JP2024030456A - 自動車内装材用帯電防止剤及びそれを含有するポリオレフィン系樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、自動車内装材用帯電防止剤及びそれを含有するポリオレフィン系樹脂組成物に関する。
自動車内装材は、ポリオレフィン系樹脂に無機フィラーやゴムを添加した樹脂組成物を成形したものが用いられているが、成形後およびユーザー納入時に内装材にほこりが付着しないことが望まれている。ほこりの付着は、主として静電気によるものであるから、付着しにくくするために、帯電防止剤を添加して内装材表面の電気抵抗を低下させ、静電気を逃がすことが一般に行われている。
しかし、帯電防止性能を高めるために、帯電防止剤の添加量を増加させると、夏場などに自動車室内温度が上昇したときに帯電防止剤が気化しフロントガラスなどに付着して、ガラスの透明性が損なわれるフォギングと呼ばれる不具合が発生する。このようなことから、自動車内装材には、内装材の表面へのほこりの付着がないこと、さらには帯電防止剤の付着による自動車のガラスの透明性が損なわれないことが要求される。
特許文献1には、エチレン含量が25~75重量%のプロピレン-エチレンランダム共重合体部5~20重量%を含有するプロピレン-エチレンブロック共重合体(成分A)30~82重量部、タルク(成分B)10~40重量部およびポリオレフィン系エラストマー(成分C)8~30重量部の合計100重量部からなり、該成分Bと成分Cとの合計が20~60重量部である混合物に、モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、アルキルジエタノールアミンとの混合物からなる帯電防止剤(成分D)を、組成物基準で0.3~0.45重量%配合したことを特徴とする、帯電防止性とフォギング防止性に優れた自動車内装材用樹脂組成物が開示されている。
特許文献2には、(A)結晶性ポリプロピレン樹脂50~90重量部、(B)無機フィラー10~50重量部、(C)ゴム0~40重量部(ここで、(A)、(B)および(C)成分の合計量は100重量部である)、ならびに(D)パルミチン酸ジエタノールアミド0.01~3重量部を含有することを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物が開示されている。
特許文献3には、プロピレン重合材料100重量部と、モノグリセリンの脂肪酸エステル及びジグリセリンの脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種のエステル化合物を0.1~0.4重量部と、ステアリルジエタノールアミンモノステアレートを0.1~0.4重量部とを含有する帯電防止剤0.2~0.8重量部と、N,N’-ジ(ヒドロキシエチル)アルキルアミド0.01~0.4重量部と、ヒンダードアミン系光安定剤0.01~0.3重量部とを含有するポリプロピレン樹脂組成物が開示されている。
特許文献4には、ポリオレフィン100重量部に、(A)アルキルリン酸エステル金属塩0.001~10重量部、(B)ヒンダードアミン化合物0.001~10重量部を添加した樹脂組成物からなる自動車内装材が開示されている。
特許文献5には、ポリオレフィン100重量部に、リン酸エステル化合物(A)0.01~2.0重量部を含有してなる自動車内装材用ポリプロピレン系樹脂組成物が開示されている。
しかし、上記特許文献1~3に記載のポリプロピレン樹脂組成物はフォギング防止性が十分でなく、また揮発性の有機化合物(VOC)、特にアセトアルデヒドやホルムアルデヒド等のアルデヒド類の放散量については、満足できるものではなかった。
一方、上記特許文献4に記載のポリオレフィン樹脂組成物は帯電防止性が十分でなく、またブリードアウトに起因する白濁化を生じる問題があった。
また、特許文献5に記載の自動車内装材用ポリプロピレン系樹脂組成物は帯電防止能に優れていたが、近年の気温上昇や世界的な環境規制の強化に伴い要求されるフォギング防止性とアセトアルデヒドの放散量の水準を満足できるものではなかった。
本発明は、上記のような従来技術における問題を解決することを目的とするものであって、帯電防止性を損なうことなく、フォギングとアルデヒド類の発生を抑制した自動車内装材用帯電防止剤を提供することを目的としている。
一方、上記特許文献4に記載のポリオレフィン樹脂組成物は帯電防止性が十分でなく、またブリードアウトに起因する白濁化を生じる問題があった。
また、特許文献5に記載の自動車内装材用ポリプロピレン系樹脂組成物は帯電防止能に優れていたが、近年の気温上昇や世界的な環境規制の強化に伴い要求されるフォギング防止性とアセトアルデヒドの放散量の水準を満足できるものではなかった。
