JP2024025561A - コークスの製造方法 - Google Patents

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Yusuke Doi
哲也 山本
Tetsuya Yamamoto
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Junichiro Hayashi
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Shinji Kudo
周作 浅野
Shusaku Asano
ウィバワ アディトゥヤ
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Abstract

【課題】従来の高炉プロセスでも使用可能な程度の強度を有し、且つ、低コストのバイオマス由来のコークスの製造方法を提供する。【解決手段】コークスの製造方法は、酸素供給が遮断された雰囲気中で木質系バイオマスを220℃以上330℃以下に加熱して半炭化物を得る半炭化ステップと、半炭化物と石炭とを混合して混合物を得る混合ステップと、混合物を300μm以下の粒子径に粉砕して混合粉を得る粉砕ステップと、125℃以上300℃以下の範囲の温度まで加熱した状態で、100MPa以上300MPa以下に加圧して混合粉を成型して成型物を得る成型ステップと、成型物を乾留してコークスに転換する炭化ステップと、を含む。【選択図】無し

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 1.https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.energyfuels.2c01352?ref=pdf Fu Wei・工藤 真二・浅野 周作・林 潤一郎らが、2022年6月16日付で、上記URLにおいて公開。 2.林 潤一郎が、2022年7月28日付で、第31回日本エネルギー学会大会講演要旨集において公開。 3.林 潤一郎が、2022年8月4日付で、第31回日本エネルギー学会大会において公開。 4.https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.energyfuels.2c01722?ref=pdf アディトゥヤ ウィバワ・U.P.M Ashik・工藤 真二・浅野 周作・Xianqpeng Gao・林 潤一郎らが、2022年8月5日付で、上記URLにおいて公開。
本発明は、コークスの製造方法に関する。
地球温暖化への対策として、製銑プロセスにおいても、温室効果ガスの排出量と吸収量との均衡(いわゆる、カーボンニュートラル)が要請される。製銑における高炉プロセスでは、コークスを多量に消費して二酸化炭素を排出することから、例えば高炉プロセスにおける化石燃料由来のコークスの使用量の低減が要請される。
特許文献1には、木質系バイオマスを用いたコークスの製造方法が開示されている。この製造方法では、バイオマスは、予め粉砕機で10mm以下程度に粉砕される。粉砕されたバイオマスは溶媒抽出槽に搬送され、エタノール等の溶媒を用いてバイオマスに含まれる低分子成分を溶媒抽出される。その後、加熱機で150~350℃に加熱され、成形機で加圧成形して、バイオマス成形物とされる。このバイオマス成形物は、乾留炉で乾留、炭化されてコークスとされる。
特許文献2には、複合固形燃料及び複合固形燃料の製造方法が記載されている。この複合固形燃料は、石炭粉と、バイオマス粉とを含む。複合固形燃料の製造方法の一例として、バイオマスを250℃以上500℃以下で加熱する工程と、加熱されたバイオマスを粉砕してバイオマス粉を得る工程と、バイオマス粉と、石炭粉とを混合する工程と、混合する工程で得られた混合物を、50MPa以上150MPa以下で圧縮成型する工程と、を有する製造方法が開示されている。
非特許文献1には、間接的引張強度試験法によるコークス強度(高炉用成型コークスの強度)の検討の結果が開示されている。この開示によれば、高炉プロセスで一般的に使用される商用コークスの強度は、間接引張強度で3~5MPa程度であることがわかる。
特開2004-359898号公報 特開2021-176938号公報
間接的引張強度試験法によるコークス強度の検討(I)、燃料協会誌、第54巻、第584号、1975年、P983-993、宮川亜夫ら、[令和4年6月13日検索]、インターネット<https://www.jstage.jst.go.jp/article/jie1922/54/12/54_12_983/_pdf>
しかし、高炉プロセスは製銑における中核技術である。そのため、高炉プロセスにおいて、化石燃料由来のコークスを単純にバイオマス由来のコークスに置き換えることは容易ではない。例えば、従来の高炉プロセスで一般的に使用される商用コークスの強度と同等以上の強度のコークスでなければ、従来の高炉プロセスを踏襲した製銑が困難になる場合も想定される。詳述すると、高炉で銑鉄を製造するには、高炉に鉄鉱石類とコークスとを交互に投入して層状に充填し、羽口から吹き込まれる高温の熱風でこの充填層を加熱すると共に、主にコークスから発生したCOガスで鉄鉱石類を還元し溶製することが必要である。こうした高炉の操業を安定して行なうには、炉内の充填層での通気性や通液性の確保が必要である。例えばコークスの強度が低いと、充填層でコークスがその形状を維持できず、充填層での通気性や通液性が損なわれる場合がある。そのため、充填層での通気性や通液性を確保すべく所定の強度を有するコークスの使用が必要となる。また、経済的側面で見ると、従来の高炉プロセスで一般的に使用される商用コークスに対する製造工程の大きなコストアップは受け入れがたい。そのため従来の高炉プロセスでも使用可能な程度の強度を有し、且つ、低コストのバイオマス由来のコークスの製造方法の提供が望まれる。
本発明は、かかる実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、従来の高炉プロセスでも使用可能な程度の強度を有し、且つ、低コストのバイオマス由来のコークスの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係るコークスの製造方法は、
酸素供給が遮断された雰囲気中で木質系バイオマスを220℃以上330℃以下に加熱して半炭化物を得る半炭化ステップと、
前記半炭化物と石炭とを混合して混合物を得る混合ステップと、
前記混合物を300μm以下の粒子径に粉砕して混合粉を得る粉砕ステップと、
125℃以上300℃以下の範囲の温度まで加熱した状態で、100MPa以上300MPa以下に加圧して前記混合粉を成型して成型物を得る成型ステップと、
前記成型物を乾留してコークスに転換する炭化ステップと、を含む。
上記目的を達成するための本発明に係るコークスの製造方法は、
酸素供給が遮断された雰囲気中で木質系バイオマスを220℃以上330℃以下に加熱して半炭化物を得る半炭化ステップと、
前記半炭化物を300μm以下の粒子径に粉砕して半炭化物粉を得る半炭化物粉砕ステップと、
