JP2024046196A - 溝加工機および溝加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】加工ツールを用いた切削加工により溝加工を行う際に、加工速度の低下または加工ツールの損耗を低減することができる溝加工機および溝加工方法を提供する。【解決手段】溝加工機は、ワークの溶接部の裏側に溝を形成するための溝加工を行う。溝加工機は、ワークに対して切削加工を行う加工ツールと、ワークの溶接線方向に移動する台車と、加工ツールを台車に保持する保持器と、を備え、加工ツールは、回転軸回りに回転する回転刃を含み、切削加工時において回転刃が回転軸回りに回転しながら回転軸に平行な周回軸回りに周回移動し、保持器は、加工ツールを、台車の進行方向を基準として回転刃の回転軸方向先端が回転軸方向基端より後方に位置するように回転軸が傾斜した状態で保持する。【選択図】図1

Description

本開示は、溶接に関する溝加工を行う溝加工機および溝加工方法に関する。
溶接作業には、実際に溶接を行う工程だけでなく、V形やX形の開先部を表面側から溶接した後、ワークの裏面に溝を形成する溝加工工程が含まれる。このような溝加工工程で用いられる技術としては、例えばエアーガウジングまたはプラズマガウジング等のアーク放電を利用した加工方法が知られている。
例えば、下記特許文献1には、プラズマガウジングのトーチに転動輪を備えた案内治具が装着された構成が開示されている。
実開平5-39762号公報
しかし、アーク放電を利用した加工方法では溝加工後に、当該溝にアークによる酸化被膜が形成される。また、アーク放電を利用した加工方法では形状精度が高くない。そのため、溝加工後に、グラインダを用いて手作業で酸化被膜の除去および形状修正を行う必要がある。溝加工の方法として、加工ツールを用いた切削加工による方法も考えられる。切削加工であれば酸化被膜は形成されないし、形状精度も高くすることができる。しかし、切削加工の場合はワークを切削する際の反力により、加工速度が遅くなる、または、加工ツールが損耗する恐れがある。特に、ワークがステンレス等の難削材である場合、この問題は顕著になる。
そこで、本開示は、加工ツールを用いた切削加工により溝加工を行う際に、加工速度の低下または加工ツールの損耗を低減することができる溝加工機および溝加工方法を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る溝加工機は、ワークの溶接部の裏側に溝を形成するための溝加工を行う溝加工機であって、前記ワークに対して切削加工を行う加工ツールと、前記ワークの溶接線方向に移動する台車と、前記加工ツールを前記台車に保持する保持器と、を備え、前記加工ツールは、回転軸回りに回転する回転刃を含み、前記切削加工時において前記回転刃が前記回転軸回りに回転しながら前記回転軸に平行な周回軸回りに周回移動し、前記保持器は、前記加工ツールを、前記台車の進行方向を基準として前記回転刃の前記回転軸方向先端が回転軸方向基端より後方に位置するように前記回転軸が傾斜した状態で保持する。
本開示の他の態様に係る溝加工方法は、ワークの溶接部の裏側に溝を形成するための溝加工を行う溝加工方法であって、回転軸回りに回転する回転刃を含み、前記回転刃が前記回転軸回りに自転しながら前記回転軸に平行な周回軸回りに周回移動する加工ツールを用いて、溶接線の延伸方向に移動しながら前記ワークに対して切削加工を行い、前記切削加工を行う際、前記加工ツールを、前記溶接線の延伸方向を基準として前記回転刃の前記回転軸方向先端が回転軸方向基端より移動方向に対して後方に位置するように前記回転軸が傾斜した状態で保持する。
本開示によれば、加工ツールを用いた切削加工により溝加工を行う際に、加工速度の低下または加工ツールの損耗を低減することができる。
図1は、本開示の一実施の形態に係る溝加工機の概略構成を示す正面図である。 図2は、図1に示す溝加工機の側面図である。 図3は、図1に示す保持器のガイド構造を模式的に示した図である。 図4は、一般的な溝加工における通常切削およびトロコイド切削を模式的に対比した図である。 図5は、本実施の形態における溝加工機により切削された後の溝の断面形状を示す拡大図である。
以下、本開示の一実施の形態に係る溝加工機について説明する。
