JP2024040831A - 加熱調理器及びグリルプレート - Google Patents
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Abstract
【課題】焼き板全体に熱を伝えやすく、液体の排出を促進させることができる加熱調理器及びグリルプレートを提供する。【解決手段】加熱調理器は、熱源と、前記熱源の上側に配置され、上下に貫通した貫通孔を有する焼き板と、前記貫通孔の前記熱源側にて前記焼き板から下側に延びる第1リブと、前記貫通孔の前記熱源の反対側にて前記焼き板から下側に延び、前記第1リブよりも長い第2リブとを備える。好ましくは、前記第1リブ又は前記第2リブの下端部に尖端部が形成される。【選択図】図4
Description
本技術は、食品を調理する加熱調理器及びグリルプレートに関する。
複数のスリットが並設された鉄板の下側にガスバーナーを配置した焼肉器が提案されている。スリットは第1方向に延びる。複数のスリットは、鉄板の中央部にて第1方向に直交する第2方向に並ぶ。第2方向に延びる二つのリブが鉄板の下面から突出する。一方のリブは複数のスリットそれぞれの一端部に近接し、他方のリブは複数のスリットそれぞれの他端部に近接する。スリットの下側に水槽が配置される。第1方向において、ガスバーナーはスリットから離れた位置に配される。
調理中に食品から出る液体、例えば肉の脂はスリットに入り、リブを伝って水槽に落ちる。ガスバーナーの火炎の一部が鉄板の下面に沿って中央部に向かった場合、リブによって下方に向けられ、火炎がスリットに向かうことを防止する。
しかし、リブによって火炎の移動が妨げられるので、鉄板の中央部に熱が伝わりにくい。
本開示は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、焼き板全体に熱を伝えやすく、液体の排出を促進させることができる加熱調理器及びグリルプレートを提供することを目的とする。
本開示の一実施形態に係る加熱調理器は、熱源と、前記熱源の上側に配置され、上下に貫通した貫通孔を有する焼き板と、前記貫通孔の前記熱源側にて前記焼き板から下側に延びる第1リブと、前記貫通孔の前記熱源の反対側にて前記焼き板から下側に延び、前記第1リブよりも長い第2リブとを備える。
本開示においては、第1リブ及び第2リブを伝って液体が排出される。また熱源からの熱が第1リブを超えて第2リブに到達しやすくなり、第2リブから焼き板に伝導される。
本開示の一実施形態に係る加熱調理器は、前記第1リブ又は前記第2リブの下端部に尖端部が形成される。
本開示においては、液体は尖端部に集中し、第1リブ又は第2リブから落下しやすくなる。
本開示の一実施形態に係る加熱調理器は、前記焼き板における前記熱源に対向する部分は他の部分よりも厚肉に形成される。
本開示においては、焼き板における熱源に対向する部分、即ち熱源に近い部分の温度上昇を抑制し、他の部分との温度差が過剰に大きくなることを抑制することができる。
本開示の一実施形態に係る加熱調理器は、前記焼き板の下側に配置され、前記熱源からの熱を反射する水槽を備える。
本開示においては、熱源から水槽に向かった熱が水槽にて反射し、焼き板に向かう。
本開示の一実施形態に係る加熱調理器は、前記焼き板の温度に応じて開閉する熱スイッチと、前記熱スイッチに並列接続されたダイオード及び交流電源とを備え、前記熱源は、前記ダイオード及び前記熱スイッチと前記交流電源との間に直列接続される。
本開示においては、熱スイッチが閉じている場合、熱源の加熱に交流電圧の全波が使用される。熱スイッチが開いている場合、熱源の加熱に交流電圧の半波が使用される。
本開示の一実施形態に係る加熱調理器は、前記貫通孔は、第1貫通孔と、第2貫通孔とを含み、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔の間に前記熱源が配置され、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔それぞれの前記熱源側に前記第1リブが配置され、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔それぞれの前記熱源の反対側に前記第2リブが配置される。
