JP2024046325A - 車両用ドア装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2024046325000001
【課題】安定的にドアを開閉動作させる。
【解決手段】ドア装置は、車体に対する第1の回動連結点X1と車両のドアに対する第2の回動連結点X2とを有する第1及び第2のリンクアームが形成するリンク機構15の動作に基づいて、そのドアが開閉動作する。また、ドア装置は、第2のリンクアーム12を可変リンク75として、この第2のリンクアーム12に設けられることにより、その第1及び第2の回動連結点X1,X2間の連結長Lを変更可能とする連結長可変機構50を備える。更に、ドア装置は、第2のリンクアーム12に設けられた可変駆動機構70を備える。そして、ドア装置は、この可変駆動機構70が連結長可変機構50を駆動することにより、そのドアの開閉動作位置に応じた連結長Lを第2のリンクアーム12に付与する。
【選択図】図12

Description

本発明は、車両用ドア装置に関するものである。
従来、車体に対する第1の回動連結点と車両のドアに対する第2の回動連結点とを有した第1及び第2のリンクアームを備える車両用ドア装置がある。このような車両用ドア装置は、第1及び第2のリンクアームが形成するリンク機構の動作に基づいて、そのドア開口部に設けられたドアが開閉動作する。更に、例えば、特許文献1には、一方のリンクアームを可変リンクとして、その第1及び第2の回動連結点間の連結長を変更可能とする連結長可変機構を備える構成が記載されている。即ち、このような構成を採用することで、リンク機構の動作に基づき開閉動作するドアについて、その開閉動作の自由度を高めることができる。そして、この従来例には、ドアの開閉動作時には、バネ部材の付勢力に基づいて、その連結長を保持する構成が開示されている。
特開2008-14075号公報
しかしながら、上記従来技術の構成では、外力の入力等により、そのバネ部材の付勢力に抗して連結長が変化する可能性がある。そして、これにより、そのリンク機構に支持されたドアに揺れや振動が生ずるおそれがある。
上記課題を解決する車両用ドア装置の各態様を記載する。
態様1の車両用ドア装置は、車体に対する第1の回動連結点と車両のドアに対する第2の回動連結点とを有する第1及び第2のリンクアームを備え、前記第1及び第2のリンクアームが形成するリンク機構の動作に基づき前記ドアが開閉動作するとともに、前記第1及び第2のリンクアームの少なくとも何れかを可変リンクとして該可変リンクに設けられることにより前記第1及び第2の回動連結点間の連結長を変更可能とする連結長可変機構と、前記連結長可変機構を駆動することにより前記ドアの開閉動作位置に応じた前記連結長を前記可変リンクに付与する該可変リンクに設けられた可変駆動機構と、を備える。
上記構成によれば、ドアに外力が入力された場合等にも、このドアの開閉動作位置に応じた連結長が可変リンクに付与される。そして、これにより、そのリンク機構に支持されたドアの揺れや振動を抑制することができる。その結果、安定的に、ドアを開閉動作させることができる。
例えば、全閉位置近傍において、そのドアの開閉動作姿勢及び開閉動作軌跡が安定することにより、確実にドアを全閉動作させることができる。そして、これにより、高い信頼性を確保することができる。
態様2の車両用ドア装置は、態様1の車両用ドア装置において、前記可変駆動機構は、前記ドアの開閉動作に基づいた前記連結長可変機構の駆動力を発生する駆動力発生部と、前記駆動力を前記連結長可変機構に伝達することにより前記開閉動作位置に応じた前記連結長を生じさせる駆動伝達部と、を備える。
上記構成によれば、ドアの開閉動作に同期した連結長を可変リンクに付与することができる。
態様3の車両用ドア装置は、態様2の車両用ドア装置において、前記駆動力発生部は、前記第1の回動連結点を形成する車体側連結軸周りに回転不能に設けられた固定ギヤと、前記固定ギヤに噛合する状態で前記可変リンクに設けられた支軸周りに回転自在に設けられることにより前記可変リンクとともに前記車体側連結軸周りに回動する駆動ギヤと、を備える。
即ち、駆動ギヤが可変リンクと一体に第1の回動連結点を形成する車体側連結軸周りに回動するとき、固定ギヤは回転しない。そして、これにより、その固定ギヤとの噛合関係により駆動ギヤに生ずる支軸周りの回転を、ドアの開閉動作に基づいた駆動力として取り出すことができる。従って、上記構成によれば、簡素な構成にて、ドアの開閉動作に基づいた連結長可変機構の駆動力を発生することができる。
態様4の車両用ドア装置は、態様3の車両用ドア装置において、前記固定ギヤは、ギヤ歯を有しない無歯部を有するとともに、前記駆動ギヤは、該駆動ギヤの回転に基づき前記固定ギヤに対する噛合位置が前記無歯部に移行することにより該無歯部を構成する前記固定ギヤの周面に係合する係合突部を備え、前記駆動力発生部は、前記係合突部の係合力に基づき前記駆動ギヤの回転を規制するとともに、前記係合突部が前記固定ギヤの周面を摺動することにより、前記車体側連結軸周りに前記可変リンクの回動を許容するように構成される。
即ち、固定ギヤのギヤ歯に対して駆動ギヤが噛合する状態にある場合には、これらの固定ギヤ及び駆動ギヤが形成する駆動力発生部において、そのドアの開閉動作に基づいた連結長可変機構の駆動力が発生する。これに対し、無歯部を構成する固定ギヤの周面に駆動ギヤの係合突部が係合する状態にある場合には、その駆動力が発生しない。従って、上記構成によれば、その固定ギヤと駆動ギヤとの噛合状態に基づいて、ドアの開閉動作に同期して連結長を変更する可変区間、及び、その連結長を一定に保持する保持区間を設定することができる。そして、これにより、そのリンク機構に支持されたドアの開閉動作軌跡について、高い設計自由度を確保することができる。
態様5の車両用ドア装置は、態様3又は態様4の車両用ドア装置において、前記連結長可変機構は、前記第1の回動連結点を有した車体側リンクと前記第2の回動連結点を有したドア側リンクとを回動可能に連結してなる関節リンク機構であって、前記駆動伝達部は、前記車体側リンクに対する前記ドア側リンクの連結軸周りに前記ドア側リンクと一体に回動する従動ギヤと、前記車体側リンクに設けられた前記駆動ギヤに噛合する第1のラック歯及び前記従動ギヤに噛合する第2のラック歯を有して前記車体側リンクの延伸方向に沿って相対移動可能に設けられたラック部材と、を備える。
即ち、第1のラック歯と駆動ギヤとの噛合関係に基づいて、この駆動ギヤの回転が、その車体側リンクの延伸方向に沿ったラック部材の相対移動に変換される。更に、この車体側リンクに対するラック部材の相対移動が、その第2のラック歯と従動ギヤとの噛合関係に基づいて、この従動ギヤの回転に変換される。つまりは、ラック部材を介して、その駆動ギヤに生じた駆動力が、この駆動ギヤから離間して設けられた従動ギヤに伝達される。そして、これにより、この従動ギヤと一体にドア側リンクが相対回動することで、その車体側リンクとドア側リンクとの挟み角、つまりは、その連結長可変機構の作動により可変リンクに付与する連結長が変更される。従って、上記構成によれば、簡素な構成にて、効率よく、その可変リンクに設けられた連結長可変機構を駆動することができる。
更に、その支軸周りに駆動ギヤの回転が規制された状態においては、ラック部材を介して駆動ギヤに連結された従動ギヤ及びドア側リンクもまた、その車体側リンクに対する連結軸周りに回転できない状態となる。そして、これにより、ドアに外力が入力された場合にも、そのドアの開閉動作位置に応じて可変リンクに付与された連結長を維持することができる。そして、これにより、安定的に、ドアを開閉動作させることができる。
