットペーパーのような異物D1を主排水管8に流すために、洗浄指示によって供給される洗浄水に加えて、追加の洗浄水を枝排水管6に供給する。追加洗浄水量(例えば1.0L)は、予め設定されてメモリ16に格納されている。変形例では、主制御装置12は、追加洗浄水量を、流動性に応じて決定してよい。例えば、主制御装置12は、流動性の程度、即ち、枝排水管6及び便鉢104の液面の位置の少なくとも一方に基づいて、3種類の水量(例えば、0.5L、1.0L、1.5L)のいずれかを追加洗浄水量として決定してもよい。主制御装置12は、流動性の程度は、S26で検出済みの枝排水管6の液面が高いほど、流動性が低いと決定してもよい。
S62では、主制御装置12は、複数の便器100の中から、追加洗浄水を供給する便器を決定する。主制御装置12は、メモリ16に格納されている複数の便器100の識別情報と位置情報との組み合わせを用いて、便器100aの上流側に隣り合う便器を、追加洗浄水を供給する便器として決定する。例えば、便器100bの上流側に隣り合う便器は、便器100aである。検出結果の送信元の便器が、最も上流側に位置する場合、主制御装置12は、追加洗浄水を供給する便器として、最も上流側に位置する便器を決定する。この場合、洗浄水と追加洗浄水とが供給される便器は同一である。変形例では、主制御装置12は、複数の便器100のうち、便器100aの上流側の1個以上の便器及び便器100aの少なくとも1個を、追加洗浄水を供給する便器として決定してもよい。
S64では、S60で決定済みの追加洗浄水量を、S62で決定済みの便器の個別制御装置に送信して、S52に戻る。
主制御装置12は、供給処理と並行して、所定のタイミング(例えば6時間毎)で、平均水量管理処理を実行する。主制御装置12は、複数の便器100のそれぞれについて、所定期間(例えば1日)における洗浄水の1回当たりの平均水量を算出する。平均水量が所定水量(例えば3L)を越える便器が存在する場合、平均水量が所定水量を越える便器の現在水量を、下限水量に設定する。これにより、複数の便器100のそれぞれで使用される洗浄水の平均水量を予め設定された水量に制御することができる。管理領域1内の洗浄水の水量を調整することができる。
管理システム10によると、枝排水管6の流動性が低下していると判断される場合、上流側から洗浄水を追加で枝排水管6に供給することによって、流動性低下の原因である異物を枝排水管6から主排水管8に流すことができる。枝排水管6の流動性の低下を解消することにより、枝排水管6の搬送性を向上することができる。枝排水管6の流動性低下の有無を特定することができるため、通常の洗浄水量を抑えて、枝排水管6の流動性の低下が特定される場合に洗浄水量を増加させる処理をすることができる。当該処理によって、枝排水管6の搬送能力が低下することを抑制することができるとともに複数の便器100において使用される洗浄水量を抑制することができる。複数の便器100において洗浄水量を調整することによって、管理領域1の枝排水管6の搬送能力が低下することを抑制することができるとともに、管理領域1に設定される特定期間における目標の水量を達成しやすくすることができる。例えば、便器100aに配置されるセンサ110、120において枝排水管6の流動性の低下が検出される場合に、複数の便器100のうちの便器100aと異なる便器100に追加の洗浄水を流すことによって、枝排水管6の搬送能力を向上させることができる。1個の便器100aに配置されるセンサ110、120において枝排水管6の流動性の低下が検出される場合に、便器100aの洗浄水のみを追加する構成と比較して、枝排水管6の搬送能力を向上させることができる。
枝排水管6の流動性低下の有無を特定するために、センサ110、120の検出結果が用いられる。センサ110を用いて便鉢104の液面の位置を検出することによって、枝排水管6の流動性が低下していること推定することができる。センサ120を用いて排水管の中間位置に配置されるトラップの気圧を検出することによって、枝排水管6の流動性が低下していることを推定することができる。センサ110、120は、複数の便器100に取り付けられる。枝排水管6に枝排水管6の流動性低下の有無を特定するための検出装置を配置せずに済む。
主制御装置12は、流動性低下の有無を特定するために、トラップ106aの気圧及び便鉢104の液面の高さの2種類の指標を用いる。主制御装置12は、より高精度に、流動性低下の有無を特定することができる。
個別制御装置20aは、便器100に洗浄水が供給されていない間も、繰り返しトラップ106aの気圧を取得して、主制御装置12に送信する(S38及びS40)。これにより、主制御装置12は、枝排水管6の流動性の低下を適切に判断することができる。
