JP2024035054A - 排気速度が改善された分子真空ポンプ及び改善された排気速度を達成するように分子真空ポンプを運転する方法 - Google Patents

排気速度が改善された分子真空ポンプ及び改善された排気速度を達成するように分子真空ポンプを運転する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ロータシャフトによって駆動される、プロセスガスをポンプ吸気口からポンプ排気口へ圧送するポンプ機構を収容するハウジングを備える、分子真空ポンプにおいて、逆流の問題を減らし、ひいては排気速度を改善する。
【解決手段】ポンプ機構は、ポンプ吸気口とポンプ排気口との間で、ポンプ効果を奏して互いに直列に接続された複数Nのポンプ段を有し、ポンプ吸気口に最も近く位置するポンプ段が、第1段のポンプ段であり、ポンプ排気口に最も近く位置する段が、Nのポンプ段であり、ハウジング(119)は、キャリアガス接続部(225)を有し、キャリアガス接続部(225)は、ポンプ段Mの上流側でポンプ機構に開口する。
【選択図】図6

Description

本発明は、改善された排気速度を達成するように特別に構成された、ここでは単にポンプとも称される分子真空ポンプ、特にターボ分子真空ポンプと、改善された排気速度を達成するように分子真空ポンプを運転する方法とに関する。
分子真空ポンプは、高真空範囲及び超高真空範囲で作動し、その際、高真空範囲の圧力は、10-3hPaから10-7hPaの間にあり、超高真空範囲の圧力は、10-7hPaよりも低い。
この場合、例えばターボ分子ポンプなどの分子真空ポンプでは、ポンプ吸気口からポンプ排気口へポンピングされるべきプロセスガスは、ポンプ吸気口における圧力がポンプ排気口における圧力よりも低いという事実に基づいて、ポンプ排気口からポンプ吸気口へ逆流しがちである。この場合、この逆流傾向は、ポンプ補助圧力、すなわち真空ポンプのポンプ排気口における圧力が高いほどより大きい。これに応じて、ターボ分子ポンプの排気速度は、記述した逆流傾向に基づいて、高い補助圧力の範囲では、補助圧力が比較的低いときのターボ分子ポンプの排気速度よりも低い。
記述した逆流の問題は、特に、比較的低いモル質量を有する、ポンピングされるべきプロセスガスで生じる。このことは、より重いプロセスガスが、より軽いプロセスガスよりも良好に圧送できることに起因する。したがって、例えば水素又はヘリウムなどの比較的軽いプロセスガスでは、補助圧力が同一でその他の周辺条件も同一の場合、より重いプロセスガスのときよりも、ポンプ吸気口とポンプ排気口との間の圧力差がより小さい又は圧力比がより小さく、その結果、より低いモル質量を有するプロセスガスでは、逆流の問題は、より大きなモル質量を有するプロセスガスのときよりも大きい。
したがって、本発明の基礎をなす課題は、例えばターボ分子真空ポンプなどの分子真空ポンプで、記述した逆流の問題を減らし、ひいては排気速度を改善することである。
本発明の第1の観点によれば、この課題は、請求項1の特徴を有する分子真空ポンプによって、特に、ポンプのハウジングがキャリアガス接続部を有し、キャリアガス接続部を通して、分子真空ポンプの運転中、気体をポンプ機構に導入でき、その際、本発明によれば、キャリアガス接続部は、ポンプ段Mの上流側でポンプ機構に開口し、ここで、
が成り立つ、ことによって解決される。
この場合、ポンプ吸気口に最も近く位置するポンプ段は、第1段のポンプ段と称され、ポンプ排気口に最も近く位置するポンプ段は、第N段のポンプ段と称され、この場合、第1段のポンプ段からポンプ排気口へ向かう第N段のポンプ段までの個々のポンプ段に連続する整数の通し番号が付けられる。
ここでキャリアガス接続部の位置を規定するために、ガウス記号を使用した天井関数が用いられる場合には、この天井関数は、実数xについて、
が成り立つ。つまり、例えばターボ分子ポンプが10のターボ分子ポンプ段(N=10)を有するとき、したがってM=6であり、これは、キャリアガス接続部が第6段のターボ分子ポンプ段の上流側に位置することを意味する。これに対して、例えば8のターボ分子ポンプ段(N=8)を有するターボ分子ポンプでは、例えばM=5が成り立ち、これは、キャリアガス接続部が第5段のターボ分子ポンプ段の上流側に位置することを意味する。この場合、この専門用語については、前述したように、ポンプ吸気口に最も近く位置するターボ分子ポンプ段が、第1段のポンプ段であり、ポンプ排気口に最も近く位置するポンプ段が、第N段のポンプ段であり、この場合、個々のターボ分子ポンプ段に、第1段のポンプ段から第N段のポンプ段までポンプ排気口へ向けて連続する整数の通し番号が付けられるように選択されている。
ターボ分子ポンプの運転中にキャリアガス接続部を通してプロセスガスとは異なる、以下キャリアガスとも称される気体がターボ分子ポンプのポンプ機構に導入されることによって、ポンプ排気口からポンプ吸気口へのプロセスガスの逆流が減らされる。というのも、プロセスガスの分子が、キャリアガスの分子によって、ポンプ排気口の方へ連行される又は引きずられるからであり、したがって、「キャリアガス」との用語となる。この場合、キャリアガスの分子は、その運動量を、プロセスガスの分子に伝達するので、プロセスガス分子は、キャリアガス分子によってポンプ排気口の方へ連行される。この場合、キャリアガスからプロセスガスへの運動量伝達は、キャリアガスの分子量が大きいほどより大きい。しかし、いずれにせよ、キャリアガスとして、プロセスガスよりも大きいモル質量を有する気体が使用されるべきであり、そのために、例えばヘリウム又は水素がプロセスガスとして使用される場合、窒素及び/又はアルゴンをキャリアガスとして使用できる。