態様6の車両用ドア装置は、態様1~態様5の何れか一つの車両用ドア装置において、前記車両のドア開口部を開閉する前記ドアの閉側端部に設けられたドア側係合部と、前記ドアの開閉動作に基づいて該ドアの前記閉側端部が接離する前記ドア開口部の閉側端部に設けられた車体側係合部と、を備えるとともに、前記ドア側係合部及び前記車体側係合部の一方側は、ガイド係合部を備え、前記ドア側係合部及び前記車体側係合部の他方側は、互いに対向する一対の側壁部を有して前記ドアの開閉動作方向に延在するガイド溝を備えてなり、前記ドア側係合部と前記車体側係合部とが係合する前記ドアの全閉位置近傍においては、前記ガイド溝内に前記ガイド係合部が配置されるものであって、前記可変駆動機構は、前記ドア側係合部と前記車体側係合部とが係合した状態となる前記開閉動作位置においては、前記ドアの開閉動作に同期して前記連結長を変更することにより、前記ガイド溝の延在方向に沿った前記ガイド係合部の相対変位を許容するとともに、前記ドア側係合部と前記車体側係合部との係合が解除された状態となる前記開閉動作位置においては、前記連結長を一定に保持するように構成される。
上記構成によれば、ガイド溝内にガイド係合部が配置されることで、そのガイド溝が延在するドアの開閉動作方向に対して直交する方向におけるドアの変位が規制される。そして、これにより、第1及び第2のリンクアームの距離が近づいて直線的に並んだ状態になりやすい全閉位置近傍の開閉動作位置においても、そのドアを安定的に支持することができる。
また、ドア側係合部と車体側係合部とが係合した状態となる全開位置近傍の開閉動作位置に、その可変リンクに付与する連結長の可変区間が設定される。即ち、この可変区間において、そのドアの開閉動作に同期した連結長の変更を行うことにより、ドア側係合部と車体側係合部との干渉を回避することができる。そして、これにより、円滑に、そのドアを全閉位置に閉動作させ、及び全閉位置から開動作させることができる。
そして、ドア側係合部と車体側係合部との係合が解除された状態となる中間位置においては、その連結長を一定に保持することで、安定的に、ドアを開閉動作させることができる。
本発明によれば、安定的にドアを開閉動作させることができる。
ドア装置の斜視図である。 ドア装置の斜視図である。 リンク機構を形成する第1及び第2のリンクアームの平面図である。 リンク機構を形成する第1及び第2のリンクアームの平面図である。 リンク機構を形成する第1及び第2のリンクアームの平面図である。 リンク機構を形成する第1及び第2のリンクアームの平面図である。 ドア側係合部及び車体側係合部の概略構成図である。 連結長可変機構を構成する関節リンク機構の平面図である。 連結長可変機構を構成する関節リンク機構の平面図である。 連結長可変機構及び可変駆動機構が設けられた可変リンクを構成する第2のリンクアームの平面図である。 可変リンクを構成する第2のリンクアームの分解斜視図である。 可変リンクを構成する第2のリンクアームの動作説明図である。 可変区間における可変駆動機構の動作説明図である。 可変区間における可変駆動機構の動作説明図である。 可変区間における可変駆動機構の動作説明図である。 可変区間における可変駆動機構の動作説明図である。 固定ギヤに設けられた無歯部及び駆動ギヤに設けられた係合突部の拡大図である。 保持区間における可変駆動機構の動作説明図である。 全開位置における可変駆動機構の動作説明図である。 別例の可変駆動機構の概略構成図である。
以下、車両用ドア装置に関する一実施形態を図面に従って説明する。
(リンク機構)
図1及び図2に示すように、本実施形態の車両1は、車体2の側面2sに設けられたドア開口部3を備えている。そして、そのドア開口部3には、このドア開口部3に車両1のドア5を支持する第1のリンクアーム11及び第2のリンクアーム12が設けられている。
詳述すると、本実施形態の車両1において、これら第1及び第2のリンクアーム11,12は、それぞれ、車体2に対する第1の回動連結点X1と、ドア5に対する第2の回動連結点X2と、を有している。具体的には、第1のリンクアーム11は、上下方向(各図中、上下方向)に延びる支軸N1aに軸支された状態で車体2に連結されるとともに、上下方向に延びる支軸N1bに軸支された状態でドア5に連結されている。そして、第2のリンクアーム12もまた、上下方向に延びる支軸N2aに軸支された状態で車体2に連結されるとともに、上下方向に延びる支軸N2bに軸支された状態でドア5に連結されている。
即ち、図3~図6に示すように、本実施形態の車両1においては、これらの第1及び第2のリンクアーム11,12が四節リンクとしての構成を有したリンク機構15を形成する。そして、本実施形態の車両1は、このリンク機構15の動作に基づいて、そのドア開口部3に支持されたドア5が開閉動作する構成になっている。
さらに詳述すると、図1及び図2に示すように、本実施形態の車両1は、これらの第1及び第2のリンクアーム11,12を用いて、そのドア5を車両後方側(図1中、左側、図2中、右側)のドア開口部3に支持する。本実施形態の車両1において、これらの第1及び第2のリンクアーム11,12は、それぞれ、ドア開口部3の後縁部3r近傍において、その車体2に対して回動可能に連結された第1の回動連結点X1を有している。そして、本実施形態の車両1においては、これらの第1及び第2のリンクアーム11,12が上下方向に離間して配置されている。
本実施形態の車両1においては、第1のリンクアーム11の方が、第2のリンクアーム12よりも上方に設けられている。また、第1のリンクアーム11は、ドア5の前後方向略中央位置において、このドア5に対して回動可能に連結された第2の回動連結点X2を有している。一方、第2のリンクアーム12は、ドア5の前端部5f近傍において、このドア5に連結された第2の回動連結点X2を有している。そして、本実施形態の車両1においては、これにより、その第1及び第2のリンクアーム11,12が形成するリンク機構15の動作に基づいて、そのドア5が開閉動作するようなドア装置20が形成されている。
(リンク機構の動作)
具体的には、図3~図6に示すように、本実施形態のドア装置20は、ドア5の開動作時、第1及び第2のリンクアーム11,12が、それぞれ、その第1の回動連結点X1周りに、各図中、反時計回り方向に回動する。そして、これにより、これらの第1及び第2のリンクアーム11,12に支持された車両1のドア5が、車両後方側(各図中、左側)に開動作する。
また、本実施形態のドア装置20は、ドア5の閉動作時、第1及び第2のリンクアーム11,12が、それぞれ、その第1の回動連結点X1周りに、各図中、時計回り方向に回動する。そして、これにより、これら第1及び第2のリンクアーム11,12に支持された車両1のドア5が、車両前方側(各図中、右側)に閉動作する構成になっている。
更に、本実施形態のドア装置20は、第1及び第2のリンクアーム11,12が形成するリンク機構15の動作に基づいて、円弧状軌跡Rgを描くように、そのドア5の開閉動作軌跡Rが規定される。即ち、図5に示すように、第1及び第2のリンクアーム11,12が車幅方向(図3~図6中、上下方向)に延在する状態となる中間位置においては、車両前後方向への移動成分が大きくなる。そして、図3及び図4に示すように、ドア5の開閉動作位置が全閉位置P0に近いほど、第1及び第2のリンクアーム11,12が車両前後方向(図3~図6中、左右方向)に延在する状態となることで、その車幅方向への移動成分が大きくなる。
