JP2024038841A - 医用画像処理装置、x線診断装置、及び、医用画像処理プログラム - Google Patents

医用画像処理装置、x線診断装置、及び、医用画像処理プログラム Download PDF

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信浩 大賀
広治 安藤
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Abstract

【課題】X線画像として表示された領域を注視している術者等のユーザに、当該領域以外におけるイベントの発生を報知すること。【解決手段】実施形態に係る医用画像処理装置は、画像取得部と、領域特定部と、差分抽出部と、変化検出部と、表示制御部と、を備える。画像取得部は、被検体のX線画像を取得する。領域特定部は、X線画像のうち、ユーザが注視している領域以外の領域である注視外領域を特定する。差分抽出部は、注視外領域からX線画像のフレーム間の差分を抽出する。変化検出部は、差分に基づいて、所定数以上の連続するフレームに亘って変化する箇所を検出する。表示制御部は、箇所を表示部に表示させる。【選択図】 図3

Description

本明細書及び図面に開示の実施形態は、医用画像処理装置、X線診断装置、及び、医用画像処理プログラムに関する。
X線診断装置を用いて血管を手術する際には、カテーテルによる穿孔や、血栓が飛ぶなどのリスクに備えて、状態管理を行うことが重要である。例えば、コイル留置術中には、カテーテルのアンカーポイントを見たい、血栓が飛ぶなどのイベントを捉えたいなどの要求がある。
術中の状態管理は重要であり、手技の影響を監視することが必要になるが、術者の経験及び術中の目視に頼っているのが現状である。
実際の治療の際には、術者は、治療中の部位の表示画像を注視するが、治療中の部位以外の血管にて発生したイベント(血栓が飛ぶなど)を見逃してしまう恐れがある。
特開2020-171716号公報
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、X線画像として表示された領域に注視している術者等のユーザに、当該領域以外におけるイベントの発生を報知することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限らない。後述する各実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置付けることもできる。
実施形態に係る医用画像処理装置は、画像取得部と、領域特定部と、差分抽出部と、変化検出部と、表示制御部とを備える。画像取得部は、被検体のX線画像を取得する。領域特定部は、X線画像のうち、ユーザが注視している領域以外の領域である注視外領域を特定する。差分抽出部は、注視外領域からX線画像のフレーム間の差分を抽出する。変化検出部は、差分に基づいて、所定数以上の連続するフレームに亘って変化する箇所を検出する。表示制御部は、箇所を表示部に表示させる。
図1は、実施形態に係るX線診断装置の構成を示す概略図。 図2は、実施形態に係るX線診断装置の一部の外観を示す斜視図。 図3は、実施形態に係るX線診断装置の構成及び機能を示すブロック図。 図4は、実施形態に係るX線診断装置の動作例をフローチャートとして示す図。 図5は、実施形態に係るIVUSカテーテル及び血管の画像を示す図。 図6は、実施形態に係る血管詳細情報からのリスク評価の具体例を示す図。 図7は、実施形態に係る実施形態に係るMAF視野及び通常視野を示す図。 図8は、実施形態に係る血管内外のエリア判定及びデバイス検出の手順を示す図。 図9は、実施形態に係る動き検知を説明するための図。 図10は、実施形態に係る動きキャンセルを説明するための図。 図11は、実施形態に係るデバイス除外判定を説明するための図。 図12は、実施形態に係る動き検出対象範囲の手動設定を説明するための図。 図13は、実施形態に係る検出イベントの警告方法を示す図。
以下、図面を参照しながら、医用画像処理装置、X線診断装置、及び、医用画像処理プログラムの実施形態について詳細に説明する。
図1は、実施形態に係るX線診断装置の構成を示す概略図である。図2は、実施形態に係るX線診断装置の一部の外観を示す斜視図である。
ここで、本実施形態に係るX線診断装置は、X線管とその出力を制御する制御部とを備え、撮像を行うことができる装置を意味する。例えば、本実施形態に係るX線診断装置は、単純X線撮影装置(例えば、レントゲン撮影装置)と、循環器X線撮影装置(例えば、X線アンギオグラフィ装置)と、消化器X線撮影装置(例えば、X線TV装置)と、乳房X線撮影装置(例えば、マンモグラフィ装置)を含む。以下、本実施形態に係るX線診断装置が循環器X線撮影装置である場合について説明するが、その場合に限定されるものではない。
図1及び図2に示すように、実施形態に係るX線診断装置1は、撮像、主にX線透視を利用したIVR(Interventional Radiology)術をサポートすることができる。IVR術は、撮像中に行われる、主に、カテーテルを利用した治療のことである。X線診断装置1は、IVR術において、X線透視中は時系列に複数フレームのX線透視画像を逐次(リアルタイムで)生成してそれを逐次表示する。
X線診断装置1は、撮像部5と、実施形態に係る医用画像処理装置6とを備える。撮像部5は、X線発生部10と、X線検出部20と、Cアーム30と、寝台装置40と、高電圧発生部50と、機構制御回路60と、機構部70と、画像処理部80とを設ける。他方、医用画像処理装置6は、ディスプレイ90と、入力インターフェース100と、システム制御部110とを設ける。
