JP2024044465A - 水槽 - Google Patents

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Abstract

【課題】壁部からの照明が可能であり、かつ、照明に起因した内部温度変化が抑制される水槽を提供すること。【解決手段】本発明の水槽は、内側に光を出射する側部Aを備え、該側部Aが、導光層を有する光取り出し部と、該光取り出し部の内側に配置された低屈折率層とを備える。1つの実施形態においては、上記光取り出し部が、導光層の少なくとも一方の面に配置された光取り出し層をさらに有する。1つの実施形態においては、上記光取り出し層が、賦形フィルムである。【選択図】図1

Description

本発明は、水槽に関する。より詳細には、内側に光を出射する側部を備える水槽に関する。
観賞魚飼育用水槽に代表される水槽においては、水槽内部の視認性、意匠性等を高めるために、照明装置が用いられている。照明の方法としては、水槽上部に設けられた照明装置を用いる方法(例えば、特許文献1)、水槽背面に設けられた照明装置を用いる方法(例えば、特許文献2)等が挙げられる。
しかしながら、水槽上部に照明装置を配置する場合は、設置方法が煩雑であり、また、水槽維持管理の際に邪魔になるという問題がある。水槽背面に設けられた照明装置を用いれば、このような問題を解決することができるが、一方で、照明装置からの光が水面側に抜ける光漏れの問題が生じる。
特開2010-246486号公報 特開2011-96602号公報
本発明の課題は、壁部からの照明が可能であり、かつ、照明に起因した内部温度変化が抑制される水槽を提供することにある。
[1]本発明の水槽は、内側に光を出射する側部Aを備え、該側部Aが、導光層を有する光取り出し部と、該光取り出し部の内側に配置された低屈折率層とを備える。
[2]上記[1]の水槽において、上記光取り出し部が、導光層の少なくとも一方の面に配置された光取り出し層をさらに有していてもよい。
[3]上記[2]の水槽において、上記光取り出し層が、賦形フィルムであってもよい。
[4]上記[1]の水槽において、上記光取り出し部が、光取り出し機能を有する導光層から構成されていてもよい。
[5]上記[4]の水槽において、上記光取り出し機能を有する導光層が、光取り出し機構として、エアキャビティを有していてもよい。
[6]上記[1]~[5]の水槽において、上記低屈折率層が、空隙層であってもよい。
[7]上記[6]の水槽において、上記低屈折率層の空隙率が、35体積%以下であってもよい。
[8]上記[1]~[7]の水槽が、上記側壁下部に配置された光源を備えていてもよい。
[9]上記[1]~[8]の水槽において、上記導光層が、上記水槽の側壁であってもよい。
[10]上記[1]~[9]の水槽において、上記側部Aが、上記光取り出し部の外側に配置された別の低屈折率層をさらに備えていてもよい。
本発明によれば、壁部からの照明が可能であり、かつ、照明に起因した内部温度変化が抑制される水槽を提供することができる。
本発明の1つの実施形態による水槽の概略図である。 (a)は、本発明の1つの実施形態における側部A(内側に光を出射する側部A)の概略断面図である。(b)は、本発明の1つの実施形態における側部Aの概略部分断面図である。 本発明の1つの実施形態における側部Aの概略部分断面図である。 本発明の1つの実施形態における側部Aの概略部分断面図である。 本発明の1つの実施形態における側部Aの概略部分断面図である。 本発明の別の実施形態における側部Aの概略部分断面図である。 凹部の平面視形状および配列の一例を示す概略平面図である。 凹部の形状を具体的に説明するための概略断面図である。 (a)は、図7の凹部の平面視形状をさらに具体的に説明するための概略平面図である。(b)は、凹部の別の例の平面視形状を具体的に説明するための概略平面図である。
A.水槽の概要
図1は、本発明の1つの実施形態による水槽の概略図である。本実施形態による水槽100は、内側に光を出射する側部A101を備える。本発明の水槽は、例えば、魚の飼育、水生植物の栽培等に用いられ得る、観賞用水槽であり得る。水槽のサイズは、図示例に限らず、任意の適切なサイズとすることができる。また、本発明の水槽は、建築物の意匠性を向上させる等の目的で配置され、側壁内側面に液体(代表的には水)を流すように構成された、いわゆるアクアウォールであってもよい。本明細書において、「内側」とは、水槽において液体(代表的には水)が格納され得る側を意味する。また、本明細書においては、内側に光を出射する側部Aを単に側部Aということもある。
図2(a)は、本発明の1つの実施形態における側部A(内側に光を出射する側部A)の概略断面図である。また、図2(b)は、本発明の1つの実施形態における側部Aの部分断面図である。図2(a)は、図1の水槽100を横から見た断面図である。図2(b)では、図2(a)における側部A101を代表して、点線で示す部分の断面図を示す。内側に光を出射する側部A101は、光取り出し部10と、光取り出し部10の内側に配置された低屈折率層20とを備える。光取り出し部10は、導光層11を有する。1つの実施形態においては、内側に光を出射する側部A101を介して、水槽外側(図2(b)の紙面右側)から、水槽内側(図2(b)の紙面左側)が視認される。水槽を構成する側壁のすべてが、内側に光を出射する側部A101であってもよく、水槽を構成する側壁の一部が内側に光を出射する側部Aであってもよい。例えば、水槽の側壁4面すべてが、側部Aで構成されていてもよく、対向する側壁2面が側部Aで構成されていてもよい。水槽を構成する側壁の一部が側部Aである場合、側部A以外の側壁は任意の適切な構成とすることができる。側部Aおよび側部A以外の側壁は、平面であってもよく、曲面であってもよい。1つの実施形態においては、側部Aの上部または下部(図2(b)においては下部)には光源30(例えば、LED光源)が配置される。光源30は、好ましくは光取り出し部の上部または下部、より好ましくは導光層の上部または下部に設けられ、導光層に向けて光を出射する。水槽底面は、任意の適切な構成であり得る。1つの実施形態においては、低屈折率層20は、任意の適切な基材(図示せず)上に当該低屈折率層を設けた構成の低屈折率フィルムとして、側部Aに導入される。低屈折率フィルムは、図示していない任意の適切な粘着剤層または接着剤層(好ましくは粘着剤層)を介して、光取り出し部10に積層され得る。別の実施形態においては、低屈折率層20は、図示していない任意の適切な粘着剤層または接着剤層(好ましくは粘着剤層)を介して、光取り出し部10に積層される。さらに別の実施形態においては、光取り出し層12上に低屈折率層20を形成して得られたフィルムを、図示していない任意の適切な粘着剤層または接着剤層(好ましくは粘着剤層)を介して、導光層11に貼着することにより、側部Aが形成されてもよい。
導光層11とは、光源30から当該導光層11に導入された光を、導光層11での内部反射を利用して当該層の全面に導き得る層である。
光取り出し部10は、導光層11内で主面方向(図2(b)の紙面上下方向)に導光しつつ、その一部の進行方向をコントロールして、側部A101の主面全面または主面の一部から、当該光を水槽内側に出射させる機能を有する。1つの実施形態において、光取り出し部10は、図2(b)に示すように、導光層11の少なくとも一方の面に配置された光取り出し層12をさらに有する。光取り出し層12は、導光層11の主面から入射した光を水槽内側に反射させ得る層である。1つの実施形態においては、光取り出し層12は、光取り出し機構1を含み得る。光取り出し層12としては、例えば、光取り出し機構1として形成されたエアキャビティを備える、賦形フィルムが用いられ得る。光取り出し層12と導光層11とは、図示していない任意の適切な粘着剤層または接着剤層(好ましくは粘着剤層)を介して、積層される。1つの実施形態においては、光取り出し層12と導光層11とは、直接配置される。本明細書において、直接積層されるとは、何らの層も介さずに積層されること、あるいは、粘着剤層または接着剤層以外の層を介さずに積層されることを意味する。
