JP2024046722A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】起動時かぶりを起こしたトナーによって引き起こされるトナー飛散を抑制する。【解決手段】感光体1と現像部材4aとが当接した状態で感光体1及び現像部材4aの回転が開始される画像形成装置100は、停止時に現像部Ndに位置していた感光体1上の領域を第1の領域、停止時に規制部Nbに位置していた現像部材4a上の領域と現像部Ndで最初に当接する感光体1上の領域を第2の領域としたとき、制御手段50は、上記第1の領域が最初に転写部Ntに到達してから上記第2の領域が最初に転写部Ntに到達するまでの期間の少なくとも一部を含む第1の期間に、転写部材5にトナーの正規の帯電極性とは逆極性の電圧を印加し、上記第1の期間の後、かつ、トナー像が転写部Ntに到達する前の第2の期間に、転写部材5に少なくとも上記正規の帯電極性と同極性である第1の電圧と、上記第1の電圧と同極性であって絶対値が上記第1の電圧の絶対値よりも大きい第2の電圧と、を印加するように転写電圧印加手段18を制御する構成とされる。【選択図】図3

Description

本発明は、電子写真方式を用いたレーザービームプリンタ、複写機、ファクシミリなどの画像形成装置に関するものである。
従来、例えば電子写真方式を用いたレーザービームプリンタなどの画像形成装置では、像担持体としての感光ドラムの表面が帯電手段によって一様に暗部電位に帯電処理される。その後、帯電処理された感光ドラムの表面が露光手段によって露光されて、感光ドラムの表面に明部電位が形成される。これにより、その暗部電位と明部電位とのコントラストで感光ドラムの表面に静電潜像が形成される。そして、感光ドラム上に形成された静電潜像は、現像手段によってトナーが供給されて、感光ドラム上にトナー像が形成される。現像手段を構成する現像部材としては、一般的に現像ローラが用いられる。現像ローラは、感光ドラムに当接してニップ部を形成し、回転しながら現像容器内のトナーを感光ドラム上へ供給する。
感光ドラム上に形成されたトナー像は、転写手段によって記録材に転写される。転写手段を構成する転写部材としては、一般的に転写ローラが用いられる。転写ローラは、感光ドラムに当接してニップ部(以下、「転写ニップ部」という。)を形成し、回転して記録材を搬送しながら感光ドラム上のトナーを記録材上に転写させる。この時、転写ローラには、トナーの正規の帯電極性とは逆極性の転写電圧が印加され、像担持体上のトナー像は静電的に記録材上に転写される。その後、記録材に転写されたトナー像は、定着手段によって加熱及び加圧されることで記録材上に定着される。
なお、記録材のことを「紙」ということがあるが、記録材は、例えば、合成樹脂を主体とした材料で形成された合成紙やフィルム、金属層を有する蒸着紙(特殊紙)などの、紙以外の材料あるいは紙以外の材料を含む材料で形成されたものであってもよい。また、便宜上、特に別に言及しない場合は、電位、電圧あるいは電流の大小(高低、強弱)は、絶対値で比較した場合の大小(高低、強弱)をいうものとする。また、記録材に関して「先端」、「後端」とは、それぞれ記録材の搬送方向における先端、後端をいうものとする。
上述のような画像形成装置では、「起動時かぶり」という現象が発生することがある。「起動時かぶり」は、前回のプリント動作終了から長時間経過後に画像形成装置を起動する際に、感光ドラム上に静電潜像が存在しないのにもかかわらず、現像ローラ上に保持されていたトナーの一部が感光ドラム上に転移する現象である。この現象は、長時間経過によって感光ドラムの表面電位が低下することで感光ドラムと現像ローラとの間の電位差が保てなくなること、及び長時間経過によって現像ローラ上のトナーの電荷が低下することが原因で発生する。
「起動時かぶり」を抑制するための一般的な手段は、画像形成装置の起動時に現像ローラを感光ドラムから離間させることである。現像ローラを感光ドラムから離間させれば、現像ローラ上のトナーは感光ドラム上へ転移することはない。しかし、画像形成装置に感光ドラムに対する現像ローラの当接と離間とを切り替える当接離間機構を設けることは、装置の大型化やコストアップにつながる。
特許文献1では、画像形成装置の起動時に、現像ローラに通常とは逆極性の電圧を印加することで、感光ドラムと現像ローラとの間の電位差を生成し、現像ローラから感光ドラムへ転移するトナー量を低減することが提案されている。
特開2013-117591号公報
しかしながら、前回のプリント動作終了から長時間経過後の現像ローラ上のトナーには、ゼロ電荷のトナーや正規の帯電極性とは逆極性に極性が反転したトナーが多く含まれている。そのため、感光ドラムと現像ローラとの間の電位差のみで起動時かぶりを完全に防ぐことは難しい。
このような起動時かぶりを起こしたトナー(以下、「かぶりトナー」ともいう。)が転写ニップ部を通過すると、転写ニップ部からのトナー飛散が発生する。このトナー飛散により、記録材の搬送方向において転写ニップ部の下流側に配置されている、例えば、除電針や搬送ガイドといった部材に、トナーによる汚れが付着する。繰り返し起動時かぶりが発生することで、このトナーによる汚れは堆積していく。
そこで、本発明の目的は、起動時かぶりを起こしたトナーによって引き起こされるトナー飛散を抑制することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、回転可能な感光体と、帯電部で前記感光体を帯電処理する帯電手段と、現像部で前記感光体に当接して前記帯電手段により帯電処理された前記感光体上にトナーを供給する回転可能な現像部材と、規制部で前記現像部材に当接して前記現像部材上のトナーに電荷を付与する規制部材と、前記感光体に当接して転写部を形成し、前記転写部を通過する記録材に前記感光体からトナーを転写させる転写部材と、前記転写部材に電圧を印加する転写電圧印加手段と、前記転写電圧印加手段を制御可能な制御手段と、を有し、前記感光体と前記現像部材とが当接した状態で前記感光体及び前記現像部材の回転が開始される画像形成装置において、前記感光体及び前記現像部材の停止時に前記現像部に位置していた前記感光体上の領域を第1の領域、前記感光体及び前記現像部材の回転が開始された後に前記感光体及び前記現像部材の停止時に前記規制部に位置していた前記現像部材上の領域と前記現像部で最初に当接する前記感光体上の領域を第2の領域としたとき、前記制御手段は、前記感光体及び前記現像部材の回転が開始されて前記第1の領域が最初に前記転写部に到達してから前記第2の領域が最初に前記転写部に到達するまでの期間の少なくとも一部を含む第1の期間に、前記転写部材に電圧を印加しないか又はトナーの正規の帯電極性とは逆極性の電圧を印加し、前記第1の期間の後、かつ、前記感光体に形成されたトナー像が前記転写部に到達する前の第2の期間に、前記転写部材に少なくとも前記正規の帯電極性と同極性である第1の電圧と、前記第1の電圧と同極性であって絶対値が前記第1の電圧の絶対値よりも大きい第2の電圧と、を印加するように前記転写電圧印加手段を制御することを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、起動時かぶりを起こしたトナーによって引き起こされるトナー飛散を抑制することができる。
画像形成装置の概略断面図である。 起動時かぶりによるトナー飛散の発生メカニズムを説明するための模式図である。 実施例1の画像形成装置の起動時の転写電圧制御における転写電圧の推移を示すタイミングチャート図である(V0=+1000V)。 起動時かぶりによるトナー飛散が抑制されるメカニズムを説明するための模式図である。 画像形成装置の起動時の現像ローラ上、感光ドラム上及び転写ローラ上のトナーの電荷分布を示すグラフ図である。 実施例1の画像形成装置の起動時の転写電圧制御における転写電圧の推移を示すタイミングチャート図である(V0=0V)。 比較例1の画像形成装置の起動時の転写電圧制御における転写電圧の推移を示すタイミングチャート図である。 比較例2の画像形成装置の起動時の転写電圧制御における転写電圧の推移を示すタイミングチャート図である。 実施例1の画像形成装置の他の形態(クリーナーレス構成)の概略断面図である。 前回のプリント動作終了からの経過時間ごとの画像形成装置の起動時の現像ローラ上のトナーの電荷分布を示すグラフ図である。 実施例2の制御のフローチャート図である。 画像形成装置の制御構成を示す概略ブロック図である。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
