JP2024038845A - 等速ジョイント、及びこれを使用したプロペラシャフト - Google Patents

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徳幸 鬼橋
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Abstract

【課題】内輪部材を外輪部材に組み付ける時に、ボールが脱落するのを抑制して組み立てが容易となる新規な等速ジョイント、及びこれを使用したプロペラシャフトを提供する。【解決手段】外輪回転軸に対してねじれる方向に複数の外輪側ボール収納溝15が形成された外輪部材11と、外輪部材に対して外輪回転軸方向に移動可能に外輪部材の内側に配置され、内輪回転軸に対してねじれる方向に複数の内輪側ボール収納溝17が形成された内輪部材12と、外輪側ボール収納溝15と外輪側ボール収納溝15に対して交差する内輪側ボール収納溝17との交差部に配置された複数のボール13と、外輪部材11と内輪部材12の間に配置され、夫々のボールを収納する複数の窓部が形成された保持器14を備える等速ジョイントであって、内輪部材12に形成された、内輪側ボール収納溝17の外輪部材側の端部に、内輪側ボール収納溝17のねじれ角より小さいねじれ角に形成されたボール保持溝21が形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は等速ジョイント、及びこれを使用したプロペラシャフトに係り、特に内輪側ボール収納溝と外輪側ボール収納溝とが交差する交差部分に、ボールを収納して内輪部材と外輪部材を回転させる等速ジョイント、及びこれを使用したプロペラシャフトに関する。
自動車のプロペラシャフト等に使用されている等速ジョイントは、例えば、特開2022-49824公報(特許文献1)に記載されているクロスグルーブ型の等速ジョイントが採用されている。
特許文献1において、クロスグルーブ型の等速ジョイントは、第1回転軸に接続される外輪部材と、外輪部材の内部側に配置され、第2回転軸に接続される内輪部材と、外輪部材と内輪部材の間に保持器を介して転動可能に保持される複数のボールとを備えて構成されている。そして、内輪側ボール収納溝と外輪側ボール収納溝とが交差する交差部分にボールが配置され、ボールを介して内輪部材と外輪部材が一体的に回転可能に結合されている。尚、外輪部材と第1回転軸との間には、必要に応じて外輪部材の内部に形成される軸受収容空間を気密に保護する筒状のブーツ部材が装着されている。
特許文献1の等速ジョイントを含む多くのクロスグルーブ型の等速ジョイントにおいては、外輪部材の内周面に形成された外輪側ボール収納溝は、外輪部材の回転軸線に対してねじれた形態で形成され、内輪部材の外周面に形成された内輪側ボール収納溝は、内輪部材の回転軸線に対してねじれた形態で形成されている。
そして、等速ジョイントを組み立てる場合、先ず、ケージのボール収納孔にボールを収納した状態で、ボールが内輪部材の内輪側ボール収納溝に位置するようにしてケージとボールを内輪部材に組み付ける。次に、内輪部材と外輪部材の回転軸線が一致する状態で、内輪部材を外輪部材の内周面に差し込みながら組み付ける。この時、内輪側ボール収納溝と外輪側ボール収納溝が交差する部分でボールが保持されることになる。
特開2022-49824公報
ところで、最近では内輪部材と外輪部材の軸方向の移動量を大きくすることが要請されている。このため、内輪部材と外輪部材が相対的に移動しやすいように、内輪部材の内輪側ボール収納溝と外輪部材の外輪側ボール収納溝のねじれ角は小さく設定することが必要である。また、軸方向の変位を大きく取れるようにケージをノンフロートタイプとする必要がある。
このように、ボール収納溝のねじれ角を小さくし、且つノンフロートタイプのケージを使用する場合、等速ジョイントの組み立てに際し、内輪部材と外輪部材の回転軸線を一致させ、内輪部材と外輪部材の互いに向き合う端面をしっかり整合させることが必要である。