プロセスガスの逆流傾向が防止されることによって、補助圧力が同一の場合、ポンプ吸気口における圧力が低下し、これは、ポンプの排気速度の増加を意味する。したがって、ターボ分子ポンプの効果的な高真空側の排気速度は、キャリアガスがポンプ機構に導入されることによって増加させられる。というのも、キャリアガスがポンプ機構に導入されることによって、プロセスガスの逆流傾向が防止されるからである。この場合、この作用は、キャリアガス接続部がポンプ吸気口により近く位置するほどより顕著になる。というのも、この場合、キャリアガス分子がその運動量をプロセスガス分子に伝達できるより多くの期間が提供されるからである。しかも、他方、キャリアガス接続部は、ポンプ吸気口に接近しすぎずに設置されるべきである。というのも、この場合、キャリアガスがポンプ吸気口に存在する真空に基づいて、ポンプ吸気口の方へ逆流するおそれがあるからである。これに応じて、キャリアガス接続部は、ポンプ段数にかかわらず、常に、第1段のポンプ段より下流側に、好ましくは第2段のポンプ段より下流側に設置されるべきであり、これにより、ポンプ吸気口に向かうキャリアガスの逆流が防止される。
4つ以上のポンプ段を有する分子真空ポンプ、特にターボ分子真空ポンプの場合、MとNとの間の関係式に対して、好ましくは、
が成り立つ。つまり、例えば6つのポンプ段(N=6)を有するターボ分子真空ポンプでは、キャリアガス吸気口は、好ましくは第3段のポンプ段の上流側に位置し、8つのポンプ段(N=8)を有するターボ分子真空ポンプでは、第4段のポンプ段の上流側に位置し、全部で10のポンプ段(N=10)を有するターボ分子ポンプでは、第5段のポンプ段の上流側に位置する。しかし、いずれの場合でも、キャリアガス接続部は、第1段のポンプ段より下流側に、好ましくは第2段のポンプ段より下流側に設置されるべきであり、これにより、そうしてポンプ吸気口に向かうキャリアガスの逆流が予防される。
特に有利には、6以上のポンプ段を有する分子真空ポンプ、特にターボ分子ポンプでは、MとNとの間の関係式を、
が成り立つように選択することが有利であると判明している。つまり、6つのポンプ段(N=6)を有するターボ分子ポンプでは、キャリアガス吸気口は、好ましくは第2段のポンプ段の上流側に位置し、8つのポンプ段(N=8)を有するターボ分子ポンプでは、第3段のポンプ段の上流に位置し、10のポンプ段(N=10)を有するターボ分子真空ポンプでは、第4段のポンプ段の上流側に位置する。しかし、いずれにせよ、ここでもキャリアガス接続部は、第1段のポンプ段より下流側に、好ましくは第2段のポンプ段より下流側に設置されるべきであり、これにより、ポンプ吸気口に向かうキャリアガスの逆流が予防される。
本発明のさらなる観点によれば、本発明の基礎をなす同一の課題は、さらに、分子真空ポンプ、特にターボ分子真空ポンプを運転する方法において、請求項5の特徴を有し、特に、ポンプのポンプ吸気口からポンプ排気口へプロセスガスが圧送される間、ひいてはポンプの電動モータが通電されるポンプの通常の運転状態の間、ポンプ機構に所定量のキャリアガスが導入されることによって達成される。
ここで通常のポンプ運転について述べられる場合には、これは、その間に分子真空ポンプが連続的にその最大許容出力の少なくとも75%で又はその最大許容回転速度の少なくとも75%で運転される運転状態であってよい。この場合、好ましくは、キャリアガスは、連続的にこの期間の少なくとも50%の間ポンプ機構に導入される、つまりその期間の間、分子真空ポンプが、連続的にその最大許容出力の少なくとも75%で又はその最大許容回転速度の少なくとも75%で運転されることが想定され得る。
好ましくは、キャリアガスは、連続的にその期間の少なくとも60%の時間、特にその期間の少なくとも70%の時間、特に好適にはその期間の少なくとも80%の時間の間ポンプ機構に導入できる。
通気用吸気口を介してターボ分子真空ポンプを通気するときとは異なり、キャリアガスは、比較的短い期間の間一時的にポンプ機構に導入されるだけでなく、むしろ、本発明によれば、キャリアガスは、ポンプを用いてプロセスガスが圧送される時間の大部分の間ポンプ機構に導入され、これにより、そうしてポンプの排気速度を改善するためにプロセスガスの逆流傾向が減らされる。
この場合、特に、キャリアガスは、プロセスガスをポンプ機構に圧送する間、少なくとも1時間の期間にわたって、特に少なくとも10時間の期間にわたって、好ましくは24時間を超える期間にわたって連続的に導入されることが想定され得る。
キャリアガス分子からプロセスガス分子への運動量伝達を最適化するために、前述の形態に応じて、キャリアガスとして、プロセスガスよりも大きいモル質量を有する気体を使用することが有利であると証明できる。これに応じて、具体的には、プロセスガスが例えば水素又はヘリウムなどの比較的軽い気体であるとき、キャリアガスとして例えば窒素及び/又はアルゴンを使用することが特に有利であると証明できる。