光取り出し部10は、全体として導光機能を発揮するように機能してもよい。すなわち、導光層11と光取り出し層12とが協働して、導光機能を発揮してもよい。図2(b)においては、この場合の光路の例を線bで示している。この場合、導光層11の屈折率と光取り出し層12の屈折率との差を小さくして、光取り出し層12と導光層11側との界面では反射を少なくし、一方、光取り出し層12の導光層11とは反対側の面では、光取り出し層12での内部反射が生じやすくなるよう、光取り出し層12を構成することが好ましい。光取り出し層12は、導光層11の片側(外側または内側)に配置されていてもよく(図2、図3)、導光層11の両側(外側および内側)に配置されていてもよい(図4)。
本発明においては、光取り出し部10の内側、すなわち、光出射側に、低屈折率層20を配置することにより、光取り出し部10からの不要な光抜けを防止することができる。より詳細には、屈折率が近い光取り出し部10(実質的には、導光層11または光取り出し層12)と水槽内の液体(代表的には、水)との間に低屈折率層20を設けることにより、光取り出し部10と低屈折率層20との界面での反射が好ましく生じて光の導波効率を好ましくコントロールすることができ、その結果、不要な光抜けを防止して、所望としない明暗の発生を防止することができる。このような側部Aにおいては、光取り出し層の形状を調整すること等により、均一な照明が可能となったり、所望とする明暗の設定が可能となる。好ましくは、低屈折率層20は、光取り出し部10に直接積層される。光抜け防止の方法としては、一般に、水槽内の水と光取出し部10の間に空気層を設けること方法が挙げられるが、水(屈折率1.33)よりも屈折率層が低い低屈折率層を設けることで間に空気層を設けることなく、光漏れを防止でき、水槽の煩雑化を抑制できる。
また、本発明においては、水槽内の液体から離れた位置に光源を配置することができるため、当該光源が当該液体の温度に与える影響を抑えることができる。
また、本発明においては、側壁面を照明とすることができるため、照明に必要なスペースの省スペース化が可能となる。
また、本発明においては、内側に光を出射する側部Aを透光可能に構成することが可能であり、したがって、照明箇所であっても内側観察が可能となる。また、側部Aが透光可能な水槽においては、外部からの視認性が向上する一方、内部から外部への視認性は低下するため、例えば、上記水槽が観賞魚飼育用である場合、水槽内の魚から外部が見えにくくなり、当該魚の受けるストレスを低減させることが可能となる。また、対向する側部それぞれを内側に光を出射する側部Aとすれば、水槽内の陰影を抑制または消失させることができる。例えば、水槽内のオーナメントに満遍なく光を照射できオーナメントの影に起因する観賞魚の確認のしにくさが解消される。
図5は、本発明の別の実施形態における側部A(内側に光を出射する側部A)の概略一部断面図である。この側部A101’は、光取り出し部10’が、光取り出し機能を有する導光層11’から構成される。光取り出し機能を有する導光層11’は、例えば、光取り出し機構として、エアキャビティ1’を有し、エアキャビティ1’の反射を利用して、導光層内で主面方向(図5の紙面上方向)に導かれる光の一部の進行方向をコントロールして、側部A101’の主面全面または主面の一部から、当該光を水槽内側に出射させる。
図6は、本発明の別の実施形態における側部A(内側に光を出射する側部A)の概略部分断面図である。この側部A101’’は、光取り出し部の外側に配置された別の低屈折率層20’を備える。別の低屈折率層20’は、任意の適切な粘着剤層または接着剤層(図示せず)を介して、光取り出し部10に積層される。また、基材(図示せず)と、当該基材上に配置された別の低屈折率層20’とから構成された低屈折率フィルムを貼着することにより、別の低屈折率層20’を設けてもよい。1つの実施形態においては、別の低屈折率層20’は、光取り出し部10に直接配置される。
別の低屈折率層20’を配置することにより、導光層の内部反射が好ましく生じ、光の導波効率を向上させることができる。また、別の低屈折率層20’を配置すれば、側部Aの外側に汚れが付着した場合にも、光の導波効率低下が生じ難く、光抜けが防止される。また、光の導波効率を低下させることなく、別の低屈折率層20’の外側(すなわち、側部Aの外側)に、意匠フィルム等の任意の適切なフィルムを貼着したり、防汚処理、ハードコート処理等の表面処理を施すことができる。なお、図6においては、図1で示す構成に、別の低屈折率層20’を付加する構成を示しているが、その他の構成(例えば、図2~図5の構成)においても、光取り出し部の外側に別の低屈折率層を配置してもよく、配置すれば、上記同様の効果を得ることができる。
上記側部Aは、本発明の効果が得られる限りにおいて、任意の適切なその他の層を有していてもよい。例えば、外側に、ハードコート層、防汚層等の表面処理層が配置され得る。また、低屈折率層を導入するための基材を有していてもよい。これらその他の層は、任意の適切な構成であり得る。
1つの実施形態においては、導光層は水槽の側壁であり得る。この実施形態においては、光取り出し層(例えば、賦形フィルム)と低屈折率層とを含むフィルムAを水槽の側壁(導光層)内側に貼着することにより、側部A(水槽側壁(導光層)/光取り出し層/低屈折率層)が構成される。別の実施形態においては、任意の適切な水槽の側壁内側に、光取り出し部(導光層/光取り出し層)および低屈折率層を含むフィルムBを貼着することにより側部A(水槽側壁/導光層/光取り出し層/低屈折率層)が構成される。フィルムA、およびフィルムBは、必要に応じてその他の層を含み得る。
B.低屈折率層
上記低屈折率層の屈折率は、好ましくは1.25以下であり、より好ましくは1.23以下であり、さらに好ましくは1.20以下であり、さらに好ましくは1.18以下であり、特に好ましくは1.15以下である。このような範囲であれば、上記効果が顕著となる。低屈折率層の屈折率は低いほど好ましいが、その下限は、例えば、1.07以上(好ましくは1.05以上)である。本明細書において、屈折率とは、波長550nmにおいて測定された屈折率をいう。屈折率は、後述の実施例の「(1)屈折率」に記載の方法によって測定された値である。
上記低屈折率層の厚みは、好ましくは0.01μm~1000μmであり、より好ましくは0.05μm~100μmであり、さらに好ましくは0.1μm~80μmであり、特に好ましくは0.3μm~50μmである。
低屈折率層の全光線透過率は、好ましくは85%~99%であり、より好ましくは87%~98%であり、さらに好ましくは89%~97%である。
低屈折率層のヘイズは、例えば5%未満であり、好ましくは3%未満である。一方、ヘイズは、例えば0.1%以上であり、好ましくは0.2%以上である。ヘイズは、例えば、以下のような方法により測定できる。
低屈折率層を50mm×50mmのサイズにカットし、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所社製:HM-150)にセットしてヘイズを測定する。ヘイズ値については、以下の式より算出する。
ヘイズ(%)=[拡散透過率(%)/全光線透過率(%)]×100(%)
上記低屈折率層は、本発明の効果が得られる限り、任意の適切な形態であり得る。1つの実施形態においては、低屈折率層は、所定の空隙を有する空隙層として構成される。