図1は、本開示の一実施の形態に係る溝加工機の概略構成を示す正面図である。溝加工機1は、ワークWの溶接部Bの裏側に溝Grを形成するための溝加工を行う作業機械である。図1においては、溶接対象であるワークWを水平に設置した状態で、当該ワークWの表面に溝加工機1が設置された状態を示す。したがって、以下の説明において、ワークWの表面に遠い方が溝加工機1における上方となり、近い方が下方となる。また、ワークWの表面は、溝加工機1が当接する面を意味し、ワークWの溶接部B、すなわち、溶接ビードが形成された第1面とは反対側の第2面を意味する。
本実施の形態において、溝加工機1は、加工機本体2と、台車3と、を備えている。台車3は、台車本体4と、台車本体4に支持される車輪5と、を備えている。台車本体4は、加工機本体2を固定する固定面6を含んでいる。台車本体4は、直方体形状の筐体7を含む。筐体7の上面が固定面6となる。車輪5は、ワークWの表面に接する。
台車3は、台車本体4をワークWの表面上において移動させるためのモータ8を備えている。モータ8は、筐体7内に設置される。モータ8への電力供給は、外部から電力ケーブル40を介して行われる。これに代えて、台車3にバッテリが搭載されてもよい。
本実施の形態において、ワークWの表面には、溶接線に沿ってレールRが固定される。レールRの固定方法は特に限定されない。例えば、レールRは、ワークWに、溶接により固定されてもよいし、磁石により固定されてもよいし、真空パッドにより固定されてもよい。レールRは、断面が円形のレールである。例えば、レールRは、パイプレールである。台車本体4は、レールRを保持するレール保持器9を含む。筐体7は、下面すなわち固定面6とは反対側の面にレールRが挿通される凹部10を有する。凹部10は、円弧状の断面を有する。レール保持器9は、凹部10の周囲に配設される。
レール保持器9は、レールRを両側から挟持するような一対のローラを含む。一対のローラは、モータ8により駆動される駆動側ローラ11と、駆動側ローラ11に対向配置される従動側ローラ12と、を含む。台車本体4は、モータ8の駆動力を駆動側ローラ11に伝えて駆動側ローラ11を回転させるリンク13を有している。リンク13は、例えばギヤボックス等を含む。なお、レール保持器9の構成は、これに限られない。例えば、レール保持器9は、一対のローラに加えて補助ローラを備えてもよい。
上記のように、本実施の形態においては、一対のローラ11,12でレールRを挟持した状態で駆動側ローラ11がモータ8の駆動力により回転することにより、台車3がレールRに沿って移動する。これにより、台車3は、ワークWの溶接線方向に移動する。この際、車輪5がワークWに接しながら回転する。台車3がレール保持器9によってレールRに保持されるため、ワークWの表面が上を向く場合だけでなく、横を向く場合および下を向く場合等であっても、台車3をレールRに沿って移動させ、台車3に搭載された加工機本体2によるワークWへの切削加工を行うことができる。また、ワークWの表面は平面だけでなく曲面を有していてもよい。
台車本体4の固定面6の一部には、台車制御器51が搭載されたケース52が固定されている。台車3は、ケース52の上面に配置され、台車3を操作するための操作盤53を有している。台車制御器51は、モータ8を制御する。
図2は、図1に示す溝加工機の側面図である。加工機本体2は、ワークWに対して切削加工を行う加工ツール21と、加工ツール21を台車3に保持する保持器22と、を備えている。加工ツール21は、回転軸S1回りに回転する回転刃23を含んでいる。回転刃23は、スピンドル24に固定される。スピンドル24は、先端に回転刃23が固定される第1回転体25と、第1回転体25を回転軸S1回りに回転可能に支持するハウジング26と、第1回転体25を回転させる第1モータ27と、を有する。第1モータ27は、ハウジング26内に固定される。
さらに、加工ツール21は、スピンドル24に接続され、回転軸S1に平行な周回軸S2回りに回転する第2回転体28と、第2回転体28を回転させる第2モータ29と、を含む。第2回転体28は、回転軸S1が周回軸S2から偏心した位置に位置するようにスピンドル24に接続される。第2モータ29の駆動力によって第2回転体28が周回軸S2回りに回転すると、スピンドル24は、周回軸S2回りに周回移動する。したがって、スピンドル24に保持された第1回転体25および回転刃23も周回軸S2回りに周回移動する。このように、加工ツール21は、切削加工時において回転刃23が回転軸S1回りに回転しながら回転軸S1に平行な周回軸S2回りに周回移動するトロコイド切削器として構成される。