撮像部5は、システム制御部110による制御の下、被検体(例えば、患者)を撮像して患者PのX線画像を取得する。例えば、撮像部5は、患者PにX線透視のみを行って複数フレームのX線透視画像を取得する。また、撮像部5は、患者PにX線透視及びX線撮影を行って複数フレームのX線透視画像と、1又は複数のX線撮影画像とを取得する。ここで、X線撮影は、診断に用いるX線画像の生成を目的とした撮像である。X線透視は、X線撮影より線量を低減させ、IVR術の過程を示す複数フレームのX線画像の生成を目的とした撮像である。また、X線透視は、連続透視及びパルス透視に大別される。パルス透視とは、連続透視と異なり、断続する矩形波によりX線を断続的に照射する透視方法を意味する。パルス透視によれば、連続透視に比べ、X線透視画像のフレームの連続性(フレームレート)がやや劣るが患者に対する被曝線量を抑えることができる。
撮像部5のX線発生部10は、X線管11と、X線照射野絞り12とを備える。X線管11は、システム制御部110の制御に従って、患者Pに対してX線を照射する。X線管11は、X線を発生する真空管であり、陰極(フィラメント)より放出された熱電子を陽極と陰極の間に印加させた高電圧によって加速させてタングステン陽極に衝突させX線を発生させる。
X線照射野絞り12は、システム制御部110の制御に従って絞りをスライドさせ、X線管11から照射されたX線に対してX線錘(コーンビーム)を形成する。X線照射野絞り12は、X線管11と患者Pとの間に位置し、X線管11から照射されたX線ビームを、患者Pの関心領域に対して選択的に照射されるように絞り込む。
X線検出部20は、システム制御部110の制御に従って、患者Pを透過したX線を2次元的に検出する。X線検出部20は、平面検出器(FPD:Flat Panel Detector)21と、ゲートドライバ22と、画像データ生成部23とを備える。
X線検出部20には、X線を直接電荷に変換する直接変換方式と、光に変換した後電荷に変換する間接変換方式とがあり、実施形態では前者を例に説明するが後者であっても構わない。
平面検出器21は、微小な素子を列方向及びライン方向に2次元的に配列して構成されたX線検出器の一例である。平面検出器21の各素子は、X線検出素子と、光電膜と、電荷蓄積コンデンサと、TFT(薄膜トランジスタ)とを備える。X線検出素子は、X線を感知する。光電膜は、入射X線量に応じて電荷を生成する。電荷蓄積コンデンサは、光電膜に発生した電荷を蓄積する。TFTは、電荷蓄積コンデンサに蓄積された電荷をX線透過像(X線透視画像又はX線撮影画像)の生データとして所定のタイミングで読み出す。なお、X線透視像の生データをNDD(Non Dosimeter Dosimetry)法を用いて変換して、X線透過像の表面線量データを生成してもよい。
ゲートドライバ22は、平面検出器21から電荷を取り出すために設置される。画像データ生成部23は、X線検出部20から出力されたX線透過像の生データ(又は表面線量データ)を基に、X線透過像の画像データを生成する。
画像データ生成部23は、電荷・電圧変換回路と、A/D(Analog to Digital)変換回路と、パラレル・シリアル変換回路(全て図示省略)とを備える。電荷・電圧変換回路は、平面検出器21から読み出された電荷を電圧に変換する。A/D変換回路は、電荷・電圧変換回路の出力をデジタル信号に変換する。パラレル・シリアル変換回路は、平面検出器21からライン単位でパラレルに読み出されるデジタル変換された画像データをシリアルな信号に変換する。
なお、X線診断装置1では、X線自動露出制御を行うために、フォトピックアップ(例えば、蛍光採光型ファイバ形の検出器)FPを平面検出器21の前面に組み込んでもよい。X線透視用のX線による検査の場合、平面検出器21によってX線透視用のX線を検出して、その検出信号に基づいて、ディスプレイ90の輝度が一定になるようにフィードバックループを構成する。又は、平面検出器21で映像化された画素信号(又はビデオ信号)の平均値が一定になるようにフィードバックループを構成してもよい。
また、図1及び図2において、X線診断装置1が備えるCアーム構造の撮像系は、X線発生部10が天板42の下方に位置するアンダーテーブルの場合を示す。しかしながら、その場合に限定されるものではなく、X線発生部10が天板42の上方に位置するオーバーテーブルの場合であってもよい。
Cアーム30は、X線発生部10とX線検出部20とを一体として保持する。なお、X線発生部10とX線検出部20とを一体として保持するアームは、「C」形状のいわゆるCアームに限定されるものではない。例えば、X線発生部10とX線検出部20とを一体として保持するアームは、「Ω」形状のいわゆるΩアームであってもよい。
寝台装置40は、寝台本体41と、天板42とを備える。寝台本体41は、天板42を保持し、天板42を動作させる各動力部を備える。天板42は、患者Pを載置する。ここで、天板42の短手方向をX軸方向と定義し、鉛直方向をY軸方向と定義し、天板42の長手方向をZ軸方向と定義する。X軸とY軸とZ軸とは互いに直交する。
高電圧発生部50は、システム制御部110の制御により、X線発生部10のX線管11に高電圧電力を供給する。
機構制御回路60は、システム制御部110の制御により、機構部70に電気を供給してCアーム30の回転を行わせたり、天板42のスライドを行わせたりする動力回路である。
機構部70は、Cアーム回転機構71と、天板スライド機構72とを備える。Cアーム回転機構71は、機構制御回路60を介したシステム制御部110の制御によって、Cアーム回転機構71を構成する各動力部を動作させる。それにより、Cアーム回転機構71は、X線発生部10とX線検出部20とを保持するCアーム30を、Cアーム30の円弧方向への回転を行わせたり、Cアーム30の支点を中心とする回転を行わせたりする。
