JP2024036308A - 画像処理装置、画像処理方法及び磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法及び磁気共鳴イメージング装置 Download PDF

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Abstract

Figure 2024036308000001
【課題】リンギングアーチファクトが低減されつつ、ボケがより少ないMR画像を提供すること。
【解決手段】実施形態に係る画像処理装置は、低減部を備える。前記低減部は、磁気共鳴画像に含まれる画素ごとに、各画素の位置からリンギングアーチファクトが低下する位置までのシフト量を決定し、決定したシフト量に基づいて、前記磁気共鳴画像に発生したリンギングアーチファクトを低減するリンギング低減処理を行う。前記低減部は、前記画素ごとに、前記リンギングアーチファクトの局所振幅を推定し、前記推定されたリンギングアーチファクトの局所振幅に基づいて、前記磁気共鳴画像に対して、前記局所振幅が高い画素から低い画素の順に、隣接する画素のシフト量と略連続的になるように各画素のシフト量を決定しながら、前記リンギング低減処理を行う。
【選択図】図1

Description

本明細書及び図面に開示の実施形態は、画像処理装置、画像処理方法及び磁気共鳴イメージング装置に関する。
一般的に、磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging:MRI)装置によって撮像される磁気共鳴(Magnetic Resonance:MR)画像は、信号強度が大きく及び急激に変化する境界付近にリンギングアーチファクト又は打ち切りアーチファクトと呼ばれる縞状のアーチファクトを含む場合があることが知られている。
従来、このようなリンギングアーチファクトを低減するための各種の方法が提案されているが、それらの方法では、リンギングアーチファクトを低減するための処理を行った結果、処理後の画像にボケが生じてしまうことがあった。
特開2012-228507号公報 特表2016-509940号公報 特開2016-093494号公報 特開2020-049237号公報 特開2020-120704号公報
Elias Kellner,Bibek Dhital,Valerij G.Kiselev,Marco Reisert,"Gibbs-ringing artifact removal based on local subvoxel-shifts",Magn Reson Med 76:1574-1581,2016
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、リンギングアーチファクトが低減されつつ、ボケがより少ないMR画像を提供することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置付けることもできる。
実施形態に係る画像処理装置は、取得部と、低減部とを備える。取得部は、磁気共鳴画像を取得する。低減部は、前記磁気共鳴画像に含まれる画素ごとに、各画素の位置からリンギングアーチファクトが低下する位置までのシフト量を決定し、決定したシフト量に基づいて、前記磁気共鳴画像に発生したリンギングアーチファクトを低減するリンギング低減処理を行う。前記低減部は、前記磁気共鳴画像に含まれる画素ごとに、前記リンギングアーチファクトの局所振幅を推定し、前記リンギングアーチファクトの局所振幅の推定結果に基づいて、前記磁気共鳴画像に対して、前記局所振幅が高い画素から低い画素の順に、隣接する画素のシフト量と略連続的になるように各画素のシフト量を決定しながら、前記リンギング低減処理を行う。
図1は、第1の実施形態に係る画像処理装置の構成例を示す図である。 図2は、第1の実施形態に係るリンギング低減機能によって行われるリンギング低減処理の処理フローの例を示す図である。 図3の(A)及び(B)は、第1の実施形態に係るリンギング低減機能によって行われるリンギング低減処理における、一つの画素に関する、一つの軸に沿った最適なシフト量の推定の一例を示す図である。 図4は、第1の実施形態に係るリンギング低減機能によって行われるリンギング低減処理の処理手順を示すフローチャートである。 図5は、第1の実施形態に係るリンギング低減機能への入力の一例である、リンギングアーチファクトを含むMR画像を示す図である。 図6の(A)及び(B)は、第1の実施形態に係るリンギング低減機能によって行われるリンギングマップ生成処理の第1のステップの一例を示す図である。 図7は、第1の実施形態に係るリンギング低減機能によって行われるリンギングマップ生成処理の第2のステップとして生成されるリンギング振幅マップの一例を示す図である。 図8は、第1の実施形態に係るリンギング低減機能によって行われるリンギングマップ生成処理の第3のステップとして生成される平滑化されたリンギング振幅マップの一例を示す図である。 図9は、第1の実施形態に係るリンギング低減機能によって行われる、リンギングアーチファクトの局所振幅(local amplitude)に関する閾値設定の処理を示す、入力画像の全画素に関するリンギングアーチファクトの局所振幅(図のy軸)及び優先度(図のx軸)の一例を示す図である。 図10Aは、第2の実施形態に係るリンギング低減機能によって行われるリンギングアーチファクトの局所振幅に関する閾値の設定の第2の例を示す図である。 図10Bは、第2の実施形態に係るリンギング低減機能によって行われるリンギングアーチファクトの局所振幅に関する閾値の設定の第2の例を示す図である。 図10Cは、第2の実施形態に係るリンギング低減機能によって行われるリンギングアーチファクトの局所振幅に関する閾値の設定の第2の例を示す図である。 図10Dは、第2の実施形態に係るリンギング低減機能によって行われるリンギングアーチファクトの局所振幅に関する閾値の設定の第2の例を示す図である。 図10Eは、第2の実施形態に係るリンギング低減機能によって行われるリンギングアーチファクトの局所振幅に関する閾値の設定の第2の例を示す図である。 図11の(A)~(G)は、第1の実施形態に係るリンギング低減機能によって行われる画素ごとのシフト量の決定の間に、隣接して位置する画素のシフト量の連続性を強化するために用いることが可能なセット及び重み付け処理の例を示す図である。 図12の(A)及び(B)は、第1の実施形態に係るリンギング低減機能によって行われる、画像のx軸に沿った、第1パス(最初)及び第2パス(最後)のシフト量決定処理の例をそれぞれ示す図である。図12の(B)は、第2パスの間に得られた、第1パスと比べて改善されたシフト量の連続性を示す。 図13の(A)及び(B)は、第1の実施形態に係るリンギング低減機能によって行われる、画像のy軸に沿った、第1パス(最初)及び第2パス(最後)のシフト量決定の例をそれぞれ示す図である。図13の(B)は、第2パスの間に得られた、第1パスと比べて改善されたシフト量の連続性を示す。 図14の(A)は、第1の実施形態に係る画像処理装置への入力となるMR画像を示す図である。図14の(B)は、リンギング低減処理の従来法による出力を示す図である。具体的には、図14の(B)は、ローパスフィルタを用いる空間平滑化処理を図14の(A)に示すMR画像に適用した場合に得られる画像を示している。 図15の(A)は、第1の実施形態に係る画像処理装置への入力となるMR画像(図14の(A)と同じ画像)を示す図である。図15の(B)は、第1の実施形態に係る画像処理装置に含まれるリンギング低減処理による出力及び効果を示す図である。 図16は、第1の実施形態に係る画像処理装置への入力の他の例を示す図である。 図17の(A)及び(B)は、第1の実施形態に係るリンギング低減機能における中間段階を示す図である。図17の(A)は、第1の実施形態に係るリンギング低減機能によって行われる、画像のx軸に沿った、第1パスのシフト量決定処理を示す。図17の(B)は、第1の実施形態に係るリンギング低減機能によって行われる、画像のx軸に沿った、第1パスのシフト量決定処理に基づく中間リンギング低減画像における、入力画像(図16)と比べて低減されたリンギングを示す。 図18の(A)及び(B)は、第1の実施形態に係る画像処理装置の効果を示す図である。図18の(A)は、第1の実施形態に係るリンギング低減機能によって行われる、画像のx軸に沿った、第2パスのシフト量決定処理を示す。図18の(B)は、第1の実施形態に係る画像処理装置からの出力の一例における、入力画像(図16)と比べて低減されたリンギング、及び、第1パスのシフト量決定処理(図17の(A))に基づく中間リンギング低減画像と比べて入力画像からの細部のより正確な描写を示す。 図19は、第2の実施形態に係るMRI装置の構成例を示す図である。
実施形態に係る画像処理装置は、取得部と、低減部とを備える。取得部は、磁気共鳴画像を取得する。低減部は、前記磁気共鳴画像に含まれる画素ごとに、各画素の位置からリンギングアーチファクトが低下する位置までのシフト量を決定し、決定したシフト量に基づいて、前記磁気共鳴画像に発生したリンギングアーチファクトを低減するリンギング低減処理を行う。前記低減部は、前記磁気共鳴画像に含まれる画素ごとに、前記リンギングアーチファクトの局所振幅を推定し、前記リンギングアーチファクトの局所振幅の推定結果に基づいて、前記磁気共鳴画像に対して、前記局所振幅が高い画素から低い画素の順に、隣接する画素のシフト量と略連続的になるように各画素のシフト量を決定しながら、前記リンギング低減処理を行う。
以下、図面を参照しながら、画像処理装置、画像処理方法及びMRI装置の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る画像処理装置の構成例を示す図である。
例えば、図1に示すように、本実施形態に係る画像処理装置100は、MRI装置200及び画像保管装置300とネットワーク400を介して相互に通信可能に接続されている。
MRI装置200は、磁気共鳴現象を利用して被検体の画像を撮像する。具体的には、MRI装置200は、操作者によって設定された撮像条件に基づいて各種の撮像シーケンスを実行することで、被検体に高周波(Radio Frequency:RF)パルスを印加し、当該RFパルスの影響によって被検体から放射される核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance:NMR)信号を受信し、当該NMR信号に基づくNMRデータをk空間データとして収集する。そして、MRI装置200は、収集したk空間データに対してフーリエ変換処理等を含む画像処理を施すことで、2次元又は3次元のMR画像を生成する。
画像保管装置300は、MRI装置200によって撮像されたMR画像を保管する。例えば、画像保管装置300は、PACS(Picture Archiving and Communication System)サーバ等のコンピュータ機器によって実現され、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)に準拠した形式でMR画像を保管する。
画像処理装置100は、被検体に関するMR画像を処理する。具体的には、画像処理装置100は、ネットワーク400を介して、MRI装置200又は画像保管装置300からMR画像を取得し、取得したMR画像を処理する。例えば、画像処理装置100は、ワークステーション等のコンピュータ機器によって実現される。
例えば、画像処理装置100は、ネットワーク(NetWork:NW)インタフェース110と、記憶回路120と、入力インタフェース130と、ディスプレイ140と、処理回路150とを備える。
