JP2024035974A - 車両制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数台の車両で走行する際に、衝突回避主体が衝突回避に必要な空間を生み出し、他車両同士の衝突回避を支援することができる車両制御装置を提供する。【解決手段】想定状況設定部203により想定された複数の他車両のうち、自車両と並走する他車両の将来の走行状況の位置(自車両の走行車線上または自車線上の位置)に、仮想車両を設定する仮想車両設定部204と、仮想車両設定部204により設定された仮想車両の位置と現在の自車両の位置に基づき、自車両と仮想車両の重なり度合いまたは相対距離を計算し、重なり度合いまたは相対距離に応じて、自車両が仮想車両の前方と後方のどちらへ離脱するかを判別し、仮想車両に対する自車両の目標追従距離を決定する追従距離算出部205と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、車両制御装置に関する。
社会課題の1つである交通事故削減に向けて、自動運転や先進運転支援システムの機能向上が積極的に取り組まれている。車両同士の衝突を防止する技術として、自車両と前方車両間の車間距離自動調整や、自車両の減速回避、操舵回避等がある。また、特許文献1には、車線変更してくる隣接車両と自車両の衝突を防止する技術が開示されている。
特許第6838479号公報
上記の既存技術は、衝突回避主体が衝突回避対象の軌道から離脱することで衝突回避する。しかし、複数台での走行時、すなわち衝突回避主体の周辺に衝突回避対象以外の車両が走行している状況では、衝突回避に必要な軌道上に他車両がいるために、衝突回避主体が衝突回避できないということが生じ得る。例えば特許文献1に開示されている従来技術は、自車両と隣接車両の距離が近い状況において隣接車両が車線変更できない状況は想定されていない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、複数台の車両で走行する際に、衝突回避主体が衝突回避に必要な空間を生み出し、他車両同士の衝突回避を支援することができる車両制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の車両制御装置は、自車両及び複数の他車両による走行状況を認識する走行状況認識部と、前記走行状況認識部により認識した走行状況に基づき将来の走行状況を想定する想定状況設定部と、前記想定状況設定部により想定された前記複数の他車両のうち、前記自車両と並走する他車両の前記将来の走行状況の位置に、仮想車両を設定する仮想車両設定部と、前記仮想車両設定部により設定された前記仮想車両の位置と現在の前記自車両の位置に基づき、前記自車両と前記仮想車両の重なり度合いまたは相対距離を計算し、前記重なり度合いまたは相対距離に応じて、前記自車両が前記仮想車両の前方と後方のどちらへ離脱するかを判別し、前記仮想車両に対する前記自車両の目標追従距離を決定する追従距離算出部と、前記目標追従距離に応じて前記自車両の加減速制御指令値を算出する制御値算出部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、複数台の車両で走行する際に、衝突回避主体が衝突回避に必要な空間を生み出し、他車両同士の衝突回避を支援することが可能となる。
上記した以外の課題、構成および効果については、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
第1の実施形態における車両制御装置の構成図である。 仮想車両の設定方法の説明図である。 仮想車両に対する自車両の制御方法の説明図である。 表示部への俯瞰視点での表示例である。 表示部への一人称視点での表示例である。 車両制御装置の全体の処理手順を説明するフローチャートである。 第2の実施形態における車両制御装置の構成図である。 地図の説明図である。 走行ログの説明図である。 天候の説明図である。 車両情報の説明図である。 ヒヤリハットログを用いた適用シーンの抽出例である。 自車両と並走車両の速度差に応じた、操舵領域変更の説明図である。 自車両と並走車両の速度差及び加速度差ごとの、操舵領域変更の説明図である。 第3の実施形態における、自車線上に仮想車両と実車両がいる場合の、仮想車両と実車両の両方を考慮した制御方法の説明図である。 第4の実施形態における、追従目標距離算出の際の前方追従と後方追従の切替の抑制処理の説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
[第1の実施形態]
以下、図1~図5を参照して、本発明の車両制御装置の第1の実施形態を説明する。本実施形態では、実際の走行状況に応じて仮想車両を想定し、仮想車両に対して自車制御することで、自車ならびに周囲の移動体の安全性を向上させる。
本実施形態が想定する応用先の1つは、周囲の移動体との衝突を防止しながら車両を走行させる車両制御装置である。本技術を適用することで、自車両の周囲に他の移動体が存在する状況であっても、仮想車両に対して自車制御し、自車が自律的に、周囲の移動体が衝突回避に必要な空間を生み出すことで、自車ならびに周囲の移動体の安全性と稼働効率を向上させる。
図1は、第1の実施形態における車両制御装置1の構成図である。車両制御装置1は、情報伝達装置100、処理装置200、表示部300、CAN400から構成される。
まず、車両制御装置1の処理の概要を簡単に説明する。車両制御装置1は、情報伝達装置100で自車両の制御に必要な情報を取得する。次に、処理装置200で、実際の走行状況ならびに想定した走行状況を基に仮想車両を設定し、仮想車両に対する自車両の制御指令値を算出する。そして、実際の走行状況ならびに想定の走行状況と、仮想車両に対する制御情報を表示部300へ表示し、制御が必要である場合には制御指令値を出力し、CAN400を通して自車両を制御する。
