JP2024035656A - 座屈拘束ブレース - Google Patents

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智裕 薮田
Tomohiro Yabuta
文久 吉田
Fumihisa Yoshida
学 中川
Manabu Nakagawa
拓馬 西
Takuma Nishi
純人 西塔
Sumihito Saito
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Abstract

【課題】鋼製の芯材の周囲に木製の拘束板が配設されている座屈拘束ブレースに関し、座屈拘束ブレースの全体座屈と芯材の高次座屈の双方に対する耐力を有する、座屈拘束ブレースを提供すること。【解決手段】座屈拘束ブレース100は、鋼製で板状の芯材10と、少なくとも芯材10の有する二つの広幅面10aに対向するように配設されている木製で一対の拘束板40と、芯材10の有する2つの広幅面10aと、それぞれの広幅面10aに対応する拘束板40の広幅面との間に介在する一対の鋼製の内装板20と、芯材10の2つの狭幅面10bに対向して、一対の内装板20を繋ぐ一対の鋼製の連結材30とを有する。【選択図】図3

Description

本発明は、座屈拘束ブレースに関する。
従来より、建物の架構(柱・梁架構、屋根架構等)を形成するブレースとして、座屈防止措置が講じられた座屈拘束ブレースが適用されている。座屈拘束ブレースとしては、鋼製の芯材の周囲を鋼板のみで補剛した形態、鋼製の芯材の周囲をRC(Reinforced Concrete:鉄筋コンクリート)で補剛した形態、鋼製の芯材の周囲を鋼材とモルタルで被覆した形態など、多様な補剛形態が存在する。
ところで、昨今、木造建築物(木造住宅、木造の倉庫、木造の競技場など)の耐火性能や耐震性能の向上が図られている。木造住宅は本来的に、間取りやデザインの自由度の高さ、自然物の木材による癒し効果、木材の有する調湿効果、住宅などの建物用途によっては鉄骨造やRC造に比べて建設費用が一般に安価であるといった利点を備えているが、上記する耐火性や耐震性の向上が木造住宅をはじめとする木造建築物の注目度を高めている一つの要因である。このような木造住宅の架構内に上記する従来の座屈拘束ブレースを組み込む場合、木製の柱や梁と、金属製もしくはコンクリート製の補剛材を有する座屈拘束ブレースとが混在することになり、不釣合いな外観となることが否めない。
そこで、座屈拘束ブレースの全体を木製もしくは紙製のパネル等で覆うことにより、金属製もしくはコンクリート製の補剛材を外部から視認できないようにする方策が考えられるが、この方策には多大な作業手間を要することから建設費の増加が懸念される。また、従来の座屈拘束ブレースは、金属やコンクリート、モルタル等が多用されていることから、重量が重くなる傾向にあり、木造住宅を構成する軽量な木製の梁や柱の中に重量のある座屈拘束ブレースを取り付けることは構造的にも不釣合いである。
ここで、特許文献1には、木造住宅をはじめとする木造建築物の架構内に組み込んで使用するのに適した座屈拘束ブレースが提案されている。具体的には、芯材と、芯材の両面に沿って配置した一対の拘束材とを有する座屈拘束ブレースであり、芯材を鋼材にて形成し、一対の拘束材を木材にて形成し、この拘束材に集成材を適用し、集成材は芯材と平行にラミナが積層されたものとした座屈拘束ブレースである。
特許第4901491号公報
特許文献1に記載される座屈拘束ブレースによれば、木材にて形成された一対の拘束材により、座屈拘束ブレースの全体座屈に対する耐力向上を図ることができる。ところで、座屈拘束ブレースには、このような全体座屈の他に、芯材の高次の座屈変形(高次座屈モードの変形)により、芯材から拘束板に局所的に圧縮力等が作用し、この局所的な力に起因して拘束板が破損するといった課題もあるが、特許文献1に記載の座屈拘束ブレースには、このような芯材の高次座屈に対する解決手段の開示はない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、鋼製の芯材の周囲に木製の拘束板が配設されている座屈拘束ブレースに関し、座屈拘束ブレースの全体座屈と芯材の高次座屈の双方に対する耐力を有する、座屈拘束ブレースを提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による座屈拘束ブレースの一態様は、
鋼製で板状の芯材と、
少なくとも前記芯材の有する二つの広幅面に対向するように配設されている木製で一対の拘束板と、
前記芯材の有する2つの前記広幅面と、それぞれの該広幅面に対応する前記拘束板の広幅面との間に介在する一対の鋼製の内装板と、
前記芯材の2つの狭幅面に対向して、一対の前記内装板を繋ぐ一対の鋼製の連結材とを有することを特徴とする。
