JP2024035975A - 半導体発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】発熱量を小さくすると共に、装置の小型化を図ることができる半導体発光装置を提供する。【解決手段】半導体発光装置1は、第1面2aと第1面2aに対向する第2面2bとを有し、第1面2aから光を出力する複数のiPMレーザ2と、複数のiPMレーザ2のそれぞれを発光させるための駆動電流を供給する駆動回路3と、を備える。駆動回路3は、複数のiPMレーザ2に対して共通の電流源回路と、複数のiPMレーザ2にそれぞれ対応して設けられ、駆動電流のオン/オフを切替える複数のスイッチ部と、複数のスイッチ部のそれぞれを個別に動作させるスイッチ動作部と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体発光装置に関する。
複数のフォトニック結晶レーザを含む半導体発光装置において、各フォトニック結晶レーザを駆動するための駆動回路が知られている(例えば、非特許文献1を参照)。非特許文献1では、複数のフォトニック結晶レーザのそれぞれに対応するように、複数のデジタルアナログ変換器、複数のオペアンプ、及び複数のトランジスタを有する駆動回路が記載されている。非特許文献1に記載の駆動回路では、マイクロコントローラからの12ビットのデジタル制御信号をデジタルアナログ変換して、トランジスタを駆動し、レーザに流れる電流を制御している。
特許文献1は、形状計測装置を開示する。その形状計測装置は、格子模様を投影するための一列に並んだ3以上の光源を備える。非特許文献3は、構造化照明を用いる三次元形状計測方法を開示する。非特許文献1は、更に、縞パターンを用いる位相シフト法についても開示する。
特開2011-242178号公報
「フォトニック結晶レーザーの面内相互引き込み現象に基づくビーム形状制御の検討」、Menaka De Zoysaほか著、第81回応用物理学会秋季学術講演会 講演予稿集、10p-Z18-8、2020年 Y. Kurosaka et al.,"Effects of non-lasing band intwo-dimensionalphotonic-crystallasers clarified using omnidirectional bandstructure,"Opt. Express 20, 21773-21783 (2012) Jason Geng, "Structured-light 3Dsurface imaging: a tutorial," Advances in Optics and Photonics 3, pp. 128-160(2011)
位相変調層における位相変調によって所望の光像を出力するiPM(integrable Phase Modulating)レーザが知られている。複数のiPMレーザを備える半導体発光装置は、様々な用途に適用可能である。例えば、各iPMレーザから周期的なストライプ状のパターンの光像を順次出力させるとともに、各iPMレーザから出力されるストライプ状のパターンの位相を互いにずらすことによって、三次元計測に応用することができる。しかしながら、非特許文献1に記載の駆動回路を、複数のiPMレーザを含む半導体発光装置に適用する場合、マイクロコントローラとデジタルアナログ変換器との間に複数の信号線が必要であり、かつ、デジタルアナログ変換器は複数のiPMレーザのそれぞれに対応するように複数個設けられているため、信号線の合計数は膨大な数となる。加えて、複数のオペアンプ及び複数のトランジスタが設けられていることから、駆動回路全体の面積は大型となり得る。また、複数のiPMレーザのそれぞれに対応して、複数のデジタルアナログ変換器、複数のオペアンプ、及び複数のトランジスタが設けられている。それにより、駆動していないiPMレーザに対応する複数のデジタルアナログ変換器、複数のオペアンプ、及び複数のトランジスタにおいても消費電力(待機電力)が発生し、待機電力に伴う発熱が懸念される。半導体発光装置の用途(例えば、歯科における口腔内の立体画像の取得など)によっては、発熱量を小さくすると共に、装置を小型にすることが求められる。
本発明は、発熱量を小さくすると共に、装置の小型化を図ることができる半導体発光装置を提供することを目的とする。
本発明の半導体発光装置は、[1]「第1面と前記第1面に対向する第2面とを有し、前記第1面から光を出力する複数のiPMレーザと、前記複数のiPMレーザのそれぞれを発光させるための駆動電流を供給する駆動回路と、を備え、前記駆動回路は、前記複数のiPMレーザに対して共通の電流源回路と、前記複数のiPMレーザにそれぞれ対応して設けられ、前記駆動電流のオン/オフを切替える複数のスイッチ部と、前記複数のスイッチ部のそれぞれを個別に動作させるスイッチ動作部と、を有する、半導体発光装置」である。
上記[1]に記載の半導体発光装置では、スイッチ動作部によって複数のスイッチ部のそれぞれを個別に動作させることによって、複数のスイッチ部のそれぞれに対応する各iPMレーザに対して、駆動電流を供給することができる。仮に、各iPMレーザに対応した複数の電流源回路を設けた場合、駆動していないiPMレーザに対応する電流源回路においても、電流源回路自体は駆動していることから消費電力(待機電力)が発生する。上記[1]に記載の半導体発光装置では、共通の電流源回路にて生成した電流に基づいて駆動電流が供給されるため、待機電力に伴う発熱量を小さくできる。更に、共通の電流源回路であるため、電流源回路の個数が少なくて済むので、半導体発光装置の小型化を図ることができる。
本発明の半導体発光装置は、[2]「前記複数のスイッチ部のそれぞれは、第1スイッチと、前記第1スイッチと直列に接続された第2スイッチと、を有し、前記スイッチ動作部は、前記第1スイッチを動作させる第1シフトレジスタと、前記第2スイッチを動作させる第2シフトレジスタと、を有する、上記[1]に記載の半導体発光装置」であってもよい。当該[2]に記載の半導体発光装置によれば、第1スイッチ及び第2スイッチが共にオンになったiPMレーザのみに対して個別に駆動電流を供給することができる。そして、第1シフトレジスタが、駆動対象となるiPMレーザを例えば行単位で指定し、第2シフトレジスタが、駆動対象となるiPMレーザを例えば列単位で指定することができる。それにより、複数行及び複数列にわたって配列された複数のiPMレーザに対して個別に駆動電流を供給することが容易にできる。
本発明の半導体発光装置は、[3]「前記駆動回路は、前記複数のiPMレーザにそれぞれ対応する複数のカレントミラー回路を更に有し、前記複数のカレントミラー回路のそれぞれは、第1電流経路と、前記第1電流経路を流れる電流の大きさに比例する大きさの電流が流れる第2電流経路と、を有し、前記第1電流経路は前記共通の電流源回路に接続され、前記スイッチ部は前記第1電流経路上に設けられ、前記第2電流経路は、前記複数のiPMレーザのうち当該カレントミラー回路に対応する前記iPMレーザに接続されている、上記[1]又は[2]に記載の半導体発光装置」であってもよい。当該[3]に記載の半導体発光装置によれば、共通の電流源回路にて生成した電流に基づく駆動電流を、第2電流経路を介してiPMレーザに供給することができる。
本発明の半導体発光装置は、[4]「前記駆動回路は、前記複数のiPMレーザにそれぞれ対応する複数の発振防止回路を更に有し、前記複数の発振防止回路のそれぞれは、前記複数のiPMレーザのそれぞれのアノード端子と接続されたソース端子、及び、第1定電位線に接続されたドレイン端子を含むNMOS-FETと、前記NMOS-FETの前記ソース端子に接続されたゲート端子、及び、前記第1定電位線よりも低電位の第2定電位線に接続されたドレイン端子を含む第1PMOS-FETと、前記第1PMOS-FETのソース端子に接続されたドレイン端子、前記第2定電位線よりも高電位の第3定電位線に接続されたソース端子、及びゲート端子を含み、該ゲート端子への入力電圧に応じて、前記第1PMOS-FETに電流を供給する第2PMOS-FETと、を有し、前記第1PMOS-FETと前記第2PMOS-FETとの間の電位が、前記NMOS-FETのゲート端子に供給される、上記[1]~[3]のいずれか一つに記載の半導体発光装置」であってもよい。当該[4]に記載の半導体発光装置によれば、発振防止回路を設けることによって、共振定数(Q値)を小さくすることができる。それにより、リンギングやピーキングが抑制され、安定したiPMレーザの駆動を行うことができる。
本発明の半導体発光装置は、[5]「前記共通の電流源回路にて生成する電流の値は、可変である、上記[1]~[4]のいずれか一つに記載の半導体発光装置」であってもよい。当該[5]に記載の半導体発光装置によれば、駆動電流の大きさが可変となり、各iPMレーザの光量を変化させ、結果として複数のiPMレーザから出力される光像の明るさを変化させることができる。
本発明の半導体発光装置は、[6]「前記共通の電流源回路は、一対の入力端子のうち一方の入力端子に入力電圧が供給されるオペアンプと、前記オペアンプの出力端子に接続された制御端子を有するトランジスタと、前記トランジスタの電流端子、及び前記オペアンプの他方の入力端子に一端が接続され、第4定電位線に他端が接続された抵抗部と、を更に有し、前記抵抗部の抵抗値は可変であり、前記複数のスイッチ部の切替え動作と前記抵抗部の抵抗値を変更する動作とが同期している、上記[5]に記載の半導体発光装置」であってもよい。当該[6]に記載の半導体発光装置によれば、抵抗部の抵抗値が可変であることによって、電流源回路にて生成される電流値が変化する。更に、複数のスイッチ部の切替え動作と抵抗部の抵抗値を変更する動作とが同期していることによって、各iPMレーザに供給される駆動電流の値をiPMレーザ毎に設定することができる。
本発明の半導体発光装置は、[7]「前記抵抗部は、前記抵抗部の前記一端と前記他端との間において互いに並列に接続された複数の部分回路を含み、前記複数の部分回路のそれぞれは、前記抵抗部の前記一端と前記他端との間において互いに直列に接続された抵抗及び第3スイッチを含み、前記複数のスイッチ部の切替え動作と前記第3スイッチの切替え動作とが同期している、上記[6]に記載の半導体発光装置」であってもよい。当該[7]に記載の半導体発光装置によれば、抵抗部の抵抗値を可変にするとともに、複数のスイッチ部の切替え動作と抵抗部の抵抗値を変更する動作とを同期させることができる。
本発明の半導体発光装置は、[8]「前記共通の電流源回路は、一対の入力端子のうち一方の入力端子に入力電圧が供給されるオペアンプと、前記オペアンプの出力端子に接続された制御端子を有するトランジスタと、前記トランジスタの電流端子、及び前記オペアンプの他方の入力端子に一端が接続され、第4定電位線に他端が接続された抵抗と、を更に有し、前記複数のスイッチ部の切替え動作と前記入力電圧の値を切替える動作とが同期している、上記[5]に記載の半導体発光装置」であってもよい。当該[8]に記載の半導体発光装置によれば、入力電圧の値を切替えることによって、電流源回路にて生成される電流値が変化する。更に、複数のスイッチ部の切替え動作と入力電圧の値を切替える動作とが同期していることによって、各iPMレーザに供給される駆動電流の値をiPMレーザ毎に設定することができる。
本発明の半導体発光装置は、[9]「前記駆動回路は、前記共通の電流源回路に対する電流の指示値を表すデジタルデータを含んだシリアル信号をパラレル信号に変換するためのシリアルパラレル変換器と、前記パラレル信号に変換された前記デジタルデータをアナログ信号に変換するためのデジタルアナログ変換器と、を更に有し、前記共通の電流源回路は、前記アナログ信号に基づいて前記指示値に応じた大きさを有する電流を生成する、上記[5]に記載の半導体発光装置」であってもよい。当該[9]に記載の半導体発光装置によれば、共通の電流源回路に対する電流の指示値を表すデジタルデータを外部からシリアル信号として受信できるため、配線数を削減することができる。
本発明の半導体発光装置は、[10]「前記複数のiPMレーザのそれぞれは、発光部である活性層と、前記活性層と光学的に結合される位相変調層と、前記活性層と前記位相変調層の前記第1面側に位置する第1クラッド層と、前記活性層と前記位相変調層の前記第2面側に位置する第2クラッド層と、前記第2クラッド層の前記第2面側に位置する、第2電極と、前記第1クラッド層の前記第1面側に位置する、第1電極と、を有し、前記位相変調層は、基本層と、前記第1面の法線方向に垂直な面上において二次元状に分布するよう前記基本層内に設けられ、前記基本層の屈折率とは異なる屈折率を有する複数の異屈折率領域と、を含み、前記面上に仮想的な正方格子が設定された状態において、前記複数の異屈折率領域は、前記複数の異屈折率領域それぞれの重心が対応する格子点から所定距離だけ離れた状態で配置され、かつ、前記仮想的な正方格子における各格子点周りの角度であって前記複数の異屈折率領域それぞれの前記重心と前記対応する格子点とを結ぶ線分の、前記仮想的な正方格子に対する角度は、光像を形成するための位相分布に従って設定され、前記複数の異屈折率領域における前記角度のうち、少なくとも二つの前記角度が互いに異なっている、上記[1]~[9]のいずれか一つに記載の半導体発光装置」であってもよい。当該[10]に記載の半導体発光装置によれば、iPMレーザを好適に実現することができる。
本発明の半導体発光装置は、[11]「前記複数のiPMレーザのそれぞれは、発光部である活性層と、前記活性層と光学的に結合される位相変調層と、前記活性層と前記位相変調層の前記第1面側に位置する第1クラッド層と、前記活性層と前記位相変調層の前記第2面側に位置する第2クラッド層と、前記第2クラッド層の前記第2面側に位置する、第2電極と、前記第1クラッド層の前記第1面側に位置する、第1電極と、を有し、前記位相変調層は、基本層と、前記第1面の法線方向に垂直な面上において二次元状に分布するよう前記基本層内に設けられ、前記基本層の屈折率とは異なる屈折率を有する複数の異屈折率領域と、を含み、前記面上に仮想的な正方格子が設定された状態において、前記複数の異屈折率領域は、前記複数の異屈折率領域それぞれの重心が対応する格子点を通るとともに前記仮想的な正方格子に傾斜した直線上に位置するように配置され、かつ、前記複数の異屈折率領域それぞれの前記重心と前記対応する格子点との前記直線に沿った距離は、光像を形成するための位相分布に従って設定され、前記直線の傾きは、前記複数の異屈折率領域において均一である、上記[1]~[9]のいずれか一つに記載の半導体発光装置」であってもよい。当該[11]に記載の半導体発光装置によれば、iPMレーザを好適に実現することができる。
本発明の半導体発光装置は、[12]「前記複数のiPMレーザのそれぞれは、モノリシックに形成されている、上記[1]~[11]のいずれか一つに記載の半導体発光装置」であってもよい。当該[12]に記載の半導体発光装置によれば、複数のiPMレーザを単一の素子内に形成して、半導体発光装置の組み立てを容易化することができる。
本発明の半導体発光装置は、[13]「前記複数のiPMレーザ及び前記駆動回路は互いに共通の基板上に設置されている、上記[12]に記載の半導体発光装置」であってもよい。当該[13]に記載の半導体発光装置によれば、共通の基板上にて、駆動回路とモノリシックに形成された複数のiPMレーザとを一体化することができ、より装置の小型化を図ることができる。
本発明の半導体発光装置は、[14]「第3面と、前記第3面に対向する第4面と、を含む支持基板を更に有し、前記複数のiPMレーザが、前記第3面上に、前記第2面が前記第3面と対向するように個別に実装されている、上記[1]~[11]のいずれか一つに記載の半導体発光装置」であってもよい。当該[14]に記載の半導体発光装置によれば、支持基板上に複数のiPMレーザをディスクリートに形成することができる。
本発明の半導体発光装置は、[15]「前記駆動回路は、前記支持基板の第3面上又は第4面上に設置されている、上記[14]に記載の半導体発光装置」であってもよい。当該[15]に記載の半導体発光装置によれば、支持基板上にて、駆動回路とディスクリートに形成された複数のiPMレーザとを一体化することができ、より装置の小型化を図ることができる。
本発明の半導体発光装置は、[16]「前記駆動回路は、前記複数のiPMレーザとバンプボンディングによって接続されている、上記[1]~[12]のいずれか一つに記載の半導体発光装置」であってもよい。当該[16]に記載の半導体発光装置によれば、駆動回路と複数のiPMレーザとをバンプボンディングによって接続することによって、駆動回路と複数のiPMレーザとを一体化することができ、より装置の小型化を図ることができる。
本発明によれば、発熱量を小さくすると共に、装置の小型化を図ることができる半導体発光装置を提供することができる。
図1は、一実施形態に係る半導体発光装置の構成図である。 図2は、図1に示される半導体発光装置の平面図である。 図3は、図2に示されるIII-III線に沿って各iPMレーザの断面を示す模式図である。 図4は、図3に示される位相変調層の平面図である。 図5は、図4に示される位相変調層の一部(単位構成領域)を拡大して示す図である。 図6は、球面座標からXYZ直交座標系における座標への座標変換を説明する図である。 図7は、M点発振の各iPMレーザの位相変調層に関する逆格子空間を示す平面図である。 図8は、面内波数ベクトルに対して回折ベクトルを加えた状態を説明する概念図である。 図9は、ライトラインの周辺構造を模式的に説明するための図である。 図10は、回転角度分布の一例を概念的に示す図である。 図11は、方向の面内波数ベクトルから波数拡がりを除いたものに対して回折ベクトルを加えた状態を説明するための概念図である。 図12は、第1変形例に係る位相変調層の平面図である。 図13は、図12に示される位相変調層の一部(単位構成領域)を拡大して示す図である。 図14は、図1に示される駆動回路の全体ブロック図である。 図15は、図1に示される駆動回路の回路図である。 図16は、図15に示される電流源回路の詳細な回路図である。 図17は、図14に示されるスイッチ動作部の構成を示す図である。 図18は、三次元計測装置の構成を示す概略的な図である。 図19は、図18に示される三次元計測装置によって形成される正弦波状のストライプパターンを示す図である。 図20(a),図20(b)は、第1ストライプ要素及び第2ストライプ要素を示す図である。 図21(a),図21(b)は、第3ストライプ要素及び第4ストライプ要素を示す図である。 図22は、第1ストライプ要素~第4ストライプ要素を合成して生成されたストライプパターンを示す図である。 図23(a),図23(b)は、第1ストライプパターン及び第2ストライプパターンを示す図である。 図24(a),図24(b)は、第3ストライプパターン及び第4ストライプパターンを示す図である。 図25(a),図25(b)は、第1変形例及び第2変形例に係る電流源回路を示す図である。 図26は、第3変形例に係る半導体発光装置の側面図である。 図27は、第4変形例に係る半導体発光装置の側面図である。 図28は、第5変形例に係る半導体発光装置の断面図の一部である。 図29は、第6変形例に係る半導体発光装置の断面図の一部である。 図30は、本開示の第2実施形態に係る光源装置の構成を示す分解斜視図である。 図31(a),図31(b)は、4つのiPMレーザそれぞれからストライプ要素それぞれを含む光が共通の投影領域に投影される様子を模式的に示す図である。 図32(a),図32(b)は、4つのiPMレーザそれぞれからストライプ要素それぞれを含む光が共通の投影領域に投影される様子を模式的に示す図である。 図33(a),図33(b)は、比較例において、4つのiPMレーザそれぞれからストライプ要素それぞれを含む光が共通の投影領域に投影される様子を模式的に示す図である。 図34(a),図34(b)は、比較例において、4つのiPMレーザそれぞれからストライプ要素それぞれを含む光が共通の投影領域に投影される様子を模式的に示す図である。 図35は、上記の比較例における、輝線の位置ずれに起因する問題点を説明する為の図である。 図36は、数式(35)において配列ピッチを0.25mmとしたときの、距離と中心角度のずれとの関係を示すグラフである。 図37(a),図37(b)は、第2実施形態の一変形例を説明するための図である。 図38(a),図38(b)は、第2実施形態の一変形例を説明するための図である。 図39(a),図39(b)は、第2実施形態の一変形例の比較例を説明するための図である。 図40(a),図40(b)は、第2実施形態の一変形例の比較例を説明するための図である。 図41(a)、図41(b)は、第2実施形態の別の変形例を説明するための図である。 図42(a)、図42(b)は、第2実施形態の別の変形例を説明するための図である。 図43は、10進数と、2進数の別の表現方法であるバイナリコードと、グレイコードとの相互変換を示す図表である。 図44は、グレイコードを含むストライプパターンの組み合わせの一例を示す図である。 図45は、本開示の第3実施形態に係る光源装置の構成を示す斜視図である。 図46は、本開示の第3実施形態に係る光源装置の構成を示す斜視図である。 図47は、第3実施形態の一変形例に係る光源装置の構成を示す斜視図である。 図48は、本開示の第4実施形態に係る受発光モジュールの構成を示す斜視図である。 図49は、第4実施形態の一変形例に係る受発光モジュールの構成を示す斜視図である。 図50は、第4実施形態の別の変形例に係る受発光モジュールの構成を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
[半導体発光装置の構成]
図1は、第1実施形態に係る半導体発光装置1の構成図である。図1に示されるように、半導体発光装置1は、複数のiPMレーザ2と、駆動回路3と、を備えている。複数のiPMレーザ2のそれぞれは、第1面2aと、第1面2aとは反対側の(対向する)第2面2bと、を有している。駆動回路3は、第2面2bと対向する表面3aを有する。また、駆動回路3は、電流源回路31と、複数のカレントミラー回路32と、スイッチ動作部34とを有する。複数のカレントミラー回路32それぞれは、複数のiPMレーザ2それぞれと電気的に接続されている。スイッチ動作部34は、複数のiPMレーザ2と電気的に接続されている。例えば、表面3a上に、複数のカレントミラー回路32及びスイッチ動作部34のそれぞれに対応する電気接点が形成されており、複数のカレントミラー回路32及びスイッチ動作部34は、当該電気接点を介して、複数のiPMレーザ2とバンプボンディングによって接続されている。半導体発光装置1は、更に、半導体領域2dと、半導体基板20とを備えている。半導体領域2dは、複数のiPMレーザ2を環状に囲んでいる。半導体基板20上には、複数のiPMレーザ2が形成されており、半導体基板20は、例えば、GaAsといった半導体から構成されている。半導体基板20の平面形状は正方形又は長方形であり、半導体基板20の裏面における4つの角部のそれぞれには、半導体基板20の裏面とオーミック接触を成し基準電位を規定する第1電極27が形成されている。このように、複数のiPMレーザ2は、共通の半導体基板20上に形成されている。言い換えれば、複数のiPMレーザ2はモノリシックに形成されている。隣り合う各iPMレーザ2は、一定の間隔を空けて形成されている。複数のiPMレーザ2のそれぞれは、第1面2aから所望の光像を含むレーザ光を出力する。駆動回路3は、複数のiPMレーザ2のそれぞれを発光させるための駆動電流を供給する。半導体領域2dは、iPMレーザ2を駆動回路3に実装する際に各iPMレーザ2にかかる荷重を分散して平坦性を高める。以下の説明では、第1面2aに垂直な方向をZ軸方向といい、第1面2aに平行な一方向をX軸方向といい、Z軸方向及びX軸方向の両方向に垂直な方向をY軸方向という。
図2は、図1に示される半導体発光装置1の平面図である。なお、図2において、半導体領域2dの図示は省略されている。複数のiPMレーザ2は、X軸方向及びY軸方向をそれぞれ行方向及び列方向として、二次元にマトリックス状に配置されている。本実施形態では、X軸方向(行方向)に四つ、Y軸方向(列方向)に四つの計十六個のiPMレーザ2が配置されている。
[iPMレーザの構成]
図3は、図2に示されるIII-III線に沿って各iPMレーザ2の断面を示す模式図である。各iPMレーザ2は、X軸方向とY軸方向とにて形成される仮想平面と平行な面内方向において定在波を形成し、位相制御された平面波をZ軸方向に出力する。後述するように、半導体基板20の主面20aの法線方向(すなわちZ軸方向)、該法線方向と交差する傾斜方向、又は、法線方向と傾斜方向の双方に沿って、二次元的な任意形状の光像を形成する光が出力される。
各iPMレーザ2は、半導体基板20上に設けられた発光部としての活性層22と、活性層22と光学的に結合された位相変調層25Aと、活性層22と位相変調層25Aに対して第1面2a側に位置する第1クラッド層21と、活性層22と位相変調層25Aに対して第2面2b側に位置する第2クラッド層23と、第2クラッド層23上に設けられたコンタクト層24と、を備える。これらの半導体基板20、第1クラッド層21、活性層22、第2クラッド層23、及びコンタクト層24は、例えばGaAs系半導体、InP系半導体、窒化物系半導体等の化合物半導体によって構成される。第1クラッド層21及び第2クラッド層23の各エネルギーバンドギャップは、活性層22のエネルギーバンドギャップよりも大きい。半導体基板20、第1クラッド層21、活性層22、第2クラッド層23、及びコンタクト層24の厚み方向は、Z軸方向と一致する。
本実施形態において、位相変調層25Aは、活性層22と第2クラッド層23との間に設けられている。位相変調層25Aは、第1クラッド層21と活性層22との間に設けられてもよい。必要に応じて、活性層22と第2クラッド層23との間、及び、活性層22と第1クラッド層21との間のうち少なくとも一方に、光ガイド層が設けられてもよい。位相変調層25Aの厚み方向は、Z軸方向と一致する。なお、光ガイド層は、キャリアを活性層22に効率的に閉じ込めるためのキャリア障壁層を含んでもよい。
隣り合うiPMレーザ2同士の間には、分離領域2gが形成されている。分離領域2gは、ドライエッチング及びウェットエッチングの何れかにより形成されたスリット(空隙)であり、スリットの側壁にSiN等の絶縁膜28を形成して絶縁化することによって、組立時のハンダによる電流リークを抑制している。なお、分離領域2gは、高強度光(電場)により改質された半導体層、不純物拡散及びイオン打ち込み法の何れかにより絶縁化することでも形成できる。
位相変調層25Aは、基本層25aと、複数の異屈折率領域25bと、を含む。基本層25aは、第1屈折率媒質からなる。各異屈折率領域25bは、第1屈折率媒質の屈折率とは異なる屈折率を有する第2屈折率媒質からなり、基本層25a内に存在する。複数の異屈折率領域25bの二次元配置は、略周期構造を含んでいる。モードの等価屈折率をnとした場合、位相変調層25Aが選択する波長λ(=(√2)×a×n、aは格子間隔)は、活性層22の発光波長範囲内に含まれている。位相変調層25Aは、活性層22の発光波長のうちの波長λ近傍のバンド端波長の光を、選択的に外部に出力することができる。位相変調層25A内に入射したレーザ光は、位相変調層25A内において異屈折率領域25bの配置に対応した所定のモードを形成し、所望のパターンを有するレーザビームとして、第1面2aから外部に出射される。
各iPMレーザ2は、コンタクト層24上に設けられた第2電極26と、半導体基板20の裏面20b上に設けられた第1電極27(図1を参照)と、を更に備える。第2電極26は、第2クラッド層23に対して第2面2b側に位置し、コンタクト層24とオーミック接触を成している。第1電極27は、第1クラッド層21の第1面2a側に位置し、半導体基板20とオーミック接触を成している。第2電極26は、コンタクト層24の中央領域に設けられている。コンタクト層24上における第2電極26以外の部分は、絶縁膜28によって覆われている。なお、第2電極26と接触していないコンタクト層24は、取り除かれてもよい。半導体基板20の裏面20bのうち第1電極27以外の部分は、反射防止膜29によって覆われている。
第2電極26と第1電極27との間に駆動電流が供給されると、活性層22内において電子と正孔の再結合が生じ、活性層22内に光が放出される。活性層22内での発光に寄与する電子及び正孔、並びに発生した光は、第1クラッド層21及び第2クラッド層23の間に効率的に閉じ込められる。
活性層22から出力された光は、位相変調層25Aの内部に入り、位相変調層25Aの内部の格子構造に対応した所定のモードを形成する。位相変調層25Aから出力されたレーザ光は、直接に、裏面20bから開口27aを通って各iPMレーザ2の外部へ出力されるか、又は、第2電極26において反射された後、裏面20bから開口27aを通って各iPMレーザ2の外部へ出力される。このとき、レーザ光に含まれる信号光は、主面20aの法線方向、又は該法線方向と交差する傾斜方向、又はその双方に沿って出力される。出力光のうち所望の光像を形成するのは信号光である。信号光は、主に、1次光及び-1次光である。
図4は、図3に示される位相変調層25Aの平面図である。位相変調層25Aは、基本層25aと、複数の異屈折率領域25bと、を含む。基本層25aは、第1屈折率媒質からなる。複数の異屈折率領域25bは、第1屈折率媒質の屈折率とは異なる屈折率を有する第2屈折率媒質からなる。ここで、X軸方向とY軸方向にて形成される面と平行な面に一致する位相変調層25Aの一方の面上に仮想的な正方格子が設定される。正方格子の一辺はX軸と平行であり、他辺はY軸と平行である。このとき、正方格子の格子点Oを中心とする正方形状の単位構成領域R(x,y)が、X軸に沿った複数列(x=0,1,2,3,・・・)及びY軸に沿った複数行(y=0,1,2,・・・)に亘って二次元状に設定され得る。それぞれの単位構成領域RのXY座標をぞれぞれの単位構成領域Rの重心位置で与えられることとすると、当該重心位置は仮想的な正方格子の格子点Oに一致する。複数の異屈折率領域25bは、各単位構成領域R内に例えば1つずつ設けられる。異屈折率領域25bの平面形状は、例えば円形状である。格子点Oは、異屈折率領域25bの外部に位置してもよいし、異屈折率領域25bの内部に含まれていてもよい。
1つの単位構成領域R内に占める異屈折率領域25bの面積Sの比率は、フィリングファクタ(FF)と称される。正方格子の格子間隔をaとすると、異屈折率領域25bのフィリングファクタFFはS/aとして与えられる。SはX-Y平面における異屈折率領域25bの面積であり、例えば異屈折率領域25bの形状が真円形状の場合には、真円の直径dを用いてS=π(d/2)として与えられる。また、異屈折率領域25bの形状が正方形の場合には、正方形の一辺の長さLAを用いてS=LAとして与えられる。
図5は、図4に示される位相変調層25Aの一部(単位構成領域R)を拡大して示す図である。図5に示されたように、異屈折率領域25bのそれぞれは重心Gを有し、単位構成領域Rにおける重心Gの位置は、格子点Oで直交するs軸及びt軸によって与えられる。ここで、互いに直交するs軸及びt軸で規定される単位構成領域R(x,y)において、格子点O(x,y)から重心Gに向かうベクトルとs軸との成す角度をφ(x,y)とする。なお、xはX軸に沿ったx番目の格子点の位置、yはY軸に沿ったy番目の格子点の位置を示す。角度φが0°である場合、格子点O(x,y)と重心Gとを結ぶベクトルの向きはX軸の正方向と一致する。また、格子点O(x,y)と重心Gとを結ぶベクトルの長さをr(x,y)とする。一例では、r(x,y)はx、yによらず(位相変調層25A全体にわたって)一定である。
図4に示されるように、格子点O(x,y)と重心G(対応する異屈折率領域25bの重心)とを結ぶベクトルの向き、すなわち異屈折率領域25bの重心Gの格子点周りの角度φは、所望の光像に対応し位相パターンに従って格子点O(x,y)毎に個別に設定される。位相パターンすなわち角度φ(x,y)は、x,yの値で決まる位置毎に特定の値を有するが、必ずしも特定の関数で表わされるとは限らない。すなわち、角度φ(x,y)は、所望の光像を逆フーリエ変換して得られる複素振幅分布から抽出された位相分布から決定される。複数の異屈折率領域25bにおける角度φのうち、少なくとも二つの角度φが互いに異なっている。なお、所望の光像から複素振幅分布を求める際には、ホログラム生成の計算時に一般的に用いられるGerchberg-Saxton(GS)法のような繰り返しアルゴリズムを適用することによって、ビームパターンの再現性が向上する。
位相変調層25Aから出力されるビームパターンは、例えば縞状パターンを含んでいる。所望のビームパターンを得るためには、以下の手順によって、位相変調層25Aにおける異屈折率領域25bの角度φ(x、y)の分布を決定する。
第1の前提条件として、法線方向に一致するZ軸と、複数の異屈折率領域25bを含む位相変調層25Aの一方の面に一致したX-Y平面と、によって規定されるXYZ直交座標系において、正方形状を有するM1(1以上の整数)×N1(1以上の整数)個の単位構成領域Rにより構成される仮想的な正方格子をX-Y平面上に設定する。
第2の前提条件として、XYZ直交座標系における座標(ξ,η,ζ)は、図6に示すように、動径の長さrと、Z軸からの傾き角θtiltと、X-Y平面上で特定されるX軸からの回転角θrotと、で規定される球面座標(r,θrottilt)に対して、以下の式(1)~式(3)で示された関係を満たしているものとする。図6は、球面座標(r,θrottilt)からXYZ直交座標系における座標(ξ,η,ζ)への座標変換を説明するための図であり、座標(ξ,η,ζ)により、実空間であるXYZ直交座標系において設定される所定平面上の設計上の光像が表現される。
各iPMレーザ2から出力される光像に相当するビームパターンを角度θtilt及びθrotで規定される方向に向かう輝点の集合とするとき、角度θtilt及びθrotは、以下の式(4)で規定される規格化波数であってX軸に対応したK軸上の座標値kと、以下の式(5)で規定される規格化波数であってY軸に対応すると共にK軸に直交するK軸上の座標値kに換算されるものとする。規格化波数は、仮想的な正方格子の格子間隔に相当する波数2π/aを1.0として規格化された波数を意味する。このとき、K軸及びK軸により規定される波数空間において、光像に相当するビームパターンを含む特定の波数範囲は、それぞれが正方形状のM2(1以上の整数)×N2(1以上の整数)個の画像領域FRで構成される。なお、整数M2は、整数M1と一致する必要はない。同様に、整数N2は、整数N1と一致する必要もない。また、式(4)及び式(5)は、例えば非特許文献2に開示されている。















