JP2024041535A - Sirt1活性化剤 - Google Patents

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祐伽 前田
Yuka Maeda
礼訓 八巻
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Abstract

【課題】SIRT1活性化剤を提供する。【解決手段】オーストラリアカンガルー島産プロポリスを含むSIRT1活性化剤。【選択図】なし

Description

本発明は、SIRT1活性化剤に関し、より具体的には、プロポリスを含むSIRT1活性化剤に関する。
老化・寿命制御に関するこれまでの研究で、酵母、線虫、ショウジョウバエ等においてはカロリー制限が延命・抗老化を実現するための有効な処理であることが知られている。そして、それらのカロリー制限による延命の実現には、NAD依存性脱アセチル化酵素活性を有するSir2が関与していることが明らかになっており(非特許文献1)、Sir2の哺乳類ホモログとしてはサーチュイン1~7が知られている。中でも最もSir2と構造や機能が類似しているサーチュイン1(SIRT1)が注目されている。
SIRT1は、加齢によって発現が低下する一方、カロリー制限により活性化されること、またブドウの果皮や赤ワイン中のポリフェノールであるレスベラトロールをはじめとした植物性ポリフェノール類によって活性化されることが知られている(非特許文献2)。SIRT1は各組織において様々な役割を担っており、アルツハイマー型老年認知症、骨粗鬆症、動脈硬化、骨格筋減少症などの老化関連疾患との関連についての研究も行われている。このように、SIRT1は、抗老化作用、認知機能改善作用、骨形成促進作用、神経保護作用、血管内皮保護作用、糖尿病抑制作用などの機能を有することが明らかになっている。
プロポリスはミツバチにより集められた樹木の樹液、植物の新芽や浸出物などがミツロ
ウ等と混ざり合ってできた膠状の物質であり、抗菌作用、抗酸化作用、抗炎症作用、抗腫
瘍作用、抗アレルギー作用などが知られている。
プロポリスの成分はその材料となる基原植物の種類や配合率に影響されるため、採取された国又は地域によって、プロポリスに含まれる有効成分の種類や含有量とその生理活性が全く異なることが知られている。
近年産地別プロポリスの含有成分に関する研究が進められている。例えば、バッカリスドラクンクリフォリアを主要な基原植物とするブラジル産プロポリスの主成分としては、p-クマル酸、アルテピリンC、ドルパニン、バッカリン等の桂皮酸誘導体が検出される。一方、ポプラを基原植物とする中国産、ヨーロッパ産及びオーストラリア産のプロポリスの主成分としては、クリシン、ガランギンなどのフラボノイド類が検出される。
非特許文献3には、フラボノイドを有する中国産プロポリス(以下、これを「中国産プロポリス」と称することもある)にSIRT1の発現を増加させる作用があることが報告されている。
非特許文献4には、ブラジルのミナス・ジェライス州産プロポリス(以下、これを「ブラジル産プロポリス」と称することもある)にSIRT1の発現を増加させる作用があることが報告されている。
PLoS ONE 3:e1759,2008 Nature,425:191-196(2003) Evid Based Complement Alternat Med.2018 Jun 27;2018:4957573 BMC Complement Altern Med.2016 Aug 30;16(1):329
本発明は、SIRT1活性化剤を提供することを目的とする。
一般にレスベラトロールに高いSIRT1活性化作用があることが知られている。また、上記の非特許文献3及び4によって中国産プロポリス、ブラジル産プロポリスにSIRT1活性化作用があることも報告されている。プロポリスはミツバチが採取する植物を原料とするため、産地によって成分の違いが見られることから、産地により効果は異なることが予想される。そこで、本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、レスベラトロール、中国産プロポリス及びブラジル産プロポリスに対して、オーストラリアカンガルー島産プロポリス(以下、「カンガルー島産プロポリス」と称することもある)がより高いSIRT1活性化作用を有していることを見出した。
