JP2024034681A - 積層基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】配線の抵抗の低減のために配線を積層方向で高くしながらも、高集積化のために配線をファインにする技術の提供。【解決手段】本開示の積層基板は、電子部品を内蔵するコア基板と、その上に積層されるビルドアップ層とを有する。ビルドアップ層には、7μm以下の間隔をあけて並ぶ複数の配線を含んだ導電層と、絶縁層と、絶縁層に形成されるビア導体とが含まれ、電子部品がビア導体を介して複数の配線に接続され、複数の配線は、幅が5μm以下で、幅に対する高さの比であるアスペクト比が2.0以上、4.0以下であり、かつ、コア基板と反対側の面が研磨面になっている。【選択図】図1
Description
本開示は、コア基板とビルドアップ層とを有する積層基板に関する。
従来、積層基板として、間隔をあけて並ぶ複数の配線を含んだ導電層がビルドアップ層に含まれているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
上述した従来の積層基板に対し、配線の電気抵抗の低減のために配線を積層方向で高くしながらも、高集積化のために配線をファインにする技術の開発が求められている。
本開示の一態様に係る積層基板は、電子部品を内蔵するコア基板と、その上に積層されるビルドアップ層とを有する積層基板であって、前記ビルドアップ層には、7μm以下の間隔をあけて並ぶ複数の配線を含んだ導電層と、絶縁層と、前記絶縁層に形成されるビア導体とが含まれ、前記電子部品が前記ビア導体を介して前記複数の配線に接続され、前記複数の配線は、幅が5μm以下で、幅に対する高さの比であるアスペクト比が2.0以上、4.0以下であり、かつ、前記コア基板と反対側の面が研磨面になっている。
以下、図1~図12を参照して本開示の一実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態の積層基板10は、コア基板11と、その表裏の両面(以下、「F面11F」と「S面11S」という)に積層される第1と第2のビルドアップ層12A,12Bとを有する。
コア基板11は、例えば、絶縁層11Kの両面に導電層13を備えた構造をなしている。絶縁層11Kは、例えば、複数のプリプレグ(ガラスクロス等の繊維からなる心材を樹脂含侵してなるBステージの樹脂シート)が積層された構造をなしている。また、導電層13は、絶縁層11Kに積層されるメッキを主体としている。ここで、絶縁層11Kは、プリプレグ以外のもので形成されていてもよいが、絶縁層11Kの厚みが0.8mm以上で、曲げ弾性率が25GPa以上であることが好ましい。なお、本実施形態の絶縁層11Kは、厚みが1.5mm以下で、曲げ弾性率が40GPa以下になっている。
なお、コア基板11の導電層13はメッキでなくてもよく、例えば、銅箔で形成されていてもよい。また、コア基板11は導電層13を備えていなくてもよい。
コア基板11には、絶縁層11Kを貫通するキャビティ16が形成され、そのキャビティ16に電子部品40が収容されている。本実施形態の例では、図1及び図3に示すように、キャビティ16は直方体状に形成されている。電子部品40は、例えば、チップ型のコンデンサであって、キャビティ16の平面形状より一回り小さい角柱体をなし、上面(コア基板11のF面11Fを向く面)の両端部を1対の電極41で覆った構造になっている。また、電子部品40の厚さは、コア基板11の厚さより薄くなっていて、電子部品40の1対の電極41の主面41Mがコア基板11のF面11F側の導電層13における最外面と面一になるように配置されている。そして、電子部品40とキャビティ16の内面との間の隙間には、充填樹脂16Jが充填されている。
なお、キャビティ16は、直方体状の空間でなくてもよく、例えば、コア基板11のF面11F又はS面11S側に向かって幅狭となるようなテーパー状をなしていてもよい。また、キャビティ16には、電子部品40に限らず、金属ブロックが収容されていてもよい。さらに、電子部品40は、コンデンサに限定されるものではなく、例えば、コイル、ダイオード、トランジスタ等であってもよく、形状についても角柱体に限らず、例えば、円柱体等であってもよい。また、電子部品40の1対の電極41は、上面にのみ設けられた構造に限らず、例えば、角柱体の両端部の全周に設けられた構造であってもよい。
第1と第2のビルドアップ層12A,12Bは、コア基板11上に交互に積層される複数の絶縁層15と複数の導電層20と有し、最外面にソルダーレジスト層17を備えている。複数の絶縁層15は、例えば、ビルドアップ基板用の絶縁フィルム(心材を有さず、例えば、無機フィラーを含む熱硬化性樹脂からなるフィルム)であり、導電層20は、主としてメッキである。
