JP2024043866A - 発泡性接着シートおよび構造体の製造方法 - Google Patents

発泡性接着シートおよび構造体の製造方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2024043866000001
【課題】所定の間隙に適した、優れた発泡特性および接着特性を得ることが可能な、発泡性接着シートおよび発泡性接着シートを用いた構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】接着層を有する発泡性接着シートであって、上記接着層が、熱硬化性の接着剤と、発泡剤とを含有し、上記発泡性接着シートにおいて、熱機械測定により、圧縮荷重を加えて、所定の昇温速度で昇温し、変位を測定したときの、上記発泡性接着シートの初期厚さと、160℃以上200℃未満の所定の温度での変位量との合計が、間隙設定値100%に対して、100%以上、308%以下である、発泡性接着シートを提供する。
【選択図】図1

Description

本開示は、発泡性接着シートおよびそれを用いた構造体の製造方法に関する。
部材同士を接着する接着剤は、様々な分野で用いられており、その接着方法も、多くの方法が知られている。
例えば特許文献1、2には、発泡剤を含有する接着シート(発泡性接着シート)が開示されている。発泡性接着シートの使用方法として、例えば、部材間に発泡性接着シートを配置し、その後、発泡性接着シートを加熱により発泡硬化させることで、部材同士を接着する方法が知られている。
このような発泡性接着シートには、部材間の間隙を充填するための発泡特性、および、部材同士を接合するための接着特性が要求される。
特開2000-53944号公報 特許第6223477号公報
しかしながら、発泡性接着シートを加熱により発泡硬化させる際には、発泡および硬化がともに起こるため、発泡および硬化のバランスをとることが難しく、発泡倍率が低下したり、接着強度が低下したりするという問題がある。このように、発泡倍率および接着強度のバランス調整が困難であり、所望の発泡特性および接着特性を得ることが困難であった。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、所定の間隙に適した、優れた発泡特性および接着特性を得ることが可能な、発泡性接着シートおよび発泡性接着シートを用いた構造体の製造方法を提供することを主目的とする。
本開示の一実施形態は、接着層を有する発泡性接着シートであって、上記接着層が、熱硬化性の接着剤と、発泡剤とを含有し、上記発泡性接着シートにおいて、熱機械測定により、圧縮荷重を加えて、所定の昇温速度で昇温し、変位を測定したときの、上記発泡性接着シートの初期厚さと、160℃以上200℃未満の所定の温度での変位量との合計が、間隙設定値100%に対して、100%以上、308%以下である、発泡性接着シートを提供する。
本開示の他の実施形態は、第一部材および第二部材の間に、接着層を有する発泡性接着シートを配置する配置工程と、上記発泡性接着シートを加熱により発泡硬化させ、上記第一部材および上記第二部材を接着する接着工程と、を有する構造体の製造方法であって、上記接着層が、熱硬化性の接着剤と、発泡剤とを含有し、上記発泡性接着シートにおいて、熱機械測定により、圧縮荷重を加えて、所定の昇温速度で昇温し、変位を測定したときの、上記発泡性接着シートの初期厚さと、160℃以上200℃未満の所定の温度での変位量との合計が、間隙設定値100%に対して、100%以上、308%以下であり、上記間隙設定値が、上記第一部材および上記第二部材の間に上記発泡性接着シートを配置した後の間隙の距離である、構造体の製造方法を提供する。
本開示の他の実施形態は、第一部材および第二部材の間に、接着層を有する発泡性接着シートを配置する配置工程と、上記発泡性接着シートを加熱により発泡硬化させ、上記第一部材および上記第二部材を接着する接着工程と、を有する構造体の製造方法であって、上記接着層が、熱硬化性の接着剤と、発泡剤とを含有し、上記接着工程における加熱温度を、150℃以上200℃未満であり、かつ、上記発泡性接着シートにおいて、熱機械測定により、圧縮荷重を加えて、所定の昇温速度で上記加熱温度まで昇温し、変位を測定したときの、上記発泡性接着シートの初期厚さと、変位量との合計が、間隙設定値100%に対して、121%以上、168%以下となるように設定し、上記間隙設定値が、上記第一部材および上記第二部材の間に上記発泡性接着シートを配置した後の間隙の距離である、構造体の製造方法を提供する。
本開示は、所定の間隙に適した、優れた発泡特性および接着特性を得ることが可能な、発泡性接着シートおよび発泡性接着シートを用いた構造体の製造方法を提供することできる。
本開示における発泡性接着シートを例示する概略断面図である。 本開示における発泡性接着シートを例示する概略断面図である。 本開示における発泡性接着シートを例示する概略断面図である。 発泡性接着シートについてのTMA曲線を例示するグラフである。 本開示における発泡性接着シートを例示する概略断面図である。 本開示における構造体の製造方法を例示する工程図である。 発泡性接着シートについてのTMA曲線を例示するグラフである。
下記に、図面等を参照しながら本開示の実施の形態を説明する。ただし、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、下記に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の形態に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表わされる場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定しない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
本明細書において、ある部材の上に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」あるいは「下に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含む。また、本明細書において、ある部材の面に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「面側に」または「面に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含む。
また、本明細書において、「シート」には、「フィルム」と呼ばれる部材も含まれる。また、「フィルム」には、「シート」と呼ばれる部材も含まれる。また、本明細書における数値範囲は、平均的な値の範囲である。
発泡性接着シートにおいて、部材間の間隙を充填し、部材同士を接合するためには、発泡性接着シートの発泡硬化後の厚さが少なくとも部材間の間隙以上となるような発泡特性が必要である。しかしながら、上述したように、発泡性接着シートにおいては、発泡倍率および接着強度のバランスをとることが困難である。そのため、目的とする間隙に適した発泡特性および接着特性については、未だ検討の余地があるといえる。
従来、発泡性接着シートの発泡特性については、例えば、発泡性接着シートの発泡倍率により評価している。一般的に、発泡性接着シートの発泡倍率は、発泡性接着シートに外圧がかからない状態で、発泡性接着シートを発泡硬化させたときの発泡倍率をいう。
一方、発泡性接着シートを用いて部材同士を接着する場合には、発泡性接着シートを部材間に挟んだ状態で発泡硬化させるため、発泡性接着シートに外圧がかかった状態で、発泡性接着シートを発泡硬化させることになる。そのため、発泡性接着シートの発泡倍率の測定条件と、実際の発泡性接着シートの発泡硬化条件とは、大きく異なる。
これに対し、熱機械測定(TMA)により発泡性接着シートの発泡特性を測定する場合には、発泡性接着シートに圧縮荷重を加えた状態で加熱し、発泡性接着シートの熱膨張に伴う変位を測定する。この場合、発泡接着シートにある程度の圧縮荷重がかかった状態で、発泡性接着シートを発泡硬化させることになる。そのため、熱機械分析の測定条件は、従来の発泡性接着シートの発泡倍率の測定条件と比べて、実際の発泡性接着シートの発泡硬化条件に近づけることができる。よって、熱機械測定であれば、発泡性接着シートの発泡硬化挙動が反映された測定値が得られると考えられる。
そこで、本開示における発明者らは、熱機械測定により測定される発泡性接着シートの発泡特性に着目し、発泡性接着シートの発泡特性および接着特性について鋭意検討を重ねた結果、熱機械測定により発泡性接着シートの発泡特性を測定したときの変位量と、発泡性接着シートの発泡硬化後の接着強度とに、相関があることを見出した。そして、発泡性接着シートの初期厚さと、熱機械測定により測定される変位量との合計が、目的とする間隙に対して所定の範囲内である場合に、発泡性接着シートの発泡硬化後の接着強度が高くなることを知見した。本開示は、このような知見に基づくものである。
以下、本開示における発泡性接着シートおよび構造体の製造方法について、詳細に説明する。