本発明は、これら知見に基づき、更に検討を重ねて完成されたものであり、次のSIRT1活性化剤を提供するものである。
項1.オーストラリアカンガルー島産プロポリスを含むSIRT1活性化剤。
項2.前記オーストラリアカンガルー島産プロポリスの基原植物が、レピドスぺルマ属の植物である、項1に記載のSIRT1活性化剤。
項3.抗老化、認知機能改善、骨形成促進、神経保護、血管内皮保護及び糖尿病抑制からなる群から選択される少なくとも1種のために用いられる、項1又は2のSIRT1活性化剤。
項4.飲食品、化粧品、医薬品又は医薬部外品である、項1~3のいずれかに記載のSIRT1活性化剤。
オーストラリアカンガルー島産プロポリスは、優れたSIRT1活性化作用を有しているので、SIRT1活性化剤の有効成分として有用である。
また、プロポリスは、従来から食品素材として用いられてきたものであるから、安全性が高い。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
なお、本明細書において「含む(comprise)」とは、「本質的にからなる(essentially consist of)」という意味と、「のみからなる(consist of)」という意味をも包含する。
本発明のSIRT1活性化剤は、オーストラリアカンガルー島産プロポリスを含むことを特徴とする。
プロポリスとは、ミツバチの巣の巣壁を構成する樹脂状又は蝋状の物質であり、ミツバチが採取してきた植物の新芽や樹脂と蜂の唾液を混ぜ合わせてできた物質である。本発明においてプロポリスは、オーストラリアカンガルー島産のものを使用する。また、オーストラリアカンガルー島に加えて、中国、台湾、ヨーロッパ諸国、ロシア、オセアニア、アメリカなどの他の産地のプロポリスを組み合わせて使用してもよい。
本発明で用いられるプロポリスとしては、オーストラリアカンガルー島で採取されたものであれば特に限定されない。中でも、オーストラリアカンガルー島産プロポリスとしては、基原植物がレピドスぺルマ(Lepidosperma)属の植物であるものが好ましい。
本発明におけるプロポリスには、例えば、プロポリス原塊、その粉砕物、超臨界抽出物、水及び/又は親水性有機溶媒による抽出物などが含まれる。中でも水及び/又は親水性有機溶媒による抽出物、超臨界抽出物などの抽出物が好ましく、水及び/又は親水性有機溶媒による抽出物がより好ましい。水及び/又は親水性有機溶媒抽出物は、プロポリスの成分が短時間で効率的に、バランスよく抽出されたものであり、またスケールアップをする場合に大規模な設備が不要であるので好ましい。
親水性有機溶媒としては、例えば、エタノール、メタノール、プロパノールなどの低級アルコール、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトンなど)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチルなど)、グリコール類(エチレングリコール、プロピレングリコールなど)、グリセリン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸、プロピオン酸、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられ、低級アルコールが好ましく、エタノールが特に好ましい。
これらの抽出溶媒は1種で使用することができるし、また2種以上を任意に組み合わせて混合液として用いることもできる。好ましくは、水、低級アルコール(好ましくはエタノール)又はこれらの混合液(含水アルコール、好ましくは含水エタノール)である。抽出溶媒として含水アルコール(好ましくは含水エタノール)を使用する場合、アルコール濃度としては、制限されないものの、50~100容量%、特に70~100容量%を好適に挙げることができる。
抽出には、プロポリス原塊、アルコール洗浄したプロポリス原塊などを使用することができ、適当な大きさに切断又は粉砕したプロポリス原塊を使用することで抽出効率を向上させることができる。抽出溶媒の使用容量は、プロポリス原塊の質量に対して、例えば、1~20倍量、好ましくは2~10倍量である。
