JP2024046526A - メタルハニカム体、触媒コンバータ、メタルハニカム体の製造方法 - Google Patents

メタルハニカム体、触媒コンバータ、メタルハニカム体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ライトオフ性能及びプラグの形態維持性を阻害しない巻き芯中空部用のプラグを提供する。【解決手段】金属箔からなる平箔及び波箔を所定軸周りに巻き回すことにより構成されたメタルハニカム体において、該メタルハニカム体の巻き芯中空部における一端には、多孔質体からなるプラグが配設されていることを特徴とするメタルハニカム体。前記多孔質体は、多数の金属片をロウ材で接合した構造を呈している。【選択図】図3

Description

本発明は、巻き芯中空部を有するメタルハニカム体などに関するものである。
車両の排ガスを浄化する浄化装置として、金属箔からなる平箔及び波箔を所定軸周りに巻き回したメタルハニカム体が知られており、平箔及び波箔を巻き回す際にメタルハニカム体の中心に中空構造の巻き芯部が形成される。巻き芯部は、浄化性能が低いことから、巻き芯部に流入する排ガスを低減することが求められている。
特許文献1には、金属製の平箔と波箔とを巻き回して形成してなるメタルハニカム体を用いたメタル触媒担体において、巻き芯中空部にガスの流通を阻害する金属製プラグを配設する技術が開示されている。
特許文献2には、金属製の平箔と波箔とを巻き回して形成してなるメタルハニカム体を用いたメタルハニカム体において、巻き芯中空部の軸方向端部における両金属箔の始端部間を拡開させた、巻き芯部における排気の流通を規制する規制部を配設する技術が開示されている。
特開2006-281118号公報 特開2010-201413号公報
特許文献1のメタルハニカム体では、緻密な金属製プラグが使用されているため、メタルハニカム体の熱容量が増大し、ライトオフ性能(触媒の浄化性能が発現する温度特性)が悪化する。プラグの長さを短くすれば、熱容量を低減できるが、巻き芯中空部に対するプラグの接合長さが不足するため、プラグの耐久性を維持することができない。
特許文献2のメタルハニカム体は、金属箔を加工して規制部を設ける方法であるため、熱容量は増大しないが、強度不足により規制部の耐久性が十分でない。
上記課題を解決するために、本発明に係るメタルハニカム体は、(1)金属箔からなる平箔及び波箔を所定軸周りに巻き回すことにより構成されたメタルハニカム体において、該メタルハニカム体の巻き芯中空部における一端には、多孔質体からなるプラグが配設されていることを特徴とする。
(2)前記多孔質体は、多数の金属片をロウ材で接合した構造を呈していることを特徴とする上記(1)に記載のメタルハニカム体。
(3)前記多孔質体は、多数の金属片と、隣接する金属片を互いに接着する無機接着剤とから構成されることを特徴とする上記(1)に記載のメタルハニカム体。
(4)前記多孔質体の空隙率は、7%以上85%以下であることを特徴とする上記(1)乃至(3)のうちいずれか一つに記載のメタルハニカム体。
(5)前記金属片は、前記金属箔と同一の素材で構成されており、前記ロウ材は、前記平箔及び前記波箔の接合に用いられるロウ材と同一の素材で構成されていることを特徴とする上記(2)に記載のメタルハニカム体。
(6)前記多孔質体の軸方向における長さは、前記巻き芯中空部の直径の1倍以上3倍以下であることを特徴とする上記(1)乃至(3)、(5)のうちいずれか一つに記載のメタルハニカム体。
(7)前記多孔質体の軸方向における長さは、前記巻き芯中空部の直径の1倍以上3倍以下であることを特徴とする上記(4)に記載のメタルハニカム体。
(8)触媒が担持された上記(1)に記載のメタルハニカム体と、前記メタルハニカム体が収容される外筒と、を有することを特徴とする触媒コンバータ。
