JP2024029803A - 熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂、および、それを用いた樹脂成形体、およびその製造方法 - Google Patents

熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂、および、それを用いた樹脂成形体、およびその製造方法 Download PDF

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Shuhei Okamura
悠介 佐藤
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Abstract

【課題】新規の熱可塑性コポリアミド樹脂、およびそれを用いた機械物性と耐熱性の高い樹脂成形体を提供すること。【解決手段】芳香族ジカルボン酸誘導体と、少なくとも2種類の異なる芳香族ジアミンと、から誘導される単位を含むことを特徴とする熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂、および、それを用いた樹脂成形体により得られる。【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂、およびそれを用いた樹脂成形体に関するものである。さらに詳しくは、新規の熱可塑性コポリアミド樹脂、およびそれを用いた機械物性と耐熱性の高い樹脂成形体、およびその製造方法に関するものである。
ポリアミド樹脂は、耐熱性、耐薬品性、機械的特性等に優れた材料であり、電子・電気部品、自動車等の用途で幅広く利用されている。例えば、電子機器に用いられる高周波用配線基板や多層配線基板という用途ではより高性能な、特に機械物性や耐熱性の高い樹脂成形体を得るための熱可塑性樹脂が求められているが、一般的な脂肪族ポリアミドや半芳香族ポリアミドでは機械物性や耐熱性が不十分であった。
機械物性や耐熱性が高いポリアミドとして、例えば、特許文献1のようなパラ型全芳香族ポリアミドが挙げられる。パラ型全芳香族ポリアミドは、寸法安定性、耐熱性、耐薬品性、耐衝撃性等に優れる一方で、融点と分解温度が近く、熱可塑性樹脂としての取扱い性が悪いという課題がある。機械物性や耐熱性が高いポリアミドとして、例えば、特許文献2のようなメタ型全芳香族ポリアミドが挙げられる。特許文献2では、メタフェニレンジアミンと、イソフタル酸クロライド、テレフタル酸クロライドを用いた、ポリマー繰り返し単位の40モル%以上がメタフェニレンイソフタルアミド単位である芳香族ポリアミド樹脂およびそれを用いた成形品が開示されているが、機械物性が低く、従来技術では、高性能な熱可塑性コポリアミド樹脂を得ることができていなかった。
特開昭62-32123号公報 特開昭62-121731号公報
本発明は、前述した背景の通り、新規の熱可塑性コポリアミド樹脂、およびそれを用いた機械物性と耐熱性の高い樹脂成形体を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討をおこなった結果、複数の特定のモノマーを重合することにより熱可塑性コポリアミド樹脂が得られることを見出し、その樹脂を用いることで高い機械物性と耐熱性を有する樹脂成形体が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明によれば、
1.芳香族ジカルボン酸誘導体と、少なくとも2種類の異なる芳香族ジアミンとから誘導される単位を含むことを特徴とする熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂、
2.前記芳香族ジカルボン酸誘導体が、イソフタル酸ジクロライド成分を含み、前記芳香族ジアミンから誘導される単位が、第1の芳香族ジアミン成分としてのメタフェニレンジアミン成分と、第2の芳香族ジアミン成分とを含む前記1に記載の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂、
3.前記第2の芳香族ジアミン成分が、パラフェニレンジアミン、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、および4,4’-ジアミノジフェニルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1つの成分であり、メタフェニレンジアミン成分と、前記第2の芳香族ジアミン成分のモル比の比率が、65:35~95:5である前記2に記載の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂、そして、
4.1)前記1または2に記載の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂、2)前記熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂と異なる熱可塑性樹脂または他の固形分の少なくとも一方、を含有する熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂組成物、そして、
5.前記1または2に記載の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂を含有する熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂成形体、
6.JIS K 7171に規定される曲げ強度が50MPa以上で、JIS K 7171に規定される曲げ弾性率が3500~15000MPaである請求項5記載の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂成形体、