A.発泡性接着シート
本開示における発泡性接着シートは、接着層を有する発泡性接着シートであって、上記接着層が、熱硬化性の接着剤と、発泡剤とを含有し、上記発泡性接着シートにおいて、熱機械測定により、圧縮荷重を加えて、所定の昇温速度で昇温し、変位を測定したときの、上記発泡性接着シートの初期厚さと、160℃以上200℃未満の所定の温度での変位量との合計が、間隙設定値100%に対して、100%以上、308%以下である。
本開示における発泡性接着シートについて、図面を参照して説明する。図1~図3は、本開示における発泡性接着シートを例示する概略断面図である。図1における発泡性接着シート10は、接着層1を有する。図2における発泡性接着シート10は、第一接着層1aと第二接着層1bとを有する。図3における発泡性接着シート10は、第一接着層1aと基材2と第二接着層1bとをこの順に有する。また、接着層1、第一接着層1aおよび第二接着層1bはいずれも、熱硬化性の接着剤と発泡剤とを含有する。
図4は、発泡性接着シートについて、熱機械測定(TMA)により、圧縮荷重を加えて、所定の昇温速度で昇温し、変位を測定したときの、温度を横軸、変位量を縦軸としたTMA曲線を例示するグラフである。本開示における発泡性接着シートにおいては、発泡性接着シートの初期厚さと、図4に示すようなTMA曲線における所定温度での変位量との合計が、間隙設定値に対して所定の範囲内である。
本開示における発泡性接着シートにおいては、発泡性接着シートの初期厚さと、熱機械測定により測定される所定温度での変位量との合計が、間隙設定値に対して所定の範囲内であることにより、間隙設定値に適した、優れた発泡特性および接着特性を得ることができる。よって、間隙設定値に対して、部材間の間隙の充填および部材同士の接合に最適な発泡性接着シートとすることができる。
以下、本開示における発泡性接着シートの各構成について説明する。
1.特性
本開示における発泡性接着シートにおいては、熱機械測定により、圧縮荷重を加えて、所定の昇温速度で昇温し、変位を測定したときの、発泡性接着シートの初期厚さと、160℃以上200℃未満の所定の温度での変位量の合計が、間隙設定値100%に対して、100%以上、308%以下である。発泡性接着シートの初期厚さと、上記変位量との合計は、間隙設定値100%に対して、112%以上308%以下であることが好ましく、138%以上308%以下であることがより好ましい。発泡性接着シートの初期厚さと、上記変位量との合計が上記範囲内であることにより、間隙設定値に適した発泡特性および接着特性を得ることができる。
ここで、熱機械測定は、以下の方法により行う。まず、発泡性接着シートを、φ4mmの治具で打ち抜き、サンプルを作製する。次に、φ5mmのアルミニウム容器にサンプルを入れ、サンプルの上にφ4mmのアルミニウムプレートを置く。次いで、温度:25℃以上250℃以下、昇温速度:20℃/min、荷重:10mN、圧縮モードの条件で、熱機械測定を行い、サンプルの膨張または収縮に伴う変位を測定する。そして、所定温度での変位量を求める。熱機械測定装置としては、例えば、日立ハイテクサイエンス社製の熱機械分析装置TMA7100を用いることができる。
なお、所定温度での変位量は、TMA曲線において、25℃での変位量を0とし、所定温度に到達したときの膨張に伴う変位量をいう。変位量の単位は、「μm」とする。
また、所定温度での変位量を求める際、所定温度は、160℃以上200℃未満の任意の温度である。これは、所定温度が上記範囲内である場合、耐熱性の良好な発泡性接着シートとすることができるからである。そのため、自動車のエンジン回りやそれに近い耐熱性が必要とされる用途への適用が可能になる。また、所定温度が上記範囲内よりも低いと、所定温度での変位量が小さくなる傾向がある。そのため、接着強度が低下する可能性がある。この場合、発泡硬化後の接着シートと部材との間で、界面破壊が生じやすくなる可能性がある。ここで、マイクロカプセル型発泡剤においては、樹脂からなるシェルの内部に、炭化水素等の熱膨張剤が内包されている。マイクロカプセル型発泡剤の場合、加熱すると、シェルを構成する樹脂が軟化するとともに、炭化水素等の熱膨張剤の圧力が上昇し、マイクロカプセル型発泡剤が膨張する。膨張によってシェルが薄くなるため、さらに加熱を続けると、マイクロカプセル型発泡剤から熱膨張剤が抜けてしまい、マイクロカプセル型発泡剤が収縮する。そのため、マイクロカプセル型発泡剤の場合、TMA曲線において、最大変位量に達した後に変位量が小さくなる傾向がある。よって、所定温度が上記範囲内よりも高いと、所定温度での変位量が小さくなり、その結果、接着強度が低下する可能性がある。したがって、本開示においては、上記の所定温度を、160℃以上200℃未満の任意の温度としている。
発泡性接着シートにおいては、例えば、発泡剤の粒径や含有量を調整することにより、上記変位量を制御することができる。例えば、発泡剤の粒径が大きいと、上記変位量が大きくなる傾向にある。一方、発泡剤の粒径が小さいと、上記変位量が小さくなる傾向にある。また、例えば、発泡剤の含有量が多いと、上記変位量が大きくなる傾向にある。一方、発泡剤の含有量が少ないと、上記変位量が小さくなる傾向にある。
また、発泡性接着シートの初期厚さとは、発泡性接着シートの発泡前の厚さであり、熱機械測定装置に発泡性接着シートのサンプルをセットした後の、常温での発泡性接着シートの厚さをいう。具体的には、上述したように、まず、発泡性接着シートを、φ4mmの治具で打ち抜き、サンプルを作製する。次に、φ5mmのアルミニウム容器にサンプルを入れ、サンプルの上にφ4mmのアルミニウムプレートを置く。この状態で、熱機械測定装置の膨張圧縮プローブを荷重100mNで接触させて、アルミニウムプレートとサンプルを十分平滑に接触させた後の厚さを、発泡性接着シートの初期厚さとする。なお、発泡性接着シートがセパレータを有する場合、発泡性接着シートの初期厚さは、セパレータを除く発泡性接着シートの厚さをいう。発泡性接着シートの初期厚さの単位は、「μm」とする。
また、上記間隙設定値は、例えば、100μm以上500μm以下であることが好ましく、200μm以上400μm以下であることがより好ましい。本開示は、間隙設定値が上記のような比較的小さい場合に好適である。なお、間隙設定値の定義については、後述する。間隙設定値の単位は、「μm」とする。
また、本開示における発泡性接着シートは、発泡硬化後の接着強度が高いことが好ましい。ISO 4587に対応するJIS K6850に基づくせん断強度(接着強度)は、23℃において、例えば1.50MPa以上であってもよく、1.80MPa以上であってもよく、2.10MPa以上であってもよい。また、上記せん断強度(接着強度)は、130℃において、例えば0.50MPa以上であってもよく、0.75MPa以上であってもよく、1.00MPa以上であってもよい。例えば、加熱の必要のない高強度のアクリルフォーム粘着テープにおいては、せん断強度(接着強度)が常温で1MPa以上2MPa以下程度であり、200℃では耐熱性がない。そのため、上記せん断強度(接着強度)が23℃で上記範囲であれば、強度面での優位性がある。また、上記せん断強度(接着強度)が130℃で上記範囲であれば、自動車のエンジン回りやそれに近い耐熱性が必要とされる用途への適用が可能になる。
また、本開示における発泡性接着シートは、発泡硬化後の電気絶縁性が高いことが好ましい。発泡性接着シートの発泡硬化後において、IEC 60454-2に対応するJIS C2107に基づく絶縁破壊電圧は、例えば3kV以上であることが好ましく、5kV以上であることがより好ましい。上記絶縁破壊電圧が上記範囲であることにより、防錆や銅線まわりへの適用が可能となる。また、発泡性接着シートの発泡硬化後において、熱伝導率は、例えば0.1W/mK以上であることが好ましく、0.15W/mK以上であることがより好ましい。上記熱伝導率が上記範囲であることにより、部品の小型化を図ることができ、また加熱時の硬化反応を促進することができる。
2.接着層
本開示における接着層は、熱硬化性の接着剤および発泡剤を含有する。
(1)材料
(a)発泡剤
本開示における発泡剤は、熱により発泡反応が生じる発泡剤である。発泡剤としては、一般に発泡性接着シートの接着層に使用される発泡剤を用いることができる。
発泡剤の発泡開始温度は、エポキシ樹脂等の熱硬化性の接着剤の主剤の軟化温度以上であり、かつ、エポキシ樹脂等の熱硬化性の接着剤の主剤の硬化反応の活性化温度以下であることが好ましい。発泡剤の発泡開始温度は、例えば、70℃以上であり、100℃以上であってもよい。発泡開始温度が低すぎると、発泡が早期に開始され、樹脂成分の柔軟性や流動性が低い状態で発泡が生じ、均一な発泡が生じにくい可能性がある。一方、発泡剤の発泡開始温度は、例えば、210℃以下である。発泡開始温度が高すぎると、樹脂成分が劣化する可能性がある。
なお、エポキシ樹脂等の熱硬化性の接着剤の主剤の軟化温度は、JIS K7234に規定される環球式軟化温度試験法を用いて測定できる。
発泡剤としては、例えば、マイクロカプセル型発泡剤が挙げられる。マイクロカプセル型発泡剤は、炭化水素等の熱膨張剤をコアとし、アクリロニトリルコポリマー等の樹脂をシェルとすることが好ましい。