式(4)及び式(5)において、aは仮想的な正方格子の格子定数を示し、λは各iPMレーザ2の発振波長を示す。
第3の前提条件として、波数空間において、K軸方向の座標成分k(0以上M2-1以下の整数)とK軸方向の座標成分k(0以上N2-1以下の整数)とで特定される画像領域FR(k,k)それぞれを、X軸方向の座標成分x(0以上M1-1以下の整数)とY軸方向の座標成分y(0以上N1-1以下の整数)とで特定されるX-Y平面上の単位構成領域R(x,y)に二次元逆離散フーリエ変換することで得られる複素振幅F(x,y)は、jを虚数単位として、以下の式(6)で与えられる。複素振幅F(x,y)は、振幅項をA(x,y)とすると共に位相項をP(x,y)とするとき、以下の式(7)により規定される。第4の前提条件として、単位構成領域R(x,y)は、X軸及びY軸にそれぞれ平行であって単位構成領域R(x,y)の中心となる格子点O(x,y)において直交するs軸及びt軸で規定される。





上記第1~第4の前提条件の下、位相変調層25Aは、以下の第5条件及び第6条件を満たすように構成される。すなわち、第5条件は、単位構成領域R(x,y)内において、重心Gが格子点O(x,y)から離れた状態で配置されていることで満たされる。第6条件は、格子点O(x,y)から対応する重心Gまでの線分長r(x,y)がM1個×N1個の単位構成領域Rそれぞれにおいて共通の値に設定された状態で、格子点O(x,y)と対応する重心Gとを結ぶ線分と、s軸と、の成す角度φ(x,y)が、
φ(x,y)=C×P(x,y)+B
C:比例定数であって例えば180°/π
B:任意の定数であって例えば0
となる関係を満たすように、対応する異屈折率領域25bが単位構成領域R(x,y)内に配置されることで満たされる。
各iPMレーザ2は、Γ点にて発振してもよく、M点にて発振してもよい。次に、各iPMレーザ2のM点発振について説明する。各iPMレーザ2のM点発振のためには、仮想的な正方格子の格子間隔a、活性層22の発光波長λ、及びモードの等価屈折率nが、λ=(√2)n×aといった条件を満たすとよい。図7は、M点発振の各iPMレーザ2の位相変調層に関する逆格子空間を示す平面図である。図中の点Pは、逆格子点を表している。図中の矢印B1は、基本逆格子ベクトルを表しており、矢印K1,K2,K3,及びK4は、4つの面内波数ベクトルを表している。面内波数ベクトルK1~K4は、回転角度分布φ(x,y)による波数拡がりSPをそれぞれ有している。
なお、波数拡がりSPの形状及び大きさは、上述したΓ点発振の場合と同様である。M点発振の各iPMレーザ2では、面内波数ベクトルK1~K4の大きさ(すなわち面内方向の定在波の大きさ)は、基本逆格子ベクトルB1の大きさよりも小さくなっている。したがって、面内波数ベクトルK1~K4と基本逆格子ベクトルB1とのベクトル和が0にはならず、回折によって面内方向の波数が0となり得ないため、面垂直方向(Z軸方向)への回折は生じない。このままでは、M点発振の各iPMレーザ2では、面垂直方向(Z軸方向)への0次光、Z軸方向に対して傾斜した方向への1次光及び-1次光が出力しない。
本実施形態では、M点発振の各iPMレーザ2において次のような工夫を位相変調層25Aに施すことにより、0次光を出力させずに、1次光及び-1次光の一部を出力させることができる。具体的には、図8に示すように、面内波数ベクトルK1~K4に対し、ある一定の大きさ及び向きを有する回折ベクトルVを加えることにより、面内波数ベクトルK1~K4のうち少なくとも1つ(図では面内波数ベクトルK3)の大きさを2π/λよりも小さくする。言い換えると、回折ベクトルVが加えられた後の面内波数ベクトルK1~K4のうち少なくとも1つ(面内波数ベクトルK3)を、半径2π/λの円状領域(ライトライン)LL内に収める。
図8において破線で示される面内波数ベクトルK1~K4は、回折ベクトルVの加算前を表しており、実線で示される面内波数ベクトルK1~K4は、回折ベクトルVの加算後を表している。ライトラインLLは、全反射条件に対応しており、ライトラインLL内に収まる大きさの波数ベクトルは、面垂直方向(Z軸方向)の成分を有することとなる。一例では、回折ベクトルVの方向は、Γ-M1軸又はΓ-M2軸に沿っている。回折ベクトルVの大きさは、2π/(√2)a-2π/λから2π/(√2)a+2π/λの範囲内となっており、一例として、2π/(√2)aとなっている。
続いて、面内波数ベクトルK1~K4のうち、少なくとも1つをライトラインLL内に収めるための回折ベクトルVの大きさ及び向きについて検討する。下記の数式(8)~(11)は、回折ベクトルVが加えられる前の面内波数ベクトルK1~K4を示す。