以下、図1に記載したブロック図の各構成要素について具体的に説明する。
情報伝達装置100は、自車制御に必要な情報を伝達する機能であり、自車を含む周囲の情報を取得するセンサ110と、通信機121で構成される。
センサ110には、カメラ111、レーダ112、ロケータ113が含まれる。カメラ111は、単眼カメラ並びに/又はステレオカメラであり、自車の周囲のカラー画像や距離画像を取得する。レーダ112は、ミリ波レーダ並びに/又は準ミリ波レーダであり、自車の前方と側方、もしくは、自車の前方と側方並びに後方の物体との距離並びに方向を取得する。ロケータ113は、GPSセンサ並びに/又は慣性センサであり、自車の位置や加速度を取得する。
通信機121は、無線通信機であり、他車両との車車間通信、路面インフラとの路車間通信、管制センタとの通信、自車両の搭乗者や、自車両周囲の歩行者又は搭乗者の携帯電話との通信を含む。通信機121は、これらの通信により、自車両の死角を含む他車両の位置や速度、車両形状、道路の交通量や通行止めの有無、信号機の切替タイミング、携帯電話の位置情報や所有者情報等、自車の車両制御に必要な情報を受信し、自車両の位置や車両制御情報を送信する。
処理装置200は、情報伝達装置100から取得した情報を基に、自車両の制御指令値を算出して、制御指令を出力する機能であり、データ管理部201、走行状況認識部202、想定状況設定部203、仮想車両設定部204、追従距離算出部205、制御値算出部206、制御管理部207が含まれる。
データ管理部201は、各ブロックから取得する情報のうち、適切な情報を適切な頻度で、適切なブロックへ伝達する機能である。データ管理部201は、センサ110と通信機121から受信した自車を含む周囲の情報を、走行状況認識部202、想定状況設定部203、表示部300へ出力する。また、データ管理部201は、走行状況認識部202で生成する、走行状況の認識結果を表示部300へ出力する。走行状況の認識結果については後述する。また、データ管理部201は、制御管理部207から取得する制御情報を通信機121から周囲の車両等へ送信できる。
走行状況認識部202は、データ管理部201から取得した、自車周囲の画像や点群、センサ信号値や通信情報を基に、物体の位置や速度、物体種別、走行可能領域等を、走行状況認識結果として、データ管理部201と想定状況設定部203、追従距離算出部205、制御値算出部206へ出力する。
想定状況設定部203は、データ管理部201と走行状況認識部202から出力される実際の(現在の)走行状況において、特定の(将来の)走行状況を想定し、仮想車両設定部204ならびに表示部300へ出力する。想定する走行状況は、例えば、他車両の前を走行する車両(前方車両)の減速や、歩行者の飛び出しである。
仮想車両設定部204は、想定状況設定部203で想定した走行状況から仮想車両の位置や速度、角度を設定する。仮想車両は、例えば、想定される複数の車両のうち、自車両と一定時間以上並走する他車両の将来の位置に設定する。なお、想定状況や仮想車両の設定値は、自車両がより安全に走行できるように調整でき、表示部300を利用して調整しても良い。
追従距離算出部205は、仮想車両設定部204で設定された仮想車両の位置、速度と、現在の自車両の位置、速度から、仮想車両に対して自車両の目標追従距離を決定する。目標追従距離の算出方法の1つは、自車両が仮想車両から離脱するために必要な距離である。また、追従距離算出部205は、自車両が仮想車両の前方へ離脱(例えば加速離脱)する場合と、自車両が仮想車両の後方へ離脱(例えば減速離脱)する場合等の複数の目標追従距離の候補から適切な値を決定する。言い換えると、追従距離算出部205は、自車両が仮想車両の前方と後方のどちらへ離脱するかを判別し、適切な目標追従距離を決定する。
制御値算出部206は、走行状況に応じて、車両の制御指令値を算出する。制御値算出部206は、走行状況認識部202から自車両と他車両の位置や速度といった実際の走行状況を取得し、仮想車両設定部204から仮想車両の位置や速度といった仮想車両の情報を取得する。制御値算出部206は、これらの走行状況を基に、追従距離算出部205から取得する目標追従距離を達成するための、自車両の加減速の制御指令値を算出する。
制御管理部207は、データ管理部201から取得する走行状況や、表示部300から取得する搭乗者の制御実施許可、制御値算出部206から取得する制御指令値を基に、制御対象に対して、実際に車両制御を作動させるかを管理する。
以下、図2と図3を用いて、本発明の特徴である、仮想車両に対する制御方法について説明する。
まず、図2を用いて、仮想車両の設定方法を説明する。仮想車両は、想定状況設定部203と仮想車両設定部204で設定される。図2のCは自車両周囲の実際の走行状況であり、Veは自車両、Viは自車両の周囲の車両、VjはViに対して衝突する可能性のある他車両である。例えば、Viは自車両と並走する車両(並走車両)、Vjは自車両と並走する車両の前方にいる車両(前方車両)とする。この実際の走行状況Cにおいて、自車両Veは、ある走行状況Csを想定する。想定の走行状況Csは、例えば、Vjの減速により、Viに衝突回避が必要な状況である。この想定の走行状況Csにおいて、自車両Veは、仮想車両Vsを想定する。
仮想車両Vsは、例えば、並走車両Viが並走車両Viの前方車両Vjに対して衝突回避することを想定して設定する。この時、自車両Veの位置を基点とした相対座標系Uにおける、仮想車両Vsの位置xsは(式1)で算出される。