抽出は、溶媒にプロポリスを加え、例えば、0℃~溶媒が沸騰する温度(通常100℃以下の温度)、好ましくは2~40℃で行うことができる。抽出は、上記温度で、所定の時間(例えば、1時間以上)、撹拌しながら又は静置して行うことができる。抽出後には、不溶物を除去するためのろ過などの処理を行い、抽出物を得ることができる。
斯くして得られた溶媒抽出物は、そのままでも使用でき、必要に応じて、限外濾過、分子篩クロマトグラフィー(ゲル濾過)、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、透析法、これらの組合せなどにより、有効成分の含有率を高めるために精製を更に行い得る。
また、溶媒抽出物は、濃縮、及び凍結乾燥、スプレードライ等による乾燥処理を行うこともできる。ここで、濃縮、凍結乾燥及びスプレードライは、常法に従って行うことができる。本発明におけるプロポリスの抽出物には、このような抽出物を粉末化した粉末、該粉末を造粒した顆粒形態なども含まれる。
本発明のSIRT1活性化剤中には、本発明の効果を妨げない範囲で、上記以外の公知の成分を適宜配合することができる。
本発明のSIRT1活性化剤中のプロポリスの含量は、本発明の効果が得られる範囲であれば特に制限されず、最終形態等に応じて適宜調整することができ、SIRT1活性化剤中の、固形分全量に対して、例えば、0.00001質量%以上、0.0001質量%以上、0.001質量%以上、0.01質量%以上、0.1質量%以上、0.5質量%以上、1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、7質量%以上、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、又は90質量%以上であってもよく、100質量%以下、90質量%以下、80質量%以下、70質量%以下、60質量%以下、55質量%以下、50質量%以下、40質量%以下、30質量%以下、20質量%以下、15質量%以下、10質量%以下、7質量%以下、5質量%以下、3質量%以下、1質量%以下、又は0.5質量%以下であってもよい。
また、プロポリスは、SIRT1を活性化するために定期的に適用されることが好ましく、一日一回又は数回に分けて適用されることが特に好ましい。特に限定されるものではないが、固形分で、例えば、体重60kgの成人一日当たり10μg~1,000mgの用量で用いることができ、100μg~500mgの用量で用いることが好ましく、1mg~300mgの用量で用いることがより好ましい。用量は、投与される人の健康状態、投与方法及び他の剤との組み合わせ等の因子に応じて、上記範囲内で適宜設定することができる。
本発明のSIRT1活性化剤は、化粧品、飲食品(特に、保健、健康維持、増進等を目的とする飲食品(例えば、健康食品、機能性食品、栄養組成物(nutritional composition)、栄養補助食品、サプリメント、保健用食品、特定保健用食品、栄養機能食品、又は機能性表示食品))、医薬部外品、医薬品などとして使用することができる。また、本発明のSIRT1活性化剤は、SIRT1活性化作用を付与する添加剤についての意味も包含するものである。
上記の化粧品には、上記プロポリス以外に、通常化粧品に用いられる成分、例えば、殺菌剤、保存剤、界面活性剤、アルコール類、水性成分、水、着色剤、pH調整剤、溶解補助剤、研磨剤、発泡剤、酵素、香味剤、キレート剤、賦形剤、増粘剤、基剤、乳化剤、溶剤、安定剤、油剤、清掃剤(乳酸菌)等を必要に応じて適宜配合することができる。
化粧品には、動物(ヒトを含む)の皮膚、粘膜、体毛、頭髪、頭皮、爪、歯、顔皮、口唇等に適用されるあらゆる化粧品が含まれる。
化粧品の剤型は、水溶液系、可溶化系、乳化系、粉末系、油液系、ゲル系、軟膏系、エアゾール系、水-油2層系、水-油-粉末3層系等、幅広い剤型を採り得る。
化粧品の用途も任意であり、例えば、基礎化粧品であれば、洗顔料、化粧水、乳液、クリーム、ジェル、エッセンス、美容液、パック、マスク等が挙げられ、メークアップ化粧品であれば、ファンデーション、口紅、頬紅、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ等が挙げられ、ネイル化粧料であれば、マニキュア、ベースコート、トップコート、除光液等が挙げられ、その他、洗顔料、(練又は液体)歯磨剤、マウスウォッシュ、マッサージ用剤、クレンジング用剤、アフターシェーブローション、プレシェーブローション、シェービングクリーム、ボディソープ、石けん、シャンプー、リンス、ヘアートリートメント、整髪料、ヘアートニック剤、育毛剤、制汗剤、入浴剤等が挙げられる。
