JP2024035207A - プリント配線基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】絶縁基板の一方の面に第1の金属板を、絶縁基板の他方の面に第2の金属板を熱プレスによって圧着させてなるプリント配線基板において、第1の金属板と第2の金属板とをできるだけ互いにずれることなく絶縁基板に圧着させることができるプリント配線基板の製造方法を提供する。【解決手段】第1の金属板10及び第2の金属板10’の絶縁基板23への圧着面側をエッチングすることで、大電流を通電可能な配線とするための厚肉領域10aと、この厚肉領域10aよりも薄肉とした薄肉領域10bとを形成する第1のエッチング工程と、第1の金属板10と第2の金属板10’を絶縁基板23に熱圧着する圧着工程と、絶縁基板23への圧着によって露出する第1の金属板10及び第2の金属板10’の露出面をエッチングすることで、薄肉領域10bに小電流を通電させる配線を形成する第2のエッチング工程を有するプリント配線基板の製造方法とする。【選択図】図2

Description

本発明は、大電流を通電させる半導体デバイスと小電流を通電させる半導体デバイスとが混載されるプリント配線基板の製造方法に関するものである。
従来、プリント配線基板の一形態として銅張積層板が知られている。この銅張積層板では、絶縁基板の表面に銅箔を貼り付けており、この銅箔を所望の配線パターンに加工することで、回路基板としている。
銅張積層板では、絶縁基板に銅箔を貼り付けた後に、エッチング等の処理を行うことで所望の配線を形成しているが、銅箔に所望の配線形状の成形加工をあらかじめ行って、その後、絶縁基板への貼付加工を行うことでプリント配線基板とする方法も知られている(例えば、特許文献1参照。)。
昨今、いわゆるパワー半導体の高性能化にともなって、電力制御回路等のパワー半導体が用いられる回路と、従来の制御用あるいは信号用のトランジスタ等が用いられる回路とを同一基板に形成することが行われている。
パワー半導体が用いられる回路では、20A程度の大電流を通電可能とするために銅で形成する配線の厚みを厚くして、電流容量を大きくすることが行われている。具体的には、銅箔に所望のレジストマスクを形成して銅めっきを行うことで、めっき皮膜により厚肉とした厚肉回路パターンを形成し、この厚肉回路パターンが形成された銅箔を、プリプレグを介して貼り合わせて回路基板とすることが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特に、プリプレグには、厚肉回路パターンの部分に開口を設けておくことで、厚肉回路パターンをプリプレグで形成する絶縁基板に埋め込み状態としている。また、厚肉回路パターンが形成されていない部分の銅箔をエッチングすることで、小電力で使用する信号制御用の回路を形成可能としている。
特開平03-21095号公報 特開平10-32371号公報
プリプレグや絶縁基板に、所望の形状への加工を行った銅箔を貼り付ける場合には、一般的には熱プレス装置による熱プレス加工によって行っているが、絶縁基板の一方の面に設けた銅箔と、絶縁基板の他方の面に設けた銅箔とは、後工程においてスルーホールを形成して電気的に接続するために、互いにずれることなく貼り付けることが望ましい。
しかしながら、ズレを生じさせることなく銅箔を貼り付けることは極めて難しい。特に、上述したように厚肉回路パターンが形成された銅箔の場合には、一方の銅箔と他方の銅箔とで挟まれたプリプレグは、厚肉回路パターンが埋め込まれる分だけ不均質な状態となっており、この不均質を解消しようとして生じる応力によってズレを生じさせやすくなっている。
しかも、厚肉回路パターンとプリプレグとを隙間なく密着させるために、比較的大きな圧力でのプレス処理が必要であり、上記の応力をより大きくすることになって、大きなズレを生じさせやすくなっている。
