JP2024041465A - 電気的接続装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、被検査体の電気的特性の測定に使用される電気的接続装置に関する。
集積回路などの被検査体の電気的特性をウェハから分離しない状態で測定するために、被検査体に接触させるプローブおよびプローブを保持するプローブヘッドを有する電気的接続装置が用いられている(特許文献1参照。)。電気的接続装置に、ガイド板の間に中空部分を設けた複数のガイド板を有するプローブヘッドが使用されている。プローブは、ガイド板に形成したガイド穴を貫通し、且つ、中空部分で湾曲した状態で、プローブヘッドに保持される。
電気的接続装置では、被検査体の検査用パッドに対応した位置にプローブを配置する。したがって、被検査体の微細化などにより検査用パッドの配置間隔が狭くなると、プローブの配置間隔も狭くなる。プローブの配置間隔を狭くすると、被検査体の検査時にプローブがプローブヘッドの内部の中空部分で湾曲したときに、隣接するプローブ同士が接触してプローブの短絡が発生する問題が生じる。
上記問題点に鑑み、本発明は、プローブ間の短絡を抑制できる電気的接続装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、プローブと、ガイド穴がそれぞれ形成された第1ガイド板と第2ガイド板を有するプローブヘッドを備える電気的接続装置が提供される。プローブヘッドは、第1ガイド板と第2ガイド板を第1ガイド板の主面の面法線方向に沿って相互に離隔して配置された構成を有する。同一のプローブが貫通する第1ガイド板のガイド穴と第2ガイド板のガイド穴の位置は、第1ガイド板の主面と平行にずらして配置されている。ガイド穴の位置のずれている方向は、検査用パッドの配列方向に対して斜めに交差する。
本発明によれば、プローブ間の短絡を抑制できる電気的接続装置を提供できる。
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各部の厚みの比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。以下に示す実施形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置および製造方法などを下記のものに特定するものでない。
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る電気的接続装置1は、図1に示すように、複数のプローブ10と、プローブ10を保持するプローブヘッド20を有する。プローブ10は、被検査体の検査時に被検査体と接触する。以下において、被検査体に接触するプローブ10の一方の端部を「先端部11」、他方の端部を「基端部12」と称する。先端部11は、例えば、被検査体に配置された検査用パッドと接触する。基端部12は、例えば、図示していないプリント基板に配置した電極と接続する。プリント基板の電極は、テスタなどの検査装置と電気的に接続する。電気的接続装置1を介して、検査装置と被検査体の間で電気信号が伝搬する。
第1の実施形態に係る電気的接続装置1は、図1に示すように、複数のプローブ10と、プローブ10を保持するプローブヘッド20を有する。プローブ10は、被検査体の検査時に被検査体と接触する。以下において、被検査体に接触するプローブ10の一方の端部を「先端部11」、他方の端部を「基端部12」と称する。先端部11は、例えば、被検査体に配置された検査用パッドと接触する。基端部12は、例えば、図示していないプリント基板に配置した電極と接続する。プリント基板の電極は、テスタなどの検査装置と電気的に接続する。電気的接続装置1を介して、検査装置と被検査体の間で電気信号が伝搬する。
プローブヘッド20は、第1ガイド板211、第2ガイド板212および第3ガイド板213を有する。第1ガイド板211、第2ガイド板212および第3ガイド板213は、第1ガイド板211の主面の面法線方向に沿って、相互に離隔して多段に配置されている。第1ガイド板211を、プローブ10の基端部12に近い領域が貫通する。第3ガイド板213を、プローブ10の先端部11に近い領域が貫通する。第2ガイド板212は第1ガイド板211と第3ガイド板213との間に配置され、先端部11と基端部12の間のプローブ10の中間部が第2ガイド板212を貫通する。
