JP2024035472A - ボールねじ - Google Patents

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Abstract

【課題】エンドキャップ式のボールねじにおいて、エンドキャップの低コスト化を図りつつ、ボールをスムーズに循環移動可能とする。【解決手段】ナット3が、内周面に雌ねじ溝12が形成されたナット本体4と、ナット本体4の一端及び他端にそれぞれ組み付けられたエンドキャップ5とを有し、エンドキャップ5が、雌ねじ溝12とねじ軸2の雄ねじ溝11とで形成される螺旋状の転走路13と、この転走路13の径方向外側でナット本体を軸方向に貫通する戻し通路14とを接続する接続路15(16)を形成するボールねじ1において、エンドキャップ5は、金属板を素材とする金属部品とされ、ナット本体4により軸方向に弾性的に圧縮された状態でナット本体4に組み付けられている。【選択図】図5

Description

本発明は、ボールねじに関する。
下記の特許文献1には、複数のボールを介して相対回転するねじ軸及びナットを備え、ナットが、内周面に雌ねじ溝が形成されたナット本体と、ナット本体の一端及び他端にそれぞれ組み付けられた循環部材としてのエンドキャップ(同文献中では「エンドデフレクタ」)と、を備えたボールねじが記載されている。このボールねじにおいては、ねじ軸の外周面に形成された雄ねじ溝とこれに対向する上記雌ねじ溝との間に画成される螺旋状の転走路と、転走路の径方向外側でナット本体を軸方向に貫通する戻し通路と、各エンドキャップに設けられたボール案内溝により形成され、転走路と戻し通路を接続する一組の接続路とで一連のボール循環路が形成される。そして、ねじ軸とナットが相対回転するのに伴い、上記ボール通路内に配された複数のボールが上記ボール循環路を循環移動する。
上記のボールねじにおいては、エンドキャップが樹脂製とされ、このエンドキャップに設けられた係止爪をナット本体の雌ねじ溝に係合させる所謂スナップフィットにより、エンドキャップがナット本体に組み付けられている。係る固定方法であれば、ナット本体に対するエンドキャップの組み付けを簡便に実施することができる。なお、ナット本体にエンドキャップを組み付ける際には、併せて、エンドキャップに設けた凹部をナット本体に設けた凸部に嵌合(係合)させるようにしても良い、としている。
特許第5411313号公報
上記のボールねじのように、樹脂製のエンドキャップをスナップフィットによってナット本体に組み付ける場合には、エンドキャップの係止爪とナット本体のはめあい部にすきまを設けて、ナット本体に組み付けたエンドキャップのガタを許容するのが一般的である。これは、仮に、樹脂製のエンドキャップをスナップフィットによってナット本体に対してガタ無く組み付けた場合には、エンドキャップの一部(特に係止爪)に荷重が作用し続けるため、エンドキャップにクリープが生じて破損等する可能性が高くなるからである。
しかしながら、エンドキャップのガタを許容すると、ボールねじの作動時(ねじ軸とナットの相対回転時)にナット本体とエンドキャップの相対的な位置関係に狂いが生じ、ボールがボール循環路をスムーズに循環移動できなくなるおそれがある。ボールがスムーズに循環移動できないと、ボールねじの作動トルクが増加する、ボールの循環移動に伴って異音や振動が発生する、などといった問題が生じ易くなる。
また、係る作動性等の問題とは別に、複雑な凹凸形状をなした特許文献1のエンドキャップを樹脂で射出成形する場合には、成形金型及びその駆動機構の複雑化に起因した部品コストの増加が懸念される。
以上のような懸念事項に鑑み、本発明は、いわゆるエンドキャップ式のボールねじにおいて、エンドキャップの低コスト化を図りつつ、ボールをスムーズに循環移動可能として所望の作動性を安定的に発揮可能とすることを主な目的とする。
上記の目的を達成するために創案された本発明は、複数のボールを介して相対回転するねじ軸及びナットを備え、ナットが、内周面に雌ねじ溝が形成されたナット本体と、ナット本体の一端及び他端にそれぞれ組み付けられたエンドキャップとを有し、各エンドキャップが、ねじ軸の外周面に形成された雄ねじ溝と上記雌ねじ溝とで形成される螺旋状の転走路と、この転走路の径方向外側でナット本体を軸方向に貫通する戻し通路とを接続する接続路を形成し、ねじ軸とナットの相対回転に伴い、転走路、戻し通路及び一組の接続路を有する一連のボール循環路を複数のボールが循環移動するボールねじにおいて、各エンドキャップは、金属板を素材とする金属部品とされ、ナット本体により軸方向に弾性的に圧縮された状態でナット本体に組み付けられていることを特徴とする。