前記半炭化物粉と300μm以下の粒子径の石炭粉とを混合して混合粉を得る粉末混合ステップと、
125℃以上300℃以下の範囲の温度まで加熱した状態で、100MPa以上300MPa以下に加圧して前記混合粉を成型して成型物を得る成型ステップと、
前記成型物を乾留してコークスに転換する炭化ステップと、を含む。
上記目的を達成するための本発明に係るコークスの製造方法は、
酸素供給が遮断された雰囲気中で木質系バイオマスを220℃以上330℃以下に加熱して半炭化物を得る半炭化ステップと、
前記半炭化物を300μm以下の粒子径に粉砕して半炭化物粉を得る半炭化物粉砕ステップと、
125℃以上300℃以下の範囲の温度まで加熱した状態で、100MPa以上300MPa以下に加圧して前記半炭化物粉を成型して成型物を得る成型ステップと、
前記成型物を乾留してコークスに転換する炭化ステップと、を含む。
従来の高炉プロセスでも使用可能な程度の強度を有し、且つ、低コストのバイオマス由来のコークスの製造方法を提供することができる。
杉のバイオマス及びその半炭化物を粉砕した粉末の粒度分布である。 半炭化物の構成成分を示すグラフである。 実施例1の各成型物の強度と半炭化処理温度との関係を示すグラフである。 実施例1のコークスの強度と半炭化処理温度との関係を示すグラフである。 実施例1のコークスの強度と成型温度との関係を示すグラフである。 実施例1のコークスの強度と乾留温度との関係を示すグラフである。 実施例1のコークス(半炭化処理温度が225℃の場合)の破断面のSEM写真である。 実施例1のコークス(半炭化処理温度が250℃の場合)の破断面のSEM写真である。 実施例1のコークス(半炭化処理温度が275℃の場合)の破断面のSEM写真である。 実施例1のコークス(半炭化処理温度が300℃の場合)の破断面のSEM写真である。 実施例2のコークス(半炭化処理温度が250℃で、石炭Aを配合)の強度と配合比との関係を示すグラフである。 実施例2のコークス(半炭化処理温度が275℃で、石炭Aを配合)の強度と配合比との関係を示すグラフである。 実施例2のコークス(半炭化処理温度が300℃で、石炭Aを配合)の強度と配合比との関係を示すグラフである。 実施例2のコークス(半炭化処理温度が250℃で、石炭Bを配合)の強度と配合比との関係を示すグラフである。 実施例2のコークス(半炭化処理温度が275℃で、石炭Bを配合)の強度と配合比との関係を示すグラフである。 実施例2のコークス(半炭化処理温度が300℃で、石炭Bを配合)の強度と配合比との関係を示すグラフである。 実施例3のコークス(半炭化処理温度が250℃で、石炭Aを配合)の強度と配合比との関係を示すグラフである。 実施例3のコークス(半炭化処理温度が275℃で、石炭Aを配合)の強度と配合比との関係を示すグラフである。 実施例3のコークス(半炭化処理温度が300℃で、石炭Aを配合)の強度と配合比との関係を示すグラフである。
図面を参照しつつ、本発明の実施形態に係るコークスの製造方法について説明する。
(第一実施形態)
本実施形態に係るコークスの製造方法(以下、単に本実施形態に係る製造方法と称する場合がある)では、木質系バイオマスと石炭とを原料としてコークスを製造する。
まず、本実施形態に係る製造方法の概要を説明する。本実施形態に係る製造方法は、酸素供給が遮断された雰囲気中で木質系バイオマスを220℃以上330℃以下に加熱して半炭化物を得る半炭化ステップと、半炭化物と石炭とを混合して混合物を得る混合ステップと、混合物を300μm以下の粒子径に粉砕して混合粉を得る粉砕ステップと、125℃以上300℃以下の範囲の温度まで加熱した状態で、100MPa以上300MPa以下に加圧して混合粉を成型して成型物を得る成型ステップと、成型物を乾留してコークスに転換する炭化ステップと、を含む。
本実施形態に係る製造方法では、従来の高炉プロセスでも使用可能な程度の強度を有し、且つ、低コストのバイオマス由来のコークスの製造方法を提供することができる。以下、本実施形態に係る製造方法について詳述する。
本実施形態におけるコークスの強度とは、非特許文献1に記載された方法で測定した冷間での間接引張強度のことである。以下では、この方法で測定した強度を、単に強度と称する。以下の説明では、従来の高炉プロセスでも使用可能な程度の強度を有するコークスのことを、高強度のコークスと称する場合がある。また、従来の高炉プロセスでも使用可能な程度の強度をコークスが有する場合、コークスの強度が高い、などと説明する場合がある。本実施形態における高炉プロセスで一般的に使用可能な強度を有するコークスとは、引張強度が3MPa以上の高強度のコークスのことである。
半炭化ステップは、木質系バイオマスを半炭化して木質系バイオマスの半炭化物を得るステップである。以下では、木質系バイオマスの半炭化物を、単に半炭化物と称する。半炭化とは、木質系バイオマスのような動植物から生まれた有機性の資源を所定の温度(本実施形態では、220℃以上330℃以下)で熱分解して、炭素成分が多く単位質量あたりの熱量の大きな固形物、すなわち、半炭化物にすることである。半炭化は、焙焼又はトレファクションと称される場合もある。以下では、木質系バイオマスを半炭化することを、半炭化処理と称する。なお、半炭化処理は、さして大きな処理コストを要するものではなく、安価なものである。
木質系バイオマスは、半炭化されることにより、上記のような熱量の増大の効果のみならず、後述する粉砕処理における粉砕性と成型処理における成型性を向上させる効果も得ることができる。詳細は後述する。
木質系バイオマスとは、杉、マツやヒノキ等の針葉樹やケヤキ、シラカバ等の広葉樹等の木材からなる資源であり、木材の部位は限定されない。木質系バイオマスには、建築材や製紙用途で利用された後の廃材や林地残材等の未利用部位も含まれる。木質系バイオマスの具体例は、おが粉である。
木質系バイオマスは、半炭化処理を行う際の大きさは特に限定するものではなく、取り扱い、例えば、半炭化処理で支障が出ない程度の大きさであればよい。木質系バイオマスは、必要に応じて破砕したものを用いるとよい。木質系バイオマスは、一例として50mm以下の大きさに破砕したものであってよい。木質系バイオマスは、おが粉程度の大きさ(例えば、3mm以下)でも良い。木質系バイオマスの大きさは、目視と定規による計測や、篩による計測で評価してよい。
木質系バイオマスは、予め乾燥(予備乾燥)されていることが好ましい。これにより、後の半炭化ステップの処理時間及び消費エネルギーを低減することができる。木質系バイオマスの含水率は、乾量基準で30(wt%db)以下が好ましく、15(wt%db)以下であるとさらに好ましい。以下では、木質系バイオマスを、単にバイオマスと称する場合がある。
半炭化処理は、酸素供給が遮断された雰囲気中、例えば空気の流入が阻害され、不活性ガスが通流される空間を形成する容器にバイオマスを収容した状態で行う。半炭化処理は、バイオマスを収容した容器を加熱し、当該容器からの伝熱によってバイオマスを220℃以上330℃以下に加熱するような操作によって行うことができる。以下では、半炭化処理における加熱温度を、単に半炭化処理温度と称する。