なお、導電層20は、後述する増厚導電層22を除き、銅箔及びメッキの何れであってもよいし、それら以外のものであってもよい。また、絶縁層15は、ビルドアップ基板用の絶縁フィルム以外に、プリプレグであってもよいし、それ以外のものであってもよい。
複数の導電層13,20には、電気回路がプリントされ、絶縁層11K,15を挟んで隣り合う導電層13,20同士の間には、電気回路同士を接続する複数のスルーホール導体14又は複数のビア導体21V,22Vが形成されている。また、コア基板11のF面11F側の導電層13と隣り合う絶縁層15には、電子部品40の1対の電極41に対応する1対のビア導体21Vが形成されている。そして、例えば、1対のビア導体21Vを含むビア導体21V、22Vを介して第1のビルドアップ層12Aの電気回路に電子部品40が接続されるようになっている。さらに、ソルダーレジスト層17には、導電層20の電気回路に含まれる複数のパッド18に対応して複数の開口部17Hが形成されている。そして、例えば、F面11F側の複数のパッド18上に備えた複数の半田バンプ19を介して第1のビルドアップ層12Aの電気回路に電子部品80が接続されるようになっている。
第1と第2のビルドアップ層12A,12Bの電気回路には、例えば、複数の配線21L,22Lが間隔をあけて並ぶ配線集積部20Sと、グランド又は電極として使用されるプレーン22Pとが含まれている。なお、図1及び図2には、配線集積部20Sの配線21L,22Lの断面形状が示されている。また、配線集積部20Sには、図2に示すように、複数の配線22Lの各幅Lが5μm以下で、隣り合う配線22L同士の間隔Sがそれぞれ7μm以下の高配線集積部20S1が含まれている。なお、本実施形態の例では、高配線集積部20S1に含まれる複数の配線22Lの幅Lは2μm以上であることが好ましく、隣り合う配線22L同士の間隔Sは2μm以上であることが好ましい。
なお、電気回路には、上述した配線21L,22L、プレーン22P等以外にシールド用のベタ層が含まれていてもよい。また、導電層13,20には、電気回路以外のものとして、例えば、熱を蓄えるヒートシンク用のベタ層が含まれていてもよい。
ところで、第1のビルドアップ層12Aに含まれる電気回路は、その外面に実装される電子部品80に対応するために、一部の配線の高集積化と電気抵抗の低減化との両方(以下、「両目的」という)が求められる。しかしながら、一般的には、電気抵抗の低減化のために配線の断面積を大きくすると、配線をファインにすることが困難になり、その結果、高集積化が困難になる。これに対し、本実施形態の積層基板10では、両目的の達成を求められる高配線集積部20S1を含んだ一部複数の導電層20が、それら以外の導電層20より厚くかつ上面に研磨面22Kを有する構造になっている。
なお、第1と第2のビルドアップ層12A,12Bのバランスを図るために、第2のビルドアップ層12Bにおいて、第1のビルドアップ層12Aの高配線集積部20S1を含んだ一部複数の導電層20と同じ階層の導電層20が厚くなっている。また、第1と第2のビルドアップ層12A,12Bに含まれる複数の各絶縁層15は、均一な厚さ(ばらつきによる相違は除く)になっている。
詳細には、図1及び図2に示されるように、本実施形態の例では、第1と第2の各ビルドアップ層12A,12Bは、それぞれ例えば6層の導電層20を有し、それら6層の導電層20のうちコア基板11側の3層に比べて外面側の3層は厚く、それらの厚さは例えば、5μm以上(好ましくは、7μm以上)になっている。以下、複数の導電層20を区別する場合には、コア基板11側の3層の導電層20を符号のみを相違させて「導電層21」とし、外面側の3層の導電層20を「増厚導電層22」ということとする。さらに、増厚導電層22同士を区別する場合には、コア基板11に近い側から順に「第1の増厚導電層22」、「第2の増厚導電層22」、「第3の増厚導電層22」ということとする。なお、本実施形態では、増厚導電層22の厚さは、20μm以下で、好ましくは、15μm以下になっている。
複数の増厚導電層22は、第1と第2のビルドアップ層12A,12Bを形成する過程で各増厚導電層22の上面全体が研磨されて、上面に研磨面22Kを有する。即ち、第1のビルドアップ層12Aの第1と第2の増厚導電層22の高配線集積部20S1に含まれる複数の配線22Lは、上面が研磨され、ファインでかつ高さが均一になっている。これにより、第1と第2の増厚導電層22に含まれる配線22Lの高さH2を5μm以上にまで高めることが可能になり、配線22Lの高さH2に対する幅Lの比であるアスペクト比が2.0以上、4.0以下となっている。なお、図1,2の本実施形態の例では、増厚導電層22の配線22Lが、幅Lが3μm、間隔Sが3μm、高さH2が10μmで、アスペクト比が3.3の例が示されている。