Cアーム30の円弧方向の回転は、CRA(Cranial View)の向きの回転と、CAU(Caudal View)の向きの回転とに対応する。Cアーム30の支点中心の回転は、LAO(Left Anterior Oblique View)の向きの回転と、RAO(Right Anterior Oblique View)の向きの回転とに対応する。なお、Cアーム30の円弧方向の回転が、LAOの向きの回転とRAOの向きの回転とに対応し、Cアーム30の支点中心の回転が、CRAの向きの回転とCAUの向きの回転とに対応する構成を有していてもよい。
天板スライド機構72は、機構制御回路60を介したシステム制御部110の制御によって、天板42を保持する寝台本体41を構成する各動力部を動作させる。それにより、天板スライド機構72は、寝台本体41を患者Pの左右方向(X軸方向)、鉛直方向(Y軸方向)、患者Pの体軸方向(Z軸方向)にスライドさせることができる。
画像処理部80は、画像メモリ81と、画像演算回路82とを備える。画像メモリ81は、システム制御部110の制御によって、画像データ生成部23からライン単位又はフレーム単位で順次出力される画像データを記憶する。
画像演算回路82は、システム制御部110の制御によって、画像メモリ81に記憶された画像データに対して画像処理を施し、画像処理後の画像データを画像メモリ81に記憶させる。画像処理としては、X線透過像の画像データの拡大/階調/空間ファイルタ処理、時系列に蓄積された画像データの最小値/最大値トレース処理、サブトラクション処理、ノイズを除去するための加算処理等が挙げられる。
医用画像処理装置6のディスプレイ90は、システム制御部110による制御の下、画像処理部80によって処理されたX線透過像の画像データに、システム制御部110から提供されたX線照射条件等のテキスト・図形情報を合成させて表示する。例えば、ディスプレイ90は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイパネル、有機EL(Electro Luminescence)パネル、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等である。なお、ディスプレイ90は、表示部の一例である。
入力インターフェース100は、技師等の操作者によって操作が可能な入力医用デバイスと、入力医用デバイスからの信号を入力する入力回路とを含む。入力医用デバイスは、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、操作面に触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、音声入力回路等によって実現される。入力医用デバイスが術者等の操作者から入力操作を受け付けると、入力回路は当該入力操作に応じた電気信号を生成して処理回路111に出力する。
入力インターフェース100は、操作者による操作により、患者Pの患者情報や、患者Pの観察対象部位に対して最適なX線照射条件等に応じた信号をシステム制御部110に送信する。患者情報としては、検査部位、検査方法、体格(体厚)、過去の診断履歴等が挙げられる。なお、入力インターフェース100は、入力部の一例である。
システム制御部110は、処理回路111と、メインメモリ112とを備える。システム制御部110は、入力インターフェース100から入力される操作者の指示に従って、X線診断装置1の全体の制御を行う。
処理回路111は、専用又は汎用のCPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processor Unit)の他、特定用途向け集積回路(ASIC)、及び、プログラマブル論理医用デバイス等の処理回路を意味する。プログラマブル論理医用デバイスとしては、例えば、単純プログラマブル論理医用デバイス(SPLD:Simple Programmable Logic Device)、複合プログラマブル論理医用デバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)、及び、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等の回路が挙げられる。処理回路111は、メインメモリ112に記憶された、又は、処理回路111内に直接組み込まれたプログラムを読み出し実行することで後述する機能を実現する。なお、処理回路111は、表示制御部及び制御部の一例である。また、プログラムは、医用画像処理プログラムの一例である。
また、処理回路111は、単一の処理回路によって構成されてもよいし、複数の独立した処理回路の組み合わせによって構成されてもよい。後者の場合、複数のメインメモリ112が複数の処理回路の機能に対応するプログラムをそれぞれ記憶するものであってもよいし、1個のメインメモリ112が複数の処理回路の機能に対応するプログラムを記憶するものであってもよい。
メインメモリ112は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等によって構成される。メインメモリ112は、USB(Universal Serial bus)メモリ及びDVD(Digital Video Disk)等の可搬型メディアを備えてもよい。メインメモリ112は、処理回路111において用いられる各種処理プログラム(アプリケーションプログラムの他、OS(Operating System)等も含まれる)や、プログラムの実行に必要なデータを記憶する。また、OSに、操作者に対するディスプレイ90への情報の表示にグラフィックを多用し、基礎的な操作を入力インターフェース100によって行うことができるGUI(Graphic User Interface)を含めることもできる。