本発明に係るボールねじにおいては、エンドキャップが金属板を素材とする金属部品とされる。すなわち、エンドキャップは、例えば、金属板にプレス加工を施すことで所定形状に成形されたプレス成形品、あるいはレーザ加工(レーザ切断)やプレス加工を経て所定形状に仕上げられた金属部品とすることができる。このようにすれば、所定形状のエンドキャップを低コストに量産できることに加え、ナット本体への組み付けに伴ってエンドキャップに応力が連続的に負荷されてもエンドキャップにクリープが発生するのを防止することができる。従って、時間経過に伴って、ナット本体に対するエンドキャップの組み付け状態が変化(組み付け精度が低下)するのを可及的に防止することができる。
また、エンドキャップは、ナット本体により軸方向に弾性的に圧縮された状態、つまり、自身の軸方向の弾性復元力によってナット本体に対して軸方向に押し付けられた状態(ガタ止めされた状態)でナット本体に組み付けられている。このため、ねじ軸とナットの相対回転に伴って複数のボールがボール循環路を循環移動するときにも、ナット本体とエンドキャップの相対的な位置関係に狂いが生じ難い。これらの作用効果が相俟って、複数のボールがボール循環路をスムーズに循環移動できて動作精度に優れたボールねじを低コストに実現することができる。
ところで、上記のようなボール循環路をボールが循環移動する際には、ボールの移動方向が大きく変化する転走路と接続路の連結部分、及び戻し通路と接続路の連結部分で、ボールが滞留する「ボール詰まり」が生じ易い。そこで、各エンドキャップは、軸方向のさらなる弾性変形が許容された状態でナット本体に組み付けておくのが好ましい。このようにしておけば、例えば、エンドキャップに軸方向外向きの加圧力を付与することによりエンドキャップをさらに軸方向に圧縮変形させると、ナット本体とエンドキャップの密着状態を一時的に解消することができるので、上記連結部分でのボール詰まりを解消し易くなる。
ボールねじのコスト低減を図る上では、エンドキャップを金属板のプレス成形品とするのが好ましい。
ボール通路のうちの接続路を形成するエンドキャップには、接続路を形成するボール案内溝を設けることができる。このボール案内溝は、金属板に絞り加工を施すことにより、あるいは金属板に曲げ加工を施すことにより成形することができる。
特許文献1のボールねじのように、ボール循環路の一部を形成するエンドキャップを樹脂製とすると、内部潤滑を行うための潤滑剤としてグリースを使用する場合、エンドキャップの成形用樹脂材料の種類によっては膨潤が生じるため、使用可能なグリースに制約が生じる。一方、本発明に係るボールねじでは、エンドキャップが金属部品であることから、ねじ軸、ナット本体及び複数のボールも金属製(金属部品)とすれば、ボール循環路のうち少なくとも転走路に充填するグリースの選択自由度を高めることができる。これにより、内部潤滑がグリースにより行われる長寿命のボールねじを容易に実現することができる。
以上のことから、本発明によれば、いわゆるエンドキャップ式のボールねじにおいて、エンドキャップの低コスト化を図りつつ、ボールをスムーズに循環移動可能として所望の作動性を安定的に発揮することが可能となる。よって、本発明に係るボールねじは、低コストでありながら、ボールがスムーズに循環移動できて作動性に優れる、という特徴を有する。
(a)図は、本発明の実施形態に係るボールねじの正面図、(b)図は、(a)図のA-A線矢視断面図である。 ボールねじの分解斜視図である。 図2の部分拡大図である。 (a)図は、エンドキャップの斜視図、(b)図は、同エンドキャップを(a)図とは反対側から見たときの斜視図である。 図1(a)のB-B線矢視断面図である。 ナット本体にエンドキャップを組み付けている最中の部分拡大断面図である。 ナット本体に組み付けられたエンドキャップが弾性変形した様子を示す部分拡大断面図である。 (a)図は、変形例に係るエンドキャップの斜視図、(b)図は、同エンドキャップを(a)図とは反対側から見たときの斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明で使用する「軸方向」とは、ボールねじ1を構成するねじ軸2の中心軸に沿う方向であり、「周方向」とは、上記中心軸を中心とする円の周方向である。