また、本実施形態のドア装置20においては、第2のリンクアーム12よりも第1のリンクアーム11の方が、より重心Gに近い位置に、そのドア5に対する第2の回動連結点X2を有している。即ち、本実施形態のドア装置20においては、これにより、この第1のリンクアーム11が、より大きなドア荷重を支えるメインリンク21に位置付けられている。そして、第2のリンクアーム12は、その作用するドア荷重が比較的小さいサブリンク22に位置付けられている。
尚、本実施形態のドア装置20においては、第1のリンクアーム11の方が、第2のリンクアーム12よりも大きな外形を有している。そして、本実施形態のドア装置20は、これにより、そのメインリンク21に位置付けられた第1のリンクアーム11に高い支持剛性を付与する構成となっている。
(アクチュエータ)
また、本実施形態のドア装置20は、モータ25mを駆動源として、その第1のリンクアーム11を回転駆動するアクチュエータ25を備えている。本実施形態のドア装置20において、このアクチュエータ25は、第1のリンクアーム11の基端部分に設けられている。即ち、本実施形態のアクチュエータ25は、第1のリンクアーム11を回動させるかたちで、この第1のリンクアーム11及び第2のリンクアーム12が形成するリンク機構15を駆動する。そして、本実施形態のドア装置20は、これにより、このアクチュエータ25の駆動力に基づいて、そのドア5を開閉動作させることができるパワードア装置としての構成を有している。
(ドア側係合部及び車体側係合部)
また、図3~図7に示すように、本実施形態のドア装置20は、ドア5の前端部5fに設けられたドア側係合部31と、ドア開口部3の前縁部3fに設けられた車体側係合部32と、を備えている。即ち、本実施形態の車両1において、ドア側係合部31は、第1及び第2のリンクアーム11,12が形成するリンク機構15の動作に基づき車両1のドア開口部3を開閉するドア5の閉動作側に位置する閉側端部33に設けられている。更に、車体側係合部32は、その車両前後方向に移動するドア5の開閉動作に基づいて、このドア5の閉側端部33が接離、即ち接近又は離間するドア開口部3の閉側端部34に設けられている。そして、本実施形態のドア装置20は、ドア5が全閉位置P0近傍にある状態において、これらのドア側係合部31及び車体側係合部32が互いに係合する構成になっている。
詳述すると、本実施形態のドア側係合部31は、そのガイド係合部として、車両1の上下方向(図7中、紙面に直交する方向)に延びる軸状係合部41を備えている。尚、本実施形態のドア装置20において、このガイド係合部としての軸状係合部41は、上下方向に延在する図示しない支軸周りに回転自在に軸支されたローラ41xとしての構成を有している。更に、車体側係合部32は、車幅方向(図7中、上下方向)に対向する一対の側壁部42a,42bを有してドア5の開閉動作方向に延在するガイド溝42を備えている。そして、本実施形態のドア装置20は、ドア5が全閉位置P0近傍にある場合には、このガイド溝42内に、そのガイド係合部を構成する軸状係合部41を配置する状態で、これらのドア側係合部31及び車体側係合部32が互いに係合する構成になっている。
即ち、車幅方向に対向する一対の側壁部42a,42b間に挟み込まれる状態で、車体側係合部32のガイド溝42内にドア側係合部31の軸状係合部41が配置されることにより、その車幅方向におけるドア5の変位が規制される。そして、本実施形態のドア装置20は、これにより、リンク機構15を形成する第1及び第2のリンクアーム11,12が並んだ状態になりやすい全閉位置P0近傍においても、そのドア5を安定的に支持することが可能になっている。
(連結長可変機構)
また、図3~図6に示すように、本実施形態のドア装置20において、サブリンク22としての位置付けを有する第2のリンクアーム12には、その第1及び第2の回動連結点X1,X2間の連結長Lを変更可能とする連結長可変機構50が設けられている。そして、本実施形態のドア装置20は、この連結長可変機構50の動作に基づいて、上記のように、そのドア側係合部31と車体側係合部32とが係合した状態でのドア5の開閉動作が許容される構成となっている。
具体的には、本実施形態のドア装置20においては、全閉位置P0の近傍でドア5が閉動作することにより、その連結長可変機構50の動作に基づいて、全閉位置P0に近づくほど、その第2のリンクアーム12によるドア5の連結長Lが延長される。また、全閉位置P0の近傍でドア5が開動作することにより、その連結長可変機構50の動作に基づいて、全閉位置P0から離れるほど、第2のリンクアーム12によるドア5の連結長Lが短縮される。そして、本実施形態のドア装置20は、これにより、そのリンク機構15の動作に基づいた円弧状軌跡Rgが、車両前後方向に延在するドア開口部3の開口幅方向に沿った直線状軌跡Rsに変化する構成となっている。
即ち、図7に示すように、ドア側係合部31と車体側係合部32とが係合する全閉位置P0近傍の開閉動作位置においては、この直線状軌跡Rsを描くドア5の開閉動作に基づいて、そのガイド溝42が延在する方向に沿って軸状係合部41が相対変位する。そして、本実施形態のドア装置20は、これにより、これらのドア側係合部31及び車体側係合部32が干渉することなく、そのリンク機構15に支持されたドア5が全閉位置P0に向かって閉動作し、及び、その全閉位置P0から開動作する構成になっている。
(関節リンク機構)
さらに詳述すると、図8及び図9に示すように、本実施形態のドア装置20において、第2のリンクアーム12は、相対回動可能に連結された車体側リンク51及びドア側リンク52を備えて構成されている。即ち、車体側リンク51は、車体2に対する第1の回動連結点X1を有した第2のリンクアーム12の基端部12a側を構成する。また、ドア側リンク52は、車両1のドア5に対する第2の回動連結点X2を有した第2のリンクアーム12の先端部12b側を構成する。そして、本実施形態のドア装置20においては、これにより形成される関節リンク機構60が、その連結長可変機構50として機能する。
具体的には、本実施形態のドア側リンク52は、車体側リンク51との比較において、その軸方向長さの短い所謂ミニアームとしての構成を有している。また、車体側リンク51は、その長手方向の一端側に、車体2に対する車体側連結部61を有している。更に、ドア側リンク52もまた、その長手方向の一端側に、ドア5に対するドア側連結部62を有している。そして、これらの車体側リンク51及びドア側リンク52は、それぞれ、長手方向の他端側に、その互いに連結される中間連結部63,64を有している。
即ち、本実施形態のドア装置20においては、これらの中間連結部63,64が、その第2のリンクアーム12に設けられた関節リンク機構60の中間連結点X3を形成する。また、第2のリンクアーム12は、この中間連結点X3を頂点として、その車体側リンク51及びドア側リンク52が三角形を形成する。そして、これにより、これらの車体側リンク51及びドア側リンク52が相対回動することで、上記三角形の底辺となる第1及び第2の回動連結点X1,X2を結ぶ直線の長さ、つまりは、その連結長Lが変化する構成となっている。
(可変駆動機構)
また、図10~図12に示すように、本実施形態のドア装置20は、連結長可変機構50を駆動することにより、この連結長可変機構50が設けられた可変リンク75に対し、そのドア5の開閉動作位置に応じた連結長Lを付与する可変駆動機構70を備えている。本実施形態のドア装置20において、この可変駆動機構70は、その可変リンク75を構成する第2のリンクアーム12と一体に設けられている。そして、本実施形態のドア装置20は、この可変駆動機構70の作動により、上記のように、その全閉位置P0で変化するドア5の開閉動作軌跡Rを規定する構成となっている(図3~図7参照)。