[実施例1]
(1)画像形成装置
図1は、本実施例の画像形成装置100の概略断面図である。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式のレーザープリンタである。画像形成装置100は、ホストコンピュータなどの外部装置(図示せず)から入力される画像情報に応じて画像(黒単色画像)を記録材Pに形成する。
画像形成装置100は、装置本体Mの内部に、像担持体としての回転可能なドラム型(円筒形)の電子写真感光体(感光体)である感光ドラム1を有する。感光ドラム1は、OPC(有機光半導体)、アモルファスセレン、アモルファスシリコンなどの感光材料を、アルミニウムやニッケルなどで形成されたシリンダ状のドラム基体上に設けたものである。本実施例では、感光ドラム1は、外径φ24mmの負帯電性のOPC感光体であり、アルミニウム製のシリンダで構成された導電性基体の表面に、電荷発生層と電荷輸送層とがこの順番で導電性基体側から積層された感光層を有する。感光ドラム1は、図中矢印Rd方向(時計回り方向)に回転駆動される。
感光ドラム1の周囲には、次の各手段が配置されている。まず、帯電手段としてのローラ状の帯電部材である帯電ローラ2が配置されている。また、露光手段としての露光装置3が配置されている。また、現像手段としての現像装置4が配置されている。また、転写手段としてのローラ状の転写部材である転写ローラ5が配置されている。また、除電手段としての除電部材である除電針20が配置されている。また、クリーニング手段としてのクリーニング装置6が配置されている。感光ドラム1の回転方向Rdに沿って順に、帯電ローラ2による帯電部(帯電位置)、露光装置3による露光部(露光位置)、現像装置4による現像部(現像位置)、転写ローラ5による転写部(転写位置)、クリーニング装置6によるクリーニング(クリーニング位置)が配置されている。
帯電ローラ2は、例えば、給電電極を兼ねた導電性基軸(芯金)と、その外周面を円筒状に囲繞する弾性層と、によって構成されている。本実施例では、帯電ローラ2は、ローラ外径φ10mm、芯金径φ5mm、弾性層の厚み2.5mmの弾性体ローラである。本実施例では、帯電ローラ2の芯金にはSUS、帯電ローラ2の弾性層にはNBRとエピクロルヒドリンとの混合ゴム材を使用している。帯電ローラ2は、感光ドラム1に当接して配置されている。帯電ローラ2は、感光ドラム1の表面(外周面)を帯電処理する。感光ドラム1の回転方向における帯電ローラ2による帯電処理が行われる位置が帯電部(帯電位置)である。帯電ローラ2は、感光ドラム1の回転方向における感光ドラム1と帯電ローラ2との当接部の上流側及び下流側に形成される感光ドラム1と帯電ローラ2との間の微小な空隙のうちの少なくとも一方で発生する放電によって、感光ドラム1の表面を帯電処理する。ただし、ここでは、感光ドラム1と帯電ローラ2との当接部を帯電部(帯電ニップ部)Ncとみなして説明する。
露光装置3は、本実施例ではレーザースキャナ装置(レーザー光学系)で構成されている。露光装置3は、感光ドラム1を露光して静電潜像(静電像)を形成する。感光ドラム1の回転方向における露光装置3による露光が行われる位置が露光部(露光位置)である。
現像装置4は、現像剤としてのトナーを収容する現像容器4c、トナーを感光ドラム1との対向部に搬送する現像部材(現像剤担持体)としての現像ローラ4a、及び規制部材としての現像ブレード4bを有する。現像ローラ4aは、図中矢印方向(反時計回り方向)、すなわち、感光ドラム1との対向部において現像ローラ4aの移動方向と感光ドラム1の移動方向とが順方向となる方向に回転駆動される。現像ブレード4bは、現像ローラ4aの感光ドラム1と対向する側とは反対側において、現像ローラ4aに当接する。現像ブレード4bは、現像ローラ4aに担持されるトナーの量を規制すると共に、現像ローラ4a上のトナーに電荷を付与する。現像ブレード4bは、現像ローラ4aの回転軸線方向に沿って配置される長手方向と、長手方向と略直交する短手方向と、にそれぞれ所定の長さを有する板状の部材である。現像ブレード4bは、短手方向における自由端部側の先端が現像ローラ4aの回転方向の上流側を向き、その先端の近傍が現像ローラ4aの外周面に面接触状態で当接するようにして設けられている。なお、本実施例では、画像形成装置100は、感光ドラム1に対する現像ローラ4aの当接と離間とを切り替える当接離間機構を有していない。すなわち、本実施例では、現像ローラ4aと感光ドラム1とは、常に当接した状態で駆動される。このように、画像形成装置100に当接離間機構を設けないことにより、装置本体Mの小型化が図られている。本実施例では、感光ドラム1と現像ローラ4とは、例えば駆動装置60(図12)の共通の駆動源から駆動力が伝達され、同期して回転及び停止する。感光ドラム1の回転方向における現像装置4の現像ローラ4aによるトナーの供給が行われる位置が現像部(現像位置)である。本実施例では、現像ローラ4aと感光ドラム1との当接部が現像部(現像ニップ部)Ndである。また、現像ローラ4aの回転方向における現像ローラ4aと現像ブレード4bとの当接部をブレードニップ部(規制部)Nbとする。
転写ローラ5は、感光ドラム1に対向して配置されている。転写ローラ5は、付勢手段としての付勢部材である転写加圧バネ(図示せず)により感光ドラム1に向けて付勢(押圧)され、感光ドラム1に圧接している。これにより、感光ドラム1と転写ローラ5との当接部である転写ニップ部(転写部、転写挟持部)Ntが形成されている。転写ローラ5は、感光ドラム1の回転に伴って従動回転する。なお、本実施例では、画像形成装置100は、感光ドラム1に対する転写ローラ5の当接と離間とを切り替える当接離間機構を有していない。転写ローラ5は、感光ドラム1との間で記録材Pを挟持すると共に、電圧が印加されることで感光ドラム1から転写ニップ部Ntを通過している記録材Pにトナー像を転写させる。転写ローラ5は、例えば、給電電極を兼ねた導電性基軸(芯金)と、その外周面を円筒状に囲繞する弾性層と、によって構成されている。転写ローラ5の弾性層としては、一般的に、EPDM、NBR、ウレタンゴム、エピクロルヒドリン、シリコーンゴムなどの半導電性ゴム材が用いられている。本実施例では、転写ローラは、ローラ外径φ14mm、芯金径φ5mm、弾性層の厚み4.5mmの弾性体ローラである。本実施例では、転写ローラ5の芯金にはSUS、転写ローラ5の弾性層にはNBRとエピクロルヒドリンとの混合ゴム材を使用している。また、本実施例では、感光ドラム1に対する転写ローラ5の当接圧は9.8N(1kgf)である。また、本実施例では、転写ローラ5の電気抵抗値は、転写ローラ5をアルミシリンダ上に9.8Nの力で押圧し、50mm/secで回転させ、+1000Vを印加した状態において4.0×10Ωである。感光ドラム1の回転方向における転写ローラ5によるトナーの転写が行われる位置(上記転写ニップ部Ntに対応する位置)が転写位置である。
除電針20は、転写後の記録材Pの表面の過剰電荷を除電する。本実施例では、除電針20として、鋸歯状の尖鋭端部を備え、良好な導電性を有するSUS板、アルミ板などの金属製薄板材からなる除電針20を用いている。この除電針20は、記録材Pの搬送方向において転写ローラ5の下流側、かつ、針先端が感光ドラム1の表面に対向するように配置されている。つまり、除電針20は、針先端が記録材Pの搬送経路に対向(該搬送経路を搬送される記録材Pに対向)するように配置されている。本実施例では、除電針20は、抵抗素子(図示せず)を介して電気的に接地されている。なお、除電針20に電圧(例えばトナーの正規の帯電極性と同極性の電圧)が印加される構成とされていてもよい。
クリーニング装置6は、感光ドラム1上に残ったトナーを除去して感光ドラム1の表面をクリーニングする。本実施例では、クリーニング装置6は、クリーニング部材としてのクリーニングブレード6a、及び回収したトナーを収容するクリーニング容器6bを有する。感光ドラム1の回転方向におけるクリーニング装置6によるトナーの除去が行われる位置(クリーニングブレード6dと感光ドラム1との当接部)がクリーニング部(クリーニング位置)である。
