JP2024043385A - 圧力センサ - Google Patents

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Kazuya Takimoto
智紀 板垣
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Abstract

【課題】可撓性結線材の接合において、イオンマイグレーションの発生を抑制するとともに作業性の向上が可能な圧力センサを提供する。【解決手段】圧力室と、圧力室に導入される流体の圧力を検出する半導体センサチップと、半導体センサチップに接続され、半導体センサチップの外部入出力端子を構成するリードピンと、を有する圧力検出部と、圧力検出部に隣接し、基板収容部、コネクタ接続部、及び、前記基板収容部とコネクタ接続部との間に隔壁部を画定するコネクタハウジングと、外部回路との信号接続を行うための接続端子と、基板収容部内に収容され、リードピンおよび接続端子との間に介在する信号媒介基板と、を有する信号送出部と、を備え、信号媒介基板上に表面実装用金属部材が表面実装されており、信号媒介基板とリードピンを電気的に接続する可撓性結線材が表面実装用金属部材にレーザ溶接により結線されることを特徴とする圧力センサ。【選択図】図1

Description

本発明は、変換基板を内部に設ける圧力センサに関する。
従来、様々な駆動電圧や圧力検出信号の信号方式に適合させるために、駆動電圧、及び、圧力検出信号の両方を変換する変換回路を備える変換基板を、制御回路と圧力センサとの間に外部接続させる圧力センサがある。
このような圧力センサでは、外部の衝撃や振動などにより、接続不良が生じる可能性があるなどの問題を解決するために、ケーブルを省略し、変換基板を圧力センサの内部に配置するものがある。しかし、変換基板は、駆動電圧の変圧などにより自己発熱する。よって、変換基板を圧力センサの内部に配置した場合、変換基板において生じた熱を効率的に放熱することや変換基板に伝わる熱を抑制することが望ましい。これらが有効に実施されない場合は、変換基板における電子部品が耐熱温度以上となり破損するなどの問題を生じる。
変換基板に伝わる熱を抑制する構成として、特許文献1の図1には、半導体センサチップ126側からの熱が、変換基板133に熱伝達されることを抑制するため、内部空間Sを設けて、変換基板133への熱の影響を抑制することが記載されている。
国際公開WO2022/097437号 特許第3987386号公報
特許文献1に記載の上記構成では、変換基板133と半導体センサチップ126側のリードピン128とを接続するために可撓性結線材132を用いている。そして、可撓性結線材132と変換基板133の接続端子134との結線は、はんだ付けによって行われることから、変換基板表面の端子間におけるイオンマイグレーション(CAF)発生によって短絡の原因となる恐れがある。また、はんだ付けでは接合に時間がかかり、さらには、はんだ付けのスペースが狭いことから作業性が低下する。
本発明の目的は、可撓性結線材の接合において、イオンマイグレーションの発生を防止するとともに作業性の向上が可能な圧力センサを提供することにある。
上記課題を解決するために、圧力センサは圧力室と、前記圧力室に導入される流体の圧力を検出する半導体センサチップと、前記半導体センサチップに接続され、前記半導体センサチップの外部入出力端子を構成するリードピンと、を有する圧力検出部と、前記圧力検出部に隣接し、基板収容部、コネクタ接続部、及び、前記基板収容部と前記コネクタ接続部との間に隔壁部を画定するコネクタハウジングと、外部回路との信号接続を行うための接続端子と、前記基板収容部内に収容され、前記リードピンおよび前記接続端子との間に介在する信号媒介基板と、を有する信号送出部と、を備え、前記信号媒介基板上に表面実装用金属部材が表面実装されており、前記信号媒介基板と前記リードピンを電気的に接続する可撓性結線材が前記表面実装用金属部材にレーザ溶接により結線されることを特徴とする。
また、上記圧力センサにおいて、前記信号媒介基板は、前記半導体センサチップに前記外部回路から供給される駆動電圧および/または前記半導体センサチップにより検出される圧力検出信号を前記外部回路に応じた出力に変換を行う変換基板であり、前記信号送出部は、前記変換基板に実装される発熱部品と、をさらに備えても良い。
また、上記圧力センサにおいて、前記信号媒介基板は、前記半導体センサチップに前記外部回路から供給される駆動電圧および/または前記半導体センサチップにより検出される圧力検出信号を、前記外部回路との中継を行う中継基板であっても良い。
また、上記圧力センサにおいて、前記可撓性結線材が前記表面実装用金属部材に重ね溶接され、および、前記可撓性結線材はステンレスまたはニッケルからなる導通部材を有してもよい。
また、上記圧力センサは、前記表面実装用金属部材が、銅、または、銅合金からなっても良い。
上記課題を解決するために、圧力室と、前記圧力室に導入される流体の圧力を検出する半導体センサチップと、前記半導体センサチップに接続され、前記半導体センサチップの外部入出力端子を構成するリードピンと、を有する圧力検出部と、前記圧力検出部に隣接し、基板収容部と、当該基板収容部を有し、当該基板収容部への液体の進入を防ぐ上カバーと、外部回路との信号接続を行うためのリード線と、前記基板収容部内に収容され、前記リードピンおよび前記リード線との間に介在する信号媒介基板と、を有する信号送出部と、を備え、前記信号媒介基板上に表面実装用金属部材が表面実装されており、前記信号媒介基板と前記リードピンを電気的に接続する可撓性結線材が前記表面実装用金属部材にレーザ溶接により結線されることを特徴とする圧力センサ。
また、上記圧力センサにおいて、前記信号媒介基板は、前記半導体センサチップに前記外部回路から供給される駆動電圧および/または前記半導体センサチップにより検出される圧力検出信号を前記外部回路に応じた出力に変換を行う変換基板であり、前記信号送出部は、前記変換基板に実装される発熱部品と、をさらに備えても良い。
また、上記圧力センサにおいて、前記信号媒介基板は、前記半導体センサチップに前記外部回路から供給される駆動電圧および/または前記半導体センサチップにより検出される圧力検出信号を、前記外部回路との中継を行う中継基板であっても良い。
また、上記圧力センサにおいて、前記可撓性結線材が前記表面実装用金属部材に重ね溶接され、および、前記可撓性結線材はステンレスまたはニッケルからなる導通部材を有しても良い。
また、上記圧力センサにおいて、前記表面実装用金属部材は、銅、または、銅合金からなっても良い。