7.前記熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂と異なる熱可塑性樹脂または他の固形分の少なくとも一方、をさらに含有する前記5に記載の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂成形体、そして、
8.芳香族ジカルボン酸と、少なくとも2種類の異なる芳香族ジアミンとを重合することで得られる熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂の製造方法。
9.前記1または2に記載の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂を圧縮成形して得られる熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂成形体の製造方法、
が提供される。
本発明によって、新規の熱可塑性コポリアミド樹脂、およびそれを用いた機械物性と耐熱性の高い樹脂成形体を得ることができる。
本発明の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂は、芳香族ジカルボン酸誘導体と、少なくとも2種類の異なる芳香族ジアミンから誘導される単位から構成され、熱可塑性を示す芳香族コポリアミド樹脂である。より好ましくは、芳香族ジカルボン酸誘導体が、イソフタル酸ジクロライド成分を含み、芳香族ジアミンが、メタフェニレンジアミン成分と、メタフェニレンジアミン成分とは異なる第2の芳香族ジアミン成分とを含むことが好ましい。
芳香族ジカルボン酸誘導体は、例えば、フタル酸ジクロライド、イソフタル酸ジクロライド、テレフタル酸ジクロライド、1,4-ナフタレンジカルボン酸ジクロライド、1,5-(9-オキソフルオレン)ジカルボン酸ジクロライド、1,4-アントラセンジカルボン酸ジクロライド、1,4-アントラキノンジカルボン酸ジクロライド、2,5-ビフェニルジカルボン酸ジクロライド、1,5-ビフェニレンジカルボン酸ジクロライド、4,4’-ビフェニルジカルボニルクロライド、4,4’-メチレン二安息香酸ジクロライド、4,4’-イソプロピリデン二安息香酸ジクロライド、4,4’-ビベンジルジカルボン酸ジクロライド、4,4’-スチルベンジカルボン酸ジクロライド、4,4’-トランジカルボン酸ジクロライド、4,4’-カルボニル二安息香酸ジクロライド、4,4’-オキシ二安息香酸ジクロライド、4,4’-スルホニル二安息香酸ジクロライド、4,4’-ジチオ二安息香酸ジクロライド、p-フェニレン二酢酸ジクロライド、3,3’-p-フェニレンジプロピオン酸ジクロライド等の芳香族ジカルボン酸ジクロライド等の成分を挙げることができる。機械物性と耐熱性の高い溶融成形体を得るためには、イソフタル酸ジクロライド成分を用いることが好ましい。
なお、イソフタル酸ジクロライド成分に加えて、イソフタル酸ジクロライドとは異なる芳香族ジカルボン酸誘導体を併用しても構わないが、その場合、イソフタル酸ジクロライド成分のモル比と、その他の芳香族ジカルボン酸誘導体成分のモル比の比率が、65:35~95:5であることが好ましい。更に好ましくは、70:30~90:10であることが好ましい。
本発明の芳香族ジアミン成分は、例えば、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、1,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3’-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、o-フェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルスルフォン、3,4-ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’-ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’-メチレン-ビス(2-クロロアニリン)、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、2,6’-ジアミノトルエン、2,4-ジアミノクロロベンゼン、1,2-ジアミノアントラキノン、1,4-ジアミノアントラキノン、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、3,4-ジアミノベンゾフェノン、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、4,4’-ジアミノビベンジル、R(+)-2,2’-ジアミノ-1,1’-ビナフタレン、S(+)-2,2’-ジアミノ-1,1’-ビナフタレン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)アルカン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)アルカン、1,5-ビス(4-アミノフェノキシ)アルカン等の1,n-ビス(4-アミノフェノキシ)アルカン(nは、3~10)、1,2-ビス[2-(4-アミノフェノキシ)エトキシ]エタン等の成分、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン、4,4’-ジアミノベンズアニリドなどの成分が挙げられ、これらの群から選ばれる少なくとも2つを含む。好ましくは、第1の芳香族ジアミン成分がメタフェニレンジアミンであり、メタフェニレンジアミン以外の第2の芳香族ジアミン成分を含むことが好ましい。より好ましくは、第1の芳香族ジアミン成分がメタフェニレンジアミンであり、第2の芳香族ジアミン成分がパラフェニレンジアミン、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルエーテルの群から選ばれる少なくとも1つであり、メタフェニレンジアミン成分のモル比と、第2のジアミン成分のモル比の比率が、65:35~95:5であることが、機械物性と耐熱性の高い熱可塑性の溶融成形体を得るために好ましい。より好ましくは、70:30~90:10であることが好ましい。