第1と第2のビルドアップ層12A,12Bの電気回路には、高配線集積部20S1以外に、プレーン22Pが含まれているため、図1、2に示されるように、高配線集積部20S1がプレーン22Pと積層方向から見て重なる位置に配置されることがある。ここで、プレーンは、その上面が外縁部側より中央側が窪むように凹むことが多いため、そのプレーンの上に複数の配線が配置されると、配線の高集積化が困難になる。これに対し、本実施形態の積層基板10では、プレーン22Pを含む第1の増厚導電層22の上面に研磨面22Kを有するので、プレーン22Pの上面が平坦でかつ高さが均一になっている。これにより、プレーン22Pと積層方向から見て重なる位置に配置される第2の増厚導電層22の複数の配線22Lについても、他の配線22Lと同様に高集積化が可能になっている。
本実施形態の積層基板10では、第1と第2と第3の増厚導電層22の厚さが略同一になっている。換言すれば、高配線集積部20S1の配線22Lの全ての高さが均一になっていると共に、それら複数の配線22Lとプレーン22Pとの高さが略同一になっている。
また、複数の増厚導電層22上には、複数のビア導体22が形成されている。ここで、ビア導体22のビアホール22Hは、後述する製造方法で説明するように、下側の第1の増厚導電層22の上面を基準にして形成される。本実施形態では、この基準となる第1の増厚導電層22の上面が平坦な研磨面22Kになっているので、複数のビアホール22Hが精度よく形成され、複数のビア導体22Vがファインになっている。また、増厚導電層22上に積層される絶縁層15は、平坦な研磨面22K上に形成されることで厚みが略均一になり、複数のビア導体22Vの軸長T2のばらつきが抑えられている。これにより、ビア導体22では、最大径D2に対する軸長T2の比を、0.5以上、1.0以下にまで抑えられている。なお、本実施形態の例では、絶縁層15の高さT0が20μm、増厚導電層22同士の間の絶縁層15の高さT2が10μm、ビア導体22Vの最大径D2が10μmであり、ビア導体22Vの最大径D2に対する軸長T2の比が1.0の例が示されている。
本実施形態の積層基板10では、上述した高配線集積部20S1の複数の配線22Lに、ビア導体21V,22Vを介して電子部品40に接続される電子部品接続配線が含まれている。本実施形態の例では、この電子部品接続配線を介して電子部品40と電子部品80とが接続されるようになっている。
本実施形態の積層基板10は、以下のように製造される。
(1)絶縁層11Kの表裏に両面に銅箔(図示せず)が積層されている銅張積層板11Dが用意され、図4(A)に示されるように、銅張積層板11Dに、例えば、ドリル加工等によってスルーホール14Hが形成され、スルーホール14H内が洗浄(デスミア処理)される。
(1)絶縁層11Kの表裏に両面に銅箔(図示せず)が積層されている銅張積層板11Dが用意され、図4(A)に示されるように、銅張積層板11Dに、例えば、ドリル加工等によってスルーホール14Hが形成され、スルーホール14H内が洗浄(デスミア処理)される。
(2)サブトラクティブ法により、銅張積層板11Dの表裏の両面の銅箔(図示せず)上に導電層13が形成されると共に、スルーホール14Hの内面にスルーホール導体14が形成される(図4(B)参照)。これにより、コア基板11が形成される。なお、同図には、コア基板11のF面11Fを上側、S面11Sを下側にしている状態の例が示されている。
(3)図4(C)に示されるように、コア基板11に、ルータ又はCO2レーザによってキャビティ16が形成される。
(4)図5(A)に示されるように、キャビティ16が塞がれるように、PETフィルムからなるテープ90がコア基板11のF面11F上に貼り付けられる。なお、図5及び図6(A)では、コア基板11のF面11Fを下側にしている状態が示されている。
(5)電子部品40が用意され、図5(B)に示されるように、電子部品40がマウンター(図示せず)によって1対の電極41がテープ90と対向するようにキャビティ16に収められる。
(6)図5(C)に示されるように、コア基板11のS面11S側の導電層13上に絶縁層15として、ビルドアップ基板用の絶縁フィルムが積層されて加熱プレスされる。その際、コア基板11のS面11S側の導電層13のパターンの非形成部分が絶縁フィルムにより埋められ、加熱により溶解した絶縁フィルムが熱硬化性樹脂としてキャビティ16の内面と電子部品40との隙間に充填される。なお、キャビティ16の内面と電子部品との隙間に充填された熱硬化性樹脂によって上述した充填樹脂16Jが形成される。
