JP2024030325A - 電動圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】モータのロータコアに内蔵された永久磁石の移動を阻止するためのエンドプレートの寸法を縮小して、材料コストの削減を図ることができる電動圧縮機を提供する。【解決手段】ロータコア62に永久磁石が内蔵されたロータ23を有するモータ2を備える。ロータコア62の軸方向の端部に設けられ、永久磁石68の軸方向の移動を制限するためのエンドプレート71、72と、ロータコア62の軸方向の端部に設けられたバランスウェイト73、74を備える。エンドプレート71、72は、ロータコア62の軸方向の端面の一部を覆い、バランスウェイト73、74は端面の残りの部分を覆って永久磁石68の軸方向の移動を制限する。【選択図】図1
Description
本発明は、所謂永久磁石内蔵型のモータと、それにより駆動されて作動流体を圧縮する圧縮機構をハウジング内に備えた電動圧縮機に関するものである。
従来よりこの種電動圧縮機は、モータ(電動機)と圧縮機構がハウジング(密閉ケーシング)内に設けられており、圧縮機構がモータにより駆動されて、作動流体(冷媒)を圧縮する。この場合、モータはステータ(固定子)と、このステータ内で回転する永久磁石がロータコアに内蔵されたロータ(回転子)にて構成されており、ロータの軸方向の両端部にはエンドプレート(回転子端板)が設けられ、永久磁石が軸方向に移動することを防止していた。また、ロータには回転時の振動を抑制するためのバランスウェイトも設けられ、エンドプレートのロータコアとは反対側の面に取り付けられていた(例えば、特許文献1参照)。
図3、図8、図9を参照して上記従来の電動圧縮機のロータ100の構造を説明する。図3において、62は複数枚の電磁鋼板が積層された構成のロータコアであり、このロータコア62の中心には図示しない回転軸が取り付けられる貫通孔63が形成されている。また、貫通孔63の周囲には、リベット孔64が4箇所、軸方向に渡って貫通形成されており、隣接するリベット孔64間には、肉抜き孔66が複数形成されている。この肉抜き孔66は、ロータコア62を軸方向で貫通、若しくは、貫通しない範囲で形成されるものであり、ロータコア62の軽量化を図ると共に、ロータコア62が回転した時のバランスを取る役割を果たす。
これらリベット孔64や肉抜き孔66よりも外側に対応する位置におけるロータコア62の周辺部には、スロット67が8箇所、軸方向に渡って貫通形成されており、各スロット67内に永久磁石68(複数の永久磁石。この例では8個)がそれぞれ挿入されてロータコア62に内蔵される。
図8において、101は従来のエンドプレートである。この従来のエンドプレート101は、円環状を呈しており、ロータコア62の軸方向における両端部に設けられ、図9に示される如くロータコア62の両端面の全体を覆って永久磁石68の軸方向の移動を制限する。尚、このエンドプレート101にも、ロータコア62の各リベット孔64と肉抜き孔66に対応する位置に、リベット孔103と肉抜き孔104が貫通形成されている。
更に102はバランスウェイトである。このバランスウェイト102は圧縮機構が駆動されたときの振動を抑制するために設けられるものであり、このバランスウェイト102にも図示しないリベット孔が2箇所形成されている。そして、従来ではバランスウェイト102が図8に示す如く両端面の各エンドプレート101のロータコア62とは反対側の面にそれぞれ積層され、各リベット孔64、104に挿通されたリベット105により、エンドプレート101と共にロータコア62に固定されていた(図8)。
上記のように従来の電動圧縮機では、エンドプレート101によりロータコア62の両端面の全体を覆い、バランスウェイト102は当該エンドプレート101に積層される構成であったため、エンドプレート102にかかる材料コストの高騰を招いていた。
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、モータのロータコアに内蔵された永久磁石の移動を阻止するためのエンドプレートの寸法を縮小して、材料コストの削減を図ることができる電動圧縮機を提供することを目的とする。
本発明の電動圧縮機は、ロータコアに永久磁石が内蔵されたロータを有するモータと、このモータにより駆動されて作動流体を圧縮する圧縮機構をハウジング内に備えたものであって、ロータコアの軸方向の端部に設けられ、永久磁石の軸方向の移動を制限するためのエンドプレートと、ロータコアの軸方向の端部に設けられたバランスウェイトを備え、エンドプレートは、ロータコアの軸方向の端面の一部を覆うと共に、バランスウェイトは、端面の残りの部分を覆い、永久磁石の軸方向の移動を制限することを特徴とする。
