JP2024027897A - 超音波診断装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本実施形態は、超音波診断装置に関する。
超音波診断装置には、超音波診断用プローブの出力に関して、安全性基準が定められている。例えば、生体表面における発熱に関する安全性基準として、超音波診断装置の個別規格であるIEC60601-2-37が世界的に採用されている。IEC60601-2-37では、生体の軟組織を模擬したファントムにプローブ送信面を接地させ、送信開始してから30分の連続使用で43℃を超えないことが要求される。
ところで、例えば、2Dアレイ等の消費電力の高い基板を有するプローブは発熱が大きく、プローブ表面での発熱の影響が無視できない。そのため、係るプローブでは、性能的に音響出力に余力があったとしても、上述した安全性基準の制約により、送信電圧を上げることができない可能性がある。
この場合、連続送信時間を確保するために送信電圧が低出力となり、医師や臨床検査技師等のユーザが所望する画像が得られないことがある。また、高出力の送信を可能とする場合には、安全性基準を満たすために規定温度に達する超音波の送信動作を停止させる等の制御が必要となるが、検査中等の意図しないタイミングで動作が停止してしまう可能性がある。
本発明が解決しようとする課題は、要求される持続時間に応じて超音波走査に関するパラメータを柔軟に変更することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決される課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
実施形態の超音波診断装置は、受付部と、変更部とを備える。受付部は、超音波プローブを用いた超音波走査により被検体の検査を継続して実施する時間の長さを示す検査持続時間、及び超音波走査に係るパラメータの何れか一方の設定情報の入力をユーザから受付ける。変更部は、入力された設定情報と、超音波プローブの内部温度を検出する温度センサで検出された内部温度とに基づいて、入力された設定情報とは異なる他方の設定情報を変更する。
以下、図面を参照しながら、実施形態に係る超音波診断装置について説明する。なお、一つの実施形態又は変形例に記載した内容は、他の実施形態又は他の変形例にも同様に適用されてもよい。
まず、実施形態に係る超音波診断装置1の構成例について説明する。図1は、実施形態に係る超音波診断装置の構成の一例を示すブロック図である。図1に例示するように、超音波診断装置1は、装置本体100と、超音波プローブ101と、入力装置102と、ディスプレイ103とを有する。
超音波プローブ101は、例えば、圧電振動子等の複数の素子を有する。これら複数の素子は、後述する装置本体100が有する送信回路120から供給される駆動信号に基づき超音波を発生する。また、超音波プローブ101は、被検体Pからの反射波を受信して電気信号に変換する。また、超音波プローブ101は、例えば、圧電振動子に設けられる整合層と、圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材等を有する。なお、超音波プローブ101は、装置本体100と着脱自在に接続される。
超音波プローブ101から被検体Pに超音波が送信されると、送信された超音波は、被検体Pの体内組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、反射波として超音波プローブ101が有する複数の素子にて受信される。受信される反射波の振幅は、超音波が反射される不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。なお、送信された超音波パルスが、移動している血流や心臓壁等の表面で反射された場合の反射波は、ドプラ効果により、移動体の超音波送信方向に対する速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。
超音波プローブ101は、装置本体100と着脱可能に設けられる。また、超音波プローブ101は、温度センサ110を備える。被検体P内の2次元領域の走査(2次元走査)を行なう場合、操作者は、例えば、複数の圧電振動子が一列で配置された1Dアレイプローブを超音波プローブ101として装置本体100に接続する。1Dアレイプローブは、リニア型超音波プローブ、コンベックス型超音波プローブ、セクタ型超音波プローブ等である。
また、被検体P内の3次元領域の走査(3次元走査)を行なう場合、操作者は、例えば、メカニカル4Dプローブや2Dアレイプローブを超音波プローブ101として装置本体100と接続する。メカニカル4Dプローブは、1Dアレイプローブのように一列で配列された複数の圧電振動子を用いて2次元走査が可能であるとともに、複数の圧電振動子を所定の角度(揺動角度)で揺動させることで3次元走査が可能である。
また、2Dアレイプローブは、マトリックス状に配置された複数の圧電振動子により3次元走査が可能であるとともに、超音波を集束して送信することで2次元走査が可能である。
また、超音波プローブ101は、内部に温度センサ110を備える。例えば、温度センサ110は、振動素子の近傍に設けられる。温度センサ110は、超音波プローブ101の内部温度を検出する。温度センサ110により検出された超音波プローブ101の内部温度の情報は、ケーブルを介して装置本体100の処理回路190に送信される。
入力装置102は、例えば、マウス、キーボード、ボタン、パネルスイッチ、タッチコマンドスクリーン、フットスイッチ、トラックボール、ジョイスティック等の入力手段により実現される。入力装置102は、超音波診断装置1の操作者からの各種設定要求を受け付け、受け付けた各種設定要求を装置本体100に転送する。
例えば、入力装置102は、超音波診断装置1の操作者からCAD(Computer Aided Detection)処理を実行するための指示(実行指示)を受け付け、受け付けた実行指示を装置本体100の処理回路190に送信する。また、操作者は、入力装置102を介して、超音波画像中の特徴的な部位(特徴部位)を自動的に検出するCAD処理において、特徴部位の検索範囲であるROI(Region Of Interest)を超音波画像に設定することもできる。
ディスプレイ103は、例えば、超音波診断装置1の操作者が入力装置102を用いて各種設定要求を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示したり、装置本体100において生成された超音波画像データにより示される超音波画像等を表示したりする。ディスプレイ103は、液晶モニタやCRT(Cathode Ray Tube)モニタ等によって実現される。ディスプレイ103は、表示部の一例である。
装置本体100は、超音波プローブ101から送信される反射波信号に基づいて超音波画像データを生成する。装置本体100は、超音波プローブ101が送信した被検体Pの2次元領域に対応する反射波信号に基づいて2次元の超音波画像データを生成可能である。また、装置本体100は、超音波プローブ101が送信した被検体Pの3次元領域に対応する反射波信号に基づいて3次元の超音波画像データを生成可能である。
図1に示すように、装置本体100は、送信回路120と、受信回路130と、Bモード処理回路140と、ドプラ処理回路150と、画像生成回路160と、画像メモリ170と、記憶回路180と、処理回路190とを有する。温度センサ110、送信回路120、受信回路130、Bモード処理回路140、ドプラ処理回路150、画像生成回路160、画像メモリ170、記憶回路180及び処理回路190は、互いに通信可能に接続されている。
送信回路120は、処理回路190による制御を受けて、超音波プローブ101から超音波を送信させる。送信回路120は、レートパルサ発生回路と、送信遅延回路と、送信パルサとを有し、超音波プローブ101に駆動信号を供給する。
送信回路120は、被検体P内の2次元領域を走査する場合、超音波プローブ101から2次元領域を走査するための超音波ビームを送信させる。また、送信回路120は、被検体P内の3次元領域を走査する場合、超音波プローブ101から3次元領域を走査するための超音波ビームを送信させる。
レートパルサ発生回路は、所定のレート周波数(PRF:Pulse Repetition Frequency)で、送信超音波(送信ビーム)を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。レートパルスが送信遅延回路を経由することで、異なる送信遅延時間を有した状態で送信パルサに電圧が印加される。
例えば、送信遅延回路は、超音波プローブ101から発生される超音波をビーム状に集束して送信指向性を決定するために必要な圧電振動子ごとの送信遅延時間を、レートパルサ発生回路により発生される各レートパルスに対して与える。送信パルサは、かかるレートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ101に駆動信号(駆動パルス)を印加する。なお、送信遅延回路は、各レートパルスに与える送信遅延時間を変化させることで、圧電振動子面からの超音波の送信方向を任意に調整する。
