JP2024030550A - インクカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】長期に貯蔵・保管した後に使用しても、インクヘッドのインク吐出が良好で安定するインクカートリッジを提供する。【解決手段】インクカートリッジ(1)は、油性インクジェットインク(7)と、ポリカルボン酸を含む組成物として油性インクジェットインク(7)に混在された金属イオン捕捉部材(8)とを収容している。【選択図】図2

Description

本発明は、インクジェットインクを収容したインクカートリッジに関する。
インクジェット印刷装置は、インクカートリッジが着脱可能に装着されることで、インクカートリッジに収容された油性インクジェットインクがインクヘッドに供給される。
特許文献1には、インクカートリッジに収容する油性インクジェットインクの調整において、カルシウムの含有量を少なくすることが記載されている。
インクジェット印刷装置は、インクヘッドのノズル近傍にカルシウム塩などの金属塩の固形物が堆積すると、正常なインク吐出が妨げられ印刷画像の不良が発生する可能性がある。特許文献1に記載された油性インクジェットインクを用いれば、インクヘッドのノズル近傍にカルシウム塩による固形物が堆積しにくいので印刷画像の不良発生を抑制できる。
特開2011-89043号公報
ところで、油性インクジェットインクに色材として例えばアゾレーキ顔料が含まれている場合、貯蔵・保管が長期化すると、経時変化によりインク内にアゾレーキ顔料からカルシウムなどの金属原子がイオンとして溶出する可能性がある。
すなわち、金属イオンの含有量が少なくなるよう調整された油性インクジェットインクを用いても、インク内に経時的に生じる金属イオンの量を調整時のまま維持できない虞がある。そのため、油性インクジェットインクを長期に貯蔵・保管した後に使用すると、経時的に生じた金属イオンに起因する固形物がインクヘッドのノズル近傍に堆積して正常なインク吐出が妨げられる虞があり、改善が望まれている。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、長期に貯蔵・保管した後に使用しても、インクヘッドのインク吐出が良好で安定するインクカートリッジを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は次の1)の構成を有する。
1)油性インクジェットインクと、ポリカルボン酸を含む組成物として前記油性インクジェットインクに混在された金属イオン捕捉部材とを収容したインクカートリッジ。
本発明のインクカートリッジによれば、長期の貯蔵・保管後に使用しても、インクヘッドのインク吐出が良好で安定する。
図1(a)は、実施の形態に係るインクカートリッジ1が装填される印刷装置100の概略構成を示す平面図である。図1(b)は、印刷装置100の正面図である。図1(c)は、印刷装置100の側面図である。 図2は、インクカートリッジ1の外観斜視図である。 図3は、インクカートリッジ1の係合部5の正面図である。 図4は、インクカートリッジ1の部分拡大断面図及び印刷装置100のホルダ部111の断面図である。 図5は、インクカートリッジ1と印刷装置100のホルダ部111とが接続された状態を示す断面図である。 図6は、インクカートリッジ1のキャップ6を外した状態における部分拡大断面図である。 図7は、インクカートリッジ1のキャップ6を装着した状態における部分拡大断面図である。 図8Aは、金属イオン捕捉部材8aを示す図である。 図8Bは、金属イオン捕捉部材8bを示す図である。 図8Cは、金属イオン捕捉部材8cを示す図である。 図9Aは、インク7及び金属イオン捕捉部材8aを収容したインクカートリッジ1を示す模式的断面図である。 図9Bは、インク7及び金属イオン捕捉部材8bを収容したインクカートリッジ1を示す模式的断面図である。 図9Cは、インク7及び金属イオン捕捉部材8cを収容したインクカートリッジ1を示す模式的断面図である。 図10は、インク7及び金属イオン捕捉部材8a~8cを収容したインクカートリッジ1を示す模式的断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。
以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
本実施の形態では、インクカートリッジ1が装填される印刷装置100が、多数のノズルが形成されたインクヘッド(図示せず)を複数備え、それぞれのインクヘッドから異なる色のインクを吐出してライン単位で印刷を行い、搬送ベルト上の用紙に画像を形成するインクジェット方式のラインカラープリンタである場合を例に説明する。