本開示においては、液体は第1貫通孔及び第2貫通孔に入り、第1リブ及び第2リブを伝って排出される。また熱源からの熱が第1リブを超えて第2リブに到達しやすくなり、第2リブから焼き板に伝導される。
本開示の一実施形態に係るグリルプレートは、熱源の上側に配置され、上下に貫通した貫通孔を有する焼き板と、前記貫通孔の前記熱源側にて前記焼き板から下側に延びる第1リブと、前記貫通孔の前記熱源の反対側にて前記焼き板から下側に延び、前記第1リブよりも長い第2リブとを備える。
本開示においては、第1リブ及び第2リブを伝って液体が排出される。また熱源からの熱が第1リブを超えて第2リブに到達しやすくなり、第2リブから焼き板に伝導される。
本開示の一実施形態に係る加熱調理器及びグリルプレートにあっては、第1リブ及び第2リブを伝って液体が排出され、液体の排出を促進させることができる。また熱源からの熱が第1リブを超えて第2リブに到達しやすくなり、第2リブから焼き板に伝導され、焼き板全体に熱を伝えることができる。
以下本発明を実施の形態に係る加熱調理器を示す図面に基づいて説明する。以下の説明では、図に示す上下前後左右を適宜使用する。図に示す上下前後左右は理解容易化のためのものであり、方向はこれに限定されない。図1は、加熱調理器1の略示斜視図、図2は、加熱調理器1の略示正面図、図3は、加熱調理器1の略示左側面図である。
加熱調理器1は筐体2と、グリルプレート7とを備える。筐体2は、左右に延びた直方体状をなす。筐体2の上面略全体が開口する。グリルプレート7は、平面視矩形をなし、左右に延びる焼き板70を備える。筐体2の上面開口に、焼き板70が設けられている。焼き板70は浅いトレイ状をなす。焼き板70の前後方向中央部分は、焼き板70の他の部分よりも厚肉に形成され、上側に隆起した隆起部70aを構成する。隆起部70aは、焼き板70の左右幅略全体に亘って形成されている。隆起部70aの上面は上側に突出した曲面状をなす。
焼き板70における隆起部70aよりも前側の窪んだ部分に、上下に貫通した複数の第1貫通孔70bが形成されている。複数の第1貫通孔70bは左右方向に並ぶ。同様に、焼き板70における隆起部70aよりも後側の窪んだ部分に、上下に貫通した複数の第2貫通孔70cが形成されている。複数の第2貫通孔70cは左右方向に並ぶ。各第1貫通孔70b及び各第2貫通孔70cは、前後に延びたスリット状をなす。
前述したように、隆起部70aの上面は上側に突出した曲面状をなすので、隆起部70aの上面に付着した液体は第1貫通孔70b又は第2貫通孔70cに移動しやすく、隆起部70aに液体、例えば油が溜まりにくい。
筐体2の右面部の下部分に、電源ケーブル(図示略)が接続されるコネクタ4が設けられている。電源ケーブルは交流電源40(図11)と加熱調理器1とを接続する。筐体2の前面部にダイヤル式の操作部3が設けられている。ユーザは操作部3を操作し、加熱調理器1をオン又はオフにし、また加熱の為の熱量を設定する。例えば、操作部3は、「強火」、「減煙」、「弱火」及び「切」のいずれかを選択するように構成される。
図3に示すように、筐体2の左面部に、水トレイ5を挿脱する為の挿脱口1aが形成されている。挿脱口1aは左側面視にて略等脚台形をなす。挿脱口1aの上底は下底よりも長い。挿脱口1aに水トレイ5が挿入される。水トレイ5の構成の詳細は後述する。
図2及び図3に示すように、水トレイ5の左面部5dに指掛部6が形成される。指掛部6は、右向きに窪んだ凹部6aと、該凹部6aの上側に形成され、左方向に突出した凸部6bとを備える。凹部6aは、左側面視にて左右に細長い略等脚台形をなす。凹部6aの上底は下底よりも長い。凸部6bの内側は空洞であり、凹部6aの内部空間に連なる。ユーザは凹部6aの内側に指を入れ、凸部6bの内面に引っ掛けて、水トレイ5を左側に引き出すことができる。ユーザは、引き出した空の水トレイ5に注水し、挿脱口1aから筐体2に収納させることができる。