本発明は、上記のような従来技術における問題を解決することを目的とするものであって、帯電防止性を損なうことなく、フォギングとアルデヒド類の発生を抑制した自動車内装材用帯電防止剤を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、特定のリン酸エステル化合物及び多価アルコール脂肪酸エステルを用いることで、十分な帯電防止効果が得られるとともに、フォギングやアルデヒド類の発生を大幅に抑制することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下に示すものである。
[1]次の成分(A)及び(B):
(A)下記化学式(1)で表されるリン酸エステル化合物
(式中、R1は炭素数1~13のアルキル基、炭素数2~13のアルケニル基又は置換基を有していてもよいアリール基であり、mは1~3の整数であり、Mは水素原子、アルカリ金属、第2族元素、アンモニウム基、または有機アンモニウム基である。)
(B)多価アルコール脂肪酸エステル
を含有してなる自動車内装材用帯電防止剤。
[2]前記(A)成分と、(B)成分との質量比が、(A)/(B)=99/1~1/99である、[1]に記載の自動車内装材用帯電防止剤。
[3]ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し、[1]又は[2]に記載の自動車内装材用帯電防止剤を0.02~2.0質量部配合してなる、自動車内装材用ポリオレフィン系樹脂組成物。
[4]ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し、[1]又は[2]に記載の自動車内装材用帯電防止剤を0.02~2.0質量部配合してなる、自動車内装材用ポリオレフィン系樹脂成形体。
[5]ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し、
(A)下記化学式(2)で表されるリン酸エステル化合物を0.02~2.0質量部、
(B)多価アルコール脂肪酸エステルを0.02~2.0質量部
含有する自動車内装材用ポリオレフィン系樹脂組成物。
(式中、R1、m、Mは、前記と同じ意味を示す。)
[6][5]記載の自動車内装材用ポリオレフィン系樹脂組成物を成形してなる自動車内装材用ポリオレフィン系樹脂成形体。
[1]次の成分(A)及び(B):
(A)下記化学式(1)で表されるリン酸エステル化合物
(B)多価アルコール脂肪酸エステル
を含有してなる自動車内装材用帯電防止剤。
[2]前記(A)成分と、(B)成分との質量比が、(A)/(B)=99/1~1/99である、[1]に記載の自動車内装材用帯電防止剤。
[3]ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し、[1]又は[2]に記載の自動車内装材用帯電防止剤を0.02~2.0質量部配合してなる、自動車内装材用ポリオレフィン系樹脂組成物。
[4]ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し、[1]又は[2]に記載の自動車内装材用帯電防止剤を0.02~2.0質量部配合してなる、自動車内装材用ポリオレフィン系樹脂成形体。
[5]ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し、
(A)下記化学式(2)で表されるリン酸エステル化合物を0.02~2.0質量部、
(B)多価アルコール脂肪酸エステルを0.02~2.0質量部
含有する自動車内装材用ポリオレフィン系樹脂組成物。
[6][5]記載の自動車内装材用ポリオレフィン系樹脂組成物を成形してなる自動車内装材用ポリオレフィン系樹脂成形体。
本発明の自動車内装材用帯電防止剤及びそれを含有するポリオレフィン系樹脂組成物は、ほこり等の付着を防ぐために必要な帯電防止性を維持しつつ、フォギングとアルデヒド類の発生を大幅に抑制することができる。また、ブリードアウトに起因する白濁化を生じないため、自動車内装用部品として好ましく使用することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いられる(A)リン酸エステル化合物は、下記の一般式(1)で表わされる化合物である。
本発明で用いられる(A)リン酸エステル化合物は、下記の一般式(1)で表わされる化合物である。
炭素数1~13のアルキル基としては、具体的にはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、n-オクチル基、n-デシル基、1-アダマンチル基、ドデシル基(ラウリル基)、トリデシル基等が挙げられる。
炭素数2~13のアルケニル基としては、具体的には、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基等が挙げられ、これらは分岐構造、環状構造を有していてもよい。
置換基を有していてもよいアリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、ナフチル基等の無置換のアリール基、炭素数1~13の炭化水素基、炭素数1~10のアルキル基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数2~10のアルコキシ基等の置換基を有する前記アリール基が挙げられる。