請求項2の発明の電動圧縮機は、上記発明において圧縮機構は、固定スクロールに対して可動スクロールが偏心公転運動するスクロール圧縮機構であることを特徴とする。
請求項3の発明の電動圧縮機は、請求項1の発明においてバランスウェイトは、リベット孔を有すると共に、エンドプレートとロータコアは、リベット孔と肉抜き孔をそれぞれ有し、永久磁石は、リベット孔と肉抜き孔よりも外側に対応する位置においてロータコアに内蔵され、エンドプレートとバランスウェイトは、リベット孔に挿通されたリベットにより、ロータコアに固定されていることを特徴とする。
請求項4の発明の電動圧縮機は、請求項1の発明においてエンドプレートとバランスウェイトは、ロータコアの軸方向の両端部に設けられると共に、エンドプレートとバランスウェイトの円周方向の寸法は、ロータコアの一方の端部と他方の端部とで異なることを特徴とする。
請求項5の発明の電動圧縮機は、上記各発明においてモータが、ハウジングに形成された作動流体の吸入ポートと圧縮機構の間に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、ロータコアに永久磁石が内蔵されたロータを有するモータと、このモータにより駆動されて作動流体を圧縮する圧縮機構をハウジング内に備えた電動圧縮機において、ロータコアの軸方向の端部に設けられ、永久磁石の軸方向の移動を制限するためのエンドプレートと、ロータコアの軸方向の端部に設けられたバランスウェイトを備え、エンドプレートが、ロータコアの軸方向の端面の一部を覆うと共に、バランスウェイトが、端面の残りの部分を覆い、永久磁石の軸方向の移動を制限するようにしたので、ロータコアに内蔵された永久磁石の移動を阻止するためのエンドプレートの寸法を縮小することが可能となり、材料コストの削減を図ることができるようになる。
即ち、例えば、請求項2の発明のように可動スクロールが偏心公転運動するスクロール圧縮機構を有する所謂スクロール式の電動圧縮機において、振動抑制に必須となるバランスウェイトにより直接永久磁石の軸方向の移動を制限することで、エンドプレートの寸法縮小を図るようにしたので、請求項2や請求項5の発明の如き電動圧縮機のコストダウンを図るために極めて有効なものとなる。
この場合、請求項3の発明の如くバランスウェイトがリベット孔を有すると共に、エンドプレートとロータコアがリベット孔と肉抜き孔をそれぞれ有する場合に、永久磁石が、リベット孔と肉抜き孔よりも外側に対応する位置においてロータコアに内蔵され、エンドプレートとバランスウェイトが、リベット孔に挿通されたリベットにより、ロータコアに固定されるようにすれば、永久磁石とリベットや肉抜き孔が干渉することもない。
また、請求項4の発明の如くエンドプレートとバランスウェイトを、ロータコアの軸方向の両端部に設け、エンドプレートとバランスウェイトの円周方向の寸法を、ロータコアの一方の端部と他方の端部とで異なるものとすることで、ロータのバランス調整の自由度を向上させることができるようになる。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。図1は本発明を適用した一実施形態の電動圧縮機1の縦断側面図である。
実施例の電動圧縮機1は、例えば電動車両用の空調装置の冷媒回路に使用され、空調装置の作動流体としての冷媒を吸入し、圧縮して吐出配管に吐出するものであり、本発明におけるモータの実施例としての三相のモータ2と、このモータ2を運転するためのインバータ3と、モータ2によって駆動される圧縮機構の実施例としてのスクロール圧縮機構4を備えた所謂横置き型のインバータ一体型スクロール式電動圧縮機である。
実施例の電動圧縮機1は、モータ2やセンターケーシング6をその内側に収容するステータハウジング7と、このステータハウジング7の一端側の端壁7Aに取り付けられ、インバータ3をその内側に収容するインバータケース8と、ステータハウジング7の他端側に取り付けられたリアケーシング9を備えている。
これらステータハウジング7、インバータケース8、リアケーシング9は何れも金属製(実施例ではアルミニウム製)であり、それらが一体的に接合されて実施例の電動圧縮機1のハウジング11が構成されている。
ステータハウジング7内にはモータ2を収容するモータ室12が構成されており、モータ室12の一端面はステータハウジング7の端壁7Aにより基本的には閉塞されている。そして、この端壁7Aがモータ室12と後述するインバータ収容部13とを区画する隔壁となる。モータ室12の他端面は開口しており、この開口にはモータ2が収容された後、センターケーシング6が収容される。また、端壁7Aの内面(モータ室12側)には、モータ2の回転軸14の一端部を回転可能に支持するためのフロントベアリング16が取り付けられている。