(9)上記(1)に記載のメタルハニカム体の製造方法であって、ロウ材及び多数の金属片を含むスラリー状母材を、前記巻き芯中空部の端部から供給する母材供給ステップと、前記母材供給ステップの後に、前記メタルハニカム体を焼成する焼成ステップと、を有し、前記母材供給ステップにおいて、前記スラリー状母材における、前記金属片の総含有量をX質量%、前記ロウ材の総含有量をY質量%としたとき、X質量%とY質量%の比であるX:Yは、3:7から9:1の範囲に含まれることを特徴とするメタルハニカム体の製造方法。
本発明によれば、巻き芯中空部の一端に配設されるプラグが多孔質体によって構成されているため、緻密なプラグを使用した場合よりも、メタルハニカム体の熱容量を下げることができる。これにより、メタルハニカム体のライトオフ性能を高めることができる。また、金属箔を加工して排ガスの流入規制を行う方法よりも、プラグの形態維持性を高めることができる。
触媒コンバータの平面図である。 巻き芯中空部の断面図である。 多孔質プラグの断面図である。 巻き芯中空部内の多孔質プラグの断面写真である(X:Y=5:5)。
図1は本発明の一実施形態である触媒コンバータを軸方向から視た平面図である。ただし、巻き芯中空部に配設される多孔質プラグは、省略して図示する。なお、軸方向は、触媒コンバータに向かって流入する排ガスの導通方向でもある。
図2は、触媒コンバータの巻き芯中空部の断面図であり、多孔質プラグの配設位置を示している。
触媒コンバータ1は、メタルハニカム体4及び外筒5を含む。メタルハニカム体4は、平箔2及び波箔3を重ねて巻き回した捲回体によって構成されている。本実施形態の触媒コンバータ1は、車両の排ガスを浄化するための浄化装置として用いることができる。
平箔2及び波箔3には、耐熱合金からなる金属箔を用いることができる。金属箔の箔厚は、好ましくは20μm以上100μm以下であり、より好ましくは20μm以上70μm以下である。このように箔厚の薄い金属箔を用いることにより、排ガス浄化時にメタルハニカム体4の昇温速度を上昇させて、触媒を活性化したり、触媒コンバータ1を軽量化することができる。
金属箔の板幅は、好ましくは後述する巻き芯中空部6の直径の3倍以上500mm以下である。金属箔のサイズは、触媒コンバータ1の用途に応じて適宜変更することができる。波箔3は、金属箔を例えばコルゲート加工することによって製造することができる。
ここで、金属箔には、例えば、合金組成にAlを含む耐熱性の各種ステンレス鋼を用いることができる。ステンレス鋼には、Cr:20質量%、Al:5質量%、残部がFe及び不可避的不純物からなるフェライト系ステンレス(言い換えると、Fe-20Cr-5Al合金)を用いることができる。ただし、フェライト系以外のステンレス(例えば、Crを15-25質量%、Alを2-8質量%含有するステンレス)を用いることもできる。
平箔2及び波箔3の接合には、ロウ材を用いることができる。ロウ材には、例えば、耐熱性の高いNi基のロウ材を用いることができる。ロウ材は、箔ロウであってもよいし、粉末ロウであってもよい。
触媒は、メタルハニカム体4の金属箔表面に所定のウォッシュコート液を塗布して、それを乾燥、焼成することによって、金属箔に担持させることができる。ウォッシュコート液には、例えば、γアルミナ粉末、ランタン酸化物、ジルコニウム酸化物、セリウム酸化物を硝酸パラジウムの水溶液内で撹拌したスラリー状の液体を用いることができる。このスラリー状の液体を、メタルハニカム体4の軸方向一端側から吸引し、その後焼成することによって、触媒層を形成することができる。
外筒5には例えばSUS436LやSUS430といったCrを13~20質量%程度含有するフェライト系ステンレスを用いることができる。外筒5の肉厚は、好ましくは0.5mm以上3mm以下である。メタルハニカム体4のセル密度は、好ましくは1平方センチメートルあたり15.5セルから93セル(1平方インチあたり100セルから600セル)である。
メタルハニカム体4の中心には、軸方向に向かって筒状に延びる巻き芯中空部6が形成されている。巻き芯中空部6の一端には、多孔質プラグ30が配設されている。図3は、多孔質プラグ30の断面を模式的に示している。
