JP2024039152A - 光照射装置および露光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の光源を用いて生成されたレーザー光ビームを単一ビームに合成して出射する光照射装置において、光路長の増大を招くことなく、複数のレーザー光源から出射される光の散逸を抑制する。【解決手段】本発明に係る光照射装置において、照明光学系は、ビームエキスパンダーをなす位置関係に配置された第1および第2のレンズを含む入射角変換部と、入射角変換部の光軸に垂直かつ平面に沿う方向に配列された複数のレンズを有し、入射角変換部から出射された光を複数のレンズにより分割する分割レンズ部と、光軸に垂直な方向に配列されるとともに互いに異なる光路長を有する複数の透光部を有し、複数のレンズを通過した光を複数の透光部にそれぞれ入射させる光路長差生成部と、複数の透光部から出射された光の照射領域を、被照射面上で重ねる集光レンズ部とを有する。【選択図】図6

Description

この発明は、例えば半導体基板、半導体パッケージ基板、プリント配線基板、ガラス基板等の基板にパターンを描画するために基板を露光する技術に関する。
半導体基板、プリント配線基板、半導体パッケージ基板、ガラス基板等の各種基板に配線パターン等のパターンを形成する技術として、基板表面に形成された感光層に、露光データに応じて変調された光ビームを入射し、感光層を露光させるものがある。例えば特許文献1には、扁平形状のビームスポットを有するレーザー光ビーム(ラインビーム)を光変調器により変調して基板に入射させることで基板に描画を行う描画装置およびその光源として用いられる光照射装置が開示されている。この技術では、均一な強度分布を有する高強度のラインビームを発生させるために、複数のレーザー光源(レーザーダイオード)から出射されるレーザー光が合成されて単一のラインビームが生成される。
具体的には、出射光の方向が同一平面内に含まれるように配置された複数のレーザー光源から該平面状の1点に向けて出射される光の光路上に、分割レンズ、光路長差生成部、集光レンズ等が順番に配置されている。これらの光学系の作用により、上記平面と平行な方向を長手方向とする一方、これと垂直な方向においては広がりが絞り込まれたラインビームが生成される。光路長差生成部は、コヒーレント光であるレーザー光が合成される際に生じる干渉を抑制するために設けられる。
特許第6383166号公報
例えばさらなる光強度の増大を図るに際しては、レーザー光源の配設数を増加することが考えられる。このような場合、分割レンズに対し大きな入射角で入射する光の成分が多くなる。そうすると、分割レンズから出て光路長差生成部に入射する光も種々の角度成分を持つことになる。このように大きい角度で分割レンズおよび光路長生成部に入射した光は、これらの光学素子の側面から射出されてしまうことがある。このような光の散逸により、最終的なラインビームにおける強度を十分に高めることができず、またその均一性も損なわれるという問題が生じる。
この問題を回避するためには、分割レンズに対して入射する光の拡がり角を小さく抑える必要がある。例えば光源と分割レンズとの距離を大きくすることが考えられる。しかしながら、そのようにした場合、光路の全長が長くなり、装置が大型化してしまうという問題がある。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、複数の光源を用いて生成されたレーザー光ビームを単一ビームに合成して出射する光照射装置およびこれを用いた露光装置において、光路長の増大を招くことなく、複数のレーザー光源から出射される光の散逸を抑制することのできる技術を提供することを目的とする。
この発明に係る光照射装置は、出射光の中心線が互いに同一の平面に含まれかつ前記平面内の一点で交わるように配置された複数のレーザー光源と、前記複数のレーザー光源から出射されるレーザー光を合成して単一のレーザー光ビームを生成し被照射面に照射する照明光学系とを備えている。そして、前記照明光学系は、前記複数のレーザー光源のそれぞれから出射された光が入射する位置に配置された第1のレンズ、および、前記第1のレンズとビームエキスパンダーをなす位置関係に配置された第2のレンズを含む入射角変換部と、前記入射角変換部の光軸に垂直かつ前記平面に沿う方向に配列された複数のレンズを有し、前記入射角変換部から出射された光を前記複数のレンズにより分割する分割レンズ部と、前記光軸に垂直な方向に配列されるとともに互いに異なる光路長を有する複数の透光部を有し、前記複数のレンズを通過した光を前記複数の透光部にそれぞれ入射させる光路長差生成部と、前記複数の透光部から出射された光の照射領域を、前記被照射面上で重ねる集光レンズ部とを有している。
このように構成された発明では、単一平面内の種々の方向から平面内の1点に向けて光を出射する複数のレーザー光源と、分割レンズ部との間に入射角変換部が設けられている。入射角変換部では、第1のレンズと第2のレンズとがビームエキスパンダーをなす位置関係に配置されている。一般にビームエキスパンダーは、その光軸に沿ってコリメート光を入射させ、コリメート光のビーム径を拡大または縮小する目的に使用される。一方、本発明の入射角変換部には、種々の方向からレーザー光が入射するため、光軸に対し傾きを有する方向からも光が入射する。
詳しくは後述するが、このような構成とすることで、分割レンズに入射する光の拡がり角を、入射角変換部を設けない場合に比べて小さくすることができる。すなわち、入射角変換部は、各レーザー光源から出射された光が分割レンズに入射する際の入射角を小さくする作用を有する。このように、入射角変換部は、レーザー光源と分割レンズとの距離を広げるのと同等の効果を、実際の距離を広げることなく実現することができる。
したがって、分割レンズに入射する光の入射角を小さくすることで得られる、分割レンズおよび光路長差生成部からの光の散逸抑制効果を、光路長を増大させることなく実現することが可能である。