これらの中でも、フォギングやアルデヒド類の低減の観点から、炭素数1~4のアルキル基が好ましい。
炭素数2~13のアルケニル基としては、具体的には、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基等が挙げられ、これらは分岐構造、環状構造を有していてもよい。
置換基を有していてもよいアリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、ナフチル基等の無置換のアリール基、炭素数1~13の炭化水素基、炭素数1~10のアルキル基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数2~10のアルコキシ基等の置換基を有する前記アリール基が挙げられる。
これらの中でも、フォギングやアルデヒド類の低減の観点から、炭素数1~4のアルキル基が好ましい。
前記一般式(1)中、Mは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム基、または有機アンモニウム基である。アルカリ金属としては、例えば、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)等が挙げられ、第2族元素としてはカルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、バリウム(Ba)などが挙げられ、有機アンモニウム基とは、有機アミン由来のアンモニウム基であり、前記有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。これらのMの中でも、ブリード性の観点から水素原子が好ましい。
本発明で用いられる(B)多価アルコール脂肪酸エステルは、多価アルコールと脂肪酸とのエステル化反応、又は多価アルコールと脂肪酸低級アルキルアルコールエステルとのエステル交換反応等の公知の方法によって得られるエステル化合物である。
(B)多価アルコール脂肪酸エステルの原料となる多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ソルビタン、ジグリセリン、キシリトール、トリグリセリン、ソルビトール、ジペンタエリスリトール、イノシトール、テトラグリセリンなどが挙げられ、これらの中でも、グリセリン、ジグリセリン、ソルビタン、ソルビトールが好ましい。
(B)多価アルコール脂肪酸エステルの原料となる脂肪酸は、適度なブリード性を付与する観点から、炭素数8~22の脂肪酸が好ましく、より好ましくは炭素数が10~22である。さらに好ましくは炭素数が16~18である。前記脂肪酸として例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸等の飽和脂肪酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、テトラデセン酸、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸、リノレイン酸、リシノール酸等の不飽和脂肪酸などが挙げられる。これらの中でも、帯電防止性、ブリード性の観点からラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸が好ましく、パルミチン酸、ステアリン酸が特に好ましい。
(B)多価アルコール脂肪酸エステルの中でもモノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルがVOC低減の観点からも好ましい。
モノグリセリン脂肪酸エステルは、モノグリセリンと脂肪酸とのエステル化反応、又はモノグリセリンと脂肪酸低級アルキルアルコールエステルとのエステル交換反応等の公知の方法によって得られるエステル化合物であって、好ましくはモノグリセリンと炭素数8~22の脂肪酸とから得られるモノグリセリンのモノ脂肪酸エステル化合物であるが、ジ脂肪酸エステル、トリ脂肪酸エステルが存在していても良い。これらは蒸留したものであってもよいし、未蒸留のまま使用してもよい。
ジグリセリン脂肪酸エステルは、ジグリセリンと脂肪酸とのエステル化反応、又はジグリセリンと脂肪酸低級アルキルアルコールエステルとのエステル交換反応等の公知の方法によって得られるエステル化合物であって、好ましくはジグリセリンと炭素数8~22の脂肪酸とから得られるジグリセリンのモノ脂肪酸エステル化合物であるが、ジ脂肪酸エステル、トリ脂肪酸エステルが存在していても良い。これらは蒸留したものであってもよいし、未蒸留のまま使用してもよい。
原料のジグリセリンはグリセリンが2モル縮合したジグリセリンの含有量が90質量%以上のものが好ましいが、3モル、4モル縮合したポリグリセリンが存在していてもよい。炭素数8~22の脂肪酸は、モノグリセリン脂肪酸エステルと同じものが使用できる。