また、発泡剤として、例えば、有機系発泡剤や無機系発泡剤を用いてもよい。有機系発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ発泡剤、トリクロロモノフルオロメタン等のフッ化アルカン系発泡剤、パラトルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジン系発泡剤、p-トルエンスルホニルセミカルバジド等のセミカルバジド系発泡剤、5-モルホリル-1,2,3,4-チアトリアゾール等のトリアゾール系発泡剤、N,N-ジニトロソテレフタルアミド等のN-ニトロソ系発泡剤が挙げられる。一方、無機系発泡剤としては、例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素アンモニウム、アジド類が挙げられる。
発泡剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
発泡剤の平均粒径は、例えば、10μm以上であってもよく、13μm以上であってもよく、17μm以上であってもよい。また、発泡剤の平均粒径は、接着層の厚さ以下であることが好ましく、例えば、44μm以下であってもよく、30μm以下であってもよく、24μm以下であってもよい。
なお、発泡剤の平均粒径は、レーザー回折散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径である。また、発泡剤の平均粒径を測定するに際しては、接着層を溶剤に溶解させて発泡剤を分離する。溶剤は、接着層に含まれる発泡剤以外の成分を溶解することが可能な溶剤であれば特に限定されず、接着層に含まれる熱硬化性の接着剤の種類等に応じて適宜選択される。例えば、接着層の形成に用いられる接着剤組成物に使用される溶剤を用いることができる。具体的には、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン等を用いることができる。
発泡剤の最大発泡温度での発泡倍率は、例えば1.5倍以上であり、3倍以上であってもよい。一方、発泡剤の最大発泡温度での発泡倍率は、例えば15倍以下であり、10倍以下であってもよい。
発泡剤の含有量は、接着層に含まれる樹脂成分を100質量部とした場合に、例えば、0.5質量部以上であり、2質量部以上であってもよく、3質量部以上であってもよく、4質量部以上であってもよく、5質量部以上であってもよい。一方、発泡剤の含有量は、接着層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、例えば25質量部以下であり、20質量部以下であってもよく、15質量部以下であってもよい。発泡剤の含有量が多すぎると、熱硬化性の接着剤の含有量が相対的に少なくなるため、発泡硬化後の接着強度が低下する可能性がある。
(b)熱硬化性の接着剤
本開示における熱硬化性の接着剤としては、一般に発泡性接着シートの接着層に使用される熱硬化性の接着剤を用いることができる。熱硬化性の接着剤は、例えば金属製の部材のように部材が透明性を有さない場合でも適用可能である。
また、熱硬化性の接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、不飽和ポリエステル樹脂系接着剤、アルキド樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、熱硬化性ポリイミド樹脂系接着剤等が挙げられる。
中でも、熱硬化性の接着剤は、エポキシ樹脂系接着剤であることが好ましい。すなわち、熱硬化性の接着剤は、エポキシ樹脂と、硬化剤とを含有することが好ましい。一般に、エポキシ樹脂系接着剤は、機械的強度、耐熱性、絶縁性、耐薬品性等に優れており、硬化収縮が小さく、幅広い用途に用いることができる。
以下、熱硬化性の接着剤がエポキシ樹脂系接着剤である場合について例を挙げて説明する。
(i)エポキシ樹脂
本開示におけるエポキシ樹脂は、少なくとも1つ以上のエポキシ基またはグリシジル基を有し、硬化剤との併用により架橋重合反応を起こして硬化する化合物である。エポキシ樹脂には、少なくとも1つ以上のエポキシ基またはグリシジル基を有する単量体も含まれる。
エポキシ樹脂としては、例えば、芳香族系エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環系エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂やゴム変性エポキシ樹脂等の変性エポキシ樹脂が挙げられる。また、他の具体例としては、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリコール型エポキシ樹脂、ペンタエリスリトール型エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、ビスフェノール骨格の繰り返し単位の数によって、常温で液体の状態、または常温で固体の状態で存在することができる。主鎖のビスフェノール骨格が、例えば2以上10以下であるビスフェノールA型エポキシ樹脂は、常温で固体である。特に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、耐熱性向上を図ることができる点で好ましい。
エポキシ樹脂は、1官能のエポキシ樹脂であってもよく、2官能のエポキシ樹脂であってもよく、3官能のエポキシ樹脂であってもよく、4官能以上のエポキシ樹脂であってもよい。
(ii)アクリル樹脂
本開示において、熱硬化性の接着剤がエポキシ樹脂系接着剤である場合、接着層は、エポキシ樹脂と相溶するアクリル樹脂をさらに含有していてもよい。アクリル樹脂は、エポキシ樹脂と相溶した樹脂である。アクリル樹脂は、エポキシ樹脂と相溶することから、接着層の靭性を向上させやすい。その結果、発泡硬化後の接着性を向上させることができる。さらに、アクリル樹脂が、発泡剤(例えば、シェル部がアクリロニトリルコポリマーの樹脂である発泡剤)の相溶化剤として働き、均一に分散、発泡することで、発泡硬化後の接着性が向上すると考えられる。また、アクリル樹脂による柔軟性が発揮され、発泡硬化後の基材に対する密着性や発泡硬化後の耐割れ性の向上を図ることができる。また、アクリル樹脂がエポキシ樹脂と相溶することで、接着層の表面の硬度を高く保つことができる。一方、アクリル樹脂がエポキシ樹脂と非相溶であると、接着層の表面に柔軟な部位が形成されるため、第一部材や第二部材との界面が滑りにくくなり、作業性が低下することがある。
本開示におけるアクリル樹脂は、エポキシ樹脂と相溶している。ここで、アクリル樹脂がエポキシ樹脂と相溶していることは、例えば、接着層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)または透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したときに、ミクロンサイズの島が発生していないことから確認することができる。より具体的には、島の平均粒径が1μm以下であることが好ましい。中でも、島の平均粒径は、0.5μm以下であってもよく、0.3μm以下であってもよい。サンプル数は多いことが好ましく、例えば100以上である。観察するエリア面積は、100μm×100μmの範囲、もしくは、接着層の厚さが100μm以下の場合は、厚さ×100μmの範囲で行う。
アクリル樹脂は、極性基を有していてもよい。極性基としては、例えば、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基、ニトリル基、アミド基が挙げられる。
アクリル樹脂は、アクリル酸エステル単量体の単独重合体であり、上記単独重合体を2種以上含む混合成分であってもよく、2種以上のアクリル酸エステル単量体の共重合体であり、共重合体を1以上含む成分であってもよい。また、アクリル樹脂は、上記単独重合体と上記共重合体との混合成分であってもよい。アクリル酸エステル単量体の「アクリル酸」には、メタクリル酸の概念も含まれる。具体的には、アクリル樹脂は、メタクリレートの重合体とアクリレートの重合体との混合物であってもよく、アクリレート-アクリレート、メタクリレート-メタクリレート、メタクリレート-アクリレート等のアクリル酸エステル重合体であってもよい。中でも、アクリル樹脂は、2種以上のアクリル酸エステル単量体の共重合体((メタ)アクリル酸エステル共重合体)を含むことが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体を構成する単量体成分としては、例えば、特開2014-065889号公報に記載の単量体成分が挙げられる。上記単量体成分は、上述した極性基を有していてもよい。上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体としては、例えば、エチルアクリレート-ブチルアクリレート-アクリロニトリル共重合体、エチルアクリレート-アクリロニトリル共重合体、ブチルアクリレート-アクリロニトリル共重合体が挙げられる。なお、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等の「アクリル酸」には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等の「メタクリル酸」も含まれる。