詳述すると、図10及び図11に示すように、本実施形態のドア装置20において、第2のリンクアーム12の基端部12aを構成する車体側リンク51は、車体ブラケット77を介して車体2に連結されている。そして、その第2のリンクアーム12の先端部12bを構成するドア側リンク52もまた、ドア5の内側面5sに固定されたドアブラケット78を介して、そのドア5に連結されている。
本実施形態の可変駆動機構70は、車体ブラケット77に対して車体側リンク51を軸支する支軸N2aと同軸位置において、その車体ブラケット77に固定された固定ギヤ81を備えている。また、この可変駆動機構70は、その車体側リンク51に設けられた支軸82周りに回転自在に設けられた駆動ギヤ83を備えている。そして、本実施形態の可変駆動機構70は、これらの固定ギヤ81及び駆動ギヤ83が互いに噛合する構成となっている。
また、本実施形態の可変駆動機構70は、ドア側リンク52に固定された状態で、その関節リンク機構60の中間連結点X3を構成する連結軸84と同軸位置に配置された従動ギヤ85を備えている。具体的には、本実施形態のドア側リンク52は、略コ字状の折曲板形状を有している。更に、このドア側リンク52は、互いに対向する一対の延伸部86,86を中間連結部64として、その対となる中間連結部63を構成する車体側リンク51の先端51bに対して回動可能に連結されている。そして、本実施形態の従動ギヤ85は、車体側リンク51の先端51bを間に挟み込む各延伸部86,86の一方側に対し、その車体側リンク51に対するドア側リンク52の連結軸84と同軸位置において相対回転不能に固定される構成となっている。
また、本実施形態の可変駆動機構70は、車体側リンク51の延伸方向に沿って相対移動可能に設けられたラック部材87を備えている。更に、このラック部材87は、その長手方向の一方側に位置する第1端部87aに設けられた第1のラック歯91と、その他方側に位置する第2端部87bに設けられた第2のラック歯92と、を有している。そして、本実施形態のラック部材87は、その第1のラック歯91が車体側リンク51の基端51a側に配置された駆動ギヤ83に噛合するとともに、第2のラック歯92が車体側リンク51の先端51b側に配置された従動ギヤ85に噛合する構成となっている。
具体的には、本実施形態の車体側リンク51は、断面略コ字状の長尺形状を有している。また、本実施形態のラック部材87は、長尺略平板状の外形を有している。更に、このラック部材87は、第1の回動連結点X1を形成する支軸N2aの軸方向(図11中、上側)に臨む車体側リンク51の一面を配置面51sとして、その駆動ギヤ83及び従動ギヤ85とともに、この配置面51s上に設けられている。そして、本実施形態の可変駆動機構70は、これにより、その第1のラック歯91が駆動ギヤ83に噛合するとともに、その第2のラック歯92が従動ギヤ85に噛合する状態で、このラック部材87が、その配置面51s上を摺動する構成になっている。
即ち、本実施形態のドア装置20において、固定ギヤ81は、可変リンク75を構成する第2のリンクアーム12において、その第1の回動連結点X1を形成する支軸N2a、つまりは車体側連結軸93周りに回転不能に設けられている。また、駆動ギヤ83は、ドア5の開閉動作に基づいて、その車体側連結軸93周りに、第2のリンクアーム12の基端部12aを構成する車体側リンク51が回動することにより、この車体側リンク51とともに、その車体側連結軸93周りに回動する。そして、本実施形態の可変駆動機構70は、この車体側連結軸93周りの回動により、その固定ギヤ81に対する噛合状態に基づいて、車体側リンク51に設けられた支軸82周りに駆動ギヤ83が回転する構成となっている。
尚、この支軸82周りの回転については、その駆動ギヤ83の「自転」と言い換えることができる。更に、その車体側リンク51とともに車体側連結軸93周りに回動する駆動ギヤ83の動きについては、この駆動ギヤ83の「公転」と言い換えることができる。そして、車体側リンク51の延伸方向に沿ったラック部材87の相対移動については、その直線的な動作から「直動」と表現することができる。
また、本実施形態のドア装置20においては、この駆動ギヤ83の回転が、その第1のラック歯91との噛合関係に基づいて、その車体側リンク51の延伸方向に沿ったラック部材87の相対移動、即ち「直動」に変換される。更に、このラック部材87の「直動」が、その第2のラック歯92との噛合関係に基づいて、従動ギヤ85の回転に変換される。そして、本実施形態の可変駆動機構70は、これにより、車体側リンク51に対するドア側リンク52の連結軸84周りに、その従動ギヤ85と一体に、ドア側リンク52が車体側リンク51に対して相対回動する構成になっている。
このように、本実施形態の可変駆動機構70においては、その固定ギヤ81及び駆動ギヤ83が、ドア5の開閉動作に基づいた駆動力を発生する駆動力発生部101を形成する。そして、そのラック部材87及び従動ギヤ85が、この駆動力発生部101に生じた駆動力を連結長可変機構50に伝達することにより、そのドア5の開閉動作位置に応じた連結長Lを生じさせる駆動伝達部102を形成する構成になっている。
即ち、図8及び図9に示すように、関節リンク機構60としての構成を有する本実施形態の連結長可変機構50は、車体側リンク51とドア側リンク52との挟み角θに基づいて、その第2のリンクアーム12によるドア5の連結長Lを規定する。また、本実施形態の可変駆動機構70は、ドア5の開閉動作に基づいた駆動力を発生するとともに、この駆動力に基づいて、その連結長可変機構50を構成する車体側リンク51及びドア側リンク52の挟み角θを変化させる。そして、本実施形態の可変駆動機構70は、これにより、ドア5の開閉動作位置に応じた連結長Lを、その可変リンク75を構成する第2のリンクアーム12に付与する構成となっている。
(連結長の可変区間)
図12に示すように、本実施形態のドア装置20は、全閉位置P0の近傍に、第2のリンクアーム12に設けられた連結長可変機構50及び可変駆動機構70の作動により、ドア5の開閉動作に同期して、その連結長Lが変更される可変区間αを有している。
詳述すると、本実施形態のドア装置20においては、上記のように、そのドア側係合部31と車体側係合部32とが係合した状態となる全閉位置P0近傍におけるドア5の開閉動作範囲が、この連結長Lの可変区間αとなっている(図7参照)。尚、上記のように、ドア側係合部31及び車体側係合部32の係脱位置Pxは、全閉位置P0に向かってドア5が閉動作する際、その車体側係合部32側のガイド溝42内にドア側係合部31側のガイド係合部を構成する軸状係合部41が進入する位置である。また、この係脱位置Pxは、全閉位置P0からドア5が開動作する際、そのガイド溝42から軸状係合部41が脱離する位置、つまりはドア側係合部31と車体側係合部32との係合が解除される位置である。そして、本実施形態の可変駆動機構70は、この係脱位置Pxと全閉位置P0との間にドア5が位置する場合に、そのドア5の開閉動作に基づいて連結長Lを変化させる構成となっている。
具体的には、本実施形態の可変駆動機構70は、ドア5が全閉位置P0にある場合に、その連結長可変機構50が設けられた第2のリンクアーム12に対し、この第2のリンクアーム12が最も延長された状態となる連結長L0を付与する(図8参照)。また、この可変駆動機構70は、ドア5が、そのドア側係合部31及び車体側係合部32の係脱位置Pxにある場合に、このドア5が全閉位置P0にある場合の連結長L0よりも短縮した連結長L1を付与する(図9参照)。即ち、本実施形態の可変駆動機構70は、これら全閉位置P0と係脱位置Pxとの間に設定された可変区間αをドア5が開動作することにより、その第2のリンクアーム12に付与する連結長Lを短縮する。そして、この可変区間αをドア5が閉動作することにより、その第2のリンクアーム12に付与する連結長Lを延長する構成になっている。
