JP2024032551A - 線材 - Google Patents

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JP2024032551A JP2022136262A JP2022136262A JP2024032551A JP 2024032551 A JP2024032551 A JP 2024032551A JP 2022136262 A JP2022136262 A JP 2022136262A JP 2022136262 A JP2022136262 A JP 2022136262A JP 2024032551 A JP2024032551 A JP 2024032551A
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利美 寺畑
豊 根石
昌 坂本
雅之 堀本
照久 宮▲崎▼
孝平 福地
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Abstract

【課題】鋼線としたときに十分な耐久比が得られ、十分な伸線加工性が得られる線材を提供する。【解決手段】本開示による線材は、化学組成が、質量%で、C:0.70~1.10%未満、Si:0.10~0.40%、Mn:0.15~0.80%、Cu:0.10~1.00%未満、P:0.015%以下、S:0.015%以下、N:0.0005~0.0060%、Al:0.003%以下、及び、O:0.0040%以下、を含有し、残部はFe及び不純物からなり、式(1)及び式(2)を満たす。0.10≦Si/(C+Ni)≦0.20 (1)1.43≦(Cr+Mn+Cu)/(Si+10P+10S+100N)≦1.63(2)【選択図】なし

Description

本開示は、線材に関する。
ビードワイヤー、スチールコード及びワイヤロープ等には鋼線が用いられる。鋼線は例えば、線材に対して伸線加工を実施して鋼線とし、その後、鋼線にめっき被膜を被覆してめっき拡散処理を施して製造される。
上述の用途に用いられる鋼線は、優れた耐久比(=引張強さ/疲労強度)が求められる。そのため、鋼線の素材となる線材では、線材を素材として鋼線を製造した場合に、優れた耐久比が求められる。さらに、鋼線を製造する場合、鋼線の素材である線材に対して複数回伸線加工を実施する場合がある。したがって、優れた伸線加工性も求められる。
伸線加工性の向上、及び、鋼線の疲労特性の向上に関する技術が、特開2011-225990号公報(特許文献1)に提案されている。
特許文献1に開示された線材は、質量%で、C:0.70~1.2%、Si:0.1~1.5%、Mn:0.1~1.5%、P:0.015%以下(0%を含まない)、S:0.015%以下(0%を含まない)、Al:0.005%以下(0%を含まない)、B:0.0005~0.010%、N:0.002~0.005%を含有し、固溶Nが0.0015%以下(0%を含む)であり、残部が鉄及び、不可避的不純物からなり、パーライト組織の面積率が90%以上であって、パーライト組織2000μm中に円相当直径が100nm以上、1000nm未満のBN系化合物が100個以下(0個を含む)、円相当直径が1000nm以上であるBN系化合物が10個以下(0個を含む)であることを特徴とする。特許文献1では、BN系化合物の個数を制御することにより、伸線加工性及び疲労特性を高めている。
特開2011-225990号公報
特許文献1に提案された線材では、鋼中のBN化合物を制御して、伸線加工性及び疲労特性を改善している。しかしながら、他の手段により、これらの特性を高めてもよい。
本発明の目的は、十分な伸線加工性を有し、かつ、素材として鋼線を製造した場合に、鋼線において、十分な耐久比が得られる、線材を提供することである。
本発明の線材は、
化学組成が、質量%で、
C:0.70~1.10%未満、
Si:0.10~0.40%、
Mn:0.15~0.80%、
Cu:0.10~1.00%未満、
P:0.015%以下、
S:0.015%以下、
N:0.0005~0.0060%、
Al:0.003%以下、及び、
O:0.0040%以下、を含有し、残部はFe及び不純物からなり、
式(1)及び式(2)を満たす。
0.10≦Si/(C+Ni)≦0.20 (1)
1.43≦(Cr+Mn+Cu)/(Si+10P+10S+100N)≦1.63 (2)
ここで、式(1)及び式(2)中の各元素記号には、対応する元素の質量%での含有量が代入される。元素が含有されていない場合、対応する元素記号には「0」が代入される。
本発明の線材は、
化学組成が、質量%で、
C:0.70~1.10%未満、
Si:0.10~0.40%、
Mn:0.15~0.80%、
Cu:0.10~1.00%未満、
P:0.015%以下、
S:0.015%以下、
N:0.0005~0.0060%、
Al:0.003%以下、及び、
O:0.0040%以下、を含有し、
さらに、第1群及び第2群からなる群から選択される1種以上を含有し、残部はFe及び不純物からなり、
式(1)及び式(2)を満たす。
[第1群]
Cr:0.60%以下、
Co:0.50%以下、
Mo:0.10%以下、
B:0.005%以下、
W:0.20%以下、
Ni:0.50%以下、
V:0.10%以下、
Nb:0.10%以下、
Ti:0.10%以下、及び、
Sn:0.10%以下、からなる群から選択される1種以上
[第2群]
Ca:0.0050%以下、
Mg:0.0050%以下、
Zr:0.010%以下、及び、
希土類元素:0.0050%以下、からなる群から選択される1種以上
0.10≦Si/(C+Ni)≦0.20 (1)
1.43≦(Cr+Mn+Cu)/(Si+10P+10S+100N)≦1.63 (2)
ここで、式(1)及び式(2)中の各元素記号には、対応する元素の質量%での含有量が代入される。元素が含有されていない場合、対応する元素記号には「0」が代入される。
本発明の線材は、十分な伸線加工性を有し、かつ、素材として鋼線を製造した場合に、鋼線において、十分な耐久比が得られる。
本発明者らは、初めに、十分な伸線加工性が得られ、かつ、素材として鋼線を製造した場合に、鋼線において十分な耐久比が得られる線材について、化学組成の観点から検討を行った。その結果、化学組成が、質量%で、C:0.70~1.10%未満、Si:0.10~0.40%、Mn:0.15~0.80%、P:0.015%以下、S:0.015%以下、N:0.0005~0.0060%、Al:0.003%以下、及び、O:0.0040%以下、を含有し、任意元素を含有する場合はさらに、Feの一部に代えて、上述の第1群及び第2群からなる群から選択される1種以上を含有し、残部はFe及び不純物からなる線材であれば、十分な伸線加工性が得られ、かつ、線材を素材として鋼線としたときに、十分な耐久比が得られる可能性があると考えた。
しかしながら、上記化学組成では、鋼線としたときに、十分な耐久比が得られない場合があった。そこで、本発明者らは、線材を素材として鋼線を製造したときに、十分な耐久比が得られる手段について、さらに検討を行った。ここで、本発明者らは、Cuに注目した。Cuは、線材を素材として鋼線を製造したときに、ナノレベルの微細Cu粒子として鋼線中に析出する。鋼線では、伸線加工により多数の転位が導入されることにより、高い強度が得られる。しかしながら、繰り返し疲労を受けると、転位が移動して消滅してしまい、疲労強度が低下する。そのため、耐久比が低下してしまう。微細Cu粒子が存在すれば、微細Cu粒子が転位を固着させることができる。そのため、十分な耐久比が得られると考えられる。