プロセスガスの逆流傾向は、より多くのキャリアガスが導入されるほど、より減らせるが、しかし、キャリアガス量が増加するにつれポンプの消費電力が増加する。その一方、キャリアガス量が少なすぎると、プロセスガスの逆流傾向の低下に関する所望の効果がもたらされない。したがって、プロセスガス量とキャリアガス量との間の最適な比を求めるために試験が行われた。その試験が示すことによれば、ポンプ機構に導入されるキャリアガスの量(毎分標準立方センチメートル(sccm)で計測される)が、同様に毎分標準立方センチメートルで測定される、圧送されるプロセスガスの量に対して、1:Xの比であると有利であると証明され、ここで、5≦X≦15、特に7≦X≦13、好ましくは9≦X≦11、特に好適にはXはほぼ10である又は10に等しい。
以下、本発明を、例示的に有利な実施形態に基づいて、添付の図面を参照して説明する。
公知のターボ分子ポンプの斜視図を示す。 図1のターボ分子ポンプの下面図を示す。 図2に示された切断線A-Aに沿ったターボ分子ポンプを断面図で示す。 図2に示された切断線B-Bに沿ったターボ分子ポンプを断面図で示す。 図2に示された切断線C-Cに沿ったターボ分子ポンプを断面図で示す。 本発明によるターボ分子ポンプを断面図で示す。 本発明によるキャリアガス効果を説明するための線図を示す。
図1に示されたターボ分子ポンプ111は、吸気口フランジ113によって取り囲まれたポンプ吸気口115を有する。ポンプ吸気口115には、それ自体公知のように、図示されていないレシピエントを接続してよい。レシピエントから到来する気体は、ポンプ吸気口115を介してレシピエントから吸い込まれ、そしてポンプを通ってポンプ排気口117へと圧送できる。ポンプ排気口117には、例えばロータリベーンポンプなどの補助真空ポンプを接続してよい。
吸気口フランジ113は、図1による真空ポンプの向きでは、真空ポンプ111のハウジング119の上端部を形成する。ハウジング119は、下部分121を有する。下部分121には、側方にエレクトロニクスハウジング123が配置されている。エレクトロニクスハウジング123内には、例えば真空ポンプ内に配置された電動モータ125(図3も参照)を作動させるための、真空ポンプ111の電気的及び/又は電子的な構成要素が収容されている。エレクトロニクスハウジング123には、アクセサリに対する複数の接続部127が設けられている。さらに、データインタフェース129(例えばRS485規格に準拠するもの)及び電流供給接続部131が、エレクトロニクスハウジング123に配置されている。
取り付けられたこの種のエレクトロニクスハウジングを有さずに、外部の駆動エレクトロニクスに接続されるターボ分子ポンプも存在する。
ターボ分子ポンプ111のハウジング119には、通気用吸気口133が、特に通気弁の形態で設けられている。通気用吸気口133を介して、真空ポンプ111を通気してよい。下部分121の領域には、その上さらに、シールガス接続部135(パージガス接続部とも称される)が配置されている。シールガス接続部135を介して、パージガスを、ポンプによって圧送される気体に対して電動モータ125(例えば図3参照)を防護するために、モータ室137内に送り込んでよい。モータ室137内で、真空ポンプ111に、電動モータ125が収容されている。下部分121には、その上さらに2つの冷却剤接続部139が配置されている。この場合、一方の冷却剤接続部は、冷却剤用の吸気口として、そして他方の冷却剤接続部は、排気口として設けられている。冷却剤は、冷却目的で真空ポンプ内に導入可能である。存在する別のターボ分子真空ポンプ(図示されていない)は、専ら空冷式に運転される。
真空ポンプの下面141は、ベースとして使用できるので、真空ポンプ111は、下面141を基準に縦置きで運転してよい。しかも、真空ポンプ111は、吸気口フランジ113を介してレシピエントに固定し、したがって、いわば懸架した状態で運転してもよい。さらに、真空ポンプ111は、図1に示されたのとは別の向きで整向されているときでも運転できるように構成してもよい。下面141を下向きではなく、横向きに又は上向きに配置できる真空ポンプの形態も実現可能である。この場合、原則として、任意の角度が考えられる。
特に図示されたポンプよりも大きな、存在する別のターボ分子真空ポンプ(図示されていない)は、縦置きでは運転できない。
図2に示された下面141には、様々なねじ143がさらに配置されている。これらのねじ143によって、ここでは詳細には特定されない真空ポンプの構成部材が互いに固定されている。例えば、軸受カバー145が下面141に固定されている。
下面141には、固定孔147がさらに配置されている。固定孔147を介して、ポンプ111を、例えば設置面に固定できる。このことは、特に図示されたポンプよりも大きな、存在する別のターボ分子真空ポンプ(図示されていない)では、不可能である。
図2から図5には、冷却剤管路148が示されている。冷却剤管路148内で、冷却剤接続部139を介して導入及び導出される冷却剤が循環可能である。
図3から図5の断面図に示されているように、真空ポンプは、複数のプロセスガスポンプ段を有する。プロセスガスポンプ段は、ポンプ吸気口115に作用するプロセスガスをポンプ排気口117へ圧送するためのものである。
ハウジング119内には、ロータ149が配置されている。ロータ149は、回転軸線151を中心に回転可能なロータシャフト153を有する。
ターボ分子ポンプ111は、ポンピング作用を及ぼすように互いに直列に接続された複数のターボ分子ポンプ段を有する。ターボ分子ポンプ段は、ロータシャフト153に固定された半径方向の複数の動翼155と、動翼155同士の間に配置され、そしてハウジング119内に固定された複数の静翼157とを有する。この場合、1枚の動翼155とこれに隣り合う1枚の静翼157とが、それぞれ1つのターボ分子ポンプ段を形成する。静翼157は、スペーサリング159によって、互いに所望の軸方向の間隔を置いて保持されている。