空隙を有する低屈折率層の空隙率は、好ましくは35体積%以上であり、より好ましくは38体積%以上であり、特に好ましくは40体積%以上である。このような範囲であれば、屈折率が特に低い低屈折率層を形成することができる。低屈折率層の空隙率の上限は、例えば、90体積%以下であり、好ましくは75体積%以下である。このような範囲であれば、強度に優れる低屈折率層を形成することができる。空隙率の測定対象となる層が単一層で空隙を含んでいるだけならば、層の構成物質と空気との割合(体積比)は、定法(例えば重量および体積を測定して密度を算出する)により算出することが可能であるため、これにより、空隙率(体積%)を算出できる。また、屈折率と空隙率は相関関係があるため、例えば、層としての屈折率の値から空隙率を算出することもできる。具体的には、例えば、エリプソメーターで測定した屈折率の値から、Lorentz‐Lorenz’s formula(ローレンツ-ローレンツの式)より空隙率を算出する。
上記空隙のサイズは、好ましくは2nm~500nmであり、より好ましくは5nm~500nmであり、さらに好ましくは10nm~200nmであり、特に好ましくは20nm~100nmである。空隙のサイズは、BET試験法により測定することができる。具体的には、比表面積測定装置(マイクロメリティック社製の商品名「ASAP2020」)のキャピラリに、低屈折率層サンプルを0.1g投入した後、室温で24時間、減圧乾燥を行って、空隙構造内の気体を脱気し、その後、低屈折率層サンプルに窒素ガスを吸着させて細孔分布を得、細孔分布から空隙サイズを評価することができる。
空隙を有する低屈折率層のピーク細孔径は、好ましくは5nm~50nmであり、より好ましくは10nm~40nmであり、さらに好ましくは20nm~30nmである。ピーク細孔径は、細孔分布/比表面積測定装置(マイクロトラックベル社の商品名「BELLSORP MINI」)を用いて、窒素吸着によるBJHプロットおよびBETプロット、ならびに等温吸着線から求められる。
空隙を有する低屈折率層は、例えば、シリコーン粒子、微細孔を有するシリコーン粒子、シリカ中空ナノ粒子等の略球状粒子、セルロースナノファイバー、アルミナナノファイバー、シリカナノファイバー等の繊維状粒子、ベントナイトから構成されるナノクレイ等の平板状粒子等を含む。1つの実施形態において、空隙を有する低屈折率層は、粒子同士が化学的に結合して構成される多孔体である。また、空隙を有する低屈折率層を構成する粒子同士は、その少なくとも一部が、少量のバインダー成分(例えば、粒子重量以下のバインダー成分)を介して結合していてもよい。空隙を有する低屈折率層の空隙率および屈折率は、当該低屈折率層を構成する粒子の粒径、粒径分布等により調整することができる。
空隙を有する低屈折率層を得る方法としては、例えば、特開2010-189212号公報、特開2008-040171号公報、特開2006-011175号公報、国際公開第2004/113966号パンフレット、およびそれらの参考文献に記載された方法が挙げられる。具体的には、シリカ系化合物;加水分解性シラン類、ならびにその部分加水分解物および脱水縮合物の少なくともいずれか1つを加水分解及び重縮合させる方法、多孔質粒子および/または中空微粒子を用いる方法、ならびにスプリングバック現象を利用してエアロゲル層を生成する方法、ゾルゲルにより得られたゲルを粉砕し、かつ上記粉砕液中の微細孔粒子同士を触媒等で化学的に結合させた粉砕ゲルを用いる方法、等が挙げられる。ただし、低屈折率層は、この製造方法に限定されず、どのような製造方法により製造しても良い。
好ましくは、空隙を有する低屈折率層は、シリコーン多孔体である。シリコーン多孔体は、互いに結合したケイ素化合物の微細孔粒子から構成され得る。ケイ素化合物の微細孔粒子としては、ゲル状ケイ素化合物の粉砕体が挙げられる。シリコーン多孔体は、例えば、ゲル状ケイ素化合物の粉砕体を含む塗工液を、基材に塗工して形成され得る。1つの実施形態においては、ゲル状ケイ素化合物の粉砕体は、例えば、触媒の作用、光照射、加熱等により化学的に結合(例えば、シロキサン結合)し得る。
ケイ素化合物としては、例えば、下記式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2024044465000002
式(1)中、Xは2、3または4である。Rは、好ましくは炭素数1~6の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1~4の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数1~2のアルキル基である。Rは、好ましくは水素原子または炭素数1~6の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であり、より好ましくは水素原子または炭素数1~4の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子または炭素数1~2のアルキル基である。
上記ケイ素化合物の具体例としては、例えば、トリス(ヒドロキシ)メチルシラン、トリメトキシ(メチル)シラン等が挙げられる。
1つの実施形態においては、ケイ素化合物は3官能シランである。3官能シランを用いれば、屈折率が特に低い低屈折率層を形成することができる。別の実施形態においては、ケイ素化合物は4官能シランである。4官能シランを用いれば、耐擦傷性に優れる低屈折率層を形成することができる。
ケイ素化合物のゲル化は、例えば、ケイ素化合物の脱水縮合反応により行われ得る。脱水縮合反応の方法は、任意の適切な方法が採用され得る。
ゲル状ケイ素化合物の粉砕方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。粉砕方法としては、例えば、超音波ホモジナイザー、高速回転ホモジナイザー等のキャビテーション現象を用いる粉砕装置を用いる方法が挙げられる。
ケイ素化合物の微細孔粒子(ゲル状ケイ素化合物の粉砕体)の体積平均粒子径は、好ましくは0.1μm~2μmであり、より好ましくは0.2μm~1.5μmであり、さらに好ましくは0.4μm~1μmである。体積平均粒子径は、動的光散乱法により測定され得る。
ケイ素化合物の微細孔粒子(ゲル状ケイ素化合物の粉砕体)の粒度分布としては、粒径0.4μm~1μmの粒子の粒子全量に対する割合が、50重量%~99.9重量%であることが好ましく、80重量%~99.8重量%であることがより好ましく、90重量%~99.7重量%であることがさらに好ましい。また、粒子径1μm~2μmの粒子の粒子全量に対する割合が、0.1重量%~50重量%であることが好ましく、0.2重量%~20重量%であることがより好ましく、0.3重量%~10重量%であることがさらに好ましい。粒度分布は、粒度分布評価装置により測定することができる。
上記別の低屈折率層も、本項に例示されるように構成され得る。1つの実施形態においては、上記のとおり、基材と別の低屈折率層とを含むフィルムを用いて、別の低屈折率が配置される。上記基材は、任意の適切な材料で形成され得る。基材を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、オレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂;熱硬化性樹脂;ガラス、シリコン等の無機材料;炭素繊維材料等が挙げられる。上記基材の厚みは特に限定されず、用途に応じて、任意の適切な厚みに設定され得る。基材の厚みは、例えば、1μm~1000μmである。
(低屈折率層の形成方法)
