JP2024037084A - 板材のポンチ装置と板材の打抜き方法 - Google Patents

板材のポンチ装置と板材の打抜き方法 Download PDF

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Abstract

【課題】抜きダイを使用することなく、抜きポンチで能率よく板材に貫通穴を打ち抜きする。抜きポンチの刃先の破損を防止しながら、厚い板材をスムーズに打ち抜きして貫通穴を設ける。【解決手段】板材のポンチ装置は、板材6をセットする載せ台2と、載せ台2にセットしてなる板材6を打ち抜きして貫通穴7を設ける抜きポンチ1と、抜きポンチ1を板材6の表面に押圧するプレス装置3と、板材6の下面と載せ台2の載せ面50との間に、抜きポンチ1の刃先10が板材6の下面から突出する突出隙間40を設けるスペーサー4とを有している。抜きポンチ1は、先端縁を内刃の刃先10としてなる筒状刃1Aであって、プレス装置3で押圧された抜きポンチ1の刃先10が板材6を貫通して、板材6の下面から突出隙間40に突出して板材6に貫通穴7を打ち抜きする。【選択図】図5

Description

本発明は、板材に貫通穴を開けるポンチ装置と、抜きポンチで板材に貫通穴を開ける方法に関し、とくに厚い板材に貫通穴を開けるのに好適なポンチ装置と打抜き方法に関する。
板材を打ち抜きして貫通穴を設ける板材のポンチ装置は開発されている(特許文献1参照)。この公報に記載される装置の断面図を図18に示している。この装置は、抜きポンチ731の外周にリング状のストリッパ732を嵌合配置して、ストリッパ732の下方をスプリング733で保持している。板材739の上には、抜きポンチ731に対応する外形のノックアウト734をスプリング735で保持して、その外周に、抜きダイ736を嵌合構造に配置して、抜きダイ736の内周には、下方に突出して突出刃部737を設けている。抜きダイ736の内径は、抜きポンチ731の外径寸法に比べてわずかな寸法(g)だけ大きい寸法で、突出刃部737の高さ(H)は、板材739の板厚(T)の1/3~1/2の範囲の寸法としている。この装置は、上面が同一面上に配列された抜きポンチ731およびストリッパ732の上に板材739を配置している。この装置は、上方からノックアウト734を下降させて、これと抜きポンチ731との間に板材739を挟着する。この状態で、次に図19に示すように、抜きダイ736を下降させて、その突出刃部737を板材739に喰い込ませる。この状態で下方のストリッパ732の上面はスプリング733により抜きポンチ731の上面に一致している。この状態で、抜きダイ736の突出刃部737の高さ(H)の寸法だけ板材739に喰い込ませる。抜きダイ736の外周平坦部738が板材739に当接した状態で、図20に示すように、抜きダイ736の平坦部738とストリッパ732とで板材739を挾み拘束しながら、スプリング733の押圧力に抗してダイ736を矢印(F)の如く降下させる。そしてノックアウト734およびポンチ731を解除し、所定形状に打抜かれたホルダ725を得る。
以上のポンチ装置は、突出刃部737の内側に抜きポンチ731を挿入して、突出刃部737と抜きポンチ731で板材739を挟着して打ち抜きするので、突出刃部737の内側に、狭い隙間で抜きポンチ731を挿入するため、突出刃部737のある抜きダイ736と、抜きポンチ731を高い精度で製作する必要がある。また、抜きポンチ731と抜きダイ736を高い精度で定位置に配置てながら、突出刃部737の内側に抜きポンチ731を挿入して板材739を打ち抜きする必要がある。このため、突出刃部737のある抜きダイ736と抜きポンチ731の製造コストが高く、抜きダイ736と抜きポンチ731を定位置に配置して往復運動させる必要があるので、簡単に能率よく打ち抜きできない欠点がある。さらに、以上のポンチ装置は、貫通穴の内周面を正確な垂直面として打ち抜きできない。それは、突出刃部737が外周面に刃面を設けた刃先とするからである。
以上の欠点は、図21に示すように、載せ台92の上に板材96を載せて、内周面に刃面94を設けている片刃の筒状刃の抜きポンチ91で打ち抜きして、すなわち抜きダイを使用することなく、抜きポンチ91のみで板材96を裁断して解消できる。しかしながら、このポンチ装置は、厚い板材を打ち抜きして、内周面を垂直面とする横断面形状が同一形状の貫通穴を開口できない。それは、抜きポンチ91で裁断されて筒状刃の内側に圧入される裁断物96cが次第に強い圧力で先端部に押し込まれるようになって裁断を阻害するからである。図22は、板材96を裁断して抜きポンチ91の刃先部に、押し潰された板材96がつっかえて裁断できない状態を示している。内周面に刃面94を設けている片刃の抜きポンチ91は、刃先93が板材96を切り込むに従って、裁断されて内部に押し込まれる裁断物96cの摩擦抵抗が大きくなる。抜きポンチ91の内側形状が、先端から上窄み状に細くなって、圧入される裁断物96cが抜きポンチ91の内面を強く圧迫するからである。抜きポンチ91の内側に押し込まれた裁断物96cは、降下する抜きポンチ91で板材96の底面を載せ台92の表面に押し付けて板材96を圧迫する。圧迫された板材96は硬くなって抜きポンチ91の刃先93につっかえて、抜きポンチ91の降下を阻害する。この状態で、抜きポンチ91を無理に押し下げると、圧迫されて先端につっかえた板材96が無理に抜きポンチ91の内側に押し込まれて刃先93を破損する。
特開昭61-142615号公報
本発明は以上の欠点を解消することを目的として開発されたもので、本発明の一の目的は、抜きダイを使用することなく、抜きポンチで能率よく板材に貫通穴を打ち抜きできるポンチ装置と板材の打ち抜き方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、抜きポンチの刃先の破損を防止しながら、厚い板材をスムーズに打ち抜きして貫通穴を設けることができるポンチ装置と打抜き方法を提供することにある。
本発明のある態様に係る板材のポンチ装置は、板材に貫通穴を打ち抜きするポンチ装置であって、板材をセットする載せ台と、載せ台にセットしてなる板材を打ち抜きして貫通穴を設ける抜きポンチと、抜きポンチを板材の表面に押圧するプレス装置と、板材の下面と載せ台の載せ面との間に、抜きポンチの刃先が板材の下面から突出する突出隙間を設けるスペーサーとを有している。抜きポンチは、先端縁を内刃の刃先としてなる筒状刃であって、プレス装置で押圧された抜きポンチの刃先が板材を貫通して、板材の下面から突出隙間に突出して板材に貫通穴を打ち抜きしている。
本発明のある態様に係る板材の打抜き方法は、所定の厚さの板材を載せ台にセットして板材のポンチ装置で抜きポンチを板材に押圧して板材に貫通穴を設ける。抜きポンチには、筒状で刃先に内周面を刃面とする片刃の筒状刃であって、筒状刃の内側には打ち抜きされた板材が圧入される圧入穴を有する刃物を使用し、載せ台にセットされる板材は、載せ台との間に抜きポンチの刃先が突出する突出隙間を設けて載せ台にセットし、プレス装置で抜きポンチを板材に押圧して、抜きポンチの刃先を板材の下面から突出させて貫通穴を打ち抜きする。