そこで、本発明者らは、鋼線の素材となる線材の化学組成についてさらに検討を行った。その結果、上記線材の化学組成に、Cu:0.10~1.00%未満を含有すれば、当該線材を素材として鋼線を製造した場合に、鋼線において十分な耐久比が得られると考えた。
しかしながら、線材の化学組成を上述の範囲としただけでは、依然として、十分な耐久比が得られない場合があった。そこで、本発明者らはさらに検討を行った。その結果、線材の化学組成が上述の範囲を満たし、かつ、次の式(1)及び式(2)を満たせば、当該線材を素材として鋼線を製造した場合に、十分な伸線加工性が得られ、かつ、線材を素材として鋼線を製造したときに、鋼線において十分な耐久比が得られることを見出した。
0.10≦Si/(C+Ni)≦0.20 (1)
1.43≦(Cr+Mn+Cu)/(Si+10P+10S+100N)≦1.63 (2)
ここで、式(1)及び式(2)中の各元素記号には、対応する元素の質量%での含有量が代入される。元素が含有されていない場合、対応する元素記号には「0」が代入される。
本実施形態の線材は以上の技術思想により完成したものであり、次の構成を有する。
[1]
化学組成が、質量%で、
C:0.70~1.10%未満、
Si:0.10~0.40%、
Mn:0.15~0.80%、
Cu:0.10~1.00%未満、
P:0.015%以下、
S:0.015%以下、
N:0.0005~0.0060%、
Al:0.003%以下、及び、
O:0.0040%以下、を含有し、残部はFe及び不純物からなり、
式(1)及び式(2)を満たす、
線材。
0.10≦Si/(C+Ni)≦0.20 (1)
1.43≦(Cr+Mn+Cu)/(Si+10P+10S+100N)≦1.63 (2)
ここで、式(1)及び式(2)中の各元素記号には、対応する元素の質量%での含有量が代入される。元素が含有されていない場合、対応する元素記号には「0」が代入される。
[2]
化学組成が、質量%で、
C:0.70~1.10%未満、
Si:0.10~0.40%、
Mn:0.15~0.80%、
Cu:0.10~1.00%未満、
P:0.015%以下、
S:0.015%以下、
N:0.0005~0.0060%、
Al:0.003%以下、及び、
O:0.0040%以下、を含有し、
さらに、第1群及び第2群からなる群から選択される1種以上を含有し、残部はFe及び不純物からなり、
式(1)及び式(2)を満たす、
線材。
[第1群]
Cr:0.60%以下、
Co:0.50%以下、
Mo:0.10%以下、
B:0.005%以下、
W:0.20%以下、
Ni:0.50%以下、
V:0.10%以下、
Nb:0.10%以下、
Ti:0.10%以下、及び、
Sn:0.10%以下、からなる群から選択される1種以上
[第2群]
Ca:0.0050%以下、
Mg:0.0050%以下、
Zr:0.010%以下、及び、
希土類元素:0.0050%以下、からなる群から選択される1種以上
0.10≦Si/(C+Ni)≦0.20 (1)
1.43≦(Cr+Mn+Cu)/(Si+10P+10S+100N)≦1.63 (2)
ここで、式(1)及び式(2)中の各元素記号には、対応する元素の質量%での含有量が代入される。元素が含有されていない場合、対応する元素記号には「0」が代入される。
[3]
[2]に記載の線材であって、
前記第1群を含有する、
線材。
[4]
[2]又は[3]に記載の線材であって、
前記第2群を含有する、
線材。
以下、本実施形態による線材について詳述する。なお、元素に関する「%」は、特に断りがない限り、質量%を意味する。
[本実施形態の線材の特徴]
本実施形態の線材は、次の特徴を含む。
(特徴1)
化学組成が、本実施形態に記載の範囲を満たす。
(特徴2)
上記化学組成はさらに、式(1)を満たす。
0.10≦Si/(C+Ni)≦0.20 (1)
ここで、式(1)中の各元素記号には、対応する元素の質量%での含有量が代入される。元素が含有されていない場合、対応する元素記号には「0」が代入される。
(特徴3)
上記化学組成はさらに、式(2)を満たす。
1.43≦(Cr+Mn+Cu)/(Si+10P+10S+100N)≦1.63 (2)
ここで、式(2)中の各元素記号には、対応する元素の質量%での含有量が代入される。元素が含有されていない場合、対応する元素記号には「0」が代入される。
以下、各特徴について説明する。
[(特徴1)化学組成について]
本実施形態の線材の化学組成は、次の元素を含有する。
C:0.70~1.10%未満
炭素(C)は、線材、及び、線材を素材として製造される鋼線の強度を高める。C含有量が0.70%未満である場合、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、上記効果が十分に得られない。
一方、C含有量が1.10%以上であれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、初析セメンタイトが過剰に生成する。この場合、線材の伸線加工性が低下する。さらに、伸線加工後の鋼線の靱性及び延性が低下する。
したがって、C含有量は0.70~1.10%未満である。
C含有量の好ましい下限は0.74%であり、さらに好ましくは0.78%であり、さらに好ましくは0.80%である。
C含有量の好ましい上限は1.08%であり、さらに好ましくは1.05%であり、さらに好ましくは1.03%である。
Si:0.10~0.40%
シリコン(Si)は線材の強度を高める。Siはさらに、線材の製造工程中の製鋼工程において、鋼を脱酸する。Si含有量が0.10%未満であれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、上記効果が十分に得られない。
一方、Si含有量が0.40%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、Si酸化物が生成する。Si酸化物は、線材の伸線加工性を低下する。
したがって、Si含有量は0.10~0.40%である。
Si含有量の好ましい下限は0.13%であり、さらに好ましくは0.15%であり、さらに好ましくは0.18%である。
Si含有量の好ましい上限は0.38%であり、さらに好ましくは0.36%であり、さらに好ましくは0.34%である。
Mn:0.15~0.80%
マンガン(Mn)は、線材の製造工程でのオーステナイト温度域からの冷却時に、初析セメンタイト及び粒界フェライトの変態を遅延させる。これにより、パーライトラメラが微細に形成される。その結果、線材の伸線加工性を十分に維持しつつ、線材を素材として製造される鋼線の強度を高める。Mn含有量が0.15%未満であれば、上記効果が十分に得られない。
一方、Mn含有量が0.80%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、線材内にMnが偏析する。この場合、Mnが偏析した領域にベイナイトやマルテンサイトが生成し、線材の伸線加工性が低下する。
したがって、Mn含有量は0.15~0.80%である。
Mn含有量の好ましい下限は0.20%であり、さらに好ましくは0.25%であり、さらに好ましくは0.30%である。