上記の飲食品には、上記プロポリスをそのまま使用することもでき、必要に応じて、ミネラル類、ビタミン類、フラボノイド類、キノン類、ポリフェノール類、アミノ酸、核酸、必須脂肪酸、清涼剤、結合剤、甘味料、崩壊剤、滑沢剤、着色料、香料、安定剤、ゲル化剤、防腐剤、徐放調整剤、界面活性剤、溶解剤、湿潤剤等を配合することもできる。
飲食品には、動物(ヒトを含む)が摂取できるあらゆる飲食品が含まれる。飲食品の種類は、特に限定されず、例えば、乳製品;発酵食品(ヨーグルト等);飲料類(コーヒー、ジュース、茶飲料のような清涼飲料、乳飲料、乳酸菌飲料、乳酸菌入り飲料、ヨーグルト飲料、炭酸飲料、日本酒、洋酒、果実酒のような酒等);スプレッド類(カスタードクリーム等);ペースト類(フルーツペースト等);洋菓子類(チョコレート、ドーナツ、パイ、シュークリーム、ガム、グミ、ゼリー、キャンデー、クッキー、ケーキ、プリン等);和菓子類(大福、餅、饅頭、カステラ、あんみつ、羊羹等);氷菓類(アイスクリーム、アイスキャンデー、シャーベット等);食品類(カレー、牛丼、雑炊、味噌汁、スープ、ミートソース、パスタ、漬物、ジャム等);調味料類(ドレッシング、ふりかけ、旨味調味料、スープの素等)などが挙げられる。
飲食品の製法は特に限定されず、適宜公知の方法に従うことができる。
サプリメントとして使用する際の投与単位形態については特に限定されず適宜選択でき、例えば、チュアブル、トローチなどの錠剤、カプセル剤、顆粒剤、液剤、散剤、シロップ、ペースト、ドリンク、グミ等が挙げられる。
上記の医薬品には、上記プロポリスのみを使用することもでき、ビタミン、生薬など日本薬局方に記載の他の医薬成分と混合して使用することもできる。
本発明のSIRT1活性化剤を、医薬品として調製する場合、上記プロポリスを、医薬品において許容される成分とともに、タブレット(素錠、糖衣錠、発泡錠、フィルムコート錠、チュアブル錠、トローチ剤などを含む)、カプセル剤、丸剤、粉末剤(散剤)、細粒剤、顆粒剤、液剤、懸濁液、乳濁液、シロップ、ペースト、注射剤(使用時に、蒸留水又はアミノ酸輸液や電解質輸液等の輸液に配合して液剤として調製する場合を含む)などの形態に調製して、医薬用の製剤にすることが可能である。
医薬品の投与は、局所的であってもよく、全身的であってもよい。投与方法には特に制限はなく、経口的又は非経口的に投与される。非経口的投与経路としては、皮下、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内若しくは動脈内への投与、経皮的投与等が挙げられる。
本発明の医薬品には、プロポリス以外にも、必要に応じて、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、懸濁化剤、増粘剤、抗酸化剤、吸収促進剤、pH調整剤、保存剤、防腐剤、安定剤、界面活性剤、甘味剤、矯味剤、香料等の薬学的に許容される成分を適宜配合することができる。
なお、本発明の化粧品及び医薬品には、医薬部外品も包含される。
以上説明した本発明のSIRT1活性化剤は、ヒトを含む哺乳動物(好ましくはヒト)に対して適用されるものである。
本発明のSIRT1活性化剤が有効成分として含有するオーストラリアカンガルー島産プロポリスは、後述する実施例で示されているように、SIRT1活性化作用を有しているので、SIRT1活性化剤の有効成分として有用である。本発明におけるSIRT1活性化とは、SIRT1の酵素活性を向上させることであり、すなわちプロポリスの添加前と比べてSIRT1の酵素活性が向上することを意味する。
本発明のSIRT1活性化剤は、SIRT1を活性化させることができるため、抗老化作用、認知機能改善作用、骨形成促進作用、神経保護作用、血管内皮保護作用、糖尿病抑制作用などの作用を発揮することができる。そのため、本発明のSIRT1活性化剤は、このような作用を目的とした用途に用いることができる。例えば、本発明のSIRT1活性化剤は、抗老化、認知機能改善、骨形成促進、神経保護、血管内皮保護及び糖尿病抑制からなる群から選択される少なくとも1種のために用いることができる。具体的な対象疾患としては、例えば、認知機能改善としてはアルツハイマー病などが、骨形成促進としては骨粗鬆症などが、神経保護としてはアルツハイマー病、パーキンソン病などが、血管内皮保護としては動脈硬化などが、糖尿病としては2型糖尿病などが挙げられる。