波数ベクトルの広がりΔkx及びΔkyは、下記の数式(12)及び(13)をそれぞれ満たす。面内波数ベクトルのx軸方向の広がりの最大値Δkxmax及びy軸方向の広がりの最大値Δkymaxは、設計の光像の角度広がりにより規定される。





回折ベクトルVを下記の数式(14)のように表したとき、回折ベクトルVが加えられた後の面内波数ベクトルK1~K4は下記の数式(15)~(18)となる。














数式(15)~(18)において波数ベクトルK1~K4のいずれかがライトラインLL内に収まることを考慮すると、下記の数式(19)の関係が成り立つ。



すなわち、数式(19)を満たす回折ベクトルVを加えることにより、波数ベクトルK1~K4のいずれかがライトラインLL内に収まり、1次光及び-1次光の一部が出力される。
ライトラインLLの大きさ(半径)を2π/λとしたのは、以下の理由による。図9は、ライトラインLLの周辺構造を模式的に説明するための図である。同図では、Z軸方向に垂直な方向から見たデバイスと空気との境界を示している。真空中の光の波数ベクトルの大きさは2π/λとなるが、図9のようにデバイス媒質中を光が伝搬するときには、屈折率nの媒質内の波数ベクトルKaの大きさは2πn/λとなる。このとき、デバイスと空気の境界を光が伝搬するためには、境界に平行な波数成分が連続している必要がある(波数保存則)。
図9において、波数ベクトルKaとZ軸とが角度θをなす場合、面内に投影した波数ベクトル(すなわち面内波数ベクトル)Kbの長さは、(2πn/λ)sinθとなる。一方で、一般には媒質の屈折率n>1の関係から、媒質内の面内波数ベクトルKbが2π/λより大きくなる角度では、波数保存則が成立しなくなる。このとき、光は全反射し、空気側に取り出すことができなくなる。この全反射条件に対応する波数ベクトルの大きさがライトラインLLの大きさ、すなわち、2π/λとなる。
面内波数ベクトルK1~K4に回折ベクトルVを加える具体的な方式の一例として、光像に応じた位相分布である回転角度分布φ1(x,y)(第1の位相分布)に対し、光像とは無関係の回転角度分布φ2(x,y)(第2の位相分布)を重畳する方式が考えられる。この場合、位相変調層25Aの回転角度分布φ(x,y)は、φ(x,y)=φ1(x,y)+φ2(x,y)として表される。φ1(x,y)は、前に述べたように光像をフーリエ変換したときの複素振幅の位相に相当する。また、φ2(x,y)は、上記の数式(19)を満たす回折ベクトルVを加えるための回転角度分布である。
図10は、回転角度分布φ2(x,y)の一例を概念的に示す図である。同図の例では、第1の位相値φと、第1の位相値φとは異なる値の第2の位相値φとが市松模様に配列されている。一例では、位相値φは、0(rad)であり、位相値φは、π(rad)である。この場合、第1の位相値φと、第2の位相値φとがπずつ変化する。このような位相値の配列によって、Γ-M1軸又はΓ-M2軸に沿う回折ベクトルVを好適に実現することができる。市松模様の配列の場合、V=(±π/a,±π/a)となり、回折ベクトルVと図7の波数ベクトルK1~K4とが丁度相殺される。なお、回折ベクトルVの角度分布φ2(x,y)は、回折ベクトルV(Vx,Vy)と位置ベクトルr(x,y)との内積で表される。すなわち、回折ベクトルVの角度分布φ2(x,y)は、φ2(x,y)=V・r=Vxx+Vyyで表される。
上記実施形態において、光像の角度広がりに基づく波数広がりが、波数空間上の或る点を中心とする半径Δkの円に含まれる場合、次のように簡略に考えることもできる。4方向の面内波数ベクトルK1~K4に回折ベクトルVを加えることにより、4方向の面内波数ベクトルK1~K4のうち少なくとも1つの大きさを2π/λ(ライトラインLL)よりも小さくする。このことは、4方向の面内波数ベクトルK1~K4から波数拡がりΔkを除いたものに対して回折ベクトルVを加えることにより、4方向の面内波数ベクトルK1~K4のうち少なくとも1つの大きさを、2π/λから波数拡がりΔkを差し引いた値{(2π/λ)-Δk}より小さくする、と考えてよい。
図11は、上記の状態を概念的に示す図である。同図に示すように、波数拡がりΔkを除いた面内波数ベクトルK1~K4に対して回折ベクトルVを加えると、面内波数ベクトルK1~K4のうち少なくとも1つの大きさが{(2π/λ)-Δk}よりも小さくなる。図11において、領域LL2は、半径が{(2π/λ)-Δk}の円状の領域である。図11において、破線で示される面内波数ベクトルK1~K4は、回折ベクトルVの加算前を表しており、実線で示される面内波数ベクトルK1~K4は、回折ベクトルVの加算後を表している。領域LL2は、波数拡がりΔkを考慮した全反射条件に対応しており、領域LL2内に収まる大きさの波数ベクトルは、面垂直方向(Z軸方向)にも伝搬することとなる。
本形態において、面内波数ベクトルK1~K4のうち少なくとも1つを領域LL2内に収めるための回折ベクトルVの大きさ及び向きを説明する。下記の数式(20)~(23)は、回折ベクトルVが加えられる前の面内波数ベクトルK1~K4を示す。











ここで、回折ベクトルVを前述した数式(14)のように表したとき、回折ベクトルVが加えられた後の面内波数ベクトルK1~K4は、下記の数式(24)~(27)となる。












数式(24)~(27)において、面内波数ベクトルK1~K4のいずれかが領域LL2内に収まることを考慮すると、下記の数式(28)の関係が成り立つ。すなわち、数式(28)を満たす回折ベクトルVを加えることにより、波数拡がりΔkを除いた面内波数ベクトルK1~K4のいずれかが領域LL2内に収まる。このような場合であっても、0次光を出力させずに、1次光及び-1次光の一部を出力させることができる。


図12は、変形例に係る位相変調層25Bの平面図である。また、図13は、変形例に係る位相変調層25Bにおける異屈折率領域の位置関係を示す図である。位相変調層25Aは、位相変調層25Bに置き換えられてもよい。図12及び図13に示すように、変形例に係る位相変調層25Bの各異屈折率領域25bの重心Gは、直線D上に配置されている。直線Dは、各単位構成領域Rに対応する格子点Oを通り、正方格子の各辺に対して傾斜する直線である。つまり、直線Dは、X軸及びY軸の双方に対して傾斜する直線である。正方格子の一辺(X軸)に対する直線Dの傾斜角は、θである。
傾斜角θは、位相変調層25B内において一定である。傾斜角θは、0°<θ<90°を満たし、一例ではθ=45°である。或いは、傾斜角θは、180°<θ<270°を満たし、一例ではθ=225°である。傾斜角θが0°<θ<90°又は180°<θ<270°を満たす場合、直線Dは、X軸及びY軸によって規定される座標平面の第1象限から第3象限にわたって延びる。傾斜角θは、90°<θ<180°を満たし、一例ではθ=135°である。或いは、傾斜角θは、270°<θ<360°を満たし、一例ではθ=315°である。傾斜角θが90°<θ<180°又は270°<θ<360°を満たす場合、直線Dは、X軸及びY軸によって規定される座標平面の第2象限から第4象限にわたって延びる。このように、傾斜角θは、0°、90°、180°及び270°を除く角度となっている。
ここで、格子点Oと重心Gとの距離をr(x,y)とする。xは、X軸におけるx番目の格子点の位置であり、yは、Y軸におけるy番目の格子点の位置である。距離r(x,y)が正の値である場合、重心Gは、第1象限(又は第2象限)に位置する。距離r(x,y)が負の値である場合、重心Gは、第3象限(又は第4象限)に位置する。距離r(x,y)が0である場合、格子点Oと重心Gとが互いに一致する。傾斜角度は、45°、135°、225°、275°が好適である。これらの傾斜角度では、M点の定在波を形成する4つの波数ベクトル(例えば、面内波数ベクトル(±π/a、±π/a))の中の2つのみが位相変調され、その他の2つが位相変調されないため、安定した定在波を形成することができる。
各異屈折率領域の重心Gと各単位構成領域Rに対応する格子点Oとの距離r(x,y)は、所望の光像に応じた位相パターンに従って各異屈折率領域15b毎に個別に設定される。位相パターン、すなわち距離r(x,y)の分布は、x,yの値で決まる位置毎に特定の値を有するが、必ずしも特定の関数で表わされるとは限らない。距離r(x,y)の分布は、所望の光像を逆フーリエ変換して得られる複素振幅分布のうち位相分布を抽出したものから決定される。
すなわち、図13に示すように、或る座標(x,y)における位相P(x,y)がP0である場合には、距離r(x,y)を0と設定し、位相P(x,y)がπ+P0である場合には、距離r(x,y)を最大値R0に設定し、位相P(x,y)が-π+P0である場合には、距離r(x,y)を最小値-R0に設定する。そして、その中間の位相P(x,y)に対しては、r(x,y)={P(x,y)-P0}×R0/πとなるように距離r(x,y)をとる。初期位相P0は、任意に設定することができる。
仮想的な正方格子の格子間隔をaとすると、r(x,y)の最大値R0は、例えば下記式(29)の範囲内となる。所望の光像から複素振幅分布を求める際には、ホログラム生成の計算時に一般的に用いられるGerchberg-Saxton(GS)法のような繰り返しアルゴリズムを適用することによって、ビームパターンの再現性を向上させることが可能である。