本発明では、絶縁基板の一方の面に第1の金属板を、絶縁基板の他方の面に第2の金属板を熱プレスによって圧着させてなるプリント配線基板において、第1の金属板と第2の金属板とをできるだけ互いにずれることなく絶縁基板に圧着させることができるプリント配線基板の製造方法を提供する。
本発明のプリント配線基板の製造方法では、絶縁基板の一方の面に第1の金属板を、絶縁基板の他方の面に第2の金属板を圧着させてなるプリント配線基板の製造方法において、以下の工程を有することに特徴を有する。
第1の金属板及び第2の金属板の絶縁基板への圧着面側をエッチングすることで、大電流を通電可能な配線とするための厚肉領域と、この厚肉領域よりも薄肉とした薄肉領域とを形成する第1のエッチング工程。
第1の金属板と第2の金属板を絶縁基板に熱圧着する圧着工程。
絶縁基板への圧着によって露出する第1の金属板及び第2の金属板の露出面をエッチングすることで、薄肉領域に小電流を通電させる配線を形成する第2のエッチング工程。
さらに、本発明のプリント配線基板の製造方法では、以下の点にも特徴を有するものである。
(1)第1の金属板と第2の金属板には、互いの位置合わせをするためのガイド孔をそれぞれ形成していること。
(2)第1の金属板と第2の金属板にそれぞれ形成するガイド孔は、第1のエッチング工程でのエッチングにより形成すること。
(3)第1の金属板及び第2の金属板は、第1のエッチング工程のためのマスクを形成する際に、それぞれの金属板の両面であってガイド孔を形成する位置のマスクに開口を設けていること。
本発明によれば、第1のエッチング工程で形成した厚肉領域と薄肉領域とを有する第1及び第2の金属板を絶縁基板に熱圧着する際に、第1のエッチング工程では比較的長時間のエッチングが行われていることで、厚肉領域の周囲には、肉厚がなだらかに減少することで湾曲している減肉領域が形成されており、この減肉領域の湾曲形状が熱圧着時に生じる応力を分散させる作用を生じ、第1の金属板と第2の金属板とをできるだけ互いにずらすことなく絶縁基板に圧着させることができる。
第1のエッチング工程の縦断面説明図である。 熱プレス装置によって熱圧着する前の仮組み状態の縦断面説明図である。 熱プレス装置によって熱圧着されたプレス体の縦断面説明図である。 プレス体に第2のレジストマスクを形成した状態の縦断面説明図である。 第2のエッチング工程後のプレス体の縦断面説明図である。 プレス体にスルーホール用貫通孔を形成した状態の縦断面説明図である。 プレス体にスルーホールを形成した状態の縦断面説明図である。 プレス体にソルダーレジストを形成した状態の縦断面説明図である。 本実施形態の第1のエッチング工程で使用するフォトマスクフィルムの説明図である。 ブック式としたフォトマスクフィルムの縦断面説明図である。
本発明のプリント配線基板の製造方法では、絶縁基板の一方の面に第1の金属板を、絶縁基板の他方の面に第2の金属板を圧着させてなるプリント配線基板の製造方法であって、第1のエッチング工程と、圧着工程と、第2のエッチング工程とを有することにしている。
第1のエッチング工程では、第1の金属板及び第2の金属板の絶縁基板への圧着面側をエッチングすることで、大電流を通電可能な配線とするための厚肉領域と、この厚肉領域よりも薄肉とした薄肉領域とを形成している。
圧着工程では、第1の金属板と第2の金属板を絶縁基板に熱圧着させている。なお、第1の金属板と絶縁基板の間、及び第2の金属板と絶縁基板の間には、プリプレグあるいは適宜の接着剤を介在させている。
第2のエッチング工程では、絶縁基板への圧着によって露出する第1の金属板及び第2の金属板の露出面をエッチングすることで、薄肉領域に小電流を通電させる配線を形成している。
第1のエッチング工程では、エッチングによって厚肉領域と薄肉領域とを形成するために比較的長時間のエッチングを行っている。ここで、比較的長時間とは、エッチングされる第1及び第2の金属板の板厚の50%以上をエッチングする長さであり、本発明では80~90%程度のエッチングを行っている。