図4は、図2に示すIV-IV線を切断線とした加熱調理器1の略示右側面断面図、図5は、グリルプレート7の略示底面図、図6は、グリルプレート7の略示正面図、図7は、加熱調理器1の略示正面断面図である。焼き板70の下面に、複数の第1貫通孔70bの周囲を囲む上下方向を軸方向とした角筒状の第1ガイド71が形成される。第1ガイド71は平面視矩形状をなし、左右に延びる。第1ガイド71は焼き板70の下面から突出する。
第1ガイド71は、第1リブ71a、第2リブ71b、右リブ71c及び左リブ71dを備える。第1リブ71aは左右方向に延びる板状をなし、各第1貫通孔70bの後端に臨む位置に配される。第1リブ71aの左右寸法は、最も右の第1貫通孔70bと最も左の第1貫通孔70bとの間の左右寸法よりも若干長い。図6及び図7に示すように、第1リブ71aの下縁部は正面視ジグザグ状をなす。即ち第1リブ71aの下縁部には複数の尖端部711が形成される。
第2リブ71bは左右方向に延びる板状をなし、各第1貫通孔70bの前端に臨む位置に配される。第2リブ71bの左右寸法は、最も右の第1貫通孔70bと最も左の第1貫通孔70bとの間の左右寸法よりも若干長い。図6に示すように、第2リブ71bの下縁部は正面視ジグザグ状をなす。即ち第2リブ71bの下縁部には複数の尖端部712が形成される。第2リブ71bの上下寸法は第1リブ71aよりも長い。第2リブ71bの尖端部712は第1リブ71aの尖端部711よりも下側に位置する。
右リブ71cは左側が開口した底面視U状をなし、第1リブ71aの右端部と第2リブ71bの右端部とを連結する。図6に示すように、右リブ71cの第1リブ71aとの連結部分の上下幅は第2リブ71bよりも長い。
左リブ71dは右側が開口した底面視U状をなし、第1リブ71aの左端部と第2リブ71bの左端部とを連結する。図6に示すように、左リブ71dの第1リブ71aとの連結部分の上下幅は第2リブ71bよりも長い。
焼き板70の下面に、複数の第2貫通孔70cの周囲を囲む上下方向を軸方向とした角筒状の第2ガイド72が形成される。第2ガイド72は平面視矩形状をなし、左右に延びる。第2ガイド72は焼き板70の下面から突出する。
第2ガイド72は、焼き板70の前後方向中央を左右に延びる左右軸X(図5参照)に関して第1ガイド71と対称な形状をなし、第2ガイド72は、第1リブ72a、第2リブ72b、右リブ72c及び左リブ72dを備える。第1リブ72aは尖端部721を備える。第2リブ72bは尖端部722を備える。第1リブ72a、第2リブ72b、右リブ72c、左リブ72d、尖端部721及び尖端部722は、それぞれ、第1リブ71a、第2リブ71b、右リブ71c、左リブ71d、尖端部711及び尖端部712に対応するので、その詳細な説明を省略する。第1リブ72aは左右方向に延びる板状をなし、各第2貫通孔70cの前端に臨む位置に配される。第2リブ72bは左右方向に延びる板状をなし、各第2貫通孔70cの後端に臨む位置に配される。
焼き板70の上で油が弾け、第1貫通孔70b又は第2貫通孔70cを通過しても、第1ガイド71又は第2ガイド72によって、油の拡散が防止され、筐体2内が汚れることを防止することができる。
第1リブ71a、72a及び第2リブ71b、72bの下縁部はジグザグに形成されなくてもよく、尖端部は単数でもよい。例えば、第1リブ71a、72a及び第2リブ71b、72bの下縁部は単数の三角形状に形成されてもよい。
筐体2は熱源9を収納する。熱源9は、筐体2上部における前後方向中央部に支持されている。図4に示すように、熱源9は、前後方向にて第1リブ71a及び第1リブ72aの間に配置され、上下方向にて第1リブ71a及び第1リブ72aよりも下側に配置される。熱源9は、隆起部70aの下側であって、水トレイ5の上側に配置される。即ち、上下方向にて、隆起部70aと水トレイ5との間に熱源9は配置される。熱源9は、筒体9aと、該筒体9aに収納されるヒータ9bとを備える。筒体9aは、例えば石英ガラスによって構成された透明な円筒である。ヒータ9bは、例えば細長いグラファイトヒータである。筒体9a及び筒体9aに収納されたヒータ9b、即ち熱源9は左右方向に延び、隆起部70a全体に対向するように、隆起部70a全体の下側に配置される。