以下において、第1ガイド板211、第2ガイド板212、第3ガイド板213のそれぞれを限定しない場合は、ガイド板21と表記する。ガイド板21のプローブ10の貫通している部分に、図1では図示を省略したガイド穴が形成されている。言い換えると、プローブヘッド20は、ガイド板21にそれぞれ形成したガイド穴を貫通した状態のプローブ10を保持する。なお、第1ガイド板211、第2ガイド板212、第3ガイド板213のそれぞれを、「トップガイド板」、「ミドルガイド板」、「ボトムガイド板」と称する場合もある。
プローブヘッド20は、第1ガイド板211と第2ガイド板212の間に配置された第1中空部分221と、第2ガイド板212と第3ガイド板213の間に配置された第2中空部分222を有する。図1に示すプローブヘッド20では、第1ガイド板211の外縁部と第2ガイド板212の外縁部の間にスペーサ23を配置することにより、第1中空部分221を形成している。また、第2ガイド板212に対向する第3ガイド板213の主面に凹部を設けて、第2中空部分222を形成している。なお、第1中空部分221および第2中空部分222の構成方法は、これらの方法に限られないことはもちろんである。
本発明の実施形態の説明では、図1に示すようにX方向、Y方向、Z方向を定義する。図1において、X方向は紙面の左右方向、Y方向は紙面の奥行方向、Z方向は紙面の上下方向である。Z方向において、第3ガイド板213から見て第1ガイド板211が位置している方向を上方向、第1ガイド板211から見て第3ガイド板213が位置している方向を下方向とする。また、ガイド板21の主面について、上方向を向いた主面を上面、下方向を向いた主面を下面とも称する。つまり、ガイド板21の上面および下面の面法線方向はZ方向である。ガイド穴は、ガイド板21の上面から下面まで貫通している。ガイド板21の上面および下面は、X方向とY方向により定義されるXY平面と平行である。
第1ガイド板211の主面の面法線方向(Z方向)から見て、同一のプローブ10が貫通する第1ガイド板211のガイド穴と第2ガイド板212のガイド穴の位置は、第1ガイド板211の主面と平行にずらして配置されている。以下において、第1ガイド板211の主面と平行にガイド穴の位置をずらした配置を「オフセット配置」という。また、オフセット配置における第1ガイド板211のガイド穴220の位置と第2ガイド板212のガイド穴220の位置のずれている方向を、「オフセット方向」と称する。図1に示すプローブヘッド20では、オフセット方向がX方向と平行である。
プローブ10には、導電性を有する弾性材料が使用される。プローブ10が弾性を有するため、第1ガイド板211のガイド穴と第2ガイド板212のガイド穴がオフセット配置されていることにより、第1ガイド板211と第2ガイド板212の間に設けられた第1中空部分221の内部において、プローブ10は弾性変形によって湾曲している。言い換えると、プローブヘッド20は、湾曲した状態のプローブ10を保持する。
第1ガイド板211と第2ガイド板212をオフセット配置することにより、プローブ10のそれぞれは、オフセット方向に円弧状の外側が張り出すように揃って湾曲している。言い換えると、Z方向から見て、プローブ10はオフセット方向に延伸する。つまり、プローブヘッド20が、オフセット配置によりプローブ10の湾曲する方向を制御している。以下において、湾曲したプローブ10のオフセット方向を向いた表面を「オフセット面」とも称する。また、プローブ10のオフセット面と対向する表面を「対向面」とも称する。
プローブ10が湾曲した状態でプローブヘッド20に保持されていることにより、基端部12の位置が固定された状態でプローブ10の先端部11が被検査体と接触すると、第1中空部分221においてプローブ10が更に大きく湾曲する。すなわち、被検査体の検査時には、第1ガイド板211と第2ガイド板212との間で、たわみ変形によりプローブ10が座屈する。