Mn含有量の好ましい上限は0.70%であり、さらに好ましくは0.60%であり、さらに好ましくは0.50%である。
Cu:0.10~1.00%未満
銅(Cu)は、線材を素材として製造される鋼線内にナノレベルの微細Cu粒子を形成し、鋼線の疲労強度を高め、その結果、鋼線の耐久比を高める。Cu含有量が0.10%未満であれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、上記効果が十分に得られない。
一方、Cu含有量が1.00%以上であれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であってもCuが粒界に偏析して赤熱脆化が発生する。この場合、線材の熱間加工性が低下する。
したがって、Cu含有量は0.10~1.00%未満である。
Cu含有量の好ましい下限は0.15%であり、さらに好ましくは0.20%であり、さらに好ましくは0.30%である。
Cu含有量の好ましい上限は0.90%であり、さらに好ましくは0.80%であり、さらに好ましくは0.70%である。
P:0.015%以下
燐(P)は不純物である。すなわち、P含有量の下限は0%超である。P含有量が0.015%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、Pが粒界に偏析し、粒界が脆化する。そのため、線材を素材として鋼線を製造する場合、鋼線の強度が低下する。さらに、線材の伸線加工性が低下する。
したがって、P含有量は0.015%以下である。
P含有量はなるべく低い方が好ましい。しかしながら、P含有量の過剰な低減は、製造コストを高くする。したがって、通常の工業生産を考慮すれば、P含有量の好ましい下限は0%超であり、さらに好ましくは0.001%であり、さらに好ましくは0.003%であり、さらに好ましくは0.004%である。
P含有量の好ましい上限は0.014%であり、さらに好ましくは0.012%であり、さらに好ましくは0.010%である。
S:0.015%以下
硫黄(S)は不純物である。すなわち、S含有量の下限は0%超である。S含有量が0.015%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、Sが粒界に偏析し、粒界が脆化する。そのため、線材を素材として鋼線を製造する場合、鋼線の強度が低下する。さらに、線材の伸線加工性が低下する。
したがって、S含有量は0.015%以下である。
S含有量はなるべく低い方が好ましい。しかしながら、S含有量の過剰な低減は、製造コストを高くする。したがって、通常の工業生産を考慮すれば、S含有量の好ましい下限は0%超であり、さらに好ましくは0.001%であり、さらに好ましくは0.002%であり、さらに好ましくは0.003%である。
S含有量の好ましい上限は0.014%であり、さらに好ましくは0.012%であり、さらに好ましくは0.010%である。
N:0.0005~0.0060%
窒素(N)は、線材中においてAl等と窒化物を生成する。これらの窒化物は、線材の製造工程中の加熱時において、ピン止め効果により、オーステナイト結晶粒の粗大化を抑制する。N含有量が0.0005%未満であれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、上記効果が十分に得られない。
一方、N含有量が0.0060%を超えれば、線材を伸線加工するときに、固溶Nが時効硬化を促進する。そのため、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、伸線加工性が低下する。
したがって、N含有量は0.0005~0.0060%である。
N含有量の好ましい下限は0.0006%であり、さらに好ましくは0.0008%であり、さらに好ましくは0.0015%であり、さらに好ましくは0.0030%である。
N含有量の好ましい上限は0.0055%であり、さらに好ましくは0.0050%であり、さらに好ましくは0.0045%である。
Al:0.003%以下
アルミニウム(Al)は不純物である。Al含有量が0.003%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、酸化物が過剰に生成する。この場合、線材の伸線加工性が低下する。
したがって、Al含有量は0.003%以下である。
Al含有量はなるべく低い方が好ましい。しかしながら、Al含有量の過剰な低減は、製造コストを高くする。したがって、通常の工業生産を考慮すれば、Al含有量の好ましい下限は0%超であり、さらに好ましくは0.001%である。
O:0.0040%以下
酸素(O)は不純物である。O含有量が0.0040%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、線材中に粗大な酸化物が生成する。そのため、線材の伸線加工性が低下する。
したがって、O含有量は0.0040%以下である。
O含有量はなるべく低い方が好ましい。しかしながら、O含有量の過剰な低減は、製造コストを高くする。したがって、通常の工業生産を考慮すれば、O含有量の好ましい下限は0%超であり、さらに好ましくは0.0001%であり、さらに好ましくは0.0003%である。
O含有量の好ましい上限は0.0038%であり、さらに好ましくは0.0036%である。
本実施形態による線材の化学組成の残部は、Fe及び不純物からなる。ここで、化学組成における不純物とは、線材を工業的に製造する際に、原料としての鉱石、スクラップ、又は製造環境などから混入されるものであって、意図せずに含有されるものであり、本実施形態による線材に悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。
[任意元素(Optional Elements)について]
本実施形態の線材の化学組成はさらに、Feの一部に代えて、第1群及び第2群からなる群から選択される1種以上を含有してもよい。
[第1群]
Cr:0.60%以下、
Co:0.50%以下、
Mo:0.10%以下、
B:0.005%以下、
W:0.20%以下、
Ni:0.50%以下、
V:0.10%以下、
Nb:0.10%以下、
Ti:0.10%以下、及び、
Sn:0.10%以下、からなる群から選択される1種以上
[第2群]
Ca:0.0050%以下、
Mg:0.0050%以下、
Zr:0.010%以下、及び、
希土類元素:0.0050%以下、からなる群から選択される1種以上
以下、これらの任意元素について説明する。
[第1群:Cr、Co、Mo、B、W、Ni、V、Nb、Ti、及びSn]
本実施形態の線材の化学組成はさらに、Feの一部に代えて、上述の第1群を含有してもよい。これらの元素は任意元素であり、いずれも、線材を素材として製造される鋼線の強度を高める。以下、第1群の各元素について説明する。
Cr:0.60%以下
クロム(Cr)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Cr含有量は0%であってもよい。
含有される場合、つまり、Cr含有量が0%超である場合、Crは、線材の焼入れ性を高め、線材を素材として製造される鋼線の強度を高める。Crが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。
