JP2024046585A - 成形装置の成形方法、成形装置の制御方法、および成形装置 - Google Patents

成形装置の成形方法、成形装置の制御方法、および成形装置 Download PDF

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康弘 矢吹
啓ニ郎 岡
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Abstract

【課題】 コアバック制御などのキャビティ拡張成形時に可動盤が移動開始されるまでの時間短縮、キャビティ拡張成形開始時の制御性の向上、良好な発泡成形品を得るためのキャビティ拡張成形開始時の制御のいずれかを行うことのできる成形装置の成形方法、成形装置の制御方法、および成形装置を提供する。【解決手段】 固定金型311が取り付けられる固定盤312に対して可動金型313が取り付けられる可動盤314をキャビティ拡張機構345により型開方向に移動させ固定金型311と可動金型313の間に形成されるキャビティCを拡張させる成形装置の成形方法において、型閉力F1や位置保持力が付与されて型閉された状態の可動盤314に対してキャビティ拡張機構345により型開力F2を付与しておき、その後前記型開力F2を前記型閉力F1または前記位置保持力よりも相対的に上回らせて前記キャビティCを拡張させるキャビティ拡張成形を行う。【選択図】 図1

Description

本発明は、固定金型が取り付けられる固定盤に対して可動金型が取り付けられる可動盤をキャビティ拡張機構により型開方向に移動させキャビティを拡張させる成形装置の成形方法、成形装置の制御方法、および成形装置に関するものである。
固定金型が取り付けられる固定盤に対して可動金型が取り付けられる可動盤をキャビティ拡張機構により型開方向に移動させキャビティを拡張させる成形装置の成形方法の一例としてはコアバック成形があり、主には発泡成形に用いられる。コアバック成形に関するものとしては特許文献1に記載されたものなどが知られている。特許文献1では、コアバック制御工程は、第1のコアバック制御工程と第2のコアバック制御工程に分かれている。第1のコアバック制御工程は、可動盤を移動させる型開閉機構のサーボモータを用いて行うものである。また第2のコアバック制御工程は、タイバを移動させるタイバ移動シリンダを用いて行うものである。
特開2022-72494号公報
しかしながら特許文献1の図2を見ても判るように、。第1のコアバック制御工程に用いられるサーボモータも、第2のコアバック制御工程に用いられるタイバ移動シリンダも無負荷の状態からコアバック制御開始と同時に作動されるものである。そのため成形装置によりコアバック制御などのキャビティ拡張成形時に可動盤が移動開始されるまでの時間短縮、キャビティ拡張成形開始時の制御性の向上、良好な発泡成形品を得るためのキャビティ拡張成形開始時の制御のいずれかができない場合があった。
本発明は、前記の問題を解決してコアバック制御などのキャビティ拡張制御時にコアバック制御などのキャビティ拡張成形時に可動盤が移動開始されるまでの時間短縮、キャビティ拡張成形開始時の制御性の向上、良好な発泡成形品を得るためのキャビティ拡張成形開始時の制御のいずれかを行うことのできる成形装置の成形方法、成形装置の制御方法、および成形装置を提供することを目的とする。その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態に係る成形装置の成形方法は、固定金型が取り付けられる固定盤に対して可動金型が取り付けられる可動盤をキャビティ拡張機構により型開方向に移動させ固定金型と可動金型の間に形成されるキャビティを拡張させつつ成形を行う成形装置の成形方法において、型閉力または位置保持力が付与されて型閉された状態の可動盤に対してキャビティ拡張機構により型開力を付与しておき、その後前記型開力を前記型閉力または前記位置保持力よりも相対的に上回らせて前記キャビティを拡張させるキャビティ拡張成形を行う、ことを特徴とする。
本開示の成形装置によれば、コアバック制御などのキャビティ拡張成形時に可動盤が移動開始されるまでの時間短縮、キャビティ拡張成形開始時の制御性の向上、良好な発泡成形品を得るためのキャビティ拡張成形開始時の制御のいずれかを行うことができる。
第1の実施形態の射出成形装置の側面図である。 第1の実施形態の係合機構を係合前の状態を示す拡大図である。 第1の実施形態の各工程を示す説明図である。 第1の実施形態の圧抜工程とコアバック工程開始時の型締シリンダの型閉力F1とタイバ移動機構の型開力F2の関係を示す説明図である。 第3の実施形態の射出成形装置の側面図である。 従来の圧抜工程とコアバック工程開始時の型締シリンダの型閉力F1とタイバ移動機構の型開力F2の関係を示す説明図である。
以下、具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜簡略化されている。また、図面が煩雑にならないように、ハッチングが省略されている部分がある。
<射出成形装置>
本発明の1実施形態の射出成形装置1について図1を参照して説明する。図1は射出成形装置1の側面図である。成形装置の一種である射出成形装置1は、基台2上に型締装置3と射出装置4を備えている。型締装置3は、固定金型311が取り付けられる固定盤312に対して可動金型313が取り付けられる可動盤314を移動させる2基の型開閉機構315と固定金型311と可動金型313の型締を行う4基の型締機構316の型締シリンダ317を備えたものである(ただし図1では手前側の型開閉機構315と型締機構316のみ記載)。また射出装置4は加熱シリンダ4a内部に図示しないスクリュ等を備え、発泡成形等のキャビティCを拡張するキャビティ拡張成形を可能とするものである。