ソルビタン脂肪酸エステルは、ソルビトール又はソルビタンと脂肪酸とのエステル交換等の公知の方法により得られ、好ましくはソルビトール、またはソルビタンと炭素数8~22の脂肪酸とから得られるソルビタンのモノ脂肪酸エステル化合物であるが、ジ脂肪酸エステル、トリ脂肪酸エステルが存在していてもよい。これらは蒸留したものであってもよいし、未蒸留のまま使用してもよい。
前記(A)成分と(B)成分を自動車内装材を構成する各種樹脂に配合することにより、自動車内装材用帯電防止剤として優れた効果を発揮することができる。前記樹脂としては、自動車内装材に用いられる樹脂、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ABS樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ乳酸樹脂などがあるが、その中でもポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂のようなポリオレフィン系樹脂が最も好ましい。
本発明の自動車内装材用帯電防止剤である(A)リン酸エステル化合物と(B)多価アルコール脂肪酸エステルの配合量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、通常それぞれ0.02~2.0質量部であるが、帯電防止性やフォギング防止性の観点で好ましくはそれぞれ0.05~1.0質量部、さらに好ましくはそれぞれ0.1~0.4質量部の割合で配合することができる。また(A)及び(B)成分の合計量は、ポリオレフィン系樹脂組成物に対し優れた帯電防止効果を付与する観点から、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し、0.02~2.0質量部の範囲であることが好ましい。この範囲内とすることにより、表面固有抵抗値(lоgΩ/□)が13以下であり、帯電防止剤を含有させることにより発生するフォギング、VOCの上昇をより少なくさせることができるため好ましい。
前記(A)成分と(B)成分との質量比は、好ましくは、(A)/(B)=99/1~1/99であるが、帯電防止性を付与する点では、より好ましくは95/5~5/95、さらに好ましくは90/10~10/90である。
本発明の自動車内装材用ポリオレフィン系樹脂組成物に用いるポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されず、公知のものが用いられる。例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン等のα-オレフィンの単独重合体、前記α-オレフィン同士の共重合体、前記α-オレフィンと共重合可能なα-オレフィン以外の単量体とα-オレフィンとの共重合体、及びこれらの混合物等である。具体的には、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン-エチレン共重合体、プロピレン-ブテン共重合体、プロピレン-エチレン-ブテン共重合体、エチレン-ブテン-1共重合体、エチレン-プロピレン-ブテン-1共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体を金属イオンにより架橋したアイオノマー、ポリブテン-1、ブテン-エチレン共重合体が挙げられる。これら単独または2種類以上を混合して用いてもよい。前記α-オレフィンと共重合可能なα-オレフィン以外の単量体としては、酢酸ビニル、マレイン酸、ビニルアルコール、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等を挙げることが出来る。
また、ポリオレフィン系樹脂は、ASTM D1238に準拠して測定されるメルトフローレートMFR(230℃、2.16kg荷重下)が、通常0.1~300g/10分であり、好ましくは1~100g/10分であり、より好ましくは50g/10分である。
本発明の自動車内装材用帯電防止剤を使用したポリオレフィン系樹脂組成物には、ポリオレフィン系樹脂組成物を補強し、かつ増量するために、無機充填剤を配合することができる。無機充填剤としては、特に制限されないが、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、石こう、ドーソナイト、ラジオライト、セライト、アスベスト、アルミナ、アタバルジャイト、カオリンクレー、火山灰、シリカ、珪灰石、珪藻土、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、長石粉、黒雲母、ケイ酸マグネシウムなどを挙げることができる。なかでも、タルクの使用が好ましい。これら無機充填剤は、1種単独で使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。