このような長時間のエッチングを行った場合、エッチングの特性として、厚肉領域の周囲においてエッチング反応の低下が生じやすくなることで、金属板の肉厚がなだらかに減少して山の裾野のようになった減肉領域が形成される。この減肉領域では、表面が湾曲した形状となっている。
本発明では、この減肉領域の湾曲形状を利用することで、圧着工程で生じる第1の金属板と第2の金属板との位置ズレを抑制するものである。
以下において、図面を用いながら以下の順番で本発明の実施形態を詳説する。
(1)第1のエッチング工程
(2)圧着工程
(3)第2のエッチング工程
(4)スルーホール形成工程
(5)ソルダーレジスト形成工程
(6)浸漬半田付け工程
(7)成形加工工程
(4)~(7)の各工程は、従来通りの工程であり、本発明では(1)~(3)の工程に特徴を有するものである。
(1)第1のエッチング工程
第1のエッチング工程では、後工程で絶縁基板に圧着させる第1の金属板及び第2の金属板のエッチングを行って、第1の金属板及び第2の金属板にそれぞれ厚肉領域と薄肉領域とを形成している。説明の便宜上、第1の金属板についてのみ説明するが、第2の金属板でも同様の処理を行っている。また、第1の金属板のうち、後工程の圧着工程で絶縁基板と対面状態となって、絶縁基板に圧着される圧着面側を「表面」と呼び、反対側の面を「裏面」と呼ぶことにする。第1のエッチング工程では、第1の金属板の表面をエッチングしていることになる。
エッチング工程では、フォトマスクを用いたパターニングが行われるが、このフォトマスクを形成するために使用するフォトマスクフィルムは、本実施形態では、後述するように第1のフォトマスクフィルムと第2のフォトマスクフィルムとを、互いの外側縁で貼り合わせたブック式としている。
すなわち、レジスト膜が形成された第1の金属板及び第2の金属板は、それぞれブック式とした第1のフォトマスクフィルムと第2のフォトマスクフィルムとの間に挟み、露光装置によって両面露光することで、所望のレジストマスクを形成可能としている。詳細は、後述する。
以下において、第1のエッチング工程を詳説する。ここで、第1の金属板10及び第2の金属板は銅板とし、本実施形態では板厚寸法を300μmとしている。
図1(a)に示すように、第1の金属板10には、両面にフォトレジスト膜11を設けている。具体的には、第1の金属板10の表面及び裏面にそれぞれフォトレジスト液を塗布し、乾燥させてフォトレジスト膜11としている。
フォトレジスト膜11の形成後、第1の金属板10は、後述するブック式とした第1のフォトマスクフィルムと第2のフォトマスクフィルムとの間に挟み、露光装置によって両面露光している。この露光によって光が照射されたフォトレジスト膜11は感光して硬化する。
露光後、第1の金属板10を現像処理する。この現像処理によって、硬化したフォトレジスト膜11を残存させ、図1(b)に示すように、所定のパターンとなった第1のレジストマスク12を第1の金属板10の表面と裏面とにそれぞれ形成している。
ここで、通常であれば、第1の金属板10の裏面では、裏面全面を覆うレジストマスクを形成していたが、本発明においては、第1の金属板10の裏面に設けた第1のレジストマスク12のうち、後述するガイド孔を形成する位置の第1のレジストマスク12には裏面開口12bを設けている。また、第1の金属板10の表面に設けた第一のレジストマスク12のうち、ガイド孔を形成する位置の第1のレジストマスク12にも表面開口12aを設けている。すなわち、表面開口12aと裏面開口12bは、第1の金属板10を挟んで同じ位置に形成している。
