JP2024044349A - 時刻同期装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のマスター装置から時刻同期装置までのネットワーク経路の品質が考慮されていないこと。【解決手段】基準時刻を有する複数のマスター装置との間で冗長化された複数のネットワーク経路を通じてPTP(Precision Time Protocol)パケットを送受信して時刻を同期させる時刻同期装置は、検出手段と選択手段を備える。検出手段は、複数のネットワーク経路それぞれの品質を検出する。選択手段は、検出されたネットワーク経路それぞれの品質に基づいて、複数のマスター装置の中から時刻を同期させる1つのマスター装置を選択する。【選択図】図5
Description
本発明は、PTP(Precision Time Protocol)に基づく時刻同期を行う時刻同期装置、時刻同期方法、および、プログラムに関する。
各産業分野でIP(Internet Protocol)を使ったシステム構築が積極的に行われており、NTP(Network Time Protocol)よりも高精度な時刻同期プロトコルであるPTPを使用したシステムの構築が近年導入され始めている。PTPはNTPよりも同期精度が高いため、従来NTPでは実現できなかったような、社会インフラストラクチャー系や専門的な業種で求められる高精度な同期処理にも適用可能である。
PTPに基づく時刻同期を行う時刻同期装置として、基準時刻を有する複数のマスター装置と冗長化された複数のネットワーク経路を通じてPTPパケットを送受信して時刻を同期させる時刻同期装置がある(例えば特許文献1参照)。この種の時刻同期装置では、複数のマスター装置から受信した複数の時刻情報の中から最も適切な時刻情報を選択して自身の時刻を同期させる。複数の時刻情報の中から最も適切な時刻情報を選択するアルゴリズムとしてBMCA(Best Master Clock Algorithm)が開示されている。
一方、特許文献2には、ネットワーク品質の監視をノード単位に行い、その結果をもとに中央局にて集中監視でネットワークのフローを変更する技術が記載されている。但し、特許文献2には、PTPに基づく時刻同期についての記載はない。
しかしながら、BMCAは、複数のマスター装置の複数の時刻情報の優劣を事前に定められた幾つかのパラメータに基づいて判定するものであり、それぞれのマスター装置から時刻同期装置までのネットワーク経路の品質が考慮されていない。
本発明の目的は、上述した課題を解決する時刻同期装置を提供することにある。
本発明の一形態に係る時刻同期装置は、
基準時刻を有する複数のマスター装置との間で冗長化された複数のネットワーク経路を通じてPTP(Precision Time Protocol)パケットを送受信して時刻を同期させる時刻同期装置であって、
前記複数のネットワーク経路それぞれの品質を検出する検出手段と、
前記検出された前記ネットワーク経路それぞれの品質に基づいて、前記複数のマスター装置の中から時刻を同期させる1つのマスター装置を選択する選択手段と、
を備えるように構成されている。
基準時刻を有する複数のマスター装置との間で冗長化された複数のネットワーク経路を通じてPTP(Precision Time Protocol)パケットを送受信して時刻を同期させる時刻同期装置であって、
前記複数のネットワーク経路それぞれの品質を検出する検出手段と、
前記検出された前記ネットワーク経路それぞれの品質に基づいて、前記複数のマスター装置の中から時刻を同期させる1つのマスター装置を選択する選択手段と、
を備えるように構成されている。
また、本発明の他の形態に係る時刻同期方法は、
基準時刻を有する複数のマスター装置との間で冗長化された複数のネットワーク経路を通じてPTP(Precision Time Protocol)パケットを送受信して時刻を同期させる時刻同期装置における時刻同期方法であって、
前記複数のネットワーク経路それぞれの品質を検出し、
前記検出された前記ネットワーク経路それぞれの品質に基づいて、前記複数のマスター装置の中から時刻を同期させる1つのマスター装置を選択する、
ように構成されている。
基準時刻を有する複数のマスター装置との間で冗長化された複数のネットワーク経路を通じてPTP(Precision Time Protocol)パケットを送受信して時刻を同期させる時刻同期装置における時刻同期方法であって、
前記複数のネットワーク経路それぞれの品質を検出し、
前記検出された前記ネットワーク経路それぞれの品質に基づいて、前記複数のマスター装置の中から時刻を同期させる1つのマスター装置を選択する、
ように構成されている。
また、本発明の他の形態に係るプログラムは、
基準時刻を有する複数のマスター装置との間で冗長化された複数のネットワーク経路を通じてPTP(Precision Time Protocol)パケットを送受信して時刻を同期させるコンピュータに、
前記複数のネットワーク経路それぞれの品質を検出する処理と、
前記検出された前記ネットワーク経路それぞれの品質に基づいて、前記複数のマスター装置の中から時刻を同期させる1つのマスター装置を選択する処理と、
を行わせるように構成されている。
基準時刻を有する複数のマスター装置との間で冗長化された複数のネットワーク経路を通じてPTP(Precision Time Protocol)パケットを送受信して時刻を同期させるコンピュータに、