基台2上に固定される固定盤312の反金型取付面312a側の中央部には前記射出装置4のノズル4bを挿入するためのすり鉢部312bが設けられ、すり鉢部312bの中央には固定金型311に前記ノズル4bが接続される孔が設けられている。また固定盤312内部の四隅近傍には型締機構316の型締シリンダ317がそれぞれ設けられている。型締シリンダ317はピストン318の前進側のロッドが本発明の軸部材に相当するタイバ319を構成している。従って本発明では、固定盤312に軸部材のタイバ319が連設されている。型締シリンダ317は、ピストン318の型開側(図1においては左側)に型締側油室317aを備え、ピストン318の型閉側(図1においては右側)に強力型開側油室317bを備えた復動シリンダである。また型締シリンダ317はバルブ、センサ、ポンプ、タンク等を備えた油圧装置320に接続されている。
前記各タイバ319の外周の先端側近傍位置には、係合溝321が型開閉方向の所定の長さにわたって複数同じピッチの溝が形成されている。係合溝321は、図2にも記載されるようにタイバ319の軸方向Lに対して直角方向に設けられた型締側当接面321aとタイバ319の軸方向Lに対して傾斜方向に設けられた強力型開側当接面321bとその間の軸方向Lと平行な底面を有する。ただし係合溝321の強力型開側当接面321bは軸方向Lに対して直角方向の面であってもよい。また係合溝321は連続するねじ溝であってもよい。そして各タイバ319は、可動盤314の四隅近傍に設けられた挿通孔322にそれぞれ挿通されている。可動盤314における反金型取付面314aにおける四隅近傍の挿通孔322の両側には、係合機構323が各タイバ319に対応してそれぞれ配設されている。
また基台2上には、成形金型351を構成する固定金型311が取り付けられる固定盤312に対して成形金型351を構成する可動金型313が取り付けられる可動盤314を近接・離間移動させる型開閉機構315が2基配設されている。型開閉機構315はサーボ機構を用いたものであり、第1の実施形態ではサーボモータ338とボールねじ機構339を用いられている。より具体的には基台2の上面のブラケットにサーボモータ338が固定され、サーボモータ338は位置検出機構であるロータリエンコーダ338aを備えている。またロータリエンコーダ338aを含むサーボモータ338はサーボアンプ342と制御装置343に接続されている。また制御装置343は前記油圧装置320とも接続されている。本発明の制御装置343は、型閉力F1または位置保持力が付与されて型閉された状態の可動盤314に対してキャビティ拡張機構であるタイバ移動シリンダ346により型開力F2を付与しておき、その後前記型開力F2を前記型閉力F1または前記位置保持力よりも相対的に上回らせて前記キャビティCを拡張させるキャビティ拡張成形を行う機能を備えている。
ボールねじ機構339のボールねじ340は基台2上のブラケットにボールねじ340の軸方向が型開閉方向に一致するように一端の側と他端の側がそれぞれベアリングを介して回転自在に取り付けられている。そしてサーボモータ338の駆動軸が、前記ボールねじ340に直接接続されるか、またはベルトを介して接続されており、ボールねじ340はサーボモータ338の駆動により回転自在となっている。また可動盤314の側面下部または下面にはブラケットを介してボールねじナット341がそれぞれ固定されており、前記ボールねじ340は前記ボールねじナット341にそれぞれ挿通されている。これらの機構により2基の型開閉機構315のサーボモータ338の駆動により可動盤314が型開閉方向にそれぞれ移動可能となっている。また可動盤314の位置はロータリエンコーダ338aにより検出され、可動盤314はサーボアンプ342等によりクローズドループ制御による速度制御(位置制御を含む)が行われる。なお型開閉機構315のサーボ機構は、サーボバルブを使用してクローズドループ制御可能な2本の油圧シリンダからなる機構等でもよい。また固定盤312に対する可動盤314の位置または固定金型311に対する可動金型313の位置は、前記ロータリエンコーダ338a以外のリニアスケールなどの位置検出機構により測定されるものでもよい。また型開閉機構315は2基に限定されず、1基や他の複数基でもよい。
<タイバ移動機構>
型締装置3は、型締シリンダ317とは別にタイバ319を一定距離軸方向に移動させるタイバ移動機構345をタイバ319の本数に対応して4基備えている(ただし図1では2基のみが記載されている)。言い換えればタイバ移動機構345は、型締シリンダ317と対応して該型締シリンダ317と同数の4基が備えられている。本発明においてタイバ移動機構345は、コアバック制御等のキャビティ拡張制御を行うためのキャビティ拡張機構に相当する。各型締シリンダ317のピストン318の型開側(図1においては右側)にはロッド349が固定され、前記ロッド349の先端には直角方向に結合板347がジョイント等を介してかまたは直接取り付けされている。また固定盤312の反金型取付面312aには複数のガイド棒348が前記ロッド349と平行方向に取り付けられ、前記ガイド棒348は結合板347に設けられた挿通孔に挿通されている。更に前記反金型取付面312aの前記ロッド349の両側にはタイバ移動シリンダ346が前記ロッド349と平行にそれぞれ取り付けられている。そして前記タイバ移動シリンダ346の反金型取付面側のロッド346eはそれぞれ結合板347に取り付けられ、前記ロッド349とロッド346eは一体に連結されている。
タイバ移動シリンダ346のシリンダ部346aの内部にはピストン346bが設けられている。そしてタイバ移動シリンダ346のピストン346bの型開側(図1においては左側)にはタイバ319を型閉方向に移動させる際に作動油が供給されるタイバ型閉方向移動用油室346cが設けられ、また前記ピストン346bの型閉側(図1においては右側)には、タイバ319を型開方向に移動させる際に作動油が供給されるタイバ型開方向移動用油室346dが設けられている。タイバ移動シリンダ346は、両ロッド型のシリンダであり、タイバ型閉方向移動用油室346cの側に設けられたロッド346eは前記のように結合板347に連結されている。そして前記タイバ型閉方向移動用油室346cとタイバ型開方向移動用油室346dの増圧面の面積は同じ面積となっている。前記タイバ移動シリンダ346のタイバ型閉方向移動用油室346cとタイバ型開方向移動用油室346dは、油圧装置320のクローズドループ制御により流量制御可能なバルブ344等を介して図示しないポンプから作動油が供給され制御されるようになっている。なお前記流量制御可能なバルブ344は、サーボバルブであってもよく、他の可変流量制御バルブであってもよい。