また、入射角変換部はビームエキスパンダーとしての作用も有しているから、各レーザー光源から出射される光ビームから、分割レンズのサイズに応じたスポットサイズを有する光ビームを生成し、分割レンズに入射させることができる。そのため、分割レンズを構成する複数のレンズに対し均一に光を入射させることが可能である。
上記のように、本発明によれば、複数のレーザー光源から分割レンズに至る光路上に、2つのレンズを組み合わせた入射角変換部を設けたことにより、分割レンズに大きな入射角で光が入射することに起因する光の散逸を、光路長を増大させることなく防ぐことができる。
本発明にかかる露光装置の概略構成を模式的に示す正面図である。 図1の露光装置が備える電気的構成の一例を示すブロック図である。 光照射部の概略構成を示す図である。 露光ヘッドが備える詳細構成の一例を模式的に示す図である。 レーザー出射部の概略構成を示す図である。 照明光学系の全体構成および光ビームの光路を示す光線図である。 入射角変換部のより詳細な構成およびその作用を示す図である。 分割レンズおよび光路長差生成部を通過する光を示す光線図である。 入射角変換部への入射光と分割レンズへの入射光との関係を示す図である。
図1は本発明にかかる露光装置の概略構成を模式的に示す正面図であり、図2は図1の露光装置が備える電気的構成の一例を示すブロック図である。図1および以下の図では、水平方向であるX方向、X方向に直交する水平方向であるY方向、鉛直方向であるZ方向およびZ方向に平行な回転軸を中心とする回転方向θを適宜示す。
露光装置1は、レジストなどの感光材料の層が形成された基板S(露光対象基板)に所定のパターンのレーザー光を照射することで、感光材料にパターンを描画する。基板Sとしては、例えば半導体パッケージ基板、プリント配線基板、各種表示装置用のガラス基板、半導体基板などの各種基板を適用可能である。
露光装置1は本体11を備え、本体11は、本体フレーム111と、本体フレーム111に取り付けられたカバーパネル(図示省略)とで構成される。そして、本体11の内部と外部とのそれぞれに、露光装置1の各種の構成要素が配置されている。
露光装置1の本体11の内部は、処理領域112と受け渡し領域113とに区分されている。処理領域112には、主として、ステージ2、ステージ駆動機構3、露光ユニット4およびアライメントユニット5が配置される。また、本体11の外部には、アライメントユニット5に照明光を供給する照明ユニット6が配置されている。受け渡し領域113には、処理領域112に対して基板Sの搬出入を行う搬送ロボット等の搬送装置7が配置される。さらに、本体11の内部には制御部9が配置されており、制御部9は、露光装置1の各部と電気的に接続されて、これら各部の動作を制御する。
本体11の内部の受け渡し領域113に配置された搬送装置7は、図示しない外部の搬送装置または基板保管装置から未処理の基板Sを受け取って処理領域112に搬入(ローディング)するとともに、処理領域112から処理済みの基板Sを搬出(アンローディング)し外部へ払い出す。未処理基板Sのローディングおよび処理済基板Sのアンローディングは制御部9からの指示に応じて搬送装置7により実行される。
ステージ2は、平板状の外形を有し、その上面に載置された基板Sを水平姿勢に保持する。ステージ2の上面には、複数の吸引孔(図示省略)が形成されており、この吸引孔に負圧(吸引圧)を付与することによって、ステージ2上に載置された基板Sをステージ2の上面に固定する。このステージ2はステージ駆動機構3により駆動される。
ステージ駆動機構3は、ステージ2をY方向(主走査方向)、X方向(副走査方向)、Z方向および回転方向θ(ヨー方向)に移動させるX-Y-Z-θ駆動機構である。ステージ駆動機構3は、Y方向に延設された単軸ロボットであるY軸ロボット31と、Y軸ロボット31によってY方向に駆動されるテーブル32と、テーブル32の上面においてX方向に延設された単軸ロボットであるX軸ロボット33と、X軸ロボット33によってX方向に駆動されるテーブル34と、テーブル34の上面に支持されたステージ2をテーブル34に対して回転方向θに駆動するθ軸ロボット35とを有する。
したがって、ステージ駆動機構3は、Y軸ロボット31が有するY軸サーボモーターによってステージ2をY方向に駆動し、X軸ロボット33が有するX軸サーボモーターによってステージ2をX方向に駆動し、θ軸ロボット35が有するθ軸サーボモーターによってステージ2を回転方向θに駆動することができる。これらのサーボモーターについては図示を省略する。また、ステージ駆動機構3は、図1では図示を省略するZ軸ロボット37によってステージ2をZ方向に駆動することができる。かかるステージ駆動機構3は、制御部9からの指令に応じて、Y軸ロボット31、X軸ロボット33、θ軸ロボット35およびZ軸ロボット37を動作させることで、ステージ2に載置された基板Sを移動させる。
露光ユニット4は、ステージ2上の基板Sより上方に配置された露光ヘッド41と、光源駆動部42、レーザー出射部43および照明光学系44を含み露光ヘッド41に対してレーザー光を照射する光照射部40とを有する。露光ユニット4は、X方向に位置を異ならせて複数設けられてもよい。
光源駆動部42の作動によりレーザー出射部43から射出されたレーザー光が、照明光学系44を介して露光ヘッド41へと照射される。露光ヘッド41は、光照射部から照射されたレーザー光を空間光変調器(以下、単に「光変調器」ということがある)410によって変調して、その直下を移動する基板Sに対して落射する。こうして基板Sをレーザー光ビームによって露光することで、パターンが基板Sに描画される(露光動作)。
アライメントユニット5は、ステージ2上の基板Sより上方に配置されたアライメントカメラ51を有する。このアライメントカメラ51は、鏡筒、対物レンズおよびCCDイメージセンサを有し、その直下を移動する基板Sの上面に設けられたアライメントマークを撮像する。アライメントカメラ51が備えるCCDイメージセンサは、例えばエリアイメージセンサ(二次元イメージセンサ)により構成される。