以上のポンチ装置と打抜き方法は、抜きダイを使用することなく抜きポンチで能率よく板材に貫通穴を打ち抜きでき、しかも、抜きポンチの刃先の破損を防止しながら、厚い板材をスムーズに打ち抜きして貫通穴を設けることができる。
本発明の一実施形態に係る板材のポンチ装置の概略正面図である。 図1に示す板材のポンチ装置の概略側面図である。 本発明の一実施形態に係る板材のポンチ装置の概略分解斜視図である。 図3に示すポンチ装置に板材をセットした状態を示す斜視図である。 図4に示すポンチ装置の縦断面図である。 図5に示すポンチ装置の抜きポンチが板材を打ち抜いた状態を示す縦断面図である。 抜きポンチが板材を打ち抜く工程を示す概略拡大断面図である。 貫通穴が開口された板材を示す平面図である。 強制分離器を使用して貫通穴が開口された板材を抜きポンチから分離する工程を示す斜視図である 強制分離器を使用して貫通穴が開口された板材を抜きポンチから分離する工程を示す斜視図である 強制分離器を使用して貫通穴が開口された板材と裁断物を抜きポンチから分離する工程を示す断面図である 強制分離器を使用して貫通穴が開口された板材と裁断物を抜きポンチから分離する工程を示す断面図である 強制分離器を使用して貫通穴が開口された板材と裁断物を抜きポンチから分離する工程を示す断面図である 図8に示す板材の外周を外周打抜き刃物で打ち抜く一例を示す概略斜視図である。 図14に示す外周打抜き刃物が板材を裁断する工程を示す概略断面図である。 図14に示す外周打抜き刃物の薄肉裁断刃領域の刃先の要部拡大断面図である。 外周が打ち抜かれた裁断板を示す斜視図である。 従来のポンチ装置が板材を裁断する一工程を示す断面図である。 従来のポンチ装置が板材を裁断する次工程を示す断面図である。 従来のポンチ装置が板材を裁断する次工程を示す断面図である。 載せ台に載せた板材を抜きポンチで打ち抜く一例を示す拡大断面図である。 図21に示す抜きポンチが板材を打ち抜く工程を示す拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態にかかる板材のポンチ装置と板材の打抜き方法を具体的に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。
さらに以下に示す実施形態は、本発明の技術思想の具体例を示すものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
本発明の一実施形態にかかる板材のポンチ装置は、板材に貫通穴を打ち抜きするポンチ装置であって、板材をセットする載せ台と、載せ台にセットしてなる板材を打ち抜きして貫通穴を設ける抜きポンチと、抜きポンチを板材の表面に押圧するプレス装置と、板材の下面と載せ台の載せ面との間に、抜きポンチの刃先が板材の下面から突出する突出隙間を設けるスペーサーとを有し、抜きポンチは、先端縁を内刃の刃先としてなる筒状刃であって、プレス装置で押圧された抜きポンチの刃先が板材を貫通して、板材の下面から突出隙間に突出して板材に貫通穴を打ち抜きする。
以上のポンチ装置は、簡単な構造で能率よく板材を打ち抜きして貫通穴を設けることができる。それは、従来の板材のポンチ装置のように、抜きダイと抜きポンチで板材を挟んで打ち抜きすることなく、載せ台に載せた板材の上に抜きポンチを押し付けて貫通穴を打ち抜きできるからである。従来のように、板材を抜きダイと抜きポンチで挟んで貫通穴を設ける装置は、抜きダイを切削加工して、抜きポンチの外径よりもわずかに大きい挿通穴を設ける必要がある。抜きダイの挿通穴の切削加工には高い加工精度が要求され、さらに板材の打ち抜き時には、抜きダイの挿入穴に正確に抜きポンチを挿入する必要がある。したがって、抜きダイと抜きポンチで板材を挟んで打ち抜きする装置は、抜きダイと抜きポンチの製造コストと打抜きコストの両方が高くなる。
さらに、以上のポンチ装置は、抜きダイを使用しない簡単な構造で板材を打ち抜きして貫通穴を設けながら、抜きポンチの破損を防止して厚い板材に貫通穴を設けることができる。それは、図7の概略断面図に示すように、板材6と載せ台2との間に、抜きポンチ1の刃先10が突出する突出隙間40を設けて、抜きポンチ1の刃先10に圧迫された板材6がつっかえるのを防止しながら打ち抜きできるからである。板材6と載せ台2との間の突出隙間40は、板材6の下面を載せ台2の表面から離して配置する。したがって、板材6を裁断しながら降下する抜きポンチ1が、裁断した裁断物6cを内側に押し込みながら降下しても、内側に押し込まれた裁断物6cが板材6の下面を載せ台2の表面に押し付けることがない。この構造は、板材6の下面に突出隙間40を設けているので、貫通穴7の打ち抜き時に、下面に突出する板材6の押出突出部6aが載せ台2の上面を押圧することがない。このため、板材6の裁断物6cが載せ台2の上面に押し上げられて、刃先10の侵入を阻害することなく、抜きポンチ1は刃先10で板材6を裁断しながら降下して、貫通穴7を開けることができる。したがって、刃先につっかえた板材が、抜きポンチの薄い刃先の内側に無理に押し込まれて、刃先を破損するのを防止しながら板材に貫通穴を設けることができる。
本発明の他の実施形態に係る板材のポンチ装置は、突出隙間を、板材の厚さの5%以上とすることができる。
以上のポンチ装置は、抜きポンチの刃先の破損を防止しながら、厚い板材をスムーズに打ち抜きして貫通穴を設けることができる。ポンチ装置は、抜きポンチが板材を深く裁断するにしたがって、抜きポンチの内側に圧入される裁断物の摩擦抵抗が大きくなる。以上のポンチ装置は、板材と載せ台との間の突出隙間を板材の5%以上として、板材の厚さに比例して突出隙間を広くできる。抜きポンチで板材を裁断するポンチ装置は、抜きポンチが裁断する板材が厚いほど、内部に圧入される裁断物が抜きポンチの内側に押し込まれ難くなって、板材下面からの突出量が大きくなる。板材下面からの突出量が大きくなって、載せ台の上面を押圧すると、載せ台が押出突出部を圧迫する。載せ台の押出突出部の圧迫は、抜きポンチの刃先における板材のつっかえの原因となって、抜きポンチの板材裁断を阻害する。突出隙間を広くして、押出突出部の下面が載せ台の上面に接触しない構造は、載せ台が板材の押出突出部を圧迫して、抜きポンチの刃先に板材をつっかえさせることがなく、抜きポンチが板材を打ち抜きして貫通穴を設けることができる。
本発明の他の実施形態に係る板材のポンチ装置は、スペーサーを載せ台の上面に設けることができる。
また、本発明の他の実施形態に係る板材のポンチ装置は、スペーサーを板材の下面に設けることができる。さらに、スペーサーは、板材と一体構造とすることができる。
本発明の他の実施形態に係る板材のポンチ装置は、載せ台の上面が板材の下面に沿う平行面を備えて、板材の下面と平行面との間に突出隙間を設けることができる。
本発明の他の実施形態に係る板材のポンチ装置は、板材の下面を湾曲面として、平行面を板材の下面の湾曲面に沿う形状とすることができる。
本発明の他の実施形態に係る板材のポンチ装置は、突出隙間に複数のスペーサーを配置することができる。