熱源9と隆起部70aとの間にガード8が設けられている。ガード8は網状をなし、、熱源9の上側を覆うように配置される。網状のガード8は多数の開口を備え、前記多数の開口を通って、熱源9から発せられた熱は隆起部70aに到達することができる。焼き板70は筐体2から取り外すことができる。焼き板70が筐体2から取り外された場合でも、ガード8が熱源9の上側を覆うので、熱源9が露出することが防止され、ユーザの安全性が高まる。上下方向において、熱源9と水トレイ5との間に反射体10が配置される。
図8は、反射体10の略示斜視図である。反射体10は第一反射板11と、第二反射板12a、12b、12c、12dと、補強板14a、14bとを備える。第一反射板11は、両端部がそれぞれ所定長さの円弧を形成する半円筒状をなす。第一反射板11は軸方向に延びる。本実施の形態において、軸方向が左右方向に対応し、前記円弧の頂点が下側を向くように、第一反射板11は配置される。
軸方向における第一反射板11の中途部に、径方向に貫通した複数の貫通孔11aが形成される。複数の貫通孔11aは軸方向に並ぶ。各貫通孔11aは前記円弧の頂点付近、即ち第一反射板11の下端部に形成される。各貫通孔11aは上下方向に貫通する。貫通孔11aを設けることによって、反射体10の内面に付着した脂又は油を排出することができる。
軸方向における第一反射板11の両端部それぞれに、即ち第一反射板11の左端部及び右端部それぞれに第二反射板12a、12b、12c、12dが形成される。反射体10の左端部は、第一反射板11の左端部と、二つの第二反射板12a、12bを有する。反射体10の右端部は、第一反射板11の右端部と、二つの第二反射板12c、12dを有する。反射体10の左右方向中途部は第一反射板11の左右方向中途部を有し、第二反射板を有さない。
第一反射板11の左端部において、第一反射板11の前縁部及び後縁部それぞれから第二反射板12a、12bが斜め前上方向に突出する。第二反射板12a、12bは左右に長い矩形状をなす。第二反射板12a、12bの一方の長手縁部、即ち第二反射板12a、12bの下縁部が第一反射板11の左端部の前縁部及び後縁部に一体的に連なる。第二反射板12a、12bの他方の長手縁部は第二反射板12a、12bの上縁部を構成する。
第一反射板11の右端部において、第一反射板11の前縁部及び後縁部から第二反射板12c、12dが斜め前上方向に突出する。第二反射板12c、12dは左右に長い矩形状をなす。第二反射板12c、12dの一方の長手縁部、即ち第二反射板12c、12dの下縁部が第一反射板11の右端部の前縁部及び後縁部に一体的に連なる。第二反射板12c、12dの他方の長手縁部は第二反射板12c、12dの上縁部を構成する。
左右の二つの第二反射板12a、12cの間、及び、左右の二つの第二反射板12b、12dの間には、それぞれ空間が設けられている。換言すれば、第一反射板11の左右方向中途部の前縁部と、左側の第二反射板12aの右縁部と、右側の第二反射板12cの左縁部とによって、正面視又は背面視にて、切欠状の空間15aが形成される。また第一反射板11の左右方向中途部の後縁部と、左側の第二反射板12bの右縁部と、右側の第二反射板12dの左縁部とによって、正面視又は背面視にて、切欠状の空間15bが形成される。
第一反射板11の前縁部及び後縁部それぞれから斜め後下方向に補強板14a、14bが突出する。補強板14a、14bは帯状をなし、左右に延びる。補強板14a、14bの一方の長手縁部、即ち補強板14a、14bの上縁部は第一反射板11の前縁部及び後縁部に一体的に連なる。補強板14a、14bの他方の長手縁部は補強板14a、14bの下縁部を構成する。