照明ユニット6は、アライメントカメラ51の鏡筒と光ファイバー61を介して接続され、アライメントカメラ51に対して照明光を供給する。照明ユニット6から延びる光ファイバー61によって導かれる照明光は、アライメントカメラ51の鏡筒を介して基板Sの上面に導かれ、基板Sでの反射光が、対物レンズを介してCCDイメージセンサに入射する。これによって、基板Sの上面が撮像されて撮像画像が取得されることになる。アライメントカメラ51は制御部9と電気的に接続されており、制御部9からの指示に応じて撮像画像を取得して、この撮像画像を制御部9に送信する。
制御部9は、アライメントカメラ51により撮像された撮像画像が示すアライメントマークの位置を取得する。また制御部9は、アライメントマークの位置に基づき露光ユニット4を制御することで、露光動作において露光ヘッド41から基板Sに照射するレーザー光のパターンを調整する。そして、制御部9は、描画すべきパターンに応じて変調されたレーザー光を露光ヘッド41から基板Sに照射させることで、基板Sにパターンを描画する。
制御部9は、上記した各ユニットの動作を制御することで各種の処理を実現する。この目的のために、制御部9は、CPU(Central Processing Unit)91、メモリー(RAM)92、ストレージ93、入力部94、表示部95およびインターフェース部96などを備えている。CPU91は、予めストレージ93に記憶されている制御プログラム931を読み出して実行し、後述する各種の動作を実行する。メモリー92はCPU91による演算処理に用いられ、あるいは演算処理の結果として生成されるデータを短期的に記憶する。ストレージ93は各種のデータや制御プログラムを長期的に記憶する。具体的には、ストレージ93は、フラッシュメモリー記憶装置、ハードディスクドライブ装置などの不揮発性記憶装置であり、CPU91が実行する制御プログラム931の他に例えば、描画すべきパターンの内容を表す設計データであるCAD(Computer Aided Design)データ932を記憶している。
入力部94は、ユーザーからの操作入力を受け付け、この目的のために、キーボード、マウス、タッチパネル等の適宜の入力デバイス(図示省略)を有している。表示部95は、各種の情報を表示出力することでユーザーに報知し、この目的のために適宜の表示デバイス、例えば液晶表示パネルを有している。インターフェース部96は外部装置との間の通信を司る。例えば、この露光装置1が制御プログラム931およびCADデータ932を外部から受け取る際に、インターフェース部96が機能する。この目的のために、インターフェース部96は、外部記録媒体からデータを読み出すための機能を備えていてもよい。
CPU91は、制御プログラム931を実行することにより、露光データ生成部911、露光制御部912、フォーカス制御部913、ステージ制御部914などの機能ブロックをソフトウェア的に実現する。なお、これらの機能ブロックのそれぞれは、少なくとも一部が専用ハードウェアにより実現されてもよい。
露光データ生成部911は、ストレージ93から読み出されたCADデータ932に基づき、光ビームをパターンに応じて変調するための露光データを生成する。基板Sに歪み等の変形がある場合には、露光データ生成部911は、基板Sの歪み量に応じて露光データを修正することで、基板Sの形状に合わせた描画が可能となる。露光データは露光ヘッド41に送られ、該露光データに応じて露光ヘッド41が、光照射部40から出射されるレーザー光を変調する。こうしてパターンに応じて変調された変調光ビームが基板Sに照射され、基板S表面が部分的に露光されてパターンが描画される。
露光制御部912は、光照射部40を制御して、所定のパワーおよびスポットサイズを有するレーザー光ビームを出射させる。フォーカス制御部913は、露光ヘッド41に設けられた投影光学系(後述)を制御してレーザー光ビームを基板Sの表面に収束させる。
ステージ制御部914はステージ駆動機構3を制御して、アライメント調整のためのステージ2の移動および露光時の走査移動のためのステージ2の移動を実現する。アライメント調整においては、ステージ2に載置された基板Sと露光ヘッド41との間における露光開始時の相対的な位置関係が予め定められた関係となるように、ステージ2の位置がX方向、Y方向、Z方向およびθ方向に調整される。一方、走査移動においては、ステージ2を一定速度でY方向に移動させることで基板Sを露光ヘッド41の下方を通過させる主走査移動と、一定ピッチでのX方向へのステップ送り(副走査移動)とが組み合わせられる。
図3は光照射部の概略構成を示す図である。光照射部40は、上記したレーザー出射部43および空間光変調器410の他の主要な構成として、入射角変換部441、分割レンズ442、光路調整差生成部443、集光レンズ444および投影光学系414などの光学素子を備えている。入射角変換部441、分割レンズ442、光路調整差生成部443および集光レンズ444は一体として照明光学系44を構成している。
レーザー出射部43から出射されるレーザー光ビームは入射角変換部441を介して分割レンズ部442に入射し、さらに光路長差生成部443に入射する。後述するように、光路長差生成部443から出射される光は、水平方向(X方向)を長軸方向とする扁平なスポット形状を有する光ビームとなっている。光ビームは集光レンズ444によりさらに短軸方向に絞り込まれてライン光ビームとなり、露光ヘッド41の空間光変調器410に入射する。空間光変調器410から出射される光は露光データにより変調された光ビームであり、これが投影光学系411を介してステージ2上の基板Sに照射される。
照明光学系44の詳細構造については後に説明することとし、ここではまず光照射部40のうち露光ヘッド41の構造について説明する。
図4は露光ヘッドが備える詳細構成の一例を模式的に示す図である。図4に示すように、露光ヘッド41では、回折光学素子411を有する空間光変調器410が設けられている。具体的には、露光ヘッド41に上下方向(Z方向)に延設された支柱400の上部に取り付けられた空間光変調器410は、回折光学素子411の反射面を下方に向けた状態で、可動ステージ412を介して支柱400に支持されている。