駆動パルスは、送信パルサからケーブルを介して超音波プローブ101内の圧電振動子まで伝達した後に、圧電振動子において電気信号から機械的振動に変換される。この機械的振動によって発生した超音波は、生体内部に送信される。ここで、圧電振動子ごとに異なる送信遅延時間を持った超音波は、集束されて、所定方向に伝搬していく。
なお、送信回路120は、処理回路190による制御を受けて、所定のスキャンシーケンスを実行するために、送信周波数、送信駆動電圧等を瞬時に変更可能な機能を有する。特に、送信駆動電圧の変更は、瞬間にその値を切り替え可能なリニアアンプ型の発信回路、または、複数の電源ユニットを電気的に切り替える機構によって実現される。
超音波プローブ101により送信された超音波の反射波は、超音波プローブ101内部の圧電振動子まで到達した後、圧電振動子において、機械的振動から電気的信号(反射波信号)に変換され、受信回路130に入力される。受信回路130は、処理回路190による制御を受けて、超音波プローブ101から送信された反射波信号に対して各種処理を行なって反射波データを生成し、生成した反射波データをBモード処理回路140及びドプラ処理回路150に出力する。
例えば、受信回路130は、反射波信号を受信する度に、受信した反射波信号から反射波データを生成する。受信回路130は、超音波プローブ101から送信された2次元の反射波信号から2次元の反射波データを生成する。また、受信回路130は、超音波プローブ101から送信された3次元の反射波信号から3次元の反射波データを生成する。
受信回路130は、プリアンプと、A/D(Analog to Digital)変換器と、直交検波回路等を有する。プリアンプは、反射波信号をチャンネルごとに増幅してゲイン調整(ゲイン補正)を行なう。A/D変換器は、ゲイン補正された反射波信号をA/D変換することでゲイン補正された反射波信号をデジタル信号に変換する。
直交検波回路は、デジタル信号をベースバンド帯域の同相信号(I信号、I:In-phase)と直交信号(Q信号、Q:Quadrature-phase)とに変換する。そして、直交検波回路は、I信号及びQ信号(IQ信号)を反射波データとしてBモード処理回路140及びドプラ処理回路150に出力する。
Bモード処理回路140は、処理回路190による制御を受けて、受信回路130から出力された反射波データに対して、対数増幅、包絡線検波処理及び対数圧縮等を行なって、サンプル点ごとの信号強度(振幅強度)が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモードデータ)を生成する。
例えば、Bモード処理回路140は、反射波データを受信する度に、受信した反射波データからBモードデータを生成する。Bモード処理回路140は、生成したBモードデータを画像生成回路160に出力する。Bモード処理回路140は、例えば、プロセッサにより実現される。
ドプラ処理回路150は、処理回路190による制御を受けて、受信回路130から出力された反射波データを周波数解析することで、ドプラ効果に基づく移動体(血流や組織、造影剤エコー成分等)の運動情報を抽出し、抽出した運動情報を示すデータ(ドプラデータ)を生成する。
例えば、ドプラ処理回路150は、移動体の運動情報として、平均速度、分散及びパワー等を多点に渡り抽出し、抽出した移動体の運動情報を示すドプラデータを生成する。例えば、ドプラ処理回路150は、反射波データを受信する度に、受信した反射波データからドプラデータを生成する。ドプラ処理回路150は、生成したドプラデータを画像生成回路160に出力する。ドプラ処理回路150は、例えば、プロセッサにより実現される。
Bモード処理回路140及びドプラ処理回路150は、2次元の反射波データ及び3次元の反射波データの両方について処理可能である。
画像生成回路160は、処理回路190による制御を受けて、Bモード処理回路140及びドプラ処理回路150が出力した各種のデータ(Bモードデータ及びドプラデータ)から超音波画像データを生成する。
例えば、画像生成回路160は、Bモード処理回路140及びドプラ処理回路150から出力された各種のデータを受信する度に、受信した各種のデータから超音波画像データを生成する。すなわち、画像生成回路160は、超音波走査に対してリアルタイムで時系列に沿った複数の超音波画像データを生成する。
このようにして、本実施形態では、受信回路130、Bモード処理回路140、ドプラ処理回路150及び画像生成回路160が、リアルタイムで、時系列に沿った複数の超音波画像データを収集する。
そして、画像生成回路160は、リアルタイムで生成された時系列に沿った複数の超音波画像データを、画像メモリ170に記憶させる。具体例を挙げて説明すると、画像生成回路160は、超音波画像データを生成する度に、生成した超音波画像データを画像メモリ170に記憶させる。
例えば、超音波走査により得られた時系列に沿った複数の超音波画像データのうち、1番目に生成された超音波画像データは、1フレーム目の超音波画像データと称される。同様に、N(Nは、1以上の整数)番目に生成された超音波画像データは、Nフレーム目の超音波画像データと称される。
画像生成回路160は、プロセッサにより実現される。ここで、画像生成回路160は、超音波走査の走査線信号列を、テレビ等に代表されるビデオフォーマットの走査線信号列に変換(スキャンコンバート)し、表示用の超音波画像データを生成する。
例えば、画像生成回路160は、超音波プローブ101による超音波の走査形態に応じて座標変換を行なうことで、表示用の超音波画像データを生成する。また、画像生成回路160は、スキャンコンバート以外に種々の画像処理として、例えば、スキャンコンバート後の複数の画像フレームを用いて、輝度の平均値画像を再生成する画像処理(平滑化処理)や、画像内で微分フィルタを用いる画像処理(エッジ強調処理)等を行なう。また、画像生成回路160は、超音波画像データに、種々のパラメータの文字情報、目盛り、ボディーマーク等を合成する。
また、画像生成回路160は、Bモード処理回路140により生成された3次元のBモードデータに対して座標変換を行なうことで、3次元Bモード画像データを生成する。また、画像生成回路160は、ドプラ処理回路150により生成された3次元のドプラデータに対して座標変換を行なうことで、3次元ドプラ画像データを生成する。
すなわち、画像生成回路160は、「3次元のBモード画像データ及び3次元ドプラ画像データ」を「3次元超音波画像データ(ボリュームデータ)」として生成する。そして、画像生成回路160は、ボリュームデータをディスプレイ103にて表示するための各種の2次元画像データを生成するために、ボリュームデータに対して様々なレンダリング処理を行なう。
Bモードデータ及びドプラデータは、スキャンコンバート処理前の超音波画像データであり、画像生成回路160が生成するデータは、スキャンコンバート処理後の表示用の超音波画像データである。なお、Bモードデータ及びドプラデータは、生データ(Raw Data)とも呼ばれる。
画像メモリ170は、画像生成回路160により生成された各種の画像データを記憶するメモリである。また、画像メモリ170は、Bモード処理回路140及びドプラ処理回路150により生成されたデータも記憶する。
画像メモリ170が記憶するBモードデータやドプラデータは、例えば、診断の後に操作者が呼び出すことが可能となっており、画像生成回路160を経由して表示用の超音波画像データとなる。例えば、画像メモリ170は、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク又は光ディスクによって実現される。
記憶回路180は、超音波送受信、画像処理及び表示処理を行なうための制御プログラムや、診断情報(例えば、患者ID、医師の所見等)や、診断プロトコルや各種ボディーマーク等の各種データを記憶する。また、記憶回路180は、必要に応じて、画像メモリ170が記憶するデータの保管等にも使用される。例えば、記憶回路180は、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク又は光ディスクによって実現される。
処理回路190は、超音波診断装置1の処理全体を制御する。処理回路190は、例えば、プロセッサにより実現される。処理回路190は、制御機能191、算出機能192、受付機能193、変更機能194、提示機能195及び表示制御機能196の各処理機能を有する。
ここで、例えば、処理回路190が有する各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路180に記憶される。図1に示す処理回路190の構成要素である制御機能191、算出機能192、受付機能193、変更機能194、提示機能195及び表示制御機能196の各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路180に記憶されている。