本態様によれば、芯材の有する2つの広幅面と、それぞれの広幅面に対応する木製の拘束板の広幅面との間に鋼製の内装板が介在することにより、芯材の高次の座屈変形の凸部から作用する力は内装板にまず伝達され、伝達された力は内装板の内部に広がり、内装板の内部に拡散された力が木製の拘束板に作用することになる。このことにより、芯材から作用する複数の局所的な力による木製の拘束板の破損が効果的に抑制される。また、芯材を一対の木製の拘束板が拘束することにより、座屈拘束ブレースの全体座屈を抑制できることから、座屈拘束ブレースの全体座屈と芯材の高次座屈の双方に対する耐力を備えた座屈拘束ブレースを形成できる。
また、芯材と拘束板の間に鋼製の内装板が介在することにより、木製の拘束板に対して乾燥収縮等によるひび割れが生じた場合でも、拘束板の補修を省略することが可能になる。
さらに、芯材の2つの狭幅面に対向する一対の鋼製の連結材にて、一対の内装板が繋がれていることにより、地震時に生じる補剛力を、連結材にて一体化された一対の内装板が受け持つことができる。このことにより、連結材の外側に木製の側板等が存在する場合に、補剛力が側板等に作用して側板等にひび割れや破損が生じることを抑制もしくは抑止できる。ここで、ともに鋼製の連結材と内装板の接続は、溶接により行われる。尚、連結材は、一対の内装板同士を繋ぐバックアップ材と称することもできる。
本態様においては、木製の一対の拘束板により鋼製の芯材が包囲されている。この構成により、本態様の座屈拘束ブレースを木造建築物の架構に適用した場合でも、架構構成部材と不釣合いな外観を与える恐れはない。ここで、拘束板は、無垢材により形成されてもよいし、ラミナが積層された集成材により形成されてもよい。
さらに、本態様においては、木製拘束材が、例えば板状の一対の拘束板により形成されることから、木製拘束材の加工が容易になる。例えば、特許文献1に記載の座屈拘束ブレースは、集成材を加工して断面L型の二つの木製拘束材を製作し、これらを相互に逆さまにして、芯材を挟んだ状態で接続する加工を要する。これに対して、本態様の座屈拘束ブレースは、例えば板状の一対の拘束板の間に芯材と一対の内装板を介在させた状態で拘束板同士を接続することにより、同時に座屈拘束ブレースを製作することができる。そのため、座屈拘束ブレースの製作がより一層容易になる。
また、本発明による座屈拘束ブレースの他の態様は、
1つの前記内装板の一端と1つの前記連結材が一体成形されて、該内装板の長手方向に直交する断面がL形を呈したL形鋼板を有し、
2つの前記L形鋼板の端部同士が繋がれていることを特徴とする。
本態様によれば、1つの内装板の一端と1つの連結材が一体成形されて、内装板の長手方向に直交する断面がL形を呈したL形鋼板を有することにより、部品点数を低減でき、連結材と内装板の溶接接合箇所数を低減できることから、製作性がより一層良好になり、製作コストの削減に繋がる。
また、本発明による座屈拘束ブレースの他の態様は、
一対の拘束板の対応する端部同士を繋ぐ木製で一対の側板をさらに有し、
一対の前記拘束板と一対の前記側板とにより、木製拘束材が形成されていることを特徴とする。
本態様によれば、芯材の周囲が木製拘束材にて完全に包囲されていることにより、より一層外観意匠性に優れた座屈拘束ブレースを形成できる。ここで、拘束板と側板は、接着剤や釘、ビス、ボルトやそれらの複数種により接続することができる。また、上記するように、地震時に生じる補剛力を、連結材にて一体化された一対の内装板が受け持つことができるため、補剛力が側板に作用して側板にひび割れや破損が生じることを抑制もしくは抑止できる。
また、本発明による座屈拘束ブレースの他の態様は、
前記連結材が、一対の前記内装板の端面と面一で溶接接合されていることを特徴とする。
本態様によれば、例えば、一対の拘束板と一対の内装板の端面と連結材が全て面一に配設され、連結材と内装板が溶接接合されていることにより、面一の全面に対して側板の広幅面の全域を当接させ、安定した状態で固定することができる。
また、本発明による座屈拘束ブレースの他の態様は、
前記連結材が、一対の前記内装板の端面よりも側方に張り出した状態で該端面に溶接接合されている、もしくは、一対の前記内装板の端面よりも内側に入り込んだ状態で該端面に溶接接合されていることを特徴とする。
本態様によれば、連結材が、一対の内装板の端面よりも側方に張り出した状態、もしくは内装板の端面よりも内側に入り込んだ状態で内装板の端面に溶接接合されていることにより、連結材と内装板の間に生じた段差を利用して双方を溶接接合することができるため、連結材と内装板の接合性が良好になる。
また、本発明による座屈拘束ブレースの他の態様は、
前記内装板が、平鋼、溝形鋼、山形鋼のいずれか一種により形成されていることを特徴とする。
本態様によれば、内装板が、平鋼、溝形鋼、山形鋼のいずれか一種により形成されていることにより、比較的安価な材料の内装板にて、芯材の高次座屈に対する耐力を備えた座屈拘束ブレースを形成できる。
また、本発明による座屈拘束ブレースの他の態様は、
相互に対向する前記芯材の広幅面と前記内装板の広幅面の少なくとも一部に、アンボンド材が介在していることを特徴とする。