[数1]
Figure 2024035974000002
ただし、ve(t), vi(t)は時刻tにおける自車両Veと並走車両Viの速度、xiは相対座標系Uにおける並走車両Viの位置、Tは並走車両Viが車線変更を完了する時刻とする。ここで、自車両Veは等速ve、並走車両Viは等減速bs、vi-T*bs>0であると仮定すると、仮想車両Vsの位置xsは(式2)で算出される。
[数2]
Figure 2024035974000003
このようにして、実際の走行状況Cに対して、想定の走行状況Csを設定し、仮想車両Vsの位置xsを算出した。なお、車両Viを操作するドライバーの反応時間や、車両Viの操舵性能を用いて車線変更を完了する時間Tを変更しても良い。
次に、図3を用いて、仮想車両Vsに対する自車両Veの制御方法を、既存方式と比較しながら説明する。図3(a)、(b)はそれぞれ、仮想車両Vsに対して、自車両Veが、後方離脱(図3(a))、前方離脱(図3(b))する状況を示している。
一般的な追従制御では、(式3)のように、自車両Veと仮想車両Vsの相対距離dと相対車速vs-eから、自車両Veへの加速度の制御指令値acmdを算出する。ただし、d*は目標追従距離、K1,K2は制御ゲインとして特定の値を入れておく。
[数3]
Figure 2024035974000004
(式3)において、既存の追従制御では、自車両Veは実車両に対する追従を想定しているため、自車両Veと追従対象の相対距離dは常に正の値をとる。
一方で、本実施形態では、仮想車両に対して追従制御するため、自車両Veと仮想車両Vsの相対距離dは、d≦0のケース、つまり車両同士の重なりが生じうる。本実施形態では、自車両Veと仮想車両Vsの重なり度合いdに応じて、目標追従距離d*を自車両の前方と後方へ切り替えることで、仮想車両Vsとの重なりを適切に離脱する。
以下に、この目標追従距離d*の算出方法を説明する。追従距離算出部205は、仮想車両Vsの後端位置xsと自車両Veの前端位置xeから、(式4)のように、重なり度合いdを算出する。なお、後端位置xsと前端位置xeは、仮想車両と自車両の進行方向の後端と前端の値を想定しているが、仮想車両Vsと自車両Veの角度θseを用いて、自車中心座標系Uにおける後端と前端の値を使用しても良い。
[数4]
Figure 2024035974000005
さらに、追従距離算出部205は、自車両Veの前端位置xeと車両長le、仮想車両Vsの後端位置xsと車両長lsから、(式5)で後方離脱に必要な距離d* bと、(式6)で前方離脱に必要な距離d* fを算出する。ただし、dTTCは、自車両の車両搭乗者もしくは車両管理者が、事前に仮想車両に対する衝突までの時間の設定値TTC1を設定しておき、その設定値TTC1と、仮想車両と自車両の現在の相対車速との積で算出される。
[数5]
Figure 2024035974000006
[数6]
Figure 2024035974000007
後方離脱に必要な距離d* bと前方離脱に必要な距離d* fは、自車両Veと仮想車両Vsの重なり度合いdに応じて変わるため、追従距離算出部205は、状況に応じて適切な目標追従距離d*を切り替える。目標追従距離d*は、例えば(式7)のように、移動距離が短い方へ切り替えて算出される。ただし、βはd* b≦d* fの時に1の値とり、d* b>d* fの時に0の値を取るバイナリ変数とする。
[数7]
Figure 2024035974000008
このようにして、追従距離算出部205が目標追従距離d*を算出した後に、制御値算出部206は、(式3)から、加速度の制御指令値acmdを算出する。
ここで、さらに安全性を向上させるために、自車両の車両搭乗者もしくは車両管理者が事前に指定する加速度の制限値alと減速度の制限値blを利用して、(式8)の通り、加速度の制御指令値acmdが加速度・減速度の制限値を超過しないようにする。minは小さい方の値を取得する関数、β’はacmd≦0の時に1の値を取り、acmd>0の時に0の値をとるバイナリ変数とする。
[数8]
Figure 2024035974000009
また、現在の自車両の速度veが、自車両の車両搭乗者もしくは車両管理者が事前に指定する速度の制限値vlに到達している場合は、(式9)のように、加速度の制御指令値acmdは0以下にする。なお、道路に制限速度がある場合は、速度の制限値vlは道路の制限速度以下になるように更新した上で使用する。
[数9]
Figure 2024035974000010
このようにして、車両の制御指令値acmdを算出した後、実際に制御を実施する前に、自車両の車両搭乗者や車両操作者に違和感を持たせないために、制御管理部207を通して、事前に表示部300へ車両制御の内容を表示する。制御管理部207は、加速度の制御指令値acmdと、データ管理部201から取得する走行状況や、表示部300から取得する自車両の車両搭乗者や車両操作者の制御実施許可を基に、実際に車両制御を実施するかを管理する。
図4A、図4Bは、表示部300への表示例である。図4Aの表示部300の表示画面O1、図4Bの表示部300の表示画面O2はそれぞれ、自車両Veと目標位置の自車両Ve*、並走車両Vi、前方車両Vj、仮想車両Vsを区別して、俯瞰視点(図4A)と一人称視点(図4B)で表示する。自車両の車両搭乗者や車両操作者は、表示部300の表示内容を基に、制御実施するかを制御管理部207へ通知する。なお、自動運転等で、車両搭乗者や車両操作者がいない際は、車両管理者の許可があり、制御指令値が安全値を満たしている場合のみ実施する。