より高い強度を有するコークスを製造する観点では、半炭化処理温度は、250℃以上300℃以下とすることが好ましい。通常、半炭化処理における熱分解反応の反応速度は速いため、反応完了に要する時間は短い。したがって、半炭化処理に必要な処理時間は、1分以上である。半炭化処理の処理時間は、好ましくは10分以上とするとよい。これにより、バイオマスの温度と容器の温度差がなくなり、バイオマス全体を均質に半炭化することができる。また、バイオマス全体の温度を確実に半炭化処理温度均等まで高めて(すなわち、むらなく加熱して)半炭化処理を行うことが可能となり、半炭化物の品質ばらつきを抑制することができる。半炭化処理時間の上限は特に定めるものではないが、処理時間が長すぎると所要エネルギーが増加し、コストが増加するため好ましくなく、60分以下が好ましい。なお、半炭化処理の処理時間とは、所定の半炭化処理温度に到達した時点から、当該半炭化処理温度で保持された時間のことである。
半炭化処理は、例えば、電気炉、ロータリーキルン、流動層加熱炉、スクリュー式加熱炉、シャフト炉、乾留炉などの加熱装置を用いて行える。
混合ステップは、半炭化物と石炭とを混合して混合物を得るステップである。以下では半炭化物と石炭との混合物を、単に混合物と称する。
石炭の種類は限定するものではないが、本実施形態における石炭には、元素分析値による炭素の元素組成の重量基準の百分率(wt%daf)が70%以上95%以下である亜瀝青炭、瀝青炭及び半無煙炭を用いた。石炭の粒度は、後の混合処理に支障が出ない程度の大きさであればよい。石炭は、必要に応じて破砕してよい。石炭の粒子径は、例えば、3mm以下でも良い。石炭の粒子径は、半炭化物の粒子径に近しいものとすることが好ましい。これにより、半炭化物と石炭との混合が容易になる。半炭化物の粒子径に対する石炭の粒子径の比率は、好ましくは75%以上150%以下である。
半炭化物と石炭との配合割合(混合割合、以下、単に割合と称する場合がある)は、熱量、炭素量、比重又は所望の強度などの、製造すべきコークスの要求特性に応じて変更してよい。例えば、コークスの炭素量を増大させたい場合は、石炭の割合を高めることが好ましい。カーボンニュートラルの観点からは、コークス中にバイオマス由来の炭素量を増加させることが好ましいため、半炭化物の割合を高めることが好ましい。混合物における半炭化物の配合割合は、1質量%以上が好ましく、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは40質量%以上である。
半炭化物と石炭との混合方法や混合装置は、特に限定されない。混合物の混合状態は、ある程度均一であることが好ましい。これにより、後述する成型物やコークスの強度が向上する場合がある。本実施形態では、混合ステップ後に粉砕ステップが行われるため、混合ステップにおける混合の均一性は、粉砕ステップでの取り扱いに支障が出ない程度でよい。
半炭化物と石炭との混合方法や混合装置は、保管場所に積み上げた状態でのシャベルやクレーンバケットでの混合や配合槽のような定量切り出し装置を備えたホッパーからベルトコンベヤー上に半炭化物と石炭とを落とし込んでの混合でも良い。また、混合物の均一性を高めるために、粉体用の混合装置を利用してもよい。
粉砕ステップは、混合物を300μm以下の粒子径の粉末状に粉砕処理するステップである。以下では、粉砕された混合物の粉末を単に混合粉と称する。混合粉は、半炭化物が粉砕された半炭化物粉と、石炭が粉砕された石炭粉との混合粉である。
本実施形態に係る製造方法では、上記のごとく、混合粉の粒子径は300μm以下とする。なお、本願における粒子径は、特に記載のない場合、最大粒子径を意味する。粒度分布測定装置で測定する場合は、次のようにして最大粒子径を測定することができる。
混合粉の粒子径及び粒度分布は、市販の粒度分布計測装置を用いて計測した値を用いてよい。本実施形態では、Malvern Panalytical社製の画像式粒度分布測定装置「Morphologi 4」(以下、単に粒度分布計測装置と称する)を使用し、55,000~74,000個の粒子の画像を装置に内蔵された顕微鏡で取得し、装置に付属のソフトウェアによる画像解析により求めた円相当粒子径(投影面積円相当径)に基づく粒子径及び粒度分布を用いる。すなわち、混合粉中に含まれる粒子を粒度分布計測装置で計測した粒度分布の粒子の小さい方から積算して95%となる粒子径を最大粒子径(最大値)とする。本願において、特に説明のない場合は、粒子径は最大粒子径を示す。以下では、単に粒子径又は粒度分布などと記載した場合は、上記の粒度分布計測装置で計測した値のことを意味するものとする。また、粒子の大きい方から積算して95%となる粒子径を最小粒子径(最小値)とする。また、粒度分布における、最小粒子径と最大粒子径とを示す場合に、これを粒度分布の幅と称し、「(最小値)~(最大値)」のように示す場合がある。また、本実施形態に係る製造方法に関する説明における、混合粉以外の粉末の粒子径及び粒度分布について説明する場合にも、上記の混合物の場合と同様の用語、用法、用例又は意味合いで説明する。
混合粉中に300μmを超える粒子径の粗粒が含まれると、この粗粒が成型物又はコークス中に残存して成型物又はコークスの強度を低下させる場合がある。成型物又はコークス中における粗粒周辺に欠陥が形成されやすくなるためである。
本実施形態に係る製造方法では、混合粉の粒子径は、好ましくは100μm以下である。混合粉の粒子径が適度に小さいことで、成型物又はコークス中の物理的構造が緻密で均質になり、コークスの強度上昇に寄与する。なお、適切な成型が行われている場合、混合粉の粒子径は、細かければ細かいほど成型物やコークスの強度が向上するため好ましい。このため、混合粉の最小粒子径は限定するものではない。ただし、粒子径を過度に小さくすると、成型が困難となり、成型物の嵩密度が低下することで、かえってコークスの強度が低下する場合もある。なお、生産性も考慮すると、混合粉の粒子径を小さくする場合であっても、その混合粉中に含まれる粒子の最大粒子径を20μm未満とすることは、成型コストがあがるが、成型後の性能の向上は見られず、むしろ成型しにくくなるという問題も発生する可能性がある。このため、最大粒子径は20μm以上とすれば従来の高炉プロセスでの使用に十分に足りる強度のコークスを製造することができる。なお、混合粉の最小粒子径は特に限定するものではない。
混合物の粉砕方法又は粉砕装置は特に限定されない。混合物の粉砕装置として、カッターミル、ハンマーミル、ピンミル、ジェットミル、ボールミルなどの媒体ミルなどを使用してよい。粉砕装置は、粉砕のみ行う装置に限られず、例えば分級機内蔵型粉砕機を用いてもよい。
本実施形態では、混合物において木質系バイオマスが半炭化されているため、木質系バイオマスと石炭との混合物を粉砕する場合に比べて、粉砕性が向上されている。なお、粉砕性が向上する、とは、同一の粉砕エネルギーで粉砕処理できる混合物の処理量が多い、又は、同一の粉砕エネルギーで粉砕した混合粉の粒子径が小さいことをいう。すなわち、木質系バイオマスを半炭化することで、粉砕性を向上させて低コスト化することができる。