露光ヘッド41において、回折光学素子411は、その反射面の法線が入射光ビームLの進行方向に対して傾斜して配置されており、照明光学系53から射出された光は、支柱400の開口を通してミラー413に入射し、ミラー413によって反射された後に回折光学素子411に照射される。そして、回折光学素子411の各チャンネルの状態が露光データに応じて制御部9によって切り換えられて、回折光学素子411に入射したレーザー光ビームLが変調される。
そして、回折光学素子411から0次回折光として反射されたレーザー光が投影光学系414のレンズへ入射する一方、回折光学素子411から1次以上の回折光として反射されたレーザー光は投影光学系414のレンズへ入射しない。つまり、基本的には回折光学素子411で反射された0次回折光のみが投影光学系414へ入射するように構成されている。0次回折光が(-Z)方向へ出射されるように、回折光学素子411は配置されている。回折光学素子411としては、例えばシリコン・ライト・マシーンズ社のGLV(Grating Light Valve;「GLV」は同社の登録商標)素子を好適に適用可能である。
投影光学系414のレンズを通過した光は、フォーカシングレンズ415により収束され、(-Z)方向を進行方向とする、つまり下向きの露光ビームとして所定の倍率にて基板S上へ導かれる。投影光学系414は縮小光学系を構成している。このフォーカシングレンズ415はフォーカス駆動機構416に取り付けられている。そして、制御部9のフォーカス制御部913からの制御指令に応じてフォーカス駆動機構416がフォーカシングレンズ415を鉛直方向(Z軸方向)に沿って昇降させることで、フォーカシングレンズ415から射出された露光ビームの収束位置が基板Sの上面に調整される。
図4に一点鎖線で示されるレーザー光ビームLの光路に沿って示すように、光照射部40から露光ヘッド41へ案内されるレーザー光ビームLは、X方向を長軸方向、Z方向を短軸方向としてX方向に均一に細長く延びるビームスポット形状を有している。一方、光変調器410により変調された後の変調レーザー光ビームLmは、X方向を長軸方向、Y方向を短軸方向としており、しかも、X方向の各位置における強度が露光データに応じて変調されている。さらに、投影光学系414から基板Sに向けて出射される露光ビームLeは、変調されたレーザー光ビームLmをX方向およびY方向に縮小したものとなっている。このようにスポットサイズが絞り込まれた露光ビームLeを基板Sの被露光面に入射させることで、基板Sの表面に微細なパターンを描画することができる。
露光データに応じて変調された露光ビームLeを基板Sに入射させながら、露光ヘッド41と基板SとをY方向に相対移動させることで、基板Sのうち、露光ビームLeのX方向におけるスポットサイズと同等の幅を有しY方向に延びる帯状の領域を露光することができる。X方向における露光ヘッド41と基板Sとの相対位置を順次変更しながら露光を繰り返し行うことで、最終的には基板Sの全体を露光することができる。
このように、露光ヘッド41と基板Sとの間で、Y方向への走査移動とX方向への走査移動とを組み合わせることで、基板Sの全体に描画を行うことができる。本明細書では、Y方向への走査移動を「主走査移動」と称し、Y方向を「主走査方向」と称する。一方、X方向への走査移動を「副走査移動」と称し、X方向を「副走査方向」と称する。この実施形態では、固定された露光ヘッド41に対し基板Sを支持するステージ2が移動することで、これらの走査移動が実現される。
上記のような構成を有する露光ユニット4については、X方向に位置を異ならせて複数設けることが可能である。この実施形態では、互いに同一の構成を有する露光ユニット4が5組設けられており、これらが並列的に露光ビームLeを出射し描画を行うことで、描画処理のスループット向上が図られている。なお、これらの露光ユニット4は互いに独立して動作し得るが、構造上、基板Sに対する走査移動については画一的である。
次に、光照射部40のうちレーザー出射部43および照明光学系44の構造について説明する。
図5はレーザー出射部の概略構成を示す図である。レーザー出射部43の構成としては、例えば図5(a)および図5(b)に示すようにいくつかの態様が考えられる。図5(a)に示す構成例では、レーザー出射部43aは、複数の光源ユニット430aを備えている。ここでは7組の光源ユニット430aが用いられているが、光源ユニットの配設数はこれに限定されず任意である。
各光源ユニット430aは、レーザー光を出射するレーザー光源431と、コリメーターレンズ432と、集光レンズ433とを有している。レーザー光源431は所定波長のレーザー光を出力する、例えばレーザーダイオードである。コリメーターレンズ432はレーザー光源431から出射されるレーザー光をコリメート光に変換する。集光レンズ433は、コリメート化されたレーザー光を集光し収束光ビームとして出射する。
図に一点鎖線で示すように、各光源ユニット430aは、それぞれの出力光ビームが一点で交わるように配置されている。具体的には、各光源ユニット430aは、一点鎖線で示される出射光の中心線が互いに同一のXY平面に沿って進むように、かつ、それらが当該XY平面内の一点Paで交わるように配置されている。
一方、図5(b)に示す構成例のレーザー出射部43bでは、上記構成例と同様のレーザー光源431、コリメーターレンズ432および集光レンズ433を有する光源ユニット430bが設けられている。各レーザー光源431は互いに同一のXY平面内で互いに同一の方向(この例ではY方向)にレーザー光を出射する。すなわち、各レーザー光源431から出射されるレーザー光は互いに平行である。
それぞれの光路上にはウェッジプリズム434(4341~4347)が設けられている。各ウェッジプリズム4341~4347の(+Y)側端面については、それぞれの出射光がXY平面上の一点Pbで交わるように、XZ平面に対する傾きが設定されている。各レーザー光源431から出射されたレーザー光で平行からずれた誤差分については、集光レンズ433とウェッジプリズム434とをY方向に移動させる調整を行うことで、XY平面上の一点Pbに対するずれを解消することができる。
