JP2024045830A - レーザマーカ - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザマーキングを効率よくかつ均一に行うことができる技術を提供する。【解決手段】レーザマーカ1は、レーザ光源11と、照明光学系21と、空間光変調器22と、投影光学系23と、投影光学系23と、走査部13とを備える。レーザ光源11は、レーザ光L31を出射する。照明光学系21は、レーザ光L31を線状の平行ビームL32に整形する。空間光変調器22は、長軸方向に並ぶ複数の変調要素224を有し、複数の変調要素224によって平行ビームL32を線状の変調ビームL33に変調する。投影光学系23は、変調ビームL33を対象物9に導く。走査部13は、変調ビームL33で対象物9の表面を走査する。【選択図】図1

Description

本明細書で開示される主題は、レーザマーカに関する。
レーザマーキングの一手法として、ステンレスやチタン金属に対し、パルスレーザを用いたカラーのレーザマーキングが知られている。このレーザマーキングはナノ秒パルスレーザを用いて、レーザ照射エネルギー量を制御することによって、酸化膜の膜厚を変え、任意の干渉色を発色させる技術である。また、フェムト秒レーザを用いて銅やチタンと言った金属に照射することで酸化膜だけではなくマイクロメートルオーダーの構造、ナノメートルオーダーの微粒子や微細構造を形成することで着色する技術も知られている。これは微細構造により光の波長に依存した散乱または吸収が起こることで、金属表面の反射率が変化し、これにより所定の色が見えるようになる。
このようなレーザマーキングの技術は、例えば特許文献1に記載されている。特許文献1では、物品の金属表面にスポット状(点状)に照射されるシングルビームで走査することにより、物品の金属表面にマークが形成される。
特表2019-521855号公報
しかしながら、従来技術のようなシングルビームの走査は、広範囲を描画する場合には時間がかかってしまい、生産性が低いという問題があった。また、シングルビームは、一般的に、中央のエネルギーが高く、周辺に進むにつれてエネルギーが弱まるガウシアンビームが用いられるが、このようなガウシアンビームで金属を加工すると、ビームの中心と周辺とで加工の程度に差が生じるため、均一な加工が難しい。均一加工のために、シングルビームの周辺部分が重なるように、走査を行うことも考えられるが、この場合には、重ね描きを行う分、走査効率が低下してしまうという問題があった。
本発明の目的は、レーザマーキングを効率よくかつ均一に行うことができる技術を提供することにある。
上記課題を解決するため、第1態様は、金属表面を有する対象物にレーザ光を照射してマークを形成するレーザマーカであって、レーザ光を出射するレーザ光源と、レーザ光を線状の平行ビームに整形する照明光学系と、長軸方向に並ぶ複数の変調要素を有し、前記複数の変調要素によって前記平行ビームを線状の変調ビームに変調する空間光変調器と、前記変調ビームを前記対象物に導く投影光学系と、前記変調ビームで前記対象物の表面を走査する走査部とを備える。
第2態様は、第1態様のレーザマーカであって、前記空間光変調器は、PLV(Planar Light Valve)を有する。
第3態様は、第1態様または第2態様のレーザマーカであって、前記複数の変調要素は、多値の光量制御がそれぞれ可能である。
第4態様は、第3態様のレーザマーカであって、前記走査部は、先に走査される第1領域に隣接した第2領域を走査する際に、前記変調ビームの端部を、前記第1領域の端部に重ねて走査する。
第5態様は、第4態様のレーザマーカであって、前記第1領域の走査と前記第2領域の走査によって前記第1領域の端部に照射されるレーザ光の総エネルギー量は、第1領域の端部と隣接する領域に照射される光の総エネルギー量と一致する。
第6態様は、第5態様のレーザマーカであって、前記第1領域の端部の幅は、前記複数の変調要素のうち少なくとも1つ分に対応する幅である。
第7態様は、第1態様から第6態様のいずれか1つのレーザマーカであって、前記投影光学系は、前記変調ビームを縮小する縮小光学系である。
第1態様から第6態様のレーザマーカによれば、対象物を線状の変調ビームで走査するため、スポット状のシングルビームで走査する場合よりも、効率よく描画を行うことができる。また、線状の変調ビームで対象物の表面を走査するため、1回の走査で一定幅の領域を描画できる。このため、当該領域内で均一な加工を行うことができる。
第2態様のレーザマーカによれば、PLVを採用することにより、空間光変調器の耐パワー性を高くすることができる。
第3態様のレーザマーカによれば、変調ビーム内において、光量を多段階で変えることができる。これにより、変調ビーム内で複数色のマーキングが可能となる。
第4態様のレーザマーカによれば、第1領域の端部に対して、表面加工に必要なエネルギーの光を照射できる。
第5態様のレーザマーカによれば、第1領域の端部に照射される光の総エネルギー量が、隣接する領域に照射される光の総エネルギー量と一致するため、第1領域の端部において、加工ムラの発生を低減できる。