センターケーシング6は、モータ2とは反対側(他端側)が開口しており、この開口はスクロール圧縮機構4の後述する可動スクロール22が収容された後、スクロール圧縮機構4の後述する固定スクロール21が固定されたリアケーシング9がステータハウジング7に固定されることで閉塞される。
また、センターケーシング6にはモータ2の回転軸14の他端部を挿通する貫通孔17が開設されており、この貫通孔17のスクロール圧縮機構4側のセンターケーシング6内には、スクロール圧縮機構4側で回転軸14の他端部を回転可能に支持するリアベアリング18が取り付けられている。
モータ2は、コイルが巻装されてステータハウジング7の周壁内側に固定されたステータ25と、その内側で回転するロータ23から構成されている。尚、このロータ23については後に詳述する。そして、例えば車両のバッテリ(図示せず)からの直流電流がインバータ3により三相交流電流に変換され、モータ2のステータ25のコイルに給電されることで、ロータ23が回転駆動されるよう構成されている。そして、回転軸14はこのロータ23に固定されている。
また、ステータハウジング7には、吸入ポート20が形成されており、吸入ポート20から吸入された冷媒は、ステータハウジング7内のモータ2を通過した後、センターケーシング6内に流入し、スクロール圧縮機構4の外側の吸入部37に吸入される。即ち、モータ2は吸入ポート20とスクロール圧縮機構4の間に設けられているため、モータ2は吸入冷媒により冷却される。また、スクロール圧縮機構4にて圧縮された冷媒は、後述する吐出室27からリアケーシング9に形成された吐出ポート30より、ハウジング11外の図示しない冷媒回路の吐出配管に吐出される構成とされている。
スクロール圧縮機構4は、前述した固定スクロール21と可動スクロール22から構成されている。固定スクロール21は、円盤状の鏡板23と、この鏡板23の表面(一方の面)に立設されたインボリュート状、又は、これに近似した曲線から成る渦巻き状のラップ24を一体に備えており、このラップ24が立設された鏡板23の表面をセンターケーシング6側としてリアケーシング9に固定されている。固定スクロール21の鏡板23の中央には吐出孔26が形成されており、この吐出孔26はリアケーシング9内の吐出室27に連通されている。図中において28は、吐出孔26の鏡板23の背面(他方の面)側の開口に設けられた吐出バルブである。
可動スクロール22は、固定スクロール21に対して偏心公転運動(公転旋回運動)するスクロールであり、円盤状の鏡板31と、この鏡板31の表面(一方の面)に立設されたインボリュート状、又は、これに近似した曲線から成る渦巻き状のラップ32と、鏡板31の背面(他方の面)の中央に突出形成されたボス33を一体に備えている。この可動スクロール22は、ラップ32の突出方向を固定スクロール21側としてラップ32が固定スクロール21のラップ24に対向し、相互に向かい合って噛み合うように配置され、各ラップ24、32間に圧力室34を形成する。
即ち、可動スクロール22のラップ32は、固定スクロール21のラップ24と対向し、ラップ32の先端が鏡板23の表面に接し、ラップ24の先端が鏡板31の表面に接するように噛み合い、且つ、可動スクロール22のボス33には、回転軸14の他端において軸心から偏心して設けられた偏心部36が嵌め合わされている。そして、モータ2のロータ23と共に回転軸14が回転されると、可動スクロール22は自転すること無く、固定スクロール21に対して偏心公転運動(公転旋回運動)するように構成されている。
可動スクロール22は固定スクロール21に対して偏心して公転旋回するため、各ラップ24、32の偏心方向と接触位置は回転しながら移動し、外側の前述した吸入部37から冷媒を吸入した圧力室34は、内側に向かって移動しながら次第に縮小していく。これにより冷媒は圧縮されていき、最終的に中央の吐出孔26から吐出バルブ28を経て吐出室27に吐出される。
図1において、38は円環状のスラストプレートである。このスラストプレート38は、可動スクロール22の鏡板31の背面とセンターケーシング6との間に形成された背圧室39と、スクロール圧縮機構4の外側の吸入部37とを区画するためのものであり、ボス33の外側に位置してセンターケーシング6と可動スクロール22の間に介設されている。また、41は可動スクロール22の鏡板31の背面に取り付けられてスラストプレート38に当接するシール材であり、このシール材41とスラストプレート38により背圧室39と吸入部37とが区画される。
また、48はリアケーシング9(ハウジング11)の吐出室27内に取り付けられた遠心式のオイルセパレータである。このオイルセパレータ48はスクロール圧縮機構4から吐出室27に吐出された冷媒に混入した潤滑用のオイルを当該冷媒から分離するものである。このオイルセパレータ48には流入口49が形成され、この流入口49から流入したオイルを含む冷媒は、オイルセパレータ48内で旋回する。このときの遠心力でオイルは分離され、冷媒は上端の流出口から吐出ポート30に向かい、前述した如く吐出配管に吐出される。