図1には、杉のバイオマスと杉のバイオマスの半炭化物とをそれぞれ同一の粉砕条件で粉砕した場合の粉末の粒度分布(体積基準)を参考例として示している。杉のバイオマスの半炭化物は、半炭化処理温度を、225℃から325℃まで変化させた場合を示している。図1に示すように、杉のバイオマスと比べて半炭化物のほうがより細かく粉砕されている。また、半炭化物においては、225℃から325℃までの半炭化処理温度においては、半炭化温度が上昇するほどより細かく粉砕されている。このように、半炭化することで、粉砕性を向上させて低コスト化することができる。
粉砕処理においては、その原理上撹拌現象が生じるため、混合物を粉砕処理することにより混合粉の混合の均一性は自然に向上する。
成型ステップは、混合粉を加圧成型(圧縮成型)して成型物を得るステップである。成型ステップでは、混合粉を125℃以上300℃以下の範囲の温度まで加熱した状態で、100MPa以上300MPa以下に加圧して成型する。成型ステップで行う混合粉の成型は、いわゆる熱間成型である。以下では、成型ステップにおける混合粉の加熱温度を、成型温度と称する。また、成型ステップにおいて混合粉に加えられる圧力を、成型圧力と称する。
混合粉を上記の温度範囲に加熱することで、すなわち、成型温度を上記温度範囲とすることで、混合粉の中の半炭化物粉や石炭粉の粒子の可塑性が向上する。このように混合粉の可塑性が向上した状態で加圧することで、半炭化粉及び石炭粉の変形及び接着が十分に起こり、高強度な成型物の製造が可能となる。なお、本実施形態に係る製造方法における成型物の強度は、コークスの強度と同様に評価する。
なお、成型温度が125℃未満になると、混合粉を十分に可塑化できない場合がある。この場合、高強度の成型物を製造できない場合がある。逆に成型温度が300℃を超える場合には、熱分解によりガスが生じて成型の妨げになる場合がある。また、成型時に炭化が進行して熱可塑性を失い、その結果、成型物の強度が低下する場合がある。
ところで、本実施形態に係る製造方法における成型物の強度が十分高い場合には、その成型物の密度も十分に高い。密度の低い成型物においては、内部の粒子間距離が大きく、また、粒子間の接点数が少ない疎な内部構造となるため、成型物の強度は低下する。換言すれば、成型物の密度を高めると、成型物の強度を高めることができる。
成型圧力は、高いほど成型物の密度が高まり、これに伴い、炭化後のコークスの強度も高まる。成型圧力が100MPa以上では、密度向上又は強度向上の効果は飽和する。これにより、成型物の品質(密度や強度)が安定したものとなる。したがって、成型圧力は、100MPa以上とする。成型圧力が100MPa未満になると、高強度の成型物を得ることができない場合がある。
しかしながら、成型圧力が300MPaを超えると、成型後の残留応力が大きくなり、成型物に反発割れのような成型不良が生じる恐れがある。このため、成型物の強度が低下する場合がある。したがって、成型圧力は、300MPa以下とする。
混合粉の加圧成型方法又は加圧成型装置は特に限定されない。混合粉の加圧は、機械的な圧縮、すなわち、金型や圧縮ロールのような壁体で囲われた空間内に混合粉を収容し、当該壁体を介した圧縮による加圧としてよい。加圧成型装置としては、ペレタイザー、ダブルロール成型機、押出成型機などを使用できる。ダブルロール成型機を例示して説明すると、圧縮ロールのダイキャビティー中で、ロールによる機械的な作用で、加圧(圧縮)成型することができる。
成型ステップでは、混合粉を上述の成型温度まで加熱してから加圧して成型する。より適切に成型物を得るためには、成型機の粉接部分(混合粉を収容して成型する空間を形成する壁体の部分、ダブルロール成型機押出成型機の場合には圧縮ロール)を加熱し、原料の温度を上述の成型温度に維持することが望ましい。これにより、成型不良を回避することができる。
炭化ステップは、成型物を乾留して炭化し、コークスに転換するステップである。
成型物の乾留は、酸素供給が遮断された雰囲気中で行う。成型物の乾留は、例えば、空気の流入が阻害され、不活性ガスが通流された空間内で行ってよい。
成型物の乾留は、500℃以上1250℃以下の温度まで成型物を加熱して行ってよい。成型物を乾留する際の到達温度のことを、以下では乾留温度と称する。
乾留温度を500℃以上とすることで、高強度のコークスを製造することができる。乾留温度は、900℃以上1250℃以下とするとよい。乾留温度は、好ましくは900℃以上1100℃以下とするとよい。これにより、より高強度のコークスを製造することができる。
乾留時のエネルギー消費を低減して低コスト化する観点からは、乾留温度を、500℃以上900℃以下、好ましくは500℃以上800℃以下としてもよい。これにより、高強度のコークスの製造と、低コスト化とを実現することができる。
なお、乾留温度が1250℃を超えると、成型物においてヘテロ元素の脱離などが生じ、コークスの強度が低下する。
乾留温度に到達するまでの昇温速度は、30℃/min以下とすることが好ましい。昇温速度を30℃/min以下とすることで、コークスの強度低下を回避することができる。
乾留は、例えば燃焼室と炭化室の組合せたコークス炉、ロータリーキルン、電気炉、シャフト炉、乾留炉などを用いて行える。コークス炉の場合は、炭化室に収容された成型物を、所定の昇温計画に従って、昇温速度が30℃/min以下となるように制御し、且つ、乾留終了時点以前に500℃以上1250℃以下の乾留温度に到達するように制御して成型物を乾留してコークスを製造することができる。
以上のようにして、従来の高炉プロセスでも使用可能な程度の強度を有し、且つ、低コストのバイオマス由来のコークスの製造方法を提供することができる。
(第二実施形態)
第二実施形態は、第一実施形態のごとく混合物を得てからこれを粉砕して混合粉を得る方法に代えて、半炭化物を粉砕して半炭化物粉を得て、これを石炭粉と混合することで混合粉を得る点で第一実施形態と異なり、その他は第一実施形態と概ね同じである。以下では、第一実施形態との相違点を中心に説明し、共通部分については適宜説明を省略する。第二実施形態に係るコークスの製造方法を、以下、単に本実施形態に係る製造方法と称する場合がある。
まず、本実施形態に係る製造方法の概要を説明する。本実施形態に係る製造方法は、酸素供給が遮断された雰囲気中で木質系バイオマスを220℃以上330℃以下に加熱して半炭化物を得る半炭化ステップと、半炭化物を300μm以下の粒子径に粉砕して半炭化物粉を得る半炭化物粉砕ステップと、半炭化物粉と300μm以下の粒子径の石炭粉とを混合して混合粉を得る粉末混合ステップと、125℃以上300℃以下の範囲の温度まで加熱した状態で、100MPa以上300MPa以下に加圧して混合粉を成型して成型物を得る成型ステップと、成型物を乾留してコークスに転換する炭化ステップと、を含む。
なお、本実施形態に係る製造方法における半炭化ステップ、成型ステップ及び炭化ステップは、第一実施形態のものと同じである。
本実施形態に係る製造方法では、従来の高炉プロセスでも使用可能な程度の強度を有し、且つ、低コストのバイオマス由来のコークスの製造方法を提供することができる。以下、本実施形態に係る製造方法について詳述する。
より高い強度を有するコークスを製造する観点では、半炭化処理温度は、240℃以上310℃以下とすることが好ましい。