本形態においては、位相変調層25Bの異屈折率領域25bの距離r(x,y)の分布を決定することにより、所望の光像を得ることができる。前述の実施形態と同様の第1~第4の前提条件の下、位相変調層25Bは、以下の条件を満たすよう構成される。すなわち、格子点O(x,y)から対応する異屈折率領域25bの重心Gまでの距離r(x,y)が、
r(x,y)=C×(P(x,y)-P0
C:比例定数で例えばR0/π
0:任意の定数であって例えば0
となる関係を満たすように、対応する異屈折率領域25bが単位構成領域R(x,y)内に配置される。
すなわち、距離r(x,y)は、或る座標(x,y)における位相P(x,y)がP0である場合には0に設定され、位相P(x,y)がπ+P0である場合には最大値R0に設定され、位相P(x,y)が-π+P0である場合には最小値-R0に設定される。所望の光像を得たい場合、当該光像を逆フーリエ変換して、その複素振幅の位相P(x,y)に応じた距離r(x,y)の分布を複数の異屈折率領域25bに与えるとよい。位相P(x,y)と距離r(x,y)とは、互いに比例してもよい。
本形態においても、前述した実施形態と同様に、仮想的な正方格子の格子間隔aと活性層12の発光波長λとがM点発振の条件を満たす。更に、位相変調層25Bにおいて逆格子空間を考えるとき、距離r(x,y)の分布による波数拡がりをそれぞれ含む4方向の面内波数ベクトルのうち少なくとも1つの大きさは、2π/λ(ライトライン)よりも小さくすることができる。
本形態においては、M点で発振する各iPMレーザ2において次のような工夫を位相変調層25Bに施すことにより、0次光をライトライン内に出力させずに、1次光及び-1次光の一部を出力する。具体的には、図8に示したように、面内波数ベクトルK1~K4に対してある一定の大きさ及び向きを有する回折ベクトルVを加えることにより、面内波数ベクトルK1~K4のうち少なくとも1つの大きさを、2π/λよりも小さくする。すなわち、回折ベクトルVが加えられた後の面内波数ベクトルK1~K4のうち少なくとも1つを半径2π/λの円状領域(ライトライン)LL内に収める。前述した数式(19)を満たす回折ベクトルVを加えることにより、面内波数ベクトルK1~K4のいずれかがライトラインLL内に収まり、1次光及び-1次光の一部が出力される。
或いは、図11に示したように、4方向の面内波数ベクトルK1~K4から波数拡がりΔkを除いたもの(すなわちM点発振の正方格子PCSELにおける4方向の面内波数ベクトル)に対して回折ベクトルVを加えることにより、4方向の面内波数ベクトルK1~K4のうち、少なくとも1つの大きさを2π/λから波数拡がりΔkを差し引いた値{(2π/λ)-Δk}より小さくしてもよい。すなわち、前述した数式(28)を満たす回折ベクトルVを加えることにより、面内波数ベクトルK1~K4のいずれかが領域LL2内に収まり、1次光及び-1次光の一部が出力される。
面内波数ベクトルK1~K4に回折ベクトルVを加える具体的な方式の一例として、光像に応じた位相分布である距離分布r1(x,y)(第1の位相分布)に対し、光像とは無関係の距離分布r2(x,y)(第2の位相分布)を重畳する方式が考えられる。この場合、位相変調層25Bの距離分布r(x,y)は、r(x,y)=r1(x,y)+r2(x,y)として表される。r1(x,y)は、前述したように、光像をフーリエ変換したときの複素振幅の位相に相当する。r2(x,y)は、上記の数式(19)或いは数式(28)を満たす回折ベクトルVを加えるための距離分布である。なお、距離分布r2(x,y)の具体例は、図10と同様である。
[駆動回路の構成]
図14は、図1に示される駆動回路3の全体ブロック図である。図14に示されるように、駆動回路3は、電流源回路31と、複数のカレントミラー回路32と、複数の発振防止回路33と、スイッチ動作部34とを有する。駆動回路3は、半導体発光装置1の外部に設けられる外部制御回路4と電気的に接続されており、外部制御回路4からの指示信号S1~S3に応じて駆動する。電流源回路31は、各iPMレーザ2を発光させるための駆動電流Ioutの基となる動作電流Iopを生成する。電流源回路31は、外部制御回路4から、指示信号S1を受け取り、指示信号S1に基づいた電流値の動作電流Iopを生成する。電流源回路31は、複数のiPMレーザ2において共通である。電流源回路31の出力端子から延びる配線が複数に分岐し、分岐した複数の配線が複数のカレントミラー回路32の入力端子とそれぞれ接続されている。複数のカレントミラー回路32は、電流源回路31によって生成された動作電流Iopを増幅して、駆動電流Ioutとしたうえで、各iPMレーザ2に供給する。複数のカレントミラー回路32の出力端子は、各iPMレーザ2と接続されている。複数のカレントミラー回路32の個数は、複数のiPMレーザ2の個数と同数である。複数のカレントミラー回路32の出力端子は、複数の発振防止回路33とも更に接続されている。
複数の発振防止回路33は、各カレントミラー回路32と各iPMレーザ2との間の配線の寄生成分(インダクタンス成分)に起因して発生するリンギングを抑制する。複数の発振防止回路33の個数は、複数のiPMレーザ2の個数、及び複数のカレントミラー回路32の個数と同数である。スイッチ動作部34は、第1シフトレジスタ34aと、第2シフトレジスタ34bとを含む。第1シフトレジスタ34aは、外部制御回路4から、指示信号S2を受け取る。そして、第1シフトレジスタ34aは、指示信号S2に基づいて、複数のiPMレーザ2に対して列毎に駆動電流Ioutの供給のオン/オフを切替える。第2シフトレジスタ34bは、外部制御回路4から、指示信号S3を受け取る。そして、第2シフトレジスタ34bは、指示信号S3に基づいて、複数のiPMレーザ2に対して行毎に駆動電流Ioutの供給のオン/オフを切替える。第1シフトレジスタ34a及び第2シフトレジスタ34bの双方によって、個々のiPMレーザ2毎に駆動電流Ioutのオン/オフが切替えられ、駆動電流Ioutがオンされることにより、各iPMレーザ2には、駆動電流Ioutが供給される。
図15は、図1に示される駆動回路3の回路図である。図15に示されるように、電流源回路31は、オペアンプ311と、NMOS-FET(トランジスタ)312と、電圧源313と、抵抗部Ropとを含む。本実施例における電流源回路31は、NMOS-FET312を用いていることから、吸い込み型の定電流回路となっている。NMOS-FET312のドレイン端子は、カレントミラー回路32の入力端子に接続されている。NMOS-FET312のゲート端子(制御端子)は、オペアンプ311の出力端子に接続されている。オペアンプ311は、一対の入力端子として、反転入力端子及び非反転入力端子を有する。オペアンプ311の非反転入力端子(一対の入力端子のうち一方)には、電圧源313が接続されており、入力電圧Vopが供給される。NMOS-FET312のソース端子(電流端子)は、オペアンプ311の反転入力端子(一対の入力端子のうち他方)に接続されていると共に、抵抗部Ropを介して基準電位線GND(第4定電位線)に接続されている。オペアンプ311のイマジナリーショートにより、NMOS-FET312のソース端子と抵抗部Ropとの間のノードNには、入力電圧Vopと等しい電圧(便宜上、Vopと図示する)が印加される。そのため、動作電流Iopは、入力電圧Vopの電圧値から抵抗部Ropの抵抗値を除算することによって求められる電流値を有する。抵抗部Ropの抵抗値、及び電圧源313から出力される入力電圧Vopの電圧値の一方又は双方は可変である。動作電流Iopの電流値は、入力電圧Vopの電圧値又は抵抗部Ropの抵抗値が変化することに伴い、変化する。従って、動作電流Iopは可変である。なお、NMOS-FET312の代わりに、PMOS-FETが設けられることによって、電流源回路31は、掃き出し型の定電流回路として機能してもよい。その場合、抵抗部Ropは、PMOS-FETのソース端子と各カレントミラー回路32の入力端子との間に接続される。また、NMOS-FET又はPMOS-FETの代わりにバイポーラトランジスタが設けられてもよい。
各カレントミラー回路32は、トランジスタ回路321と、スイッチ部322とを有する。トランジスタ回路321は、図15の例では、PMOS-FET321aと、PMOS-FET321bとを含む。PMOS-FET321aのゲート端子とPMOS-FET321bのゲート端子とは共通化されている。PMOS-FET321aのソース端子とPMOS-FET321bのソース端子とは共通化されている。共通化されたソース端子には、電圧源325が接続されている。スイッチ部322は、第1スイッチ322aと、第2スイッチ322bとを含む。第1スイッチ322aと第2スイッチ322bとは互いに直列に接続されている。スイッチ部322のオン/オフは、スイッチ動作部34からの指示信号に応じて、カレントミラー回路32毎に個別に切替えられる。第1スイッチ322aは、第1シフトレジスタ34a(図14を参照)と電気的に接続されている。第1スイッチ322aのオン/オフは、第1シフトレジスタ34aからの指示信号S2に応じて切換えられる。第2スイッチ322bは、第2シフトレジスタ34b(図14を参照)と電気的に接続されている。第2スイッチ322bのオン/オフは、第2シフトレジスタ34bからの指示信号S3に応じて切換えられる。各カレントミラー回路32には、第1スイッチ322a及び第2スイッチ322bが両方ともオンされることにより、動作電流Iopが供給される。
図16は、図15に示される電流源回路31の詳細な回路図である。図16に示されるように、抵抗部Ropは、複数の部分回路316a~316dを含む。抵抗部Ropの一端は、NMOS-FET312のソース端子、及びオペアンプ311の反転入力端子に接続され、抵抗部Ropの他端は、基準電位線GNDに接続されている。複数の部分回路316a~316dは、抵抗部Ropの一端と他端との間において互いに並列に接続されている。部分回路316aは、互いに直列に接続された抵抗Rop1と第3スイッチ314aとを含む。部分回路316bは、互いに直列に接続された抵抗Rop2と第3スイッチ314bとを含む。部分回路316cは、互いに直列に接続された抵抗Rop3と第3スイッチ314cとを含む。部分回路316dは、互いに直列に接続された抵抗Rop4と第3スイッチ314dとを含む。図16の例では、四つの第3スイッチ314a~314dと四つの抵抗Rop1~Rop4とが設けられている。複数の第3スイッチ314a~314dのそれぞれと、複数の抵抗Rop1~Rop4のそれぞれとは、配線のみを介して直接に接続されている。複数の第3スイッチ314a~314dは、外部制御回路4(図14を参照)から、複数の第3スイッチ314a~314dのうち少なくとも一つのオン/オフを切替えるための指示信号S1を受け取る。複数の第3スイッチ314a~314dのうち、オンされた第3スイッチに応じて、複数の抵抗Rop1~Rop4のうち少なくとも一つがNMOS-FET312のソース端子に接続される。それにより、動作電流Iopの値が変更される。例えば、第3スイッチ314aのみがオンされた場合、動作電流Iopは、入力電圧Vopの電圧値から抵抗Rop1の抵抗値を除算することによって求められる一定の電流値を有する。一方、第3スイッチ314a及び314cがオンされた場合、動作電流Iopは、入力電圧Vopの電圧値から抵抗Rop1及び抵抗Rop3の合成抵抗値を除算することによって求められる一定の電流値を有する。
外部制御回路4は、一定の周期(例えば、数kHz~数GHz)で、複数の第3スイッチ314a~314dのうち少なくとも一つのオン/オフを順次切替える。切替えの順序は、所定の順序であってもよいし、ランダムな順序であってもよい。例えば、外部制御回路4は、複数のiPMレーザ2の列毎に、複数の第3スイッチ314a~314dのうち少なくとも一つのオン/オフを切り替えることによって、駆動電流Ioutの値を切替える。外部制御回路4は、iPMレーザ2毎に駆動電流Ioutの値を切替えてもよい。また、外部制御回路4は、各カレントミラー回路32の第1スイッチ322a及び第2スイッチ322bを切替えるタイミングと同期して、複数の第3スイッチ314a~314dを切替える。それにより、複数のiPMレーザ2が個別に駆動されると同時に、それぞれに供給される駆動電流Ioutの値が切替えられる。言い換えれば、第1スイッチ322a及び第2スイッチ322bの切替え動作と抵抗部Ropの抵抗値を変更する動作(第3スイッチ314a~314dの切替え動作)とが同期している。
再び図15を参照する。各カレントミラー回路32は、PMOS-FET321a及び複数のスイッチ部322を含む第1電流経路323と、PMOS-FET321bを含む第2電流経路324とを有する。第1電流経路323は、電流源回路31のNMOS-FET312のドレイン端子に接続されている。第2電流経路324は、各iPMレーザ2に接続されている。第1スイッチ322a及び第2スイッチ322bが両方ともオンされた場合、第1電流経路323に動作電流Iopが流れる。PMOS-FET321a及びPMOS-FET321bにおいてゲート端子-ソース端子間電圧Vgsが共通であるため、第2電流経路324にも動作電流Iopが流れる。ただし、PMOS-FET321bには、動作電流IopをN倍(Nは実数)に増幅した駆動電流Ioutが流れる。すなわち、駆動電流Ioutは、動作電流Iopの大きさに比例する。
図15に示されるように、各発振防止回路33は、NMOS-FET331と、第1PMOS-FET332と、第2PMOS-FET333と、発振防止スイッチ部334とを含む。各iPMレーザ2のアノードは、NMOS-FET331のソース端子に接続されている。NMOS-FET331のソース端子は、第1PMOS-FET332のゲート端子にも接続されている。第1PMOS-FET332のソース端子は、第2PMOS-FET333のドレイン端子に接続されている。第2PMOS-FET333は、第2PMOS-FET333のゲート端子への入力電圧に応じて第1PMOS-FET332に電流を供給する。第1PMOS-FET332と第2PMOS-FET333との間の電位が、NMOS-FET331のゲート端子に供給される。第1PMOS-FET332と第2PMOS-FET333とによってフィードバック回路が形成されている。また、NMOS-FET331のドレイン端子は、電圧源325(第1定電位線)に接続されている。第1PMOS-FET332のドレイン端子は、基準電位線GND(第2定電位線)に接続されている。第2PMOS-FET333のソース端子は、電圧源325(第3定電位線)に接続されている。発振防止スイッチ部334は、各iPMレーザ2のアノードとNMOS-FET331のソース端子との間に接続されている。発振防止スイッチ部334は、第1発振防止スイッチ334aと、第2発振防止スイッチ334bとを含む。第1発振防止スイッチ334aと第2発振防止スイッチ334bとは互いに直列に接続されている。第1発振防止スイッチ334aは、第1シフトレジスタ34a(図14を参照)と電気的に接続されている。第1発振防止スイッチ334aのオン/オフは、第1シフトレジスタ34aからの指示信号S2に応じて切換えられる。つまり、第1発振防止スイッチ334aの動作は、第1スイッチ322aの動作と完全に同期している。第2発振防止スイッチ334bは、第2シフトレジスタ34b(図14を参照)と電気的に接続されている。第2発振防止スイッチ334bのオン/オフは、第2シフトレジスタ34bからの指示信号S3に応じて切換えられる。つまり、第2発振防止スイッチ334bの動作は、第2スイッチ322bの動作と完全に同期している。
各iPMレーザ2とPMOS-FET321bのドレイン端子とは、インダクタンスを有する配線335によって接続されている。第1スイッチ322a、第2スイッチ322b及び複数の第3スイッチ314a~314dは、外部制御回路4によって、例えば、数kHz~数GHzの周期で切替えられる。そのため、各スイッチのオン/オフ時には、配線335のインダクタンスに伴う共振現象によって、ピーキングやリンギングが発生し得る。
各発振防止回路33において、NMOS-FET331のインピーダンスが、フィードバックループの効果により、共振定数Qを低くする効果を有する。すなわち、共振定数Qの分母には、NMOS-FET331のインピーダンス成分が入り込むため、共振定数Qが小さくなる。このように、各発振防止回路33は共振定数Qを小さくすることができるため、駆動電流Ioutが流れる経路においてリンギングやピーキングが抑制される。それにより、各iPMレーザ2において過電流や電流のオーバーシュートが発生することが抑制され、安定したiPMレーザ2の駆動を行うことが可能となる。また、第1発振防止スイッチ334aの動作が第1スイッチ322aの動作と完全に同期し、第2発振防止スイッチ334bの動作が第2スイッチ322bの動作と完全に同期していることによって、各カレントミラー回路32に動作電流Iopが供給されるタイミングにおいてNMOS-FET331にドレイン電流を流すことができる。それにより、常にNMOS-FET331にドレイン電流を流す場合に比べ、発熱を抑えることができる。
図17は、図14に示されるスイッチ動作部34の構成を示す図である。説明の便宜上、複数のカレントミラー回路32が、X軸方向及びY軸方向を行方向及び列方向としてマトリックス状に配置されているものとする。各カレントミラー回路32は、各iPMレーザ2に接続されているが、図17では、複数のiPMレーザ2を図示していない。第1シフトレジスタ34aは、パラレル出力を有する。図17の例では、第1シフトレジスタ34aは、出力端子34a1~34a4からなる4端子出力を有し、出力端子34a1~34a4のそれぞれは、複数のカレントミラー回路32の各列に接続されている。第1シフトレジスタ34aは、外部制御回路4からの指示信号S2に応じて、複数のカレントミラー回路32の各列を駆動する。同様に、第2シフトレジスタ34bは、図17の例では、出力端子34b1~34b4からなる4端子出力であり、出力端子34a1~34a4のそれぞれは、複数のカレントミラー回路32の各行に接続されている。第2シフトレジスタ34bは、外部制御回路4からの指示信号S3に応じて、複数のカレントミラー回路32の各行を駆動する。
[三次元計測装置を用いた計測方法]
図18は、三次元計測装置10の構成を示す概略的な図である。図18に示されるように、三次元計測装置10は、複数のiPMレーザ2を備えた半導体発光装置1と、単体の撮像部50と、計測部60とを含む。複数のiPMレーザ2から出射される光L1は、ステージ7上に載置された被計測物SAの表面の一定の領域に照射される。ステージ7は、2次元方向又は3次元方向に走査可能な走査ステージであってもよい。なお、光L1の照射範囲が被計測物SAの測定範囲に対して十分に広い場合、ステージ7の配置を省略してもよい。
撮像部50は、複数のiPMレーザ2から出射される光L1に対して感度を有する装置である。撮像部50としては、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラ、CMOS(Complementary MOS)カメラ、その他の二次元イメージセンサ等を用いることができる。撮像部50は、光L1が照射された状態の被計測物SAを撮像し、撮像結果を示す出力信号を計測部60に出力する。
計測部60は、例えばプロセッサ、メモリ等を含んで構成されるコンピュータシステムである。計測部60は、各種の制御機能をプロセッサによって実行する。コンピュータシステムとしては、例えばパーソナルコンピュータ、マイクロコンピュータ、クラウドサーバ、スマートデバイス(スマートフォン、タブレット端末など)等が挙げられる。計測部60は、PLC(Programmable logic controller)によって構成されていてもよく、FPGA(Field-programmable gate array)等の集積回路によって構成されていてもよい。
光L1は、例えば、図19に示されるような正弦波状のストライプパターンW1を形成する。図19において、ストライプパターンW1における光強度は色の濃淡によって表されており、濃い(黒色に近い)部分ほど光強度が大きく、淡い(白色に近い)部分ほど光強度が小さい。ストライプパターンW1は、例えば100×100ピクセルの画像領域で示す周期的なストライプパターンである。ストライプパターンW1の周期は、例えば20ピクセル周期である。光L1の強度によって、ストライプパターンW1の明るさが変化する。ストライプパターンW1のうち明るい部分(黒い部分)は光L1の強度が強い部分であり、ストライプパターンW1のうち暗い部分(白い部分)は光L1の強度が弱い部分である。
ストライプパターンW1は、複数のiPMレーザ2が出力した光によってそれぞれ形成された複数のストライプ要素が互いに合成されることによって形成される。ここで、説明を簡単にするため、4つのiPMレーザ2を用いて4ピクセル周期のストライプパターンW1を形成する場合を例に挙げて説明する。図20(a)は、或るiPMレーザ2(以下、第1iPMレーザと称する)が出力する光によって形成される第1ストライプ要素Waを示す図である。図20(a)には、第1iPMレーザが出力するパターンのみが示されている。パターンが形成されている部分は網点によって示され、網点の密度が大きいほど光強度が大きい。図20(b)は、別のiPMレーザ2(以下、第2iPMレーザと称する)が出力する光によって形成される第2ストライプ要素Wbを示す図である。図20(b)には、第2iPMレーザが出力するパターンのみが示されている。図21(a)は、更に別のiPMレーザ2(以下、第3iPMレーザと称する)が出力する光によって形成される第3ストライプ要素Wcを示す図である。図21(a)には、第3iPMレーザが出力するパターンのみが示されている。図21(b)は、更に別のiPMレーザ2(以下、第4iPMレーザと称する)が出力する光によって形成される第4ストライプ要素Wdを示す図である。図21(b)には、第4iPMレーザが出力するパターンのみが示されている。なお、これらのiPMレーザ2が出力する光は、光L1に含まれる。図20(a)と図20(b)とを比較すると、第2ストライプ要素Wbの位相は第1ストライプ要素Waの位相に対して、π/2(rad)すなわち1/4周期分ずれている。また、この例では、第2ストライプ要素Wbの光強度は第1ストライプ要素Waの光強度よりも大きい。図20(b)と図21(a)とを比較すると、第3ストライプ要素Wcの位相は第2ストライプ要素Wbの位相に対して、π/2(rad)すなわち1/4周期分ずれている。また、この例では、第3ストライプ要素Wcの光強度は第2ストライプ要素Wbの光強度よりも小さい。図21(a)と図21(b)とを比較すると、第4ストライプ要素Wdの位相は第3ストライプ要素Wcの位相に対して、π/2すなわち1/4周期分ずれている。また、この例では、第4ストライプ要素Wdの光強度は第3ストライプ要素Wcの光強度よりも小さい。図22は、第1ストライプ要素Wa~第4ストライプ要素Wdを合成して生成されたストライプパターンW1の光強度分布を示すグラフである。図22において、横軸はストライプと交差する方向(正弦波の周期方向)における位置(言い換えれば、ストライプパターンW1の位相)を表し、縦軸は光強度を表す。図22に示されるように、ストライプパターンW1では、第1ストライプ要素Wa~第4ストライプ要素Wdの光強度が適切に調整されることによって、正弦波状の光強度分布を有するパターンが実現される。そして、iPMレーザ2の個数が多くなるほど(ストライプ要素の数が多くなるほど)、正確な正弦波に近づく。なお、図22はストライプパターンW1に含まれる2波分の正弦波を示している。
4ピクセル周期のストライプパターンW1を生成する際には、第1iPMレーザ~第4iPMレーザに接続されている各カレントミラー回路32の第1スイッチ322a及び第2スイッチ322bの両方が、撮像部50の1フレームの露光期間内に、第1iPMレーザ、第2iPMレーザ、第3iPMレーザ、及び第4iPMレーザの順にオンとされる。また、第1スイッチ322a及び第2スイッチ322bの切替えタイミングと同期して、電流源回路31の複数の第3スイッチ314a~314dが任意の順序で切替えられる。つまり、第1iPMレーザ~第4iPMレーザのそれぞれが順に個別に駆動されると同時に、それぞれに供給される駆動電流Ioutの値が増減される。それにより、第1iPMレーザ、第2iPMレーザ、第3iPMレーザ、及び第4iPMレーザからそれぞれ出力される第1ストライプ要素Wa、第2ストライプ要素Wb、第3ストライプ要素Wc、及び第4ストライプ要素Wdが撮像部50の1フレームの撮像において合成され、撮像部50においてストライプパターンW1として認識される。
計測部60は、ストライプパターンW1を用いた位相シフト法に基づいて被計測物SAの三次元形状を計測する。この形態では、例えば格子ピッチに対して1周期分を等分した位相シフト(位置ずれ)がそれぞれ与えられた複数の正弦波状のストライプパターンW1が用いられる。位相シフトのパターンは、位相が2π/N(Nは整数)ずつずれたものを用意すればよい。
ここでは、異なる位相シフトを有する4つの正弦波状のストライプパターンW1を用いる場合を例示する。4つの正弦波状のストライプパターンW1をそれぞれ有する4つの光L1の光強度をそれぞれI0~I3とし、撮像部50の画素を(x,y)とすると、被計測物SAの表面での光強度I0~I3は、下記式(30)~(33)で表される。Ia(x,y)は、格子模様の振幅、Ib(x,y)は、背景強度、θ(x,y)は、初期位相である。











初期位相θは、tanθ=-(I3-I1)/(I2-I0)によって求めることができる。正弦波状のストライプパターンW1の位相シフト数がNである場合、初期位相θは、下記式(34)により求めることができる。