プローブ10が被検査体に接触していない非接触状態から、プローブ10が被検査体に接触した接触状態においてプローブ10が更に湾曲することにより、所定の圧力でプローブ10が被検査体に接触する。したがって、オフセット配置により、プローブ10を用いて被検査体の電気的特性を安定して測定することができる。プローブ10のそれぞれが第2ガイド板212を通過していることにより、第1中空部分221において隣接するプローブ10が相互に接触することが抑制される。
プローブヘッド20では、第2ガイド板212のガイド穴と第3ガイド板213のガイド穴の位置は、Z方向から見て略一致している。このため、第2ガイド板212と第3ガイド板213の間に設けられた第2中空部分222の内部において、第3ガイド板213の下面の面法線方向にプローブ10が直線的に延伸する。その結果、プローブ10の先端部が被検査体の検査用パッドに対して安定して接触する。
なお、オフセット配置によってプローブ10を所望の方向に湾曲させるために、プローブ10の中心軸方向に垂直な断面(以下において、単に「断面」と称する。)が、オフセット方向に垂直な直線状の辺を含む形状であることが好ましい。例えば、プローブ10の断面が矩形状であってもよい。プローブ10の断面形状が矩形状である場合は、図2に示すように、オフセット方向Fに垂直な辺を長辺とし、オフセット方向に平行な辺を短辺することが好ましい。オフセット方向Fに垂直な辺を長辺とすることにより、プローブヘッド20の保持するすべてのプローブ10を一定の方向に揃えて湾曲させることができる。ここで、第1ガイド板211のガイド穴から見て第2ガイド板212のガイド穴の位置をずらした方向をオフセット方向Fとしている(以下において同様。)。
ガイド板21に形成するガイド穴は、ガイド穴の内部でのプローブ10のXY平面での位置ずれを抑制するために、Z方向から見たガイド穴の形状(以下、単に「形状」という。)が、プローブ10の断面の形状と相似であることが好ましい。そのため、オフセット方向Fに垂直な辺を有するプローブ10が貫通するガイド穴にも、オフセット方向Fに垂直な直線状の辺が含まれる。そして、ガイド穴の形状における長手方向は、オフセット方向Fに垂直である。例えば、図2に示すプローブ10が通過するガイド穴220の形状が、図3に示す長方形状であってもよい。図3に示すように、Z方向から見たガイド穴220の長辺方向は、オフセット方向Fに対して垂直である。
プローブ10は、プローブ10と被検査体とが非接触状態になると、被検査体に接触する前の形状に復帰する弾性を有する。プローブ10の材料には、タングステン(W)などが使用される。或いは、銅(Cu)合金、パラジウム(Pd)合金、ニッケル(Ni)合金、W合金などをプローブ10の材料に使用してもよい。プローブヘッド20のガイド板21の材料には、セラミック材などが好適に使用される。例えば、窒化ケイ素セラミックなどをガイド板21の材料に使用してもよい。
以下に説明するように、電気的接続装置1においては、Z方向から見て、オフセット方向が、被検査体2の検査用パッドの配列方向に対して斜めに交差する。オフセット方向が検査用パッドの配列方向に対して斜めに交差することにより、隣接するプローブ10間の湾曲する方向(オフセット方向)の間隔を広げることができる。検査用パッドの配列方向とオフセット方向とのなす角は、例えば45度である。
ここで、図4に示すように被検査体2の複数の検査用パッド200が、Z方向から見てマトリクス状に配置されている場合について、プローブ10の間隔について検討する。検査用パッド200は、Z方向から見て第1方向M1および第1方向M1に直交する第2方向M2に沿ってマトリクス状に配列されている。第1方向M1と第2方向M2により定義される平面は、XY平面と平行である。図4に示すように、第1方向M1の検査用パッド200の配置間隔は、ピッチPである。なお、検査用パッド200の配置間隔は、検査用パッド200の中心間の距離である。