NWインタフェース110は、ネットワーク400を介して画像処理装置100と他の装置との間で行われる各種データの伝送や通信を制御する。具体的には、NWインタフェース110は、処理回路150に接続されており、他の装置から受信したデータを処理回路150に送信し、また、処理回路150から受信したデータを他の装置に送信する。例えば、NWインタフェース110は、ネットワークカード、ネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等によって実現される。
記憶回路120は、各種データ及び各種プログラムを記憶する。具体的には、記憶回路120は、処理回路150に接続されており、処理回路150から受信したデータを記憶し、また、自身が記憶しているデータを読み出して処理回路150に送信する。例えば、記憶回路120は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。
入力インタフェース130は、操作者から各種指示及び各種情報を指定する操作を受け付ける。具体的には、入力インタフェース130は、処理回路150に接続されており、操作者から受け取った入力操作を電気信号へ変換して処理回路150に送信する。例えば、入力インタフェース130は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力インタフェース、及び音声入力インタフェース等によって実現される。なお、本明細書において、入力インタフェース130は、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ送信する電気信号の処理回路も入力インタフェース130の例に含まれる。
ディスプレイ140は、各種情報及び各種データを表示する。具体的には、ディスプレイ140は、処理回路150に接続されており、処理回路150から受信した各種情報及び各種データを表示する。例えば、ディスプレイ140は、液晶モニタやCRT(Cathode Ray Tube)モニタ、タッチパネル等によって実現される。
処理回路150は、画像処理装置100に含まれる各構成要素を制御することで、各種処理を行う。例えば、処理回路150は、入力インタフェース130を介して操作者から受け付けた入力操作に応じて、各種処理を行う。また、例えば、処理回路150は、NWインタフェース110によって他の装置から受信されたデータを記憶回路120に記憶させる。また、例えば、処理回路150は、記憶回路120から読み出されたデータをNWインタフェース110に送信することによって当該データを他の装置に送信する。また、例えば、処理回路150は、記憶回路120から読み出されたデータをディスプレイ140に表示させる。
このような構成のもと、本実施形態に係る画像処理装置100は、MR画像におけるリンギングアーチファクトを低減するための機能を有している。
ここで、リンギングアーチファクトを低減するための方法としては、これまでにも各種の方法が提案されているが、それらの方法では、リンギングアーチファクトを低減するための処理を行った結果、処理後の画像にボケが生じてしまうことがあった。
例えば、リンギングアーチファクトを低減するための方法として、k空間データに対してローパスフィルタを適用して平滑化処理(フィルタリング又はスムージング)を行う方法や、サブボクセルシフトを利用した手法がある(例えば、Elias Kellner,Bibek Dhital,Valerij G.Kiselev,Marco Reisert,"Gibbs-ringing artifact removal based on local subvoxel-shifts",Magn Reson Med 76:1574-1581,2016を参照)。
k空間データに対してローパスフィルタを適用して平滑化処理を行う方法では、リンギングアーチファクトは低減又は除去されるが、元のMR画像における高い空間周波数が抑制されることによって、出力画像にボケが生じてしまう。サブボクセルシフトを利用した手法は、高い空間周波数を保つことができ、平滑化又はローパスフィルタリングの手法の代替手段を提供する。
また、サブボクセルシフトを利用したリンギング低減手法では、MR画像に含まれる画素ごとに、各画素の位置からリンギングアーチファクトが低下する位置までのシフト量を決定し、決定したシフト量に基づいて、当該MR画像に発生したリンギングアーチファクトを低減するが、隣接する画素間のシフト量の連続性を無視して画素ごとに別々にシフト量を決定しているため、それにより、通常、画像上に顕著なレベルのボケが生じてしまう。
これを改善するため、本実施形態に係る画像処理装置100は、リンギングアーチファクトが低減又は除去されつつ、リンギングアーチファクトに対処するための従来法によって処理されたMR画像と比べて、ボケがより少ないMR画像を提供することができるように構成されている。
具体的には、処理回路150が、MR画像取得機能151と、リンギング低減機能152とを有する。ここで、MR画像取得機能151は、取得部の一例である。また、リンギング低減機能152は、低減部の一例である。
MR画像取得機能151は、リンギングアーチファクトを低減する処理対象のMR画像をMRI装置200又は画像保管装置300から取得する。
具体的には、MR画像取得機能151は、MRI装置200又は画像保管装置300から処理対象のMR画像を取得し、記憶回路120に記憶させる。
例えば、MR画像取得機能151は、入力インタフェース130を介して、操作者から処理対象のMR画像を指定する操作を受け付ける。そして、MR画像取得機能151は、当該操作によって操作者から指定されたMR画像をMRI装置200又は画像保管装置300から取得し、記憶回路120に記憶させる。
リンギング低減機能152は、MR画像取得機能151によって取得されたMR画像に含まれる画素ごとに、各画素の位置からリンギングアーチファクトが低下する位置までのシフト量を決定し、決定したシフト量に基づいて、当該MR画像に発生したリンギングアーチファクトを低減するリンギング低減処理(Ringing Correction)を行う。
具体的には、リンギング低減機能152は、MR画像取得機能151によって取得されたMR画像を記憶回路120から読み出し、読み出したMR画像に対して、リンギング低減処理を行う。
ここで、リンギング低減機能152は、サブボクセルシフトを利用したリンギング低減手法を用いて、処理対象のMR画像に対してリンギング低減処理を行う。
図2は、第1の実施形態に係るリンギング低減機能152によって行われるリンギング低減処理の処理フローの例を示す図である。
例えば、図2に示すように、リンギング低減機能152は、処理対象のMR画像を入力画像とし、当該入力画像に対してリンギング低減処理を行うことによって、リンギングアーチファクトが低減された出力画像を生成する。なお、ここでは、処理対象のMR画像が、互いに直交するX方向(リードアウト方向)及びY方向(位相エンコード方向)で定義される2次元のMR画像である場合の例を説明する。
まず、リンギング低減機能152は、処理対象のMR画像を入力画像とし、入力画像に対してフーリエ変換又は逆フーリエ変換を行うことで、入力画像をk空間データに変換する(図2の(A))。
その後、リンギング低減機能152は、入力画像のk空間データに対して、Y方向における高い空間周波成分を抑制するフィルタ(Gx)を施すことで、X方向に沿ったリンギングアーチファクトが強調されたリンギング画像を生成する(図2の(B))。以下では、このリンギング画像をX方向のリンギング画像と呼ぶ。
また、リンギング低減機能152は、X方向と同様に、Y方向についても、入力画像のk空間データに対して、X方向における高い空間周波成分を抑制するフィルタ(Gy)を施すことで、Y方向に沿ったリンギングアーチファクトが強調されたリンギング画像を生成する(図2の(C))。以下では、このリンギング画像をY方向のリンギング画像と呼ぶ。
その後、リンギング低減機能152は、X方向のリンギング画像に対してリンギング低減処理を行うことで、X方向に沿ったリンギングアーチファクトが低減されたリンギング低減画像を生成する(図2の(D))。以下では、このリンギング低減画像をX方向のリンギング低減画像と呼ぶ。
具体的には、リンギング低減機能152は、X方向のリンギング画像に含まれる画素ごとに、以下の式(1)を用いて、画像空間におけるX方向の座標xをX方向にs/2Mのシフト量だけシフトさせた位置の信号値を算出することで、2M個の画像Is(x)を生成する。
Figure 2024036308000002
ここで、上記式(1)は、フーリエ逆変換として知られた関数を表す計算式にサブボクセルシフトを導入したものであり、xは、画像空間におけるX方向の座標であり、kは、k空間におけるX方向の空間周波数の座標であり、Nは、サンプリングされる信号の数であり、c(k)は、フーリエ展開係数である。
また、sは、リンギング低減処理で用いられるシフト量を定義するための整数のセットのうちの一つの整数である。この整数のセットは、-M,・・・,Mで表されるか、又は、このセットに含まれるサブセットが代わりに用いられてもよい。例えば、Mが4である場合、及び、サブセットである-M,・・・,-Mが用いられる場合、sは、-4,-3,-2,-1,0,1,2,3となり、結果として得られる各画像のシフト量は、-0.5,-0.375,-0.25,-0.125,0,0.125,0.25,0.375ピクセルとなる。
その後、リンギング低減機能152は、生成した2M個の画像に基づいて、リンギング画像に含まれる画素ごとに、当該画素の位置からリンギングアーチファクトが低下する位置までのシフト量を決定する。
図3の(A)及び(B)は、第1の実施形態に係るリンギング低減機能152によって行われるリンギング低減処理におけるシフト量の決定の一例を示す図である。
具体的には、図3の(A)は、画素の位置をシフトさせる前の画像における境界付近の信号値の変化を示しており、図3の(B)は、画素の位置をX方向にシフトさせた後の画像における境界付近の信号値の変化を示している。また、図3の(A)及び(B)に示すグラフの縦軸は、信号値を示しており、横軸は、画像空間におけるX方向の座標軸を示している。また、グラフ上に示す実線は、実空間における境界付近の理想的な信号値の変化を示しており、破線は、画像空間における境界付近の信号値の変化を示しており、波状の変化の大きい箇所がリンギングアーチファクトを示している。また、グラフ上に示す複数の四角い点は、それぞれ、画像に含まれる画素の位置を示しており、一点鎖線は、各画素間で線形補間を行った場合の信号値を示している。
例えば、図3の(B)に示すように、リンギング低減機能152は、画素の位置をシフトさせた後の画像において、画素ごとに(例えば、図3の(B)に示す白色の四角い点)、当該画素の周囲にある所定数の画素それぞれとの間の信号値の差を算出し、算出した差の合計が最小となるシフト量を決定する。以下では、当該画素の周囲にある所定数の画素に対する信号値の差の合計を当該画素のトータルバリエーションと呼ぶ。
そして、リンギング低減機能152は、決定されたシフト量だけ各画素の位置をシフトさせた位置における信号値を用いて線形補間を行うことで、画素ごとに、当該画素のシフトされていない元の位置での信号値を算出し、当該画素の画素値を算出された信号値に設定する。これにより、X方向に沿ったリンギングアーチファクトが低減されたリンギング画像、すなわち、X方向のリンギング低減画像が生成される。
また、図2に戻り、リンギング低減機能152は、X方向と同様に、Y方向についても、Y方向のリンギング画像に対して、X方向と同様にリンギング低減処理を行うことで、Y方向に沿ったリンギングアーチファクトが低減されたリンギング低減画像を生成する(図2の(E))。以下では、このリンギング低減画像をY方向のリンギング低減画像と呼ぶ。