このような位相シフト法を用いる場合、計測した位相を高さ換算することで、正弦波状のストライプパターンW1のピッチよりも小さい間隔で被計測物SAの高さを計測することができる。三次元計測装置10の構成にあたっては、正弦波状のストライプパターンW1におけるストライプと平行な方向に複数のiPMレーザ2を配列してもよい。この場合、複数のiPMレーザ2の位置ずれに起因する位相シフトを無くすことが可能となり、複数の正弦波状のストライプパターンW1のそれぞれにおける初期位相のずれを解消できる。
ここでは、互いに異なる位相を有する4つの正弦波状のストライプパターンを用いる場合を説明する。図23(a)は第1ストライプパターンW11、図23(b)は第2ストライプパターンW12、図24(a)は第3ストライプパターンW13、図24(b)は第4ストライプパターンW14を示す図である。図23(a)に示されるように、第1ストライプパターンW11は、第1ストライプ要素Waの光強度が最も大きく、第3ストライプ要素Wcの光強度が最も小さい正弦波状のストライプパターンである。続いて、図23(b)に示されるように、第2ストライプパターンW12は、第2ストライプ要素Wbの光強度が最も大きく、第4ストライプ要素Wdの光強度が最も小さい正弦波状のストライプパターンである。つまり、第1ストライプパターンW11から第2ストライプパターンW12にかけて、位相が進む方向に沿って光強度のピークが移動する位相シフトが発生している。続いて、図24(a)に示されるように、第3ストライプパターンW13では、第3ストライプ要素Wcの光強度が第2ストライプ要素Wbの光強度とほぼ同等である。また、第4ストライプ要素Wdの光強度が、第2ストライプパターンW12における第4ストライプ要素Wdの光強度よりも大きい。つまり、第2ストライプパターンW12から第3ストライプパターンW13にかけて、位相シフトが発生している。続いて、図24(b)に示されるように、第4ストライプパターンW14は、第3ストライプ要素Wcの光強度が最も大きく、第1ストライプ要素Waの光強度が最も小さい正弦波状のストライプパターンである。つまり、第3ストライプパターンW13から第4ストライプパターンW14にかけて、位相シフトが発生している。以上のように、第1ストライプパターンW11から第4ストライプパターンW14にかけて連続的に位相シフトさせる。これによって、被計測物SAの三次元形状を計測することができる。ここでは位相シフトの例として4つの正弦波状ストライプパターンを示したが、位相シフト法で計測する場合は等間隔の位相シフトが好適となる。
[作用及び効果]
半導体発光装置1では、スイッチ動作部34によって複数のスイッチ部322のそれぞれを個別に動作させることによって、複数のスイッチ部322のそれぞれに対応する各iPMレーザ2に対して、駆動電流Ioutを供給することができる。仮に、各iPMレーザ2に対応した複数の電流源回路31を設けた場合、駆動していないiPMレーザ2に対応する電流源回路31においても、電流源回路31自体は駆動していることから消費電力(待機電力)が発生する。半導体発光装置1では、共通の電流源回路31にて生成した動作電流Iopに基づいて駆動電流Ioutが供給されるため、待機電力に伴う発熱量を小さくできると共に、低消費電力化を図ることができる。更に、共通の電流源回路31であるため、電流源回路31の個数が少なくて済むので、半導体発光装置1の小型化を図ることができる。
半導体発光装置1では、複数のスイッチ部322のそれぞれは、第1スイッチ322aと、第1スイッチ322aと直列に接続された第2スイッチ322bと、を有し、スイッチ動作部34は、第1スイッチ322aを動作させる第1シフトレジスタ34aと、第2スイッチ322bを動作させる第2シフトレジスタ34bと、を有する。これによれば、第1スイッチ322a及び第2スイッチ322bが共にオンになったiPMレーザ2のみに対して個別に駆動電流Ioutを供給することができる。そして、第1シフトレジスタ34aが、駆動対象となるiPMレーザ2を例えば行単位で指定し、第2シフトレジスタ34bが、駆動対象となるiPMレーザ2を例えば列単位で指定することができる。それにより、複数行及び複数列にわたって配列された複数のiPMレーザ2に対して個別に駆動電流Ioutを供給することが容易にできる。
半導体発光装置1では、駆動回路3は、複数のiPMレーザ2にそれぞれ対応する複数のカレントミラー回路32を更に有し、複数のカレントミラー回路32のそれぞれは、第1電流経路323と、第1電流経路323を流れる電流の大きさに比例する大きさの電流が流れる第2電流経路324と、を有し、第1電流経路323は共通の電流源回路31に接続され、スイッチ部322は第1電流経路323上に設けられ、第2電流経路324は、複数のiPMレーザ2のうち当該カレントミラー回路32に対応するiPMレーザ2に接続されている。これによれば、共通の電流源回路31にて生成した動作電流Iopに基づく駆動電流Ioutを、第2電流経路324を介してiPMレーザ2に供給することができる。
半導体発光装置1では、駆動回路3は、複数のiPMレーザ2にそれぞれ対応する複数の発振防止回路33を更に有し、複数の発振防止回路33のそれぞれは、複数のiPMレーザ2のそれぞれのアノード端子と接続されたソース端子、及び、電圧源325に接続されたドレイン端子を含むNMOS-FET331と、NMOS-FET331のソース端子に接続されたゲート端子、及び、電圧源325よりも低電位の基準電位線GNDに接続されたドレイン端子を含む第1PMOS-FET332と、第1PMOS-FET332のソース端子に接続されたドレイン端子、基準電位線GNDよりも高電位の電圧源325に接続されたソース端子、及びゲート端子を含み、該ゲート端子への入力電圧に応じて、第1PMOS-FET332に電流を供給する第2PMOS-FET333と、を有し、第1PMOS-FET332と第2PMOS-FET333との間の電位が、NMOS-FET331のゲート端子に供給される。これによれば、発振防止回路33を設けることによって、共振定数(Q値)を小さくすることができる。それにより、リンギングやピーキングが抑制され、安定したiPMレーザ2の駆動を行うことができる。
半導体発光装置1では、共通の電流源回路31にて生成する動作電流Iopの値は、可変である。これによれば、駆動電流Ioutの大きさが可変となり、各iPMレーザ2の光量を変化させ、結果として複数のiPMレーザ2から出力される光像の明るさを変化させることができる。
半導体発光装置1では、共通の電流源回路31は、一対の入力端子のうち一方の入力端子に入力電圧Vopが供給されるオペアンプ311と、オペアンプ311の出力端子に接続された制御端子を有するNMOS-FET312と、NMOS-FET312の電流端子、及びオペアンプ311の他方の入力端子に一端が接続され、基準電位線GNDに他端が接続された抵抗部Ropと、を更に有し、抵抗部Ropの抵抗値は可変であり、複数のスイッチ部322の切替え動作と抵抗部Ropの抵抗値を変更する動作とが同期している。これによれば、抵抗部Ropの抵抗値が可変であることによって、電流源回路31にて生成される動作電流Iopの値が変化する。更に、複数のスイッチ部322の切替え動作と抵抗部Ropの抵抗値を変更する動作とが同期していることによって、各iPMレーザ2に供給される駆動電流Ioutの値をiPMレーザ2毎に設定することができる。
半導体発光装置1では、抵抗部Ropは、抵抗部Ropの一端と他端との間において互いに並列に接続された複数の部分回路316a~316dを含み、複数の部分回路316a~316dのそれぞれは、抵抗部Ropの一端と他端との間において互いに直列に接続された抵抗Rop1~Rop4及び第3スイッチ314a~314dを含み、複数のスイッチ部322の切替え動作と第3スイッチ314a~314dの切替え動作とが同期している。これによれば、抵抗部Ropの抵抗値を可変にするとともに、複数のスイッチ部322の切替え動作と抵抗部Ropの抵抗値を変更する動作とを同期させることができる。
半導体発光装置1では、複数のiPMレーザ2のそれぞれは、発光部である活性層22と、活性層22と光学的に結合される位相変調層25Aと、活性層22と位相変調層25Aの第1面2a側に位置する第1クラッド層21と、活性層22と位相変調層25Aの第2面2b側に位置する第2クラッド層23と、第2クラッド層23の第2面2b側に位置する、第2電極26と、第1クラッド層21の第1面2a側に位置する、第1電極27と、を有し、位相変調層25Aは、基本層25aと、第1面2aの法線方向に垂直な面上において二次元状に分布するように、基本層25a内に設けられ、基本層25aの屈折率とは異なる屈折率を有する複数の異屈折率領域25bと、を含み、面上に仮想的な正方格子が設定された状態において、複数の異屈折率領域25bは、複数の異屈折率領域25bそれぞれの重心Gが対応する格子点から距離r(x,y)(所定距離)だけ離れた状態で配置され、かつ、仮想的な正方格子における各格子点周りの角度φ(x,y)であって複数の異屈折率領域25bそれぞれの重心Gと対応する格子点とを結ぶ線分の、仮想的な正方格子に対する角度φ(x,y)は、光像を形成するための位相分布に従って設定され、複数の異屈折率領域25bにおける角度φ(x,y)のうち、少なくとも二つの角度φ(x,y)が互いに異なっている。これによれば、iPMレーザ2を好適に実現することができる。
半導体発光装置1では、変形例に係る位相変調層25Bは、基本層25aと、第1面2aの法線方向に垂直な面上において二次元状に分布するように基本層25a内に設けられ、基本層25aの屈折率とは異なる屈折率を有する複数の異屈折率領域25bと、を含む。そして、面上に仮想的な正方格子が設定された状態において、複数の異屈折率領域25bは、複数の異屈折率領域25bそれぞれの重心Gが対応する格子点を通るとともに仮想的な正方格子に傾斜した直線D上に位置するように配置され、かつ、複数の異屈折率領域25bそれぞれの重心Gと対応する格子点との直線Dに沿った距離r(x,y)は、光像を形成するための位相分布に従って設定されている。そして、直線Dの傾きである傾斜角θは、複数の異屈折率領域25bにおいて均一である。これによれば、iPMレーザを好適に実現することができる。
半導体発光装置1では、駆動回路3は、複数のiPMレーザ2とバンプボンディングによって接続されている。これによれば、駆動回路3と複数のiPMレーザ2とを一体化することができ、より装置の小型化を図ることができる。
半導体発光装置1では、複数のiPMレーザ2のそれぞれが、モノリシックに形成されている。これによれば、複数のiPMレーザ2を単一の素子内に形成して、半導体発光装置1の組み立てを容易化することができる。
[変形例]
本発明は、上述した実施形態に限定されない。図25(a)は、第1変形例に係る駆動回路3Aの一部を示す図である。以下、駆動回路3Aのうち実施形態における駆動回路3と異なる点のみを説明する。駆動回路3Aは、電流源回路31A、デジタルアナログ変換器317、及びシリアルパラレル変換器318を有する。電流源回路31Aでは、NMOS-FET312のソース端子は、抵抗部Ropに接続されている。抵抗部Ropの一端は、NMOS-FET312のソース端子、及びオペアンプ311の反転入力端子に接続され、抵抗部Ropの他端は基準電位線GNDに接続されている。また、オペアンプ311の非反転入力端子には、デジタルアナログ変換器317が接続され、デジタルアナログ変換器317には更にシリアルパラレル変換器318が接続されている。電流源回路31Aにおいて、抵抗部Ropの抵抗値は上記実施形態と同様に可変であってもよく、固定であってもよい。
シリアルパラレル変換器318は、半導体発光装置1の外部に設けられる外部制御回路からシリアル信号S4を受け取る。シリアル信号S4は、第1シフトレジスタ34aへの指示信号S2、第2シフトレジスタ34bへの指示信号S3、及び入力電圧Vopを設定するための指示信号S5を含んでいる。指示信号S5は、言い換えれば、共通の電流源回路31に対する電流量の指示値を表す信号である。指示信号S2,S3は、例えば、4ビットの2進数表記のデジタルデータであり、指示信号S5は、例えば、8ビット~12ビットの2進数表記のデジタルデータである。その場合、シリアル信号S4は、16ビット~20ビットのデジタルデータを含む。外部制御回路とシリアルパラレル変換器318との間の配線数は、例えば3本程度である。シリアル信号S4の伝送のために用いられる配線の他に、例えば、クロック信号及び同期信号を送信するための配線が必要となる。シリアルパラレル変換器318は、シリアル信号S4を、指示信号S2,S3,S5を含むパラレル信号S6に変換する。シリアルパラレル変換器316は、パラレル信号S6のうち指示信号S2を第1シフトレジスタ34aへ出力し、パラレル信号S6のうち指示信号S3を第2シフトレジスタ34bへ出力する。
シリアルパラレル変換器318は、パラレル信号S6のうち指示信号S5をデジタルアナログ変換器317に出力する。シリアルパラレル変換器318とデジタルアナログ変換器317との間の配線数は、指示信号S5のビット数に応じて決定され、例えば8本~12本である。デジタルアナログ変換器317は、指示信号S5をデジタルデータからアナログ信号すなわち入力電圧Vopに変換したうえで、オペアンプ311の非反転入力端子に入力電圧Vopを出力する。電流源回路31Aは、入力された入力電圧Vopに基づいて、指示信号S5に応じた大きさを有する動作電流Iopを生成する。電流源回路31Aでは、第1スイッチ322a及び第2スイッチ322bの切替えタイミングと同期して、指示信号S5を変化させる。言い換えれば、第1スイッチ322a及び第2スイッチ322bの切替え動作と入力電圧Vopの値を切替える動作とが同期している。それにより、駆動電流Ioutの値がiPMレーザ2毎に設定される。
上記のように、第1変形例の駆動回路3Aは、電流源回路31Aに対する電流の指示値を表すデジタルデータを含んだシリアル信号S4をパラレル信号S6に変換するためのシリアルパラレル変換器318と、パラレル信号S6に変換されたデジタルデータをアナログ信号に変換するためのデジタルアナログ変換器317と、を有する。そして、電流源回路31Aは、アナログ信号(入力電圧Vop)に基づいて、指示値に応じた大きさを有する動作電流Iopを生成する。これによれば、電流源回路31Aに対する電流の指示値を表すデジタルデータを外部制御回路からシリアル信号S4として受信できるので、半導体発光装置1と外部制御回路とを繋ぐ配線の本数を削減して該配線を細くすることができ、例えば三次元計測における作業性が向上する。
図25(b)は、第2変形例に係る電流源回路31Bを示す図である。以下、電流源回路31Bのうち上記実施形態の電流源回路31と異なる点のみを説明する。電流源回路31Bは、図15に示された電圧源313を有していない。その代わりに、オペアンプ311の非反転入力端子には、半導体発光装置1の外部に設けられる外部制御回路から入力電圧Vopが供給される。電流源回路31Bでは、電流源回路31Aと同様に、第1スイッチ322a及び第2スイッチ322bの切替えタイミングと同期して、入力電圧Vopの大きさを変化させる。それにより、駆動電流Ioutの値がiPMレーザ2毎に設定される。電流源回路31Bにおいて、抵抗部Ropの抵抗値は上記実施形態と同様に可変であってもよく、固定であってもよい。第2変形例によれば、電流源回路31Aに対する電流の指示値を表すアナログ信号である入力電圧Vopを外部制御回路から入力するので、半導体発光装置1と外部制御回路とを繋ぐ配線の本数を削減して該配線を細くすることができ、例えば三次元計測における作業性が向上する。
図26は、第3変形例に係る半導体発光装置1Aの側面図である。図26に示されるように、半導体発光装置1Aは、支持基板6を備える。支持基板6は、第3面6aと、第3面6aとは反対側の第4面6bと、を有している。複数のiPMレーザ2は、上記実施形態のようなモノリシック構造ではなく個々のチップとして存在しており、第3面6a上に、第2面2bが第3面6aと対向するように個別に実装されている。隣り合う各iPMレーザ2は、一定の間隔を空けて実装されてもよいし、間隔を空けずに敷き詰めて実装されてもよい。図26の例では、複数のiPMレーザ2及び駆動回路3は互いに共通の支持基板6上に設置されている。具体的には、複数のiPMレーザ2と駆動回路3とが、X軸方向に沿って横に並んだ状態で、第3面6a上に配置されている。支持基板6は内部に配線を含んでおり、第3面6aに沿って、複数の電極6cが並んで形成されている。各iPMレーザ2、各カレントミラー回路32及びスイッチ動作部34は、電極6cと電気的に接続されている。つまり、複数のiPMレーザ2と駆動回路3との電気的接合は、上記実施形態のような直接的なバンプボンディングによるのではなく、支持基板6の配線を介して行われている。駆動回路3は、支持基板6の第4面6b上に配置されてもよい。つまり、複数のiPMレーザ2と駆動回路3とは、支持基板6を介して反対側に配置されてもよい。第3変形例の構成によれば、支持基板6上に複数のiPMレーザ2をディスクリートに形成することができ、かつ、支持基板6上にて、ディスクリートに形成された複数のiPMレーザ2と、駆動回路3とを一体化することができ、上記実施形態と同様に、装置の小型化を図ることができる。
図27は、第4変形例に係る半導体発光装置1Bの側面図である。この例では、上記実施形態と同様に、複数のiPMレーザ2はモノリシックに形成されている。駆動回路3及びモノリシックに形成された複数のiPMレーザ2は、互いに共通の支持基板6上に設置されている。このような構成によれば、共通の支持基板6上にて、駆動回路3とモノリシックに形成された複数のiPMレーザ2とを一体化することができ、上記実施形態と同様に、装置の小型化を図ることができる。
図28は、第5変形例に係る半導体発光装置1Kの断面図の一部である。半導体発光装置1Kでは、半導体基板20上に、半導体領域2dと複数のiPMレーザ2とが形成されている。半導体領域2dの周囲及び各iPMレーザ2の周囲は絶縁膜28によって覆われている。配線電極27bは、絶縁膜28を介して半導体領域2dの上面から半導体領域2dの側面にかけて形成されている。配線電極27bは、更に半導体領域2dの側面から連続して半導体基板20の表面に接している。各iPMレーザ2の第2面2b側には第2電極26が形成されている。半導体領域2dの上面に形成された配線電極27bのZ軸方向の高さと第2電極26のZ軸方向の高さとは一致している。それにより、N電極(配線電極27b)及びP電極(第2電極26)の双方を半導体基板20の共通の面上に配置することができるので、表面実装に適した形態となる。更に、配線電極27bを用いることによって、第1電極27を用いた場合に必要となるワイヤボンドが不要となる。
図29は、第6変形例に係る半導体発光装置1Lの断面図の一部である。半導体発光装置1Kと異なる点のみ説明する。各iPMレーザ2の側面は、絶縁膜28を介して第2電極26に覆われている。また、各iPMレーザ2の第2面2b側には第2電極26が形成されている。つまり、各iPMレーザ2は、全周に亘って第2電極26によって遮蔽されている。これにより、各iPMレーザ2において発生したレーザ光が隣接する各iPMレーザ2との間において干渉し、レーザモードが乱れる事を抑制でき、安定したレーザ発振を実現できる。なお、レーザ光の干渉を積極的に利用する場合は半導体発光装置1KのようにiPMレーザ2の外周を電極によって遮蔽しない方が好適となる。
(第2実施形態)
図30は、本開示の第2実施形態に係る光源装置1Cの構成を示す分解斜視図である。図30に示された三次元計測装置10は、半導体発光装置1に代えて本実施形態の光源装置1Cを備えてもよい。すなわち、本実施形態の光源装置1Cは、位相シフト法による三次元形状計測に用いられる。図30に示されるように、光源装置1Cは、複数のiPMレーザ2(第1光源)と、駆動回路3と、半導体基板20と、半導体領域2dと、第1電極27と、を備えている。本実施形態では、複数のiPMレーザ2は、Y軸方向を列方向として、一列に並んで一次元に配置されている。図示例では、Y軸方向に沿って4つのiPMレーザが並んで配置されている。また、上記実施形態と同様に、複数のiPMレーザ2は、半導体基板20上にモノリシックに形成されている。複数のiPMレーザ2は、それぞれの光軸方向(言い換えると、各iPMレーザ2の厚み方向)が揃うように、該光軸方向と交差する方向に並んで配置されている。本実施形態では、各iPMレーザ2の光軸方向がZ軸方向と一致しており、複数のiPMレーザ2はZ軸方向と直交するY軸方向に並んで配置されている。なお、その他の複数のiPMレーザ2の構成、並びに駆動回路3、半導体基板20、半導体領域2d、及び第1電極27の各構成については、前述した実施形態の半導体発光装置1と同様であるため詳細な説明を省略する。
図31(a)、図31(b)、図32(a)、及び図32(b)は、4つのiPMレーザ2それぞれからストライプ要素Wa~Wdそれぞれを含む光L1が共通の投影領域に投影される様子を模式的に示す図である。ストライプ要素Wa~Wdは、本実施形態における第1パターンである。ストライプ要素Wa~Wdのそれぞれにおいては、複数の輝線(図中に網点にて示す)WL1が、輝線WL1の延伸方向と交差する方向D1(第1方向)に沿って周期的に並んでいる。ストライプ要素Wa~Wdの複数の輝線WL1の間隔Fは、ストライプ要素Wa~Wdにおいて(言い換えると、複数のiPMレーザ2間で)互いに等しい。また、各iPMレーザ2の光軸の位置を基準とする、方向D1における複数の輝線WL1の位置は、複数のiPMレーザ2間で互いに異なる。図31及び図32に示される例では、ストライプ要素Wa~Wdの輝線WL1は、互いにπ/2(rad)すなわち1/4周期ずつシフトされている。iPMレーザ2の個数がnである場合、複数のiPMレーザ2間における輝線WL1のシフト量は、輝線WL1の間隔(周期)の1/nである。複数のiPMレーザ2は、方向D1と直交する方向D2(第2方向)に沿って並んでいる。すなわち、方向D2は、図30に示されたY軸方向と一致する。
図31(a)に示されるように、まず、方向D2における一端に位置するiPMレーザ2(第1iPMレーザ)から光L1を投影する。これにより、共通の投影領域にストライプ要素Waが投影される。次に、図31(b)に示されるように、方向D2において第1iPMレーザの隣に位置するiPMレーザ2(第2iPMレーザ)から光L1を投影する。これにより、共通の投影領域にストライプ要素Wbが投影される。このとき、第1iPMレーザと第2iPMレーザとの配列ピッチ(光軸間隔)に応じて、これらのiPMレーザ2から出力されるストライプ要素Wa,Wb間に、方向D2における位置ずれE11が生じる。位置ずれE11の大きさは、第1iPMレーザと第2iPMレーザとの光軸間隔と等しい。一方、方向D1におけるストライプ要素Wbの輝線WL1の位置は、所定の位置、すなわちストライプ要素Waの輝線WL1から1/4周期シフトされた位置となり、所定の位置からの位置ずれは生じない。続いて、図32(a)に示されるように、方向D2において第2iPMレーザの隣に位置するiPMレーザ2(第3iPMレーザ)から光L1を投影する。これにより、共通の投影領域にストライプ要素Wcが投影される。このとき、第1iPMレーザ~第3iPMレーザの配列ピッチ(光軸間隔)に応じて、ストライプ要素Wa,Wc間に、方向D2における位置ずれE12が生じる。位置ずれE12の大きさは、第1iPMレーザ~第3iPMレーザの光軸間隔の総和と等しい。一方、方向D1におけるストライプ要素Wcの輝線WL1の位置は、所定の位置、すなわちストライプ要素Waの輝線WL1から1/2周期シフトされた位置となり、所定の位置からの位置ずれは生じない。続いて、図32(b)に示されるように、方向D2において第3iPMレーザの隣に位置するiPMレーザ2(第4iPMレーザ)から光L1を投影する。これにより、共通の投影領域にストライプ要素Wdが投影される。このとき、第1iPMレーザ~第4iPMレーザの配列ピッチ(光軸間隔)に応じて、ストライプ要素Wa,Wd間に、方向D2における位置ずれE13が生じる。位置ずれE13の大きさは、第1iPMレーザ~第4iPMレーザの光軸間隔の総和と等しい。一方、方向D1におけるストライプ要素Wdの輝線WL1の位置は、所定の位置、すなわちストライプ要素Waの輝線WL1から3/4周期シフトされた位置となり、所定の位置からの置ずれは生じない。
ここで、本実施形態の比較例として、複数のiPMレーザ2が、方向D1に沿って並んでいる場合について説明する。図33(a)、図33(b)、図34(a)、及び図34(b)は、そのような比較例において、4つのiPMレーザ2それぞれからストライプ要素Wa~Wdそれぞれを含む光L1が共通の投影領域に投影される様子を模式的に示す図である。図33(a)に示されるように、まず、方向D1における一端に位置するiPMレーザ2(第1iPMレーザ)から光L1を投影する。これにより、共通の投影領域にストライプ要素Waが投影される。次に、図33(b)に示されるように、方向D1において第1iPMレーザの隣に位置するiPMレーザ2(第2iPMレーザ)から光L1を投影する。これにより、共通の投影領域にストライプ要素Wbが投影される。このとき、第1iPMレーザと第2iPMレーザとの配列ピッチ(光軸間隔)に応じて、これらのiPMレーザ2から出力されるストライプ要素Wa,Wb間に、方向D1における位置ずれE21が生じる。位置ずれE21の大きさは、第1iPMレーザと第2iPMレーザとの光軸間隔と等しい。この位置ずれE21は、方向D1におけるストライプ要素Wbの輝線WL1の所定の位置、すなわちストライプ要素Waの輝線WL1から1/4周期シフトされた位置からの位置ずれを、ストライプ要素Wbの輝線WL1に生じさせる。続いて、図34(a)に示されるように、方向D1において第2iPMレーザの隣に位置するiPMレーザ2(第3iPMレーザ)から光L1を投影する。これにより、共通の投影領域にストライプ要素Wcが投影される。このとき、第1iPMレーザ~第3iPMレーザの配列ピッチ(光軸間隔)に応じて、ストライプ要素Wa,Wc間に、方向D1における位置ずれE22が生じる。位置ずれE22の大きさは、第1iPMレーザ~第3iPMレーザの光軸間隔の総和と等しい。この位置ずれE22は、方向D1におけるストライプ要素Wcの輝線WL1の所定の位置、すなわちストライプ要素Waの輝線WL1から1/2周期シフトされた位置からの位置ずれを、ストライプ要素Wcの輝線WL1に生じさせる。続いて、図34(b)に示されるように、方向D1において第3iPMレーザの隣に位置するiPMレーザ2(第4iPMレーザ)から光L1を投影する。これにより、共通の投影領域にストライプ要素Wdが投影される。このとき、第1iPMレーザ~第4iPMレーザの配列ピッチ(光軸間隔)に応じて、ストライプ要素Wa,Wd間に、方向D1における位置ずれE23が生じる。位置ずれE23の大きさは、第1iPMレーザ~第4iPMレーザの光軸間隔の総和と等しい。この位置ずれE23は、方向D1におけるストライプ要素Wdの輝線WL1の所定の位置、すなわちストライプ要素Waの輝線WL1から3/4周期シフトされた位置からの位置ずれを、ストライプ要素Wdの輝線WL1に生じさせる。
図35は、上記の比較例における、輝線WL1の位置ずれに起因する問題点を説明する為の図である。図35には、複数のiPMレーザ2を代表して、互いに隣り合う2つのiPMレーザ2が示されている。互いに隣り合う2つのiPMレーザ2の配列ピッチをdy、これらのiPMレーザ2の第1面2aから投影面Hまでの距離をZ1、互いに隣り合う2つのiPMレーザ2間におけるストライプ要素の中心角度のずれをdαとする。このとき、中心角度のずれdαは、配列ピッチdyおよび距離Z1を用いて、幾何学的に下記の数式(35)のように表される。