多数の金属片31とロウ材を適度な粘性をもつ液体中で混合したスラリー液を準備し、このスラリー液を巻き芯中空部6に注入した後、乾燥及び焼成することによって、巻き芯中空部6の一端に多孔質プラグ30を配設することができる。したがって、多孔質プラグ30は、多数の金属片31がロウ材で接合された構造を呈している。多孔質プラグ30には、多数の空隙が形成されているため、従来の緻密なプラグよりも熱容量が低くなり、ライトオフ性能を高めることができる。
空隙が形成されるメカニズムについて、本発明者等は、以下のように考えている。金属片31とロウ材を含むスラリー液を巻き芯中空部6に注入し、その後乾燥によって液体分が抜け、さらにその後焼成時にロウ材が溶け金属片の隙間へロウ材が浸み込むことで空隙が形成される。
図3の点線は、多孔質プラグ30の両端の位置を示しており、これらの点線に挟まれた領域における空隙の体積割合が、多孔質プラグ30の空隙率となる。
すなわち、空隙率とは、多孔質プラグ30の上下端面に沿った面(図3の点線で示す面)と、巻き芯中空部6の内面とで囲まれた領域における、当該領域の体積に対する、空隙が占める体積の比で定義できる。多孔質プラグ30の上下端面とは、多孔質プラグ30の空隙を除いた固体部の、巻き芯中空部6の長手方向における両端面のことである。
例えば複数枚のX線CT画像を撮像し、これらのCT断面画像を2値化して固体部と空隙部を分離し、空隙の面積割合を算出することにより、多孔質プラグ30の空隙率を算出することができる。具体的には、各CT断面画像の空隙の面積割合の算術平均値、中央値などを多孔質プラグ30の空隙率とすることができる。
多孔質プラグ30の空隙率は、7%以上85%以下が好ましい。多孔質プラグ30の空隙率を7%以上に高めることによって、多孔質プラグ30の熱容量が十分に下がり、メタルハニカム体4のライトオフ性能を高めることができる。金属片31及びロウ材を原料とする場合、空隙率が過度に高くなると、ロウ材を介さない、金属片同士の固相接合が支配的になり、多孔質プラグ30自体の強度(つまり、プラグの形態維持性)が保てなくなる。そこで、空隙率の好ましい上限値は、85%とした。
巻き芯中空部6の直径をDと定義したとき、多孔質プラグ30の軸方向長さは、好ましくはD以上3D以下である。多孔質プラグ30の軸方向長さを3D以下に設定することによって、多孔質プラグ30による熱容量の低減効果を、より効果的に発現させることができる。多孔質プラグ30の軸方向長さをD以上に設定することによって、多孔質プラグ30の巻き芯中空部6に対する接合面積が十分に確保されるため、巻き芯中空部6から多孔質プラグ30が脱落することを防止できる。
多孔質プラグ30のロウ材には、平箔2及び波箔3の接合に用いられたロウ材と同一のロウ材を用いることが望ましい。例えば、平箔2及び波箔3の接合材としてNi基のロウ材を用いた場合には、同じNi基のロウ材を多孔質プラグ30のロウ材として用いることが望ましい。これにより、平箔2及び波箔3の接合箇所と、金属片31の接合箇所との耐熱性、熱膨張性を等しくすることができる。Ni基のロウ材には、例えば、「JISZ 3265」に規定されたBNi‐1~BNi‐7、AWS(American Welding Society:アメリカ溶接協会)から公表されているBNi‐5a,BNi‐8,BNi‐9,BNi‐10,BNi‐11,BNi‐12,BNi‐13などを用いることができる。ただし、ロウ材の熱膨張率が比較的近ければ、ロウ材の種類が異なっていてもよい。
金属片31には、平箔2及び波箔3と同一の金属を用いることが望ましい。これにより、金属片31、平箔2及び波箔3の耐熱性、熱膨張性を等しくすることができる。ただし、熱膨張率が比較的近ければ、金属の種類は異なっていてもよい。
金属片31の形状は特に限定しないが、例えば、円板形状、球体形状、三角錐形状、立方体形状等であってもよい。また、形状が異なる金属片31を混合して、多孔質プラグ30を形成してもよい。ただし、金属片31を円板形状に形成すると、アスペクト比が大きくなり、空隙ができやすい。したがって、円板形状の金属片31を用いることが好ましい。