第1のレジストマスク12が形成された第1の金属板10は、エッチング液に所定時間浸漬させてエッチングしている。このエッチングの処理時間は、第1の金属板10の薄肉領域となる部分の板厚が、本実施形態では40μm程度となる時間としている。第1の金属板10の厚肉領域は、第1のレジストマスク12によってエッチングされないことにより300μmのままである。
このように長時間のエッチングを行うことで、図1(c)に示すように、第1の金属板10には、第1のレジストマスク12によってエッチングされなかった厚肉領域10aと、エッチングされることで板厚が薄くなった薄肉領域10bを形成している。ここで、厚肉領域10aの周囲には、肉厚がなだらかに減少する減肉領域10cが形成されることになる。これは、エッチングの進行にともなって、突出状態となる厚肉領域10aによってエッチング液の流動阻害が生じやすくなることで、エッチング速度の低下が生じるためである。したがって、減肉領域10cでは、第1の金属板10の表面に山の裾野状の湾曲面が形成される。
また、第1の金属板10の表面の第1のレジストマスク12に設けた表面開口12aと、第1の金属板10の裏面の第1のレジストマスク12に設けた裏面開口12bの部分では、第1の金属板10の裏面側からもエッチングが生じることで、第1の金属板10に貫通状態の第1のガイド孔13を形成可能としている。図1(c)では、第1のガイド孔13を1つだけ形成しているように示しているが、図示していない第1の金属板10の反対側の端縁にも同様にしてガイド孔を形成している。また、このとき、本実施形態では、第1の金属板10の外側縁も、第1のレジストマスク12が形成されていないことでエッチングされて、第1の金属板10の外形形状を所定形状に成形することにしている。
第1の金属板10を所定時間エッチングした後、第1の金属板10を洗浄し、さらに剥離液を用いて第1のレジストマスク12を除去し、さらに亜酸化銅の皮膜を第1の金属板10の全面に形成している。このようにして形成した第1の金属板10の表面には、図1(d)に示すように、厚肉領域10aによる突出部が形成されている。同様にして、表面に厚肉領域による突出部が形成された第2の金属板を形成することができる。以上が、第1のエッチング工程である。説明の便宜上、以下において、第2の金属板の表面は、第1の金属板10の表面と同一パターンとして説明するが、異なるパターンとなっていてもよい。
(2)圧着工程
圧着工程では、前工程で厚肉領域10aによる突出部が形成された第1の金属板10及び第2の金属板を、熱プレス装置を用いて絶縁基板に熱圧着している。
第1の金属板10と絶縁基板との接着、第2の金属板と絶縁基板との接着は、本実施形態ではプリプレグを用いて行っている。
絶縁基板は、ガラス繊維にエポキシ樹脂を塗布したいわゆるガラスエポキシ基板であり、ハロゲンを含むグレードFR-4.0や、ハロゲンを含まないグレードFR-4.1等の絶縁基板を用いることができる。
熱プレス装置によって熱圧着する前に、仮組みを行っている。
すなわち、図2に示すように、最下層に第2の金属板10’、この第2の金属板10’の上面に複数枚のプリプレグシートからなる第2接着層22、この第2接着層22の上面に絶縁基板23、この絶縁基板23の上面に複数枚のプリプレグシートからなる第1接着層21、この第1接着層21の上面に第1の金属板10を重ね、仮止めすることで仮組みを行っている。仮組みすることで第2の金属板10’、第2接着層22、絶縁基板23、第1接着層21、第1の金属板10を一体化させた状態を、仮組み体20’と呼ぶことにする。仮組み体20’を熱プレス装置で熱プレスした状態を、プレス体と呼ぶことにする。
第1の金属板10は、厚肉領域10aによる突出部が形成された表面を第1接着層21に当接させ、同様に、第2の金属板10’は、厚肉領域10aによる突出部が形成された表面を第2接着層22に当接させている。