本発明品を使用したポリオレフィン系樹脂組成物には、該組成物に柔軟性、耐衝撃性などを付与するために各種ゴム成分を配合することができる。ゴム成分としては、特に制限されないが、エチレン-α-オレフィン共重合ゴム、エチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、イソブチレン-イソプレン共重合ゴム、アクリロニトリル-ブタジエン共重合ゴム、スチレン-ブタジエン共重合ゴム、スチレン-イソプレン共重合ゴム、シリコンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、および上記ゴムの水添物などを挙げることができる。なかでも、エチレン-α-オレフィン共重合ゴムおよびエチレン-α-オレフィン-非共役ジエン共重合ゴム(以下、「エチレン系共重合ゴム」と言うときは、両者を意味する)の使用が好ましい。上記ゴムは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
以下、ゴム成分として好ましく用いられるエチレン系共重合ゴムについて説明する。エチレンと共重合するα-オレフィン、好ましくは炭素数が3~10のα-オレフィンとして、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセンなどを挙げることができる。これらα-オレフィンは2種類以上組み合わせて用いることができる。エチレン系共重合ゴムのエチレン成分の含量は、耐衝撃性の観点から60~90モル%、好ましくは70~85モル%である。
非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、1,9-デカジエン、シクロオクタジエン、ノルボルナジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、7-メチル-1,6-オクタジエンなどを挙げることができる。
エチレン-α-オレフィン・非共役ジエン共重合体のヨウ素価は、好ましくは5~50、より好ましくは10~45である。エチレン系共重合ゴムのムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、ポリオレフィン樹脂との分散性、耐衝撃性の観点から10~100、好ましくは20~60である。
エチレン系共重合ゴムは、公知の重合方法で例えば、バナジウム系、チタン系、メタロセン系の触媒の存在下で共重合することにより、得ることができる。
また、ポリオレフィン系樹脂から自動車内装部品用成形体を製造するに至るまでの各々のプロセスにおいて、本願発明の効果を著しく損なわない範囲において、使用目的に応じて、ポリ4-メチル-1-ペンテン、ポリスチレン、ポリブタジエンあるいはポリイソプレンのスチレングラフト重合体及びそれらの水素添加で得られる共重合体エラストマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネートなどの高分子重合体などを添加してもよい。これら高分子重合体の配合量は、通常5質量部まで、好ましくは3質量部までである。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物には、上記ポリオレフィン系樹脂、他の重合体あるいはエラストマー、帯電防止剤、無機充填剤の他に、本願発明の効果を著しく損なわない範囲において、使用目的に応じて合成樹脂や合成ゴムの分野で広く利用されている熱、酸素、光などに対する安定剤、耐候剤、結晶核剤、滑剤、難燃剤、可塑剤などの添加剤を添加してもよい。本発明においてはこれら安定剤、あるいは各種添加剤が配合されたポリオレフィン系の樹脂に、さらに顔料を配合してもよい。
熱、酸素に対する安定剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤等が挙げられ、光による劣化防止の耐候剤としては、アミン系、トリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、ニッケル系、サリチル酸系等の各化合物が挙げられ、結晶核剤としては、ソルビトール系、リン系、ロジン系、有機リン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩等が挙げられ、滑剤としては、脂肪酸アミド、高級アルコール、ポリエチレンワックス等が挙げられ、難燃剤としては、メラミン系、リン系、ハロゲン系、ノンハロゲン系化合物等が挙げられ、可塑剤としては、フタレート系、脂肪酸系、アジペート系、トリメリテート系、エポキシ系、ポリエステル系化合物が挙げられる。
顔料としては、無機顔料または有機顔料が挙げられる。無機顔料は発色部分が無機物で、成分として元素単体よりなるもの、及びZn、Pb、Ti、Sb、Cd、Fe、As、Mg、Al、Co、Crなどの酸化物、硫化物、硫酸塩などが挙げられる。有機顔料は発色部分が有機化合物であり、アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料、ジオキサジン顔料、キナクリドン顔料、ジケトピロロピロール顔料などが挙げられる。ポリプロピレンへの顔料の分散性向上を目的として、分散助剤(脂肪酸金属塩、ナフテン酸金属塩、界面活性剤、シリコンオイル、レシチンなどが挙げられる)を用いてもよい。