以上のポンチ装置は、複数のスペーサーでもって、板材と載せ台との隙間を一定の間隔に保持できる。このため、抜きポンチの刃先が板材全体を打ち抜きして下面から突出して、板材に確実に貫通穴を設けることができる。
本発明の他の実施形態に係る板材のポンチ装置は、複数の抜きポンチを平行姿勢で下面から突出して設けてなるベースプレートを備え、プレス装置が、ベースプレートを介して複数の抜きポンチを板材の表面にプレスして、複数の貫通穴を打ち抜きすることができる。
以上のポンチ装置は、ベースプレートを介して複数の抜きポンチで同時に複数の貫通穴をバランスよく設けることができる。
本発明の一実施形態に係る板材の打抜き方法は、所定の厚さの板材を載せ台にセットして板材のポンチ装置で抜きポンチを板材に押圧して板材に貫通穴を設ける板材の打抜き方法であって、抜きポンチには、筒状で刃先に内周面を刃面とする片刃の筒状刃であって、筒状刃の内側には打ち抜きされた板材が圧入される圧入穴を有する刃物を使用し、載せ台にセットされる板材は、載せ台との間に抜きポンチの刃先が突出する突出隙間を設けて載せ台にセットし、プレス装置で抜きポンチを板材に押圧して、抜きポンチの刃先を板材の下面から突出させて貫通穴を打ち抜きする。
以上の板材の打抜き方法は、簡単な構造で能率よく板材に打ち抜きして貫通穴を設けることができる。それは、従来の板材のように、抜きダイと抜きポンチで板材を挟んで打ち抜きすることなく、載せ台に載せた板材の上に抜きポンチを押し付けて貫通穴を打ち抜きできるからである。抜きダイと抜きポンチで板材を挟んで打ち抜きする装置は、抜きダイを切削加工して、抜きポンチの外径よりもわずかに大きい挿通穴を設ける必要があるので、挿通穴の切削加工には高い加工精度が要求され、さらに板材の打抜き時には、抜きダイの挿入穴に正確に抜きポンチを挿入する必要がある。したがって、抜きダイと抜きポンチで板材を打ち抜きする装置は、抜きダイと抜きポンチの製造コストと打抜きコストの両方が高くなる。
さらに、以上の板材の打抜き方法は、抜きダイを使用しない簡単な構造で板材を打ち抜きして貫通穴を設けながら、抜きポンチの刃先の破損を防止して厚い板材に貫通穴を設けることができる特長も実現する。それは、図7の断面図に示すように、板材6と載せ台2との間に、抜きポンチ1の刃先10が突出する突出隙間40を設けて、抜きポンチ1の刃先10に圧迫された板材6がつっかえるのを防止しながら裁断できるからである。板材と載せ台との間の突出隙間は、板材の下面を載せ台の表面から離して配置する。したがって、板材を裁断しながら降下する抜きポンチに、裁断された裁断物が押し込まれ、この状態でさらに抜きポンチが降下しても、押し込まれた裁断物が板材の下面を載せ台表面に押し付けることがない。このため、板材が載せ台の表面に押されて、抜きポンチの内側に強制的に押し込まれてつっかえることがなく、抜きポンチはさらに板材を裁断しながら降下して、貫通穴を設けることができる。したがって、刃先につっかえた板材が、抜きポンチの薄い刃先の内側に無理に押し込まれて、刃先を破損するのを防止しながら板材に貫通穴を設けることができる。
本発明の他の実施形態に係る板材の打抜き方法は、板材を軟質プラスチック板とすることができる。
本発明の他の実施形態に係る板材の打抜き方法は、以上のいずれかのポンチ装置で貫通穴を設けた板材の貫通穴を含む領域を、外周面に刃面を設けてなる筒状の外周打抜き刃物で所定の外形に打抜きして、貫通穴のある裁断板とすることができる。
以上の板材の打抜き方法は、板材から貫通穴のある裁断板を能率よく打ち抜きできる特長がある。それは、外周打抜き刃物で板材を裁断するときに、先に設けられた貫通穴が裁断板をスムーズに内側に案内して、板材を裁断できるからである。
(実施形態1)
以下、図面に基づいて本発明のポンチ装置の具体例を記載する。以下に記載のポンチ装置は、板材に円形の貫通穴を打ち抜きする具体例を開示するが、本発明は板材の貫通穴を円形に特定するものでなく、楕円形、多角形等の他の形状の貫通穴を開けるポンチ装置とすることができる。本発明のポンチ装置で貫通孔を設ける板材には、軟質プラスチック板を使用することができる。軟質プラスチック板には、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ABS樹脂、ポリアミド(PA)、ポリウレタン(PUR)等の樹脂を板状に成形したものが使用できる。図1~図6に示す板材のポンチ装置100は、板材6をセットする載せ台2と、載せ台2にセットした板材6を打ち抜きして貫通穴7を開ける抜きポンチ1と、抜きポンチ1を板材6の表面に押圧するプレス装置3とを備える。
(プレス装置3)
プレス装置3は、載せ台2にセットした板材6に向かって抜きポンチ1を押し下げる上下台55と、上下台55を上下方向に往復運動させる駆動機構60とを備える。
(載せ台2)
載せ台2は上面を載せ面50としている。載せ台2の上面形状は、板材6の下面に沿う形状としている。平面状の板材の打ち抜きに使用する載せ台は載せ面を平面状とし、立体形状の板材6の打ち抜きに使用する載せ台2は、載せ面50を立体形状の板材6に沿う形状とする。載せ台2は、抜きポンチ1が板材6を打ち抜きする状態で変形しない強度の金属プレートで製作できる。
載せ台2は、載せ面50の上に直接に板材6を載せて貫通穴7を打ち抜きし、あるいは上面に保護層52を設けて、保護層52の上に板材6を載せて貫通穴7を打ち抜きすることもできる。上面を保護層52とする載せ台2は、図5に示すように、本体プレート51の上に保護層52を載せた構造とする。保護層52は、抜きポンチ1の刃先10が接触して破損しない材質、例えば硬質のゴム、プラスチック、鉛や銅などの硬度の低い金属で製作される。保護層52は、抜きポンチ1の刃先10が接触して損傷させないゴムやプラスチックが使用できるが、板材6を打ち抜きする工程で、全体の形状は変形することなく、上に載せた板材6を抜きポンチ1で打ち抜きできる曲げ強度の板状の部材が使用される。本体プレート51の上に保護層52をセットしている載せ台2は、本体プレート51の上面を平面状として、保護層52の表面を、打ち抜きする板材6に沿う立体形状とすることができる。例えば、アーチ状に湾曲する板材6に貫通穴7を打ち抜きする載せ台2は、保護層52の表面をアーチ状に湾曲する板状として、上面形状を板材6の下面に沿う形状とする。
載せ台2は、保護層52と本体プレート51を一体構造とすることもできる。この載せ台2は、全体を、抜きポンチ1の刃先10が接触して損傷させないが、板材6を打ち抜きする状態で、全体の上面形状が変形しない強度のプラスチック、硬いゴム、鉛や銅などの金属等で製作できる。
図3及び図5のポンチ装置100は、載せ台2の上面と板材6の下面の間に突出隙間40を設けるスペーサー4を設けている。突出隙間40はスペーサー4でもって板材6と載せ台2の載せ面50との間に設けている。突出隙間40は、板材6を打ち抜きして下面に突出した抜きポンチ1の刃先10を案内するスペースである。突出隙間40は、抜きポンチ1の外形よりも充分に広い面積として、板材6を突き抜ける抜きポンチ1の刃先部をスムーズに案内できる。