車両制御の実施許可がある場合、加速度の制御指令値acmdは、CAN400へ伝達され、車両制御値aで自車両を制御する。ある時刻tにおける車両制御値a(t)は、ある時刻tにおける加速度の制御指令値acmd(t)に、応答遅れsを加味して、(式10)で算出される。
[数10]
Figure 2024035974000011
以下、図5のフローチャートを用いて、本実施形態の車両制御装置の全体の処理手順を説明する。
まず、ステップS101では、センサ110と通信機121により、自車両の周囲のセンサ値等を取得する。センサ値は、データ管理部201を通して、走行状況認識部202で、車両の位置や速度、障害物の有無といった走行状況へ変換される。
ステップS102では、実際の走行状況を基に、想定の走行状況を設定するかどうかを判定する。想定の走行状況を設定しないケースとしては、例えば、自車両の周囲に車両や障害物が存在せず、等速直進で走行し続けても確実に安全な場合や、搭乗者によって、走行状況を想定しないように設定されている場合が該当する。
走行状況の想定が必要の場合に、ステップS103では、仮想車両を設定する。想定状況設定部203は、走行状況認識部202並びにデータ管理部201から実際の走行状況を取得し、実際の走行状況から想定される、特定の走行状況を想定する。そして、仮想車両設定部204は、仮想車両を設定する。仮想車両の位置の算出は、並走車両の操舵回避を想定した例については、前記の通り(式1)、(式2)で算出できる。この他にも、歩行者の飛び出しを想定して仮想車両を設定しても良いし、外部のシミュレーション上で特定の経路を走行する仮想車両を通信機121で受信して設定する等、任意の想定で仮想車両を設定しても良い。
続いて、設定した仮想車両に対して、ステップS104で、自車両の目標追従距離を算出する。追従距離算出部205で、仮想車両と自車両の重なり度合いに応じて、目標追従距離を算出することが本実施形態の特徴であり、目標追従距離は、(式4)~(式7)で算出できる。
ステップS105では、目標追従距離に基づいて、制御値算出部206が自車両の加減速の制御指令値を算出する。制御指令値は、(式3)と(式8)、(式9)で算出される。
ステップS106では、制御管理部207が、車両制御の要否を判定する。具体的には、前記の通り、表示部300へ自車両の現在位置と目標位置、仮想車両の位置を表示し、自車両の車両搭乗者や車両操作者から車両制御の実施許可を取得する。自車両の車両搭乗者や車両操作者から車両制御の実施許可を取得した後、制御管理部207は、CAN400へ制御指令値を伝達する。
その後、ステップS107では、CAN400を通して、車両制御が実施される。車両制御値は、(式10)のように、制御指令値に応答遅れを加味して算出される。
以上までが、本発明の第1の実施形態である。既存手法では、他車両の衝突回避経路上に自車両がいるために、他車両の衝突回避選択肢が限定されてしまうことが課題であった。これに対して、本実施形態では、自車両の予防運転によって、他車両が衝突回避するために必要な空間を生み出し、他車両同士の衝突回避を支援する自車両の制御方法を提案した。
前記の他車両同士の衝突回避に必要な空間を生み出すという目的のために、既存の制御方法だと、現時点でその場所にいない車両に対しては自車両を制御できない点が、技術課題となった。そこで、本実施形態では、仮想車両を設定することで、既存の制御アルゴリズムを活用する形での自車両の制御方法を提案した。特に、仮想車両に特有である車両同士の重なりに応じた制御指令値の算出方法を提案した。本実施形態によると、自車両が仮想車両に追従することで、複数台の車両で走行する際に、安全な車両配置を形成できる。
以降の説明では、第1の実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付して、相違点のみ説明する。特に説明しない点については、第1の実施形態と同じである。
[第2の実施形態]
図6~図13を参照して、本発明の車両制御装置の第2の実施形態を説明する。第1の実施形態は、本発明の特徴である、仮想車両に対する自車両の制御について、必須箇所のみを説明した。第2の実施形態では、自車両が仮想車両と重なっている際の離脱方向を安全性を基に決める方法や、予防運転を実施する条件の絞り込み、想定ケースの拡充等、本実施形態の車両制御をより安全に実施するための方法について説明する。
図6は、第2の実施形態における車両制御装置2の構成図である。
車両制御装置2において、D100は記憶装置であり、D200は地図、D300は走行ログ、D400は天候、D500は車両情報である。記憶装置D100の情報は、外部サーバに記録されており、データ管理部501が、通信機121を介して取得する。なお、記憶装置D100の情報は、必要な区間の情報をあらかじめ抽出して車両内部へ記憶しておき、データ管理部501が直接読み出す方式をとっても良い。
図7に地図D200、図8に走行ログD300、図9に天候D400、図10に車両情報D500を示す。
データ管理部501は、現在の自車両の位置を基に、必要な情報を記憶装置D100から読み出し、走行状況認識部202、想定状況設定部503、制御管理部507、通知部600のHMI制御部601へ出力する。自車両の位置は、車両のセンサ110の他に、通信機121を介して、搭乗者の携帯のGPSを使用してもよい。
想定状況設定部503は、自車両の走行状況について、センサ110から取得する情報だけでなく、地図D200や走行ログD300、天候D400のデータから、想定の走行状況を絞り込む。これにより、本当に仮想車両の設置が必要な場合のみ、動作する。
想定の走行状況として、先行車両Vjの急減速を例として説明する。自車両Veは、センサ110もしくは通信機121から、VjとViの時刻ごとの位置、速度を取得し、予防運転が必要な走行状況であるかを判別する。