加工機本体2は、固定面6に、着脱可能に固定される。固定面6は、固定穴6aを有する。加工機本体2は、固定穴6aに挿通される固定ねじ54により固定面6に固定される。固定ねじ54を緩めることにより、加工機本体2は、台車本体4の固定面6から取り外すことができる。これにより、保持器22は、台車3に対して着脱可能である。
固定面6には、加工機本体2に代えて、他の作業機械を固定可能である。これにより、溝加工機1として構成される加工機本体2を含む複数の作業機械において、台車3を共通化することができる。他の作業機械は、例えば、溶接トーチを移動させながら溶接を行う溶接機、溶接または加工前後の検査を行う検査機、溝加工以外の加工を行う加工機等を含み得る。例えば、溝加工機1において溝Grの切削加工を行った後、加工機本体2を固定面6から取り外し、固定面6に検査機を固定して台車3をレールRに沿って移動させることにより、溝加工機1により形成された溝Grの検査を行ってもよい。加工機本体2から検査機への取り換えは、台車3がレールRを保持した状態で行うことができる。
加工機本体2は、加工ツール21を駆動するためのドライバ41を備えている。ドライバ41は、電源から供給される電力を所定の電圧または電流に変換して第1モータ27および第2モータ29に出力する。電源は、加工機本体2に搭載されたバッテリであってもよいし、外部電源から電力ケーブルを介して加工機本体2に電力が供給されてもよい。また、台車3の電源と加工機本体2の電源とが共通化されてもよい。ドライバ41は、インバータ等を含む処理回路を備えている。さらに、加工機本体2は、操作盤42を備えている。ドライバ41は、操作盤42の操作に基づいて、加工ツール21を駆動する。
保持器22は、加工ツール21を、台車3の進行方向Fを基準として回転刃23の回転軸方向先端が回転軸方向基端より後方に位置するように回転軸S1が傾斜した状態で保持する。回転軸S1の傾斜角θは、ワークWに垂直な仮想の鉛直軸線S3に対して進行方向F側に前傾する角度として定義されるリード角(θ>0)で表される。
保持器22は、加工ツール21の第2回転体28を周回軸S2回りに回転可能に支持するケーシング30を含む。加工機本体2は、ベース31と、ベース31に支持される車輪38と、を備えている。保持器22のケーシング30は、ベース31に対して傾斜した状態でベース31に保持される。このように、本実施の形態においては、保持器22がベース31に対して傾斜した状態で固定されることにより、ケーシング30に支持される加工ツール21に固定される回転刃23の回転軸S1が仮想の鉛直軸線S3に対して傾斜する。
保持器22は、ケーシング30内にスピンドル24の周回移動をガイドする第1ガイド32および第2ガイド33を含む。図3は、図1に示す保持器のガイド構造を模式的に示した図である。第1ガイド32は、回転軸S1に垂直な平面内の第1方向Xにおけるスピンドル24の移動をガイドする。第2ガイド33は、回転軸S1に垂直は平面内において第1方向Xに直交する第2方向Yにおける第1ガイド32の移動をガイドする。第1ガイド32および第2ガイド33は、例えばスライドレール等を含む。
第1ガイド32は、第2ガイド33によりケーシング30に対して第2方向Yに摺動する。スピンドル24は、第1ガイド32に対して第1方向Xに摺動する。これにより、スピンドル24における回転軸S1に垂直な平面内の移動、すなわち、周回軸S2回りの周回移動をガイドすることができる。これにより、加工ツール21における加工精度を向上させることができる。
加工機本体2は、加工ツール21の先端のワークWに対する高さを調節可能な高さ調節器34を備えている。高さ調節器34は、車輪38の加工機本体2に対する高さ方向Hの位置を調節可能に構成される。同様に、台車3は、車輪5の台車本体4に対する高さ方向Hの位置を調節可能な高さ調節器35を備えている。これに代えて、高さ調節器34は、加工機本体2に対する保持器22の高さ方向の固定位置を変更可能に構成されてもよい。高さ調節器34により、加工ツール21の先端の高さ位置を、ワークWに形成する溝Grの深さに応じて適切な高さ位置にすることができる。