さらに詳述すると、図12及び図13に示すように、本実施形態のドア装置20においては、ドア5が全閉位置P0から開動作する場合に、このドア5を支持する第2のリンクアーム12が、その第1の回動連結点X1周りに、各図中、時計回り方向に回動する。
本実施形態の可変駆動機構70においては、このとき、その駆動ギヤ83が、この第2のリンクアーム12の基端部12aを構成する車体側リンク51と一体に、その第1の回動連結点X1を形成する車体側連結軸93周りに、図13中、時計回り方向に回動する。また、このとき、その車体ブラケット77に固定された状態で車体側連結軸93と同軸位置に配置された固定ギヤ81は回転しない。そして、本実施形態の可変駆動機構70は、これにより、この固定ギヤ81との噛合関係に基づいて、その駆動ギヤ83が、車体側リンク51に設けられた支軸82周りに、図13中、時計回り方向に回転する構成になっている。
また、図13及び図14に示すように、この駆動ギヤ83の回転により、その第1のラック歯91との噛合関係に基づいて、車体側リンク51に設けられたラック部材87が、その延伸方向に沿って車体側リンク51の基端51a側に相対移動する。そして、このラック部材87の相対移動に基づいて、その第2のラック歯92に噛合する従動ギヤ85が、この従動ギヤ85が固定されたドア側リンク52と一体に、その車体側リンク51に対する連結軸84周りに、図14中、反時計回り方向に回動する。
このように、本実施形態の可変駆動機構70は、ドア5の開動作に基づいて、その車体側リンク51の基端51a側に設けられた駆動ギヤ83に生じた駆動力を、ラック部材87を介して、その先端51b側に設けられた従動ギヤ85に伝達する。そして、これにより、この従動ギヤ85と一体に、そのドア側リンク52が車体側リンク51に対して相対回動することで、第2のリンクアーム12によるドア5の連結長Lを短縮する方向に、その連結長可変機構50が駆動される。
即ち、本実施形態のドア装置20においては、このとき、その関節リンク機構60を形成する車体側リンク51とドア側リンク52との挟み角θが狭まる方向に、これらの車体側リンク51及びドア側リンク52が相対回動する。具体的には、可変駆動機構70に駆動されることにより、その車体側リンク51とドア側リンク52との挟み角θが、全閉位置P0における連結長L0に対応した挟み角θ0から、その可変区間αを移動するドア5の開動作に基づいて、徐々に縮小する。そして、本実施形態のドア装置20は、これにより、この車体側リンク51とドア側リンク52との挟み角θが、ドア5の開動作に同期して、その係脱位置Pxにおける連結長L1に対応した挟み角θ1に変更される構成になっている。
また、図12及び図15に示すように、本実施形態のドア装置20においては、ドア5が全閉位置P0に向かって閉動作する場合、このドア5を支持する第2のリンクアーム12が、その第1の回動連結点X1周りに、各図中、反時計回り方向に回動する。更に、本実施形態の可変駆動機構70においては、これにより、駆動ギヤ83が、第2のリンクアーム12の基端部12aを構成する車体側リンク51と一体に、その第1の回動連結点X1を形成する車体側連結軸93周りに、図15中、反時計回り方向に回動する。そして、本実施形態の可変駆動機構70は、これにより、この車体側連結軸93周りに回動不能に設けられた固定ギヤ81との噛合関係に基づいて、その駆動ギヤ83が、車体側リンク51に設けられた支軸82周りに、図15中、反時計回り方向に回転する。
更に、図15及び図16に示すように、この駆動ギヤ83の回転により、その第1のラック歯91との噛合関係に基づいて、車体側リンク51に設けられたラック部材87が、その延伸方向に沿って車体側リンク51の先端51b側に相対移動する。そして、このラック部材87の相対移動に基づいて、その第2のラック歯92に噛合する従動ギヤ85が、この従動ギヤ85が固定されたドア側リンク52と一体に、その車体側リンク51に対する連結軸84周りに、図16中、時計回り方向に回動する。
このように、本実施形態の可変駆動機構70は、開動作時と同じく、そのドア5の閉動作に基づいて、車体側リンク51の基端51a側に設けられた駆動ギヤ83に生じた駆動力を、ラック部材87を介して、先端51b側に設けられた従動ギヤ85に伝達する。そして、これにより、この従動ギヤ85と一体に、そのドア側リンク52が車体側リンク51に対して相対回動することで、第2のリンクアーム12によるドア5の連結長Lを延長する方向に、その連結長可変機構50が駆動される。
即ち、本実施形態のドア装置20においては、このとき、その関節リンク機構60を形成する車体側リンク51とドア側リンク52との挟み角θが広がる方向に、これらの車体側リンク51及びドア側リンク52が相対回動する。具体的には、可変駆動機構70に駆動されることにより、その車体側リンク51とドア側リンク52との挟み角θが、係脱位置Pxにおける連結長L1に対応した挟み角θ1から、その可変区間αを移動するドア5の閉動作に基づいて、徐々に拡大される。そして、本実施形態のドア装置20は、これにより、この車体側リンク51とドア側リンク52との挟み角θが、ドア5の閉動作に同期して、その全閉位置P0における連結長L0に対応した挟み角θ0に変更される構成になっている。
(連結長の保持区間)
また、図12に示すように、本実施形態のドア装置20は、その可変リンク75を構成する第2のリンクアーム12に付与する連結長Lを一定に保持する保持区間βを有している。具体的には、本実施形態のドア装置20においては、そのドア側係合部31と車体側係合部32との係合が解除された状態でドア5が開閉動作する範囲、つまりは係脱位置Pxと全開位置P1との間が、その連結長Lの保持区間βに設定されている。更に、本実施形態の可変駆動機構70は、この保持区間βにおいては、その係脱位置Pxにおいて付与した連結長L1を保持する。そして、本実施形態のドア装置20は、これにより、その第2のリンクアーム12が形成するリンク機構15に支持されたドア5を、安定的に開閉動作させることが可能となっている。
詳述すると、図17及び図18に示すように、本実施形態の可変駆動機構70において、固定ギヤ81は、その周面81sにギヤ歯81aを有しない無歯部110を有している。また、駆動ギヤ83は、第2のリンクアーム12の基端部12aを構成する車体側リンク51に設けられた支軸82周りの回転によって、その固定ギヤ81に対する噛合位置が、この固定ギヤ81に設けられた上記無歯部110に移行するように構成されている。更に、本実施形態の駆動ギヤ83は、この状態で、その無歯部110を構成する固定ギヤ81の周面81sに係合する係合突部111を備えている。そして、本実施形態の可変駆動機構70は、この固定ギヤ81の周面81sに対する係合突部111の係合力に基づいて、第2のリンクアーム12によるドア5の連結長L1を一定に保持する構成となっている。
具体的には、図13、図15、及び図18に示すように、本実施形態の駆動ギヤ83は、その固定ギヤ81に噛合する入力ギヤ部121と、そのラック部材87の第1端部87aに設けられた第1のラック歯91に噛合する出力ギヤ部131と、を備えている。また、本実施形態の駆動ギヤ83においては、これらの入力ギヤ部121及び出力ギヤ部131が、その周方向に離間した位置に設けられている。そして、本実施形態の駆動ギヤ83は、これら入力ギヤ部121と出力ギヤ部131との間の周方向位置において、その入力ギヤ部121に隣接して係合突部111が設けられた構成となっている。