(7)図6(A)に示されるように、テープ90が除去される。
(8)上記(6)の工程と同様に、コア基板11のF面11F側の導電層13上に絶縁層15としてのビルドアップ基板用の絶縁フィルムが積層されて加熱プレスされる。そして、コア基板11のF面11F側の導電層13のパターンの非形成部分が絶縁フィルムにより埋められる。なお、図6(B)では、コア基板11のF面11Fを上側にしている状態が示され、以下、図6(C)及び図7~12についても同様である。
(9)図6(C)に示されるように、コア基板11の両面の絶縁層15のうち、導電層13上及び電子部品40の1対の電極41上にレーザが照射されて、絶縁層15を貫通するテーパー状のビアホール21Hが複数、形成され、ビアホール21H内が洗浄(デスミア処理)される。次いで、無電解メッキ処理が行われ、絶縁層15上と、ビアホール21Hの内面とに無電解メッキ膜(図示せず)が形成される。
(10)図7(A)に示されるように、無電解メッキ膜(図示せず)上に、所定パターンのメッキレジスト31が形成される。このとき、メッキレジスト31は、高さM1で形成される。そして、メッキレジスト31の非形成部分に溝31Mが形成される。
(11)電解メッキ処理が行われ、ビアホール21H内に電解メッキが充填されてビア導体21Vが形成されると共に、無電解メッキ膜(図示せず)のうちメッキレジスト31から露出している部分(溝31M)上に電解メッキ膜21Dが形成される(図7(B)参照)。なお、電解メッキ膜21Dは、メッキレジスト31の高さM1に比べて十分低い高さで形成される。
(12)次いで、メッキレジスト31が剥離されると共に、メッキレジスト31の下側の無電解メッキ膜(図示せず)が除去される。そして、残された無電解メッキ膜及び電解メッキ膜21Dにより、導電層21が形成される(図7(C)参照)。
(13)コア基板11の表裏の両面の導電層21上に、ビルドアップ基板用の絶縁フィルムが積層されて加熱プレスされて、絶縁層15が形成される。
(14)上述した(9)~(13)と同様の工程が繰り返され、図8(A)に示されるように、コア基板11から4層目の絶縁層15が形成されると共に、その絶縁層15においてビアホール21Hの形成及び洗浄と、無電解メッキ処理とが行われる。なお、同図では、第1ビルドアップ層12A側のみが示されている。以下、図9~図12についても同様とする。
(15)図8(B)に示されるように、コア基板11から4層目の絶縁層15の無電解メッキ膜(図示せず)上に、第1の増厚導電層22を形成するためのメッキレジスト31が所定パターンで形成される。このとき、メッキレジスト31は、上述した(10)の導電層21を形成するためのメッキレジスト31と同じ高さM1で形成される。
(16)電解メッキ処理が行われ、ビアホール21H内に電解メッキが充填されてビア導体21Vが形成されると共に、無電解メッキ膜(図示せず)のうちメッキレジスト31から露出している部分(溝31M)上に電解メッキ膜22Dが形成される(図8(C)参照)。このとき、配線22Lとなる比較的溝幅が狭い溝31Mでは、溝31Mから溢れる高さまで電解メッキが充填されてメッキレジスト31より厚い電解メッキ膜22Dが形成される。また、プレーン22Pとなる比較的大きな溝31Mでは、上面が外縁部側より中央側が凹んだ電解メッキ膜22Dが形成される。なお、この電解メッキ処理では、上述した(11)の電解メッキ処理に比べて、無電解メッキ膜(図示せず)に印加する電流が大きく、かつ、長い時間、電解メッキ処理が施される。
(17)次いで、メッキレジスト31及び電解メッキ膜22Dを含む上面全体が平面研磨される。具体的には、研磨する側と反対側の面側が治具にて吸着されて、例えば、化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)によりメッキレジスト31の上面と電解メッキ膜22Dの上面とが同一面をなすように研磨される。すると、図9(A)に示されるように、メッキレジスト31及び電解メッキ膜22Dは、上面全体が平坦になると共に、高さが均一になる。また、メッキレジスト31及び電解メッキ膜22Dを含む上面全体が研磨面22Kとなる。なお、図8(C)には、研磨前のメッキレジスト31及び電解メッキ膜22Dが示され、この状態に対して研磨面22Kとなる位置が二点鎖線にて示されている。なお、上述した研磨は、化学機械研磨に限らず、機械的研磨(例えば、セラミック砥石、又は、バフ砥石)、サンドブラスト等の方法で行ってもよい。