図5に、オフセット方向Fが第1方向M1である比較例のプローブヘッド20Aについて、プローブ10の間隔W1を示す。プローブ10の間隔は、オフセット方向Fに沿ったプローブ10の中心間の距離である(以下において同様。)。図5に示すように、比較例のプローブヘッド20Aに保持されるプローブ10のオフセット方向Fに沿った間隔W1は、第1方向M1の検査用パッド200の配置間隔であるピッチPと同程度である。
図6に、電気的接続装置1のプローブヘッド20について、プローブ10の間隔W2を示す。プローブヘッド20のオフセット方向Fは、図6に示すように、検査用パッド200の配列方向である第1方向M1および第2方向M2のいずれに対しても斜めに交差する。その結果、図6に示すように、プローブ10のオフセット方向Fに沿った間隔W2を、検査用パッド200のピッチPよりも広くすることができる。
上記のように、プローブヘッド20では、検査用パッド200の配列方向とオフセット方向Fが同一の比較例よりも、検査用パッド200の配置間隔を維持しながら、隣接するプローブ10の湾曲する方向の間隔が広い。言い換えると、検査用パッド200の配列方向に対してオフセット方向が斜めに交差する電気的接続装置1によれば、検査用パッド200の配置間隔を広げることなく、プローブ10のオフセット方向Fに沿った間隔を広げることができる。上記のように、プローブ10のオフセット方向Fに沿った間隔を広げることができるプローブヘッド20によれば、プローブ10が座屈した状態におけるプローブ10の間隔が狭くなるため、プローブ10同士の接触を抑制できる。
以上に説明したように、第1の実施形態に係る電気的接続装置1では、検査用パッド200の配列方向とオフセット方向が斜めに交差する。このため、電気的接続装置1によれば、プローブ10が湾曲したときに隣接するプローブ10同士が接触することが抑制される。その結果、隣接するプローブ10同士が接触することによるプローブ10間の短絡(以下において、単に「プローブ間の短絡」とも称する。)を防止することができる。
ガイド穴220の形状が長方形状である例を図3に示したが、ガイド穴220の形状は長方形状に限られない。例えば、ガイド穴220の形状が、台形状、平行四辺形状、又は正方形状であってもよい。また、ガイド穴220の形状が、角部をR面取りした矩形状であってもよい。若しくは、図7に示すようにガイド穴220の形状が楕円形状であってもよい。図7に示すガイド穴220は、長軸方向がオフセット方向Fに垂直であり、短軸方向がオフセット方向Fと平行である。言い換えると、ガイド穴220が楕円形状の場合にも、ガイド穴220の長手方向はオフセット方向に垂直である。
或いは、図8に示すように、ガイド穴220の形状が、角部を広げる逃げ加工(角逃げ)を施した矩形状であってもよい。ガイド穴220の角部に角逃げを形成することにより、ガイド穴220の角部とプローブ10が接触することによるプローブ10およびガイド板21の損傷を抑制することができる。
また、ガイド板21の厚さ方向に沿った断面におけるガイド穴220の開口部が、図9Aに示すように垂直に形成されていてもよいし、図9Bに示すように開口部の径が徐々に変化するテーパー状に形成されていてもよい。言い換えると、ガイド板21にガイド穴220を形成する加工方法などに起因してガイド穴220の開口部の断面形状が変わっても、電気的接続装置1の奏する効果には影響しない。
<変形例>
上記の図6では検査用パッド200がマトリクス状に配置されている例を示したが、検査用パッド200の配置がマトリクス状でなくても、第1の実施形態に係る電気的接続装置1は適用可能である。例えば、検査用パッド200が千鳥配列されていてもよい。図10に、検査用パッド200が千鳥配列されたときの、検査用パッド200の配置領域のコーナー部における検査用パッド200の配置例を示す。図中のサイズの数字の単位はμmである。図10に示した配置例では、検査用パッド200の配置領域において、外側の検査用パッド200に対して内側の検査用パッド200が、第1方向M1および第2方向M2に沿ってずらして配置されている。