突出隙間40は、図7の拡大断面図に示すように、板材6を打ち抜きする抜きポンチ1の刃先縁から突出する板材6の押出突出部6aを案内する隙間で、たとえば1mm以上で10mm以下、好ましくは1.5mm以上で8mm以下、さらに好ましくは2mm以上で5mm以下としている。板材6の下面と載せ台2の上面との間に突出隙間40を設けるためにスペーサー4を配置している。スペーサー4は載せ台2の上面に、あるいは板材6の下面に接合して設けることができ、また、板材6の表面に突出して一体構造に設けることができる。突出隙間40は、載せ台2の上面を板材6の下面に沿う平行面として、板材6の下面と平行面との間に同一隙間の突出隙間40を設けることができる。下面を湾曲面とする板材6を載せる載せ台2は、上面を板材6の湾曲面に沿う形状として、一定隙間の突出隙間40を設けることができる。板材6と載せ台2の間に、複数のスペーサー4を配置して、一定隙間の突出隙間40を設けることができる。
スペーサー4は、板材6と載せ面50との間に挟着して突出隙間40を設ける挟着スペーサー4A、載せ台2の上面に突出して配置されてなる上面突出スペーサー、板材6の下面に突出して設けてなる下面突出スペーサー4Bで構成することができる。挟着スペーサー4Aは、その厚さで突出隙間40の隙間(d)を特定できる。挟着スペーサー4Aは、板材6の打ち抜き時に押し潰されない可撓性のシートが使用できる。挟着スペーサー4Aは、例えば両面接着テープや接着剤等の接合材を使用して、板材6又は載せ面50に脱着自在に付着できる。挟着スペーサー4Aは、板材6と載せ面50との複数カ所に配置して、抜きポンチ1に打ち抜きされる板材6と載せ面50との間に一定の突出隙間40を設けることができる。
載せ台2の上面突出スペーサーで構成されるスペーサー4は、載せ台2と一体構造に成形して設けることができ、また、載せ台2とは別部材で製作して載せ台2の定位置に固定して設けることもできる。スペーサー4は、載せ面50に複数の上面突出スペーサーを配置して、抜きポンチ1で打ち抜きされる板材6の下面に一定の突出隙間40を設けることができる。
板材6の下面突出スペーサー4Bで構成されるスペーサー4は、板材6と一体構造に成形して設けることができ、また、板材6とは別部材として板材6の下面の定位置に固定して設けることができる。このスペーサー4も、板材6に複数の下面突出スペーサーを配置して、抜きポンチ1で打ち抜きされる板材6の下面に一定の突出隙間40を設けることができる。
スペーサー4は、抜きポンチ1が板材6を打ち抜きする状態で、載せ台2と板材6との対向面を平行姿勢に配置して、載せ台2と板材6との間に突出隙間40を設ける位置に配置される。図3と図5のポンチ装置100は、板材6の両端部と中央部とにスペーサー4を配置して突出隙間40を設けている。さらに、図のポンチ装置100は、図8に示すように、板材6の長手方向に離して一対の貫通穴7を、幅方向に離して一対の貫通穴7をそれぞれ設けて、幅方向の両側部に配置する貫通穴7を、長手方向の両端部に配置する貫通穴7の中央に配置して、全体で4つの貫通穴7を打ち抜きしている。これらの貫通穴7を打ち抜きする状態で、板材6と載せ面50との間に突出隙間40を設けるために、長方形の板材6の両端部に挟着スペーサー4Aとしてシート状のスペーサー4を配置して、長手方向の中央部には幅方向に伸びる細長いスペーサー4を配置している。両端部のスペーサー4は載せ面50に接合した挟着スペーサー4Aで構成し、中央部に幅方向に伸びるスペーサー4は、板材6の下面に一体的に成形している下面突出スペーサー4Bの凸条6bで構成している。
さらに、図8の平面図に示すように、幅方向の両側部に打ち抜きされる一対の貫通穴7の内径(D)は、板材6の中央部に幅方向に伸びるスペーサー4を構成する下面突出スペーサー4Bの凸条6bの横幅(W)よりも大きい。したがって、板材6を打ち抜きする抜きポンチ1は、刃先10の一部が板材6を貫通して突出隙間40に突出して、貫通穴7を設ける。凸条6bであるスペーサー4の中間を切断して板材6を貫通する抜きポンチ1は、切断されるスペーサー4で板材6を定位置に配置して打ち抜きするので、突出隙間40を一定の隙間に保持して貫通穴7を打ち抜きできる。この抜きポンチ1は、凸条6bのスペーサー4を切断する刃先10の一部が、突出隙間40には突出しないが、凸条6bのスペーサー4を切断しない領域の刃先10が突出隙間40に突出して、板材6にスムーズに貫通穴7を打ち抜きする。突出隙間40は、板材6を打ち抜きした抜きポンチ1の刃先10の全周又は一部を突出させることで、板材6をスムーズに裁断するので、スペーサー4で設けられる突出隙間40は、少なくとも板材6を打ち抜きした抜きポンチ1の刃先10の一部を突出させる位置に配置される。
ポンチ装置100は、平面状や立体形状の板材6に貫通穴7を開けるので、載せ面50は板材6の下面に沿う形状として、板材6との間に突出隙間40を設けることができる。平面状の板材を打ち抜きする載せ面は平面状、アーチ状に湾曲する板材6を打ち抜きする載せ面50は、板材6の下面に沿うアーチ状に湾曲する形状として、板材6との間に一定の突出隙間40を設けることができる。保護層52は、載せ台2と一体構造とすることができ、また、載せ台2の上に載せて使用することもできる。載せ台2の上に載せて使用する保護層52は、載せ台2の定位置に連結し、あるいは連結することなく脱着自在にセットすることができる。保護層52は、板材6を裁断して下面に突出した抜きポンチ1の刃先10が接触して刃先10の損傷を防止する硬度とする。保護層52は、好ましくはプラスチックやゴム製で、抜きポンチ1が板材6を裁断する状態で、ほとんど変形しない曲げ強度のプレート状である。保護層52は、厚さを3mmないし20mmとする硬質のゴムやプラスチックである。保護層52は、ゴムやプラスチックに代わって、刃先10を損傷しない材質、例えば真鍮や鉛などの金属製とすることができる。また、載せ台2自体を柔らかい金属とすることができ、さらにまた、載せ台2に保護層52を積層することなく、載せ台2の載せ面50に抜きポンチ1を接近ないし接触させて、板材6を打ち抜き加工して裁断することもできる。
(駆動機構60)
駆動機構60は、抜きポンチ1を垂直姿勢に保持した状態で、上下台55を垂直方向に往復運動させて、抜きポンチ1を載せ台2にセットしている板材6に押圧して板材6に貫通穴7を打ち抜きする。駆動機構60は、抜きポンチ1を押し下げる上下台55を上下に往復運動させるシリンダ56を備える。抜きポンチ11は、上下台55に押し下げられて、載せ台2に載せている板材6を打ち抜きして貫通穴7を開ける。
図1の概略正面図と図2の概略側面図に示すポンチ装置100の駆動機構60は、ロッド56aが伸縮するシリンダ56を、ロッド56aを下向きとする垂直姿勢で配置しており、ロッド56aの下端を上下台55の中央部に連結している。さらに、駆動機構60は、上下台55の両端部に対向して、一対のガイド機構を備えることができる。一対のガイド機構は、例えば、ガイド筒部に挿通されたガイドロッドを垂直姿勢で配置して、ガイドロッドの下端を上下台の両端部に連結することで、上下台を水平姿勢に保持した状態で上下に往復運動できる。駆動機構60は、シリンダ56がロッド56aを伸縮する状態で、上下台55を水平姿勢に保持しながら上下に往復運動させる。