本発明品を使用した自動車内装材用ポリオレフィン系樹脂組成物を成形体とする場合は、通常の方法により、主成分のポリオレフィン系樹脂に本発明に係る(A)成分と(B)成分を配合して製造することができる。(A)成分と(B)成分は、それぞれ別々にポリオレフィン樹脂に添加してもよいが、予め混合してからポリオレフィン樹脂に添加した方が成形体において均一な帯電防止効果発現の為に好ましい。ポリオレフィン系樹脂には、さらに、他の重合体、無機充填剤、顔料や他の添加剤を配合してもよい。例えば、パウダー状、ペレット状のポリオレフィン系樹脂及び他の重合体に、本発明に係る(A)~(B)成分、必要により無機充填剤、顔料その他の添加剤を配合し、ヘンシェルミキサー、タンブラーミキサー等にて混合後、一軸または二軸の混練押出機で溶融混練してペレット化する。このようにして得たペレットを射出成形機にかけて成形体に加工する。ポリオレフィン系樹脂組成物のMFRが5g/10分に満たないと、射出成形における成形性が悪く、自動車内装部品用途として適さない。また、150g/10分を超える場合は、耐衝撃性に劣り、自動車内装部品用途として適さない。
本発明の自動車内装部品用成形体は、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を、公知の成形方法によって、成形して得られる成形体であり、例えば、射出成形体、プレス成形体、真空成形体、真空プレス成形体、圧空成形体、発泡成形体、押出成形体等が挙げられる。
本発明の自動車内装部品用成形体として、好ましくは射出成形体である。射出成形法としては、例えば、一般的な射出成形法、射出発泡成形法、超臨界射出発泡成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、射出プレス成形法、ガスアシスト射出成形法、サンドイッチ成形法、サンドイッチ発泡成形法、インサート・アウトサート成形法等が挙げられる。
本発明の自動車内装部品用成形体の用途として、例えば、ドアートリム、ピラー、インストルメンタルパネル、コンソール、ロッカーパネル、アームレスト、ドアーパネル、スペアタイヤカバー等が挙げられる。
本発明の自動車内装部品用成形体を射出成形する条件については、成形温度は一般的には150~350℃、好ましくは170~250℃で実施される。成形温度が350℃を超えると、樹脂組成物の劣化及び成形不良の原因となり、150℃より低いと外観不良、成形不良が発生する。金型温度については、10~60℃の範囲で行うことが好ましい。金型温度が60℃を超えると成形体の表面仕上げ度が優れ、剛性に優れた成形体が得られるものの、成形サイクルが長くなり生産性が低下する。逆に、金型温度を10℃より低温に設定すると反りや収縮などが顕著になり、満足な成形体が得られにくくなるばかりか、金型に結露を生じやすくなるために金型腐食を進行させる原因となる。冷却に関わるエネルギーコストの観点からも適さない。
次に本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、特に指定のない限り、配合量は質量部で示す。
(合成例1:リン酸エステル化合物の合成)
温度計、攪拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、エタノールを908g仕込み、40℃に昇温した。次に無水燐酸934g(ラサ工業(株)社製)を2時間かけて滴下し、滴下終了後、同温で1時間熟成した。その後、65℃に加温し、下部から窒素を15L/hrで導入しながら、2時間熟成させ、理論量に対し90%以上の無水燐酸が反応したことを確認し、イオン交換水30gを添加した。30分後に40℃まで冷却し、リン酸エステル化合物(A1)を得た。
温度計、攪拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、エタノールを908g仕込み、40℃に昇温した。次に無水燐酸934g(ラサ工業(株)社製)を2時間かけて滴下し、滴下終了後、同温で1時間熟成した。その後、65℃に加温し、下部から窒素を15L/hrで導入しながら、2時間熟成させ、理論量に対し90%以上の無水燐酸が反応したことを確認し、イオン交換水30gを添加した。30分後に40℃まで冷却し、リン酸エステル化合物(A1)を得た。
表1に示す通り、原料アルコールと中和種を変更した以外には、合成例1と同様の手順にて、本発明のリン酸エステル化合物(A2)~(A6)及び比較例に用いるリン酸エステル化合物(C2)を合成した。
(合成例2:ポリオキシエチレンリン酸エステル化合物の合成)
[アルコールエチレンオキサイド付加物の合成]
温度計、撹拌機、圧力計、窒素導入管を備えたステンレス製高圧反応器にブタノールを741g、96%水酸化カリウム3gを仕込み、反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で150℃まで加熱した。そして、安全圧下で100℃を保持したままエチレンオキサイド880gを5時間かけて反応器内に導入し、その後1時間その温度を保持してエチレンオキサイド付加反応を完結させ、ブタノールエチレンオキサイド付加物(EOの付加モル数:2モル)を得た。