本態様によれば、相互に対向する芯材の広幅面と内装板の広幅面の少なくとも一部にアンボンド材が介在していることにより、ともに鋼製の芯材と内装板の間の摩擦力により、地震時における芯材の変形が抑制され、芯材による地震エネルギー吸収性が阻害されることを抑制もしくは抑止できる。
また、本発明による座屈拘束ブレースの他の態様は、
一対の前記拘束板が、その長手方向に直交する断面形状がL形を呈し、
一対の前記拘束板の内部に、前記芯材と前記内装板と前記連結材が収容されていることを特徴とする。
本態様によれば、一対の拘束板がその長手方向に直交する断面形状がL形を呈し、一対の拘束板によって芯材や内装板が完全に包囲されることにより、拘束板が側板を兼用することから、部品点数を削減しながら、外観意匠性に優れた座屈拘束ブレースを形成できる。
また、本発明による座屈拘束ブレースの他の態様において、
前記芯材は、その長手方向の中央側において前記広幅面の幅が相対的に狭い狭幅部を有し、その長手方向の端部側において前記広幅面の幅が相対的に広い広幅部を有していることを特徴とする。
本態様によれば、芯材がその長手方向の中央側において広幅面の幅が相対的に狭い狭幅部を有し、その長手方向の端部側において広幅面の幅が相対的に広い広幅部を有していることにより、中央側の狭幅部を塑性化し易い領域とすることができ、さらに、塑性化領域を中央側の狭幅部に限定させることができる。また、広幅部と狭幅部の境界領域は芯材の平面積及び断面積が変化する変化領域であることから、芯材に作用する付加曲げモーメントをこの変化領域にて吸収することができる。
付加曲げモーメント(あるいは、単に、付加曲げ)とは、例えば大地震時に架構と座屈拘束ブレースが大きく変形した際に、この変形に起因して木製拘束材に作用し得る曲げモーメントのことである。このように、本態様においては、芯材に作用する付加曲げモーメントを、芯材の広幅部と狭幅部の境界領域にて効果的に吸収することができる。
また、本発明による座屈拘束ブレースの他の態様において、
前記芯材の長手方向の端部の前記広幅面には、該広幅面に直交する補強リブが接合されて断面十字状を呈しており、
一対の前記拘束板のうち、前記補強リブに対応する位置には該補強リブに干渉しないスリットが設けられていることを特徴とする。
本態様によれば、芯材の長手方向の端部においては、芯材の広幅面に直交する補強リブが接合されることにより断面十字状を呈していることから、芯材の広幅面が建物の構面に平行に配設されるようにして座屈拘束ブレースがガセットプレートに取り付けられる場合、芯材が構面に平行な広幅面に直交する補強リブを有することにより、芯材の端部において構面外方向の剛性を高めることができる。このように断面十字状の芯材が取り付けられる構面のガセットプレートにおいては、ガセットプレートに対してフィンスチフナが取り付けられ、座屈拘束ブレースの芯材とガセットプレート、補強リブとフィンスチフナがそれぞれスプライスプレートを介してハイテンションボルト等により接合される。
本態様においては、木製拘束材の補強リブに対応する位置においてスリットが設けられ、このスリットにより木製拘束材と補強リブが干渉しないように構成されていることから、架構と座屈拘束ブレースが構面外に変形した際に、拘束板のスリットの周囲に生じ得る破損や割れを抑制することが可能になる。
例えば、平面視において、スリットと補強リブとの間に一定幅の隙間が存在することにより、構面の変形に応じて芯材が伸縮した際に、この芯材の伸縮を隙間が吸収することができ、伸縮する芯材がスリットの壁面に接触することを解消できる。ここで、この隙間の設定は設計者の裁量に委ねられ、設定された層間変形角に基づいて芯材の伸縮量が算定され、例えば隙間が芯材の伸縮量以上に設定される。尚、ここでの「隙間」は、スリットの長手方向の端部と補強リブの間の隙間の他、スリットの側面と補強リブの間の隙間が含まれる。
以上の説明から理解できるように、本発明の座屈拘束ブレースによれば、鋼製の芯材の周囲に木製の拘束板が配設されている座屈拘束ブレースに関し、座屈拘束ブレースの全体座屈と芯材の高次座屈の双方に対する耐力を有する、座屈拘束ブレースを提供することができる。
実施形態に係る座屈拘束ブレースを形成する芯材の一例を示す斜視図である。 芯材の周囲に、一対の内装板と、一対の内装板の端部を繋ぐ一対の連結材が配設されている状態を示す斜視図である。 第1実施形態に係る座屈拘束ブレースの一例の斜視図である。 図3のIV-IV矢視図であって、第1実施形態に係る座屈拘束ブレースの端部の縦断面図である。 図3のV-V矢視図であって、第1実施形態に係る座屈拘束ブレースの中央部の縦断面図である。 第2実施形態に係る座屈拘束ブレースの一例の端部の縦断面図である。 第2実施形態に係る座屈拘束ブレースの一例の中央部の縦断面図である。 第3実施形態に係る座屈拘束ブレースの一例の端部の縦断面図である。 第3実施形態に係る座屈拘束ブレースの一例の中央部の縦断面図である。 第4実施形態に係る座屈拘束ブレースの一例の端部の縦断面図である。 第4実施形態に係る座屈拘束ブレースの一例の中央部の縦断面図である。 第5実施形態に係る座屈拘束ブレースの一例の端部の縦断面図である。 