しかしながら、Cr含有量が0.60%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、線材内にCrが偏析する。この場合、Crが偏析した領域にベイナイトやマルテンサイトが生成する。そのため、線材の伸線加工性が低下する。
したがって、Cr含有量は0~0.60%であり、含有される場合、0.60%以下である。
Cr含有量の好ましい下限は0.01%であり、さらに好ましくは0.05%であり、さらに好ましくは0.08%である。
Cr含有量の好ましい上限は0.55%であり、さらに好ましくは0.50%であり、さらに好ましくは0.45%である。
Co:0.50%以下
コバルト(Co)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Co含有量は0%であってもよい。
含有される場合、つまり、Co含有量が0%超である場合、Coは、初析セメンタイトの析出を抑制し、線材を素材として製造される鋼線の強度を高める。Coが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。
しかしながら、Co含有量が0.50%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、線材の硬さが過剰に硬くなり、線材の伸線加工性が低下する。
したがって、Co含有量は0~0.50%であり、含有される場合、0.50%以下である。
Co含有量の好ましい下限は0.01%であり、さらに好ましくは0.05%であり、さらに好ましくは0.08%である。
Co含有量の好ましい上限は0.45%であり、さらに好ましくは0.40%であり、さらに好ましくは0.35%である。
Mo:0.10%以下
モリブデン(Mo)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Mo含有量は0%であってもよい。
含有される場合、つまり、Mo含有量が0%超である場合、Moは、線材の製造工程でのオーステナイト温度域からの冷却時に、初析セメンタイト及び粒界フェライトの変態を遅延させる。これにより、パーライトラメラが微細に形成される。その結果、線材の伸線加工性を十分に維持しつつ、線材を素材として製造される鋼線の強度を高める。Moが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。
しかしながら、Mo含有量が0.10%を超えれば、線材の焼入れ性が過剰に高くなる。この場合、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、線材内にベイナイトが生成し、線材の伸線加工性が低下する。
したがって、Mo含有量は0~0.10%であり、含有される場合、0.10%以下である。
Mo含有量の好ましい下限は0.01%であり、さらに好ましくは0.03%であり、さらに好ましくは0.05%である。
Mo含有量の好ましい上限は0.08%であり、さらに好ましくは0.07%であり、さらに好ましくは0.06%である。
B:0.005%以下
ボロン(B)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、B含有量は0%であってもよい。
含有される場合、つまり、B含有量が0%超である場合、Bは線材の焼入れ性を高め、線材の強度を高める。Bが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。
しかしながら、B含有量が0.005%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、線材の製造工程において、鋼材の熱間加工性が低下する。
したがって、B含有量は0~0.005%であり、含有される場合、0.005%以下である。
B含有量の好ましい下限は0.001%であり、さらに好ましくは0.002%である。
B含有量の好ましい上限は0.004%であり、さらに好ましくは0.003%である。
W:0.20%以下
タングステン(W)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、W含有量は0%であってもよい。
含有される場合、つまり、W含有量が0%超である場合、Wは線材の焼入れ性を高め、線材を素材として製造される鋼線の強度を高める。Wが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。
しかしながら、W含有量が0.20%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、線材の製造工程において、鋼材の熱間加工性が低下する。
したがって、W含有量は0~0.20%であり、含有される場合、0.20%以下である。
W含有量の好ましい下限は0.01%であり、さらに好ましくは0.03%であり、さらに好ましくは0.05%である。
W含有量の好ましい上限は0.18%であり、さらに好ましくは0.16%であり、さらに好ましくは0.14%である。
Ni:0.50%以下
ニッケル(Ni)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Ni含有量は0%であってもよい。
含有される場合、つまり、Ni含有量が0%超である場合、Niは、線材の製造工程でのオーステナイト温度域からの冷却時に、初析セメンタイト及び粒界フェライトの変態を遅延させる。これにより、パーライトラメラが微細に形成される。その結果、線材の伸線加工性を十分に維持しつつ、線材を素材として製造される鋼線の強度を高める。Niが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。
しかしながら、Ni含有量が0.50%を超えれば、線材の焼入れ性が過剰に高くなる。この場合、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、線材内にベイナイトが生成し、線材の伸線加工性が低下する。
したがって、Ni含有量は0~0.50%であり、含有される場合、0.50%以下である。
Ni含有量の好ましい下限は0.01%であり、さらに好ましくは0.03%であり、さらに好ましくは0.10%である。
Ni含有量の好ましい上限は0.48%であり、さらに好ましくは0.45%であり、さらに好ましくは0.40%である。
V:0.10%以下
バナジウム(V)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、V含有量は0%であってもよい。
含有される場合、つまり、V含有量が0%超である場合、Vは炭化物及び/又は炭窒化物である析出物を生成して、線材及び線材を素材として製造される鋼線の強度を高める。少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。
しかしながら、V含有量が0.10%を超えれば、析出物が過剰に生成する。この場合、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、線材の伸線加工性が低下する。
したがって、V含有量は0~0.10%であり、含有される場合、0.10%以下である。
V含有量の好ましい下限は0.01%であり、さらに好ましくは0.02%であり、さらに好ましくは0.03%である。
V含有量の好ましい上限は0.09%であり、さらに好ましくは0.08%であり、さらに好ましくは0.07%である。
Nb:0.10%以下