本発明によれば、可撓性結線材の接合において、イオンマイグレーションの発生を防止するとともに作業性を向上させることができる圧力センサを提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る圧力センサを示す断面図である。 図2は、本発明の実施形態に係る圧力センサ本体を示す概略図であり、図2(a)は、基板設置後の圧力センサ本体を示す斜視図であり、図2(b)は、基板設置後の圧力センサ本体を示す平面図である。 図3(a)は、本発明の他の実施形態に係る圧力センサを示す断面図であり、図3(b)は、本発明のさらなる他の実施形態に係る圧力センサを示す断面図である。 図4は、本発明のまたさらなる他の実施形態に係る圧力センサを示す断面図である。 図5(a)は、本発明の他の実施形態に係る変換基板を有する圧力センサを示す断面図であり、図5(b)は、本発明のさらなる他の実施形態に係る中継基板を有する圧力センサを示す断面図である。 図6(a)は、本発明の他の実施形態に係る変換基板を有する圧力センサを示す断面図であり、図6(b)は、本発明のさらなる他の実施形態に係る中継基板を有する圧力センサを示す断面図である。
本発明の実施形態について、図1から図6を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明は本実施形態の態様に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る圧力センサ100は、変換基板133からの放熱手段と、変換基板133への熱移動抑制手段と、をそれぞれ備えることにより、変換基板133において生じた熱を外部環境へと効果的に放熱させるともに、圧力検出対象の流体から変換基板133への熱移動を抑制し得るものである。ここで、変換基板の放熱手段は、変換基板133(発熱部品を含む)をコネクタハウジング131に間接的に熱接触させるものである。そこで、変換基板133の放熱手段として、変換基板133をコネクタハウジング131に、間接的に熱接触させる場合について、説明する。
<用語>
本明細書及び特許請求の範囲の記載において、「一端」及び「他端」とは、図面における「下端」及び「上端」を示す。
<圧力センサの構成>
図1を用いて、本発明の実施形態に係る圧力センサ100について説明する。
圧力センサ100は、流体導入部110と、圧力検出部120と、信号送出部(本体)130と、接続部材140と、から構成される。以下、圧力センサ100のそれぞれの構成について順に説明する。なお、圧力センサ100は、流体導入部110及び圧力検出部120を接合固定し、圧力検出部120及び信号送出部130を電気的に接続した後、接続部材140により、流体導入部110、圧力検出部120、及び、信号送出部130を一体的に組み付けられる。
<流体導入部>
流体導入部110は、圧力検出される流体を、後述する圧力室112Aに導入するものであり、金属製の継手部材111と、継手部材111の他端に溶接等により接続される金属製のベースプレート112と、を備える。
継手部材111は、圧力検出される流体を導入する配管(不図示)と接続される雌ねじ部111aと、配管から導入された流体を圧力室112Aに導くポート111bと、を備える。ポート111bの開口端は、ベースプレート112の中央に設けられた開口部に溶接等により接続される。本実施形態において、継手部材111は、雌ねじ部111aを備えるものとしたが、これに限らず、例えば、雄ねじ部を備えるものや、継手部材111の代わりに、銅製の接続パイプが接続されるものとしてもよい。
ベースプレート112は、一端から他端に向けて、圧力センサ100の中心軸線Cに対して半径方向に拡径するお椀形状を有し、後述するダイヤフラム122との間に圧力室112Aを形成する。
<圧力検出部>
圧力検出部120は、圧力室112Aの流体の圧力を検出するものであり、貫通孔を有するハウジング121と、上述の圧力室112Aと後述する液封室124Aとを区画するダイヤフラム122と、ダイヤフラム122の圧力室112A側に配置される保護カバー123と、を備える。また、圧力検出部120は、ハウジング121の貫通孔内部に封着されるハーメチックガラス124と、ハーメチックガラス124の圧力室112A側の凹部とダイヤフラム122との間に封入オイルが充填される液封室124Aと、ハーメチックガラス124の中央に配置される支柱125と、を備える。さらに、圧力検出部120は、支柱125に支持され液封室124A内部に配置される半導体センサチップ126と、液封室124Aの周囲に配置される電位調整部材127と、ハーメチックガラス124に固定される複数のリードピン128と、ハーメチックガラス124に固定されるオイル充填用パイプ129と、を備える。
ハウジング121は、ハーメチックガラス124の周囲の強度を保つために、例えばFe・Ni系合金やステンレス等の金属材料により形成される。ダイヤフラム122と、保護カバー123は、共に金属材料で形成され、共にハウジング121の圧力室112A側の貫通孔の外周縁部において溶接される。保護カバー123は、ダイヤフラム122を保護するために圧力室112A内部に設けられ、流体導入部110から導入された流体が通過するための複数の連通孔123aが設けられる。ハウジング121は、圧力検出部120が組み立てられた後、流体導入部110のベースプレート112の外周縁部において、TIG溶接、プラズマ溶接、レーザ溶接等により外側から溶接される。
ハーメチックガラス124は、半導体センサチップ126が液封された液封室124Aを空気中の湿気や埃、熱などの周囲の環境条件から保護し、複数のリードピン128を保持し、複数のリードピン128とハウジング121とを絶縁するために設けられる。ハーメチックガラス124の中央に配置された支柱125の液封室124A側には、半導体センサチップ126が接着剤などにより支持される。なお、本実施形態において、支柱125は、Fe・Ni系合金で形成されるものとしたが、これに限らない。例えば、ステンレス等その他の金属材料で形成されるものとしてもよいし、支柱125を設けずに、ハーメチックガラス124の凹部を形成する平坦面に直接的に支持されるように構成されてもよい。