上述の組み合わせ以外の場合でも、芳香族ジカルボン酸誘導体および芳香族ジアミン成分の種類に応じてモル比を調節することで、熱可塑性を有し、かつ機械物性と耐熱性の高い熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂を得ることができる。
なお、上記した芳香族ジアミン成分のほかに、他のアミン系化合物(モノアミン化合物、多価アミン化合物等)成分も併用することもできる。
[熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂(樹脂粒子)の製造方法]
本発明の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂の製造方法は、芳香族ジカルボン酸と、少なくとも2種類の異なる芳香族ジアミンとを重合する製造方法である。
さらには本発明の全芳香族ポリアミドの製造方法(重合方法)としては、芳香族ジカルボン酸誘導体と、少なくとも2種類の異なる芳香族ジアミンとを含む生成ポリアミドの良溶媒ではない有機溶媒系(例えばテトラヒドロフラン)と無機の酸受容剤ならびに可溶性中性塩を含む水溶液系とを接触させることによって、ポリメタフェニレンイソフタルアミド重合体の粉末を単離する方法(界面重合、特公昭47-10863号公報)、またはアミド系溶媒で上記ジアミンと酸クロライドを溶液重合し次いで水酸化カルシウム、酸化カルシウム等で中和する方法(溶液重合、特開平8-074121号公報、特開平10-88421号公報)などに記載の方法が挙げられるが、これに限定されるものではない。上記した界面重合の場合、得られた樹脂は粒子状であり、そのまま、あるいは更に水洗、乾燥し、必要に応じて更に篩分けして、本発明の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂として使用することもできる。
[熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂]
本発明の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂は、示差走査熱量測定(DSC)によるJIS K 7121に準拠した測定方法で求められるガラス転移温度が250℃~350℃の樹脂である。300℃以上に昇温することで溶融し軟化するが、回転式レオメーターを用いて角周波数10ラジアン毎秒で測定した際の複素粘度が、300~450℃の状態でも10~10Pa・sと高粘度であるため、射出成型のような成型方法には適さない。300℃~450℃の温度で圧縮成形することで、樹脂成形体を得ることができる。
[樹脂成形体]
本発明の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂を用いることで得られる樹脂成形体は、JIS K 7171に規定される曲げ強度が50MPa以上で、JIS K 7171に規定される曲げ弾性率が3500~15000MPaであることが好ましく、曲げ強度が100MPaで、曲げ弾性率が4500~10000MPaであることがさらに好ましい。曲げ弾性率が3500MPa以下であると、外部応力に対しての寸法安定性という点で好ましくなく、15000MPa以上であると、許容応力に対しての変形量が小さくなり、脆く、靭性が低くなるという点で好ましくない。
また、本発明の樹脂成形体は、光透過性が有り、透明性を有することがある。2種類の異なる芳香族ジアミン成分を含有することで、結晶化が阻害され、非晶性あるいは結晶子サイズの小さい樹脂成形体になっているためと考えられる。非晶性が高まることで、ガラス転移温度以上で溶融し、強固な溶融成形体を得ることが可能となる。この効果は、2種類の異なる芳香族ジカルボン酸成分を含有するよりも、2種類の異なる芳香族ジアミン成分を含有することでより効率的に得られる。
樹脂成形体の光学特性は、ヘーズで評価することができる。ヘーズは濁度の指標となる。厚み1mmでヘーズが90%未満の成型体では樹脂成形体が透明性を有し、樹脂成形体中の異物等を目視で観察することができるようになる。言い換えれば、1mmの樹脂成形体としたときにヘーズが90%未満となる熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂は、他の固形分とブレンドして樹脂成形体を作製した際に、樹脂成形体中で他の固形分の分散性を目視確認できる点で好ましい。
[樹脂成形体の製造方法]
本発明の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂を用いることで得られる樹脂成形体を得るためには、300℃~450℃の温度で圧縮成形することが好ましい。より好ましくは320℃~400℃である。300℃未満では、溶融粘度がまだ高く効率的に樹脂成形体を得ることができない。一方、450℃以上では、樹脂の分解が始まるため、得られる樹脂成形体の機械物性が小さくなる。
本発明では、熱可塑性の評価として、芳香族ポリアミド樹脂粒子を金型に投入し、370℃、3.0MPaの圧力下で30分間加圧することで、樹脂の溶融変形により成形体が得られるかどうかで判断する。