1つの実施形態においては、低屈折率層は、当該低屈折率層を含むフィルムにより、導入される。低屈折率層を含むフィルムは、例えば、光取り出し層(例えば、賦形フィルム)上に低屈折率層を形成して構成されていてもよく、基材上に低屈折率層を形成して構成されていてもよい。また、低屈折率層は低屈折率粘着剤でもよい。
低屈折率層を含むフィルムは、任意の適切な方法により製造することができる。例えば、所定の粒子(例えば、上記ケイ素化合物の微細孔粒子、好ましくはゲル状ケイ素化合物の粉砕体)を含む塗工液を、光取り出し層または基材上に塗布し、乾燥させることにより、低屈折率層を含むフィルムを得ることができる。
上記基材は、任意の適切な材料で形成され得る。基材を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、オレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂;熱硬化性樹脂;ガラス、シリコン等の無機材料;炭素繊維材料等が挙げられる。
上記基材の厚みは特に限定されず、用途に応じて、任意の適切な厚みに設定され得る。基材の厚みは、例えば、1μm~1000μmである。
上記塗工液は、任意の適切な溶媒を含む。溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコール、エタノール、メタノール、n-ブタノール、2-ブタノール、イソブチルアルコール、ペンタノール等が挙げられる。
1つの実施形態においては、上記塗工液は、触媒をさらに含む。触媒としては、粒子の化学的結合を促進させ得る触媒が用いられる。例えば、当該粒子としてケイ素化合物の微細孔粒子を用いる場合、ケイ素化合物のシラノール基の脱水縮合反応を促進させ得る触媒が用いられる。触媒としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム等の塩基触媒、塩酸、酢酸、シュウ酸等の酸触媒等が挙げられる。なかでも好まくは、塩基触媒である。触媒の含有割合は、塗工液中の粒子100重量部に対して、好ましくは0.01重量部~20重量部であり、より好ましくは0.1重量部~5重量部である。
塗工液の塗布方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。塗布方法としては、例えば、バーコーター塗布、エアナイフ塗布、グラビア塗布、グラビアリバース塗布、リバースロール塗布、リップ塗布、ダイ塗布、ディップ塗布等が挙げられる。
塗工液の乾燥方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。塗工液の乾燥方法は、自然乾燥であってもよく、加熱乾燥であってもよく、減圧乾燥であってもよい。加熱手段としては、例えば、熱風器、加熱ロール、遠赤外線ヒーター等が挙げられる。
低屈折率層を含むフィルムの製造方法は、加熱工程を含んでいてもよい。加熱工程により、低屈折率層を構成する粒子同士の結合を促進させることができる。例えば、当該粒子としてケイ素化合物の微細孔粒子を用いる場合、加熱温度は、200℃以上が好ましい。なお、上記乾燥工程が加熱工程を兼ねていてもよい。
低屈折率層を含むフィルムの製造法の詳細は、例えば、特開2017-47677号公報に記載されている。当該公報の記載は、本明細書に参考として援用される。
C.光取り出し部
C-1.導光層
上記のとおり、光取り出し部は導光層を含み得る。導光層を構成する材料としては、光源から照射された光を効率的に導き得る限り、任意の適切な材料が用いられ得る。導光層を構成する材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂、ポリカーボネート(PC)系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ガラス(例えば、石英ガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス)が挙げられる。導光層の厚さは、例えば100μm~1000μmである。
導光層の屈折率は、好ましくは1.4以上であり、より好ましくは1.45より大きく、さらに好ましくは1.45より大きく2以下であり、特に好ましくは1.48~1.8である。
導光層と光取り出し層とが配置される場合、導光層の屈折率と光取り出し層の屈折率層との差は、好ましくは0.2以下であり、より好ましくは0.1以下であり、さらに好ましくは0.05以下である。このような範囲であれば、導光層と光取り出し層との界面での反射を低減して、光取り出し部(導光層/光取り出し層)全体として好ましく導光機能を発揮する光取り出し部を形成することができる。
導光層の屈折率と低屈折率層の屈折率層との差は、好ましくは0.2以上であり、より好ましくは0.23以上であり、さらに好ましくは0.25以上である。導光層が、光取り出し機能を有する導光層である場合(図5)、導光層の屈折率と低屈折率層の屈折率層との差が上記範囲であれば、導光層と低屈折率層との界面において光を良好に反射させることができ、光の導波効率に優れる側部Aを得ることができる。なお、通常、導光層の屈折率は、低屈折率層の屈折率より高い。
(光取り出し機能を有する導光層)
光取り出し機能を有する導光層は光取り出し機構を有し、当該光取り出し機構における反射により、導光層主面からの出射する光量が多い導光層であり得る。光取り出し機構は、代表的にはエアキャビティであり得る。光取り出し機構の配置、形状等については、下記C-2項で説明される形態が適用され得る。また、光取り出し機構は、光源からの光入射方向に略直交する方向に延びる溝を所定の間隔で配置して構成されていてもよい。光取り出し機構は、光取り出し機能を有する導光層において、外側内面に設けられ得る。
C-2.光取り出し層
上記のとおり、光取り出し層は、光取り出し機構を含む。光取り出し機構1は、複数の凹部1aを有する。凹部1aのそれぞれは、光取り出し層内を伝搬する光の一部を内部全反射(TIR)によって出射面側(水槽内側)に向ける第1傾斜面ISaと、第1傾斜面ISaとは反対側の第2傾斜面ISbとを有する。代表的には、第1傾斜面ISaは光源側の傾斜面であり、第2傾斜面ISbは光源から遠位側の面である。1つの実施形態においては、光取り出し機構1は、光取り出し層12において、外側内面に設けられる。以下、図7~図9を参照して、光取り出し機構および凹部について具体的に説明する。
平面視した場合に光取り出し層の面積に占める凹部の合計面積の割合(占有面積率)は、好ましくは1%~80%である。占有面積率の上限は、例えば50%以下であってもよく、また例えば45%以下であってもよく、また例えば30%以下であってもよく、また例えば10%以下であってもよく、また例えば5%以下であってもよい。専有面積率が小さいほど、高い透過率および/または低いヘイズを有する光取り出し層を得ることができる。例えば、占有面積率が50%のとき、ヘイズ30%の光取り出し層を得ることができる。一方で、占有面積率の上限は、所望の光取り出し機能に応じて設定することができる。専有面積率は、光取り出し層全体にわたって均一であってもよく、不均一であってもよい。例えば、凹部の専有面積率を不均一にすることにより、水槽内で明暗をコントロールすることができる。
図7は、凹部の平面視形状および配列の一例を示す概略平面図である。図7に示すように、複数の凹部1aは、離隔して配置されている。凹部1aの配置は、少なくとも1つの方向において周期性または規則性を有してもよいし、周期性および規則性を有しなくてもよい。図示例においては、実質的に同一の形状で同一の方向に凸な曲面を有する複数の凹部1aが、光取り出し層全体にわたって、導光方向および導光方向に直交する方向に周期的に配置されている。この場合、凹部1aの導光方向のピッチPyは、好ましくは10μm~500μmであり;導光方向に直交する方向のピッチPxは、好ましくは10μm~500μmである。図示例においては、導光方向および導光方向に直交する方向のそれぞれに2分の1ピッチずれて配置された凹部1aがさらに設けられている。