予防運転を実施する条件として、自車両Veが定速制御の状態であり、自車両Veと、自車両Veの周囲の車両Viと、車両Viに対する先行車両Vjが、閾値以内の相対距離かつ閾値以下の速度差(相対車速)で、一定時間以上、並走している場合のみに絞ることで、必要な状況のみ実施(想定状況設定部503の処理を開始)する。また、自車両が、先進運転支援システムもしくは自動運転等の自動制御下にある場合のみ実施する。自車両が、自動制御の定速制御の状態である場合は、予防運転によって車間距離制御の状態へ移行する。また、車間距離制御の車速制限値は、等速制御の車速設定値とは異なる値に設定されているものとする。これらの自動制御の車速設定値は、自車両の車両搭乗者もしくは車両操作者、車両管理者によって設定される。または、地図から制限車速を参照して設定しても良い。
さらに、自車両を予防運転させる条件として、前記の条件に加えてさらに、先行車両Vjが急減速しそうな時のみに絞り込む。先行車両Vjが急減速しそうかどうかは、例えば、先行車両Vjの車速推移が、ヒヤリハットログに類似しているかで、判別できる。図11は、ヒヤリハットログを用いた適用シーンの抽出例である。ヒヤリハットログは、走行ログD300を基に、急減速もしくは交通事故が起こった地点とその時刻を、その直前の自車両の車両挙動等と紐づけて記憶したデータである。車両挙動は、例えば、車速推移などである。現状の走行状況と、ヒヤリハットログの類似度は、先行車両Vjの時系列の車速と、ヒヤリハットの時系列の車速を用いて、動的時間伸縮法等により算出できる。現在の走行状況が、ヒヤリハットログとの類似度が低い場合は、安全な状況であると判断して、想定状況設定部503は、先行車両Vjの急減速を想定しない。現在の走行状況が、ヒヤリハットログとの類似度が高い場合は、予防運転のために、対応するヒヤリハットログの急減速値を用いて、想定の走行状況を設定する。これにより、仮想車両の位置算出に用いる(式2)の急減速値bsを、現実の状況に合わせて想定できる。なお、現実の走行状況と過去のヒヤリハットログとの類似度は、車速推移だけ算出するのではなく、同時刻に周辺を走行していた車両や地図、天候の情報を紐づけて使用しても良い。なお、これらのデータの紐づけは、走行ログD300の時刻と座標を基に実施できる。
また、想定状況を設定するかどうかを判別する例として、現状の走行状況がヒヤリハットログに類似しているかで判別する方式を説明したが、この他にも、自車両の進路上100m先の情報を利用してもよい。例えば、見通しの悪い交差点等で、自車両の走行する道路上にいない他車両が、減速せずに交差点に近づいていることを通信機121から取得して、先行車両Vjの減速を想定してもよい。この他にも、地図情報から、自車両が走行する道路の車線数や道路幅を取得して、自車両Veと並走車両Viが走行している以外の車線があり、その車線に車両がいない場合等、並走車両Viが自車線側に回避しなくても良い場合は実施しないことも考えられる。また、道路データから、過去に事故が起こった場所であるかどうかを利用して、実施条件を絞り込んでもよい。さらに、自車両周辺の歩道の有無、周辺の歩行者の携帯電話との通信、路面インフラとの通信により、歩行者が出現するか否かを判別して、実施条件を絞り込んでもよい。また、周辺車両を運転するドライバー種別を用いてもよい。つまり、想定状況設定部503は、地図、他車両の車速などを用いて、処理開始のケースを絞り込んでも良い。
実施条件を絞り込む例として、現在の走行状況と類似するヒヤリハットログを読み出す方法を説明したが、事前にヒヤリハットログを学習した学習器を搭載しておいてもよい。学習器は、例えば、現在の走行状況として、自車両を含む周囲の車両の時系列の位置と車速、地図等を入力として、想定される状況を出力する形式が考えられる。想定される状況としては、先行車両Vjの居眠り運転等の判別や、先行車両Vjの減速値の推定、歩行者の飛び出しの推定等が考えられる。学習器には、例えば、決定木や深層学習等での予測や、クラスタリングで現在の走行状況が異常に分類されるかを判別することが考えられる。
また、先行車両Vjが急減速する可能性が高いと判別した際にフラグをつけておき、そのフラグを利用して、判定に要する時間を削減してもよい。
次に、第2の実施形態における、想定状況設定部503での想定の走行状況の設定を説明する。想定状況に並走車両の車線変更を想定した場合、図12のように、自車両Veと並走車両Viの相対加速度に応じて、仮想車両Vsの位置は変動する。また、相対加速度と相対車速を考慮すると、図13のように、条件に応じて、車線変更の経路が複数考えられる。一方で、本実施形態では、周辺の車両Viが他の車両Vjから被害を被った場合に車両Viを救えるように、回避領域を作成することを目的としているため、想定状況としては、周囲の車両Viの加速ではなく、周囲の車両Viの自車両Veに対する相対減速もしくは相対加速として検討する。
第1の実施形態では、仮想車両設定部204で仮想車両Vsを設定する際に、車両Viへ固定の操舵経路を想定した(詳しくは、他車両の位置と速度と車両性能などに基づき回避経路(操舵回避)を算出し、その回避経路(操舵回避)上に仮想車両を設定した)が、本実施形態では、仮想車両設定部504で、操舵経路を領域として算出し、その領域の中から仮想車両の位置を絞り込む。具体的な例としては、車両Viが回避を開始するまでの反応時間や、回避の際の操舵角に応じて、操舵経路が変わるため、衝突ぎりぎりで回避した場合の経路と、余裕を持って回避した場合の経路を操舵領域として、仮想車両の位置の設定候補とする。すなわち、他車両同士の相対距離と相対速度、他車両の車両性能と回避開始までの反応時間に基づき、他車両が操舵で走行する可能性のある経路の上限と下限の間の領域を操舵領域として算出し、仮想車両の位置の設定候補とする。そして、車両Viとその周囲の車両Vjの位置、車速、加速度などに基づき、設定候補(操舵領域)の中から仮想車両の位置を絞り込む。仮想車両の位置は、各操舵領域の上端と下端を使用しても良いし、各経路へ重み付けして使用しても良い。