[ポリオキシエチレンリン酸エステル化合物の合成]
上記合成例1と同様の方法でリン酸エステル化合物(C1)を合成した。またエチレンオキサイド付加反応温度を変更した以外は同様の方法で比較例に用いるリン酸エステル化合物(C3)を得た。
[アルコールエチレンオキサイド付加物の合成]
温度計、撹拌機、圧力計、窒素導入管を備えたステンレス製高圧反応器にブタノールを741g、96%水酸化カリウム3gを仕込み、反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で150℃まで加熱した。そして、安全圧下で100℃を保持したままエチレンオキサイド880gを5時間かけて反応器内に導入し、その後1時間その温度を保持してエチレンオキサイド付加反応を完結させ、ブタノールエチレンオキサイド付加物(EOの付加モル数:2モル)を得た。
[ポリオキシエチレンリン酸エステル化合物の合成]
上記合成例1と同様の方法でリン酸エステル化合物(C1)を合成した。またエチレンオキサイド付加反応温度を変更した以外は同様の方法で比較例に用いるリン酸エステル化合物(C3)を得た。
(射出成型体の製造)
[実施例1~9及び比較例1~4]
ポリオレフィン系樹脂として日本ポリプロ(株)製ノバテックMA1B(ZN系ポリプロピレン)を用いて、二軸押出機(芝浦機械(株)製TEM26SS)に、予め溶融混合した下記表1に示す種類と量の(A)成分と(B)成分を配合し、溶融混練り(スクリュー回転数:250rpm、シリンダー温度:200℃)した。この押出物を冷水により冷却固化、切断して、樹脂成分コンパウンドペレットを得た。
作製したコンパウンドを日精樹脂工業(株)製、ハイブリット式射出成型機FNX140にて成型温度190℃で平板試験板150mm×150mm×3mmを作製した。
[実施例1~9及び比較例1~4]
ポリオレフィン系樹脂として日本ポリプロ(株)製ノバテックMA1B(ZN系ポリプロピレン)を用いて、二軸押出機(芝浦機械(株)製TEM26SS)に、予め溶融混合した下記表1に示す種類と量の(A)成分と(B)成分を配合し、溶融混練り(スクリュー回転数:250rpm、シリンダー温度:200℃)した。この押出物を冷水により冷却固化、切断して、樹脂成分コンパウンドペレットを得た。
作製したコンパウンドを日精樹脂工業(株)製、ハイブリット式射出成型機FNX140にて成型温度190℃で平板試験板150mm×150mm×3mmを作製した。
各評価項目の測定及び評価は、下記の方法により行った。結果を下記表1に示す。
(1)帯電防止性の評価
作成した試験板を23℃、湿度50%の条件下で14日間放置した後、日東精工アナリテック(株)製ハイレスタUP MCP―HT450を使用し、表面固有抵抗値を求めた。ここで、成形品に対するゴミ、ほこりの付着を防止するのに有効な表面固有抵抗値は、過去の知見より、13.0(logΩ/□)以下とした。
作成した試験板を23℃、湿度50%の条件下で14日間放置した後、日東精工アナリテック(株)製ハイレスタUP MCP―HT450を使用し、表面固有抵抗値を求めた。ここで、成形品に対するゴミ、ほこりの付着を防止するのに有効な表面固有抵抗値は、過去の知見より、13.0(logΩ/□)以下とした。
(2)フォギング防止性の評価
試験板から25mm×100mm×3mmを2枚切り出し、フォギング防止性評価用試料とした。フォギング防止性評価は、トーマス科学器械製フォギングテスター(恒温油槽)を使用し、ガラス容器の加熱温度100℃、加熱時間20時間で評価を実施した。加熱処理終了後、フォギングの付着したガラス板を取り出し、23℃、湿度50%の条件下で1時間放置した後、村上色彩技術研究社製ヘーズメーターHM-150 L2型を用いて、ガラス板の全光線透過率を測定しフォギング防止性を評価した。ここで、自動車乗車時の視認性を妨げることのないフォギング防止性は5%未満とした。
試験板から25mm×100mm×3mmを2枚切り出し、フォギング防止性評価用試料とした。フォギング防止性評価は、トーマス科学器械製フォギングテスター(恒温油槽)を使用し、ガラス容器の加熱温度100℃、加熱時間20時間で評価を実施した。加熱処理終了後、フォギングの付着したガラス板を取り出し、23℃、湿度50%の条件下で1時間放置した後、村上色彩技術研究社製ヘーズメーターHM-150 L2型を用いて、ガラス板の全光線透過率を測定しフォギング防止性を評価した。ここで、自動車乗車時の視認性を妨げることのないフォギング防止性は5%未満とした。
(3)アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド放散量
アセトアルデヒド放散量の測定は、上記の(射出成形体の製造)によって得られた平板成形体から試験片を80mm×100mmのサイズに切り出して用い、以下の方法により測定を行った。