キャビティ拡張機構であるタイバ移動機構345は、これら機構を備え、タイバ移動シリンダ346の作動により結合板347がガイド棒348にガイドされて前進および後退方向に移動され、同時に結合板347に接続されるロッド349、ピストン318、タイバ319も前進および後退方向に移動される。また固定盤312と結合板347の間には、リニアスケール等の位置センサ350が取り付けられ、固定盤312に対するタイバ319の位置は位置センサにより測定可能となっている。なおタイバ移動機構345に油圧機構を採用する場合は、タイバ移動シリンダの数は限定されず、固定盤312内にタイバ移動シリンダを設けてもよい。またタイバ移動機構345はクローズドループ制御により制御(位置制御または速度制御)されるものであれば、電動機構を採用してもよい。その場合サーボモータとボールねじ機構を用いたものでもよく、更にはトグル機構やクサビ機構を併用したものでもよい。またはタイバ移動機構345をオープン制御により制御することも想定される。
<係合機構>
次に図2を参照して係合機構323について説明する。図2は、係合機構323を係合前の状態を示す拡大図である。係合機構323は、タイバ319と可動盤314を連結するためのものであり、係合機構323は、第1のハーフナット機構324と第2のハーフナット機構327とから構成される。第1のハーフナット機構324は、一対のハーフナット324aとハーフナット324bから構成され、駆動機構のアクチュエータである油圧シリンダ325によりタイバ319の係合溝321に対して移動される。また第1のハーフナット機構324のハーフナット324aとハーフナット324bのタイバ319側には、複数の係合歯326が備えられ、係合歯326の両側には型締側当接面326aと強力型開側当接面326bが備えられている。第2のハーフナット機構327のハーフナット327aとハーフナット327bのタイバ319側には、複数の係合歯328が備えられ、係合歯328の両側には型締側当接面328aと強力型開側当接面328bが備えられている。
また第1のハーフナット機構324と第2のハーフナット機構327の間には連結ガイド棒329とバネ331が設けられ、両者は連結されるとともに両者の間隔は変更可能となっている。更には係合機構323には、第2のハーフナット機構327をタイバ319の軸方向に移動させるための移動機構である油圧シリンダ333が備えられている。前記機構により第2のハーフナット機構327のハーフナット327aとハーフナット327bは、第1のハーフナット機構324のハーフナット324a,324bに対して近接、離間可能になっている。なお第2のハーフナット機構327の移動機構を設ける位置は、可動盤側や第1のハーフナット機構と第2のハーフナット機構の間でもよい。また第2のハーフナット機構327の移動機構は、サーボモータ等の電動モータにより駆動されるものでもよい。
<成形装置の制御方法と成形装置の発泡成形品の成形方法>
次に図1に示される実施形態の射出成形装置1の型締装置3の制御方法と発泡成形品の成形方法について図1ないし図4、取り分け図3を参照して説明する。第1の実施形態では、型締装置3に取り付けられる成形金型351はインロー金型とも呼ばれるものであり、キャビ型である固定金型311に対してコア型である可動金型313の型開閉方向の位置が変化してもキャビティCが容積変更された状態で保持されるものである。なお成形金型351は別の方式のコアバック成形(キャビティ拡張成形)が可能な金型でもよい。
型締装置3の固定盤312と可動盤314に前記のようなコアバック制御が可能な成形金型351が取り付けられると次に成形金型351の型厚が測定される。そして成形金型351の型厚を参酌して可動盤314を型閉した際の係合機構323の位置に対して、タイバ319の係合溝321の位置が係合可能な位置となるように、タイバ移動機構345を作動させて型締機構316の型締シリンダ317のピストン318とタイバ319の位置が移動調整される。
また射出装置4においては供給された発泡成形用の樹脂材料が加熱シリンダ4a内で可塑化され、準備される。本発明における発泡成形は、発泡剤を添加する化学発泡成形であってもよく、ガスを注入する物理発泡成形であってもよい。なお物理発泡成形には超臨界発泡成形も含まれる。
<型締装置の作動>
型締装置3の作動に関し、型締装置3の作動は制御装置343からサーボアンプ342や油圧装置320等に指令信号が送られ開始される。まず可動盤314が後退した型開き状態から型開閉機構315のサーボモータ338の作動によりボールねじ340が回転され、ボールねじ340に挿通されるボールねじナット341が型開閉方向に移動されることにより、型開位置に停止していた可動盤314および可動金型313は、固定盤312および固定金型311に向けて移動される。その間の係合機構323の第1のハーフナット機構324と第2のハーフナット機構327の位置関係は、バネ331が伸長して両者は最も離隔した状態にある。
次に型開閉機構315の作動により固定金型311に対して可動金型313が型当接されると固定金型311と可動金型313の間には成形を行うための容積可変のキャビティCが形成される(型閉工程)。型当接がなされると型開閉機構315のサーボモータ338はサーボロックされて可動盤314は位置保持される。次に係合機構323の第1のハーフナット機構324のハーフナット324a,324bは油圧シリンダ325の前進作動によりタイバ319に向けて前進され、ハーフナット324a,324bの係合歯326がタイバ319の係合溝321と係合され、可動盤314がタイバ319に対して係合された状態となる。この際にハーフナット324a,324bの係合歯326の型締側当接面326aとタイバ319の係合溝321の型締側当接面321aの間と、前記係合歯326の強力型開側当接面326bと前記係合溝321の強力型開側当接面321bとの間にはそれぞれ僅かな間隙が形成される。