処理回路190は、各プログラムを記憶回路180から読出し、読出された各プログラムを実行することで、各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、各プログラムを読出した状態の処理回路190は、図1の処理回路190内に示された各機能を有することとなる。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、若しくは、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、又は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。
プロセッサは、記憶回路180に保存されたプログラムを読出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路180にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読出し実行することで機能を実現する。
なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。更に、図1における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。以下の説明で用いられる「プロセッサ」という文言についても同様である。
制御機能191は、入力装置102を介して操作者から入力された各種設定要求や、記憶回路180から読込んだ各種データに基づき、送信回路120、受信回路130、Bモード処理回路140、ドプラ処理回路150及び画像生成回路160の処理を制御する。
算出機能192は、超音波プローブ101の送信パラメータと、超音波プローブ101の内部の温度とに基づいて、超音波プローブ101の出力に関する安全性基準の条件を充足する状態で継続して動作することが可能な時間を示す検査持続可能時間を算出する。算出機能192は、算出部の一例である。
送信パラメータは、超音波プローブ101を用いて超音波走査を行う際の超音波の送信条件等を表している。送信パラメータとしては、例えば、送信電圧、フレームレート、走査線密度、送信波形、フォーカス、パルス繰り返し周波数等が挙げられる。送信パラメータは設定情報の一例である。また、送信パラメータは、超音波走査に係るパラメータの一例である。
ここで、送信電圧は、超音波プローブ101が有する圧電振動子等の素子に印加する電圧を示す。また、フレームレートは、1秒間に描出する超音波画像の数を示す。また、走査線密度は、超音波画像を表示するための超音波プローブ101の走査方向と直交する副走査方向(以下、深度方向ともいう)の線の本数を示す。
また、送信波形は、超音波プローブ101が送信する超音波の波形(例えば、パルス波のパルス形状等)を示す。また、フォーカスは、深度方向における焦点の位置を示す。また、パルス繰り返し周波数は、特定のパルスの開始時間から次のパルスの開始時間までを示すパルス繰り返し周期の逆数を示す。
例えば、算出機能192は、ユーザから検査持続可能時間の算出指示があった場合に、指示があった時点における送信パラメータと、温度センサ110により検知された超音波プローブ101の内部温度とに基づいて、検査持続可能時間を算出する。検査持続可能時間は、例えば、現在の送信パラメータで連続して超音波の送信を続けた場合に、どの程度の時間が経過した時点で安全性基準に定められた温度を超えるかを表すものである。
受付機能193は、ユーザからの入力を受付ける。例えば、受付機能193は、ユーザから検査持続可能時間の算出指示を受付ける。また、例えば、受付機能193は、超音波診断装置1を用いた検査を継続して実施する時間の長さを示す検査持続時間の入力を受付ける。検査持続時間は、設定情報の一例である。受付機能193は、受付部の一例である。本実施形態において、受付機能193は、ディスプレイ103に表示される後述の検査時間入力画面を介して、検査持続時間の入力を受付ける。
変更機能194は、受付機能193で受付けた検査持続時間と、温度センサ110で検出された超音波プローブ101の内部温度とに基づいて、送信パラメータを変更する。変更機能194は、変更部の一例である。例えば、変更機能194は、後述の検査時間入力画面を介して受付けた検査持続可能時間と、入力を受付けた時点における超音波プローブ101の内部温度とに基づいて、送信電圧、フレームレート、及び走査線密度(Low又はHigh)を調整する。
一例として、変更機能194は、現在の送信電圧で、現時点から受付機能193で受付けた検査持続時間が経過するまでの間、超音波の送信を継続しても超音波プローブ101の内部温度が安全性基準内に収まるように送信パラメータを調整する。
例えば、変更機能194は、送信パラメータに規定されたフレームレートを調整することで、検査持続時間の間、超音波プローブ101の表面温度が安全性基準内に収まるように制御する。具体的には、変更機能194は、例えば現在の温度及びフレームレートで超音波の送信を検査持続時間継続すると、超音波プローブ101の表面温度が安全性基準を超えるような場合、フレームレートを低下させることで超音波プローブ101の発熱を抑制する。
ここで、フレームレートを低下させると、1秒間に表示させる超音波画像の枚数が減るため、超音波プローブ101による超音波の送信間隔を長くすることができ、超音波プローブ101の内部温度の上昇を抑制することができる。
また、超音波プローブ101の内部温度の上昇を抑制することにより、超音波プローブ101の表面温度の上昇も抑制することができる。このため、本実施形態に係る超音波診断装置1は、超音波プローブ101の内部温度の上昇を制御することで、超音波プローブ101の表面温度を、安全性基準を充足する範囲内に収めるよう制御することができる。
また、例えば、変更機能194は、送信パラメータに規定された走査線密度を調整することで、検査持続時間の間、超音波プローブ101の表面温度が安全性基準内に収まるように制御する。具体的には、変更機能194は、例えば現在の温度及び走査線密度で超音波の送信を検査持続時間継続すると、超音波プローブ101の表面温度が安全性基準を超えるような場合、走査線密度を低下させることで超音波プローブ101の発熱を抑制する。
ここで、走査線密度を低下(走査線密度の設定をHighからLowに変更)させると、超音波ビームの集束率を減少させることができ、超音波プローブ101の内部温度の上昇を抑制することができる。
具体的な調整方法としては、例えば、走査線密度がHighで現在の送信電圧で現時点から受付機能193で受付けた検査持続時間経過後まで超音波の送信が継続できないと想定される場合、変更機能194は、まず、走査線密度をLowにする。
また、走査線密度をLowにしても、検査持続時間経過後まで超音波の送信が継続できないと想定される場合、変更機能194は、検査持続時間経過後まで超音波の送信が継続できると想定される状態になるまでフレームレートを低下させる調整を行う。
なお、変更機能194は、まず、フレームレートを調整する処理を行い、フレームレートを低下させても、検査持続時間経過後まで超音波の送信が継続できないと想定される場合に、検査持続時間経過後まで超音波の送信が継続できると想定される状態になるよう走査線密度を調整してもよい。
また、上記では送信電圧を固定としているが、例えば、フレームレートを固定として、送信電圧及び走査線密度を低下させる調整を行ってもよい。また、例えば、走査線密度を固定として、送信電圧及びフレームレートを低下させる調整を行ってもよい。
また、変更機能194は、送信パラメータの調整後にユーザから送信パラメータの調整指示を受付けた場合、当該調整指示に従って、送信パラメータの調整を行う。
例えば、ユーザからフレームレートを上昇させる調整指示を受付けた場合、変更機能194は、送信パラメータに規定された送信電圧を低下させることで、検査持続時間の間、超音波プローブ101の表面温度が安全性基準内に収まるように制御する。ここで、送信電圧を低下させると、ジュールの第1法則及びオームの法則により、超音波プローブ101の発熱量を低下させることができ、超音波プローブ101の内部温度の上昇を抑制することができる。
そこで、変更機能194は、例えば現在の超音波プローブ101の内部温度及び送信電圧で超音波の送信を検査持続時間継続することで、超音波プローブ101の表面温度が安全性基準を超えると予測される場合、送信電圧を低下させることで超音波プローブ101の発熱を抑制する。
ここで、送信電圧を低下させることにより、超音波プローブ101の内部温度の上昇を抑制できるのは、送信電圧を低下させると、ジュールの第1法則及びオームの法則により、超音波プローブ101の発熱量が低下するためである。
なお、本実施形態では、変更機能194は、送信パラメータとして、送信電圧、フレームレート、及び走査線密度の変更を行っているが、変更する送信パラメータはこれに限定されない。例えば、変更機能194は、送信波形、フォーカス、パルス繰り返し周波数等の変更を行ってもよい。また、例えば、変更機能194は、ユーザから感度の調整指示を受付け、ユーザの感度の値の入力に従い、送信電圧等の送信パラメータの調整を行ってもよい。