本発明の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂を用いて樹脂成形体を得る際には、他の固形分とブレンド(樹脂組成物)して樹脂成形体を得ることも好ましい。例えば、本発明の成型温度で溶融しない、炭素繊維、バサルト繊維、ガラス繊維のような無機繊維や、ポリベンゾオキサゾール繊維や全芳香族ポリアミド繊維のような高耐熱性の合成繊維と組み合わせることで、高耐熱繊維強化熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂を得ることができる。或いは、高耐熱性の無機や有機フィラーで強化された熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂を得ることができる。
或いは、本発明の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂と、異なる熱可塑性樹脂の少なくとも2種類の樹脂をブレンド(樹脂組成物)することも好ましい。異なる熱可塑性樹脂として、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を始めとするフッ素樹脂や、ポリアミドイミドやポリエーテルイミドを始めとする熱可塑性ポリイミド樹脂、液晶ポリエステル樹脂や、ポリエーテルエーテルケトンを始めとする芳香族ポリエーテルケトン樹脂のような高耐熱性の熱可塑性樹脂とブレンドすることで、特異な特徴を有する高耐熱の改質樹脂を得ることができる。
また、得られる樹脂成形体は、繰り返し溶融することが可能であるため、一度得られた成形体を他の材料と重ねて圧縮成形することで、接着剤を用いずに溶着することができる。
以下、実施例および比較例により、本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲は、以下の実施例および比較例に制限されるものではない。なお、実施例および比較例における各物性値は、下記の方法で測定した。
[樹脂成形体の曲げ強度]
JIS K 7171に準拠して、厚さ4mmの樹脂成形体の曲げ強度を測定した。支点間距離は64mmで行った。
[樹脂成形体の曲げ弾性率]
JIS K 7171のA法に準拠して、厚さ4mmの樹脂成形体の曲げ弾性率を測定した。支点間距離は64mmで行った。
[樹脂成形体のヘーズ]
1mm厚みの樹脂成形体について、日本電色工業株式会社製のヘーズメーターNDH2000にて、ハロゲンランプを用いたシングルビーム方式で、JIS K 7136に準拠した積分球式光電光度法によりヘーズを測定した。
[成形体の評価(熱可塑性)]
熱可塑性の評価として、得られた芳香族ポリアミド樹脂粒子を金型に投入し、370℃、3.0MPaの圧力下で30分間加圧することで、樹脂の溶融変形により成形体が得られるかどうかで判断する。
[実施例1]
特公昭47-10863号公報に準じた界面重合により、メタフェニレンジアミンが全体の37.5モル%、パラフェニレンジアミンが全体の12.5モル%、イソフタル酸ジクロライドが50.0モル%である共重合アラミド重合体粉末を合成した。得られた粉末について、ろ過、水洗後、改めて、ろ過、乾燥することで、熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂粒子を得た。
また、得られた熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂粒子を金型に投入し、370℃、3.0MPaの圧力下で30分間加圧することで、樹脂成形体を得た。得られた樹脂成形体の物性を表1に記載する。
[実施例2]
特公昭47-10863号公報に準じた界面重合により、メタフェニレンジアミンが全体の33.3モル%、パラフェニレンジアミンが全体の16.7モル%、イソフタル酸ジクロライドが50.0モル%である共重合アラミド重合体粉末を合成した。得られた粉末について、ろ過、水洗後、改めて、ろ過、乾燥することで、熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂粒子を得た。
また、得られた熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂粒子を金型に投入し、370℃、3.0MPaの圧力下で30分間加圧することで、樹脂成形体を得た。得られた樹脂成形体の物性を表1に記載する。
[実施例3]
特公昭47-10863号公報に準じた界面重合により、メタフェニレンジアミンが全体の33.3モル%、パラフェニレンジアミンが全体の16.7モル%、イソフタル酸ジクロライドが全体の33.3モル%、テレフタル酸ジクロライドが全体の16.7モル%である共重合アラミド重合体粉末を合成した。得られた粉末について、ろ過、水洗後、改めて、ろ過、乾燥することで、熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂粒子を得た。
また、得られた熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂粒子を金型に投入し、370℃、3.0MPaの圧力下で30分間加圧することで、樹脂成形体を得た。得られた樹脂成形体の物性を表1に記載する。
[比較例1]
特公昭47-10863号公報に準じた界面重合により、メタフェニレンジアミンが全体の50.0モル%、イソフタル酸ジクロライドが全体の37.5モル%、テレフタル酸ジクロライドが全体の12.5モル%である共重合アラミド重合体粉末を合成した。得られた粉末について、ろ過、水洗後、改めて、ろ過、乾燥することで、芳香族コポリアミド樹脂粒子を得た。
また、得られた熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂粒子を金型に投入し、370℃、3.0MPaの圧力下で30分間加圧することで、樹脂成形体を得た。得られた樹脂成形体の物性を表1に記載する。透明性が無く、機械物性も低かった。表面が軟化し、圧着されただけの成型体と考える。
[比較例2]