なお、仮想車両設定部504は、一度仮想車両を設定した後も、仮想車両の位置を更新する。仮想車両の更新は、ある時間ステップごともしくはあるトリガーがあった場合に、そのときの走行状況もしくは想定状況に基づいて行う。
次に、仮想車両に対する制御方法について説明する。第1の実施形態では、自車両が仮想車両から前方離脱するか後方離脱するかを決定(判別)する際に、離脱に必要な移動距離(自車両が現在の自車位置から目標追従距離を満たす位置に移動するまでに要する距離)を基に、(式7)より目標追従距離d*を決定した。第2の実施形態では、コスト算出部508で、移動距離に加えて、前方離脱と後方離脱のどちらが安全かを考慮した移動コストを算出し、追従距離算出部505で、算出した移動コストに基づき、目標追従距離d*を決定する。
この移動コストは、例えば、自車両の車両搭乗者もしくは車両管理者が事前に設定した、自車両の車速の設定値vlを満たしつつ、後方離脱距離d* b、前方離脱距離d* fに達するまでにかかる時間(自車両が現在の自車位置から目標追従距離を満たす位置に移動するまでに要する時間)が挙げられる。この後方離脱時の移動コストc* bと、前方離脱時の移動コストc* fを基に、(式7)のβをc* b≦c* fの時に1の値とり、c* b>c* fの時に0の値を取るバイナリ変数として、目標追従距離d*を算出できる。
また、前記のような自車両が現在の自車位置から目標追従距離を満たす位置に移動するまでに要する時間または距離を表す移動コストに加えて、自車両が現在の自車位置から目標追従距離を満たす位置に移動するまでに他車両との衝突危険性の高さを表す安全コストとして、道路勾配や路面抵抗、車両性能を考慮した制動距離を用いても良いし、雨や雪での視界不良や風速の強さを加味しても良い。この他にも、移動コストとして、現在の自車両の制御状態から、目標追従距離へ移動するために必要な制御状態への移行に必要な制御切替のコストを用いても良い。ここで、制御状態とは、自車両が現在、等速制御中であるか、減速制御中であるか等の状態である。制御切替のコストとは、前方離脱のために加速制御が必要となった際に、自車両が現在、減速制御中であった場合は、減速から加速への切替が必要になるため、その切替に要する安全性や時間等で計算される。また、加速時と減速時に要する消費電力量を加味して移動方向を切り替えても良い。
その後、制御値算出部206は、目標追従距離d*から、(式3)と(式8)、(式9)で車両制御の制御指令値を算出し、制御管理部507へ制御指令値を出力する。
通知部600のHMI制御部601は、制御管理部507から、仮想車両との重なりの有無や、制御指令値を受け取り、その値の強度に応じて、自車両Veの搭乗者へモニタ602等で(視覚的に)通知する。制御指令値や目標追従距離までの移動距離をスピーカー603で(音声で)伝えることや、一定値以上の制御が必要の場合には触覚デバイス604で(感覚的に)伝えることが考えられる。
[第3の実施形態]
第1の実施形態と、第2の実施形態では、自車線の前方と後方に車両がいないとして、仮想車両に対して自車両を制御する方法を説明した。第3の実施形態では、自車線の前方や後方に車両がいる場合に、仮想車両と実車両の両方を考慮した制御方法について、図14を用いて説明する。仮想車両の位置の算出と、仮想車両からの離脱に必要な移動距離d* b,d* fの算出までは、第1の実施形態、第2の実施形態で説明した通りである。
実車両が存在する場合は、自車線上の実車両Vkと自車両Veの相対速度と、車両搭乗者もしくは車両管理者が事前に設定する安全を担保できる衝突までの時間の設定値(閾値)TTC2から、自車線上のその実車両と自車両の相対車速とTTC2との積で実車両との安全距離dTTC2を算出する。そして、(式11)、(式12)に示すように、前方離脱(図14(b))と後方離脱(図14(a))に対して、離脱後の自車両Ve*の位置が、実車両Vkとの安全距離dTTC2を満たしているかを確認する。
[数11]
Figure 2024035974000012
[数12]
Figure 2024035974000013
(式11)と(式12)の両方とも満たしている場合は、その中で、コスト算出部508により算出した移動コストならびに安全コストの低い位置を目標追従距離とする。
(式11)と(式12)の片方だけ満たしていない場合は、満たしている方の位置を目標追従距離とする。
(式11)と(式12)の両方とも満たしていない場合は、自車両Ve*の位置へ一度に移動することはせず、相対目標位置x* e_bに向けて、徐々に後方離脱する。まずは、実車両Vkとの安全距離dTTC2を保つ範囲で後方移動する。その後、自車両Veの減速に合わせて、実車両Vkが後方へ距離を取ると、自車両Veはさらに後方へ移動できるようになる。これを繰り返すことで、仮想車両Vsからの離脱先に実車両Vkがいる場合であっても、実車両Vkとの安全距離dTTC2を保ちつつ相対目標位置x* e_bへ向けて移動できる。
すなわち、追従距離算出部は、自車両が仮想車両からの離脱に必要な目標追従距離を算出する際に、実車両との安全距離dTTC2を保つように自車両が移動する目標追従距離を算出する。実車両との安全距離dTTC2は、自車両と他車両の相対速度と、自車両と他車両の衝突までの時間の閾値(TTC2)に基づき算出される。
