JP2024025560A - バイオマス成型物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コークスの原料とするのに適したバイオマス成型物の製造方法を提供する。【解決手段】バイオマス成型物の製造方法は、酸素供給が遮断された雰囲気中で木質系バイオマスを200℃以上330℃以下に加熱して半炭化物を得る半炭化ステップと、半炭化物を300μm以下の粒子径に粉砕して半炭化物粉を得る半炭化物粉砕ステップと、125℃以上300℃以下の範囲の温度まで加熱した状態で、100MPa以上300MPa以下に加圧して半炭化物粉を成型して成型物を得る成型ステップと、を含む。【選択図】無し

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 1.https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.energyfuels.2c01352?ref=pdf Fu Wei・工藤 真二・浅野 周作・林 潤一郎らが、2022年6月16日付で、上記URLにおいて公開。 2.林 潤一郎が、2022年7月28日付で、第31回日本エネルギー学会大会講演要旨集において公開。 3.林 潤一郎が、2022年8月4日付で、第31回日本エネルギー学会大会において公開。 4.https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.energyfuels.2c01722?ref=pdf アディトゥヤ ウィバワ・U.P.M Ashik・工藤 真二・浅野 周作・Xianqpeng Gao・林 潤一郎らが、2022年8月5日付で、上記URLにおいて公開。
本発明は、バイオマス成型物の製造方法に関する。
地球温暖化への対策として、製銑プロセスにおいても、温室効果ガスの排出量と吸収量との均衡(いわゆる、カーボンニュートラル)が要請される。製銑における高炉プロセスでは、コークスを多量に消費して二酸化炭素を排出することから、例えば高炉プロセスにおける化石燃料由来のコークスの使用量の低減が要請される。
特許文献1には、木質系バイオマスを用いたコークスの製造方法が開示されている。この製造方法では、バイオマスは、予め粉砕機で10mm以下程度に粉砕される。粉砕されたバイオマスは溶媒抽出槽に搬送され、エタノール等の溶媒を用いてバイオマスに含まれる低分子成分を溶媒抽出される。その後、加熱機で150~350℃に加熱され、成形機で加圧成形して、バイオマス成形物とされる。このバイオマス成形物は、乾留炉で乾留、炭化されてコークスとされる。
特許文献2には、複合固形燃料及び複合固形燃料の製造方法が記載されている。この複合固形燃料は、石炭粉と、バイオマス粉とを含む。複合固形燃料の製造方法の一例として、バイオマスを250℃以上500℃以下で加熱する工程と、加熱されたバイオマスを粉砕してバイオマス粉を得る工程と、バイオマス粉と、石炭粉とを混合する工程と、混合する工程で得られた混合物を、50MPa以上150MPa以下で圧縮成型する工程と、を有する製造方法が開示されている。
非特許文献1には、間接的引張強度試験法によるコークス強度(高炉用成型コークスの強度)の検討の結果が開示されている。この開示によれば、高炉プロセスで一般的に使用される商用コークスの強度は、間接引張強度で3~5MPa程度であることがわかる。
特開2004-359898号公報 特開2021-176938号公報
間接的引張強度試験法によるコークス強度の検討(I)、燃料協会誌、第54巻、第584号、1975年、P983-993、宮川亜夫ら、[令和4年6月13日検索]、インターネット<https://www.jstage.jst.go.jp/article/jie1922/54/12/54_12_983/_pdf>
しかし、高炉プロセスは製銑における中核技術である。そのため、高炉プロセスにおいて、化石燃料由来のコークスを単純にバイオマス由来のコークスに置き換えることは容易ではない。例えば、従来の高炉プロセスで一般的に使用される商用コークスの強度と同等以上の強度のコークスでなければ、従来の高炉プロセスを踏襲した製銑が困難になる場合も想定される。詳述すると、高炉で銑鉄を製造するには、高炉に鉄鉱石類とコークスとを交互に投入して層状に充填し、羽口から吹き込まれる高温の熱風でこの充填層を加熱すると共に、主にコークスから発生したCOガスで鉄鉱石類を還元し溶製することが必要である。こうした高炉の操業を安定して行なうには、炉内の充填層での通気性や通液性の確保が必要である。例えばコークスの強度が低いと、充填層でコークスがその形状を維持できず、充填層での通気性や通液性が損なわれる場合がある。