レーザー出射部43としては、上記した2つの構成例43a,43bのいずれをも好適に適用可能である。このため、以下の説明では、特にこれらを区別せず「レーザー出射部43」として記述する。また図において例示される構成が上記構成例43a,43bのいずれかに対応するものであっても、他方の構成例を問題なく適用することが可能である。
なお、部品製造上の観点からは、レーザー光源431が一列かつ直線状に配列される、図5(b)の構成が有利である。特にレーザー光源431の配設数が多い場合、各レーザー光源431を適切な角度で配置する必要がある図5(a)の構成では調整作業が煩雑になる可能性がある。また、光源を冷却するために水冷機構を設ける場合にも、レーザー光源431が直線状に配列された構造が有利である。また、XY平面内における各レーザー光源431の配置については、照明光学系44の光軸に対し対称であることが望ましい。
図6は照明光学系の全体構成および光ビームの光路を示す光線図である。より具体的には、図6は、XY平面およびYZ平面それぞれにおける照明光学系44の構成を示す。なお、図6および以下の図において光線図を示すとき、図面を見やすくするために、一部の光線の記載を省略している。具体的には、例えば図6では、7組のレーザー光源431から出射される光のうち中央の1つおよび両端の2つからの出射光のみを示している。
照明光学系44は、前記した主要な構成、すなわち入射角変換部441、分割レンズ442、光路長差生成部443および集光レンズ444の他に、Z方向コリメーターレンズ445、Z方向拡散レンズ446、Z方向集光レンズ447等を備えている。これらの光学素子は互いに光軸が一致するように配置される。図6では、光軸が一点鎖線により表されている。
レーザー出射部43から出射される複数のレーザー光ビームは、その交点付近に設けられた入射角変換部441に入射する。具体的には、交点よりも手前側、すなわちレーザー出射部43に近い側にはコリメーターレンズ445が設けられ、該レンズ445を通過した光ビームが入射角変換部441に入射する。コリメーターレンズ445は例えば、X方向にパワーを有さずZ方向にパワーを有するシリンドリカルレンズである。したがって、Z方向において、レーザー光ビームはコリメート化される。
入射角変換部441では、レーザー光ビームの交点よりも手前側であって、かつ、各レーザー光源430から出射されるレーザー光ビームをいずれも入射することができる位置に、凹レンズ4411が配置されている。凹レンズ4411はX方向にパワーを有しZ方向にパワーを有さない。また、レーザー光ビームの光路において凹レンズ4411の後方に、凸レンズ4412が配置されている。次に説明するように、凸レンズ4412は、凹レンズ4411に対し、凹レンズ4411との間でビームエキスパンダーをなす位置に配置されている。
図7は入射角変換部のより詳細な構成およびその作用を示す図である。本実施形態の入射角変換部441は、図7(a)に示す構成を有している。凹レンズ4411の焦点距離をf1、凸レンズ4412の焦点距離をf2で表すとき、両レンズは、図7(a)に示す位置関係とされる。すなわち、凸レンズ4412は、その前側焦点位置が凹レンズ4411の焦点位置と一致するように配置される。
このようなレンズの組み合わせは、いわゆるガリレイ型ビームエキスパンダーと呼ばれる構成に相当するものである。ビームエキスパンダーは一般に、光軸に沿って入射するコリメート光のビーム径の拡大(または縮小)のために使用される。一方、この実施形態では、図7(a)の光線図に示すように、レーザー照射部43から凹レンズ4411に対して複数の方向から光が入射し、その入射方向は必ずしも光軸に沿ったものではない。
このような条件では、比較的大きな拡がり角をもって凹レンズ4411に入射した光が、凹レンズ4411によっていったん拡散した後に凸レンズ4412により集光されることにより、出射光の拡がり角が入射光よりも小さくなる。こうして拡がり角が抑えられた光が分割レンズ442に入射する。つまり、入射角変換部441は、分割レンズ442から見たときの入射光の拡がりの大きさを小さく、定量的には分割レンズ442に対する入射光の最大入射角を小さくする作用を有している。
図6に戻って照明光学系44の説明を続ける。分割レンズ442および光路長差生成部443の構成は特許文献1に記載のものと同じである。すなわち、分割レンズ(フライアイレンズ)442は、光軸に垂直かつX方向に配列された複数のレンズ4421を有し、入射角変換部441から出射された光を複数のレンズ4421により分割する。一方、光路長差生成部443は、光軸に垂直な方向に配列されるとともに互いに異なる光路長を有する複数の透光部を有し、分割レンズ442を通過した光を複数の透光部にそれぞれ入射させる。これらの構造および作用については特許文献1(特許第6383166号公報)に詳しく記載されているため、ここでは説明を省略する。要するに、これらは一体として、入射ビーム光をX方向に一定ピッチで並ぶ複数のビームに分割し、かつそれらの光路長を調整する機能を有する。
図8は分割レンズおよび光路長差生成部を通過する光を示す光線図である。図8(a)に示す例では、分割レンズ442の(-Y)側端面から入射した光が分割レンズ442の(+Y)側端面および光路長差生成部442の(+Y)側端面から射出される。一方、図8(b)に示す例では、光路長差生成部442に入射した光の一部がその側面から射出され、(+Y)側端面まで到達せずに散逸している。分割レンズ442に入射する光の最大入射角が大きい場合に、このような光の散逸が生じる。こうして生じる光の散逸は、全体としての光強度を低下させるとともに、X方向における光強度の均一性を低下させる。
光強度を大きくするためにレーザー光源431の個数を多くする場合、それらをX方向に並べて配置するという構造上、端部に配置されたレーザー光源431から分割レンズ442への光の入射角が大きくなってしまうことが避けられない。すなわち、分割レンズ442に対する入射光の拡がり角が大きくなる。
レーザー出射部43と分割レンズ442との間に入射角変換部441を設けることで、分割レンズ442に対する入射光の拡がり角を小さく抑え平行光に近づけることが可能となる。その結果、上記した入射光の拡がりに起因する光の散逸を抑制することができる。一例として、入射角変換部441には光軸に対して最大約9度の傾きを有する光が入射する場合において、f1=-11mの凹レンズ4411、f2=100mmの凸レンズ4412を使用すると、入射角変換部441から分割レンズ443に対して最大約1度の傾きを有する光を入射させることができる。