なお、自車両Veを制御する際は、実車両Vkや周辺車両Viにわかるように、自車両Veの加減速制御前に、自車両Veの周囲の車両へ警告音または警告表示、もしくはその両方を実施して伝えた上で、安全に実施する。
[第4の実施形態]
既存の追従制御では、追従対象に対して常に後方追従であるが、本実施形態では、自車両と仮想車両の重なり度合いに応じて、追従対象に対して前方追従と後方追従から適切な方を選択して、安全に仮想車両との重複を離脱できる。前方離脱か後方離脱かは各時刻で切替可能としているが、前方への離脱と後方への離脱を行うコストが近しい場合は、前方追従と後方追従の頻繁な切替が生じる可能性がある。そこで、第4の実施形態では、各時刻での追従距離の算出において、追従方向の切替を抑制して、必要な時だけ前方追従と後方追従を切り替える方法を説明する。
図15は、前方追従と後方追従の切替の抑制処理である。時系列の目標追従距離d*を用いて、目標追従距離d*の移動平均d* mを横軸にとり、移動平均d* mにロジスティック関数gを適用した値の絶対値が、閾値ρを超えている場合のみ、目標追従距離d*(t)の符号を切り替える。ただし、現在の時刻をt、ある時間間隔をtwとする。移動平均d* mと移動平均d* mのロジスティック関数gはそれぞれ(式13)と(式14)で算出される。
[数13]
Figure 2024035974000014
[数14]
Figure 2024035974000015
これにより、追従距離算出部では、時系列の目標追従距離を用いて、頻繁な加減速の切替が起きないように抑制して、必要な時だけ目標追従距離を切替える。
[第1~第4の実施形態のまとめ]
以上で説明したように、本実施形態の車両制御装置1は、自車両及び複数の他車両による(現在の)走行状況を認識する走行状況認識部202と、前記走行状況認識部202により認識した(現在の)走行状況に基づき将来の走行状況を想定する想定状況設定部203と、前記想定状況設定部203により想定された前記複数の他車両のうち、前記自車両と並走する他車両の前記将来の走行状況の位置(自車両の走行車線上または自車線上の位置)に、仮想車両を設定する仮想車両設定部204と、前記仮想車両設定部204により設定された前記仮想車両の位置と現在の前記自車両の位置に基づき、前記自車両と前記仮想車両の重なり度合いまたは相対距離を計算し、前記重なり度合いまたは相対距離に応じて、前記自車両が前記仮想車両の前方と後方のどちらへ離脱するかを判別し、前記仮想車両に対する前記自車両の目標追従距離を決定する追従距離算出部205と、前記目標追従距離に応じて前記自車両の加減速制御指令値を算出する制御値算出部206と、を備える。
また、前記自車両が現在の自車位置から前記目標追従距離を満たす位置に移動するまでに要する時間または距離を表す移動コスト、もしくは、制動距離といった、前記自車両が現在の自車位置から前記目標追従距離を満たす位置に移動するまでに前記他車両との衝突危険性の高さを表す安全コスト、もしくは、その両方を含むコストを算出するコスト算出部508を備え、前記追従距離算出部505は、前記コスト算出部508により算出された前記コストに基づき、前記目標追従距離を決定する。
また、前記追従距離算出部505は、前記自車両の現在の位置と車両長、前記仮想車両の位置と車両長に基づき、前記自車両が前記仮想車両の前方へ離脱(例えば加速離脱)する場合と前記自車両が前記仮想車両の後方へ離脱(例えば減速離脱)する場合の目標追従距離を算出し、前記コスト算出部508により算出された前記コストの低い前記目標追従距離を判別する。
また、前記追従距離算出部は、前記自車両が前記仮想車両からの離脱に必要な前記目標追従距離を算出する際に、前記自車両と前記他車両の相対速度と、前記自車両と前記他車両の衝突までの時間の閾値(TTC2)に基づき算出される前記他車両との安全距離を保つように前記自車両が移動する前記目標追従距離を算出する。
また、前記追従距離算出部は、時系列の目標追従距離を用いて、必要な時だけ目標追従距離を切替え、頻繁な加減速の切替を抑制する。
本実施形態は、上記課題で述べた状況を発生させないように、衝突回避主体の周辺を走行する車両の視点に立った予防運転の方法である。具体的には、他車両同士の衝突回避を想定して自車両が予防運転しておくことで、衝突回避主体が回避に必要な空間を生み出し、他車両同士の衝突回避を支援する車両制御方法である。
既存技術では、現時点でその場所にいない車両に対しては自車両を制御できない。そこで、本実施形態では、シミュレーション上に現実の車両の形状や性能を模擬した車両(仮想車両)を設置し、現実の走行状況に応じて仮想車両の状況を変化させた上で、仮想車両に対して自車制御することで、想定に応じた自車制御を可能にする。さらに、本実施形態では、仮想車両に特有である、車両同士の重なり度合いに応じた制御指令値の算出方法を提案する。これにより、複数台の車両で走行する際に、より安全かつ高効率に、理想的な車両配置へ移行させる。
本実施形態によれば、複数台の車両で走行する際に、衝突回避主体が衝突回避に必要な空間を生み出し、他車両同士の衝突回避を支援することが可能となる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形形態が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1 車両制御装置(第1の実施形態)
2 車両制御装置(第2の実施形態)
100 情報伝達装置
110 センサ
121 通信機
200 処理装置
201 データ管理部
202 走行状況認識部
203 想定状況設定部
204 仮想車両設定部
205 追従距離算出部
206 制御値算出部
207 制御管理部