そして、リンギング低減機能152は、生成したX方向のリンギング低減画像とY方向のリンギング低減画像とを加算することで、X方向及びY方向に沿ったリンギングアーチファクトが低減されたリンギング低減画像を最終画像として生成する(図2の(F))。
以上、リンギング低減機能152によって行われるリンギング低減処理の基本的な流れを説明したが、このようなリンギング低減処理において、仮に、リンギング低減処理で用いられるシフト量の全ての範囲の中から各画素のシフト量が決定された場合には、隣接する画素間のシフト量の連続性が無視されることになり、結果として、画像上にボケが生じることになる。
これを改善するため、本実施形態では、リンギング低減機能152は、処理対象のMR画像に対して、以下で説明するように、隣接する画素間のシフト量の連続性を考慮して(すなわち、画素から隣接する画素へ)、上述したリンギング低減処理を行う。
図4は、第1の実施形態に係るリンギング低減機能152によって行われるリンギング低減処理の処理手順を示すフローチャートである。
例えば、図4に示すように、まず、リンギング低減機能152は、リンギングアーチファクトを低減する処理対象のMR画像に含まれる画素ごとに、リンギングアーチファクトの局所振幅を推定する(ステップS101)。
具体的には、リンギング低減機能152は、リンギングアーチファクトの局所振幅の推定結果として、処理対象のMR画像に含まれる各画素におけるリンギングアーチファクトの局所振幅を示すリンギング振幅マップを生成する。
例えば、リンギング低減機能152は、リンギング画像に対して第1パス(最初)のリンギング低減処理を行い、リンギング画像とリンギング低減画像との差分画像を生成する。これらの画像は一般的に画素値として複素数を有するため、リンギング低減機能152は、まず、リンギング画像の強度画像及びリンギング低減画像の強度画像を算出する。その後、リンギング低減機能152は、これらの二つの強度画像の差分画像を、当該差分画像が実数(正数、負数、又はゼロ)の画素値を有するように生成する。最後に、リンギング低減機能152は、リンギング振幅マップとして、差分画像内の画素値の絶対値を算出する。なお、以下では、リンギング振幅マップを簡潔に「リンギングマップ」と呼ぶ。
図5~8は、第1の実施形態に係るリンギング低減機能152によって行われるリンギングマップの生成の一例を示す図である。
例えば、リンギング低減機能152は、図5に示すような脳のスライスのMR画像に対して、図2の(A)~(E)に示した処理を行うことで、X方向のリンギング画像と、Y方向のリンギング画像と、X方向のリンギング低減画像と、Y方向のリンギング画像とを生成する。なお、このとき、リンギング低減機能152は、リンギング低減処理で用いられる全てのシフト量の中から各画素のシフト量を決定して、X方向のリンギング低減画像及びY方向のリンギング低減画像を生成する。
その後、リンギング低減機能152は、複素数値のX方向のリンギング画像から強度画像を生成し、複素数値のX方向のリンギング低減画像から強度画像を生成し、それらの差分画像を生成することで、図6の(A)に示すようなX方向のリンギング差分画像を生成する。また、同様に、リンギング低減機能152は、複素数値のY方向のリンギング画像から強度画像を生成し、複素数値のY方向のリンギング低減画像から強度画像を生成し、それらの差分画像を生成することで、図6の(B)に示すようなY方向のリンギング差分画像を生成する。
その後、リンギング低減機能152は、X方向のリンギング差分画像の各画素の絶対値を算出することで、X方向のリンギング振幅マップを生成する。また、同様に、リンギング低減機能152は、Y方向のリンギング差分画像の各画素の絶対値を算出することで、図7に示すようなY方向のリンギング振幅マップを生成する。
X方向及びY方向のリンギング振幅マップは、処理されたリンギングマップを得るために、さらに、平滑化処理又はフィルタリング処理のための公知の技術に従って処理されてもよい。図8は、処理されたリンギングマップの一例として、2次元平滑化フィルタを用いて処理されたY方向のリンギング振幅マップを示す。
なお、ここでは、リンギング画像と最初のリンギング低減画像との差分画像が用いられて、リンギングマップの一種であるリンギング振幅マップが生成される場合の例を説明したが、リンギングマップを生成する方法はこれに限られない。
例えば、リンギング低減機能152は、リンギング画像と最初のリンギング低減画像との差分画像に基づいてリンギングマップを生成する代わりに、それらのトータルバリエーションに基づいて、直接、リンギングマップを生成してもよい。この場合、リンギングアーチファクトの局所振幅を推定する手段として実行される最初のリンギング低減処理は、不要である。
図4に戻り、続いて、リンギング低減機能152は、リンギングアーチファクトの局所振幅の推定結果に基づいて、処理対象のMR画像に対して、局所振幅が高い画素から低い画素の順に、隣接する画素のシフト量と略連続的になるように各画素のシフト量を決定しながら、リンギング低減処理を行う。
具体的には、リンギング低減機能152は、生成したリンギングマップに基づいて、処理対象のMR画像に対して、リンギングアーチファクトの局所振幅が高い画素から低い画素の順に各画素のシフト量を決定しながら、リンギング低減処理を行う。
より具体的には、リンギング低減機能152は、リンギングアーチファクトの局所振幅の推定結果に基づいて、リンギングアーチファクトの局所振幅が高い画素から低い画素の順に、処理対象のMR画像に含まれる各画素をソートする(ステップS102)。
そして、リンギング低減機能152は、処理対象のMR画像に対して、リンギングアーチファクトの局所振幅が高い画素から低い画素の順に、画素ごとに、隣接する画素のシフト量と略連続的になるようにシフト量を決定しながら、リンギング低減処理を行う(ステップS103)。
まず、リンギング低減機能152は、リンギングアーチファクトの局所振幅に関する第1の閾値と、第1の閾値より小さい第2の閾値とを設定する。
ここで、例えば、リンギング低減機能152は、MR画像に含まれる画素の数と併せて、MR画像にわたるリンギングアーチファクトの振幅の範囲に基づいて、基準振幅値を設定してもよい。また、リンギング低減機能152は、基準振幅値を設定する際に考慮するリンギングアーチファクトの振幅の範囲として、リンギングアーチファクトの振幅から明らかに低い振幅及び極度に高い振幅の一方又は両方を除いた後の残りの範囲を算出してもよい。
そして、リンギング低減機能152は、当該基準振幅値に所定の第1のパラメータを乗じることで、第1の閾値を設定する。また、リンギング低減機能152は、当該基準振幅値に第1のパラメータより小さい第2のパラメータを乗じることで、第2の閾値を設定する。
図9は、第1の実施形態に係るリンギング低減機能152によって行われるリンギングアーチファクトの局所振幅に関する閾値の設定の第1の例を示す図である。
具体的には、図9は、リンギングアーチファクトの局所振幅が高い画素から低い画素の順に各画素をソートした結果を示している。また、図9に示すグラフの縦軸は、リンギングアーチファクトの局所振幅を示しており、横軸は、リンギングアーチファクトの局所振幅が高い画素から低い画素の順に各画素に優先順位を付与した場合の各画素の優先順位を示している。なお、図9は、MR画像に含まれる画素の数が35000個であり、当該画素におけるリンギングアーチファクトの局所振幅が0~150の範囲であり、各画素に対して、リンギングアーチファクトの局所振幅が高い画素から低い画素の順に1~35000の優先順位を付与した場合の例を示している。
第1の例では、例えば、図9に示すように、リンギング低減機能152は、リンギングアーチファクトの局所振幅が高い画素から低い画素の順にソートされた画素に対するリンギングアーチファクトの局所振幅の変化を示す曲線を導出する。その後、リンギング低減機能152は、導出した曲線より下側で縦軸より右側かつ横軸より上側の領域を横軸の方向に二つに分け、当該二つの領域の面積が等しくなる位置の優先順位におけるリンギングアーチファクトの局所振幅を基準値Refとして設定する。
そして、リンギング低減機能152は、設定した基準値Refに第1のパラメータ(例えば、75%)を乗じることで、第1の閾値Th1を設定する。また、リンギング低減機能152は、基準値Refに第1の比率より小さい第2のパラメータ(例えば、40%))を乗じることで、第2の閾値Th2を設定する。ここで、リンギング低減機能152によって用いられる第1のパラメータ及び第2のパラメータは、例えば、操作者によって予め設定される。
図10A~10Eは、第2の実施形態に係るリンギング低減機能152によって行われるリンギングアーチファクトの局所振幅に関する閾値の設定の第2の例を示す図である。
第2の例では、リンギング低減機能152は、まず、入力画像から背景を除去する。
例えば、図10Aの(A)に示すように、入力画像は、被検体を示す領域R1と、被検体の周囲の背景である領域R2とを含む。例えば、リンギング低減機能152は、シフト画像に対して、画素値に基づくマスク処理を施すことで、図10Aの(B)に示すように、入力画像から背景の領域R2を除去する。
その後、リンギング低減機能152は、背景が除去された画像に基づいて、第1の例と同様に、リンギングアーチファクトの局所振幅が高い画素から低い画素の順にソートされた画素に対するリンギングアーチファクトの局所振幅の変化を示す曲線を導出する。
例えば、図10Bの(A)は、背景が除去される前の入力画像から導出された曲線を示し、図10Bの(B)は、背景が除去された後の入力画像から導出された曲線を示す。なお、図10Bでは、(A)及び(B)において、実線の曲線及び点線の曲線が、1回のMRIスキャンで得られた二つのスライスを示している。
仮に、背景が除去される前の画像から曲線を導出した場合、図10Bの(A)に示すように、曲線には、リンギングアーチファクトの局所振幅が低い背景の画素が含まれる。これに対し、背景が除去された後の画像から曲線を導出した場合、図10Bの(B)に示すように、曲線では、リンギングアーチファクトの局所振幅が低い背景の画素が除外される。
その後、リンギング低減機能152は、導出された曲線から、外れ値とみなされる、リンギングアーチファクトの局所振幅が極度に高い画素を除外する。
例えば、図10Cに示すように、リンギング低減機能152は、背景が除去された後のシフト画像に含まれる被検体の画素の数をNsubjとし、所定の割合H%(例えば、5%)を用いて、局所振幅が最も大きい画素からH%×Nsubjの画素を除外する。なお、図10Cに示すように、被検体に含まれる画素の数Nsubjは、スライスの位置及びその他の多くの変動要因に依存し、それに応じて、除外される画素の数H%×Nsubjも変動する。
その後、リンギング低減機能152は、残った(1-H%)×Nsubjの画素に基づいて、曲線の尾部(優先順位が最も低い画素に近い画素の部分)の高さを考慮して、第1の閾値及び第2の閾値を設定する。
例えば、図10Dに示すように、リンギング低減機能152は、予め決められた比率RTa1(例えば、5%)を用いて、曲線より下側かつ画素Ta1より右側の面積が曲線より下側の面積×RTa1に等しくなるような画素Ta1を特定し、RTa1より小さい比率RTa2(例えば、2.5%)を用いて、曲線より下側かつ画素Ta2より右側の面積が曲線より下側の面積×RTa2に等しくなるような画素Ta2を特定する。ここで、リンギング低減機能152によって用いられる比率RTa1及びRTa2は、いずれも、全てのスライス、MRIシーケンス、被検体にわたって同一の値であり、例えば、操作者によって予め設定される。
そして、リンギング低減機能152は、二つの画素Ta1及び画素Ta2の間の曲線の高さの平均値を算出し、算出された平均値を、曲線の尾部の高さTahとして定義する。Tahを算出する一つの簡単な方法は、以下の式によって規定される。