第5実施形態に係る座屈拘束ブレースの一例の中央部の縦断面図である。 第6実施形態に係る座屈拘束ブレースの一例の端部の縦断面図である。 第6実施形態に係る座屈拘束ブレースの一例の中央部の縦断面図である。 第7実施形態に係る座屈拘束ブレースの一例の端部の縦断面図である。 第7実施形態に係る座屈拘束ブレースの一例の中央部の縦断面図である。 第8実施形態に係る座屈拘束ブレースの一例の端部の縦断面図である。 第8実施形態に係る座屈拘束ブレースの一例の中央部の縦断面図である。 第1実施形態に係る座屈拘束ブレースが木造建物等の架構に組み込まれた状態を示す図である。 大地震時における架構の変形態様と、架構の変形に起因する座屈拘束ブレース接合部における付加曲げモーメントを説明する図である。 座屈拘束ブレースの全体座屈曲線を示す図である。
以下、各実施形態に係る座屈拘束ブレースについて添付の図面を参照しながら説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
[第1実施形態に係る座屈拘束ブレース]
はじめに、図1乃至図5を参照して、第1実施形態に係る座屈拘束ブレースの一例について説明する。ここで、図1は、実施形態に係る座屈拘束ブレースを形成する芯材の一例を示す斜視図であり、図2は、芯材の周囲に、一対の内装板と、一対の内装板の端部を繋ぐ一対の連結材が配設されている状態を示す斜視図であり、図3は、第1実施形態に係る座屈拘束ブレースの一例の斜視図である。また、図4は、図3のIV-IV矢視図であって、第1実施形態に係る座屈拘束ブレースの端部の縦断面図であり、図5は、図3のV-V矢視図であって、第1実施形態に係る座屈拘束ブレースの中央部の縦断面図である。尚、図示する芯材10は、第1実施形態乃至第8実施形態に係る座屈拘束ブレース100~100Gの全てに共通に適用される。
また、以下、構成部材同士の溶接接合は、主として隅肉溶接による接合方法であるが、必要に応じて、開先溶接(完全溶け込み溶接、部分溶け込み溶接)が適用されてもよい。
図1に示すように、芯材10は、細長で板状の平鋼により形成されており、その長手方向の中央側において広幅面10aの幅t1が相対的に狭い狭幅部11を有し、その長手方向の端部側において広幅面10aの幅t2が相対的に広い広幅部12を有している。また、芯材10の長手方向の端部の広幅面10aには、広幅面10aに直交する補強リブ13が溶接にて接合されて断面十字状を呈している。ここで、図示例の広幅部12は狭幅部11からテーパー状に幅が1段に広がる形態であるが、幅が2段以上に広がる多段状の形態であってもよい。
芯材10がその長手方向の中央側に狭幅部11を有し、長手方向の端部側に広幅部12を有することにより、中央側の狭幅部11を塑性化し易い領域(塑性化領域A)とすることができ、さらに、塑性化領域Aを中央側の狭幅部11に限定させることができる。
すなわち、図示例の芯材10では、広幅部12と狭幅部11の境界領域のうち、狭幅部11側の領域において、芯材10の平面積及び断面積が変化してともに小さくなる変化領域となっていることから、塑性化領域Aが形成され易くなる。
また、図示例では、特に広幅部12に補強リブ13が取り付けられ、広幅部12の剛性がより一層高くなっていることによっても、この狭幅部11側の境界領域において塑性化領域Aが形成され易くなる。芯材10に作用する付加曲げモーメントは、この塑性化領域Aにおいて効果的に吸収される。
また、広幅部12と補強リブ13にはそれぞれ、以下で説明するように、構面に設けられているガセットプレートやガセットプレートに取り付けられているフィンスチフナ(図13参照)にスプライスプレートを介してボルト接合されるためのボルト孔12a、13aが開設されている。
芯材10の広幅面10aが建物の構面に平行に配設されるようにして座屈拘束ブレース100がガセットプレートに取り付けられる場合、芯材10が構面に平行な広幅面10aに直交する補強リブ13を有することにより、芯材10の端部において構面外方向の剛性を高めることができる。
芯材10は、SN材(建築構造用圧延鋼材)や、LYP材(極低降伏点鋼材)等の降伏点の低い鋼材にて形成されているのが好ましく、芯材10の降伏による地震エネルギー吸収性が良好になる。
図2に示すように、芯材10の狭幅部11の2つの広幅面10aを挟むようにして、一対の鋼製の内装板20が配設される。内装板20も平鋼により形成され、その広幅面21が芯材10の広幅面10aに当接するようにして配設され、一対の内装板20の端部同士が、芯材10の狭幅面10bに対向する鋼製の連結材30と溶接接合されることにより、一対の内装板20と一対の連結材30とにより芯材10の狭幅部11が包囲される。
図2に示すように、連結材30は、一対の内装板20の狭幅面22(端面の一例)と面一で溶接接合されている。
内装板20のうち、長手方向の端部には、スリット23が設けられており、スリット23に芯材10の端部に接合されている補強リブ13の一部が隙間を備えた状態で遊嵌され、内装板20と補強リブ13との干渉防止が図られている。