図36は、数式(35)において配列ピッチdyを0.25mmとしたときの、距離Z1と中心角度のずれdαとの関係を示すグラフである。図36において、横軸は距離Z1(mm)を表し、縦軸は中心角度のずれdα(度)を表している。また、代表的な距離Z1に対する中心角度のずれdαの値を以下に列記する。
Z1=1mm → dα=14.0°
Z1=5mm → dα=2.86°
Z1=10mm → dα=1.43°
Z1=50mm → dα=0.286°
Z1=100mm → dα=0.143°
Z1=500mm → dα=0.0286°
Z1=1m → dα=0.0143°
図36および上の列記から明らかなように、距離Z1が小さいほど中心角度のずれdαが大きくなる。例えば、距離Z1が50mmである場合、中心角度のずれdαはストライプ要素の中央付近(光軸付近)において0.286°となるが、典型的な縞の周期を1°とするとずれの誤差は28.6%となる。この数値は、ストライプ要素の一回のシフト量、例えばストライプ要素Waの位置からストライプ要素Wbの位置へのシフト量に相当する。このように、中心角度のずれdαが大きくなると、ストライプパターンW1を形成する際の誤差が大きくなり、三次元形状計測における計測誤差が大きくなる。光源装置1Cの用途(例えば、歯科における口腔内の立体画像の取得など)によっては、距離Z1を小さくせざるを得ないので、上記の計測誤差を小さくすることが望まれる。
上記の問題に対し、本実施形態のように複数のiPMレーザ2が方向D1と直交する方向D2に沿って並んでいる場合(図33および図34を参照)、複数のiPMレーザ2の配列方向がストライプ要素Wa~Wdの輝線WL1の並び方向と直交する。よって、複数のストライプ要素Wa~Wd間で位置ずれE11~E13が生じても、その位置ずれE11~E13はストライプパターンW1の形成には影響しない。従って、上記の比較例と比べて、三次元形状計測における計測誤差を低減できる。
また、本実施形態の光源装置1Cでは、ストライプ要素Wa~Wdの輝線WL1の間隔Fが複数のiPMレーザ2間で互いに等しく、且つ、各iPMレーザ2の光軸を基準とする、方向D1における輝線WL1の位置が、複数のiPMレーザ2間で互いに異なる。このようなストライプ要素Wa~Wdそれぞれを複数のiPMレーザ2それぞれから共通の投影領域に投影することにより、位相シフト法による三次元形状計測を好適に行うことができる。
また、本実施形態のように、光源装置1Cは、複数の第1光源としての複数のiPMレーザ2を備えてもよい。その場合、ストライプ要素Wa~Wdを含む光L1を出力する光源を小型化し、ひいては光源装置1Cを小型化できる。なお、第1光源は、iPMレーザ2に限られない。第1光源は、複数の輝線WL1が方向D1に沿って周期的に並ぶストライプ要素Wa~Wdを含む光L1を投影できるものであれば他の素子(例えば半導体レーザと回折格子素子(DOE)とを組み合わせた素子)であってもよい。
また、本実施形態のように、複数のiPMレーザ2は互いにモノリシックに形成されてもよい。その場合、複数のiPMレーザ2を単一の素子内に形成して、光源装置1Cの組み立てを容易化することができる。
また、本実施形態のように、複数のiPMレーザ2の個数はnであり、複数のiPMレーザ2間における輝線WL1のシフト量は、輝線WL1の間隔Fの1/nであってもよい。その場合、図19に示されたストライプパターンW1を形成して、位相シフト法による三次元形状計測を好適に行うことができる。
図37(a)、図37(b)、図38(a)、及び図38(b)は、第2実施形態の一変形例を説明するための図であって、4つのiPMレーザ2それぞれからストライプパターンW1a~W1dそれぞれを含む光L1が共通の投影領域に投影される様子を模式的に示している。ストライプパターンW1a~W1dは、本変形例における第1パターンである。これらの図においては、ストライプパターンW1a~W1dの光強度が色の濃淡で示されており、光強度が大きいほど濃く、光強度が小さいほど淡く示されている。ストライプパターンW1a~W1dのそれぞれにおいては、複数の輝線WL2が、輝線WL2の延伸方向と交差する方向D1に沿って周期的に並んでいる。ストライプパターンW1a~W1dそれぞれは、例えば図19に示されるような、方向D1に沿って光強度が正弦波状に変化するパターンが望ましいが、トップハット型のように正弦波状でなくてもよい。すなわち、本変形例では、各iPMレーザ2のストライプパターンの位相をiPMレーザ2毎にシフトさせながら、各iPMレーザ2からストライプパターンを計測対象物に投影し、各iPMレーザ2からのストライプパターンの投影毎に撮像を行うことによって、位相シフト法による三次元形状計測を行う。なお、iPMレーザ2から出力されるパターンを除いて、光源装置の構成は上記第2実施形態と同様である。
ストライプパターンW1a~W1dの複数の輝線WL2の間隔F2すなわち輝線WL2の周期は、ストライプパターンW1a~W1dにおいて(言い換えると、複数のiPMレーザ2間で)互いに等しい。また、各iPMレーザ2の光軸の位置を基準とする、方向D1における複数の輝線WL2の位置すなわち位相は、複数のiPMレーザ2間で互いに異なる。図37及び図38に示される例では、ストライプパターンW1a~W1dの輝線WL2は、互いにπ/2(rad)すなわち1/4周期ずつシフトされている。iPMレーザ2の個数がnである場合、複数のiPMレーザ2間における輝線WL2のシフト量は、輝線WL2の間隔(周期)の1/nである。各iPMレーザ2の位相変調層25Aまたは25Bは、上記のようなストライプパターンW1a~W1dを出力するための位相分布を有する。複数のiPMレーザ2は、第2実施形態と同様に、方向D1と直交する方向D2に沿って並んでいる。すなわち、方向D2は、図30に示されたY軸方向と一致する。
図37(a)に示されるように、まず、方向D2における一端に位置するiPMレーザ2(第1iPMレーザ)から光L1を投影する。これにより、共通の投影領域にストライプパターンW1aが投影される。次に、図37(b)に示されるように、方向D2において第1iPMレーザの隣に位置するiPMレーザ2(第2iPMレーザ)から光L1を投影する。これにより、共通の投影領域にストライプパターンW1bが投影される。このとき、第1iPMレーザと第2iPMレーザとの配列ピッチ(光軸間隔)に応じて、これらのiPMレーザ2から出力されるストライプパターンW1a,W1b間に、方向D2における位置ずれE11が生じる。一方、方向D1におけるストライプパターンW1bの輝線WL2の位置は、所定の位置、すなわちストライプパターンW1aの輝線WL2から1/4周期シフトされた位置となり、所定の位置からの位置ずれは生じない。続いて、図38(a)に示されるように、方向D2において第2iPMレーザの隣に位置するiPMレーザ2(第3iPMレーザ)から光L1を投影する。これにより、共通の投影領域にストライプパターンW1cが投影される。このとき、第1iPMレーザ~第3iPMレーザの配列ピッチ(光軸間隔)に応じて、ストライプパターンW1a,W1c間に、方向D2における位置ずれE12が生じる。一方、方向D1におけるストライプパターンW1cの輝線WL2の位置は、所定の位置、すなわちストライプパターンW1aの輝線WL2から1/2周期シフトされた位置となり、所定の位置からの位置ずれは生じない。続いて、図38(b)に示されるように、方向D2において第3iPMレーザの隣に位置するiPMレーザ2(第4iPMレーザ)から光L1を投影する。これにより、共通の投影領域にストライプパターンW1dが投影される。このとき、第1iPMレーザ~第4iPMレーザの配列ピッチ(光軸間隔)に応じて、ストライプパターンW1a,W1d間に、方向D2における位置ずれE13が生じる。一方、方向D1におけるストライプパターンW1dの輝線WL2の位置は、所定の位置、すなわちストライプパターンW1aの輝線WL2から3/4周期シフトされた位置となり、所定の位置からの位置ずれは生じない。
ここで、本変形例の比較例として、複数のiPMレーザ2が、方向D1に沿って並んでいる場合について説明する。図39(a)、図39(b)、図40(a)、及び図40(b)は、そのような比較例において、4つのiPMレーザ2それぞれからストライプパターンW1a~W1dそれぞれを含む光L1が共通の投影領域に投影される様子を模式的に示す図である。図39(a)に示されるように、まず、方向D1における一端に位置するiPMレーザ2(第1iPMレーザ)から光L1を投影する。これにより、共通の投影領域にストライプパターンW1aが投影される。次に、図39(b)に示されるように、方向D1において第1iPMレーザの隣に位置するiPMレーザ2(第2iPMレーザ)から光L1を投影する。これにより、共通の投影領域にストライプパターンW1bが投影される。このとき、第1iPMレーザと第2iPMレーザとの配列ピッチ(光軸間隔)に応じて、これらのiPMレーザ2から出力されるストライプパターンW1a,W1b間に、方向D1における位置ずれE21が生じる。この位置ずれE21は、方向D1におけるストライプパターンW1bの輝線WL2の所定の位置、すなわちストライプパターンW1aの輝線WL2から1/4周期シフトされた位置からの位置ずれを、ストライプパターンW1bの輝線WL2に生じさせる。続いて、図40(a)に示されるように、方向D1において第2iPMレーザの隣に位置するiPMレーザ2(第3iPMレーザ)から光L1を投影する。これにより、共通の投影領域にストライプパターンW1cが投影される。このとき、第1iPMレーザ~第3iPMレーザの配列ピッチ(光軸間隔)に応じて、ストライプパターンW1a,W1c間に、方向D1における位置ずれE22が生じる。この位置ずれE22は、方向D1におけるストライプパターンW1cの輝線WL2の所定の位置、すなわちストライプパターンW1aの輝線WL2から1/2周期シフトされた位置からの位置ずれを、ストライプパターンW1cの輝線WL2に生じさせる。続いて、図40(b)に示されるように、方向D1において第3iPMレーザの隣に位置するiPMレーザ2(第4iPMレーザ)から光L1を投影する。これにより、共通の投影領域にストライプパターンW1dが投影される。このとき、第1iPMレーザ~第4iPMレーザの配列ピッチ(光軸間隔)に応じて、ストライプパターンW1a,W1d間に、方向D1における位置ずれE23が生じる。この位置ずれE23は、方向D1におけるストライプパターンW1dの輝線WL2の所定の位置、すなわちストライプパターンW1aの輝線WL2から3/4周期シフトされた位置からの位置ずれを、ストライプパターンW1dの輝線WL2に生じさせる。比較例では、輝線WL2の位置ずれに起因して、ストライプパターンW1b~W1dの位相のシフト精度が低下し、計測誤差が大きくなる。
上記の問題に対し、本変形例のように複数のiPMレーザ2が方向D1と直交する方向D2に沿って並んでいる場合(図37および図38を参照)、複数のiPMレーザ2の配列方向がストライプパターンW1a~W1dの輝線WL2の並び方向と直交する。よって、複数のストライプパターンW1a~W1d間で位置ずれE11~E13が生じても、その位置ずれE11~E13はストライプパターンW1b~W1dの位相のシフト精度には影響しない。従って、上記の比較例と比べて、三次元形状計測における計測誤差を低減できる。
また、本変形例では、ストライプパターンW1a~W1dの輝線WL2の間隔(周期)が複数のiPMレーザ2間で互いに等しく、且つ、各iPMレーザ2の光軸を基準とする、方向D1における輝線WL2の位置(位相)が、複数のiPMレーザ2間で互いに異なる。このようなストライプパターンW1a~W1dそれぞれを複数のiPMレーザ2それぞれから共通の投影領域に投影することにより、位相シフト法による三次元形状計測を好適に行うことができる。
図41(a)、図41(b)、図42(a)、及び図42(b)は、第2実施形態の別の変形例を説明するための図であって、4つのiPMレーザ2それぞれからストライプパターンW2a~W2dそれぞれを含む光L1が共通の投影領域に投影される様子を模式的に示している。ストライプパターンW2a~W2dは、本変形例における第1パターンである。これらの図においては、ストライプパターンW2a~W2dの光強度が色の濃淡で示されており、光強度が小さいほど淡く(白く)、光強度が大きいほど濃く(黒く)示されている。ストライプパターンW2a~W2dのそれぞれにおいては、複数の輝線WL3が、輝線WL3の延伸方向と交差する方向D1に沿って並んでいる。ストライプパターンW2a~W2dそれぞれは、グレイコードパターンを含む。すなわち、輝線WL3の幅および位置は、グレイコードを表している。本変形例では、各iPMレーザ2のストライプパターンに含まれるグレイコードをiPMレーザ2毎に変更しながら、各iPMレーザ2からストライプパターンを計測対象物に投影し、各iPMレーザ2からのストライプパターンの投影毎に撮像を行うことによって、三次元形状計測を行う。なお、iPMレーザ2から出力されるパターンを除いて、光源装置の構成は上記第2実施形態と同様である。
グレイコードとは、2進数の表現方法の一つである。図43は、10進数と、2進数の別の表現方法であるバイナリコードと、グレイコードとの相互変換を示す図表である。グレイコードは、数が1増減したときに常に1ビットしか変化しないという特徴を有する。変化が1ビットのみなので、誤作動が生じにくく、ディジタル回路などに多く利用される。図44は、4ビットのグレイコードを含むストライプパターンの組み合わせの一例を示す図である。同図は、方向D1に沿って並んだ複数のビットそれぞれの明暗を示している。図44は、一例として、4つの異なるグレイコードを含むストライプパターンW2a~W2dを示す。バイナリコードからグレイコードへの変換は、次の規則に従う。まず、グレイコードの最上位ビットの1は、バイナリコードと同一とする。以降、上位ビットから順に隣接する2ビットを参照し、1か0が連続していればグレイコードの該当ビットを0とし、連続していなければグレイコードの該当ビットを1とする。或いは、バイナリコードからグレイコードへの変換は、次の規則に従ってもよい。まず、対象となるバイナリコードを用意する。そして、そのバイナリコードを1ビット右にシフトし、その先頭に0を付したバイナリコードを求める。そして、そのバイナリコードと、元のバイナリコードとの排他的論理和を求める。その演算結果がグレイコードである。グレイコードの生成には、例えばOpenCVなどを用いることができる。
グレイコードでは、隣接するビットのハミング距離が1となる。ハミング距離とは、桁数が同じ2つの値を比べたときに、対応する位置にある異なった値の桁の個数を指す。したがって、ハミング距離が1であるグレイコードでは、ビット列を復元する際にビットエラーが生じた場合でも誤差は1に収まる。バイナリコードでは、上位ビットにエラーが生じた場合の位置の誤差が大きくなるが、グレイコードでは、ノイズに強い符号が得られる。
ストライプパターンW2a~W2dは、互いに異なるグレイコード値を有するように設定された縞状のパターンによって構成される。このような4つのストライプパターンW2a~W2dを順に切り替えながら撮像部50にて撮像を行うことにより、被計測物SAの三次元形状を計測することができる。
なお、被計測物SAの表面の色による誤認識を避けるため、図44に示されたストライプパターンW2a~W2dのグレイコードの各ビット値を反転した別のグレイコードを含むストライプパターンを併せて用いてもよい。その場合は、別のグレイコードを含むストライプパターンを出力するための更に4つのiPMレーザ2を設けるとよい。
複数のiPMレーザ2は、第2実施形態と同様に、方向D1と直交する方向D2に沿って並んでいる。すなわち、方向D2は、図30に示されたY軸方向と一致する。
図44におけるストライプパターンW2a~W2dを例として、4つのストライプパターンを順に切り替える動作について説明する。図41(a)に示されるように、まず、方向D2における一端に位置するiPMレーザ2(第1iPMレーザ)から光L1を投影する。これにより、共通の投影領域にストライプパターンW2aが投影される。次に、図41(b)に示されるように、方向D2において第1iPMレーザの隣に位置するiPMレーザ2(第2iPMレーザ)から光L1を投影する。これにより、共通の投影領域にストライプパターンW2bが投影される。このとき、第1iPMレーザと第2iPMレーザとの配列ピッチ(光軸間隔)に応じて、これらのiPMレーザ2から出力されるストライプパターンW2a,W2b間に、方向D2における位置ずれE11が生じる。一方、方向D1におけるストライプパターンW2bの輝線WL3の位置の、所定の位置からの位置ずれは生じない。続いて、図42(a)に示されるように、方向D2において第2iPMレーザの隣に位置するiPMレーザ2(第3iPMレーザ)から光L1を投影する。これにより、共通の投影領域にストライプパターンW2cが投影される。このとき、第1iPMレーザ~第3iPMレーザの配列ピッチ(光軸間隔)に応じて、ストライプパターンW2a,W2c間に、方向D2における位置ずれE12が生じる。一方、方向D1におけるストライプパターンW2cの輝線WL3の位置の、所定の位置からの位置ずれは生じない。続いて、図42(b)に示されるように、方向D2において第3iPMレーザの隣に位置するiPMレーザ2(第4iPMレーザ)から光L1を投影する。これにより、共通の投影領域にストライプパターンW2dが投影される。このとき、第1iPMレーザ~第4iPMレーザの配列ピッチ(光軸間隔)に応じて、ストライプパターンW2a,W2d間に、方向D2における位置ずれE13が生じる。一方、方向D1におけるストライプパターンW2dの輝線WL3の位置の、所定の位置からの位置ずれは生じない。
本変形例のように複数のiPMレーザ2が方向D1と直交する方向D2に沿って並んでいる場合(図41および図42を参照)、複数のiPMレーザ2の配列方向がストライプパターンW2a~W2dの輝線WL3の並び方向と直交する。よって、複数のストライプパターンW2a~W2d間で位置ずれE11~E13が生じても、その位置ずれE11~E13は三次元形状の算出には影響しない。従って、三次元形状計測における計測誤差を低減できる。
(第3実施形態)
図45及び図46は、本開示の第3実施形態に係る光源装置1D及び1Eの構成をそれぞれ示す斜視図である。図45に示される光源装置1D、及び図46に示される光源装置1Eは、光源群201及び202を備える。光源群201は、それぞれの光軸方向が揃うように該光軸方向と交差する方向に並んで配置された複数(図示例では4つ)のiPMレーザ2A(第1光源)を含む。光源群202は、それぞれの光軸方向が揃うように該光軸方向と交差する方向に並んで配置された複数(図示例では4つ)のiPMレーザ2B(第2光源)を含む。複数のiPMレーザ2A及び複数のiPMレーザ2Bは、共通の半導体基板20上にモノリシックに形成されている。iPMレーザ2A及び2Bの内部構造は、前述した第1実施形態のiPMレーザ2と同様である。
複数のiPMレーザ2Aそれぞれは、上述したストライプ要素Wa~Wd(図31及び図32を参照)のそれぞれ、またはストライプパターンW1a~W1d(図37及び図38を参照)のそれぞれを含む光を共通の投影領域に投影する。複数のiPMレーザ2Aから投影されるストライプ要素Wa~WdまたはストライプパターンW1a~W1dは、本実施形態における第1パターンである。複数のiPMレーザ2Bそれぞれは、ストライプ要素Wa~WdそれぞれまたはストライプパターンW1a~W1dそれぞれを含む光を上記共通の投影領域に投影する。複数のiPMレーザ2Bから投影されるストライプ要素Wa~WdまたはストライプパターンW1a~W1dは、本実施形態における第2パターンである。複数のiPMレーザ2Aは、第2実施形態またはその変形例における複数のiPMレーザ2と同様に、ストライプ要素Wa~WdまたはストライプパターンW1a~W1dの輝線の並び方向D11(上記の方向D1に相当)と直交する方向D12(上記の方向D2に相当)に沿って並んでいる。複数のiPMレーザ2Bは、ストライプ要素Wa~WdまたはストライプパターンW1a~W1dの輝線の並び方向D21(第3方向、上記の方向D1に相当)と直交する方向D22(第4方向、上記の方向D2に相当)に沿って並んでいる。図示例では方向D21及びD22は方向D11及びD12とそれぞれ一致しているが、方向D21及びD22は方向D11及びD12と異なってもよい。
光源群202から出力されるストライプ要素Wa~Wdによって形成されるストライプパターンW1(図19を参照)の周期またはストライプパターンW1a~W1dの周期は、光源群201から出力されるストライプ要素Wa~Wdによって形成されるストライプパターンW1の周期またはストライプパターンW1a~W1dの周期と異なる。図45に示される光源装置1Dでは、光源群201と光源群202とが、それぞれの並び方向D12及びD22と交差する方向に並んで配置されている。図46に示される光源装置1Eでは、光源群201と光源群202とが、それぞれの並び方向D12及びD22に沿って並んで配置されている。