(上下台55)
上下台55は、水平姿勢に保持された状態で載せ台2の上方に配置されている。上下台55は、水平姿勢に保持した状態で駆動機構60により押し下げられて、抜きポンチ1を板材6に向かって押圧する。上下台55は、抜きポンチ1を所定の押圧力で押し下げでき、かつ均等に押圧できるように十分な剛性を有する金属プレートや鋼材が使用できる。
図1及び図2の上下台55は、平面状の金属プレートで、下方に抜きポンチ1を垂直姿勢で配置している。図1及び図2の上下台55は、ベースプレート31を介して抜きポンチ1を押し下げて板材6に貫通穴7を設ける。ベースプレート31は平面状の金属プレートで、複数の抜きポンチ1を互いに平行姿勢として、下面から突出して設けている。図のベースプレート31は複数の抜きポンチ1を垂直姿勢に固定している。複数の抜きポンチ1は、ベースプレート31が押し下げられて、板材6に複数の貫通穴7を開ける。図のポンチ装置100は、抜きポンチ1を上下台55に連結することなく、板材6の定位置に載せて、板材6の上に載せた抜きポンチ1を上下台55で押圧して板材6を裁断する構造としている。ただ、抜きポンチ1は上下台55に固定することも、連結具等を介して脱着自在に連結することもできる。
さらに、図3~図6のベースプレート31は、板材6の上面を押圧するプッシャー32を弾性体33を介して連結している。このベースプレート31は、プッシャー32が板材6の表面を押圧する状態で、抜きポンチ1で貫通穴7を打ち抜きする。したがって、プッシャー32は、抜きポンチ1を内側に案内しているガイド開口34を設けている。ガイド開口34は内形が抜きポンチ1の外形よりも大きく、抜きポンチ1を軸方向に往復運動できるように案内している。さらに、図3~図5に示すプッシャー32は、板材6の上面の中央部に突出して幅方向に延びる凸条6bを案内するスリット37を、中央部の幅方向に延長して開口している。プッシャー32は、このスリット37に凸条6bを案内する状態で板材6の上面に安定して載置されて、板材6の上面を押圧する。
さらに、プッシャー32は、弾性体33を介して、ベースプレート31に平行姿勢で連結されている。弾性体33は、プッシャー32の両端部をベースプレート31に連結している。図5のプッシャー32は、下面を抜きポンチ1の刃先10と同一平面ないしほぼ同一平面に配置して、弾性体33を介してベースプレート31に連結している。図5の弾性体33は、ブロック状のゴム状弾性で、上端をベースプレート31の下面に連結している。ただ、プッシャーは、図示しないが、コイルスプリングなどの弾性体を介してベースプレートに連結することもできる。
図1~図6に示すポンチ装置100は、複数の抜きポンチ1が固定されたベースプレート31に弾性体33を介してプッシャー32を連結して抜きポンチユニット30を形成している。以上の抜きポンチユニット30は、プッシャー32が板材6の表面を押圧する状態で、ベースプレート31が上下台55で押し下げられて、抜きポンチ1が板材6を打ち抜きして貫通穴7を開ける構造としている。以上の構造は、プッシャー32が板材6を押圧して、抜きポンチ1で板材6に貫通穴7を開けるので、板材6に位置ずれなく貫通穴7を開けることができる。ただ、本発明のポンチ装置は、必ずしもプッシャーを設けることなく、複数の抜きポンチが固定されたベースプレートを抜きポンチユニットとして板材6に貫通穴7を開けることができる。また、ベースプレートを使用することなく、上下台に直接に抜きポンチを固定して、板材に貫通穴を開けることもできる。
(抜きポンチ1)
抜きポンチ1は、載せ台2にセットされた板材6を打ち抜きして貫通穴7を開ける筒状の刃物である。抜きポンチ1は、貫通穴7の内形を外形とする筒状で、下端には内面に刃面11を設けた片刃の刃先10を設けている筒状刃1Aである。筒状刃1Aの内側には、打ち抜きされた板材6が圧入される圧入穴1aを有する。円柱状の貫通穴7を打ち抜きする抜きポンチ1は、外周面を円柱状とし、多角形の貫通穴7の抜きポンチ1は、外形を多角柱状としている。刃面11を内周面にのみ設けて外周面12を垂直面とする片刃の抜きポンチ1は、寸法精度の高い貫通穴7を打ち抜きできる。貫通穴7の内面形状は、抜きポンチ1の外形で特定されるので、外形は貫通穴7の内形に等しい形状である。
抜きポンチ1は、刃先10で裁断した裁断物6cを内側に案内しながら板材6を裁断する。内周面を刃面11とする抜きポンチ1は、内形が上窄み状となるので、裁断された裁断物6cは、外形が小さくなるように圧縮されながら、筒状刃1Aの内側の圧入穴1aに押し込まれる。裁断物6cの外形が小さく圧縮されるほど、裁断物6cは筒状刃1Aの内側に押し込まれ難くなる。抜きポンチ1は、肉厚を薄くして、裁断された裁断物6cの圧縮率を少なくして、内周面の挿入をスムーズにできる。しかしながら、抜きポンチ1は肉厚を薄くすると強度が低下するので、薄いと破損して貫通穴7を打ち抜きできなくなる。したがって、抜きポンチ1の肉厚は、裁断物6cを内側に案内して破損することなく板材6を打ち抜きできる肉厚に設定する。たとえば、プラスチック製の板材6に円形の貫通穴7を開けるを抜きポンチ1においては、肉厚を外径の5%以上であって50%以下、好ましくは10%以上であって30%以下に設定して、貫通穴7を打ち抜きできる。
抜きポンチ1は、好ましくは、環状の刃先10全体が板材6上面に一緒に接触して打ち抜きする形状としている。平面状の板材6に貫通穴7を設ける抜きポンチ1は、先端の刃先10を抜きポンチ1の軸方向に直交する平面に配置する。湾曲する板材6に貫通穴7を打ち抜きする抜きポンチ1は、刃先10が板材6の湾曲面に沿う形状として、刃先10全体が同時に板材6を裁断できる。ただ、抜きポンチ1は、必ずしも刃先10全体が一緒に板材6表面に接触することなく、貫通穴7を打ち抜きできる。したがって、刃先10を平面状に配置する抜きポンチ1で湾曲する板材6に貫通穴7を打ち抜きすることができ、反対に刃先10を湾曲面や傾斜面に配置する抜きポンチ1で平面状の板材6に貫通穴7を打ち抜きすることもてきる。
以上の抜きポンチ1は、図5~図7に示すように、板材6を裁断物6cに打ち抜きする筒状として、下端縁を刃先10としている。抜きポンチ1は、焼き入れできる鋼材で製作され、加工性に優れた炭素鋼が適している。炭素鋼は、要求される硬さと脆さとを考慮して炭素の含有量を最適値に調整する。抜きポンチ1は、炭素の含有量を多くして硬くできる。ただ、炭素の含有量が多くなると脆くなるので、刃物に加工される鋼材の炭素の含有量は、例えば0.4%以上であって1.4%以下、好ましくは0.45%以上であって0.7%以下とする。