また、変更機能194は、設定テーブルや関係式等を用いて、送信パラメータ調整時における各送信パラメータの初期値(デフォルトの値)を決定してもよい。例えば、変更機能194は、検査持続時間と超音波プローブ101の内部温度との組み合わせと、送信パラメータ群(例えば、送信電圧の値、フレームレートの値、及び走査線密度の設定)とを対応付けた設定テーブルを用いて、各送信パラメータの初期値を決定してもよい。
この場合、変更機能194は、記憶回路180等に記憶された上記設定テーブルを参照し、受付機能193で受付けた検査持続時間と、温度センサ110で検知した現在の超音波プローブ101の温度との組み合わせに対応する送信パラメータ群を特定する。そして、変更機能194は、特定した送信パラメータ群を、送信パラメータの初期値として決定する。
なお、上記の設定テーブルにおいて、各送信パラメータの値は、安全性基準を充足するように定義される。これにより、ユーザが初期値を選択する場合に、ユーザが予期せぬタイミングで超音波プローブ101の動作が停止してしまう等の事態を防止できる。
提示機能195は、受付機能193で受付けた検査持続時間と、温度センサ110で検出された超音波プローブ101の内部温度とに基づいて、選択可能な複数の送信パラメータをディスプレイ103に提示する。提示機能195は、提示部の一例である。
例えば、提示機能195は、受付機能193で受付けた検査持続時間に対応するプリセットパラメータを複数提示する。
プリセットパラメータは、例えば、検査持続時間(例えば、5分、10分、15分、20分、25分、30分等)と超音波プローブ101の内部温度(例えば、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、35℃等)との組み合わせ毎に、プリセット番号、プリセット名称、送信パラメータ群(例えば、送信電圧の値、フレームレートの値、及び走査線密度の設定等)を対応付けたものである。
プリセットパラメータは、例えば、検査持続時間と超音波プローブ101の内部温度との組み合わせ毎に、安全性基準を充足することができる範囲で、各超音波画像の画質を重視した送信パラメータ群(例えば、フレームレートを低くして送信電圧を高くする等)や滑らかな動きを重視した送信パラメータ群(例えば、送信電圧を低くしてフレームレートを高くする等)等の複数の送信パラメータ群を規定する。プリセットパラメータは、例えば、記憶回路180等に記憶される。
例えば、提示機能195は、記憶回路180のプリセットパラメータを参照し、受付機能193で受付けた検査持続時間と、温度センサ110で検知された現在の超音波プローブ101の内部温度との組み合わせに対応する、複数の送信パラメータ群(送信電圧の値、フレームレートの値、及び走査線密度の設定)を特定する。提示機能195は、特定した複数の送信パラメータ群の情報を読出し、ユーザに提示する。
なお、プリセットパラメータは、検査持続時間毎に、複数の送信パラメータ群を提示したものであってもよい。この場合、提示機能195は、現在の超音波プローブ101の内部温度で、安全性基準を充足することが可能な送信パラメータ群のみを提示してもよい。
また、プリセットパラメータは、超音波プローブ101の内部温度毎に、複数の送信パラメータ群を提示したものであってもよい。この場合、提示機能195は、受付機能193で受付けた検査持続時間で、安全性基準を充足することが可能な送信パラメータ群のみを提示してもよい。
また、記憶回路180等に記憶されるプリセットパラメータは、検査持続時間と、超音波プローブ101の内部温度とから、送信パラメータを決定する複数の関係式を記憶していてもよい。この場合、提示機能195は、夫々の関係式から導出された複数の送信パラメータ群を提示する。
なお、提示機能195が実行する処理を後述する表示制御機能196が実行する構成としてもよい。
表示制御機能196は、各種情報をディスプレイ103に表示させる。表示制御機能196は、表示制御部の一例である。例えば、表示制御機能196は、画像メモリ170に記憶された表示用の超音波画像データにより示される超音波画像をディスプレイ103に表示させる。
また、例えば、表示制御機能196は、ユーザから検査持続時間の入力を受付けるための検査時間入力画面をディスプレイ103に表示させる。また、例えば、表示制御機能196は、算出機能192で算出された検査持続可能時間を、検査時間入力画面上に表示させる。また、例えば、表示制御機能196は、ユーザから送信パラメータの調整指示を受付けるためのパラメータ調整領域を、検査時間入力画面上に表示させる。
また、例えば、表示制御機能196は、ユーザの指示に従い、パラメータ調整処理を行っている間、送信パラメータ変更前に超音波プローブ101から伝送された受信データに基づいて、生成されたフリーズ画像をディスプレイ103に表示させる。この場合のフリーズ画像は、第1超音波画像の一例である。
また、表示制御機能196は、調整中の送信パラメータを用いて超音波プローブから伝送される受信データに基づいて、生成されるライブ画像を、上述したフリーズ画像と並べてディスプレイ103に表示させる。この場合のライブ画像は、第2超音波画像の一例である。
以下、処理回路190の各機能が実行する処理について、図2乃至図7を用いて説明する。まず、検査入力画面の表示処理について説明する。図2及び図3は、検査時間入力画面IIの一例を説明するための図である。
例えば、超音波プローブ101から伝送されている受信データに基づくライブ画像LIがディスプレイ103に表示されている状態で、受付機能193がユーザから検査入力画面IIの表示指示を受付けた場合、表示制御機能196は、検査時間入力画面IIを上記ライブ画像LIと共にディスプレイ103に表示させる。なお、表示制御機能196は、ライブ画像LIとは別に検査時間入力画面IIを表示させてもよい。
検査入力画面IIは、検査時間入力フォームIF1、確認ボタンCM1、キャンセルボタンCL2で構成される。また、検査入力画面IIは、図2に示すように、ライブ画像LIと並べて表示される。
検査時間入力フォームIF1は、ユーザから検査時間の入力を受付けるための入力フォームである。ユーザは、キーボード等を用いて、検査時間入力フォームIF1に所望の検査持続時間を入力する。
なお、ディスプレイ103がタッチパネル式のディスプレイの場合、ユーザは、検査時間入力フォームIF1をタッチすることにより表示される選択肢(例えば、5分、10分、15分、20分、25分、30分等)のうちの何れかをタッチすることにより、所望の検査持続時間を入力してもよい。
また、表示制御機能196は、検査時間入力フォームIF1に、算出機能192で算出された、検査入力画面IIの指示があった時点における検査持続可能時間を、検査持続時間の初期値として表示させる。図2では、検査時間入力フォームIF1に、算出機能192で算出された、検査入力画面IIの指示があった時点における検査持続可能時間5分が表示されている。
確認ボタンCM1は、検査時間入力フォームIF1に入力された入力内容を確定するためのボタンである。受付機能193は、図3に示すように、ユーザにより確認ボタンCM1が押された場合に、検査時間入力フォームIF1に入力された数値を検査持続時間として受付ける。図3では、受付機能193は、ユーザにより入力された10分を検査持続時間として受付ける。
キャンセルボタンCL1は、検査時間入力処理をキャンセルするためのボタンである、ユーザによりキャンセルボタンCL1が押された場合、表示制御機能196は、検査入力画面IIを消去し、ライブ画像LIのみをディスプレイ103全体に表示させる制御を行う。
なお、変更機能194は、検査時間入力フォームIF1に検査持続時間が入力されると、この検査持続時間と、温度センサ110で検知した現在の超音波プローブ101の内部温度とに基づいて、送信パラメータの調整を行う。この場合、制御機能191は、変更機能194が変更した送信パラメータを用いて、超音波プローブ101に超音波を送信させる制御を行う。
次いで、パラメータ調整処理について説明する。図4乃至図6は、パラメータ調整領域AAを含む検査時間入力画面IIの一例を説明するための図である。例えば、受付機能193が検査持続時間を受付けた場合、表示制御機能196は、図4に示すように、検査時間入力画面II上にパラメータ調整領域AAを表示させる。
パラメータ調整領域AAは、送信電圧(印加電圧)調整スライダーAS1、フレームレート調整スライダーFS1、走査線密度調整ボタンDB1、OKボタンOB1で構成される。
送信電圧調整スライダーAS1は、送信電圧を調整するための操作子である。変更機能194は、送信電圧調整スライダーAS1の位置に応じて送信電圧を調整する。例えば、ユーザが図4の矢印の方向に送信電圧調整スライダーAS1を移動させた場合、変更機能194は、送信電圧を上昇させる調整を行う。一方、ユーザが矢印と反対方向に送信電圧調整スライダーAS1を移動させた場合、変更機能194は、送信電圧を低下させる調整を行う。
ここで、図4の例では、送信電圧調整スライダーAS1の初期位置は、受付機能193がユーザから検査入力画面IIの表示指示を受付けた時点における送信電圧の値に対応するものとする。
フレームレート調整スライダーFS1は、フレームレートを調整するための操作子である。変更機能194は、フレームレート調整スライダーFS1の位置に応じてフレームレートを調整する。