(対応関係)
制御ユニット11が「制御装置」の一例である。センサ120が「第1検出装置」の一例である。トラップ106aの気圧が「第1指標」の一例である。センサ110が「第2検出装置」の一例である。便鉢104の液面の位置が「第2指標」の一例である。
(第2実施形態)
第1実施形態と異なる点を説明する。本実施形態では、洗浄水制御処理において、主制御装置12は、S62の処理を実行しない。S64では、主制御装置12は、追加洗浄水量を、S56で洗浄水量が送信された便器、即ち、洗浄指示が取得された便器に送信する。
第2実施形態では、洗浄指示によって洗浄水が供給される便器と、追加洗浄水が供給される便器が一致する。
変形例では、主制御装置12は、S62の処理を実行してもよい。S64では、主制御装置12は、S62で決定済みの便器と、S56で洗浄水量が送信された便器と、のそれぞれに、追加洗浄水量を送信してもよい。
この実施形態でも第1実施形態と同様の効果を奏する。
(第3実施形態)
第1実施形態と異なる点を説明する。本実施形態では、複数の便器100の全てに、センサ110、120は配置されていない。図9に示すように、センサ110、120は、複数の便器100のうち、2個おきに配置されている。センサ110、120が便器100aに配置されている場合、便器100aの下流側の便器100b、100cにはセンサ110、120は配置されていない。便器100aの上流側に隣り合う便器と、当該便器と隣り合う便器にもセンサ110、120は配置されていない。メモリ16には、複数の便器100の識別情報のそれぞれと組み合わせて、センサ110、120が配置されているか否かを表す情報が格納されている。なお、センサ110、120は、1個おきに便器に配置されていてもよく、3個以上の便器の間隔を開けて配置されていてもよい。
供給処理では、センサ110、120が配置されている便器(例えば便器100a)において洗浄指示が取得される場合、個別制御装置(例えば個別制御装置20a)と主制御装置12とは、第1実施形態と同様の処理を実行する。図7に示すように、センサ110、120が配置されていない便器(例えば便器100b)の個別制御装置は、S12において、洗浄指示が取得される(S12でYES)と、S14、S16及びS18を実行せず、S318において、洗浄指示情報を主制御装置12に送信する。S20及びS22の処理が実行されると、S24、S26、S28及びS30の処理を実行せずに、S32及びS43の処理を実行する。
図8に示すように、洗浄水制御処理では、S52において、主制御装置12は、検出結果が受信されない場合(S52でNO)、S352において、洗浄指示情報が受信されることを監視する。洗浄指示情報が受信されると(S352でYES)、S353において、主制御装置12は、洗浄指示情報の送信元の便器の上流側と下流側とのそれぞれについて、センサ120が配置されている便器の個別制御装置に対して、センサ120の検出結果を送信するように、検出結果リクエストを送信する。主制御装置12は、メモリ16に格納されている、複数の便器100のセンサ110、120が配置されているか否かを表す情報と、位置情報と、を用いて、検出結果リクエストを送信する個別制御装置を有する便器を特定して送信する。リクエストを受信した個別制御装置は、センサ120から取得される検出結果を、主制御装置12に送信する。S354では、主制御装置12は、検出結果を受信することを監視する。予め決められた期間(例えば1秒)において、検出結果が受信されない場合(S354でNO)、S353に戻る。検出結果が受信されると(S354でYES)、S54に進む。
洗浄水量決定処理では、S72において、主制御装置12は、取得済みのセンサ120の検出結果を用いて、枝排水管6の流動性が低下しているか否かを判断する。具体的には、取得済みのセンサ120の検出結果のうち、下流側の便器のトラップに配置されるセンサによって検出される圧力の変化が、第4基準値以上である場合に枝排水管6の流動性が低下していると判断し、第4基準値未満である場合に枝排水管6の流動性が低下していないと判断する。上流側の便器において洗浄水とともに異物が枝排水管6に流れ、センサが配置されている排水管の下方を異物が通過する状況において、異物が大きい場合には、一時的に枝排水管6の気圧が降下する。第4基準値は、一時的に枝排水管6の気圧が降下する現象を検出可能に設定されている。第4基準値は、例えば、0.3kPaである。
S58では、洗浄水量を送信してから、予め決められた期間が経過した後に、再度、S52で検出結果リクエストを送信した便器の個別制御装置に対して、センサ120の検出結果を送信するように、検出結果リクエストを送信して、個別制御装置からセンサ120の検出結果を受信する。S59では、S72と同様に、主制御装置12は、取得済みのセンサ120の検出結果を用いて、枝排水管6の流動性が低下しているか否かを判断する。決定処理のその他の処理は、第1実施形態と同様である。