また第1のハーフナット機構324のハーフナット324aと第2のハーフナット機構327のハーフナット327a、第1のハーフナット機構324のハーフナット324bと第2のハーフナット機構327のハーフナット327bはそれぞれ連結ガイド棒329により連結されているため、油圧シリンダ325の前進方向に作動されることにより第1のハーフナット機構324のハーフナット324a,324bの前進とともに第2のハーフナット機構327のハーフナット327a,327bも前進する。そして第2のハーフナット機構327のハーフナット327a,327bの係合歯328もタイバ319の係合溝321と係合され、可動盤314がタイバ319に対して係合された状態となる。この際に第2のハーフナット機構327のハーフナット327a,327bの係合歯326の型締側当接面328aとタイバ319の係合溝321の型締側当接面321aの間と、前記係合歯328の強力型開側当接面328bと前記係合溝321の強力型開側当接面321bとの間にもそれぞれ僅かな間隙が形成される(係合機構323による係合工程)。
次に型締機構316である型締シリンダ317の型締側油室317aに作動油が供給されてタイバ319が型締方向にけん引されて型締増圧されると、係合機構323の第1のハーフナット機構324のハーフナット324a,324bの型締側当接面326aとタイバ319の型締側当接面321aの間の間隙が解消され、前記型締側当接面326aと前記型締側当接面321aが当接される。また同様に第2のハーフナット機構327のハーフナット327a,327bの係合歯328の型締側当接面328aとタイバ319の係合溝321の型締側当接面321aの間も当接される。そして更に型締シリンダ317の型締側油室317aに作動油が供給され、型締シリンダ317が増圧されることにより固定金型311と可動金型313が型締される。そして所定の型締力となったことが確認されると、射出装置4から発泡成形用の化学発泡剤等が添加された溶融樹脂がキャビティCに向けて射出される(型締工程)。なお型締工程の際、型開閉機構315のサーボモータ338は無負荷状態となっている。
本実施形態では型締工程開始から後で説明する圧抜工程開始までの間はキャビティCの容積の拡張は行われないがキャビティ面と溶融樹脂の間にスキン層が形成される。また型締工程終了の前後(一例としては圧抜開始の3秒前から圧抜開始0.5秒後の間)に、第2のハーフナット機構327の移動用の油圧シリンダ333の前進側油室に作動油を供給して、第2のハーフナット機構327のハーフナット327a,327bのみを第1のハーフナット機構324のハーフナット324a,324bに向けて移動させる。そして前記第2のハーフナット機構327のハーフナット327a,327bの移動により、ハーフナット327a,327bの係合歯328の強力型開側当接面328bとタイバ319の強力型開側当接面321bが当接され更に押圧される。前記強力型開側当接面328bが強力型開側当接面321bに押圧されることにより、タイバ319の型締側当接面321aが第1のハーフナット機構324のハーフナット324a,324bの係合歯326の型締側当接面326aに向けて押圧される。そして可動盤314とタイバ319は、バックラッシ(ガタ)のない固定的な状態で連結される。なお4軸あるタイバ319に対して第2のハーフナット機構327の移動は同時に作動が行われ、4軸のタイバ319と可動盤314がバックラッシの無い状態で係合および固定されることは言うまでもない(可動盤・タイバ連結工程)。なおこの可動盤・タイバ連結工程による可動盤314とタイバ319の固定的な連結は、コアバック制御が開始されるまでに行えばよく、型締工程の後半に重複して行ってもよい。
<キャビティ拡張機構による型開力を付与>
上記によりハーフナット機構324とタイバ319の固定的な連結が完了した状態で次にキャビティ拡張機構であるタイバ移動機構345のタイバ型開方向移動用油室346dに作動油を供給し、可動盤314に対してキャビティ拡張機構により型開力F2の付与を開始する。この際に制御装置343からタイバ移動シリンダ346を制御するバルブ344にはクローズドループ制御またはオープン制御による速度指令値が送信される。そして図4に示されるように可動盤314は、型締シリンダ317により型閉方向の力が付与されて型閉された状態の可動盤314に対して、タイバ移動機構345により型開方向の力が付与されることになる。しかしながらこの時点では型締シリンダ317による型閉方向の力が、タイバ移動機構345による型開方向の力を相対的に上回っており、可動盤314は型閉された状態のまま位置保持される。
所定時間が経過して型締工程と可動盤・タイバ連結工程が終了すると次に圧抜工程に移行する。または可動盤314とタイバ319の固定的な連結が確認されたことや、タイバ移動機構345により所定の型開方向の力が加えられたことが確認されてから次に圧抜工程に移行してもよい。圧抜工程では、型締シリンダ317の型締側油室317aはドレンに接続され型締側油室317a内の作動油の圧力が0に落とされる(圧抜工程)。圧抜工程において型締シリンダ317の型締側油室317aは内の作動油の圧力が0になるまでの途中の状態は、型閉力F2または位置保持力が付与されて可動盤314が型閉された状態にあると言える。本実施形態では、この際に図4に示されるように型締シリンダ317による型閉力が低下するのに対して、型締シリンダ317と対応して同数設けられているタイバ移動機構345による型開力F2は変化が無いので、各タイバ319において型開力F2が相対的に型閉力F1を上回った時点Pから、可動盤314を型開方向に移動させようとする力が働くことになる。なお可動盤314と可動金型313には一定の重量があり、固定金型311に対して可動金型313を型開方向に移動させる際の摺動抵抗もあるので、型閉力F1よりも型開力F2が相対的に上回るのと同時に可動盤314等が型開側に移動されない場合が殆どである。従って請求項における「その後前記型開力を前記型閉力または前記位置保持力よりも相対的に上回らせて前記キャビティを拡張させるキャビティ拡張成形を行う」とは、型開力F2が上回ると同時にキャビティ拡張が開始されるケース以外のものが多く含まれることを念のために記載する。しかしながら型開力F2が上回ると同時にキャビティ拡張が開始されないケースでも可動盤314等を移動開始されるまでの時間を従来よりも短縮させることができる。一方図4に示される以外の型開力F2としては、キャビティ内の樹脂の発泡力は、可動盤314等を型開方向に移動させる型開力F2として作用する。