凹部1aの配置は、図示例に限られず、目的、光取り出し層の形状、所望の配光分布等に応じて適切に設定され得る。例えば、凹部1aは、導光方向に対して所定の角度を有する方向に周期的に配置されてもよく、導光方向に直交する方向に対して所定の角度を有する方向に周期的に配置されてもよい。導光方向および/または導光方向に直交する方向に対する所定の角度は、目的、光取り出し層の形状、所望の配光分布等に応じて適切に設定され得る。
図示例の光取り出し機構1は、導光方向および導光方向に直交する方向のそれぞれに周期的に配置された(すなわち、それぞれが離隔して配置された)凹部1aを有するが、光取り出し機構1は、例えば、導光方向に直交する方向に延びる溝状の(例えば、三角柱状の)凹部を有していてもよい。
次に、凹部1aの形状について説明する。1つの実施形態においては、図7に示すように、光取り出し層の法線方向から見たとき、第1傾斜面ISaは光源側に凸な曲面を形成している。光源は例えばLED装置であり、複数のLED装置が導光方向に直交する方向に配列されている。複数のLED装置のそれぞれから出射される光は導光方向に対して広がりを有するので、第1傾斜面ISaが光源側に凸な曲面を有している方が、第1傾斜面ISaが光に対して均一に作用する。なお、例えば光源と光取り出し層の受光部との間に結合光学系を設けて平行度の高い光(導光方向に対する広がりが小さい光)を入射させるようにした場合には、第1傾斜面ISaは導光方向に直交する方向に平行であってもよい。なお、第1傾斜面ISaの光源側に凸な曲面は、例えば4次曲線で表される。
図8は、凹部の形状を具体的に説明するための概略断面図であり;図9(a)は、図7の凹部の平面視形状をさらに具体的に説明するための概略平面図であり;図9(b)は、凹部の別の例の平面視形状を具体的に説明するための概略平面図である。図8に示すように、凹部1aの断面形状は、例えば三角形である。光源側の第1傾斜面ISaの傾斜角θaは、例えば10°~70°である。傾斜角θaが10°よりも小さいと配光の制御性が不十分となり、光取り出し効率が不十分となる場合がある。一方、傾斜角θaが70°を超えると、例えば賦形フィルム(光取り出し層を構成するフィルム)の加工が困難になる場合がある。第2傾斜面ISbの傾斜角θbは、例えば50°~100°である。傾斜角θbが50°より小さいと、意図しない方向に迷光が発生する場合がある。傾斜角θbが100°を超えると、例えば賦形フィルム(光取り出し層を構成するフィルム)の加工が困難になる場合がある。図9(a)および図9(b)に示すように、凹部1aの長さLは、好ましくは10μm~500μmであり、幅Wは、好ましくは1μm~100μmである。長さLは、例えば、幅Wの2倍以上である。高さHは、好ましくは1μm~100μmである。なお、図9(a)に示す平面形状を有する凹部を有する賦形フィルムを形成する際の加工精度によって、図9(b)に示す平面形状を有する凹部が形成されることがある。そのような場合であっても、長さLおよび幅Wによって、凹部の平面形状を特徴づけることができる。
光取り出し層は、上記のような光取り出し機構が形成される限りにおいて任意の適切な材料で構成され得る。光取り出し層は、代表的には、可視光に対する透過率が高い材料で構成され得る。このような材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂、ポリカーボネート(PC)系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ガラス(例えば、石英ガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス)が挙げられる。好ましくは、光取り出し層を構成する材料は、導光層を構成する材料と同じ材料が用いられる。このようにすれば、導光層と光取り出し層との界面での反射を低減して、光取り出し部(導光層/光取り出し層)全体として好ましく導光機能を発揮する光取り出し部を形成することができる。
光取り出し層は、単一の(一体の)賦形フィルムで構成されていてもよく、基材上に光取り出し機構が形成されていてもよい。光取り出し機構は、任意の適切な方法により形成され得る。基材上に光取り出し機構が形成されている場合、光取り出し機構は、例えば、上記材料で構成されたフィルム(基材)の表面をラッカーでコーティングし、当該ラッカーを含むフィルム表面上に光学パターン(光取り出し機構に対応する)をエンボス加工し、その後ラッカーを硬化させることにより形成され得る。このような方法は、例えば特表2013-524288号公報に記載されており、当該公報の記載は本明細書に参考として援用される。
光取り出し層の厚みは、好ましくは5μm~200μmであり、より好ましくは5μm~150μmであり、さらに好ましくは5μm~100μmである。光取り出し層が単一の賦形フィルムで構成される場合には、その厚みは、例えば100μm~130μmであり得る。光取り出し層が基材と基材上に形成された光取り出し機構を有する場合、基材の厚みは例えば20μm~40μmであり、光取り出し機構の厚みは例えば5μm~20μmであり得る。
光取り出し層の屈折率は、好ましくは1.4以上であり、より好ましくは1.45より大きく、さらに好ましくは1.45より大きく2以下であり、特に好ましくは1.48~1.8である。
光取り出し層の屈折率と低屈折率層の屈折率層との差は、好ましくは0.2以上であり、より好ましくは0.23以上であり、さらに好ましくは0.25以上である。このような範囲であれば、光取り出し層と低屈折率層との界面において光を良好に反射させることができ、光の導波効率に優れる側部Aを得ることができる。なお、通常、光取り出し層の屈折率は、低屈折率層の屈折率より高い。
D.粘着剤層
側部Aを構成する各層は、任意の適切な粘着剤層を介して、積層され得る。上記光取り出し層の外側(すなわち、光取り出し機構が設けられた側)および低屈折率層においては、光取り出し層の凹部および低屈折率層の空隙に対する浸透性が考慮された粘着剤層Aが、好ましく配置される。以下、光取り出し層の外側(すなわち、光取り出し機構が設けられた側)および低屈折率層に隣接し得る粘着剤層Aを、単に粘着剤層Aともいう。
粘着剤層Aの23℃における貯蔵弾性率は、代表的には1.0×10(Pa)~1.0×10(Pa)である。例えば、1.1×10(Pa)以上、1.2×10(Pa)以上、1.3×10(Pa)以上、1.4×10(Pa)以上、1.5×10(Pa)以上、1.6×10(Pa)以上、1.7×10(Pa)以上、1.8×10(Pa)以上、1.9×10(Pa)以上または2.0×10(Pa)以上であり、かつ1.0×10(Pa)以下、5.0×10(Pa)以下、1.0×10(Pa)以下または5.0×10(Pa)以下である。好ましくは1.3×10(Pa)~1.0×10(Pa)であり、より好ましくは1.5×10(Pa)~5.0×10(Pa)である。貯蔵弾性率は、JIS K 7244-1「プラスチック-動的機械特性の試験方法」に記載の方法に準拠して、周波数1Hzの条件で、-50℃~150℃の範囲で昇温速度5℃/分で測定した際の、23℃におけるにおける値を読み取ることにより求められる。