図1(a)~(c)に示す印刷装置100は、本実施の形態に係るインクカートリッジ1が装填されるインクジェット方式のラインカラープリンタである。印刷装置100は、用紙の搬送方向に沿って並べて配置された4つのインクヘッド(図示せず)を有する。4つのインクヘッドは、それぞれ異なる色のインクを吐出し、各色の画像を互いに重ね合わせてカラー画像を形成する。
インクカートリッジ1を印刷装置100に対して水平に着脱する方向を「着脱方向A」とする。インクカートリッジ1を印刷装置100に挿入して装填させる方向を「装填方向A1」とし、インクカートリッジ1を印刷装置100から離脱させて取り外す方向を「離脱方向A2」とする。
装填方向A1は、インクカートリッジ1に収容された油性インクジェットインク7(以下、インク7)が印刷装置100に流出する方向(以下、「インク流出方向B」という)と同方向となり、後述するインク容器2を外装体4に収容する際に挿入する方向は、離脱方向A2と同方向となる。
印刷装置100には、演算処理装置101が備えられており、この演算処理装置101が、上述したインクヘッドによる印刷処理や、搬送機構の駆動制御の他、インクカートリッジ1からのインク7の供給に関する制御も行う。
演算処理装置101は、CPUやDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサ、メモリ、及びその他の電子回路等のハードウェア、あるいはその機能を持ったプログラム等のソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成された演算モジュールである。演算処理装置101は、プログラムを適宜読み込んで実行することにより種々の機能モジュールを仮想的に構築し、構築された各機能モジュールによって、画像データに関する処理や、各部の動作制御、ユーザ操作に対する種々の処理を行う。また、演算処理装置101には、操作パネル102が接続されており、この操作パネル102を通じて、ユーザによる指示や設定操作を受け付けることができる。
図1(a)及び図1(c)に示されるように、印刷装置100における装置本体100aの上部には、インクカートリッジ1が取付けられるカートリッジ取付機構103が設けられている。カートリッジ取付機構103は、4つのインクヘッドに1つずつ対応して、合計4つ設けられている。
印刷装置100には、カートリッジ取付機構103の上方を覆うように上面装置104が配設されている。インクカートリッジ1の装填は、この上面装置104の下面と装置本体100aの上面との間に水平方向(装填方向A1)に挿入することにより行われる。
上面装置104には、例えば、ADF(Auto Document Feeder)にセットした原稿を搬送に伴い光学的に読み取ってデジタルデータ化する画像読取装置(スキャナ)や、上述の操作パネル102が配設される。
カートリッジ取付機構103には、インクカートリッジ1を印刷装置100に装填した際に、後述するインクカートリッジ1の供給口部11と嵌合するホルダ部111が設けられている。
図4及び図5に示されるように、ホルダ部111は、後述するインクカートリッジ1における供給口部11の供給口側ジョイント部13と嵌合するホルダ側ジョイント部112を備えている。ホルダ側ジョイント部112は、外形が概ね円柱状の部材である。ホルダ側ジョイント部112における離脱方向A2側の端部には、インクカートリッジ1の供給口側ジョイント部13と嵌合する円環状の凸部113が形成されている。凸部113の内方は凹部114となっている。
凹部114には、インクカートリッジ1に収容されたインク7を、印刷装置100内のインクタンク(図示せず)に流入させるためのインク経路115が連通されている。
ホルダ側ジョイント部112の凹部114の中央には、後述するインクカートリッジ1の中栓15を押圧するための棒状の押圧部116が、離脱方向A2に向けて突設されている。
次に、インクカートリッジ1の構成について、図2及び図3を主に参照して説明する。
図2に示されるように、インクカートリッジ1は、インク容器2と、インク供給部3と、外装体4と、係合部5とを備えている。インク供給部3には、保護部材としてのキャップ6が着脱自在に取り付けられる。
インク容器2にはインク7及び金属イオン捕捉部材8が収容されている。金属イオン捕捉部材8は、インク7の成分としてインク容器2に収容されているものではなく、インク7に混在させた状態でインク7と共にインク容器2に収容されている。
本実施の形態のインク容器2は、長方形状の熱可塑性フィルムを2枚重ね、長手方向の一端にインク供給部3を介在させた状態で、その周囲を熱溶着により接合して形成されている。インク容器2を、外装体4の開口部から挿入し、インク供給部3が組み付けられた係合部5を外装体4の開口部に嵌合することで、インクカートリッジ1が組み立てられる。