ここで、ウォッシュコート液をメタルハニカム体4に塗布する際に、巻き芯中空部6にもウォッシュコート液が流入する。そこで、多孔質プラグ30に貫通孔を形成しておき、巻き芯中空部6に流入したウォッシュコート液を貫通孔から排出してもよい。これにより、巻き芯中空部6に、余剰の触媒が溜まることを防止できる。なお、貫通孔は、熱処理後の多孔質プラグ30にドリル等で穴をあけることで形成できる。貫通孔については、特許文献1の段落0023などにも記載されているから、詳細な説明を省略する。
次に、多孔質プラグ30を巻き芯中空部6に配設する方法について、具体的に説明する。多数の金属片31とロウ材を適度な粘性を持つ液体中で混合したスラリー液を準備する。スラリー液における金属片31の総含有量をX質量%、ロウ材の総含有量をY質量%としたとき、X質量%とY質量%との比であるX:Yは、3:7から9:1の範囲に含まれる。この配合比の条件を分数で表記すると、X/Yは、3/7以上9/1以下である。
X/Yが過度に小さくなると、プラグとしての形状を維持できなくなる。言い換えると、ロウ材が過度に多くなると、焼成時にロウ材が流れ落ちてしまうため、プラグ形状の焼成体を得ることができない。
X/Yが過度に大きくなると、多孔質プラグ30自体の強度が低下する。言い換えると、ロウ材が不足して、隣接する金属片31どうしのロウ付け強度が低下するため、プラグ形態を維持することができない。
X:Yの好ましい下限値は、4:6である。言い換えると、X/Yの好ましい下限値は、4/6である。X/Yを4/6以上に設定することによって、多孔質プラグ30の空隙率が高まり、触媒コンバータ1のライトオフ性能が向上する。すなわち、空隙を埋めるロウ材の量が減るため、多孔質プラグ30の空隙率を高めることができる。
X:Yの好ましい上限値は、7:3である。言い換えると、X/Yの好ましい上限値は、7/3である。X/Yを7/3以下に設定することによって、隣接する金属片31のロウ付け強度が向上して、より確実にプラグ形態を維持することができる。
ここで、図4はX:Yを5:5としたときの多孔質プラグの写真であり、この写真から明らかなように、プラグ形態が維持されている。
巻き芯中空部6の内部に、準備したスラリー液を所定量巻き芯中空部6の一端側から注入して、乾燥させる。
スラリー液の注入、乾燥後、メタルハニカム体4を真空雰囲気下において、1200℃程度の温度で焼成する。メタルハニカム体4を焼成すると、溶融したロウ材によって、隣接する金属片31どうしがロウ付けされる。また、溶融したロウ材は巻き芯中空部6の内面にも付着するため、多孔質プラグ30を配設予定位置に、ホールドすることができる。
多孔質プラグ30の配設後に、メタルハニカム体4に触媒を担持させる。触媒の担持方法には、公知の方法(例えば、吸引法)を用いることができる。上述した通り、多孔質プラグ30に予め貫通孔を形成しておき、巻き芯中空部6に流入したウォッシュコート液を貫通孔から排出してもよい。これにより、巻き芯中空部6に余剰の触媒が溜まることを、防止できる。触媒の担持後に、メタルハニカム体4及び外筒5をロウ材により接合して、触媒コンバータ1とする。
(実施例)
次に、実施例を示しながら、本発明について具体的に説明する。金属片及びロウ材の配合比率が互いに異なる複数の試料を準備し、プラグの形態維持性及びライトオフ性能を評価した。また、参考情報として、定常浄化性能及び圧力損失についても評価した。
波箔及び平箔を重ねた状態で巻き回し、巻き芯中空部を備えたメタルハニカム体を製造した。波箔及び平箔の金属箔(箔厚:50μm)には、Cr:20質量%、Al:5質量%、残部がFe及び不可避的不純物からなるフェライト系ステンレスを使用した。なお、孔のない金属箔を使用した。メタルハニカム体の直径、長さ、セル密度及び巻き芯中空部の直径はそれぞれ、33mm、60mm、300cpsi及び5mmとした。波箔及び平箔の接合材(ロウ材)には、BNi-5(JISZ 3265参照)を使用した。