それに対して従来は、図6に示されるように圧抜工程による型締シリンダ317の型閉力F1が完全に0になった時点P1から、タイバ移動機構345のタイバ移動シリンダ346のタイバ型開方向移動用油室346dに作動油を供給してタイバ319と可動盤314の移動を行っていた。(或いは圧抜工程の途中において型開閉機構315のみを使用してコアバック制御を行うことも考えられるが、型開閉機構315によるコアバック制御は、可動盤314の下側部分のみが型開方向に引っ張られ、可動盤314の上側部分は型閉力が残存した状態となるので固定盤312に対する可動盤314の平行度が維持できなくなった状態でコアバック成形が開始されてしまうという問題があった。または可動盤に型開閉機構が取り付けられている部分のみが型開方向に引っ張られる。)この圧抜後のコアバック制御開始の場合は、キャビティ拡張機構の4基のタイバ移動機構345の合計の最大型開力は型閉力を発揮する型締機構316の最大型閉力よりも小さいので、従来は、圧抜工程開始から可動盤314の型開方向の移動によるコアバック制御の立ち上がりが遅れることがあった。しかし今回の制御によりそのような問題は解消され、コアバック制御などのキャビティ拡張成形時に可動盤が移動開始されるまでの時間短縮、キャビティ拡張成形開始時の制御性の向上を図ることが可能となる。
また上記の可動盤314等の重量によりコアバック成形(キャビティ拡張成形)の初動が遅れがちになる問題に加えて発泡成形によりコアバック成形を行う場合、キャビティ内の発泡材料を含む溶融樹脂の発泡による容積拡大度の変化という問題もある。キャビティ内の前記樹脂の発泡による容積拡大率または可動盤314等の速度は、最初ほど大きく終了間近になるほど小さくなることが一般的である。そのため発泡成形の開始時ほど可動盤314を高速で移動させることが望ましい場合も多い。また金型の特性やキャビティCの形状等によっては、タイバ移動機構345のタイバ移動シリンダ346に同じ型開力F2を付与してもキャビティCの各部が同じだけ開くとは限らない。例えばキャビティCのうち型開移動開始や開始後の速度立ち上がりが遅れる部分がある場合、その部分に対応する側のタイバ319を移動させるタイバ移動機構345のみ型閉中のタイバ移動シリンダ346のタイバ型開方向移動用油室346dに封じ込める圧力を高くするなどすることも想定される。従って可動盤314の型閉中から前記複数のタイバ移動機構345(キャビティ拡張機構)のそれぞれに常に同じ圧力(型開力F2)を付与しない場合もある。または型閉中に全てのタイバ移動機構345のタイバ移動シリンダ346のうち少なくとも1本のタイバ型開方向移動用油室346dに圧力をかけた作動油を封じ込めておき、残りのタイバ移動シリンダ346のタイバ型開方向移動用油室346dには圧力をかけた作動油を封じ込めないようにする場合もある。
なお本発明では、可動盤314を型閉方向に移動させる型閉力F1が残っているうちに、タイバ移動機構345等により可動盤314を型開方向に移動させる型開力F2を付与すれば、図5に示される従来技術よりも時間短縮等の改善が期待できることから、圧抜開始後、完全に圧抜が完了する前(型締シリンダ317の型締側油室317aの圧力が0になる前)にタイバ移動機構345のタイバ移動シリンダ346のタイバ型開方向移動用油室346dに対して作動油を供給開始するものであってもよい。即ちタイバ移動シリンダ346のタイバ型開方向移動用油室346dに対して作動油を供給開始するタイミングは、圧抜開始前でも圧抜開始と同時でも、圧抜開始後であって圧抜完了前でもよい。またタイバ移動機構345等により可動盤314を型開方向に移動させる型開力F2は、型締シリンダ317の型締力(型閉力F1)が0か0付近になった時点で可動盤314を所望の速度で移動させることのできる型開力F2を付与しておくことが望ましいが、それ以下の型開力F2であってもよい。即ち型締時に可動盤314に付与される型開力F2が可動盤314を移動させる力に満たない型開力F2であっても、図5に示される従来技術よりも圧抜時に可動盤314を移動させる型開力F2に到達するまでの時間が短縮できることから改善が期待できる。また型締時など可動盤314の停止時に可動盤314に付与される型開力F2は一定の圧力に到達しているものではなくて昇圧中のものでもよい。従って本発明における「型閉力または位置保持力が付与されて型閉された状態の可動盤に対してキャビティ拡張機構により型開力を付与しておき、その後前記型開力を前記型閉力または前記位置保持力よりも相対的に上回らせて前記キャビティを拡張させる」とは、圧抜時などで型閉力F1が低下したことに対して一定値に維持された型開力F2が相対的に上回る場合、圧抜時などで型閉力F1が低下したことに対して昇圧された型開力F2が相対的に上回る場合、一定値に維持された型閉力F1に対して昇圧された型開力F2が相対的に上回る場合などがある。