オイルセパレータ48の下方のリアケーシング9には貯油室44が形成されており、オイルセパレータ48で冷媒から分離されたオイルは、オイルセパレータ48の下端からこの貯油室44に流入する。図中において43は、リアケーシング9からセンターケーシング6に渡って形成された背圧通路である。この背圧通路43はリアケーシング9内の吐出室27内(スクロール圧縮機構4の吐出側)のオイルセパレータ48と背圧室39とを連通する経路であり、実施例ではオリフィス50を有している。これにより、背圧室39には背圧通路43のオリフィス50で減圧調整された吐出圧が、オイルセパレータ48で分離された貯油室44内のオイルと共に供給されるように構成されている。
この背圧室39内の圧力(背圧)により、可動スクロール22を固定スクロール21に押し付ける背圧荷重が生じる。この背圧荷重により、スクロール圧縮機構4の圧力室34からの圧縮反力に抗して可動スクロール22が固定スクロール21に押し付けられ、ラップ24、32と鏡板31、23との接触が維持され、圧力室34で冷媒を圧縮可能となる。
一方、インバータケース8は、内部にインバータ3が収容されるインバータ収容部13を構成するケース本体10と、このケース本体10の一端面の開口を閉塞する蓋部材15から構成されている。この蓋部材15はインバータ3をインバータ収容部13に収容した後、ケース本体10に取り付けられる。実施例のインバータ3は、一枚の回路基板51に制御回路が実装され、図示しないスイッチング素子や平滑コンデンサ等が接続されて構成されている。
ここで、ステータハウジング7の端壁7A(隔壁)にはハーメチックプレート52が取り付けられており、このハーメチックプレート52には導電性のハーメチックピン53が取り付けられている。この場合、ハーメチックピン53は、モータ2の各相(三相)に対応して三本取り付けられており、各ハーメチックピン53の一端側は端壁7Aを貫通してモータ室12内に入り、モータ2のステータ25のコイルに接続されている。
また、各ハーメチックピン53の他端側に対応する位置の回路基板51には、パワーバスケットと称される金属製のプレスフィット端子56が三個取り付けられており、各ハーメチックピン53の他端側は各プレスフィット端子56内にそれぞれ進入し、当該プレスフィット端子56に圧接(プレスフィット)される。これにより、各ハーメチックピン53は回路基板51に電気的に接続される。
次に、図2~図7を参照しながら、モータ2の前述したロータ23の構成を詳細に説明する。実施例のロータ23もロータコア62と、エンドプレート71、72と、バランスウェイト73、74をリベット76により一体化した構成である。ここで、ロータコア62としては、前述した図3と同様のものである。即ち、ロータコア62は複数枚の電磁鋼板が積層された構成であり、このロータコア62の中心には回転軸14が取り付けられる貫通孔63が形成されている。
また、貫通孔63の周囲には、リベット孔64が4箇所、軸方向に渡って貫通形成されており、隣接するリベット孔64間には、肉抜き孔66が複数形成されている。この肉抜き孔66は、ロータコア62を軸方向で貫通、若しくは、貫通しない範囲で形成されるもので、ロータコア62の軽量化を図ると共に、ロータコア62が回転した時のバランスを取る役割を果たす。
これらリベット孔64や肉抜き孔66よりも外側に対応する位置におけるロータコア62の周辺部には、スロット67が8箇所、軸方向に渡って貫通形成されており、各スロット67内に永久磁石68(複数の永久磁石。実施例では8個)がそれぞれ挿入されてロータコア62に内蔵される。
図1、図2、図4~図7において、実施例のエンドプレート71、72は略半円弧状(円環状の略半分の形状)を呈しており、エンドプレート71はロータコア62の軸方向における一方の端部(フロントベアリング16側の端部)に設けられ、図4や図6に示されるように、ロータコア62の一方の端面の略半分(端面の一部)を覆って永久磁石68の軸方向の移動を制限する。このエンドプレート71にも、ロータコア62のリベット孔64と肉抜き孔66に対応する位置に、リベット孔77と肉抜き孔78が貫通形成されている。
また、エンドプレート72はロータコア62の軸方向における他方の端部(リアベアリング18側の端部)に設けられ、図5や図7に示されるように、ロータコア62の他方の端面の略半分(端面の一部)を覆って永久磁石68の軸方向の移動を制限する。尚、エンドプレート72は、エンドプレート71とは貫通孔63を挟んで反対側となる位置に対応して設けられる。このエンドプレート72にも、ロータコア62のリベット孔64と肉抜き孔66に対応する位置に、リベット孔79と肉抜き孔81が貫通形成されている。