前記複数のネットワーク経路それぞれの品質を検出する処理と、
前記検出された前記ネットワーク経路それぞれの品質に基づいて、前記複数のマスター装置の中から時刻を同期させる1つのマスター装置を選択する処理と、
を行わせるように構成されている。
本発明は上述したような構成を有することにより、複数のマスター装置から時刻同期装置までのネットワーク経路の品質を考慮して、時刻を同期させる1つのマスター装置を選択することができる。
次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
まず本発明の第1の実施の形態について、理解を容易にするため、本発明の第1の実施の形態が想定する課題について詳細に説明する。本発明の第1の実施の形態が想定する課題は2つある。
[第1の実施の形態]
まず本発明の第1の実施の形態について、理解を容易にするため、本発明の第1の実施の形態が想定する課題について詳細に説明する。本発明の第1の実施の形態が想定する課題は2つある。
まず、第1の課題について説明する。放送事業者向けの映像配信システムは、近年IP化が加速しており、特に、SMPTE ST2110規格に準じた映像IP配信システムではPTP信号による時刻同期が用いられている。この方式ではIPストリーム自体に時刻情報が重畳され、その時刻情報を用いて、映像の同期を確立するような利用方法である。また、PTP信号はパケット伝送が用いられているが、冗長構成をとる場合が多い。この映像IP配信システムの一構成例は図2に示すように、PTPグランドマスター#1 1、PTPグランドマスター#2 2、ネットワークスイッチ#1 3、ネットワークスイッチ#2 4、IPゲートウェイ(Sender)5、およびIPゲートウェイ(Reciever)6から構成される。
この構成例の場合、PTPグランドマスターおよびネットワークスイッチから配信されるPTPクロックは、SMPTE ST2059-1/2で規格化されているBMCAの規則にのっとり、最良のクロック情報を取得するためのクロック源の選択を行っている。このクロック選択機能はIPゲートウェイ(Reciever)6の内部に具備されている。
図3は従来のIPゲートウェイ(Reciever)6の構成を表す。図3を参照すると、IPゲートウェイ(Reciever)6は、パケットフィルタ#1 7、パケットフィルタ#2 8、PTP処理部10、およびデパケッタイズ部20から構成される。また、PTP処理部10は、PTPスレーブ回路#1 11、PTPスレーブ回路#2 12、PTP経路切替回路13、PTP時刻生成部14、およびBMCA回路15から構成される。PTP処理部10では、最良のクロック情報を取得するためのクロック源の選択が行われ、前記クロック源はPTP時刻生成部14で時刻情報を生成すると共に、映像出力タイミング信号Aをデパケッタイズ部20に伝達する。
デパケッタイズ部20には、パケットフィルタ#1 7およびパケットフィルタ#2 8において抽出された映像信号パケットが入力され、Hitless回路#1 21、Hitless回路#2 22、Hitless切替回路23、デパケッタイズ回路24を経由し、映像信号パケットからベースバンド映像信号が抽出され、出力バッファ25にて、映像出力タイミング信号Aに合わせて映像出力信号Bが出力される。この映像出力タイミング信号Aは、PTP信号から生成される時刻情報による位相合わせ、例えば、指定された時刻に合わせた映像タイミングで映像を出力するのが目的である。
図3の構成例においては、PTPスレーブ回路#1 11およびPTPスレーブ回路#2 12において、PTPグランドマスター#1 1~ネットワークスイッチ#1 3~パケットフィルタ#1 7の経路#1による遅延時間、或いはPTPグランドマスター#2 2~ネットワークスイッチ#2 4~パケットフィルタ#2 8の経路#2による遅延時間は、SMPTE ST2059-1/2にて定義される遅延時間算出方法から、PTP時刻補正を行い、さらに、BMCA方式に従ったクロック源の選択をPTP経路切替回路13にて行うものであり、経路#1或いは経路#2のネットワークで発生する揺らぎの量の多寡について反映したクロック源が選択されるものではない。
一方、デパケッタイズ部20におけるHitless回路#1 21およびHitless回路#2 22は、経路#1或いは経路#2で発生したパケットロスや重複、順番入れ替えなどのネットワーク擾乱をHitless切替回路23でリカバリーするために具備されるものであり、経路#1或いは経路#2のネットワークで発生する揺らぎの量は、Hitless回路#1 21或いはHitless回路#2 22のバッファ内で吸収されるような作用を行うものである。
このような構成例にあっては、例えば、経路#1側のネットワーク揺らぎが経路#2よりも大きかった場合においても、BMCA回路15にて判定されたクロック源がPTPグランドマスター#1 1の場合は、PTP経路切替回路13では、経路#1を選択する動作となり、必ずしも、ネットワーク揺らぎが小さい経路を選択するとは限らないという課題がある。一方、経路#1におけるネットワーク揺らぎ量が、Hitless回路#1 21のバッファメモリ量を上回った場合には、映像破綻が発生することとなり、それを防止するためにHitless切替回路23ではHitless回路#2 22を選択する動作となり、その結果、出力バッファ25での遅延変動が発生し、PTP時刻生成部14で指定された遅延時間まで、同バッファで滞留を余儀なくされることで映像遅延が発生し、最悪の場合は映像が破綻する結果を招きかねないという問題がある。