また、図12、図13、及び図15に示すように、本実施形態の可変駆動機構70は、可変区間αを超えてドア5が開動作した場合に、その固定ギヤ81のギヤ歯81aと、その駆動ギヤ83の入力ギヤ部121を構成するギヤ歯121aとの噛合状態が解除される。即ち、上記のように、全閉位置P0近傍の可変区間αにおいては、ドア5の開動作に基づいて、その駆動ギヤ83が各図中、時計回り方向に回転する。更に、本実施形態の可変駆動機構70においては、この駆動ギヤ83の回転により、その係脱位置Pxに対応するドア5の開動作位置において、固定ギヤ81に対する駆動ギヤ83の噛合位置が、その無歯部110に移行する。そして、本実施形態の可変駆動機構70は、これにより、その入力ギヤ部121に隣接して設けられた駆動ギヤ83の係合突部111が、その無歯部110を構成する固定ギヤ81の周面81sに係合する構成となっている。
さらに詳述すると、図17に示すように、本実施形態の係合突部111は、その固定ギヤ81の周面81sに沿って湾曲した係合面111sを有している。そして、本実施形態の駆動ギヤ83は、これにより、固定ギヤ81の周面81sに対する係合突部111の係合力に基づいて、第2のリンクアーム12の基端部12aを構成する車体側リンク51に設けられた支軸82周りの回転が規制される構成になっている。
即ち、図12及び図18に示すように、本実施形態の可変駆動機構70は、保持区間βにおいては、駆動ギヤ83の回転を規制することにより、この駆動ギヤ83が、その連結長可変機構50の駆動力を発生しない状態となる。
更に、図12、図16及び図19に示すように、この保持区間βにおいては、ラック部材87を介して駆動ギヤ83に連結された従動ギヤ85及びドア側リンク52もまた、その車体側リンク51に対する連結軸84周りに回転できない状態となる。そして、本実施形態の可変駆動機構70は、これにより、その関節リンク機構60を形成する車体側リンク51とドア側リンク52との挟み角θを、係脱位置Pxの連結長L1に対応した挟み角θ1に保持する構成となっている。
また、図17及び図18に示すように、本実施形態の可変駆動機構70においては、その係合突部111の係合面111sに付与された湾曲形状に基づいて、この係合突部111が、その固定ギヤ81の周面81s上を摺動することが可能となっている。即ち、本実施形態の可変駆動機構70は、これにより、この駆動ギヤ83の係合突部111が固定ギヤ81の周面81sに係合する状態で、その車体側連結軸93周りに車体側リンク51の回動を許容する。換言すると、可変駆動機構70は、ドア5が保持区間βにある場合、駆動ギヤ83の回転が規制された状態で、この駆動ギヤ83が、そのドア5の開閉動作に基づいて、車体側リンク51と一体に、その車体側連結軸93周りに回動するように構成されている。そして、本実施形態のドア装置20は、これにより、可変リンク75を構成する第2のリンクアーム12に付与された連結長L1を保持する状態で、この第2のリンクアーム12に支持されたドア5が、その保持区間βを開閉動作する構成になっている。
(作用)
即ち、本実施形態のドア装置20においては、可変リンク75を構成する第2のリンクアーム12に設けられた可変駆動機構70が、ドア5の開閉動作に基づいた駆動力を発生する。更に、この可変駆動機構70は、その発生した駆動力に基づいて連結長可変機構50を駆動する。そして、これにより、そのドア5の開閉動作位置に応じた連結長Lが可変リンク75に付与される。
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)ドア装置20は、車体2に対する第1の回動連結点X1と車両1のドア5に対する第2の回動連結点X2とを有する第1及び第2のリンクアーム11,12が形成するリンク機構15の動作に基づいて、そのドア5が開閉動作する。また、ドア装置20は、第2のリンクアーム12を可変リンク75として、この第2のリンクアーム12に設けられることにより、その第1及び第2の回動連結点X1,X2間の連結長Lを変更可能とする連結長可変機構50を備える。更に、ドア装置20は、第2のリンクアーム12に設けられた可変駆動機構70を備える。そして、ドア装置20は、この可変駆動機構70が連結長可変機構50を駆動することにより、そのドア5の開閉動作位置に応じた連結長Lを第2のリンクアーム12に付与する。
上記構成によれば、ドア5に外力が入力された場合等にも、このドア5の開閉動作位置に応じた連結長Lが第2のリンクアーム12に付与される。そして、これにより、そのリンク機構15に支持されたドア5の揺れや振動を抑制することができる。その結果、安定的に、ドア5を開閉動作させることができる。
例えば、全閉位置P0近傍において、そのドア5の開閉動作姿勢及び開閉動作軌跡Rが安定することにより、確実にドア5を全閉動作させることができる。そして、これにより、高い信頼性を確保することができる。
(2)可変駆動機構70は、車体2に対する第1の回動連結点X1を形成する車体側連結軸93周りに回転不能に設けられた固定ギヤ81を備える。そして、可変駆動機構70は、この固定ギヤ81に噛合する状態で第2のリンクアーム12の基端部12aに設けられた支軸82周りに回転自在に設けられることにより第2のリンクアーム12とともに車体側連結軸93周りに回動する駆動ギヤ83を備える。
上記構成によれば、これらの固定ギヤ81及び駆動ギヤ83が、ドア5の開閉動作に基づいた駆動力を発生する駆動力発生部101を形成する。
即ち、駆動ギヤ83が第2のリンクアーム12と一体に第1の回動連結点X1を形成する車体側連結軸93周りに回動するとき、固定ギヤ81は回転しない。そして、これにより、その固定ギヤ81との噛合関係により駆動ギヤ83に生ずる支軸82周りの回転を、ドア5の開閉動作に基づいた駆動力として取り出すことができる。従って、上記構成によれば、簡素な構成にて、ドア5の開閉動作に基づいた連結長可変機構50の駆動力を発生することができる。
(3)固定ギヤ81は、ギヤ歯81aを有しない無歯部110を有する。また、駆動ギヤ83は、この駆動ギヤ83の回転に基づき固定ギヤ81に対する噛合位置が無歯部110に移行することにより、その無歯部110を構成する固定ギヤ81の周面81sに係合する係合突部111を備える。そして、可変駆動機構70は、この係合突部111の係合力に基づいて、駆動ギヤ83の回転を規制するとともに、その係合突部111が固定ギヤ81の周面81sを摺動することにより、その第2のリンクアーム12の回動を許容するように構成される。
即ち、固定ギヤ81のギヤ歯81aに対して駆動ギヤ83が噛合する状態にある場合には、これらの固定ギヤ81及び駆動ギヤ83が形成する駆動力発生部101において、そのドア5の開閉動作に基づいた連結長可変機構50の駆動力が発生する。これに対し、無歯部110を構成する固定ギヤ81の周面81sに駆動ギヤ83の係合突部111が係合する状態にある場合には、その駆動力が発生しない。従って、上記構成によれば、その固定ギヤ81と駆動ギヤ83との噛合状態に基づいて、ドア5の開閉動作に同期して連結長Lを変更する可変区間α、及び、その連結長Lを一定に保持する保持区間βを設定することができる。そして、これにより、そのリンク機構15に支持されたドア5の開閉動作軌跡Rについて、高い設計自由度を確保することができる。
(4)連結長可変機構50は、第2のリンクアーム12の基端部12aを構成する車体側リンク51と、その先端部12bを構成するドア側リンク52とが相対回動可能に連結された関節リンク機構60としての構成を有する。また、可変駆動機構70は、車体側リンク51に対するドア側リンク52の連結軸84周りに、そのドア側リンク52と一体に回動する従動ギヤ85を備える。更に、可変駆動機構70は、車体側リンク51の延伸方向に沿って相対移動可能に設けられたラック部材87を備える。そして、このラック部材87は、車体側リンク51に設けられた駆動ギヤ83に噛合する第1のラック歯91と、従動ギヤ85に噛合する第2のラック歯92と、を備える。