粘着剤層Aを構成する粘着剤としては、上記のような特性を有する限りにおいて任意の適切な粘着剤が用いられ得る。粘着剤としては、代表的には、アクリル系粘着剤(アクリル系粘着剤組成物)が挙げられる。アクリル系粘着剤組成物は、代表的には、(メタ)アクリル系ポリマーを主成分(ベースポリマー)として含む。(メタ)アクリル系ポリマーは、粘着剤組成物の固形分中、例えば50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上の割合で粘着剤組成物に含有され得る。(メタ)アクリル系ポリマーは、モノマー単位としてアルキル(メタ)アクリレートを主成分として含有する。なお、(メタ)アクリレートはアクリレートおよび/またはメタクリレートをいう。アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基としては、例えば、1個~18個の炭素原子を有する直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。当該アルキル基の平均炭素数は、好ましくは3個~9個である。(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレート以外に、カルボキシル基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマー、アミド基含有モノマー、芳香環含有(メタ)アクリレート、複素環含有(メタ)アクリレート等のコモノマーが挙げられる。コモノマーは、好ましくはヒドロキシル基含有モノマーおよび/または複素環含有(メタ)アクリレートであり、より好ましくはN-アクリロイルモルホリンである。アクリル系粘着剤組成物は、好ましくは、シランカップリング剤および/または架橋剤を含有し得る。シランカップリング剤としては、例えばエポキシ基含有シランカップリング剤が挙げられる。架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、過酸化物系架橋剤が挙げられる。このような粘着剤層またはアクリル系粘着剤組成物の詳細は、例えば特許第4140736号に記載されており、当該特許公報の記載は本明細書に参考として援用される。
粘着剤層Aの厚みは、好ましくは3μm~30μmであり、より好ましくは5μm~10μmである。粘着剤層Aの厚みがこのような範囲であれば、充分な密着力を有しつつ、隣接層に対する影響が小さいという利点を有する。
粘着剤層Aの屈折率は、好ましくは1.4以上であり、より好ましくは1.45より大きく、さらに好ましくは1.45より大きく2以下であり、特に好ましくは1.48~1.8である。
光取り出し層の外側(すなわち、光取り出し機構が設けられた側)および低屈折率層に隣接しない粘着剤層(粘着剤層Bとする)は、任意の適切な粘着剤で構成される。1つの実施形態においては、当該粘着剤層Bは、振動の伝達を吸収して隣接層の破損を抑制し得るような柔らかさを有する粘着剤で構成される。粘着剤層Bの23℃における貯蔵弾性率は、例えば1.0×10(Pa)以下であり、例えば、1.0×10(Pa)以下、9.5×10(Pa)以下、9.0×10(Pa)以下、8.5×10(Pa)以下、8.0×10(Pa)以下、7.5×10(Pa)以下、または7.0×10(Pa)以下であり、かつ1.0×10(Pa)以上、5.0×10(Pa)以上、1.0×10(Pa)以上、または5.0×10(Pa)以上である。好ましくは5.0×10(Pa)~9.0×10(Pa)以下であり、より好ましくは1.0×10(Pa)~8.5×10(Pa)である。
粘着剤層Bを構成する粘着剤としては、上記のような特性を有する限りにおいて任意の適切な粘着剤が用いられ得る。粘着剤としては、代表的には、アクリル系粘着剤(アクリル系粘着剤組成物)が挙げられる。アクリル系粘着剤組成物は、上記のとおりである。ただし、粘着剤層Bを構成する粘着剤は、好ましくはコモノマーとして複素環含有(メタ)アクリレートを含まない。また、粘着剤組成物中のベースポリマーの重量平均分子量Mwは、好ましくは2000000以下であり、より好ましくは5000~1600000である。粘着剤層Bまたは粘着剤層Bを構成するアクリル系粘着剤組成物の詳細は、例えば特開2016-190996号公報に記載されており、当該公報の記載は本明細書に参考として援用される。
粘着剤層Bの厚みは、好ましくは5μm~300μmであり、より好ましくは10μm~200μmである。粘着剤層Bの厚みがこのような範囲であれば、特に横方向への振動時に衝撃を緩和し低屈折率層へのダメージを低減させることができる。
粘着剤層Bの屈折率は、好ましくは1.4以上であり、より好ましくは1.45より大きく、さらに好ましくは1.45より大きく2以下であり、特に好ましくは1.48~1.8である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。また、特に明記しない限り、「部」および「%」は重量基準である。また、屈折率の測定方法は、下記のとおりである。
・屈折率測定方法
低屈折率層を50mm×50mmのサイズにカットし、これを粘着層を介してガラス板(厚み:3mm)の表面に貼合した。上記ガラス板の裏面中央部(直径20mm程度)を黒マジックで塗りつぶして、該ガラス板の裏面で反射しないサンプルとした。エリプソメーター(J.A.Woollam Japan社製:VASE)に上記サンプルをセットし、500nmの波長、入射角50~80度の条件で、屈折率を測定した。
[製造例1]低屈折率層形成用塗工液Aの調製
(1)ケイ素化合物のゲル化
2.2gのDMSOに、ケイ素化合物の前駆体であるMTMSを0.95g溶解させて混合液Aを調製した。この混合液Aに、0.01mol/Lのシュウ酸水溶液を0.5g添加し、室温で30分撹拌を行うことでMTMSを加水分解して、トリス(ヒドロキシ)メチルシランを含む混合液Bを生成した。
5.5gのDMSOに、28重量%のアンモニア水0.38g、および純水0.2gを添加した後、さらに、上記混合液Bを追添し、室温で15分撹拌することで、トリス(ヒドロキシ)メチルシランのゲル化を行い、ゲル状ケイ素化合物を含む混合液Cを得た。
(2)熟成処理
上記のように調製したゲル状ケイ素化合物を含む混合液Cを、そのまま、40℃で20時間インキュベートして、熟成処理を行った。
(3)粉砕処理
つぎに、上記のように熟成処理したゲル状ケイ素化合物を、スパチュラを用いて数mm~数cmサイズの顆粒状に砕いた。次いで、混合液CにIBAを40g添加し、軽く撹拌した後、室温で6時間静置して、ゲル中の溶媒および触媒をデカンテーションした。同様のデカンテーション処理を3回行うことにより、溶媒置換し、混合液Dを得た。次いで、混合液D中のゲル状ケイ素化合物を粉砕処理(高圧メディアレス粉砕)した。粉砕処理(高圧メディアレス粉砕)は、ホモジナイザー(エスエムテー社製、商品名「UH-50」)を使用し、5ccのスクリュー瓶に、混合液D’中のゲル状化合物1.85gおよびIBAを1.15g秤量した後、50W、20kHzの条件で2分間の粉砕で行った。
この粉砕処理によって、上記混合液D中のゲル状ケイ素化合物が粉砕されたことにより、該混合液D’は、粉砕物のゾル液となった。混合液D’に含まれる粉砕物の粒度バラツキを示す体積平均粒子径を、動的光散乱式ナノトラック粒度分析計(日機装社製、UPA-EX150型)にて確認したところ、0.50~0.70であった。さらに、このゾル液(混合液C’)0.75gに対し、光塩基発生剤(和光純薬工業株式会社:商品名WPBG266)の1.5重量%濃度MEK(メチルエチルケトン)溶液を0.062g、ビス(トリメトキシシリル)エタンの5%濃度MEK溶液を0.036gの比率で添加し、低屈折率層用塗工液Aを得た。
[製造例2]粘着剤層Aを構成する粘着剤の調製