図9は、加熱調理器1の略示右側面断面斜視図である。図4及び図9に示すように、上下方向において、反射体10は第1リブ71a、72aよりも下側に配置される。即ち、切欠状の空間15a、15bは第1リブ71a、72aよりも下側に配置される。熱源9の少なくとも一部、例えば熱源9の上半分は、前後方向において、空間15a及び第1ガイド71の内側空間を介して第2リブ71bに直接的に対向し、空間15b及び第2ガイド72の内側空間を介して第2リブ72bに直接的に対向する。
水トレイ5は、上面全体が開口し、左右に延びる直方体状をなす。水トレイ5の側面断面形状は、挿脱口1aに倣った略台形状をなす。水トレイ5は底面部5a、前面部5b、後面部5c、左面部5d及び右面部(図示略)を備える。前面部5bは前側に向かうに従って上昇するように傾斜する。後面部5cは後側に向かうに従って上昇するように傾斜する。水トレイ5の右面部及び左面部5dにおける上縁の前後方向中央部は反射体10との干渉を避けるために、窪んでいる(図4、図9参照)。水トレイ5は熱反射可能な部材、例えばアルミニウム部材又は表面に熱反射層が形成された鉄部材によって構成される。
図4に示すように、上下方向において、第1リブ71a、72aは底面部5aに対向し、第2リブ71bは前面部5bに対向し、第2リブ72bは後面部5cに対向する。換言すれば、平面視における水トレイ5の領域内に第1リブ71a、72a及び第2リブ71b、72bは配置される。上下方向にて、各第1貫通孔70b及び各第2貫通孔70cと、水トレイ5の上面開口との間には物体がない。即ち、第1貫通孔70b及び第2貫通孔70cから落下した液体は、落下を阻止されることなく、水トレイ5の内側に到達する。
第1リブ71a、72aを伝う液体は尖端部711、721に集められ、尖端部711、721から水トレイ5の底面部5aに向けて落下する。第2リブ71b、72bを伝う液体は尖端部712、722に集められ、尖端部712、722から水トレイ5の前面部5b及び後面部5cに向けて落下する。食品から出た液体は水トレイ5の外側に漏れにくく、筐体2内を清潔に保ちやすい。焼き板70及び水トレイ5は取り外すことができるので、ユーザは液体が付着した焼き板70及び水トレイ5を容易に洗浄することができ、加熱調理器1を清潔な状態で棚又は倉庫などに収納することができる。
図10は、熱源9から輻射された熱の移動を説明する部分拡大右側面断面斜視説明図である。ヒータ9bから第1リブ72aに向けて輻射された熱は第1リブ72aを伝導し、焼き板70に至る(矢印31a、31b参照)。第1リブ71aに向けて輻射された熱も同様に第1リブ71aに到達し、焼き板70に至る。なお第1リブ71a、72aは熱源9の目隠しとしても機能し、第1貫通孔70b又は第2貫通孔70cからの光漏れが防止され、外観品位の低下が抑制される。
ヒータ9bから第2リブ72bに向けて輻射された熱は第2リブ72bを伝導し、焼き板70に至る(矢印32a、32b参照)。第1リブ72aの上下寸法は第2リブ72bの上下寸法よりも短く、また反射体10に空間15bが設けられるので、ヒータ9bから第2リブ72bまで直接的に熱が輻射される。第2リブ71bに向けて輻射された熱も同様に、空間15a及び第1リブ71aの下側を通って、第2リブ71bに到達し、焼き板70に至る。
第2リブ71b、72bは第1リブ71a、72aよりも上下寸法が長く、第2リブ71b、72bの下縁部は第1リブ71a、72aの下縁部よりも下側に位置する。第2リブ71b、72bは、第1リブ71a、72aよりも熱源9から離れた位置に設けられている。そのため、焼き板70における熱源9から離れた部分にも熱が伝わりやすく、焼き板70全体が加熱されやすくなり、焼き板70における熱ムラの発生が抑制される。
ヒータ9bから反射体10、即ち第一反射板11又は第二反射板12a~12dに向けて輻射された熱は第一反射板11又は第二反射板12a~12dにて隆起部70aに向けて反射し、隆起部70aに至る(矢印33a、33b参照)。反射体10によって水トレイ5に向かう放射熱が削減され、水トレイ5の温度上昇を抑制することができる。隆起部70aには対流による熱に加えて、反射体10にて反射された熱が供給される。隆起部70aは、焼き板70の他の部分よりも厚肉に形成される。そのため、他の部分よりも熱容量が大きく、隆起部70aのみが過剰に加熱されることが抑制される。