真空ポンプは、半径方向で互いに内外に配置され、そしてポンピング作用を及ぼすように互いに直列に接続されたホルベックポンプ段をさらに有する。ホルベックポンプ段を有しない別のターボ分子真空ポンプ(図示されていない)が存在する。
ホルベックポンプ段のロータは、ロータシャフト153に配置されたロータハブ161と、ロータハブ161に固定され、そしてこのロータハブ161によって支持される円筒側面状の2つのホルベックロータスリーブ163、165とを有する。ホルベックロータスリーブ163、165は、回転軸線151に対して同軸に配向されていて、そして半径方向で互いに内外に係合している。円筒側面状の2つのホルベックステータスリーブ167、169がさらに設けられている。ホルベックステータスリーブ167、169は、同様に、回転軸線151に対して同軸に配向されていて、そして半径方向で見て互いに内外に係合している。
ホルベックポンプ段の、ポンピング作用を奏する表面は、側面によって、つまりホルベックロータスリーブ163、165及びホルベックステータスリーブ167、169の半径方向の内側面及び/又は外側面によって形成されている。外側のホルベックステータスリーブ167の半径方向の内側面は、半径方向のホルベック間隙171を形成しつつ、外側のホルベックロータスリーブ163の半径方向の外側面に対向していて、そしてこの外側面と共に、ターボ分子ポンプに後続する第1段のホルベックポンプ段を形成する。外側のホルベックロータスリーブ163の半径方向の内側面は、半径方向のホルベック間隙173を形成しつつ、内側のホルベックステータスリーブ169の半径方向の外側面に対向していて、そしてこの外側面と共に、第2段のホルベックポンプ段を形成する。内側のホルベックステータスリーブ169の半径方向の内側面は、半径方向のホルベック間隙175を形成しつつ、内側のホルベックロータスリーブ165の半径方向の外側面に対向していて、そしてこの外側面と共に、第3段のホルベックポンプ段を形成する。
ホルベックロータスリーブ163の下端部には、半径方向に延びるチャネルが設けられてよい。チャネルを介して、半径方向外側に位置するホルベック間隙171が、中央のホルベック間隙173に接続されている。内側のホルベックステータスリーブ169の上端部には、半径方向に延びるチャネルがさらに設けられてよい。チャネルを介して、中央のホルベック間隙173が、半径方向内側に位置するホルベック間隙175に接続されている。これにより、互いに内外に係合する複数のホルベックポンプ段が、互いに直列で接続される。半径方向内側に位置するホルベックロータスリーブ165の下端部には、排気口117に通じる接続チャネル179がさらに設けられてよい。
ホルベックステータスリーブ167、169の、前述のポンピング作用を奏する表面は、回転軸線151を中心に螺旋状に周回しつつ軸方向に延びる複数のホルベック溝をそれぞれ有する。その一方で、ホルベックロータスリーブ163、165の、これに対向する側面は、滑らかに形成されていて、そして真空ポンプ111の運転のための気体をホルベック溝内において前方へ送り出す。
ロータシャフト153の回転可能な軸支のために、ポンプ排気口117の領域に転がり軸受181が設けられていて、ポンプ吸気口115の領域に永久磁石式の磁気軸受183が設けられている。
転がり軸受181の領域には、ロータシャフト153に、円錐形のスプラッシュナット185が設けられている。スプラッシュナット185は、転がり軸受181の方へ増大する外径を有する。スプラッシュナット185は、作動媒体貯蔵部の少なくとも1つの掻落とし部材と滑り接触している。存在する別のターボ分子真空ポンプ(図示されていない)では、スプラッシュナットの代わりに、スプラッシュねじが設けられてよい。これにより、様々な構成が実現可能であるので、上記関係において、「スプラッシュ尖端」との用語も用いられる。
作動媒体貯蔵部は、上下にスタックされた吸収性の複数のディスク187を有する。これらのディスク187には、転がり軸受181用の作動媒体、例えば潤滑剤が含浸されている。
真空ポンプ111の運転時、作動媒体は、毛管現象によって、作動媒体貯蔵部から掻落とし部材を介して、回転するスプラッシュナット185へと伝達され、そして、遠心力に基づいて、スプラッシュナット185に沿って、スプラッシュナット185の、増大していく外径の方へと、転がり軸受181に向かって送られる。そこでは、例えば潤滑機能が満たされる。転がり軸受181及び作動媒体貯蔵部は、真空ポンプ内で槽状のインサート189と軸受カバー145とによって囲繞されている。