以上が、本発明の第1の実施の形態が解決しようとする第1の課題である。続いて、本発明の第1の実施の形態が解決しようとする第2の課題について説明する。
放送事業者向けの映像配信システムは、IP化の場合であっても、放送局内で使用される映像信号の同期が不可欠である。同期信号の欠落や乱れは、すぐさま映像の破綻(瞬断や他の映像信号との位相が合わないことによる画面合成時の位相ずれなど)に直結するものである。そのため、PTP時刻生成部14は、図1に示すように時刻制御回路31と内部時計32とを備え、PTP時刻生成部14に入力されたPTP時刻情報信号Eから、内部時計32の時刻をPTP時刻に一致させる動作を行っている。この構成は、いわゆるPLL回路に相当するものである。
時刻制御回路31の動作は、PTP時刻情報信号Eが無入力の場合(初期状態)では、PTP時刻情報信号Eと内部時計32の時刻は一致していない、いわゆるUnlock状態で開始され、PTP時刻情報信号Eが入力され、PLL動作が行われると、PTP時刻情報信号Eと内部時計32の時刻は一致する、いわゆるLock状態となる。このLock状態の後に、PTP時刻情報信号Eが断になったり、不安定な動作になると内部時計32は自身の持つクロック精度で時計動作を継続させる、いわゆるHoldOver動作となり、内部時計の精度を保つようなPLL動作を行うものである。このHoldOver動作により、PTP時刻情報信号Eが破綻した場合でも、PTP時刻生成部14から出力される映像出力タイミング信号Aは維持されることで、映像出力信号Bは継続して安定な出力が得られることになる。しかしながら、PTP時刻情報信号EとHoldOver状態の内部時計32はわずかながらもクロック周波数のずれが発生しうるものであり、その周波数偏差が、長時間後には時刻差分として蓄積されることになる。それ故、前記PTP時刻情報信号Eの断あるいは不安定な動作が解消されたときの時刻がずれている場合があり、HoldOver状態からLock状態へ戻る時点、いわゆる通常動作への切り戻しは時刻飛び(位相のずれ)が生じることになり、結果として映像出力タイミング信号Aが不連続となり、最終的には映像出力信号Bの瞬断或いは位相ずれが発生しうる事象となる。前記通常動作への切り戻しは、一般的なPLL動作として自動で実施され、その際に前記事象が放送中の映像信号において出現した場合には、放送事故とも呼べるような深刻な事態を招く可能性がある。
以上が、本発明の第1の実施の形態が解決しようとする第2の課題である。
続いて、本発明の第1の実施の形態の構成および動作について詳細に説明する。なお、本実施の形態におけるIPゲートウェイ(Reciever)6は、本発明の時刻同期装置の一形態である。IPゲートウェイ(Reciever)6の構成要素であるパケットフィルタ#1 7、パケットフィルタ#2 8、PTP処理部10、およびデパケッタイズ部20は、ハードウェアで実現してもよいし、IPゲートウェイ(Reciever)6においてコンピュータプログラムを実行することによって実現されてもよい。
図1は本発明の第1の実施の形態の構成例を示す図である。図1を参照すると、本実施の形態は、第1の課題を解決するために、IPゲートウェイ(Reciever)6のデパケッタイズ部20に滞留量モニタ回路#1 26、滞留量モニタ回路#2 27および揺らぎ検知判定回路28を備え、IPゲートウェイ(Reciever)6のPTP処理部10に切替判定回路16を備える。また、切替判定回路16は、BMCA回路15から出力されるクロック源選択信号Dと揺らぎ検知判定回路28から出力される揺らぎ検知判定結果信号Cに基づいて、PTPグランドマスター♯1 1およびPTPグランドマスター♯2 2の中から同期するクロック源を選択するように構成されている。以下、この点について詳述する。
図1に示されるように、IPゲートウェイ(Sender)5から出力される2系統の映像IPストリームが、それぞれ経路#1および経路#2、さらにパケットフィルタ#1 7およびパケットフィルタ#2 8を経由して、Hitless回路#1 21およびHitless回路#2 22に入力される。このHitless回路は、前述した通り、経路#1或いは経路#2で発生したパケットロスや重複、順番入れ替えなどのネットワーク擾乱をHitless切替回路23でリカバリーするために具備されるものであり、ネットワーク遅延量などを元にバッファサイズが決定されている。滞留量モニタ回路#1 26および滞留量モニタ回路#2 27は、このバッファの滞留量を観測することにより、経路#1や経路#2で発生しているネットワーク揺らぎ量を等価的に観測する。揺らぎ検知判定回路28は、この観測された経路#1および経路#2で発生しているネットワーク揺らぎ量に基づいて、揺らぎ量が小さい方の経路を選択する。そして、揺らぎ検知判定回路28は、選択した経路を指定した揺らぎ検出判定結果信号Cを切替判定回路16へ出力する。
滞留量モニタ回路#1 26、滞留量モニタ回路#2 27、および、揺らぎ検知判定回路28についてより具体的に説明する。滞留量モニタ回路#1 26および滞留量モニタ回路#2 27は、以下の式により、Hitless回路#1 21およびHitless回路#2 22のバッファの滞留量をそれぞれ算出する。
バッファの滞留量=事前に用意されたバッファの最大容量-現在のバッファ内のパケット容量 ・・・(1)