更に、実施例のバランスウェイト73、74もスクロール圧縮機構4が駆動されたときの振動を抑制するために設けられるものであり、バランスウェイト73は略半円弧状(円環状の略半分の形状)を呈している。バランスウェイト73はロータコア62の軸方向における一方の端部(フロントベアリング16側の端部)に設けられ、本発明では図4や図6に示されるように、エンドプレート71にて覆われていないロータコア62の一方の端面の略半分(端面の残りの部分)を覆って永久磁石68の軸方向の移動を制限する。このバランスウェイト73にも、ロータコア62のリベット孔64に対応する位置に、リベット孔82が貫通形成されている。
バランスウェイト74も略半円弧状(円環状の略半分の形状)を呈している。バランスウェイト74はロータコア62の軸方向における他方の端部(リアベアリング18側の端部)に設けられ、本発明では図5や図7に示されるように、エンドプレート72にて覆われていないロータコア62の他方の端面の略半分(端面の残りの部分)を覆って永久磁石68の軸方向の移動を制限する。尚、バランスウェイト74も、バランスウェイト73とは貫通孔63を挟んで反対側となる位置に対応して設けられる。このバランスウェイト74にも、ロータコア62のリベット孔64に対応する位置に、リベット孔83が貫通形成されている。
そして、各リベット孔64、77、79、82、83に挿通されたリベット76により、エンドプレート71、72、バランスウェイト73、74はロータコア62に固定されている(図1、図2、図6、図7)。
このように、本発明ではエンドプレート71、72が、ロータコア62の軸方向の端面の一部(実施例では略半分)を覆うと共に、バランスウェイト73、74が、端面の残りの部分を覆い、永久磁石68の軸方向の移動を制限するようにしたので、ロータコア62に内蔵された永久磁石68の移動を阻止するためのエンドプレート71、72の寸法を従来に比して縮小(実施例では略半分に縮小)することが可能となり、エンドプレート71、72の材料コストの削減を図ることができるようになる。
即ち、実施例のように可動スクロール22が偏心公転運動するスクロール圧縮機構4を有する電動圧縮機1において、振動抑制に必須となるバランスウェイト73、74により直接永久磁石68の軸方向の移動を制限することで、エンドプレート71、72の寸法縮小を図るようにしたので、電動圧縮機1のコストダウンを図るために極めて有効なものとなる。
この場合、実施例ではバランスウェイト73、74がリベット孔82、83を有すると共に、エンドプレート71、72とロータコア62がリベット孔77、79、64と肉抜き孔78、81、66をそれぞれ有しており、永久磁石68が、それらリベット孔と肉抜き孔よりも外側に対応する位置においてロータコア62に内蔵され、エンドプレート71、72とバランスウェイト73、74が、リベット孔82、83、77、79、64に挿通されたリベット76により、ロータコア62に固定されるようにしているので、永久磁石68とリベット82、83、77、79、64や肉抜き孔78、81、66が干渉することもない。
尚、ロータコア62の一方の端部に設けられるエンドプレート71、バランスウェイト73と、他方の端部に設けられるエンドプレート72、バランスウェイト74の円周方向の寸法は同一の場合もあるが、異なっているものとしてもよい。前述した実施例においても、図4と図5を比較すれば分かるように、バランスウェイト74の円周方向の寸法をバランスウェイト73よりも若干大きくしている。それにより、ロータ23のバランス調整の自由度を向上させることができるようになる。
また、実施例で示したエンドプレート71、72、バランスウェイト73、74の具体的形状は、それに限定されるものでは無く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能であることは云うまでもない。
1 電動圧縮機
2 モータ
4 スクロール圧縮機構(圧縮機構)
7 ステータハウジング
11 ハウジング
12 モータ室
20 吸入ポート
23 ロータ
62 ロータコア
68 永久磁石
64、77、79、82、83 リベット孔
66、78、81 肉抜き孔
71、72 エンドプレート
73、74 バランスウェイト
76 リベット
2 モータ
4 スクロール圧縮機構(圧縮機構)
7 ステータハウジング
11 ハウジング
12 モータ室
20 吸入ポート
23 ロータ
62 ロータコア
68 永久磁石
64、77、79、82、83 リベット孔
66、78、81 肉抜き孔
71、72 エンドプレート
73、74 バランスウェイト
76 リベット
Claims (5)