Tah=(totalTailArea-steepTailArea)/(Ta2-Ta1)
ここで、「totalTailArea」は、Ta1とNsubjとの間の曲線より下側の面積であり、「steepTailArea」は、Ta2とNsubjとの間の曲線より下側の面積である。
なお、図10Dでは図示を省略しているが、上記のように定義される高さTahは、入力画像の特徴に依存し、それぞれの曲線に応じて異なる。したがって、Tahは、例えば、入力画像に描出された解剖学的構造や入力画像を収集するために用いられたMRIシーケンス及びパラメータ等に依存して、入力画像ごとに異なる。
その後、例えば、図10Eに示すように、リンギング低減機能152は、曲線より下側で高さTahにおける水平な線より上側かつH%×Nsubjで横軸と交差する鉛直な線より右側の領域を算出する。また、リンギング低減機能152は、算出した領域を横軸の方向に二つに分け、当該二つの領域の面積が等しくなる位置の優先順位における局所振幅を基準振幅Refとして設定する。その後、以下のように、基準振幅範囲RefRangeが定義される。
RefRange=Ref-Tah
そして、リンギング低減機能152は、第1の例と同様に、基準振幅範囲RefRangeに第1のパラメータ(例えば、30%)を乗じることで、第1の閾値Th1を設定する。また、リンギング低減機能152は、基準振幅範囲RefRangeに第1のパラメータより小さい第2のパラメータ(例えば、20%))を乗じることで、第2の閾値Th2を設定する。ここで、リンギング低減機能152によって用いられる第1の比率及び第2の比率は、例えば、操作者によって予め設定される。なお、図10Eでは図示を省略しているが、RefRange、Th1及びTh2は、入力画像の特徴に依存し、それぞれの曲線に応じて異なる。したがって、RefRange、Th1及びTh2は、例えば、入力画像を収集するために用いられたMRIシーケンス及びパラメータや入力画像に描出された解剖学的構造に依存して、入力画像ごとに異なる。
このようにして、リンギング低減機能152は、X方向のリンギングマップに基づいて、X方向に関する第1の閾値及び第2の閾値を設定し、Y方向のリンギングマップに基づいて、Y方向に関する第1の閾値及び第2の閾値を設定する。
このように、MR画像に含まれる画素の数と併せて、MR画像にわたるリンギングアーチファクトの振幅の範囲に基づいて、リンギングアーチファクトの局所振幅に関する閾値を設定することによって、処理対象のMR画像について、画像のサイズ(X方向のマトリクス数×Y方向のマトリクス数)や、リンギングアーチファクトが生じている画素の数、リンギングアーチファクトの振幅等が異なる場合でも、一定の基準となるように適切に閾値を設定することができる。例えば、処理対象のMR画像が、対象となる身体領域、スライス位置、患者、撮像日時、撮像パラメータ(例えば、画素の大きさ、視野範囲(field of view)等)、画像種(例えば、T1強調画像、T2強調画像、拡散強調画像等)等の広い範囲から得られる場合でも、適切に閾値を設定することができる。
特に、第2の例の方法は、第1のパラメータ及び第2のパラメータを幅広いMRIシーケンスや画像種に適用することができ、第1の例の方法と比べて、よりロバストである。
その後、リンギング低減機能152は、図2に示した流れで、リンギング低減処理を行う。
具体的には、まず、リンギング低減機能152は、処理対象のMR画像を入力画像とし、入力画像に対してフーリエ変換又は逆フーリエ変換を行うことで、入力画像をk空間データに変換する(図2の(A))。
その後、リンギング低減機能152は、入力画像のk空間データに対して、Y方向における高い空間周波成分を抑制するフィルタ(Gx)を施すことで、X方向に沿ったリンギングアーチファクトが強調されたX方向のリンギング画像を生成する(図2の(B))。
また、リンギング低減機能152は、X方向と同様に、Y方向についても、入力画像のk空間データに対して、X方向における高い空間周波成分を抑制するフィルタ(Gy)を施すことで、Y方向に沿ったリンギングアーチファクトが強調されたY方向のリンギング画像を生成する(図2の(C))。
その後、リンギング低減機能152は、X方向のリンギング画像に対してリンギング低減処理を行うことで、X方向に沿ったリンギングアーチファクトが低減されたX方向のリンギング低減画像を生成する(図2の(D))。
このとき、本実施形態では、リンギング低減機能152は、設定済みの第1の閾値及び第2の閾値に基づいて、リンギングアーチファクトの局所振幅が高い画素から低い画素の順に、画素ごとに、隣接する画素のシフト量と略連続的になるようにシフト量を決定する。
具体的には、リンギング低減機能152は、リンギングアーチファクトの局所振幅が第1の閾値以上の画素については、隣接する画素のシフト量と近い大きさとなるように、シフト量を決定する。
また、リンギング低減機能152は、リンギングアーチファクトの局所振幅が第1の閾値未満の画素については、隣接する画素のシフト量と近い大きさとなるようにシフト量を決定した後に、局所振幅が高い画素から低い画素の順にシフト量が徐々に小さくなるように、決定したシフト量を調整する。
さらに、リンギング低減機能152は、リンギングアーチファクトの局所振幅が第2の閾値未満の画素については、シフト量を0に設定する。
例えば、リンギング低減機能152は、画素ごとに、隣接する複数の画素のセットを定義し、シフト量が既に特定されている画素のセットに含まれる画素に基づいて、シフト量の許容範囲を設定する。
図11の(A)~(G)は、第1の実施形態に係るリンギング低減機能152によって用いられる画素のセットの例を示す図である。
ここで、図11の(A)~(G)に示す例のうち、一般的なリンギング低減のためには、図11の(A)~(C)に示す画素のセットで十分であるが、より精度を高めるためには、図11の(D)~(G)に示す画素のセットを用いることが考えられる。
例えば、図11の(A)に示すように、リンギング低減機能152は、シフト量を決定する対象の画素(図11の(A)に示す中央の画素)に対して、当該対象の画素のX方向(図11の(A)における左右方向)の両側に隣接する2個の画素と、当該2個の画素及び対象の画素それぞれのY方向(図11の(A)における上下方向)の両側に隣接する6個の画素とを含む8個の画素のセットSを設定する。
そして、リンギング低減機能152は、セットSに含まれる画素のうちのシフト量を決定済みの画素の数をNsとし、Nsの値に応じて、対象の画素に対するシフト量の許容範囲を設定する。
例えば、リンギング低減機能152は、Ns=0の場合には、対象の画素に対するシフト量の許容範囲を、前述したリンギング低減処理で用いられるシフト量の最小値から最大値までの範囲に設定する。
これにより、例えば、リンギング低減処理で用いられるシフト量の範囲が-0.5~+0.5ピクセルであった場合には、Ns=0のときには、対象の画素に対するシフト量の許容範囲は、-0.5~+0.5ピクセルとなる。
また、リンギング低減機能152は、Ns>0の場合には、セットSに含まれる画素のうちのシフト量を決定済みの画素におけるシフト量の最小値をmin(S)、最大値をmax(S)とし、以下の式(2)~(7)で下限値ARlow及び上限値ARhighを算出することで、対象の画素に対するシフト量の許容範囲をARlow~ARhighピクセルに設定する。
Rs=Ns/8 ・・・(2)
T1=h×Rs×[max(S)-min(S)] ・・・(3)
T2low =[-0.5+min(S)]/Ns ・・・(4)
T2high=[+0.5-max(S)]/Ns ・・・(5)
ARlow =min(S)+T1-T2low ・・・(6)
ARhigh=max(S)-T1+T2high ・・・(7)
ここで、係数hは、合理的には1/2の一定値に設定できるが、さらに、その値のリンギング低減の品質に対する効果や画像の鮮明さに影響を与えるサブボクセルシフトの連続性に対する効果を見ながら最適化されてもよい。
これにより、例えば、リンギング低減処理で用いられるシフト量の範囲が-0.5~+0.5ピクセルであり、ある一つの画素が処理される際にNs=1であった場合には、Rs=1/8となり、当該画素に対するシフト量の許容範囲は、略-0.5~略+0.5ピクセルとなる。
また、例えば、他の一つの画素が処理される際にNs=8であった場合には、Rs=1となり、当該画素に対するシフト量の許容範囲は、min(S)+h×[max(S)-min(S)]~max(S)-h×[max(S)-min(S)]ピクセルとなる。
また、例えば、図11の(B)に示すように、リンギング低減機能152は、対象の画素に対して、当該対象の画素のX方向の両側に隣接する2個の画素を含むセットSを設定してもよい。また、例えば、図11の(C)に示すように、リンギング低減機能152は、対象の画素に対して、当該対象の画素のX方向の両側に隣接する2個の画素と、当該2個の画素のX方向の両側に隣接する2個の画素とを含む4個の画素のセットSを設定してもよい。また、例えば、図11の(D)に示すように、リンギング低減機能152は、対象の画素に対して、当該対象の画素のX方向の両側に隣接する2個の画素と、当該2個の画素のX方向の外側に隣接する2個の画素と、さらに当該2個の画素のX方向の外側に隣接する2個の画素とを含む6個の画素のセットSを設定してもよい。
また、例えば、図11の(F)に示すように、リンギング低減機能152は、対象の画素に対して、図11の(C)の例でセットSに含めることとした4つの画素に加えて、当該4つの画素及び対象の画素のY方向の両側に隣接する10個の画素と、当該10個の画素の中でX方向の内側に位置する6個の画素のY方向の外側に隣接する6個の画素とをさらに含む20個の画素のセットSを設定してもよい。また、例えば、図11の(G)に示すように、リンギング低減機能152は、対象の画素に対して、図11の(D)の例でセットSに含めることとした6つの画素に加えて、当該6つの画素の中でX方向の内側に位置する二つの画素及び対象の画素のY方向の両側に隣接する6個の画素をさらに含む12個の画素のセットSを設定してもよい。
さらに、リンギング低減機能152は、上述した方法でシフト量の許容範囲を設定する際に、セットSに含まれる各画素のシフト量に重みを付けてもよい。
例えば、図11の(E)~(G)に示すように、リンギング低減機能152は、セットSに含まれる各画素に対して、対象の画素から離れるにつれて、シフト量の重みを小さくする。例えば、図11の(E)及び(F)に示すように、リンギング低減機能152は、対象の画素に最も近い画素については、シフト量の重みを1.0とし、2番目に近い画素については、シフト量の重みを0.7とし、3番目に近い画素については、シフト量の重みを0.3とする。また、例えば、図11の(G)に示すように、リンギング低減機能152は、X方向とY方向とで、対象の画素からの距離に応じた重み付けの度合いを変えてもよい。
そして、リンギング低減機能152は、リンギングアーチファクトの局所振幅が第1の閾値以上の画素について、画素ごとに、設定した許容範囲内のシフト量を用いて、当該画素の位置からリンギングアーチファクトが低下する位置までのシフト量を決定する。
ここで、上述した処理では、リンギング低減機能152によって設定されるシフト量の許容範囲は、シフト量を決定済みの画素の数Nsに応じて変化し、Nsが小さくなるほど、範囲が広くなり、Nsが大きくなるほど、範囲が狭くなる。
この一方で、上述した個々の画素に対する処理では、リンギングアーチファクトの局所振幅が高いほど、先にシフト量が決定されるため、Nsは小さくなり、リンギングアーチファクトの局所振幅が低いほど、後でシフト量が決定されるため、Nsは大きくなる。