揺らぎ検知判定回路28は、それぞれのバッファの滞留量の時間的な変化度合いを算出することによって、経路#1および経路#2で発生しているネットワーク揺らぎ量を求め、ネットワーク揺らぎ量の少ない方の経路を選択して検出判定結果信号Cを出力する。
バッファの滞留量=事前に用意されたバッファの最大容量-現在のバッファ内のパケット容量 ・・・(1)
揺らぎ検知判定回路28は、それぞれのバッファの滞留量の時間的な変化度合いを算出することによって、経路#1および経路#2で発生しているネットワーク揺らぎ量を求め、ネットワーク揺らぎ量の少ない方の経路を選択して検出判定結果信号Cを出力する。
切替判定回路16は、揺らぎ検知判定回路28から出力される揺らぎ検出判定結果信号CとBMCA回路15から出力されるクロック源選択信号Dに基づいて、経路♯1および経路♯2のうちの何れを選択するか、即ちPTPグランドマスター♯1 1およびPTPグランドマスター♯2の何れを選択するかを決定する。そして、PTP経路切替回路13は、切替判定回路16の決定に従って経路の選択を行う。この結果、経路♯1が選択された場合はPTPグランドマスター♯1 1が選択され、経路♯2が選択された場合はPTPグランドマスター♯2 2が選択されることになる。
切替判定回路16の判定ロジックについて説明する。切替判定回路16は、BMCA回路15で経路#1および経路#2の両系が受信出来ている場合には、揺らぎ検知判定回路28の出力である揺らぎ検出判定結果信号Cを選択する。即ち、切替判定回路16は、経路♯1および経路♯2のうちネットワーク揺らぎ量のより少ない方の経路を選択する。また切替判定回路16は、BMCA回路15で経路#1および経路#2のうちの何れか一方のみしか受信出来ていない場合には、受信出来ている経路を選択する。すなわち、切替判定回路16は、クロック源選択信号Dを選択する。
以上のように本実施の形態によれば、例えば、BMCA回路15にて判定されたクロック源がPTPグランドマスター#1 1の場合であっても、経路#1側のネットワーク揺らぎが経路#2よりも大きかった場合においては、PTP経路切替回路13では、経路#1を選択する動作となり、ネットワーク揺らぎ量が小さい経路を選択することが可能となる。このことにより、Hitless切替回路23で選択されたネットワーク揺らぎ量が小さい経路を選択することが可能となり、PTP時刻生成部14で指定された遅延時間まで、同バッファで滞留を余儀なくされることでの映像遅延の発生を防止し、しいては、経路揺らぎ量とクロック源不一致に伴う映像破綻を防止できる効果を有することとなる。
一方、本実施の形態は、第2の課題を解決するために、図1に示されるようにPTP時刻生成部14に、時刻制御回路31と内部時計32、および自動/手動切替設定回路33を備えるように構成されている。以下、この点について詳述する。
本実施の形態では、図1に示されるように自動/手動切替設定回路33を備え、通常動作への切り戻し行為が、自動か手動かを選択することを可能としている。ここで、自動/手動切替設定回路33で制御される時刻制御回路31の動作について、図4を用いて説明する。
PTPステートマシン40は時刻制御回路31内の制御を示しており、PTP時刻情報信号Eを受け、PLL動作を行った後、映像出力タイミング信号Aを生成する役割を持つ。PTPステートマシン40は、PTP時刻情報信号Eが無入力の場合(初期状態)では、Unlock状態42から開始される。PLL動作が行われると、PTP時刻情報信号Eと内部時計32の時刻は一致する、いわゆるLock状態43となる。このLock状態の後に、PTP時刻情報信号Eが断になったり、不安定な動作になると内部時計32は自身の持つクロック精度で時計動作を継続させる、いわゆるHoldOver状態44となり、内部時計の精度を保つようなPLL動作を行うものである。このHoldOver動作により、PTP時刻情報信号Eが破綻した場合でも、PTP時刻生成部14から出力される映像出力タイミング信号Aは維持されることで、映像出力信号Bは継続して安定な出力が得られることになる。
しかしながら、PTP時刻情報信号EとHoldOver状態の内部時計32はわずかながらもクロック周波数のずれが発生しうるものであり、その周波数偏差が、長時間後には時刻差分として蓄積されることになる。それ故、前記PTP時刻情報信号Eの断あるいは不安定な動作が解消されたときの時刻がずれている場合がある。そこで、本実施の形態では、HoldOver状態44からLock状態43へ戻る時点、いわゆる通常動作への切り戻しは、自動/手動切替部45(自動/手動切替設定回路33)を経由することで実行されるように構成される。
すなわち、自動/手動切替設定回路33が「自動」に設定されているときには、通常動作としてLock状態43に戻るように作用するが、自動/手動切替設定回路33が「手動」に設定されているときには、Lock状態43への切り戻しを行わずにHoldOverの状態44を維持し続け、自動/手動切替設定回路33が解除、すなわち「自動」に設定されたときにはじめてLock状態43に遷移する動作を行うものである。
このように、本実施の形態によれば、PTPステートマシン40に自動/手動切替部45(自動/手動切替設定回路33)を備えることにより、放送中の映像信号に影響がある映像信号ラインにおいては、HoldOver状態44からの復帰を手動でタイミングを計ることができることによって、放送時の映像破綻を防止し、しいては、放送事故とも呼べるような深刻な事態を回避することを可能とするものである。