特公昭47-10863号公報に準じた界面重合により、メタフェニレンジアミンが全体の50.0モル%、イソフタル酸ジクロライドが全体の50.0モル%であるメタアラミド重合体粉末を合成した。得られた粉末について、ろ過、水洗後、改めて、ろ過、乾燥することで、芳香族ポリアミド樹脂粒子を得た。
また、得られた芳香族ポリアミド樹脂粒子を金型に投入し、370℃、3.0MPaの圧力下で30分間加圧することで、樹脂成形体を得た。得られた樹脂成形体の物性を表1に記載する。透明性が無く、機械物性も低かった。表面が軟化し、圧着されただけの成型体と考える。
[比較例3]
特公昭47-10863号公報に準じた界面重合により、パラフェニレンジアミンが全体の50.0モル%、テレフタル酸ジクロライドが全体の50.0モル%であるパラアラミド重合体粉末を合成した。得られた粉末について、ろ過、水洗後、改めて、ろ過、乾燥することで、芳香族ポリアミド樹脂粒子を得た。
また、得られた芳香族ポリアミド樹脂粒子を金型に投入し、370℃、3.0MPaの圧力下で30分間加圧したが、樹脂粒子が溶融せず樹脂成形体は得られなかった。結果を表1に記載する。
[実施例4]
実施例1で得られた熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂粒子と、ポリテトラフルオロエチレン粒子(スリーエムジャパン株式会社製、TF9207Z)を重量比率で50:50となるようにドライブレンドした。
得られたブレンド粒子を金型に投入し、370℃、3.0MPaの圧力下で30分間加圧することで、樹脂成形体を得た。得られた樹脂成形体の物性を表2に記載する。
得られた樹脂成形体は、ポリテトラフルオロエチレン由来の低誘電率、撥水性を有しながら、熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂由来の高強度、低熱収縮率を有していた。
[比較例4]
比較例2で得られた芳香族ポリアミド樹脂粒子と、ポリテトラフルオロエチレン粒子(スリーエムジャパン株式会社製、TF9207Z)を重量比率で50:50となるようにドライブレンドした。
得られたブレンド粒子を金型に投入し、370℃、3.0MPaの圧力下で30分間加圧することで、樹脂成形体を得た。得られた樹脂成形体の物性を表2に記載する。
耐熱性、耐薬品性、機械的特性等に優れた材料であり、電子・電気部品、自動車等の用途で幅広く利用することができる。

Claims (9)

  1. 芳香族ジカルボン酸誘導体と、少なくとも2種類の異なる芳香族ジアミンとから誘導される単位を含むことを特徴とする熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂。
  2. 前記芳香族ジカルボン酸誘導体が、イソフタル酸ジクロライド成分を含み、前記芳香族ジアミンから誘導される単位が、第1の芳香族ジアミン成分としてのメタフェニレンジアミン成分と、第2の芳香族ジアミン成分とを含む請求項1に記載の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂。
  3. 前記第2の芳香族ジアミン成分が、パラフェニレンジアミン、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、および4,4’-ジアミノジフェニルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1つの成分であり、メタフェニレンジアミン成分と、前記第2の芳香族ジアミン成分のモル比の比率が、65:35~95:5である請求項2に記載の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂。
  4. 1)請求項1または2に記載の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂、2)前記熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂と異なる熱可塑性樹脂または他の固形分の少なくとも一方、を含有する熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂組成物。
  5. 請求項1または2に記載の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂を含有する熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂成形体。
  6. JIS K 7171に規定される曲げ強度が50MPa以上で、JIS K 7171に規定される曲げ弾性率が3500~15000MPaである請求項5記載の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂成形体。
  7. 前記熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂と異なる熱可塑性樹脂または他の固形分の少なくとも一方、をさらに含有する請求項5に記載の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂成形体。
  8. 芳香族ジカルボン酸と、少なくとも2種類の異なる芳香族ジアミンとを重合することで得られる熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂の製造方法。
  9. 請求項1または2に記載の熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂を圧縮成形して得られる熱可塑性芳香族コポリアミド樹脂成形体の製造方法。
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