図1(a)は、本発明の実施形態に係るボールねじ1の正面図であり、図1(b)は、図1(a)のA-A線矢視断面図であり、図2は、ボールねじ1の分解斜視図である。これら図1(a)(b)及び図2に基づき、ボールねじ1の全体構造を説明する。但し、ナット3の内部構造を説明する上での便宜から、図1(a)(b)においてはねじ軸2の図示を省略している。
図1(a)(b)及び図2に示すように、ボールねじ1は、外周面に螺旋状の雄ねじ溝11が形成されたねじ軸2と、雄ねじ溝11と対向する螺旋状の雌ねじ溝12を有するナット3と、互いに対向する雄ねじ溝11と雌ねじ溝12の間に画成される転走路13に介在する複数のボール6と、を備え、ねじ軸2、ナット3(の構成部材であるナット本体4及びエンドキャップ5)並びにボール6は、何れも金属材料で形成された金属部品である。このボールねじ1は、ねじ軸2がその軸線回りに回転するのに伴ってナット3が軸方向に進退移動(直線運動)するねじ軸回転タイプとして使用される場合と、ナット3がその軸線回りに回転するのに伴ってねじ軸2が軸方向に進退移動するナット回転タイプとして使用される場合とがある。ねじ軸回転タイプのボールねじ1では、回転規制手段によってナット3の回転が規制され、ナット回転タイプのボールねじ1では、回転規制手段によってねじ軸2の回転が規制される。
ナット3は、円筒状に形成されたナット本体4と、ナット本体4の軸方向一方側及び他方側の端部(一端及び他端)にそれぞれ組み付けられた円弧状のエンドキャップ5,5とを有する。ナット本体4の一端面4a及び他端面4bには、ナット本体4の軸方向中央側に凹んだ円弧状の凹部7がそれぞれ形成されており、これら凹部7にエンドキャップ5が組み付けられている。本実施形態では、ナット本体4の一端及び他端にそれぞれ組み付けられるエンドキャップ5を同じ部品としている。このため、ナット本体4の一端面4a及び他端面4bにそれぞれ形成された凹部7は同一の形状・構造を有する。
ナット本体4の内周面には上記雌ねじ溝12が形成されている。この雌ねじ溝12は、ねじ軸2の外周面に形成された雄ねじ溝11と対向してボール6が転動する螺旋状の転走路13を画成する。また、ナット本体4には、雌ねじ溝12の径方向外側でナット本体4を軸方向に貫通する貫通孔からなる戻し通路14が形成されている。戻し通路14としての貫通孔は、その一端及び他端が、一端面4a及び他端面4bにそれぞれ形成された凹部7の内底面7aに開口するように形成されている。
ナット本体4の一端側凹部7に組み付けられたエンドキャップ5は、これに設けられたボール案内溝5bにより、転走路13と戻し通路14の一端同士を接続する接続路15を形成している。また、ナット本体4の他端側凹部7に組み付けられたエンドキャップ5は、これに設けられたボール案内溝5bにより、転走路13と戻し通路14の他端同士を接続する接続路16を形成している。このようにして、ナット3には、転走路13と、戻し通路14と、一組の接続路15,16とからなる一連のボール通路17が設けられる。
ボール6は、ボール通路17内に連続して配設されており、ねじ軸2とナット3が相対回転するのに伴ってボール通路17を循環移動する。例えば、ねじ軸回転タイプのボールねじ1の場合、回転側部材であるねじ軸2がその軸線回りに正回転すると、転走路13内を転動するボール6は、接続路15を介して戻し通路14の一端に導入された後、戻し通路14及び接続路16を介して転走路13に導入(再導入)される。また、ねじ軸2がその軸線回りに逆回転すると、転走路13内を転動するボール6は、接続路16を介して戻し通路14の他端に導入された後、戻し通路14及び接続路15を介して転走路13に導入される。係る態様でボール6がボール通路17を循環移動することにより、直動側部材であるナット3が滑らかに進退移動する。