[第2の実施の形態]
図5は本発明の第2の実施の形態のブロック図である。本実施の形態では、本発明の概要を説明する。図5を参照すると、時刻同期装置100は、基準時刻を有する複数のマスター装置200との間で冗長化された複数のネットワーク経路300を通じてPTP(Precision Time Protocol)パケットを送受信して時刻を同期させる。時刻同期装置100は、検出手段110および選択手段120を備える。
図5は本発明の第2の実施の形態のブロック図である。本実施の形態では、本発明の概要を説明する。図5を参照すると、時刻同期装置100は、基準時刻を有する複数のマスター装置200との間で冗長化された複数のネットワーク経路300を通じてPTP(Precision Time Protocol)パケットを送受信して時刻を同期させる。時刻同期装置100は、検出手段110および選択手段120を備える。
検出手段110は、複数のネットワーク経路300それぞれの品質を検出するように構成されている。検出手段110は、例えば、複数のネットワーク経路300それぞれの品質としてネットワーク揺らぎ量を検出する。検出手段110は、例えば、複数のネットワーク経路300それぞれに対応して設けられ、対応するネットワーク経路から受信するパケットのネットワーク揺らぎを吸収するためのバッファと、当該バッファの最大容量から現在蓄積されているパケット量を減じた値である滞留量の時間的な変化からネットワーク揺らぎ量を検出する揺らぎ検知判定手段とを含んで構成される。例えば、時刻同期装置100は、IPネットワーク上でレシーバとして動作するIPゲートウェイ装置である。時刻同期装置100がIPゲートウェイ装置である場合、そのデパケッタイズ部に検出手段110を備えるように構成してよい。
選択手段120は、検出手段110によって検出されたネットワーク経路300それぞれの品質に基づいて、複数のマスター装置200の中から時刻を同期させる1つのマスター装置を選択するように構成されている。選択手段120は、例えば、複数のマスター装置200からPTP信号を受信できている場合、PTP信号を受信できている複数のマスター装置200のうち、検出されたネットワーク揺らぎ量のより小さいマスター装置200を選択する。
また、時刻同期装置100は、内部時計(図示せず)と、選択手段120によって選択されたマスター装置200からのPTP時刻に内部時計の時刻を一致させるPTP時刻生成手段(図示せず)と、内部時計の時刻がPTP時刻に一致するLock状態からHoldOver状態に移行した内部時計を再びLock状態に戻すタイミングを自動で行うか手動で行うかを設定する自動/手動切替設定手段(図示せず)とを、更に備えるように構成されていてよい。
以上のように構成された時刻同期装置100は、以下のように機能する。すなわち、検出手段110は、複数のネットワーク経路300それぞれの品質を検出する。次に選択手段120は、検出手段110によって検出されたネットワーク経路300それぞれの品質に基づいて、複数のマスター装置200の中から時刻を同期させる1つのマスター装置を選択する。
以上のように構成され動作する時刻同期装置100によれば、複数のマスター装置から時刻同期装置までのネットワーク経路の品質を考慮して、時刻を同期させる1つのマスター装置を選択することができる。その理由は、検出手段110は、複数のネットワーク経路300それぞれの品質を検出する検出手段110と、検出されたネットワーク経路300それぞれの品質に基づいて、複数のマスター装置200の中から時刻を同期させる1つのマスター装置を選択する選択手段120を備えているためである。
[その他の実施の形態]
第1の実施の形態では、切替判定回路16は、BMCA回路15で経路#1および経路#2の両系が受信出来ている場合には、経路♯1および経路♯2のうちネットワーク揺らぎ量のより少ない方の経路を選択し、BMCA回路15で経路#1および経路#2のうちの何れか一方のみしか受信出来ていない場合には、受信出来ている経路を選択した。しかし、本発明においてネットワーク揺らぎ量に基づいて冗長化された複数の経路(複数のPTPグランドマスター)の何れかを選択する方法は上記に限定されない。例えば、経路#1や経路#2で大きな遅延差が発生しうる場合や、PTPグランドマスター機器あるいはネットワークスイッチの精度や信頼度が#1と#2で異なる場合などの非対称冗長構成の場合にあっては、切替判定回路16のロジックにおいて、揺らぎ検出判定結果信号Cとクロック源選択信号Dの優先順位を付与するなどの工夫を行うようにしてもよい。
第1の実施の形態では、切替判定回路16は、BMCA回路15で経路#1および経路#2の両系が受信出来ている場合には、経路♯1および経路♯2のうちネットワーク揺らぎ量のより少ない方の経路を選択し、BMCA回路15で経路#1および経路#2のうちの何れか一方のみしか受信出来ていない場合には、受信出来ている経路を選択した。しかし、本発明においてネットワーク揺らぎ量に基づいて冗長化された複数の経路(複数のPTPグランドマスター)の何れかを選択する方法は上記に限定されない。例えば、経路#1や経路#2で大きな遅延差が発生しうる場合や、PTPグランドマスター機器あるいはネットワークスイッチの精度や信頼度が#1と#2で異なる場合などの非対称冗長構成の場合にあっては、切替判定回路16のロジックにおいて、揺らぎ検出判定結果信号Cとクロック源選択信号Dの優先順位を付与するなどの工夫を行うようにしてもよい。