続いて、X線診断装置1の構成及び機能について図3を用いて説明する。図3は、実施形態に係るX線診断装置の構成及び機能を示すブロック図である。
処理回路111がメインメモリ112に記憶された、又は、処理回路111内に直接組み込まれたコンピュータプログラムを実行することによって、X線診断装置1は、情報取得機能F1と、リスク評価機能F2と、画像取得機能F3と、領域特定機能F4と、差分抽出機能F5と、変化検出機能F6と、リスク判定機能F7と、表示制御機能F8と、記憶制御機能F9とを実現する。なお、機能F1~F9の全部又は一部は、コンピュータプログラムの実行によって機能する場合に限定されず、X線診断装置1に備えられるASIC等の回路によって機能する場合であってもよい。
情報取得機能F1は、血管情報収集装置7から患者Pにおける血管の状態を示す血管情報を取得する機能を含む。血管情報収集装置7は、例えば、IVUS(Intra Vascular Ultra Sound:血管内超音波)、OCT(Optical Coherence Tomography:光干渉断層撮影)等の装置である。なお、血管情報収集装置7が収集した血管情報を他の記憶装置(例えば、データサーバ)に格納しておいて、情報取得機能F1は、当該記憶装置から血管情報を取得してもよい。
リスク評価機能F2は、情報取得機能F1が取得した血管情報に基づいて、当該血管情報に含まれる血管画像を分割したエリアごとにリスクを評価する機能を含む。
画像取得機能F3は、撮像部5から患者PのX線画像を取得する機能を含む。
領域特定機能F4は、画像取得機能F3が取得したX線画像のうち、術者が注視している領域以外の領域である注視外領域を特定する機能を含む。
差分抽出機能F5は、領域特定機能F4が特定した注視外領域からX線画像のフレーム間の差分を抽出する機能を含む。
変化検出機能F6は、差分抽出機能F5が抽出した差分に基づいて、所定数以上の連続するフレームに亘って変化する箇所を検出する機能を含む。
リスク判定機能F7は、リスク評価機能F2による評価結果である、血管画像を分割したエリアごとに評価されたリスクに基づいて、X線画像のフレームを分割したエリアごとのリスクを判定する機能を含む。
表示制御機能F8は、変化検出機能F6が検出した、変化する箇所をディスプレイ90に表示させる機能を含む。また、表示制御機能F8は、リスク判定機能F7による判定結果である、フレームを分割したエリアごとのリスクに応じた表示態様により、当該エリアをディスプレイ90に表示させる機能を含む。
記憶制御機能F9は、必要な情報をメインメモリ112に記憶させる。
ここで、実施形態に係る医用画像処理の対象となる血管について説明する。一般的に血管治療を行う、頭部、胸部、腹部、下肢の血管を対象とする。呼吸、脈拍、心拍等による動きの大きい胸部、腹部等については、被検体の心電波形との同期撮影(ECG同期)や、X線透視画像に描出されるデバイスを仮想的に静止したかのように見せる画像処理技術等の技術を組み合わせることによって、対象となる血管の位置が動いていない、リアルタイムのX線透視画像を取得することを前提とする。
心電波形との同期撮影では、X線診断装置は、被検体の心電波形(Electrocardiogram:ECG)に同期して特定の心時相(フェーズ)で被検体にX線を照射する。ここで、心臓には、心室拡張末期などの、心臓の動きが比較的小さい期間があり、この期間にX線照射を行うと、動きボケの小さいX線透視画像を収集することができる。これにより、動いていない血管を観察することができる。また、X線透視画像に描出されるデバイスを仮想的に静止したかのように見せる画像処理技術では、例えば、血管を内部から広げるためのステントに備えられた2点のバルーンマーカをX線透視画像上で検出し、順次収集されるX線透視画像における当該マーカの位置が過去画像と略同位置となるように画像変形や位置合わせの処理を施す。これにより、当該マーカを備えるデバイスが仮想的に止まって見える。また、例えば、2点のマーカの位置が同じ位置になるように補正された複数のX線透視画像を加算平均することにより、デバイスを強調して表示する技術がある。これにより、リアルタイムにステントの視認性を向上させることができる。
図4は、実施形態に係るX線診断装置の動作例をフローチャートとして示す図である。ここでは、動作の概要を説明し、各ステップの処理の詳細は後述する。
ステップS1で、情報取得機能F1は、事前に血管情報収集装置7から被検体である患者Pの血管内の状態を示す血管詳細情報を取得し、リスク評価機能F2は、血管詳細情報からリスクを抽出し、当該リスクのある箇所をマップ化する。リスク評価機能F2は、例えば、IVUSカテーテルの選択位置と、血管詳細情報とから検出したリスク箇所を点数付けし、当該点数をリスク箇所の位置にマッピングした2D画像(以下、「リスクマップ」という)を作成し、当該リスクマップを術前情報としてメインメモリ112に記憶させる。なお、血管詳細情報は、血管情報の一例である。
次に、ステップS2で、画像取得機能F3は、画像処理部80から、患者Pの、X線透視によるリアルタイム画像(以下、「X線透視画像」という)を取得する。なお、画像取得機能F3は、画像処理部80から、患者PのX線撮影画像を取得してもよい。また、X線透視画像、及び、X線撮影画像は、X線画像の一例である。
そして、ステップS3で、領域特定機能F4は、取得したX線透視画像のうち、術者が注視している領域以外の領域である注視外領域を特定する。X線画像の収集において使用された高精細検出器、MAF(Micro Angiographic Fluoroscope)等の視野領域については術者が注視しているので、領域特定機能Fは、例えば、当該視野領域以外を注視外領域として特定してもよい。カテーテルは術者が注視しているので、領域特定機能Fは、例えば、カテーテルの先端の中心から所定距離内の範囲以外を注視外領域として特定してもよい。さらに、領域特定機能Fは、血管又はその周辺において動きのある箇所から所定距離内の範囲を注視外領域に含めてもよい。