例えば、内輪部材を外輪部材の内部側に押し込んで組み立てる初期に、外輪部材と内輪部材のボール収納溝の端面位置が整合していると、真っ直ぐ内輪部材を外輪部材に対して押し込めば、相互のボール収納溝の交差部分でボールが周方向に移動しながら組み付けることができる。
しかしながら、内輪部材と外輪部材の組み立てに際し、両者に少し角度をつけて組み立てると、夫々のボール収納溝の溝形状が合わなくなり、ボールが夫々のボール収納溝に収まらなくなる。
このため、夫々のボール収納溝の溝形状を合わせるように微調整しながら内輪部材を押し込むと、ボールが内輪部材のねじられたボール収納溝の形状に沿って移動するため、ボールが脱落するといった現象が発生して、等速ジョイントの組み立てが容易にできなくなるという課題を生じることがある。
本発明の目的は、内輪部材を外輪部材に組み付ける時に、ボールが脱落するのを抑制して組み立てが容易となる新規な等速ジョイント、及びこれを使用したプロペラシャフトを提供することにある。
本発明は、一端が開口端部に開放され、内周面に外輪回転軸に対してねじれる方向に複数の外輪側ボール収納溝が形成された外輪部材と、外輪部材に対して外輪回転軸方向に移動可能に外輪部材の内側に配置され、外周面に内輪回転軸に対してねじれる方向に複数の内輪側ボール収納溝が形成された内輪部材と、外輪側ボール収納溝、及び内輪側ボール収納溝に対して周方向に係合して転動可能に配置され、且つ外輪側ボール収納溝と外輪側ボール収納溝に対して交差する内輪側ボール収納溝との交差部に配置された複数のボールと、外輪部材と内輪部材の間に配置され、夫々のボールを収納する複数の窓部が形成された保持器とを備える等速ジョイントであって、内輪部材に形成された、内輪側ボール収納溝の外輪部材側の端部に、内輪側ボール収納溝のねじれ角より小さいねじれ角に設定されたボール保持溝が形成されている、ことを特徴としている。
本発明によれば、ボールを保持した内輪部材を外輪部材に組み付けるとき、ボールが移動せずにボール保持溝に保持されるので、ボールが脱落しなく等速ジョイントの組み立てを容易にすることができる。
本発明の実施形態になる等速ジョイントの分解斜視図である。 図1に示す外輪部材の断面を示す断面図である。 図1に示す内輪部材の側面の外観を示す外観側面図である。 図1に示す等速ジョイントの組み立て状態を説明する断面図である。 図4に示す等速ジョイントの断面を斜めから見た断面斜視図である。 本発明の等速ジョイントを適用したプロペラシャフトの軸方向の上側を断面した一部断面図である。 従来の等速ジョイントの分解斜視図である。 図7に示す等速ジョイントの組み立て状態を説明する断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
先ず本発明を説明する前に、従来の等速ジョイントの構成とその課題について簡単に説明する。図7、図8は典型的なクロスグルーブ型の等速ジョイントの構成を示している。図7は、等速ジョイントを分解した状態を示し、図8は、等速ジョイントを組み立てるときの状態を示している。
図7において、等速ジョイント30は、外輪部材31、外輪部材31の内部に配置される内輪部材32、外輪部材31と内輪部材32の間に配置される保持器であるノンフロート型のケージ33、及びケージ33に保持されるボール34から構成されている。
外輪部材31には、一端が開口端部35に開放され、内周面に外輪回転軸に対してねじれる方向に複数の外輪側ボール収納溝36が形成されている。また、内輪部材32は、外輪部材31に対して外輪回転軸の方向に移動可能に外輪部材31の内側に配置され、外周面に内輪回転軸に対してねじれる方向に複数の内輪側ボール収納溝37が形成されている。
ボールを保持するケージ33は、外輪部材31と内輪部材32の回りの間に配置され、夫々のボール34を収納する複数の窓部38が形成されている。そして、ケージに保持されたボール34は、外輪側ボール収納溝36、及び内輪側ボール収納溝37に対して周方向に係合して転動可能に配置され、且つ外輪側ボール収納溝36と、外輪側ボール収納溝36に対して交差する内輪側ボール収納溝37との交差部に配置されている。