図2では、説明の便宜上、第1接着層21及び第2接着層22を1枚のプリプレグシートで構成しているかのように示しているが、実際には、第1接着層21及び第2接着層22は、厚さ寸法あるいは組成の異なる複数枚のプリプレグシートを積層させている。このように、プリプレグシートを調整することで、熱プレス装置を用いて熱プレスを行う際に溶融するプリプレグシートに起因して生じる第1の金属板10と第2の金属板10’とのズレを抑制している。
仮組み体20’を形成する際に、第1の金属板10に形成した第1のガイド孔13と第2の金属板10’に形成した第2のガイド孔13’には、これらのガイド孔13,13’に挿通可能とした位置決めピン24を挿通して、第1の金属板10と第2の金属板10’とに生じるズレを抑制している。位置決めピン24は、仮組み体20’を形成した後に、仮組み体20’から取り外している。本実施形態では、位置決めピン24は、適宜の強固な基台25に立設している。
絶縁基板23、第1接着層21及び第2接着層22には、位置決めピン24を挿通可能な開口をそれぞれ設けている。絶縁基板23に設けた開口が中開口23h、第1接着層21に設けた開口が上開口21h、及び第2接着層22に設けた開口が下開口22hである。
上開口21h、中開口23h及び下開口22hはそれぞれ連通状態としている。この上開口21h、中開口23h及び下開口22hは、位置決めピン24によって規制される必要はなく、位置決めピン24を挿通可能となっていればよい。本実施形態では、絶縁基板23、第1の接着層21及び第2の接着層22には何らのパターンニングを行っていないため、絶縁基板23あるいは第1の接着層21及び第2の接着層22に対する、第1の金属板10あるいは第2の金属板10’のズレは問題とはならないためである。
第1の金属板10と第2の金属板10’との間でズレが生じることを抑制するために、位置決めピン24を用いるとともに、仮組み体20’を貫通する仮組み用貫通孔(図示せず)を適宜設け、この仮組み用貫通孔にハトメ(図示せず)を挿通させて固定してもよい。
仮組み体20’を形成した後、この仮組み体20’を熱プレス装置(図示せず)に取り付けて、熱プレス加工を行っている。この熱プレス加工の際に、第1接着層21及び第2接着層22のプリプレグが溶融し、溶融したプリプレグに第1の金属板10及び第2の金属板10’の突出状態となっている厚肉領域10aが押し込まれることになっている。
このとき、第1の金属板10及び第2の金属板10’の裏面は、それぞれ平坦面のままとなっているので、熱プレス装置から加えられた圧力を一様に受けることができ、熱プレス装置によって加えられる圧力に偏りを生じさせにくくすることができる。
溶融したプリプレグに押し込まれた第1の金属板10及び第2の金属板10’の厚肉領域10aでは、厚肉領域10aの周囲の減肉領域10cがなだらかな湾曲形状となっていることで、熱プレス装置によって加えられた圧力によって生じる応力が分散されやすくなっている。すなわち、熱プレスによって生じる応力が緩和されることになり、第1の金属板10や第2の金属板10’に面方向のズレを生じさせる力の発生を抑制することとなって、位置ズレを生じさせにくくすることができる。
熱プレス装置では、所定時間のプレスを行った後、プレス状態を解除して、図3に示すプレス体20を取り出している。以上が、圧着工程である。
プレス体20では、溶融した第1接着層21及び第2接着層22が、第1の金属板10及び第2の金属板10’の薄肉領域10bに圧入された状態となっている。また、溶融した第1接着層21及び第2接着層22の余分なプリプレグは、プレス体20の外側縁から漏出している。プレス体20では、熱プレス装置での処理後、仮組み用貫通孔等が形成されているプレス体20の外側縁をカットしている。このカットによって、第1の金属板10の第1のガイド孔13の部分、及び第2の金属板10’の第2のガイド孔13’の部分もカットされている。
(3)第2のエッチング工程