上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体としては、ブロック共重合体が好ましく、さらにメタクリレート-アクリレート共重合体等のアクリル系ブロック共重合体が好ましい。アクリル系ブロック共重合体を構成する(メタ)アクリレートとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジジルが挙げられる。これらの「アクリル酸」には、「メタクリル酸」も含まれる。
メタクリレート-アクリレート共重合体の具体例としては、メチルメタクリレート-ブチルアクリレート-メチルメタクリレート(MMA-BA-MMA)共重合体等のアクリル系共重合体が挙げられる。MMA-BA-MMA共重合体には、ポリメチルメタクリレート-ポリブチルアクリレート-ポリメチルメタクリレート(PMMA-PBA-PMMA)のブロック共重合体も含まれる。
アクリル系共重合体は、極性基を有していなくてもよく、また一部に上述した極性基を導入した変性物であってもよい。上記変性物は、エポキシ樹脂と相溶しやすいため、接着性がより向上する。
中でも、アクリル樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が10℃以下である第一重合体部分と、ガラス転移温度(Tg)が20℃以上である第二重合体部分とを有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体であることが好ましい。このような(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、柔らかいセグメントとなる第一重合体部分と、硬いセグメントとなる第二重合体部分とを有する。このような共重合体を添加することにより、接着層は、硬化後の靭性が向上して接着力をより高めることができる。
上記の効果の発現は、以下のように推定できる。上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体のような、柔らかいセグメントと、硬いセグメントとを併せ持つアクリル樹脂を用いることで、硬いセグメントが耐熱性に寄与し、柔らかいセグメントが靱性ないし柔軟性に寄与するため、耐熱性、靱性、柔軟性が良好な接着層が得られる。
上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体に含まれる第一重合体部分および第二重合体部分の少なくとも一方は、エポキシ樹脂に対して相溶性を有する。第一重合体部分がエポキシ樹脂に対して相溶性を有する場合には、柔軟性を高めることができる。また、第二重合体部分がエポキシ樹脂に対して相溶性を有する場合には、凝集性や靱性を高めることができる。
上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、中でもブロック共重合体であることが好ましく、特に、相溶部位を重合体ブロックA、非相溶部位を重合体ブロックBとするA-B-Aブロック共重合体であることが好ましい。さらには、第一重合体部分が非相溶部位、第二重合体部分が相溶部位であり、第一重合体部分を重合体ブロックB、第二重合体部分を重合体ブロックAとするA-B-Aブロック共重合体であることが好ましい。
また、上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、第一重合体部分または第二重合体部分の一部に上述の極性基を導入した変性物であってもよい。
上記の第一重合体部分および第二重合体部分を有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体の具体例としては、上記のMMA-BA-MMA共重合体が挙げられる。
アクリル樹脂の含有量は、接着層に含まれる樹脂成分を100質量部とした場合に、例えば、1質量部以上であり、3質量部以上であってもよく、5質量部以上であってもよく、7質量部以上であってもよく、10質量部以上であってもよい。アクリル樹脂の含有量が少なすぎると、発泡硬化後の接着性および接着層の基材に対する密着性が低下する可能性がある。一方、アクリル樹脂の含有量は、接着層に含まれる樹脂成分を100質量部とした場合に、例えば、60質量部以下であり、50質量部以下であってもよく、40質量部以下であってもよく、35質量部以下であってもよく、30質量部以下であってもよい。アクリル樹脂の含有量が多すぎると、膜強度が低下する可能性がある。
また、後述するように、発泡性接着シートが、接着層として第一接着層および第二接着層を有する場合、第一接着層および第二接着層において、アクリル樹脂の含有量は、同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。
(iii)硬化剤
本開示における硬化剤としては、一般にエポキシ樹脂系接着剤に使用される硬化剤を用いることができる。
硬化剤は、23℃で固体であることが好ましい。23℃で固体である硬化剤は、23℃で液体である硬化剤と比較して、保存安定性(ポットライフ)を長くすることができる。また、硬化剤は、潜在性硬化剤であってもよい。また、硬化剤は、通常、熱により硬化反応が生じる硬化剤である。また、硬化剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上用いてもよい。
硬化剤の反応開始温度は、例えば110℃以上であり、130℃以上であってもよい。反応開始温度が低すぎると、反応が早期に開始され、樹脂成分の柔軟性や流動性が低い状態で硬化が生じ、均一な硬化が生じにくい可能性がある。一方、硬化剤の反応開始温度は、例えば、200℃以下である。反応開始温度が高すぎると、樹脂成分が劣化する可能性がある。なお、エポキシ樹脂の他に、例えばフェノール樹脂等の耐熱性が高い樹脂を使用する場合には、樹脂成分の劣化が少ないため、硬化剤の反応開始温度は、例えば300℃以下であってもよい。硬化剤の反応開始温度は、示差走査熱量測定(DSC)により求めることができる。
硬化剤の具体例としては、イミダゾール系硬化剤、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、チオール系硬化剤が挙げられる。
イミダゾール系硬化剤としては、例えば、イミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-イソプロピルイミダゾール、2-フェニルイミダゾールや、イミダゾール化合物のカルボン酸塩、エポキシ化合物との付加物が挙げられる。また、イミダゾール系硬化剤は、ヒドロキシル基を有することが好ましい。ヒドロキシ基同士の水素結合で結晶化するため、反応開始温度が高くなる傾向にある。
フェノール系硬化剤としては、例えば、フェノール樹脂が挙げられる。さらに、フェノール樹脂としては、例えば、レゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂が挙げられる。発泡硬化後の基材に対する密着性や発泡硬化後の耐割れ性等の観点から、Tgが110℃以下のフェノール型ノボラック樹脂が特に好ましい。また、フェノール系硬化剤およびイミダゾール系硬化剤を併用してもよい。その場合、イミダゾール系硬化剤を硬化触媒として用いることが好ましい。
アミン系硬化剤としては、例えば、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシレリレンジアミン(MXDA)等の脂肪族アミン;ジアミノジフェニルメタン(DDM)、m-フェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)等の芳香族アミン;脂環式アミン;ポリアミドアミンが挙げられる。また、アミン系硬化剤として、ジシアンジアミド(DICY)等のジシアンジアミド系硬化剤、有機酸ジヒドラジド系硬化剤、アミンアダクト系硬化剤、ケチミン系硬化剤を用いることができる。
酸無水物系硬化剤としては、例えば、ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)等の脂環族酸無水物(液状酸無水物);無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)等の芳香族酸無水物が挙げられる。
イソシアネート系硬化剤としては、例えば、ブロックイソシアネートが挙げられる。
チオール系硬化剤としては、例えば、エステル結合型チオール化合物、脂肪族エーテル結合型チオール化合物、芳香族エーテル結合型チオール化合物が挙げられる。
中でも、イミダゾール系硬化剤以外の硬化剤と、イミダゾール系硬化剤とを併用することが好ましい。その場合、イミダゾール系硬化剤を硬化触媒として用いることが好ましい。