本実施例での半導体センサチップ126は、内部にピエゾ抵抗効果を有する材料(例えば、単結晶シリコン等)からなる内部ダイヤフラムと、ダイヤフラム上に複数の半導体歪みゲージを形成し、これらの半導体歪みゲージをブリッジ接続したブリッジ回路及びブリッジ回路からの出力を処理する増幅回路と、演算処理回路等の集積回路と、が含まれる、いわゆるワンチップ型の半導体センサチップである。また、半導体センサチップ126は、例えば、金またはアルミニウム製のボンディングワイヤ126aにより複数のリードピン128に接続され、複数のリードピン128は、半導体センサチップ126の外部入出力端子を構成している。なお、半導体センサチップ126は本例に限らず、歪みゲージによるブリッジ回路部と、増幅回路及び演算処理回路部とが分離した形態のものも含まれる。
電位調整部材127は、半導体センサチップ126を無電界(ゼロ電位)内に置き、フレームアースと2次電源との間に生じる電位の影響でチップ内の回路などが悪影響を受けないようにするために設けられる。電位調整部材127は、液封室124A内の半導体センサチップ126とダイヤフラム122との間に配置され、金属等の導電性の材料で形成され、半導体センサチップ126のゼロ電位に接続される端子に接続される。
ハーメチックガラス124には、複数のリードピン128及びオイル充填用パイプ129が、貫通状態でハーメチック処理により固定される。本実施形態では、リードピン128として、全部で8本のリードピン128が設けられている。すなわち、外部出力用(Vout)、駆動電圧供給用(Vcc)、接地用(GND)の3本のリードピン128と、半導体センサチップ126の調整用の端子として5本のリードピン128が設けられている。なお、図1においては、8本のリードピン128のうち4本が示される。
オイル充填用パイプ129は、液封室124Aの内部に封入オイル(例えば、シリコーンオイル、または、フッ素系不活性液体等)を充填するために設けられる。なお、オイル充填用パイプ129の他端は、オイル充填後、図1に示されるように、押し潰されて閉塞される。
<圧力検出部の動作>
圧力検出部120の動作について説明する。まず、ダイヤフラム122が、継手部材111から圧力室112Aに導入される流体により押圧される。このダイヤフラム122に加えられる圧力室112Aの圧力は、液封室124A内の封入オイルを介して半導体センサチップ126に伝達される。この伝達された圧力により、半導体センサチップ126のシリコンダイヤフラムが変形し、ピエゾ抵抗素子によるブリッジ回路で圧力を電気信号に変換して、半導体センサチップ126の集積回路からボンディングワイヤ126a及び複数のリードピン128を介して、信号送出部130に出力される。
<信号送出部>
信号送出部(本体)130は、圧力検出部120で検出された圧力信号を外部に送出するものであり、圧力検出部120の他端側に隣接して配置される外部接続用のコネクタハウジング131と、一端が複数のリードピン128に接続される可撓性結線材132と、を備える。また、信号送出部130は、3つの接続端子を介してコネクタハウジング131に固定される外部回路との信号を媒介するための信号媒介基板である変換基板133と、一端部が変換基板133に貫通接続される上記接続端子134a~cと、を備える。なお、この変換基板133には、オイル充填用パイプ129との干渉を避けるために、開口部133fが形成されている。
コネクタハウジング131は、熱伝導率が比較的高い絶縁性の樹脂等により形成されており、一端側に凹形状を有する基板収容部131aと、他端側に凹形状を有し、外部のコネクタ(不図示)に接続されるコネクタ接続部131bと、基板収容部131aとコネクタ接続部131bとの間に配置される隔壁部131cと、を備える。基板収容部131aにより画定される内部空間Sには、ハーメチックガラス124から延出した複数のリードピン128及びオイル充填用パイプ129、可撓性結線材132、及び、変換基板133等が配置される。
変換基板133は、駆動電圧や圧力検出信号の信号方式に対応するために、駆動電圧、及び、圧力検出信号の両方を変換する変換回路(不図示)を備える。この変換回路は、接続端子134a~cを介して、圧力センサ100の外部に接続される制御回路(不図示)の駆動電圧(例えば、8V~36V)を、半導体センサチップ126の駆動電圧(例えば、5.0V)に降圧する降圧回路部(不図示)と、圧力センサ100の圧力検出信号(例えば、0.5V~4.5V)を、制御回路の圧力検出信号(例えば、1V~5V)に昇圧する電圧シフト回路部(不図示)と、を備える。このように、駆動電圧や圧力検出信号の信号方式に対応して、圧力センサ100内に設ける変換基板133を適宜選択することにより、圧力検出部120、特に半導体センサチップ126や、液封室124Aの周辺構造の設計変更を行うことなく、駆動電圧及び圧力検出信号の差を吸収することができる。このように入出力信号変換処理を行う変換基板を用いることにより、様々な入出力形態に応じた半導体センサチップを取り揃える必要もなく、変換基板の仕様で変更対応可能であるため、部品調達、製造工程、コスト削減の面等で好適な生産方式に対応できる。なお、圧力センサの入出力形態が制御回路側と不一致であったとしても、接続される制御回路側で入出力変換処理できるようであれば、基板側での入出力変換機能を備えた回路は不要である。
接続端子134a~cは、外部出力用(Vout)、駆動電圧供給用(Vcc)、接地用(GND)の少なくとも3本を設けている。この接続端子134a~cは、組立性を向上させるために、例えば、接続端子134aについて説明すると、接続端子134aの一端部134dを変換基板133に設けられる貫通孔に挿通させ、この貫通部をはんだ付けすることにより、接続端子134aを変換基板133に接続させている。この変換基板133の接続部にはランド部133nが形成され、金属プレート135と導電パターンにより導通している。一方、接続端子134aの他端側、は、隔壁部131cを貫通して、コネクタ接続部131bへと延在している。この接続端子134a~cが貫通する隔壁部131cの貫通部は、接続端子固定接着剤134gにより封止されている。
<接続部材>
接続部材140は、流体導入部110、圧力検出部120、及び、信号送出部130をカシメ加工により接続固定するカシメ板141と、圧力検出部120と信号送出部130との間に配置される粘着シート142と、を備える。
カシメ板141は、銅等の金属で円筒形状に形成される。カシメ板141は、流体導入部110、圧力検出部120及び信号送出部130の周囲に配置されるとともに、カシメ加工により、流体導入部110及び信号送出部130へと固定される。このカシメ加工により、粘着シート142は、防水・防塵機能を果たすために、圧力検出部120及び信号送出部130の間に挟持される。なお、粘着シート142とハウジング121との間には、変換基板133への熱移動抑制手段として、熱放射性を有する非金属の樹脂シート151及び熱放射性を有する接着剤152が挟持されても良い。また、カシメ部の構造は上記の方法に限定されない。例えば、特許文献2の図11の様に、ハウジング121とコネクタハウジング131を収容できるような一体で形成された流体導入部110を、コネクタハウジング131側の開口端によりカシメを行う構造でも良い。すなわち、粘着シート142をハウジング121及びコネクタハウジング131で挟持し、カシメなどにより圧縮して固定する構造であれば良い。