また、図4の例では、フレームレート調整スライダーFS1の初期位置は、検査入力画面IIの表示指示を受付けた時点における送信電圧の値、及び走査線密度の設定がLowの状態で超音波の送信を続けた場合に、検査持続時間経過後まで超音波の送信が継続できると想定されるフレームレートの値の位置に対応するものとする。
なお、検査入力画面IIの表示指示を受付けた時点における送信電圧の値、及び走査線密度の設定がLowの状態で、受付けた検査持続時間経過後まで超音波の送信が継続できると想定される場合、フレームレート調整スライダーFS1の初期位置は、受付機能193がユーザから検査入力画面IIの表示指示を受付けた時点におけるフレームレートの値に対応する位置となるものとする。
走査線密度調整ボタンDB1は、走査線密度をLow又はHighに切り替えるためのラジオボタンである。走査線密度調整ボタンDB1のLが選択状態になっている場合、変更機能194は、走査線密度をLowに調整する。一方、走査線密度調整ボタンDB1のHが選択状態になっている場合、変更機能194は、走査線密度をHighに調整する。
また、図4の例では、走査線密度調整ボタンDB1の初期設定は、Lowになっているものとする。なお、検査入力画面IIの表示指示を受付けた時点における走査線密度の設定がHighであり、当該時点における送信電圧及びフレームレートの値で、受付けた検査持続時間経過後まで超音波の送信が継続できると想定される場合は、走査線密度調整ボタンDB1の初期設定は、Highとなるものとする。
また、変更機能194は、フレームレート調整スライダーFS1及び送信電圧調整スライダーAS1の何れか一方の送信パラメータの操作に連動して、安全性基準を充足するように他方の送信パラメータの値を調整する。
例えば、ユーザが、送信電圧調整スライダーAS1を図4の矢印の方向に移動させた場合、変更機能194は、送信電圧の上昇に合わせてフレームレートを低下させる調整を行う。また、表示制御機能196は、変更機能194によるフレームレートの調整処理に合わせてフレームレート調整スライダーFS1を、図5の矢印の方向に移動させる。
また、例えば、ユーザがフレームレート調整スライダーFS1を移動させた場合、変更機能194は、フレームレートの調整に合わせて送信電圧を調整する。また、表示制御機能196は、送信電圧の調整処理に合わせて送信電圧調整スライダーAS1を、調整した送信電圧の値に対応する位置に移動させる。
また、変更機能194は、走査線密度の切り替え操作に連動して、安全性基準を充足するように他の送信パラメータ(送信電圧の値及びフレームレートの値)を調整する。
例えば、ユーザが走査線密度を切り替えた場合、変更機能194は、走査線密度の設定の切り替えに合わせて送信電圧及びフレームレートを調整する。また、表示制御機能196は、走査線密度の設定の切替処理に合わせて送信電圧調整スライダーAS1及びフレームレート調整スライダーFS1を、調整した送信電圧の値及びフレームレートの値に対応する位置に移動させる。
フリーズ画像FIは、受付機能193がユーザから検査入力画面IIの表示指示を受付けた時点における送信パラメータで送信された超音波に基づく超音波画像である。つまり、フリーズ画像FIは、変更前の送信パラメータで送信された超音波を基に生成される超音波画像を示す。
ライブ画像LIは、現在の送信電圧調整スライダーAS1の位置に対応する送信電圧の値、フレームレート調整スライダーFS1の位置に対応するフレームレートの値、及び走査線密度調整ボタンDB1の選択に対応する走査線密度設定で送信された超音波に基づく超音波画像である。つまり、ライブ画像LIは、現在調整中の送信パラメータで送信された超音波を基に生成される超音波画像を示す。
フリーズ画像FIとライブ画像LIとが比較可能な状態でディスプレイ103に表示されることで、ユーザは、送信パラメータ変更前と変更後とでどのように超音波画像が変化するのかを確認しながら、任意の状態に送信パラメータを調整することができる。
OKボタンOB1は、調整した送信パラメータを確定するためのボタンである。図6に示すように、ユーザがOKボタンOB1を押した場合、変更機能194は、当該時点における送信電圧調整スライダーAS1の位置に対応する値を、変更後の送信電圧の値として確定する処理を行う。また、同様に、変更機能194は、フレームレートの値、及び走査線密度の設定を確定する処理を行う。
そして、変更機能194により上記の送信パラメータの確定処理が行われた場合、表示制御機能196は、検査入力画面IIを消去し、変更後の送信パラメータで送信された超音波の受信信号に基づいたライブ画像LIのみをディスプレイ103全体に表示させる制御を行う。
なお、送信パラメータの調整処理には、プリセットされた送信パラメータ群を利用することもできる。ここで、図7は、プリセットパラメータ選択画面SIの一例を説明するための図である。例えば、パラメータ調整領域AAが表示されている状態で、受付機能193がユーザからプリセットパラメータ選択画面SIの表示指示を受付けた場合、表示制御機能196は、プリセットパラメータ選択画面SIをディスプレイ103に表示させる。
図7のプリセットパラメータ選択画面SIは、プリセットパラメータ選択ボタンPB1~PB5、及びプリセットパラメータ名称表示領域PN1~PN5で構成される。プリセットパラメータ選択ボタンPB1~PB5は、プリセットパラメータを選択するためのボタンである。プリセットパラメータ名称表示領域PN1~PN5は、プリセットパラメータの名称を表示する領域である。
ここで、受付機能193がユーザからプリセットパラメータ選択画面SIの表示指示を受付けた場合、提示機能195は、記憶回路180に記憶されたプリセットパラメータを参照し、受付機能193が受付けた検査持続時間と温度センサ110で検出した現在の超音波プローブ101の内部温度との組み合わせに対応する複数のプリセットパラメータのデータを読出す。
表示制御機能196は、プリセットパラメータ選択画面SIのプリセットパラメータ名称表示領域PN1~PN5に、提示機能195が読出したプリセットパラメータの名称を表示させる。例えば、表示制御機能196は、プリセットNo「1」のプリセットパラメータの名称「Preset1」を、プリセットパラメータ名称表示領域PN1に表示させる。
なお、ユーザから特定のプリセットパラメータの内容を確認する旨の指示があった場合(例えば、ユーザがプリセットパラメータ選択ボタンPB1~PB5の何れかをマウスで右クリックし、メニューからプロパティを選択した場合等)に、表示制御機能196は、提示機能195と協働し、当該プリセットパラメータに対応する送信パラメータの内容を表示させる処理を行ってもよい。
例えば、図7で、ユーザにより、プリセットパラメータ選択ボタンPB2が押された場合、受付機能193は、プリセットNo「2」の「Preset2」の選択指示を受付ける。変更機能194は、提示機能195が読出した「Preset2」に対応する送信電圧の値及びフレームレート値、並びに、「Preset2」に対応する走査線密度の設定になるよう、各送信パラメータを調整する処理を行う。
また、表示制御機能196は、変更機能194によりプリセットパラメータに基づいて調整された送信電圧の値、及びフレームレートの値に対応する位置に、送信電圧調整スライダーAS1及びフレームレート調整スライダーFS1を移動させる。また、同様に、表示制御機能196は、走査線密度調整ボタンDB1の選択を切り替える。
なお、本実施形態において、プリセットパラメータは、予め定められているものとする。プリセットパラメータを利用することで、ユーザはスムーズに送信パラメータの調整を行うことができる。
次いで、実施形態に係る超音波診断装置1が実行する処理について説明する。図8は、実施形態に係る超音波診断装置1が実行する処理の一例を示すフローチャートである。前提として、ディスプレイ103には、ライブ画像LIのみが表示されているものとする。
まず、受付機能193は、ユーザから検査時間入力画面の表示指示を受付ける(ステップS1)。例えば、受付機能193は、ライブ画像LI上をマウスで右クリックすること等により表示されるメニューから、ユーザが検査時間入力画面の表示を選択した場合等に検査時間入力画面IIの表示指示を受付ける。
次いで、算出機能192は、ステップS1で検査時間入力画面IIの表示指示を受付けた時点における検査持続可能時間を算出する(ステップS2)。例えば、算出機能192は、ステップS1で検査時間入力画面IIの表示指示を受付けた時点における送信パラメータで送信を継続した場合に、超音波プローブ101の表面温度が安全性基準を超えると想定される時間を、検査持続可能時間として算出する。
次いで、表示制御機能196は、ステップS2で算出された検査持続可能時間と共に検査時間入力画面IIをディスプレイ103に表示させる(ステップS3)。
例えば、表示制御機能196は、ステップS2で算出された検査持続可能時間を検査時間入力フォームIFの初期値として表示させた状態で、検査時間入力画面IIをディスプレイ103に表示させる。また、表示制御機能196は、ライブ画像LIを、検査時間入力画面IIと共に表示させる。
次いで、受付機能193は、ユーザにより、検査時間の入力又はキャンセルボタンの押下の何れかの操作があったかを確認する(ステップS4)。なお、検査時間の入力又はキャンセルボタンの押下の何れも確認できない場合は、何れかが確認できるまでステップS5の処理を繰り返す。