例えば、以下のような非対象冗長構成を考える。
1.経路#1や経路#2で大きな遅延差が発生しうる場合。
2.PTPグランドマスター機器あるいはネットワークスイッチの精度や信頼度が経路#1と経路#2で異なる場合。
このような場合、切替判定回路16は、揺らぎ検出判定結果信号Cとクロック源選択信号Dに以下のような優先順位を付与する。付与については以下となる。
揺らぎ検出判定結果信号:
1.の「経路#1や経路#2で大きな遅延差が発生しうる場合。」に優先順位を付与する。「遅延差」の基準にはST2022-7によるクラスA~Dを用いる。
クラスA:低スキュー :10MS
クラスB:中程度スキュー:50MS
クラスC:高スキュー :150MS
クラスD:超低スキュー :150US
同じクラス同士にある場合は優先順位を付与しない。クラスが異なる場合は、より低スキューである経路の優先順位を高く設定する。
クロック源選択信号:
2.の「PTPグランドマスター機器あるいはネットワークスイッチの精度や信頼度が#1と#2で異なる場合。」に優先順位を付与する。
「PTPグランドマスター機器」「ネットワークスイッチ」「精度や信頼度」の基準にはBMCAで送信されるアナウンスメッセージを用いる。これにより通知されるグランドマスターのクロック品質、安定性、優先度が判明するので、優秀なクロック源選択信号の優先順位を高く設定する。
優先順位を付与するにあたり、同時に矛盾する条件が発生した場合、どちらを優先させるべきかについて説明する。非対象冗長構成となる場合に考えられる条件は、上記と同じ以下の二つとする。
1.経路#1や経路#2で大きな遅延差が発生しうる場合。
2.PTPグランドマスター機器あるいはネットワークスイッチの精度や信頼度が#1と#2で異なる場合。
上記の1.及び2.においてそれぞれ優先順位を付与した時、以下の様な結果となった場合を考察する。
ケース1:経路#1において1.及び2.が共に高優先度と判断された場合。
ケース2:経路#1において1.及び2.が共に低優先度と判断された場合。
ケース3:経路#1において1.が高優先度、2.が低優先度と判断された場合。
ケース4:経路#1において1.が低優先度、2.が高優先度と判断された場合。
各ケースに関する振る舞い
1.ケース1の場合、経路#1を高優先と設定し動作する。
2.ケース2の場合、経路#2を高優先と設定し動作する。
3.ケース3の場合、経路#2を高優先と設定し動作する。
4.ケース4の場合、経路#1を高優先と設定し動作する。
上記のように振る舞う理由は以下の通りである。
振る舞い1に関しては両条件共に高優先度と判断されている為、高優先と設定する事ができる。
振る舞い2に関しては両条件共に低優先度と判断されている為、低優先と設定する事ができる。
振る舞い3に関しては条件2が低優先と判断されている為、低優先と設定する。これは条件2の判断材料の中にネットワークの遅延量を含む為である。条件2で判断材料に使用するアナウンスメッセージではネットワーク遅延量を含む、種々の要素が構成されている。BMCAでは本アナウンスメッセージを元に最適なGMをプライマリとしていることでも優位性のある選択となる。
振る舞い4に関しては条件2が高優先と判断されている為、高優先と設定する事ができる。振る舞い3での理由と同様に条件2には条件1の要素を含む為である。
なお、ネットワーク遅延量が極端に大きく(例えばxxmsec以上などに)なるといったケースがあった場合には、振る舞い3と4が逆転するケースが想定される。その場合には特例としてケース3であってもルートAを高優先と設定し動作させる。このような条件については、適用されるシステム設計時に本特例を用いて設定するか否かを判断することになる。
1.経路#1や経路#2で大きな遅延差が発生しうる場合。
2.PTPグランドマスター機器あるいはネットワークスイッチの精度や信頼度が経路#1と経路#2で異なる場合。
このような場合、切替判定回路16は、揺らぎ検出判定結果信号Cとクロック源選択信号Dに以下のような優先順位を付与する。付与については以下となる。
揺らぎ検出判定結果信号:
1.の「経路#1や経路#2で大きな遅延差が発生しうる場合。」に優先順位を付与する。「遅延差」の基準にはST2022-7によるクラスA~Dを用いる。
クラスA:低スキュー :10MS
クラスB:中程度スキュー:50MS
クラスC:高スキュー :150MS
クラスD:超低スキュー :150US
同じクラス同士にある場合は優先順位を付与しない。クラスが異なる場合は、より低スキューである経路の優先順位を高く設定する。
クロック源選択信号:
2.の「PTPグランドマスター機器あるいはネットワークスイッチの精度や信頼度が#1と#2で異なる場合。」に優先順位を付与する。
「PTPグランドマスター機器」「ネットワークスイッチ」「精度や信頼度」の基準にはBMCAで送信されるアナウンスメッセージを用いる。これにより通知されるグランドマスターのクロック品質、安定性、優先度が判明するので、優秀なクロック源選択信号の優先順位を高く設定する。
優先順位を付与するにあたり、同時に矛盾する条件が発生した場合、どちらを優先させるべきかについて説明する。非対象冗長構成となる場合に考えられる条件は、上記と同じ以下の二つとする。
1.経路#1や経路#2で大きな遅延差が発生しうる場合。
2.PTPグランドマスター機器あるいはネットワークスイッチの精度や信頼度が#1と#2で異なる場合。
上記の1.及び2.においてそれぞれ優先順位を付与した時、以下の様な結果となった場合を考察する。