永久磁石式の磁気軸受183は、ロータ側の軸受半部191と、ステータ側の軸受半部193とを有する。これらは、それぞれ1つのリングスタックを有し、リングスタックは、軸方向に上下にスタックされた永久磁石の複数のリング195、197からなる。リング磁石195、197は、互いに半径方向の軸受間隙199を形成しつつ、対向していて、この場合、ロータ側のリング磁石195は、半径方向外側に、そしてステータ側のリング磁石197は、半径方向内側に配置されている。軸受間隙199内に存在する磁界は、リング磁石195、197の間に磁気的反発力を引き起こす。その反発力は、ロータシャフト153の半径方向の軸支を実現する。ロータ側のリング磁石195は、ロータシャフト153の支持部分201によって支持されている。支持部分201は、リング磁石195を半径方向外側で取り囲む。ステータ側のリング磁石197は、ステータ側の支持部分203によって支持されている。支持部分203は、リング磁石197を通って延びていて、そしてハウジング119の半径方向の支材205に懸架されている。回転軸線151に対して平行に、ロータ側のリング磁石195が、支持部分203に連結されたカバー要素207によって固定されている。ステータ側のリング磁石197は、回転軸線151に対して平行に1つの方向で、支持部分203に結合された固定リング209と支持部分203に結合された固定リング211とによって固定されている。固定リング211とリング磁石197との間に、皿ばね213がさらに設けられてよい。
磁気軸受内に、非常用軸受又は安全軸受215が設けられている。非常軸受又は安全軸受215は、真空ポンプの通常運転時には、非接触で空転し、そしてロータ149がステータに対して相対的に半径方向に過剰に変位するとようやく係合し、これにより、ロータ側の構造とステータ側の構造との衝突が阻止されるように、ロータ149に対する半径方向のストッパが形成される。安全軸受215は、非潤滑式の転がり軸受として構成されていて、そしてロータ149及び/又はステータと共に半径方向の間隙を形成する。間隙によって、安全軸受215は、通常のポンプ運転時には係合しないようになる。半径方向の変位に際して安全軸受215が係合し、半径方向の変位は、十分に大きく寸法付けられているので、安全軸受215は、真空ポンプの通常運転時は係合せず、そして同時に十分に小さいので、ロータ側の構造とステータ側の構造との衝突があらゆる状況で阻止される。
真空ポンプ111は、ロータ149を回転駆動する電動モータ125を有する。電動モータ125の電機子は、ロータ149によって形成されている。ロータ149のロータシャフト153は、モータステータ217を通って延びる。ロータシャフト153の、モータステータ217を通って延びる部分には、半径方向外側に又は埋入して、永久磁石アセンブリが配置されてよい。モータステータ217と、ロータ149の、モータステータ217を通って延びる部分との間には、中間室219が配置されている。中間219は、半径方向のモータ間隙を有する。モータ間隙を介して、モータステータ217と永久磁石アセンブリとは、駆動トルクを伝達するために、磁気的に影響を及ぼしてよい。
モータステータ217は、ハウジング内で、電動モータ125に対して設けられたモータ室137内に固定されている。シールガス接続部135を介して、シールガス(パージガスとも称され、これは例えば空気や窒素であってよい)が、モータ室137に到達し得る。シールガスを介して、電動モータ125を、プロセスガス、例えばプロセスガスの腐食性の部分に対して保護できる。モータ室137は、ポンプ排気口117を介して真空引きしてもよい。つまりモータ室137内に、少なくとも近似的に、ポンプ排気口117に接続された補助真空ポンプによって実現される真空圧が作用する。
ロータハブ161と、モータ室137を画成する壁部221との間には、それ自体公知のいわゆるラビリンスシール223がさらに設けられてよい。これにより、特に、半径方向外側に位置するホルベックポンプ段に対するモータ室217のより良好なシールが達成される。
ここで以下、図6を参照して、本発明によるターボ分子ポンプ111について記述する。図6に示された本発明によるターボ分子ポンプ111は、以前の図1から図5を参照して構成されたターボ分子ポンプ111とほぼ同一に構成されている。したがって、図6に示された本発明によるターボ分子ポンプ111の基本構造について、図1から図5に示されたターボ分子ポンプ111の前述の説明を参照できる。しかし、図1から図5を参照して前述されたターボ分子ポンプ111と比較して、図6に示された本発明によるターボ分子ポンプ111は、キャリアガス接続部225を付加的に有する。キャリアガス接続部225の位置及び機能について、以下により詳しく説明する。
前述したように、前述のターボ分子ポンプ111は、ポンプ111のホルベックポンプ段に開口する通気用吸気口133を有する。しかも、同様に、直列に接続されたターボ分子ポンプ段の領域に通気用吸気口133を設けてもよく、この場合、通気用吸気口133は、通常、直列に接続されたターボ分子ポンプ段によって形成されるポンプ機構の下流側の領域に位置する。例えば10のターボ分子ポンプ段を有するターボ分子ポンプでは、通気用吸気口133は、例えば第7段のポンプ段の領域に位置してよい。ポンプ111が運転停止した後又は電動モータ125への給電が中断された後に、そのような通気用吸気口133を介して、ポンプ111に例えば空気が通気できる。
本発明によれば、ターボ分子真空ポンプ111は、通気用吸気口133に加えて又は通気用吸気口133の代わりに、図6に単に概略的に符号「225」によって見分けられるキャリアガス接続部を有することが想定されている。この場合、キャリアガス接続部225は、ハウジング開口であり、このハウジング開口を通って、キャリアガスを、ターボ分子ポンプ段によって形成されるポンプ機構に導入できる。この場合、キャリアガス接続部225のハウジング開口227は、例えばここでは図示されていないねじ閉鎖部によって閉鎖可能であり、ねじ閉鎖部は、必要に応じて取り外すことができ、これにより、キャリアガス接続部225に供給管路を接続でき、供給管路を介して、キャリアガス接続部225にキャリアガスを供給できる。これに対して代替的に、キャリアガス接続部225のハウジング開口227にここでは図示されていない流量制御弁が接続されてよく、流量制御弁の通流断面は無段階に変化可能であり、これにより、キャリアガス接続部225に供給されるキャリアガスの量を無段階に調整、特に制御できる。