したがって、上述した個々の画素に対する処理では、リンギングアーチファクトの局所振幅が高いほど、決定され得るシフト量の範囲が大きくなり、リンギングアーチファクトの局所振幅が低いほど、決定され得るシフト量の範囲が小さくなる。
この結果、リンギングアーチファクトの局所振幅が最も高い画素には、当該画素におけるリンギングアーチファクトの低減に最適なシフト値の取得において最も自由が与えられる一方で、リンギングアーチファクトの局所振幅がより低い画素には、より少ない自由が与えられるようにして、各画素のシフト量が決定される。さらに、リンギングアーチファクトの局所振幅に関係なく、隣接する画素のシフト量との差が最小化されるように、各画素のシフト量が決定される。すなわち、隣接して位置する画素のシフト量と略連続するように、シフト量が決定される。
上述した処理によって、リンギングアーチファクトの局所振幅が第1の閾値以上の画素について、各画素のシフト量が決定される。
また、リンギング低減機能152は、リンギングアーチファクトの局所振幅が第1の閾値未満かつ第2の閾値以上の画素について、画素ごとに、局所振幅が第1の閾値以上の画素と同様に計算された許容範囲内でシフト量を決定した後に、当該シフト量に調整用の係数を乗じる。このとき、リンギング低減機能152は、リンギングアーチファクトの局所振幅が高い画素から低い画素の順に、調整用の係数の値を1から0までの間で徐々に小さくする。
さらに、リンギング低減機能152は、リンギングアーチファクトの局所振幅が第2の閾値未満の画素について、画素ごとに、シフト量を0に設定する。
これにより、リンギングアーチファクトの局所振幅が第1の閾値未満の画素についても、各画素のシフト量が、隣接する画素のシフト量と略連続的になるように決定される。
また、リンギング低減機能152は、X方向と同様に、Y方向についても、Y方向のリンギング画像に対して、X方向と同様にリンギング低減処理を行うことで、Y方向に沿ったリンギングアーチファクトが低減されたY方向のリンギング低減画像を生成する(図2の(E))。
そして、リンギング低減機能152は、生成したX方向のリンギング低減画像とY方向のリンギング低減画像とを加算することで、X方向及びY方向に沿ったリンギングアーチファクトが低減された最終画像を生成する(図2の(F))。
ここで、上述した処理によって生成される最終画像は、処理対象のMR画像に対して、隣接する画素のシフト量と略連続的になるように各画素のシフト量が決定されたうえで、サブボクセルシフトを利用したリンギング低減手法が行われたものとなるため、リンギングアーチファクトが低減されつつ、ボケがより少ない画像となる。
例えば、前述したように、仮に、リンギング低減処理で用いられるシフト量の全ての範囲の中から各画素のシフト量を決定した場合には、隣接する画素間の連続性が無視されることになり、結果として、画像上にボケが生じることになる。
これに対し、本実施形態では、上述したように、各画素のシフト量が、隣接する画素のシフト量と略連続的になるように決定される。ここで、シフト量は、画像内の各画素の位置でサンプリングされる、画素の座標X及びYの二つの変数の関数として考えられてもよい。本実施形態は、シフト量の関数が画像の全体にわたって検査された場合に当該画像が平滑化されて急激な変化や鮮明な皺を含まないものになるように、各画素でのシフト量の決定を実現する。つまり、この関数は、画素の座標X及びYの連続関数である。
図12及び13は、第1の実施形態に係るリンギング低減機能152によって行われるシフト量の決定の一例を示す図である。
具体的には、図12及び13は、いずれも、各画素に対して決定されたシフト量をマッピングしたシフトマップを示しており、図12の(A)及び(B)は、X方向のシフトマップを示し、図13の(A)及び(B)は、Y方向のシフトマップを示している。また、図12及び13の(A)は、リンギング低減処理で用いられる全てのシフト量の中から各画素のシフト量を決定した場合のシフトマップを示しており、図12及び13の(B)は、上述した許容範囲内のシフト量を用いて各画素のシフト量を決定した場合のシフトマップを示している。
例えば、図12及び13の(A)に示すように、リンギング低減処理で用いられるシフト量の全ての範囲の中からシフト量を決定した場合には、各画素のシフト量が、隣接する画素との連続性を無視して、独立して決定される。この結果、リンギングアーチファクトは低減されるものの、最終的な低減画像は、画像の全体にわたってボケが生じたものになる。
一方、図12及び13の(B)に示すように、上述した許容範囲内のシフト量を用いて各画素のシフト量を決定した場合には、隣接する画素のシフト量と略連続的になるように各画素のシフト量が決定され、さらに、リンギングアーチファクトの重要な局所振幅を有する画素に限定してシフト量が決定される。この結果、生成される最終画像では、リンギングアーチファクトに対処するための従来法によって処理された画像と比べて、リンギングアーチファクトが低減されつつ、画像上のボケがより少なくなる。
ここで、リンギング低減機能152によって生成される最終画像は、例えば、操作者からの指示に応じて、ディスプレイ140に表示される。また、リンギング低減機能152によって生成された最終画像は、例えば、操作者からの指示に応じて、MRI装置200又は画像保管装置300に送信されて、表示又は保管されてもよい。
以上、処理回路150が有する処理機能について説明したが、上述した処理回路150は、例えば、プロセッサによって実現される。その場合、処理回路150が有する各処理機能は、例えば、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路120に記憶される。そして、処理回路150は、記憶回路120に記憶された各プログラムを読み出して実行することにより、各プログラムに対応する処理機能を実現する。換言すると、処理回路150は、各プログラムを読み出した状態で、図1に示す各処理機能を有することとなる。
例えば、上述した説明において、MR画像取得機能151が行うこととした処理は、処理回路150が、MR画像取得機能151に対応するプログラムを記憶回路120から読み出して実行することにより実現される。また、リンギング低減機能152が行うこととした処理は、処理回路150が、リンギング低減機能152に対応するプログラムを記憶回路120から読み出して実行することにより実現される。
上述したように、第1の実施形態に係る画像処理装置100では、リンギング低減機能152が、処理対象のMR画像に含まれる画素ごとに、各画素の位置からリンギングアーチファクトが低下する位置までのシフト量を決定し、決定したシフト量に基づいて、MR画像に発生したリンギングアーチファクトを低減するリンギング低減処理を行う。ここで、リンギング低減機能152は、処理対象のMR画像に含まれる画素ごとに、リンギングアーチファクトの局所振幅を推定し、当該リンギングアーチファクトの局所振幅の推定結果に基づいて、処理対象のMR画像に対して、局所振幅が高い画素から低い画素の順に、隣接する画素のシフト量と略連続的になるように各画素のシフト量を決定しながら、リンギング低減処理を行う。
したがって、第1の実施形態に係る画像処理装置100によれば、リンギングアーチファクトが低減されつつ、従来のサブボクセルシフト法によって同じデータから生成されたリンギング低減画像と比べてボケがより少ないMR画像を提供することができる。
図14~18は、第1の実施形態に係る画像処理装置100の効果を示す図である。
具体的には、図14及び15の(A)は、第1の実施形態に係る画像処理装置への入力となるMR画像(両図は同じ画像)を示す図である。
図14及び15の(B)は、同じMR画像すなわち図14及び15の(A)に示す同じ脳の画像に対してリンギング低減処理を行った結果を示しており、図14の(B)は、k空間データに対してローパスフィルタを用いた空間平滑化処理を使用してリンギングが削減された場合の画像を示し、図15の(B)は、本実施形態で説明したリンギング低減処理を行った場合の画像を示している。
例えば、図14の(B)に示すように、k空間データに対してローパスフィルタを用いた平滑化処理を使用して、ボケが最小となるようにフィルタを調整すると、リンギングアーチファクトは十分に抑制されない(図中の矢印が指す箇所を参照)。
これに対し、例えば、図15の(B)に示すように、本実施形態で説明したリンギング低減処理では、ボケのレベルを図14の(B)に示す例と同様にしつつ、リンギングアーチファクトをより完全に抑制することができる(両図中の矢印が指す箇所を比較)。
また、図16は、ファントムを撮像したMR画像を示しており、図17の(A)及び(B)は、図16に示すMR画像に対して、サブボクセルシフトを利用したリンギング低減手法を用いて、隣接する画素間のシフト量の連続性を考慮せずにリンギング低減処理を行った結果を示し、図18の(A)及び(B)は、図16に示すMR画像に対して、本実施形態で説明したリンギング低減処理を行った結果を示している。ここで、図17及び18の(A)は、各リンギング低減処理で決定されたシフト量をマッピングしたシフトマップを示しており、図17及び18の(B)は、各リンギング低減処理で得られた最終画像を示している。
例えば、図17の(A)に示すように、サブボクセルシフトを利用したリンギング低減手法を用いて、隣接する画素間のシフト量の連続性を考慮せずにリンギング低減処理を行った場合には、画像内の一つ一つの画素ごとにシフト量が決定され、かつ、隣接する画素間の連続性を無視して、各画素のシフト量が決定されることになる。この結果、図17の(B)に示すように、生成される最終画像では、リンギングアーチファクトは低減されるものの、画像の全体にわたって、画像上にボケが生じてしまう(図中の矢印が指す箇所を参照)。
これに対し、例えば、図18の(A)に示すように、本実施形態で説明したリンギング低減処理を行った場合には、各画素のシフト量が、隣接する画素のシフト量と略連続的になるように決定される。この結果、図18の(B)に示すように、生成される最終画像では、リンギングアーチファクトが低減されつつ、リンギングアーチファクトに対処するための従来法によって処理された画像と比べて、画像上のボケがより少なくなる(図中の矢印が指す箇所を参照)。また、リンギングアーチファクトの局所振幅が画素ごとに考慮されるため、リンギングアーチファクトの重要な局所振幅を有する画素に限定してシフト量を決定し、重要でない局所振幅を有する他の全ての画素についてはシフト量をゼロに設定することができる。これにより、計算量を削減し、処理時間を短縮することができる。
なお、一般的に、サブボクセルシフトを利用したリンギング低減手法は、脳の研究で頻繁に用いられているが、この分野では、MR画像の画素値に基づいて、結果の画像及び統計値を計算することが多い。そのため、本実施形態のように、リンギングアーチファクトが低減されつつ、従来のサブボクセルシフト法によって同じデータから生成された画像と比べてボケがより少ないMR画像が得られるリンギング低減手法を用いることが有利であると考えられる。
また、上述した第1の実施形態では、リンギング低減機能152が、リンギングアーチファクトの局所振幅を一回推定した後に、推定された局所振幅に基づいてリンギング低減処理の実行を一回行うこととしたが、実施形態はこれに限られない。例えば、リンギング低減機能152は、複数回繰り返して、リンギングアーチファクトの局所振幅を再推定し、その後、最終のリンギング低減処理を行うことによって、推定された局所振幅の精度及びリンギング低減処理の質を向上させてもよい。また、他の例として、リンギング低減機能152は、リンギングアーチファクトの局所振幅を推定し、当該推定に基づいてリンギング低減処理を行い、当該処理の結果を用いて次のサイクルで実行される局所振幅の推定及びリンギング低減処理を向上させるサイクルを、反復的に繰り返してもよい。