第6態様のレーザマーカによれば、第1領域の端部の幅を、変調要素の少なくとも1つ分に対応する幅とすることで、変調要素の光量制御により、第1領域の端部に対する光量を適切に調整できる。
第7態様のレーザマーカによれば、空間光変調器に照射されるレーザ光のエネルギー密度を、対象物に照射される際のレーザ光のエネルギー密度よりも小さくすることができる。これにより、空間光変調器の表面が加工されることを抑制できる。
実施形態に係るレーザマーカの構成を示す図である。 空間光変調器が有するLPLVの概略構造を示す図である。 平行ビームおよび変調ビームの光路を示す図である。 平行ビームおよび変調ビームの光路を示す図である。 線状の変調ビームで走査される対象物の表面を示す斜視図である。 隣接する領域を一色で塗りつぶしを行う場合の変調ビームの強度分布を示す図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数が誇張又は簡略化して図示されている場合がある。
図1は、実施形態に係るレーザマーカ1の構成を示す図である。レーザマーカ1は、対象物9の表面にレーザ光を照射して対象物9の表面に酸化膜を形成すること、あるいは、剥離などによる微細構造を形成することなどによって、文字や図形をマーキングする装置である。対象物9の表面は、例えば、ステンレス、銅またはチタンなどの金属で形成される。図1に示されるように、レーザマーカ1は、レーザ光源11と、光学装置12と、走査部13と、保持部14と、制御部15とを備える。
レーザ光源11は、光学装置12へとレーザ光L31を出射する。レーザ光源11は、例えば、ファイバレーザ光源である。レーザ光L31の波長は、例えば1.070μmである。
光学装置12は、レーザ光源11からのレーザ光L31を変調ビームL33に変調し、走査部13へと照射する。光学装置12は、照明光学系21と、空間光変調器22と、投影光学系23とを備える。照明光学系21および投影光学系23はそれぞれ、後述するように、レンズ等の光学素子を複数備える。
照明光学系21は、レーザ光源11からのレーザ光L31を、一の方向(以下、「長軸方向」と呼ぶ。)に長い略線状の平行ビームL32に整形して空間光変調器22へと導く。換言すれば、平行ビームL32の断面形状は、長軸方向に長く、長軸方向に垂直な短軸方向に短い略線状である。平行ビームL32の断面形状とは、平行ビームL32の進行方向に対して垂直な面における平行ビームL32の形状である。以下の説明において、光の断面とは、上記と同様に、当該光の進行方向に対して垂直な面における当該光の断面を意味する。平行ビームL32の断面形状は、略矩形状と捉えることもできる。平行ビームL32の断面の大きさは、平行ビームL32の進行方向のいずれの位置においても同じである。空間光変調器22上における平行ビームL32の照射領域の形状は、例えば、長軸方向の長さが28mm、短軸方向の長さが1mmの略線状(または略矩形状)である。
空間光変調器22は、照明光学系21からの平行ビームL32を、変調ビームL33に変調して投影光学系23へと導く。空間光変調器22は、例えば、PLV(Planar Light Valve)を有する。以下の説明では、空間光変調器22がPLVの一種であるLPLV(Liner Planar Light Valve)を有する場合について説明する。
LPLVは、例えば、GLV(Grating Light Valve)(登録商標)などと比較して、素子の単位面積当たりの耐パワー性は同等であって、有効面積が広い。すなわち、有効面積が広がる分だけ、GLVよりも高いパワーを扱うことができる。
図2は、空間光変調器22が有するLPLVの概略構造を示す図である。空間光変調器22は、複数の略矩形状のピクセル221を備える。複数のピクセル221は、図示省略の基板上に隣接して配置されている。複数のピクセル221は、複数行複数列のマトリクス状に配列されている。すなわち、複数のピクセル221は2次元配列される。空間光変調器22では、当該複数のピクセル221の表面が変調面となる。図2に示される例では、図中の縦方向にM個かつ横方向にN個のピクセル221が配置される。図2中の横方向は、平行ビームL32(図1参照)の長軸方向に対応し、図2中の縦方向は、平行ビームL32の短軸方向に対応する。
各ピクセル221は、変調素子であって、固定部材222と、可動部材223とを備える。固定部材222は、上記基板に固定された平面状の略矩形の部材であり、中央に略円形の開口を有する。可動部材223は、略円形であり、固定部材222の開口に位置する。固定部材222の上面(すなわち、図2中の紙面に垂直な方向における手前側の面)は、固定反射面を有する。可動部材223の上面は、可動反射面を有する。可動部材223は、図2中の紙面に垂直な方向に移動可能である。