多孔質プラグに使用される金属片には、波箔及び平箔と同一組成の金属を使用した。ロウ材には、波箔及び平箔の接合に用いられたロウ材と同一組成のロウ材を使用した。金属片は、直径が0.9mm、厚みが0.05mmの円板形状とした。金属片及びロウ材を含むスラリー液を巻き芯中空部の入側端部側から注入し、その後乾燥し、SUS436Lからなる厚さ1.5mm、長さ60mmの外筒を配設して、焼成することによって、軸方向長さが10mmの多孔質プラグを配設した。巻き芯中空部の出側端部側には、多孔質プラグを配設しなかった。
ただし、実施例6では、金属片及びロウ材を含むスラリー液を巻き芯中空部の出側端部側から注入し、その後乾燥し、SUS436Lからなる厚さ1.5mm、長さ60mmの外筒を配設して、焼成することによって、軸方向長さが10mmの多孔質プラグを配設した。巻き芯中空部の入側端部側には、多孔質プラグを配設しなかった。
金属片及びロウ材の配合比率(X:Y)は、実施例1が5:5、実施例2が3:7、実施例3が4:6、実施例4及び6が7:3、実施例5が9:1、比較例1が1:9、比較例2が9.5:0.5とした。実施例1~6、比較例1はそれぞれ、3つの試料を準備し、空隙率を測定した。ただし、比較例1は、金属片の配合率が低すぎて、いずれの試料もプラグ形態にならなかったため、空隙率を測定しなかった。空隙率は、実施形態で記載したように、多孔質プラグのX線CT画像を10枚取得し、それぞれのX線CT画像を2値化して画像解析することによって求めた空隙率の平均値とした。
比較例3では、多孔質プラグに代えて緻密なプラグ(以下、Nプラグともいう)を配設した。Nプラグには、多孔質プラグの金属片と同じ材料を使用した。Nプラグの軸方向長さは、実施例の多孔質プラグと同様に、10mmとした。比較例4では、多孔質プラグもNプラグも配設しなかった。比較例5では、巻き芯中空部に延出した平箔及び波箔の重ね合わせ部分に円錐状の治具を押し込み拡開させることによって排ガスの流入を規制する規制部を設けた(つまり、特許文献2の中心形状加工)。
プラグの形態維持性は、多孔質プラグ30を上端面からロッドで押し込み、除荷した後のプラグ形状の変化により評価した。ロッドのサイズはφ4mmとし、ロッドの押し込み距離は20mmとし、ロッドの押し込み速度は1.0mm/secとした。ここで、多孔質プラグを構成する金属片がロウ材により強固に接合されている場合、多孔質プラグは、荷重を加えても変形せず元の形状を維持できる。その一方で金属片同士の接合が弱い多孔質プラグは、荷重により形状が変化する。形状変化は、多孔質プラグの封止範囲に影響する。金属片同士の接合が弱い場合、メタルハニカム体の使用時に多孔質プラグがバラバラになる。バラバラになると、巻き芯中空部に対するガスの流入を抑制する(言い換えると、ガス抜けを防止する)プラグ本来の機能が失われる。
そこで、本実施例では、荷重試験後の形状が元の形状と変わらないものは、形態維持性が大変良好であるとしてAAAで評価し、軸方向の減少代が1mm以内のものは、形態維持性が良好であるとしてAAで評価し、減少代が1mmを超えるが、金属片同士の接合が確保され封止個所の封止ができていると評価できるものは、形態維持性がやや良好であるとしてAで評価し、形状変化が大きく、封止個所の封止が適切にできでいないと判断したものは、形態維持性が不良であるとしてBで評価した。
ライトオフ性能は、SV(空間速度):100,000h-1の条件にて模擬ガスをメタルハニカム体に流し、ガス温度を常温から徐々に昇温して、各温度におけるHC転化率(%)を測定するとともに、転化率-温度曲線から転化率が50%に到達したときの時間(τ50)により評価した。τ50が12秒以下をAAA、14秒以下をAA、16秒以下をA、16秒を超えた場合をBとして評価した。また、転化率-温度曲線から転化率が80%に到達したときの温度(T80)により、T80が240℃以下の場合をAA、250℃以下をA,250℃超をBとして定常浄化性能を評価した。模擬ガスには、HC(プロパン、C):550ppm(1650ppmC)、NO:500ppm、CO:0.5%、O:1.5%、HO:10%、残部がNの模擬ガス(ディーゼル排ガスの模擬ガス)を使用した。
圧力損失は、25℃の乾燥したNガスを流量0.12Nm/minにてメタルハニカム体に流入させ、メタルハニカム体前後の圧力差を測定することによって評価した。比較例4と比較した場合に、±1%以内であればA、1%超の差が認められた場合Bとして評価した。