また、プロポリスは従来から食品素材として用いられてきたものであるから、安全性が高い。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。しかし、本発明はこれら実施例等になんら限定されるものではない。
実施例1(プロポリス抽出物の調製)
プロポリス原塊の粉砕物に80%エタノール(特定アルコールトレーサブル(95%エタノール)を使用)を加えシェーカーで一晩振とう震盪した(室温)。その後、6,000rpm、25℃で15分遠心し、上澄みをろ過してエバポレーターにて減圧濃縮した。濃縮液を凍結乾燥に供し、プロポリス抽出物を得た。プロポリス抽出物を3mg/ml(w/v)となるよう、DMSOに溶解し孔径0.45μmの駒形ろ紙でろ過した。
比較例1(レスベラトロールの調製)
レスベラトロール(Sigma-Aldrich)を3mg/mlとなるようDMSOに溶解し、孔径0.45μmの駒形ろ紙でろ過した。
試験例1(SIRT1活性の測定方法)
SIRT1活性の評価には、SIRT1 Fluorometric Drug Discovery Kit(Enzo Life Sciences,Inc.:BML-AK555)を用いた。
Assay Buffer(BML-KI286)を用いて、SIRT1 0.008U/ml、NAD 2.5mMとFLUOR DE LYS SIRT1,Deacetylase Substrate 0.125mMの混合液(NAD/FLUOR DE LYS SIRT1,Deacetylase Substrate)を調製した。1xDeveloper II/2mM nicotinamideは、1ml中760μl Assay Buffer、200μl 5xDeveloper IIと40μl 50mM nicotinamideを混合して調製した。
プロポリス抽出物及びレスベラトール2μlに超純水8μlを混合したものを試験サンプルとした。マイクロプレートにSIRT1 5μl、NAD/FLUOR DE LYS SIRT1,Deacetylase Substrate 2μl、超純水2μl、試験サンプル1μl(終濃度0.06mg/ml)を加え、プレートシールを貼り37℃で45分間静置した。その後、1xDeveloper II/2mM nicotinamide 10μlを加え、室温で45分静置し、EnVision Multilabel Readerにて励起波長355nm、蛍光波長460nmで蛍光測定を実施した。
SIRT1活性化率は、SIRT1活性化率(%)=(A-C)/(B-C)×100として算出した。
A:試験サンプルを添加した条件の蛍光測定値
B:酵素と基質のみを反応させた条件の蛍光測定値
C:反応開始前に1xDeveloper II/2mM nicotinamideを添加し、酵素反応を停止した条件の蛍光測定値
SIRT1活性が報告されているレスベラトロール、ブラジル産プロポリス及び中国産プロポリスを陽性対照成分とした。結果を表1に示す。
Figure 2024041535000001
表1の結果から、カンガルー島産プロポリスは、レスベラトロール、ブラジル産プロポリス、中国産プロポリスのいずれかよりも優れたSIRT1活性化作用を有していることを確認された。

Claims (4)

  1. オーストラリアカンガルー島産プロポリスを含むSIRT1活性化剤。
  2. 前記オーストラリアカンガルー島産プロポリスの基原植物が、レピドスぺルマ属の植物である、請求項1に記載のSIRT1活性化剤。
  3. 抗老化、認知機能改善、骨形成促進、神経保護、血管内皮保護及び糖尿病抑制からなる群から選択される少なくとも1種のために用いられる、請求項1又は2のSIRT1活性化剤。
  4. 飲食品、化粧品、医薬品又は医薬部外品である、請求項1又は2に記載のSIRT1活性化剤。
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