さらに、加工機本体2は、台車3に対する加工ツール21の先端における台車3の幅方向Lの位置を調整可能な溝位置調節器36を備えている。溝位置調節器36は、加工機本体2に対して保持器22を幅方向Lに移動させる。例えば、溝位置調節器36は、リニアステージ等を含む。これにより、レールRを保持する台車3に対する加工ツール21の先端の幅方向Lの位置調節を実際のワークWの溶接線の位置に合わせることができる。
さらに、加工機本体2は、回転軸S1の傾斜角θを調節可能な傾斜角調節器37を備えている。これにより、ワークWに形成する溝Grの深さ、ワークWの材質等に応じて適切な傾斜角θとすることができる。
ここで、加工ツール21をトロコイド切削器とすることの利点について説明する。図4は、一般的な溝加工における通常切削およびトロコイド切削を模式的に対比した図である。通常切削においては、回転軸S0が溝Grの延伸方向すなわち加工ツールの送り方向Uに直線的に移動し、回転刃T2の径R2が溝Grの幅Pとなる。トロコイド切削においては、周回軸S2が加工ツールの送り方向Uに直線的に移動し、回転軸S1が周回軸S2回りに周回する。これにより、回転刃T1は回転軸S1回りに回転しながら周回軸S2回りに周回する。回転刃T1の周回による最大径が溝Grの幅Pとなる。なお、図4の例において、何れの切削においても、回転軸S0,S1は送り方向Uに対して直交配置される。
回転刃T1,T2は、同じ刃数、図4の例では4枚刃とする。各切削により形成する溝Grの幅Pが互いに同じ幅である場合、トロコイド切削における回転刃T1の径R1は、通常切削における回転刃T2の径R2より小さくなる。このため、トロコイド切削における回転刃T1の1つの刃あたりのワークへの切込量Q1は、通常切削における切込量Q2に比べて小さくなる。このため、トロコイド切削において回転刃T1が受ける反力は、通常切削において回転刃T2が受ける反力より低くなる。これにより、トロコイド切削における加工ツールの送り速度すなわち周回軸S2の送り速度V1は、通常切削における加工ツールの送り速度すなわち回転軸S0の送り速度V2より速くすることができる。また、トロコイド切削においては通常切削の場合に比べて回転刃T1に被削材が溶着することが抑制される。したがって、切削を継続することによる切削力の悪化や反力の上昇を防止することができる。
さらに、通常切削において回転刃T2の回転軸S0における移動軌跡が直線移動成分のみであるのに対して、トロコイド切削においては、回転刃T1の回転軸S1における移動軌跡が、直線移動成分に加えて円運動成分を含む。そのため、トロコイド切削における移動軌跡の距離、すなわち、加工長さは、通常切削の場合に比べて長くなる。しかし、トロコイド切削においては、円運動成分により、ワークを切削しない、すなわち、ワークに接触しない区間が生じる。このため、回転刃T2がワークに接触し続ける通常切削に比べて、トロコイド切削は、切削加工時に生じる熱による摩耗が抑制される。このように、トロコイド切削は、通常切削に比べて切削時の反力が小さく、かつ、ワークとの連続的な接触による回転刃T1への熱影響が小さい。したがって、トロコイド切削における回転刃T1の寿命は、通常切削の回転刃T2に比べて長くなる。
以上のように、トロコイド切削は、通常切削に比べて低反力で切削できる利点を有する。しかし、トロコイド切削に用いられる回転刃は、エンドミルである。エンドミルは、図4の例のように、通常送り方向Uに対して周回軸S2および回転軸S1が直交する方向に配置される。このような配置で切削した場合、形成される底面は平面となる。一方、溶接工程において溶接材とワークWとを溶融させ易くするために、溝加工機1により形成される溝Grの底面は曲面を有する必要がある。
そこで、本実施の形態における溝加工機1においては、図2に示すように、回転軸S1が傾斜した状態で加工ツール21が保持器22により保持される。上述したように、エンドミルは、回転軸方向に切削することが想定されていないため、回転刃の先端における中心部の耐摩耗性は高くない。そのため、回転軸S1の傾斜方向が、台車3の進行方向Fを基準として回転刃23の回転軸S1方向先端が回転軸S1方向基端より後方に位置するように、設定される。すなわち、溶接線の延伸方向に移動しながら加工ツール21による切削加工を行う際、加工ツール21が、溶接線の延伸方向を基準として回転刃23の回転軸S1方向先端が回転軸S1方向基端より移動方向に対して後方に位置するように回転軸S1が傾斜した状態で保持される。