上記構成によれば、これらの従動ギヤ85及びラック部材87が、その駆動力発生部101を構成する駆動ギヤ83に生じた駆動力を連結長可変機構50に伝達することによりドア5の開閉動作位置に応じた連結長Lを生じさせる駆動伝達部102を形成する。
即ち、第1のラック歯91と駆動ギヤ83との噛合関係に基づいて、この駆動ギヤ83の回転が、その車体側リンク51の延伸方向に沿ったラック部材87の相対移動に変換される。更に、この車体側リンク51に対するラック部材87の相対移動が、その第2のラック歯92と従動ギヤ85との噛合関係に基づいて、この従動ギヤ85の回転に変換される。つまりは、ラック部材87を介して、その駆動ギヤ83に生じた駆動力が、この駆動ギヤ83から離間して設けられた従動ギヤ85に伝達される。そして、これにより、この従動ギヤ85と一体にドア側リンク52が相対回動することで、その車体側リンク51とドア側リンク52との挟み角θが変更される。つまりは、連結長可変機構50の作動により、その可変リンク75を構成する第2のリンクアーム12に付与する連結長Lが変更される。従って、上記構成によれば、簡素な構成にて、効率よく、その第2のリンクアーム12に設けられた連結長可変機構50を駆動することができる。
更に、その支軸82周りに駆動ギヤ83の回転が規制された状態においては、ラック部材87を介して駆動ギヤ83に連結された従動ギヤ85及びドア側リンク52もまた、その車体側リンク51に対する連結軸84周りに回転できない状態となる。そして、これにより、上記のように無歯部110が設定された固定ギヤ81の周面81sに駆動ギヤ83の係合突部111が係合した状態にある場合、この係合突部111の係合力に基づいて、その車体側リンク51とドア側リンク52との挟み角θが保持される。このため、ドア5に外力が入力された場合にも、このドア5の開閉動作位置に応じて可変リンク75を構成する第2のリンクアーム12に付与された連結長Lを維持することができる。そして、これにより、安定的に、ドア5を開閉動作させることができる。
(5)ドア装置20は、ドア5の閉側端部33に設けられたドア側係合部31と、このドア5の開閉動作に基づいて、その閉側端部33が接離、即ち接近又は離間するドア開口部3の閉側端部34に設けられた車体側係合部32と、を備える。また、ドア側係合部31は、車両1の上下方向に延在する軸状係合部41を備えるとともに、車体側係合部32は、車幅方向に対向する一対の側壁部42a,42bを有してドア5の開閉動作方向に延在するガイド溝42を備える。更に、これらのドア側係合部31と車体側係合部32とが係合するドア5の全閉位置P0近傍においては、そのガイド溝42内に、ガイド係合部としての軸状係合部41が配置される。可変駆動機構70は、ドア側係合部31と前記車体側係合部32とが係合した状態となるドア5の開閉動作位置においては、このドア5の開閉動作に同期して連結長Lを変更することにより、ガイド溝42の延在方向に沿った軸状係合部41の相対変位を許容する。そして、可変駆動機構70は、ドア側係合部31と車体側係合部32との係合が解除された状態となる開閉動作位置においては、その可変リンク75を構成する第2のリンクアーム12に付与した連結長Lを一定に保持するように構成される。
即ち、ガイド溝42内に軸状係合部41が配置されることで、そのガイド溝42が延在するドア5の開閉動作方向に対して直交する方向におけるドア5の変位が規制される。そして、これにより、第1及び第2のリンクアーム11,12の距離が近づいて直線的に並んだ状態になりやすい全閉位置P0近傍の開閉動作位置においても、そのドア5を安定的に支持することができる。
また、ドア側係合部31と車体側係合部32とが係合した状態となる全開位置P0近傍の開閉動作位置に、その可変リンク75を構成する第2のリンクアーム12に付与する連結長Lの可変区間αが設定される。即ち、この可変区間αにおいて、そのドア5の開閉動作に同期した連結長Lの変更を行うことにより、ドア側係合部31と車体側係合部32との干渉を回避することができる。そして、これにより、円滑に、そのドア5を全閉位置P0に閉動作させ、及び全閉位置P0から開動作させることができる。
そして、ドア側係合部31と車体側係合部32との係合が解除された状態となる中間位置においては、その連結長Lを一定に保持することで、安定的に、ドア5を開閉動作させることができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、サブリンク22に位置付けられた第2のリンクアーム12を可変リンク75として、この第2のリンクアーム12に連結長可変機構50及び可変駆動機構70を設けることとした。しかし、これに限らず、メインリンク21に位置付けられた第1のリンクアーム11を可変リンク75として、この第1のリンクアーム11に連結長可変機構50及び可変駆動機構70を設ける構成としてもよい。そして、第1及び第2のリンクアーム11,12の両方を可変リンク75として、それぞれに、その連結長可変機構50及び可変駆動機構70を設ける構成としてもよい。
・上記実施形態では、駆動ギヤ83は、固定ギヤ81に噛合する入力ギヤ部121及びラック部材87に噛合する出力ギヤ部131が周方向に離間した位置に設けられることとした。しかし、これに限らず、例えば、これらの入力ギヤ部121及び出力ギヤ部131を軸方向に配置した所謂二段ギヤを採用する等、駆動ギヤ83の構成は、任意に変更してもよい。そして、その係合突部111の配置についてもまた、任意に変更してもよい。
・上記実施形態では、ラック部材87は、長尺略平板状の外形を有することとしたが、このラック部材87の構成についてもまた、任意に変更してもよい。例えば、第1のラック歯91を有する第1端部87aと第2のラック歯92を有する第2端部87bとが棒状部材を介して接続された構成等としてもよい。
・上記実施形態では、連結長可変機構50は、車体側リンク51とドア側リンク52とが相対回動可能に連結された関節リンク機構60としての構成を有することとした。しかし、これに限らず、軸方向に相対移動する二本の軸状部材が可変リンク75を形成する直動式の伸縮リンク機構を用いる等、連結長可変機構50の構成については、任意に変更してもよい。そして、全閉位置P0に向かうドア5の閉動作に基づいて、その連結長可変機構50を有した可変リンク75の連結長Lが短縮される構成に適用してもよい。
尚、関節リンク機構60以外の構成を連結長可変機構50に用いる場合であっても、本実施形態の可変駆動機構70と同様、その固定ギヤ81及び駆動ギヤ83が形成する駆動力発生部101を適用することができる。そして、これにより、駆動伝達部102の構成を変更するだけで、容易に、その連結長可変機構50を有した可変リンク75にドア5の開閉動作位置に応じた連結長Lを付与することができる。
・上記実施形態では、ドア側係合部31と車体側係合部32とが係合した状態となる全開位置P0近傍の開閉動作位置に、その可変リンク75を構成する第2のリンクアーム12に付与した連結長Lの可変区間αが設定されることとした。しかし、これに限らず、可変区間αは、任意に設定してもよい。必ずしも全開位置P0近傍の開閉動作位置に設定しなくともよい。ドア側係合部31及び車体側係合部32との関連性がなくともよい。また、複数の可変区間αを有する構成であってもよい。保持区間βについてもまた、任意に設定してもよい。そして、複数の可変区間αを有する構成であってもよい。