半炭化物粉砕ステップは、半炭化物を300μm以下、好ましくは100μm以下の粒子径の粉末状に粉砕処理するステップである。以下では、粉砕された半炭化物の粉末を単に半炭化物粉と称する。半炭化物粉砕ステップは、混合粉の粒子径を300μm以下とするために行う。混合粉については、第一実施形態の場合と同じである。また、半炭化物粉の粒子径に関する各種の要件や態様、粉砕方法や装置は、第一実施形態における混合粉の粒子径に関する各種の要件や態様に関する説明と同じである。
粉末混合ステップは、半炭化物粉と、300μm以下、好ましくは100μm以下の粒子径の石炭粉とを混合して混合粉を得るステップである。石炭粉として300μm以下の粒子径のものを用いるのは、上述のごとく混合粉の粒子径を300μm以下とするためである。
石炭粉は、石炭を粉砕したものを用いてよい。石炭粉は、購入品でもよいし、石炭を300μm以下の粒子径に粉砕して石炭粉を得る石炭粉砕ステップにより製造した物を用いてもよい。石炭粉の粒子径に関する各種の要件や態様、粉砕方法や装置は、第一実施形態における混合粉の粒子径に関する各種の要件や態様に関する説明と同じである。
半炭化物粉と石炭粉との混合方法や混合装置は、300μm以下の粉末の混合に適したものであれば特に限定されない。混合粉の混合状態は、均一であることが好ましい。これにより、後述する成型物やコークスの強度が向上する場合がある。半炭化物の石炭との混合方法や混合装置としては、回転力を利用したもの、せん断力を利用したものなどがあげられる。短時間により高い混合能力を得る観点からは、半炭化物の石炭との混合方法や混合装置として、せん断力を利用した混合装置が好ましい。回転力を利用した混合装置としては、自転しつつ公転するスクリュー式の撹拌機を備えた円錐型混合機や、底部に回転する撹拌翼を備えた混合機V型ブレンダ、流路中に複数のねじれた邪魔板を配置したスタティックミキサが例示できる。また、せん断力を利用した混合装置としては、混合物に強力なせん断速度を与え、せん断混合を促進する高速回転羽根(チョッパー)を備えたアイリッヒミキサ、アペックスミキサ、レーディゲミキサ等が例示できる。
本実施形態に係る製造方法は、半炭化物粉砕ステップ又は石炭粉砕ステップを行う場所や事業所と、粉末混合ステップを行う場所や事業所とが異なる場合に、第一実施形態に係る製造方法と比べて有利となる場合がある。
以上のようにして、従来の高炉プロセスでも使用可能な程度の強度を有し、且つ、低コストのバイオマス由来のコークスの製造方法を提供することができる。
(第三実施形態)
第三実施形態は、第二実施形態のごとく木質系バイオマスと石炭とからコークスを得る方法に代えて、木質系バイオマスのみを原料としてコークスを製造し、粉末混合ステップを含まず、成型ステップにおいては、混合粉に代えて半炭化物粉を成型して成型物を得て、更に炭化ステップにおいては半炭化物粉のみで形成された成型物を乾留してコークスに転換する点で第二実施形態と異なり、その他は第二実施形態と概ね同じである。以下では、第二実施形態との相違点を中心に説明し、第一実施形態又は第二実施形態との共通部分については適宜説明を省略する。第三実施形態に係るコークスの製造方法を、以下、単に本実施形態に係る製造方法と称する場合がある。
まず、本実施形態に係る製造方法の概要を説明する。本実施形態に係る製造方法は、酸素供給が遮断された雰囲気中で木質系バイオマスを220℃以上330℃以下に加熱して半炭化物を得る半炭化ステップと、半炭化物を300μm以下の粒子径に粉砕して半炭化物粉を得る半炭化物粉砕ステップと、125℃以上300℃以下の範囲の温度まで加熱した状態で、100MPa以上300MPa以下に加圧して半炭化物粉を成型して成型物を得る成型ステップと、成型物を乾留してコークスに転換する炭化ステップと、を含む。
なお、本実施形態に係る製造方法における半炭化ステップ及び半炭化物粉砕ステップ及び炭化ステップは、第二実施形態のものと同じである。
より高い強度を有するコークスを製造する観点では、半炭化処理温度は、240℃以上310℃以下とすることが好ましい。
本実施形態に係る製造方法における成型ステップは、半炭化物粉のみを成型して成型物を得る点で第一及び第二実施形態の成型ステップとは異なるが、それ以外の点では第一及び第二実施形態の成型ステップに準ずる。
本実施形態に係る製造方法における炭化ステップは、乾留する成型物が半炭化物粉のみで形成されたものである点で第一及び第二実施形態の炭化ステップとは異なるが、それ以外の点では第一及び第二実施形態の炭化ステップに準ずる。
以上のようにして、従来の高炉プロセスでも使用可能な程度の強度を有し、且つ、低コストのバイオマス由来のコークスの製造方法を提供することができる。
以下では、本実施形態を実施例に基づいて説明する。なお、本実施形態は以下の実施例に限定されない。
(実施例1)
木質系バイオマスとして杉のバイオマスを用い、実施例1のコークスを製造した。
半炭化処理を行う加熱装置として、電気加熱式の加熱炉を用いた。加熱炉の炉内には、不活性ガスを流通させて、炉内への酸素供給を遮断した。加熱炉の炉内にバイオマスを仕込み、所定の半炭化処理温度まで昇温させ、その後、その所定の半炭化処理温度で60分間保持して半炭化物を得た。なお、所定の半炭化処理温度としては、225℃、250℃、275℃、300℃及び325℃を採用した。
図2には、半炭化物の構成成分を示すグラフを示している。図2のグラフ中、凡例の「未処理」の系列は半炭化処理していないバイオマスを示し、グラフ中の凡例の「T225」から「T325」の系列はそれぞれ、半炭化処理温度が225℃、250℃、275℃、300℃及び325℃の半炭化物の結果を示している。図2のグラフ中、含有率は、原料質量基準(バイオマスの質量を1とした値)であり、各温度におけるグラフの棒の高さは原料(バイオマス)に対する半炭化物の歩留りである。図2に示すように、半炭化処理温度が300℃以上では、セルロース及びヘミセルロース(以下、包括してセルロース類と称する)が大きく減少している。
次に、10gの半炭化物を粉砕して半炭化物粉を得た。粉砕処理には、カッターミル(メーカー:大阪ケミカル株式会社、型式:WB-1)又はボールミル(メーカー:日陶科学株式会社、型式:ANZ-61S)を用いた。
カッターミルでの粉砕処理時間は、1分間とした。カッターミルで粉砕処理した半炭化物粉の粒度分布の幅は5μm~100μmであった。ボールミルでの粉砕処理時間は、10時間又は20時間とした。ボールミルで10時間粉砕処理した半炭化物粉の粒度分布の幅は2μm~40μmであった。ボールミルで20時間粉砕処理した半炭化物粉の粒度分布の幅は1μm~20μmであった。なお、ボールミルでの粉砕には、カッターミルで粉砕処理した半炭化物粉を供した。
次に、半炭化物粉を成型した。成型には、1軸成型の熱間成型機を用いた。ダイの内径は約14mmである。例えば200℃に加熱した半炭化物粉をダイに所定量を仕込み、パンチで例えば128MPaの圧力をダイに仕込まれた半炭化物粉に加えて成型物を得た。すなわち、例えば成型温度200℃で成型圧力を128MPaとして、成型物を得た。なお、成型時には、例えばダイの金型の温度を所定の成型温度(例えば200℃)で保持している。成型物は、直径が約14mm、厚さ約5mmのディスク状(円筒状)形状である。