更には上記の実施形態では、型締シリンダ317により可動盤314に型閉力F1が付与された状態から圧抜工程で型閉力F1を減少させて相対的にタイバ移動機構345の型開力F2を上回らせているが、位置保持力が付与された状態の可動盤314に対してタイバ移動機構345等のキャビティ拡張機構により型開力F2を付与させた状態から、キャビティ拡張機構の型開力F2を相対的に上回らせてコアバック成形等のキャビティ拡張成形を行うものでもよい。具体的には可動盤314を固定盤312や基台2に対してロックして位置保持力を発揮させるものや、可動金型313を固定金型311にロックして可動盤314等に位置保持力を付与するものであってもよい。これらにおいては可動盤314のロックを解除した時点で位置保持力は皆無かそれに近い状態となってキャビティ拡張機構による型開力F2が上回ることとなり、キャビティ拡張成形が開始される。
また本実施形態では型閉力が上回っている状況において、キャビティ拡張機構のタイバ移動シリンダ346に型開速度が設定された状態で前記型開力F2を付与することが望ましい。具体的には制御装置343から流量制御可能なバルブ344に速度指令値を送りバルブの開度を制御する。この時点では型閉力が上回っている状況であるから前記速度指令値は待機速度の設定値となる。しかし次に型開力F2が上回った際に4本のそれぞれのタイバ319の動き出しをスムースに行えるようになり、4箇所から可動盤314および可動金型313に力が伝達されて固定盤312等に対して平行に可動盤314と可動金型313の型開を行うことなどが可能となる。なお前記以外に型閉力が上回っている状況においてタイバ移動シリンダ346に対して開き方向の圧力制御を行って前記型開力F2を付与するものでもよい。
<コアバック成形>
また本実施形態では、タイバ319と可動盤314は固定的に一体となっていることから、タイバ319の溝とハーフナットの歯の間の間隙分の距離をタイバ319が移動しても可動盤314が移動されない問題も無くなり、可動盤314の移動の応答性が向上する。そして可動盤314が移動開始されるまでは、タイバ移動機構345のタイバ移動シリンダ346のタイバ型開方向移動用油室346dの作動油は所定の流量が供給された時点で作動油の供給が停止されているが、可動盤314が移動開始された後は、可動盤314等が移動されてキャビティCが拡張されるように前記速度指令値により流量制御可能なバルブ344が流量制御され所望の速度でタイバ319を作動させることが可能となる。なお本実施形態ではキャビティを拡張させながらキャビティ内の溶融樹脂の発泡を促すコアバック制御(キャビティ拡張制御)は、各タイバ移動機構345をそれぞれ個別に制御することにより行われる。またこの間は、型開閉機構315のサーボモータ338は無負荷の状態となっている。
そしてタイバ移動機構345により、可動盤314が各キャビティ内の成形品が所望の厚みとなる当初の設定位置まで移動完了するまではタイバ移動シリンダ346に対して上記の流量制御が行われ、可動盤314が所定位置に到達したことが検出されるとコアバック制御工程は終了する。または可動盤314が所定位置に到達後に可動盤314の位置保持制御が行われ所定時間経過したことが確認されるとコアバック制御工程は終了する。なおコアバック成形の開始時に相対的に高い速度が求められるケースがあることは上記した通りであるが、コアバック成形時には、予め設定した速度で可動盤314や可動金型313を移動させるか、キャビティ内圧の検出値が予め設定した圧力となるに可動盤314や可動金型313を移動させるなどして制御が行われる(コアバック制御工程)。
そしてコアバック制御工程が終了すると次に冷却工程に移行する。冷却工程では基本的にはタイバ移動機構345のタイバ移動シリンダ346を制御してタイバ319と、タイバと固定的に連結される可動盤314および可動金型313を目標位置に保持して所定時間が経過させる。コアバック制御工程と冷却工程において型締シリンダ317は無負荷となっている。ただしキャビティC内の樹脂は冷却収縮されるものでは、型締シリンダ317の型締側油室317aやタイバ移動シリンダ346のタイバ型閉方向移動用油室346cに作動油を供給してタイバ319を型閉方向に移動させるか、または型開閉機構315のサーボモータ338により可動盤314を型閉側に移動させてキャビティCの容積を縮小させてもよい(冷却工程)。
そして冷却工程の終了の少し前か終了後に油圧シリンダ333の後退側油室に作動油を供給して第2のハーフナット機構327のハーフナット327a,327bを第1のハーフナット機構324のハーフナット324a,324bから離隔させる。このことによりタイバ319に対する係合機構323によるロックが解消される。次に型締シリンダ317の強力型開側油室317bに作動油を供給して強力型開を行う。このことによりタイバ319が型開方向に向けて移動され、タイバ319の係合溝321の強力型開側当接面321bと係合機構323の第1のハーフナット機構324のハーフナット324a,324bの強力型開側当接面326bが当接される。そして更に前記強力型開側油室317bに作動油が供給されることにより、タイバ319が係合機構323および可動盤314を型開方向に押して強力型開が行われ、固定金型311と可動金型313との間も所定間隔だけ型開される(強力型開工程)。なお強力型開工程がそのまま離型から型開に繋がる場合は、強力型開工程はキャビティCを拡張させるキャビティ拡張成形には含まない。また強力型開工程は、離型の容易な成形品の場合は必須のものではない。
次に係合機構323を開閉作動させる駆動機構の油圧シリンダ325が後退方向に作動され、第1のハーフナット機構324のハーフナット324aと第2のハーフナット機構327のハーフナット327a、第1のハーフナット機構324のハーフナット324bと第2のハーフナット機構327のハーフナット327bはそれぞれタイバ319の係合溝321から離脱される(ハーフナット離脱工程)。その後、型開閉機構315のサーボモータ338を作動させて可動盤314および可動金型313を型開完了位置まで移動させる(型開工程)。そして図示しないエジェクタ機構の作動により成形された発泡成形品を可動金型313のキャビティ面から突出し、図示しない取出機で取り出す(取出工程)。
<第2の実施形態:係合機構に一般的なハーフナットを使用した型締装置の場合>