第2のエッチング工程では、前工程で作成したプレス体20のエッチングを行っている。プレス体20では、第1の金属板10を絶縁基板23に圧着させることで露出状態となった第1の金属板10の裏面、及び第2の金属板10’を絶縁基板に圧着させることで露出状態となった第2の金属板10’の裏面からなる露出面にエッチングを行っている。
この露出面は、元々の第1の金属板10の裏面及び第2の金属板10’の裏面であるため、平坦面となっており、この平坦な露出面にフォトレジスト膜を形成してレジストマスクを形成することにしているため、精度よくレジストマスクを形成することができる。説明の便宜上、以下において、第1の金属板10の裏面をプレス体20の第1配線面と呼び、第2の金属板10’の裏面をプレス体20の第2配線面と呼ぶことにする。
まず、プレス体20の第1配線面にフォトレジスト液を塗布し、乾燥させてフォトレジスト膜とし、プレス体20の第2配線面にレジスト液を塗布し、乾燥させてフォトレジスト膜としている。
フォトレジスト膜の形成後、プレス体20の第1配線面にフォトマスクフィルムを用いて露光を行い、次いで、プレス体20の第2配線面にフォトマスクフィルムを用いて露光を行っている。
露光後、プレス体20を現像処理している。この現像処理によって、図4に示すように、プレス体20の第1配線面及び第2配線面に硬化したフォトレジスト膜によって所定のパターンとなった第2のレジストマスク26をそれぞれ形成している。
第2のレジストマスク26は、第1の金属板10及び第2の金属板10’に形成している薄肉領域10b部分をエッチングするパターンとすることで、厚肉領域10a部分を所望の配線パターンとしている。
また、本実施形態では、プレス体20の第1配線面と第2配線面とで異なるパターンの第2のレジストマスク26としている。具体的には、図4に示すように、プレス体20の第1配線面の第2のレジストマスク26では、薄肉領域10b部分に第3開口26aを設けている。一方、プレス体20の第2配線面の第2のレジストマスク26では、所定の薄肉領域10b部分に銅板を残存させることで配線とするための配線用マスク26bを設けている。
第2のレジストマスク26が形成されたプレス体20は、エッチング液に所定時間浸漬させてエッチングしている。このエッチングの処理時間は、第1の金属板10及び第2の金属板10’の薄肉領域10bにおいて所望の配線が形成されるのに要する時間であればよい。
プレス体20を所定時間エッチングした後、プレス体20を洗浄し、さらに剥離液を用いて第2のレジストマスク26を除去し、乾燥させることで、図5に示すように、薄肉領域10bに小電流を通電させる配線26cを形成したプレス体20とすることができる。以上が、第2のエッチング工程である。
なお、図5に示すプレス体20では、説明の便宜上、減肉領域10cが残存していないかのように描いているが、実際には厚肉領域10aの周囲には減肉領域10cを残存させている。第2のエッチング工程では、減肉領域10cを避けて薄肉領域10bをエッチングすることで、確実なエッチングを短時間で行うことができる。
また、図5に示すプレス体20の第1配線面には、小電流を通電させる配線26cを形成していないが、プレス体20の第1配線面にも小電流を通電させる配線を形成してもよい。図5では、プレス体20の第2配線面に形成した小電流を通電させる配線26cを設けた領域の裏面側を、トランジスタ等の電子素子を配置させる領域としている。
(4)スルーホール形成工程
プレス体20の第1配線面及び第2配線面にそれぞれ所望の配線を形成した後、プレス体20の所定位置にスルーホールを形成している。このスルーホールは、第1配線面に形成した配線と、第2配線面に形成した配線とを電気的に接続している。
具体的には、穴開け加工機を用いて、図6に示すように、プレス体20の所定位置にスルーホール用貫通孔31を形成している。また、必要に応じて、トランジスタ等の電子素子のリードフレームを挿通させるためのリードフレーム用貫通孔を形成してもよい。