上記の図6では検査用パッド200がマトリクス状に配置されている例を示したが、検査用パッド200の配置がマトリクス状でなくても、第1の実施形態に係る電気的接続装置1は適用可能である。例えば、検査用パッド200が千鳥配列されていてもよい。図10に、検査用パッド200が千鳥配列されたときの、検査用パッド200の配置領域のコーナー部における検査用パッド200の配置例を示す。図中のサイズの数字の単位はμmである。図10に示した配置例では、検査用パッド200の配置領域において、外側の検査用パッド200に対して内側の検査用パッド200が、第1方向M1および第2方向M2に沿ってずらして配置されている。
図10に示した検査用パッド200の配置に対応する、ガイド穴220の配置例を図11に示す。図11に示すように、検査用パッド200が千鳥配列されている場合であっても、検査用パッド200の配列方向に対してオフセット方向Fを斜めにすることにより、隣接するプローブ10同士の接触によるプローブ間の短絡を抑制することができる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る電気的接続装置1は、図12に示すように、プローブ10の表面に複数の絶縁性の被覆材13が配置されている。被覆材13は、プローブの中心軸方向に沿って互いに離隔して配置されている。図12に示す電気的接続装置1は、プローブ10の表面に被覆材13が配置されている点が、第1の実施形態に係る電気的接続装置1と異なる。その他の構成については、第2の実施形態に係る電気的接続装置1は、第1の実施形態と同様である。例えば、ガイド板21のガイド穴の位置のオフセット配置におけるオフセット方向は、検査用パッドの配列方向に対して斜めに交差する。
本発明の第2の実施形態に係る電気的接続装置1は、図12に示すように、プローブ10の表面に複数の絶縁性の被覆材13が配置されている。被覆材13は、プローブの中心軸方向に沿って互いに離隔して配置されている。図12に示す電気的接続装置1は、プローブ10の表面に被覆材13が配置されている点が、第1の実施形態に係る電気的接続装置1と異なる。その他の構成については、第2の実施形態に係る電気的接続装置1は、第1の実施形態と同様である。例えば、ガイド板21のガイド穴の位置のオフセット配置におけるオフセット方向は、検査用パッドの配列方向に対して斜めに交差する。
ガイド板21のガイド穴の位置をオフセット配置にした場合にも、被検査体の検査時にプローブ10がプローブヘッド20の第1中空部分221の内部で座屈したときに、プローブ間の短絡が発生するおそれがある。図12に示した電気的接続装置1では、プローブ10の表面に配置された絶縁性の被覆材13が隣接するプローブ10と接触することにより、プローブ10の座屈に起因するプローブ間の短絡が防止される。
プローブ10が座屈したときのプローブ間の短絡を防止するためには、プローブ10のオフセット面又は対向面のみに被覆材13を配置すればよいとも考えられる。しかし、1つの表面のみに被覆材13を配置したプローブ10では、プローブ10の間隔が所定より狭くなった場合やプローブ10がオフセット方向からずれて湾曲した場合などに、プローブ10の被覆材13を配置していない表面同士が接触するおそれがある。例えば、プローブ10の外径とガイド穴の内径との差(クリアランス)により、ガイド穴の内部でプローブ10の位置ぶれが発生する場合がある。プローブ10の位置ぶれにより、プローブ10がオフセット方向に正確に湾曲せずに、被覆材13が配置されていないプローブ10の表面が、隣接するプローブ10の被覆材13が配置されていない表面に接触するおそれがある。その結果、プローブ間の短絡が生じる。
或いは、プローブ10の間隔が特定の場合に、プローブ10の被覆材13が配置されていない表面同士が接触するおそれがある。例えば、図13に示すように、オフセット方向Fに垂直な方向のプローブ10間の間隔が狭い場合に、矢印Tで示すように、プローブ10の被覆材13が配置されていないオフセット面の外縁と、隣接するプローブ10の対向面が接触するおそれがある。その結果、プローブ間の短絡が生じる。