固定部材222に対する可動部材223の相対位置が変更されることにより、ピクセル221からの反射光は、0次光(すなわち、正反射光)と非0次回折光との間で切り替えられる。換言すれば、可動部材223が固定部材222に対して相対移動することにより、回折格子を利用した光変調が行われる。空間光変調器22から出射された0次光は、投影光学系23(図1参照)により走査部13へと導かれる。また、空間光変調器22から出射された非0次回折光(主として、1次回折光)は、投影光学系23により走査部13とは異なる方向へと導かれ、遮光される。
投影光学系23では、図2中の縦方向に1列に並ぶM個のピクセル221(以下、「ピクセル列」とも呼ぶ。)からの反射光が積算され、変調ビームL33として走査部13へと照射される。これにより、走査部13から対象物9へと照射される変調ビームL33のパワー密度を増大させることができる。空間光変調器22では、1つのピクセル列のM個のピクセル221(すなわち、M個の変調素子)を、1つの単位空間に対応する1つの変調要素224と捉えることもできる。空間光変調器22は、空間光変調器22上における平行ビームL32の長軸方向に1列に並ぶN個の変調要素224を備える光変調器として機能する。
図1に示される投影光学系23は、空間光変調器22からの変調ビームL33を集光しつつ走査部13へと導く。変調ビームL33は、走査部13を通じて照射面135(対象物9の表面)上に照射される。
走査部13は、光学装置12の投影光学系23で生成された変調ビームL33の変調像を保持部14に保持された対象物9の表面に再投影し、走査する。走査部13は、コリメータレンズ133、ガルバノミラー132、ガルバノモータ(図示省略)およびスキャニングレンズ(fθレンズ)134を備えるガルバノスキャニングシステムであり、上述の照射面135を変調ビームL33の変調像を特定の倍率で投影、走査させることとなる。
走査部13では、変調ビームL33の変調像をコリメートし、ガルバノミラー132に照射する。ガルバノミラー132は通常、2対のミラーとモータが内蔵されており、2軸を走査することができる。ガルバノモータによってガルバノミラー132が回転することにより、コリメートされたビームは反射され進行方向が変更される。スキャニングレンズ134によりコリメートされたビームは回転角に比例した位置に再結像する。その結果、対象物9上に照射された変調ビームL33の変調像は、変調ビームL33の短軸方向に対応する走査方向に走査される。一定距離走査した後、長軸方向に変調像の大きさ分、長軸方向のガルバノミラーを回転させ移動させ、再度、短軸方向に走査する。この動作を繰り返すことで照射面135上を2次元走査することができる。なお、走査部13は、ガルバノスキャナに限定されるものではない。例えば、走査部13は、ポリゴンレーザスキャナであってもよい。
保持部14は、対象物9を保持する。本例では、保持部14は、板状の対象物9を水平姿勢(対象物9の表面の法線が鉛直方向に沿う姿勢)で保持する。
なお、走査部13は、必ずしもガルバノミラー132を備える必要はなく、ポリゴンレーザスキャナ等、他の構造を有するものであってもよい。また、走査部13は、投影光学系23からの変調ビームL33の進行方向を変更するものには限定されず、例えば、ガルバノスキャナシステムを排除して、変調ビームL33の変調像が照射面135に配置、固定された状態で、対象物9を保持する保持部14を水平方向に移動させるリニアモータなどの移動機構であってもよい。
制御部15は、例えば、コンピュータであって、プロセッサと、メモリと、入出力部と、バスとを備える。制御部15は、対象物9に描画すべき画像を示す画像データに基づいて、レーザ光源11、光学装置12(詳細には、空間光変調器22)および走査部13を制御する。これにより、対象物9の表面に、画像データが示す画像が描画される。
次に、光学装置12の詳細な構造について、図3および図4を参照しつつ説明する。図3は、平行ビームL32および変調ビームL33の光路を示す図である。図3では、平行ビームL32および変調ビームL33の短軸方向が、紙面に垂直な方向と一致する。また、図3では、平行ビームL32および変調ビームL33の長軸方向は、図中の上下方向と一致する。図4は、平行ビームL32および変調ビームL33の光路を示す図である。図4では、平行ビームL32および変調ビームL33の長軸方向が、紙面に垂直な方向と一致する。また、図4では、平行ビームL32および変調ビームL33の短軸方向が、図中の上下方向と一致する。
光学装置12の照明光学系21は、コリメートレンズ211と、ビームシェイパ213と、シリンダーレンズ214,215とを備える。コリメートレンズ211、ビームシェイパ213およびシリンダーレンズ214,215は、レーザ光源11から空間光変調器22へと向かう進行方向において、この順番で配列される。コリメートレンズ211は、例えば、シリンドリカルレンズである。なお、図3および図4に示される例では、コリメートレンズ211は1枚であるが、コリメートレンズ211の枚数は2枚以上であってもよい。また、コリメートレンズ211は、平行光を生成できればよく、コリメートレンズ211のレンズ形状は球面であっても、非球面であっても、または、シリンドリカルであってもよい。