インク供給部3は、例えば、インク容器2にインク7及び金属イオン捕捉部材8が充填された状態で熱溶着により接続される。他の方法例として、インク容器2にインク7及び金属イオン捕捉部材8の収容口を設けておき、インク供給部3を熱溶着により接合した状態で充填口からインク7及び金属イオン捕捉部材8を収容し、その後、収容口を封止してもよい。
これらの方法により、インク7及び金属イオン捕捉部材8を収容したインクカートリッジ1が得られる。
インク7は、油性インクである。インク7及び金属イオン捕捉部材8の詳細は後述する。
インク供給部3は、インクカートリッジ1が印刷装置100に装填された際に、インク容器2内のインク7を印刷装置100に供給するためのものである。インク供給部3は、インク容器2の装填方向A1側の端部に取り付けられている。インク供給部3は、油性インクであるインク7に接触しても膨潤しないポリアセタール樹脂等の素材からなる。
図3~図5に示すように、インク供給部3は、インク容器2の内部と外部とを連通させる供給口部11を備えている。供給口部11には、ホルダ側ジョイント部112と嵌合する供給口側ジョイント部13と、供給口側ジョイント部13の周囲を取り囲む円環状の凹部14とが設けられている。凹部14にホルダ側ジョイント部112の凸部113が挿入されることで、供給口側ジョイント部13とホルダ側ジョイント部112とが嵌合可能になっている。供給口側ジョイント部13は、中空円柱状に形成され先端に開口部13aが形成されている。インク容器2の内部と外部とは、開口部13aを介して連通される。供給口部11は、開口部13aが装填方向A1に向けられた状態で係合部5と係合している。
供給口部11には、中栓15,付勢部材16,及び被覆部材17が組み込まれている。
中栓15は、開口部13aを開放又は閉止する。付勢部材16は、中栓15をインク7のインク流出方向Bに付勢して開口部13aを閉止させる。被覆部材17は、インクカートリッジ1の着脱に伴う中栓15の摺動を着脱方向Aに沿ってガイドする。
インク供給部3は、インク容器2の熱可塑性フィルムに熱溶着された連通管19を有している。連通管19は筒状の部材であり、インク容器2の内外を連通している。
中栓15等が組み込まれた供給口部11を連通管19の開口部に挿入して液密状態で嵌着することにより、供給口部11とインク容器2とは一体化される。この構造によれば、中栓15による開口部13aの開閉によって、インク容器2の内部と外部とを連通させる、又は遮断することができる。
図4及び図5に示されるように、中栓15は、栓部15a,軸部15b,係合受け部15c,及びOリング15dを有する。
栓部15aは、先端が開口部13aを塞いでインク容器2の内部と外部との連通を閉止する。軸部15bは、栓部15aの後端側(離脱方向A2側)から延設されている。係合受け部15cは、栓部15aの先端に設けられ、ホルダ部111の押圧部116と係合する。Oリング15dは、栓部15aの周囲に嵌め込まれ、開口部13aを閉止した際に栓部15aと供給口側ジョイント部13との間の間隙を埋める。
中栓15は、付勢部材16の付勢力によって、栓部15aの先端側の面が供給口側ジョイント部13の先端部の内面13bに当接する。これにより、開口部13aは中栓15によって閉止される。
Oリング15dは、栓部15aと供給口側ジョイント部13との間の間隙を埋める。これにより、インク容器2の内部と外部との連通が遮断され、インク7の外部流出が禁止される。
インクカートリッジ1が印刷装置100に装填される際に、カートリッジ取付機構103の押圧部116と係合受け部15cとが係合する。この係合に伴い、中栓15は、付勢部材16の付勢力に抗して離脱方向A2に摺動する。中栓15が摺動することで、図5に示されるように、栓部15aが開口部13aから離隔する。
これにより、インク容器2の内部と外部とが開口部13aを介して連通され、インク7がインク流出方向Bに沿ってインク容器2の内部から外部に流出可能となる。
付勢部材16は、バネやゴムなどの弾性体で構成され、栓部15aを、開口部13aを閉止する方向(すなわち、装填方向A1)に付勢する。本実施の形態において、付勢部材16はコイルバネである。
被覆部材17は、付勢部材16を支持する支持部17aと、支持部17aから延設された略円筒形状の被覆部17bとを有する。
支持部17aは付勢部材16を支持する。
被覆部17bは、中栓15の軸部15bにおける供給口部11から露出している部分を、すべて覆い隠すように長さが設定されている。すなわち、図4に示されるように栓部15aが開口部13aを閉止している状態であっても、図5に示されるように栓部15aが押圧部116に押し込まれて開口部13aが開放されている状態であっても、中栓15の軸部15bは、被覆部材17によって覆い隠されている。
このように、被覆部17bは、中栓15の摺動の有無に拘わらず、供給口部11から露出した軸部15bをすべて覆う長さとされている。そのため、例えば、インク容器2内のインク7の残量が少なくなってインク容器2が萎んだときであっても、軸部15bの端部とインク容器2の内面とは接触しない。