<変換基板の放熱手段>
変換基板133は、各種の電子部品が実装されコネクタハウジング131から離隔している他端面133bと、接続端子134a~c等がはんだ付けされる一端面133aと、を備える。本実施形態における発熱部品133h(例えば、トランジスタ、レギュレータなど、入出力端子間に電位差があり、かつ、電流が流れている部品)は、リードタイプであり、他端面133bに実装される。この変換基板133は、駆動電圧の変圧などにより自己発熱するため、これに対して何ら対策を講じない場合には、変換基板上の電子部品が耐熱温度以上となり破損するおそれがある。そこで、本実施形態では、変換基板133の電子部品が耐熱温度以上とならないように、様々な変換基板133の放熱手段を採用するものである。これにより、変換基板133において生じた熱を、外部環境に効率的に放熱させ得るため、変換基板133の耐熱温度に対する余裕度を向上させることができる。以下に、本実施形態における変換基板133の放熱手段について具体的に説明する。
<変換基板の放熱手段(リードタイプの発熱部品)>
変換基板133の放熱手段として、図1中の破線付き(1)の放熱経路を構成するように、リードタイプの発熱部品133hが用いられる。リードタイプの発熱部品133hは、基板対向面131a1側に設けられる。この発熱部品133hの周囲は熱伝導性を有する放熱性接着剤133gが充填されることから、この放熱性接着剤133gが変換基板上へ広がらないようにするために、コネクタハウジング131の外周部との間に接着剤溜まり領域131eを画定する、接着剤溜まり壁面131wが設けられている。すなわち、接着剤溜まり領域131eは、本実施形態では、接着剤溜まり壁面131w並びに本体130の基板収容部131a及び隔壁部131cで画定される。この接着剤溜まり領域131eにリードタイプの発熱部品133hが収容されるとともに、接着剤溜まり領域131eとリードタイプの発熱部品133hとの間のみに、熱伝導性を有する放熱性接着剤133gが充填されている。これにより、本実施形態では、発熱部品133hにおいて生じた熱を、発熱部品133hの周囲を取り囲む熱伝導性を有する放熱性接着剤133gへと積極的に熱移動させるため、コネクタハウジング131を介して外部環境へとより効率的に放熱させることができる。
また、図2(a)および図2(b)に示されているように、放熱性接着剤133gが接着剤溜まり壁面131wに沿って、表面張力により這い上がる恐れがある変換基板133の部分に切り欠き部133kを設けている。これにより、変換基板133と本体130の内壁との間隔を広げることができ、信号送出部130と圧力検出部120が隣接する方向と直交する方向に盛り上がりつつ広がった放熱性接着剤133gが、接着剤溜まり壁面131wに沿って表面張力により這い上がるのを防止することができる。また、変換基板133のランド部133n近傍まで切り欠き部133kが設けられることで、仮に信号送出部130と圧力検出部120が隣接する方向と直交する方向に横溢した放熱性接着剤133gが基板に垂れてしまっても、ランド部133nに放熱性接着剤133gが付着することを防止できる。
そして、リードタイプの発熱部品133hは、リード133lを介して、変換基板133に実装されているため、物理的に、発熱部品133hの発熱部が、変換基板133から離間し、それにより、変換基板133の電子部品が耐熱温度以上となることを抑制することができる。
ここで、リードタイプの発熱部品133hは、外気に近くなるようコネクタハウジング131の外径側に設けられる。これにより、リードタイプの発熱部品133hの周囲に充填されている放熱性接着剤133gがよりコネクタハウジング131の外部へと放熱し易くなる。
さらには、リードタイプの発熱部品133hの周囲に充填されている放熱性接着剤133gと変換基板133との間に空間が設けられることで、発熱部品133h、変換基板133の相互間に熱が伝わることを抑制することができる。
<熱移動抑制手段>
圧力室112Aには、圧力検出対象の流体が導入されるが、流体の使用条件によっては、非常に高温(例えば、130(℃)程度)の流体が導入され、熱源となることがあった。この際に、圧力検出部120側の熱(圧力室112Aに導入される高温の流体の熱など)が、変換基板133へと熱移動(図1の一端側から他端側への熱伝達、熱伝導、及び、熱放射(輻射))することにより、放熱手段(リードタイプの発熱部品)を用いた放熱効果が、相殺されてしまうおそれがあった。そこで、本実施形態では、圧力検出部120側の熱(圧力室112Aに導入される高温の流体の熱など)が、変換基板133へと熱移動しないように、様々な熱移動抑制手段を採用するものである。これにより、本実施形態において、圧力検出部120側の熱が、変換基板133へと熱移動することを抑制できるため、放熱手段(リードタイプの発熱部品)を用いた放熱効果が十分に奏されることになる。以下に、本実施形態における変換基板133への熱移動抑制手段について具体的に説明する。
<変換基板への第1の熱移動抑制手段(内部空間)>
変換基板133への第1の熱移動抑制手段として、内部空間Sが用いられる。具体的には、変換基板133を、基板収容部131aの他端近傍に設けることにより、内部空間Sにおける、変換基板133と圧力検出部120側のハウジング121との中心軸線C方向の距離Lを、可能な限り大きく設定することができる。これにより、本実施形態において、圧力検出部120側の熱が、伝熱経路が長く、かつ熱伝導率の低い空気の内部空間Sを介するため、変換基板133へと熱伝達されることを抑制することができる。ただし、変換基板133と、基板収容部131aの他端は次項で述べるように直接は接触していない。
<変換基板への第2の熱移動抑制手段(変換基板の本体からの離隔)>