これにより、リンギングアーチファクトの局所振幅の推定精度を向上させることができ、より高精度にリンギングアーチファクトが低減され、かつ、リンギングアーチファクトに対処するための従来法によって処理されたMR画像と比べて、ボケが少ないMR画像を提供することができる。
また、上述した第1の実施形態では、処理対象のMR画像が、互いに直交するX方向(リードアウト方向)及びY方向(位相エンコード方向)で定義される2次元のMR画像である場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。
例えば、MRI装置は、通常、2次元のMR画像の積層をスキャンすることによって、被検体内の3次元のボリュームの検査を可能にする。そのような場合に、上述した実施形態が、スライスの積層の各スライスに同様に適用されてもよい。
また、MRシーケンスが3つの次元のフーリエエンコードを行う場合に、Z方向(スライスエンコード方向)についてもX方向及びY方向と同様のリンギング低減処理を行うことで、処理対象のMR画像が3次元のMR画像である場合にも同様に適用することができる。
また、上述した第1の実施形態では、本明細書における取得部及び低減部を、それぞれ、処理回路のMR画像取得機能及びリンギング低減機能によって実現する場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、本明細書における取得部及び低減部は、実施形態で述べたMR画像取得機能及びリンギング低減機能によって実現する他にも、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、又は、ハードウェアとソフトウェアとの混合によって同機能を実現するものであっても構わない。
(第2の実施形態)
以上、画像処理装置の実施形態を説明したが、本願が開示する技術の実施形態はこれに限られない。例えば、本願が開示する技術は、MRI装置に適用することも可能である。そこで、以下では、本願が開示する技術をMRI装置に適用した場合の例を第2の実施形態として説明する。
図19は、第2の実施形態に係るMRI装置の構成例を示す図である。
例えば、図19に示すように、MRI装置200は、静磁場磁石1、傾斜磁場コイル2、傾斜磁場電源3、全身用RFコイル4、局所用RFコイル5、送信回路6、受信回路7、RFシールド8、架台9、寝台10、入力インタフェース11、ディスプレイ12、記憶回路13、及び処理回路14~17を備える。
静磁場磁石1は、被検体Sが配置される撮像空間に静磁場を発生させる。具体的には、静磁場磁石1は、中空の略円筒状(中心軸に直交する断面の形状が楕円状となるものを含む)に形成されており、その内周側に形成された撮像空間に静磁場を発生させる。例えば、静磁場磁石1は、超伝導磁石や永久磁石等である。ここでいう超伝導磁石は、例えば、液体ヘリウム等の冷却剤が充填された容器と、当該容器に浸漬された超伝導コイルとから構成される。
傾斜磁場コイル2は、静磁場磁石1の内側に配置されており、被検体Sが配置される撮像空間に傾斜磁場を発生させる。具体的には、傾斜磁場コイル2は、中空の略円筒状(中心軸に直交する断面の形状が楕円状となるものを含む)に形成されており、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸それぞれに対応するXコイル、Yコイル及びZコイルを有している。Xコイル、Yコイル及びZコイルは、傾斜磁場電源3から供給される電流に基づいて、各軸方向に沿って線形に変化する傾斜磁場を撮像空間に発生させる。ここで、Z軸は、静磁場磁石1によって発生する静磁場の磁束に沿うように設定される。また、X軸は、Z軸に直交する水平方向に沿うように設定され、Y軸は、Z軸に直交する鉛直方向に沿うように設定される。ここで、X軸、Y軸及びZ軸は、MRI装置200に固有の装置座標系を構成する。一般的に、これらX軸、Y軸及びZ軸は、上述した他の実施形態の説明で言及されたX(リードアウト)軸、Y(位相エンコード)軸及びZ(スライス)軸には一致しない。しかし、操作者は、各軸が一致するように選択することも可能である。
傾斜磁場電源3は、傾斜磁場コイル2内の個別の軸コイルに電流を供給することで、傾斜磁場を発生させる。具体的には、傾斜磁場電源3は、傾斜磁場コイル2のXコイル、Yコイル及びZコイルに個別に電流を供給することで、互いに直交するリードアウト方向、位相エンコード方向及びスライス方向それぞれに沿って線形に変化する傾斜磁場を発生させる。ここで、リードアウト方向に沿った軸、位相エンコード方向に沿った軸、及びスライス方向に沿った軸は、撮像の対象となるスライス領域又はボリューム領域を規定するための論理座標系を構成する。
具体的には、リードアウト方向、位相エンコード方向及びスライス方向それぞれに沿った傾斜磁場は、静磁場磁石1によって発生する静磁場に重畳されることで、被検体Sから発生するNMR信号に空間的な位置情報を付与する。具体的には、リードアウト方向の傾斜磁場は、リードアウト方向の位置に応じてNMR信号の周波数を変化させることで、リードアウト方向の位置情報をNMR信号に付与する。また、位相エンコード方向の傾斜磁場は、位相エンコード方向の位置に応じてNMR信号の位相を変化させることで、位相エンコード方向の位置情報をNMR信号に付与する。また、スライス方向の傾斜磁場は、2次元のMR画像(スライス画像)の撮像が行われる場合に、スライス方向の位置に応じてNMR信号の周波数を変化させることで、撮像されるスライスの位置、厚さ及び枚数を決定する。また、スライス方向の傾斜磁場は、3次元のMR画像(ボリューム画像)の撮像が行われる場合に、スライス方向の位置に応じてNMR信号の位相を変化させることで、スライス方向の位置情報をNMR信号に付与する。
全身用RFコイル4は、傾斜磁場コイル2の内周側に配置されており、撮像空間に配置された被検体SにRFパルス(励起パルス等)を印加し、当該RFパルスの影響によって被検体Sから発生するNMR信号(エコー信号等)を受信する。具体的には、全身用RFコイル4は、中空の略円筒状(中心軸に直交する断面の形状が楕円状となるものを含む)に形成されており、送信回路6から供給されるRFパルス信号に基づいて、その内周側に位置する撮像空間に配置された被検体SにRFパルスを印加する。そして、全身用RFコイル4は、RFパルスの影響によって被検体Sから発生するNMR信号を受信し、受信したNMR信号を受信回路7へ出力する。例えば、全身用RFコイル4は、バードケージ型コイルや、TEM(Transverse Electromagnetic)コイルである。
局所用RFコイル5は、撮像時に被検体Sの近傍に配置され、被検体Sから発生するNMR信号を受信する。具体的には、局所用RFコイル5は、被検体Sの解剖学的な部位ごとに用意されてよいものであり、被検体Sの撮像が行われる際に撮像対象の部位の近傍に配置され、全身用RFコイル4によって印加されたRFパルスの影響によって被検体Sから発生するNMR信号を受信し、受信したNMR信号を受信回路7へ出力する。例えば、局所用RFコイル5は、サーフェスコイルや、複数のサーフェスコイルをコイルエレメントとして組み合わせて構成されたフェーズドアレイコイルである。なお、局所用RFコイル5は、被検体にRFパルスを印加する送信機能をさらに有していてもよい。
送信回路6は、静磁場内に置かれた対象原子核に固有の共鳴周波数(ラーモア周波数)に対応するRFパルス信号を全身用RFコイル4又は局所用RFコイル5に出力する。具体的には、送信回路6は、パルス発生器、RF発生器、変調器、及び増幅器を有する。パルス発生器は、RFパルス信号の波形を生成する。RF発生器は、共鳴周波数のRF信号を発生する。変調器は、RF発生器によって発生したRF信号の振幅をパルス発生器によって発生した波形で変調することで、RFパルス信号を生成する。増幅器は、変調器によって生成されたRFパルス信号を増幅して全身用RFコイル4又は局所用RFコイル5に出力する。
受信回路7は、全身用RFコイル4又は局所用RFコイル5から受信したNMR信号に基づいてNMRデータを生成し、生成したNMRデータを処理回路15に出力する。具体的には、受信回路7は、選択器、前段増幅器、位相検波器、及び、A/D(Analog/Digital)変換器を備える。選択器は、全身用RFコイル4又は局所用RFコイル5からのNMR信号の入力を選択的に受信する。前段増幅器は、選択器から受信したNMR鳴信号を増幅する。位相検波器は、前段増幅器から受信したNMR信号の位相を検波する。A/D変換器は、位相検波器から受信したアナログ信号をデジタル信号に変換することでNMRデータを生成し、生成したNMRデータを処理回路15に出力する。なお、ここで、受信回路7が行うものとして説明した各処理は、必ずしも全ての処理が受信回路7で行われる必要はなく、全身用RFコイル4又は局所用RFコイル5で一部の処理(例えば、A/D変換器による処理等)が行われてもよい。
RFシールド8は、傾斜磁場コイル2と全身用RFコイル4との間に配置されており、全身用RFコイル4によって発生するRFパルスから傾斜磁場コイル2を遮蔽する。具体的には、RFシールド8は、中空の略円筒状(円筒の中心軸に直交する断面の形状が楕円状となるものを含む)に形成されており、傾斜磁場コイル2の内周側の空間に、全身用RFコイル4の外周面を覆うように配置されている。
架台9は、略円筒状(中心軸に直交する断面の形状が楕円状となるものを含む)に形成された中空のボア9aを有し、静磁場磁石1、傾斜磁場コイル2、全身用RFコイル4、及びRFシールド8を収容している。具体的には、架台9は、ボア9aの外周側に全身用RFコイル4を配置し、全身用RFコイル4の外周側にRFシールド8を配置し、RFシールド8の外周側に傾斜磁場コイル2を配置し、傾斜磁場コイル2の外周側に静磁場磁石1を配置した状態で、それぞれを収容している。ここで、架台9が有するボア9a内の空間が、撮像時に被検体Sが配置される撮像空間となる。
寝台10は、被検体Sが載置される天板10aを備え、被検体Sの撮像が行われる際に、被検体Sが載置された天板10aを撮像空間に移動する。例えば、寝台10は、天板10aの長手方向が静磁場磁石1の中心軸と平行になるように設置されている。
なお、ここでは、MRI装置200が、静磁場磁石1、傾斜磁場コイル2及び全身用RFコイル4それぞれが略円筒状に形成された、いわゆるトンネル型の構造を有する場合の例を説明するが、実施形態はこれに限られない。例えば、MRI装置200は、被検体Sが配置される撮像空間を挟んで対向するように一対の静磁場磁石、一対の傾斜磁場コイル及び一対のRFコイルが配置された、いわゆるオープン型の構造を有していてもよい。このようなオープン型の構造では、一対の静磁場磁石、一対の傾斜磁場コイル及び一対のRFコイルによって挟まれた空間が、トンネル型の構造におけるボアに相当する。
入力インタフェース11は、操作者から各種指示及び各種情報を伝達する操作を受け付ける。具体的には、入力インタフェース11は、処理回路17に接続されており、操作者から受け取った入力操作を電気信号へ変換して処理回路17に出力する。例えば、入力インタフェース11は、撮像条件や関心領域(Region Of Interest:ROI)の設定等を行うためのトラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、及び音声入力回路等によって実現される。なお、本明細書において、入力インタフェース11は、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ出力する電気信号の処理回路も入力インタフェース11の例に含まれる。
ディスプレイ12は、各種情報を表示する。具体的には、ディスプレイ12は、処理回路17に接続されており、処理回路17から送られる各種情報のデータを表示用の電気信号に変換して出力する。例えば、ディスプレイ12は、液晶モニタやCRTモニタ、タッチパネル等によって実現される。