この構成によると、複数の便器100のそれぞれに、センサ110、120を配置せずとも、枝排水管6の流動性の低下を推定して、枝排水管6に追加の洗浄水を供給することができる。枝排水管6へ追加の洗浄水を供給することで、第1実施形態と同様の効果を奏する。
具体的な実施形態を詳細に説明した。これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上述の実施形態の変形例を以下に列挙する。
(1)上述した各実施形態では、枝排水管6に水を流す機器は、便器100以外に、洗面台、シンク、浴室、食器洗浄機、洗濯機のように給水管4を介して上水管3から供給される水を使用する衛生設備機器を含んでいてもよい。例えば、主制御装置12は、洗浄水制御処理のS62において、便器以外の衛生設備機器を、追加洗浄水を供給する機器として決定してもよい。衛生設備機器の排水管にセンサ120と同様のセンサを配置してもよい。
(2)センサ110に替えて、便鉢104内の洗浄水を撮像するカメラが配置されていてもよい。主制御装置12は、カメラによって撮像される洗浄水の画像を用いて、便鉢104内の洗浄水の水位及び洗浄水の流れ方に応じて、枝排水管6の流動性の低下を推定してもよい。主制御装置12は、カメラによって撮像される便鉢104の画像を用いて、便鉢104が汚れているか否かを判断してもよい。例えば、主制御装置12は、画像データによって表される画像に、便鉢104に汚れが付着していない場合色彩と異なる色彩が含まれている場合に、便鉢104が汚れていると判断してもよい。便鉢104が汚れていると判断される場合に、主制御装置12は、追加の洗浄水を供給してもよい。カメラは、センサ110とともに用いられてもよい。センサ110及びカメラの少なくとも一方は、例えば、便鉢104等の便座102の下面以外の位置に配置されていてもよい。センサ110及びカメラの少なくとも一方は、便蓋及び便座104の一方に後付けされていてもよい。センサ110及びカメラの少なくとも一方は、便鉢104内の洗浄水を検知可能な位置に配置されていればよい。
(3)センサ110は配置されていなくてもよい。枝排水管6の流動性の低下を、センサ120の検出結果を用いて推定してもよい。
(4)制御ユニット11の構成は、上記の各実施形態の構成に限定されない。例えば、主制御装置12は、配置されていなくてもよい。この場合、複数の個別制御装置20a、20b、20cのいずれかの個別制御装置が、主制御装置12に替わって、洗浄水制御処理及び洗浄水量決定処理を実行してもよい。本変形例では、複数の個別制御装置20a、20b、20cが「制御装置」の一例である。例えば、複数の個別制御装置20a、20b、20cは、配置されていなくてもよい。この場合、主制御装置12が、複数の個別制御装置20a、20b、20cに替わって、洗浄処理を実行してもよい。本変形例では、主制御装置12が「制御装置」の一例である。
(5)上記の各実施形態では、供給処理において、主制御装置12が洗浄水制御処理及び洗浄水量決定処理を実行し、複数の個別制御装置20a、20b、20cのそれぞれが、洗浄処理を実行している。変形例では、洗浄水制御処理及び洗浄水量決定処理の少なくとも一部の処理を、複数の個別制御装置20a、20b、20cのそれぞれが実行してもよい。洗浄処理の少なくとも一部の処理を、主制御装置12が実行してもよい。主制御装置12は、現在洗浄水量等のデータの格納を実行し、それ以外の処理を複数の個別制御装置20a、20b、20cのそれぞれが実行してもよい。
本明細書及び図面の少なくとも一方に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。本明細書及び図面の少なくとも一方に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
1:管理領域、2:給排水システム、3:上水管、4:給水管、5:排水系統、6:枝排水管、8:主排水管、10:管理システム、11:制御ユニット、12:主制御装置、20a、20b、20c:個別制御装置、100:複数の水洗式便器、100a、100b、100c:水洗式便器、106a:トラップ、110、120:センサ

Claims (10)

  1. 複数の衛生設備機器を備える管理領域の排水系統を管理する管理システムであって、
    前記排水系統は、前記複数の衛生設備機器の並び方向に延びており、前記複数の衛生設備機器のそれぞれが有する機器側排水管に連通する枝排水管と、