図5と図6のポンチ装置100は、複数の抜きポンチ1を平行姿勢でベースプレート31に固定している。図5と図6に示すベースプレート31は、筒状刃1Aである抜きポンチ1を挿通する貫通孔36を開口しており、この貫通孔36に抜きポンチ1を挿通してベースプレート31の下面から抜きポンチ1の下端部を突出させている。ベースプレート31は、貫通孔36に挿通された抜きポンチ1の上端面がベースプレート31の上面と同一平面状となるように複数の抜きポンチ1を配置している。ベースプレート31に挿通された複数の抜きポンチ1は、ベースプレート31の下面に溶接されて固定されている。このベースプレート31は、抜けポンチ1の上端開口を上面に表出しており、この上端開口から後述する押出ロッド71が挿入されて、抜けポンチ1の刃先10の内側に押し込まれた裁断物6cが押し出して除去される。この抜きポンチ1は、ベースプレート31を介してプレス装置3で板材6の表面に押し付けられて、板材6に貫通穴7を打ち抜きする。板材6に4つの貫通穴7を打ち抜きするポンチ装置100は、図3~図6に示すように、ベースプレート31に4本の抜きポンチ1を垂直姿勢に溶接などの方法で固定して、ベースプレート31をプレス装置3で押し下げて、板材6に4個の貫通穴7を打ち抜きする。
さらに、板材6を抜きポンチ1で打ち抜く前工程として、図5及び図6に鎖線で示すように、抜きポンチ1で打ち抜く板材6の打抜き領域にリード穴6dを設けることができる。図に示すリード穴6dは、抜きポンチ1で打ち抜かれる打抜き領域の中心部に開口された貫通孔であって、板材6に開口される貫通穴7よりも内径の小さな貫通孔としている。このように抜きポンチ1で打ち抜かれる領域の中心部にリード穴6dを設ける方法は、抜きポンチ1で打ち抜く際に、抜きポンチ1の内側の圧入穴1aに圧入される裁断部6cを低抵抗な状態で侵入させてスムーズに打抜きできる特長がある。リード穴6dの内径は、貫通穴7の内径の10~70%、好ましくは20~60%とすることができる。さらに貫通孔であるリード穴6dは、上面側の内径よりも下面側の内径を大きくすることもでき、この構造によると抜きポンチ1による打抜きをよりスムーズにできる。以上のリード穴6dは、抜きポンチ1で打ち抜く際の位置決め部に兼用して、抜きポンチを正確な位置に配置できる特長がある。図に示すリード穴6dは貫通孔とするが、リード穴は板材を貫通することなく設けた穴部とすることもできる。穴部であるリード穴は、板材の上面にのみ設けることも、下面にのみ設けることも、両面に設けることもできる。
板材6を打ち抜きした抜きポンチ1は、裁断された板材6が抜きポンチ1の内側と外側に密着しているので、抜きポンチ1を板材6から強制的に分離する必要がある。抜きポンチ1の内側に密着する裁断物6cは、抜きポンチ1の内刃の筒状刃1Aで圧縮された状態で内側に押し込まれている。抜きポンチ1の外側は打ち抜きした貫通穴7の内周面に密着している。抜きポンチ1の内側の圧入穴1aに押し込まれた裁断物6cを押し出し、抜きポンチ1の外周面に密着する板材6を抜きポンチ1から分離するために、図9~図13に示すポンチ装置100は、強制分離器70を備える。強制分離器70は、抜きポンチ1の内側に押し込まれる押出ロッド71と、プッシャー32の上面を押圧する分離ロッド72とを押出プレート73に垂直姿勢に固定している。押出ロッド71は、各々の抜きポンチ1の内側に押し込まれる外形で、抜きポンチ1の内形よりも細く、分離ロッド72は板材6の上面を押圧して板材6を抜きポンチ1から分離できる太さ、図においては、押出ロッド71とほぼ等しい太さの柱状としている。押出ロッド71は、抜きポンチ1から確実に裁断物6cを押し出しできるように、分離ロッド72よりも長くしている。分離ロッド72は、プッシャー32の複数カ所を押し下げて、貫通穴7が開口された板材6を抜きポンチ1から分離する。ベースプレート31は、強制分離器70の分離ロッド72と対向する位置に分離ロッド72を貫通させる貫通孔35を開口して設けている。
以上の強制分離器70は、図9~図13に示すように、抜きポンチ1を固定しているベースプレート31を支持脚75で浮かせて水平姿勢に配置した状態で、押出ロッド71の下端部を抜きポンチ1に案内すると共に、分離ロッド72を貫通孔35に挿通して、押出プレート73をプレス装置3が押し下げて、押出ロッド71で抜きポンチ1から裁断物6cを押し出し、分離ロッド72でプッシャー32を押し下げて板材6を抜きポンチ1から分離する。
さらに、以上のポンチ装置100によって所定の位置に貫通穴7が開口された板材6は、次工程において、図14~図16に示すように、貫通穴7を含む領域を、外周面に刃面を設けてなる筒状の外周打抜き刃物20で所定の外形に打抜きして貫通穴7のある裁断板8とすることができる。
(外周打抜き刃物20)
外周打抜き刃物20は、貫通穴7が開口された板材6の外周を所定の形状となるように打ち抜く刃物で、下端縁が刃先83の裁断プレート80を備える。裁断プレート80は、互いに対向位置に垂直姿勢に配置している対向裁断プレート80aを有し、対向裁断プレート80aは、厚さが異なる薄肉裁断刃領域21と補強筒部領域22を備える。対向裁断プレート80aは、薄肉裁断刃領域21を薄くして、補強筒部領域22を厚くするために、薄肉裁断刃領域21と補強筒部領域22との境界領域23を凹部とするように切除された形状の切除凹部24を外周面に設けている。対向裁断プレート80aは、1枚の金属板の外周面に切除凹部40を設けて、薄肉裁断刃領域21を補強筒部領域32よりも薄くしている。薄肉裁断刃領域21は、下端縁を外側刃面の片刃として板材6を裁断し、補強筒部領域22は薄肉裁断刃領域21よりも厚くして、薄肉裁断刃領域21を補強している。
以上の外周打抜き刃物80は、図14に示すように、板材6を裁断板8に打ち抜きする筒状として、下端縁を刃先83としている。外周打抜き刃物80は、焼き入れできる鋼材で製作され、加工性に優れた炭素鋼が適している。炭素鋼は、要求される硬さと脆さとを考慮して炭素の含有量を最適値に調整する。外周打抜き刃物80の金属プレートは、炭素の含有量を多くして硬くできる。ただ、炭素の含有量が多くなると脆くなるので、刃物に加工される鋼材の炭素の含有量は、例えば0.4%以上であって1.4%以下、好ましくは0.45%以上であって0.7%以下とする。
筒状の裁断プレート80は、互いに対向位置に垂直姿勢の対向裁断プレート80を備えている。長方形の裁断板8を裁断する裁断プレート80は、長辺側の対向裁断プレート81と短辺側の対向裁断プレート82を互いに直角姿勢に連結して四角筒状としている。長辺側の対向裁断プレート81は、長方形の裁断板8の両側を裁断し、短辺側の対向裁断プレート82は両端を裁断する。対向裁断プレート80は、1枚の金属板の外周面を切削して切除凹部24を設けて、一体構造の薄肉裁断刃領域21と補強筒部領域22を設けることができるので、長辺側と短辺側の対向裁断プレート80は、金属板の外周面を切削して切除凹部24を設けて、薄肉裁断刃領域21と補強筒部領域22を設けることができるので、四角筒状の金属板の外周の4面に切除凹部24を設けて、長辺側と短辺側の対向裁断プレート80の両方に薄肉裁断刃領域21と補強筒部領域22を設けることができる。
(薄肉裁断刃領域20)