(18)メッキレジスト31が剥離されると共に、メッキレジスト31の下側の無電解メッキ膜(図示せず)が除去される。すると、図9(B)に示されるように、絶縁層15上に残された無電解メッキ膜及び電解メッキ膜22Dにより第1の増厚導電層22が形成される。これにより、第1の増厚導電層22に含まれる複数の配線22Lが、上部がファインでかつ高さが均一に形成される。また、プレーン22Pについても、上面が平坦でかつ高さが均一に形成される。
(19)上述した(13)の工程と同様に、第1の増厚導電層22上に絶縁層15が積層される(図9(C)参照)。このとき、第1の増厚導電層22の平坦な研磨面22K上に絶縁層15が積層されて、絶縁層15は上面が略均一でかつ厚みT2が略均一に形成される。
(20)上述した(9)の工程と同様に、ビアホール22Hの形成及び洗浄と、無電解メッキ処理が行われる(図10(A)参照)。このとき、第1の増厚導電層22の上面全体が研磨面22Kとなっているので、レーザから研磨面22Kまでの距離のばらつきが抑えられ、焦点が合わせ易くなっている。これにより、ビアホール22Hがファインに形成される。また、複数のビアホールの軸長がばらついていると、それら複数のビアホールの全ての下端開口において内径を所定値以上とするために、上端開口を大きくしなければならないが、本実施形態では、複数のビアホール22Hの軸長T2のばらつきが抑えられているので、ビアホール22Hの上端開口を小さくできる。これにより、次述する(21)の工程で形成されるビア導体22Vの最大径D2に対する軸長T2の比を、0.5以上、1.0以下とすることが可能になっている。
(21)次いで、上述した(15)~(18)の工程と同様に、第2の増厚導電層22及びビア導体22Vを形成するためのメッキレジスト処理、電解メッキ処理、研磨処理、メッキレジスト剥離処理が行われる。このとき、図10(B)に示されるように、メッキレジスト処理により、第1の増厚導電層22のプレート22Pと積層方向から見て重なる位置に複数の配線22Lを形成する溝31Mが配置される。そして、図10(C)に示されるように、電解メッキ処理により、ビアホール22H内に電解メッキが充填されてビア導体22Vが形成される。また、溝31Mから溢れる高さまで電解メッキ膜22Dが形成される。次いで、研磨処理により、第2の増厚導電層22の高さが第1の増厚導電層22の高さと同じになるように、メッキレジスト31及び電解メッキ膜22Dが研磨される(図11(A)参照)。そして、メッキレジスト剥離処理により、複数の配線22Lを含む第2の増厚導電層22が形成される(図11(B)参照)。ここで、第2の増厚導電層22は、上面全体が研磨面22Kとなっている第1の増厚導電層22上に形成されると共に、当該上面全体も研磨面22Kになっているので、第2の増厚導電層22に含まれる複数の配線22Lの下部及び上部がファインに形成される。
(22)上述した(19)~(21)の工程が繰り返され、6層目の絶縁層15及び第3の増厚導電層22が積層される(図11(C)参照)。これにより、絶縁層15と導電層20とが交互に6層ずつ積層される。
(23)図12(A)に示されるように、第3の増厚導電層22上に、ソルダーレジスト層17が積層される。次いで、図12(B)に示されるように、ソルダーレジスト層17の所定箇所に、例えば、レーザ加工やフォトリソグラフィ処理等により、開口17Hが形成される。そして、第6の導電層20のうち開口17Hによりソルダーレジスト層17から露出した部分でパッド18が形成される。
(24)第1ビルドアップ層12A側のパッド18上に、半田バンプ19が形成される(図1参照)。以上で積層基板10が完成する。
本実施形態の積層基板10の構造及びその製造方法に関する説明は以上である。次に積層基板10の作用効果について説明する。本実施形態の積層基板10によれば、第1と第2のビルドアップ層12A,12Bの増厚導電層22に含まれる複数の配線22Lのうちコア基板11と反対側の面が研磨面22Kになっている。即ち、第1と第2のビルドアップ層12A,12Bの増厚導電層22を形成する過程で複数の配線22Lの上面が研磨される。これにより、従来より、複数の配線22Lがファインでかつ複数の配線22Lの高さが均一になる。しかも、研磨される複数の配線22Lは、コア基板11に支持された第1と第2のビルドアップ層12A,12Bに含まれているので、研磨時の複数の配線22Lの支持が安定し、これにより、複数の配線22Lのファイン化と高さの均一化が向上する。
そして、そのファイン化により、複数の配線22Lの幅Lが5μm以下で、配線22L同士の間隔Sが7μm以下になるまで高集積化することが可能になる。また、複数の配線22Lの高さの均一化により、複数の配線22Lの高さを高くすることが可能になる。具体的には、複数の配線22Lの高さがばらついていると、それら複数の配線22Lの全てが絶縁層15で確実に覆われるようにするために、複数の配線22Lを高くすることは困難であるが、本開示の技術によれば、研磨により複数の配線22Lの高さが従来より均一になるので、複数の配線22Lの全体を高くすることができる。