このような構成において、外輪部材31が回転すると、この回転は外輪側ボール収納溝36、ボール34、及び内輪側ボール収納溝37を介して内輪部材32に伝達される。逆に、内輪部材32が回転すると、この回転は内輪側ボール収納溝37、ボール34、及び外輪側ボール収納溝36を介して外輪部材31に伝達される。
また、外輪部材31と内輪部材32の間の距離を調整する場合は、外輪部材31と内輪部材32の夫々を軸方向に移動させると、外輪側ボール収納溝36と内輪側ボール収納溝37で形成される交差部が軸方向に移動し、この交差部の移動に沿ってボール34が移動して、外輪部材31と内輪部材32の間の距離が調整される。
ところで、等速ジョイントにおいて、外輪部材31と内輪部材32の間の距離の調整代を長くする場合は、夫々のボール収納溝36、37のねじれ角を小さくし、且つノンフロートタイプのケージを使用することが必要である。
しかしながら、図8に示すように、クロスグルーブ型の等速ジョイント30の組み立てに際し、ケージ33とボール34が、内輪部材32の外輪部材31と対向する端部の側に配置された状態で組み立てるが、この時に外輪部材31と内輪部材32の回転軸線を一致させ、外輪部材31と内輪部材32の互いに向き合う端面をしっかり整合させることが重要である。
例えば、内輪部材を外輪部材の内部側に押し込んで組み立てる初期に、外輪部材と内輪部材のボール収納溝の端面位置が整合していると、真っ直ぐ内輪部材を外輪部材に対して押し込めば、相互のボール収納溝の交差部分でボールが周方向に移動しながら組み付けることができる。
しかしながら、内輪部材と外輪部材の組み立てに際し、両者に少し角度をつけて組み立てると、夫々のボール収納溝の溝形状が合わなくなり、ボールが夫々のボール収納溝の間に収まらなくなる。
このため、夫々のボール収納溝の溝形状を合わせるように微調整しながら内輪部材を押し込むと、ボールが内輪部材のねじられたボール収納溝の形状に沿って移動するため、ボールが脱落するといった現象が発生して、等速ジョイントの組み立てが容易にできなくなるという課題を生じることがある。
そこで、本実施形態では、内輪部材に形成された、内輪側ボール収納溝の外輪部材の側の端部に、内輪側ボール収納溝のねじれ角より小さいねじれ角に設定されたボール保持溝が形成されている構成を提案するものである。以下、本実施形態の構成、作用、及び効果について図面を引用しながら説明する。図1~図5は、本実施形態になる等速ジョイントの構成を示している。
図1に示すように、等速ジョイント10は、外輪部材11と、内輪部材12と、ボール13と、ノンフロート型のケージ14とを備えている。
外輪部材11は筒状に形成されており、この外輪部材11の内周面には、複数の外輪側ボール収納溝15が形成されている。外輪側ボール収納溝15は、外輪回転軸(外輪部材11の中心軸)に対して、所定の角度でねじれる方向に、且つ、溝中心が直線状になるように形成されている。そして、隣り合う外輪側ボール収納溝15は、ねじれる方向が逆方向となるように形成されている。
つまり、隣り合う外輪側ボール収納溝15は、外輪部材11の一端側(例えば、図1の左端側)において近接し、他端側(例えば、図1の右端側)において遠ざかるように位置する。更に、外輪側ボール収納溝15の一端は、外輪部材11の開口端部16に開放されるように形成されている。この開口端部16は、組み立て時に内輪部材12と対向する側である。
一方、内輪部材12は筒状に形成されており、この内輪部材12の外周面は、複数の内輪側ボール収納溝17が形成されている。この内輪側ボール収納溝17は、内輪部材12の内輪回転軸(内輪部材12の中心軸)に対して、所定の角度でねじれる方向に、且つ、溝中心が直線状に形成されている。したがって、当然に、内輪側ボール収納溝17の底部も直線状となる。そして、隣り合う内輪側ボール収納溝17は、ねじれる方向が逆方向となるように形成されている。
つまり、隣り合う内輪側ボール収納溝17は、図3に示すように、内輪部材12の一端側において近接し、他端側において遠ざかるように位置する。また、内輪部材12の端面は、プロペラシャフトの第1の軸部(図示せず)の端部に溶接によって結合されている。これについては、図6に示している。
