JP2024044759A - コード-ゴム複合材料およびタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤリサイクルのために再生カーボンブラック(再生CB)をタイヤ補強層のコートゴムゴムに使用した場合は、高速耐久性および転がり抵抗性が低下するという問題点がある。【解決手段】コードおよび前記コードを被覆するゴム組成物を含有するコード-ゴム複合材料であって、ゴム組成物は、ジエン系ゴム、カーボンブラック(CB)および再生CBを含み、前記再生CBのDBP吸油量と圧縮DBP吸油量の差(ΔDBP)が20ml/100g未満であり、前記再生CBの窒素吸着比表面積N2SA(単位m2/g)と沃素吸着量IA(単位mg/g)の比であるN2SA/IAが0.8以上2.0未満の範囲にあり、前記CBおよび前記再生CBの合計の総量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、30~80質量部であることによって上記課題を解決した。【選択図】図1

Description

本発明は、コード-ゴム複合材料およびタイヤに関するものであり、詳しくは再生カーボンブラックを配合しても、実用上十分な高速耐久性および低転がり抵抗性を有するコード-ゴム複合材料およびそれを用いたタイヤに関するものである。
近年、タイヤに対する要求性能が高まっており、例えば、高速耐久性および低転がり抵抗性を両立させることが求められている。そのため、タイヤの各部位を構成するゴム(ゴム組成物)について改善を図り、前記性能を両立することが検討されている。
前記性能を図る部位としては、従来、ゴムの使用量が多い部位(トレッド部、サイドウォール部、ビード部など)が検討されてきた。そして、更なるタイヤ性能向上のために、ゴムの使用量が少ない部位、例えば、コードを含む補強層(カーカス層、ベルト層、ベルト補強層など)においてコードを被覆するコートゴムについても前述の高速耐久性および低転がり抵抗性の改善が検討されている。
一方、近年、資源の保全や環境保護が注目される中、タイヤにおいてもリサイクル率の向上が求められている。そこで廃タイヤなど使用済みのゴム製品を熱分解して得られる再生カーボンブラックや(例えば下記特許文献1~3参照)、非石油原料由来の再生カーボンブラックの使用が提案されている。
しかし再生カーボンブラックにはタイヤの原材料である補強材、タイヤコード等由来の不純物が含まれ、および/または、製造時の熱分解工程由来の不純物が含まれるため、前記のようなコードを含む補強層に用いた場合、タイヤの高速耐久性および低転がり抵抗性が悪化するという問題点がある。
特許6553959号公報 特開2012-1682号公報 特許6856781号公報
したがって本発明の目的は、再生カーボンブラックを配合しても、実用上十分な高速耐久性および低転がり抵抗性を有するコード-ゴム複合材料およびそれを用いたタイヤを提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、コードおよび前記コードを被覆するゴム組成物を含有するコード-ゴム複合材料において、ゴム組成物に配合される再生カーボンブラックのDBP吸油量と圧縮DBP吸油量(24M4DBP)の差(ΔDBP)並びに窒素吸着比表面積NSA(単位m/g)と沃素吸着量IA(単位mg/g)の比であるNSA/IAを適切な範囲に定め、カーボンブラックのNSA、カーボンブラックおよび再生カーボンブラックの配合量を特定の範囲に定めることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は、コードおよび前記コードを被覆するゴム組成物を含有するコード-ゴム複合材料であって、前記コード-ゴム複合材料は、タイヤのトレッド部、サイドウォール部およびビード部から選択された少なくとも1つの部位に設置され、
前記ゴム組成物は、ジエン系ゴム、カーボンブラックおよび再生カーボンブラックを含み、
前記再生カーボンブラックのDBP吸油量と圧縮DBP吸油量(24M4DBP)の差(ΔDBP)が20ml/100g未満であり、
前記再生カーボンブラックの窒素吸着比表面積NSA(単位m/g)と沃素吸着量IA(単位mg/g)の比であるNSA/IAが0.8以上2.0未満の範囲にあり、
前記ジエン系ゴム100質量部中、天然ゴムが40質量部以上を占め、