ビームシェイパ213は、平行ビームL32の断面における短軸方向および長軸方向の光強度の分布(以下、単に「強度分布」とも呼ぶ。)を、ガウス分布から、最大強度の領域の幅が広い(すなわち、上部が略平坦な)トップハット分布へと変換するトップハットビームシェイパである。
シリンダーレンズ214,215は、ビームシェイパ213を通過することで生成された矩形像を、短軸および長軸のそれぞれの方向に異なる倍率で、後述する空間光変調器22の変調面に結像させる。シリンダーレンズ214は、長軸方向にトップハット分布を拡大するためのシリンダーレンズ214aおよびシリンダーレンズ214bを備える。また、シリンダーレンズ215は、短軸方向にトップハット分布を拡大するためのシリンダーレンズ215aおよびシリンダーレンズ215bを備える。図3および図4に示される例では、レーザ光源11から空間光変調器22へと向かうレーザ光の進行方向において、シリンダーレンズ214a、シリンダーレンズ215a、シリンダーレンズ214bおよびシリンダーレンズ215bは、この順番で配列される。
なお、照明光学系21は、上記以外の光学素子を備えていてもよい。また、照明光学系21は、シリンダーレンズ214,215を備えることは必須ではない。例えば、空間光変調器22の変調面に所望の大きさの矩形像を形成するビームシェイパ213が用いられてもよい。
照明光学系21は、上述のように、レーザ光源11から出射されるレーザ光L31を平行ビームL32に変換して空間光変調器22へと導く。照明光学系21に入射するレーザ光L31の断面における短軸方向および長軸方向の強度分布は、それぞれガウス分布である。実際には、これらの強度分布は、厳密なガウス分布ではなく、ガウス関数に近似した形状の分布である場合もあるが、以下の説明では、厳密なガウス分布、および、ガウス分布に近似した分布をまとめて「ガウス分布」と呼ぶ。
照明光学系21では、レーザ光源11から出射されたレーザ光L31は、コリメートレンズ211を通過することにより、短軸方向および長軸方向において平行光である平行ビームL32となる。平行ビームL32は、ビームシェイパ213およびシリンダーレンズ214,215を通過して空間光変調器22へと導かれる。ビームシェイパ213に入射する前の平行ビームL32の強度分布は、図3および図4の光路図の下側に矩形枠で囲まれて示されるように、長軸方向においてガウス分布であり、短軸方向においてもガウス分布である。
平行ビームL32の短軸方向および長軸方向における強度分布は、ビームシェイパ213を通過することにより、図3および図4の光路図の下側に矩形枠で囲まれて示されるように、ガウス分布からトップハット分布(矩形分布とも呼ばれる。)に変換される。したがって、ビームシェイパ213を通過して空間光変調器22に入射した平行ビームL32の強度分布(すなわち、空間光変調器22の変調面における平行ビームL32の強度分布)は、短軸方向および長軸方向のそれぞれにおいてトップハット分布である。
投影光学系23は、第1レンズ231と、第2レンズ232と、第3レンズ233と、第4レンズ234と、長軸側遮光部235と、短軸側遮光部236とを備える。第1レンズ231および第2レンズ232は、例えば、シリンドリカル凸レンズである。第3レンズ233および第4レンズ234は、例えば、球面凸レンズである。長軸側遮光部235は、例えば、短軸方向に平行に延びる矩形状の開口235aが中央部に設けられた平板部材である。短軸側遮光部236は、例えば、長軸方向に平行に延びる矩形状の開口236aが中央部に設けられた平板部材である。長軸側遮光部235および短軸側遮光部236の材料は、例えば、ステンレス鋼等の金属やセラミックス等である。
第2レンズ232および第3レンズ233は、第1レンズ231よりも変調ビームL33の進行方向(すなわち、空間光変調器22から走査部13へと向かう変調ビームL33が進行する側)に位置する。換言すれば、第2レンズ232および第3レンズ233は、変調ビームL33の光路上において、第1レンズ231よりも走査部13に近い側に位置する。図3および図4に示される例では、変調ビームL33の進行方向において、第3レンズ233は、第2レンズ232よりも下流に位置する。第3レンズ233は、第1レンズ231と第2レンズ232との間に配置されてもよい。変調ビームL33の進行方向において、第4レンズ234は、第1レンズ231、第2レンズ232および第3レンズ233よりも、下流に位置する。
好ましくは、投影光学系23において、第1レンズ231の短軸側の前側焦点位置(すなわち、空間光変調器22側の焦点位置)は、空間光変調器22の変調面と一致する。このように、空間光変調器22と第1レンズ231との間隔を、第1レンズ231の前側焦点距離以下(好ましくは、当該前側焦点距離未満)とすることによって、第1レンズ231を通過した後に生じる0次回折光と1次回折光との集光点間隔が広がる。その結果、0次回折光を1次回折光等の非0次回折光から容易に分離できる。また、第3レンズ233の前側焦点位置は、空間光変調器22の変調面と一致する。第1レンズ231の短軸側の後側焦点位置(すなわち、走査部13側の焦点位置)は、第2レンズ232および第3レンズ233の短軸側の前側合成焦点位置と一致する。第3レンズ233の後側焦点位置は、第4レンズ234の前側焦点位置と一致する。第4レンズ234の後側焦点位置は、走査部13の入り口である変調像の投影位置(以降、投影面とも称する)131と一致する。