また、装置本体Mの図中下部には、紙などの記録材(転写材、記録媒体、用紙、シート)Pが収納される記録材カセット7が配置されている。また、記録材カセット7から記録材Pの搬送経路に沿って順に、給送ローラ8、搬送ローラ9、トップセンサ10、転写前ガイド24、転写定着間搬送ガイド11、定着装置12、排出ローラ13、排出トレイ14が配置されている。
また、図12に示すように、画像形成装置100の装置本体Mには、画像形成装置100の全体の動作の制御を司る制御手段としての制御部50が設けられている。制御部50は、例えば、演算制御手段としてのCPU51、記憶手段としてのROM、RAM、不揮発メモリなどのメモリ52、制御部50と外部のデバイスとの間の情報(信号)の授受を制御する入出力部(図示せず)などを有して構成される。CPU51は、所定の演算処理を実行する。メモリ52のROMには、所定の制御プログラムが記憶されている。メモリ52のRAMには、データが一時的に記憶される。メモリ52の不揮発メモリには各部の使用履歴などが記憶される。制御部50には、例えば、帯電電源21、帯電電流検知回路22、転写電源18、転写電流検知回路19、露光装置3が接続されている。また、制御部50には、例えば、感光ドラム1、現像ローラ4a、給送ローラ8、搬送ローラ9などを駆動する駆動手段としての駆動装置60が接続されている。そして、制御部50は、ROMに記憶された制御プログラムに従い、適宜RAMや不揮発メモリに記憶された情報を用いて、画像形成装置100の各部を制御する。
なお、感光ドラム1と、これに作用するプロセス手段としての帯電ローラ2、現像装置4及びクリーニング装置6とは、一体的に画像形成装置100の装置本体Mに対して着脱可能なプロセスカートリッジとされていてよい。
次に、本実施例の画像形成装置100の画像形成動作について説明する。感光ドラム1は、駆動装置60の駆動源によって図中矢印Rd方向に320mm/secの周速度(プロセススピード)で回転駆動される。回転する感光ドラム1の表面は、帯電ローラ2によってトナーの正規の帯電極性(本実施例では負極性)と同極性の所望の電位(暗部電位)に一様に帯電処理される。帯電処理時に、帯電ローラ2には、帯電電流検知回路22を介して帯電電圧印加手段としての帯電電源(高圧電源)21からトナーの正規の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)の直流電圧である帯電電圧(帯電バイアス)が印加される。本実施例では、帯電ローラ2に帯電電圧として-1100Vの電圧が印加され、感光ドラム1の暗部電位は-500Vとなる。帯電処理された感光ドラム1の表面は、露光装置3によって、画像情報に基づいた画像露光Lがなされ、露光された部分の電荷が除去されて明部電位(本実施例では-100V)となる。これにより、感光ドラム1上に、暗部電位と明部電位とのコントラストで静電潜像(静電像)が形成される。
感光ドラム1上に形成された静電潜像は、現像装置4によってトナーが供給されて現像(可視化)され、感光ドラム1上にトナー像が形成される。現像ローラ4a上のトナーは、現像ブレード4bにより摺擦されることで負極性の電荷が付与される。現像時に、現像ローラ4aには、現像電圧印加手段としての現像電源(高圧電源)23からトナーの正規の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)の直流電圧である現像電圧(現像バイアス)が印加される。本実施例では、現像ローラ4aに現像電圧として-350Vの電圧が印加される。現像ブレード4bにより電荷が付与されたトナーは、感光ドラム1上の静電潜像の画像部に付着してトナー像を形成する。このように、本実施例では、一様に帯電処理された後に露光されることで電位の絶対値が低下した感光ドラム1上の露光部分(イメージ部)に、感光ドラム1の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーが付着する(反転現像方式)。本実施例では、現像時のトナーの主要な帯電極性であるトナーの正規の帯電極性は負極性である。
感光ドラム1上に形成されたトナー像は、転写ニップ部Ntにおいて、転写ローラ5の作用によって、紙などの記録材Pに転写される。転写時に、転写ローラ5には、転写電流検知回路19を介して転写電圧印加手段としての転写電源(高圧電源)18からトナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の直流電圧である転写電圧(転写バイアス)が印加される。これにより、感光ドラム1上のトナー像が、静電的に記録材P上の所定の位置に転写される。記録材Pは、記録材カセット7に収納されており、給送ローラ8によって1枚ずつ送り出される。この記録材Pは、搬送ローラ(レジストローラ)9によって、感光ドラム1上のトナー像とタイミングが合わされて搬送されて、ガイド部材としての転写前ガイド24に沿って転写ニップ部Ntに供給される。
転写ニップ部Ntでトナー像を転写された記録材Pは、除電針20によってその表面の過剰な電荷量が除電される。除電針20を通過した記録材Pは、ガイド部材としての転写定着間搬送ガイド(以下、単に「搬送ガイド」ともいう。)11に沿って定着手段としての定着装置12に搬送される。定着装置12は、ヒータを内蔵する定着ローラ12a、及び定着ローラ12aに圧接する加圧ローラ12bを有する。定着装置12は、定着ローラ12と加圧ローラ12bとで形成される定着部(定着ニップ部)を通過する記録材Pに熱及び圧力を付与して、未定着のトナー像を記録材P上に定着(溶融、固着)させる。定着装置12によってトナー像が定着された記録材Pは、排出ローラ13によって、装置本体Mの図中上面に形成された排出トレイ14上に排出(出力)される。
一方、記録材Pに転写されずに感光ドラム1の表面に残ったトナー(転写残トナー)は、クリーニング装置6のクリーニングブレード6aによって感光ドラム1の表面から除去されて、クリーニング容器6b内に回収される。
以上の動作を繰り返すことで、次々と画像形成を行うことができる。本実施例の画像形成装置100は、毎分60枚のプリントスピードでプリントを行うことができる。
なお、画像形成装置100は、一の開始指示により開始される、単数又は複数の記録材Pに画像を形成して出力する一連の動作であるプリント動作(プリントジョブ)を実行する。プリント動作は、一般に、画像形成工程(画像形成動作)、前回転工程、複数の記録材Pに画像を形成する場合の紙間工程、及び後回転工程を有する。画像形成工程は、実際に記録材Pに形成して出力する画像の静電潜像の形成、トナー像の形成、トナー像の転写を行う期間であり、画像形成時(画像形成動作時)とはこの期間のことをいう。より詳細には、画像形成時のタイミングは、上記静電潜像の形成、トナー像の形成、トナー像の転写の各工程を行う位置で異なり、感光ドラム1上の画像形成領域が上記各位置を通過している期間に相当する。前回転工程は、開始指示が入力されてから実際に画像を形成し始めるまでの、画像形成工程の前の準備動作を行う期間である。紙間工程(画像間工程、記録材間工程)は、複数の記録材Pに対する画像形成を連続して行う際(連続画像形成、連続プリント)の記録材Pと記録材Pとの間に対応する期間である。後回転工程は、画像形成工程の後の整理動作(準備動作)を行う期間である。非画像形成時とは、画像形成時以外の期間であって、上記前回転工程、紙間工程、後回転工程、更には画像形成装置100の電源投入時又はスリープ状態からの復帰時の準備動作である前多回転工程などが含まれる。より詳細には、非画像形成時のタイミングは、感光ドラム1上の非画像形成領域が、上記静電潜像の形成、トナー像の形成、トナー像の転写の各工程を行う各位置を通過している期間に相当する。ここで、感光ドラム1上の画像形成領域とは、記録材Pのサイズなどに応じて予め設定された、記録材Pに転写されて画像形成装置100から出力されるトナー像が形成され得る領域であり、非画像形成領域は画像形成領域以外の領域である。
(2)起動時かぶりによるトナー飛散の発生メカニズム