前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積NSAが30m/g以上40m/g未満であり、
前記カーボンブラックおよび前記再生カーボンブラックの合計の総量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、30~80質量部である
ことを特徴とするコード-ゴム複合材料を提供するものである。
また本発明は、前記コード-ゴム複合材料を用いたタイヤを提供するものである。
上述のように、再生カーボンブラックにはタイヤの原材料である補強材、タイヤコード等由来の不純物が含まれ、および/または、製造時の熱分解工程由来の不純物が含まれるため、十分な高速耐久性および低転がり抵抗性が得られないという問題点があった。本発明者は鋭意検討を重ねた結果、再生カーボンブラックに不純物(例えば灰分)が存在する場合でも、特定範囲の前記ΔDBPおよび前記NSA/IAを満たす再生カーボンブラックを採用することにより、前記問題点の発現を極力抑制できることを見出した。
これにより本発明によれば、再生カーボンブラックを配合しても、実用上十分な高速耐久性および低転がり抵抗性を有するコード-ゴム複合材料およびタイヤを提供することができる。
図1は、本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示す子午線断面図である。
以下、本発明について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すタイヤは、トレッド部1と、このトレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、サイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えている。図1において、符号CLはタイヤ赤道を示す。図1は子午線断面図であるため描写されないが、トレッド部1、サイドウォール部2、ビード部3は、それぞれタイヤ周方向に延在して環状を成しており、これにより空気入りタイヤのトロイダル状の基本構造が構成される。以下、図1を用いた説明は基本的に図示の子午線断面形状に基づくが、各タイヤ構成部材はいずれもタイヤ周方向に延在して環状を成すものである。
左右一対のビード部3間にはタイヤ径方向に延びる複数本の補強コード(以下、カーカスコードという)を含むカーカス層4が装架されている。各ビード部には、ビードコア5が埋設されており、そのビードコア5の外周上に断面略三角形状のビードフィラー6が配置されている。カーカス層4は、ビードコア5の廻りにタイヤ幅方向内側から外側に折り返されている。これにより、ビードコア5およびビードフィラー6はカーカス層4の本体部(トレッド部1から各サイドウォール部2を経て各ビード部3に至る部分)と折り返し部(各ビード部3においてビードコア5の廻りに折り返されて各サイドウォール部2側に向かって延在する部分)とにより包み込まれている。
一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層(図示の例では2層)のベルト層7が埋設されている。各ベルト層7は、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コード(以下、ベルトコードという)を含み、かつ層間でベルトコードが互いに交差するように配置されている。これらベルト層7において、ベルトコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°~40°の範囲に設定されている。ベルトコードとしては、例えばスチールコードが好ましく使用される。
更に、ベルト層7の外周側には、高速耐久性の向上を目的として、ベルト補強層8が設けられている。ベルト補強層8は、タイヤ周方向に配向する補強コード(以下、カバーコードという)を含む。ベルト補強層8において、カバーコードはタイヤ周方向に対する角度が例えば0°~5°に設定されている。ベルト補強層8としては、ベルト層7の幅方向の全域を覆うフルカバー層8aや、ベルト層7のタイヤ幅方向の両端部を局所的に覆う一対のエッジカバー層8bをそれぞれ単独で、またはこれらを組み合わせて設けることができる(図示の例では、フルカバー層8aおよびエッジカバー層8bの両方が設けられている)。ベルト補強層8は、例えば、少なくとも1本のカバーコードを引き揃えてコートゴムで被覆したストリップ材をタイヤ周方向に螺旋状に巻回して構成することができる。