ヒータ9bから水トレイ5の後面部5cに向けて輻射された熱は、後面部5cにて反射し、焼き板70に至る(矢印34a、34b参照)。第1リブ72aの上下寸法は第2リブ72bの上下寸法よりも短く、また反射体10に空間15bが設けられるので、ヒータ9bから後面部5cまで直接的に熱が輻射される。前面部5bに向けて輻射された熱も同様に、空間15a及び第1リブ71aの下側を通って、前面部5bにて反射し、焼き板70に至る。ヒータ9bから斜め下向きに輻射された熱を調理に使用することができ、効率的な熱の使用を実現できる。また前面部5b及び後面部5cが熱を反射するので、熱反射のために第2リブ71b、72bを下方に延ばす必要がなくなる。第2リブ71b、72bを下方に延ばした場合、第2リブ71b、72bに付着した油が残留しやすくなり、煙の発生を招きやすくなる。
反射体10に空間15a、15bを設けずに、第一反射板11を大きくして、ヒータ9bから斜め下前方向又は斜め下後方向に輻射された熱を第一反射板11にて反射させることも考えられる。しかし、第一反射板11を大きくすると、油が第一反射板11に付着しやすくなり、また隆起部70aに熱が過剰に集中し、焼き板70に熱ムラが発生しやすくなる。ヒータ9bから斜め下前方向又は斜め下後方向に輻射された熱が水トレイ5の前面部5b及び後面部5cにて反射される構成にすることによって、このような問題が発生しなくなる。
図5及び図6に示すように、焼き板70の下面から二つの突部70dが突出する。二つの突部70dはそれぞれ、右後部及び左前部に配置される。二つの突部70dは、左右軸X及び焼き板70の左右方向中央を前後に延びる前後軸Yの交点(焼き板70の中心)に関して、点対称な位置に配される(図5参照)。焼き板70の四隅それぞれに下方に突出した脚70eが設けられる。
図4に示すように、伝熱板12及び熱スイッチ13が筐体2に収納される。伝熱板12は突部70dの下側に配置される。伝熱板12は付勢部材(図示略)によって上側に付勢され、突部70dに接触する。なお焼き板70を180度逆向きにして、筐体2に載せた場合でも、伝熱板12はいずれか一方の突部70dに接触する。熱スイッチ13は伝熱板12に固定される。熱スイッチ13は、例えばサーモスタットを有し、検出された温度、即ち焼き板70の温度に応じて開閉する。
図11は、交流電源40、ダイオード16、熱スイッチ13、強火スイッチ17、有効スイッチ18及びヒータ9bを示す回路図である。加熱調理器1は制御回路を備え、制御回路はダイオード16、熱スイッチ13、強火スイッチ17及び有効スイッチ18を有する。操作部3の操作に応じて強火スイッチ17及び有効スイッチ18は開閉する。図11に示すように、交流電源40、強火スイッチ17、ダイオード16及び熱スイッチ13は並列接続される。ヒータ9bは、強火スイッチ17、ダイオード16及び熱スイッチ13と交流電源40との間に直列接続される。有効スイッチ18、強火スイッチ17及びダイオード16は並列接続される。有効スイッチ18及び熱スイッチ13は直列接続される。
例えば、交流電源40の一端と、ダイオード16のアノードと、有効スイッチ18の一端と、強火スイッチ17の一端とが接続される。有効スイッチ18の他端と熱スイッチ13の一端とが接続される。強火スイッチ17の他端と、ダイオード16のカソードと、熱スイッチ13の他端と、ヒータ9bの一端とが接続される。ヒータ9bの他端と交流電源40の他端とが接続される。
ユーザが操作部3を操作し、「強火」を選択した場合、有効スイッチ18が開き、強火スイッチ17が閉じる。有効スイッチ18が開くので熱スイッチ13は機能しない。熱スイッチ13での検出温度に拘わらず、強火スイッチ17の閉によって、常に交流電圧の全波がヒータ9bの加熱に使用される。即ちユーザは強火で調理することができる。
ユーザが操作部3を操作し、「弱火」を選択した場合、有効スイッチ18及び強火スイッチ17が開く。有効スイッチ18が開くので熱スイッチ13は機能しない。熱スイッチ13での検出温度に拘わらず、ダイオード16によって、常に交流電圧の半波がヒータ9bの加熱に使用される。即ちユーザは弱火で調理することができる。