そして、この内輪部材12は、外輪部材11の内部側に配置されている。更に、内輪部材12は、外輪部材11に対して外輪回転軸方向に移動可能に配置されている。このとき、内輪部材12の夫々の内輪側ボール収納溝17が、径方向外側から見た状態において、外輪部材11の夫々の外輪側ボール収納溝15に交差するように配置されている。
ボール13は、外輪部材11の夫々の外輪側ボール収納溝15、及び内輪部材12の夫々の内輪側ボール収納溝17に対して周方向に係合するように、且つ、外輪側ボール収納溝15、及び内輪側ボール収納溝17に転動可能に配置されている。このボール13は、外輪側ボール収納溝15と内輪側ボール収納溝17とが交差する交差部に配置される。
具体的には、ボール13は、外輪側ボール収納溝15の溝中心(外輪側ボール収納溝15におけるボール軌跡に相当)と、内輪側ボール収納溝17の溝中心(内輪側ボール収納溝16におけるボール軌跡に相当)とが、径方向外側から見た状態において周方向に交差する位置に配置されている。
つまり、ボール13により、外輪部材11と内輪部材12との間でトルクが伝達される。尚、ボール13は、外輪側ボール収納溝15、及び内輪側ボール収納溝17と同数配置されている。
ケージ14は、略円筒状に形成されており、具体的には、ケージ14の内周面は、内輪部材12の最外周面18にほぼ対応する平面状の円周面形状に形成され、ケージ14の外周面は、凸状の部分球面状に形成されている。そして、ケージ14は、外輪部材11と内輪部材12との間に配置されており、具体的には、ケージ14は、外輪部材11の最内周面19と、内輪部材12の最外周面18との間に配置されている。
更に、このケージ14は、周方向に等間隔に、略矩形孔の窓部20を複数形成している。この窓部20は、ボール13と同数形成されている。この窓部20には、ボール13がそれぞれ挿通されている。つまり、ケージ14は、ボール13を保持している。
そして、内輪部材12の内輪側ボール収納溝17の外輪部材11に対向する側の端部に、内輪側ボール収納溝17のねじれ角より小さいねじれ角に設定されたボール保持溝21が形成されている。このボール保持溝21を設けた点が本実施形態の特徴である。以下、このボール保持溝21の詳細について説明を加える。
上述したように、外輪部材11と内輪部材12の軸方向の移動量を大きくするため、本実施形態では、外輪部材11と内輪部材12が移動しやすいように、外輪部材11の外輪側ボール収納溝15と内輪部材12の内輪側ボール収納溝17のねじれ角は小さく設定している。
図2は、外輪部材11を外輪中心軸(Co)に沿って断面したものであり、内周面には複数の外輪側ボール収納溝15が形成されている。隣り合う外輪側ボール収納溝15は、その端面において、円周方向の幅が「広」、及び「狭」を繰り返すようにして形成されている。したがって、外輪側ボール収納溝15の間に形成される最内周面19の形状は、台形形状となっている。
そして、外輪中心軸Coと外輪側ボール収納溝15の溝中心軸(Cvo)を平面上に投影して形成される収納溝角度(θvo)は、「5.8°」に決められている。このように、収納溝角度(θvo)を小さくしたので、外輪部材11と内輪部材12が相互に移動しやすくなっている。また、外輪部材11と内輪部材12の軸方向の移動量を大きくするため、外輪側ボール収納溝15の外輪中心軸Co方向の長さ(Lo)は、「30mm」以上に決められている。
一方、図3は、内輪部材11の内輪中心軸(Ci)に沿った側面の外観を示したものであり、外周面には複数の内輪側ボール収納溝17が形成されている。隣り合う内輪側ボール収納溝17も、その端面において、円周方向の幅が「広」、及び「狭」を繰り返すようにして形成されている。したがって、内輪側ボール収納溝17の間に形成される最外周面18は変形の台形形状となっている。これは、上述したボール保持溝21が形成されているためである。