記憶回路13は、各種データを記憶する。具体的には、記憶回路13は、処理回路14~17に接続されており、各処理回路によって入出力される各種データを記憶する。例えば、記憶回路13は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子やハードディスク、光ディスク等によって実現される。
処理回路14は、寝台制御機能14aを有する。寝台制御機能14aは、制御用の電気信号を寝台10へ出力することで、寝台10の動作を制御する。例えば、寝台制御機能14aは、入力インタフェース11を介して、天板10aを長手方向、上下方向又は左右方向へ移動させる指示を操作者から受け付け、受け付けた指示に従って天板10aを移動するように、寝台10が有する天板10aの移動機構を動作させる。
処理回路15は、収集機能15aを有する。収集機能15aは、処理回路17から出力される撮像シーケンスに基づいて、被検体Sのk空間データを収集する。具体的には、収集機能15aは、処理回路17から出力される各種の撮像シーケンスに従って、傾斜磁場電源3、送信回路6、受信回路7、及び、全身用RFコイル4又は局所用RFコイル5を駆動することで、NMRデータを収集する。ここで、撮像シーケンスは、傾斜磁場電源3が傾斜磁場コイル2に電流を供給するタイミング及び供給される電流の強さ、送信回路6が全身用RFコイル4又は局所用RFコイル5にRFパルス信号を供給するタイミング及び供給されるRFパルス信号の強さ、受信回路7がNMR信号をサンプリングするタイミング等を規定した情報である。そして、収集機能15aは、受信回路7によって出力されるNMRデータを記憶回路13に記憶させる。ここで、記憶回路13に記憶されるNMRデータは、前述した傾斜磁場によってリードアウト方向、位相エンコード方向及びスライス方向の各方向に沿った位置情報が付与されることで、2次元又は3次元のk空間を表すk空間データとして記憶される。
処理回路16は、MR画像生成機能16aを有する。MR画像生成機能16aは、処理回路15の収集機能15aによって収集された被検体Sのk空間データからMR画像を生成する。具体的には、MR画像生成機能16aは、処理回路15の収集機能15aによって収集されたk空間データを記憶回路13から読み出し、読み出したk空間データにフーリエ変換等の再構成処理を施すことで、2次元又は3次元のMR画像を生成する。そして、MR画像生成機能16aは、生成したMR画像を記憶回路13に記憶させる。ここで、MR画像生成機能16aは、生成部の一例である。
処理回路17は、撮像制御機能17aを有する。撮像制御機能17aは、入力インタフェース11を介して操作者から撮像条件の入力を受け付け、入力された撮像条件に基づいて、被検体Sのk空間データを収集するための撮像シーケンスを生成する。また、撮像制御機能17aは、生成された撮像シーケンスを処理回路15に出力することで、収集機能15aにk空間データを収集させる。また、撮像制御機能17aは、処理回路16を制御することで、収集機能15aによって収集されたk空間データからMR画像を生成させる。また、撮像制御機能17aは、操作者からの要求に応じて、記憶回路13に記憶されているMR画像を読み出し、読み出したMR画像をディスプレイ12に表示させる。
このような構成のもと、本実施形態に係るMRI装置200は、MR画像におけるリンギングアーチファクトを低減するための機能を有している。
そして、本実施形態に係るMRI装置200は、リンギングアーチファクトが低減されつつ、リンギングアーチファクトに対処するための従来法によって処理されたMR画像と比べて、ボケがより少ないMR画像を提供することができるように構成されている。
具体的には、処理回路17が、リンギング低減機能17bを備える。ここで、リンギング低減機能17bは、低減部の一例である。
リンギング低減機能17bは、MR画像生成機能16aによって生成されたMR画像を用いて、第1の実施形態で説明したリンギング低減機能152と同様に、当該MR画像に含まれる画素ごとに、各画素の位置からリンギングアーチファクトが低下する位置までのシフト量を決定し、決定したシフト量に基づいて、当該MR画像に発生したリンギングアーチファクトを低減するリンギング低減処理を行う。
具体的には、リンギング低減機能17bは、MR画像生成機能16aによって生成されたMR画像を記憶回路13から読み出し、読み出したMR画像を用いて、第1の実施形態で説明したリンギング低減機能152と同様の処理を行う。
以上、処理回路14~17が有する処理機能について説明したが、上述した各処理回路は、例えば、プロセッサによって実現される。その場合、各処理回路が有する処理機能は、例えば、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路13に記憶される。そして、各処理回路は、記憶回路13から各プログラムを読み出して実行することにより、各プログラムに対応する処理機能を実現する。換言すると、各処理回路は、各プログラムを読み出した状態で、図19に示す各処理機能を有することとなる。
上述したように、第2の実施形態に係るMRI装置200では、リンギング低減機能17bが、MR画像生成機能16aによって生成されたMR画像を用いて、第1の実施形態で説明したリンギング低減機能152と同様の処理を行う。
したがって、第2の実施形態に係るMRI装置200によれば、第1の実施形態で説明した画像処理装置100と同様に、リンギングアーチファクトが低減されつつ、リンギングアーチファクトに対処するための従来法によって処理されたMR画像と比べて、ボケがより少ないMR画像を提供することができる。
なお、上述した第2の実施形態では、本明細書における生成部及び低減部を、それぞれ、処理回路のMR画像生成機能及びリンギング低減機能によって実現する場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、本明細書における生成部及び低減部は、実施形態で述べたMR画像生成機能及びリンギング低減機能によって実現する他にも、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、又は、ハードウェアとソフトウェアとの混合によって同機能を実現するものであっても構わない。
(他の実施形態)
また、上述した実施形態で説明した画像処理装置100の構成は、クラウド等のネットワークを介したシステムに適用することも可能である。その場合、例えば、システムに含まれるサーバ装置が備える処理回路に、上述したMR画像取得機能及びリンギング低減機能と同様の処理機能が実装される。そして、サーバ装置の処理回路に実装されたリンギング低減機能によって生成された最終画像が、システムの利用者が使用するクライアント装置に送信され、クライアント装置が備えるディスプレイ等に表示される。
また、上述した実施形態において、処理回路は、単一のプロセッサによって実現されるものに限られず、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサがプログラムを実行することによって各処理機能を実現するものであってもよい。また、処理回路が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。また、上述した実施形態では、各処理機能に対応するプログラムが単一の記憶回路に記憶される場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、各処理機能に対応するプログラムが複数の記憶回路に分散して記憶され、処理回路が、各記憶回路から各プログラムを読み出して実行する構成としても構わない。
また、上述した実施形態の説明で用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又は、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。ここで、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、プロセッサは、回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。また、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて一つのプロセッサとして構成され、その機能を実現するようにしてもよい。
ここで、プロセッサによって実行されるプログラムは、ROM(Read Only Memory)や記憶回路等に予め組み込まれて提供される。なお、このプログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)-ROM、FD(Flexible Disk)、CD-R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な非一過性の記憶媒体に記録されて提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることによって提供又は配布されてもよい。例えば、このプログラムは、上述した各処理機能を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
また、上述した実施形態において、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散又は統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散又は統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
また、上述した実施形態で説明した各処理のうち、自動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行なうこともでき、或いは、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行なうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
なお、本明細書において扱う各種データは、典型的にはデジタルデータである。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、リンギングアーチファクトが低減されつつ、リンギングアーチファクトに対処するための従来法によって処理されたMR画像と比べて、ボケがより少ないMR画像を提供することができる。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、添付された特許請求の範囲によって定義される発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。
以上の実施形態に関し、発明の一側面及び選択的な特徴として以下の付記を開示する。
(付記1)
磁気共鳴画像を取得する取得部と、
前記磁気共鳴画像に含まれる画素ごとに、各画素の位置からリンギングアーチファクトが低下する位置までのシフト量を決定し、決定したシフト量に基づいて、前記磁気共鳴画像に発生したリンギングアーチファクトを低減するリンギング低減処理を行う低減部と
を備え、
前記低減部は、
前記磁気共鳴画像に含まれる画素ごとに、前記リンギングアーチファクトの局所振幅を推定し、
前記リンギングアーチファクトの局所振幅の推定結果に基づいて、前記磁気共鳴画像に対して、前記局所振幅が高い画素から低い画素の順に、隣接する画素のシフト量と略連続的になるように各画素のシフト量を決定しながら、前記リンギング低減処理を行う、
画像処理装置。