そのため、充填層での通気性や通液性を確保すべく所定の強度を有するコークスの使用が必要となる。また、経済的側面で見ると、従来の高炉プロセスで一般的に使用される商用コークスに対する大きなコストアップは受け入れがたい。また、中核技術である高炉プロセスの制御技術や装置をバイオマス由来のコークスに適するように改変するための開発コストの増大は受け入れがたい。しかし、製銑、すなわち銑鉄の製造方法における、高炉プロセスの周辺技術の改変であれば許容可能である。そのため従来の高炉プロセスでも使用可能な程度の強度を有し、且つ、低コストのバイオマス由来のコークスの原料とするのに適したバイオマス成型物の製造方法の提供が望まれる。
本発明は、かかる実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、コークスの原料とするのに適したバイオマス成型物の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係るバイオマス成型物の製造方法は、
酸素供給が遮断された雰囲気中で木質系バイオマスを200℃以上330℃以下に加熱して半炭化物を得る半炭化ステップと、
前記半炭化物を300μm以下の粒子径に粉砕して半炭化物粉を得る半炭化物粉砕ステップと、
125℃以上300℃以下の範囲の温度まで加熱した状態で、100MPa以上300MPa以下に加圧して前記半炭化物粉を成型して成型物を得る成型ステップと、を含む。
コークスの原料とするのに適したバイオマス成型物の製造方法を提供することができる。
杉のバイオマス及びその半炭化物を粉砕した粉末の粒度分布である。 半炭化物の構成成分を示すグラフである。 実施例1の各成型物の強度と半炭化処理温度との関係を示すグラフである。 実施例1のコークスの強度と半炭化処理温度との関係を示すグラフである。 実施例1のコークスの強度と成型温度との関係を示すグラフである。 実施例1のコークスの強度と乾留温度との関係を示すグラフである。 実施例1のコークス(半炭化処理温度が225℃の場合)の破断面のSEM写真である。 実施例1のコークス(半炭化処理温度が250℃の場合)の破断面のSEM写真である。 実施例1のコークス(半炭化処理温度が275℃の場合)の破断面のSEM写真である。 実施例1のコークス(半炭化処理温度が300℃の場合)の破断面のSEM写真である。
図面を参照しつつ、本発明の実施形態に係るバイオマス成型物の製造方法について説明する。
本実施形態に係るバイオマス成型物の製造方法(以下、単に本実施形態に係る製造方法と称する場合がある)では、木質系バイオマスからバイオマス成型物(以下では、単に成型物と称する場合がある)を製造する。
まず、本実施形態に係る製造方法の概要を説明する。本実施形態に係る製造方法は、酸素供給が遮断された雰囲気中で木質系バイオマスを200℃以上330℃以下に加熱して半炭化物を得る半炭化ステップと、半炭化物を300μm以下の粒子径に粉砕して半炭化物粉を得る半炭化物粉砕ステップと、125℃以上300℃以下の範囲の温度まで加熱した状態で、100MPa以上300MPa以下に加圧して半炭化物粉を成型して成型物を得る成型ステップと、を含む。
本実施形態に係る製造方法では、コークスの原料とするのに適したバイオマス成型物を提供することができる。以下、本実施形態に係る製造方法について詳述する。
本実施形態における成型物及びコークスの強度とは、非特許文献1に記載された方法で測定した冷間での間接引張強度のことである。以下では、この方法で測定した強度を、単に強度と称する。
以下の説明では、従来の高炉プロセスでも使用可能な程度の強度を有するコークスのことを、高強度のコークスと称する場合がある。また、従来の高炉プロセスでも使用可能な程度の強度をコークスが有する場合、コークスの強度が高い、などと説明する場合がある。本実施形態における高炉プロセスで一般的に使用可能な強度を有するコークスとは、引張強度が3MPa以上の高強度のコークスのことである。また、成型物が、高強度のコークスを製造するに足りる程度の強度を有することを、成型物について、高強度又は強度が高い、と説明し、また、このような成型物のことを、高強度の成型物と称する場合がある。
半炭化ステップは、木質系バイオマスを半炭化して木質系バイオマスの半炭化物を得るステップである。以下では、木質系バイオマスの半炭化物を、単に半炭化物と称する。半炭化とは、木質系バイオマスのような動植物から生まれた有機性の資源を所定の温度(本実施形態では、220℃以上330℃以下)で熱分解して、炭素成分が多く単位質量あたりの熱量の大きな固形物、すなわち、半炭化物にすることである。半炭化は、焙焼又はトレファクションと称される場合もある。以下では、木質系バイオマスを半炭化することを、半炭化処理と称する。なお、半炭化処理は、さして大きな処理コストを要するものではなく、安価なものである。