続いて、ステップS4で、差分抽出機能F5は、特定した注視外領域からX線透視画像のフレーム間の差分を抽出する。差分抽出機能Fは、例えば、注視外領域をエリアに分割し、各フレームのエリアごとに平均階調値を算出し、前後するフレーム間で平均階調値が異なるエリアを差分として抽出する。平均階調値の詳細は、後述する。
ステップS5で、変化検出機能F6は、X線透視画像のフレーム間の差分に基づいて、所定数以上の連続するフレームに亘って変化する箇所を検出する。変化検出機能F6は、例えば、3以上の連続するフレーム間において変化する箇所があれば、変化する箇所を検出したものとする。所定数には、3に限らず、3以上の任意の整数が設定される。
逆に言えば、変化検出機能F6は、ノイズ等、前後するフレーム間にて一時的に不特定に変化するものを除去し、変化する箇所として検出しない。ノイズ等の除去の詳細は、後述する。
なお、変化検出機能F6は、変化する箇所が連続して発生しているか否かを、DDSのロジックを用いて判断する。また、プラーク等のように、変化する箇所が移動することを考慮すると、変化検出機能F6は、連続して変化する箇所を、1つのエリアだけでなく、隣接するエリアを含む所定の範囲を以って検出してもよい。
ステップS6で、リスク判定機能F7は、術前のリスクマップと、術中のX線透視画像において変化した箇所とに基づいて、注視外領域を分割したエリアごとのリスクを判定する。リスクの判定結果として、エリアごとに点数が付与される。点数が大きいほど、リスクが高いことが示される。
ステップS7で、表示制御機能F8は、ステップS6にて判定した、注視外領域を分割したエリアごとのリスクに応じたメッセージ、色等により、警告をディスプレイ90に表示させる。
ステップS8で、記憶制御機能F9は、ステップS5にて検出した「変化した箇所」と、「変化した箇所」を含むフレームの画像と、ステップS6にて判定したリスクとをメインメモリ112に検出結果として記憶させる。画像は、静止画であってもよいし、動画であってもよい。
なお、X線診断装置1は、ステップS7の警告処理はスキップして、ステップS8の記憶処理だけを行ってもよい。
さらに、ステップS9で、処理回路111は、X線透視を終了するか否かを判定する。例えば、処理回路111は、入力インターフェース100を介して、術者等の操作者からの入力操作に応じた電気信号により、X線透視を終了するか否かを判定する。X線透視を終了する場合(ステップS9のYES)、処理回路111は、一連の処理を終了する。X線透視を終了しない場合(ステップS9のNO)、処理回路111は、ステップS2~S8の処理を再度実行する。
ステップS1における事前の血管に関するリスク評価について、図5、図6を用いて説明する。図5は、IVUSカテーテル及び血管の画像を示す図である。図6は、実施形態に係る血管詳細情報からのリスク評価の具体例を示す図である。
事前のIVUS、OCT等の検査で得られる血管内の情報は、病態の把握や治療方針の決定に重要な役割を果たす。例えば、IVUSは、PCI(Percutaneous Coronary Intervention:経皮的冠動脈形成術)を施行する際に行われ、手技をより安全に確実に行うためには欠かせない検査である。病院によっては、PCIを施行した症例の大部分に対して、IVUSが施行される。
図5左図には、血管の内部におけるIVUSカテーテルの様子が示される。図5右図の背景の画像は、事前のIVUSカテーテルの使用時に撮影したX線画像(例えば、X線透視画像)であり、IVUSカテーテルが血管内部を進むごとの、IVUSカテーテルの血管内の位置を示すと共に、IVUSカテーテルで撮影した(キャプチャした)血管内の画像が、例えば、サムネイル画像で表示される。図5右図に示す4個の白い円環は、IVUSのキャプチャ箇所を示す。
図6上図には、血管詳細情報の項目と、用途、リスク評価の視点等とが対応付けて示される。例えば、上述したX線画像の中の血管画像は、ステップS2で取得されるX線透視画像との間で位置及び表示倍率を合わせるためにメインメモリ112に記憶される。また、血管画像は、リスク判定機能F7が、血管詳細情報から生成されたリスクマップの点数を、X線透視画像のフレームを分割したエリアに当てはめる際に利用される。
IVUSカテーテルの先端の位置情報は、上記のX線画像上から読み取られ、このX線画像の位置情報に紐付けられる。また、IVUSカテーテルの先端の位置情報は、IVUSからの情報、即ち、IVUSで撮影した画像から得られる各種の情報にも紐付けられる。
IVUSからの情報には、プラークの有無、成分検査によるプラークの脆さ、血管の厚さ(薄いほど破れやすい)、血管の内径(閉塞地点、標準よりも太い異常拡張に注意要)がある。プラークが塞栓元や血管途中の分岐点にある場合には、リスク箇所と見なされる。IVUSによれば、プラークの方向性、性状、サイズ、長軸方向への広がり等が検出可能である。上記以外にも、例えば、血管の硬さ、ガイドワイヤの留置時又は留置後の血管の形状変化等が検出される。
操作情報には、操作時のカテーテルの通過時間、カテーテルの湾曲箇所がある。
次に、リスク評価機能F2は、図6上図の血管詳細情報から図6中図のリスクマップを生成する。リスクマップでは、リスクの高いエリアに大きい点数が付与される。すなわち、血管上のリスクのある箇所及び当該リスクの度合いが、2D画像を分割したエリアと、当該エリアごとの点数とにより表示されたリスクマップが作成される。