ケース1:経路#1において1.及び2.が共に高優先度と判断された場合。
ケース2:経路#1において1.及び2.が共に低優先度と判断された場合。
ケース3:経路#1において1.が高優先度、2.が低優先度と判断された場合。
ケース4:経路#1において1.が低優先度、2.が高優先度と判断された場合。
各ケースに関する振る舞い
1.ケース1の場合、経路#1を高優先と設定し動作する。
2.ケース2の場合、経路#2を高優先と設定し動作する。
3.ケース3の場合、経路#2を高優先と設定し動作する。
4.ケース4の場合、経路#1を高優先と設定し動作する。
上記のように振る舞う理由は以下の通りである。
振る舞い1に関しては両条件共に高優先度と判断されている為、高優先と設定する事ができる。
振る舞い2に関しては両条件共に低優先度と判断されている為、低優先と設定する事ができる。
振る舞い3に関しては条件2が低優先と判断されている為、低優先と設定する。これは条件2の判断材料の中にネットワークの遅延量を含む為である。条件2で判断材料に使用するアナウンスメッセージではネットワーク遅延量を含む、種々の要素が構成されている。BMCAでは本アナウンスメッセージを元に最適なGMをプライマリとしていることでも優位性のある選択となる。
振る舞い4に関しては条件2が高優先と判断されている為、高優先と設定する事ができる。振る舞い3での理由と同様に条件2には条件1の要素を含む為である。
なお、ネットワーク遅延量が極端に大きく(例えばxxmsec以上などに)なるといったケースがあった場合には、振る舞い3と4が逆転するケースが想定される。その場合には特例としてケース3であってもルートAを高優先と設定し動作させる。このような条件については、適用されるシステム設計時に本特例を用いて設定するか否かを判断することになる。
また、第1の実施の形態は、映像IP配信システムの例を示しているが、PTPの時刻同期のみを目的としたシステム、例えば、汎用サーバに搭載するPTP時計機能の場合などで、IPゲートウェイ機能が搭載されておらずとも、PTP処理部10の部分にデパケッタイズ部20に搭載しているHitless回路21、22に相当するパケットバッファや滞留量モニタ回路26、27、および、揺らぎ検知判定回路28を具備することで、PTPパケット揺らぎ検知によるPTP受信回路切替を実現できることは類推容易である。
また、第1の実施の形態は、滞留量モニタ回路#1 26と滞留量モニタ回路#2 27、および揺らぎ検知判定回路28を具備することで、PTPパケット揺らぎ検知によるPTP受信回路切替を実現できることを特徴としているが、揺らぎ以外にネットワークで生じるパケットロスや重複、順番入れ替えなどの擾乱が生じた場合に対しても、これらの状態を滞留量モニタ回路で観測し検知判定回路を具備しておくことで、より擾乱が少ない経路を選択することを可能とすることは実現可能である。
また、第1の実施の形態は、HoldOver状態44からの復帰制御について、自動/手動切替部45を設けて、自動/手動切替を選択できるものとしたが、手動については、事前に時刻指定の切り戻し設定する、例えば、放送休止の26時~28時に切り戻し設定する、といった操作などは類推容易である。
また、上述した第1の課題を解決するが、第2の課題は解決しないような構成を有する実施の形態、即ち、図1の構成から自動/手動切替設定回路33を取り除いた構成を有する実施の形態も本発明に含まれる。或いは、上述した第2の課題を解決するが、第1の課題は解決しないような構成を有する実施の形態、即ち、図1の構成から滞留量モニタ回路26、27、揺らぎ検知判定回路28、および、切替判定回路16を取り除いた構成を有する実施の形態も本発明に含まれる。
以上、上記各実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
映像信号のIP伝送における分野で、特に同期方式としてPTPを使用しているシステム、あるいはそれら機能を搭載している装置、あるいは回路に適用される。
1 PTPグランドマスター#1
2 PTPグランドマスター#2
3 ネットワークスイッチ#1
4 ネットワークスイッチ#2
5 IPゲートウェイ(Sender)
6 IPゲートウェイ(Reciever)
7 パケットフィルタ#1
8 パケットフィルタ#2
10 PTP処理部
11 PTPスレーブ回路#1
12 PTPスレーブ回路#2
13 PTP経路切替回路
14 PTP時刻生成部
15 BMCA回路
16 切替判定回路
20 デパケッタイズ部
21 Hitless回路#1
22 Hitless回路#2
23 Hitless切替回路
24 デパケッタイズ回路
25 出力バッファ
26 滞留量モニタ回路#1
27 滞留量モニタ回路#2
28 揺らぎ検知判定回路
31 時刻制御回路
32 内部時計
33 自動/手動切替設定回路
40 PTPステートマシン
42 Unlock状態
43 Lock状態
44 HoldOver状態
45 自動/手動切替部
100 時刻同期装置
110 検出手段
120 選択手段
200 マスター装置
A 映像出力タイミング信号
B 映像出力信号
C 揺らぎ検出判定結果信号
D クロック源選択信号
E PTP時刻情報信号
2 PTPグランドマスター#2
3 ネットワークスイッチ#1
4 ネットワークスイッチ#2
5 IPゲートウェイ(Sender)
6 IPゲートウェイ(Reciever)
7 パケットフィルタ#1