次に、起動時かぶりによるトナー飛散の発生メカニズムについて説明する。図2は、起動時かぶりによるトナー飛散の発生メカニズムを説明するための感光ドラム1の周辺の模式図である。図2は、本実施例の画像形成装置100と基本的な構成が実質的に同じである画像形成装置を用いて、画像形成装置の起動時の転写電圧制御として従来例の転写電圧制御を用いた場合を示している。
図2(a)は、前回のプリント動作終了から停止した状態で長時間経過した状態を示している。本実施例において、「長時間経過」とは、現像ローラ4a上のトナーTの平均電荷が0μC/g(ゼロトリボトナー)に近くなる12時間以上を想定している。また、そのような長時間経過後には、感光ドラム1の表面電位は0V近くまで減衰している。
プリント信号などの駆動指示が画像形成装置100に与えられると、画像形成動作に移る前に、感光ドラム1上の残トナーをクリーニング装置6で除去するなどのために、転写ニップ部Ntに記録材Pが無い状態で感光ドラム1が回転駆動される(前回転動作)。感光ドラム1の回転駆動が開始されるのとほぼ同時に通常の画像形成動作時と同様の帯電電圧の帯電ローラ2への印加、通常の画像形成動作時と同様の現像電圧の現像ローラ4aへの印加が開始される。この時の現像電圧は、通常の画像形成時と同様の現像電圧でなくてもよい。例えば、通常の画像形成時の現像電圧と同極性で絶対値が小さい現像電圧としてもよいし、トナーの正規極性である負極性の電圧ではなく、正規極性とは逆極性の電圧を印加してもよい。図2(b)は、その駆動直後の状態を示している。図2(b)に示すように、停止時に現像ローラ4a上に付着していたトナーTが起動時かぶりとして感光ドラム1上に転移する。その主な理由は2つある。
1つ目の理由は、現像ローラ4a上のトナーTを担持している区間であって、画像形成装置100の起動時にブレードニップ部Nbを通過することなく現像部Ndを通過する区間(現像ローラ4aの回転方向におけるブレードニップ部Nbから現像部Ndまでの区間)があるためである。その区間にあるトナーTは、「ゼロトリボトナー」のまま現像部Ndに突入する。そのため、現像部Ndにおける感光ドラム1と現像ローラ4aとの間の電位差によらず、トナーTと各部材(感光ドラム1、現像ローラ4a)との間の非静電付着力の力関係により、現像ローラ4aから感光ドラム1へトナーTが転移する。
2つ目の理由は、感光ドラム1上の区間であって、画像形成装置100の起動時に表面電位が減衰したまま現像部Ndを通過する区間(感光ドラム1の回転方向における帯電部Ncから現像部Ndまでの区間)があるためである。その区間の感光ドラム1の表面は、現像部Ndで現像ローラ4aとの間に十分な電位差を生成することができない。そのため、トナーTの電荷によらず、トナーTと各部材(感光ドラム1、現像ローラ4a)との間の非静電付着力の力関係により、現像ローラ4aから感光ドラム1へトナーTが転移する。
以上のような2つの理由により、起動時かぶりが発生する条件下では、例えば比較的悪い条件の場合、トナーTが1層以上重なったベタ画像に近いかぶりトナーTが現像ローラ4a上から感光ドラム1上に転移してしまう。上述のように、現像ローラ4aの回転方向において、停止時にブレードニップ部Nbに位置していた現像ローラ4a上の領域から停止時に現像部Ndに位置していた現像ローラ4a上の領域までの区間にあるトナーTが、画像形成装置100の起動時に感光ドラム1上に転移しやすい。また、上述のように、感光ドラム1の回転方向において、停止時に帯電部Ncに位置していた感光ドラム1上の領域から停止時に現像部Ndに位置していた感光ドラム1上の領域までの区間には、画像形成装置100の起動時に、ブレードニップ部Nbを通過したトナーであっても転移することがある。
現像ローラ4a上から感光ドラム1上に転移したトナーTは、最初に転写ニップ部Ntを通過する際に、転写ローラ5と摺擦することにより、記録材Pの搬送方向における転写ニップ部Ntの下流側へ飛散する(図2(c))。この飛散したトナーTは、除電針20や搬送ガイド11に付着する。通常、前回転動作時には、転写電圧を印加しない(0V)か、転写ローラ5へのトナーの付着を抑制するためにトナーTの正規の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)の転写電圧を印加する。転写電圧が0Vの場合は、転写ニップ部Ntにおける感光ドラム1と転写ローラ5との間の電位差が無い状態である。そのため、感光ドラム1上へのトナーTの保持力も転写ローラ5上へのトナーTの保持力も弱くなり、感光ドラム1の回転駆動による慣性により、転写ニップ部Ntからのトナー飛散が発生する。一方、負極性の転写電圧を印加する場合は、ゼロトリボトナーが現像部Ndにおける摺擦で僅かに負極性化しているため、その僅かに負極性化したトナーTが負極性の転写電圧が印加された転写ローラ5に反発して感光ドラム1上に残ろうとする。そのため、その反発と感光ドラム1の回転駆動による慣性により、転写ニップ部Ntからのトナー飛散が発生する。
トナーTと転写ローラ5との間の非静電付着力などにより感光ドラム1上から転写ローラ5上に転移した一部のトナーTは、転写ニップ部Ntで繰り返し摺擦されることにより、転写ニップ部Ntからのトナー飛散が繰り返される(図2(d))。
そして、例えば起動時かぶりが発生する度に上述のようなトナー飛散が繰り返されると、除電針20や搬送ガイド11にトナーTが堆積(蓄積)していく。この堆積(蓄積)したトナーTは、プリント動作時に記録材Pの後端が搬送ガイド11に擦れてトナーTが記録材Pの後端に付着することにより発生する紙後端汚れや、除電針20の機能低下による転写画像不良として顕在化してしまうことがある。
転写ニップ部Ntに、記録材Pを介さない状態で、ベタ画像のようなトナーTが突入する場合としては、上述のような起動時かぶりが発生した時の他に、紙詰まりなどによるジャム処理後の画像形成装置100の起動時(復帰時)がある。しかし、この場合は、ジャム処理後に比較的短時間で画像形成装置100を起動(復帰)する場合がほとんどである。そのため、感光ドラム1上のトナーTの電荷は保持されたままであり、感光ドラム1の表面電位も減衰していない状態であるので、感光ドラム1上へのトナーTの保持力が強いままである。したがって、この場合、転写ニップ部Ntからのトナー飛散は発生しにくい。
つまり、転写ニップ部Ntからのトナー飛散は、画像形成装置100の起動時に、現像ローラ4aが感光ドラム1から離間しない場合に、電荷が減衰したトナーTが現像ローラ4aから感光ドラム1に転移する起動時かぶりに特有の現象である。
(3)本実施例におけるトナー飛散抑制制御
次に、本実施例における、起動時かぶりによるトナー飛散を抑制するための、画像形成装置100の起動時の転写電圧制御(ここでは、「トナー飛散抑制制御」ともいう。)について説明する。図3は、本実施例における画像形成装置100の起動時の転写電圧制御における転写電圧の推移を示すタイミングチャート図である。図3の横軸は時間、縦軸は転写電圧を示す(図3中のt1、t2、t3はそれぞれタイミング(時点)を示す)。また、図4は、本実施例における画像形成装置100の起動時の転写電圧制御を行った場合に転写ニップ部Ntからのトナー飛散が抑制されるメカニズムを説明するための感光ドラム1の周辺の模式図である。また、図5は、後述する図4(a)の状態での現像ローラ4a上のトナーT、図4(b)の状態での感光ドラム1上のトナーT、図4(d)の状態での転写ローラ5上のトナーTのそれぞれの電荷分布の測定結果を示すグラフ図である。トナーTの電荷分布は、イースパートアナライザEST-G(ホソカワミクロン社製)を用いて測定した。
図4(a)は、前回のプリント動作終了から停止した状態で12時間経過した状態を示している。この図4(a)の状態は、図2(a)の状態と同じである。図4(a)の状態で、現像ローラ4a上のトナーTの電荷分布を測定した結果を図5中の「現像ローラ上」のプロットで示す。本来ならば、トナーTは負極性の電荷を有している。しかし、長時間経過による電荷減衰の影響により、トナーTの電荷分布の中央値が0μC/gになっている。