・固定ギヤ81が複数の無歯部110を有する構成としてもよい。また、固定ギヤ81が、その無歯部110を挟んで周方向に離間した複数の位置にギヤ歯81aを有する構成を採用してもよい。そして、これら各無歯部110に対応する係合突部111及び複数箇所に設けられたギヤ歯81aに対応する入力ギヤ部121を、その駆動ギヤ83に設ける構成としてもよい。
・また、図20に示すように、可変駆動機構70Bが、モータ140等の駆動源を有した駆動力発生部101Bを備える構成であってもよい。具体的には、この別例の可変駆動機構70Bにおいては、制御装置141によって、そのモータ140の作動が制御される。更に、この制御装置141は、センサ等を用いてドア5の開閉動作位置Pを検出することにより、そのドア5の開閉動作位置Pに応じたモータ140の制御量を演算する。尚、この制御装置141は、その記憶領域141xに、ドア5の開閉動作位置Pとモータ140の制御量とが関連付けられた制御マップ142を保持する。そして、これにより、その駆動力発生部101Bが、ドア5の開閉動作位置Pに応じた駆動力を発生する構成となっている。尚、駆動伝達部102Bについては、その連結長可変機構50の構成に対応した任意の構成を採用するとよい。このような構成を採用しても、連結長可変機構50を有した可変リンク75に対し、そのドア5の開閉動作位置に応じた連結長Lを付与することができる。
・上記実施形態では、ドア側係合部31が軸状係合部41を有し、車体側係合部32がガイド溝42を有することとした。しかし、これに限らず、ドア側係合部31がガイド溝42を有し、車体側係合部32が軸状係合部41を有する構成であってもよい。
・上記実施形態では、支軸に軸支されたローラ41xによって、その軸状係合部41が形成されることとしたが、必ずしも、軸状係合部41は回転しなくともよい。そして、ガイド溝42内に配置された状態で、そのドア5の開閉動作が案内されるガイド係合部として機能する形状であれば、必ずしも軸形状を有していなくともよい。
・上記実施形態では、車両1のドア5が車両後方側に開動作する構成に適用したが、ドア5が車両前方側に開動作する構成に適用してもよい。そして、アクチュエータ25のような駆動源を有しない手動式のドア装置に適用してもよい。
次に、上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)前記駆動伝達部は、前記駆動ギヤに噛合するラック歯を有して前記可変リンクに設けられることにより前記駆動ギヤの回転に基づき前記可変リンクに対して相対移動するラック部材を備えること、を特徴とする。
上記構成によれば、駆動ギヤの回転を可変リンクに対するラック部材の相対移動に変換することで、ドアの開閉動作に基づいた駆動力を、その駆動ギヤが形成する駆動力発生部から離間した位置に伝達することができる。そして、これにより、簡素な構成にて、効率よく、その可変リンクに設けられた連結長可変機構を駆動することができる。
(ロ)前記ドアの開閉動作に同期して前記連結長を変更する可変区間と、前記連結長を一定に保持される保持区間と、を有すること、を特徴とする。
上記構成によれば、リンク機構に支持されたドアの開閉動作軌跡について、その高い設計自由度を確保することができる。
1…車両
2…車体
5…ドア
11…第1のリンクアーム
12…第2のリンクアーム
15…リンク機構
20…ドア装置
50…連結長可変機構
70…可変駆動機構
75…可変リンク
X1…第1の回動連結点
X2…第2の回動連結点
L…連結長

Claims (6)

  1. 車体に対する第1の回動連結点と車両のドアに対する第2の回動連結点とを有する第1及び第2のリンクアームを備え、
    前記第1及び第2のリンクアームが形成するリンク機構の動作に基づき前記ドアが開閉動作するとともに、
    前記第1及び第2のリンクアームの少なくとも何れかを可変リンクとして該可変リンクに設けられることにより前記第1及び第2の回動連結点間の連結長を変更可能とする連結長可変機構と、
    前記連結長可変機構を駆動することにより前記ドアの開閉動作位置に応じた前記連結長を前記可変リンクに付与する該可変リンクに設けられた可変駆動機構と、
    を備える車両用ドア装置。
  2. 請求項1に記載の車両用ドア装置において、
    前記可変駆動機構は、
    前記ドアの開閉動作に基づいた前記連結長可変機構の駆動力を発生する駆動力発生部と、
    前記駆動力を前記連結長可変機構に伝達することにより前記開閉動作位置に応じた前記連結長を生じさせる駆動伝達部と、を備えること、を特徴とする車両用ドア装置。
  3. 請求項2に記載の車両用ドア装置において、
    前記駆動力発生部は、
    前記第1の回動連結点を形成する車体側連結軸周りに回転不能に設けられた固定ギヤと、
    前記固定ギヤに噛合する状態で前記可変リンクに設けられた支軸周りに回転自在に設けられることにより前記可変リンクとともに前記車体側連結軸周りに回動する駆動ギヤと、
    を備えること、を特徴とする車両用ドア装置。
  4. 請求項3に記載の車両用ドア装置において、
    前記固定ギヤは、ギヤ歯を有しない無歯部を有するとともに、
    前記駆動ギヤは、該駆動ギヤの回転に基づき前記固定ギヤに対する噛合位置が前記無歯部に移行することにより該無歯部を構成する前記固定ギヤの周面に係合する係合突部を備え、
    前記駆動力発生部は、前記係合突部の係合力に基づき前記駆動ギヤの回転を規制するとともに、前記係合突部が前記固定ギヤの周面を摺動することにより、前記車体側連結軸周りに前記可変リンクの回動を許容するように構成されること、
    を特徴とする車両用ドア装置。
  5. 請求項4に記載の車両用ドア装置において、
    前記連結長可変機構は、前記第1の回動連結点を有した車体側リンクと前記第2の回動連結点を有したドア側リンクとを回動可能に連結してなる関節リンク機構であって、
    前記駆動伝達部は、
    前記車体側リンクに対する前記ドア側リンクの連結軸周りに前記ドア側リンクと一体に回動する従動ギヤと、
    前記車体側リンクに設けられた前記駆動ギヤに噛合する第1のラック歯及び前記従動ギヤに噛合する第2のラック歯を有して前記車体側リンクの延伸方向に沿って相対移動可能に設けられたラック部材と、を備えること、を特徴とする車両用ドア装置。
  6. 請求項1~請求項5の何れか一項に記載の車両用ドア装置において、
    前記車両のドア開口部を開閉する前記ドアの閉側端部に設けられたドア側係合部と、
    前記ドアの開閉動作に基づいて該ドアの前記閉側端部が接離する前記ドア開口部の閉側端部に設けられた車体側係合部と、を備えるとともに、
    前記ドア側係合部及び前記車体側係合部の一方側は、ガイド係合部を備え、
    前記ドア側係合部及び前記車体側係合部の他方側は、互いに対向する一対の側壁部を有して前記ドアの開閉動作方向に延在するガイド溝を備えてなり、
    前記ドア側係合部と前記車体側係合部とが係合する前記ドアの全閉位置近傍においては、前記ガイド溝内に前記ガイド係合部が配置されるものであって、
    前記可変駆動機構は、前記ドア側係合部と前記車体側係合部とが係合した状態となる前記開閉動作位置においては、前記ドアの開閉動作に同期して前記連結長を変更することにより、前記ガイド溝の延在方向に沿った前記ガイド係合部の相対変位を許容するとともに、
    前記ドア側係合部と前記車体側係合部との係合が解除された状態となる前記開閉動作位置においては、前記連結長を一定に保持するように構成されること、
    を特徴とする車両用ドア装置。
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