これにより、回転刃23の先端における中心部、すなわち周速が0となる部分でワークWを切削することが防止される。したがって、加工ツール21を用いた切削加工により溝加工を行う際に、加工ツール21の損耗を防止することができ、加工ツール21の寿命を長くすることができる。また、従来のプラズマガウジング等に比べて加工速度が低下することを防止することができる。これにより、ワークWがステンレス等の難削材に対しても、切削加工による溝加工を容易に実現することができる。
また、回転刃23による切削加工であるため、アーク放電を利用した加工方法のように、酸化被膜が形成されることがなく、形状精度も高くすることができる。さらに、アーク放電を利用した加工方法に比べて切削加工時に発生する熱量が少ないため、ワークWへの熱影響を低減させることができる。このため、溶接機でワークWの表面を溶接しながら、同時並行的に、本実施の形態における溝加工機1を用いて、ワークWの裏面における溝加工を行うこともできる。
図5は、本実施の形態における溝加工機により切削された後の溝の断面形状を示す拡大図である。図5に示すように、溝加工機1により形成される溝Grの形状は、ワークWの表面から溝Grの底に向かうほど幅が狭くなり、溝Grの底面が曲面となるような形状であることが望ましい。このような溝Grの形状とすることにより、溝Grの形成後に当該溝Grに対して溶接作業を実施する際にワークW同士を溶着し易くし、適切な溶接ビードを形成することができる。
溝加工機1において、形成される溝Grの形状は、回転刃23の周回半径と回転刃23の形状と回転刃23の傾斜角θとにより定められる。そのため、本実施の形態において、回転刃23は、回転軸S1方向において先端に向かうほど外径が小さくなるテーパ形状を有し、かつ、回転軸S1先端に曲面を有する。このような形状を有する回転刃23を用いることにより、ワークWにおける溝Grの形状を適切な形状に容易に切削することができる。例えば、回転刃23は、テーパボールエンドミルである。このような回転刃23により、溶接ビードが形成されたワークWの裏面においてワークWおよび溶接ビードの一部が切削される。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
例えば、上記実施の形態では、レールRを台車3が保持する態様を例示したが、台車3はレールRを保持しなくてもよい。例えば、台車3が自走式の車両として構成されてもよい。また、台車3がレールRを保持する場合、レールRの断面形状は、円形に限られない。また、例えば、鉄道のレールのように、左右一対のレール上に台車3が支持されるようにしてもよい。
また、台車3はなくてもよい。例えば、基台に接続され、複数の関節を有するアームを備えたロボットにおいて、アームの先端に保持器22が保持されてもよい。この場合、ロボットを制御するロボットコントローラは、保持器22が、加工ツール21を、溝加工の進行方向を基準として回転刃23の回転軸S1方向先端が回転軸S1方向基端より後方に位置するように回転軸S1が傾斜した状態で保持するように、アームを制御する。
また、上記実施の形態では、台車3は、台車制御器51により制御され、加工ツール21は、ドライバ41により駆動される態様について例示したが、これに限られない。例えば、台車制御器51とドライバ41とが通信可能に接続されてもよい。さらに、ドライバ41は、台車制御器51から送られる指令信号に基づいて加工ツール21の駆動を制御してもよい。例えば、台車3の走行位置に基づいて加工ツール21の駆動のオンまたはオフが切り替えられてもよい。
また、上記実施の形態では、台車3の操作盤53が台車3に備えられ、加工機本体2の操作盤42が加工機本体2に備えられる例を示したが、これに限られない。例えば、台車3または加工機本体2が、台車3および加工ツール21を操作する共通の操作盤を備えていてもよい。また、台車3または加工機本体2、台車3または加工機本体2を遠隔操作するための遠隔操作端末を溝加工機1の本体とは別に有していてもよい。遠隔操作端末は、溝加工機1の本体に有線または無線により接続される。無線により接続される場合には、遠隔操作端末は、インターネット等のネットワークを介して通信可能なスマートフォン等の通信端末でもよい。
また、上記実施の形態では、保持器22が台車3に対して着脱可能である例を示したが、溝加工機1は、保持器22を台車3に対して着脱可能に構成されていなくてもよい。