この場合、本発明によれば、キャリアガス接続部225は、ターボ分子ポンプ段Mの上流側で、Nのターボ分子ポンプ段によって形成されたポンプ機構に開口し、この場合、
が成り立つ。この場合、用語について、ポンプ吸気口115の最も近くに位置するターボ分子ポンプ段は、第1段のポンプ段と称され、ポンプ排気口117の最も近くに位置するターボ分子ポンプ段は、第N段のポンプ段と称されるように選択されていて、この場合、個々のターボ分子ポンプ段は、ポンプ排気口117へ向けて1からNまで連続する整数の通し番号が付けられている。したがって、例えば10のターボ分子ポンプ段の場合、キャリアガス接続部は、第6段のターボ分子ポンプ段の上流側で、ターボ分子ポンプ段によって形成されたポンプ機構に開口する。これに対してターボ分子ポンプが例えば8のターボ分子ポンプ段を有するとき、キャリアガス接続部225は、第5段のターボ分子ポンプ段の上流側で、ターボ分子ポンプ段によって形成されたポンプ機構に開口する。
しかし、基本的に、キャリアガス接続部225を、ターボ分子ポンプ機構の上流側の端部の付近に、特に複数のターボ分子ポンプ段によって形成されたポンプ機構の上流側の1/3に設けることが有利であると証明されていて、これについては、例えば関係式
によって表すことができ、ここで、Nは、ターボ分子ポンプ段の数であり、Mは、ポンプ段の数であり、その上流側で、キャリアガス接続部225がポンプ機構に開口するのが望ましい。この場合、有利には、関係式に
が適用され、しかもこの場合、ポンプ吸気口115へ向かうキャリアガスの逆流を防止するには、キャリアガス接続部225は、全てのケースで第1段のターボ分子ポンプ段より下流側に、好ましくは第2段のターボ分子ポンプ段より下流側に設けられるべきである。
通気用吸気口133とは異なり、キャリアガス接続部225を介して、キャリアガスは、ポンプの遮断を行った後でようやくポンプ機構に導入されるのではなく、むしろ、本発明によれば、キャリアガス接続部225を介して、ターボ分子ポンプ111の運転中に、ひいてはプロセスガスの圧送中にポンプ吸気口115からポンプ排気口117へキャリアガスがポンプ機構に導入されることが想定されている。さらに換言すると、要するにキャリアガスは、電動モータ125が通電されている間にポンプ機構に導入される。
したがって、キャリアガスは、キャリアガス接続部225を介して、ターボ分子ポンプ111の通常のポンプ運転中にポンプ機構に導入される。この場合、この通常のポンプ運転とは、その間にターボ分子真空ポンプ111が連続的にその最大許容出力の少なくとも75%及び/又はその最大許容回転速度の少なくとも75%で運転される期間として定義されてよい。この場合、特に、そのように定義された期間の少なくとも50%の時間の間、キャリアガスは、キャリアガス接続部225を通じてポンプ機構に導入される。この場合、例えば、キャリアガスは、連続的に、プロセスガスを圧送する間、少なくとも1時間の期間にわたって、特に10時間の期間にわたって、好ましくは24時間を超える期間にわたってポンプ機構に導入されることが想定され得る。
この場合、キャリアガス接続部225を介して導入されるキャリアガスは、ポンプ吸気口115からポンプ排気口117へ圧送されるプロセスガスを引き込み又は運び、その際、特に、プロセスガスがポンプ排気口117からポンプ吸気口115へ逆流し得るのを防止する。したがって、ポンプ吸気口における圧力は、所望の形で低下するので、ポンプの排気速度は、所望の形で増加する。
図6を参照してここで記述するターボ分子真空ポンプ111は、前述の形でターボ分子ポンプ段の下流側にホルベックポンプ段を有する。しかし、ホルベックポンプ段は、通気用吸気口133と全く同様に任意選択的であり、本発明によるキャリアガス効果を得るためには必要とされない。要するに、本発明に係るターボ分子真空ポンプ111は、ホルベックポンプ段を有してよいが、必須ではない。
以下、図7を参照して、ホルベックポンプ段を有しないターボ分子ポンプで観察された試験結果を紹介する。ここでは、ターボ分子ポンプは、10のターボ分子ポンプ段(N=10)を有する。図7の線図では、ポンプの吸気口115における圧力がY軸上に記入されていて、ポンプ排気口117における補助圧力がX軸上に記入されている。この場合、試験に際して使用されたターボ分子ポンプは、第7段のターボ分子ポンプ段の領域に通気用吸気口を有するとともに、第4段のターボ分子ポンプ段の領域にキャリアガス接続部を有する。
この場合、線図の最も上の線は、気体が、通気用吸気口を介してもキャリアガス接続部を介してもポンプ機構に導入されなかったポンプの運転状態を示す。これに対して、線図の中央の線は、第7段のターボ分子ポンプ段の領域にある通気用吸気口を介して、ポンプの運転中に窒素がポンプ機構に導入された運転状態に関する。これに対して、線図の最も下の線は、第4段のターボ分子ポンプ段の領域にあるキャリアガス接続部を介して窒素がポンプ機構に導入されたポンプの運転状態に関する。この場合、ポンプは、3つの全ての運転状態の間、1000sccmの水素ガスがプロセスガスとしてポンプ吸気口115からポンプ排気口117へ圧送されるように運転された。