本発明は、上述のカーカス層4、ベルト層7、ベルト補強層8のように、コード(カーカスコード、ベルトコード、カバーコ―ド)を含む補強層において、コードを被覆するゴム(コートゴム)に一つの特徴がある。そのため、後述のコードとコートゴムに関する特徴を除いて、タイヤの基本的な構造は上述のものに限定されない。尚、以下の説明では、コードを含む補強層を総称して「コード補強層」という場合がある。上述のタイヤにおいて、コード補強層に該当するものはカーカス層4、ベルト層7、ベルト補強層8であるが、これら以外にコード補強層に該当する層(他のコード補強層)が設けられているタイヤの場合は、他のコード補強層についても後述の構成を適用することができる。
本発明は、コード補強層の中でも、コードが有機繊維で構成される層に適用することが好ましい。言い換えると、本発明が適用されるコードは、有機繊維のフィラメント束を撚り合わせた有機繊維コードであることが好ましい。即ち、後述のコートゴムは、有機繊維コードに対して特に優れた接着性を示すので、有機繊維で構成されたコード補強層に適用することで効果的に高速耐久性を向上することができる。図示の例では、上述のように、カーカス層4とベルト補強層8のコードが有機繊維で構成されているので、これらの層に本発明を適用することが好ましい。なかでもカーカス層4に好適に用いることができる。
コードが有機繊維で構成される場合、コード補強層において、コード1本あたりの正量繊度D〔単位:dtex/本〕と、コードの延長方向と直交する方向50mm当たりのコードの打ち込み本数E〔単位:本/50mm〕との積A=D×Eが、好ましくは1.0×105dtex/50mm~3.0×105dtex/50mmであるとよい。特に、コード補強層がカーカス層4である場合は、上述の積Aが、より好ましくは1.8×105dtex/50mm~2.7×105dtex/50mmであるとよい。また、コード補強層がベルト補強層8である場合は、上述の積Aが、より好ましくは1.2×105dtex/50mm~2.2×105dtex/50mmであるとよい。このような設定にすることで、コードの特性による高速耐久性および低転がり抵抗性の悪化を抑制できる。
コードが有機繊維で構成される場合、コードの破断伸びが好ましくは20%以上、より好ましくは24%~28%であるとよい。このように破断伸びの範囲を設定することで、高速操縦安定性と高速耐久性を両立することができる。特に、コード補強層がカーカス層4である場合は、耐ショックバースト性を向上することもできる。即ち、耐ショックバースト性は、例えばプランジャーエネルギー試験(トレッド中央部に所定の大きさのプランジャーを押し付けてタイヤが破壊する際の破壊エネルギーを測定する試験)によって判定することができるが、上述の破断伸びを有するコードを用いることで、試験時(プランジャーに押圧された際)の変形を許容可能になり、プランジャーエネルギー試験において良好な結果を得ることができる。つまり、タイヤ走行時に当てはめて考えると、トレッド部1の突起入力に対する破壊耐久性(上述の破壊エネルギーに相当)を向上することができ、空気入りタイヤの耐ショックバースト性を向上することができる。
更に、コードが有機繊維で構成される場合、コードの熱収縮率は好ましくは0.5%~2.5%、より好ましくは1.0%~2.0であるとよい。尚、「熱収縮率」とは、JIS L1017の「化学繊維タイヤコード試験方法」に準拠し、試料長さ500mm、加熱条件150℃×30分の条件にて加熱したときに測定される試料コードの乾熱収縮率(%)である。このような熱収縮率を有するコードを用いることで、加硫時に有機繊維コードにキンク(捩じれ、折れ、よれ、形くずれ等)が発生して耐久性が低下することや、ユニフォミティの低下を抑制することができる。
上述の有機繊維コードを構成する有機繊維の種類は特に限定されないが、例えばポリエステル繊維、ナイロン繊維、芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)などを用いることができ、なかでもポリエステル繊維を好適に用いることができる。また、ポリエステル繊維としては、ポリエチレンテレフタレート繊維(PET繊維)、ポリエチレンナフタレート繊維(PEN繊維)、ポリブチレンテレフタレート繊維(PBT)、ポリブチレンナフタレート繊維(PBN)を例示することができ、PET繊維を好適に用いることができる。