図12は、熱スイッチ13の開閉と、熱スイッチ13の検出温度との関係を説明するグラフである。図12の実線は、検出温度がT2未満の温度からT1よりも高い温度まで変化した場合におけるグラフを示し、一点鎖線は、検出温度がT1よりも高い温度からT2未満の温度まで変化した場合におけるグラフを示す。ユーザが操作部3を操作し、「減煙」を選択した場合、有効スイッチ18は閉じ、強火スイッチ17が開く。有効スイッチ18が閉じるので、熱スイッチ13は機能する。即ち、熱スイッチ13の開閉はヒータ9bの温度に影響を与える。
例えば、熱スイッチ13の検出温度が第1閾値T1以上である場合、又は、第1閾値T1以上の温度から第1閾値T1未満の温度になった後であって、第1閾値T1よりも低い第2閾値T2以上第1閾値T1未満である場合、熱スイッチ13は開く。即ち交流電圧の半波が使用される。
熱スイッチ13の検出温度が第2閾値T2未満である場合、又は、第2閾値未満の温度から第2閾値以上の温度になった後であって、第1閾値未満第2閾値以上の間である場合に、熱スイッチ13は閉じる。即ち交流電圧の全波が使用される。換言すれば、熱スイッチ13はヒステリシスを有し、第1閾値未満第2閾値以上の間の温度は不感帯を構成する。
図12の実線にて示すように、検出温度が第2閾値T2未満の温度から第1閾値T1に至るまでは、熱スイッチ13は閉じ、交流電圧の全波が使用される。即ち強火での調理が実行される。第1閾値T1以上となった場合、熱スイッチ13は開き、交流電圧の半波が使用される。即ち弱火での調理が実行される。
図12の一点鎖線にて示すように、検出温度が第1閾値T1以上の温度から第2閾値T2に至るまでは、熱スイッチ13は開き、交流電圧の半波が使用される。即ち弱火での調理が実行される。第2閾値T2未満となった場合、熱スイッチ13は閉じ、交流電圧の全波が使用される。即ち強火での調理が実行される。
上述のように、「減煙」が選択された場合、交流電圧の全波又は半波が使用され、ヒータ9bの加熱は遮断されることなく、継続されるので、第1貫通孔70b又は第2貫通孔70cを通して輻射熱が食材に継続的に与えられる。また焼き板70の温度は、煙が出にくく、ある程度食品を焼くことができる温度範囲に収まるように制御される。
ユーザが操作部3を操作し、「切」を選択した場合、交流電源40からの電力の供給が停止される。即ち加熱調理器1がオフになる。
実施の形態に係る加熱調理器1及びグリルプレート7にあっては、第1リブ71a、72a及び第2リブ71b、72bを伝って液体が排出され、液体の排出を促進させることができる。また熱源9からの熱が第1リブ71a、72aを超えて第2リブ71b、72bに到達しやすくなり、第2リブ71b、72bから焼き板70に伝導され、焼き板70全体に熱を伝えることができる。
また液体は尖端部711、721、712、722に集中し、71a、72a及び第2リブ71b、72bから落下しやすくなる。
また焼き板70における熱源に対向する部分、即ち熱源9に近い隆起部70aの温度上昇を抑制し、他の部分との温度差が過剰に大きくなることを抑制することができる。
また熱源9から水トレイ5に向かった熱が水トレイ5にて反射し、焼き板70に向かう。そのため、熱源9の熱を効率良く使用することができる。
また熱スイッチ13が閉じている場合、熱源9の加熱に交流電圧の全波が使用される。熱スイッチ13が開いている場合、熱源9の加熱に交流電圧の半波が使用される。検出温度に応じて、熱スイッチ13の開閉が制御される。そのため、煙が出にくく、ある程度食品を焼くことができる温度範囲に収まるように、焼き板70の温度を制御することができる。
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。各実施形態に記載した事項は相互に組み合わせることが可能である。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載してもよい。
1 加熱調理器