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート90.7部、N-アクリロイルモルホリン6部、アクリル酸3部、2-ヒドロキシブチルアクリレート0.3部、重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部を酢酸エチル100gと共に仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を55℃付近に保って8時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー溶液を調製した。得られたアクリル系ポリマー溶液の固形分100部に対して、イソシアネート架橋剤(日本ポリウレタン工業社製のコロネートL,トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネートのアダクト体)0.2部、ベンゾイルパーオキサイド(日本油脂社製のナイパーBMT)0.3部、γ-グリシドキシプロピルメトキシシラン(信越化学工業社製:KBM-403)0.2部を配合したアクリル系粘着剤溶液を調製した。次いで、上記アクリル系粘着剤溶液を、シリコーン処理を施したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(三菱化学ポリエステルフィルム社製、厚さ:38μm)の片面に、乾燥後の粘着剤層の厚さが20μmになるように塗布し、150℃で3分間乾燥を行い、粘着剤層を形成した。得られた粘着剤の貯蔵弾性率は、1.3×10(Pa)であった。
[製造例3]粘着剤層Bを構成する粘着剤の調製
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート99部、4-ヒドロキシブチルアクリレート1部、重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.1部を酢酸エチル100部と共に仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を55℃付近に保って8時間重合反応を行い、アクリル系ポリマーの溶液を調製した。得られたアクリル系ポリマー溶液の固形分100部に対して、イソシアネート架橋剤(三井武田ケミカル社製のタケネートD110N,トリメチロールプロパンキシリレンジイソシアネート)0.1部、ベンゾイルパーオキサイド(日本油脂社製のナイパーBMT)0.1部、γ-グリシドキシプロピルメトキシシラン(信越化学工業社製:KBM-403)0.2部を配合して、アクリル系粘着剤組成物の溶液を調製した。次いで、上記アクリル系粘着剤組成物の溶液を、シリコーン系剥離剤で処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(セパレータフィルム:三菱化学ポリエステルフィルム(株)製,MRF38)の片面に塗布し、150℃で3分間乾燥を行い、セパレータフィルムの表面に厚さが20μmの粘着剤層を形成した。得られた粘着剤の貯蔵弾性率は、8.2×10(Pa)であった。
[製造例4]光取り出し層(賦形フィルム)の作製
特表2013-524288号公報に記載の方法にしたがって、一方の主面に凹部を有するフィルムを作製した。具体的には、以下のとおりである。ポリメタクリル酸メチル(PMMA)フィルム(厚み40μm)の表面をラッカー(三洋化成工業社製ファインキュアー RM-64)でコーティングし、当該ラッカーを含むフィルム表面上に所定の光学パターンをエンボス加工し、その後ラッカーを硬化させることにより、図8に示すような断面形状を有し図7に示すような平面視形状を有する凹部を含むフィルムを作製した。凹部の高さ(深さ)Hは10μmであり、幅Wは20μmであり、第1傾斜面の傾斜角θaは30°であり、第2傾斜面の傾斜角θbは70°であった。さらに、凹部の導波方向のピッチPyは100μmであり、導波方向に直交する方向のピッチPxは200μmでああった。なお、光取り出し層(賦形フィルム)の屈折率は約1.5であった。
[実施例1]
製造例1で調製した低屈折率層用塗工液Aをアクリル基材に塗布し乾燥させて、アクリル基材の一方の面に厚み850nmの低屈折率層(屈折率:1.18)が配置された積層体を得た。低屈折率層にUV(300mJ)を照射した後、製造例2の粘着剤層A(以下、単に粘着剤層Aという)を、上記アクリル基材の他方の面に転写し、60℃で20時間エージングした。次いで、この粘着剤層Aに光取り出し層(賦形フィルム)を貼り合せて、光取り出し層(賦形フィルム)/粘着剤層A(10μm)/アクリル基材/低屈折率層(850nm)を備える水槽用導光照明フィルム(低屈折率フィルムA)を得た。さらに、水槽用導光照明フィルムの低屈折率層側最表面に、転写された粘着剤層Aを介して、基材付ハードコート層を貼り合せた。
次いで、水槽(壁部:ガラス製(屈折率:1.5~1.55))の壁部内側に、転写された粘着剤層Aを介し、光取り出し層(賦形フィルム)が水槽側となり、かつ、水槽内側に出光するようにして、上記水槽用導光照明フィルムを貼り合せ、水槽壁部(導光層)/粘着剤層A/光取り出し層(賦形フィルム)/粘着剤層A/アクリル基材/低屈折率層/粘着剤層A/基材付ハードコート層から構成される積層構造を形成した。
次いで、製造例1で調製した低屈折率層用塗工液Aを、基材としてのアクリル系樹脂フィルム(厚み:20μm)に塗布し、乾燥させて、基材の片面に厚み850nmの低屈折率層(屈折率:1.18)が配置された積層体を得た。低屈折率層にUV(300mJ)を照射した後、粘着剤層Aを、低屈折率層上に転写し、60℃で20時間エージングし、低屈折率フィルムB(アクリル基材(20μm)/低屈折率層(850nm)/粘着剤層A(10μm))を得た。
次いで、上記水槽壁部(導光層)外側に、粘着剤層Aが水槽側となるようにして、低屈折率フィルムBを積層し、さらに、粘着剤層Aを介して基材付ハードコート層を貼り合せて、外側から順に、基材付ハードコート層/粘着剤層A/アクリル基材/低屈折率層/粘着剤層A/水槽壁部(導光層)/粘着剤層A/光取り出し層(賦形フィルム)/粘着剤層A/アクリル基材/低屈折率層/粘着剤層A/基材付ハードコート層を備える水槽を得た。
さらに、水槽壁部(導光層)の下部に、水槽壁部上部に向けて光を出射するようにしてLED光源を設けた。
上記構成を、実施例2~6および比較例1の構成とともに、表1にまとめる。
[実施例2]
実施例1と同様にして、水槽用導光照明フィルムを得た。
導光板(アクリル系樹脂製、屈折率:1.49)を導光層とし、当該導光層の一方の面に、転写された粘着剤層Aを介し、光取り出し層(賦形フィルム)が導光層側となり、かつ、水槽内側に出光するようにして、上記水槽用導光照明フィルムを貼り合せ、導光層/粘着剤層A/光取り出し層(賦形フィルム)/粘着剤層A/アクリル基材/低屈折率層/粘着剤層A/基材付ハードコート層から構成される積層体を形成した。所定の水槽の壁部内側に、製造例3の粘着剤層Bを転写し、当該粘着剤層Bを介し、導光層が水槽側となるようにして、上記積層体を貼り合せた。このようにして、壁部内側に、導光層/粘着剤層A/光取り出し層(賦形フィルム)/粘着剤層A/アクリル基材/低屈折率層/粘着剤層A/基材付ハードコート層を備える積層構造を形成した。
さらに、実施例1と同様にして、低屈折率フィルムBを得た。次いで、上記水槽の外側に、低屈折率フィルムBを積層し、さらに基材付ハードコート層を粘着剤層Aを介して貼り合せて、外側から順に、基材付ハードコート層/粘着剤層A/アクリル基材/低屈折率層/粘着剤層A/水槽壁部/導光層/粘着剤層A/光取り出し層(賦形フィルム)/粘着剤層A/アクリル基材/低屈折率層/粘着剤層A/基材付ハードコート層を備える水槽を得た。
さらに、導光層の下部に、水槽壁部上部に向けて光を出射するようにしてLED光源を設けた。
[実施例3]
実施例1と同様にして、低屈折率フィルムBを得た。