図3には、実施例1の各成型物の強度(冷間での間接引張強度)と半炭化温度との関係を示すグラフ(ただし、成型物の成型圧は128MPaで、成型温度は200℃としたものである。)を示している。図3中、「CM」はカッターミルで粉砕処理した半炭化物粉を用いた成型物を示す。また、「MB10h」及び「MB20h」はそれぞれ、ボールミルで粉砕処理した半炭化物粉を用いた成型物であって、粉砕処理時間が10時間のもの及び20時間のものを示している。
図3のグラフでは、半炭化処理温度が275℃以下の場合に、成型物の強度について温度依存性がほとんど観察されない。275℃を超えると、成型物の強度は低下する傾向にある。
図3のグラフに示すように、実施例1の各成型物のうち、275℃以下の半炭化温度で処理されたものの強度は5~9MPaであり、300℃以上の半炭化温度で処理されたものの強度(1~4MPa)に比べて有意に高い。300℃の半炭化温度で処理されたものの強度は、3~3.5MPaである。図3のグラフに示す結果より、半炭化温度が220℃以上300℃以下であれば、成型物の強度が3MPa以上となることがわかる。また、図3のグラフに示す結果より、半炭化温度が220℃以上280℃以下であれば、成型物の強度が5MPa以上となり、特に高強度なものとなることがわかる。
なお、図3には示さないが、粒子径が100μm以下となるようにカッターミルで粉砕したバイオマス粉(半炭化処理を行っていないもの)を上記同様の成型温度及び成型圧力で成型して得た成型物(以下、比較例1の成型物と称する)の強度は3.2MPaであり、半炭化処理を行った方が高強度を示した。上記のように、半炭化温度が300℃の場合、成型物の強度は低下するが、その強度は、半炭化処理が行われない場合(比較例1の成型物)と同等である。半炭化温度が275℃以下の場合、成型物の強度は半炭化処理が行われない場合(比較例1の成型物)と比べて有意に高い。
図2のグラフに示す結果を加味すると、半炭化物中のセルロース類の残存量が成型物の成型性に影響を及ぼしていると考えられる。すなわち、高強度の成型物を形成するためには、セルロース類の損失が少ない半炭化温度(275℃以下)を採用すればよい。また、高強度コークスを製造するためには、セルロース類の損失が少ない半炭化温度(275℃以下)を採用することが好ましいと考えられる。成型物の強度が高ければ、炭化処理前の成型物の摩滅や粉化が抑制されるため、成型物から製造されるコークスの形状や物性が均質になることが期待されるためである。
このように、半炭化処理によって、半炭化処理を行わない場合よりも強度の高い成型物を得ることができた。
次に、上述の成型物を乾留して炭化し、コークスを製造した。
成型物の乾留には、電気加熱式の加熱炉を用いた。乾留温度は、特記したもの以外は1000℃とした。加熱炉の炉内には不活性ガスを流通させて、炉内への酸素供給を遮断した。加熱炉の炉内に上述の成型物を仕込み、昇温速度3℃/minで、特記したもの以外は1000℃まで昇温してコークスを製造した。
図4には、実施例1のコークスの強度と半炭化処理温度との関係を示すグラフ(ただし、成型物の成型圧は128MPaで、成型温度は200℃としたものである。また、乾留温度は1000℃で、昇温速度は3℃/minとしたものである。)を示している。図4のグラフ中、凡例の「CM」の系列はカッターミル粉砕品を用いたコークスを示す。また、図4中、凡例の「MB10h」及び「MB20h」の系列はそれぞれ、ボールミル粉砕品を用いたコークスであって、粉砕処理時間が10時間のもの及び20時間のものを示している。
図4のグラフに示すように、いずれのコークスも、強度が5MPaを超える高強度のコークスであった。
図4のグラフに示すように、コークスの強度は、半炭化処理と半炭化物粉の粒子径又は粒度分布(粉砕の条件)とに依存している。コークスの強度は、半炭化物粉の粒子径が小さいほど高い。コークスの強度は、半炭化処理温度を275℃とした場合に最も高くなる。なお、半炭化処理温度を275℃とした場合のコークスの強度は17~32MPaであった。
なお、比較例1の成型物を上記と同様に乾留して得たコークス(以下、比較例1のコークスと称する)の強度は、4.7MPaであり、高強度を示したものの、実施例1の半炭化処理を行った各コークスのいずれよりも低い強度であった。
図5には、実施例1のコークスの強度と成型温度との関係を示すグラフを示している。図5のグラフ中の凡例の「T225」から「T300」の系列はそれぞれ、半炭化処理温度が225℃、250℃、275℃及び300℃の半炭化物を用いたコークス(ただし、カッターミル粉砕品を用いたコークス)の結果を示している。成型温度とコークスの強度との関係の評価は、各半炭化物について成型温度の異なるコークスを製造し、それぞれの強度を評価することにより行った。成型温度の異なるコークスは、上述のカッターミル粉砕品を用いて製造した。
図5より、何れの半炭化処理温度で作製した半炭化物粉を原料とした場合でも、成型温度の上昇に伴い、コークス強度が向上することが分かる。また、グラフより、成型温度が125℃以上であれば、コークスとして必要な強度を有していることがわかる。
図6には、実施例1のコークスの強度と乾留温度との関係を示すグラフを示している。図6のグラフ中の凡例の「T225」から「T300」の系列はそれぞれ、半炭化処理温度が225℃、250℃、275℃及び300℃の半炭化物を用いたコークス(ただし、カッターミル粉砕品を用いたコークス)の結果を示している。乾留温度とコークスの強度との関係の評価は、各半炭化物について乾留温度の異なるコークスを製造し、それぞれの強度を評価することにより行った。乾留温度の異なるコークスは、上述のカッターミル粉砕品を用いた成型物を昇温速度3℃/minでそれぞれの乾留温度まで昇温して製造した。
図6に示すグラフより以下のことがわかる。半炭化処理温度が225℃、250℃、275℃及び300℃のいずれの場合も、乾留温度が300℃以上でコークスの強度は4MPaを超えている。半炭化処理温度が225℃、250℃、275℃及び300℃のいずれの場合も、乾留温度が500℃以上であれば5MPaを超える強度のコークスを得ることができる。半炭化処理温度が225℃、250℃、275℃及び300℃のいずれの場合も、乾留温度が400℃以上500℃以下のコークスの強度は、約5MPaである。
また、図6に示すグラフより以下のこともわかる。乾留温度が500℃以上1000℃以下では、半炭化処理温度がコークスの強度に影響を与える。乾留温度が500℃以上1000℃以下の場合には、乾留温度が275℃である場合に、コークスの強度が最も高くなる。また、図6に示すグラフより以下のこともわかる。コークスの強度の増大は500℃以上で始まり、乾留温度が1000℃に到達するまで単調増加し、乾留温度が高いほど高強度を達成している。これを考慮すると、本実施形態においても、少なくとも、通常行われる乾留温度を適用することができる。上限は特に定めるものではないが、乾留温度は、成型物においてヘテロ元素の脱離などが生じ、コークスの強度が低下することがわかっている1250℃以下とすることが好ましい。