前記低減部は、画素のセットのそれぞれごとに、個々の最初のシフト量を決定してもよい。前記画素のそれぞれごとにシフト量を決定することは、各画素の最初のシフト量を更新することによって、各画素のシフト量が隣接する画素のシフト量と連続的になるように、各画素のシフト量を決定することを含んでもよい。各画素の最初のシフト量を更新することによって各画素のシフト量を決定することは、前記画素の少なくともいくつかのそれぞれごとに、当該シフト量を当該画素に隣接する画素の最初のシフト量と近い大きさに設定することを含んでもよい。前記最初のシフト量を更新することは、局所振幅が高い画素から画素ごとに連続して実行されてもよい。
前記最初のシフト量は、前記磁気共鳴画像に基づいて、前記磁気共鳴画像を異なる量でシフトすることによって得られる複数のシフト画像を取得する前記画像処理装置のシフト部によって決定されてもよい。前記低減部は、各画素値のトータルバリエーションを決定することによって、各画素の最初のシフト量を決定してもよい。各画素の最初のシフト量を決定することは、前記画素のそれぞれについて、前記複数のシフト画像に関する異なるシフト量のセットのそれぞれごとに、前記画素が個々のシフト量でシフトされた時点で、個々の画素と当該個々の画素の周囲の所定数の画素との間の前記画素値の差異を決定することを含んでもよい。前記低減部は、個々の画素と当該個々の画素の周囲の画素との間の前記決定された差異の合計を最小化するシフト量の画素に従って、個々の画素のシフト量の一つを選択してもよい。画素ごとに、選択されたシフト量が当該画素の前記最初のシフト量として決定されてもよい。
(付記2)
前記低減部は、
前記リンギングアーチファクトの局所振幅の推定結果として、前記磁気共鳴画像に含まれる各画素における前記リンギングアーチファクトの局所振幅を示すリンギングマップを生成し、
前記磁気共鳴画像に対して、前記リンギングマップにおける前記局所振幅が高い画素から低い画素の順に各画素のシフト量を決定しながら、前記リンギング低減処理を行ってもよい。
(付記3)
前記低減部は、前記磁気共鳴画像に対して、リンギングマップを用いない最初のリンギング低減処理を行い、リンギング低減処理の処理前の画像と前記最初のリンギング低減処理の処理後の画像との差分画像を最後のリンギング低減処理の基になる前記リンギングマップとして生成してもよい。
(付記4)
前記低減部は、
前記リンギングアーチファクトの局所振幅に関する第1の閾値を設定し、
前記局所振幅が前記第1の閾値以上の第1の画素のセットについては、隣接する画素のシフト量と近い大きさとなるようにシフト量を決定し、
前記局所振幅が前記第1の閾値未満の第2の画素のセットについては、隣接する画素のシフト量と近い大きさとなるようにシフト量を決定した後に、前記局所振幅が高い前記第2の画素のセットの画素から低い画素の順にシフト量の大きさが徐々に小さくなるように、前記第2の画素のセットについて決定したシフト量を調整してもよい。前記隣接する画素のシフト量と近い大きさとなるように前記シフト量を決定することは、前記隣接する画素について決定された前記最初のシフト量と近い大きさとなるように前記シフト量を設定することを含んでもよい。
(付記5)
前記低減部は、
前記第1の閾値より小さい第2の閾値をさらに設定し、
前記局所振幅が前記第2の閾値未満の画素について、シフト量を0に設定してもよい。
(付記6)
前記低減部は、前記磁気共鳴画像に含まれる画素の数と併せて、前記磁気共鳴画像にわたるリンギングアーチファクトの振幅の範囲に基づいて、閾値を設定してもよい。また、前記低減部は、前記閾値を設定する際に考慮するリンギングアーチファクトの振幅の範囲として、リンギングアーチファクトの振幅から明らかに低い振幅及び極度に高い振幅の一方又は両方を除いた後の残りの範囲を算出してもよい。
(付記7)
前記低減部は、前記磁気共鳴画像に含まれる画素の数と併せて、前記磁気共鳴画像にわたるリンギングアーチファクトの振幅の範囲に基づいて、基準振幅値を設定してもよい。その後、前記低減部は、前記基準振幅値に所定の一定のパラメータを乗じることで、前記閾値を設定してもよい。
前記低減部は、前記基準振幅値に所定の一定のパラメータを乗じることで、前記第1の閾値を設定し、前記基準振幅値に他の所定の一定のパラメータを乗じることで、前記第2の閾値を設定してもよい。
(付記8)
前記低減部は、前記リンギングアーチファクトの局所振幅を再推定し、リンギング低減処理を複数回行うことによって、前記推定された局所振幅の精度及び前記リンギング低減処理の質を繰り返し向上させてもよい。
(付記9)
磁気共鳴画像を取得する取得ステップと、
前記磁気共鳴画像に含まれる画素ごとに、各画素の位置からリンギングアーチファクトが低下する位置までのシフト量を決定し、決定したシフト量に基づいて、前記磁気共鳴画像に発生したリンギングアーチファクトを低減するリンギング低減処理を行う低減ステップと
を含み、
前記低減ステップは、
前記磁気共鳴画像に含まれる画素ごとに、前記リンギングアーチファクトの局所振幅を推定し、
前記リンギングアーチファクトの局所振幅の推定結果に基づいて、前記磁気共鳴画像に対して、前記局所振幅が高い画素から低い画素の順に、各画素のシフト量を隣接する画素のシフト量と略連続的になるように決定しながら、前記リンギング低減処理を行う、
画像処理方法。
(付記10)
磁気共鳴画像を生成する生成部と、
前記磁気共鳴画像に含まれる画素ごとに、各画素の位置からリンギングアーチファクトが低下する位置までのシフト量を決定し、決定したシフト量に基づいて、前記磁気共鳴画像に発生したリンギングアーチファクトを低減するリンギング低減処理を行う低減部と
を備え、
前記低減部は、
前記磁気共鳴画像に含まれる画素ごとに、前記リンギングアーチファクトの局所振幅を推定し、
前記リンギングアーチファクトの局所振幅の推定結果に基づいて、前記磁気共鳴画像に対して、前記局所振幅が高い画素から低い画素の順に、各画素のシフト量を隣接する画素のシフト量と略連続的になるように決定しながら、前記リンギング低減処理を行う、
磁気共鳴イメージング装置。
100 画像処理装置
150 処理回路
151 MR画像取得機能
152 リンギング低減機能
200 MRI装置
16 処理回路
16a MR画像生成機能
17 処理回路
17b リンギング低減機能

Claims (10)

  1. 磁気共鳴画像を取得する取得部と、
    前記磁気共鳴画像に含まれる画素ごとに、各画素の位置からリンギングアーチファクトが低下する位置までのシフト量を決定し、決定したシフト量に基づいて、前記磁気共鳴画像に発生したリンギングアーチファクトを低減するリンギング低減処理を行う低減部と
    を備え、
    前記低減部は、
    前記磁気共鳴画像に含まれる画素ごとに、前記リンギングアーチファクトの局所振幅を推定し、
    前記リンギングアーチファクトの局所振幅の推定結果に基づいて、前記磁気共鳴画像に対して、前記局所振幅が高い画素から低い画素の順に、隣接する画素のシフト量と略連続的になるように各画素のシフト量を決定しながら、前記リンギング低減処理を行う、
    画像処理装置。
  2. 前記低減部は、
    前記リンギングアーチファクトの局所振幅の推定結果として、前記磁気共鳴画像に含まれる各画素における前記リンギングアーチファクトの局所振幅を示すリンギングマップを生成し、
    前記リンギングマップに基づいて、前記磁気共鳴画像に対して、前記局所振幅が高い画素から低い画素の順に各画素のシフト量を決定しながら、前記リンギング低減処理を行う、
    請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記低減部は、前記磁気共鳴画像に対してリンギング低減処理を行い、最初のリンギング低減処理の処理前の画像と前記最初のリンギング低減処理の処理後の画像との差分画像に基づいて前記リンギングマップを生成する、
    請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記低減部は、
    前記リンギングアーチファクトの局所振幅に関する第1の閾値を設定し、
    前記局所振幅が前記第1の閾値以上の第1の画素のセットについては、隣接する画素のシフト量と近い大きさとなるようにシフト量を決定し、
    前記局所振幅が前記第1の閾値未満の第2の画素のセットについては、隣接する画素のシフト量と近い大きさとなるようにシフト量を決定した後に、前記局所振幅が高い前記第2の画素のセットの画素から低い画素の順にシフト量の大きさが徐々に小さくなるように、前記第2の画素のセットについて決定したシフト量を調整する、
    請求項1~3のいずれか一つに記載の画像処理装置。
  5. 前記低減部は、
    前記第1の閾値より小さい第2の閾値をさらに設定し、
    前記局所振幅が前記第2の閾値未満の画素について、シフト量を0に設定する、
    請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記低減部は、前記磁気共鳴画像に含まれる画素の数と併せて、前記磁気共鳴画像にわたるリンギングアーチファクトの振幅の範囲に基づいて、閾値を設定し、
    前記低減部は、前記閾値を設定する際に考慮するリンギングアーチファクトの振幅の範囲として、リンギングアーチファクトの振幅から明らかに低い振幅及び極度に高い振幅の一方又は両方を除いた後の残りの範囲を算出する、
    請求項4に記載の画像処理装置。
  7. 前記低減部は、
    前記磁気共鳴画像に含まれる画素の数と併せて、前記磁気共鳴画像にわたるリンギングアーチファクトの振幅の範囲に基づいて、基準振幅値を設定し、
    前記基準振幅値に所定の一定のパラメータを乗じることで、前記閾値を設定する、
    請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 前記低減部は、前記リンギングアーチファクトの局所振幅を再推定し、リンギング低減処理を複数回行うことによって、前記推定された局所振幅の精度及び前記リンギング低減処理の質を繰り返し向上させる、
    請求項1~3のいずれか一つに記載の画像処理装置。
  9. 磁気共鳴画像を取得する取得ステップと、
    前記磁気共鳴画像に含まれる画素ごとに、各画素の位置からリンギングアーチファクトが低下する位置までのシフト量を決定し、決定したシフト量に基づいて、前記磁気共鳴画像に発生したリンギングアーチファクトを低減するリンギング低減処理を行う低減ステップと
    を含み、
    前記低減ステップは、
    前記磁気共鳴画像に含まれる画素ごとに、前記リンギングアーチファクトの局所振幅を推定し、
    前記リンギングアーチファクトの局所振幅の推定結果に基づいて、前記磁気共鳴画像に対して、前記局所振幅が高い画素から低い画素の順に、各画素のシフト量を隣接する画素のシフト量と略連続的になるように決定しながら、前記リンギング低減処理を行う、
    画像処理方法。
  10. 磁気共鳴画像を生成する生成部と、
    前記磁気共鳴画像に含まれる画素ごとに、各画素の位置からリンギングアーチファクトが低下する位置までのシフト量を決定し、決定したシフト量に基づいて、前記磁気共鳴画像に発生したリンギングアーチファクトを低減するリンギング低減処理を行う低減部と
    を備え、
    前記低減部は、
    前記磁気共鳴画像に含まれる画素ごとに、前記リンギングアーチファクトの局所振幅を推定し、
    前記リンギングアーチファクトの局所振幅の推定結果に基づいて、前記磁気共鳴画像に対して、前記局所振幅が高い画素から低い画素の順に、各画素のシフト量を隣接する画素のシフト量と略連続的になるように決定しながら、前記リンギング低減処理を行う、
    磁気共鳴イメージング装置。

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