投影光学系23においては、第3レンズ233および第4レンズ234により、空間光変調器22の変調面と、走査部13の変調像の投影面131とは、長軸方向について光学的に共役である。また、短軸方向について、第1レンズ231、第2レンズ232および第3レンズ233によって、空間光変調器22の変調面と、第4レンズ234の前側焦点位置とは、光学的に共役である。第4レンズ234は、短軸方向について、変調ビームL33を走査部13の変調像の投影面131に集光させる。第2レンズ232、第3レンズ233および第4レンズ234により、走査部13の変調像の投影面131と、第1レンズ231の後側焦点位置とは、短軸方向について光学的に共役である。
図3および図4に示される例では、第1レンズ231、短軸側遮光部236、第2レンズ232、第3レンズ233、長軸側遮光部235および第4レンズ234は、空間光変調器22から走査部13へと向かう進行方向において、この順番で配列される。短軸側遮光部236は、第1レンズ231と第2レンズ232との間に位置する。なお、第3レンズ233が第1レンズ231と第2レンズ232との間に配置される場合、短軸側遮光部236は、第1レンズ231と第3レンズ233との間に位置する。すなわち、短軸側遮光部236は、第1レンズ231と、第2レンズ232および第3レンズ233との間において、変調ビームL33の短軸方向の集光位置近傍に配置される。短軸側遮光部236は、例えば、第1レンズ231の短軸側の後側焦点位置に配置される。また、長軸側遮光部235は、第3レンズ233と第4レンズ234との間において、変調ビームL33の長軸方向の集光位置近傍に配置される。長軸側遮光部235は、例えば、第3レンズ233の後側焦点位置に配置される
なお、投影光学系23では、第1レンズ231、第2レンズ232、第3レンズ233
および第4レンズ234の種類は様々に変更されてもよいし、これらのレンズ以外の光学素子が追加されてもよい。また、長軸側遮光部235および短軸側遮光部236の材料、形状および構造は、様々に変更されてよい。
投影光学系23は、上述のように、空間光変調器22からの変調ビームL33を走査部13へと導く。詳細には、空間光変調器22にて生成された平行光である変調ビームL33は、第1レンズ231を通過することにより、短軸方向において、第1レンズ231の後側焦点位置(すなわち、第2レンズ232および第3レンズ233の前側合成焦点位置)に集光される。変調ビームL33は、長軸方向に関しては、第1レンズ231の通過時に屈折しない。
第1レンズ231を通過した変調ビームL33は、第1レンズ231の短軸側の後側焦点位置に位置する短軸側遮光部236の開口236aを通過する。詳細には、空間光変調器22にて反射された反射光のうち、0次光および長軸側の非0次回折光が短軸側遮光部236の矩形状の開口236aを通過し、短軸側の非0次回折光(主として、1次回折光(すなわち、(+1)次回折光および(-1)次回折光))は短軸側遮光部236により遮られる。短軸側の非0次回折光は、短軸側遮光部236の開口236aよりも上側および下側(すなわち、開口236aの短軸方向両側)の部位において、長軸方向に延びる略線状の照射領域に照射される。
短軸側遮光部236の開口236aを通過した変調ビームL33の断面は、進行方向に進行するにしたがって、短軸方向において広がる。短軸側遮光部236を通過した変調ビームL33は、第2レンズ232および第3レンズ233を通過することにより、短軸方向において平行光となる。変調ビームL33は、長軸方向において、第2レンズ232の通過時には屈折せず、第3レンズ233を通過することにより第3レンズ233の後側焦点位置(すなわち、第4レンズ234の前側焦点位置)に集光される。
第2レンズ232および第3レンズ233を通過した変調ビームL33は、第3レンズ233の後側焦点位置に位置する長軸側遮光部235の開口235aを通過する。詳細には、空間光変調器22にて反射された反射光のうち、0次光が長軸側遮光部235の矩形状の開口235aを通過し、長軸側の非0次回折光(主として、1次回折光)は長軸側遮光部235により遮られる。長軸側の非0次回折光は、長軸側遮光部235の開口235aよりも図中の左側および右側(すなわち、開口235aの長軸方向両側)の部位において、短軸方向に延びる略線状の照射領域に照射される。
長軸側遮光部235の開口235aを通過した変調ビームL33の断面は、進行方向に進行するにしたがって、長軸方向において広がる。長軸側遮光部235を通過した変調ビームL33は、第4レンズ234を通過することにより、長軸方向において平行光となって走査部13の変調像の投影面131に入射する。また、短軸方向において平行光として第4レンズ234に入射した変調ビームL33は、第4レンズ234を通過することにより、第4レンズ234の後側焦点位置に位置する走査部13の変調像の投影面131上に、短軸方向において集光される。