    前記枝排水管の下流端に連通する主排水管と、を備え、
    前記管理システムは、
    前記複数の衛生設備機器のうちの少なくとも1個の第1衛生設備機器から延びる第1機器側排水管に配置される第1検出装置であって、前記第1機器側排水管の中間位置に配置されるトラップの気圧を検出する前記第1検出装置と、
    検出済みの前記トラップの前記気圧が前記枝排水管の排水の流動性の低下を示す場合、前記第1衛生設備機器よりも上流に配置される特定の衛生設備機器及び前記第1衛生設備機器の少なくとも一方の機器側排水管から前記枝排水管に水を流す制御装置と、を備える、管理システム。
  2. 前記第1衛生設備機器は、便鉢を有する水洗式便器であり、
    前記管理システムは、さらに、
    前記第1衛生設備機器に配置され、前記第1衛生設備機器の便鉢内の洗浄水の状態を表す第2指標を検出する前記第2検出装置を備え、
    前記制御装置は、検出済みの前記第2指標が前記流動性の低下を示す場合に、前記特定の衛生設備機器及び前記第1衛生設備機器の少なくとも一方の機器側排水管から前記枝排水管に水を流す、請求項1に記載の管理システム。
  3. 前記複数の衛生設備機器のそれぞれは、便鉢を有する水洗式便器である、請求項1から2のいずれか一項に記載の管理システム。
  4. 前記制御装置は、前記複数の衛生設備機器のそれぞれの便鉢に、第1水量と、前記第1水量よりも少ない第2水量と、の洗浄水を供給可能であり、
    前記制御装置は、前記流動性の低下を示す場合に前記特定の衛生設備機器及び前記第1衛生設備機器の少なくとも一方の機器側排水管から前記枝排水管に水を流した後、前記複数の衛生設備機器のうちの少なくとも1個の衛生設備機器を洗浄する場合、前記第2水量の洗浄水を供給する、請求項3に記載の管理システム。
  5. 前記制御装置は、前記複数の衛生設備機器のそれぞれの便鉢に、第1水量と、前記第1水量よりも少ない第2水量と、の洗浄水を供給可能であり、
    前記制御装置は、前記複数の衛生設備機器において所定の回数に亘って前記第1水量の洗浄水が供給された後、検出済みの前記第1指標が前記流動性の低下を示さない場合に、
    前記複数の衛生設備機器のうちの少なくとも1個の衛生設備機器を洗浄する場合、前記第2水量の洗浄水を供給する、請求項3に記載の管理システム。
  6. 前記制御装置は、前記複数の衛生設備機器の便鉢に供給される複数回の洗浄水の所定期間における平均水量が所定水量以下となるように洗浄水を供給する、請求項4に記載の管理システム。
  7. 前記第1指標は、前記枝排水管の液面の位置を含む、請求項1及び2のいずれか一項に記載の管理システム。
  8. 前記第2指標は、前記便鉢の液面に位置を含む、請求項2に記載の管理システム。
  9. 複数の衛生設備機器を備える施設に配置される排水設備を管理する管理システムのための制御装置であって、
    前記排水設備は、前記複数の衛生設備機器の並び方向に延びており、前記複数の衛生設備機器のそれぞれが有する機器側排水管に連通する枝排水管と、
    前記枝排水管の下流端に連通する主排水管と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記複数の衛生設備機器のうちの少なくとも1個の第1衛生設備機器から延びる第1機器側排水管に配置される検出部から、前記第1機器側排水管の中間位置に配置されるトラップの気圧を取得し、
    取得済みの前記トラップの前記気圧が前記枝排水管の排水の流動性の低下を示す場合、前記第1衛生設備機器よりも上流に配置される特定の衛生設備機器及び前記第1衛生設備機器の少なくとも一方の機器側排水管から前記枝排水管に水を流す、制御装置。
  10. 複数の衛生設備機器を備える施設に配置される排水設備を管理する管理方法であって、
    前記排水設備は、前記複数の衛生設備機器の並び方向に延びており、前記複数の衛生設備機器のそれぞれが有する機器側排水管に連通する枝排水管と、
    前記枝排水管の下流端に連通する主排水管と、を備え、
    前記管理方法は、
    前記複数の衛生設備機器のうちの少なくとも1個の第1衛生設備機器から延びる第1機器側排水管に配置される検出部から、前記第1機器側排水管の中間位置に配置されるトラップの気圧を取得し、
    取得済みの前記トラップの前記気圧が前記枝排水管の排水の流動性の低下を示す場合、前記第1衛生設備機器よりも上流に配置される特定の衛生設備機器及び前記第1衛生設備機器の少なくとも一方の機器側排水管から前記枝排水管に水を流す、管理方法。


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