例えば、操作しているIVUSカテーテルの通過に所定値以上の時間がかかっている箇所には、大きい点数が付与されている。これは、IVUSカテーテルが通過し難いのは、何らかの不都合があるからであり、例えば、血管の内径が小さい場合、IVUSカテーテルの先端が血管壁に当たることがあり得るためである。また、IVUSカテーテルが大きく湾曲している箇所のエリアには、大きい点数が付与されている。これは、IVUSカテーテルの湾曲部分が血管壁に擦れることがあり得るためである。
そして、術前のリスクマップを含む収集データが術前情報としてメインメモリ112に記憶される。収集データとは、以降のイベント検出のための、位置情報と、エリアごとにリスクを重み付けしたリスクマップとが主であるが、補完のためのIVUSからの詳細情報を同時に保持することも可能である。
なお、上記では、IVUSカテーテルからのデータに基づいて術前情報を収集し、登録する例を記載しているが、他の装置からのデータや、学習済みのAI(Artificial Intelligence)データであってもよい。あるいは、手動で術前情報を登録してもよい。
図7は、MAF視野(通常視野の画像収集に用いられる検出器よりも小視野且つ高解像度である検出器に対応する視野)、及び通常視野を示す図である。X線診断装置1の医用画像処理装置6は、ディスプレイ90として、主モニタ901及び副モニタ902を有してもよい。図7左図に示すように、主モニタ901には、MAF視野が表示される。図7右図に示すように、副モニタ902には、通常視野が表示される。
術者は、主モニタ901のMAF視野にて、デバイス付近を拡大した画像を見ながら、手術を行う。図7左図の主モニタ901には、例えば、カテーテルが表示されている。このとき、術者は、当該カテーテルの先端部分に注目していることが想定される。一方、術者は、副モニタ902の通常視野にて、手術対象部分及びその周辺を含む全体の画像を適宜確認する。
X線透視の最中に、X線診断装置1の差分抽出機能F5は、バックグラウンドにおいて、フレーム間における差分(変化点)を抽出し続ける。当該差分に基づいて、変化検出機能F6が連続するフレームに亘って変化する箇所を検出した場合には、表示制御機能F8がリアルタイムに副モニタ902において、変化した箇所に目立つ色の矩形枠を表示させる。これにより、当該箇所に変化が発生したことが明示される。
なお、変化した箇所に表示させるのは、矩形枠に限らず、任意の多角形の枠でもよいし、円形や楕円形の枠であってもよいし、他の図形の枠であってもよい。また、例えば、音、光、振動等により、変化が発生したことが通知されてもよい。これにより、術者は、X線画像として表示された、手術中の領域を注視しながら、当該領域以外で発生したイベントに気付くことができる。
図7右図の副モニタ902には、いくつかの変化が検出された結果、変化した箇所に矩形枠が表示されている。血管上の変化として、血栓などの物質の移動(例えば、プラークが飛んだ)を検知したことが示されている。次に、血管形状の変化として、事前検査でのリスク箇所の変化(例えば、元々あったプラークが剥がれた)を検知したことが示されている。そして、カテーテル等のデバイスの位置の変化として、術中のデバイス位置の異常(例えば、ガイドワイヤの先端が血管外に出ている)を検知したことが示されている。
なお、領域特定機能F4は、通常視野の画像から注視領域を検出し、それ以外を注視外領域として特定する。注視領域とは、主モニタ901におけるMAF画像の表示領域、デバイス移動、カテーテル操作などによる画像変化領域を示す。MAF画像は、術者が注視する対象なので、MAF画像の表示領域以外を注視外領域として特定することにより、不要な警告を減らすことができる。
その後、記憶制御機能F9は、目立つ色の矩形枠を表示したX線透視画像を、イベント画像としてメインメモリ112に記憶させる。このとき、イベント画像に対して、アノテーションとしてメタデータを付加した状態で記憶させてもよい。これにより、X線透視が終了した後は、イベント画像を、過去の画像と共にいつでも表示することができる。また、メタデータを参照することにより、イベント画像を残したときの状況等を確認することができる。
なお、表示制御機能F8は、図7に示す「血栓などの物質の移動検知」等、イベントが発生した旨を示すメッセージを、副モニタ902の通常視野の中に表示させてもよいし、必ずしも表示させなくてもよい。
図8は、実施形態に係る血管内外のエリア判定及びデバイス検出の手順を示す図である。手順として、まず、造影剤を投与する前の患者PのX線画像G1を取得する。これにより、骨の部分の画像を取得することができる。次に、造影剤を投与した後の患者PのX線画像G2を取得する。これにより、骨の部分及び血管の部分の画像を取得することができる。そして、X線画像G1と、G2との差分を抽出して、画像G3とする(透視ロードマップ)。これによれば、骨の部分が差し引きされて、血管像が強調された画像G3を取得することができる。
一方、カテーテルを挿入する前の患者PのX線画像G4を取得する。これにより、骨の部分の画像を取得することができる。次に、カテーテルを挿入した後の患者PのX線画像G5を取得する。これにより、骨の部分及びカテーテルの画像を取得することができる。そして、X線画像G4と、G5との差分を抽出する。これによれば、骨の部分が差し引きされて、カテーテルの画像G6を取得することができる。
上記の手順によれば、骨の部分、血管の部分、及び、カテーテルの各画像を分離して取り出すことができる。血管の部分の画像G3を取得することにより、血管及びその周辺を主な監視対象とし、それ以外の背景を監視対象から除外することができる。カテーテルの画像G6を取得することにより、操作中のデバイスを監視対象から除外することができる。
差分抽出機能F5は、画像全体のぶれによる誤検知を防ぐために、フレーム間でピクセルシフトをかける。さらに、ノイズ等を除去するための技術について、図9~図11を用いて、説明する。