7 グリルプレート
70 焼き板
70a 隆起部(焼き板における熱源に対向する部分)
71a、72a 第1リブ
71b、72b 第2リブ
711、712、721、722 尖端部
5 水トレイ(水槽)
9 熱源
13 熱スイッチ
16 ダイオード
40 交流電源
7 グリルプレート
70 焼き板
70a 隆起部(焼き板における熱源に対向する部分)
71a、72a 第1リブ
71b、72b 第2リブ
711、712、721、722 尖端部
5 水トレイ(水槽)
9 熱源
13 熱スイッチ
16 ダイオード
40 交流電源
Claims (7)
- 熱源と、
前記熱源の上側に配置され、上下に貫通した貫通孔を有する焼き板と、
前記貫通孔の前記熱源側にて前記焼き板から下側に延びる第1リブと、
前記貫通孔の前記熱源の反対側にて前記焼き板から下側に延び、前記第1リブよりも長い第2リブと
を備える加熱調理器。 - 前記第1リブ又は前記第2リブの下端部に尖端部が形成される
請求項1に記載の加熱調理器。 - 前記焼き板における前記熱源に対向する部分は他の部分よりも厚肉に形成される
請求項1又は2に記載の加熱調理器。 - 前記焼き板の下側に配置され、前記熱源からの熱を反射する水槽を備える
請求項1又は2に記載の加熱調理器。 - 前記焼き板の温度に応じて開閉する熱スイッチと、
前記熱スイッチに並列接続されたダイオード及び交流電源と
を備え、
前記熱源は、前記ダイオード及び前記熱スイッチと前記交流電源との間に直列接続される
請求項1又は2に記載の加熱調理器。 - 前記貫通孔は、第1貫通孔と、第2貫通孔とを含み、
前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔の間に前記熱源が配置され、
前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔それぞれの前記熱源側に前記第1リブが配置され、
前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔それぞれの前記熱源の反対側に前記第2リブが配置される
請求項1又は2に記載の加熱調理器。 - 熱源の上側に配置され、上下に貫通した貫通孔を有する焼き板と、
前記貫通孔の前記熱源側にて前記焼き板から下側に延びる第1リブと、
前記貫通孔の前記熱源の反対側にて前記焼き板から下側に延び、前記第1リブよりも長い第2リブと
を備えるグリルプレート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022145446A JP2024040831A (ja) | 2022-09-13 | 2022-09-13 | 加熱調理器及びグリルプレート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022145446A JP2024040831A (ja) | 2022-09-13 | 2022-09-13 | 加熱調理器及びグリルプレート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2024040831A true JP2024040831A (ja) | 2024-03-26 |
Family
ID=90368979
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2022145446A Pending JP2024040831A (ja) | 2022-09-13 | 2022-09-13 | 加熱調理器及びグリルプレート |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2024040831A (ja) |
-
2022
- 2022-09-13 JP JP2022145446A patent/JP2024040831A/ja active Pending
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