ニオブ(Nb)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Nb含有量は0%であってもよい。
含有される場合、つまり、Nb含有量が0%超である場合、Nbは炭化物及び/又は炭窒化物である析出物を生成して、線材及び線材を素材として製造される鋼線の強度を高める。少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。
しかしながら、Nb含有量が0.10%を超えれば、析出物が過剰に生成する。この場合、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、線材の伸線加工性が低下する。
したがって、Nb含有量は0~0.10%であり、含有される場合、0.10%以下である。
Nb含有量の好ましい下限は0.01%であり、さらに好ましくは0.02%であり、さらに好ましくは0.03%である。
Nb含有量の好ましい上限は0.09%であり、さらに好ましくは0.08%であり、さらに好ましくは0.07%である。
Ti:0.10%以下
チタン(Ti)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Ti含有量は0%であってもよい。
含有される場合、つまり、Ti含有量が0%超である場合、Tiは炭化物/又は窒化物である析出物を生成して、線材及び線材を素材として製造される鋼線の強度を高める。少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。
しかしながら、Ti含有量が0.10%を超えれば、析出物が過剰に生成する。この場合、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、線材の伸線加工性が低下する。
したがって、Ti含有量は0~0.10%であり、含有される場合、0.10%以下である。
Ti含有量の好ましい下限は0.01%であり、さらに好ましくは0.02%である。
Ti含有量の好ましい上限は0.09%であり、さらに好ましくは0.08%である。
Sn:0.10%以下
すず(Sn)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Sn含有量は0%であってもよい。
含有される場合、つまり、Sn含有量が0%超である場合、Snは、熱間加工時に生じるフェライト脱炭を抑制し、線材の強度の低下を抑制する。Snが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。
しかしながら、Sn含有量が0.10%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、Snが粒界に偏析して赤熱脆化が発生する。この場合、線材の熱間加工性が低下する。
したがって、Sn含有量は0~0.10%であり、含有される場合、0.10%以下である。
Sn含有量の好ましい下限は0.01%であり、さらに好ましくは0.02%であり、さらに好ましくは0.03%である。
Sn含有量の好ましい上限は0.09%であり、さらに好ましくは0.08%であり、さらに好ましくは0.07%である。
[第2群:Ca、Mg、Zr及び希土類元素(REM)]
本実施形態の線材の化学組成はさらに、Feの一部に代えて、上述の第2群を含有してもよい。これらの元素は任意元素であり、いずれも、線材、及び、線材を素材として製造される鋼線の伸線加工性を維持する。
Ca:0.0050%以下
カルシウム(Ca)は含有されなくてもよい。つまり、Ca含有量は0%であってもよい。Ca含有量が0.0050%以下であれば、線材及び鋼線の伸線加工性の低下が抑制される。したがって、0.0050%以下のCaの含有は許容される。
Ca含有量が0.0050%を超えれば、酸化物が過剰に生成する。この場合、線材及び鋼線の伸線加工性が低下する。
したがって、Ca含有量は0~0.0050%であり、含有される場合、0.0050%以下である。
Ca含有量の下限は0.0001%であってもよいし、0.0002%であってもよいし、0.0005%であってもよい。
Ca含有量の好ましい上限は0.0040%であり、さらに好ましくは0.0030%であり、さらに好ましくは0.0020%である。
Mg:0.0050%以下
マグネシウム(Mg)は含有されなくてもよい。つまり、Mg含有量は0%であってもよい。Mg含有量が0.0050%以下であれば、線材及び鋼線の伸線加工性の低下が抑制される。したがって、0.0050%以下のMgの含有は許容される。
Mg含有量が0.0050%を超えれば、酸化物が過剰に生成する。この場合、線材及び鋼線の伸線加工性が低下する。
したがって、Mg含有量は0~0.0050%であり、含有される場合、0.0050%以下である。
Mg含有量の下限は0.0001%であってもよいし、0.0002%であってもよいし、0.0005%であってもよい。
Mg含有量の好ましい上限は0.0040%であり、さらに好ましくは0.0030%であり、さらに好ましくは0.0020%である。
Zr:0.010%以下
ジルコニウム(Zr)は含有されなくてもよい。つまり、Zr含有量は0%であってもよい。Zr含有量が0.010%以下であれば、線材及び鋼線の伸線加工性の低下が抑制される。したがって、0.010%以下のZrの含有は許容される。
Zr含有量が0.010%を超えれば、酸化物が過剰に生成する。この場合、線材及び鋼線の伸線加工性が低下する。
したがって、Zr含有量は0~0.010%であり、含有される場合、0.010%以下である。
Zr含有量の下限は0.001%であってもよいし、0.002%であってもよいし、0.005%であってもよい。
Zr含有量の好ましい上限は0.009%であり、さらに好ましくは0.008%であり、さらに好ましくは0.007%である。
希土類元素:0.0050%以下
希土類元素(REM)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、REM含有量は0%であってもよい。
含有される場合、REMはSを固定する。これにより、線材及び鋼線の伸線加工性の低下を抑制する。REMが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。しかしながら、REM含有量が0.0050%を超えれば、粗大な介在物が生成して、線材及び鋼線の伸線加工性が低下する。
したがって、REM含有量は0~0.0050%であり、含有される場合、0.0050%以下である。
REM含有量の好ましい下限は0.0001%であり、さらに好ましくは0.0002%であり、さらに好ましくは0.0005%である。
REM含有量の好ましい上限は0.0045%であり、さらに好ましくは0.0040%であり、さらに好ましくは0.0035%である。
なお、本明細書におけるREMとは、原子番号21番のスカンジウム(Sc)、原子番号39番のイットリウム(Y)、及び、ランタノイドである原子番号57番のランタン(La)~原子番号71番のルテチウム(Lu)からなる群から選択される1種以上の元素である。また、本明細書におけるREM含有量とは、これら元素の合計含有量である。
[線材の化学組成の測定方法]