これにより、中栓15によってインク容器2が損傷する危険性がなくなり、ユーザは、取り扱いに注意を払うことなくインクカートリッジ1を使用することができる。
外装体4は、紙製(例えば、段ボール)のシート部材に設定された折り辺を折り曲げて糊代部分が貼り合わされている。これにより、外装体4は、長手方向における一端が開口され他端が閉止された有底の中空直方体をなす箱状に組み立てられている。
外装体4の開口部(カートリッジ装填時における印刷装置100側の開口部)には、印刷装置100側のカートリッジ取付機構103に係合される係合部5が嵌め込まれている。係合部5は、印刷装置100のカートリッジ取付機構103との突当部材になる。
係合部5は、樹脂、金属などの硬質材料で形成される。係合部5は、インクカートリッジ1を印刷装置100に装填する際に、カートリッジ取付機構103と係合する着脱機構として機能する。係合部5は、外装体4の開口部と嵌合するため、その開口部の寸法と略同等の大きさで形成されている。
図2及び図3に示されるように、係合部5は、外装体4の開口部に嵌合装着された後、裏面に粘着性を有するシール状のラベル21(例えばフィルム法合成紙のように合成樹脂を主成分とする合成紙の裏面に接着剤を塗布したシート物)で貼り付け固定される。ラベル21は、外装体4に係合部5を嵌合させた状態で、外装体4の一方の側面から、係合部5を経て反対側の側面に渡って巻き回されるように貼り付けられる。このようにして、係合部5は外装体4に組み付け固定される。
キャップ6は、供給口部11の開口部13aを覆うためのものであり、供給口部11に着脱される。図6及び図7に示されるように、キャップ6は、キャップ側ジョイント部26を有する。キャップ側ジョイント部26は、円筒形状に形成されている。図7のように、キャップ側ジョイント部26が供給口側ジョイント部13と嵌合することで、供給口部11にキャップ6が装着され、開口部13aがキャップ6により覆われる。キャップ6は、柔軟性を有するポリプロピレンやゴム等の素材で形成されている。
上述のようなインクカートリッジ1が使用される際、供給口部11に装着されたキャップ6が取り外され、インク7及び金属イオン捕捉部材8を収容したインクカートリッジ1が印刷装置100に装着される。
これにより、図5に示されるように、中栓15は押圧部116に押され、栓部15aは供給口側ジョイント部13の先端部の内面13bから離隔する。これにより、栓部15aと供給口側ジョイント部13の先端部の内面13bとの間に隙間が生じ、開口部13aが開放される。
開口部13aが開放されると、インク容器2内の少なくともインク7が、開口部13aから流出し、ホルダ部111のインク経路115を介して印刷装置100内のインクタンクに供給される。
インク容器2内のインク7がなくなってインクカートリッジ1の交換が必要になると、インクカートリッジ1が印刷装置100から取り外される。印刷装置100から取り外された使用済みのインクカートリッジ1は、回収のためキャップ6が装着される。
使用済みのインクカートリッジ1では、供給口部11の供給口側ジョイント部13等にインク7が付着している。インク7が付着した供給口側ジョイント部13にキャップ6が装着されると、キャップ6がインク7に接触する。
油性インクであるインク7は、シリコーンオイルを含む油性インクであると好適である。シリコーンオイルを含む油性インクであるインク7は、一般的な油性インクに接触すると膨潤しやすいポリプロピレンやゴム等の素材を膨潤させない。このため、本実施の形態のインクカートリッジ1によれば、キャップ6が、一般的な油性インクで膨潤しやすいポリプロピレンやゴム等の素材からなるものであっても、インク7によるキャップ6の膨潤を抑制できる。
上述のインクカートリッジ1の供給口部11において、開口部13aが開放された状態におけるインク容器2の内側と開口部13aの外側とを連通する。
次に、インク7及び金属イオン捕捉部材8について詳述する。インク容器2に収容されたインク7は、既述のように、油性インクである。具体的には、インク7は、主として非水系溶剤と色材とから構成される。非水系溶剤には、シリコーンオイル、石油系炭化水素溶剤、脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤等が用いられる。色材は、顔料及び染料のいずれも使用することができ、いずれか一方を単独で使用してもよく、両方を併用してもよい。色材にはレーキ顔料を用いるとよい。より具体的には、アゾレーキ顔料であるとよい。
インク7は、顔料分散剤、防腐剤、酸化防止剤、界面活性剤等を含んでいてもよい。