上記のように、オフセット面又は対向面のみに被覆材13を配置したプローブ10においては、プローブ間の短絡が発生する可能性がある。上記のようなプローブ間の短絡を防止するために、オフセット面に接続するプローブ10の側面にも被覆材13を配置することが好ましい。例えば、オフセット面101、対向面102、および、オフセット面101と対向面102に接続する第1側面103と第2側面104で定義された矩形状の断面を有する図14に示すプローブ10について、3つの側面に被覆材13を連続的に配置する。図14に示すプローブ10では、プローブ10のオフセット面101およびオフセット面に接続する第1側面103と第2側面104に、被覆材13が配置されている。言い換えると、第1側面103からオフセット面101を介して第2側面104に渡って連続的にプローブ10の表面に被覆材13が配置されている。図14に示すプローブ10では、仮にプローブ同士が接触しても、被覆材13によりプローブ間の短絡が防止される。
なお、図12に示すように、被覆材13は、プローブ10の第1中空部分221を通過する部分において、少なくとも湾曲する部分も含めて間欠的に配置されている。これに対し、先端部11から基端部12までプローブ10の表面を中心軸方向に沿って連続的に被覆材13で覆うと、プローブ10に反りが生じやすい。しかし、図12に示すプローブ10では、中心軸方向に沿って被覆材13を間欠的に配置することにより、プローブ10の反りが抑制される。したがって、プローブ10の反りを抑制すると共に、プローブ10同士の接触によりプローブ間が短絡する部分ができるだけ少ないように、被覆材13の軸方向に沿った間隔が設定される。設定された間隔に従って、複数の被覆材13がプローブ10の表面に相互に離隔して配置されている。
ところで、プローブ10をプローブヘッド20にセットするために、ガイド板21のガイド穴220にプローブ10を貫通させる。例えば、すべてのガイド板21のガイド穴220の中心軸を一致させた状態で、ガイド板21のガイド穴220にプローブ10を連続的に貫通させる。このため、プローブ10の外径と被覆材13の厚みの合計は、ガイド穴220の内径よりも小さく設定される。
被覆材13の材料は、例えば樹脂類、ガラス繊維、永久レジスト、セラミック蒸着物などであってもよい。被覆材13をプローブ10の表面の所定の位置に形成するには、例えば、プローブ10の表面に被覆材13を形成した後、フォトリソグラフィ技術などを用いて被覆材13をパターニングしてもよい。
中心軸方向に沿った被覆材13の間隔が狭いほど、プローブ間の短絡を防止できる。被覆材13の中心軸方向の長さや間隔は、プローブ10の太さや材料などに応じて、プローブ10に反りが生じない範囲で任意に設定できる。例えば、50μmの間隔で被覆材13をプローブ10の表面に配置する。また、被覆材13の厚みは、プローブ10の外径と被覆材13の厚みの合計とガイド穴220の内径とのクリアランスを確保できる範囲で、プローブ間の短絡を防止できる厚みに設定される。
以上に説明したように、第2の実施形態に係る電気的接続装置1によれば、検査用パッド200の配列方向とオフセット方向が斜めに交差することに加えて、プローブ10の表面に被覆材13を配置することにより、プローブ間の短絡を抑制できる。他は第2の実施形態に係る電気的接続装置1は第1の実施形態と同様であり、重複した説明を省略する。
(その他の実施形態)
上記のように本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
上記のように本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
例えば、上記ではプローブ10の断面の形状が矩形状である場合について説明したが、プローブ10の断面が他の形状であってもよい。例えば、プローブ10の断面が矩形状以外の多角形状であってもよい。また、プローブヘッド20の有するガイド板21が3枚である場合を説明したが、プローブヘッド20の有するガイド板21が4枚以上であってもよい。
また、第2の実施形態では、断面が矩形状のプローブ10のオフセット面101、第1側面103および第2側面104に被覆材13を配置した例を示したが、更に対向面102も含めてプローブ10の4つの表面に被覆材13を配置してもよい。或いは、プローブ10の対向面102、第1側面103および第2側面104の3つの表面に被覆材13を連続的に配置してもよい。また、プローブ間の間隔の関係などによって隣接するプローブ10と接触する可能性があるプローブ10の側面が一方の側面のみである場合には、隣接するプローブ10と接触する可能性のある側面とオフセット面又は対向面の2面に被覆材13を配置してもよい。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態などを含むことはもちろんである。