本実施形態の線材の化学組成は、JIS G0321:2017に準拠した周知の成分分析法で測定できる。具体的には、ドリルを用いて、酸化スケールを除いた線材の内部から、切粉を採取する。採取された切粉を酸に溶解させて溶液を得る。溶液に対して、ICP-AES(Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectrometry)を実施して、化学組成の元素分析を実施する。C含有量及びS含有量については、周知の高周波燃焼法(燃焼-赤外線吸収法)により求める。N含有量については、周知の不活性ガス融解-熱伝導度法を用いて求める。O含有量については、周知の不活性ガス融解-赤外線吸収法を用いて求める。
なお、各元素含有量は、本実施形態で規定された有効数字に基づいて、測定された数値の端数を四捨五入して、本実施形態で規定された各元素含有量の最小桁までの数値とする。たとえば、本実施形態の鋼材のC含有量は小数第二位までの数値で規定される。したがって、C含有量は、測定された数値の小数第三位を四捨五入して得られた小数第二位までの数値とする。
本実施形態の鋼材のC含有量以外の他の元素含有量も同様に、測定された値に対して、本実施形態で規定された最小桁までの数値の端数を四捨五入して得られた値を、当該元素含有量とする。
なお、四捨五入とは、端数が5未満であれば切り捨て、端数が5以上であれば切り上げることを意味する。
[(特徴2)式(1)について]
本実施形態の線材はさらに、化学組成が特徴1を満たすことを前提として、式(1)を満たす。
0.10≦Si/(C+Ni)≦0.20 (1)
ここで、式(1)中の各元素記号には、対応する元素の質量%での含有量が代入される。元素が含有されていない場合、対応する元素記号には「0」が代入される。つまり、任意元素であるNiが含有されていない場合、式(1)は次のとおりとなる。
0.10≦Si/C≦0.20 (1)
F1を次のとおり定義する。
F1=Si/(C+Ni)
なお、任意元素であるNiが含有されていない場合、F1は次のとおりとなる。
F1=Si/C
本実施形態の線材を素材として製造される鋼線中において、ナノレベル微細Cu粒子は、パーライト中のフェライトとセメンタイトとの界面(以下、フェライト/セメンタイト界面という)に析出する場合と、パーライト中のフェライト中に析出する場合とがある。フェライト/セメンタイト界面に析出する微細Cu粒子よりも、フェライト中に析出する微細Cu粒子の方が、耐久比の向上に寄与する。したがって、微細Cu粒子は、パーライト中のラメラーセメンタイト間のフェライト中に析出されることが、耐久比の向上には有効である。
特徴1の化学組成中の元素のうち、C含有量、Ni含有量、及び、Si含有量の比率は、パーライト中のフェライト/セメンタイト界面の面積に影響を与える。具体的には、C及びNiの総含有量に対するSi含有量の比(つまりF1)が低すぎれば、フェライト/セメンタイト界面での微細Cu粒子の析出が抑制される。その結果、十分な耐久比が得られない。
F1が0.10以上であれば、本実施形態の線材を素材として製造される鋼線のパーライト中において、微細Cu粒子がフェライト/セメンタイト界面ではなくラメラーセメンタイト間のフェライト中に生成しやすくなる。そのため、特徴1及び特徴3を満たすことを前提として、鋼線の耐久比を十分に高めることができる。
一方、F1が0.20以下であれば、線材において、十分な伸線加工性が得られる。
したがって、F1は0.10~0.20である。
F1の好ましい下限は0.12であり、さらに好ましくは0.14である。
F1の好ましい上限は0.19である。
[(特徴3)式(2)について]
本実施形態の線材はさらに、化学組成が特徴1を満たすことを前提として、式(2)を満たす。
1.43≦(Cr+Mn+Cu)/(Si+10P+10S+100N)≦1.63 (2)
ここで、式(2)中の各元素記号には、対応する元素の質量%での含有量が代入される。元素が含有されていない場合、対応する元素記号には「0」が代入される。つまり、任意元素であるCrが含有されていない場合、式(2)は次のとおりとなる。
1.43≦(Mn+Cu)/(Si+10P+10S+100N)≦1.63 (2)
F2=(Cr+Mn+Cu)/(Si+10P+10S+100N)と定義する。
なお、任意元素であるCrが含有されていない場合、F2は次のとおりとなる。
F2=(Mn+Cu)/(Si+10P+10S+100N)
F2は、線材を素材として製造される鋼線の耐久比と、素材である線材の伸線加工性に関する指標である。
F2中の分子のうち、Cr、Mnは、線材を素材として製造される鋼線の引張強さに寄与し、Cuは上述のとおり疲労強度に寄与する。したがって、F2中の分子は、鋼線の耐久比を高める。一方、F2中の分母のSi、P、S及びNは、耐久比を低下する。
F2が1.43以上であれば、Si、P、S及びN含有量に対して、Cr、Mn及びCu含有量が十分に高い。そのため、線材を素材として製造される鋼線において、十分な耐久比が得られる。
一方、F2が高すぎれば、Si、P、S及びN含有量に対して、Cr、Mn及びCu含有量が高すぎる可能性がある。この場合、ミクロ組織が十分に安定しない場合が生じる。この場合、耐久比が低下したり、伸線加工性が低下したりする。一方、F2が1.63以下であれば、Si、P、S及びN含有量に対して、Cr、Mn及びCu含有量が適切な範囲である。そのため、ミクロ組織が十分に安定する。その結果、十分な伸線加工性が得られ、かつ、線材を素材として製造される鋼線において、十分な耐久比が得られる。
したがって、F2は1.43~1.63である。
F2の好ましい下限は1.44であり、さらに好ましくは1.45であり、さらに好ましくは1.46である。
F2の好ましい上限は1.62であり、さらに好ましくは1.61であり、さらに好ましくは1.60である。
[本実施形態の線材の効果]
本実施形態の線材は、特徴1~特徴3を満たす。そのため、本実施形態の線材では、線材を素材として製造される鋼線において、十分な耐久比が得られる。本実施形態の線材ではさらに、十分な伸線加工性が得られる。
[本実施形態の線材のミクロ組織]
本実施形態の線材のミクロ組織は、実質的にパーライト組織からなる。ここで、実質的にパーライト組織からなるとは、パーライト面積率が90%以上であることを意味する。
[線材のミクロ組織観察方法]
本実施形態の線材のミクロ組織観察及びパーライトの面積率は、次の方法で測定する。
線材から試験片を採取する。試験片の表面のうち、線材の軸線に垂直な断面を、観察面とする。観察面を鏡面研磨する。鏡面研磨後の観察面をナイタールでエッチングして、組織を現出させる。エッチング後の観察面のうち、4/D部の4つの視野に対して、光学顕微鏡を用いて、200倍の倍率で観察する。ここで、4/D部とは、円形の観察面の中心を通る直径をDとした場合に、半径の中央部分(つまり、線材の表面から径方向にD/4深さ位置の部分)を意味する。各視野の写真画像を生成する。各視野のサイズは例えば、0.60mm×0.48mmとする。
各視野の写真画像のコントラストに基づいて、各組織(フェライト、パーライト、ベイナイト及びマルテンサイト)を特定する。4つの視野で特定されたパーライトの総面積(μm)を求める。4つの視野の総面積と、パーライトの総面積とに基づいて、パーライト面積率(%)を求める。
なお、ビードワイヤー、スチールコード、橋梁用ワイヤー及びワイヤロープ等の用途の線材のミクロ組織が実質的にパーライト組織であること自体は公知である。
[本実施形態の線材を適用可能な用途]
本実施形態の線材は例えば、伸線加工して製造される鋼線の素材として広く適用可能である。鋼線は例えば、ビードワイヤー、スチールコード、橋梁用ワイヤー及びワイヤロープ等に適用可能である。