インク7に混在された金属イオン捕捉部材8は、ポリカルボン酸を含む組成物である。ポリカルボン酸の中和度は例えば50%以下である。金属イオン捕捉部材8は、例えば、ポリカルボン酸系樹脂によってビーズ状,ペレット状,又はシート状に形成してよい。ポリカルボン酸系樹脂の例は、アクリル樹脂である。
金属イオン捕捉部材8の形状は限定されない。図8A~図8Cは、例としてそれぞれビーズ状(球状)の金属イオン捕捉部材8a,ペレット状の金属イオン捕捉部材8b,シート状の金属イオン捕捉部材8cが示されている。
すなわち、インクカートリッジ1は、カルボン酸ポリマ-の金属イオン吸着性を利用し、金属イオン捕捉部材8がインク7と共にインク容器2内に収容されている。
図9(a)~図9(c)は、インク7と共に、それぞれ金属イオン捕捉部材8a~8cを収容したインクカートリッジ1を示した模式的断面図である。
インク7は、色材に用いるレーキ顔料或いはアゾレーキ顔料に含まれる金属塩から、経時的に金属イオンが生じる場合がある。アゾレーキ顔料からイオンとして生じる金属は、例えば、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、マグネシウムなどである。
インクカートリッジ1のインク容器2には、インク7と共に金属イオン捕捉部材8が収容されているので、インク7において経時的に金属イオンが生じても、生じた金属イオンは、金属イオン捕捉部材8に捕捉される。これにより、インク7は、長期にわたり金属イオンが存在しない状態が維持される。
経時的に生じる金属イオンの量に応じて、金属イオン捕捉部材8の形状、量、種類などを適宜設定してよい。
これにより、インク7に存在する金属イオンを、金属イオン捕捉部材8を過剰に収容することなく、印刷に不具合が生じない程度の少ない含有量で抑制した状態、換言するならば、実質的に金属イオンが存在しない状態で長期間維持できる。
このように、インクカートリッジ1は、長期に貯蔵・保管し、その後に使用しても、インク7に含まれる金属イオンの量が実質的に存在しない程度に抑制されているので、金属イオンに起因する固形物がインクヘッドのノズル近傍に堆積して正常なインク吐出が妨げられることはない。従って、印刷装置100においてインクヘッドのインク吐出は良好で安定する。
金属イオン捕捉部材8の大きさは、少なくとも印刷装置100のインクヘッドのノズルから吐出されない大きさとする。
また、金属イオン捕捉部材8の大きさは、インクカートリッジ1を装填した印刷装置100側へインク7と共に流入することなくインク容器2内に留まる大きさとしてもよい。金属イオン捕捉部材8の外形サイズの上限は、例えば、インク容器2への収容のし易さなどから設定してよい。
例えば、ビーズ状の金属イオン捕捉部材8aは、直径φd1を1mm~10mmとし、ペレット状の金属イオン捕捉部材8bは、最小幅d2及び長さL2を1mm~10mmとし、シート状の金属イオン捕捉部材8cは、短辺長L3を1mm以上、厚さt1を10μm以上とすることが好ましい。
本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。
金属イオン捕捉部材8a~8cは、全体がポリカルボン酸系樹脂で形成されていなくてもよく、樹脂母材の表面にポリカルボン酸を含む膜を形成したものであってもよい。
インクカートリッジ1は、インク容器2に収容された金属イオン捕捉部材8の形状が同一形状であるもの限定されない。インク容器2に収容された金属イオン捕捉部材8は、金属イオン捕捉部材8a~8cのうちの少なくとも2種類が混在していてもよい。例えば、図10に示されるように、インクカートリッジ1は、インク容器2にインク7と共に、異なる形状の金属イオン捕捉部材8a~8cが混在して収容されたものであってもよい。
[付記1]
本出願は、以下の発明を開示する。
油性インクジェットインクと、ポリカルボン酸を含む組成物として前記油性インクジェットインクに混在された金属イオン捕捉部材とを収容したインクカートリッジ。
1 インクカートリッジ
11 供給口部
13 供給口側ジョイント部
13a 開口部
13b 内面
14 凹部
15 中栓
16 付勢部材
17 被覆部材
2 インク容器
26 キャップ側ジョイント部
3 インク供給部
4 外装体
5 係合部
6 キャップ
7 インク(油性インクジェットインク)
8,8a,8b,8c 金属イオン捕捉部材
100 印刷装置
101 演算処理装置
102 操作パネル
103 カートリッジ取付機構
104 上面装置
111 ホルダ部
112 ホルダ側ジョイント部
115 インク経路
116 押圧部

Claims (1)

  1. 油性インクジェットインクと、ポリカルボン酸を含む組成物として前記油性インクジェットインクに混在された金属イオン捕捉部材とを収容したインクカートリッジ。
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