本実施形態のボールねじ1は、ナット本体4に対するエンドキャップ5の組み付け構造に主たる特徴があることから、以下、その組み付け構造について詳細に説明する。前述したとおり、本実施形態では、ナット本体4の一端及び他端にそれぞれ組み付けられたエンドキャップ5は同一部品であり、このエンドキャップ5が実際に組み付けられた凹部7も同一形状・構造を有することから、一端側のエンドキャップ5の組み付け構造を代表例にとって説明する。
まず、図3に拡大して示すように、凹部7の内壁面(内側面)には、凹部7に組み付けられるエンドキャップ5(に設けた爪部5c,5dの先端)が嵌合される嵌合溝8が形成されている。嵌合溝8は、図1(a)のB-B線矢視断面図である図5に示すように、軸方向に間隔を空けて設けられた第1壁面8aと第2壁面8b(凹部7の内底面7a)の間に画成されている。
図1(b)に示すように、ナット本体4の一端側凹部7に組み付けられたエンドキャップ5は、その全体が凹部7に収容された状態、つまり軸方向外側の端部をナット本体4の一端面4aと同一平面上、あるいは一端面4aよりも軸方向内側(ナット3の軸方向中央側)に位置させた状態でナット本体4に組み付けられている。
エンドキャップ5は、金属板を素材とする金属部品、ここでは、金属板にプレス加工を施すことで所定形状に成形されたプレス成形品とされる。このエンドキャップ5は、図4(a)(b)に拡大して示すように、凹部7の正面視形状に対応する略円弧状に形成された基部5aと、基部5aの一部を軸方向外側に膨出させることにより形成されたボール案内溝5bと、基部5aの周方向一方側及び他方側の端部にそれぞれ形成された爪部5c,5dとを有する。図5にも示すように、爪部5cの先端には断面略V字状に形成されたばね部5eが設けられており、このばね部5eは、エンドキャップ5をナット本体4に組み付けたときに、ナット本体4の凹部7の内側面に形成された嵌合溝8に嵌合される。ばね部5eの軸方向寸法(詳細には、エンドキャップ5がナット本体4に組み付けられていない自由状態におけるばね部5eの軸方向寸法)は、嵌合溝8の溝幅dよりも大きくなっている(図5及び図6を参照)。詳細な図示は省略するが、爪部5dの先端にも上記同様のばね部5eが設けられている。
金属板のプレス成形品とされる本実施形態のエンドキャップ5においては、金属板を打ち抜くことにより基部5a及び爪部5c,5dが得られ、基部5a(金属板のうち基部5aとなる部分)に絞り加工を施すことによりボール案内溝5bが得られ、爪部5c,5d(所定形状に打ち抜かれた金属板のうち爪部5c,5dとなる部分)の先端に曲げ加工を施すことによりばね部5eが得られる。
ナット本体4に対するエンドキャップ5の組み付けは、図6に示すように、エンドキャップ5の内端面(軸方向内側の端面)5fとナット本体4の凹部7の内底面7aとを対向させた状態でエンドキャップ5とナット本体4とを相対的に接近移動させ、凹部7の内側にエンドキャップ5を嵌め込むことにより行われる。上記のとおり、エンドキャップ5は、これを凹部4に組み付けたときに、爪部5c,5dの先端に設けたばね部5eが、凹部4の内側面に形成した嵌合溝8に嵌合するように形成されていることから、凹部7へのエンドキャップ5の嵌め込みは、爪部5c,5dの先端側が爪部5c,5dの付け根側に弾性的に曲げ変形した状態で進行する(図6中の白抜き矢印参照)。
そして、エンドキャップ5の内端面5fが凹部7の内底面7aに当接すると、爪部5c,5dの先端に作用していた曲げ応力が解放されて爪部5c,5dが弾性復元力によって自然状態に復帰し、ばね部5eが嵌合溝8に嵌合される。前述したように、嵌合溝8の溝幅dは、自由状態におけるばね部5eの軸方向寸法よりも小さいことから、ばね部5eは、ナット本体4により軸方向に弾性的に圧縮された状態で嵌合溝10に嵌合することになる。このため、エンドキャップ5は、ばね部5eの弾性復元力により、ばね部5eの一部を嵌合溝8の軸方向外側の縁部(第1壁面8a)に押し付けると共に、内端面5fを凹部7の内底面7a(第2壁面8b)に押し付けた状態でナット本体4の凹部7に組み付けられる。
なお、エンドキャップ5がナット本体4の凹部7に対して組み付けられたとき、エンドキャップ5のばね部5eは、軸方向のさらなる弾性変形(弾性的な圧縮変形)が許容されている。従って、エンドキャップ5は、軸方向のさらなる弾性変形(弾性的な圧縮変形)が許容された状態でナット本体4の凹部7に組み付けられている。