薄肉裁断刃領域21の上下幅(H)は、好ましくは裁断する板材6の厚さ(h)より広くする。この薄肉裁断刃領域21が、板材6をスムーズに裁断できるからである。図16の横断面図は、長辺側の対向裁断プレート81が板材6を裁断する状態を示している。この図に示すように、薄肉裁断刃領域21の上下幅(H)が板材6の厚さ(h)よりも広い対向裁断プレート80aは、薄肉裁断刃領域21が板材6を打抜きする時に、厚い補強筒部領域22の下端が板材6の上面に接触して押し潰さないからである。薄肉裁断刃領域21が板材6を裁断する時に、補強筒部領域22の下端部が板材6の表面に接触すると、板材6が補強筒部領域22で強制的に変形される。変形した板材6は、復元力の作用で補強筒部領域22を押し上げて、裁断プレート80のスムーズな降下を阻害する。特に、硬くて弾性変形し難い被裁断素材は、押し潰された反作用で補強筒部領域を押し上げてスムーズな裁断を阻害する。また、補強筒部領域22の下端が板材6の上面に接触して押し潰し変形させ、また板材6を加圧して物性に影響を与えることもある。したがって、柔軟で弾性変形し易い板材6を裁断する外周打抜き刃物20は、必ずしも薄肉裁断刃領域21の上下幅(H)を板材6の厚さ(h)よりも広くする必要はないが、本発明の外周打抜き刃物20は、好ましくは、弾性変形し易い板材6のみでなく、硬くて弾性変形し難い板材6をもスムーズに裁断できるように、薄肉裁断刃領域21の上下幅(H)を板材6の厚さ(h)よりも大きくする。
薄肉裁断刃領域21は、最大厚さ(Tmax)を薄くして、好ましくは板材6を裁断する領域の最大厚さを薄くして、板材6をより高い寸法精度で裁断して裁断板8とすることができる。最大厚さ(Tmax)を薄くして、図16に示すように、刃先83の切り込み方向を垂直方向に近づけられるからである。図16は、薄肉裁断刃領域21が板材6を裁断する拡大断面図を示す。図の薄肉裁断刃領域21は、刃物角(α1)を極めて小さくできることから、刃先83が板材6を裁断する切り込み方向を、矢印Aで示すように、垂直方向に接近できる。それは、刃先83の切り込み方向が、刃物角(α1)の中心線となるからである。
図16に示す薄肉裁断刃領域21は、切り込み方向(矢印A)をほぼ垂直方向として、裁断する板材6を幅方向に引き延ばすことなく、または裁断する板材6の幅方向への引き延ばしを小さくして、裁断する板材6を幅方向に実質的に引き延ばすことなく裁断できる。板材6を幅方向に実質的に引き延ばすことなく垂直方向に裁断できる刃物角(α1)の小さい薄肉裁断刃領域21は、厚い板材6を裁断して、さらに横幅(w)の広い裁断板8を高い寸法精度で裁断できる。図の薄肉裁断刃領域21による裁断の寸法精度は、板材6の厚みが増すほど、また裁断板8の横幅(w)が広くなるほど大きくなる。
薄肉裁断刃領域21の刃物角(α1)を小さくするために、薄肉裁断刃領域21の最大厚さ(Tmax)は、例えば、補強筒部領域22の厚さ(S)の10%以上であって70%以下、好ましくは15%以上であって60%以下、さらに好ましくは20%以上であって50%以下、最適には25%以上であって40%以下とする。
(切除凹部24)
対向裁断プレート80aは、薄肉裁断刃領域21と補強筒部領域22の境界領域23を凹部とするように切除された形状の切除凹部24を外周面に有する。切除凹部24は、補強筒部領域22の下端と刃先83を結ぶ直線よりも内側に切除された凹形状となる。対向裁断プレート80aは、切除凹部24を外周面に有することで、薄肉裁断刃領域21と補強筒部領域22の厚み差を大きくでき、薄い薄肉裁断刃領域21で裁断板8の対向面の厚さ方向の寸法誤差を少なくし、厚い補強筒部領域22で薄い薄肉裁断刃領域21を補強できる。切除凹部24は、薄肉裁断刃領域21と補強筒部領域22の境界領域23、連結する部分を含む領域の形状である。
境界領域23は、薄肉裁断刃領域21と補強筒部領域22の境界面を含んで上下方向に広がる領域である。薄肉裁断刃領域21と補強筒部領域22の境界、または補強筒部領域22の下端もしくは薄肉裁断刃領域21の上端が、例えば段差などがなく外観上明らかでない場合は、補強筒部領域22の最大厚さ(Smax)の30%の肉厚の領域を薄肉裁断刃領域21の上端として境界または境界領域23の下端を定める。
裁断板8の外形は、裁断プレート80の刃先形状で特定できる。したがって、裁断プレート80の刃先83の形状は、裁断板8の外形としている。例えば、平面視四角形の裁断板8を裁断する裁断プレート80は、刃先形状を四角形とし、平面視長方形の裁断板8を裁断する裁断プレート80は、刃先形状を長方形とする。長方形の裁断プレート80は、長辺側の対向裁断プレート81と短辺側の対向裁断プレート82を、薄肉裁断刃領域21と補強筒部領域22を一体構造とする1枚の金属板で構成して、長方形の裁断板8の長辺と短辺を高い寸法精度で裁断できる。
貫通穴7が開口された板材6の外周を裁断して得られる長方形の裁断板8からなる試験片は、図17に示すように、対向して配置される長辺の間隔、すなわち横幅(w)に高い寸法精度が要求される。長方形の試験片を、長手方向の両端部に2つの貫通穴7を設けて、または、長手方向の両端部を挟んで長手方向に引っ張る試験において、横幅(w)の寸法誤差が試験片の引張強度の誤差原因となるからである。したがって、長方形の試験片は、横幅(w)には高い寸法精度が要求されるが、長手方向の寸法には、横幅(w)程の高い精度が要求されない。長手方向の寸法誤差が、試験片の引張強度の誤差の原因とならないからである。したがって、長方形の裁断板8を裁断する外周打抜き刃物20は、裁断板8の長辺側を裁断する長辺側の対向裁断プレート81を薄肉裁断刃領域21と補強筒部領域22とで構成して長方形の横幅(w)を高い寸法精度で裁断して、長手方向の両端である短辺を裁断する短辺側の対向裁断プレート82は、薄肉裁断刃領域21と補強筒部領域22とで構成することなく、薄肉裁断刃領域21のない刃物形状とすることができる。
外周打抜き刃物20は、長辺側を裁断する両方の長辺側の対向裁断プレート81と、短辺側を裁断する両方の短辺側の対向裁断プレート82を、薄肉裁断刃領域21と補強筒部領域22とで構成して、長方形の裁断板8の横幅(w)と長さの両方を高い寸法精度で裁断できるので、本発明の外周打抜き刃物20は、好ましくは、全ての対向裁断プレート80aを薄肉裁断刃領域21と補強筒部領域22とで構成する。ただ、必ずしも全ての対向裁断プレート80aを薄肉裁断刃領域21と補強筒部領域22で構成する必要はなく、高い寸法精度で裁断する対向裁断プレート80aのみを薄肉裁断刃領域21と補強筒部領域22で構成することもできる。外周打抜き刃物20は、高い寸法精度が要求される領域を裁断する対向裁断プレート80aのみを薄肉裁断刃領域21と補強筒部領域22とで構成して、高い寸法精度が要求されない領域を裁断する対向裁断プレート80aは、薄肉裁断刃領域21を設けない裁断プレート80とすることができる。
(補強筒部領域22)
補強筒部領域22は、薄肉裁断刃領域21よりも厚さが大きく、その厚さと高さ(上下幅)で薄肉裁断刃領域21を補強する。補強筒部領域22は、その下端に境界(境界面または境界領域23)を介して、一体構造に薄肉裁断刃領域21が連結されてなる。薄肉裁断刃領域21と補強筒部領域22の内周面は同一平面とし、薄肉裁断刃領域21と補強筒部領域22の外周面に切除凹部24を設けて、補強筒部領域22と裁断刃領域20との厚み差を設けている。補強筒部領域22の厚さと高さは、薄肉裁断刃領域21の上下幅(H)、板材6の素材、厚み、裁断時の衝撃、境界領域23の厚み、高さ、形状などに合わせて、薄肉裁断刃領域21を適切に補強できる範囲に定められる。外周打抜き刃物20は、補強筒部領域22で補強されて変形しない薄い薄肉裁断刃領域21で板材6を裁断して、裁断板8の対向面の厚さ方向の寸法誤差を少なくして、対向面を正確な横幅(w)に裁断できる。