次の本発明におけるゴム組成物について説明する。
(ジエン系ゴム)
本発明で使用されるジエン系ゴムは、ジエン系ゴム100質量部中、天然ゴム(NR)を40質量部以上含有することが必要である。NRの配合量が上記要件を満たさない場合、本発明の効果を得ることができない。なお、イソプレンゴム(IR)は本発明で言うNRに含まれるものとする。
また本発明においてジエン系ゴムは、NR以外の他のゴムを使用することができ、例えばブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、エチレン-プロピレン-ジエンターポリマー(EPDM)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
なお、本発明の前記効果が向上するという観点から、本発明で使用されるジエン系ゴム全体を100質量部としたときに、NRの配合量は40~80質量部であるのがよい。
(カーボンブラック)
本発明で使用するカーボンブラック(以下、CBと言うことがある)は、窒素吸着比表面積NSAが30m/g以上40m/g未満である。
前記カーボンブラックのNSAが前記範囲であることにより、本発明の前記効果がさらに向上する。
(再生カーボンブラック)
本発明で使用する再生カーボンブラック(以下、再生CBと言うことがある)は、DBP吸油量と圧縮DBP吸油量(24M4DBP)の差(ΔDBP)が20ml/100g未満であり、かつ窒素吸着比表面積NSA(単位m/g)と沃素吸着量IA(単位mg/g)の比であるNSA/IAが0.8以上2.0未満の範囲にあることが必要である。前記ΔDBP並びにNSA/IAが前記範囲を外れると、本発明の効果を奏することができない。
前記ΔDBPは、本発明の効果がさらに高まるという観点から、19ml/100g以下が好ましく、18ml/100g以下がさらに好ましい。
前記NSA/IAは、本発明の効果がさらに高まるという観点から、0.8~1.9が好ましく、0.8~1.7がさらに好ましい。
なお本発明において、DBP吸油量はASTM D2414に準拠して測定され、圧縮DBP(24M4DBP)はJIS K6217-4(圧縮試料)に基づいた24M4-DBP吸油量として測定され、NSAはJIS K6217-2に準拠して測定され、IAはJIS K6217-1に準拠して測定される。
前記圧縮DBP吸油量は、再生カーボンブラックのアグリゲーションを崩して測定されるものであり、該アグリゲーションを維持したDBP吸油量との差を測定することにより、ストラクチャーの崩れやすさを把握することができる。
ΔDBPが小さいほどストラクチャーの崩れにくく、つまりカーボンブラックとしての補強性能が低下していないと考えられる。
また、再生カーボンブラックの場合、その素原料となるタイヤの製造時に配合された複数種類のカーボンブラックは熱分解により破壊されずにその分布を保っていると推測される。よって、NSA/IAを最適な範囲にすることにより再生カーボンブラックであっても必要上十分な補強性を示すことができる。
再生カーボンブラックの窒素吸着比表面積NSAは、好ましくは65~105m/gである。好ましいDBP吸油量は70~105ml/100gである。
本発明で使用する再生カーボンブラックは、例えば次のような再生カーボンブラックであることができる。
(1)天然資源から誘導された再生カーボンブラック。天然資源としては各種製品の製造過程で生じた副産物等を挙げることができ、再生可能な原料と言える。前記副産物としてはとくに制限されないが、動植物油等が挙げられる。動植物油とは、動物油または植物油を意味し、動物油としては、魚油、タラ、サメなどの魚類肝臓から得られる脂肪油(肝油)、クジラから採取可能な海獣油のような水産動物油、並びに牛脂、豚脂等の陸産動物油等が挙げられる。植物油とは、植物の種子、果実、核等から採取される脂肪酸グリセリドを成分とする油脂が挙げられ、乾性油、半乾性油、不乾性油などのいずれでもよい。
天然資源から誘導された再生カーボンブラックは市販されているものを利用することができ、例えばOrion Engineered Carbons S.A.社製商品名ECORAX NATURE 200等が挙げられる。