図面の中央の線から看取されるように、既に通気用吸気口を通る窒素ガスの導入によって、線図の最も上の線によるポンプ機構にキャリアガスがポンプ機構に導入されない運転状態に対してポンプ吸気口における圧力の低下が生じる。
したがって、既に通気用吸気口を介して窒素を導入することによって、ポンプの排気速度が改善され、しかも線図の最も下の線から看取できるように、ポンプ吸気口圧力は、キャリアガスとして窒素が第7段のターボ分子ポンプ段の領域にある通気用吸気口を介してではなく、第4段のターボ分子ポンプの領域にあるキャリアガス接続部を介してポンプ機構に導入されると、その上さらに低下する。
前述の試験結果では、ポンプを、ポンプが連続的に1000sccmHを圧送するように運転した。その際、通気用吸気口又はシールガス接続部225を介して100sccmの窒素をポンプ機構に導入した。したがって、要するに試験によって、約10:1(毎分標準立方センチメートルのプロセスガス:毎分標準立方センチメートルのキャリアガス)の比で、前述の逆流問題を確実に減らせ、したがって、ポンプの消費電力の過剰な負担をもたらすことなく、ポンプの排気速度を増加できることが分かった。
111 ターボ分子ポンプ
113 吸気口フランジ
115 ポンプ吸気口
117 ポンプ排気口
119 ハウジング
121 下部分
123 エレクトロニクスハウジング
125 電動モータ
127 アクセサリ接続部
129 データインタフェース
131 電流供給接続部
133 通気用吸気口
135 シールガス接続部
137 モータ室
139 冷却剤接続部
141 下面
143 ねじ
145 軸受カバー
147 固定孔
148 冷却剤管路
149 ロータ
151 回転軸線
153 ロータシャフト
155 動翼
157 静翼
159 スペーサリング
161 ロータハブ
163 ホルベックロータスリーブ
165 ホルベックロータスリーブ
167 ホルベックステータスリーブ
169 ホルベックステータスリーブ
171 ホルベック間隙
173 ホルベック間隙
175 ホルベック間隙
179 接続チャネル
181 転がり軸受
183 永久磁石式の磁気軸受
185 スプラッシュナット
187 ディスク
189 インサート
191 ロータ側の軸受半部
193 ステータ側の軸受半部
195 リング磁石
197 リング磁石
199 軸受間隙
201 支持部分
203 支持部分
205 半径方向の支柱
207 カバー要素
209 支持リング
211 固定リング
213 皿ばね
215 非常用軸受又は安全軸受
217 モータステータ
219 中間室
221 壁部
223 ラビリンスシール
225 キャリアガス接続部
227 ハウジング開口
前述の試験結果では、ポンプを、ポンプが連続的に1000sccmHを圧送するように運転した。その際、通気用吸気口又はシールガス接続部225を介して100sccmの窒素をポンプ機構に導入した。したがって、要するに試験によって、約10:1(毎分標準立方センチメートルのプロセスガス:毎分標準立方センチメートルのキャリアガス)の比で、前述の逆流問題を確実に減らせ、したがって、ポンプの消費電力の過剰な負担をもたらすことなく、ポンプの排気速度を増加できることが分かった。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下を含む。
1.
分子真空ポンプ(111)であって、
ロータシャフト(153)によって駆動される、プロセスガスをポンプ吸気口(115)からポンプ排気口(117)へ圧送するポンプ機構を収容するハウジング(119)を備え、
ポンプ機構は、ポンプ吸気口(115)とポンプ排気口(117)との間で、ポンプ効果を奏して互いに直列に接続された複数Nのポンプ段を有し、ポンプ吸気口(115)に最も近く位置するポンプ段が、第1段のポンプ段であり、ポンプ排気口(117)に最も近く位置する段が、第N段のポンプ段であり、
ハウジング(119)は、キャリアガス接続部(225)を有し、キャリアガス接続部(225)は、ポンプ段Mの上流側でポンプ機構に開口し、ここで、
が成り立つ、分子真空ポンプ(111)。
2.
が成り立ち、さらにN≧4が成り立つ、上記1の分子真空ポンプ(111)。
3.
が成り立ち、さらにN≧6が成り立つ、上記1の分子真空ポンプ(111)。
4.
分子真空ポンプ(111)は、ターボ分子真空ポンプ(111)であって、ターボ分子真空ポンプは、ポンプ効果を奏して互いに直列に接続された複数Nのターボ分子ポンプ段を有し、各ターボポンプ段は、ロータシャフト(153)に取り付けられた動翼(155)と定位置の静翼(157)とをそれぞれ有する、上記1から3のいずれか一つの分子真空ポンプ(111)。
5.
分子真空ポンプ(111)を運転する方法であって、
分子真空ポンプ(111)は、電動モータを用いて、ロータシャフト(153)によって駆動される、プロセスガスをポンプ吸気口(115)からポンプ排気口(117)へ圧送するポンプ機構を収容するハウジング(119)を備え、
ポンプ機構は、ポンプ吸気口(115)とポンプ排気口(117)との間に、ポンプ効果を奏して互いに直列に接続された複数Nのポンプ段を有し、ポンプ吸気口(115)に最も近く位置するポンプ段が、第1段のポンプ段であり、ポンプ排気口(117)に最も近く位置する段が、Nのポンプ段であり、
方法は、プロセスガスをポンプ吸気口(115)からポンプ排出口(117)へ圧送する間に、ポンプ機構に所定量のキャリアガスを導入することを特徴とする、方法。
6.