上記の実施形態の型締装置3では、係合機構323ついては複数のハーフナット機構324,327が設けられ、一方のハーフナット機構327のハーフナット327a,327bがタイバ319の軸方向に移動して、ハーフナット機構324のハーフナット324a,324bおよび第2のハーフナット機構327のハーフナット327a,327bとタイバ319が一体に連結される。しかし本発明は、一般的な単独の一対のハーフナットが設けられ、タイバに対して係止された際に、ハーフナットの歯とタイバの溝の間に隙間がある状態の型締装置(図示せず)であってもよい。一般的なハーフナットを使用した型締装置の場合、型締シリンダの型締から圧抜きまでの間は、ハーフナットの型締側当接面とタイバの型締側当接面が当接している。そして圧抜きが終了してコアバック成形(キャビティ拡張成形)に移行する際に、タイバ移動機構(キャビティ拡張機構)の作動によりタイバが移動されて、ハーフナットの強力型開側当接面(コアバック時に力を伝達する面とタイバの強力型開側当接面(コアバック時に力を伝達する面)が当接する。この際に圧抜開始と同時か圧抜開始前からタイバ移動機構により型開力F2を付与しておいて、型閉力F1よりも型開力F2が相対的に上回った時点Pからタイバを移動させたほうが、タイバが移動開始されるまでの時間を短縮するかまたはタイバを早期に高速で移動させることができる。そのため圧抜開始からコアバク成形開始までの時間を短縮することができる。
また圧抜開始と同時か前後して型開閉機構のサーボモータを型閉方向に駆動して可動盤に型閉力F1を付与しておき、タイバ移動機構の型開側油室に作動油を供給して型開力F2を付与することにより、可動盤には型閉方向の力が発生した状態のまま、タイバだけを型開方向に移動させることもできる。即ち前記のようにハーフナットの歯とタイバの溝の間に隙間があるが、タイバが隙間を移動している間、可動盤に型閉方向の型閉力F1を付与することができる。そしてサーボモータにより可動盤に対して型閉方向に働く型閉力F1を弱くするか停止することにより、タイバ移動機構により可動盤に対して型閉方向に働く型開力F2のほうが相対的に上回らせることによりコアバック制御の開始時からタイバ移動機構による可動盤の移動を応答性よく行うことができる。
<第3の実施形態:反抗シリンダを設けた型締装置の場合>
次に図5に示される第3の実施形態について相違点を中心に説明し、図1に示される実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。第3の実施形態では、コアバック成形等を行うキャビティ拡張機構は、固定盤312と可動盤314の間に設けられた型開専用の反抗シリンダ401とも呼ばれる機構が備えられている。反抗シリンダ401は、図1の型締装置3のみならず、トグル型締装置や直圧式と呼ばれる可動盤の背面側に型締シリンダのラムや押圧量のボールねじ機構が設けられたものでもよい。図5では、キャビティ拡張機構の反抗シリンダ401は型締シリンダ317と対応して型締シリンダ317と同数の4基の単動または複動の油圧シリンダからなる。図5では反抗シリンダ401のシリンダ部402は、固定盤312に設けられ、ロッド403の先端の当接部404が可動盤314の可動金型313が取り付けられる側の盤面に当接および離脱可能となっている。ただしこのキャビティ拡張機構は、反抗シリンダ401に替えてサーボモータ等の電動機構やボールねじ機構を用いてもよい。また反抗シリンダ401のシリンダ部402やサーボモータ等の電動機構は、固定盤312、可動盤314のどちらの盤に設けられていてもよく、他方の盤に向けてロッド403等に設けられた当接部404が当接される。またこの部分に設けられる反抗シリンダ401等のキャビティ拡張機構の数は限定されず、例えば対角方向に2基のキャビティ拡張機構を設けてもよい。そして前記少なくとも2基以上が設けられたキャビティ拡張機構の反抗シリンダ401により可動盤314または可動金型313に対して少なくとも2箇所以上から型開力を及ぼすことによりキャビティ内の成形品の平行度が向上する。ただしキャビティ拡張機構の2基以上の反抗シリンダ401の合計の最大型開力は型閉力を発揮する型締機構316の最大型閉力よりも小さくなっている。
次に図5に示される第3の実施形態の作動について説明する。型締シリンダ317や型締用のトグル機構などの作動により固定金型311と可動金型313が型締された状態で、射出装置4から射出を行う。この際に反抗シリンダ401の当接部404は、可動盤314の盤面に当接された状態となっている。型締工程が終了して圧抜工程が開始されるのと同時か前後して反抗シリンダ401の型開を行う油室405にも作動油を封入し圧が立った状態にしておく。そして型締シリンダ317による型閉力F1が低下して反抗シリンダ401による型開力F2が相対的に上回らせてコアバック制御を開始する。そのことにより、完全に型閉力F1がゼロになった時点から反抗シリンダ401の油室405に作動油を供給して型開力F2を発生させる場合との比較において、可動盤314のキャビティ拡張制御(密閉状態を保ったキャビティCを拡張させつつ成形を行う制御)を急速かつ応答性良く行うことが可能となる。またトグル機構を用いた型締装置の場合は、トグル機構により型閉力または位置保持力が付与されて型閉された状態の可動盤に対して、反抗シリンダによりキャビティ拡張機構により型開力を付与しておくことになる。
<その他の実施形態>
本発明において可動盤314に位置保持力または型閉力F1を付与するものは図1の型締シリンダ317の型締側油室317aに限定されない。型締シリンダと係合機構を用いた型締装置においては、型締シリンダ、タイバと可動盤を連結する係合機構、タイバ移動機構は、それぞれ固定盤と可動盤のいずれも盤に設けたものであってもよい。従って複数の組み合わせが想定される。更に例えば可動盤の背面側に設けられた型締シリンダやトグル機構(駆動装置を含む)により可動盤に位置保持力または型閉力F1(型締力を含む)を付与するものでもよい。また可動盤に位置保持力や型閉力F1を付与する機構は、可動盤314を型開閉する型開閉機構315のサーボモータ338や油圧シリンダであってもよい。更に可動盤314に位置保持力や型閉力F1を付与する機構は、前記型締機構316や型開閉機構315とは別に設けた専用の駆動機構やロック機構であってもよい。