木質系バイオマスは、半炭化されることにより、上記のような熱量の増大の効果のみならず、後述する粉砕処理における粉砕性と成型処理における成型性を向上させる効果も得ることができる。詳細は後述する。
木質系バイオマスとは、杉、マツやヒノキ等の針葉樹やケヤキ、シラカバ等の広葉樹等の木材からなる資源であり、木材の部位は限定されない。木質系バイオマスには、建築材や製紙用途で利用された後の廃材や林地残材等の未利用部位も含まれる。木質系バイオマスの具体例は、おが粉である。
木質系バイオマスは、半炭化処理を行う際の大きさは特に限定するものではなく、取り扱い、例えば、半炭化処理で支障が出ない程度の大きさであればよい。木質系バイオマスは、必要に応じて破砕したものを用いるとよい。木質系バイオマスは、一例として50mm以下の大きさに破砕したものであってよい。木質系バイオマスは、おが粉程度の大きさ(例えば、3mm以下)でも良い。木質系バイオマスの大きさは、目視と定規による計測や、篩による計測で評価してよい。
木質系バイオマスは、予め乾燥(予備乾燥)されていることが好ましい。これにより、後の半炭化ステップの処理時間及び消費エネルギーを低減することができる。木質系バイオマスの含水率は、乾量基準で30(wt%db)以下が好ましく、15(wt%db)以下であるとより好ましい。以下では、木質系バイオマスを、単にバイオマスと称する場合がある。
半炭化処理は、酸素供給が遮断された雰囲気中、例えば空気の流入が阻害され、不活性ガスが通流される空間を形成する容器にバイオマスを収容した状態で行う。半炭化処理は、バイオマスを収容した容器を加熱し、当該容器からの伝熱によってバイオマスを200℃以上330℃以下に加熱するような操作によって行うことができる。以下では、半炭化処理における加熱温度を、単に半炭化処理温度と称する。
より高い強度を有するコークスを製造する観点では、半炭化処理温度は、220℃以上300℃以下とすることが好ましく、250℃以上300℃以下とすることが更に好ましい。通常、半炭化処理における熱分解反応の反応速度は速いため、反応完了に要する時間は短い。したがって、半炭化処理に必要な処理時間は、1分以上である。半炭化処理の処理時間は、好ましくは10分以上とするとよい。これにより、バイオマス全体を均質に半炭化することができる。半炭化処理時間の上限は特に定めるものではないが、処理時間が長すぎると所要エネルギーが増加し、コストが増加するため好ましくなく、60分以下が好ましい。なお、半炭化処理の処理時間とは、所定の半炭化処理温度に到達した時点から、当該半炭化処理温度で保持された時間のことである。
半炭化処理は、例えば、電気炉、ロータリーキルン、流動層加熱炉、スクリュー式加熱炉、シャフト炉、乾留炉などの加熱装置を用いて行える。
半炭化物粉砕ステップは、半炭化物を300μm以下の粒子径の粉末状に粉砕処理するステップである。以下では、粉砕された半炭化物の粉末を単に半炭化物粉と称する。
本実施形態に係る製造方法では、上記のごとく、半炭化物粉の粒子径は300μm以下とする。なお、本願における粒子径は、特に記載のない場合、最大粒子径を意味する。粒度分布測定装置で測定する場合は、次のようにして最大粒子径を測定することができる。
半炭化物粉の粒子径及び粒度分布は、市販の粒度分布計測装置を用いて計測した値を用いてよい。本実施形態では、Malvern Panalytical社製の画像式粒度分布測定装置「Morphologi 4」(以下、単に粒度分布計測装置と称する)を使用し、55,000~74,000個の粒子の画像を装置に内蔵された顕微鏡で取得し、装置に付属のソフトウェアによる画像解析により求めた円相当粒子径(投影面積円相当径)に基づく粒子径及び粒度分布を用いる。すなわち、半炭化物粉中に含まれる粒子を粒度分布計測装置で計測した粒度分布の粒子の小さい方から積算して95%となる粒子径を最大粒子径(最大値)とする。本願において、特に説明のない場合は、粒子径は最大粒子径を示す。以下では、単に粒子径又は粒度分布などと記載した場合は、上記の粒度分布計測装置で計測した値のことを意味するものとする。また、粒子の大きい方から積算して95%となる粒子径を最小粒子径(最小値)とする。また、粒度分布における、最小粒子径と最大粒子径とを示す場合に、これを粒度分布の幅と称し、「(最小値)~(最大値)」のように示す場合がある。また、本実施形態に係る製造方法に関する説明における、半炭化物粉以外の粉末の粒子径及び粒度分布について説明する場合にも、上記の半炭化物粉の場合と同様の用語、用法、用例又は意味合いで説明する。