以上のようにしてエンドキャップ5がナット本体4の一端側凹部7に対して組み付けられると、ナット本体4の内周面に形成された雌ねじ溝12(により画成される転走路13)と、雌ねじ溝12の径方向外側でナット本体4を軸方向に貫通する戻し通路14の一端同士が、エンドキャップ5に設けられたボール案内溝5b(により形成される接続路15)を介して接続される。また、以上と同様にして、ナット本体4の他端側凹部7に対してエンドキャップ5が組み付けられると、このエンドキャップ5に設けられたボール案内溝5b(により形成される接続路16)を介して転走路13と戻し通路14の他端同士が接続される。
以上で説明した本実施形態のボールねじ(エンドキャップ式のボールねじ)1においては、ナット本体4の一端及び他端にそれぞれ組み付けられた金属板のプレス成形品であるエンドキャップ5が、ナット本体4により軸方向に弾性的に圧縮された状態でナット本体4の凹部7に組み付けられている(より詳細には、エンドキャップ5の爪部5c,5dの先端に設けたばね部5eが軸方向に弾性的に圧縮された状態で凹部7に形成した嵌合溝8に嵌合されている)。
このように、エンドキャップ5を、金属板のプレス成形品とすれば、所定形状のエンドキャップ5を低コストに量産できることに加え、ナット本体4への組み付けに伴ってエンドキャップ5に応力が連続的に負荷されても、エンドキャップ5にクリープが生じるのを防止することができる。そのため、時間の経過に伴い、ナット本体4に対するエンドキャップ5の組み付け状態が変化(組み付け精度が低下)するのを防止することができる。
また、エンドキャップ5は、その爪部5c,5dの先端に一体的に設けたばね部5eがナット本体4(に設けた嵌合溝8を画成する二壁面8a,8b)により軸方向に弾性的に圧縮された状態、つまり、ばね部5eの軸方向の弾性復元力によりナット本体4に対して軸方向に押し付けられたガタ止め状態でナット本体4の凹部7に組み付けられている。このため、ねじ軸2とナット3の相対回転に伴って複数のボール6がボール循環路17を循環移動しても、ナット本体4とエンドキャップ5,5の相対的な位置関係に狂いが生じるのを防止することができる。
以上の作用効果が相俟って、本発明によれば、複数のボール6がボール循環路17をスムーズに循環移動することができて動作精度に優れ、かつその状態を長期に亘って安定的に維持することができるボールねじ1を低コストに実現することができる。
また、本実施形態において、エンドキャップ5は、前述したとおり、軸方向のさらなる弾性変形が許容された状態でナット本体4の凹部7に組み付けられている。このようにしておけば、例えば、図7に示すように、ナット本体4に組み付けられたエンドキャップ5に軸方向外向き(ナット本体4から離れる向き)の加圧力を付与することにより嵌合溝8に嵌合されたばね部5eをさらに軸方向に圧縮変形させると、ナット本体4とエンドキャップ5の密着状態を一時的に解消し、互いに対向するエンドキャップ5の内端面5fと凹部4の内底面4aとの間にすきまδを形成することができる。そのため、例えばボール循環路17を循環移動するボール6の移動方向が大きく変化する転走路13と接続路15,16の連結部分、及び戻し通路14と接続路15,16の連結部分でボール6が滞留する、所謂「ボール詰まり」が生じた場合でも、これを容易にかつ迅速に解消することができる。
なお、エンドキャップ5をナット本体4に組み付けたときに、エンドキャップ5がナット本体4に押し付けられる荷重(軸方向の荷重)をFz[単位:N]とすると、このFzが下記の関係式(1)を満たすようにエンドキャップ5を設計すれば、上述した「ボール詰まり」の迅速な解消を実現することができる。
Fmin<Fz<Fmax ・・・(1)
上記関係式(1)における“Fmin”は、ボールねじ1に作用する軸方向の振動又は衝撃によって発生する慣性力[単位:N]であり、下記の関係式(2)により算出される。また、上記関係式(1)における“Fmax”は、ボール循環路17のうち転走路13の外側(つまり、戻し通路14及び一組の接続路15,16内)に連続して配設されたボール6を進ませる力[単位:N]であり、下記の計算式(3)により算出される。
Fmin=[M+(m+C)]×B・・・(2)
Fmax=(Fa×sinθ)/A・・・(3)