図1に示されるように、変換基板133は、コネクタハウジング131とは直接接触しないように、基板収容部131aの他端及び外周から離隔して設けられている。変換基板133がコネクタハウジング131に直接支持される代わりに、図2(a)及び(b)に示されるように、三本の接続端子134a~cで三点支持されている。この、三本の接続端子134a~cは、接続端子134a~cを変換基板133へとはんだ付けする際に特に荷重が加わる変換基板133の中心側へ位置するように設けられている。また、図1に示すように、三本の接続端子134a~cは直線構造ではなく、段差134fがついた構造であり、段差134fの部分で変換基板133を受けることができる。この段差134fの位置は、変換基板133をコネクタハウジング131に収容した時に、先に述べたように変換基板133が三点支持となるよう、コネクタハウジング131と接触しない高さに設定されている。このような構造とすることにより、変換基板133ははんだ付け時の荷重が加わっても、接続端子134a~cに対する傾きが生じにくくバランスよく配置できるとともに、変換基板133のコネクタハウジング131方向(上方向)への移動を抑え、接続端子134a~cでしっかりと支持するように構成されている。さらに、図1に示されるように、接続端子134a~c自体が接続端子固定接着剤134gでコネクタハウジング131に固定されること、及び、変換基板133に実装されているリードタイプの発熱部品133hが放熱性接着剤133gによってコネクタハウジング131に固定されることで、変換基板133のコネクタハウジング131への間接的な固定を行っている。このように、変換基板133が、コネクタハウジング131とは直接接触しないように基板収容部131aの他端から離隔して設けられていることで、リードタイプの発熱部品133hから周囲の放熱性接着剤133gに伝わった熱が、変換基板133へと伝わるのを抑制できる。
以上に加えて、変換基板133は、その側部が基板収容部131aの外周から離隔するように設けられていることにより、変換基板133とコネクタハウジング131の熱による線膨張係数の違いから生じる、コネクタハウジング131から変換基板133へ加わる応力を生じさせないようにすることができる。これにより、線膨張係数の違いから生じる、コネクタハウジング131から変換基板133へ加わる応力による、変換基板133の破損を防止することができる。
<変換基板への第3の熱移動抑制手段(可撓性結線材)>
前述の可撓性結線材132は、変換基板133への第3の熱移動抑制手段として用いられる。具体的には、可撓性結線材132は、例えば、可撓性を有するフレキシブルプリント基板(FPC)、薄板状の導電部材、リード線単体、リード線の集合体等から形成されており、内部空間Sにおいて、湾曲又は屈曲した状態で、複数のリードピン128と金属プレート135との間を接続している。よって、複数のリードピン128と金属プレート135との間の接続距離を、比較的大きく設定することができる。また、通常の配線材よりも可撓性結線材132は細く、断面積が小さくなっている。これにより、本実施形態において、半導体センサチップ126側の熱が、伝熱経路の長い可撓性結線材132を介するため、また、断面積が小さくされているため、変換基板133へと熱伝導されることを抑制することができる。
<可撓性結線材の金属プレートへの接合>
図2は、本発明の実施形態に係る圧力センサ本体を示す概略図であり、図2(a)は、基板設置後の圧力センサ本体を示す斜視図であり、図2(b)は、基板設置後の圧力センサ本体を示す平面図である。なお、図2(a)は、本体内部が見えるようにコネクタハウジング131の一部を切断して示している。
図2(a)および図2(b)に示されるように、前述の金属プレート135は、表面実装用金属部材であり、銅、りん青銅、黄銅、洋白等の銅合金から形成され、望ましくは錫、金等のめっきが施されている。金属プレート135は変換基板133に表面実装され、可撓性結線材132が溶接により結線されている。ここで、金属プレート135は基板のスルーホールが不要な表面実装部品であるため、可撓性結線材132と金属プレート135の溶接は、基板への実装時と同様にはんだ付け等他の溶接方法でもよい。なお、レーザ溶接である場合、金属プレート135は、銅合金からできており、熱伝導率が高く、また、光を反射し易いことから、そのままではレーザ溶接の加工性が良くない。そこで、可撓性結線材132の導電部材の材質をレーザ溶接の加工性が良いステンレスやニッケルとして、金属プレート135上に設置した上で、可撓性結線材132にレーザを照射して金属プレート135と可撓性結線材132を接合(重ね溶接)する。
このように、可撓性結線材132を金属プレート135にレーザ溶接することで、はんだ付けが必要なくなり、変換基板133表面の端子間のイオンマイグレーションの発生を防止できる。また、可撓性結線材132と金属プレート135の接合時間を短くでき、狭い作業スペースでも接合が可能となる。さらには、重ね溶接とすることで、レーザ溶接による積層基板である変換基板133の中間層の溶融を防止することができる。そして、前述のように金属プレート135は熱伝導率の高い金属材質であることから、実装されている変換基板133からの放熱を一部受け持つことができる。なお、本実施形態では、変換基板133は4層からなる積層基板であるが、これに限定されるわけではなく、単層の片面基板または両面基板であっても良い。また、本実施形態では、金属プレート135を用いたが、これに限定されるわけではなく、ジャンパー線やジャンパーピン等を用いても良い。
<本体の組み立て工程>
本体130の組み立て工程では、まず、三本の接続端子134a~cを本体130に挿入する。そして、挿入された接続端子134a~cが本体130に固定されるように、図1に示すように、接続端子固定接着剤134gを接続端子134a~cの周囲に塗布(充填)する。ただし、塗布される厚さは、接続端子固定接着剤134gが変換基板133に付着しないように定める。次に、同様に図1に示すように、本体130の接着剤溜まり領域131eに放熱性接着剤133gを充填する。ただし、放熱性接着剤133gの充填は、接着剤溜まり領域131eの充填可能な空間容積の半分~80%程度とし、充填可能容積の限界までは充填しない。そして、変換基板133を本体130に挿入する。このとき、金属プレート135及びリードタイプの発熱部品133hは変換基板133に前もって組付けられており、基板対向面131a1側に突出していることから、本体130の接着剤溜まり領域131e内に充填された放熱性接着剤133gに挿入される。次に、変換基板133が挿入された本体130をオーブンに入れて、加熱し放熱性接着剤133g、接続端子固定接着剤134gを硬化させる。この加熱は変換基板133の吸湿によるマイグレーション防止の為、変換基板133の乾燥の目的も含んでいる。そして、接続端子134a~c及びリードタイプの発熱部品133hを変換基板133へはんだ付けする。最後に、はんだ付けが適正になされているかを確認するため、はんだ検査を行う。なお、発熱部品133hの放熱性接着剤133gを介した放熱を行わない場合は、接着剤溜まり領域131eへの放熱性接着剤133gの充填の工程は省略する。ただしこの場合でも、加熱硬化工程は必要であり、接続端子固定接着剤134gが加熱硬化される。