図3に示すように、一対の内装板20を挟むようにして木製で一対の拘束板40が配設され、木製で一対の拘束板40の端部に一対の側板50が接続されることにより、木製拘束材60が形成され、木製拘束材60にて芯材10と一対の内装板20が包囲され、座屈拘束ブレース100が形成される。すなわち、内装板20は、芯材10と拘束板40のそれぞれの広幅面の間に介在する。
ここで、拘束板40と側板50の接続は、接着剤や釘、ビス、ボルトのいずれか一種、もしくは複数種により行われる。
一対の拘束板40と一対の内装板20の端面22と連結材30が全て面一に配設され、連結材30と内装板20が溶接接合されていることにより、面一の全面に対して側板50の広幅面の全域を当接させ、安定した状態で側板50を固定することができる。
拘束板40の長手方向の端部には、凹部45が設けられており、凹部45に芯材10の端部に接合されている補強リブ13の一部が遊嵌され、拘束板40と補強リブ13との干渉防止が図られている。
拘束板40は、複数のラミナが積層され、相互に接着されることにより形成されている集成材である。以下で詳説するように、座屈拘束ブレースの全体座屈を防止できるように、木製拘束材60の断面積や断面剛性、ヤング係数等が設定される。そして、このヤング係数は木材の材質により決定される。木材の材質としては、ヒノキやアカマツ、カラマツ、モミ、エゾマツ等が挙げられる。
木製拘束材60が、鋼製の芯材10の長尺な狭幅部11や鋼製の内装板20を包囲することにより、外観意匠性に優れた座屈拘束ブレース100を形成できる。ここで、図示を省略するが、芯材10の狭幅部11の両広幅面10aに突起があり、内装板20の広幅面21における突起に対応する位置に溝があり、双方の溝に対してそれぞれ突起が嵌まり込むことにより、内装板20に対する芯材10のずれが防止されるように構成されてもよい。
図4に示すように、拘束板40の凹部45と補強リブ13との間には所定幅の隙間G1が設けられている。この隙間G1により、座屈拘束ブレース100が取り付けられている構面が強軸方向や弱軸方向に大きく変形した場合に、この隙間G1にて芯材10(及び補強リブ13)の変形を吸収し、補強リブ13が拘束板40に作用して木製拘束材60が破損することを抑制できる。
また、一対の内装板20の端部同士を繋ぐ連結材30は、図4に示すように座屈拘束ブレース100の長手方向の端部においては相対的に狭い幅t5を有し、図5に示すように座屈拘束ブレース100の長手方向の中央部(芯材10の狭幅部11に対応する領域)においては相対的に広い幅t6を有している。
このように、端部における連結材30の幅t5が狭いことにより、芯材10との間に隙間G2が形成される。この隙間G2により、座屈拘束ブレース100が取り付けられている構面が強軸方向や弱軸方向に大きく変形した場合に、この隙間G2にて芯材10の変形を吸収し、芯材10が連結材30を介して側板50に作用して木製拘束材60が破損することを抑制できる。
また、図4と図5に示すように、芯材10の広幅面10aと内装板20の広幅面21との間には、アンボンド材70が介在している。ここで、アンボンド材70は、所定厚み(例えば0.5mm程度)のブチルゴム等が適用できるが、厚み管理を前提として、アンボンド材に代わり空隙が設けられてもよい。
ここで、図示例は、芯材10の広幅面10aの全域にアンボンド材70が設けられているが、広幅面10aの一部にのみアンボンド材が設けられてもよい。
このように、相互に対向する芯材10の広幅面10aと内装板20の広幅面21の少なくとも一部にアンボンド材70が介在していることにより、ともに鋼製の芯材10と内装板20の間の摩擦力により、地震時における芯材10の変形が抑制され、芯材10による地震エネルギー吸収性が阻害されることを抑制もしくは抑止できる。
座屈拘束ブレース100によれば、芯材10の有する2つの広幅面10aと、それぞれの広幅面10aに対応する木製の拘束板40の広幅面との間に鋼製の内装板20が介在することにより、芯材10の高次の座屈変形の凸部から作用する力は内装板20にまず伝達され、伝達された力は内装板20の内部に広がり、内装板20の内部に拡散された力が木製の拘束板40に作用することになる。このことにより、芯材10から作用する複数の局所的な力による木製の拘束板40の破損が効果的に抑制される。また、芯材10を一対の木製の拘束板40を含む木製拘束材60が拘束することにより、座屈拘束ブレース100の全体座屈を抑制できることから、座屈拘束ブレース100の全体座屈と芯材10の高次座屈の双方に対する耐力を備えた座屈拘束ブレースとなる。
また、芯材10と拘束板40の間に鋼製の内装板20が介在することにより、木製の拘束板40に対して乾燥収縮等によるひび割れが生じた場合でも、拘束板40の補修を省略できる。
また、芯材10の2つの狭幅面10bに対向する一対の鋼製の連結材30にて、一対の内装板20が繋がれていることにより、地震時に生じる補剛力を、連結材30にて一体化された一対の内装板20が受け持つことができる。このことにより、連結材30の外側に存在する木製の側板50に補剛力が作用して、側板50にひび割れや破損が生じることを抑制もしくは抑止できる。