電動モータが通電されている間に、キャリアガスをポンプ機構に導入する、上記5の方法。
7.
毎分標準立方センチメートル(sccm)で測定される、ポンプ機構に導入されるキャリアガスの量と、毎分標準立方センチメートル(sccm)で測定される、圧送されるプロセスガスの量との比は、1:Xであり、この場合、5≦X≦15、特に7≦X≦13、好ましくは9≦X≦11が成り立ち、特に好ましくはXはほぼ10である又は10に等しい、上記5及び/又は6の方法。
8.
方法を、上記1から4のいずれか一つの分子真空ポンプ(111)を用いて実施する、上記5から7のいずれか一つの方法。
9.
キャリアガスとして、プロセスガスよりも大きいモル質量を有する気体を使用し、特に、キャリアガスとして窒素及び/又はアルゴンを用いる、上記5から8のいずれか一つの方法。
10.
キャリアガスを、プロセスガスを圧送する間、少なくとも1時間の期間にわたって、特に少なくとも10時間の期間にわたって、好ましくは24時間を超える期間にわたって連続的に導入する、上記5から9のいずれか一つの方法。
11.
キャリアガスを、分子真空ポンプ(111)を最大許容出力の少なくとも75%又は最大許容回転速度の少なくとも75%で連続的に運転する期間の少なくとも50%の時間の間、連続的に導入する、上記5から10のいずれか一つの方法。

Claims (11)

  1. 分子真空ポンプ(111)であって、
    ロータシャフト(153)によって駆動される、プロセスガスをポンプ吸気口(115)からポンプ排気口(117)へ圧送するポンプ機構を収容するハウジング(119)を備え、
    ポンプ機構は、ポンプ吸気口(115)とポンプ排気口(117)との間で、ポンプ効果を奏して互いに直列に接続された複数Nのポンプ段を有し、ポンプ吸気口(115)に最も近く位置するポンプ段が、第1段のポンプ段であり、ポンプ排気口(117)に最も近く位置する段が、第N段のポンプ段であり、
    ハウジング(119)は、キャリアガス接続部(225)を有し、キャリアガス接続部(225)は、ポンプ段Mの上流側でポンプ機構に開口し、ここで、
    が成り立つ、分子真空ポンプ(111)。
  2. が成り立ち、さらにN≧4が成り立つ、請求項1に記載の分子真空ポンプ(111)。
  3. が成り立ち、さらにN≧6が成り立つ、請求項1に記載の分子真空ポンプ(111)。
  4. 分子真空ポンプ(111)は、ターボ分子真空ポンプ(111)であって、ターボ分子真空ポンプは、ポンプ効果を奏して互いに直列に接続された複数Nのターボ分子ポンプ段を有し、各ターボポンプ段は、ロータシャフト(153)に取り付けられた動翼(155)と定位置の静翼(157)とをそれぞれ有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の分子真空ポンプ(111)。
  5. 分子真空ポンプ(111)を運転する方法であって、
    分子真空ポンプ(111)は、電動モータを用いて、ロータシャフト(153)によって駆動される、プロセスガスをポンプ吸気口(115)からポンプ排気口(117)へ圧送するポンプ機構を収容するハウジング(119)を備え、
    ポンプ機構は、ポンプ吸気口(115)とポンプ排気口(117)との間に、ポンプ効果を奏して互いに直列に接続された複数Nのポンプ段を有し、ポンプ吸気口(115)に最も近く位置するポンプ段が、第1段のポンプ段であり、ポンプ排気口(117)に最も近く位置する段が、Nのポンプ段であり、
    方法は、プロセスガスをポンプ吸気口(115)からポンプ排出口(117)へ圧送する間に、ポンプ機構に所定量のキャリアガスを導入することを特徴とする、方法。
  6. 電動モータが通電されている間に、キャリアガスをポンプ機構に導入する、請求項5に記載の方法。
  7. 毎分標準立方センチメートル(sccm)で測定される、ポンプ機構に導入されるキャリアガスの量と、毎分標準立方センチメートル(sccm)で測定される、圧送されるプロセスガスの量との比は、1:Xであり、この場合、5≦X≦15、特に7≦X≦13、好ましくは9≦X≦11が成り立ち、特に好ましくはXはほぼ10である又は10に等しい、請求項5及び/又は6に記載の方法。
  8. 方法を、請求項1から4のいずれか一項に記載の分子真空ポンプ(111)を用いて実施する、請求項5から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. キャリアガスとして、プロセスガスよりも大きいモル質量を有する気体を使用し、特に、キャリアガスとして窒素及び/又はアルゴンを用いる、請求項5から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. キャリアガスを、プロセスガスを圧送する間、少なくとも1時間の期間にわたって、特に少なくとも10時間の期間にわたって、好ましくは24時間を超える期間にわたって連続的に導入する、請求項5から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. キャリアガスを、分子真空ポンプ(111)を最大許容出力の少なくとも75%又は最大許容回転速度の少なくとも75%で連続的に運転する期間の少なくとも50%の時間の間、連続的に導入する、請求項5から10のいずれか一項に記載の方法。
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