- ロータコアに永久磁石が内蔵されたロータを有するモータと、該モータにより駆動されて作動流体を圧縮する圧縮機構をハウジング内に備えた電動圧縮機において、
前記ロータコアの軸方向の端部に設けられ、前記永久磁石の軸方向の移動を制限するためのエンドプレートと、
前記ロータコアの軸方向の端部に設けられたバランスウェイトを備え、
前記エンドプレートは、前記ロータコアの軸方向の端面の一部を覆うと共に、
前記バランスウェイトは、前記端面の残りの部分を覆い、前記永久磁石の軸方向の移動を制限することを特徴とする電動圧縮機。 - 前記圧縮機構は、固定スクロールに対して可動スクロールが偏心公転運動するスクロール圧縮機構であることを特徴とする請求項1に記載の電動圧縮機。
- 前記バランスウェイトは、リベット孔を有すると共に、
前記エンドプレートと前記ロータコアは、リベット孔と肉抜き孔をそれぞれ有し、
前記永久磁石は、前記リベット孔と前記肉抜き孔よりも外側に対応する位置において前記ロータコアに内蔵され、
前記エンドプレートと前記バランスウェイトは、前記リベット孔に挿通されたリベットにより、前記ロータコアに固定されていることを特徴とする請求項1に記載の電動圧縮機。 - 前記エンドプレートと前記バランスウェイトは、前記ロータコアの軸方向の両端部に設けられると共に、
前記エンドプレートと前記バランスウェイトの円周方向の寸法は、前記ロータコアの一方の端部と他方の端部とで異なることを特徴とする請求項1に記載の電動圧縮機。 - 前記モータが、前記ハウジングに形成された前記作動流体の吸入ポートと前記圧縮機構の間に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちの何れかに記載の電動圧縮機。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022133134A JP2024030325A (ja) | 2022-08-24 | 2022-08-24 | 電動圧縮機 |
PCT/JP2023/027531 WO2024042986A1 (ja) | 2022-08-24 | 2023-07-27 | 電動圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022133134A JP2024030325A (ja) | 2022-08-24 | 2022-08-24 | 電動圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2024030325A true JP2024030325A (ja) | 2024-03-07 |
Family
ID=90013281
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022133134A Pending JP2024030325A (ja) | 2022-08-24 | 2022-08-24 | 電動圧縮機 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2024030325A (ja) |
WO (1) | WO2024042986A1 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010041875A (ja) * | 2008-08-07 | 2010-02-18 | Daikin Ind Ltd | ロータ、モータおよび圧縮機 |
JP2013211989A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-10 | Toyota Industries Corp | 永久磁石埋め込み型モータ、及び、それを備えた電動コンプレッサ |
JP2016092966A (ja) * | 2014-11-05 | 2016-05-23 | 日本電産テクノモータ株式会社 | ロータおよびモータ |
KR102051097B1 (ko) * | 2018-06-07 | 2019-12-02 | 엘지전자 주식회사 | 압축기 |
-
2022
- 2022-08-24 JP JP2022133134A patent/JP2024030325A/ja active Pending
-
2023
- 2023-07-27 WO PCT/JP2023/027531 patent/WO2024042986A1/ja unknown
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2024042986A1 (ja) | 2024-02-29 |
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