8 パケットフィルタ#2
10 PTP処理部
11 PTPスレーブ回路#1
12 PTPスレーブ回路#2
13 PTP経路切替回路
14 PTP時刻生成部
15 BMCA回路
16 切替判定回路
20 デパケッタイズ部
21 Hitless回路#1
22 Hitless回路#2
23 Hitless切替回路
24 デパケッタイズ回路
25 出力バッファ
26 滞留量モニタ回路#1
27 滞留量モニタ回路#2
28 揺らぎ検知判定回路
31 時刻制御回路
32 内部時計
33 自動/手動切替設定回路
40 PTPステートマシン
42 Unlock状態
43 Lock状態
44 HoldOver状態
45 自動/手動切替部
100 時刻同期装置
110 検出手段
120 選択手段
200 マスター装置
A 映像出力タイミング信号
B 映像出力信号
C 揺らぎ検出判定結果信号
D クロック源選択信号
E PTP時刻情報信号
Claims (8)
- 基準時刻を有する複数のマスター装置との間で冗長化された複数のネットワーク経路を通じてPTP(Precision Time Protocol)パケットを送受信して時刻を同期させる時刻同期装置であって、
前記複数のネットワーク経路それぞれの品質を検出する検出手段と、
前記検出された前記ネットワーク経路それぞれの品質に基づいて、前記複数のマスター装置の中から時刻を同期させる1つのマスター装置を選択する選択手段と、
を備える時刻同期装置。 - 前記検出手段は、前記複数のネットワーク経路それぞれの品質としてネットワーク揺らぎ量を検出する、
請求項1に記載の時刻同期装置。 - 前記検出手段は、前記複数のネットワーク経路それぞれに対応して設けられ、対応するネットワーク経路から受信するパケットのネットワーク揺らぎを吸収するためのバッファと、前記バッファの最大容量から現在蓄積されているパケット量を減じた値である滞留量の時間的な変化からネットワーク揺らぎ量を検出する揺らぎ検知判定手段とを含む、
請求項2に記載の時刻同期装置。 - 前記時刻同期装置は、IPネットワーク上でレシーバとして動作するIPゲートウェイ装置であり、前記IPゲートウェイ装置のデパケッタイズ部に前記検出手段を備える、
請求項3に記載の時刻同期装置。 - 前記選択手段は、前記複数のマスター装置からPTP信号を受信できている場合、前記PTP信号を受信できている複数のマスター装置のうち、前記検出されたネットワーク揺らぎ量のより小さいマスター装置を選択する、
請求項4に記載の時刻同期装置。 - 内部時計と、前記選択手段によって選択されたマスター装置からのPTP時刻に前記内部時計の時刻を一致させるPTP時刻生成手段と、前記内部時計の時刻が前記PTP時刻に一致するLock状態からHoldOver状態に移行した前記内部時計を再びLock状態に戻すタイミングを自動で行うか手動で行うかを設定する自動/手動切替設定手段とを、更に備える、
請求項1乃至5の何れかに記載の時刻同期装置。 - 基準時刻を有する複数のマスター装置との間で冗長化された複数のネットワーク経路を通じてPTP(Precision Time Protocol)パケットを送受信して時刻を同期させる時刻同期装置における時刻同期方法であって、
前記複数のネットワーク経路それぞれの品質を検出し、
前記検出された前記ネットワーク経路それぞれの品質に基づいて、前記複数のマスター装置の中から時刻を同期させる1つのマスター装置を選択する、
時刻同期方法。 - 基準時刻を有する複数のマスター装置との間で冗長化された複数のネットワーク経路を通じてPTP(Precision Time Protocol)パケットを送受信して時刻を同期させるコンピュータに、
前記複数のネットワーク経路それぞれの品質を検出する処理と、
前記検出された前記ネットワーク経路それぞれの品質に基づいて、前記複数のマスター装置の中から時刻を同期させる1つのマスター装置を選択する処理と、
を行わせるためのプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022149828A JP2024044349A (ja) | 2022-09-21 | 2022-09-21 | 時刻同期装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022149828A JP2024044349A (ja) | 2022-09-21 | 2022-09-21 | 時刻同期装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2024044349A true JP2024044349A (ja) | 2024-04-02 |
Family
ID=90479908
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022149828A Pending JP2024044349A (ja) | 2022-09-21 | 2022-09-21 | 時刻同期装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2024044349A (ja) |
-
2022
- 2022-09-21 JP JP2022149828A patent/JP2024044349A/ja active Pending
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