スルーホール用貫通孔31が形成されたプレス体20は、デスミア処理された後に、過マンガン酸溶液に浸漬させてスルーホール用貫通孔31内の絶縁基板23の表面を活性化させ、その後、銅の無電解めっき液に浸漬させてスルーホール用貫通孔31の内周面に銅被膜を形成している。銅被膜の形成後、必要に応じて銅の電解めっきを行うことで、図7に示すように、スルーホール用貫通孔31の内面に厚付け銅被膜33を形成し、スルーホール34としている。
(5)ソルダーレジスト形成工程
厚付け銅被膜33によりスルーホール34を形成した場合には、プレス体20の第1配線面及び第2配線面に露出した銅配線の表面にも厚付け銅被膜33が形成されるため、表層エッチングを行って、余分な厚付け銅被膜33を除去している。
その後、プレス体20の第1配線面及び第2配線面には、図8に示すように、ソルダーレジスト35をそれぞれスクリーン印刷している。ソルダーレジスト35を形成した後、ソルダーレジスト35の表面には、適宜のマーキングの印刷を行っている。
(6)浸漬半田付け工程
本実施形態では、ソルダーレジスト35を形成した後、プレス体20にフラックスを塗布し、プレス体20を溶融した半田を貯留した半田プールに浸漬させることで、半田の塗布をおこなっている。
(7)成形加工工程
半田が塗布されたプレス体20は、図8に示す外周縁の切断面36に沿ってカッティングすることで切り出しを行い、製品としてのプリント配線基板としている。
(0)フォトマスクフィルムの準備工程
最後に、第1のエッチング工程で使用するフォトマスクフィルムについて説明する。
本実施形態では、第1のエッチング工程においてエッチングを行う際の第1のレジストマスクを形成するために、一般的なフォトマスクフィルムを使用している。このフォトマスクフィルムでは、第1のエッチング工程においてエッチングされる領域に遮光処理を行っている。この遮光処理によって、図9(a)に示すように、フォトマスクフィルムには黒線による遮光パターンを形成している。
図9(a)に模式的に示している遮光パターンでは、フォトマスクフィルム46の外周縁に沿ってフレーム状に形成した外枠パターン41と、この外枠パターン41の内側にフレーム状に形成した内枠パターン42と、外枠パターン41と内枠パターン42との間に架設状態に形成した補助パターン43と、内枠パターン42の内側に所定形状に形成した本パターン44とにより構成している。本実施形態では、説明の便宜上、1枚のフォトマスクフィルム46に1つの本パターン44を形成した状態を示しているが、通常では、1枚のフォトマスクフィルムに複数の本パターン44を形成して、いわゆる多数個取りを可能としている。
さらに、外枠パターン41と内枠パターン42との間の所定位置に、円形とした第1ガイド孔用パターン45aと第2ガイド孔用パターン45bを形成している。本実施形態では、長辺と短辺で形成している矩形形状の外枠パターン41及び内枠パターン42の互いに短辺の間に形成している。
本パターン44が形成されたフォトマスクフィルムを第1のフォトマスクフィルム46と呼び、この第1のフォトマスクフィルムとは別のフォトマスクフィルムを第2のフォトマスクフィルムとする。図9(b)に示すように、この第2のフォトマスクフィルム47には、第1フォトマスクフィルム46に形成した外枠パターン41と同じ外枠パターン41’を形成している。
さらに、第2のフォトマスクフィルム47には、第1のフォトマスクフィルム46に形成した第1ガイド孔用パターン45a及び第2ガイド孔用パターン45bとそれぞれ重なり合う第3ガイド孔用パターン45c及び第4ガイド孔用パターン45dを形成している。すなわち、第2のフォトマスクフィルム47に形成した外枠パターン41’と、第1のフォトマスクフィルム46に形成した外枠パターン41とが重なるように第2のフォトマスクフィルム47と第1のフォトマスクフィルム46と重ね合わせた際に、第3ガイド孔用パターン45cと第1ガイド孔用パターン45aとを重ね合わせるとともに、第4ガイド孔用パターン45dと第2ガイド孔用パターン45bとを重ね合わせている。