半炭化物粉中に300μmを超える粒子径の粗粒が含まれると、この粗粒が成型物又はコークス中に残存して成型物又はコークスの強度を低下させる場合がある。成型物又はコークス中における粗粒周辺に欠陥が形成されやすくなるためである。
本実施形態に係る製造方法では、半炭化物粉の粒子径は、好ましくは100μm以下である。半炭化物粉の粒子径が適度に小さいことで、成型物又はコークス中の物理的構造が緻密で均質になり、コークスの強度上昇に寄与する。なお、適切な成型が行われている場合、半炭化物粉の粒子径は、細かければ細かいほど成型物やコークスの強度が向上するため好ましい。このため、混合粉の最小粒子径は限定するものではない。ただし、粒子径を過度に小さくすると、成型が困難となり、成型物の嵩密度が低下することで、かえってコークスの強度が低下する場合もある。なお、生産性も考慮すると、半炭化物粉の粒子径を小さくする場合であっても、その半炭化物粉中に含まれる粒子の最大粒子径を20μm未満とすることは、成型コストがあがるが、成型後の性能の向上は見られず、むしろ成型しにくくなるという問題も発生する可能性がある。このため、最大粒子径は20μm以上とすれば従来の高炉プロセスでの使用に十分に足りる強度のコークスを製造することができる。なお、半炭化物粉の最小粒子径は特に限定するものではない。
半炭化物の粉砕方法又は粉砕装置は特に限定されない。半炭化物粉の粉砕装置として、カッターミル、ハンマーミル、ピンミル、ジェットミル、ボールミルなどの媒体ミルなどを使用してよい。粉砕装置は、粉砕のみ行う装置に限られず、例えば分級機内蔵型粉砕機を用いてもよい。
本実施形態では、木質系バイオマスが半炭化されているため、木質系バイオマスをそのまま粉砕する場合に比べて、粉砕性が向上されている。なお、粉砕性が向上する、とは、同一の粉砕エネルギーで粉砕処理できる処理量が多い、又は、同一の粉砕エネルギーで粉砕した粉砕品(半炭化物粉)の粒子径が小さいことをいう。すなわち、木質系バイオマスを半炭化することで、粉砕性を向上させて低コスト化することができる。
図1には、杉のバイオマスと杉のバイオマスの半炭化物とをそれぞれ同一の粉砕条件で粉砕した場合の粉末の粒度分布(体積基準)を参考例として示している。杉のバイオマスの半炭化物は、半炭化処理温度を、225℃から325℃まで変化させた場合を示している。図1に示すように、杉のバイオマスと比べて半炭化物のほうがより細かく粉砕されている。また、半炭化物においては、225℃から325℃までの半炭化処理温度においては、半炭化温度が上昇するほどより細かく粉砕されている。このように、半炭化することで、粉砕性を向上させて低コスト化することができる。
成型ステップは、半炭化物粉を加圧成型(圧縮成型)してバイオマス成型物を得るステップである。成型ステップでは、半炭化物粉を125℃以上300℃以下の範囲の温度まで加熱した状態で、100MPa以上300MPa以下に加圧して成型する。成型ステップで行う半炭化物粉の成型は、いわゆる熱間成型である。以下では、成型ステップにおける半炭化物粉の加熱温度を、成型温度と称する。また、成型ステップにおいて半炭化物粉に加えられる圧力を、成型圧力と称する。
半炭化物粉を上記の温度範囲に加熱することで、すなわち、成型温度を上記温度範囲とすることで、半炭化物粉の可塑性が向上する。このように半炭化物粉の可塑性が向上した状態で加圧することで、半炭化粉の変形及び接着が十分に起こり、高強度な成型物の製造が可能となる。なお、本実施形態に係る製造方法における成型物の強度は、コークスの強度と同様に評価する。
なお、成型温度が125℃未満になると、半炭化物粉を十分に可塑化できない場合がある。この場合、高強度の成型物を製造できない場合がある。逆に成型温度が300℃を超える場合には、熱分解によりガスが生じて成型の妨げになる場合がある。また、成型時に炭化が進行して熱可塑性を失い、その結果、成型物の強度が低下する場合がある。
ところで、本実施形態に係る製造方法における成型物の強度が十分高い場合には、その成型物の密度も十分に高い。密度の低い成型物においては、内部の粒子間距離が大きく、また、粒子間の接点数が少ない疎な内部構造となるため、成型物の強度は低下する。換言すれば、成型物の密度を高めると、成型物の強度を高めることができる。
成型圧力は、高いほど成型物の密度が高まり、これに伴い、炭化後のコークスの強度も高まる。成型圧力が100MPa以上では、密度向上又は強度向上の効果は飽和する。これにより、成型物の品質(密度や強度)が安定したものとなる。したがって、成型圧力は、100MPa以上とする。成型圧力が100MPa未満になると、高強度の成型物を得ることができない場合がある。