ストライプ要素Wa~WdまたはストライプパターンW1a~W1dの輝線の間隔(周期)は、複数のiPMレーザ2A間で互いに等しい。また、各iPMレーザ2Aの光軸を基準とする、方向D11における輝線の位置(位相)は、複数のiPMレーザ2A間で互いに異なる。同様に、ストライプ要素Wa~WdまたはストライプパターンW1a~W1dの輝線の間隔(周期)は、複数のiPMレーザ2B間で互いに等しい。また、各iPMレーザ2Bの光軸を基準とする、方向D21における輝線の位置(位相)は、複数のiPMレーザ2B間で互いに異なる。このようなストライプ要素Wa~WdまたはストライプパターンW1a~W1dを複数のiPMレーザ2Aまたは2Bから共通の投影領域に投影することにより、位相シフト法による三次元形状計測を好適に行うことができる。
本実施形態の光源装置1D及び1Eでは、位相シフト法を用いた三次元形状計測を、複数のiPMレーザ2Aを含む光源群201、及び複数のiPMレーザ2Bを含む光源群202といった2個の光源群により少なくとも2回行って、計測精度を高めることができる。また、本実施形態の光源装置1D及び1Eでは、複数のiPMレーザ2Aが、輝線の並び方向D11と直交する方向D12に沿って並んでおり、複数のiPMレーザ2Bが、輝線の並び方向D21と直交する方向D22に沿って並んでいる。この場合、各iPMレーザ2A(または2B)の位置が配列ピッチの分だけ互いにずれたとしても、そのずれる方向は輝線の並び方向と直交する。故に、複数のiPMレーザ2A(または2B)でストライプ要素Wa~WdまたはストライプパターンW1a~W1dの位置ずれが生じても、その位置ずれは位相のシフト精度等には影響しない。よって、本実施形態の光源装置1D及び1Eによれば、位相シフト法を用いた三次元形状計測における計測誤差を低減できる。
本実施形態のように、光源群202から出力されるストライプ要素Wa~Wdによって形成されるストライプパターンW1、またはストライプパターンW1a~W1dの輝線の間隔(周期)は、光源群201から出力されるストライプ要素Wa~Wdによって形成されるストライプパターンW1、またはストライプパターンW1a~W1dの輝線の間隔(周期)と異なってもよい。その場合、位相シフト法を用いた三次元形状計測を、輝線の間隔が互いに異なる2種類のストライプパターンを用いて行うことができるので、計測精度をより高めることができる。
[変形例]
図47は、第3実施形態の一変形例に係る光源装置1Fの構成を示す斜視図である。図47に示される光源装置1Fは、第3実施形態の光源群201及び202に加えて、更に光源群203及び204を備える。光源群203は、それぞれの光軸方向が揃うように該光軸方向と交差する方向に並んで配置された複数(図示例では4つ)のiPMレーザ2C(第2光源)を含む。光源群204は、それぞれの光軸方向が揃うように該光軸方向と交差する方向に並んで配置された複数(図示例では4つ)のiPMレーザ2D(第2光源)を含む。複数のiPMレーザ2C及び複数のiPMレーザ2Dは、複数のiPMレーザ2A及び複数のiPMレーザ2Bとともに、共通の半導体基板20上にモノリシックに形成されている。iPMレーザ2C及び2Dの内部構造は、前述した第1実施形態のiPMレーザ2と同様である。
複数のiPMレーザ2Cそれぞれは、上述したストライプ要素Wa~Wd(図31及び図32を参照)のそれぞれ、またはストライプパターンW1a~W1d(図37及び図38を参照)のそれぞれを含む光を共通の投影領域に投影する。複数のiPMレーザ2Cから投影されるストライプ要素Wa~WdまたはストライプパターンW1a~W1dは、本変形例における第2パターンである。複数のiPMレーザ2Dそれぞれは、ストライプ要素Wa~WdそれぞれまたはストライプパターンW1a~W1dそれぞれを含む光を上記共通の投影領域に投影する。複数のiPMレーザ2Dから投影されるストライプ要素Wa~WdまたはストライプパターンW1a~W1dもまた、本変形例における第2パターンである。複数のiPMレーザ2Cは、ストライプ要素Wa~WdまたはストライプパターンW1a~W1dの輝線の並び方向D31(第3方向、上記の方向D1に相当)と直交する方向D32(第4方向、上記の方向D2に相当)に沿って並んでいる。複数のiPMレーザ2Dは、ストライプ要素Wa~WdまたはストライプパターンW1a~W1dの輝線の並び方向D41(第3方向、上記の方向D1に相当)と直交する方向D42(第4方向、上記の方向D2に相当)に沿って並んでいる。図示例では方向D41及びD42は方向D31及びD32とそれぞれ一致しているが、方向D41及びD42は方向D31及びD32と異なってもよい。また、方向D31及びD41は、方向D11及びD21と交差している。図示例では方向D31及びD41は方向D11及びD21と直交しているが、方向D31及びD41は方向D11及びD21に対して傾斜してもよい。
光源群203から出力されるストライプ要素Wa~Wdによって形成されるストライプパターンW1(図19を参照)の周期またはストライプパターンW1a~W1dの周期は、光源群204から出力されるストライプ要素Wa~Wdによって形成されるストライプパターンW1の周期またはストライプパターンW1a~W1dの周期と異なる。図47に示される光源装置1Fでは、光源群203と光源群204とが、それぞれの並び方向D32及びD42と交差する方向に並んで配置されているが、光源群203と光源群204とは、それぞれの並び方向D32及びD42に沿って並んで配置されてもよい。
ストライプ要素Wa~WdまたはストライプパターンW1a~W1dの輝線の間隔(周期)は、複数のiPMレーザ2C間で互いに等しい。また、各iPMレーザ2Cの光軸を基準とする、方向D31における輝線の位置(位相)は、複数のiPMレーザ2C間で互いに異なる。同様に、ストライプ要素Wa~WdまたはストライプパターンW1a~W1dの輝線の間隔(周期)は、複数のiPMレーザ2D間で互いに等しい。また、各iPMレーザ2Dの光軸を基準とする、方向D41における輝線の位置(位相)は、複数のiPMレーザ2D間で互いに異なる。このようなストライプ要素Wa~WdまたはストライプパターンW1a~W1dを複数のiPMレーザ2Cまたは2Dから共通の投影領域に投影することにより、位相シフト法による三次元形状計測を好適に行うことができる。
本変形例の光源装置1Fでは、位相シフト法を用いた三次元形状計測を、複数のiPMレーザ2Aを含む光源群201、複数のiPMレーザ2Bを含む光源群202、複数のiPMレーザ2Cを含む光源群203、及び複数のiPMレーザ2Dを含む光源群204といった4個の光源群により少なくとも4回行って、計測精度を高めることができる。また、本変形例の光源装置1Fでは、複数のiPMレーザ2Cが、輝線の並び方向D31と直交する方向D32に沿って並んでおり、複数のiPMレーザ2Dが、輝線の並び方向D41と直交する方向D42に沿って並んでいる。この場合、各iPMレーザ2C(または2D)の位置が配列ピッチの分だけ互いにずれたとしても、そのずれる方向は輝線の並び方向と直交する。故に、複数のiPMレーザ2C(または2D)でストライプ要素Wa~WdまたはストライプパターンW1a~W1dの位置ずれが生じても、その位置ずれは位相のシフト精度等には影響しない。よって、本変形例の光源装置1Fによれば、位相シフト法を用いた三次元形状計測における計測誤差を低減できる。
本変形例のように、光源群204から出力されるストライプ要素Wa~Wdによって形成されるストライプパターンW1、またはストライプパターンW1a~W1dの輝線の間隔(周期)は、光源群203から出力されるストライプ要素Wa~Wdによって形成されるストライプパターンW1、またはストライプパターンW1a~W1dの輝線の間隔(周期)と異なってもよい。その場合、位相シフト法を用いた三次元形状計測を、輝線の間隔が互いに異なる2種類のストライプパターンを用いて行うことができるので、計測精度をより高めることができる。
本変形例のように、複数のiPMレーザ2Cから出力される輝線の並び方向D31、及び複数のiPMレーザ2Dから出力される輝線の並び方向D41は、複数のiPMレーザ2Aから出力される輝線の並び方向D11、及び複数のiPMレーザ2Bから出力される輝線の並び方向D21と交差してもよい。その場合、位相シフト法を用いた三次元形状計測を、輝線の並び方向が互いに異なる2種類以上のストライプパターンを用いて行うことができるので、計測精度をより高めることができる。
(第4実施形態)
図48は、本開示の第4実施形態に係る受発光モジュール1Gの構成を示す斜視図である。図48に示される受発光モジュール1Gは、図47に示された光源装置1Fの構成に加えて、更に撮像素子51を備える。また、本変形例の受発光モジュール1Gでは、光源群201~204が撮像素子51を囲むように配置されている点で、光源装置1Fと異なる。具体的には、光源群201及び202は方向D11及びD21において並んで配置され、その間に撮像素子51が配置されている。また、光源群203及び204は方向D31及びD41において並んで配置され、その間に撮像素子51が配置されている。各光源群201~204の構成は、第3実施形態及びその変形例と同様である。
撮像素子51は、iPMレーザ2A~2Dと共通の基板上に設けられている。一例では、撮像素子51は、iPMレーザ2A~2Dとともに、半導体基板20上にモノリシックに形成されている。撮像素子51は、図18に示された撮像部50の代わりに設けられる。撮像素子51は、iPMレーザ2A~2Dから出射される光L1に対して感度を有する。撮像素子51は、光L1が照射された状態の被計測物(投影領域)においてストライプ要素Wa~WdまたはストライプパターンW1a~W1dを撮像し、撮像結果を示す画像データを生成してその画像データを計測部60(図18を参照)に出力する。
本実施形態の受発光モジュール1Gによれば、光源装置1Dの構成を含むことによって、光源装置1Dと同様の作用効果を奏することができる。また、本実施形態の受発光モジュール1Gによれば、光源装置1Fの構成を含むことによって、光源装置1Fと同様の作用効果を奏することができる。
[変形例]
図49は、第4実施形態の一変形例に係る受発光モジュール1Hの構成を示す斜視図である。本変形例において第4実施形態と異なる点は、光源群201~204に含まれるiPMレーザの個数が3個である点、および、各光源群201~204に含まれる複数のiPMレーザのうち一つが、隣接する別の光源群の配列に含まれている点である。
具体的には、光源群201を構成する3つのiPMレーザ2Aのうち並び方向の第1端に位置する一つのiPMレーザ2Aが、光源群204を構成する3つのiPMレーザ2Dの第2端側に位置し、これらiPMレーザ2Dと一列に並んでいる。同様に、光源群204を構成する3つのiPMレーザ2Dのうち並び方向の第1端に位置する一つのiPMレーザ2Dが、光源群202を構成する3つのiPMレーザ2Bの第2端側に位置し、これらiPMレーザ2Bと一列に並んでいる。光源群202を構成する3つのiPMレーザ2Bのうち並び方向の第1端に位置する一つのiPMレーザ2Bが、光源群203を構成する3つのiPMレーザ2Cの第2端側に位置し、これらiPMレーザ2Cと一列に並んでいる。光源群203を構成する3つのiPMレーザ2Cのうち並び方向の第1端に位置する一つのiPMレーザ2Cが、光源群201を構成する3つのiPMレーザ2Aの第2端側に位置し、これらiPMレーザ2Aと一列に並んでいる。
本変形例の構成によれば、光源群201~204を密に配置して、受発光モジュールの小型化に寄与することができる。
図50は、第4実施形態の別の変形例に係る受発光モジュール1Jの構成を示す斜視図である。本変形例において第4実施形態と異なる点は、光源群201~204の配置である。すなわち、本変形例では、光源群201~204が、撮像素子51を囲んでおらず、図47に示された光源装置1Fと同様に配置されている。そして、撮像素子51は、光源群201~204から離れて配置されている。このような構成であっても、第4実施形態と同様の効果を奏することができる。
以上に説明した、第2実施形態及びその変形例、第3実施形態及びその変形例、並びに第4実施形態及びその変形例が解決しようとする課題、及び課題を解決するための手段を以下に記す。
[解決しようとする課題]
例えば特許文献1および非特許文献3に開示されているように、ストライプパターンを用いた三次元形状計測方法が知られている。この計測方法では、複数の輝線が並ぶストライプパターンを含む光を計測対象物に投影するとともに、ストライプパターンの位相等を変更しながら撮像を行う。そうして得られる複数の画像に基づいて、所定の計算式により三次元形状を算出する。例えば、複数の輝線が周期的に並ぶストライプパターンを含む光を計測対象物に投影するとともに、ストライプパターンの位相(すなわち並び方向における輝線の位置)をシフトしながら撮像を行う位相シフト法によれば、輝線の間隔の数百分の1といった極めて高い精度にて三次元形状を計測することができる。
このような計測においては、位相等が異なる複数のストライプパターン、或いはそれらのストライプパターンを形成するための複数のストライプ要素を、複数の光源からそれぞれ出力させることが考えられる。その場合、複数の光源は光軸と交差する方向に並んで配置される。このような光源としては、例えばiPMレーザが用いられる。しかしながら、複数の光源が光軸と交差する方向に並んで配置される場合、同方向における各光源の位置は、光源の配列ピッチの分だけ必然的に互いにずれる。複数の光源間の位置ずれによって、複数のストライプパターン間に位置ずれが生じると、計測誤差が大きくなる。
本実施形態の開示は、ストライプパターンを用いた三次元形状計測における計測誤差を低減できる光源装置、受発光モジュール、および三次元形状計測装置を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
[1]本実施形態による光源装置は、三次元形状計測に用いられる光源装置であって、
それぞれの光軸方向が揃うように該光軸方向と交差する方向に並んで配置された複数の第1光源を備え、
前記複数の第1光源は、複数の輝線が前記輝線の延伸方向と交差する第1方向に沿って並ぶ第1パターンを含む光を共通の投影領域に投影し、
前記複数の第1光源は、前記第1方向と直交する第2方向に沿って並んでいる、光源装置である。
上記[1]の光源装置では、複数の第1光源が、第1パターンの輝線の並び方向である第1方向と直交する第2方向に沿って並んでいる。この場合、各第1光源の位置が配列ピッチの分だけ互いにずれたとしても、そのずれる方向は第1パターンの輝線の並び方向と直交する。故に、複数の第1光源間で第1パターンの位置ずれが生じても、その位置ずれは三次元形状の算出には影響しない。よって、上記[1]の光源装置によれば、三次元形状計測における計測誤差を低減できる。
[2]上記[1]の光源装置において、前記複数の第1光源は、複数の輝線が前記輝線の延伸方向と交差する第1方向に沿って並ぶ第1パターンを含む光を共通の投影領域に投影し、前記第1パターンの前記複数の輝線の間隔が前記複数の第1光源間で互いに等しくてもよい。このような第1パターンを含む光を複数の第1光源から共通の投影領域に投影することにより、位相シフト法による三次元形状計測を好適に行うことができる。
[3]上記[1]または[2]の光源装置は、複数の第1光源としての複数のiPMレーザを備えてもよい。その場合、第1パターンを含む光を出力する光源を小型化し、ひいては光源装置を小型化できる。
[4]上記[1]~[3]のうちいずれかの光源装置において、複数のiPMレーザは互いにモノリシックに形成されてもよい。その場合、複数のiPMレーザを単一の素子内に形成して、光源装置の組み立てを容易化することができる。また個別の素子を組み合わせて実装する場合に比べて、位置ずれの誤差を抑制することができる。
[5]上記[1]~[4]のうちいずれかの光源装置において、複数の第1光源の個数はnであり、複数の第1光源間における輝線のシフト量は、複数の輝線の間隔の1/nであってもよい。その場合、位相シフト法による三次元形状計測を好適に行うことができる。
[6]上記[1]~[5]のうちいずれかの光源装置は、それぞれの光軸方向が揃うように該光軸方向と交差する方向に並んで配置された複数の第2光源を更に備えてもよい。複数の第2光源は、複数の輝線が輝線の延伸方向と交差する第3方向に沿って並ぶ第2パターンを含む光を共通の投影領域に投影する。複数の第2光源は、第3方向と直交する第4方向に沿って並んでいる。上記[6]の光源装置では、複数の第2光源が、第2パターンの輝線の並び方向である第3方向と直交する第4方向に沿って並んでいる。この場合、各第2光源の位置が配列ピッチの分だけ互いにずれたとしても、そのずれる方向は第2パターンの輝線の並び方向と直交する。故に、複数の第2光源間で第2パターンの位置ずれが生じても、その位置ずれは三次元形状の算出には影響しない。よって、上記[6]の光源装置によれば、三次元形状計測における計測誤差を低減できる。
[7]上記[6]の光源装置において、第2パターンの複数の輝線の間隔は、複数の第2光源間で互いに等しくてもよい。各第2光源の光軸を基準とする、第3方向における複数の輝線の位置は、複数の第2光源間で互いに異なってもよい。このような第2パターンを含む光を複数の第2光源から共通の投影領域に投影することにより、位相シフト法による三次元形状計測を好適に行うことができる。すなわち、位相シフト法を用いた三次元形状計測を、複数の第1光源からなる光源群、及び複数の第2光源からなる光源群といった2個の光源群により少なくとも2回行って、計測精度を高めることができる。
[8]上記[6]の光源装置において、第2パターンの複数の輝線の間隔は、第1パターンの複数の輝線の間隔と異なってもよい。その場合、位相シフト法を用いた三次元形状計測を、輝線の間隔が互いに異なる2種類のストライプパターンを用いて行うことができるので、計測精度をより高めることができる。
[9]上記[7]~[8]のうちいずれかの光源装置において、第3方向は第1方向と交差してもよい。その場合、三次元形状計測を、輝線の並び方向が互いに異なる2種類のストライプパターンを用いて行うことができるので、計測精度をより高めることができる。
[10]本開示の一実施形態による受発光モジュールは、三次元形状計測に用いられる受発光モジュールであって、上記いずれかの光源装置と、共通の投影領域に投影された第1パターンを撮像して画像データを生成する撮像素子と、を備える。光源装置と撮像素子とは、共通の基板上に設けられている。この受発光モジュールによれば、上記いずれかの光源装置を備えることによって、光学装置を小型化できると共に、三次元形状計測における計測誤差を低減できる。
[11]本開示の一実施形態による三次元形状計測装置は、上記の画像データ生成装置と、画像データ生成装置から出力された画像データを用いて三次元形状データを生成するデータ生成部と、を備える。この画像データ生成装置によれば、上記いずれかの光源装置を備えることによって、三次元形状計測における計測誤差を低減できる。
1,1A…半導体発光装置、1C~1F…光源装置、1G,1H,1J…受発光モジュール、2,2A~2D…iPMレーザ、2a…第1面、2b…第2面、3…駆動回路、6…支持基板、6a…第3面、6b…第4面、20…半導体基板、21…第1クラッド層、22…活性層、23…第2クラッド層、25A,25B…位相変調層、25a…基本層、25b…異屈折率領域、26…第2電極、27…第1電極、31,31A,31B…電流源回路、32…カレントミラー回路、33…発振防止回路、34…スイッチ動作部、34a…第1シフトレジスタ、34b…第2シフトレジスタ、50…撮像部、51…撮像素子、201~204…光源群、311…オペアンプ、312…NMOS-FET、314a~314d…第3スイッチ、316a~316d…部分回路、317…デジタルアナログ変換器、318…シリアルパラレル変換器、322…スイッチ部、322a…第1スイッチ、322b…第2スイッチ、323…第1電流経路、324…第2電流経路、331…NMOS-FET、332…第1PMOS-FET、333…第2PMOS-FET、D…直線、D1,D2,D11,D12,D21,D22、D31,D32、D41,D42…方向、G…重心、Iout…駆動電流、L1…光、O(x,y)…格子点、r(x,y)…距離、Rop…抵抗部、Rop1~Rop4…抵抗、S4…シリアル信号、S6…パラレル信号、Vop…入力電圧、WL1,WL2…輝線、φ(x,y)…角度。