実施例1~5は、規制手段として中心形状加工を採用した比較例5よりも、プラグの形態維持性が向上した。比較例2は、ロウ材が過少であるため、プラグの形態維持性の評価がBであった。また、X:Yを7:3以下、換言すると、X/Yを7/3以下に設定することによって、所望の接合強度が得られ、プラグの形態維持性が高められることがわかった。実施例1~5は、Nプラグを採用した比較例3よりも、ライトオフ性能が向上した。実施例6は、得られた性能が実施例4と同じであった。X:Yを4:6以上、換言すると、X/Yを4/6以上に設定することによって、多孔質プラグ30の空隙率が高まり、ライトオフ性能が更に向上することがわかった。
また、実施例1~5は、比較例4よりも定常浄化性能が優れており、圧力損失は比較例4と同等であり、プラグ本来の目的(巻き芯中空部に対する排ガス流入規制を行い、圧力損失の増加を伴うことなく浄化性能を向上させる)も維持できていた。
(変形例)
上述の実施形態では、多孔質プラグ30の製造原料として金属片31及びロウ材を使用したが、本発明はこれに限るものではなく、ロウ材に代えて、無機接着剤を用いることもできる。この場合、隣接する金属片31を無機接着剤で接着した多孔質プラグ30を予め準備しておき、この多孔質プラグ30を巻き芯中空部6の一端に配設して、無機接着剤で巻き芯中空部6の内面に接着すればよい。無機接着剤には、例えば、主成分にアルミナを含む無機接着剤(例えば、東亜合成株式会社製のアロンセラミックD)を用いることができる。
1 触媒コンバータ
2 平箔
3 波箔
4 メタルハニカム体
5 外筒
6 巻き芯中空部
30 多孔質プラグ
31 金属片

Claims (9)

  1. 金属箔からなる平箔及び波箔を所定軸周りに巻き回すことにより構成されたメタルハニカム体において、
    該メタルハニカム体の巻き芯中空部における一端には、多孔質体からなるプラグが配設されていることを特徴とするメタルハニカム体。
  2. 前記多孔質体は、多数の金属片をロウ材で接合した構造を呈していることを特徴とする請求項1に記載のメタルハニカム体。
  3. 前記多孔質体は、多数の金属片と、隣接する金属片を互いに接着する無機接着剤とから構成されることを特徴とする請求項1に記載のメタルハニカム体。
  4. 前記多孔質体の空隙率は、7%以上85%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載のメタルハニカム体。
  5. 前記金属片は、前記金属箔と同一の素材で構成されており、
    前記ロウ材は、前記平箔及び前記波箔の接合に用いられるロウ材と同一の素材で構成されていることを特徴とする請求項2に記載のメタルハニカム体。
  6. 前記多孔質体の軸方向における長さは、前記巻き芯中空部の直径の1倍以上3倍以下であることを特徴とする請求項1乃至3、5のうちいずれか一つに記載のメタルハニカム体。
  7. 前記多孔質体の軸方向における長さは、前記巻き芯中空部の直径の1倍以上3倍以下であることを特徴とする請求項4に記載のメタルハニカム体。
  8. 触媒が担持された請求項1に記載のメタルハニカム体と、
    前記メタルハニカム体が収容される外筒と、
    を有することを特徴とする触媒コンバータ。
  9. 請求項1に記載のメタルハニカム体の製造方法であって、
    ロウ材及び多数の金属片を含むスラリー状母材を、前記巻き芯中空部の端部から供給する母材供給ステップと、
    前記母材供給ステップの後に、前記メタルハニカム体を焼成する焼成ステップと、
    を有し、
    前記母材供給ステップにおいて、前記スラリー状母材における、前記金属片の総含有量をX質量%、前記ロウ材の総含有量をY質量%としたとき、X質量%とY質量%の比であるX:Yは、3:7から9:1の範囲に含まれることを特徴とするメタルハニカム体の製造方法。


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