また本発明の型開前のキャビティ拡張制御に用いられるキャビティ拡張機構は、図1のタイバ移動機構345のタイバ移動シリンダ346や電動機構に限定されない。図1の例では、タイバ319の1本ずつに個別にタイバ移動機構345が備えられているが、タイバ移動機構345は、複数本のタイバ319を同時に移動させるものでもよい。更に本発明のキャビティ拡張制御に用いられるキャビティ拡張機構は、型開閉機構315のサーボモータ338等の駆動機構であってもよい。更にキャビティ拡張制御に用いられるキャビティ拡張機構は、型締シリンダ317の強力型開側油室317b(型開側油室)であってもよい。この場合、型締シリンダ317の型締側油室317aと強力型開側油室317b(型開側油室)の双方の作動油を昇圧状態で保持し、その後に型締側油室317aの圧抜きするなどして相対的に強力型開側油室317b(型開側油室)の作動油の圧力を上回らせて型開力F2が上回るようにする。そしてコアバック制御は、そのまま型締シリンダ317の強力型開側油室317b(型開側油室)に作動油を供給し続けて行うか、または専用のタイバ移動機構345により行う。
本発明の成形装置が射出成形機の型締装置である場合、キャビティ拡張成形の応用例については、発泡成形によるコアバック成形のみならず、キャビティが形成された状態で拡張される全てのキャビティ拡張成形に適用される。一例としては1色目の溶融樹脂をキャビティに射出後に、2色目の樹脂をキャビティに射出する際に、可動金型をキャビティ拡張装置により制御させてキャビティを拡張し、新たなキャビティ空間を設けるものも本発明のキャビティ拡張成形に含まれる。また前記以外に型閉された状態は継続しつつキャビティを拡張しながら成形品の状態を整えたり変化させる成形も本発明のキャビティ拡張成形に含まれる。
また成形装置の応用例については、射出成形装置以外のプレス成形装置、中空成形装置、真空成形装置、積層成形装置、など金型間で成形品が成形されるもの全般に適用できる。またいずれに成形装置であっても可動盤および可動金型の型開閉方向は限定されず、水平方向または垂直方向、或いは他の方向に型開閉されるものであってもよい。
なお本発明については、一々列挙はしないが、上記したものに限定されず、当業者が本発明の趣旨を踏まえて変更を加えたものについても適用されることは言うまでもないことである。また以上で説明した複数の例は、適宜組み合わせて実施されることもできる。
1 射出成形装置
2 基台
3 型締装置
4 射出装置
311 固定金型
312 固定盤
313 可動金型
314 可動盤
315 型開閉機構
319 タイバ
321 係合溝
323 係合機構
345 タイバ移動機構(キャビティ拡張機構)
346 タイバ移動シリンダ
346d タイバ型開方向移動用油室
C キャビティ
F1 型閉力
F2 型開力

Claims (10)

  1. 固定金型が取り付けられる固定盤に対して可動金型が取り付けられる可動盤をキャビティ拡張機構により型開方向に移動させ固定金型と可動金型の間に形成されるキャビティを拡張させつつ成形を行う成形装置の成形方法において、
    型閉力または位置保持力が付与されて型閉された状態の可動盤に対してキャビティ拡張機構により型開力を付与しておき、
    その後前記型開力を前記型閉力または前記位置保持力よりも相対的に上回らせて前記キャビティを拡張させるキャビティ拡張成形を行う、成形装置の成形方法。
  2. 前記キャビティ拡張機構は少なくとも2基以上が設けられ、可動盤または可動金型に対して少なくとも2箇所以上から型開力を及ぼす請求項1に記載の成形装置の成形方法。
  3. 前記キャビティ拡張成形は、前記キャビティ内の樹脂を発泡させる発泡成形である請求項1または請求項2に記載の成形装置の成形方法。
  4. 固定金型が取り付けられる固定盤に対して可動金型が取り付けられる可動盤をキャビティ拡張機構により型開方向に移動させ固定金型と可動金型の間に形成されるキャビティを拡張させつつ成形を行う成形装置の制御方法において、
    型閉力または位置保持力が付与されて型閉された状態の可動盤に対してキャビティ拡張機構により型開力を付与しておき、
    その後前記型開力を前記型閉力または前記位置保持力よりも相対的に上回らせて前記キャビティを拡張させるキャビティ拡張成形を行う、成形装置の制御方法。
  5. 可動盤の保持力または型閉力を低下または皆無にさせることにより前記型開力を前記型閉力や前記位置保持力よりも相対的に上回らせて、前記キャビティを拡張させるキャビティ拡張成形を行う、請求項4に記載の成形装置の制御方法。
  6. キャビティ拡張機構に型開速度が設定された状態で型開力を付与する、請求項4または請求項5に記載の成形装置の制御方法。
  7. 固定金型が取り付けられる固定盤に対して可動金型が取り付けられる可動盤をキャビティ拡張機構により型開方向に移動させ固定金型と可動金型の間に形成されるキャビティを拡張させつつ成形を行う成形装置において、
    型閉力または位置保持力が付与されて型閉された状態の可動盤に対してキャビティ拡張機構により型開力を付与しておき、
    その後前記型開力を前記型閉力または前記位置保持力よりも相対的に上回らせて前記キャビティを拡張させるキャビティ拡張成形を行う制御装置を備えたことを特徴とする成形装置。
  8. キャビティ拡張機構の最大型開力は、型閉力を発揮する型締機構の最大型閉力よりも小さい、請求項7に記載の成形装置。
  9. 前記キャビティ拡張機構は、可動盤に連結されるタイバを移動させるタイバ移動機構である、請求項7または請求項8に記載の成形装置。
  10. 前記キャビティ拡張機構は、固定盤と可動盤の間に設けられた型開専用の反抗シリンダである、請求項7または請求項8に記載の成形装置。
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