硬化剤の含有量は、接着層に含まれる樹脂成分を100質量部とした場合に、例えば、1質量部以上、40質量部以下である。例えば、硬化剤としてイミダゾール系硬化剤を主成分として用いる場合、硬化剤の含有量は、接着層に含まれる樹脂成分を100質量部とした場合に、例えば、1質量部以上、15質量部以下であることが好ましい。一方、硬化剤としてフェノール系硬化剤を主成分として用いる場合、硬化剤の含有量は、接着層に含まれる樹脂成分を100質量部とした場合に、例えば、5質量部以上、40質量部以下であることが好ましい。なお、硬化剤としてイミダゾール系硬化剤またはフェノール系硬化剤を主成分として用いるとは、硬化剤において、イミダゾール系硬化剤またはフェノール系硬化剤の質量割合が最も多いことをいう。
(c)その他の成分
本開示における接着層は、例えば熱硬化性の接着剤がエポキシ樹脂系接着剤である場合、樹脂成分として、上記のエポキシ樹脂およびアクリル樹脂のみを含有していてもよく、他の樹脂をさらに含有していてもよい。他の樹脂としては、例えばウレタン樹脂が挙げられる。
接着層に含まれる樹脂成分に対する、エポキシ樹脂およびアクリル樹脂の合計の割合は、例えば70質量%以上であり、80質量%以上であってもよく、90質量%以上であってもよく、100質量%であってもよい。
接着層に含まれる樹脂成分の含有量は、例えば60質量%以上であり、70質量%以上であってもよく、80質量%以上であってもよく、90質量%以上であってもよい。
接着層は、必要に応じて、例えばシランカップリング剤、充填剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、架橋剤、着色剤等の添加剤を含有していてもよい。シランカップリング剤としては、例えば、エポキシ系シランカップリング剤が挙げられる。充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物、二酸化チタン等の無機充填剤が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤が挙げられる。
(2)接着層
接着層の厚さは、特に限定されないが、発泡剤の平均粒径以上であることが好ましい。接着層の厚さは、例えば10μm以上200μm以下であり、15μm以上150μm以下であってもよく、20μm以上100μm以下であってもよい。接着層が薄すぎると、基材との密着性および発泡硬化後の接着性を十分に得ることができない可能性がある。また、接着層が厚すぎると、面質が悪化する可能性がある。
ここで、接着層の厚さは、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)又は走査透過型電子顕微鏡(STEM)により観察される発泡性接着シートの厚さ方向の断面から測定した値であり、無作為に選んだ10箇所の厚さの平均値とすることができる。なお、発泡性接着シートが有する他の層の厚さの測定方法についても同様とすることができる。
接着層は、連続層であってもよく、不連続層であってもよい。不連続層としては、例えば、ストライプ、ドット等のパターンが挙げられる。また、接着層の表面が、エンボス等の凹凸形状を有していてもよい。
接着層は、例えば、接着剤組成物を塗布し、溶剤を除去することで形成することができる。塗布方法としては、例えば、ロールコート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、コンマコート、ロッドコ-ト、ブレードコート、バーコート、ワイヤーバーコート、ダイコート、リップコート、ディップコート等が挙げられる。
接着剤組成物は、溶媒を含有していてもよく、溶媒を含有していなくてもよい。なお、本明細書における溶媒は、厳密な溶媒(溶質を溶解させる溶媒)のみならず、分散媒も含む広義の意味である。また、接着剤組成物に含まれる溶媒は、接着剤組成物を塗布乾燥して接着層を形成する際に揮発して除去される。
接着剤組成物は、上述した各成分を混合し、必要に応じて混練、分散することにより、得ることができる。混合および分散方法としては、一般的な混練分散機、例えば、二本ロールミル、三本ロールミル、ペブルミル、トロンミル、ツェグバリ(Szegvari)アトライター、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、デスパー、高速ミキサー、リボンブレンダー、コニーダー、インテンシブミキサー、タンブラー、ブレンダー、デスパーザー、ホモジナイザー、超音波分散機が適用できる。
本開示における発泡性接着シートは、接着層を有していればよく、例えば、1つの接着層のみを有していてもよく、接着層として第一接着層および第二接着層を有していてもよい。また、本開示における発泡性接着シートが、接着層として第一接着層および第二接着層を有する場合、第一接着層と第二接着層とをこの順に有していてもよく、第一接着層と基材と第二接着層とをこの順に有していてもよい。第一接着層および第二接着層の間に基材が配置されている場合には、発泡性接着シートの取扱性および作業性を良くすることができる。一方、発泡性接着シートが基材を有さない場合には、発泡性接着シート全体の厚さを薄くすることができる。そのため、例えば、狭い隙間にも発泡性接着シートを挿入可能である。
3.基材
本開示における発泡性接着シートは、接着層として第一接着層および第二接着層を有しており、第一接着層および第二接着層の間に基材を有していてもよい。
基材は、絶縁性を有することが好ましい。また、基材は、シート状であることが好ましい。基材は、単層構造を有していてもよく、複層構造を有していてもよい。また、基材は、内部に多孔構造を有していてもよく、有していなくてもよい。
基材としては、例えば、樹脂基材、不織布が挙げられる。
樹脂基材に含まれる樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、芳香族ポリエステル等のポリエステル樹脂;ポリカーボネート;ポリアリレート;ポリウレタン;ポリアミド、ポリエーテルアミド等のポリアミド樹脂;ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド等のポリイミド樹脂;ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等のポリスルホン樹脂;ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン等のポリエーテルケトン樹脂;ポリフェニレンサルファイド(PPS);変性ポリフェニレンオキシド等が挙げられる。樹脂のガラス転移温度は、例えば80℃以上であり、140℃以上であってもよく、200℃以上であってもよい。また、樹脂として、液晶ポリマー(LCP)を用いてもよい。
不織布としては、例えば、セルロース繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、液晶ポリマー繊維、ガラス繊維、金属繊維、カーボン繊維等の繊維を含む不織布が挙げられる。
基材は、接着層との密着性を高めるため、表面処理が施されていてもよい。
基材の厚さは、特に限定されず、例えば2μm以上200μmであり、5μm以上100μm以下であってもよく、9μm以上50μm以下であってもよい。
4.その他の構成
本開示における発泡性接着シートは、上記の接着層および基材に加えて、必要に応じて、他の構成を有していてもよい。
(1)中間層
本開示における発泡性接着シートは、基材および第一接着層の間に第一中間層を有していてもよい。また、本開示における発泡性接着シートは、基材および第二接着層の間に第二中間層を有していてもよい。第一中間層や第二中間層が配置されていることにより、第一接着層や第二接着層の基材に対する密着性を向上させることができる。さらには、第一中間層や第二中間層が配置されていることで、例えば、発泡性接着シートを折り曲げた際に屈曲部にかかる応力を緩和したり、発泡性接着シートを切断した際に切断部にかかる応力を緩和したりすることができる。その結果、発泡性接着シートの屈曲時や切断時において基材からの第一接着層や第二接着層の浮きや剥がれを抑制することができる。
例えば、図5に示す発泡性接着シート10においては、基材2および第一接着層1aの間に第一中間層3aが配置され、基材2および第二接着層1bの間に第二中間層3bが配置されている。なお、図5においては、発泡性接着シート10は、第一中間層3aおよび第二中間層3bの両方を有するが、いずれか一方のみを有していてもよい。
発泡性接着シートは、第一中間層および第二中間層の少なくとも一方を有していればよく、例えば、基材および第一接着層の間に配置された第一中間層のみを有していてもよく、基材および第二接着層の間に配置された第二中間層のみを有していてもよく、基材および第一接着層の間に配置された第一中間層と、基材および第二接着層の間に配置された第二中間層との両方を有していてもよい。中でも、基材および第一接着層の間に第一中間層が配置され、かつ、基材および第二接着層の間に第二中間層が配置されていることが好ましい。
第一中間層および第二中間層に含まれる材料としては、基材と第一接着層や第二接着層との密着性を高めることができ、かつ、応力を緩和することができる材料であれば特に限定されず、基材、第一接着層、および第二接着層の材料等に応じて適宜選択される。例えば、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、それらの少なくとも2種以上を共重合させた重合体、それらの架橋体、およびそれらの混合物等が挙げられる。