より具体的には、上述した複数の配線22Lは以下のように研磨されて研磨面22Kを有したものにすることができる。即ち、本開示の積層基板10をSAP法(Semi-Additive process)で製造する場合には、複数の配線22Lは、メッキレジスト31の溝31Mに充填される電解メッキ膜22Dを主体として形成される。その際、電解メッキ膜22Dの一部が溝31Mから溢れるまで高くしておき、メッキレジスト31と共に電解メッキ膜22Dを平面研磨することで、複数の配線22Lの研磨面22Kが形成され、複数の配線22Lの高さH2を5μm以上にすることができる。そして、複数の配線22Lのアスペクト比を、2.0以上、4.0以下として、配線22Lの電気抵抗の低減が可能となり、伝送損失の低減が可能となる。即ち、本実施形態の積層基板10によれば、積層方向で高く、ファインでかつ伝送損失が少ない配線22Lの実現が可能になる。
また、本実施形態では、ビア導体21Vを介して電子部品40に接続される電子部品接続配線に配線22Lが含まれているので、コンデンサである電子部品40に電流が流れ易くなる。そして、電子部品接続配線によって電子部品40と電子部品80とが接続されているので、電子部品80に印加される電圧の変動をコンデンサである電子部品40で抑えることが可能となる。
ところで、研磨せずに、複数の配線を高くする場合には、電解メッキ膜が溝31Mから溢れないようにするためにメッキレジストの高さを高くする必要がある。すると、メッキレジストの高さが増すことでメッキレジストの露光が困難になり、微細な回路パターンを形成することができないという問題がある。これに対し、本実施形態の積層基板10では、メッキレジスト31と共に電解メッキ膜22Dを平面研磨することで、電解メッキ膜22Dの上面を平坦にすることができると共に、増厚導電層22を形成する際のメッキレジスト31の高さM1を導電層21を形成する際のメッキレジスト31の高さM1と略同一としながら複数の配線22Lを高くすることができる。
また、複数の配線の高さがばらついていると、それら複数の配線の全てを絶縁層15で覆われるようにするために絶縁層15の厚みを厚くする必要があるが、本実施形態では、複数の配線22Lの高さを均一にできるので、複数の配線22Lを含む増厚導電層22上に積層される絶縁層15の厚さを従来より薄くすることが可能となる。また、その結果、絶縁層15に形成されるビア導体22Vを小さくすることが可能となる。
しかも、本実施形態の積層基板10では、増厚導電層22の上面全体が研磨面22Kになっているので、例えば、第1の増厚導電層22の上に第2の増厚導電層22を設ける際に、レーザから第1の増厚導電層22の上面までの距離のばらつきが抑えられ、焦点を合わせ易くなる。これにより、ビア導体22Vのファイン化が可能になる。また、複数のビアホール22Hの軸長T2のばらつきを抑えることができるので、ビアホール22Hの下端開口の大きさを確保するために上端開口を大きくする必要がなく、ビア導体22Vの最大径D2に対する軸長T2の比を0.5以上、1.0以下にすることが可能になる。
[他の実施形態]
(1)コア基板11の絶縁層11Kは、厚みが0.8mm以上で、かつ、曲げ弾性率が25GPa以上であったが、何れか一方を満たしていればよい。
(1)コア基板11の絶縁層11Kは、厚みが0.8mm以上で、かつ、曲げ弾性率が25GPa以上であったが、何れか一方を満たしていればよい。
(2)上記実施形態では、増厚導電層22の上面全体が研磨面22Kとなっていたが、増厚導電層22の上面の一部に研磨面22Kを有する構造であってもよい。なお、増厚導電層22の上面全体を研磨面22Kとする方が露光品質が向上する。
(3)上記実施形態では、第1と第2のビルドアップ層12A,12Bの電気回路に含まれる配線集積部20Sの一部が高配線集積20S1になっていたが、全ての配線集積部20Sが高配線集積20S1になっていてもよい。
(4)上記実施形態では、複数の配線22Lを含む増厚導電層22が、コア基板11から離れた外側に配置されていたが、どの位置に設けられていてもよい。また、複数の導電層20において、増厚導電層22が積層方向で連続していたが、例えば、導電層21と増厚導電層22とが積層方向で交互に配置されていてもよい。
(5)上記実施形態では、第1の増厚導電層22に複数の配線22Lとプレーン22Pとが含まれていたが、何れか一方のみであってもよい。