図4(b)は、プリント信号などの駆動指示が画像形成装置100に与えられ、前回転動作で感光ドラム1の回転駆動が開始された直後の状態である。この図4(b)の状態は、図2(b)の状態と同じである。本実施例では、感光ドラム1の回転駆動が開始されるのとほぼ同時に通常の画像形成動作時と同様の帯電電圧の帯電ローラ2への印加、通常の画像形成動作時と同様の現像電圧の現像ローラ4aへの印加が開始される。上述のように、この時の現像電圧は、通常の画像形成時と同様の現像電圧でなくてもよい。例えば、通常の画像形成時の現像電圧と同極性で絶対値が小さい現像電圧としてもよいし、トナーの正規極性である負極性の電圧ではなく、正規極性とは逆極性の電圧を印加してもよい。前述のようにして現像ローラ4a上から感光ドラム1上に転移したトナーTは、現像部Ndにおける摺擦により、僅かに負極性側に帯電する。図4(b)の状態で、感光ドラム1上のトナーTの電荷分布を測定した結果を図5中の「ドラム上」のプロットで示す。図5中の「現像ローラ上」のプロットで示すように現像ローラ4a上でのトナーTの電荷分布の中央値が0μC/gであったのに対し、図5中の「ドラム上」のプロットで示すように感光ドラム1上でのトナーTの電荷分布の中央値は-3μC/gになっている。
図4(c)は、現像ローラ4a上から感光ドラム1上に転移したかぶりトナーTが最初に転写ニップ部Ntを通過する際の状態を示している。この時、図3に示すように、t1からt2までの間、トナーTの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の転写電圧V0を印加する。本実施例では、t1を、停止時に現像部Ndに存在したトナーTが転写ニップ部Ntに到達するタイミングに設定している。つまり、本実施例では、t1は、画像形成装置100の起動時に、停止時に現像部Ndに位置していた感光ドラム1上の領域が最初に転写ニップ部Ntに到達するタイミングである。また、本実施例では、t2を、停止時にブレードニップ部Nbに存在したトナーTが転写ニップ部Ntに到達するタイミングに設定している。つまり、本実施例では、t2は、画像形成装置100の起動時に、停止時にブレードニップ部Nbに位置していた現像ローラ4a上の領域と現像部Ndで最初に当接する感光ドラム1上の領域が最初に転写ニップ部Ntに到達するタイミングである。これにより、画像形成装置100の起動時に感光ドラム1上に転移しやすい、停止時にブレードニップ部Nbに位置していた現像ローラ4a上の領域から停止時に現像部Ndに位置していた現像ローラ4a上の領域までの区間にあるトナーTを、後述するように転写ローラ5上に転移させることができる。
なお、このt1及びt2は、感光ドラム1上の起動時かぶりが発生している箇所の一部又は全部が最初に転写ニップ部Ntを通過するタイミングが含まれるように設定されていればよい。例えば、感光ドラム1の表面電位が不定となる、停止時に帯電部Ncにあった感光ドラム1上の箇所が転写ニップ部Ntを最初に通過するタイミングをt2として設定してもよい。つまり、t2は、停止時に帯電部Ncに位置していた感光ドラム1上の領域が最初に転写ニップ部Ntに到達するタイミングとしてもよい。これにより、画像形成装置100の起動時に現像ローラ4aからトナーTが転移することがある、停止時に帯電部Ncに位置していた感光ドラム1上の領域から停止時に現像部Ndに位置していた感光ドラム1上の領域までの区間にあるトナーTを、後述するように転写ローラ5上に転移させることができる。なお、本実施例では、画像形成装置100の起動時に、停止時にブレードニップ部Nbに位置していた現像ローラ4a上の領域の方が、停止時に帯電部Ncに位置していた感光ドラム1上の領域よりも先に現像部Ndに到達する。また、転写電源18の応答性を考慮して、本実施例における上記t1からt2までの間隔よりもt1からt2までの間隔を広くとってもよい。
図5中の「ドラム上」のプロットで示す感光ドラム1上でのトナーTの電荷分布からわかるように、感光ドラム1上のトナーTは僅かに負極性化している。そのため、正極性の転写電圧を印加した場合、多くのトナーTは感光ドラム1上から転写ローラ5上に転移する。本実施例では、V0=+1000Vに設定したところ、感光ドラム1上のおよそ80%のかぶりトナーTが転写ローラ5上に転移していた。このように、負極性化したかぶりトナーTが転写ローラ5に引き付けられる方向に静電気力が働くため、トナー飛散の発生が抑制される。
図4(d)は、感光ドラム1上から転写ローラ5上に転移したトナーTが、転写ニップ部Ntで徐々に転写ローラ5上から感光ドラム1上へ転移する状態を示している。この時、図3に示すように、t2からt3までの間、転写電圧の絶対値を徐々に上昇させていく(V1~V8)。これにより、徐々に転写ローラ5上のトナーTを感光ドラム1に転移させる。t3は、通常のプリント動作の開始タイミングである。本実施例では、通常のプリント動作では、帯電電圧及び現像電圧を印加し、転写電圧を印加しない(0V)状態で、所定の期間にわたり感光ドラム1を回転させた後に、露光装置3による画像露光、正極性の転写電圧の印加を開始する。
本実施例における転写電圧V1~V8の値を表1に示す。また、図4(d)の状態で転写ローラ5上のトナーTの電荷分布を測定した結果を図5中の「転写ローラ上」のプロットで示す。図5中の「転写ローラ上」のプロットで示すように、転写ローラ5上でのトナーTの電荷分布の中央値は-4μC/gと、転写ニップ部Ntにおける摺擦により、感光ドラム1上でのトナーTの電荷分布の中央値よりも若干負極性側に高くなっている。転写ローラ5上のトナーTは、このような電荷分布を有するため、V1のように絶対値が低い負極性の転写電圧を印加した場合は、転写ローラ5上の負極性側で高い電荷を有するトナーTのみが感光ドラム1上に転移し、他のトナーTは転写ローラ5上に残る。この負極性の転写電圧の絶対値をV1からV3、V3からV5のように徐々に上げていくことにより、負極性側で電荷の高いトナーTから順に転写ローラ5上から感光ドラム1上へ転移していく。また、V1からV2、V3からV4のように転写電圧の極性を変えることにより、図5中の「転写ローラ上」のプロットで示すトナーの電荷分布内に存在する極性が正極性に反転したトナーTも転写ローラ5から感光ドラム1に転移することができる。正極性の転写電圧についても、V2からV4、V4からV6のように絶対値を徐々に上げていく。本実施例では、V1からV2、V2からV3、V3からV4のように、転写電圧の極性を交互に変えながら、各極性の電圧の絶対値を徐々に上げていく。ただし、例えばV1からV3に変え、V3からV2に変え、V2からV4に変えるなど、絶対値を徐々に上げた複数の段階の同極性の転写電圧を連続して印加するようにしてもよい。また、起動時かぶりを起こして感光ドラム1上から転写ローラ5上に転移したトナーの電荷分布などによっては、t2からt3までの間に、負極性の電圧のみを、絶対値を徐々に上げながら印加するようにしてもよい。
このような制御を行うことで、少量のトナーTを徐々に転写ローラ5から感光ドラム1に転移させることにより、トナー飛散を抑制することが可能となる。最初から高い負極性の転写電圧を印加して一度に転写ローラ5上のトナーTを感光ドラム1上に転移させると、トナーTへ加わる慣性の力が大きくなることや、トナーTと転写ローラ5の反発を誘発し、トナー飛散が悪化してしまうおそれがある。
なお、t2からt3の間に印加する各値の転写電圧は、それぞれ少なくとも転写ローラ5の1周分の時間(1周分の時間以上、かつ、例えば5周分の時間以下、典型的には3周分の時間以下など)にわたり印加することが好ましい。これにより、各値の転写電圧で転写ローラ5の周方向に偏りなくトナーTを転写ローラ5から感光ドラム1に転移させることができる。
Figure 2024046722000002