また、入射角変換部441は、複数のレーザー光源431からの光を全体として平行光に近い光に変換する作用に加えて、これらの光が全体としてなす光ビームのX方向スポットサイズを分割レンズ442のサイズに適合したものに合わせ込む作用を有する。すなわち、分割レンズ442を構成する複数のレンズ4421のそれぞれに光が均等に入射するようにする作用を、入射角変換部441は有している。これは、入射光ビームのスポットサイズを適宜に拡大または縮小することのできるビームエキスパンダーとしての作用であると言える。
入射光の拡がり角を抑えるという面では、同様の効果は、レーザー出射部43と分割レンズ442との距離を離し、入射角を小さくすることによっても得られる。その場合、光路長が長くなるため、照明光学系40全体のサイズが大きくなってしまうことが避けられない。本実施形態の入射角変換部441は、光路長の延長を伴うことなく入射角を小さくすることができる点でより好ましい。
なお、ビームエキスパンダーとしては、上記したガリレイ型のものの他、凸レンズ2枚を組み合わせたケプラー型のものがある。入射角変換部441としては、このようなケプラー型のものも適用可能である。すなわち、図7(b)に示すように、レーザー出射部43から出射される複数の光ビームの交点よりも後方で、それらの光ビームを入射することができる位置に、凸レンズ4413が配置される。凸レンズ4413は、少なくともX方向にパワーを有する。
そして、もう1つの凸レンズ4414は、その前側焦点位置が凸レンズ4413の後側焦点位置となるように配置される。凸レンズ4414は、少なくともX方向にパワーを有する。図7(b)において符号f1,f2は、それぞれ凸レンズ4413,4414の焦点距離を示している。このようにしてケプラー型ビームエキスパンダーが構成される。このような構成であっても、図7(b)の光線図に示すように、比較的大きな拡がり角を以ってレーザー出射部43から出射される光を、より拡がり角の小さい光として分割レンズ442に入射させることができる。
図7(a)、図7(b)に示す構成を比較すると、図7(a)に示す構成は、レンズ倍率が同じであれば光路長を短くすることができ、またビームを収束させないため光路上の塵等の影響を受けにくいという利点がある。一方、図7(b)に示す構成は、凸レンズの組み合わせにより実現可能であり、またビームをレンズ間で収束させる構造であるため調整がより容易であるという利点がある。
なお、入射角変換部441では、入射光と出射光との間でのビームの拡大(または縮小)倍率を所望の値とするために、2つのレンズの配置がそれぞれの焦点距離に応じ、ガリレイ型またはケプラー型のビームエキスパンダーの構成要件を満たすように定められる必要がある。一方、単に光ビームの拡がり角を調整するという目的においては、レンズの配置についてはある程度の変動が許容される。すなわち、2つのレンズの配置は、厳密にビームエキスパンダーの要件を満たしていなくてもよい。
また、ビームの拡がり角を調整するという目的は、単一の凹レンズでも一応達成可能であると考えられる。しかしながら、次に説明するように、単一レンズによる入射角変換では、必ずしも良好な結果を得られない。
レンズ特性を適切に設定することで、単一の凹レンズでも入射光を平行光に近い光に変換し拡がり角を抑えることは可能である。ただし、現実的には、凹レンズ通過後の光の拡がりを抑えようとすると、レンズ曲面の曲率をあまり大きく取ることができない。そうすると、入射光ビームのスポットサイズと出射光ビームのスポットサイズとの比は必ずしも大きくならず、分割レンズ442にはレーザー出射部43から出射される個々の光ビームがあまり拡大されずに入射することになる。この場合の個々のビームスポットは一般的に分割レンズ442を構成する個々のレンズの径よりも十分に小さいから、個々のレンズに均等に光を入射させるという目的が達成されにくくなる。
このことから、本実施形態では、2枚のレンズを組み合わせたビームエキスパンダーの原理を利用することとしている。このような構成は、入射角変換(拡がり角の低減)としての効果およびその制御性に優れており、またレンズ倍率を適宜に選択することで、ビームスポットサイズの調整も容易である。
再び図6に戻って、光路長差生成部443から出射された光ビームはZ方向拡散レンズ446に入射する。Z方向拡散レンズ446はX方向にパワーを有さずZ方向にパワーを有する凹レンズである。したがって、Z方向拡散レンズ446からはZ方向に拡散する光ビームが出射されることになる。
この光ビームは集光レンズ444およびZ方向集光レンズ447を介して像面に入射する。この場合の像面とは、回折光学素子414の受光面である。集光レンズ444はX方向およびZ方向の両方にパワーを有する凸レンズであり、光ビームを像面に収束させる。これにより、分割レンズ442から出射される、X方向に並ぶ複数本の光ビームが像面で重ね合わされる。これらの光ビームがコヒーレント光であることから、重ね合わせに際してこれらの干渉が生じ得る。光路長差生成部443は、各光ビームの光路長に差を生じさせることにより、干渉の発生を回避する。
一方、Z方向においては、Z方向拡散レンズ446によりいったん拡げられた光ビームが2つの集光レンズ444,447により大きく絞られる。その結果、像面(回折光学素子414)には、X方向に扁平で均一な強度を有し、Z方向には拡がりの小さいライン光ビームLが入射することになる。図4に示した通り、このライン光ビームLが空間光変調器410の回折光学素子414によって変調され、変調光ビームLmが投影光学系414により縮小され、露光ビームLeとして基板Sに照射される。