上述のように、長軸方向について、空間光変調器22の変調面と、走査部13の変調像の投影面131とは光学的に共役である。また、空間光変調器22の変調面における平行ビームL32の長軸方向の強度分布は、図3の矩形枠中に示されるようにトップハット分布である。したがって、走査部13の変調像の投影面131上における変調ビームL33の長軸方向の強度分布も、トップハット分布となる。
また、短軸方向について、空間光変調器22の変調面と第4レンズ234の前側焦点位置(すなわち、第3レンズ233の後側焦点位置)とは光学的に共役である。また、空間光変調器22の変調面における平行ビームL32の短軸方向の強度分布は、ビームシェイパ213により、図4の矩形枠中に示されるように、トップハット分布に変換されている。したがって、第3レンズ233を通過した変調ビームL33の短軸方向の強度分布は、第4レンズ234の前側焦点位置においてトップハット分布となる。このため、第4レンズ234によるフーリエ変換作用により、走査部13の変調像の投影面131上の集光点における変調ビームL33の短軸方向の強度分布はsinc分布となる。実際には、変調ビームL33の短軸方向における強度分布は、厳密なsinc分布ではなく、sinc関数に近似した形状の分布である場合もあるが、以下の説明では、厳密なsinc分布、および、sinc分布に近似した分布をまとめて「sinc分布」と呼ぶ。sinc分布は、ガウス分布と略同様に、主たるピークを有する分布であるため、走査部13の変調像の投影面131上に変調ビームL33を好適に集光することができる。
走査部13の変調像の投影面131上における変調ビームL33の大きさは、以下のように求められる。例えば、レーザ光L31の波長λは1.070μmであり、空間光変調器22の変調面上における照射領域は、長軸方向の長さLが28mm、短軸方向の長さLが1mmの略線状(または略矩形状)であるものとする。第1レンズ231および第2レンズ232の短軸側の焦点距離f,fはそれぞれ、40mmおよび400mmであり、第3レンズ233および第4レンズ234の焦点距離f,fはそれぞれ、240mmおよび60mmであるものとする。第2レンズ232と第3レンズ233との間隔dは50mmであるものとする。この場合、第2レンズ232および第3レンズ233の短軸側の合成焦点距離f23は、約163mmとなる。
短軸方向については、上述のように、第1レンズ231の後側焦点位置に変調ビームL33が集光される。第1レンズ231の後側焦点位置における変調ビームL33の短軸方向の集光径(すなわち、sinc関数の暗環径)φS1は、104μm(≒2.44×λ×f′/L)となる。第1レンズ231の後側焦点位置は、短軸方向について、走査部13の変調像の投影面131と光学的に共役である。したがって、変調像の投影面131上における変調ビームL33の短軸方向の集光径は、33μm(≒104μm×f/f23)となる。
長軸方向については、上述のように、第3レンズ233の後側焦点位置に変調ビームL33が集光される。第3レンズ233の後側焦点位置における変調ビームL33の長軸方向の集光径φL3は、22μm(≒2.44×λ×f/L)となる。なお、第3レンズ233の後側焦点位置における変調ビームL33の短軸方向の長さLは、4mm(=L×f23/f)となる。長軸方向については、空間光変調器22の変調面と走査部13の変調像の投影面131とが光学的に共役である。したがって、変調像の投影面131上における変調ビームL33の長軸方向の長さは、7mm(=L×f/f)となる。
上述のように、短軸側遮光部236は、第1レンズ231の後側焦点位置に配置される。このため、短軸側遮光部236の開口263aの短軸方向両側に照射される1次回折光(すなわち、(+1)次回折光および(-1)次回折光))の照射領域は、略線状であって、長軸方向が28mm(=L)であり、短軸方向が104μm(≒φS1)となる。また、長軸側遮光部235は、第3レンズ233の後側焦点位置に配置される。このため、長軸側遮光部235の開口253aの長軸方向両側に照射される1次回折光の照射領域は、線状であって、長軸方向が22μm(≒φL)であり、短軸方向が4mm(=L)となる。
変調ビームL33が、長軸方向および短軸方向の双方において、1枚の凸レンズにより光路上の同じ位置(すなわち、当該凸レンズの後側焦点位置)に集光される光学装置(以下、「比較例の光学装置」と呼ぶ。)を想定する。この比較例の光学装置では、後側焦点位置に配置された遮光部上において、1次回折光が点状の照射領域に照射される。例えば、当該凸レンズの焦点距離を240mmとした場合、当該遮光部上における1次回折光の照射領域の直径は約326μmとなる。したがって、本実施形態に係る光学装置12では、比較例の光学装置に比べて、短軸側遮光部236上における1次回折光のパワー密度、および、長軸側遮光部235上における1次回折光のパワー密度が、1/10以下まで低減される。