架橋体は、上記の樹脂を硬化剤により架橋した架橋体である。硬化剤としては、例えば、イソシアネート系硬化剤が挙げられる。
中でも、第一中間層および第二中間層は、架橋された樹脂を含有することが好ましい。なお、架橋された樹脂とは、高温にしても溶融しないものをいう。これにより、高温下での接着力、つまり耐熱性を向上させることができる。
第一中間層および第二中間層の厚さは、特に限定されないが、例えば0.1μm以上であり、0.5μm以上であってもよく、1μm以上であってもよい。第一中間層や第二中間層が薄すぎると、発泡性接着シートの屈曲時および切断時の基材からの第一接着層や第二接着層の剥がれを抑制する効果が十分に得られない可能性がある。一方、第一中間層および第二中間層の厚さは、例えば4μm以下であり、3.5μm以下であってもよい。第一中間層および第二中間層自体は、通常、耐熱性が高くないため、第一中間層や第二中間層が厚すぎると、耐熱性(高温下での接着力)が低下する可能性がある。
第一中間層および第二中間層は、例えば、樹脂組成物を塗布し、溶剤を除去することで形成することができる。塗布方法としては、例えば、ロールコート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、コンマコート、ロッドコ-ト、ブレードコート、バーコート、ワイヤーバーコート、ダイコート、リップコート、ディップコートが挙げられる。
(2)セパレータ
本開示における発泡性接着シートは、第一接着層の第二接着層とは反対の面側に第一セパレータを有していてもよい。また、本開示における発泡性接着シートは、第二接着層の第一接着層とは反対の面側に第二セパレータを有していてもよい。
第一セパレータおよび第二セパレータは、第一接着層や第二接着層から剥離可能であれば特に限定されず、第一接着層や第二接着層を保護することが可能な程度の強度を有することができる。このような第一セパレータおよび第二セパレータとしては、例えば、離型フィルム、剥離紙等を挙げることができる。また、第一セパレータおよび第二セパレータは、単層構造を有していてもよく、複層構造を有していてもよい。
単層構造のセパレータとしては、例えば、フッ素樹脂系フィルム等が挙げられる。
また、複層構造のセパレータとしては、例えば、基材層の片面または両面に離型層を有する積層体が挙げられる。基材層としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルムや、上質紙、コート紙、含浸紙等の紙が挙げられる。離型層の材料としては、離型性を有する材料であれば特に限定されず、例えば、シリコーン化合物、有機化合物変性シリコーン化合物、フッ素化合物、アミノアルキド化合物、メラミン化合物、アクリル化合物、ポリエステル化合物、長鎖アルキル化合物等が挙げられる。これらの化合物は、エマルジョン型、溶剤型または無溶剤型のいずれもが使用できる。
5.発泡性接着シート
本開示における発泡性接着シートの厚さは、例えば10μm以上であり、20μm以上であってもよい。一方、発泡性接着シートの厚さは、例えば1000μm以下であり、200μm以下であってもよい。ここでいう発泡性接着シートの厚さと、上記の発泡性接着シートの初期厚さとは、異なる。
本開示における発泡性接着シートの用途は、特に限定されない。本開示における発泡性接着シートは、例えば、2つの部材間に発泡性接着シートを配置し、その後、発泡性接着シートを加熱により発泡硬化させることで、2つの部材同士を接着する場合に用いることができる。具体的には、本開示における発泡性接着シートは、モータにおけるコイルおよびステータの接着や、埋込磁石型モータにおけるロータおよび永久磁石の接着に用いられる。
本開示における発泡性接着シートの製造方法は、特に限定されない。
例えば、発泡性接着シートが、1つの接着層のみを有し、基材を有さない場合には、セパレータの一方の面に接着剤組成物を塗布および乾燥することによって、接着層を形成する方法が挙げられる。その後、セパレータを剥離してもよい。
また、例えば、発泡性接着シートが、接着層として第一接着層および第二接着層を有し、第一接着層および第二接着層の間に基材を有さない場合、第一セパレータ上に第一接着層を形成するための接着剤組成物を塗布および乾燥して、第一接着層を形成し、また第二セパレータ上に第二接着層を形成するための接着剤組成物を塗布および乾燥して、第二接着層を形成し、第一セパレータおよび第一接着層の積層体と、第二セパレータおよび第二接着層の積層体とをラミネートする方法が挙げられる。その後、第一セパレータや第二セパレータを剥離してもよい。
また、例えば、発泡性接着シートが、第一接着層と基材と第二接着層とをこの順に有する場合には、基材の両面にそれぞれ、接着剤組成物を塗布および乾燥することによって、第一接着層および第二接着層を形成する方法を挙げることができる。第一接着層および第二接着層は、順次形成してもよく、同時に形成してもよい。また、例えば、基材の一方の面に接着剤組成物を塗布および乾燥することによって第一接着層を形成し、また、セパレータの一方の面に接着剤組成物を塗布および乾燥することによって第二接着層を形成し、基材の他方の面に第二接着層およびセパレータをラミネートする方法も挙げられる。
B.構造体の製造方法
本開示における構造体の製造方法は、2つの実施態様を有する。以下、各実施態様について説明する。
1.第1実施態様
本開示における構造体の製造方法の第1実施態様は、第一部材および第二部材の間に、接着層を有する発泡性接着シートを配置する配置工程と、上記発泡性接着シートを加熱により発泡硬化させ、上記第一部材および上記第二部材を接着する接着工程と、を有する構造体の製造方法であって、上記接着層が、熱硬化性の接着剤と、発泡剤とを含有し、上記発泡性接着シートにおいて、熱機械測定により、圧縮荷重を加えて、所定の昇温速度で昇温し、変位を測定したときの、上記発泡性接着シートの初期厚さと、160℃以上200℃未満の所定の温度での変位量との合計が、間隙設定値100%に対して、100%以上、308%以下であり、上記間隙設定値が、上記第一部材および上記第二部材の間に上記発泡性接着シートを配置した後の間隙の距離である。
図6(a)~(b)は、本実施態様の構造体の製造方法を例示する工程図である。まず、図6(a)に示すように、第一部材20aおよび第二部材20bの間に、発泡性接着シート10を配置する。次に、図6(b)に示すように、発泡性接着シート10の接着層を加熱により発泡硬化させる。発泡硬化後の接着シート11により、第一部材20aおよび第二部材20bは接着(接合)される。これにより、第一部材20aおよび第二部材20bの間に接着シート11が配置された構造体100が得られる。
また、本実施態様の発泡性接着シートにおいては、発泡性接着シートの初期厚さと、図4に示すようなTMA曲線における所定温度での変位量との合計が、間隙設定値に対して所定の範囲内である。
間隙設定値は、第一部材および第二部材の間に発泡性接着シートを配置した後の間隙の距離である。例えば図6(a)においては、第一部材20aおよび第二部材20bの間に発泡性接着シート10を配置した後の間隙G1、G2の距離d1、d2の合計が、間隙設定値となる。
本実施態様の構造体の製造方法においては、上述の発泡性接着シートを用いる。したがって、間隙設定値に適した、優れた発泡特性および接着特性を得ることができる。よって、部材間の間隙の充填および部材同士の接合のために、間隙設定値に対して最適な発泡性接着シートを選択して用いることができる。
以下、本実施態様の構造体の製造方法に用いられる発泡性接着シートおよび本実施態様の構造体の製造方法の各工程について説明する。
(1)発泡性接着シート
本実施態様に用いられる発泡性接着シートにおいては、発泡性接着シートにおいて、熱機械測定により、圧縮荷重を加えて、所定の昇温速度で昇温し、変位を測定したときの、発泡性接着シートの初期厚さと、160℃以上200℃未満の所定の温度での変位量との合計が、間隙設定値に対して所定の範囲内である。
発泡性接着シートについては、上述の発泡性接着シートと同様とすることができる。
なお、本実施態様において、間隙設定値は、第一部材および第二部材の間に発泡性接着シートを配置した後の間隙の距離である。
(2)配置工程
本実施態様における配置工程は、第一部材および第二部材の間に、接着層を有する発泡性接着シートを配置する工程である。
第一部材および第二部材の間に発泡性接着シートを配置する方法は、第一部材および第二部材の種類等に応じて適宜選択される。例えば、第一部材および第二部材のうち、一方の部材に発泡性接着シートを配置し、発泡性接着シートの一方の部材とは反対の面側に他方の部材を配置する方法;第一部材および第二部材の間の隙間に発泡性接着シートを挿入する方法;第一部材の穴や溝等に発泡性接着シートを配置した後、第一部材の穴や溝等の中の発泡性接着シートを配置した後の隙間に第二部材を挿入する方法等が挙げられる。また、例えば、第一部材が穴や溝を有しており、第一部材の穴や溝に第二部材を配置して接着する場合には、第二部材に発泡性接着シートを貼り付けた後、第一部材の穴や溝に、発泡性接着シートが貼り付けられた第二部材を配置する方法;第一部材の穴や溝に発泡性接着シートを貼り付けた後、発泡性接着シートが貼り付けられた第一部材の穴や溝に、第二部材を配置する方法等が挙げられる。