しかしながら、成型圧力が300MPaを超えると、成型後の残留応力が大きくなり、成型物に反発割れのような成型不良が生じる恐れがある。このため、成型物の強度が低下する場合がある。したがって、成型圧力は、300MPa以下とする。
半炭化物粉の加圧成型方法又は加圧成型装置は特に限定されない。半炭化物粉の加圧は、機械的な圧縮、すなわち、金型や圧縮ロールのような壁体で囲われた空間内に半炭化物粉を収容し、当該壁体を介した圧縮による加圧としてよい。加圧成型装置としては、ペレタイザー、ダブルロール成型機、押出成型機などを使用できる。ダブルロール成型機を例示して説明すると、圧縮ロールのダイキャビティー中で、ロールによる機械的な作用で、加圧(圧縮)成型することができる。
成型ステップでは、半炭化物粉を上述の成型温度まで加熱してから加圧して成型する。より適切に成型物を得るためには、成型機の粉接部分(半炭化物粉を収容して成型する空間を形成する壁体の部分、ダブルロール成型機押出成型機の場合には圧縮ロール)を加熱し、原料の温度を上述の成型温度に維持することが望ましい。これにより、成型不良を回避することができる。
以上のようにして、コークスの原料とするのに適したバイオマス成型物の製造方法を提供することができる。本実施形態に係るバイオマス成型物は、特に、銑鉄の製造に用いるコークスの原料として好適に用いることができる。すなわち、バイオマス成型物を、炭化ステップを経てコークスに転換し、銑鉄の製造に好適に用いることができる。
炭化ステップは、成型物を乾留して炭化し、コークスに転換するステップである。
成型物の乾留は、酸素供給が遮断された雰囲気中で行う。成型物の乾留は、例えば、空気の流入が阻害され、不活性ガスが通流された空間内で行ってよい。
成型物の乾留は、通常のコークスの乾留温度が適用でき、例えば、500℃以上1250℃以下である。成型物を乾留する際の到達温度のことを、以下では乾留温度と称する。
乾留温度を500℃以上とすることで、高強度のコークスを製造することができる。乾留温度は、900℃以上1250℃以下とするとよい。乾留温度は、好ましくは900℃以上1100℃以下とするとよい。これにより、より高強度のコークスを製造することができる。
乾留時のエネルギー消費を低減して低コスト化する観点からは、乾留温度を、500℃以上900℃以下、好ましくは500℃以上800℃以下としてもよい。これにより、高強度のコークスの製造と、低コスト化とを実現することができる。
なお、乾留温度が1250℃を超えると、成型物においてヘテロ元素の脱離などが生じ、コークスの強度が低下する。
乾留温度に到達するまでの昇温速度は、30℃/min以下とすることが好ましい。昇温速度を30℃/min以下とすることで、コークスの強度低下を回避することができる。
乾留は、例えば燃焼室と炭化室の組合せたコークス炉、ロータリーキルン、電気炉、シャフト炉、乾留炉などを用いて行える。コークス炉の場合は、炭化室に収容された成型物を、所定の昇温計画に従って、昇温速度が30℃/min以下となるように制御し、且つ、乾留終了時点以前に500℃以上1250℃以下の乾留温度に到達するように制御して成型物を乾留してコークスを製造することができる。
上述のごとく製造したコークスは、必要十分な強度を有するものとなり、銑鉄の製造方法における銑鉄製造ステップに供するものとして好適である。
銑鉄製造ステップは、高炉において鉱石原料をコークスで加熱及び還元して銑鉄を製造するステップである。
銑鉄製造ステップは、高炉内に鉱石原料を含む層とコークスを含む層とを交互に積層して層構造の充填層を形成する積層ステップと、羽口を介して高炉内に熱風を供給する熱風供給ステップと、充填層中の鉱石原料を還元及び溶解する溶解還元ステップとを含んでよい。
熱風供給ステップでは、可燃性ガスや微粉炭などの補助燃料を熱風と共に供給してもよい。
上述のごとく、バイオマス成型物を使用した銑鉄の製造方法を実現することができる。詳述すれば、銑鉄で使用するコークスをバイオマス由来のものに置き換えて、カーボンニュートラルを実現することができるのである。
以下では、本実施形態を実施例に基づいて説明する。なお、本実施形態は以下の実施例に限定されない。
(実施例1)
木質系バイオマスとして杉のバイオマスのみを用いて実施例1の成型物を製造し、更にこの成型物を原料としてコークスを製造した。
半炭化処理を行う加熱装置として、電気加熱式の加熱炉を用いた。加熱炉の炉内には、不活性ガスを流通させて、炉内への酸素供給を遮断した。加熱炉の炉内にバイオマスを仕込み、所定の半炭化処理温度まで昇温させ、その後、その所定の半炭化処理温度で60分間保持して半炭化物を得た。なお、所定の半炭化処理温度としては、225℃、250℃、275℃、300℃及び325℃を採用した。