ここで、図6は、本実施例に従う画像形成装置100の起動時の転写電圧制御の変形例における転写電圧の推移を示す、図3と同様のタイミングチャート図である。図6に示すようにt1からt2の間で転写電圧を印加しない(V0=0V)場合でも、本実施例の効果は得られる。図2(c)を用いて前述したとおり、転写電圧を印加しない場合には、トナー飛散が発生すると共に、一部のトナーTが非静電付着力により感光ドラム1から転写ローラ5へ転移する。本実施例の構成では、V0=0Vの場合、およそ30%のトナーTが感光ドラム1から転写ローラ5へ転移していた。本発明に従う画像形成装置100の起動時の転写電圧制御を行わない場合、この転写ローラ5に転移したトナーTが繰り返し転写ニップ部Ntで摺擦されることにより、トナー飛散が悪化していく。しかし、図6に示すような本発明に従う画像形成装置100の起動時の転写電圧制御を行うことによって、転写ローラ5上のトナーTを徐々に感光ドラム1上へ転移させることにより、2回目以降の転写ニップ部Ntからのトナー飛散を抑制することが可能となる。ただし、図3に示すようにt1からt2の間にトナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の転写電圧を印加する方が、かぶりトナーTが最初に転写ニップ部Ntを通過する際に感光ドラム1から転写ローラ5へ転移するトナー量が多くなる。そのため、トナー飛散の抑制の観点でより好ましい。
(4)本実施例の作用効果
本実施例の効果を確認した評価実験について説明する。評価実験は、本実施例と、本実施例におけるトナー飛散抑制制御を実行しない比較例1、比較例2について行った。
本実施例では、画像形成装置100の起動時の前回転動作において、図3及び図6を用いて説明した転写電圧制御(トナー飛散抑制制御)を実行した。つまり、本実施例では、V0として0V又は+1000Vを用い、V1~V8として表1の値を用いた。
比較例1では、画像形成装置100の起動時の前回転動作において、図7に示す転写電圧制御を実行した。つまり、比較例1では、画像形成装置100の起動時の前回転動作中に転写電圧を印加せず、t1からt3までの間の転写電圧を0Vに設定した。
比較例2では、画像形成装置100の起動時の前回転動作において、図8に示す転写電圧制御を実行した。つまり、比較例2では、画像形成装置100の起動時の前回転動作中に負極性の転写電圧V9を印加し、t1からt3までの間の転写電圧をV9=-1000Vに設定した。
なお、図7、図8は、それぞれ図3と同様の転写電圧の推移を示すタイミングチャート図である。また、比較例1、比較例2の画像形成装置100の構成は、画像形成装置100の起動時の転写電圧制御が異なることを除いて、本実施例の画像形成装置100の構成と実質的に同じである。
評価実験は次のようにして行った。記録材Pとして、LTRサイズの坪量75g/mのVitality(Xerox社製)を用いた。画像形成装置100は、温度23℃、湿度50%の環境下に設置し、プリント動作を行った。本実施例、比較例1、比較例2のそれぞれについて、前回のプリント動作終了から12時間経過後に2枚プリントするサイクルを10回繰り返した。このように長時間経過後の少数プリントを繰り返して、トナーによる除電針20と搬送ガイド11の汚れ(「除電針・搬送ガイド汚れ」)、及びプリント物の記録材Pの後端にトナーが付着することによる紙後端汚れ(「紙後端トナー付着」)を確認した。
評価実験の結果を表2に示す。除電針・搬送ガイド汚れについては、発生した場合を×(不良)、僅かに汚れが付着している場合を△(やや良好)、汚れが発生しなかった場合を〇(良好)とした。また、紙後端トナー付着については、発生した場合を×(不良)、僅かにトナーが付着している場合を△(やや良好)、トナー付着が発生しなかった場合を〇(良好)とした。
Figure 2024046722000003
比較例1では、除電針・搬送ガイド汚れ及び紙後端トナー付着が共に発生している。これは、長時間経過により電荷減衰したかぶりトナーが、転写ニップ部Ntにおける摺擦により飛散してしまうためである。また、比較例2でも、除電針・搬送ガイド汚れ及び紙後端トナー付着が共に発生している。これは、転写ニップ部Ntにおけるかぶりトナーの摺擦に加えて、現像部Ndで僅かに負極性化したトナーが負極性を印加された転写ローラ5と反発することによって、トナーが飛散してしまうことに起因する。
本実施例においてV0=0Vとした場合は、除電針・搬送ガイド汚れ及び紙後端トナー付着が共に僅かに発生しているが、比較例1、比較例2と比べて良好な結果となっている。これは、かぶりトナーが転写ニップ部Ntで1回目に摺擦される際にはトナー飛散が発生してしまうが、2回目以降に摺擦される際には、転写ローラ5上のトナーが徐々に感光ドラム1上に転移して減少していくという本実施例の効果が表れているためである。
本実施例においてV0=+1000Vとした場合は、除電針・搬送ガイド汚れ及び紙後端トナー付着が共に発生せず、本評価実験において最も良好な結果となった。これは、かぶりトナーが転写ニップ部Ntで1回目に摺擦される際にも、現像部Ndで僅かに負極性化した感光ドラム1上のかぶりトナーが転写ローラ5上に引き付けられる静電気力を受けながら転写ローラ5上に転移し、トナー飛散が発生しにくいためである。また、かぶりトナーが転写ニップ部Ntで2回目以降に摺擦される際にも、転写ローラ5上のトナーが徐々に感光ドラム1上に転移して減少していくという本実施例の効果が表れている。
このように、本実施例では、画像形成装置100は、回転可能な感光体1と、帯電部Ncで感光体1を帯電処理する帯電手段2と、現像部Ndで感光体1に当接して帯電手段2により帯電処理された感光体上にトナーを供給する回転可能な現像部材4aと、規制部Nbで現像部材4aに当接して現像部材上のトナーに電荷を付与する規制部材4bと、感光体1に当接して転写部Ntを形成し、転写部Ntを通過する記録材Pに感光体1からトナーを転写させる転写部材5と、転写部材5に電圧を印加する転写電圧印加手段18と、転写電圧印加手段18を制御可能な制御手段50と、を有し、感光体1と現像部材4aとが当接した状態で感光体1及び現像部材4aの回転が開始される。そして、本実施例では、感光体1及び現像部材4aの停止時に現像部Ndに位置していた感光体1上の領域を第1の領域、感光体1及び現像部材4aの回転が開始された後に感光体1及び現像部材4aの停止時に規制部Nbに位置していた現像部材4a上の領域と現像部Ndで最初に当接する感光体1上の領域を第2の領域としたとき、制御手段50は、感光体1及び現像部材4aの回転が開始されて上記第1の領域が最初に転写部Ntに到達してから上記第2の領域が最初に転写部Ntに到達するまでの期間の少なくとも一部を含む第1の期間に、転写部材5に電圧を印加しないか又はトナーの正規の帯電極性とは逆極性の電圧を印加し、上記第1の期間の後、かつ、感光体1に形成されたトナー像が転写部Ntに到達する前の第2の期間に、転写部材5に少なくとも上記正規の帯電極性と同極性である第1の電圧と、上記第1の電圧と同極性であって絶対値が上記第1の電圧の絶対値よりも大きい第2の電圧と、を印加するように転写電圧印加手段18を制御する。
好ましい一形態では、制御手段50は、上記第1の期間に、転写部材5に上記正規の帯電極性とは逆極性の電圧を印加するように転写電圧印加手段18を制御する。また、好ましい一形態では、上記第1の期間は、感光体1及び現像部材4aの回転が開始されて上記第1の領域が最初に転写部Ntに到達してから上記第2の領域が最初に転写部Ntに到達するまでの期間を含むように設定される。また、感光体1及び現像部材4aの停止時に帯電部Ncに位置していた感光体1上の領域を第3の領域としたとき、上記第1の期間は、感光体1及び現像部材4aの回転が開始されて上記第1の領域が最初に転写部Ntに到達してから上記第3の領域が最初に転写部Ntに到達するまでの期間を含むように設定されてよい。また、本実施例では、制御手段50は、上記第2の期間に、転写部材4aに上記正規の帯電極性とは逆極性である第3の電圧と、上記第3の電圧と同極性であって絶対値が上記第3の電圧の絶対値よりも大きい第4の電圧と、を印加するように転写電圧印加手段18を制御する。また、本実施例では、制御手段50は、上記第2の期間に、転写部材5に上記正規の帯電極性と同極性の電圧と、上記正規の帯電極性とは逆極性の電圧と、を交互に印加するように転写電圧印加手段18を制御する。
以上説明したように、本実施例によれば、前回のプリント動作終了から長時間経過後に現像ローラ4aと感光ドラム1とが当接した状態で画像形成装置100が起動する際の起動時かぶりによる転写ニップ部Ntからのトナー飛散を抑制することが可能となる。その結果、感光ドラム1に対して現像ローラ4aの当接と離間とを切り替える当接離間機構を有していない画像形成装置100においても、トナーによる除電針20や搬送ガイド11などの汚れ及び紙後端汚れを抑制することができる。つまり、本実施例によれば、起動時かぶりを起こしたトナーによって引き起こされるトナー飛散を抑制することができる。