また、図6に示すグラフでは、上述のごとく、乾留温度が1000℃に至るまで、コークスの強度が単調増加している。これを考慮すると、適切な乾留温度の上限は、低くても1100℃であり、1250℃でも十分適切な乾留を行え、且つ、高強度のコークスを製造することができると考えられる。すなわち、図6に示すグラフより、乾留温度を500℃以上1250℃以下とすることで、高強度のコークスを製造することができるといえる。また、図6のグラフによれば、特に、乾留温度を900℃以上1100℃以下とすることで、より高強度のコークスを製造することができるといえる。
乾留時のエネルギー消費を低減して低コスト化する観点からは、図6に示すグラフより、乾留温度を、500℃以上900℃以下、好ましくは500℃以上800℃以下としてもよいことがわかる。このような範囲の乾留温度であっても、十分に強度の高いコークスが製造可能である。すなわち、乾留温度を、500℃以上900℃以下、好ましくは500℃以上800℃以下とすることで、高強度のコークスの製造と、低コスト化とを実現することができる。
図7から図10には、コークス(ただし、カッターミル粉砕品を用いて乾留温度を1000℃としたコークス)の破断面の電子顕微鏡拡大写真(SEM写真)を示す。図7から図10は、この順に、半炭化処理温度が225℃、250℃、275℃及び300℃である場合のコークスの破断面を示している。
半炭化処理温度が低い場合(225℃及び250℃の場合)は、バイオマスとして用いた杉の生体組織構造である仮道管に由来するハニカム構造の組織が圧縮された構造が残存している。ハニカム構造の組織が成型時の加熱によって軟化し、成型時の加圧によって変形して圧縮されたが、組織の破壊には至らなかったものと考えられる。
一方、半炭化処理温度が高くなると(275℃及び300℃の場合)、ハニカム構造の組織が破壊されている。半炭化処理によって、成型時の加熱による軟化性又は熱可塑性が低下し、又は、損なわれ、成型時の加圧によって組織が破壊されたと考えられる。なお、半炭化処理温度が高い場合(275℃及び300℃の場合)、ハニカム構造の組織が破壊された後にはプレート積層構造(破壊されたハニカム構造の壁部分が積層されて、プレート状粒子が積層された構造)が生じ、この積層構造が、乾留時に、新たなプレート状粒子間の結合点を生み出すため、図6のグラフに示すように、500℃以上1000℃以下でのコークスの強度上昇が著しくなる(いわゆる、ブレークダウン/ビルドアップ効果)。
半炭化処理温度が高すぎる場合(325℃以上)は、プレート状粒子個々の熱可塑性が過度に失われ、その結果、乾留時におけるプレート状粒子の結合が起こりやすい構造を形成できなくなると考えられる。その結果、図4のグラフに示すように、半炭化処理温度が高すぎる場合(325℃以上)はコークスの強度が低下したと考えられる。
(実施例2)
木質系バイオマスとして実施例1と同じ杉のバイオマスを用い、これを半炭化物粉とし、更に石炭を混合(配合)して実施例2のコークスを製造した。実施例2は、コークスの原料として、石炭を更に用いている点で実施例1と異なる。実施例2では、成型物の成型圧は128MPaで、成型温度は200℃とし、また、乾留温度は1000℃で、昇温速度は3℃/minとしてコークスを製造した。以下の説明では、実施例1の条件と同様の部分については説明を省略する場合がある。
加熱炉の炉内にバイオマスを仕込み、所定の半炭化処理温度まで昇温させ、その後、その所定の半炭化処理温度で60分間保持して半炭化物を得た。なお、所定の半炭化処理温度としては、250℃、275℃及び300℃を採用した。
半炭化物は、実施例1の場合と同様にカッターミルで粉砕し、粒度分布の幅が5μm~100μmの半炭化物粉を得た。
石炭として、第一の石炭(石炭A)と、第一の石炭とは異なる第二の石炭(石炭B)とを準備した。次表1に、石炭A及び石炭Bの物性を示す。以下では、石炭A及び石炭Bを包括して説明する場合は、単に石炭と称する場合がある。
表1中、Proximate analysisは工業分析(JIS M 8812)の結果を、Ultimate analysisは元素分析(JIS M 8819)の結果を示す。Proximate analysisにおけるMOISTは、水分を意味し、到着基準での重量基準の百分率(wt%ar)で示している。Ash及びVMはそれぞれ、灰分及び揮発分を意味し、その値は、乾量基準での重量基準の百分率(wt%db)で示している。Ultimate analysisにおけるC、N、H、S及びOdiffは、この順に炭素、窒素、水素、硫黄及び酸素の含有量を元素組成の無水、無灰基準での重量基準の百分率(wt%daf)で示している。H/C及びO/Cはそれぞれ、炭素に対する水素の元素比及び炭素に対する酸素の元素比である。流動性試験は、JIS M 8801に規定されるギーセラープラストメータ法による石炭流動性試験方法に準じて行った結果を示している。
石炭は、半炭化物と同様にカッターミルで粉砕し、粒子径が100μm以下の石炭粉を得た。
次に、半炭化物粉と石炭粉との配合比が質量比で25:75、50:50及び75:25となるように配合し、これを乳鉢内でスパーテルを用いて手動で配合して混合粉を得た。この混合粉を用いて成型して成型物を得て、更に、この成型物を乾留して実施例2のコークスを製造した。なお、成型時は、成型温度200℃、成型圧力を128MPaとした。乾留温度は1000℃とした。成型及び乾留は、実施例1と同様に行っている。
図11から図16には、実施例2のコークスの強度と半炭化物粉と石炭粉との配合比との関係を示すグラフを示している。図11から図13は、石炭Aを用い、且つ、石炭Aと混合された半炭化物の半炭化処理温度が、この順に、250℃、275℃及び300℃である場合(それぞれこの順に、TC250-CA、TC275-CA及びTC300-CAの系列名を表示している)を示している。図14から図16は、石炭Bを用い、且つ、石炭Bと混合された半炭化物の半炭化処理温度が、図14から図16の順に、250℃、275℃及び300℃である場合(それぞれこの順に、TC250-CB、TC275-CB及びTC300-CBの系列名を表示している)を示している。
図11から図16に示す各グラフの横軸は、上記の配合比を、質量比によるものに代えて、杉のバイオマスのみ、石炭のみで製造したそれぞれのコークスの体積を基準としたものに変換して示している。具体的には、所定の配合比における半炭化物と石炭とのそれぞれの質量を半炭化物由来のコークスの部分の体積と石炭由来のコークスの部分の体積とに換算し、半炭化物由来のコークスの部分の体積をコークスの部分の体積と石炭由来のコークスの部分の体積との合計値で除した値を「配合比(換算値)」として用いている。各図のグラフにおいて、配合比ゼロは石炭のみ、配合比1は半炭化物のみから製造したコークスの強度である。
図11から図16に示す各グラフによると、配合比と強度との関係には正又は負の相関が認められ、配合比と強度との関係を一様に把握することはできない。しかし、石炭のみから調製したコークスの強度が比較的高い場合は、混合粉を用いて製造したコークスの強度も高い傾向にある。各コークスの強度は、配合比によらず3MPaを超えており高強度である。