そして、内輪中心軸(Ci)と内輪側ボール収納溝15の溝中心軸(Cvi)を平面上に投影して形成される収納溝角度(θvi)も、外輪部材11に合わせて「5.8°」に決められている。このように、収納溝角度(θvi)を小さくしたので、外輪部材11と内輪部材12が移動しやすくなっている。また、外輪部材11と内輪部材12の軸方向の移動量を大きくするため、内輪側ボール収納溝17の内輪中心軸(Ci)方向の長さ(Li)も、「30mm」以上に決められている。
内輪側ボール収納溝17の外輪部材11と対向する側の端面付近(図面では右側の端面)には、内輪側ボール収納溝17から連続して形成されたボール保持溝21が設けられている。ボール保持溝21は、内輪中心軸(Ci)に平行な形態で延びており、内輪中心軸(Ci)とボール保持溝21の溝中心軸を平面上に投影して形成される収納溝角度は、「0°」であり、内輪中心軸(Ci)と平行の関係である。
ただ、本発明は、内輪中心軸(Ci)と平行だけではなく、内輪側ボール収納溝17の収納溝角度(θvi)より小さく、内輪部材12の内輪中心軸(Ci)の方向に沿って設けられていれば、平行な場合と類似の作用、効果(後述する)奏することができる。
ここで、ボール保持溝21の長さ(Lh)は、内輪中心軸(Ci)の方向において、ボール13の半径よりも長く形成されている。これによって、ボール保持溝21に対する位置決めを容易にすることができ、組み付け性を向上することができる。更に、内輪中心軸の方向において、ボール保持溝21の長さ(Li)は、内輪側ボール収納溝17の長さLiよりも短く形成されている。
次に、上述したボール保持溝21による作用、効果について図4、図5を用いて説明する。
図4、図5に示しているように、内輪部材12、ケージ14、及びボール13を、外輪部材11の内部に押し込んで組み付ける場合、ボール13は、ボール保持溝21に保持されている。そして、内輪部材と外輪部材の組み立てに際し、両者に少し角度をつけて組み立てると、夫々のボール収納溝15、17の溝形状が合わなくなり、ボールが夫々のボール収納溝15、17の間に収まらなくなる。
そして、この状態で夫々のボール収納溝の溝形状を合わせるように微調整しながら内輪部材を外輪部材11に押し込んでいくと、ボール保持溝21は、内輪部材12の内輪中心軸(Ci)と平行な形態で延びているので、ボール13は、内輪部材12のボール保持溝21に保持されたままとなる。したがって、ボール13が脱落するといった現象が発生せず、等速ジョイントの組み立てが容易にできるようになる。
従来の等速ジョイントの内輪側ボール収納溝37(図7参照)では、図7に示すように、内輪側ボール収納溝37の全体に亘ってねじられている形状なので、ボール34に対して移動する力が作用して、ボール34が内輪部材32のねじられた内輪側ボール収納溝37の形状に沿って移動するため、ボール34が脱落するといった現象が発生して、等速ジョイントの組み立てが容易にできなくなるが、本実施形態では、このような現象を生じることがなく、等速ジョイントの組み立てが容易にできようになる。
尚、外輪部材11の内周に設けられた外輪側ボール収納溝15の開口端部16の側に、上述したボール保持溝21を形成することもできる。しかしながら、等速ジョイント10を組み立てるときに、外輪部材11のボール保持溝21にボール13を内側から外側に押し付けながら保持して、内輪部材12を組み付けなくてはならない。このため、等速ジョイントを組み立てるのが容易ではなく、組み立て工程に余分な時間がかかって製造単価を引き上げるという問題があるので、好ましい方法ではない。
次に、上述した等速ジョイントの適用例として、自動車用のプロペラシャフトについて説明する、図6は、本実施形態になる等速ジョイントをプロペラシャフトに適用した実施形態を示している。
自動車用のプロペラシャフトは、図6に示すように、車両フロント側の第1シャフト30と、リア側の第2シャフト31とを備え、両シャフト30、31は筒状に形成されており、両シャフト30、31は、図1に示す等速ジョイント10を介して連結されている。