300 表示部
400 CAN
501 データ管理部
503 想定状況設定部
504 仮想車両設定部
505 追従距離算出部
507 制御管理部
508 コスト算出部
600 通知部
Ve 自車両
Vs 仮想車両

Claims (15)

  1. 自車両及び複数の他車両による走行状況を認識する走行状況認識部と、
    前記走行状況認識部により認識した走行状況に基づき将来の走行状況を想定する想定状況設定部と、
    前記想定状況設定部により想定された前記複数の他車両のうち、前記自車両と並走する他車両の前記将来の走行状況の位置に、仮想車両を設定する仮想車両設定部と、
    前記仮想車両設定部により設定された前記仮想車両の位置と現在の前記自車両の位置に基づき、前記自車両と前記仮想車両の重なり度合いまたは相対距離を計算し、前記重なり度合いまたは相対距離に応じて、前記自車両が前記仮想車両の前方と後方のどちらへ離脱するかを判別し、前記仮想車両に対する前記自車両の目標追従距離を決定する追従距離算出部と、
    前記目標追従距離に応じて前記自車両の加減速制御指令値を算出する制御値算出部と、を備えることを特徴とする車両制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両制御装置において、
    前記自車両が現在の自車位置から前記目標追従距離を満たす位置に移動するまでに要する時間または距離を表す移動コスト、もしくは、前記自車両が現在の自車位置から前記目標追従距離を満たす位置に移動するまでに前記他車両との衝突危険性の高さを表す安全コスト、もしくは、その両方を含むコストを算出するコスト算出部を備え、
    前記追従距離算出部は、前記コスト算出部により算出された前記コストに基づき、前記目標追従距離を決定することを特徴とする車両制御装置。
  3. 請求項2に記載の車両制御装置において、
    前記追従距離算出部は、前記自車両の現在の位置と車両長、前記仮想車両の位置と車両長に基づき、前記自車両が前記仮想車両の前方へ離脱する場合と前記自車両が前記仮想車両の後方へ離脱する場合の目標追従距離を算出し、前記コスト算出部により算出された前記コストの低い前記目標追従距離を判別することを特徴とする車両制御装置。
  4. 請求項1に記載の車両制御装置において、
    前記追従距離算出部は、前記自車両が前記仮想車両からの離脱に必要な前記目標追従距離を算出する際に、前記自車両と前記他車両の相対速度と、前記自車両と前記他車両の衝突までの時間の閾値に基づき算出される前記他車両との安全距離を保つように前記自車両が移動する前記目標追従距離を算出することを特徴とする車両制御装置。
  5. 請求項1に記載の車両制御装置において、
    前記追従距離算出部は、時系列の目標追従距離を用いて、必要な時だけ目標追従距離を切替え、頻繁な加減速の切替を抑制することを特徴とする車両制御装置。
  6. 請求項1に記載の車両制御装置において、
    前記仮想車両設定部は、前記他車両の位置と速度と車両性能に基づき回避経路を算出し、前記回避経路上に前記仮想車両を設定することを特徴とする車両制御装置。
  7. 請求項1に記載の車両制御装置において、
    前記仮想車両設定部は、前記他車両同士の相対距離と相対速度、前記他車両の車両性能と回避開始までの反応時間に基づき、前記他車両が操舵で走行する可能性のある経路の上限と下限の間の領域を操舵領域として算出し、前記他車両とその周囲の車両の位置、車速、加速度に基づき、前記操舵領域の中から前記仮想車両の位置を絞り込むことを特徴とする車両制御装置。
  8. 請求項1に記載の車両制御装置において、
    前記仮想車両設定部は、一度前記仮想車両を設定した後も、ある時間ステップごともしくはあるトリガーがあった場合に、そのときの走行状況もしくは想定状況に基づいて、前記仮想車両の位置を更新することを特徴とする車両制御装置。
  9. 請求項1に記載の車両制御装置において、
    前記想定状況設定部は、前記自車両が定速制御下であり、前記他車両が前記自車両と、閾値以下の相対車速かつ閾値以下の相対距離で、一定時間以上走行する場合に処理を開始することを特徴とする車両制御装置。
  10. 請求項1に記載の車両制御装置において、
    前記想定状況設定部は、地図または前記他車両の車速を用いて、処理開始のケースを絞り込むことを特徴とする車両制御装置。
  11. 請求項1に記載の車両制御装置において、
    前記制御値算出部は、前記自車両の車両搭乗者もしくは車両操作者の許可を取得した上で加減速制御を開始することを特徴とする車両制御装置。
  12. 請求項1に記載の車両制御装置において、
    定速制御の車速設定値と、車間距離制御の車速設定値は、前記自車両の車両搭乗者もしくは車両操作者によって異なる値に設定される、または、地図から制限車速を参照して設定されることを特徴とする車両制御装置。
  13. 請求項1に記載の車両制御装置において、
    前記自車両の加減速制御前に、前記自車両の周囲の車両へ警告音または警告表示、もしくはその両方を実施することを特徴とする車両制御装置。
  14. 請求項1に記載の車両制御装置において、
    前記想定状況設定部は、前記他車両の前方車両の急減速、もしくは、前記他車両への歩行者の飛び出しを想定して、前記他車両の操舵回避を算出することを特徴とする車両制御装置。
  15. 請求項1に記載の車両制御装置において、
    前記自車両と前記他車両と前記仮想車両を区別して表示する表示部を備えることを特徴とする車両制御装置。
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