ユーザによるキャンセルボタンの押下操作を確認した場合(ステップS4:No)、表示制御機能196は、検査時間入力画面IIを消去し、本処理を終了する。一方、ユーザによる検査時間の入力操作を確認した場合(ステップS4:Yes)、変更機能194は、受付けた検査持続時間に応じて、送信パラメータの調整処理を行う(ステップS5)。
次いで、表示制御機能196は、検査時間入力画面II上にパラメータ表示領域AAを表示させる(ステップS6)。次いで、制御機能191は、S5で調整された送信パラメータに基づいて、超音波プローブ101に超音波を送信させる制御を行う(ステップS7)。
次いで、表示制御機能196は、ステップS1で検査時間入力画面IIの表示指示を受付けた時点における送信パラメータで送信された超音波の受信信号に基づいたフリーズ画像FIと、ステップS7で送信された超音波の受信信号に基づいたライブ画像LIと、を並べて検査時間入力画面IIと共に表示させる(ステップS8)。
次いで、受付機能193は、ユーザから送信パラメータの調整入力の有無を確認する(ステップS9)。送信パラメータの調整入力を受付けていない場合(ステップS9:No)、ステップS13の処理に移行する。一方、送信パラメータの調整入力を受付けた場合(ステップS9:Yes)、変更機能194は、S9で受付けた送信パラメータの調整入力に従い、送信パラメータの調整処理を行う(ステップS10)。
次いで、制御機能191は、S10で調整された送信パラメータに基づいて、超音波プローブ101に超音波を送信させる制御を行う(ステップS11)。
次いで、表示制御機能196は、ステップS1で検査時間入力画面IIの表示指示を受付けた時点における送信パラメータで送信された超音波の受信信号に基づいたフリーズ画像FIと、ステップS11で送信された超音波の受信信号に基づいたライブ画像LIと、を並べて検査時間入力画面IIと共に表示させる(ステップS12)。
次いで、受付機能193は、ユーザからOKボタンOB1の入力があったか否かを確認する(ステップS13)。OKボタンOB1の入力がない場合(ステップS13:No)、ステップS9の処理に移行する。一方、OKボタンOB1の入力があった場合(ステップS13:Yes)、変更機能194は、調整した送信パラメータの確定処理を実行する(ステップS14)。
次いで、制御機能191は、S14で確定された送信パラメータに基づいて、超音波プローブ101に超音波を送信させる制御を行う(ステップS15)。次いで、表示制御機能196は、検査時間入力画面IIを消去し、ステップS15で送信された超音波の受信信号に基づいたライブ画像LIのみをディスプレイ103に表示させ(ステップS16)、本処理を終了する。
以上、本実施形態に係る超音波診断装置1について説明した。本実施形態に係る超音波診断装置1によれば、上述したように、温度センサ110で検知された超音波プローブ101の内部温度に基づいて、検査持続時間を受付けた時点から当該検査持続時間が経過するまでの間、安全性基準を満たす範囲内で超音波プローブ101による超音波の送信を継続できるように、送信パラメータを変更することができる。
これにより、ユーザは所望の検査持続時間に応じて、安全性基準を満たす範囲で変更された送信パラメータを用いて検査を行うことができる。このため、本実施形態に係る超音波装置1によれば、被検体の検査中等の予期せぬタイミングで超音波プローブ101による超音波の送信が止まってしまうような事態を防止することができる。
また、本実施形態に係る超音波診断装置1によれば、ユーザから送信パラメータの調整入力を受付け、当該調整入力に従って、送信パラメータを調整することができる。これにより、検査中であっても容易に送信パラメータを調整できるため、短い検査時間で構わないので画質を重視したい、画質は多少落ちてもよいので長めに検査を行いたい等といったユーザのニーズに迅速かつ柔軟に対応することができる。
また、本実施形態に係る超音波診断装置1によれば、送信パラメータ変更前に超音波プローブ101から送信された超音波の受信データに基づいて、生成されたフリーズ画像FIをディスプレイ103に表示させることができる。さらに、本実施形態に係る超音波診断装置1は、調整中の送信パラメータで超音波プローブ101から送信される超音波の受信データに基づいて、生成されるライブ画像LIを上述のフリーズ画像FIと比較可能な態様でディスプレイ103に表示させることができる。
これにより、ユーザは変更前の送信パラメータで送信された超音波に基づく超音波画像と、調整中の送信パラメータで送信された超音波に基づく超音波画像とを見比べることができるため、送信パラメータの調整作業が行いやすくなる。
また、本実施形態に係る超音波診断装置1によれば、現在の送信パラメータと、現在の超音波プローブ101の内部温度とに基づいて、検査持続可能時間を算出・表示させることができる。これにより、ユーザは、現在の送信パラメータでどの程度の時間検査が可能かを容易に把握することができる。
また、本実施形態に係る超音波診断装置1によれば、検査持続時間と、超音波プローブ101の内部温度とに基づいて、選択可能な複数のプリセットパラメータを提示することができる。これにより、ユーザは、プリセットパラメータを選択するだけで送信パラメータの調整を行うことができる。
なお、上述した実施形態は、各装置が有する構成又は機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施形態に係るいくつかの変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。また、以下で説明する変形例は、個別に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
(変形例1)
上述の実施形態においては、受付機能193が検査時間入力フォームIF1を介してユーザから検査持続時間を受付ける形態について説明した。しかしながら、受付機能193は、検査時間を調整するためのスライダーを介してユーザから検査時間を受付けてもよい。以下、図9を用いて本変形例に係るパラメータ調整画面AI1について説明する。
上述の実施形態においては、受付機能193が検査時間入力フォームIF1を介してユーザから検査持続時間を受付ける形態について説明した。しかしながら、受付機能193は、検査時間を調整するためのスライダーを介してユーザから検査時間を受付けてもよい。以下、図9を用いて本変形例に係るパラメータ調整画面AI1について説明する。
図9は、変形例1に係るパラメータ調整画面AI1の一例を説明するための図である。図9のパラメータ調整画面AI1は、送信電圧調整スライダーAS2、フレームレート調整スライダーFS2、検査時間調整スライダーTS、走査線密度調整ボタンDB2、OKボタンOB2、キャンセルボタンCL2、及び個人設定読出領域CA1で構成される。
送信電圧調整スライダーAS2、フレームレート調整スライダーFS2、及び走査線密度調整ボタンDB2、OKボタンOB2、キャンセルボタンCL2については、図4等の送信電圧調整スライダーAS1、フレームレート調整スライダーFS1、及び走査線密度調整ボタンDB1、OKボタンOB1、キャンセルボタンCL1と同様のため説明を省略する。
検査時間調整スライダーTSは、ユーザから検査持続時間を受付けるための操作子である。本変形例において、ユーザは、検査時間調整スライダーTSを所望の位置に移動させることで所望の検査持続時間の入力を行う。つまり、検査時間調整スライダーTSは、上述した実施形態における検査時間入力フォームIF1と同様の役割を果たす操作子である。
なお、図示しないが、表示制御機能196は、例えば検査時間調整スライダーTSの付近や「Operation Time」の項目に関連付けて、現在の検査時間調整スライダーTSの位置に対応する値(検査持続時間)を表示させてもよい。
個人設定読出領域CA1は、ユーザが定義した送信パラメータ設定を読出すためのボタン等を表示する領域である。送信パラメータ設定は、例えば、送信パラメータ設定番号、送信パラメータ設定名称、超音波プローブ101の内部温度、送信電圧の値、フレームレートの値、検査持続時間の値、及び走査線密度の設定、及び送信パラメータ設定を作成したユーザ名を対応付けたものである。送信パラメータ設定は、例えば、記憶回路180等に記憶される。
個人設定読出領域CA1は、送信パラメータ設定選択ボタンCB1~CB5、送信パラメータ設定名称表示領域CN1~CN5、読出ボタンLB1、及び記憶ボタンSB1で構成される。送信パラメータ設定選択ボタンCB1~CB5は、送信パラメータ設定を選択するためのボタンである。送信パラメータ設定名称表示領域CN1~CN5は、送信パラメータ設定の名称を表示する領域である。
読出ボタンLB1は、選択された送信パラメータ設定選択ボタンに対応する送信パラメータ群を、パラメータ調整画面AI1上に読出すためのボタンである。また、記憶ボタンSB1は、送信パラメータ設定に記憶されている、選択された送信パラメータ設定選択ボタンに対応する送信パラメータ群を、夫々を調整するための操作子(又はボタン)の位置に対応する値(又は設定)に書換えるためのボタンである。