Claims (16)

  1. 第1面と前記第1面に対向する第2面とを有し、前記第1面から光を出力する複数のiPMレーザと、
    前記複数のiPMレーザのそれぞれを発光させるための駆動電流を供給する駆動回路と、を備え、
    前記駆動回路は、
    前記複数のiPMレーザに対して共通の電流源回路と、
    前記複数のiPMレーザにそれぞれ対応して設けられ、前記駆動電流のオン/オフを切替える複数のスイッチ部と、
    前記複数のスイッチ部のそれぞれを個別に動作させるスイッチ動作部と、を有する、半導体発光装置。
  2. 前記複数のスイッチ部のそれぞれは、第1スイッチと、前記第1スイッチと直列に接続された第2スイッチと、を有し、
    前記スイッチ動作部は、
    前記第1スイッチを動作させる第1シフトレジスタと、
    前記第2スイッチを動作させる第2シフトレジスタと、
    を有する、請求項1に記載の半導体発光装置。
  3. 前記駆動回路は、前記複数のiPMレーザにそれぞれ対応する複数のカレントミラー回路を更に有し、
    前記複数のカレントミラー回路のそれぞれは、第1電流経路と、前記第1電流経路を流れる電流の大きさに比例する大きさの電流が流れる第2電流経路と、を有し、
    前記第1電流経路は前記共通の電流源回路に接続され、前記スイッチ部は前記第1電流経路上に設けられ、
    前記第2電流経路は、前記複数のiPMレーザのうち当該カレントミラー回路に対応する前記iPMレーザに接続されている、請求項1又は2に記載の半導体発光装置。
  4. 前記駆動回路は、前記複数のiPMレーザにそれぞれ対応する複数の発振防止回路を更に有し、
    前記複数の発振防止回路のそれぞれは、
    前記複数のiPMレーザのそれぞれのアノード端子と接続されたソース端子、及び、第1定電位線に接続されたドレイン端子を含むNMOS-FETと、
    前記NMOS-FETの前記ソース端子に接続されたゲート端子、及び、前記第1定電位線よりも低電位の第2定電位線に接続されたドレイン端子を含む第1PMOS-FETと、
    前記第1PMOS-FETのソース端子に接続されたドレイン端子、前記第2定電位線よりも高電位の第3定電位線に接続されたソース端子、及びゲート端子を含み、該ゲート端子への入力電圧に応じて、前記第1PMOS-FETに電流を供給する第2PMOS-FETと、を有し、
    前記第1PMOS-FETと前記第2PMOS-FETとの間の電位が、前記NMOS-FETのゲート端子に供給される、請求項1又は2に記載の半導体発光装置。
  5. 前記共通の電流源回路にて生成する電流の値は、可変である、請求項1又は2に記載の半導体発光装置。
  6. 前記共通の電流源回路は、
    一対の入力端子のうち一方の入力端子に入力電圧が供給されるオペアンプと、
    前記オペアンプの出力端子に接続された制御端子を有するトランジスタと、
    前記トランジスタの電流端子、及び前記オペアンプの他方の入力端子に一端が接続され、第4定電位線に他端が接続された抵抗部と、を更に有し、
    前記抵抗部の抵抗値は可変であり、
    前記複数のスイッチ部の切替え動作と前記抵抗部の抵抗値を変更する動作とが同期している、請求項5に記載の半導体発光装置。
  7. 前記抵抗部は、前記抵抗部の前記一端と前記他端との間において互いに並列に接続された複数の部分回路を含み、
    前記複数の部分回路のそれぞれは、前記抵抗部の前記一端と前記他端との間において互いに直列に接続された抵抗及び第3スイッチを含み、
    前記複数のスイッチ部の切替え動作と前記第3スイッチの切替え動作とが同期している、請求項6に記載の半導体発光装置。
  8. 前記共通の電流源回路は、
    一対の入力端子のうち一方の入力端子に入力電圧が供給されるオペアンプと、
    前記オペアンプの出力端子に接続された制御端子を有するトランジスタと、
    前記トランジスタの電流端子、及び前記オペアンプの他方の入力端子に一端が接続され、第4定電位線に他端が接続された抵抗と、を更に有し、
    前記複数のスイッチ部の切替え動作と前記入力電圧の値を切替える動作とが同期している、請求項5に記載の半導体発光装置。
  9. 前記駆動回路は、
    前記共通の電流源回路に対する電流の指示値を表すデジタルデータを含んだシリアル信号をパラレル信号に変換するためのシリアルパラレル変換器と、
    前記パラレル信号に変換された前記デジタルデータをアナログ信号に変換するためのデジタルアナログ変換器と、を更に有し、
    前記共通の電流源回路は、前記アナログ信号に基づいて前記指示値に応じた大きさを有する電流を生成する、請求項5に記載の半導体発光装置。
  10. 前記複数のiPMレーザのそれぞれは、
    発光部である活性層と、
    前記活性層と光学的に結合される位相変調層と、
    前記活性層と前記位相変調層の前記第1面側に位置する第1クラッド層と、
    前記活性層と前記位相変調層の前記第2面側に位置する第2クラッド層と、
    前記第2クラッド層の前記第2面側に位置する、第2電極と、
    前記第1クラッド層の前記第1面側に位置する、第1電極と、を有し、
    前記位相変調層は、
    基本層と、
    前記第1面の法線方向に垂直な面上において二次元状に分布するよう前記基本層内に設けられ、前記基本層の屈折率とは異なる屈折率を有する複数の異屈折率領域と、を含み、
    前記面上に仮想的な正方格子が設定された状態において、前記複数の異屈折率領域は、前記複数の異屈折率領域それぞれの重心が対応する格子点から所定距離だけ離れた状態で配置され、かつ、前記仮想的な正方格子における各格子点周りの角度であって前記複数の異屈折率領域それぞれの前記重心と前記対応する格子点とを結ぶ線分の、前記仮想的な正方格子に対する角度は、光像を形成するための位相分布に従って設定され、
    前記複数の異屈折率領域における前記角度のうち、少なくとも二つの前記角度が互いに異なっている、請求項1又は2に記載の半導体発光装置。
  11. 前記複数のiPMレーザのそれぞれは、
    発光部である活性層と、
    前記活性層と光学的に結合される位相変調層と、
    前記活性層と前記位相変調層の前記第1面側に位置する第1クラッド層と、
    前記活性層と前記位相変調層の前記第2面側に位置する第2クラッド層と、
    前記第2クラッド層の前記第2面側に位置する、第2電極と、
    前記第1クラッド層の前記第1面側に位置する、第1電極と、を有し、
    前記位相変調層は、
    基本層と、
    前記第1面の法線方向に垂直な面上において二次元状に分布するよう前記基本層内に設けられ、前記基本層の屈折率とは異なる屈折率を有する複数の異屈折率領域と、を含み、
    前記面上に仮想的な正方格子が設定された状態において、前記複数の異屈折率領域は、前記複数の異屈折率領域それぞれの重心が対応する格子点を通るとともに前記仮想的な正方格子に傾斜した直線上に位置するように配置され、かつ、前記複数の異屈折率領域それぞれの前記重心と前記対応する格子点との前記直線に沿った距離は、光像を形成するための位相分布に従って設定され、
    前記直線の傾きは、前記複数の異屈折率領域において均一である、請求項1又は2に記載の半導体発光装置。
  12. 前記複数のiPMレーザのそれぞれは、モノリシックに形成されている、請求項1又は2に記載の半導体発光装置。
  13. 前記複数のiPMレーザ及び前記駆動回路は互いに共通の基板上に設置されている、請求項12に記載の半導体発光装置。
  14. 第3面と、前記第3面に対向する第4面と、を含む支持基板を更に有し、
    前記複数のiPMレーザが、前記第3面上に、前記第2面が前記第3面と対向するように個別に実装されている、請求項1又は2に記載の半導体発光装置。
  15. 前記駆動回路は、前記支持基板の前記第3面上又は前記第4面上に設置されている、請求項14に記載の半導体発光装置。
  16. 前記駆動回路は、前記複数のiPMレーザとバンプボンディングによって接続されている、請求項1又は2に記載の半導体発光装置。

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