(2)廃タイヤを加熱分解し、得られた熱分解油を原料として製造した再生カーボンブラック。このような再生カーボンブラックは市販されているものを利用することができる。
(3)廃タイヤを熱分解して生じた残渣カーボンブラックからなる再生カーボンブラック。廃タイヤの熱分解は公知の方法にしたがって行うことができ、例えば、300℃以上、より具体的には600℃以上の温度の熱分解法が挙げられる。このような再生カーボンブラックは市販されているものを利用することができ、例えばEnrestec社製商品名PB365、Birla Carbon社製CONTINUA8000、山東開元社製LN607等が挙げられる。
上述のように、再生カーボンブラックに不純物が存在する。不純物の一例としては灰分が挙げられ、例えば前記(1)および(2)の再生カーボンブラックは、灰分を具体的には0.5質量%以下、さらに具体的には0.4質量%以下含んでいる。
また前記(3)の再生カーボンブラックは、灰分を具体的には1~30質量%、さらに具体的には3~25質量%含んでいる。
このように灰分を含む再生カーボンブラックを使用する場合でも、本発明では特定範囲の前記ΔDBPおよび前記NSA/IAを満たす再生カーボンブラックを使用するため、高速耐久性および転がり抵抗性の悪化を大幅に抑制することができる。
なお灰分は、公知のICP法により測定される。
(ゴム組成物の配合割合)
本発明のゴム組成物は、前記ジエン系ゴム、前記カーボンブラックおよび前記再生カーボンブラックを含み、前記カーボンブラックおよび前記再生カーボンブラックの合計の総量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対して30~80質量部であることを特徴とする。
前記カーボンブラックおよび前記再生カーボンブラックの合計の総量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対し30質量部未満または80質量部を超えると実用上十分な高速耐久性および低転がり抵抗性を維持することができない。
また、本発明の効果が向上するという観点から、下記の配合条件を満たすことが好ましい。
(i)前記カーボンブラックおよび前記再生カーボンブラックの合計の総量に対し、前記再生カーボンブラックの割合が0.1~50質量%であるのが好ましく、1~48質量%であるのがさらに好ましい。
(ii)前記カーボンブラックおよび前記再生カーボンブラックの合計の総量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対し40~70質量部であるのが好ましい。
(その他成分)
本発明におけるゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤;加硫又は架橋促進剤;充填剤;老化防止剤;可塑剤;樹脂;硬化剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
本発明のゴム組成物は、再生カーボンブラックを使用しても高速耐久性および低転がり抵抗性を有することから、タイヤのトレッド部、サイドウォール部およびビード部から選択された少なくとも1つの部位の補強層として有用である。また本発明のタイヤは、空気入りタイヤであることが好ましく、空気、窒素等の不活性ガス及びその他の気体を充填することができる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
実施例1~10および比較例1~10
サンプルの調製
表1~2に示す配合(質量部)において、常法に従い、ゴム組成物を調製した。
タイヤサイズが195/65R15であり、図1に示す基本構造を有し、カーカス層を構成するコードを被覆するコートゴムとして、上記で得られた各種ゴム組成物を用い、各種空気入り試験タイヤを作製した。カーカス層を構成するコードとしては、ポリエチレンテレフタレートからなる有機繊維を用い、コード1本あたりの正量繊度D〔単位:dtex/本〕とコードの延長方向と直交する方向50mm当たりの打ち込み本数E〔単位:本/50mm〕とから算出される積A(=D×E)を2.0×10とした。
得られた試験タイヤについて、下記の評価を行った。
高速耐久性