(6)上記実施形態では、複数の絶縁層15の高さT0が全て略同一になっていたが、例えば、導電層21に重なる絶縁層15の厚さを薄くして、複数の絶縁層15の高さT0を導電層21同士との間と、増厚導電層22同士との間とで異ならせてもよい。
(7)上記実施形態では、電子部品40と増厚導電層22との間に、導電層21が積層されていたが、例えば、電子部品40に隣り合うにように増厚層電装22が積層されて、1対のビア導体21Vを介して増厚導電層22に接続されていてもよい。
(8)上記実施形態では、電子部品40が第1のビルドアップ層12Aの電気回路に接続されていたが、第1と第2のビルドアップ層12A、12Bの両方の電気回路に接続されていてもよい。
<付記>
以下、上記実施形態から抽出される特徴群について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、これら特徴群は、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下、上記実施形態から抽出される特徴群について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、これら特徴群は、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
[特徴1]
電子部品を内蔵するコア基板と、その上に積層されるビルドアップ層とを有する積層基板であって、
前記ビルドアップ層には、7μm以下の間隔をあけて並ぶ複数の配線を含んだ導電層と、絶縁層と、前記絶縁層に形成されるビア導体とが含まれ、前記電子部品が前記ビア導体を介して前記複数の配線に接続され、
前記複数の配線は、幅が5μm以下で、幅に対する高さの比であるアスペクト比が2.0以上、4.0以下であり、かつ、前記コア基板と反対側の面が研磨面になっている。
電子部品を内蔵するコア基板と、その上に積層されるビルドアップ層とを有する積層基板であって、
前記ビルドアップ層には、7μm以下の間隔をあけて並ぶ複数の配線を含んだ導電層と、絶縁層と、前記絶縁層に形成されるビア導体とが含まれ、前記電子部品が前記ビア導体を介して前記複数の配線に接続され、
前記複数の配線は、幅が5μm以下で、幅に対する高さの比であるアスペクト比が2.0以上、4.0以下であり、かつ、前記コア基板と反対側の面が研磨面になっている。
[特徴2]
特徴1に記載の積層基板であって、
前記複数の配線の高さは、5μm以上である。
特徴1に記載の積層基板であって、
前記複数の配線の高さは、5μm以上である。
[特徴3]
特徴1又は2に記載の積層基板であって、
前記コア基板の前記絶縁層の曲げ弾性率は、25GPa以上である。
特徴1又は2に記載の積層基板であって、
前記コア基板の前記絶縁層の曲げ弾性率は、25GPa以上である。
[特徴4]
特徴1から3の何れか1に記載の積層基板であって、
前記複数の配線を含んだ前記導電層の上面の全体が研磨面になっている。
特徴1から3の何れか1に記載の積層基板であって、
前記複数の配線を含んだ前記導電層の上面の全体が研磨面になっている。
[特徴5]
特徴1から4の何れか1に記載の積層基板であって、
前記複数の配線を含む前記導電層と、その導電層の上に絶縁層を挟んで積層される導電層との間を接続する前記ビア導体の最大径に対する軸長の比は、0.5以上、1.0以下である。
特徴1から4の何れか1に記載の積層基板であって、
前記複数の配線を含む前記導電層と、その導電層の上に絶縁層を挟んで積層される導電層との間を接続する前記ビア導体の最大径に対する軸長の比は、0.5以上、1.0以下である。
[特徴6]
特徴1から5の何れか1の特徴に記載の積層基板であって、
前記複数の配線は、メッキレジストの溝に充填される電解メッキを主体とし、
前記複数の配線の前記研磨面は、前記溝から溢れる前記電解メッキの一部を前記メッキレジストと共に平面研磨してなる。
特徴1から5の何れか1の特徴に記載の積層基板であって、
前記複数の配線は、メッキレジストの溝に充填される電解メッキを主体とし、
前記複数の配線の前記研磨面は、前記溝から溢れる前記電解メッキの一部を前記メッキレジストと共に平面研磨してなる。
特徴1の積層基板では、ビルドアップ層に含まれる複数の配線のうちコア基板と反対側の面が研磨面になっている。即ち、ビルドアップ層を形成する過程で複数の配線が研磨される。これにより、従来より、複数の配線がファインでかつ複数の配線の高さが均一になる。しかも、研磨される配線は、コア基板に支持されたビルドアップ層に含まれているので、研磨時の複数の配線の支持が安定し、これにより、ファイン化及び高さの均一化が向上する。