さらに、連結材30にて一体化された一対の内装板20が補剛力を受け持つことにより、例えば側板50と拘束板40をボルト接合する際のボルトの本数を低減することができる。すなわち、図示例の構成でない場合は、このボルトが側板に作用する補剛力に抵抗して側板が開こうとするのを防ぐ役割を担うことになるが、図示例の形態ではこのようなボルトへの負荷が低減されるため、ボルトの本数低減や解消を図ることが可能になる。
[第2実施形態乃至第8実施形態に係る座屈拘束ブレース]
次に、図6乃至図12を参照して、第2実施形態乃至第8実施形態に係る座屈拘束ブレースの一例について説明する。ここで、各実施形態は、座屈拘束ブレース100と同様の芯材10を備えており、内装板や連結材が相互に異なっており、このこととの関連で座屈拘束ブレース100と木製拘束材の構成が相違する形態もある。また、各図では、A図が図4に対応し、B図が図5に対応しており、座屈拘束ブレースの端部と中央部の縦断面図により各実施形態を説明するものとする。さらに、各実施形態では、図面の視認のし易さから図4及び図5に示すアンボンド材70の図示を省略しているが、各実施形態は座屈拘束ブレース100と同様にアンボンド材70を備えている。
図6Aと図6Bに示す第2実施形態に係る座屈拘束ブレース100Aは、連結材30が、一対の内装板20の狭幅面22(端面の一例)と面一で溶接接合されることに代わり、連結材30が内装板20の狭幅面22よりも側方に張り出した状態で狭幅面22に溶接接合されている点において、座屈拘束ブレース100と相違する。
連結材30が、一対の内装板20の端面22よりも側方に張り出した状態で内装板20の端面22に溶接接合されていることにより、連結材30と内装板20の間に生じた段差25を利用して双方を溶接接合することができるため、連結材30と内装板20の接合性が良好になる。
一方、図7Aと図7Bに示す第3実施形態に係る座屈拘束ブレース100Bは、連結材30が内装板20の狭幅面22よりも側方に張り出した状態となることに代わり、連結材30が内装板の端面22よりも内側に入り込んだ状態で端面22に溶接接合されている点において、座屈拘束ブレース100Aと相違する。
連結材30が、一対の内装板20の端面22よりも内側に入り込んだ状態状態で内装板20の端面22に溶接接合されていることにより、連結材30と内装板20の間に生じた段差25を利用して双方を溶接接合することができるため、連結材30と内装板20の接合性が良好になる。
図8Aと図8Bに示す第4実施形態に係る座屈拘束ブレース100Cは、鋼板からなる内装板20に代わり、溝形鋼により形成される内装板20Aを適用する点において、座屈拘束ブレース100と相違する。
溝形鋼からなる内装板20Aの左右のフランジ27との干渉を防止するべく、拘束板40の端部にはフランジ27が収容される凹部46が設けられている。
また、内装板20Aにおいても、その端部には、芯材10の補強リブ13との干渉を防止するためのスリット23Aが設けられている。
図示例の一対の内装板20Aのフランジ27の側面と連結材30は、面一に配設された状態で溶接接合されている。ここで、図6や図7に示すように、双方の間に段差25を生じさせ、段差25を利用して双方を溶接接合する形態であってもよい。
また、図示を省略するが、図8Aと図8Bに示す連結材30の位置にスペーサを介在させ、一対のフランジ27の外側面同士を繋ぐように平鋼からなる連結材を配設し、連結材と一対のフランジ27を溶接接合してもよい。
図9Aと図9Bに示す第5実施形態に係る座屈拘束ブレース100Dは、溝形鋼からなる内装板20Aに代わり、山形鋼からなる内装板20Bを適用する点において、座屈拘束ブレース100Cと相違する。
図9Aに示すように、座屈拘束ブレース100Dの長手方向の端部においては、山形鋼からなる4つの内装板20Bが、芯材10と上下の補強リブ13により形成される4つの隅角部に配設される。各山形鋼の一方のフランジ28は、凹部45の内部に収容される。そして、対向するフランジ28同士が、連結材30,30Aと溶接接合されることにより繋がれる。
一方、座屈拘束ブレース100Aの長手方向の中央部においては、各内装板20Bのフランジ28が収容される凹部47が設けられている。ここで、図示例は、上下にある左右一対の凹部47の間に拘束板40の木材が介在しているが、この木材が介在せず、従って横幅の広い1つの凹部の中に左右一対のフランジ28が収容される形態であってもよい。
図10Aと図10Bに示す第6実施形態に係る座屈拘束ブレース100Eは、内装板20Cが鋼板の端部が折り曲げ加工されることにより凸部29を有したL形鋼板からなり、凸部29が座屈拘束ブレース100を形成する連結材30に相当する点において、座屈拘束ブレース100と相違する。ここで、鋼板の折り曲げ加工の他にも、内装板20Cの全体が一体成形されたL形鋼板からなる形態であってもよい。
凸部29の端部と他方の内装板20Cの端部が溶接接合されることにより、矩形枠状の閉合構造を形成し、その内部に芯材が収容される。