<圧力センサの組み立て工程>
次に、圧力センサ100の組み立て工程について説明する。まず、圧力検出部120及び上記のごとく信号送出部(本体)130をそれぞれ組み立てる。そして、圧力検出部120において、オイル充填用パイプ129を介して、封入オイルを液封室124Aに充填させるとともに、オイル充填用パイプ129を閉塞させる。さらに、この圧力検出部120に、流体導入部110を溶接等により固定させる。その後、圧力検出部120の複数のリードピン128と、信号送出部130の変換基板133とを、それぞれ上方を向くように並列配置させ、可撓性結線材132の一方及び他方を、複数のリードピン128及び変換基板133上の金属プレート135の表面上にそれぞれレーザ溶接により接合させる。さらに、圧力検出部120と信号送出部130とを、湾曲又は屈曲した可撓性結線材132を介して、同一軸線上に対向配置させ、圧力検出部120と信号送出部130との間に、粘着シート142を挟持させる。最後に、カシメ板141の一端側及び他端側を、流体導入部110のベースプレート112及び信号送出部130のコネクタハウジング131のそれぞれに係合させ、流体導入部110、圧力検出部120、及び、信号送出部130を、一体的に固定させる。
ここで、圧力センサ100において、湾曲又は屈曲した可撓性結線材132を採用しない場合には、圧力センサ100の組み立て工程は、例えば、中心軸線C方向の一端側から他端側へと積み上げるように、組み立てることが必要であった。よって、組み立て工程の自由度が極めて低いため、組み立て時間の短縮を図ることは困難となっていた。しかしながら、本実施形態においては、圧力検出部120と信号送出部130との間を、湾曲又は屈曲した可撓性結線材132を介して接続させることにより、圧力センサ100の組み立て工程の自由度を高くできるため、組み立て時間の短縮を図ることができる。
<他の実施形態>
前述の実施形態と異なるいくつかの他の実施形態について、図3(a),(b)及び図4を参照して説明する。なお、前述の実施形態と同じ構成には同じ参照番号を付し、説明は省略する。
図3(a)は、本発明の他の実施形態に係る圧力センサを示す断面図であり、図3(b)は、本発明のさらなる他の実施形態に係る圧力センサを示す断面図である。図3(a)に示すように、本実施形態では、変換基板233が、中心軸線Cに平行に、すなわち、信号送出部130が圧力検出部120と隣接する方向と平行な方向に配置されている。また、リードタイプの発熱部品233hは、リード233l部分が直角に曲げられており、その先端を、実装面233bからはんだ面233aへと、変換基板233に設けられる貫通孔に挿通させ、この貫通部をはんだ付けすることにより、接続端子134aを変換基板233に接続させている。この変換基板233の接続部にはランド部233nが形成され、金属プレート135と導電パターンにより導通している。なお、本実施形態においても、前記実施形態と同様に可撓性結線材132の一方及び他方を、複数のリードピン128及び変換基板233上の金属プレート135の表面上にそれぞれレーザ溶接により固定させる。これにより、前記と同様の効果を得ることができる。また、後述の変換基板333,433についても同様である。
図3(b)に示すように、さらなる他の実施形態でも、変換基板333は、信号送出部130が圧力検出部120と隣接する方向と平行な方向に配置されている。また、リードタイプの発熱部品333hは、リード333lが直角に曲げられており、さらに、その先端がL字型に曲げられている。この、L字型に曲げられたリード333lの先端は、変換基板333の実装面333b上にはんだ付けされており、ランド部333nが形成されている。
図4は、本発明のまたさらなる他の実施形態に係る圧力センサを示す断面図である。図4に示すように、本実施形態でも、変換基板433が、信号送出部130が圧力検出部120と隣接する方向と平行な方向に配置されている。また、リードタイプの発熱部品433hは、リード433lが変換基板433に平行になっており、リード433lの一部が変換基板433の実装面433b上のパターンに、例えば導電性接着剤等で張り付けられている。
このように、本発明の他の実施形態においては、信号送出部130が圧力検出部120と隣接する方向に、変換基板233,333,433が配置されていることから、接着剤溜まり領域131eに対向する部分の面積が変換基板133に比べて極めて小さい。それにより、接着剤溜まり領域131eに、リードタイプの発熱部品233h,333h,433hがそれぞれ挿入され、放熱性接着剤133gが信号送出部130と圧力検出部120が隣接する方向と直交する方向に盛り上がりつつ広がったとしても、変換基板233,333,433上に放熱性接着剤133gが垂れることがない。また、表面張力により放熱性接着剤133gが這い上がったとしても、放熱性接着剤133gが変換基板233,333,433上に垂れることを防止できる。さらには、仮に信号送出部130と圧力検出部120が隣接する方向と直交する方向に放熱性接着剤133gが横溢したとしても、ランド部233nまたは333nに放熱性接着剤133gが付着することを防止できる。
<さらなる他の実施形態>
外部との接続を、接続端子134a~cを有するコネクタハウジング131を用いて行う前述の圧力センサ100と異なり、本実施形態の圧力センサでは、外部との接続は、上カバーを挿通し、信号媒介基板である変換基板または中継基板と直接的に、または、間接的に接続する外部との信号のやり取りを行うリード線を用いて行われる。
図5(a)は、外部からのリード線511が、接続端子513を介して変換基板533に接続して、圧力検出部120と外部との信号のやり取りを行う圧力センサ500を示す図であり、図5(b)は、外部からのリード線611が、接続端子613を介して中継基板に接続し圧力検出部120と外部との信号のやり取りを行う圧力センサ600を示す図である。なお、前記の実施形態と同一の要素には同一の番号を付して、説明を省略する。
<さらなる他の実施形態に係る信号送出部>