次いで、水槽(壁部:ガラス製(屈折率:1.5~1.55)の壁部内側に、粘着剤層Aが水槽側となるようにして、上記低屈折率フィルムBを積層し、さらに、転写された粘着剤層Aを介して基材付ハードコート層を貼り合せて、水槽壁部(導光層)/粘着剤層A/低屈折率層/アクリル基材/粘着剤層A/基材付ハードコート層から構成される積層構造を形成した。
次いで、実施例1と同様にして、低屈折率フィルムAを得た。水槽の壁部外側に、転写された粘着剤層Aを介し、光取り出し層(賦形フィルム)が水槽側となり、かつ、水槽内側に出光するようにして、低屈折率フィルムAを貼り合せた。
このようにして、外側から順に、基材付ハードコート層/粘着剤層A/低屈折率層/アクリル基材/粘着剤層A/光取り出し層(賦形フィルム)/粘着剤層A/水槽壁部(導光層)/粘着剤層A/低屈折率層/アクリル基材/粘着剤層A/基材付ハードコート層を備える水槽を得た。
さらに、水槽壁部(導光層)の下部に、水槽壁部上部に向けて光を出射するようにしてLED光源を設けた。
[実施例4]
実施例1と同様にして、低屈折率フィルムBを得た。
所定の水槽の壁部内側に、粘着剤層Aが水槽側となるようにして、低屈折率フィルムBを積層し、さらに、転写された粘着剤層Aを介して、基材付ハードコート層を貼り合せて、水槽の壁部内側に、粘着剤層A/低屈折率層/アクリル基材/粘着剤層A/基材付ハードコート層から構成される積層構造を形成した。
次いで、実施例1と同様にして、低屈折率フィルムAを得た。導光板(アクリル系樹脂製、屈折率:1.49)を導光層とし、導光層に、転写された粘着剤層Aを介し、光取り出し層(賦形フィルム)が導光層側となり、かつ、水槽内側に出光するようにして、低屈折率フィルムAを貼り合せ、基材付ハードコート層/粘着剤層A/低屈折率層/アクリル基材/粘着剤層A/光取り出し層(賦形フィルム)/粘着剤層A/導光層から構成される積層体を得た。上記水槽の壁部外側に、転写された粘着剤層Bを介し、導光層が水槽側となるようにして、上記積層体を貼り合せた。
このようにして、外側から順に、基材付ハードコート層/粘着剤層A/低屈折率層/アクリル基材/粘着剤層A/光取り出し層(賦形フィルム)/粘着剤層A/導光層/粘着剤層A/水槽壁部/粘着剤層A/低屈折率層/アクリル基材/粘着剤層A/基材付ハードコート層を備える水槽を得た。
さらに、導光層の下部に、水槽壁部上部に向けて光を出射するようにしてLED光源を設けた。
得られた水槽を上記評価に供した。結果を表1に示す。
[実施例5]
導光板(アクリル系樹脂製、屈折率:1.49)の片面に、光入射方向に略直交に延びる溝形状を有するエアキャビティを設けて、光取り出し機能を有する導光層を得た。
実施例1と同様にして、低屈折率フィルムBを得た。
光取り出し機能を有する導光層のエアキャビティ側に、粘着剤層Aが水槽側となるようにして、低屈折率フィルムBを積層し、さらに、転写された粘着剤層Aを介して基材付ハードコート層を積層して、光取り出し機能を有する導光層/粘着剤層A/低屈折率層/アクリル基材/粘着剤層A/基材付ハードコート層から構成される積層体を得た。次いで、この積層体を、転写された粘着剤層Bを介して、所定の水槽の壁部内側に、水槽内側に出光するようにして、貼り合せた。
さらに、実施例1と同様にして、低屈折率フィルムBを得た。次いで、上記水槽の外側に、低屈折率フィルムBを積層し、さらに、転写された粘着剤層Aを介して基材付ハードコート層を貼り合せて、外側から順に、基材付ハードコート層/粘着剤層A/アクリル基材/低屈折率層/粘着剤層A/水槽壁部/光取り出し機能を有する導光層/粘着剤層A/アクリル基材/低屈折率層/粘着剤層A/基材付ハードコート層を備える水槽を得た。
さらに、導光層の下部に、水槽壁部上部に向けて光を出射するようにしてLED光源を設けた。
[実施例6]
実施例1と同様にして、水槽用導光照明フィルムを得た。
導光板(アクリル系樹脂製、屈折率:1.49)を導光層とし、当該導光層の一方の面に、転写された粘着剤層Aを介し、光取り出し層(賦形フィルム)が導光層側となり、かつ、水槽内側に出光するようにして、上記水槽用導光照明フィルムを貼り合せ、導光層/粘着剤層A/光取り出し層(賦形フィルム)/粘着剤層A/アクリル基材/低屈折率層/粘着剤層A/基材付ハードコート層から構成される積層体を得た。所定の水槽の壁部内側に、製造例3の粘着剤層Bを転写し、当該粘着剤層Bを介して、上記積層体を貼り合せた。このようにして、水槽壁部内側に、導光層/粘着剤層A/光取り出し層(賦形フィルム)/粘着剤層A/アクリル基材/低屈折率層/粘着剤層A/基材付ハードコート層を備える積層構造を形成した。
さらに、導光層の下部に、水槽壁部上部に向けて光を出射するようにしてLED光源を設けた。
[比較例1]
実施例1と同様にして、低屈折率フィルムAを得た。
導光板(アクリル系樹脂製、屈折率:1.49)を導光層とし、当該導光層の一方の面に、転写された粘着剤層Aを介し、光取り出し層(賦形フィルム)が導光層側とり、かつ、水槽内側に出光するようにして、低屈折率フィルムAを貼り合せ、基材付ハードコート層/粘着剤層A/低屈折率層/アクリル基材/粘着剤層A/光取り出し層(賦形フィルム)/粘着剤層A/導光層から構成される積層体を得た。
水槽の壁部外側に、転写された粘着剤層Bを介し、導光層が水槽側となるようにして、上記積層体を貼り合せた。
このようにして、外側から順に、基材付ハードコート層/粘着剤層A/低屈折率層/アクリル基材/粘着剤層A/光取り出し層(賦形フィルム)/粘着剤層A/導光層/水槽壁部を備える水槽を得た。
さらに、導光層の下部に、水槽壁部上部に向けて光を出射するようにしてLED光源を設けた。
<評価>
実施例および比較例の水槽について、LED光源から導光層に光を入射させた際の光抜けの有無を目視にて確認したところ、実施例1~6においては、光抜けなく水槽内側へ照明されていることが確認できた。一方、光取り出し部(表1の太線で囲まれた構成)の内側に配置された低屈折率層を有さない比較例1においては、導光層を伝搬する光の一部が水槽内側へ抜け、不均一な照明となることが確認された。
また、実施例の水槽の外側面に指紋汚れを付着させて、LED光源から導光層に光を入射させた際の光抜けの有無を目視にて確認したところ、実施例1~5においては、指紋汚れ付着箇所においても、光抜けのないことが確認された。一方、水槽外側に低屈折率層を有さない実施例6においては、指紋汚れ付着箇所において、水槽外側へのわずかな光抜けが確認された。
1 光取り出し機構
10 光取り出し部
11 導光層
12 光取り出し層
20 低屈折率層
30 光源
100 水槽
101 側部A

Claims (10)

  1. 内側に光を出射する側部Aを備え、
    該側部Aが、導光層を有する光取り出し部と、該光取り出し部の内側に配置された低屈折率層とを備える、
    水槽。
  2. 前記光取り出し部が、導光層の少なくとも一方の面に配置された光取り出し層をさらに有する、請求項1に記載の水槽。
  3. 前記光取り出し層が、賦形フィルムである、請求項2に記載の水槽。
  4. 前記光取り出し部が、光取り出し機能を有する導光層から構成される、請求項1に記載の水槽。
  5. 前記光取り出し機能を有する導光層が、光取り出し機構として、エアキャビティを有する、請求項4に記載の水槽。
  6. 前記低屈折率層が、空隙層である、請求項1に記載の水槽。
  7. 前記低屈折率層の空隙率が、35体積%以下である、請求項6に記載の水槽。
  8. 前記側壁下部に配置された光源を備える、請求項1に記載の水槽。
  9. 前記導光層が、前記水槽の側壁である、請求項1に記載の水槽。
  10. 前記側部Aが、前記光取り出し部の外側に配置された別の低屈折率層をさらに備える、請求項1に記載の水槽。
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