座屈拘束ブレース100Eによれば、他の形態において必須の構成である連結材30を不要にでき、部品点数の低減に繋がる。また、図4等において明らかなように、一対の連結材30と一対の内装板20の溶接接合箇所は4箇所となるのに対して、図10A,10Bに示す2つの内装板20Cの溶接接合箇所は2箇所となることから、製作性がより一層良好になり、部品点数の低減と合わせて製作コストの削減に繋がる。
図11Aと図11Bに示す第7実施形態に係る座屈拘束ブレース100Fは、一対の拘束板40の外側面に側板50が配設された木製拘束材60に代わり、一対の拘束板40の対向する端部の間に小断面の側板50Aが介在した木製拘束材60Aを備えている点において、座屈拘束ブレース100と相違する。
座屈拘束ブレース100Fによれば、木製拘束材60Aの全体幅を可及的に小さくできることから、座屈拘束ブレース100Fの全体寸法の狭小化を図ることができ、重量低減を図ることができる。
図12Aと図12Bに示す第8実施形態に係る座屈拘束ブレース100Gは、側板50を廃し、長手方向に直交する断面形状がL形を呈した一対の拘束板40Aにより形成される木製拘束材60Bを備えている点において、座屈拘束ブレース100と相違する。
座屈拘束ブレース100Gによれば、側板を省略できることから部品点数の低減を図ることができ、木製拘束材60Bの全体幅を可及的に小さくできることから、座屈拘束ブレース100Gの全体寸法の狭小化を図ることができ、重量低減を図ることができる。
[座屈拘束ブレースが組み込まれた架構]
次に、図13と図14を参照して、座屈拘束ブレース100が組み込まれた建物の架構の一例について説明する。ここで、図13は、実施形態に係る座屈拘束ブレースが木造建物等の架構に組み込まれた状態を示す図である。また、図14は、大地震時における架構の変形態様と、架構の変形に起因する座屈拘束ブレース接合部における付加曲げモーメントを説明する図である。尚、図示例の座屈拘束ブレースは、木造建物の架構以外にも、S造(S:Steel)建物の架構、RC造建物の架構、SRC造(SRC : Steel Reinforced Concrete)建物の架構に組み込まれてもよい。また、架構に組み込まれる座屈拘束ブレースは、その他の実施形態に係る座屈拘束ブレース100A~100Gであってもよい。
図13に示す架構Sは、木造建築物等を構成する木製の柱Cと梁Bにより形成されている。対角線位置にある二つの隅角部には、平鋼により形成されるガセットプレートGPが取付けられている。ガセットプレートGPの表面には、該表面に直交するようにフィンスチフナFSが溶接にて接合されている。柱Cの柱芯L1と梁Bの梁芯L2の交点Oに対して、フィンスチフナFSの芯L3が交差するようにしてフィンスチフナFSがガセットプレートGPに接合される。そして、座屈拘束ブレース100も、対角位置にある双方の交点Oを通る線状に配設される。
ガセットプレートGPと芯材10の広幅部12は、スプライスプレートSPを介してハイテンションボルトにより接合され、フィンスチフナFSと補強リブ13は、スプライスプレートSPを介してハイテンションボルトにより接合される。
図14に示すように、大地震時において構面が変形することにより、座屈拘束ブレース接合部においては、接合部を剛と見なした場合に、以下の式(1)に示す付加曲げモーメントが作用し得る。
Figure 2024035656000002
座屈拘束ブレース100によれば、芯材10の広幅面10aと拘束板40の間に鋼製の内装板20が介在することにより、芯材10の高次の座屈変形の凸部から作用する力を内装板20にて吸収し、芯材10から木製の拘束板40に対して複数の局所的な力が作用することを低減(緩和)することによって拘束板40の破損が抑制される。また、芯材10を一対の木製の拘束板40を含む木製拘束材60が拘束することにより、座屈拘束ブレース100の全体座屈を抑制でき、従って、全体座屈と芯材10の高次座屈の双方に対する耐力を備えた座屈拘束ブレース100となる。そのため、耐震性に優れた架構Sを形成することが可能になる。
[全体座屈の検討]
次に、座屈拘束ブレースの全体座屈を防止するための設計方法について説明する。
座屈拘束ブレースの設計においては、以下の式(2)を満足して座屈拘束ブレースの全体座屈が生じないように設計する。
Figure 2024035656000003
ここで、拘束板の中央に作用する曲げモーメントは、以下の式(3)で示すことができる。
Figure 2024035656000004
木製拘束材の全体座屈を防止する条件は、以下の式(4)を満足することとなる。
Figure 2024035656000005
式(4)を座屈拘束ブレースの全体座屈曲線として図15に示す。図15において、全体座屈曲線の上側は安全域であり、下側は危険域であり、安全域に入るように木製拘束材の設計用軸力、オイラー荷重、芯材の一般部の長さ、及び木製拘束材の降伏曲げ耐力が設定される。尚、図15に示す座屈拘束ブレースの全体座屈曲線は、芯材の弱軸方向の全体座屈、強軸方向の全体座屈の双方に妥当する。