また、上記実施の形態では、溝加工機1が、高さ調節器34、溝位置調節器36および傾斜角調節器37の何れも備える例を示したが、これらはそれぞれなくてもよい。すなわち、加工ツール21の高さ、幅方向位置または傾斜角は、固定でもよい。また、高さ調節器34、溝位置調節器36および傾斜角調節器37は、それぞれ、ねじやばね等を含む手動調節器を備えた手動調節可能な構成であってもよいし、油圧等で動作する自動調節可能な構成であってもよい。
例えば、溝加工機1は、自動調節可能な高さ調節器34および当該高さ調節器34に信号出力する加工機制御器を備えてもよい。さらに、溝加工機1は、ワークWの表面と加工ツール21の先端との距離を検出する高さ検出器を備えてもよい。加工機制御器は、高さ検出器が検出する距離が所定の値になるように高さ調節器34に高さ指令値信号を出力してもよい。所定の値は、操作盤42から設定入力可能としてもよい。
[本開示のまとめ]
[項目1]
本開示の一態様に係る溝加工機は、ワークの溶接部の裏側に溝を形成するための溝加工を行う溝加工機であって、前記ワークに対して切削加工を行う加工ツールと、前記ワークの溶接線方向に移動する台車と、前記加工ツールを前記台車に保持する保持器と、を備え、前記加工ツールは、回転軸回りに回転する回転刃を含み、前記切削加工時において前記回転刃が前記回転軸回りに回転しながら前記回転軸に平行な周回軸回りに周回移動し、前記保持器は、前記加工ツールを、前記台車の進行方向を基準として前記回転刃の前記回転軸方向先端が回転軸方向基端より後方に位置するように前記回転軸が傾斜した状態で保持する。
上記構成によれば、回転刃が回転軸回りに回転しながら回転軸に平行な周回軸回りに周回移動することによりワークが切削加工されるため、低反力でワークを加工することができる。また、当該切削加工が、台車の移動方向に対して回転刃の回転軸方向先端が回転軸方向基端より後方に位置するように傾斜した状態で行われるため、回転刃の先端での切削が回避され、回転刃の損耗を抑えつつ溶接のための溝形状に適切な形状にワークを切削することができる。したがって、加工ツールを用いた切削加工により溝加工を行う際に、加工速度の低下または加工ツールの損耗を低減することができる。
また、回転刃による切削加工であるため、アーク放電を利用した加工方法のように、酸化被膜が形成されることがなく、形状精度も高くすることができる。さらに、アーク放電を利用した加工方法に比べて切削加工時に発生する熱量が少ないため、ワークへの熱影響を低減させることができる。このため、ワークの表面を溶接しながら、同時並行的にワークの裏面における溝加工を行うこともできる。
[項目2]
項目1の溝加工機において、前記回転刃は、回転軸方向において先端に向かうほど外径が小さくなるテーパ形状を有し、かつ、回転軸先端に曲面を有してもよい。
上記構成によれば、回転刃がテーパ形状を有することによりワークの側面形状を溶接に適切な形状に容易に整形することができる。また、回転刃における回転軸の先端に曲面を有するため、ワークの底面形状を溶接に適切な形状に容易に整形することができる。
[項目3]
項目1または2の溝加工機において、前記加工ツールは、前記回転刃と、先端に前記回転刃が固定される第1回転体および前記第1回転体を前記回転軸回りに回転可能に支持するハウジングを有するスピンドルと、前記回転軸が前記周回軸から偏心した位置に位置するように前記スピンドルに接続され、前記周回軸回りに回転する第2回転体と、を含み、前記保持器は、前記回転軸に垂直な平面内の第1方向における前記スピンドルの移動をガイドする第1ガイドと、前記平面内において前記第1方向に直交する第2方向における前記第1ガイドの移動をガイドする第2ガイドと、を含んでもよい。
これにより、スピンドルにおける回転軸に垂直な平面内の移動、すなわち、周回軸回りの周回移動をガイドすることができる。これにより、加工ツールにおける加工精度を向上させることができる。
[項目4]
項目1から3の何れかの溝加工機は、前記加工ツールの先端の前記ワークに対する高さを調節可能な高さ調節器を備えてもよい。
これにより、加工ツールの先端の高さ位置を、ワークに形成する溝の深さに応じて適切な高さ位置にすることができる。
[項目5]
項目1から4の何れかの溝加工機は、前記台車に対する前記加工ツールの先端における前記台車の幅方向の位置を調節可能な溝位置調節器を備えてもよい。