以上の外周打抜き刃物20は、例えば、以下の工程で製作できる。
(1)下半分を薄肉裁断刃領域21とし上半分を補強筒部領域22とする上下幅(H)のある金属板を筒状に曲げ加工した後、両端縁を溶着して四角筒状の素材に加工する。
(2)筒状外周面の下半分を研削して切除凹部24を設けて薄肉裁断刃領域21を補強筒部領域22よりも薄くする。
(3)薄肉裁断刃領域21の下端部の外周面を研磨して、外周面に刃面のある片刃の刃先83を設ける。
(4)最後に焼き入れ処理して刃先83を硬化した後、さらに刃先83を仕上げ研磨して外周打抜き刃物20とする。
以上の製造方法は、金属板を曲げ加工し、溶着して四角筒状の素材を製作するが、(1)の工程は、金属板を使用することなく、金属ブロックを放電加工して筒状に加工して素材を製作することもできる。
以上の方法で製作された外周打抜き刃物20は、薄肉裁断刃領域21と補強筒部領域22の内周面が同一平面の筒状とするので、刃先83で板材6を打抜きすると、打抜きされた裁断板8が外周打抜き刃物20の内側に案内される。内側に挿入された裁断板8は、薄肉裁断刃領域21から押し出して取り出しできる。裁断板8は薄肉裁断刃領域21の刃先83に向かって下方に押し出して取り出しでき、また、上方に押し出して取り出しできる。外周打抜き刃物20は、薄肉裁断刃領域21と補強筒部領域22の内周面を同一平面として裁断板8を取り出しできるが、補強筒部領域22の内形を薄肉裁断刃領域21よりも大きくして、裁断板8をよりスムーズに取り出しできる。補強筒部領域22は薄肉裁断刃領域21よりも厚いので、内面を切削して薄く加工しても十分な強度に保持できる。したがって、外周打抜き刃物20は、薄肉裁断刃領域21と補強筒部領域22の内周面を同一平面として簡単に製造できるが、補強筒部領域22の内形を大きくすることもできる。
本発明は、ゴムやプラスチック等の板材を裁断して、引張試験や衝撃試験等に用いられる裁断板を裁断する板材のポンチ装置及び裁断方法として好適に使用できる。
100…ポンチ装置
1…抜きポンチ
1A…筒状刃
1a…圧入穴
2…載せ台
3…プレス装置
4…スペーサー
4A…挟着スペーサー
4B…下面突出スペーサー
6…板材
6a…押出突出部
6b…凸条
6c…裁断物
6d…リード孔
7…貫通穴
8…裁断板
10…刃先
11…刃面
12…外周面
20…外周打抜き刃物
21…薄肉裁断刃領域
22…補強筒部領域
23…境界領域
24…切除凹部
30…抜きポンチユニット
31…ベースプレート
32…プッシャー
33…弾性体
34…ガイド開口
35…貫通孔
36…貫通孔
37…スリット
40…突出隙間
50…載せ面
51…本体プレート
52…保護層
55…上下台
56…シリンダ
56a…ロッド
60…駆動機構
70…強制分離器
71…押出ロッド
72…分離ロッド
73…押出プレート
75…支持脚
80…裁断プレート
80a…対向裁断プレート
81…長辺側の対向裁断プレート
82…短辺側の対向裁断プレート
83…刃先
91…抜きポンチ
92…載せ台
93…刃先
94…刃面
96…板材
96c…裁断物
725…ホルダ
731…抜きポンチ
732…ストリッパ
733…スプリング
734…ノックアウト
735…スプリング
736…抜きダイ
737…突出刃部
738…外周平坦部
739…板材

Claims (12)

  1. 板材に貫通穴を打ち抜きするポンチ装置であって、
    板材をセットする載せ台と、
    前記載せ台にセットしてなる板材を打ち抜きして貫通穴を設ける抜きポンチと、
    前記抜きポンチを板材の表面に押圧するプレス装置と、
    板材の下面と前記載せ台の載せ面との間に、前記抜きポンチの刃先が板材の下面から突出する突出隙間を設けるスペーサーと、を有し、
    前記抜きポンチは、先端縁を内刃の刃先としてなる筒状刃であって、
    前記プレス装置で押圧された前記抜きポンチの刃先が板材を貫通して、板材の下面から前記突出隙間に突出して板材に貫通穴を打ち抜きする板材のポンチ装置。
  2. 請求項1に記載の板材のポンチ装置であって、
    前記突出隙間が、板材の厚さの5%以上である板材のポンチ装置。
  3. 請求項1に記載の板材のポンチ装置であって、
    前記スペーサーが前記載せ台の上面に設けられてなる板材のポンチ装置。
  4. 請求項1に記載の板材のポンチ装置であって、
    前記スペーサーが板材の下面に設けられてなる板材のポンチ装置。
  5. 請求項1に記載の板材のポンチ装置であって、
    前記スペーサーが板材と一体構造である板材のポンチ装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一に記載の板材のポンチ装置であって、
    前記載せ台の上面が板材の下面に沿う平行面を有し、
    前記載せ台の上面と前記平行面との間に前記突出隙間を設けてなる板材のポンチ装置。
  7. 請求項6に記載の板材のポンチ装置であって、
    板材の下面が湾曲面で、
    前記平行面が前記板材の下面の湾曲面に沿う形状である板材のポンチ装置。
  8. 請求項1ない7のいずれか一に記載の板材のポンチ装置であって、
    前記突出隙間に複数の前記スペーサーが配置されてなる板材のポンチ装置。
  9. 請求項1ない8のいずれか一に記載の板材のポンチ装置であって、
    複数の前記抜きポンチを平行姿勢で下面から突出して設けてなるベースプレートを備え、
    前記プレス装置が、前記ベースプレートを介して複数の前記抜きポンチを板材の表面にプレスして、複数の貫通穴を打ち抜きするポンチ装置。
  10. 所定の厚さの板材を載せ台にセットして板材のポンチ装置で抜きポンチを板材に押圧して板材に貫通穴を設ける板材の打抜き方法であって、
    前記抜きポンチには、
    筒状であって刃先に内周面を刃面とする片刃の筒状刃であって、
    筒状刃の内側には打ち抜きされた板材が圧入される圧入穴を有する刃物を使用し、
    前記載せ台にセットされる板材は、
    前記載せ台との間に前記抜きポンチの刃先が突出する突出隙間を設けて該載せ台にセットし、
    プレス装置で前記抜きポンチを板材に押圧して、前記抜きポンチの刃先を板材の下面から突出させて貫通穴を打ち抜きする板材の打抜き方法。
  11. 請求項10に記載の板材の打抜き方法であって、
    板材が軟質プラスチック板である板材の打抜き方法。
  12. 請求項11に記載の板材の打抜き方法であって、
    請求項1ないし9のいずれか一に記載のポンチ装置で貫通穴を設けた板材を、
    前記貫通穴を含む領域を、外周面に刃面を設けてなる筒状の外周打抜き刃物で所定の外形に打抜きして、前記貫通穴のある裁断板とする板材の打抜き方法。
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