そして、そのファイン化により、複数の配線の幅が5μm以下、配線同士の間隔が7μm以下になるまで高集積化することが可能になる。また、高さの均一化により、複数の配線の全体を高くすることができる。詳細には、複数の配線の高さがばらついていると、それら複数の配線の全てがビルドアップ層の絶縁層に確実に覆われるようにするために、複数の配線を高くすることは困難であるが、本開示の技術によれば、研磨により複数の配線の高さが従来より均一になるので、複数の配線の全体を高くすることができる。そして、複数の配線のアスペクト比を、2.0以上、4.0以下とし、電気抵抗の低減化が可能になり、伝送損失の低減が可能となる。即ち、本実施形態の積層基板によれば、積層方向で高く、ファインでかつ伝送損失が少ない配線の実現が可能になる。
また、特徴1の積層基板では、ビア導体を介して電子部品に接続される電子部品接続配線に配線が含まれているので、電子部品の作動を向上させることができる。
より具体的には、上述した複数の配線は以下のように研磨されて研磨面が有したものにすることができる。即ち、本開示の積層基板をSAP法(Semi-Additive Process)で製造する場合には、複数の配線は、メッキレジストの溝に充填される電解メッキを主体として形成される。その際、電解メッキの一部が溝から溢れるまで高くしておき、メッキレジストと共に電解メッキを平面研磨することで、複数の配線に研磨面が形成され(特徴6)、複数の配線の高さを7μm以上にすることができる(特徴2)。
なお、研磨時の複数の配線の支持を安定させるためには、コア基板の絶縁層の曲げ弾性率が、25GPa以上であることが好ましい(特徴3)。
また、複数の配線を含んだ導電層の上面の全体が研磨面になっていると(特徴4)、ビルドアップ層のうち当該導電層の上に別の導電層を設ける際に、光源から当該導電層の研磨面である上面までの距離のばらつきが抑えられ、焦点を合わせ易くなる。これにより、当該導電層とその上の導電層との間のビア導体のファイン化が可能になる。また、複数のビアホールの軸長のばらつきを抑えることができるので、ビアホールの下端開口の大きさを確保するために上端開口を大きくする必要がなく、ビア導体の最大径に対する軸長の比を0.5以上、1.0以下にすることが可能になる。
なお、本明細書及び図面には、特許請求の範囲に含まれる技術の具体例が開示されているが、特許請求の範囲に記載の技術は、これら具体例に限定されるものではなく、具体例を様々に変形、変更したものも含み、また、具体例から一部を単独で取り出したものも含む。
10 積層基板
11 コア基板
11K,15 絶縁層
12A 第1ビルドアップ層
12B 第2ビルドアップ層
13,21,22 導電層
16 キャビティ
22D 電解メッキ膜
22K 研磨面
22L 配線
21V,22V ビア導体
31 メッキレジスト
31M 溝
40 電子部品
11 コア基板
11K,15 絶縁層
12A 第1ビルドアップ層
12B 第2ビルドアップ層
13,21,22 導電層
16 キャビティ
22D 電解メッキ膜
22K 研磨面
22L 配線
21V,22V ビア導体
31 メッキレジスト
31M 溝
40 電子部品
Claims (6)
- 電子部品を内蔵するコア基板と、その上に積層されるビルドアップ層とを有する積層基板であって、
前記ビルドアップ層には、7μm以下の間隔をあけて並ぶ複数の配線を含んだ導電層と、絶縁層と、前記絶縁層に形成されるビア導体とが含まれ、前記電子部品が前記ビア導体を介して前記複数の配線に接続され、
前記複数の配線は、幅が5μm以下で、幅に対する高さの比であるアスペクト比が2.0以上、4.0以下であり、かつ、前記コア基板と反対側の面が研磨面になっている。 - 請求項1に記載の積層基板であって、
前記複数の配線の高さは、5μm以上である。 - 請求項1に記載の積層基板であって、
前記コア基板の前記絶縁層の曲げ弾性率は、25GPa以上である。 - 請求項1に記載の積層基板であって、
前記複数の配線を含んだ前記導電層の上面の全体が研磨面になっている。 - 請求項4に記載の積層基板であって、
前記複数の配線を含む前記導電層と、その導電層の上に絶縁層を挟んで積層される導電層との間を接続する前記ビア導体の最大径に対する軸長の比は、0.5以上、1.0以下である。 - 請求項1から5の何れか1の請求項に記載の積層基板であって、
前記複数の配線は、メッキレジストの溝に充填される電解メッキを主体とし、
前記複数の配線の前記研磨面は、前記溝から溢れる前記電解メッキの一部を前記メッキレジストと共に平面研磨してなる。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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