これにより、台車に対する加工ツールの先端の幅方向の位置調節を実際のワークの溶接線の位置に容易に合わせることができる。
[項目6]
項目1から5の何れかの溝加工機は、前記回転軸の傾斜角を調節可能な傾斜角調節器を備えてもよい。
これにより、ワークに形成する溝の深さ、ワークの材質等に応じて適切な傾斜角とすることができる。
[項目7]
項目1から6の何れかの溝加工機において、前記保持器は、前記台車に対して着脱可能であってもよい。
これにより、溝加工を行う溝加工機と、溶接機等の他の作業機械とで台車を共通化することができる。
[項目8]
本開示の他の態様に係る溝加工方法は、ワークの溶接部の裏側に溝を形成するための溝加工を行う溝加工方法であって、回転軸回りに回転する回転刃を含み、前記回転刃が前記回転軸回りに自転しながら前記回転軸に平行な周回軸回りに周回移動する加工ツールとして用いて、溶接線の延伸方向に移動しながら前記ワークに対して切削加工を行い、前記切削加工を行う際、前記加工ツールを、前記溶接線の延伸方向を基準として前記回転刃の前記回転軸方向先端が回転軸方向基端より移動方向に対して後方に位置するように前記回転軸が傾斜した状態で保持する。
1 溝加工機
3 台車
21 加工ツール
22 保持器
23 回転刃
24 スピンドル
25 第1回転体
26 ハウジング
28 第2回転体
32 第1ガイド
33 第2ガイド
34 高さ調節器
36 溝位置調節器
37 傾斜角調節器
F 進行方向
Gr 溝
S1 回転軸
S2 周回軸
W ワーク

Claims (8)

  1. ワークの溶接部の裏側に溝を形成するための溝加工を行う溝加工機であって、
    前記ワークに対して切削加工を行う加工ツールと、
    前記ワークの溶接線方向に移動する台車と、
    前記加工ツールを前記台車に保持する保持器と、を備え、
    前記加工ツールは、回転軸回りに回転する回転刃を含み、前記切削加工時において前記回転刃が前記回転軸回りに回転しながら前記回転軸に平行な周回軸回りに周回移動し、
    前記保持器は、前記加工ツールを、前記台車の進行方向を基準として前記回転刃の前記回転軸方向先端が回転軸方向基端より後方に位置するように前記回転軸が傾斜した状態で保持する、溝加工機。
  2. 前記回転刃は、回転軸方向において先端に向かうほど外径が小さくなるテーパ形状を有し、かつ、回転軸先端に曲面を有する、請求項1に記載の溝加工機。
  3. 前記加工ツールは、
    前記回転刃と、
    先端に前記回転刃が固定される第1回転体および前記第1回転体を前記回転軸回りに回転可能に支持するハウジングを有するスピンドルと、
    前記回転軸が前記周回軸から偏心した位置に位置するように前記スピンドルに接続され、前記周回軸回りに回転する第2回転体と、を含み、
    前記保持器は、
    前記回転軸に垂直な平面内の第1方向における前記スピンドルの移動をガイドする第1ガイドと、
    前記平面内において前記第1方向に直交する第2方向における前記第1ガイドの移動をガイドする第2ガイドと、を含む、請求項1または2に記載の溝加工機。
  4. 前記加工ツールの先端の前記ワークに対する高さを調節可能な高さ調節器を備えた、請求項1または2に記載の溝加工機。
  5. 前記台車に対する前記加工ツールの先端における前記台車の幅方向の位置を調節可能な溝位置調節器を備えた、請求項1または2に記載の溝加工機。
  6. 前記回転軸の傾斜角を調節可能な傾斜角調節器を備えた、請求項1または2に記載の溝加工機。
  7. 前記保持器は、前記台車に対して着脱可能である、請求項1または2に記載の溝加工機。
  8. ワークの溶接部の裏側に溝を形成するための溝加工を行う溝加工方法であって、
    回転軸回りに回転する回転刃を含み、前記回転刃が前記回転軸回りに自転しながら前記回転軸に平行な周回軸回りに周回移動する加工ツールを用いて、溶接線の延伸方向に移動しながら前記ワークに対して切削加工を行い、
    前記切削加工を行う際、前記加工ツールを、前記溶接線の延伸方向を基準として前記回転刃の前記回転軸方向先端が回転軸方向基端より移動方向に対して後方に位置するように前記回転軸が傾斜した状態で保持する、溝加工方法。
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