ここで、受付機能193がユーザからパラメータ調整画面AI1の表示指示を受付けた場合、提示機能195は、記憶回路180に記憶された送信パラメータ設定を参照し、温度センサ110で検出した現在の超音波プローブ101の内部温度に対応する、複数の送信パラメータを特定する。
表示制御機能196は、個人設定読出領域CA1の送信パラメータ設定名称表示領域CN1~CN5に、提示機能195が特定した送信パラメータ設定の名称を夫々表示させる。例えば、表示制御機能196は、送信パラメータ設定No「1」の送信パラメータ設定の名称「Dr.01-01」を、送信パラメータ設定名称表示領域CN1に表示させる。
なお、ユーザから特定の送信パラメータ設定の内容を確認する旨の指示があった場合に、表示制御機能196は、当該送信パラメータ設定に対応する送信パラメータの内容を表示させる処理を行ってもよい。
例えば、図9で、ユーザにより、送信パラメータ設定選択ボタンCB2が選択された状態で、読出ボタンLB1が押された場合、受付機能193は、送信パラメータ設定No「2」の「Dr.01-02」の選択指示を受付ける。変更機能194は、提示機能195が読出した、「Dr.01-02」に対応する、送信電圧の値、フレームレート値、検査持続時間の値、及び、走査線密度の設定になるよう、送信パラメータを調整する処理を行う。
また、表示制御機能196は、変更機能194により送信パラメータ設定に基づいて調整された送信電圧の値、及びフレームレートの値に対応する位置に、送信電圧調整スライダーAS2及びフレームレート調整スライダーFS2を移動させる。また、同様に、表示制御機能196は、走査線密度調整ボタンDB2の選択を切り替える。
このように、ユーザが定義した送信パラメータ設定を利用することにより、例えば、各ユーザは、容易に自分の好みに合った送信パラメータの調整を行うことができる。
また、例えば、ユーザが、各送信パラメータの値を、各操作子(又はボタン)を用いて、送信パラメータ設定の何れとも異なる値の組み合わせに調整した場合、調整後の送信パラメータの値の組み合わせに任意の名称を付けて、送信パラメータ設定選択ボタンCB1~CB5の何れかと対応付けて記憶することもできる。
例えば、送信パラメータ設定選択ボタンCB1に、新たに調整した送信パラメータの値の組み合わせを記憶する場合、まず、受付機能193は、ユーザから送信パラメータ設定選択ボタンCB1の選択入力を受付ける。次いで、受付機能193は、ユーザから送信パラメータ設定名称表示領域CN1を介して、任意の名称の入力を受付ける。次いで、受付機能193は、ユーザから記憶ボタンSB1の入力を受付ける。
この場合、制御機能191は、送信パラメータ設定選択ボタンCB1に対応する送信パラメータ設定No「1」と、受付けた任意の名称と、温度センサ110で検知した現在の超音波プローブ101の内部温度と、調整した送信パラメータの値の組み合わせと、送信パラメータの調整を行ったユーザの名称とを対応付けて、送信パラメータ設定を構成する情報群として記憶回路180に記憶させる制御を行う。
このように、任意の送信パラメータの値の組み合わせを個人設定として記憶可能に構成することで、ユーザはよく使用する送信パラメータの値の組み合わせの情報を容易に読出すことができる。
なお、表示制御機能196は、個人設定読出領域CA1の代わりに図7に示したプリセットパラメータ選択画面SIに相当する表示をパラメータ調整画面AI1に表示させてもよい。
本変形例によれば、送信電圧の値、フレームレートの値、検査持続時間の値がチャート状で表示されるため、ユーザは、夫々の値同士の関係性を把握しやすくなる。したがって、例えば、ユーザが、送信電圧の値、フレームレートの値、検査持続時間の値をバランスよく調整したいと考えているような場合等に、容易に所望の状態に送信パラメータを調整することができる。
(変形例2)
上述の実施形態及び変形例においては、変更機能194が走査線密度をLow又はHighに調整する形態について説明した。しかしながら、変更機能194は、走査線密度を詳細に設定できるようにしてもよい。以下、図10を用いて本変形例に係るパラメータ調整画面AI2について説明する。
上述の実施形態及び変形例においては、変更機能194が走査線密度をLow又はHighに調整する形態について説明した。しかしながら、変更機能194は、走査線密度を詳細に設定できるようにしてもよい。以下、図10を用いて本変形例に係るパラメータ調整画面AI2について説明する。
図10は、変形例2に係るパラメータ調整画面AI2の一例を説明するための図である。図10のパラメータ調整画面AI2は、送信電圧調整スライダーAS3、フレームレート調整スライダーFS3、走査線密度調整スライダーDS、検査時間入力フォームIF2、OKボタンOB3、キャンセルボタンCL3、及び個人設定読出領域CA2で構成される。
送信電圧調整スライダーAS3、フレームレート調整スライダーFS3、OKボタンOB3、キャンセルボタンCL3、及び個人設定読出領域CA2については、図9の送信電圧調整スライダーAS2、フレームレート調整スライダーFS2、OKボタンOB2、キャンセルボタンCL2、及び個人設定読出領域CA2と同様のため説明を省略する。また、検査時間入力フォームIF2については、図2等の検査時間入力フォームIF1と同様のため、説明を省略する。
走査線密度調整スライダーDSは、走査線密度を調整するためのボタンである。例えば、ユーザが図10の矢印の方向に走査線密度調整スライダーDSを移動させた場合、変更機能194は、走査線密度を上昇させる調整を行う。一方、ユーザが矢印と反対方向に走査線密度調整スライダーDSを移動させた場合、変更機能194は、走査線密度を低下させる調整を行う。
なお、変更機能194が走査線密度を調整した場合、変更機能194は、走査線密度の調整に合わせて送信電圧及びフレームレートを調整する。例えば、走査線密度の値を上昇させた場合、変更機能194は、送信電圧の値及びフレームレートの値を低下させる調整を行う。なお、変更機能194は、走査線密度の値を調整した場合に、送信電圧の値又はフレームレートの値のうち、何れか一方のみを調整する処理を行ってもよい。
また、表示制御機能196は、送信電圧及びフレームレートの調整処理に合わせて送信電圧調整スライダーAS3及びフレームレート調整スライダーFS3を、調整した送信電圧の値及びフレームレートの値に対応する位置に移動させる。
本変形例によれば、走査線密度を詳細に調整できるため、ユーザの意向をより反映させた送信パラメータの調整を行うことができる。
また、本変形例によれば、送信電圧の値、フレームレートの値、走査線密度の値がチャート状で表示されるため、ユーザは、夫々の値同士の関係性を把握しやすくなる。したがって、例えば、ユーザが、送信電圧の値、フレームレートの値、走査線密度の値をバランスよく調整したいと考えているような場合等に、容易に所望の状態に送信パラメータを調整することができる。
(変形例3)
上述の実施形態及び変形例においては、変更機能194が、ユーザが所望する検査持続時間に応じて送信パラメータを変更する形態について説明した。しかしながら、変更機能194は、ユーザから受付けた検査持続時間又は送信パラメータの何れか一方の設定情報の入力に応じて他方の設定情報を変更してもよい。また、例えば、変更機能194は、検査時間(検査持続時間)を送信パラメータに含め、予め定めた送信パラメータの優先順位に従ってパラメータの変更を行ってもよい。以下、図11を用いて本変形例に係るパラメータ調整画面AI3について説明する。
上述の実施形態及び変形例においては、変更機能194が、ユーザが所望する検査持続時間に応じて送信パラメータを変更する形態について説明した。しかしながら、変更機能194は、ユーザから受付けた検査持続時間又は送信パラメータの何れか一方の設定情報の入力に応じて他方の設定情報を変更してもよい。また、例えば、変更機能194は、検査時間(検査持続時間)を送信パラメータに含め、予め定めた送信パラメータの優先順位に従ってパラメータの変更を行ってもよい。以下、図11を用いて本変形例に係るパラメータ調整画面AI3について説明する。
図11は、変形例3に係るパラメータ調整画面AI3の一例を説明するための図である。図11のパラメータ調整画面AI3は、パラメータ表示領域PD1~PD3、送信電圧調整スライダーAS4、検査時間調整スライダーTS2、及びフレームレート調整スライダーFS4で構成される。
パラメータ表示領域PD1~PD3は、調整する送信パラメータの名称を表示する領域である。また、パラメータ表示領域PD1~PD3の上方には、当該送信パラメータの優先順位が表示される。図11の例では、優先1の送信電圧が最も優先順位が高く、優先3のフレームレートが最も優先順位が低いことを表している。なお、送信パラメータの優先順位は、ユーザが決定できるようにしてもよい。
送信電圧調整スライダーAS4、検査時間調整スライダーTS2、及びフレームレート調整スライダーFS4については、図9の送信電圧調整スライダーAS2、検査時間調整スライダーTS1、及びフレームレート調整スライダーFS2と同様であるが、本変形例では、表示制御機能196は、スライダー上に現在のスライダーの位置に対応する夫々のパラメータの値を表示させる。