図2には、半炭化物の構成成分を示すグラフを示している。図2のグラフ中、凡例の「未処理」の系列は半炭化処理していないバイオマスを示し、グラフ中の凡例の「T225」から「T325」の系列はそれぞれ、半炭化処理温度が225℃、250℃、275℃、300℃及び325℃の半炭化物の結果を示している。図2のグラフ中、含有率は、原料質量基準(バイオマスの質量を1とした値)であり、各温度におけるグラフの棒の高さは原料(バイオマス)に対する半炭化物の歩留りである。図2に示すように、半炭化処理温度が300℃以上では、セルロース及びヘミセルロース(以下、包括してセルロース類と称する)が大きく減少している。
次に、10gの半炭化物を粉砕して半炭化物粉を得た。粉砕処理には、カッターミル(メーカー:大阪ケミカル株式会社、型式:WB-1)又はボールミル(メーカー:日陶科学株式会社、型式:ANZ-61S)を用いた。
カッターミルでの粉砕処理時間は、1分間とした。カッターミルで粉砕処理した半炭化物粉の粒度分布の幅は5μm~100μmであった。ボールミルでの粉砕処理時間は、10時間又は20時間とした。ボールミルで10時間粉砕処理した半炭化物粉の粒度分布の幅は2μm~40μmであった。ボールミルで20時間粉砕処理した半炭化物粉の粒度分布の幅は1μm~20μmであった。なお、ボールミルでの粉砕には、カッターミルで粉砕処理した半炭化物粉を供した。
次に、半炭化物粉を成型した。成型には、1軸成型の熱間成型機を用いた。ダイの内径は約14mmである。例えば200℃に加熱した半炭化物粉をダイに所定量を仕込み、パンチで例えば128MPaの圧力をダイに仕込まれた半炭化物粉に加えて成型物を得た。すなわち、例えば成型温度200℃で成型圧力を128MPaとして、成型物を得た。なお、成型時には、ダイの金型の温度を所定の成型温度(例えば200℃)で保持している。成型物は、直径が約14mm、厚さ約5mmのディスク状(円筒状)形状である。
図3には、実施例1の各成型物の強度(冷間での間接引張強度)と半炭化温度との関係を示すグラフ(ただし、成型物の成型圧は128MPaで、成型温度は200℃としたものである。)を示している。図3中、「CM」はカッターミルで粉砕処理した半炭化物粉を用いた成型物を示す。また、「MB10h」及び「MB20h」はそれぞれ、ボールミルで粉砕処理した半炭化物粉を用いた成型物であって、粉砕処理時間が10時間のもの及び20時間のものを示している。
図3のグラフでは、半炭化処理温度が275℃以下の場合に、成型物の強度について温度依存性がほとんど観察されない。275℃を超えると、成型物の強度は低下する傾向にある。
図3のグラフに示すように、実施例1の各成型物のうち、275℃以下の半炭化温度で処理されたものの強度は5~9MPaであり、300℃以上の半炭化温度で処理されたものの強度(1~4MPa)に比べて有意に高い。300℃の半炭化温度で処理されたものの強度は、3~3.5MPaである。図3のグラフに示す結果より、半炭化温度が220℃以上300℃以下であれば、成型物の強度が3MPa以上となることがわかる。また、図3のグラフに示す結果より、半炭化温度が220℃以上280℃以下であれば、成型物の強度が5MPa以上となり、特に高強度なものとなることがわかる。
なお、図3には示さないが、粒子径が100μm以下となるようにカッターミルで粉砕したバイオマス粉(半炭化処理を行っていないもの)を上記同様の成型温度及び成型圧力で成型して得た成型物(以下、比較例1の成型物と称する)の強度は3.2MPaであり、半炭化処理を行った方が高強度を示した。上記のように、半炭化温度が300℃の場合、成型物の強度は低下するが、その強度は、半炭化処理が行われない場合(比較例1の成型物)と同等である。半炭化温度が275℃以下の場合、成型物の強度は半炭化処理が行われない場合(比較例1の成型物)と比べて有意に高い。
図2のグラフに示す結果を加味すると、半炭化物中のセルロース類の残存量が成型物の成型性に影響を及ぼしていると考えられる。すなわち、高強度の成型物を形成するためには、セルロース類の損失が少ない半炭化温度(275℃以下)を採用すればよい。また、高強度コークスを製造するためには、セルロース類の損失が少ない半炭化温度(275℃以下)を採用することが好ましいと考えられる。成型物の強度が高ければ、炭化処理前の成型物の摩滅や粉化が抑制されるため、成型物から製造されるコークスの形状や物性が均質になることが期待されるためである。
このように、半炭化処理によって、半炭化処理を行わない場合よりも強度の高い成型物を得ることができた。