レーザマーカ1では、走査部13による変調ビームL33の再投影像が対象物9の表面を走査する。コリメートレンズ133およびスキャニングレンズ134の焦点距離を同じとすると、短軸方向に33μm、長軸方向に7mmの像をスキャニングすることとなる。制御部15は、画像データにしたがって、空間光変調器22の変調要素224ごとに、照射面135に導かれる変調ビームL33の反射光の量を制御する。これにより、長軸方向において光量に強弱がつけられた変調ビームL33が、対象物9に照射される。そして、光量に応じて厚さが異なる酸化膜、または、光量に応じた微細構造が対象物9の表面に形成される。これにより、対象物9の表面に、複数の色で表現される画像が形成される。
レーザ光L31の短軸方向および長軸方向の強度分布をビームシェイパ213によってトップハット分布とすることにより、空間光変調器22に入射する平行ビームL32の最大パワー密度を低下させつつ投入総光量を増大させることができる。したがって、空間光変調器22の損傷リスクを低減しつつ、空間光変調器22への投入光量を増大させることができる。また、投影光学系23を上記構成とすることにより、空間光変調器22にトップハット分布(短軸方向および長軸方向)にて入射した平行ビームL32を、主たるピークを有するsinc分布(短軸方向)の変調ビームL33として対象物9上に好適に集光することができる。その結果、対象物9に照射される変調ビームL33のパワー密度を好適に増大させることができる。
投影光学系23では、第3レンズ233は、第2レンズ232よりも変調ビームL33の進行方向に位置することが好ましい。換言すれば、第3レンズ233は、第2レンズ232と第4レンズ234との間に配置されることが好ましい。仮に、第2レンズ232が第3レンズ233よりも変調ビームL33の進行方向に位置すると、長軸方向において空間光変調器22の各位置から出射される主光線が、異なる角度で第2レンズ232に入射するため、収差が生じる可能性がある。一方、上述のように、第3レンズ233を第2レンズ232よりも変調ビームL33の進行方向に配置することにより、長軸方向において空間光変調器22の各位置から出射される主光線が、第2レンズ232に対して略垂直に入射するため、収差の発生を低減することができる。
図5は、線状の変調ビームL33で走査される対象物9の表面を示す斜視図である。レーザマーカ1によれば、線状の変調ビームL33で走査するため、スポット状のシングルビームの走査によって描画を行う場合と比較して、一度に広範囲を描画することができるため、効率よく描画できる。したがって、生産性を向上できる。
また、シングルビームの走査によって描画を行った場合、1個のピクセル内で酸化膜の膜厚が、不均一な分布を示す可能性がある。これに対して、変調ビームL33で走査する場合、1回の走査で一定幅の領域を描画できる。このため、当該領域内で不均一な加工(例えば、膜厚が不均一な酸化膜の形成、あるいは、不均一な微細構造の形成)を抑制できる。例えば、変調ビームL33をすべてオンにした場合、変調ビームL33の全幅にわたって、均一な光量を持つ変調ビームL33で対象物9を走査できるため、変調ビームL33の全幅にわたって均一に加工できる。
また、酸化膜の厚みまたは微細構造は、レーザ照射によって発生する熱エネルギー(フルエンス)により変化する。LPLVは、多値の光量制御が可能な素子であるため、光量を制御することによって、対象物9の表面が所望の色に発色するように加工できる。つまり、1回の走査で均一な発色を得るだけでなく、変調ビームL33内で多値の光量分布を形成することにより、変調ビームL33内でも対象物9の表面を所望の色で発色させることが可能となる。すなわち、変調ビームL33内において複数色でマーキングできる。
図6は、隣接する領域を一色で塗りつぶしを行う場合の変調ビームL33の強度分布D1,D2を示す図である。なお、図6においては、強度分布D1に対応する第1の走査SC1および強度分布D2に対応する第2の走査SC2も示されている。
塗りつぶしを行うために、変調ビームL33の変調像の強度分布を最大強度とした場合、変調ビームL33の変調像の強度分布はトップハット分布となる。しかしながら、強度分布を完全な矩形状にすることは困難であり、長軸方向における変調ビームL33の変調像の端部では、強度分布が均一ではなく、最大強度よりも小さくなる。このため、1回の走査だけでは、レーザ光が充分に照射されない領域が生じる。このため、隣接する2つの領域について、それらの境界部分を重複して走査するように、変調ビームL33の変調像の照射位置が調整される。
例えば、図6に示されるように、第1の走査SC1によって第1領域A1を走査した後、第1領域A1と副走査方向X(変調ビームL33の長軸方向と平行な方向)に隣接する第2領域A2を走査する第2の走査SC2を行う場合を想定する。この場合、第2の走査SC2では、副走査方向Xにおいて、変調ビームL33の端部は、第1領域A1の端部と重ねられる。これにより、端部領域A11に対して、第1の走査SC1および第2の走査SC2により変調ビームL33が重複して照射される。