図9は、動き検知を説明するための図である。動き検知とは、患者Pが一時的に動いたことを検知することである。このような動きは、本来検知すべき変化ではないので、イベントを検出したことにはならない。
詳細には、差分抽出機能F5は、X線透視画像のうち、フレームを分割したエリアごとに、当該エリアに含まれるすべての画素が有する階調値の平均(以下、「平均階調値」という)を算出する。各画素の階調値は、例えば、12ビットグレースケールの場合、1から4096の何れかの値になる。次に、差分抽出機能F5は、前後するフレーム間において、平均階調値が異なるエリアを差分として抽出する。なお、平均階調値は、画素値の一例である。
そして、変化検出機能F6は、前後するフレーム間にて平均階調値が異なるエリアを変化する箇所として検出しない。これは、前後するフレーム間において差分となるエリアが抽出されたものの、一時的な動きに過ぎないので、本来検知すべき変化ではないと見なされるからである。
図10は、実施形態に係る動きキャンセルを説明するための図である。動きキャンセルとは、画像が大きく動いた場合には、動いたという情報自体を破棄することである。このような動きは、本来捉えるべき変化ではないので、差分として見なさない。
詳細には、差分抽出機能F5は、前後するフレーム間において、平均階調値が異なるエリアを差分として抽出する。ただし、差分抽出機能F5は、フレーム全体のエリア数に対する平均階調値が異なるエリア数の割合が所定値以上である場合(実際には、例えば、平均階調値が異なるエリアがフレーム全体に散在している場合)、平均階調値が異なるエリアを差分として抽出しない。これは、前後するフレーム間において差分となるエリアを抽出したものの、差分となるエリアの割合が高いので、呼吸、脈拍、心拍等による、患者P全体の揺動と見なされるからである。従って、このようなエリアは、平均階調値が異なっていたとしても、抽出すべき差分として見なさないことにする。
図11は、実施形態に係るデバイス除外判定を説明するための図である。デバイス除外判定とは、連続的に動いている部分が検出されたとしても、当該部分に繋がる、連続した画像が存在する場合には、操作中のデバイスであると認識することである。これは、操作中のデバイスは、先端が動き、先端から侵入部まで連続した画像になるという特徴を持つからである。このような動きは、本来検知すべき変化ではないので、イベントを検出したことにはならない。
詳細には、図11右図を参照しながら説明する。
(1)差分抽出機能F5は、前後するフレーム間において、平均階調値が異なるエリアを差分として抽出する。
(2)変化検出機能F6は、平均階調値が異なる第1エリアに隣接し、かつ、平均階調値が所定値以上である第2エリアが存在した場合、第1エリア及び第2エリアを変化する箇所として検出しない。これは、前後するフレーム間において差分となる第1エリアを抽出したものの、第1エリアに隣接する第2エリアが存在し、かつ、第2エリアの平均階調値が所定値以上である場合、第1エリア及び第2エリアは、先端が動いているデバイスであると見なされるからである。
(3)(2)の、エリア同士が「隣接」する方向は、縦方向でもよいし、横方向でもよいし、斜め方向でもよい。
(4)変化検出機能F6は、第2エリアの周辺に存在する第3エリアも、変化する箇所として検出しない。これは、デバイスの周辺が揺動することがあるので、それを考慮した結果である。第3エリアは、例えば、第2エリアに隣接する範囲であってもよい。なお、第3エリアを第2エリアから見てどの程度の範囲にするかの設定は可変である。
上記の実施形態によれば、術者が画面上で注視している領域外で発生したイベントを検出して、術者に伝達することにより、術者は患者の治療に集中することができる。従って、医師や技師の負担を軽減することができる。
(実施例1)
図12は、実施形態に係る動き検出対象範囲の手動設定を説明するための図である。図6に示す血管詳細情報を用いて設定されたリスク箇所以外に、変化を検出したい箇所がある場合、術者は、ディスプレイ90の画面上でその範囲を指定してもよい。
カテーテルが親カテーテルと、μカテーテルとから構成されることがある。例えば、頭部の血管を検査する際には、首の少し上の血管まで親カテーテルが入り、その先の血管にはμカテーテルが使用される。親カテーテルは、位置が固定されることが望ましいが、実際には、滑ったり動いたりしてしまうことがある。
X線診断装置1の、主モニタ901には、μカテーテルの先端を含む注視領域の画面が表示される。それに対して、術者は、副モニタ902には親カテーテルを含む画面が表示されるように、動き検出対象範囲を画面上にて手動で選択してもよい。これにより、術者は、μカテーテルの先端の動きを注視しながら、同時に親カテーテルの動きにも気付くことができる。
(実施例2)
図13は、実施形態に係る検出イベントの警告方法を示す図である。X線診断装置1において、変化検出機能F6が注視外領域内で変化した箇所を検出した場合に、表示制御機能F8は、ディスプレイ90の画面上に当該箇所を矩形枠で囲むように表示させてもよい。また、図13左図に示すように、表示制御機能F8は、事前の血管詳細情報に基づく、リスク箇所の点数に応じた色を上記矩形枠に付して表示させてもよい。例えば、上記矩形枠を、リスク箇所の点数に応じて、例えば、「危険」、「警戒」、「注意」の3段階で、赤色、黄色、青色に色分けしてもよい。なお、図13では、色分けを示せないので、矩形枠の実線、破線の種類により、各々が異なることを示す。
音声を用いて、術者に警告してもよい。その場合には、警告音の音量、時間的間隔等により危険度を表現する。例えば、危険度が高いほど、音量は大きく、時間的間隔は短くするようにしてもよい。