次に、上述の成型物を乾留して炭化し、コークスを製造した。
成型物の乾留には、電気加熱式の加熱炉を用いた。乾留温度は、特記したもの以外は1000℃とした。加熱炉の炉内には不活性ガスを流通させて、炉内への酸素供給を遮断した。加熱炉の炉内に上述の成型物を仕込み、昇温速度3℃/minで、特記したもの以外は1000℃まで昇温してコークスを製造した。
図4には、実施例1のコークスの強度と半炭化処理温度との関係を示すグラフ(ただし、成型物の成型圧は128MPaで、成型温度は200℃としたものである。また、乾留温度は1000℃で、昇温速度は3℃/minとしたものである。)を示している。図4のグラフ中、凡例の「CM」の系列はカッターミル粉砕品を用いたコークスを示す。また、図4中、凡例の「MB10h」及び「MB20h」の系列はそれぞれ、ボールミル粉砕品を用いたコークスであって、粉砕処理時間が10時間のもの及び20時間のものを示している。
図4のグラフに示すように、いずれのコークスも、強度が5MPaを超える高強度のコークスであった。すなわち、半炭化温度が220℃以上330℃以下であれば、強度が5MPaを超える高強度のコークスを製造可能であることがわかる。また、図示していないが、半炭化温度が200℃以上であれば強度が3MPaを超える高強度のコークスを製造可能である。
図4のグラフに示すように、コークスの強度は、半炭化処理と半炭化物粉の粒子径又は粒度分布(粉砕の条件)とに依存している。コークスの強度は、半炭化物粉の粒子径が小さいほど高い。コークスの強度は、半炭化処理温度を275℃とした場合に最も高くなる。なお、半炭化処理温度を275℃とした場合のコークスの強度は17~32MPaであった。
なお、比較例1の成型物を上記同様に乾留して得たコークス(以下、比較例1のコークスと称する)の強度は、4.7MPaであり、実施例1の半炭化処理を行った各コークスのいずれよりも低い強度であった。
図5には、実施例1のコークスの強度と成型温度との関係を示すグラフを示している。図5のグラフ中の凡例の「T225」から「T300」の系列はそれぞれ、半炭化処理温度が225℃、250℃、275℃及び300℃の半炭化物を用いたコークス(ただし、カッターミル粉砕品を用いたコークス)の結果を示している。成型温度とコークスの強度との関係の評価は、各半炭化物について成型温度の異なるコークスを製造し、それぞれの強度を評価することにより行った。成型温度の異なるコークスは、上述のカッターミル粉砕品を用いて製造した。
図5より、何れの半炭化処理温度で作製した半炭化物粉を原料とした場合でも、成型温度の上昇に伴い、コークス強度が向上することが分かる。また、グラフより、成型温度が125℃以上であれば、コークスとして必要な強度を有していることがわかる。
図6には、実施例1のコークスの強度と乾留温度との関係を示すグラフを示している。図6のグラフ中の凡例の「T225」から「T300」の系列はそれぞれ、半炭化処理温度が225℃、250℃、275℃及び300℃の半炭化物を用いたコークス(ただし、カッターミル粉砕品を用いたコークス)の結果を示している。乾留温度とコークスの強度との関係の評価は、各半炭化物について乾留温度の異なるコークスを製造し、それぞれの強度を評価することにより行った。乾留温度の異なるコークスは、上述のカッターミル粉砕品を用いた成型物を昇温速度3℃/minでそれぞれの乾留温度まで昇温して製造した。
図6に示すグラフより以下のことがわかる。半炭化処理温度が225℃、250℃、275℃及び300℃のいずれの場合も、乾留温度が300℃以上でコークスの強度は4MPaを超えている。半炭化処理温度が225℃、250℃、275℃及び300℃のいずれの場合も、乾留温度が500℃以上であれば5MPaを超える強度のコークスを得ることができる。半炭化処理温度が225℃、250℃、275℃及び300℃のいずれの場合も、乾留温度が400℃以上500℃以下のコークスの強度は、約5MPaである。コークスの強度の増大は500℃以上で始まり、乾留温度が1000℃に到達するまで単調増加し、乾留温度が高いほど有利であることがわかる。ただし、乾留温度が1250℃を超えると、成型物においてヘテロ元素の脱離などが生じ、コークスの強度が低下するため、乾留温度は1250℃以下とすることが好ましい。
また、図6に示すグラフより以下のこともわかる。乾留温度が500℃以上1000℃以下では、半炭化処理温度がコークスの強度に影響を与える。乾留温度が500℃以上1000℃以下の場合には、乾留温度が275℃である場合に、コークスの強度が最も高くなる。