(i)試験片を容積10Lのサンプリングバッグに封入し、純窒素ガスを充填した。その後、純窒素ガスを抜くことにより、サンプリングバッグ内のガスを窒素ガスに置換する作業を2回繰り返し行った。
(ii)サンプリングバッグに純窒素ガス4Lを充填し、サンプリングバッグのコックを閉じた。サンプリングバッグをオーブンの中に入れ、コックの先にサンプリング用テフロン(登録商標)チューブを取り付けてオーブンの外まで延ばし、この状態で65℃、2時間加熱処理を行った。
アセトアルデヒド放散量の測定は、上記の(射出成形体の製造)によって得られた平板成形体から試験片を80mm×100mmのサイズに切り出して用い、以下の方法により測定を行った。
(i)試験片を容積10Lのサンプリングバッグに封入し、純窒素ガスを充填した。その後、純窒素ガスを抜くことにより、サンプリングバッグ内のガスを窒素ガスに置換する作業を2回繰り返し行った。
(ii)サンプリングバッグに純窒素ガス4Lを充填し、サンプリングバッグのコックを閉じた。サンプリングバッグをオーブンの中に入れ、コックの先にサンプリング用テフロン(登録商標)チューブを取り付けてオーブンの外まで延ばし、この状態で65℃、2時間加熱処理を行った。
(iii)アセトアルデヒド、ホルムアルデヒドの採取及び測定
上記(ii)で調製した試料ガスを65℃の加熱状態で、模擬吸着管に1L採取後、残りの試料ガスを2,4-ジニトロフェノルヒドラジン(2,4-DINITROPHENYLHYDRAZINE(略称:DNPH))カートリッジに採取速度0.4L/minで全量採取した。採取後のカートリッジはアセトニトリルで溶出処理を行い、得られた溶出液を高速液体クロマトグラフ(HPLC;WATERS製、型式:ULTRA PERFORMANCE LIQUID CHROMATOGRAPHY AQUIY)を用いて、カートリッジから溶出した成分の測定を行った。
上記(ii)で調製した試料ガスを65℃の加熱状態で、模擬吸着管に1L採取後、残りの試料ガスを2,4-ジニトロフェノルヒドラジン(2,4-DINITROPHENYLHYDRAZINE(略称:DNPH))カートリッジに採取速度0.4L/minで全量採取した。採取後のカートリッジはアセトニトリルで溶出処理を行い、得られた溶出液を高速液体クロマトグラフ(HPLC;WATERS製、型式:ULTRA PERFORMANCE LIQUID CHROMATOGRAPHY AQUIY)を用いて、カートリッジから溶出した成分の測定を行った。
アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド放散量(所定サイズの試験片1枚から放散されるアセトアルデヒド、ホルムアルデヒドの量、単位:μg/試験片)は、当該成分の標準物質の検量線を用いて算出した。ここで、自動車内装材用に好適なアルデヒドの放散量は0.050μg/試験片以下とした。
表1に示すように、実施例1~9の自動車内装用ポリオレフィン系樹脂成形体は、いずれも帯電防止性、フォギング防止性に優れるものであった。また、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒドの発生を大幅に抑制することができた。
これに対し、比較例1~4の自動車内装用ポリオレフィン系樹脂成形体は、ホルムアルデヒド発生量については満足できるものの、帯電防止性、フォギング防止性、及びアセトアルデヒド発生量の全てを満足する物は得られなかった。
これに対し、比較例1~4の自動車内装用ポリオレフィン系樹脂成形体は、ホルムアルデヒド発生量については満足できるものの、帯電防止性、フォギング防止性、及びアセトアルデヒド発生量の全てを満足する物は得られなかった。
Claims (6)
- 前記(A)成分と、(B)成分との質量比が、(A)/(B)=99/1~1/99である、請求項1に記載の自動車内装材用帯電防止剤。
- ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し、請求項1又は2に記載の自動車内装材用帯電防止剤を0.02~2.0質量部配合してなる、自動車内装材用ポリオレフィン系樹脂組成物。
- ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し、請求項1又は2に記載の自動車内装材用帯電防止剤を0.02~2.0質量部配合してなる、自動車内装材用ポリオレフィン系樹脂成形体。
- 請求項5記載の自動車内装材用ポリオレフィン系樹脂組成物を成形してなる自動車内装材用ポリオレフィン系樹脂成形体。
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JP2022133377A JP2024030456A (ja) | 2022-08-24 | 2022-08-24 | 自動車内装材用帯電防止剤及びそれを含有するポリオレフィン系樹脂組成物 |
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