上記する木製拘束材の降伏曲げ耐力と作用する曲げモーメントとの関係を照査することの他にも、短期の木製拘束材の許容曲げ耐力が芯材降伏時に作用する曲げモーメントよりも大きくなることも合せて照査するのがよい(数式は省略)。
[木製拘束材のめり込み破壊の検討]
次に、木製拘束材のめり込み破壊の検討方法について説明する。座屈拘束ブレース100等は、芯材と拘束板の間に内装板が介在することから、芯材が拘束板に直接めり込む恐れはないが、仮に内装板が存在しないとした場合に、芯材が木製拘束材に対してめり込むことにより、木製拘束材が破壊することを防止するには、以下の式(5)を満足することを検証する。
Figure 2024035656000006
ここで、上記する拘束板のめり込み耐力と作用する補剛力との関係を照査することの他にも、短期の拘束板の許容めり込み耐力が芯材降伏時に作用する補剛力よりも大きくなることも合せて照査するのがよい(数式は省略)。
尚、上記実施形態に挙げた構成等に対し、その他の構成要素が組み合わされるなどした他の実施形態であってもよく、ここで示した構成に本発明が何等限定されるものではない。この点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
10:芯材
10a:広幅面
10b:狭幅面
11:狭幅部
12:広幅部
12a:ボルト孔
13:補強リブ
13a:ボルト孔
20,20A,20B,20C:内装板
21:広幅面
22:狭幅面(端面)
23,23A:スリット
25,26:段差
27,28:フランジ
29:凸部
30,30A,30B:連結材
40,40A:拘束板
45,46,47:凹部
48:凸部
50,50A:側板
60,60A,60B:木製拘束材
70:アンボンド材
100,100A,100B,100C,100D,100E,100F,100G:座屈拘束ブレース
A:塑性化領域
G1,G2:隙間
S:架構(構面)
C:柱
B:梁
GP:ガセットプレート
FS:フィンスチフナ
SP:スプライスプレート

Claims (10)

  1. 鋼製で板状の芯材と、
    少なくとも前記芯材の有する二つの広幅面に対向するように配設されている木製で一対の拘束板と、
    前記芯材の有する2つの前記広幅面と、それぞれの該広幅面に対応する前記拘束板の広幅面との間に介在する一対の鋼製の内装板と、
    前記芯材の2つの狭幅面に対向して、一対の前記内装板を繋ぐ一対の鋼製の連結材とを有することを特徴とする、座屈拘束ブレース。
  2. 1つの前記内装板の一端と1つの前記連結材が一体成形されて、該内装板の長手方向に直交する断面がL形を呈したL形鋼板を有し、
    2つの前記L形鋼板の端部同士が繋がれていることを特徴とする、請求項1に記載の座屈拘束ブレース。
  3. 一対の拘束板の対応する端部同士を繋ぐ木製で一対の側板をさらに有し、
    一対の前記拘束板と一対の前記側板とにより、木製拘束材が形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の座屈拘束ブレース。
  4. 前記連結材が、一対の前記内装板の端面と面一で溶接接合されていることを特徴とする、請求項1に記載の座屈拘束ブレース。
  5. 前記連結材が、一対の前記内装板の端面よりも側方に張り出した状態で該端面に溶接接合されている、もしくは、一対の前記内装板の端面よりも内側に入り込んだ状態で該端面に溶接接合されていることを特徴とする、請求項1に記載の座屈拘束ブレース。
  6. 前記内装板が、平鋼、溝形鋼、山形鋼のいずれか一種により形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の座屈拘束ブレース。
  7. 相互に対向する前記芯材の広幅面と前記内装板の広幅面の少なくとも一部に、アンボンド材が介在していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の座屈拘束ブレース。
  8. 一対の前記拘束板が、その長手方向に直交する断面形状がL形を呈し、
    一対の前記拘束板の内部に、前記芯材と前記内装板と前記連結材が収容されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の座屈拘束ブレース。
  9. 前記芯材は、その長手方向の中央側において前記広幅面の幅が相対的に狭い狭幅部を有し、その長手方向の端部側において前記広幅面の幅が相対的に広い広幅部を有していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の座屈拘束ブレース。
  10. 前記芯材の長手方向の端部の前記広幅面には、該広幅面に直交する補強リブが接合されて断面十字状を呈しており、
    一対の前記拘束板のうち、前記補強リブに対応する位置には該補強リブに干渉しないスリットが設けられていることを特徴とする、請求項7に記載の座屈拘束ブレース。
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