各試験タイヤをリムサイズ15×6Jのホイールに組み付け、空気圧を260kPaとして、ドラム試験機(ドラム径1707mm)に装着し、周辺温度を38±3℃に制御し、速度120km/hから30分毎に10km/hずつ加速し、タイヤに故障が生じるまでの走行距離を計測した。評価結果は、比較例9の測定値を100とする指数にて示した。この指数が大きいほど、タイヤに故障が生じるまでの走行距離が大きく、高速耐久性が優れていることを意味する。
転がり抵抗性
各試験タイヤをリムサイズ15×6Jのホイールに組み付け、空気圧を210kPaとして、JIS D4230に準拠する室内ドラム試験機(ドラム径1707mm)に装着し、試験荷重4.82kN、速度80km/時の抵抗力(転がり抵抗)を測定した。評価結果は、測定値の逆数を用いて比較例9の値を100とする指数にて示した。この指数が大きいほど転がり抵抗が小さく、低転がり抵抗性に優れることを意味する。
結果を表1~2に示す。
Figure 2024044759000002
Figure 2024044759000003
*1:NR(PT.KIRANA SAPTA製SIR20)
*2:SBR(ZSエラストマー株式会社製 Nipol 1502)
*3:GPF CB(日鉄カーボン株式会社製ニテロン#GN、窒素吸着比表面積(NSA)=32m/g、DBP吸油量=82ml/100g)
*4:FEF CB(日鉄カーボン株式会社製ニテロン#10N、窒素吸着比表面積(NSA)=40m/g、DBP吸油量=120ml/100g)
*5:SAF CB(東海カーボン株式会社製シースト9M、窒素吸着比表面積(NSA)=150m/g、DBP吸油量=113ml/100g)
*6:再生CB(Enrestec社製商品名PB365、DBP吸油量=88ml/100g、圧縮DBP吸油量(24M4DBP)=77ml/100g、ΔDBP=11ml/100g、NSA=76m/g、IA=95mg/g、NSA/IA=0.8)
*7:再生CB(メーカーサンプル品、DBP吸油量=98ml/100g、圧縮DBP吸油量(24M4DBP)=96ml/100g、ΔDBP=2ml/100g、NSA=102m/g、IA=86mg/g、NSA/IA=1.2)
*8:再生CB(Birla Carbon社製商品名、CONTINUA8000、DBP吸油量=104ml/100g、圧縮DBP吸油量(24M4DBP)=85ml/100g、ΔDBP=19ml/100g、NSA=86m/g、IA=107mg/g、NSA/IA=0.8)
*9:再生CB(LDC社製商品名GCB774G、DBP吸油量=97ml/100g、圧縮DBP吸油量(24M4DBP)=77ml/100g、ΔDBP=22ml/100g、NSA=70m/g、IA=109mg/g、NSA/IA=0.6)
*10:酸化亜鉛(正同化学工業株式会社製酸化亜鉛3種)
*11:ステアリン酸(日油株式会社製ビーズステアリン酸YR)
*12:オイル(昭和シェル石油株式会社製エキストラクト4号S)
*13:硫黄(四国化成工業株式会社製ミュークロンOT-20)
*14:加硫促進剤TBBS(三新化学工業株式会社製サンセラーNS-G)
表1~2の結果から、各実施例のゴム組成物は、ジエン系ゴム、カーボンブラックおよび再生カーボンブラックを含み、前記再生カーボンブラックのDBP吸油量と圧縮DBP吸油量(24M4DBP)の差(ΔDBP)が20ml/100g未満であり、前記再生カーボンブラックの窒素吸着比表面積NSA(単位m/g)と沃素吸着量IA(単位mg/g)の比であるNSA/IAが0.8以上2.0未満の範囲にあり、前記ジエン系ゴム100質量部中、天然ゴムが40質量部以上を占め、前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積NSAが30m/g以上40m/g未満であり、前記カーボンブラックおよび前記再生カーボンブラックの合計の総量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、30~80質量部であるので、比較例9のゴム組成物に比べ、実用上十分な高速耐久性および低転がり抵抗性を有することが分かる。
比較例1~3は、再生カーボンブラックを使用していないが、比較例9のゴム組成物に比べ、高速耐久性および低転がり抵抗性を両立できていない。
比較例4は、再生カーボンブラックのΔDBPが本発明で規定した上限を超え、NSA/IAが本発明で規定した下限未満であるので、比較例9のゴム組成物に比べ、高速耐久性が低下している。