また、制御部15は、空間光変調器22を制御することにより、端部領域A11に照射されるレーザ光の総エネルギー量を、端部領域A11と隣接する領域に照射される光の総エネルギー量と一致させる。例えば、図6に示されるように、走査SC1,SC2における変調ビームL33の強度分布D1,D2が調整される。より詳細には、強度分布D1,D2における端部領域A11以外の部分の強度は、最大強度IMaxとされる。また、強度分布D1における端部領域A11の強度、および、強度分布D2における端部領域A11の強度は、それらの合計値が最大強度IMaxとなる値にそれぞれ調整される。
また、端部領域A11に対するレーザ光の強度を調整するため、端部領域A11の幅W(副走査方向Xにおける長さ)は、空間光変調器22のN個の変調要素224の1つ分に対応する幅とされる。すなわち、走査部13は、複数の変調要素224の1つ分だけ重複させて端部領域A11を2回走査する。なお、端部領域A11の幅W(副走査方向Xにおける長さ)は、空間光変調器22のN個の変調要素224の2つ、もしくはそれ以上の個数に対応する幅としてもよい。
上記のように、強度分布D1,D2が調整されることにより、強度分布D1,D2の合計値、すなわち、総エネルギー量(図6中、破線で示される強度分布D3)を、第1領域A1、第2領域A2、およびこれらの境界部分(端部領域A11)において、最大強度に一致させることができる。したがって、端部領域A11において、加工ムラおよび加工ムラによる発色ムラの発生することを抑制できる。
LPLVの反射面は、例えば、Al蒸着される。LPLVの反射面を像面に投影する際、倍率が等倍以上とすると、対象物9にマーキングするために必要なエネルギー密度をえることが困難となる。一方で、LPLVの表面は、金属(Al)であるため、マーキング対象となる対象物9の表面金属と同等のフルエンスを持つ場合がある。この場合、対象物9を加工すると、LPLVの表面も加工されてしまうおそれがある。このようなLPLVの加工を避けるため、投影光学系23は、変調ビームL33を縮小する縮小光学系であることが好ましい。具体的には、対象物9のフルエンスに対し、LPLVの表面のフルエンスが1/5以下となるように、投影光学系23の縮小倍率が設定されることが好ましい。投影光学系23を縮小光学系とすることにより、空間光変調器22に照射されるレーザ光(平行ビームL32)のエネルギー密度を、対象物9に照射される際のレーザ光(変調ビームL33)のエネルギー密度よりも小さくすることができる。このため、空間光変調器22の表面がレーザ光によって加工されることを抑制できる。なお、投影光学系23の倍率は、長軸方向および短軸方向のそれぞれについて、一致していてもよいし、異なっていてもよい。
この発明は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
1 レーザマーカ
9 対象物
11 レーザ光源
12 光学装置
13 走査部
15 制御部
21 照明光学系
22 空間光変調器(LPLV)
224 変調要素
23 投影光学系
A1 第1領域
A2 第2領域
A11 端部領域
L31 レーザ光
L32 平行ビーム
L33 変調ビーム

Claims (7)

  1. 金属表面を有する対象物にレーザ光を照射してマークを形成するレーザマーカであって、
    レーザ光を出射するレーザ光源と、
    レーザ光を線状の平行ビームに整形する照明光学系と、
    長軸方向に並ぶ複数の変調要素を有し、前記複数の変調要素によって前記平行ビームを線状の変調ビームに変調する空間光変調器と、
    前記変調ビームを前記対象物に導く投影光学系と、
    前記変調ビームで前記対象物の表面を走査する走査部と、
    を備える、レーザマーカ。
  2. 請求項1に記載のレーザマーカであって、
    前記空間光変調器は、PLV(Planar Light Valve)を有する、レーザマーカ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のレーザマーカであって、
    前記複数の変調要素は、多値の光量制御がそれぞれ可能である、レーザマーカ。
  4. 請求項3に記載のレーザマーカであって、
    前記走査部は、先に走査される第1領域に隣接した第2領域を走査する際に、前記変調ビームの端部を、前記第1領域の端部に重ねて走査する、レーザマーカ。
  5. 請求項4に記載のレーザマーカであって、
    前記第1領域の走査と前記第2領域の走査によって前記第1領域の端部に照射されるレーザ光の総エネルギー量は、第1領域の端部と隣接する領域に照射される光の総エネルギー量と一致する、レーザマーカ。
  6. 請求項5に記載のレーザマーカであって、
    前記第1領域の端部の幅は、前記複数の変調要素のうち少なくとも1つ分に対応する幅である、レーザマーカ。
  7. 請求項1または請求項2に記載のレーザマーカであって、
    前記投影光学系は、前記変調ビームを縮小する縮小光学系である、レーザマーカ。
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