石炭Aと混合された半炭化物の半炭化処理温度が250℃である場合のコークス(TC250-CB、図14参照)を除くと、他のコークスは、配合比によらず5MPaを超えている。石炭Aと混合された半炭化物の半炭化処理温度が250℃である場合のコークス(TC250-CB、図14参照)でも、質量基準で見た場合の半炭化物の配合比の百分率が50wt%を超える場合には、コークスの強度が5MPaを超えている。
(実施例3)
実施例1、2と同じ杉のバイオマスを用い、これを半炭化物とし、更に実施例2と同じ石炭Aを混合して実施例3のコークスを製造した。実施例2では、半炭化物粉と石炭粉とを混合して混合粉を得てからコークスを製造したが、実施例3では、半炭化物と石炭Aとを混合した混合物を得てからこれを粉砕(共粉砕)して混合粉を得てコークスを製造した点で、実施例2とは異なる。以下の説明では、実施例1、2の条件と同様の部分については説明を省略する場合がある。
半炭化処理温度を250℃、275℃及び300℃とした半炭化物を得て、これと、石炭Aとを混合して混合物を得た。混合物の配合比は、半炭化物と石炭Aとの質量比で25:75、50:50及び75:25とした。
次に、混合物を粉砕して混合粉を得た。混合物の粉砕は、実施例1における半炭化物の粉砕と同様にしてカッターミルで1分間粉砕処理した後、この粉砕物を更にボールミルに供して10時間粉砕処理して粒子径が40μm以下の混合粉を得た。
なお、混合物の粉砕は、半炭化物と石炭Aとが同時に粉砕される、いわゆる共粉砕である。共粉砕では、粉砕処理によって生じる撹拌現象により、混合粉の混合の均一性が自然に向上する。これにより、実施例2のような混合粉の混合処理は要しない。なお、混合物の粉砕前に行われる半炭化物と石炭Aとの混合はごく簡単なもので足りる。
次に、混合粉を用いて成型物を得て、更に成型物を乾留して実施例3のコークスを得た。なお、成型時は、成型温度200℃、成型圧力を128MPaとした。乾留温度は1000℃とした。成型及び乾留は、実施例1、2と同様に行っている。
図17から図19には、実施例3のコークスの強度と配合比との関係を示すグラフを示している。各グラフの横軸には、実施例2の図11から図16と同様に、「配合比(換算値)」を示している。図17から図19は、石炭Aを用い、且つ、石炭Aと混合された半炭化物の半炭化処理温度が、この順に、250℃、275℃及び300℃である場合(それぞれこの順に、T250-CA、T275-CA及びT300-CAの系列名を記している)を示している。
図17から図19の各グラフに示すように、半炭化物と石炭とを共粉砕して製造した実施例3のコークスは、配合比にかかわらず安定して20MPaを超える高い強度を示している。
実施例2のコークスとの比較では、実施例3のコークスは、配合比にかかわらず、実施例2のコークスよりも高い強度を示している。そして、実施例3のコークスは、石炭のみに由来するコークス(配合比ゼロ)もバイオマスのみに由来するコークス(配合比1)も、実施例2における同様の配合比のコークスよりも強度が高い。この結果より、成型時の混合粉の粒子径がより細かいと(実施例2の場合で100μ以下、実施例3の場合で40μ以下)、コークスの強度がより高くなることがわかる。
実施例1から3で示したように、本実施形態に係るコークスは、バイオマス由来のコークスでありながら、従来の高炉プロセスでも使用可能な程度の高強度を実現している。本実施形態に係るコークスの製造方法によれば、このような高強度のコークスの製造を実現することができる。本実施形態に係るコークスの製造方法は、このような高強度のコークスの製造を実現するにあたり、複雑な製造工程を要したり、バインダを用いて強度を高めるような追加の原料を要したりしないから、低コスト化を同時に実現することができるのである。
以上のようにして、従来の高炉プロセスでも使用可能な程度の強度を有し、且つ、低コストのバイオマス由来のコークスの製造方法を提供することができる。
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明は、コークスの製造方法に適用できる。

Claims (9)

  1. 酸素供給が遮断された雰囲気中で木質系バイオマスを220℃以上330℃以下に加熱して半炭化物を得る半炭化ステップと、
    前記半炭化物と石炭とを混合して混合物を得る混合ステップと、
    前記混合物を300μm以下の粒子径に粉砕して混合粉を得る粉砕ステップと、
    125℃以上300℃以下の範囲の温度まで加熱した状態で、100MPa以上300MPa以下に加圧して前記混合粉を成型して成型物を得る成型ステップと、
    前記成型物を乾留してコークスに転換する炭化ステップと、を含むコークスの製造方法。
  2. 前記粉砕ステップでは、前記混合物を100μm以下の粒子径に粉砕して前記混合粉を得る請求項1に記載のコークスの製造方法。
  3. 酸素供給が遮断された雰囲気中で木質系バイオマスを220℃以上330℃以下に加熱して半炭化物を得る半炭化ステップと、
    前記半炭化物を300μm以下の粒子径に粉砕して半炭化物粉を得る半炭化物粉砕ステップと、
    前記半炭化物粉と300μm以下の粒子径の石炭粉とを混合して混合粉を得る粉末混合ステップと、
    125℃以上300℃以下の範囲の温度まで加熱した状態で、100MPa以上300MPa以下に加圧して前記混合粉を成型して成型物を得る成型ステップと、
    前記成型物を乾留してコークスに転換する炭化ステップと、を含むコークスの製造方法。
  4. 前記粉末混合ステップでは、前記混合粉における前記半炭化物粉の配合比を、50wt%以上とする請求項3に記載のコークスの製造方法。
  5. 前記半炭化物粉砕ステップでは、前記半炭化物を100μm以下の粒子径に粉砕して前記半炭化物粉を得て、
    前記粉末混合ステップでは、前記半炭化物粉と100μm以下の粒子径の前記石炭粉とを混合して前記混合粉を得る請求項3に記載のコークスの製造方法。
  6. 酸素供給が遮断された雰囲気中で木質系バイオマスを220℃以上330℃以下に加熱して半炭化物を得る半炭化ステップと、
    前記半炭化物を300μm以下の粒子径に粉砕して半炭化物粉を得る半炭化物粉砕ステップと、
    125℃以上300℃以下の範囲の温度まで加熱した状態で、100MPa以上300MPa以下に加圧して前記半炭化物粉を成型して成型物を得る成型ステップと、
    前記成型物を乾留してコークスに転換する炭化ステップと、を含むコークスの製造方法。
  7. 前記半炭化物粉砕ステップでは、前記半炭化物を100μm以下の粒子径に粉砕して前記半炭化物粉を得る請求項6に記載のコークスの製造方法。
  8. 前記半炭化ステップでは、木質系バイオマスを250℃以上300℃以下に加熱して前記半炭化物を得る請求項1から7の何れか一項に記載のコークスの製造方法。
  9. 前記炭化ステップでは、前記成型物を500℃以上900℃以下の乾留温度で乾留してコークスに転換する請求項6又は7に記載のコークスの製造方法。
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