図5(a)に示される実施形態において、信号送出部530は、圧力検出部120で検出された圧力信号を外部に送出するものであり、圧力検出部120の他端側に隣接して配置され、外部接続用のリード線511と、一端が複数のリードピン128に接続される可撓性結線材132と、を備える。接続端子513は、他端側でリード線511の芯線512の一端側と電気的に接続するように接触し、かつ、リード線511とはんだ付け、超音波溶着、かしめ等により固定される。この互いに電気的に接続し固定されたリード線511と接続端子513とを通じて外部回路との信号のやり取りを行う。また、信号送出部530は、接続端子513を介して上カバー510に固定される信号媒介基板である変換基板533と、一端部が変換基板533に貫通接続される接続端子513と、を備える。変換基板533に貫通接続された接続端子513の上カバー510に挿入されている部分には、隙間を埋めるように端子接着剤513gが充填されている。このように、圧力センサ500内部のリード線511が通過している部分の隙間を端子接着剤513gで封止することにより、上カバー510内部の呼吸作用による芯線512を伝わっての上カバー510内部への水分侵入を防ぐことができる。さらには、信号送出部530を構成する上カバー510と圧力検出部120は、防水ケース515と防水ケース515と上カバー510の隙間に充填される封止材516により固定される。なお、変換基板533には、オイル充填用パイプ129との干渉を避けるために、開口部533fが形成されている。また、前記の実施形態と同様に、可撓性結線材132は変換基板533に実装された金属プレート135にレーザ溶接等により接続される。このように、リード線511により外部と接続することで、コネクタによる接続とは異なる接続形態の圧力センサ500を提供することができる。なお、従来のコネクタタイプでは、コネクタ上面からの水分侵入が懸念されるが、本実施形態の様に圧力センサ500のリード線511を外部に引き出している部分全体を封止材516で充填封止することにより、リード線511を外部に引き出している部分の防水性を向上させることができる。
上カバー510は、熱伝導率が比較的高い絶縁性の樹脂等により形成されており、一端側に凹形状を有する基板収容部510aを有している。基板収容部510aにより画定される内部空間Sには、ハーメチックガラス124から延出した複数のリードピン128及びオイル充填用パイプ129、可撓性結線材132、及び、変換基板533等が配置される。変換基板533には、前記実施形態と同様に発熱部品533hが実装されており、周囲には放熱接着剤533gが充填されている。
一方、図5(b)に示される実施形態において、信号送出部630は前記信号送出部530と同様の構成であるが、中継基板633は、発熱部品を備えておらず、代わりに中継基板633上部の基板収容部610aは空間633sを有している。そして、中継基板633は、信号接続手段であるリード線611および接続端子613を介して外部と信号をやり取りする信号媒介基板であり、圧力検出部120からの信号を中継するものである。このように、圧力検出部120と信号送出部630とを別々に組み立てておき、可撓性結線材132で接続し一体化することで、狭い空間で直接リードピン128とリード線611の芯線612を接続するといった難しい工程を経ることがないため、作業性の改善、生産性の向上を図ることができる。
<またさらなる実施形態に係る信号送出部>
図6(a)は、外部からのリード線711を変換基板733に直接接続して、圧力検出部120と外部との信号のやり取りを行う圧力センサ700を示す図であり、図6(b)は、外部からのリード線811を中継基板833に直接接続し圧力検出部120と外部との信号のやり取りを行う圧力センサ800を示す図である。なお、前記の実施形態と同一の要素には同一の番号を付して、説明を省略する。
図6(a)に示されるように、本実施形態においては、信号送出部730内において、信号接続手段であるリード線711の芯線712が信号媒介基板である変換基板733に直接接続されている。芯線712の他端712dは変換基板733を貫通し、芯線712の貫通部がはんだ付けされランド部733nが形成されている。このように、リード線711が変換基板733に直接接続されることにより、接続端子が不要となり部品点数を削減できる。また、変換基板と接続端子、接続端子とリード線の2箇所の接続工程を半減することができるため、製造工程を短縮することができる。そして、リード線711が上カバー710に挿入されている部分には隙間を埋めるように封止接着剤712gが充填されており、上カバー710内部の呼吸作用による芯線712を伝わっての上カバー710内部への水分侵入を防ぐことができる。
図6(b)に示される実施形態の信号送出部830の構成は、図6(a)で示される実施形態と同様である。ただし、本実施形態の信号媒介基板は中継基板833であり、発熱部品は実装されておらず、信号接続手段であるリード線811を通じて圧力検出部120からの信号を外部に送出するための中継をする。このように、圧力検出部120と信号送出部830とを別々に組み立てておき、可撓性結線材132で接続し一体化することで、狭い空間で直接リードピン128とリード線811の芯線812を接続するといった難しい工程を経ることがないため、作業性の改善、生産性の向上を図ることができる。
<圧力センサの組み立て工程>
次に、圧力センサ500~800の組み立て工程について説明する。なお、前述の圧力センサ100と同様の工程は説明を省略する。
圧力検出部120の複数のリードピン128と、信号送出部530~830の信号媒介基板(変換基板または信号中継基板)とを、それぞれ上方を向くように並列配置させ、可撓性結線材132の一方及び他方を、複数のリードピン128及び信号媒介基板上の金属プレート135の表面上にそれぞれレーザ溶接により接合させる。さらに、圧力検出部120と信号送出部530~830とを、湾曲又は屈曲した可撓性結線材132を介して、同一軸線上に対向配置させ、圧力検出部120と信号送出部530~830との間に、粘着シート142を挟持させる。そして、圧力検出部120側から防水ケース515~815を装着し、上カバー510~810の周囲と防水ケース515~815の間に封止材516~816を充填し、当該封止材が硬化するまで保持状態を保つ。これにより、シール部材である粘着シート142が挟持され十分変形し高いシール性を有した状態を保つことができる。また、防水ケース515~815内側のフランジ部とベースプレート112とを密着させ、封止材516~816が下部から漏れるのを防止できる。以上により、流体導入部110、圧力検出部120、及び、信号送出部530~830を、一体的に固定させる。