第1シャフト30は、前端部が第1継手機構である第1十字継手32、及びトランスファ軸(図示せず)を介してトランスミッション装置(図示せず)に連結されている。また、第2シャフト31は、後端部が第2継手機構である第2十字継手33を介してリアデファレンシャル装置(図示せず)の入力軸と連結されている。
第1シャフト30は、端面に形成された第1軸34を有し、第1軸34は、等速ジョイント10の内輪部材12と結合されている。また、第2シャフト31は、端面に形成された第2軸35を有し、第2軸35は、等速ジョイント10の外輪部材11と結合されている。したがって、トランスミッション装置の回転は第1軸34、内輪部材12、外輪部材11,第2軸35を介して、リアデファレンシャル装置の入力軸に伝達される。
以上述べた通り、本発明においては、一端が開口端部に開放され、内周面に外輪回転軸に対してねじれる方向に複数の外輪側ボール収納溝が形成された外輪部材と、外輪部材に対して外輪回転軸方向に移動可能に外輪部材の内側に配置され、外周面に内輪回転軸に対してねじれる方向に複数の内輪側ボール収納溝が形成された内輪部材と、外輪側ボール収納溝、及び内輪側ボール収納溝に対して周方向に係合して転動可能に配置され、且つ外輪側ボール収納溝と外輪側ボール収納溝に対して交差する内輪側ボール収納溝との交差部に配置された複数のボールと、外輪部材と内輪部材の間に配置され、夫々のボールを収納する複数の窓部が形成された保持器とを備える等速ジョイントであって、内輪部材に形成された、内輪側ボール収納溝の外輪部材側の端部に、内輪側ボール収納溝のねじれ角より小さいねじれ角に設定されたボール保持溝が形成されている、ことを特徴としている。
これによれば、ボールを保持した内輪部材を外輪部材に組み付けるとき、ボールがボール保持溝に保持されるので、ボールが脱落しなく等速ジョイントの組み立てを容易にすることができる。
尚、本発明は上記したいくつかの実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。各実施例の構成について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
10…等速ジョイント、11…外輪部材、12…内輪部材、13…ボール、14…ケージ、15…外輪側ボール収納溝、16…開口端部、17…内輪側ボール収納溝、18…最外周面、19…最内周面、20…窓部、21…ボール保持溝。

Claims (14)

  1. 一端が開口端部に開放され、内周面に外輪回転軸に対してねじれる方向に複数の外輪側ボール収納溝が形成された外輪部材と、
    前記外輪部材に対して前記外輪回転軸の方向に移動可能に前記外輪部材の内側に配置され、外周面に内輪回転軸に対してねじれる方向に複数の内輪側ボール収納溝が形成された内輪部材と、
    前記外輪側ボール収納溝、及び前記内輪側ボール収納溝に対して周方向に係合して転動可能に配置され、且つ前記外輪側ボール収納溝と前記外輪側ボール収納溝に対して交差する前記内輪側ボール収納溝との交差部に配置された複数のボールと、
    前記外輪部材と前記内輪部材の間に配置され、夫々の前記ボールを収納する複数の窓部が形成された保持器とを備える等速ジョイントであって、
    前記内輪部材に形成された、前記内輪側ボール収納溝の前記外輪部材の側の端部に、前記内輪側ボール収納溝のねじれ角より小さいねじれ角に形成されたボール保持溝が形成されている
    ことを特徴とする等速ジョイント。
  2. 請求項1に記載の等速ジョイントにおいて、
    前記ボール保持溝は、
    前記内輪部材の内輪中心軸の方向に沿って前記内輪中心軸に平行に形成されている
    ことを特徴とする等速ジョイント。
  3. 請求項2に記載の等速ジョイントにおいて、
    前記ボール保持溝は、
    前記内輪部材の前記内輪中心軸の方向において、前記ボールの半径よりも長く形成されている
    ことを特徴とする等速ジョイント。
  4. 請求項2に記載の等速ジョイントにおいて、
    前記ボール保持溝は、
    前記内輪部材の前記内輪中心軸の方向において、前記内輪側ボール収納溝の長さよりも短く形成されている