第一部材および第二部材は、構造体の用途等に応じて適宜選択される。第一部材および第二部材は、接着および絶縁が必要な部材であることが好ましい。例えば、モータの部品が挙げられる。具体的には、モータにおけるコイルおよびステータや、埋込磁石型モータにおけるロータおよび永久磁石が挙げられる。
(3)接着工程
本実施態様における接着工程は、上記発泡性接着シートを加熱により発泡硬化させ、第一部材および第二部材を接着する工程である。
接着工程における加熱温度は、発泡性接着シートにおいて、熱機械測定により、圧縮荷重を加えて、所定の昇温速度で昇温し、変位を測定したときの、発泡性接着シートの初期厚さと、所定の温度で変位量との合計が、間隙設定値100%に対して、100%以上308%以下となるように設定されていることが好ましく、112%以上294%以下となるように設定されていることがより好ましい。加熱温度が上記範囲よりも低いと、変位量が小さいため、発泡が不十分になり、接着強度が低下する可能性がある。この場合、発泡硬化後の接着シートと第一部材または第二部材との間で、界面破壊が生じやすくなる可能性がある。また、上述したように、マイクロカプセル型発泡剤の場合、TMA曲線において、最大変位量に達した後に変位量が小さくなる傾向がある。よって、加熱温度が上記範囲よりも高いと、最大変位量に達した後に変位量が小さくなり、その結果、発泡時の接着層の厚さを維持することができず、接着強度が低下する可能性がある。
具体的には、加熱温度は、160℃以上190℃以下であることが好ましい。加熱温度が上記範囲内であることにより、耐熱性を向上させることができる。そのため、自動車のエンジン回りやそれに近い耐熱性が必要とされる用途への適用が可能になる。
2.第2実施態様
本開示における構造体の製造方法の第2実施態様は、第一部材および第二部材の間に、接着層を有する発泡性接着シートを配置する配置工程と、上記発泡性接着シートを加熱により発泡硬化させ、上記第一部材および上記第二部材を接着する接着工程と、を有する構造体の製造方法であって、上記接着層が、熱硬化性の接着剤と、発泡剤とを含有し、上記接着工程における加熱温度を、150℃以上200℃未満であり、かつ、上記発泡性接着シートにおいて、熱機械測定により、圧縮荷重を加えて、所定の昇温速度で上記加熱温度まで昇温し、変位を測定したときの、上記発泡性接着シートの初期厚さと、変位量との合計が、間隙設定値100%に対して、121%以上、168%以下となるように設定し、上記間隙設定値が、上記第一部材および上記第二部材の間に上記発泡性接着シートを配置した後の間隙の距離である。
図7は、発泡性接着シートについて、熱機械測定(TMA)により、圧縮荷重を加えて、所定の昇温速度で所定の温度まで昇温し、変位を測定したときの、時間を横軸、変位量を縦軸としたTMA曲線を例示するグラフである。本実施態様の構造体の製造方法においては、接着工程における加熱温度を、150℃以上200℃未満であり、かつ、発泡性接着シートの初期厚さと、例えば図7に示すような発泡性接着シートについてのTMA曲線における変位量との合計が、間隙設定値に対して所定の範囲内となるように設定する。
本実施態様の発泡性接着シートにおいては、接着工程における加熱温度を、150℃以上200℃未満であり、かつ、発泡性接着シートの初期厚さと、発泡性接着シートについて熱機械測定により測定される変位量との合計が、間隙設定値に対して所定の範囲内となるように設定することにより、間隙設定値に適した、優れた発泡特性および接着特性を得ることができる。よって、間隙設定値に対して、接着工程における加熱条件を最適化することができる。
従来、発泡性接着シートの発泡硬化時の加熱条件については、例えば、発泡剤の発泡開始温度、発泡剤の最大発泡温度、接着剤の硬化開始温度等に基づいて設定されている。例えば、特許文献2には、加熱条件について、熱発泡剤の熱発泡温度(発泡開始温度)をT1とし、接着層の硬化開始温度をT2としたとき、T1≦T2の関係を満足することが開示されている。しかしながら、本開示の発明者らが、発泡性接着シートの発泡硬化時の加熱条件について検討したところ、発泡剤の発泡開始温度と接着層の硬化開始温度とを所定の関係とする場合であっても、接着強度が低下する場合があることが判明した。なお、発泡剤の発泡開始温度や最大発泡温度は、発泡剤単体の発泡特性であり、発泡性接着シートの発泡特性であるとはいえない。
これに対し、本実施態様においては、発泡性接着シートの初期厚さと、発泡性接着シートについて熱機械測定により測定される変位量とに基づいて加熱条件を設定している。上述したように、熱機械分析の測定条件は、実際の発泡性接着シートの発泡硬化条件に近づけることができる。よって、熱機械測定であれば、発泡性接着シートの発泡硬化挙動が反映された測定値が得られると考えられる。
以下、本実施態様の構造体の製造方法に用いられる発泡性接着シートおよび本実施態様の構造体の製造方法の各工程について説明する。
(1)発泡性接着シート
本実施態様に用いられる発泡性接着シートは、接着層を有しており、接着層は、熱硬化性の接着剤と、発泡剤とを含有する。
発泡性接着シートにおける接着層については、上記「A.発泡性接着シート 2.接着層」の項に記載した接着層と同様とすることができる。
また、発泡性接着シートにおける他の構成についても、上記「A.発泡性接着シート」の項に記載した内容と同様とすることができる。
(2)配置工程
本実施態様における配置工程は、第一部材および第二部材の間に、接着層を有する発泡性接着シートを配置する工程である。配置工程ならびに第一部材および第二部材については、上記第1実施態様と同様とすることができる。
(3)接着工程
本実施態様における接着工程は、上記発泡性接着シートを加熱により発泡硬化させ、第一部材および第二部材を接着する工程である。
本実施態様においては、接着工程における加熱温度を、150℃以上200℃未満であり、かつ、発泡性接着シートにおいて、熱機械測定により、圧縮荷重を加えて、所定の昇温速度で加熱温度まで昇温し、変位を測定したときの、発泡性接着シートの初期厚さと、変位量との合計が、間隙設定値100%に対して、121%以上168%以下となるように設定する。中でも、接着工程における加熱温度を、150℃以上200℃未満であり、かつ、発泡性接着シートの初期厚さと、上記変位量との合計が、間隙設定値100%に対して、149%以上168%以下となるように設定することが好ましい。加熱温度が上記範囲内であることにより、間隙設定値に対して、接着工程における加熱条件を最適化することができる。
ここで、熱機械測定は、以下の方法により行う。まず、発泡性接着シートを、φ4mmの治具で打ち抜き、サンプルを作製する。次に、φ5mmのアルミニウム容器にサンプルを入れ、サンプルの上にφ4mmのアルミニウムプレートを置く。次いで、温度:25℃から所定の加熱温度まで、昇温速度:20℃/min、荷重:10mN、圧縮モードの条件で、熱機械測定を行い、サンプルの膨張または収縮に伴う変位を測定する。熱機械測定装置としては、例えば、日立ハイテクサイエンス社製の熱機械分析装置TMA7100を用いることができる。
具体的には、加熱温度は、160℃以上190℃以下であることが好ましい。加熱温度が上記範囲内であることにより、耐熱性を向上させることができる。そのため、自動車のエンジン回りやそれに近い耐熱性が必要とされる用途への適用が可能になる。
また、上記間隙設定値は、上記「A.発泡性接着シート」の項に記載した間隙設定値と同様である。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態は、例示であり、本開示における特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示における技術的範囲に包含される。
[製造例I~II]
まず、下記表1に示す組成の接着剤組成物を準備した。また、表1に記載した各材料の詳細を下記に示す。
・アクリル樹脂:PMMA-PBuA-PMMA(一部にアクリルアミド基)、Tg:-20℃、120℃、Mw:150,000
・エポキシ樹脂A:ビスフェノールAノボラック型、常温固形、軟化温度:70℃、エポキシ当量:210g/eq、Mw:1300、150℃での溶融粘度:0.5Pa・s
・エポキシ樹脂B:BPAフェノキシ型、常温固形、軟化温度:110℃、エポキシ当量:8000g/eq、Mw:50,000
・エポキシ樹脂C:ビスフェノールA型、常温液状、エポキシ当量:184~194g/eq
・エポキシ樹脂D:ジアミノジフェニルメタン型、高粘調液体、エポキシ当量:110~130g/eq
・エポキシ樹脂E:シリコーン変性、エポキシ当量:1200g/mol
・硬化剤1:α-(ヒドロキシ(又はジヒドロキシ)フェニルメチル)-ω-ヒドロポリ[ビフェニル-4,4’-ジイルメチレン(ヒドロキシ(又はジヒドロキシ)フェニレンメチレン)]