[本実施形態の線材の製造方法の一例]
本実施形態の線材の製造方法の一例を説明する。以降に説明する線材の製造方法は、本実施形態の線材を製造するための一例である。したがって、上述の構成を有する線材は、以降に説明する製造方法以外の他の製造方法により製造されてもよい。しかしながら、以降に説明する製造方法は、本実施形態の線材の製造方法の好ましい一例である。
本実施形態の線材の製造方法の一例は、次の工程を含む。
(工程1)素材準備工程
(工程2)分塊圧延工程
(工程3)仕上げ圧延工程
以下、各工程について説明する。
[(工程1)素材準備工程]
素材準備工程では、本実施形態の線材の素材を準備する。具体的には、化学組成が特徴1を満たす溶鋼を製造する。精錬方法は特に限定されず、周知の方法を用いればよい。たとえば、周知の方法で製造された溶銑に対して転炉での精錬(一次精錬)を実施する。転炉から出鋼した溶鋼に対して、周知の二次精錬を実施する。以上の工程により、特徴1を満たす化学組成の溶鋼を製造する。
製造された溶鋼を用いて、周知の鋳造法により素材を製造する。たとえば、溶鋼を用いて造塊法によりインゴットを製造してもよい。また、溶鋼を用いて連続鋳造法によりブルームを製造してもよい。以上の方法により、素材(インゴット又はブルーム)を製造する。
[(工程2)分塊圧延工程]
分塊圧延工程では、素材準備工程で準備された素材(インゴット又はブルーム)に対して分塊圧延を実施して、ビレットを製造する。
分塊圧延工程では、初めに、周知の方法で加熱炉を用いて素材を加熱する。加熱温度は特に限定されない。加熱温度は周知の温度で足りる。加熱温度は例えば、1000~1200℃である。
加熱後の素材を、分塊圧延機、又は、分塊圧延機及び連続圧延機を用いて圧延して、ビレットを製造する。具体的には、加熱された素材を、分塊圧延機を用いてリバース圧延して、ビレットを製造する。分塊圧延機の下流に周知の連続圧延機が配置されている場合、分塊圧延後のビレットに対してさらに、連続圧延機を用いてタンデム圧延を実施して、さらにサイズの小さいビレットを製造してもよい。製造されたビレットは、仕上げ圧延工程前に、常温まで放冷(空冷)される。
[(工程3)仕上げ圧延工程]
仕上げ圧延工程では、分塊圧延工程で製造されたビレットに対して仕上げ圧延を実施して、線材を製造する。仕上げ圧延工程では、初めに、周知の方法で加熱炉を用いてビレットを加熱する。加熱温度は特に限定されない。加熱温度は周知の温度で足りる。加熱温度は例えば、950~1150℃である。
加熱されたビレットに対して、連続圧延機を用いた仕上げ圧延(連続圧延)を実施して、線材を製造する。連続圧延機は、上流から下流に一列に配列された複数の圧延スタンドを含む。各圧延スタンドは一対のワークロールを含む。各ワークロールにはカリバーが形成されており、一対のワークロールのカリバーで孔型を形成する。仕上げ圧延後の線材を周知の方法で冷却する。なお、線材の巻取温度は周知の温度範囲であり、例えば、750~940℃である。
熱間圧延線材は、巻取り後の冷却中に、オーステナイトからパーライトへ変態する。巻取り後の冷却速度は周知の方法で足りる。例えば、巻取り後、650℃までの冷却速度を5.0℃~40.0℃/秒とし、650℃未満(649℃)~590℃までの冷却速度を2.0~10.0℃/秒とし、590℃未満(589℃)~400℃までの冷却速度を5.0℃/秒以上とする。400℃未満(399℃以下)の冷却速度は特に限定されない。特徴1~特徴3を満たす線材であれば、上述の冷却速度で冷却することにより、ミクロ組織が実質的にパーライト組織となる。
以上の工程により、本実施形態の線材が製造される。
[鋼線の製造方法]
本実施形態の線材を素材とした鋼線の製造方法は、周知の製造方法である。鋼線は例えば、ビードワイヤー等である。本実施形態の線材を用いた鋼線の製造方法は、例えば、次のとおりである。
本実施形態の線材を用いた鋼線の製造方法は、例えば、次のとおりである。メカニカルデスケーリングにより、線材の酸化スケールを除去した後、潤滑処理を実施する。潤滑処理された線材に対して伸線加工を実施して、鋼線を製造する。伸線加工は複数回実施してもよい。伸線加工での1パス当たりの減面率は特に限定されないが、例えば、17~23%とする。
伸線加工後の鋼線に対して、めっき処理を実施する。具体的には、周知の電気めっきを実施して、鋼線の表面にCu-Zn合金被膜を被覆する。電気めっき後の鋼線に対して、周知のめっき拡散処理を実施する。めっき拡散処理の熱処理温度は例えば、300~500℃である。なお、めっき拡散処理において、上述の微細Cu粒子が生成する。以上の工程により、製品としての鋼線が製造される。
なお、上述の製造方法では、伸線加工後の鋼線に対してめっき処理を実施したが、伸線加工前の線材に対してめっき処理を実施し、その後、伸線加工を実施してもよい。この場合、伸線加工時の加工発熱により上述の微細Cu粒子が生成する。
実施例により本実施形態の線材の効果をさらに具体的に説明する。以下の実施例での条件は、本実施形態の線材の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例である。したがって、本実施形態の線材はこの一条件例に限定されない。
[素材準備工程]
表1-1~表1-3に示す化学組成を有する線材を、次の方法で製造した。
Figure 2024032551000001
Figure 2024032551000002
Figure 2024032551000003
[分塊圧延工程]
製造したブルームに対して分塊圧延工程を実施して、ビレットを製造した。具体的には、加熱炉を用いてブルームを1100℃に加熱した。加熱後のブルームを、分塊圧延機及び連続圧延機を用いて圧延して、ビレットを製造した。分塊圧延工程で製造されたビレットを常温まで放冷した。
[仕上げ圧延工程]
製造されたビレットに対して、仕上げ圧延工程を実施した。具体的には、加熱炉を用いて、各試験番号のビレットを950~1150℃に加熱した。
加熱されたビレットに対して、連続圧延機を用いて、仕上げ圧延(連続圧延)を実施して、線材を製造した。仕上げ圧延後の線材を800~940℃の巻取温度で巻き取った。巻取り後、650℃までの冷却速度を5.0℃~40.0℃/秒とし、649~590℃までの冷却速度を2.0~10.0℃/秒とし、その後、589~400℃までの冷却速度を5.0℃/秒以上とした。以上の製造工程により、線径が5.5mmの線材を製造した。
[評価試験について]
製造された各試験番号の線材に対して、次の線材評価試験(試験1~試験3)を実施した。
(試験1)線材の化学組成測定試験
(試験2)耐久比評価試験
(試験3)伸線加工性評価試験
以下、各試験について説明する。
[(試験1)線材の化学組成測定試験]
各試験番号の線材に対して、上述の[線材の化学組成の測定方法]に基づいて化学組成を分析した。その結果、いずれの試験番号の化学組成も、表1-1~表1-3に示すとおりであった。なお、各試験番号の線材に対して、上述の[線材のミクロ組織観察方法]に基づいてパーライト面積率を求めた。その結果、試験番号36以外の試験番号のパーライト面積率はいずれも90%以上であり、実質的にパーライト組織であった。
[(試験2)耐久比評価試験]
各試験番号の線材を素材とする鋼線の耐久比を、次の方法で求めた。