次に、入射角変換部441に要求される光学特性について、図9を参照して説明する。図9は入射角変換部への入射光と分割レンズへの入射光との関係を示す図である。図9に示すように、分割レンズ442への入射光に許容される最大入射角を符号θ1で表すこととする。ここで、最大入射角θ1は、分割レンズ442に入射した光が散逸することなく光路長差生成部443から出射される入射角の最大値である。つまり、光の散逸を防止するためには、分割レンズ442への入射光の入射角は最大入射角θ1以下である必要がある。最大入射角θ1は、分割レンズ442を構成する各レンズの径および長さと、光路長差生成部443の長さとに依存する。
入射角変換部441から分割レンズ442へ入射する光の入射角を最大入射角θ1以下とするために、入射角変換部441への入射光の入射角θ0が満たすべき条件は、次式:
θ1≧1/|f2/f1|×θ0=|f1/f2|×θ0 … (式1)、
あるいはこれを変形した、
θ0≦|f2/f1|×θ1 … (式2)
により表すことができる。等号成立のとき、レーザー照射部43から入射角変換部441への入射角の許容値を最大とすることができる。この条件に合致するように、かつ分割レンズ442を構成する各レンズに均等に光を入射させることができるビームスポットサイズを得られる適度の拡大(または縮小)倍率となるように、2つのレンズ4411,4412の焦点距離f1,f2が設定されればよい。図において符号Fは2つのレンズ4411,4412の焦点を示す。
以上のように、この実施形態では、X方向に並べられた複数のレーザー光源431から出射されるレーザー光が照明光学系44により互いに重ね合わされて、X方向を長軸方向とする扁平なビームスポット形状を有するライン光ビームLが生成される。複数のレーザー光源431と分割レンズ442との間には、分割レンズ442への入射角を小さくする入射角変換部441が設けられている。
これにより、レーザー光源431の配設数が多くそれらから出射される光の拡がり角が大きくなる場合でも、分割レンズ442への入射角を小さく抑えることができる。これにより、この実施形態では、レーザー光源431から出射される光ビームを分割レンズ442および光路長差生成部443の射出側(+Y側)の端面まで確実に案内して、側面からの光の散逸を防止することができる。その結果、高強度かつ強度分布の一様なライン光ビームを生成することが可能である。
入射角変換部441は、互いに光軸を共通とする、凹レンズ4411と凸レンズ4412との組み合わせ、または、凸レンズ4413と凸レンズ4414との組み合わせにより実現可能であり、2枚のレンズはビームエキスパンダーをなす条件を満たす位置関係に配置されている。このような光学系を、光軸に対して斜め方向からも光が入射する条件で使用することで、出射光の拡がり、つまり後段への入射角を、当該光学系への入射光の入射角よりも小さくすることができる。
また、入射角変換部441はビームエキスパンダーとしての機能を有しており、後段の分割レンズ442に対して適切なスポットサイズに調整された光を入射させることができる。そのため、分割レンズ442を構成する各レンズ4421に均一に光を入射させることができ、それらからの出射光が合成されて最終的に生成されるライン光ビームの長軸方向における光量分布を均一にすることができる。
以上説明したように、本実施形態の露光装置1においては、光照射部40が本発明の「光照射部」として、空間光変調器410が本発明の「光変調器」として、投影光学系414が本発明の「投影光学系」として、また制御部9が本発明の「制御部」として、それぞれ機能している。また、光照射部40は、本発明の「光照射装置」に相当している。
また、上記実施形態では、レーザー光源431、入射角変換部441、分割レンズ442、光路長差生成部443および集光レンズ444を含む照明光学系44が、本発明の「照明光学系」として機能している。また、コリメートレンズ445、拡散レンズ446が、それぞれ本発明の「コリメートレンズ」、「拡散レンズ」として機能している。
そして、入射角変換部441においては、凹レンズ4411および凸レンズ4413が本発明の「第1のレンズ」に相当する一方、凸レンズ4412,4414が本発明の「第2のレンズ」に相当している。また、上記実施形態におけるXY平面が、本発明にいう「平面」に該当している。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、レーザー出射部43におけるレーザー光源431の配設数が7であるが、これに限定されるものではない。レーザー光源が少数である場合には必然的に光の拡がりを小さく抑えることができるため入射角変換部を必ずしも必要としないが、レーザー光源の数が多くなった場合に、本発明は特に有効なものとなる。
また、ビーム光強度をさらに高めるために、Z方向にも複数のレーザー光源を配置することが考えられる。このような場合の構成例としては、Z方向に複数設けられたレーザー光源からの光を適宜の光学系でXY平面に沿った1つの光ビームに合成し、さらにそのような光ビームを複数本、XY平面内で合成するものが考えられる。このような場合には、Z方向において合成された各光ビームを、上記実施形態における各レーザー出射部43からの出射光ビームと同等に扱うことで、本発明を適用した場合の構成についても想到可能である。
また、上記実施形態には、本発明の「光変調器」として一次元回折光学素子であるGLV素子を好適に適用可能であるが、光変調器としてはこれ以外のものも適用可能である。例えば、二次元回折光学素子や、微細なミラーを多数配列して反射を制御するDMD(Digital Micro mirror Device)素子等を、光変調器として用いることが可能である。
また、上記実施形態の露光装置1は、本発明に係る「光照射装置」に相当する光照射部40を内蔵するものであるが、単体の光照射部40を本発明の実施形態と考えることも可能である。例えば既存の露光装置における光照射部を本実施形態のものと取り換える、あるいは本実施形態の光照射部40のように改良することによっても、本発明を実施することが可能である。
以上、具体的な実施形態を例示して説明してきたように、本発明に係る光照射装置の入射角変換部は、第1のレンズと第2のレンズとの組み合わせとして、凹レンズと凸レンズ、凸レンズと凸レンズのいずれによっても実現可能である。凹レンズと凸レンズとの組み合わせはいわゆるガリレイ型のビームエキスパンダーの構成を適用することが可能であり、また凸レンズと凸レンズとの組み合わせはいわゆるケプラー型のビームエキスパンダーの構成を適用することが可能である。これらのいずれによっても、分割レンズ部への光の入射角を小さくして、分割レンズ部および光路長差生成部からの光の散逸を抑えることが可能である。