    ことを特徴とする等速ジョイント。
  5. 請求項4に記載の等速ジョイントにおいて、
    前記外輪側ボール収納溝、及び前記内輪側ボール収納溝は、
    前記外輪部材の外輪中心軸、及び前記内輪部材の内輪中心軸の方向において、30mm以上に決められている
    ことを特徴とする等速ジョイント。
  6. 請求項5に記載の等速ジョイントにおいて、
    前記内輪部材の内輪中心軸と前記内輪側ボール収納溝の溝中心軸を平面上に投影して形成される収納溝角度は、5.8°に決められている
    ことを特徴とする等速ジョイント。
  7. 請求項1に記載の等速ジョイントにおいて、
    前記ボールは、前記外輪部材と前記内輪部材に間に設けられたノンフロート型の前記保持器に設けられた窓部に配置されている
    ことを特徴とする等速ジョイント。
  8. トランスミッション装置とリアデファレンシャル装置の入力軸を連結するプロペラシャフトにおいて、
    前記トランスミッション装置に連結された第1軸部と、前記リアデファレンシャル装置に連結された第2軸部とを有すると共に、前記第1軸部と前記第2軸部との間に等速ジョイントが配置され、
    前記等速ジョイントは、
    一端が開口端部に開放され、内周面に外輪回転軸に対してねじれる方向に複数の外輪側ボール収納溝が形成され、前記第2軸部に連結された外輪部材と、
    前記外輪部材に対して前記外輪回転軸の方向に移動可能に前記外輪部材の内側に配置され、外周面に内輪回転軸に対してねじれる方向に複数の内輪側ボール収納溝が形成され、前記第1軸部に連結された内輪部材と、
    前記外輪側ボール収納溝、及び前記内輪側ボール収納溝に対して周方向に係合して転動可能に配置され、且つ前記外輪側ボール収納溝と前記外輪側ボール収納溝に対して交差する前記内輪側ボール収納溝との交差部に配置された複数のボールと、
    前記外輪部材と前記内輪部材の間に配置され、夫々の前記ボールを収納する複数の窓部が形成された保持器とを備える等速ジョイントであって、
    前記内輪部材に形成された、前記内輪側ボール収納溝の前記外輪部材の側の端部に、前記内輪側ボール収納溝のねじれ角より小さいねじれ角に形成されたボール保持溝が形成されている
    ことを特徴とするプロペラシャフト。
  9. 請求項8に記載のプロペラシャフトにおいて、
    前記ボール保持溝は、
    前記内輪部材の内輪中心軸の方向に沿って前記内輪中心軸に平行に形成されている
    ことを特徴とするプロペラシャフト。
  10. 請求項9に記載のプロペラシャフトにおいて、
    前記ボール保持溝は、
    前記内輪部材の前記内輪中心軸の方向において、前記ボールの半径よりも長く形成されている
    ことを特徴とするプロペラシャフト。
  11. 請求項9に記載のプロペラシャフトにおいて、
    前記ボール保持溝は、
    前記内輪部材の前記内輪中心軸の方向において、前記内輪側ボール収納溝の長さよりも短く形成されている
    ことを特徴とするプロペラシャフト。
  12. 請求項11に記載のプロペラシャフトにおいて、
    前記外輪側ボール収納溝、及び前記内輪側ボール収納溝は、
    前記外輪部材の外輪中心軸、及び前記内輪部材の内輪中心軸の方向において、30mm以上に決められている
    ことを特徴とするプロペラシャフト。
  13. 請求項12に記載のプロペラシャフトにおいて、
    前記内輪部材の内輪中心軸と前記内輪側ボール収納溝の溝中心軸を平面上に投影して形成される収納溝角度は、5.8°に決められている
    ことを特徴とするプロペラシャフト。
  14. 請求項8に記載のプロペラシャフトにおいて、
    前記ボールは、前記外輪部材と前記内輪部材に間に設けられたノンフロート型の前記保持器に設けられた窓部に配置されている
    ことを特徴とするプロペラシャフト。
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