(5)本実施例の他の形態
図9は、本実施例の他の形態の画像形成装置100の概略断面図である。図1の画像形成装置100との違いは、クリーニング装置6を有しておらず、現像装置4がクリーニング機構を兼ねている点である(クリーナーレス構成)。図9の画像形成装置100の他の構成は、図1の画像形成装置100と実質的に同じである。
図9に示すようなクリーナーレス構成の画像形成装置100においても、本実施例におけるトナー飛散抑制制御(画像形成装置100の起動時の転写電圧制御)を用いることができる。
つまり、本実施例における画像形成装置100の起動時の転写電圧制御を用いた場合、感光ドラム1上から転写ローラ5上に転移したトナーが段階的に感光ドラム1上へ戻される。この感光ドラム1上へ戻されたトナーの中には、負極性のトナーの他に、ゼロトリボトナーや極性が正極性に反転したトナーが含まれている。
図9のクリーナーレス構成の画像形成装置100では、感光ドラム1上の暗部電位の部分に付着している負極性のトナーを現像部Ndで現像装置4に回収する。この際に、ゼロトリボトナーや正極性のトナーは回収できないため、そのようなトナーを負極性化する必要がある。図9の画像形成装置100では、前回転動作中(感光ドラム1のクリーニング動作時)に、帯電ローラ2には通常の画像形成動作時と同じ帯電電圧である-1100Vが印加されており、帯電ローラ2と感光ドラム1との間で放電が発生している。その放電により、感光ドラム1上のかぶりトナーの極性を負極性化させ、現像部Ndでそのかぶりトナーを回収することができる。
このように、画像形成装置100のクリーニング方式によらず、本実施例におけるトナー飛散抑制制御を用いることができる。
[実施例2]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置100のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
本実施例では、画像形成装置100は、前回のプリントの動作の履歴に応じて、実施例1で説明したトナー飛散抑制制御を行うか否かを決定する。画像形成装置100の起動時に毎回、実施例1で説明したトナー飛散抑制制御を行うと、起動時間が増大したり、部材の寿命に影響したりする可能性がある。そのため、本実施例では、トナー飛散抑制制御を行う必要性が高い状況においてのみこれを行うことで、これらの可能性を低減する。
表3は、前回のプリント動作終了からの経過時間ごとの紙後端トナー付着の評価結果である。前述の実施例1(V0=+1000V)と比較例1とのそれぞれにおける画像形成装置100の起動時の転写電圧制御を、画像形成装置100の起動時に毎回実行した。その際に、前回のプリント動作終了からの経過時間を1時間、6時間、12時間と3水準で振った。評価実験の他の条件は、表2の結果を得た評価実験と同じであるが、ここでは紙後端トナー付着のみを評価している。紙後端トナー付着が発生した場合を×(不良)、僅かにトナーが付着している場合を△(やや良好)、トナー付着が発生しなかった場合を〇(良好)とした。
Figure 2024046722000004
実施例1における画像形成装置100の起動時の転写電圧制御を画像形成装置100の起動時に毎回実行した場合は、前回のプリント動作終了からの経過時間にかかわらず、紙後端トナー付着が良好な結果となっている。
一方、比較例1における画像形成装置100の起動時の転写電圧制御を画像形成装置100の起動時に毎回実行した場合は、前回のプリント動作終了から12時間経過後の場合は前述したように紙後端トナー付着が不良であった。しかし、6時間経過後、1時間経過後と、前回のプリント動作終了からの経過時間を短くするにつれて結果が良化している。これは、前回のプリント動作終了からの経過時間が短ければ、現像ローラ4a上のトナーの電荷が負極性を維持したままであり、加えて、感光ドラム1の表面電位も減衰しきっていないため、起動時かぶりトナー自体が少なくなるからである。図10は、前回のプリント動作終了からの経過時間を振った場合の、現像ローラ4a上のトナーの電荷分布の測定結果を示すグラフ図である。図10から、経過時間が短いほど、トナーの電荷量が負極性側で維持されていることが分かる。このように、起動時かぶりトナー自体が少なくなることによって、転写ニップ部Ntからのトナー飛散も少なくなる。そのため、そのような場合には、実施例1で説明したトナー飛散抑制制御を実行しなくても紙後端トナー付着が良化する。
表4は、前回のプリント動作における通紙枚数ごとの紙後端トナー付着の評価結果である。前述の実施例1(V0=+1000V)と比較例1とのそれぞれにおける画像形成装置100の起動時の転写電圧制御を、画像形成装置100の起動時に毎回実行した。その際に、前回のプリント動作における通紙枚数を2枚、5枚、10枚と3水準で振った。評価実験の他の条件は、表2の結果を得た評価実験と同じであるが、ここでは紙後端トナー付着のみを評価している。紙後端トナー付着が発生した場合を×(不良)、僅かにトナーが付着している場合を△(やや良好)、トナー付着が発生しなかった場合を〇(良好)とした。
Figure 2024046722000005
実施例1における画像形成装置100の起動時の転写電圧制御を画像形成装置100の起動時に毎回実行した場合は、前回のプリント動作における通紙枚数にかかわらず、紙後端トナー付着が良好な結果となっている。一方、比較例1における画像形成装置100の起動時の転写電圧制御を画像形成装置100の起動時に毎回実行した場合は、前回のプリント動作における通紙枚数が2枚の場合は前述したように紙後端トナー付着が不良であった。しかし、通紙枚数5枚、通紙枚数10枚と、前回のプリント動作における通紙枚数を多くするにつれて結果が良化している。これは、通紙枚数が多いほど、起動時かぶりによるトナー飛散によって搬送ガイド11に付着したトナーが目視で確認できない量で記録材Pに付着して徐々に排出され、搬送ガイド11に堆積するトナー量が減るためである。このように、トナー飛散が発生した場合でも、通紙により搬送ガイド11からトナーによる汚れが徐々に除去されるような状況であれば、実施例1で説明したトナー飛散抑制制御を実行しなくても紙後端トナー付着が良化する。
次に、表3及び表4の結果を考慮した、本実施例における画像形成装置100の起動時の転写電圧制御の手順について説明する。図11は、本実施例における画像形成装置100の起動時の転写電圧制御の手順を示すフローチャート図である。
制御部50は、ホストコンピュータからプリント信号を受信すると、画像形成装置100の起動動作を開始する前に、前回のプリント動作終了からの経過時間が6時間以上(所定の閾値以上)か否かを判断する(S101)。なお、制御部50は、例えばプリント動作終了時からプリント信号の受信までの時間を計測し、その計測結果に基づいてS101の判断を行うことができる。あるいは、制御部50は、プリント動作終了時の日時を不揮発メモリなどの記憶手段に記憶させ、その記憶した日時とプリント信号を受信した日時とから求めた前回のプリント動作終了時からの経過時間に基づいてS101の判断を行うことができる。
前回のプリント動作終了からの経過時間が6時間未満の場合は、通常の起動動作を行っても起動時かぶりの発生量が少なく、転写ニップ部Ntからのトナー飛散の発生リスクは低い。そのため、制御部50は、S101で経過時間が6時間未満である(「No」)と判断した場合は、トナー飛散抑制制御を実行せずに、通常のプリント動作を実行し(S104)、指定された画像形成動作が終了したらプリント動作を終了する。
前回のプリント動作終了からの経過時間が6時間以上の場合は、起動時かぶりの発生量が多くなるため、転写ニップ部Ntからのトナー飛散の発生リスクが高まる。そのため、制御部50は、S101で経過時間が6時間以上である(「Yes」)と判断した場合は、次に、前回のプリント動作における通紙枚数(プリント枚数)が5枚以下(所定の閾値以下)か否かを判断する(S102)。
前回のプリント動作における通紙枚数が6枚以上の場合は、通常の起動動作を行っても、搬送ガイド11のトナーによる汚れは徐々に通紙により排出されているため、紙後端汚れの発生リスクは低い。そのため、制御部50は、S102で通紙枚数が5枚より多い(「No」)と判断した場合は、トナー飛散抑制制御を実行せずに、通常のプリント動作を実行し(S104)、指定された画像形成動作が終了したらプリント動作を終了する。