また例えば、第1のレンズは、平面と直交する方向にパワーを有さないものであってもよい。入射角変換部は上記平面に沿った方向における入射角を調整する目的で設けられるものであり、平面と直交する方向においては何ら作用を及ぼさないものであってよい。これにより、平面に沿った方向とそれに直交する方向での光学系の設計を独立して行うことができ、設計の自由度が高くなる。
また例えば、複数のレーザー光源の配置は、平面内において光軸に対して対称となるようにすることができる。光軸に対し傾いて第1のレンズに入射する光が、光軸に対して対称な方向から入射するようにすることで、平面内での光の均一性を高めることができる。
また例えば、レーザー光源と入射角変換部との間に、平面に直交する方向にパワーを有するコリメートレンズが配置されてもよい。このような構成によれば、平面に直交する方向への光の拡散を抑え、レーザー光源からの出射光を確実に入射角変換部および分割レンズ部へ案内することができる。
この場合、例えば光路長差生成部と集光レンズとの間に、平面に直交する方向にパワーを有する拡散レンズが配置されてもよい。このような構成によれば、集光レンズの手前で光を平面に直交する方向にいったん拡散させることにより、最終的に光を平面に直交する方向に大きく絞り込むことが可能となる。
また、第1のレンズから見た複数のレーザー光源からの出射光の拡がり角をθ1、分割レンズ部に入射し光路長差生成部を通過することができる光の入射角の最大値をθ0、第1のレンズの焦点距離をf1、第2のレンズの焦点距離をf2とするとき、以下の関係:
θ1≧|f1/f2|×θ0
が成立するようにすれば、レーザー光源から入射する光を散逸させることなく、光路長差生成部の出射端から出射させることができる。上式において等号は、θ0が第1のレンズへの光の入射角として許容される最大値となる条件を示している。言い換えれば、複数のレーザー光源からの最大入射角θ0が予め決まっているとき、上式を満たすように第1および第2のレンズを選定することで、後段での光の散逸を抑えることが可能となる。
この発明は、例えば半導体基板、半導体パッケージ基板、プリント配線基板あるいはガラス基板等の基板にパターンを形成するために基板を露光する技術分野に好適である。
1 露光装置
2 ステージ
9 制御部
40 光照射部
44 照明光学系
410 空間光変調器(光変調器)
414 投影光学系
431 レーザー光源
441 入射角変換部
4411 凹レンズ(第1のレンズ)
4412 凸レンズ(第2のレンズ)
4413 凸レンズ(第1のレンズ)
4414 凸レンズ(第2のレンズ)
442 分割レンズ(分割レンズ部)
443 光路長差生成部
444 集光レンズ
445 コリメートレンズ
446 拡散レンズ
L レーザー光ビーム
Le 露光ビーム
S 基板

Claims (9)

  1. 出射光の中心線が互いに同一の平面に含まれかつ前記平面内の一点で交わるように配置された複数のレーザー光源と、
    前記複数のレーザー光源から出射されるレーザー光を合成して単一のレーザー光ビームを生成し被照射面に照射する照明光学系と
    を備え、
    前記照明光学系は、
    前記複数のレーザー光源のそれぞれから出射された光が入射する位置に配置された第1のレンズ、および、前記第1のレンズとビームエキスパンダーをなす位置関係に配置された第2のレンズを含む入射角変換部と、
    前記入射角変換部の光軸に垂直かつ前記平面に沿う方向に配列された複数のレンズを有し、前記入射角変換部から出射された光を前記複数のレンズにより分割する分割レンズ部と、
    前記光軸に垂直な方向に配列されるとともに互いに異なる光路長を有する複数の透光部を有し、前記複数のレンズを通過した光を前記複数の透光部にそれぞれ入射させる光路長差生成部と、
    前記複数の透光部から出射された光の照射領域を、前記被照射面上で重ねる集光レンズ部と
    を有する、光照射装置。
  2. 前記第1のレンズが凹レンズであり、前記第2のレンズが凸レンズである、請求項1に記載の光照射装置。
  3. 前記第1のレンズおよび前記第2のレンズが凸レンズである、請求項1に記載の光照射装置。
  4. 前記第1のレンズは、前記平面と直交する方向にパワーを有さない、請求項1ないし3のいずれかに記載の光照射装置。
  5. 前記複数のレーザー光源の配置は、前記平面内において前記光軸に対して対称である、請求項1ないし3のいずれかに記載の光照射装置。
  6. 前記レーザー光源と前記入射角変換部との間に、前記平面に直交する方向にパワーを有するコリメートレンズが配置される、請求項1ないし3のいずれかに記載の光照射装置。
  7. 前記光路長差生成部と前記集光レンズとの間に、前記平面に直交する方向にパワーを有する拡散レンズが配置される、請求項6に記載の光照射装置。
  8. 前記第1のレンズから見た前記複数のレーザー光源からの出射光の拡がり角をθ1、前記分割レンズ部に入射し前記光路長差生成部を通過することができる光の入射角の最大値をθ0、前記第1のレンズの焦点距離をf1、前記第2のレンズの焦点距離をf2とするとき、以下の関係:
    θ1≧|f1/f2|×θ0
    が成立する、請求項1ないし3のいずれかに記載の光照射装置。
  9. 基板の表面を露光することで所定パターンの描画を行う露光装置であって、
    請求項1に記載の光照射装置と同一構成を有する光照射部と、
    前記被照射面の位置に配置された光変調器と、
    描画すべきパターンを表す露光データに基づき前記光変調器を制御して、前記レーザー光ビームを変調する制御部と、
    変調された前記レーザー光ビームを前記基板に入射させる投影光学系と
    を備える、露光装置。
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