図11の例では、送信電圧の優先順位が最も高いため、まず、ユーザは送信電圧調整スライダーAS2を移動させて、所望の送信電圧の値を入力する。受付機能193は、ユーザにより入力された送信電圧の値を受付ける。変更機能194は、送信電圧を、受付機能193で受付けた値に調整する処理を行う。
次いで、変更機能194は、優先順位が2番目である検査時間の設定可能範囲SRを決定する処理を行う。
例えば、変更機能194は、算出機能192と協働し、温度センサ110で検知された超音波プローブ101の内部温度に基づいて、調整した送信電圧の値で送信電圧以外の送信パラメータを変更せずに超音波の送信を継続できる最大時間を算出する。そして、変更機能194は、算出された超音波の送信を継続できる最大時間を検査時間の設定可能範囲SRの上限として決定する処理を行う。
次いで、受付機能193は、ユーザから所望の検査時間の値の入力を受付ける。そして、変更機能194は、上記と同様に、優先順位が3番目であるフレームレートの設定可能範囲SRを決定する処理を行う。
本変形例によれば、優先順位の高い送信パラメータを所望の値に設定し、当該値に応じて他の送信パラメータの値を調整できる。これにより、ユーザは、より柔軟に現在の超音波プローブ101の内部温度に応じた送信パラメータの調整を行うことができる。
(変形例4)
上述の実施形態及び変形例においては、変更機能194が、送信パラメータのうち、送信電圧、フレームレート、及び走査線密度を調整する形態について説明した。しかしながら、変更機能194は、上記以外の送信パラメータの調整を行ってもよい。例えば、変更機能194は、送信パラメータとして、送信波形、フォーカス、パルス繰り返し周波数、画角等の調整を行ってもよい。
上述の実施形態及び変形例においては、変更機能194が、送信パラメータのうち、送信電圧、フレームレート、及び走査線密度を調整する形態について説明した。しかしながら、変更機能194は、上記以外の送信パラメータの調整を行ってもよい。例えば、変更機能194は、送信パラメータとして、送信波形、フォーカス、パルス繰り返し周波数、画角等の調整を行ってもよい。
例えば、送信波形を波数の多い波形に変更すると、超音波プローブ101による超音波の送信回数が増え、超音波プローブ101の発熱量は大きくなる。このため、送信波形を波数の多い波形に変更した場合、変更機能194は、送信波形以外の送信パラメータについて発熱量を抑制する方向への調整を行う。
また、例えば、フォーカスを小さくすると、超音波ビームが集束され、超音波プローブ101の発熱量は大きくなる。このため、フォーカスを小さくした場合、変更機能194は、フォーカス以外の送信パラメータについて発熱量を抑制する方向への調整を行う。
また、例えば、パルス繰り返し周波数を上昇させると、時間単位毎のパルス生成数が増えることになり、超音波プローブ101の発熱量は大きくなる。このため、パルス繰り返し周波数を上昇させた場合、変更機能194は、パルス繰り返し周波数以外の送信パラメータについて発熱量を抑制する方向への調整を行う。
また、例えば、リニア型超音波プローブを超音波プローブ101として用いる場合、画角を拡げると、より多くの素子が超音波を送信することになる。このため、リニア型超音波プローブを超音波プローブ101として用い、画角を拡げた場合、画角以外の送信パラメータについて発熱量を抑制する方向への調整を行う。
本変形例によれば、様々な送信パラメータについて調整を行うことができる。このため、ユーザは、ユーザの意向をより反映させた送信パラメータの調整を行うことができる。
以上述べた少なくとも1つの実施形態又は変形例によれば、要求される持続時間に応じて超音波の送信パラメータを柔軟に変更することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 超音波診断装置
100 装置本体
101 超音波プローブ
102 入力装置
103 ディスプレイ
110 温度センサ
120 送信回路
130 受信回路
140 Bモード処理回路
150 ドプラ処理回路
160 画像生成回路
170 画像メモリ
180 記憶回路
190 処理回路
191 制御機能
192 算出機能
193 受付機能
194 変更機能
195 提示機能
196 表示制御機能
100 装置本体
101 超音波プローブ
102 入力装置
103 ディスプレイ
110 温度センサ
120 送信回路
130 受信回路
140 Bモード処理回路
150 ドプラ処理回路
160 画像生成回路
170 画像メモリ
180 記憶回路
190 処理回路
191 制御機能
192 算出機能
193 受付機能
194 変更機能
195 提示機能
196 表示制御機能
Claims (8)
- 超音波プローブを用いた超音波走査により被検体の検査を継続して実施する時間の長さを示す検査持続時間、及び前記超音波走査に係るパラメータの何れか一方の設定情報の入力をユーザから受付ける受付部と、
入力された前記設定情報と、前記超音波プローブの内部温度を検出する温度センサで検出された前記内部温度とに基づいて、入力された前記設定情報とは異なる他方の設定情報を変更する変更部と、
を備える超音波診断装置。 - 前記受付部は、ユーザから前記設定情報の調整指示を受付け、
前記変更部は、前記調整指示に従い、変更した前記設定情報を調整する、
請求項1に記載の超音波診断装置。 - ユーザから前記設定情報の調整指示を受付けるためのインタフェースを表示部に表示させる表示制御部を更に備える、
請求項2に記載の超音波診断装置。 - 前記表示制御部は、前記設定情報の変更前に前記超音波プローブで取得された受信データに基づく第1超音波画像と、前記設定情報の変更後に前記超音波プローブで取得された受信データに基づく第2超音波画像とを、比較可能な状態で表示部に表示させる、
請求項3に記載の超音波診断装置。 - 前記超音波プローブの出力に関する安全性基準の条件を充足する状態で前記超音波プローブが継続して動作することが可能な時間を示す検査持続可能時間を算出する算出部を更に備え、
前記受付部は、ユーザから前記検査持続可能時間の算出指示を受付け、
前記算出部は、前記算出指示を受付けた時点における前記パラメータと、前記超音波プローブの内部温度とに基づいて、前記検査持続可能時間を算出し、
前記表示制御部は、前記検査持続可能時間を前記表示部に表示させる、
請求項4に記載の超音波診断装置。 - 前記受付部は、前記設定情報として前記検査持続時間の入力をユーザから受付け、
前記変更部は、入力された前記検査持続時間と、検出された前記内部温度とに基づいて、前記超音波プローブの出力に関する安全性基準を充足する範囲で前記パラメータを変更する、
請求項1に記載の超音波診断装置。 - 受付けた前記検査持続時間と、前記超音波プローブの内部の温度とに基づいて、選択可能な複数の前記パラメータを提示する提示部を更に備え、
前記受付部は、前記提示部が提示した複数の前記パラメータのうち、1の前記パラメータを選択する選択指示を受付け、
前記変更部は、前記選択指示に従い、前記パラメータを変更する、
請求項6に記載の超音波診断装置。 - 前記パラメータは、送信電圧、フレームレート、走査線密度、送信波形、フォーカス、及びパルス繰り返し周波数のうちの少なくとも一つを含み、
前記変更部は、前記パラメータに含まれた、前記送信電圧、前記フレームレート、前記走査線密度、前記送信波形、前記フォーカス、及び前記パルス繰り返し周波数のうちの少なくとも一つを調整する、
請求項1乃至7の何れか1項に記載の超音波診断装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2022131072A JP2024027897A (ja) | 2022-08-19 | 2022-08-19 | 超音波診断装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022131072A JP2024027897A (ja) | 2022-08-19 | 2022-08-19 | 超音波診断装置 |
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JP2024027897A true JP2024027897A (ja) | 2024-03-01 |
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ID=90039976
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---|---|---|---|
JP2022131072A Pending JP2024027897A (ja) | 2022-08-19 | 2022-08-19 | 超音波診断装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2024027897A (ja) |
-
2022
- 2022-08-19 JP JP2022131072A patent/JP2024027897A/ja active Pending
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