このように互いに重ね合わせた第1のフォトマスクフィルム46と第2のフォトマスクフィルム47は、一方の長辺部分で互いに接合することで一体化している。
具体的には、第1のフォトマスクフィルム46の一方の長辺に沿って両面粘着テープを貼り付け、この両面粘着テープに第2フォトマスクフィルム47の一方の長辺を貼り付けることで接合している。このように第1のフォトマスクフィルム46と第2のフォトマスクフィルム47とを互いの外側縁で貼り合わせた状態を「ブック式」と呼んでいる。
上述した第1のエッチング工程では、フォトレジスト膜11が形成された第1の金属板10及び第2の金属板10’は、図10に示すように、ブック式となっている第1のフォトマスクフィルム46と第2のフォトマスクフィルム47との間に挟み、露光装置によって両面露光している。
第1のフォトマスクフィルム46と第2のフォトマスクフィルム47とに挟まれる第1の金属板10及び第2の金属板10’は、本実施形態では300μmであるため、第1のフォトマスクフィルム46と第2のフォトマスクフィルム47とを接合している両面粘着テープ48も、その厚みを第1の金属板10及び第2の金属板10’の厚みに近づけることが望ましい。
このように、ブック式とした第1のフォトマスクフィルム46と第2のフォトマスクフィルム47とによる両面露光としたことにより、第1の金属板10あるいは第2の金属板10’を挟んで対向する第1ガイド孔用パターン45aと第3ガイド孔用パターン45cとの位置ズレを抑制でき、また、第1の金属板10あるいは第2の金属板10’を挟んで対向する第2ガイド孔用パターン45bと第4ガイド孔用パターン45dとの位置ズレを抑制でき、第1の金属板10に形成する第1のガイド孔13及び第2の金属板10’に形成する第2のガイド孔13’の加工精度を向上させることができる。
10 第1の金属板
10’ 第2の金属板
10a 厚肉領域
10b 薄肉領域
10c 減肉領域
13 第1のガイド孔
13’ 第2のガイド孔
20 プレス体
20’ 仮組み体
21 第1接着層
21h 上開口
22 第2接着層
22h 下開口
23 絶縁基板
23h 中開口
24 位置決めピン
25 基台

Claims (4)

  1. 絶縁基板の一方の面に第1の金属板を、前記絶縁基板の他方の面に第2の金属板を圧着させてなるプリント配線基板の製造方法において、
    前記第1の金属板及び前記第2の金属板の前記絶縁基板への圧着面側をエッチングすることで、大電流を通電可能な配線とするための厚肉領域と、この厚肉領域よりも薄肉とした薄肉領域とを形成する第1のエッチング工程と、
    前記第1の金属板と前記第2の金属板を前記絶縁基板に熱圧着する圧着工程と、
    前記絶縁基板への圧着によって露出する前記第1の金属板及び前記第2の金属板の露出面をエッチングすることで、前記薄肉領域に小電流を通電させる配線を形成する第2のエッチング工程と
    を有するプリント配線基板の製造方法。
  2. 前記第1の金属板と前記第2の金属板には、互いの位置合わせをするためのガイド孔をそれぞれ形成している請求項1に記載のプリント配線基板の製造方法。
  3. 前記第1の金属板と前記第2の金属板にそれぞれ形成する前記ガイド孔は、前記第1のエッチング工程でのエッチングにより形成する請求項2に記載のプリント配線基板の製造方法。
  4. 前記第1の金属板及び前記第2の金属板は、前記第1のエッチング工程のためのマスクを形成する際に、それぞれの金属板の両面であって前記ガイド孔を形成する位置のマスクに開口を設けている請求項3に記載のプリント配線基板の製造方法。
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