1…電気的接続装置
2…被検査体
10…プローブ
11…先端部
12…基端部
13…被覆材
20…プローブヘッド
21…ガイド板
211…第1ガイド板
212…第2ガイド板
213…第3ガイド板
220…ガイド穴
30…配線基板
101…オフセット面
102…対向面
103…第1側面
104…第2側面
200…検査用パッド
2…被検査体
10…プローブ
11…先端部
12…基端部
13…被覆材
20…プローブヘッド
21…ガイド板
211…第1ガイド板
212…第2ガイド板
213…第3ガイド板
220…ガイド穴
30…配線基板
101…オフセット面
102…対向面
103…第1側面
104…第2側面
200…検査用パッド
Claims (8)
- 被検査体の電気的特性の測定に使用される電気的接続装置であって、
前記被検査体の複数の検査用パッドにそれぞれ先端部が接触するように配置された複数のプローブと、
ガイド穴がそれぞれ形成された第1ガイド板と第2ガイド板を前記第1ガイド板の主面の面法線方向に沿って相互に離隔して配置した構成を有し、前記第1ガイド板と前記第2ガイド板の前記ガイド穴を貫通した状態の前記プローブを保持するプローブヘッドと
を備え、
同一の前記プローブが貫通する前記第1ガイド板の前記ガイド穴と前記第2ガイド板の前記ガイド穴の位置が、前記第1ガイド板の主面と平行にずらしてオフセット配置され、
前記オフセット配置における前記ガイド穴の位置のずれているオフセット方向は、前記検査用パッドの配列方向に対して斜めに交差する、
電気的接続装置。 - 前記第1ガイド板の主面の面法線方向から見た前記ガイド穴の断面形状に、前記オフセット方向に垂直な直線状の辺が含まれる、請求項1に記載の電気的接続装置。
- 前記第1ガイド板の主面の面法線方向から見た前記ガイド穴の断面形状における長手方向が、前記オフセット方向に垂直である、請求項1に記載の電気的接続装置。
- 前記検査用パッドは、第1方向および前記第1方向に直交する第2方向にマトリクス状に配置されており、前記オフセット方向は前記第1方向と前記第2方向のいずれに対しても斜めに交差する、請求項1に記載の電気的接続装置。
- 前記プローブが、前記プローブの中心軸方向に沿って互いに離隔して、前記プローブの表面に配置された複数の絶縁性の被覆材を備える、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電気的接続装置。 - 前記プローブヘッドが、前記第1ガイド板と前記第2ガイド板との間の中空部分において前記オフセット方向に湾曲した状態の前記プローブを保持し、
前記被覆材が、少なくとも前記プローブの湾曲した部分に配置されている、
請求項5に記載の電気的接続装置。 - 前記プローブの前記中心軸方向に垂直な断面が、前記プローブの前記オフセット方向を向いたオフセット面、前記オフセット面に対向する対向面、および、前記オフセット面と前記対向面にそれぞれ接続する第1側面と第2側面で定義された矩形状であり、
前記被覆材が、前記第1側面から前記オフセット面を介して前記第2側面に渡って連続的に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の電気的接続装置。 - 前記プローブの外径と前記被覆材の厚みの合計が、前記ガイド穴の内径よりも小さい、請求項5に記載の電気的接続装置。
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JP2022146297A JP2024041465A (ja) | 2022-09-14 | 2022-09-14 | 電気的接続装置 |
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