振動を用いて、術者に警告してもよい。その場合には、振動の大きさ(振動速度)、振動の時間的間隔等により危険度を表現してもよい。例えば、透視/撮影フットスイッチ等、手技中の術者が触れている部分に振動用モータを取り付け、振動の大きさ、時間的間隔等を制御して伝達してもよい。例えば、危険度が高いほど、振動は大きく、時間的間隔は短くするようにしてもよい。
(実施例3)
表示制御機能F8は、リスク検出した箇所を注意喚起のためにディスプレイ90に表示させてもよい。すなわち、図13中図に示すように、事前に評価されたリスク箇所の点数付けは、リアルタイムのX線画像に差分や変化が検出されていなくても、リスクがありそうな箇所として最初から画面上に表示させてもよい。また、図13右図に示すように、リスク箇所の点数に応じて色分けした矩形枠を、リスク箇所を囲むように表示させてもよい。なお、事前作成したリスク領域は、単独であっても、いつでも画像と重ね合わせ表示させてもよい。例えば、透視のLIH(Last Image Hold)画像上において、重み付けを表示させてもよい。
リスク箇所の点数付け、及び、点数に応じて色分けした矩形枠をディスプレイ90に表示させることにより、術者に対して、カテーテル等のデバイスを血管内に通過させる際に注意喚起することができる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、X線画像として表示された領域に注視している術者等のユーザに、当該領域以外におけるイベントの発生を報知することができる。
なお、情報取得機能F1は、情報取得部の一例である。リスク評価機能F2は、リスク評価部の一例である。画像取得機能F3は、画像取得部の一例である。領域特定機能F4は、領域特定部の一例である。差分抽出機能F5は、差分抽出部の一例である。変化検出機能F6は、変化検出部の一例である。リスク判定機能F7は、リスク判定部の一例である。表示制御機能F8は、表示制御部の一例である。記憶制御機能F9は、記憶制御部の一例である。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…X線診断装置
5…撮像部
6…医用画像処理装置
90…ディスプレイ
110…システム制御部
111…処理回路
F1…情報取得機能
F2…リスク評価機能
F3…画像取得機能
F4…領域特定機能
F5…差分抽出機能
F6…変化検出機能
F7…リスク判定機能
F8…表示制御機能
F9…記憶制御機能

Claims (8)

  1. 被検体のX線画像を取得する画像取得部と、
    前記X線画像のうち、ユーザが注視している領域以外の領域である注視外領域を特定する領域特定部と、
    前記注視外領域から前記X線画像のフレーム間の差分を抽出する差分抽出部と、
    前記差分に基づいて、所定数以上の連続する前記フレームに亘って変化する箇所を検出する変化検出部と、
    前記箇所を表示部に表示させる表示制御部と、
    を備える医用画像処理装置。
  2. 前記被検体における血管の状態を示す血管情報を取得する情報取得部と、
    前記血管情報に基づいて、当該血管情報に含まれる血管画像を分割したエリアごとにリスクを評価するリスク評価部と、
    前記血管画像を分割したエリアごとに評価されたリスクに基づいて、前記フレームを分割したエリアごとのリスクを判定するリスク判定部と、
    をさらに備え、
    前記表示制御部は、前記フレームを分割したエリアごとのリスクに応じた表示態様により、当該エリアを前記表示部に表示させる、
    請求項1に記載の医用画像処理装置。
  3. 前記差分抽出部は、前記フレームを分割したエリアごとに画素値を算出し、前記フレーム間において、前記画素値が異なるエリアを前記差分として抽出し、
    前記変化検出部は、前記画素値が異なるエリアを前記変化する箇所として検出しない、
    請求項1又は2に記載の医用画像処理装置。
  4. 前記差分抽出部は、前記フレーム全体のエリア数に対する前記画素値が異なるエリア数の割合が所定値以上である場合、前記画素値が異なるエリアを前記差分として抽出しない、
    請求項3に記載の医用画像処理装置。
  5. 前記変化検出部は、前記画素値が異なる第1エリアに隣接し、かつ、画素値が所定値以上である第2エリアが存在した場合、前記第1エリア及び前記第2エリアを前記変化する箇所として検出しない、
    請求項3に記載の医用画像処理装置。
  6. 前記領域特定部は、前記X線画像の収集において使用された高精細検出器の視野領域以外を前記注視外領域として特定する、
    請求項1又は2に記載の医用画像処理装置。
  7. 被検体を撮像してX線画像を取得する撮像部と、
    前記撮像部から前記X線画像を取得する画像取得部と、
    前記X線画像のうち、ユーザが注視している領域以外の領域である注視外領域を特定する領域特定部と、
    前記注視外領域から前記X線画像のフレーム間の差分を抽出する差分抽出部と、
    前記差分に基づいて、所定数以上の連続する前記フレームに亘って変化する箇所を検出する変化検出部と、
    前記箇所を表示部に表示させる表示制御部と、
    を備えるX線診断装置。
  8. コンピュータに、
    被検体のX線画像を取得する機能と、
    前記X線画像のうち、ユーザが注視している領域以外の領域である注視外領域を特定する機能と、
    前記注視外領域から前記X線画像のフレーム間の差分を抽出する機能と、
    前記差分に基づいて、所定数以上の連続する前記フレームに亘って変化する箇所を検出する機能と、
    前記箇所を表示部に表示させる機能と、
    を実現させる医用画像処理プログラム。
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