初めに、各試験番号の線材を素材とする鋼線の引張強さを、次の方法で求めた。各試験番号の線材を素材とする鋼線を製造した。具体的には、メカニカルデスケーリングにより、線材の酸化スケールを除去し、その後、潤滑処理を実施した。潤滑処理された線材に対して伸線加工を実施して、鋼線を製造した。各伸線加工での1パス当たりの減面率は17~23%であった。
伸線加工後の鋼線に対して、ブラスめっき処理を実施した。具体的には、周知の電気めっきを実施して、鋼線の表面に周知のCu-Zn合金被膜を被覆した。電気めっき後の鋼線に対して、周知のめっき拡散処理を実施した。めっき拡散処理の熱処理温度は450℃であった。以上の製造工程により、めっき被膜を含む線径が1.5mmの鋼線を製造した。
各試験番号の線材を素材として製造された鋼線を用いて、次の方法により引張強さを求めた。鋼線の任意の位置から2本の引張試験片を採取した。引張試験片の線径は1.5mm、長さは250mmとした。引張試験片に対して、常温、大気中で、JIS Z 2241:2011に準拠した引張試験を実施した。引張試験では、クロスヘッドスピードを10mm/分とし、チャック距離を150mmとし、伸び計間を100mmとした。2本の引張試験片で得られた引張強さの算術平均値を、その試験番号の引張強さ(MPa)とした。
続いて、各試験番号の線材を素材として製造された上述の鋼線を用いて、次の方法により、疲労強度を求めた。上述の各試験番号の鋼線の任意の位置から、線径が1.5mm、長さが400mmのサンプルを採取した。中村式回転曲げ疲労試験機を用いて、疲労強度(MPa)を求めた。スパン間距離(評価部の長さ)を100mm、回転数を3000rpm、最大繰り返し数を1.0×10回とした。最大繰り返し数まで耐久したサンプルのうち、最大の応力を、疲労強度(MPa)とした。得られた疲労強度と、上述の引張強さとを用いて、次の式により、耐久比を求めた。
耐久比=疲労強度/引張強さ
耐久比が0.30以上であれば、十分な耐久比が得られたと判断した(表2の「耐久比」欄で「○」で表記)。一方、耐久比が0.30未満であれば、十分な耐久比が得られなかったと判断した(表2の「耐久比」欄で「×」で表記)。
Figure 2024032551000004
[(試験3)伸線加工性評価試験]
各試験番号の線材を素材として製造された鋼線を用いて、次の方法により絞りを求めた。鋼線の任意の位置から1本の引張試験片を採取した。引張試験片の線径は1.5mm、長さは250mmとした。引張試験片に対して、常温、大気中で、JIS Z 2241:2011に準拠した引張試験を実施し、絞りを得た。引張試験では、クロスヘッドスピードを10mm/分とし、チャック距離を150mmとし、伸び計間を100mmとした。2本の引張試験片で得られた絞りの算術平均値を、その試験番号の絞り(%)とした。絞りが10%以上の場合、十分な伸線加工性が得られたと判断した(表2中の「伸線加工性」欄で「○」で表記)。一方、絞りが10%未満の場合、十分な伸線加工性が得られなかったと判断した(表2中の「伸線加工性」欄で「×」)。なお、鋼線で十分な伸線加工性が得られれば、線材においても十分な伸線加工性が得られていることは自明である。
[試験結果]
表2に試験結果を示す。表1-1~表1-3及び表2を参照して、試験番号1~24の線材は、特徴1~特徴3を満たした。その結果、耐久比は0.30以上であり、十分な耐久比が得られた。さらに、絞りが10%以上であり、十分な伸線加工性が得られた。
一方、試験番号25及び26では、Cu含有量が低すぎた。そのため、耐久比が0.30未満となり、十分な耐久比が得られなかった。
試験番号27及び28では、F1が低すぎた。そのため、耐久比が0.30未満となり、十分な耐久比が得られなかった。
試験番号29及び30では、F1が高すぎた。そのため、絞りが10%未満となり、十分な伸線加工性が得られなかった。
試験番号31及び32では、F2が低すぎた。そのため、耐久比が0.30未満であり、十分な耐久比が得られなかった。
試験番号33~36では、F2が高すぎた。そのため、ミクロ組織が不安定となり、試験番号36ではパーライト面積率が90%未満となり、試験番号33~試験番号35では強度が高くなりすぎた。その結果、これらの試験番号では、十分な耐久比が得られず、十分な伸線加工性が得られなかった。
以上、本開示の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本開示を実施するための例示に過ぎない。したがって、本開示は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。

Claims (4)

  1. 化学組成が、質量%で、
    C:0.70~1.10%未満、
    Si:0.10~0.40%、
    Mn:0.15~0.80%、
    Cu:0.10~1.00%未満、
    P:0.015%以下、
    S:0.015%以下、
    N:0.0005~0.0060%、
    Al:0.003%以下、及び、
    O:0.0040%以下、を含有し、残部はFe及び不純物からなり、
    式(1)及び式(2)を満たす、
    線材。
    0.10≦Si/(C+Ni)≦0.20 (1)
    1.43≦(Cr+Mn+Cu)/(Si+10P+10S+100N)≦1.63 (2)
    ここで、式(1)及び式(2)中の各元素記号には、対応する元素の質量%での含有量が代入される。元素が含有されていない場合、対応する元素記号には「0」が代入される。
  2. 化学組成が、質量%で、
    C:0.70~1.10%未満、
    Si:0.10~0.40%、
    Mn:0.15~0.80%、
    Cu:0.10~1.00%未満、
    P:0.015%以下、
    S:0.015%以下、
    N:0.0005~0.0060%、
    Al:0.003%以下、及び、
    O:0.0040%以下、を含有し、
    さらに、第1群及び第2群からなる群から選択される1種以上を含有し、残部はFe及び不純物からなり、
    式(1)及び式(2)を満たす、
    線材。
    [第1群]
    Cr:0.60%以下、
    Co:0.50%以下、
    Mo:0.10%以下、
    B:0.005%以下、
    W:0.20%以下、
    Ni:0.50%以下、
    V:0.10%以下、
    Nb:0.10%以下、
    Ti:0.10%以下、及び、
    Sn:0.10%以下、からなる群から選択される1種以上
    [第2群]
    Ca:0.0050%以下、
    Mg:0.0050%以下、
    Zr:0.010%以下、及び、
    希土類元素:0.0050%以下、からなる群から選択される1種以上
    0.10≦Si/(C+Ni)≦0.20 (1)
    1.43≦(Cr+Mn+Cu)/(Si+10P+10S+100N)≦1.63 (2)
    ここで、式(1)及び式(2)中の各元素記号には、対応する元素の質量%での含有量が代入される。元素が含有されていない場合、対応する元素記号には「0」が代入される。
  3. 請求項2に記載の線材であって、
    前記第1群を含有する、
    線材。
  4. 請求項2に記載の線材であって、
    前記第2群を含有する、
    線材。
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