以上のような構成によれば、可撓性結線材の接合において、イオンマイグレーションの発生を防止するとともに作業性を向上させることができる圧力センサを提供することができる。
100 圧力センサ
110 流体導入部
111 継手部材
112 ベースプレート
120 圧力検出部
121 ハウジング
122 ダイヤフラム
123 保護カバー
124 ハーメチックガラス
124A 液封室
125 支柱
126 半導体センサチップ
127 電位調整部材
128 リードピン
129 オイル充填用パイプ
130 信号送出部(本体)
131 コネクタハウジング
131a 基板収容部
131a1 基板対向面
131b コネクタ接続部
131c 隔壁部
131e 接着剤溜まり領域
131w 接着剤溜まり壁面
132 可撓性結線材
133 変換基板
133a 一端面
133b 他端面
133f 開口部
133g 放熱性接着剤
133h 発熱部品
133k 切り欠き部
133l リード
133n ランド部
134a 接続端子
134b 接続端子
134c 接続端子
134d 一端部
134e 他端部
134f 段差
135 金属プレート
140 接続部材
141 カシメ板
142 粘着シート
151 熱放射性を有する樹脂シート
152 熱放射性を有する接着剤
233 変換基板
233a はんだ面
233b 実装面
233n ランド部
333 変換基板
333a はんだ面
333b 実装面
333n ランド部
433 変換基板
433a はんだ面
433b 実装面
510,610,710,810 上カバー
510a,610a,710a,810a 基板収容部
511,611,711,811 リード線
512,612,712,812 芯線
515,615,715,815 防水ケース
516,616,716,816 封止材
530,630,730,830 信号送出部
513 接続端子
513g 端子接着剤
533 変換基板
533h 発熱部品
533g 放熱接着剤
613 接続端子
613g 端子接着剤
633 中継基板
712g 封止接着剤
733 変換基板
733h 発熱部品
733g 放熱接着剤
812g 封止接着剤
833 中継基板

C 中心軸線
L 変換基板とハウジングとの中心軸線方向の距離
S 内部空間

Claims (12)

  1. 圧力室と、前記圧力室に導入される流体の圧力を検出する半導体センサチップと、前記半導体センサチップに接続され、前記半導体センサチップの外部入出力端子を構成するリードピンと、を有する圧力検出部と、
    前記圧力検出部に隣接し、基板収容部、コネクタ接続部、及び、前記基板収容部と前記コネクタ接続部との間に隔壁部を画定するコネクタハウジングと、外部回路との信号接続を行うための接続端子と、前記基板収容部内に収容され、前記リードピンおよび前記接続端子との間に介在する信号媒介基板と、を有する信号送出部と、を備え、
    前記信号媒介基板上に表面実装用金属部材が表面実装されており、前記信号媒介基板と前記リードピンを電気的に接続する可撓性結線材が前記表面実装用金属部材にレーザ溶接により結線されることを特徴とする圧力センサ。
  2. 前記信号媒介基板は、前記半導体センサチップに前記外部回路から供給される駆動電圧および/または前記半導体センサチップにより検出される圧力検出信号を前記外部回路に応じた出力に変換を行う変換基板であり、
    前記信号送出部は、前記変換基板に実装される発熱部品と、をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の圧力センサ。
  3. 前記信号媒介基板は、前記半導体センサチップに前記外部回路から供給される駆動電圧および/または前記半導体センサチップにより検出される圧力検出信号を、前記外部回路との中継を行う中継基板であることを特徴とする、請求項1に記載の圧力センサ。
  4. 前記可撓性結線材が前記表面実装用金属部材に重ね溶接され、および、前記可撓性結線材はステンレスまたはニッケルからなる導通部材を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の圧力センサ。
  5. 前記表面実装用金属部材は、銅、または、銅合金からなることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の圧力センサ。
  6. 前記表面実装用金属部材は、銅、または、銅合金からなることを特徴とする、請求項4に記載の圧力センサ。
  7. 圧力室と、前記圧力室に導入される流体の圧力を検出する半導体センサチップと、前記半導体センサチップに接続され、前記半導体センサチップの外部入出力端子を構成するリードピンと、を有する圧力検出部と、
    前記圧力検出部に隣接し、基板収容部と、当該基板収容部を有し、当該基板収容部への液体の進入を防ぐ上カバーと、外部回路との信号接続を行うためのリード線と、前記基板収容部内に収容され、前記リードピンおよび前記リード線との間に介在する信号媒介基板と、を有する信号送出部と、
    を備え、
    前記信号媒介基板上に表面実装用金属部材が表面実装されており、前記信号媒介基板と前記リードピンを電気的に接続する可撓性結線材が前記表面実装用金属部材にレーザ溶接により結線されることを特徴とする圧力センサ。
  8. 前記信号媒介基板は、前記半導体センサチップに前記外部回路から供給される駆動電圧および/または前記半導体センサチップにより検出される圧力検出信号を前記外部回路に応じた出力に変換を行う変換基板であり、
    前記信号送出部は、前記変換基板に実装される発熱部品と、をさらに備えることを特徴とする、請求項7に記載の圧力センサ。
  9. 前記信号媒介基板は、前記半導体センサチップに前記外部回路から供給される駆動電圧および/または前記半導体センサチップにより検出される圧力検出信号を、前記外部回路との中継を行う中継基板であることを特徴とする、請求項7に記載の圧力センサ。
  10. 前記可撓性結線材が前記表面実装用金属部材に重ね溶接され、および、前記可撓性結線材はステンレスまたはニッケルからなる導通部材を有することを特徴とする、請求項7から9のいずれか一項に記載の圧力センサ。
  11. 前記表面実装用金属部材は、銅、または、銅合金からなることを特徴とする、請求項7から9のいずれか一項に記載の圧力センサ。
  12. 前記表面実装用金属部材は、銅、または、銅合金からなることを特徴とする、請求項10に記載の圧力センサ。
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