比較例5~7は、カーボンブラックおよび再生カーボンブラックの合計の総量が、本発明で規定する上限を超えているので、比較例9のゴム組成物に比べ、高速耐久性が低下している。
比較例8は、FEFカーボンブラックを配合した例であり、比較例9と同等の結果を示した。
比較例10は、GPFカーボンブラックおよびFEFカーボンを配合した例であり、比較例9と同等の結果を示した。
本発明は、下記実施形態を包含する。
実施形態1:
コードおよび前記コードを被覆するゴム組成物を含有するコード-ゴム複合材料であって、前記コード-ゴム複合材料は、タイヤのトレッド部、サイドウォール部およびビード部から選択された少なくとも1つの部位に設置され、
前記ゴム組成物は、ジエン系ゴム、カーボンブラックおよび再生カーボンブラックを含み、
前記再生カーボンブラックのDBP吸油量と圧縮DBP吸油量(24M4DBP)の差(ΔDBP)が20ml/100g未満であり、
前記再生カーボンブラックの窒素吸着比表面積NSA(単位m/g)と沃素吸着量IA(単位mg/g)の比であるNSA/IAが0.8以上2.0未満の範囲にあり、
前記ジエン系ゴム100質量部中、天然ゴムが40質量部以上を占め、
前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積NSAが30m/g以上40m/g未満であり、
前記カーボンブラックおよび前記再生カーボンブラックの合計の総量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、30~80質量部である
ことを特徴とするコード-ゴム複合材料。
実施形態2:
前記カーボンブラックおよび前記再生カーボンブラックの合計の総量に対し、前記再生カーボンブラックの割合が0.1~50質量%であることを特徴とする実施形態1に記載のコード-ゴム複合材料。
実施形態3:
前記コードが、有機繊維から構成されていることを特徴とする実施形態1または2に記載のコード-ゴム複合材料。
実施形態4:
実施形態1~3のいずれかに記載のコード-ゴム複合材料を用いたタイヤ。
実施形態5:
実施形態1~3のいずれかに記載のコード-ゴム複合材料を、トレッド部、サイドウォール部およびビード部から選択された少なくとも1つの部位に補強層として設置したタイヤ。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルト補強層

Claims (5)

  1. コードおよび前記コードを被覆するゴム組成物を含有するコード-ゴム複合材料であって、前記コード-ゴム複合材料は、タイヤのトレッド部、サイドウォール部およびビード部から選択された少なくとも1つの部位に設置され、
    前記ゴム組成物は、ジエン系ゴム、カーボンブラックおよび再生カーボンブラックを含み、
    前記再生カーボンブラックのDBP吸油量と圧縮DBP吸油量(24M4DBP)の差(ΔDBP)が20ml/100g未満であり、
    前記再生カーボンブラックの窒素吸着比表面積NSA(単位m/g)と沃素吸着量IA(単位mg/g)の比であるNSA/IAが0.8以上2.0未満の範囲にあり、
    前記ジエン系ゴム100質量部中、天然ゴムが40質量部以上を占め、
    前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積NSAが30m/g以上40m/g未満であり、
    前記カーボンブラックおよび前記再生カーボンブラックの合計の総量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、30~80質量部である
    ことを特徴とするコード-ゴム複合材料。
  2. 前記カーボンブラックおよび前記再生カーボンブラックの合計の総量に対し、前記再生カーボンブラックの割合が0.1~50質量%であることを特徴とする請求項1に記載のコード-ゴム複合材料。
  3. 前記コードが、有機繊維から構成されていることを特徴とする請求項1に記載のコード-ゴム複合材料。
  4. 請求項1に記載のコード-ゴム複合材料を用いたタイヤ。
  5. 請求項1に記載のコード-ゴム複合材料を、トレッド部、サイドウォール部およびビード部から選択された少なくとも1つの部位に補強層として設置したタイヤ。
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