そして、制御部は、S102で通紙枚数が5枚以下である(「Yes」)と判断した場合は、画像形成装置100の起動時の前回転動作で実施例1で説明したトナー飛散抑制制御を実行する(S103)。その後、制御部50は、通常のプリント動作を実行し(S104)、指定された画像形成動作が終了したらプリント動作を終了する。
なお、本実施例では、S101の前回のプリント動作終了からの経過時間に基づくトナー飛散抑制制御の実行の要否判断と、S102の前回のプリント動作における通紙枚数に基づくトナー飛散抑制動作の実行の要否判断と、の両方を行った。ただし、これら本実施例におけるS101、S102の判断は、いずれか一方のみを実行(例えばS101の判断のみを実行)するようにしてもよい。その場合にも、実施例1と比較して、起動時間の増大や部材の寿命への影響の可能性を低減することができる。
このように、本実施例では、制御手段50は、感光体1及び現像部材4aの回転が開始されてから感光体1に形成されたトナー像が転写部Ntに到達するまでの動作期間に前述の第1の期間及び第2の期間における転写電圧印加手段18の制御(トナー飛散抑制制御)を行う第1の制御と、上記動作期間に前述の第1の期間及び第2の期間における転写電圧印加手段18の制御(トナー飛散抑制制御)を行わず、上記動作期間が上記第1の制御を実行した場合よりも短い第2の制御とを、当該画像形成装置100の動作履歴に関する情報に基づいて選択的に実行可能である。本実施例では、制御手段50は、上記第2の制御において、上記動作期間に転写部材5に最初に印加する電圧がトナーの正規の帯電極性とは逆極性の電圧であるように転写電圧印加手段18を制御する。また、上記動作履歴に関する情報は、前回のプリント動作終了からの感光体1の停止時間に関する情報であってよい。また、上記動作履歴に関する情報は、前回のプリント動作におけるプリント枚数に関する情報であってよい。
以上説明したように、本実施例では、実施例1で説明したトナー飛散抑制制御を、必要性が高い状況においてのみ、画像形成装置100の起動時に実行する。その結果、画像形成装置100の起動時の前回転動作の時間の短縮や、転写ニップ部Ntに記録材Pが無い状態で転写電圧を印加することにより部材の寿命に影響を与える可能性(感光ドラム1の表層削れ、転写ローラ5の抵抗上昇など)の低減が可能となる。
[その他]
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
転写部材は、ローラ状の部材に限定されるものではなく、ブロック(パッド)状の部材、ブラシ状の部材、シート状(フィルム状)の部材であってもよい。
また、画像形成装置は、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機など、種々の用途の画像形成装置であってよい。
1 感光ドラム
2 帯電ローラ
4 現像装置
5 転写ローラ
6 クリーニング装置
11 搬送ガイド
12 定着装置
18 転写電源
20 除電針
50 制御部

Claims (10)

  1. 回転可能な感光体と、
    帯電部で前記感光体を帯電処理する帯電手段と、
    現像部で前記感光体に当接して前記帯電手段により帯電処理された前記感光体上にトナーを供給する回転可能な現像部材と、
    規制部で前記現像部材に当接して前記現像部材上のトナーに電荷を付与する規制部材と、
    前記感光体に当接して転写部を形成し、前記転写部を通過する記録材に前記感光体からトナーを転写させる転写部材と、
    前記転写部材に電圧を印加する転写電圧印加手段と、
    前記転写電圧印加手段を制御可能な制御手段と、
    を有し、
    前記感光体と前記現像部材とが当接した状態で前記感光体及び前記現像部材の回転が開始される画像形成装置において、
    前記感光体及び前記現像部材の停止時に前記現像部に位置していた前記感光体上の領域を第1の領域、前記感光体及び前記現像部材の回転が開始された後に前記感光体及び前記現像部材の停止時に前記規制部に位置していた前記現像部材上の領域と前記現像部で最初に当接する前記感光体上の領域を第2の領域としたとき、
    前記制御手段は、前記感光体及び前記現像部材の回転が開始されて前記第1の領域が最初に前記転写部に到達してから前記第2の領域が最初に前記転写部に到達するまでの期間の少なくとも一部を含む第1の期間に、前記転写部材に電圧を印加しないか又はトナーの正規の帯電極性とは逆極性の電圧を印加し、前記第1の期間の後、かつ、前記感光体に形成されたトナー像が前記転写部に到達する前の第2の期間に、前記転写部材に少なくとも前記正規の帯電極性と同極性である第1の電圧と、前記第1の電圧と同極性であって絶対値が前記第1の電圧の絶対値よりも大きい第2の電圧と、を印加するように前記転写電圧印加手段を制御することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、前記第1の期間に、前記転写部材に前記正規の帯電極性とは逆極性の電圧を印加するように前記転写電圧印加手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第1の期間は、前記感光体及び前記現像部材の回転が開始されて前記第1の領域が最初に前記転写部に到達してから前記第2の領域が最初に前記転写部に到達するまでの期間を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記感光体及び前記現像部材の停止時に前記帯電部に位置していた前記感光体上の領域を第3の領域としたとき、
    前記第1の期間は、前記感光体及び前記現像部材の回転が開始されて前記第1の領域が最初に前記転写部に到達してから前記第3の領域が最初に前記転写部に到達するまでの期間を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御手段は、前記第2の期間に、前記転写部材に前記正規の帯電極性とは逆極性である第3の電圧と、前記第3の電圧と同極性であって絶対値が前記第3の電圧の絶対値よりも大きい第4の電圧と、を印加するように前記転写電圧印加手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御手段は、前記第2の期間に、前記転写部材に前記正規の帯電極性と同極性の電圧と、前記正規の帯電極性とは逆極性の電圧と、を交互に印加するように前記転写電圧印加手段を制御することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御手段は、前記感光体及び前記現像部材の回転が開始されてから前記感光体に形成されたトナー像が前記転写部に到達するまでの動作期間に前記第1の期間及び前記第2の期間における前記転写電圧印加手段の前記制御を行う第1の制御と、前記動作期間に前記第1の期間及び前記第2の期間における前記転写電圧印加手段の前記制御を行わず、前記動作期間が前記第1の制御を実行した場合よりも短い第2の制御とを、当該画像形成装置の動作履歴に関する情報に基づいて選択的に実行可能であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御手段は、前記第2の制御において、前記動作期間に前記転写部材に最初に印加する電圧が前記正規の帯電極性とは逆極性の電圧であるように前記転写電圧印加手段を制御することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記動作履歴に関する情報は、前回のプリント動作終了からの前記感光体の停止時間に関する情報であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  10. 前記動作履歴に関する情報は、前回のプリント動作におけるプリント枚数に関する情報であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
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