なお、M:エンドキャップ5の質量[kg]、m:ボール6の質量[kg]、C:ボール循環路17のうち転走路13の外側に配設されたボール6の個数、B:ボールねじ1に振動又は衝撃が作用したときにおけるボール6の軸方向の加速度[m/s]、Fa:ボールねじ1に作用する軸方向の最大荷重[N]、θ:ボールねじ1のボール中心径(BCD)のリード角[°]、A:転送路13内に配設されたボール6の個数である。
以上、本発明の一実施形態に係るボールねじ1について説明したが、ボールねじ1には、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜の変更を施すことができる。
例えば、以上で説明したボールねじ1においては、絞り成形されたボール案内溝5bを有するエンドキャップ5をナット本体4に組み付けたナット3を用いているが、曲げ成形されたボール案内溝5bを有するエンドキャップ5をナット本体4に組み付けたナット3を用いることもできる。図8(a)は、曲げ成形されたボール案内溝5bを有するエンドキャップ5の一例を軸方向外側から見たときの斜視図、図8(b)は、同エンドキャップ5を軸方向内側から見たときの斜視図である。図示例のエンドキャップ5では、間隔を空けて対向配置された一対の平面5b1,5b1と、両平面5b1,5b1間に設けられた湾曲面5b2とでボール案内溝5bを画成している。
また、エンドキャップ5は、金属板を素材とした金属部品であれば良く、必ずしも金属板のプレス成形品である必要はない。つまり、エンドキャップ5は、プレス加工と、プレス加工以外の加工方法(例えば、レーザ加工)とを併用することによって所定形状に形成された金属部品としても構わない。
また、以上で説明したボールねじ1においては、エンドキャップ5(及びこれを収容するためにナット本体4に設けた凹部7)を、ナット3の周方向に延びる円弧状に形成したが、エンドキャップ5(及び凹部7)は、所定の接続路15,16を形成できるのであれば、円形状、多角形状等のその他の形状に形成しても構わない。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
1 ボールねじ
2 ねじ軸
3 ナット
4 ナット本体
5 エンドキャップ
5b ボール案内溝
5c,5d 爪部
5e ばね部
6 ボール
7 凹部
7a 内底面
8 嵌合溝
11 雄ねじ溝
12 雌ねじ溝
13 転走路
14 戻し通路
15 接続路
16 接続路
17 ボール循環路
d 溝幅

Claims (6)

  1. 複数のボールを介して相対回転するねじ軸及びナットを備え、
    前記ナットが、内周面に雌ねじ溝が形成されたナット本体と、該ナット本体の一端及び他端にそれぞれ組み付けられたエンドキャップとを有し、
    各エンドキャップが、前記ねじ軸の外周面に形成された雄ねじ溝と前記雌ねじ溝とで画成される螺旋状の転走路と、該転走路の径方向外側で前記ナット本体を軸方向に貫通する戻し通路とを接続する接続路を形成し、
    前記ねじ軸と前記ナットの相対回転に伴い、前記転走路、前記戻し通路及び一組の前記接続路を有する一連のボール循環路を複数のボールが循環移動するボールねじにおいて、
    前記エンドキャップは、金属板を素材とする金属部品とされ、前記ナット本体により軸方向に弾性的に圧縮された状態で前記ナット本体に組み付けられていることを特徴とするボールねじ。
  2. 前記エンドキャップは、軸方向のさらなる弾性変形が許容された状態で前記ナット本体に組み付けられている請求項1に記載のボールねじ。
  3. 前記エンドキャップが金属板のプレス成形品である請求項1又は2に記載のボールねじ。
  4. 前記エンドキャップが前記接続路を形成するボール案内溝を有し、該ボール案内溝が絞り成形されている請求項1又は2に記載のボールねじ。
  5. 前記エンドキャップが前記接続路を形成するボール案内溝を有し、該ボール案内溝が曲げ成形されている請求項1又は2に記載のボールねじ。
  6. 前記ねじ軸、前記ナット本体及び前記複数のボールが金属製とされ、前記ボール循環路のうち少なくとも前記転走路にグリースが充填されている請求項1又は2に記載のボールねじ。
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