また、図6に示すグラフより以下のこともわかる。乾留温度が500℃以上1000℃以下では、半炭化処理温度がコークスの強度に影響を与える。乾留温度が500℃以上1000℃以下の場合には、乾留温度が275℃である場合に、コークスの強度が最も高くなる。
乾留時のエネルギー消費を低減して低コスト化する観点からは、図6に示すグラフより、乾留温度を、500℃以上900℃以下、好ましくは500℃以上800℃以下としてもよいことがわかる。このような範囲の乾留温度であっても、十分に強度の高いコークスが製造可能である。すなわち、乾留温度を、500℃以上900℃以下、好ましくは500℃以上800℃以下とすることで、高強度のコークスの製造と、低コスト化とを実現することができる。
図7から図10には、コークス(ただし、カッターミル粉砕品を用いて乾留温度を1000℃としたコークス)の破断面の電子顕微鏡拡大写真(SEM写真)を示す。図7から図10は、この順に、半炭化処理温度が225℃、250℃、275℃及び300℃である場合のコークスの破断面を示している。
半炭化処理温度が低い場合(225℃及び250℃の場合)は、バイオマスとして用いた杉の生体組織構造である仮道管に由来するハニカム構造の組織が圧縮された構造が残存している。ハニカム構造の組織が成型時の加熱によって軟化し、成型時の加圧によって変形して圧縮されたが、組織の破壊には至らなかったものと考えられる。
一方、半炭化処理温度が高くなると(275℃及び300℃の場合)、ハニカム構造の組織が破壊されている。半炭化処理によって、成型時の加熱による軟化性又は熱可塑性が低下し、又は、損なわれ、成型時の加圧によって組織が破壊されたと考えられる。なお、半炭化処理温度が高い場合(275℃及び300℃の場合)、ハニカム構造の組織が破壊された後にはプレート積層構造(破壊されたハニカム構造の壁部分が積層されて、プレート状粒子が積層された構造)が生じ、この積層構造が、乾留時に、新たなプレート状粒子間の結合点を生み出すため、図6のグラフに示すように、500℃以上1000℃以下でのコークスの強度上昇が著しくなる(いわゆる、ブレークダウン/ビルドアップ効果)。
半炭化処理温度が高すぎる場合(325℃以上)は、プレート状粒子個々の熱可塑性が過度に失われ、その結果、乾留時におけるプレート状粒子の結合が起こりやすい構造を形成できなくなると考えられる。その結果、図4のグラフに示すように、半炭化処理温度が高すぎる場合(325℃以上)はコークスの強度が低下したと考えられる。
以上実施例に基づいて示したように、本実施形態に係る成型物は、高強度であり、また、コークスの原料として適したものである。
そして、本実施形態に係る成型物から製造されたコークスは、高強度であり、銑鉄の製造、特に、従来の高炉プロセスでの使用に適したものである。すなわち、本実施形態に係る成型物は、銑鉄の製造に用いるコークスの原料として適したものであり、特に、従来の高炉プロセスでの使用に適したものである。
本実施形態に係る成型物の製造方法は、複雑な製造工程を要したり、バインダを用いて強度を高めるような追加の原料を要したりしないから、低コスト化を同時に実現することができる。すなわち、本実施形態に係る成型物を原料としたコークスは、バイオマス由来のものとしては低コストなものとなる。
そして、本実施形態に係る成型物を利用した銑鉄の製造方法は、バイオマス由来のコークスを使用しつつも低コストであり、また、カーボンニュートラルを実現できるものとなる。
以上のようにして、コークスの原料とするのに適したバイオマス成型物の製造方法を提供することができる。
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明は、コークスの原料とするのに適したバイオマス成型物の製造方法に適用できる。

Claims (3)

  1. 酸素供給が遮断された雰囲気中で木質系バイオマスを200℃以上330℃以下に加熱して半炭化物を得る半炭化ステップと、
    前記半炭化物を300μm以下の粒子径に粉砕して半炭化物粉を得る半炭化物粉砕ステップと、
    125℃以上300℃以下の範囲の温度まで加熱した状態で、100MPa以上300MPa以下に加圧して前記半炭化物粉を成型して成型物を得る成型ステップと、を含むバイオマス成型物の製造方法。
  2. 前記半炭化物粉砕ステップでは、前記半炭化物を100μm以下の粒子径に粉砕して前記半炭化物粉を得る請求項1に記載のバイオマス成型物の製造方法。
  3. 前記半炭化ステップでは、木質系バイオマスを220℃以上280℃以下に加熱して前記半炭化物を得る請求項1又は2に記載のバイオマス成型物の製造方法。
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