・硬化剤2:2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、平均粒子径:3μm、融点:230℃、反応開始温度145℃~155℃、活性領域155℃~173℃(四国化成工業社製、2PHZ-PW)
・熱発泡剤1:熱膨張性マイクロカプセル、平均粒径13μm、膨張開始温度123~133℃、最大膨張温度168~178℃、コア:炭化水素、シェル:熱可塑性高分子
・熱発泡剤2:熱膨張性マイクロカプセル、平均粒径21μm、膨張開始温度120~130℃、最大膨張温度175~190℃、コア:炭化水素、シェル:熱可塑性高分子
・シランカップリング剤:3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
・溶剤:メチルエチルケトン
Figure 2024043866000002
[製造例1~9]
基材として、一方の表面に厚さ5μm以下の中間層が配置されたポリエチレンナフタレート(PENフィルム、東洋紡フィルムソリューション社製、テオネックスQ51、厚さ25μm)を準備した。次に、上記基材の上記中間層とは反対側の面に、上記接着剤組成物を、乾燥後の厚さが45μmとなるように、アプリケーターを用いて塗布した。その後、オーブンにて100℃で3分間乾燥させて、第一接着層を形成した。
次に、上記中間層の上記基材とは反対側の面に、上記接着剤組成物を、乾燥後の厚さが45μmとなるように、アプリケーターを用いて塗布した。その後、オーブンにて100℃で3分間乾燥させて、第二接着層を形成した。
次に、第一接着層、基材、中間層および第二接着層をこの順に有する積層体の第二接着層の面に、第二セパレータとして、離型フィルム(PETセパレータ、ニッパ社製、PET50×1-J2、厚さ50μm)をラミネートした。これにより、第一接着層、基材、中間層、第二接着層および第二セパレータがこの順に配置された発泡性接着シートを得た。
Figure 2024043866000003
[評価1]
(1)熱機械測定(TMA)
熱機械測定装置として、日立ハイテクサイエンス社製の熱機械分析装置TMA7100を用いた。まず、発泡性接着シートを、φ4mmの治具で打ち抜き、サンプルを作製した。次に、φ5mmのアルミニウム容器にサンプルを第二接着層が底面になるように入れ、サンプルの上にφ4mmのアルミニウムプレートを置いた。この状態で、熱機械測定装置の膨張圧縮プローブを荷重100mNで接触させて、アルミニウムプレートとサンプルとを十分平滑に接触させた後のサンプルの厚さを発泡性接着シートの初期厚さとした。次いで、温度:25℃以上250℃以下、昇温速度:20℃/min、荷重:10mN、圧縮モードの条件で、熱機械測定を行い、サンプルの膨張または収縮に伴う変位を測定した。そして、各温度での変位量を求めた。
(2)接着強度
厚さ1.6mm、幅25mm、長さ100mmの金属板(冷間圧延鋼板SPCC-SD)を2枚用意した。そのうちの1枚の金属板の一方の先端にスペーサを15mmの間隔を設けて配置した。スペーサの厚さは、300μm(日東電工社製のカプトンテープP-221を5枚重ねた厚さ)または370μm(日東電工社製のカプトンテープP-221を2枚と、寺岡製作所製のフッ素樹脂粘着テープ8410を1枚重ねた厚さ)とした。また、発泡性接着シートを12.5mm×25mmの大きさに切り出した。発泡性接着シートは、セパレータを剥がした状態とした。次に、スペーサの間に発泡性接着シートを配置し、もう1枚の金属板を一方の先端が重なるように配置し、クリップにて固定し、試験片を得た。その後、試験片を熱オーブン(ヤマト科学社製、DN610)に入れ、加熱することで、発泡性接着シートの第一接着層および第二接着層を発泡硬化させた。この際、加熱条件は、昇温速度:20℃/min、加熱温度:160℃、180℃、200℃とした。
加熱後の試験片を、JIS K6850に準拠し、引張試験機テンシロンRTF1350(エーアンドデイ社製)にて、せん断強度(接着強度)を測定した。測定条件は、引張速度10mm/min、温度23℃とした。
Figure 2024043866000004
試験番号1~9に示すように、製造例1~6の発泡性接着シートにおいては、いずれも、発泡性接着シートの初期厚さと、TMAにより測定される、160℃以上200℃未満の所定温度での変位量との合計が、間隙設定値に対して所定の範囲内であった。これらの発泡性接着シートの場合、試験番号1~9と試験番号10~12との比較から、接着工程での加熱温度が、160℃以上190℃以下であるときに、接着強度が高くなることが分かった。
[評価2]
(1)熱機械測定(TMA)
熱機械測定装置として、日立ハイテクサイエンス社製の熱機械分析装置TMA7100を用いた。まず、発泡性接着シートを、φ4mmの治具で打ち抜き、サンプルを作製した。次に、φ5mmのアルミニウム容器にサンプルを第二接着層が底面になるように入れ、サンプルの上にφ4mmのアルミニウムプレートを置いた。この状態で、熱機械測定装置の膨張圧縮プローブを荷重100mNで接触させて、アルミニウムプレートとサンプルとを十分平滑に接触させた後のサンプルの厚さを発泡性接着シートの初期厚さとした。次いで、温度:25℃から到達温度まで、昇温速度:20℃/min、荷重:10mN、圧縮モードの条件で、熱機械測定を行い、サンプルの膨張または収縮に伴う変位を測定した。この際、到達温度は、150℃、160℃、180℃、190℃、200℃とした。
(2)接着強度
評価1と同様にして、せん断強度(接着強度)を測定した。発泡性接着シートの加熱条件について、加熱温度は、150℃、160℃、180℃、190℃、200℃とした。
Figure 2024043866000005
表2より、接着工程での加熱温度が、150℃以上200℃未満であり、かつ、発泡性接着シートの初期厚さと、TMAにより測定される変位量との合計が、間隙設定値に対して所定の範囲内となる温度であるときに、接着強度が高くなることが分かった。
1 … 接着層
1a … 第一接着層
1b … 第二接着層
2 … 基材
3a … 第一中間層
3b … 第二中間層
10 … 発泡性接着シート
11 … 発泡硬化後の接着シート
20a … 第一部材
20b … 第二部材
100 … 構造体

Claims (7)

  1. 接着層を有する発泡性接着シートであって、
    前記接着層が、熱硬化性の接着剤と、発泡剤とを含有し、
    前記発泡性接着シートにおいて、熱機械測定により、圧縮荷重を加えて、所定の昇温速度で昇温し、変位を測定したときの、前記発泡性接着シートの初期厚さと、160℃以上200℃未満の所定の温度での変位量との合計が、間隙設定値100%に対して、100%以上、308%以下である、発泡性接着シート。
  2. 前記接着層として、第一接着層および第二接着層を有し、
    前記第一接着層と基材と前記第二接着層とをこの順に有する、請求項1に記載の発泡性接着シート。
  3. 第一部材および第二部材の間に、接着層を有する発泡性接着シートを配置する配置工程と、
    前記発泡性接着シートを加熱により発泡硬化させ、前記第一部材および前記第二部材を接着する接着工程と、
    を有する構造体の製造方法であって、
    前記接着層が、熱硬化性の接着剤と、発泡剤とを含有し、
    前記発泡性接着シートにおいて、熱機械測定により、圧縮荷重を加えて、所定の昇温速度で昇温し、変位を測定したときの、前記発泡性接着シートの初期厚さと、160℃以上200℃未満の所定の温度での変位量との合計が、間隙設定値100%に対して、100%以上、308%以下であり、
    前記間隙設定値が、前記第一部材および前記第二部材の間に前記発泡性接着シートを配置した後の間隙の距離である、構造体の製造方法。
  4. 前記接着工程における加熱温度が、160℃以上190℃以下である、請求項3に記載の構造体の製造方法。
  5. 第一部材および第二部材の間に、接着層を有する発泡性接着シートを配置する配置工程と、
    前記発泡性接着シートを加熱により発泡硬化させ、前記第一部材および前記第二部材を接着する接着工程と、
    を有する構造体の製造方法であって、
    前記接着層が、熱硬化性の接着剤と、発泡剤とを含有し、
    前記接着工程における加熱温度を、150℃以上200℃未満であり、かつ、前記発泡性接着シートにおいて、熱機械測定により、圧縮荷重を加えて、所定の昇温速度で前記加熱温度まで昇温し、変位を測定したときの、前記発泡性接着シートの初期厚さと、変位量との合計が、間隙設定値100%に対して、121%以上、168%以下となるように設定し、
    前記間隙設定値が、前記第一部材および前記第二部材の間に前記発泡性接着シートを配置した後の間隙の距離である、構造体の製造方法。
  6. 前記接着工程における加熱温度が、160℃以上190℃以下である、請求項5に記載の構造体の製造方法。
  7. 前記発泡性接着シートが、前記接着層として、第一接着層および第二接着層を有し、前記第一接着層と基材と前記第二接着層とをこの順に有する、請求項3から請求項6までのいずれかに記載の構造体の製造方法。
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